説明

材料を分注するための機器

歯科材料を保存及び分注するためのカプセル。カプセルは、歯科材料用のカートリッジ、及びノズルを備える。ノズルは、カートリッジに対して、保存するためにカプセルが閉じる第1の位置と、歯科材料を分注するためにカプセルが開く第2の位置との間で、旋回可能である。ノズル及びカートリッジのうちの一方は、ベアリングメンバを備え、ノズル及びカートリッジのうちの他方は、ベアリングシェルを備え、ベアリングメンバ及びベアリングシェルは、ピボットを形成する。第1の位置から第2の位置にノズルを旋回させるときの、ベアリングメンバとベアリングシェルとの間のシールが改良されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体又はペーストなどの材料を保存及び分注するためのカプセルに関する。特に本発明は、材料の、混合する2つ以上の構成要素のためのカプセルに関する。該材料は、例えば、印象材、仮修復材料又は充填材などの、歯科材料であり得る。
【背景技術】
【0002】
歯科では、1つの構成要素又は混合する2つ若しくはそれ以上の構成要素からなる歯科材料の調製及び/又は供給のために、様々なカプセルが既知である。単一構成要素カプセル、粉末/液体カプセル、及びペースト/ペーストカプセルがある。
【0003】
コンピューレは、カニューレ、カニューレへの開口部を前部に有し1つの構成要素材を含有する単一チャンバ、チャンバの後部に位置するピストンを有する、カプセルである。このようなコンピューレは、例えば、3M ESPEから市販の汎用充填材フィルテック(Filtek)(商標)スプリーム(Supreme)及び汎用複合材フィルテック(Filtek)(商標)Z250を含むことができる。使用のために、該カプセルは、例えば、カプセルディスペンサーとして3M ESPEから商品番号5706 SDで市販又はセントリックス(Centrix)マーク(Mark)IIIp(商標)で市販されている、アプリケーターに挿入しなければならない。これらの既知のアプリケーターはそれぞれ、取っ手、取り外し可能な形でコンピューレを受けるホルダー、プランジャ、及びプランジャ用のドライブ機構を備えた本体を有する。カプセルがホルダーに位置し、ドライブ機構が手動で作動する場合、プランジャが初めにピストンを圧迫し、これを前方に押すように、ドライブ機構は、プランジャを後部からチャンバに押し出す。材料は、ピストンの前進のため、カニューレを通してチャンバから分注される。
【0004】
液体/粉末カプセルは、使用時まで互いに分けて保持しなければならない液体構成要素及び粉末構成要素を含有する。このような液体/粉末カプセルは、例えば、3M ESPEからアプリカップ(Aplicap)(商標)及びマキシーカップ(Maxicap)(商標)の名称で市販されている。これらのカプセルは、例えば、混合されるべき2つの構成要素を含有する。構成要素は、例えば、グラスアイオノマー充填材ケタック(Ketac)(商標)モル(Molar)、若しくは光重合型グラスアイオノマー充填材フォタック(Photac)(商標)フィルクイック(Fil Quick)、又は銀強化グラスアイオノマー充填材ケタック(Ketac)(商標)銀モルなどの充填材、又は例えば、粘着性ユニバーサル複合型接着セメント、リライエックス(RelyX)(商標)ユニセム(Unicem)若しくは粘着性複合型接着セメントコンポルート(Compolute)(商標)又はグラスアイオノマー接着セメントケタック(Ketac)(商標)セム(Cem)などの接着セメントに関係したものであってもよい。
【0005】
これらの既知のカプセルは、カニューレと、粉末を含み、前部でカニューレに開く大きな混合チャンバと、混合チャンバにおいて、後部に位置するピストンと液体を含み、チャンバのシェル又は外壁において穴を覆うフォイル袋と、を有する。カプセルを使用するために、まず、穴付近でフォイル袋が裂け、液体が混合チャンバ内に押し出されるように、フォイル袋に適切な方法で圧力を加えることにより始動する。混合チャンバは、2つの構成要素を合わせた容量よりも大きく、例えば、3M ESPEから市販のカプセル混合装置ロトミックスT(RotoMixT)(商標)又はキャップミックスT(CapMixT)(商標)を使用して、活発な撹拌によりこれらをともに混合できるようにしてある。その後、カプセルを混合材を分注する好適なアプリケーターに挿入する。
【0006】
ペースト/ペーストカプセルは、使用する時まで互いに別々にしておかなければならない2つのペースト状の構成要素を含む。このようなペースト/ペーストカプセルは、例えば、WO2005/016783号で既知である。図1に示されるように、カプセル1は、カートリッジ2、第1の構成要素を入れる第1の構成要素チャンバ4、第2の構成要素を入れる第2の構成要素チャンバ5を備える。2つの構成要素チャンバ4、5は、排出口に通じている。またカプセル1は、プランジャを前方に押し出した場合、構成要素チャンバ4、5のそれぞれから2つの構成要素を押し出すように構成された第1のピストン6及び第2のピストン7を有するプランジャ70を備える。共通の隔壁14は、2つの構成要素チャンバ4、5を互いに分離する。静的ミキサ11を収容したノズル10は、旋回可能にカートリッジ1と結合する。ノズル10は、カートリッジ1のベアリングシェル13内に配置されるベアリングメンバ12を備える。第1の位置において(図示されず)、ノズル10は、カートリッジ1の排出口を閉鎖し、第2の位置において(図1に図示)、排出口をノズル1の通路に接続する。チャンバ4、5は、2つのペースト状の構成要素を含み、アプリケーターを作動させてプランジャを前方に押し出すと、それらの構成要素は、チャンバ4、5からノズル10に排出される。ノズル10を貫流する間に、2つの構成要素は、静的ミキサ11で混合され、ノズル10の前部から調合済みの材料として最終的に分注される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
液体又はペーストなどの材料を保存及び分注する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様により、本発明は、歯科材料を保存及び分注するためのカプセルを提供する。該カプセルは、歯科材料用のカートリッジ、及びノズルを備える。ノズルは、カートリッジに対して、保存するためにカプセルを閉じる第1の位置(図2参照)と、歯科材料を分注するためにカプセルを開ける第2の位置(図3参照)との間で、旋回可能である。ノズル及びカートリッジのうちの一方は、ベアリングメンバ(bearing member)を備え、ノズル及びカートリッジのうちの他方は、ベアリングシェル(bearing shell)を備える。ベアリングメンバ及びベアリングシェルは、ピボットを形成する。好ましくは、ノズルは、ベアリングメンバを備え、カートリッジは、ベアリングシェルを備える。ベアリングメンバは、好ましくは、第1の位置から第2の位置にノズルを旋回させるときの、ベアリングメンバとベアリングシェルとの間のシール(seal)を改良するように、ベアリングシェルと結合される。本発明の一実施形態によれば、ノズルが第1の位置にあるときよりも第2の位置にあるときに、ベアリングシェルの表面の少なくとも一部分とベアリングメンバの表面の対応する反対部分との間の圧力が高くなるが、この圧力の増加により、シールが改良される。
