説明

本人認証支援装置及び方法

【課題】ユーザから受け付けた写真データがユーザ本人である蓋然性が高いことを簡易的に確認させることができる本人認証支援装置及び方法を提供すること。
【解決手段】本人認証支援装置1は、ユーザから第1の写真データを受け付ける第1受付部11と、複数のポーズを示す情報を予め記憶するポーズDB21と、ポーズDB21から、1以上の任意のポーズを示す情報を選択するポーズ選択部12と、ユーザに、選択されたポーズを示す情報に対応する第2の写真データの提出を要求する要求部13と、要求部13により第2の写真データの提出を要求したことに応じて、ユーザから第2の写真データを受け付ける第2受付部14と、第1の写真データ及び第2の写真データを出力する出力部15と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本人認証支援装置及び方法に関する。より詳細には、ユーザから受け付ける写真データが当該ユーザ本人を示す写真データであるかの認証を支援する本人認証支援装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、結婚を希望する男性・女性に対して結婚を前提とした出会いを提供するサービスが注目されている。
【0003】
このようなサービスを提供するために、例えば、特許文献1には、サービスを利用するユーザの個人情報として、ユーザを示す画像や、年齢、住所等の情報を予め記憶しておき、ユーザが、理想とする異性の年齢、住所等の複数の条件を入力することにより、この条件に合致する異性を紹介する方法が提案されている。
【0004】
また、特許文献1では、ユーザの顔を示す写真等の画像の入力を受け付け、この画像に対応する顔のタイプを記憶しておき、顔のタイプを検索条件とする方法が提案されている。よって、特許文献1に記載の方法は、ユーザが理想とする顔のタイプに一致又は類似する異性を紹介することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−040607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、ユーザが提出する画像の入力を受け付ける際に、何ら制限を設けていない。よって、特許文献1に記載の方法では、ユーザが、他ユーザに紹介されることを目的として、モデル等の他人の画像を使用してユーザ本人の画像として入力することを防止できないという問題がある。
【0007】
これに対し、例えば、免許証等の写真つきの公文書の入力を通信ネットワークを介して受け付けることにより、ユーザが他人の画像を使用することを防ぐ方法が考えられる。しかしながら、通信ネットワークを介して公文書を送信する方法は、多くのユーザに抵抗感を与えることが懸念され、サービス利用の低下につながってしまう可能性がある。
【0008】
よって、ユーザから受け付けた写真データがユーザ本人である蓋然性が高いことを簡易的に確認することができる方法が求められている。
【0009】
本発明は、ユーザから受け付けた写真データがユーザ本人である蓋然性が高いことを簡易的に確認させることができる本人認証支援装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)ユーザから受け付ける写真データが前記ユーザを示す写真データであるかの認証を支援する本人認証支援装置であって、ユーザから第1の写真データを受け付ける第1受付手段と、複数のポーズを示す情報を予め記憶するポーズ記憶手段と、前記ポーズ記憶手段から、1以上の任意のポーズを示す情報を選択するポーズ選択手段と、前記ユーザに、選択された前記ポーズを示す情報に対応する第2の写真データの提出を要求する要求手段と、前記要求手段により、前記第2の写真データの提出を要求したことに応じて、前記ユーザから前記第2の写真データを受け付ける第2受付手段と、前記第1の写真データ及び前記第2の写真データを出力する出力手段と、を備える本人認証支援装置。
【0011】
(1)の本人認証支援装置は、ポーズ選択手段により、ポーズ記憶手段から、1以上の任意のポーズを示す情報を選択し、要求手段により、ユーザに、選択されたポーズを示す情報に対応する第2の写真データの提出を要求し、第2受付手段により、ユーザから第2の写真データを受け付け、出力手段により、第1の写真データ及び第2の写真データを出力する。
【0012】
