説明

木造板壁

【課題】施工が容易で、且つ、板壁面の強度が高い木造板壁の提供。
【解決手段】木造板壁Aは、下層群の表側落とし込み板41〜49および裏側落とし込み板と、中層群の表側落とし込み板51〜56および裏側落とし込み板と、上層群の表側落とし込み板61〜69および裏側落とし込み板とを、木製柱2、3の凹溝21、31間に落とし込み、各落とし込み板どうしが衝合する衝合面は、土台1の水平面に対して、右上がりの45°である。この木造板壁Aは、各層群の落とし込み板を落とし込んで出来る三角形により表側板壁面Hおよび裏側板壁面を構成しているので強度が高く、地震に対する耐久性が高いとともに、加工に手間がかからない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造家屋に用いる木造板壁に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、柱に形成した縦溝に、力板および力貫を落し込んで施工した木造板壁が開示されている。
特許文献2には、柱間に複数の貫を渡し、且つ貫間を力板により貫いて木造板壁を構成してなる木造軸組において、力板の端部を柱に形成した縦溝内に上下方向に変位可能に係合させ、且つ、力板と貫とをそれらの長さ方向に変位可能に連設せしめてそれらの間に木製のダボを介装してなる木造軸組が開示されている。
【特許文献1】特開2003−301542号公報
【特許文献2】特開2005−42549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の技術は、つぎの様な課題がある。
特許文献1の木造板壁は、長方形の板(力板、力貫)を縦溝に落し込む構造であるので耐力が低い。また、柱や板に対して複雑な加工(蟻、ほぞ穴、ダボ等)を施す必要があり手間がかかる。
特許文献2の木造軸組は、長方形の板(力板、貫)を縦溝に落し込む構造であるので、木造板壁の耐力が低い。また、柱、力板、および貫に対して複雑な加工(凹穴、楔、横側の凸部、下穴、上穴)を施す必要があるので手間がかかる。
【0004】
本発明の目的は、施工が容易で、且つ、板壁面の強度が高い木造板壁の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔請求項1について〕
木製の土台は、上面に凹溝が形成され、基礎の上で水平に固定されている。
木製柱は、柱外壁に形成した凹溝どうしが対向する様に、土台から複数本、立設している。
【0006】
木造板壁の完成後に板壁面の下層を形成する下層群の落とし込み板の、一方の板端を土台の凹溝に落とし込み、他方の板端を一方の木製柱の凹溝の下部に落とし込む。なお、これらの落とし込み板の形状は、三角およびそれぞれ大きさが異なる台形である。
【0007】
一方の木製柱と隣り合う他方の木製柱の凹溝の下部に、木造板壁の完成後に板壁面の中層を形成する中層群の落とし込み板の一方の板端を落とし込み、一方の木製柱の凹溝の上部に落とし込み板の他方の板端を落とし込む。なお、これらの落とし込み板の形状は、同じ形の平行四辺形である。
【0008】
他方の木製柱の凹溝の上部に、木造板壁の完成後に板壁面の上層を形成する上層群の落とし込み板の一方の板端を落とし込む。なお、これらの落とし込み板の形状は、それぞれ大きさが異なる台形および三角である。
【0009】
各層群の落とし込み板を順に落とし込み、上層群の最後の落とし込み板を落とし込んだ後に、一方の木製柱の上面および他方の木製柱の上面に当接する様に、木製の桁を水平に固定する。これにより、上層群の落とし込み板の他方の板端が桁の凹溝に嵌め込まれ、木造板壁が完成する。
【0010】
なお、木製柱、桁、および土台に形成する各凹溝は、落とし込み板の板厚と同じ溝幅である。また、落とし込み板どうしが衝合する衝合面は、土台の水平面に対して約45°(右上がりまたは左上がり)である。
衝合面が右上がりの場合は、一方の木製柱が右側、他方の木製柱が一方の木製柱の左側に位置する。また、衝合面が左上がりの場合は、一方の木製柱が左側、他方の木製柱が一方の木製柱の右側に位置する。