【0009】
本発明による改良したシール性は、例えば部品間の製造上の公差の違いにより偶然又は通常もたらされる効果ではなく、上述したように、(例えば、製造上偶然又は通常生じる圧力変化を超える圧力の増加により)シールが改良されるように意図的に設計された構造的特徴によってもたらされると考えられる。
【0010】
ノズルの第1の位置でベアリングシェルの寸法及び形に一致し、ノズルの第2の位置でベアリングシェルの寸法及び形に一致しない又は異なるように、ベアリングメンバの寸法及び形が好適に決定される。従って、第1の位置では、ベアリングメンバとベアリングシェルとの間の圧力は本質的に均一であり、両者間に間隙はないが、第2の位置では、ベアリングメンバとベアリングシェルとの間の圧力は不均一であり、場合によっては両者間に間隙があることもあり得る。
【0011】
本発明のカプセルは、排出口に通じるチャンバを備える。カートリッジは、第1の材料構成要素を入れる第1のチャンバ、第2の材料構成要素を入れる第2のチャンバを備えることが好ましい。各チャンバは、排出口に通じている。さらに好ましくは、第1のチャンバは、第1の排出口に通じ、第2のチャンバは、第2の排出口に通じている。別の実施形態において、双方のチャンバは、同一の排出口に通じている。
【0012】
またカプセルは、排出口を経由して、及びノズルを通してカートリッジから材料を分注するためにプランジャを備えることができる。
【0013】
ノズルは、好ましくは、ノズルのベアリングメンバから突き出るカニューレを備える。カニューレは、その自由端に分注チップを備える細長い部分であることが好ましい。チップは、カニューレの長手軸に対して傾斜していることが好ましい。代替的な実施形態において、カニューレは、分注チップを組み入れる。例えば、自由端が分注チップの機能を提供するように成形される。カニューレは、直線又は湾曲することが好ましく、ベアリングメンバから自由端に向かって外径が減少することが好ましい。ノズルは、ベアリングメンバの注入口からカニューレ又はチップの開口部まで延在する通路をさらに備え、その通路側の断面は、好ましくは、注入口側より開口部側でより小さい。通路は、好ましくは、注入口に隣接する注入口部分、開口部に隣接する排出口部分及び注入口部分と排出口部分との間で延在する混合流路を備える。注入口部分は、好ましくは、全体にじょうご状で混合流路へと移行する。混合流路は、好ましくは、その全長にわたって直径がほぼ一定の実質的に環状の断面を有し、排出口部分は、混合流路の直径に対して幅が狭い又は狭窄した断面を備える。好ましくは、混合流路と排出口部分との接合部に、段が形成される。任意の実施形態において、混合流路は、例えば、スイスのスルザーケムテック社(Sulzer Chemtech Ltd. Company of Switzerland)から市販のクアドロ(Quadro)(商標)ミキサ(Mixer)などの長方形状の静的ミキサに適合する長方形状の断面を備える。また混合流路は、先細にする及び/又は少なくとも1つの狭窄部分を備えることもできる。
【0014】
ノズルの第1の位置は、カートリッジの排出口を閉鎖する保存位置であることが好ましく、第2の位置は、ノズルの通路がカートリッジの排出口と流体連通する操作位置にあることが好ましい。ベアリングのピボット軸は、カートリッジの長手軸に対して横方向であることが好ましい。さらに、ベアリングのピボット軸は、ノズルの長手軸に対して横方向であることが好ましい。ノズルが湾曲したカニューレを備える場合、ノズルの長手軸は、ピボット軸の点を通る、曲線の接線により定義されることが好ましい。
【0015】
好ましい実施形態によれば、ベアリングメンバの形状及びベアリングシェルの形状は、ノズルの第2の位置において互いに異なり、一方が他方に押し付けられることでその間のシールが改良されるように、ベアリングメンバとベアリングシェルとの間で圧縮力を形成する。好ましくは、ベアリングメンバの形状及びベアリングシェルの形状は、ノズルの第1の位置で一般に一致し、ノズルの第2の位置で一般に互いに異なる。さらに好ましくは、その回転軸に垂直な平面において、ベアリングメンバの断面の形状は、ノズルの第1の位置では、同平面内におけるベアリングシェルの断面の形状に一般に一致し、ノズルの第2の位置では、ベアリングシェルの断面の形状とは一般に異なる。好ましくは、ベアリングメンバは、その回転軸に垂直な平面において、非円形の断面の形状を備える。例えば、ベアリングメンバは、楕円形の断面を有する場合がある。ノズルの第1の位置において、楕円形の短軸は、カートリッジの長手軸と整列することが好ましい。あるいは、ベアリングメンバは、1以上の湾曲した部分を有するが、円ではない断面を備える。
【0016】
代替的な実施形態によれば、例えばノズルのベアリングメンバは、構造化された外表面を備え、例えばカートリッジのベアリングシェルは、構造化された内表面を備える。ベアリングメンバの構造化された外表面は、ノズルの第1の位置でベアリングシェルの構造化された内表面と一般に一致し、ノズルの第2の位置でベアリングシェルの内表面の構造と一般に一致しない、又は異なる。好ましくは、ベアリングメンバの外表面の構造は凹型構造であり、ベアリングシェルの内表面の構造は、対応する凸型構造である。さらに好ましくは、ベアリングメンバの外表面の構造は、溝などの凹型領域であり、ベアリングシェルの内表面の構造は、膨らみ又は凸型隆起部などの対応する凸型領域である。溝は、ベアリングメンバの外表面にある閉じた曲線又は経路及び対応する凸型隆起部に沿って連続することが好ましい。また凹型構造は、非凹型領域を取り囲む溝とは対照的に、完全に凹型の領域である場合もある。また凹型構造は、若干の凹型領域を取り囲む溝である場合もある。若干の凹型領域とは、ベアング部材の外表面に対するこの凹型領域の深さが、溝の深さより浅いことを意味するさらに別の形態として、凹型領域は、例えば、ベアリングメンバの外表面の少なくとも一部の周辺に円周方向に沿って、例えば、ノズル注入口の一方の端からもう一方の端まで(例えば、300°)、ノズル注入口は非凹型領域により周辺の凹型領域と分離されるように延在する、空洞などの完全に凹型の領域である。凹型領域の角度範囲を含む、位置、寸法は、カートリッジの対応する排出口に完全に重なり合うように、設計されることが好ましい。