ここで、第2の写真データは、任意のポーズを示す情報に対応するものである。よって、ユーザが他人の写真を使用して第1の写真を提出した場合には、当該ユーザはこのポーズを示す情報に対応する他人の写真データを即座に用意することが困難となる。これに対し、ユーザがユーザ自身の写真を用いて第1の写真を提出した場合には、このポーズを示す情報に対応するユーザ自身の写真データを即座に用意することは、他人の写真データを即座に用意することに比べて容易である。
【0013】
よって、(1)の本人認証支援装置は、ポーズ選択手段が選択したポーズを示す情報に対応した第2の写真データを受け付け、第1の写真データと第2の写真データを出力することにより、本人認証支援装置を使用する管理者に、第1の写真データと第2の写真データとが同一人物の肖像であるか否かを確認させることができる。両者を比較して、同一人物の肖像であると推認できる場合、第1の写真はユーザ本人のものである蓋然性が高いので、(1)の本人認証支援装置は、ユーザから受け付けた第1の写真データがユーザ本人である蓋然性が高いことを簡易的に確認させることができる。
【0014】
また、(1)の本人認証支援装置は、選択されるポーズを示す情報を多様とすることで、任意のポーズを示す情報に対応する他人の写真データをユーザに即座に用意させることを困難にすることができ、結果として、ユーザが他人の画像を使用して第1の写真データとして不正に入力することを防ぐことができる。
【0015】
(2)前記第1の写真データと前記第2の写真データとが類似しているか否かを判定する判定手段をさらに備え、前記出力手段は、前記第1の写真データ及び前記第2の写真データと、前記判定手段の判定結果とを出力する(1)に記載の本人認証支援装置。
【0016】
(2)の本人認証支援装置は、判定手段により、第1の写真データと第2の写真データとが類似しているか否かを判定し、出力手段により、第1の写真データ及び第2の写真データと、判定手段の判定結果とを出力する。よって、本人認証支援装置は、この判定結果を出力して、本人認証を支援することができる。
【0017】
(3)通信ネットワークを介して接続可能なWebサイトからクローリングして得られた画像データを記憶する画像記憶手段と、前記第1受付手段が前記第1の写真データを受け付けたことに応じて、前記画像記憶手段から、前記第1の写真データと類似する画像データを検索する検索手段と、前記検索手段により検索された前記類似する画像データについて、前記複数のポーズを示す情報のうち対応するポーズを示す情報を決定するポーズ決定手段と、をさらに備え、前記ポーズ選択手段は、前記ポーズ記憶手段から、前記ポーズ決定手段により決定されたポーズを示す情報と異なる1以上の任意のポーズを選択する(1)又は(2)に記載の本人認証支援装置。
【0018】
(3)の本人認証支援装置は、検索手段により、画像記憶手段から、第1の写真データと類似する画像データを検索し、ポーズ決定手段により、検索手段により検索された類似する画像データに対応するポーズを示す情報を決定する。そして、(3)の本人認証支援装置は、ポーズ選択手段により、ポーズ記憶手段から、ポーズ決定手段により決定されたポーズを示す情報と異なる1以上の任意のポーズを選択する。
【0019】
このようにすることで、(3)の本人認証支援装置は、Webサイトからクローリングして得られた画像データのうち、第1の写真データに類似する画像データを検索することで、ユーザがWebサイトから収集した画像データを第1の写真データとして提出した場合に、それを確認することができる。また、(3)の本人認証支援装置は、検索された画像データに対応するポーズを示す情報とは異なるものを第2の写真データに対応するポーズを示す情報とするので、ユーザがWebサイトから収集した他人の画像を第1の写真データとして提出した場合には、要求されたポーズを有する第2の写真データを即座に用意することは困難なものとなるので好適である。
【0020】
(4)ユーザから受け付ける写真データが前記ユーザを示す写真データであることの認証を支援する本人認証支援装置が実行する方法であって、前記本人認証支援装置は、複数のポーズを示す情報を予め記憶するポーズ記憶手段を備え、ユーザから第1の写真データを受け付ける第1受付ステップと、前記ポーズ記憶手段から、1以上の任意のポーズを示す情報を選択するポーズ選択ステップと、前記ユーザに、選択された前記ポーズを示す情報に対応する第2の写真データの提出を要求する要求ステップと、前記要求ステップにおいて、前記第2の写真データの提出を要求したことに応じて、前記ユーザから前記第2の写真データを受け付ける第2受付ステップと、前記第1の写真データ及び前記第2の写真データを出力する出力ステップと、を備える方法。