【0011】
木造板壁は、各層群の落とし込み板を落とし込んで出来る三角形により板壁面を構成しているので強度が高く、地震に対する耐久性が高い。
また、木製柱や落とし込み板に対して、著しく複雑な加工(蟻、ほぞ穴、ダボ等)を施す必要がないので加工に手間がかからず、木造板壁を安価に施工できる。
【0012】
〔請求項2について〕
木製の土台は、上面に凹溝が形成され、基礎の上で水平に固定されている。
木製柱は、柱外壁に形成した凹溝どうしが対向する様に、土台から複数本、立設している。
【0013】
木造板壁の完成後に表側板壁面の下層を形成する下層群の表側落とし込み板の、一方の板端を土台の凹溝に落とし込み、表側落とし込み板の他方の板端を一方の木製柱の凹溝の下部に落とし込む。なお、これらの表側落とし込み板の形状は、三角およびそれぞれ大きさが異なる台形である。
木造板壁の完成後に裏側板壁面の下層を形成する下層群の裏側落とし込み板の、一方の板端を土台の凹溝に落とし込み、一方の木製柱と隣り合う他方の木製柱の凹溝の下部に他方の板端を落とし込む。なお、これらの裏側落とし込み板の形状は、三角およびそれぞれ大きさが異なる台形である。
【0014】
一方の木製柱と隣り合う他方の木製柱の凹溝の下部に、木造板壁の完成後に表側板壁面の中層を形成する中層群の表側落とし込み板の一方の板端を落とし込み、一方の木製柱の凹溝の上部に、表側落とし込み板の他方の板端を落とし込む。なお、これらの表側落とし込み板の形状は、同じ形の平行四辺形である。
木造板壁の完成後に裏側板壁面の中層を形成する中層群の裏側落とし込み板の一方の板端を、一方の木製柱の凹溝の下部に落とし込み、裏側落とし込み板の他方の板端を他方の木製柱の凹溝の上部に落とし込む。なお、これらの裏側落とし込み板の形状は、同じ形の平行四辺形である。
【0015】
他方の木製柱の凹溝の上部に、木造板壁の完成後に表側板壁面の上層を形成する上層群の表側落とし込み板の一方の板端を落とし込む。なお、これらの表側落とし込み板の形状は、それぞれ大きさが異なる台形および三角である。
一方の木製柱の凹溝の上部に、木造板壁の完成後に裏側板壁面の上層を形成する上層群の裏側落とし込み板の一方の板端を落とし込む。なお、これらの裏側落とし込み板の形状は、それぞれ大きさが異なる台形および三角である。
【0016】
各層群の、表側落とし込み板および裏側落とし込み板を順に落とし込み、上層群の最後の表側・裏側落とし込み板を落とし込んだ後に、一方の木製柱の上面および他方の木製柱の上面に当接する様に、木製の桁を水平に固定する。これにより、上層群の表側・裏側落とし込み板の他方の板端が桁の凹溝に嵌め込まれ、木造板壁が完成する。
【0017】
なお、木製柱、桁、および土台に形成する各凹溝は、落とし込み板の板厚の二倍の溝幅である。また、落とし込み板どうしが衝合する衝合面は、土台の水平面に対して約45°(右上がりまたは左上がり)である。
衝合面が右上がりの場合は、一方の木製柱が右側、他方の木製柱が一方の木製柱の左側に位置する。また、衝合面が左上がりの場合は、一方の木製柱が左側、他方の木製柱が一方の木製柱の右側に位置する。
【0018】
木造板壁は、各層群の表側・裏側落とし込み板を落とし込んで出来る三角形により、二重の板壁面を構成しているので強度が高く、地震に対する耐久性が高い。
また、木製柱や落とし込み板に対して、著しく複雑な加工(蟻、ほぞ穴、ダボ等)を施す必要がないので加工に手間がかからず、木造板壁を安価に施工できる。
【0019】
〔請求項3について〕
柱近傍に位置する各板端部に、第1の防錆釘を斜めに打ち付けて、各落とし込み板を近傍の木製柱に固定する。
全ての、表側落とし込み板と、その表側落とし込み板の真裏に位置する裏側落とし込み板とを、第2の防錆釘の打ち付けにより固定する。
【0020】
第2の防錆釘の打ち付けにより、表側の板壁面と裏側の板壁面とが強固に接合され、且つ、第1の防錆釘により、各落とし込み板が木製柱に強固に固定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