【0017】
溝は、ノズル注入口と突出したカニューレとの間のベアリングメンバの表面に位置することが好ましい。回転平面において、溝とノズル注入口との角度オフセットは、第1と第2の位置間の旋回角度に対応する。凸型隆起部は、カートリッジ排出口を取り囲むことが好ましい。
【0018】
ベアリングメンバの外表面上の溝は、ノズルが第1の、又は保存位置に配置される場合、カートリッジの排出口を取り囲むように位置している。第1の、又は保存位置において、溝は、対応する凸型隆起部と嵌合する一方、ノズルが第2の、又は操作位置に配置される場合、凸型隆起部は、ノズルのベアリングメンバの注入口を取り囲む。従って、凸型隆起部は、ベアリングメンバの外表面でシールされる。凸型隆起部と溝の嵌合は、ノズルの保存位置において、戻り止めを形成することとなり、シールを改良し、カプセルの偶発的な開口を防止するのに役立つ。
【0019】
あるいは、ベアリングメンバの外表面の構造は、凸型構造であり、ベアリングシェルの内表面の構造は、対応する凹型構造である。例えば、ベアリングメンバの外表面は、閉曲線及び経路に沿って連続する凸型隆起部を備え、ベアリングシェルの内表面は、対応する溝を備える。凸型隆起部は、ノズルの注入口を取り囲むことが好ましく、ベアリングシェルの内表面の溝は、カートリッジ排出口からオフセットである。溝は、排出口が溝により取り囲まれた領域を越えるように位置することがさらに好ましい。
【0020】
ベアリングメンバ上の凸型隆起部及びベアリングシェル上の溝は、ノズルが第1の、又は保存位置に配置される場合、互いに嵌合するように位置することが好ましい。さらに、凸型隆起部は、ノズルが第2の位置に配置される場合、カートリッジ排出口を取り囲む一方、ノズルが第1の位置に配置される場合、対応する溝は、ノズルの注入口を取り囲む。従って、凸型隆起部は、ベアリングシェルの内表面でシールされる。凸型隆起部と溝の嵌合は、ノズルの保存位置において、戻り止めを形成することとなり、カプセルの偶発的な開口を防止するのに役立つ。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、例えば、ノズルの外表面などのベアリングメンバの外表面は、構造化した表面を備えるが、ベアリングシェルの内表面は必ずしもこの限りでない。ベアリングメンバの外表面の構造は、閉じた曲線又は経路に沿って連続する、凸型隆起部などの凸型構造であることが好ましい。本実施形態において、(例えば、カートリッジの)ベアリングシェルは、ベアリングメンバの凸型構造の少なくとも一部を取り囲み、ベアリングシェルの内表面からカプセルの外表面に延在する、開口部を備える。好ましくは、凸型構造が開口部で完全に空いていない場合、ベアリングシェルの内表面は、少なくとも一部で、ベアリングメンバの外表面の凸型構造に対応する溝など、凹型構造を備える。
【0022】
好ましくは、ノズルが第1の位置に配置される場合、開口部は、少なくともノズルの注入口を取り囲む一方、ノズルが第2の位置に配置される場合、凸型隆起部は、少なくとも1つのカートリッジ排出口を取り囲む。
【0023】
本発明のカプセルにおいて、溝の断面は、半径約0.25mm、深さ約0.01から1.0mm、好ましくは約0.05mmを備えることが好ましい。別の実施形態において、溝は、半径約0.25mm、深さ約0.075mmを備え、さらに別の実施形態において、半径約0.5mm、深さ約0.1mmを備える。
【0024】
ベアリングメンバは、例えば、プラスチック材から作製されるもので、弾性的に変形可能であることが好ましい。好ましくは、ベアリングメンバは、ノズルがいずれかの位置において旋回する場合、双方の間でのシールを提供するために、ベアリングシェル内に密に嵌合する。第1の、又は保存位置において、ノズルは、少なくとも1つの排出口をしっかりと閉鎖する一方、第2の、又は操作位置において、双方の間、特に、ノズル注入口/カートリッジ排出口を取り囲む領域におけるシールは、ノズルを通してカートリッジから含有する材料を押し出す場合、漏れを防ぐ。
【0025】
カートリッジは、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS),ポリオキシメチレン(POM)などのプラスチック材から作製されることが好ましい。カートリッジは、サウジアラビアのリヤドのサウジ基礎産業公社(Saudi Basic Industries Corporation Company of Riyadh, Saudi Arabia)から市販のサビック(Sabic)571などのポリプロピレンから作製されることが好ましい。さらに、プラスチック材は、強化されたガラス繊維又は炭素繊維である場合がある。さらにまた、サビック(Sabic)578など、標準等級品に比較してより高い引張強度を有する等級のプラスチック材を使用してもよい。
【0026】
プラスチック材は、少なくとも1つの減摩剤(ケムチュラ・コーポレーション(Chemtura Corporation)のケマミド(Kemamide)(登録商標)Eウルトラ(Ultra)など)を任意に備える。この添加剤は、ベアリングメンバとベアリングシェルとの間で潤滑を提供する。プラスチック材が上述したような添加剤を含む場合、ノズルをその保存位置から操作位置に移動するために必要とされるトルクは、プラスチックを添加剤なしで使用する場合に比較して低減される。
【0027】
ノズルは、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、及び/又はポリアミド(PA)などのプラスチック材から作製されることが好ましい。ドイツのレバークーゼンのバイエルAG社から市販のマクロロン(Makrolon)(登録商標)2458などのポリカーボネートから作製されることが好ましい。さらに、プラスチック材は、強化されたガラス繊維又は炭素繊維である場合がある。
【0028】
本発明によるカプセルには、青色光硬化歯科材料を保存するかもしれず、このような材料は保存中、青色光(フルスペクトルライトを含む)に暴露してはいけないため、ノズル及び/又はカートリッジは、不透明なプラスチック材から作製されることが好ましく、青色光に対して不透明である材料から作製されることがさらに好ましい。
【0029】
カプセルの一部は、カプセル中に含有される材料の型及び/又は等級を示す色コードを含む場合がある。好ましくは、カートリッジの少なくとも一部の色は、材料の種別又は部類を示し、(カートリッジから材料を排出するためにカプセル内に収容されることが好ましい)プランジャの少なくとも一部の色は、材料の等級又は色合いを示す。
【0030】