【0021】
(4)に記載の方法によれば、(1)の装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ユーザから受け付けた写真データがユーザ本人である蓋然性が高いことを簡易的に確認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係る本人認証支援装置の機能概要を示す図である。
【図2】第1実施形態に係るポーズDBを示す図である。
【図3】第1実施形態に係る本人認証支援装置の制御部における処理を示すフローチャートである。
【図4】ユーザから受け付けた第1の写真データを示す例である。
【図5】ユーザから受け付けた第2の写真データを示す例である。
【図6】第2実施形態に係る本人認証支援装置の機能概要を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る本人認証支援装置の制御部における処理を示すフローチャートである。
【図8】第3実施形態に係る本人認証支援装置の機能概要を示す図である。
【図9】第3実施形態に係る画像DBを示す図である。
【図10】第3実施形態に係る本人認証支援装置の制御部における処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
以下、本実施形態について図を参照しながら説明する。
【0025】
[機能構成]
図1は、第1実施形態に係る本人認証支援装置1の機能概要を示す図である。本人認証支援装置1は、通信ネットワークを介して、ユーザ端末2に接続可能であり、結婚を前提とした出会いを提供する結婚相談サービスのWebサイト(以下、単にWebサイトという)において、ユーザ端末2のユーザから受け付ける写真データが当該ユーザ本人を示す写真データであるかの認証を支援するサーバである。
【0026】
第1実施形態は、コンピュータ(本人認証支援装置1及びユーザ端末2)及びその周辺装置に適用される。第1実施形態における各部は、コンピュータ及びその周辺装置が備えるハードウェア並びにこのハードウェアを制御するソフトウェアによって構成される。
【0027】
上記ハードウェアには、制御部10としてのCPUの他、記憶部20、通信部、表示部及び入力部が含まれる。記憶部20としては、例えば、メモリ(RAM、ROM等)、ハードディスクドライブ(HDD)及び光ディスク(CD、DVD等)ドライブが挙げられる。通信部としては、例えば、各種有線及び無線インターフェース装置が挙げられる。表示部としては、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の各種ディスプレイが挙げられる。入力部としては、例えば、キーボード及びポインティング・デバイス(マウス、トラッキングボール等)が挙げられる。
【0028】
上記ソフトウェアには、上記ハードウェアを制御するコンピュータ・プログラムやデータが含まれる。コンピュータ・プログラムやデータは、記憶部20により記憶され、制御部10により適宜実行、参照される。また、コンピュータ・プログラムやデータは、通信ネットワークを介して配布することも可能であり、CD−ROM等のコンピュータ可読媒体に記録して配布することも可能である。
【0029】
本人認証支援装置1の制御部10は、第1受付部11(第1受付手段)と、ポーズ選択部12(ポーズ選択手段)と、要求部13(要求手段)と、第2受付部14(第2受付手段)と、出力部15と、を備える。また、本人認証支援装置1の記憶部20は、ポーズDB(データベース)21(ポーズ記憶手段)を備える。
【0030】
第1受付部11は、ユーザから第1の写真データを受け付ける。具体的には、第1受付部11は、ユーザ端末2より結婚相談サービスを利用するユーザが、Webサイトにおいてユーザ登録処理に係る操作を行ったことに応じて、第1の写真データを受け付けるWebページをユーザ端末2に送信し、ユーザ端末2の表示部に表示させる。続いて、第1受付部11は、このWebページを介して、ユーザ端末2から第1の写真データを受け付けることにより、ユーザから第1の写真データを受け付ける。
ここで、第1の写真データは、結婚相談サービスにおいて、サービスを利用するユーザに公開される写真データである。