木造板壁は、基礎(コンクリート製)の上で水平に固定される木製の土台と、柱外壁に形成した凹溝どうしが対向する向きに土台から立設させた木製柱と、下面に凹溝が形成され、後述する各層群の落とし込み板を順に落とし込んで板壁面を形成した後に、左側・右側の木製柱の上面に当接して水平に固定される木製の桁と、板左下端が土台の凹溝に落とし込まれ、板右上端が右側の木製柱の凹溝下部に落とし込まれる下層群の落とし込み板(例えば9枚)と、左側の木製柱の凹溝下部に板左下端が落とし込まれ、右側の木製柱の凹溝上部に板右上端が落とし込まれる中層群の落とし込み板(例えば6枚)と、左側の木製柱の凹溝上部に板左下端が落とし込まれ、桁の凹溝に板右上端が嵌め込まれる上層群の落とし込み板(例えば9枚)とを備える。
そして、木製柱、桁、および土台に形成する各凹溝は、落とし込み板の板厚と同じ溝幅であり、落とし込み板どうしが衝合する衝合面は、土台の水平面に対して、右上がりの45°である。
【0022】
この木造板壁は、各層群の落とし込み板を落とし込んで出来る三角形により板壁面を構成しているので強度が高く、地震に対する耐久性が高い。
また、木製柱や落とし込み板に対して、著しく複雑な加工(蟻、ほぞ穴、ダボ等)を施す必要がないので加工に手間がかからず、木造板壁を安価に施工できる。
【実施例1】
【0023】
本発明の実施例1(請求項1に対応)を、図1および図2に基づいて説明する。
木造板壁Aは、基礎Kの上で水平に固定される木製の土台1と、凹溝21、凹溝31どうしが対向する様に、土台1から立設する断面正方形の木製柱2、3と、表側板壁面Hおよび裏側板壁面Hbの下層を構成する下層群の表側落とし込み板41〜49および裏側落とし込み板41b〜49bと、表側板壁面Hおよび裏側板壁面Hbの中層を構成する中層群の表側落とし込み板51〜56および裏側落とし込み板51b〜56bと、表側板壁面Hおよび裏側板壁面Hbの上層を構成する上層群の表側落とし込み板61〜69および裏側落とし込み板61b〜69bと、表側板壁面Hおよび裏側板壁面Hbを形成した後に水平に固定される桁7と、柱近傍の板端部に斜めに打ち付けて、各落とし込み板を木製柱2、3に固定する防錆釘(第1の防錆釘)K1と、表側落とし込み板から裏側落とし込み板へ打ち付ける防錆釘(第2の防錆釘)K2とを備える。
なお、本実施例の木造板壁Aでは、各落とし込み板どうしが衝合する衝合面は、土台1の水平面に対して45°である。
【0024】
基礎Kは、鉄筋コンクリート製の布基礎である。
土台1は、各落とし込み板の板厚の二倍の溝幅の凹溝(図示せず)が上面に形成されている。
木製柱2、3(高さ2.8m、柱中心間の間隔が1.82m)の柱外壁には、凹溝21、31どうしが、互いに向き合う向きに、各落とし込み板の板厚の二倍の溝幅の凹溝21、31が上下方向に形成されている。
【0025】
桁7は、各落とし込み板の板厚の二倍の溝幅の凹溝(図示せず)が下面に形成され、下層、中層、上層群の表側・裏側落とし込み板を順に落とし込んで、表側板壁面Hおよび裏側板壁面Hbを形成した後に、木製柱2、3の上面に当接して水平に固定される。
【0026】
下層群の表側落とし込み板41〜49は、板左下端が土台1の凹溝に落とし込まれ、板右上端が木製柱2の凹溝21の下部に落とし込まれる。なお、最下位置の表側落とし込み板41の形状は三角であり、他の表側落とし込み板42〜49は、それぞれ大きさが増大していく台形である。
下層群の裏側落とし込み板41b〜49bは、板左下端が土台1の凹溝に落とし込まれ、板右上端が木製柱3の凹溝31の下部に落とし込まれる。なお、最下位置の裏側落とし込み板41bの形状は三角であり、他の裏側落とし込み板42b〜49bは、それぞれ大きさが増大していく台形である。
【0027】
中層群の表側落とし込み板51〜56は、板左下端が木製柱3の凹溝31の下部に落とし込まれ、板右上端が木製柱2の凹溝21の上部に落とし込まれる。なお、これら中層群の表側落とし込み板51〜56の形状は、全て同じ形の平行四辺形である。