カプセルの構成要素を作製する材料は、レーザーでの刻み込み、及び/又はレーザーでの印刷を可能にするために添加剤を備える場合がある。
【0031】
ノズルは、ヘリカル型を有する静的ミキサ、又はスイスのスルザーケムテック社(Sulzer Chemtech Ltd. Company of Switzerland)から市販のクアドロ(Quadro)(商標)ミキサ(Mixer)など、静的ミキサをカニューレ内に任意に備える。好ましくは、静的ミキサは、0.7〜2.3mmの範囲内、さらに特に、0.7から2.1mm以内で最大寸法、及び/又は直径を有する。好ましいミキサは、直径2.1mmを有する。このような寸法を有するミキサは、比較的コンパクトな、つまり小さめの断面寸法及び比較的短い寸法を有するカニューレを可能にする。特定の範囲内の寸法を有するミキサを収容するために適切に設計されたカニューレは、口腔内で使い勝手のよい、つまり小空間におけるアクセス性及び可視性に優れたカプセルを提供する。
【0032】
またノズルは、ベアリングメンバからカニューレへ延在する部分を強化するために強化要素を備えてもよい。強化要素は、カニューレの軸に沿って延在する強化ウェブであることが好ましい。このようなウェブは、ノズルをその保存位置から操作位置へ移動するために必要とされるトルクが比較的に高いため、好ましい。あるいは、カニューレは、ノズルの回転面に長軸を有する楕円形断面を備えてもよい。その保存位置から操作位置へノズルを移動するためのトルクは0.05〜0.6ナノメートルであることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.4ナノメートルである。
【0033】
本発明のカプセルは、好ましくは、その操作位置にノズルを固定するために固定機構をさらに備える。ノズルカニューレと嵌合するためにベアリングシェルに提供される少なくとも1つの戻り止めで固定機構を形成する。カプセルは、その保存位置にノズルを解放可能なように固定するために、固定機構をさらに備えてもよい。本文脈において、用語「固定する」又は「固定」は、一般に、位置に解放可能に固定すること及び恒久的に固定することを含む。
【0034】
本発明のカプセルは、例えば、歯科充填材などの高粘度の材料で充填する。またカプセルは、歯科用印象材料などの低度から中度の粘度を有する材料で充填してもよい。好ましくは、カプセルは、以下から選択される光硬化性、及び/又は化学硬化性の材料で充填する。
【0035】
−樹脂変性されたグラスアイオノマー材料、
−樹脂変性された合着材料、
−樹脂変性された支台構築材料、
−樹脂ベースの合着材、
−樹脂ベースの充填材、
−樹脂ベースの支台構築材料、
−仮クラウン及びブリッジ材料、
又は本発明のカプセルとともに使用するのに適しているいずれか他の材料。本材料は、ペースト状材料が好ましく、1つ以上の構成要素として提供される。
【0036】
本発明のカプセルは、好ましくは2回射出成形により製造される。具体的には、カプセルは、まず、ノズルをベアリングメンバとともに成形し、続いて、ベアリングメンバを囲むベアリングシェルとともにカートリッジを成形することにより製造される。カプセルは、ベアリングシェルの形がカプセルの保存位置でベアリングメンバの形と一致するように、その保存位置に製造されることが好ましい。
【0037】
本発明のカプセルは、ノズルをその操作位置で旋回する場合、ある程度のシール性を提供することが好ましい。つまり、チャンバから材料を排出するために前進するプランジャにより材料に加えられる圧力が一定の値に達し、漏れが生じるに至るまでは、ベアリングメンバとベアリングシェルとの間のシールが維持される。シール性は、4MPa(40バール)〜16MPa(160バール)、好ましくは6MPa(60バール)〜8MPa(80バール)の材料の圧力に対応することが好ましい。対照的に、一般に高い圧力が生じることのないカプセルの保存中には、カプセルから材料を分注する間に必要とされるような高いシール性は必要でないため、ノズルの保存位置におけるシール性は低くてもよい。
【0038】
従って、数ヶ月から最高3年以上にもなりうる保存時間にわたり、ベアリングメンバとベアリングシェルの表面部分の間で、高圧力を維持する必要がないため、カプセルの使用直前になってのみ、改良されたシールをもたらすことが可能となり有利である。本発明の実施形態に関して述べるように、プラスチック部分の間でこのような長期間にわたり圧力を維持することは、プラスチック材が一般に有する緩和特性のため、困難であり、従って回避してよい。
【0039】
第2の態様によれば、本発明は、第1の態様によるカプセルと、カプセルから材料を押し出すために使用可能な手動のディスペンサーとの組み合わせを提供する。
【0040】
第3の態様によれば、本発明は、ノズルを成形し、続いて、ベアリングメンバを囲むベアリングシェルとともにカートリッジを成形する工程を備える、本発明のカプセルを製造する方法を提供する。本方法において、ノズルは、カプセルの成形中、ベアリングシェルに対応する反対構造を形成する構造を備える。ノズルにおけるこの構造は、溝又は凸型隆起部であり、反対構造は、それぞれ対応する凸型隆起部又は溝であることが好ましい。好ましくは、カプセルは、その保存位置に製造される。あるいは、ノズルのベアリングメンバは、対応する内部断面形状をベアリングシェルに提供する特定の断面形状(楕円状など)を備える。
【0041】
第4の態様によれば、本発明は、本発明のカプセルを射出成形、好ましくは2回射出成形工程により成形するためのベアリングメンバを備えるノズルの使用を提供する。
【0042】
ベアリングメンバは、ノズルをその保存、又は第2の位置に配置する場合、カートリッジの排出口に整列し、対応する少なくとも1つの止まり穴を備えてもよい。これは、排出口のばりがない成形工程を提供する。本文脈での「ばり」とは、成形中、型の部分間、又は型と周辺の成形部分との間の間隙に入り込む望ましくない過剰物質である。任意に、又は追加的に、このような排出口を形成する成形のコアは、カプセルの成形中、ノズルでシールするためにその前側に鋭い角を備えてもよい。
【0043】
ベアリングシェル又はベアリングメンバのうちの一方の溝及び/又は凸型隆起部は、U型、V型、及び丸い縁部を有するV型のうちから選択される輪郭形状を備えてもよい。このような形状の脚部は、形状の中心軸に対して対称的であるか、又は中心軸に対して異なる角度を有する。このような形状の遷移及びベアリングメンバ/シェルの表面により形成される縁部は、丸みがあってもよい。
【0044】
ベアリングメンバ又は/及びベアリングシェルの溝は、異なる深さを有する部分を備えてもよい。好ましくは、ノズルの回転面に対して横方向に向いている部分は、深さにおいて異なる。例えば、ノズルが旋回して開口する運動において前部部分を形成する溝の部分は、その他の部分より深い。このような形状は、ノズルを移動するために必要とされる力を低減し、溝に対応する凸型隆起部で生じる力を均一にする。