【0031】
ポーズ選択部12は、ポーズDB21から、1以上の任意のポーズを示す情報を選択する。具体的には、ポーズ選択部12は、第1受付部11によりユーザから第1の写真データを受け付けたことに応じて、ポーズDB21から、1以上の任意のポーズを示す情報を選択する。
【0032】
図2は、第1実施形態に係るポーズDB21を示す図である。ポーズDB21は、複数のポーズ(例えば、右手Vサインや右目ウインク)を示す情報を予め記憶する。
【0033】
図1に戻り、要求部13は、ユーザに、選択されたポーズを示す情報に対応する第2の写真データの提出を要求する。具体的には、要求部13は、ポーズ選択部12により1以上の任意のポーズを示す情報が選択されたことに応じて、選択されたポーズを示す情報に対応する第2の写真データを要求するWebページをユーザ端末2に送信し、ユーザ端末2の表示部に表示させることにより、ユーザに第2の写真データの提出を要求する。
【0034】
なお、第1実施形態では、要求部13は、Webページを送信することで第2の写真データの提出を要求することとしたが、これに限らない。例えば、要求部13は、電子メールをユーザ端末2に送信することにより、ユーザに対して第2の写真データの提出を要求することとしてもよい。
【0035】
第2受付部14は、要求部13により、第2の写真データの提出を要求したことに応じて、ユーザから第2の写真データを受け付ける。具体的には、第2受付部14は、要求部13により送信され、ユーザ端末2の表示部に表示された第2の写真データを要求するWebページを介して、ユーザ端末2から第2の写真データを受け付けることにより、ユーザから第2の写真データを受け付ける。
【0036】
出力部15は、第1の写真データ及び第2の写真データを出力する。具体的には、出力部15は、第1の写真データ及び第2の写真データを本人認証支援装置1の表示部に表示させることで、第1の写真データ及び第2の写真データを出力する。
【0037】
なお、第1実施形態では、出力部15は、第1の写真データ及び第2の写真データを本人認証支援装置1の表示部に表示させることで、第1の写真データ及び第2の写真データを出力することとしたが、これに限らない。例えば、出力部15は、第1の写真データ及び第2の写真データを、記憶部20に出力してもよいし、通信ネットワークを介して接続された外部装置に対して出力してもよい。
【0038】
[処理フロー]
図3は、第1実施形態に係る本人認証支援装置1の制御部10における処理を示すフローチャートである。
【0039】
ステップS1(第1受付ステップ)において、制御部10(第1受付部11)は、ユーザから第1の写真データを受け付ける。具体的には、制御部10(第1受付部11)は、ユーザ端末2の表示部に表示された、第1の写真データを受け付けるWebページを介して、ユーザ端末2のユーザから第1の写真データを受け付ける。
【0040】
図4は、ユーザ端末2のユーザから受け付けた第1の写真データを示す例である。図4では、第1の写真データは人物の肖像を含んでいることが確認できるものの、これだけでは、当該第1の写真データが含んでいる肖像P1が、ユーザ端末2のユーザ本人の肖像であるか確認することはできない。
【0041】
図3に戻り、ステップS2において、制御部10は、受け付けた第1の写真データの一次チェックを行い、一次チェックを通過したか否かの判定を行う。これは本実施形態において、必須のものではないが、本人認証支援装置1を運用するに際に、第2の写真データの要求を行う対象となるケースを絞り込む意義がある。
【0042】
例えば、制御部10は、受け付けた第1の写真データに、電子透かしが埋め込まれている場合、この電子透かしを読み取って登録希望者の識別情報等を読み出してチェックを行ったり、受け付けた第1の写真データが、既に登録しているユーザや著名人の顔写真と酷似しているか否かのチェックを行ったりする。なお、一次チェックは、これらの方法に限らず、本人認証支援装置1において行ってもよいし、適宜他のシステムの利用、あるいは、目視による写真データの照合等による判定結果の入力を受け付けることにより実施しても良い。制御部10は、この判定がYES、すなわち、一次チェックにおいて、これ以降の本人認証は不要と判断した場合には、処理を終了し、この判定がNO、すなわち、更なる本人認証が必要と判定した場合にはステップ3に処理を移す。
【0043】