中層群の裏側落とし込み板51b〜56bは、板左下端が木製柱2の凹溝21の下部に落とし込まれ、板右上端が木製柱3の凹溝3の上部に落とし込まれる。なお、これら中層群の裏側落とし込み板51b〜56bの形状は、全て同じ形の平行四辺形である。
【0028】
上層群の表側落とし込み板61〜69は、板左下端が木製柱3の凹溝31の上部に落とし込まれ、板右上端が桁7の凹溝に嵌め込まれる。なお、上層群の表側落とし込み板61〜68は、それぞれ大きさが減小していく台形であり、最上位置の表側落とし込み板69の形状は三角である。
上層群の裏側落とし込み板61b〜69bは、板左下端が木製柱2の凹溝21の上部に落とし込まれ、板右上端が桁7の凹溝に嵌め込まれる。なお、上層群の裏側落とし込み板61b〜68bは、それぞれ大きさが減小していく台形であり、最上位置の裏側落とし込み板69bの形状は三角である。
【0029】
防錆釘K1(CN50釘)は、落とし込み板、1枚に付き2本、柱近傍の板端部に斜めに、木製柱2、3に向かって打ち付け、下層、中層、上層群の表側・裏側落とし込み板を木製柱2、3に固定している。
また、防錆釘K2(CN50釘)は、落とし込み板、1枚に付き2本、下層、中層、上層群の、各表側落とし込み板から、その裏側に位置する裏側落とし込み板へ打ち付けることにより、表側落とし込み板と裏側落とし込み板とを接合している。
【0030】
なお、木造板壁Aを土壁にする場合には、表側板壁面Hおよび裏側板壁面Hbに網(ラスアミ等)を貼り、網に壁材を塗って仕上げる。
【0031】
実施例1は、下記の利点を有する。
木造板壁Aは、上層、中層、下層群の表側・裏側落とし込み板を落とし込んで出来る三角形により、表側板壁面Hおよび裏側板壁面Hb(二重)を形成しているので、日本の伝統的工法による木造板壁に比べて耐震強度が著しく向上するため、地震に対する耐久性が高く、ダメージを受け難く、倒壊を免れる。
本実施例の木造板壁Aでは、各落とし込み板どうしが衝合する衝合面を、土台1の水平面に対して45°にしているので、他の角度のものよりも強度を高くすることができる。
【0032】
木造板壁Aは、木製柱2、3や各落とし込み板に対して、著しく複雑な加工(蟻、ほぞ穴、ダボ等)を施す必要がないので加工に手間がかからず、安価に施工できる。なお、落とし込み板は、予め、全て工場で、所定寸法、所定形状に加工しておく。
また、表側板壁面Hおよび裏側板壁面Hbに網を貼り、網に壁材を塗って土壁にすれば、各落とし込み板どうしが衝合する衝合面が隠れ、見栄えが良い。
【0033】
下層群の表側落とし込み板49および中層群の表側落とし込み板51が木製柱3と土台1との角を跨がず、下層群の裏側落とし込み板49bおよび中層群の裏側落とし込み板51bが木製柱2と土台1との角を跨がず、中層群の表側落とし込み板56および上層群の表側落とし込み板61が木製柱2と桁7との角を跨がず、中層群の裏側落とし込み板56bおよび上層群の裏側落とし込み板61bが木製柱3と桁7との角を跨がない寸法に設計しているので、上記の落とし込み板の構造が複雑にならない。
【0034】
本発明は、上記実施例以外に、つぎの実施態様を含む。
a.図3に示す木造板壁Bの様に、土台から柱を三本、立設し、落とし込み板どうしが衝合する衝合面が約45°の板壁面を、各柱間に形成しても良い。板壁面は、表面だけでも良く、表面・裏面の二重構造でも良い。
また、図3の木造板壁Bの左右の板壁面において、約45°の衝合面の傾きは、同じ向きであっても、反対向きであっても良い。
【0035】
b.衝合面の角度は、45°に近ければ、45°以外でも良い。
c.各落とし込み板は、上部に凸条を形成(最上位置の板は除く)し、下部に凹溝を形成(最下位置の板は除く)しても良い。
d.本発明の木造板壁は、木造建築物の新築以外に、木造建築物の大規模な補強工事の際に採用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例1に係る木造板壁(表側)の構造を示す説明図である。