【0045】
言い換えれば、ベアリングメンバ又は/及びベアリングシェルの凸型隆起部は、異なる高さを有する部分を備えることを提供する場合がある。好ましくは、ノズルの回転面に横方向に向いている部分は、例えば、旋回した開口部であるノズルの回転中、前部分は、後部分よりも高いなど、高さで異なる。凸型隆起部のその他の部分は、凸型隆起部の全体が好ましくは、鋭利な刻み、又は高さの違いを含まないように、異なる高さを有する部分間で連続的な遷移を形成する。またこのような形状は、ノズルを移動するために必要とされる力を低減し、凸型隆起部で生じる力を均一にする。好ましくは、凸型隆起部の高さの異なる各部分の範囲は、高さの低い部分が0.02mm〜0.06mmであり、高さの高い部分が0.15mm〜0.3mmである。しかしながら、特定の実施形態において、高さの低い部分は、0.02mm〜0.4mmの範囲であり、高さの高い部分は、0.15mm〜0.5mmの範囲である。好ましくは、初めの部分の高さは、0.02mmであり、さらに好ましくは0.15mmであり、後の部分の高さは、0.3mmである。以下の表は、好ましい組み合わせのさらなる例を示す。
【表1】

【0046】
ベアリングメンバとベアリングシェルの双方が、溝及び凸型隆起部を有することがあってもよい。この場合において、ベアリングメンバの凸型隆起部及びベアリングシェルの凸型隆起部は、ノズルをその第2の位置に配置する場合、互いに向かい合う(例えば互いにシールする)ようにされる。
【0047】
ベアリングメンバとベアリングシェルの双方が、溝、凸型隆起部、凹部領域及び隆起領域のうちから選択される構造を備え、その構造のうちの1つが、ノズルのいずれの位置においても、構造のもう1つに向かい合うようにしてもよい。
【0048】
本発明の一実施形態において、ベアリングメンバは、ベアリング部分及びピンを備え、このピンは、ベアリング部分の側面で偏心関係に配置されている。ベアリング部分は、第1の位置、第2の位置、及びその間の少なくとも1つの位置でベアリングシェルの寸法及び形に一致するように、寸法及び形状を決定することが好ましい。好ましくは、ベアリング部分は、ほぼ円筒形である。さらに、ピンは、ほぼ円筒形であってもよい。またベアリングメンバは、ベアリング部分を挟んで配置された2つのピンを備えてもよい。ピン及びベアリング部分の偏心配置により、ベアリングメンバの形状及びベアリングシェルの形状は、一般にノズルの第1の位置で一致し、ノズルの第2の位置で一般に互いに異なる。
【0049】
本発明の別の実施形態は、ノズル注入口及び隆起口を有するノズルに関連する。本実施形態の隆起口は、先行部及び後行部を備え、ノズルを第1の位置に配置する場合、先行部の少なくとも一部は、ベアリングシェルの外表面から突出し、後行部の少なくとも一部は、ノズル注入口の内表面から突出する。対照的に、ノズルを第2の位置に配置する場合、先行部及び後行部は、少なくとも部分的にノズル注入口に突出してもよい。さらに、ノズルを第2の位置に配置する場合、先行部及び後行部は、ノズル注入口に突出する連続的な構造を形成してもよい。好ましくは、ノズルを第2の位置に配置する場合、先行部及び後行部は、ベアリングシェルの内表面で密閉するための可撓性のある密閉口部を形成する。
【0050】
さらに別の実施形態は、先行部及び後行部を有する隆起口を形成する方法に関連する。ここで、先行部の少なくとも一部は、ベアリングシェルの外表面から突出し、後行部の少なくとも一部は、ノズル注入口の内表面から突出するが、この方法は、
i.ベアリングメンバの外表面から突き出す隆起口を成形するステップと、
ii.ノズル注入口に突出するように、隆起口の一部を変形するステップと、を備える、方法である。
【0051】
一実施形態において、カートリッジは、少なくとも第1のプラスチック材のカートリッジ前部分及び第2のプラスチック材のカートリッジ後部分とから構成される。カートリッジ前部分及びカートリッジ後部分は、第1及び第2のプラスチック材により提供される材料固着により接続される。本実施形態のカートリッジ前部分は、少なくともベアリングシェルを提供する。カートリッジ前部分は、互いに対して傾斜し、ベアリングシェルで合流する、歯科材料用の排出口の流路を備えてもよい。
【0052】
別の実施形態は、カートリッジの成形方法に関する。カートリッジは、旋回可能なノズルを有し、
i.カートリッジ前部分を成形するために、型にノズルを提供するステップと、
ii.カートリッジ後部分を成形するステップと、
iii.ノズルの少なくとも一部の周辺にカートリッジ前部分を成形するステップと、を備え、
カートリッジ前部分及びカートリッジ後部分のうちの1つは、その他の部分のそれぞれを成形する際に、実質的に固体である。カートリッジ前部分を成形するために、型にカートリッジ後部分を提供することができ、カートリッジ後部分を成形するために、ノズルを有するカートリッジ前部分を型に提供することができる。
【0053】
さらに別の実施形態において、カプセルは、歯科材料の構成要素を保持するためのカートリッジの2つのチャンバとカートリッジのベアリングシェルとの間に窓を備える。窓は、カプセルを通して穴を形成する場合がある。
【0054】
本発明のさらなる実施形態において、カプセルのカートリッジは、歯科材料の構成要素を保持するために、少なくとも1つのチャンバを備える。チャンバは、カートリッジのベアリングシェルの少なくとも一部を形成する前壁及び反対の壁を有することが好ましく、チャンバ前壁は、ベアリングシェル又はその一部を形成する壁から距離をあけて配置する。
【0055】
本発明の別の実施形態において、ノズルは、混合流路への第1の注入口、さらに、混合流路に合流する第2の注入口を提供する混合流路を備える。
【0056】
本発明の一実施形態において、カプセルは、歯科材料を保持するための少なくとも1つの材料チャンバと、ノズルのベアリングメンバの外表面に環状隆起部と、を備える。環状隆起部は、ノズルが第1の位置にある場合、材料チャンバの一部を提供することが好ましい。環状隆起部は、ノズルが第2の位置にある場合、材料チャンバとともに流体経路を提供する溝をさらに備える場合がある。溝は、ノズルの混合流路と恒常的に流体連通することが好ましい。
【0057】