ステップS3(ポーズ選択ステップ)において、制御部10(ポーズ選択部12)は、ステップS1において、第1の写真データが受け付けられ、ステップS2において、更なる本人認証が必要と判定したことに応じて、ポーズDB21から、1以上の任意のポーズを示す情報を選択する。
【0044】
ステップS4(要求ステップ)において、制御部10(要求部13)は、ユーザに、選択されたポーズを示す情報に対応する第2の写真データの提出を要求する。具体的には、制御部10(要求部13)は、ステップS3において選択されたポーズを示す情報に対応する第2の写真データを要求するWebページをユーザ端末2に送信し、ユーザ端末2の表示部に表示させることにより、第2の写真データの提出を要求する。ここでは、第2の写真データとして、図2で示す「両手Vサイン」に対応する写真データを要求しているものとして、説明を続ける。
【0045】
ステップS5(第2受付ステップ)において、制御部10(第2受付部14)は、ステップS4において、第2の写真データの提出を要求したことに応じて、ユーザから第2の写真データを受け付ける。具体的には、制御部10(第2受付部14)は、ユーザ端末2の表示部に表示された、第2の写真データを要求するWebページを介して、ユーザから第2の写真データを受け付ける。
【0046】
ステップS6(出力ステップ)において、制御部10(出力部15)は、第1の写真データ及び第2の写真データを出力する。具体的には、制御部10(出力部15)は、ステップS1において受け付けた第1の写真データ及びステップS5において受け付けた第2の写真データを出力する。
【0047】
以上のように、第1実施形態によれば、本人認証支援装置1は、ポーズ選択部12により、ポーズDB21から、1以上の任意のポーズを示す情報を選択し、要求部13により、ユーザに、選択されたポーズを示す情報に対応する第2の写真データの提出を要求し、第2受付部14により、ユーザから第2の写真データを受け付け、出力部15により、第1の写真データ及び第2の写真データを出力する。
【0048】
図5は、ユーザ端末2のユーザから受け付けた第2の写真データを示す例である。上述のとおり、本人認証支援装置1は、図4に示す写真及び図5に示す写真の双方を、出力部15が出力する。本人認証支援装置1を使用する管理者は、例えばディスプレイに表示された図4及び図5に示す写真を、直接視認することにより、本人認証を行う。
【0049】
具体的には、図5の例では、第2の写真データのポーズは要求された「両手Vサイン」のポーズを示す写真であるので、当該管理者は、制御部10(要求部13)からの要求に対応していることが分かる。なお、この確認を行うために、本人認証支援装置1は、ポーズの要求時に要求したポーズにかかる情報を要求したユーザを識別する情報と共に記憶しておき、写真データの出力の際に、当該要求したポーズに係る情報を写真データと併せて出力すると好適である。
【0050】
さらに、本人認証支援装置1を使用する管理者は、第1の写真データが含む肖像と第2の写真データが含む肖像を比較することにより、これらが同一人物であるかの推測を行うことができる。図5の例では、図4の肖像P1と図5の肖像P2が互いに類似していることから、本人認証支援装置1を使用する管理者は、同一の人物にかかる写真データであることが推測できる。
【0051】
すなわち、本人認証支援装置1は、第1の写真データに加えてポーズを指定した第2の写真データをユーザに要求し、これらが同一人物の肖像であることが推認できる情報を出力することをもって、管理者によるユーザ端末2の本人認証を支援することができるのである。すなわち、本人認証支援装置1は、免許証やパスポート等、写真付の証明書等を要求することなく、ポーズを指定した第2の写真データを要求することにより、簡易な手段で受け付けた写真がユーザ端末2のユーザ本人であることの蓋然性が高いことを本人認証支援装置1の管理者に確認させることができることになる。
【0052】
ここで、第2の写真データは、制御部10(要求部13)からの要求された任意のポーズを示す情報に対応するものである。よって、ユーザは、他人の写真を使用して第1の写真データを提出した場合、要求されたポーズを示す情報に対応する他人の写真データ(第2の写真データ)を即座に用意することが困難となる。これに対し、ユーザがユーザ自身の写真を用いて第1の写真を提出した場合、ユーザは、要求されたポーズを示す情報に対応するユーザ自身の写真データを即座に用意することが、他人の写真データを即座に用意することに比べて容易である。