【図2】その木造板壁の裏側の構造を示す説明図である。
【図3】他の木造板壁の構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
A、B 木造板壁
H 表側板壁面(板壁面)
Hb 裏側板壁面(板壁面)
K 基礎
K1 防錆釘(第1の防錆釘)
K2 防錆釘(第2の防錆釘)
1 土台
21、31 凹溝
41〜49 下層群の表側落とし込み板
51〜56 中層群の表側落とし込み板
61〜69 上層群の表側落とし込み板
41b〜49b 下層群の裏側落とし込み板
51b〜56b 中層群の裏側落とし込み板
61b〜69b 上層群の裏側落とし込み板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に凹溝が形成され、基礎の上で水平に固定される木製の土台と、
該土台から複数本、立設し、柱外壁に形成した凹溝どうしが対向する木製柱と、
下面に凹溝が形成され、後述する各層群の落とし込み板を順に落とし込んで板壁面を形成した後に、複数の木製柱の上面に当接して水平に固定される木製の桁と、
一方の板端が前記土台の前記凹溝に落とし込まれ、他方の板端が一方の木製柱の前記凹溝の下部に落とし込まれる下層群の落とし込み板と、
前記一方の木製柱と隣り合う他方の木製柱の前記凹溝の下部に一方の板端が落とし込まれ、前記一方の木製柱の前記凹溝の上部に他方の板端が落とし込まれる中層群の落とし込み板と、
前記他方の木製柱の前記凹溝の上部に一方の板端が落とし込まれ、前記桁の前記凹溝に他方の板端が嵌め込まれる上層群の落とし込み板とを備える木造板壁であって、
前記木製柱、前記桁、および前記土台に形成する各凹溝は、落とし込み板の板厚と同じ溝幅であり、
落とし込み板どうしが衝合する衝合面は、前記土台の水平面に対して約45°であることを特徴とする木造板壁。
【請求項2】
上面に凹溝が形成され、基礎の上で水平に固定される木製の土台と、
該土台から複数本、立設し、柱外壁に形成した凹溝どうしが対向する木製柱と、
下面に凹溝が形成され、後述する各層群の、表側落とし込み板および裏側落とし込み板を順に落とし込んで、二重の板壁面を形成した後に、複数の木製柱の上面に当接して水平に固定される木製の桁と、
一方の板端が前記土台の前記凹溝に落とし込まれ、他方の板端が一方の木製柱の前記凹溝の下部に落とし込まれる下層群の表側落とし込み板と、
一方の板端が前記土台の前記凹溝に落とし込まれ、前記一方の木製柱と隣り合う他方の木製柱の前記凹溝の下部に他方の板端が落とし込まれる下層群の裏側落とし込み板と、
前記他方の木製柱の前記凹溝の下部に一方の板端が落とし込まれ、前記一方の木製柱の前記凹溝の上部に他方の板端が落とし込まれる中層群の表側落とし込み板と、
前記一方の木製柱の前記凹溝の下部に一方の板端が落とし込まれ、前記他方の木製柱の前記凹溝の上部に他方の板端が落とし込まれる中層群の裏側落とし込み板と、
前記他方の木製柱の前記凹溝の上部に一方の板端が落とし込まれ、前記桁の前記凹溝に他方の板端が嵌め込まれる上層群の表側落とし込み板と、
前記一方の木製柱の前記凹溝の上部に一方の板端が落とし込まれ、前記桁の前記凹溝に他方の板端が嵌め込まれる上層群の裏側落とし込み板とを備える木造板壁であって、
前記木製柱、前記桁、および前記土台に形成する各凹溝は、落とし込み板の板厚の二倍の溝幅を有し、
落とし込み板どうしが衝合する衝合面は、前記土台の水平面に対して約45°であることを特徴とする木造板壁。
【請求項3】
柱近傍の板端部に斜めに第1の防錆釘を打ち付けて、各落とし込み板を前記木製柱に固定し、
表側落とし込み板と裏側落とし込み板とを第2の防錆釘の打ち付けにより固定することを特徴とする請求項2に記載の木造板壁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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