本発明の別の実施形態において、カプセルは、カプセルに残留する材料の量を示すための表示器を備える。表示器は、例えば、カプセル中に残留する材料の最後の30%を示してもよい。表示器は、カプセルが満杯の状態から、カプセルが空の状態までのカプセル中に残留する材料を連続的に示してもよい。表示器は、カートリッジに窓を備え、カプセル内のピストンに接続する表示器部材をさらに備えてもよい。表示器は、表示部材と共同して残留材料に比例した量を示す目盛りをさらに備えてもよい。例えば、目盛りは、頂点で残留ペーストの量の低量を示し、頂点の対辺で残留ペーストの量の高量を示す三角形であってもよい。表示器は、表示部材と共同して残留材料の絶対量を示す目盛りをさらに備えてもよい。例えば、目盛りは、カプセル中に残留する材料の量の絶対値を示す表示を備えてもよい。このような表示は、カートリッジにレーザーで刻み込まれることが好ましい。
本発明の別の実施形態において、カプセルは、ノズルに、ノズル上に延伸チップを保持するための保持部材を備える。このような延伸チップは、例えば、ノズルを伸長する、又はノズルの外径を低減するために有用である可能性がある。
【0058】
本発明のさらなる実施形態において、カプセルは、カートリッジの最後端部に縁、及びこの縁の前に距離をおいて溝を備える。溝は、カプセルとともに使用するアプリケーターの隆起部と嵌合するようになっていることが好ましい。縁は、隆起部が溝の外に移動する場合、カプセルがアプリケーターから分離するのを防ぐことができるという点において、安全機能を提供する場合がある。これは、例えば、アプリケーターを通して力を加えすぎることにより、カプセルが過負荷になった場合、生じる場合がある。
【0059】
また、本発明の記載の構造を、例えば、歯科用の1又は多構成要素用の注射器に使用してもよい。
【0060】
本発明は、物質の分注中、高い押出圧力及び各成形部品の標準公差を考慮に入れてさえ、ノズルとカートリッジとの間に良好なシールを提供する。従って、本発明のカプセルは、広範な種々の物質、特に非常に粘稠な物質に対して使用することができるばかりでなく、ノズルの通路寸法がかなり小さく(例えば、2mm)、従って、本発明のカプセルでなければ材料の流れを滞らせるような場合でも使用可能である。
【0061】
本発明はさらに、数種類の部品のみを使用し、容易な組み立てをさらに提供し、材料及び人件費を節約する。さらに、本発明は、正確な寸法部品を成形するために必要な労力を低減する。2つの部品を互いに組み立てること、及び双方の部品がそれぞれ成形公差を有することに対して、第1の部品の周辺に第2の部品を成形することで、第1の部品の公差を補正する。換言すれば、1つの形が、他方の形を決定し、第2の部品の公差のみが影響を及ぼす。従って、カプセル中に保存される材料の保存に良好なシールは、2つの個々の部品の製造公差の結果としてではなく、製造中、自動的に作り出される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
好ましい実施形態の詳細な説明
図2は、本発明の第1の実施形態によるカプセル100の概略断面図である。図2では、保存のために閉じる場合、つまり、ノズル150をその第1の、又は保存位置に配置する場合のカプセル100を示し、図3は、ノズル150をその第2の、又は操作位置に配置する場合の本実施形態のカプセル100を示す。通常は、2つの位置は、ノズルの回転角にして約90°異なる。
【0063】
カプセル100は、第1の材料構成要素を含有するために第1のチャンバ111、第2の材料構成要素を含有するために第2のチャンバ112を有するカートリッジ110を備える。2つのチャンバ111、112は、排出口114、115に開口する。2つのピストン171、172を備えるプランジャ170を、カートリッジに収容され、チャンバ111、112から構成要素を放出するようになっている。共通の隔壁113は、2つの構成要素チャンバ111、112を互いに分離する。その内部に静的ミキサ11を配置してもよい(図1参照)ノズル150を、ベアリングシェル120内に旋回可能に、及び/又は置換可能に適合する。ノズル150は、例えば、プレス嵌めにより、カートリッジ110のベアリングシェル120と接合することが好ましいベアリングメンバ160を備え、カートリッジ110の排出口を閉鎖する。第1の位置(図2に図示)にノズル150を配置する場合、カートリッジ110の排出口114、115をノズル150のベアリングメンバ160で閉鎖し、第2の位置(図3に図示)にノズル150を配置する場合、排出口114、115をノズル150の通路151に接続する。
【0064】
図2及び3の実施形態において、ノズル150のベアリングメンバ160は、カートリッジ110に対するベアリングメンバ160の回転面において、非円形の断面形状、特に、楕円形状を有する。ノズル150の保存位置(図2)において、ベアリングメンバ160の寸法及び形は、ベアリングシェル120の寸法及び形と一致する。しかしながら、ノズル150の操作位置(図3)において、ベアリングメンバ160の寸法及び形は、ベアリングシェル120の寸法及び形と一致しない。これは、カートリッジ110のベアリングシェル120が弾性的に変形可能であることによって可能である。保存位置において、ノズル150のベアリングメンバ160は、構成要素チャンバ111、112の排出口114、115を閉じる。ノズルを保存位置から操作位置に旋回させると、ノズル150の注入口は、構成要素チャンバ111、112の排出口114、115と流体連通を生じ、ノズル通路151を介して構成要素チャンバ111、112から材料を分注できるようになる。寸法及び/又は形における不一致の程度は、例えば、圧縮力の増加によって、ベアリングメンバとベアリングシェルとの間に改良されたシールを作り出し、一方が他方を押すようにするために十分であるべきである。
【0065】
カプセルの保存位置で、楕円形状のベアリングメンバ160の短軸S(図4参照)は、カプセル100の長手軸に実質的に平行に、又は一致して配列される。操作位置で、楕円形状のベアリングメンバの長軸Lは、カプセル100の長手軸に実質的に平行に、又は一致して配列される(図3及び4参照)。
【0066】
カプセルは、まず、ノズル150(ベアリングメンバを含む)を成形し、その後、ベアリングメンバ160の周辺に、カートリッジ110を成形することにより製造されることが好ましい。ベアリングは楕円形状であるため、ベアリングシェル120も楕円形状である。両部品は楕円形断面を有するため、ノズルがその操作位置にある場合、ベアリングシェル120内にベアリングメンバ160が保持される。換言すれば、ベアリングメンバ160は、ノズルの操作位置において、その長軸Lに沿って、圧縮力F下に置かれる(図3参照)。本圧縮力は、ベアリングシェル120の弾性変形から生じ、カプセルから材料を注出中、ノズル150とカートリッジ110との間の改良したシールを提供する。短軸Sと長軸Lとの間のベアリングメンバの寸法の違い(図4)、及びベアリングシェルの変形性又は柔軟性は、ノズル150の手動回転がまだ可能である状態にある。
【0067】