【0053】
よって、本人認証支援装置1は、ポーズ選択部12が選択したポーズを示す情報に対応した第2の写真データを受け付け、第1の写真データと第2の写真データを出力することにより、本人認証支援装置1の管理者に、第1の写真データと第2の写真データとが含む肖像が同一人物のものであるか否かを確認させることができる。また、第1の写真データと第2の写真データとに示される肖像が互いに類似していること等に基づいて同一人物の肖像であると推認できる場合、第1の写真データはユーザ本人のものである蓋然性が高い。したがって、本人認証支援装置1は、ユーザから受け付けた第1の写真データがユーザ本人である蓋然性が高いことを、本人認証支援装置1を使用する管理者に簡易的に確認させることができる。
【0054】
また、本人認証支援装置1は、選択されるポーズを示す情報を多様とすることで、任意のポーズを示す情報に対応する他人の写真データをユーザに即座に用意させることを困難にすることができ、結果として、ユーザが他人の画像を使用して第1の写真データとして不正に提出することを防ぐことができる。
【0055】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について図を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0056】
[機能構成]
図6は、第2実施形態に係る本人認証支援装置1Aの機能概要を示す図である。
本人認証支援装置1Aは、制御部10Aと、記憶部20とを備える。制御部10Aは、第1実施形態の制御部10が備える機能に加えて、判定部16(判定手段)を備える。
【0057】
判定部16は、第1の写真データと第2の写真データとが類似しているか否かを判定する。具体的には、判定部16は、第1の写真データ及び第2の写真データそれぞれについて、顔領域を抽出し、この抽出された顔領域について、特徴量を算出する。続いて、判定部16は、第1の写真データの顔領域の特徴量と、第2の写真データの顔領域の特徴量との差異が所定の値以下である場合に、第1の写真データと第2の写真データとが類似していると判定し、所定の値より大きい場合に、第1の写真データと第2の写真データとが類似していないと判定する。
【0058】
出力部15Aは、第1の写真データ及び第2の写真データと、判定部16の判定結果とを出力する。具体的には、出力部15Aは、第1の写真データ及び第2の写真データと、判定部16の判定結果とを本人認証支援装置1Aの表示部に表示させることで、第1の写真データ及び第2の写真データを出力する。
【0059】
第1受付部11と、ポーズ選択部12と、要求部13と、第2受付部14とは、第1実施形態と同様である。また、記憶部20は、第1実施形態と同様である。
【0060】
[処理フロー]
図7は、第2実施形態に係る本人認証支援装置1Aの制御部10Aにおける処理を示すフローチャートである。
【0061】
ステップS11からステップS15までの処理は、第1実施形態のステップS1からステップS5までの処理と同様である。
【0062】
ステップS16において、制御部10A(判定部16)は、第1の写真データと第2の写真データとが類似しているか、判定する。具体的には、制御部10A(判定部16)は、第1の写真データ及び第2の写真データそれぞれについて、顔領域を抽出し、この抽出された顔領域について、特徴量を算出する。続いて、制御部10A(判定部16)は、この特徴量に基づいて、第1の写真データと第2の写真データとが類似しているかを判定する。
【0063】
ステップS17において、制御部10A(出力部15A)は、第1の写真データ及び第2の写真データと判定結果とを出力する。具体的には、制御部10A(出力部15A)は、ステップS11において受け付けた第1の写真データ及びステップS15において受け付けた第2の写真データと、ステップS16における判定結果とを出力する。
【0064】
以上のように、第2実施形態によれば、本人認証支援装置1Aは、判定部16により、第1の写真データと第2の写真データとが類似しているか否かを判定し、出力部15Aにより、第1の写真データ及び第2の写真データと、判定部16の判定結果とを出力する。よって、本人認証支援装置1Aは、この判定結果を出力して、本人認証を支援することができる。
【0065】
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態について図を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0066】
[機能構成]
図8は、第3実施形態に係る本人認証支援装置1Bの機能概要を示す図である。
本人認証支援装置1Bは、制御部10Bと、記憶部20Bとを備える。制御部10Bは、第1実施形態の制御部10が備える機能に加えて、検索部17(検索手段)と、ポーズ決定部18(ポーズ決定手段)とを備える。
【0067】
検索部17は、第1受付部11が第1の写真データを受け付けたことに応じて、画像DB22から、第1の写真データと類似する画像データを検索する。具体的には、検索部17は、第1の写真データの特徴量を算出し、この特徴量に類似する特徴量を有する画像を画像DB22から検索する。
【0068】
なお、検索部17は、上述の検索方法に限らず、例えば、ユーザ端末2のユーザから予め受け付けたユーザの名称が、画像に対応するTITLE属性やALT属性(後述の図9参照)に含まれるか否かを判定して、第1の写真データと類似する画像データを検索してもよい。
【0069】
図9は、第3実施形態に係る画像DB22を示す図である。画像DB22は、通信ネットワークを介して接続可能なWebサイトからクローリングして得られた画像データを記憶する。具体的には、画像DB22は、画像データと、この画像データが表示されていたWebページのTITLE属性と、このWebページにおいて画像を閲覧することができない場合に代替テキストとして表示される情報であるALT属性等を記憶する。なお、Webサイトのクローリングは、通信ネットワークを介して接続可能な外部装置が行ってもよいし、本人認証支援装置1Bが行ってもよい。
【0070】
図8に戻り、ポーズ決定部18は、検索部17により検索された第1の写真データと類似する画像データについて、複数のポーズを示す情報のうち対応するポーズを示す情報を決定する。具体的には、ポーズ決定部18は、検索部17により検索された第1の写真データと類似する画像データについて、画像の解析を行い、この画像データに示される人物がとっているポーズを示す情報を決定する。
【0071】
ポーズ選択部12Bは、ポーズDB21から、ポーズ決定部18により決定されたポーズを示す情報と異なる1以上の任意のポーズを選択する。
【0072】
第1受付部11と、要求部13と、第2受付部14と、出力部15とは、第1実施形態と同様である。
【0073】
[処理フロー]
図10は、第3実施形態に係る本人認証支援装置1Bの制御部10Bにおける処理を示すフローチャートである。
【0074】
ステップS21及びステップS22の処理は、第1実施形態のステップS1及びステップS2の処理と同様である。
【0075】
ステップS23において、制御部10B(検索部17)は、ステップS21において写真データを受け付け、ステップS22において、更なる本人認証が必要と判定したことに応じて、画像DB22から、第1の写真データと類似する画像データを検索する。
【0076】
ステップS24において、制御部10B(ポーズ決定部18)は、ステップS23において検索された第1の写真データと類似する画像データについて、複数のポーズを示す情報のうち対応するポーズを示す情報を決定する。
【0077】
ステップS25において、制御部10B(ポーズ選択部12B)は、ポーズDB21から、ステップS24において決定されたポーズを示す情報と異なる1以上の任意のポーズを選択する。
【0078】
ステップS26からステップS28の処理は、第1実施形態のステップS4からステップS6までの処理と同様である。
【0079】
以上のように、第3実施形態によれば、本人認証支援装置1Bは、検索部17により、画像DB22から、第1の写真データと類似する画像データを検索し、ポーズ決定部18により、検索部17により検索された第1の写真データと類似する画像データに対応するポーズを示す情報を決定する。そして、本人認証支援装置1Bは、ポーズ選択部12Bにより、ポーズDB21から、ポーズ決定部18により決定されたポーズを示す情報と異なる1以上の任意のポーズを選択する。
【0080】