楕円形状のベアリングメンバ160を有する代わりに、ベアリングメンバの断面は、図5に図示されるように、いくつかの湾曲した部分からなるが円ではないものであってもよい。本形状の場合、ベアリングメンバ断面の伸長した寸法での湾曲は、ベアリングシェル断面の低減した寸法の半径に対応する。断面は、ノズルを操作位置におく場合、ノズルのベアリングメンバの(伸長した寸法での)湾曲がなお、ノズルの注入口周辺の領域でベアリングシェルの湾曲に一致するように設計される。これは、ノズルの第2の位置と同様に、第1の位置において、双方の部品間で最適なシールを提供する。またノズルでの湾曲の非円状偏差が、ベアリングシェルの弾性変形から生じる不正確を補正するために、提供されてもよい。
【0068】
図6は、本発明の第2の実施形態を示す。本実施形態において、ベアリングメンバ260は、円状の断面を有し、ノズル250の注入口262周辺に凸型隆起部261を備える。図6は、その保存位置におけるノズル250を示す。ノズルを操作位置に旋回すると、凸型隆起部261は、構成要素チャンバの排出口215、216を取り囲み、本領域に改良したシールを提供するように、位置する。
【0069】
本発明の第3の実施形態を図7〜9に示す。本実施形態において、ノズル350は、実質的に円筒状外表面をさらに備えるベアリングメンバ360を備える。本表面で、注入口362は、一般に、突き出ているカニューレ363とは反対に位置する。さらに、ベアリングメンバ360の外表面で、溝361が、注入口とカニューレとの間に位置する。換言すれば、円筒状外表面の重心軸に関して、注入口362、溝361及びカニューレ363の角度方向はそれぞれ、0°、90°及び180°であることが好ましい。
【0070】
図8a及び8bにおいては、カートリッジ310と混注成形したノズル350を、部分断面図に示す。図8a、8bに示されるノズル350の保存位置において、ベアリングメンバ360の溝361は、カートリッジ310の構成要素チャンバの2つの排出口314、315を取り囲む。本実施形態において、カートリッジ310は、保存位置において、2回射出成形工程を介してノズル350の周辺に成形され、従って、凸型隆起部330が、溝361の凹部複写により、カートリッジのベアリングメンバ360に形成される。溝と同じように、対応する凸型隆起部は、排出口314、315を取り囲む。
【0071】
ノズルを操作位置に移動するとすぐに、溝361に形成した凸型隆起部330は、溝361を離れ、すなわち、溝361から角度的に置換され、ノズル注入口362は、凸型隆起部330の方へ回転する。従って、操作位置において(図9a、9bに図示)、カートリッジ310のベアリングシェル320の凸型隆起部330は、ノズル350のベアリングメンバ360の表面に対して、特に、ノズル注入口362の周辺にシールを提供する。
【0072】
図10は、強化ウェブ465を備えるノズル450を示す。ノズル450をその保存位置から操作位置に移動するためにカニューレが使用され、その際、あるレベルの力をカニューレに加える必要があることから、カニューレの剛性及び安定性を増加させるために、ウェブ465が組み込まれる。あるいは、カニューレを、その断面が、ノズルを回転するために加えられる力の方向と同一面内に楕円の長軸を有する楕円状となるように設計することにより、ノズルを強化する。
【0073】
本発明のカプセルは、固定機構を備えることが好ましい。図11a〜11dにこれを示す。本例において、ベアリングシェル520に形成した2つの戻り止めにより固定機構を形成し、操作位置に完全に移動するとすぐに、ノズル550と嵌合する(図11b)。これは、カートリッジに対するノズルの正しい位置について、ベアリングメンバとベアリングシェルとの間の摩擦が高い場合には特に、ユーザへのフィードバック(触覚及び/又は可聴)を提供する。任意に、ノズルは戻り止め525と嵌合するための構造、例えばD型の断面を備える場合がある。このD型は、図11c及び11dに示されるような断面、又は典型的なD型を備えてもよい。図11c及び11dに示されるような形は、厚い壁に隣接した領域又は厚い壁で凹をもたらす典型的なD型に比較して、壁の厚さがさらに均一であるため、より良好な成形品質を提供する。また、固定機構が不可逆的である、つまり、カニューレをその操作位置に移動すると、逆動が防止されるようにすることもできる。あるいは、又はさらに、ノズルは、保存安定性に影響を及ぼすノズルの意図的でない開口を避けるために、その保存位置に解放可能なように固定される。
【0074】
好ましい静的ミキサ670を図12に示す。静的ミキサ670は、運搬中、ミキサ670がノズルから落下するのを防ぐ保持部材671を備える。保持部材671は、ノズル650内で対応するフランジ657と嵌合可能であり、分注チップに隣接する。あるいは、ミキサは、直径がノズルの内部よりもわずかに大きい1以上の混合要素からなる。さらに、ノズルは、ノズル内にミキサを固定するために、低減した直径の領域を有することが好ましい場合がある。低減した領域を有するノズルが持つ利点として、静的ミキサをその長さにわたり均一な直径で成形でき、従って、ミキサが対称であるため、いかなる向き、すなわち、その前端部からでも後端部からでも、カニューレに挿入することができることがある。増大した、又は低減した直径は、その長さにわたり、円筒状に、又は円錐状に延在してもよい。さらなる別法によれば、ミキサは、初めに湾曲した形に成形し、ミキサをノズルに組み立てるとすぐに、摩擦による保持が実現されるようにする。ノズルが湾曲する場合、保持を容易にするためにミキサをまっすぐに成形する場合がある。カニューレの通路は、長方形状の断面、又はいずれかの他の望ましい形のうちの1つを備えるようにしてもよい。
【0075】
図13a及び13bは、凹部ではない領域を取り囲む溝とは対照的に、完全な凹部領域661、761の形の凹型構造を有する本発明の実施形態を示す。図13aにおいて、ノズル610は、その第1の、又は保存位置にノズル610を配置する場合、カートリッジの排出口(図示せず)に延在するための寸法を有する凹部領域661を備える。凹部領域661は、好ましくは、それらの境界線の外で排出口に完全に重なり合う。また、本実施形態のノズルは、カートリッジのそれぞれの対応する排出口に対して多数のこのような凹部領域を有するようにしてもよい。
【0076】
図13bに示されるように、凹型構造はさらに、ノズル注入口762を凹部ではない領域により周辺の凹部領域761から分離するように、例えば、ノズル注入口のある末端部からノズル注入口の逆末端部まで(例えば、300°まで)、ベアリングメンバ760の外表面の少なくとも一部の周辺の周方向に延在する凹部領域761であってもよい。凹部領域761の、延在角を含む位置及び寸法は、カートリッジの排出口にわたり延在するように、つまり凹部領域761は、それらの境界線の外で排出口に完全に重なり合うように設計される。