このようにすることで、本人認証支援装置1Bは、Webサイトからクローリングして得られた画像データのうち、第1の写真データと類似する画像データを検索することで、ユーザがWebサイトから収集した画像データを第1の写真データとして提出した場合に、それを確認することができる。本人認証支援装置1Bは、検索部17により検索された画像データに対応するポーズを示す情報とは異なるものを第2の写真データに対応するポーズを示す情報とする。よって、ユーザがWebサイトから収集した他人の画像を含む第1の写真データを提出した場合には、要求されたポーズを有する第2の写真データをユーザが即座に用意することは困難なものとなる。したがって、本人認証支援装置1Bは、ユーザが他人の画像を使用して第1の写真データとして不正に入力することをさらに防ぐことができるので好適である。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。本発明は、第1実施形態から第3実施形態それぞれにおいて有する機能を組み合わせて実施してもよい。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0082】
1、1A、1B 本人認証支援装置
10、10A、10B 制御部
11 第1受付部
12、12B ポーズ選択部
13 要求部
14 第2受付部
15、15A 出力部
16 判定部
17 検索部
18 ポーズ決定部
20、20B 記憶部
21 ポーズDB
22 画像DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから受け付ける写真データが前記ユーザを示す写真データであるかの認証を支援する本人認証支援装置であって、
ユーザから第1の写真データを受け付ける第1受付手段と、
複数のポーズを示す情報を予め記憶するポーズ記憶手段と、
前記ポーズ記憶手段から、1以上の任意のポーズを示す情報を選択するポーズ選択手段と、
前記ユーザに、選択された前記ポーズを示す情報に対応する第2の写真データの提出を要求する要求手段と、
前記要求手段により、前記第2の写真データの提出を要求したことに応じて、前記ユーザから前記第2の写真データを受け付ける第2受付手段と、
前記第1の写真データ及び前記第2の写真データを出力する出力手段と、を備える本人認証支援装置。
【請求項2】
前記第1の写真データと前記第2の写真データとが類似しているか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記第1の写真データ及び前記第2の写真データと、前記判定手段の判定結果とを出力する請求項1に記載の本人認証支援装置。
【請求項3】
通信ネットワークを介して接続可能なWebサイトからクローリングして得られた画像データを記憶する画像記憶手段と、
前記第1受付手段が前記第1の写真データを受け付けたことに応じて、前記画像記憶手段から、前記第1の写真データと類似する画像データを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された前記類似する画像データについて、前記複数のポーズを示す情報のうち対応するポーズを示す情報を決定するポーズ決定手段と、をさらに備え、
前記ポーズ選択手段は、
前記ポーズ記憶手段から、前記ポーズ決定手段により決定されたポーズを示す情報と異なる1以上の任意のポーズを選択する請求項1又は2に記載の本人認証支援装置。
【請求項4】
ユーザから受け付ける写真データが前記ユーザを示す写真データであることの認証を支援する本人認証支援装置が実行する方法であって、
前記本人認証支援装置は、複数のポーズを示す情報を予め記憶するポーズ記憶手段を備え、
ユーザから第1の写真データを受け付ける第1受付ステップと、
前記ポーズ記憶手段から、1以上の任意のポーズを示す情報を選択するポーズ選択ステップと、
前記ユーザに、選択された前記ポーズを示す情報に対応する第2の写真データの提出を要求する要求ステップと、
前記要求ステップにおいて、前記第2の写真データの提出を要求したことに応じて、前記ユーザから前記第2の写真データを受け付ける第2受付ステップと、
前記第1の写真データ及び前記第2の写真データを出力する出力ステップと、を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−14233(P2012−14233A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147289(P2010−147289)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】