【0077】
図14a及び14bは、ほぼ円筒状のベアリング部分802及びベアリング部分802の側面から突き出す実質的に円筒状のピン805を備えるベアリングメンバを有するノズル801の実施形態を示す。ピン805は、ベアリング部分802の重心軸から重心軸オフセット(図14bの距離Dにより示される)で配列される。利点として、ベアリング部分802は、保存位置、操作位置、及びそれらの間のいずれの位置でも、一般にベアリングシェル803と形状が一致する。また、本理由で、ベアリング部分802及びベアリングシェル803は、ノズルの旋回位置と無関係に互いにシールすることができる。一方、ピンの偏心配置は、第1から第2の位置にノズルを旋回する場合、ベアリングメンバとベアリングシェルとの間のシールを改良する。これは、本実施形態において、図に示されるように、ピンが実質的にノズルの末端部に向かう方向においてオフセットであるため、実現する(ページの上部に向かう図14a、14b)。従って、ノズルを保存位置から操作位置に移動する(例示された実施形態において、約90°回転)場合、カートリッジの排出口(図示せず)に隣接した表面で、ベアリングメンバとベアリングシェルとの間の圧力を増加するように、一般にカプセルに向かう方向においてピンでベアリング部分を押し戻す。好ましくは、これによって、例えば、カプセルから材料の分注中、改良したシールももたらされる。
【0078】
図15a及び15bは、ノズル注入口812の開口部で、ベアリングメンバ813上に隆起口809(図16に示す)を有するノズル810を示す。隆起口809は、先行部806及び後行部807を有する。図16に示される例において、先行部806は、注入口の開口部の約160°を取り囲み、後行部807は、注入口の開口部の残りの約200°に沿って、注入口の開口部内に延在する。図に示すように、ノズルの初期保存位置において、隆起口809の先行部806(図15aに図示)は、一般にベアリングメンバ813の外表面から離れて突き出し(図では上方に)、それによって、注入口812を開けたままにする。対照的に、後行部807の少なくとも一部は、注入口812の表面から突出し(図では横方向に延在する)、従って、注入口812の中に横方向に延在する。ノズル810を保存位置から操作位置(図15bに図示)に向けて移動する場合、隆起口809の先行部806は、ベアリングシェルの下に無理に動かされるとすぐに、後ろに反るため、やはり注入口の中に横方向に延在する。しかしながら、後行部807は、注入口内にすでに収容されているため、一般にその形を保持する。従って、先行部及び後行部806、807はともに、注入口の内側に一般に周辺口814(図17に図示)を形成する。利点として、ノズルを操作位置に移動すると、周辺口814は、ベアリングメンバとベアリングシェル811との間に改良されたシールを提供する。材料を分注する場合には、さらなる利点があり得る。材料の分注中、蓄積圧に応じて、周辺口814がベアリングシェルの内表面(カートリッジの排出口周辺)に押しつけられる場合があるためである。注入口に収容されるこの後行部の構造は、操作位置に向かってノズルを移動中、注入口から離れてたわむことから後行部をより保護する利点を提供し得る。たわみは、保護されていない後行部を損傷、又はシール効果を損なう場合がある。
【0079】
隆起口809の先行部及び後行部806、807の異なる形状は、ノズル810を容易に成形することができる利点をさらに提供し得る。周辺口は、注入口から除去される成形コアとの関係で刻み目を生じ、型からのノズルの除去により、周辺口に損傷を生じる場合がある。注入口に突出しない先行末端部の構造は、全周辺口よりもさらに容易に後行部を偏向させる場合があるため、金型からの除去を容易にし、口への損傷を避けるために役立つ。
【0080】
また、注入口開口部を全体的に取り囲み、ベアリングメンバの外表面から離れて突出する構造として、隆起口809を成形してもよい。その後、記載の2つの異なる構成部806、807を有する隆起口809を形成するために、例えば、図18に示すように形成ツール815により、例えば、加熱成形又は冷却成形により、本構造を変形してもよい。
【0081】
図19aにおいて、カートリッジ前部分822及びカートリッジ後部分821を備えるカートリッジを有するカプセル820を示す。カートリッジ前部分は、ノズル823のベアリングメンバとの連携のためにベアリングシェルを備える。本明細書に記載の本発明によるいずれの実施形態により本実施形態のベアリングメンバ及びベアリングシェルを構成してもよい。カートリッジ前部分822は、ノズル823と2回成形することが好ましい(図19b参照)。これは、好ましくは、ノズル823が事前成形され、カートリッジ前部分822を成形するための金型に挿入され、カートリッジ前部分822が、好ましくは、可動接続を形成するためにノズル823の一部の周辺に成形されることを意味する。また、カートリッジ前部分822をノズル823及びカートリッジ後部分821と2回成形してもよい。つまり、事前成形したノズル823及び事前成形したカートリッジ後部分821を金型に配置し、カートリッジ前部分822を双方の部品に接続するために成形してもよい。その場合、カートリッジ前部分822は、好ましくは、ノズル823ではなく、カートリッジ後部分821に(例えば、双方の部品にポリプロピレンなどの同一の材料を使用することにより)結合する。
【0082】
本実施形態のカートリッジ前部分822は、ノズル823のベアリングメンバとカートリッジ前部分822のベアリングシェルとの間に良好なシールを提供するために、好ましくは、ノズルのベアリングメンバをしっかりと取り囲む。この場合、ノズル823は、例えば、ノズルは、前部分に使用されるプラスチック材とは異なるプラスチック材からなるため、依然として可動である。好適な組み合わせには、例えば、ポリカーボネートとポリプロピレンがあり、好ましくは、事前成形部品は、より高い温度安定性を有する材料(この場合、ポリカーボネート)を有するプラスチック材からなる。ノズル823周辺の比較的小さい部品(カートリッジ前部分822)を成形する可能性も、本実施形態の利点となり得る。従って、低変形を実現し、不均一収縮の回避に役立てるために、カートリッジ前部分822の冷却を最適化することができる。これは、さらに、双方の部品の間に良好なシールを実現するために重要であるカートリッジ前部分822及びノズルの形状の正確性を最適化することに役立つ。別の利点として、カートリッジ前部分822のみの成形中のノズル823への熱衝撃は、ノズルを備えたカートリッジ全体の2回成形に対して低減する。それによって、ノズルを移動するために必要とされる力は、例えば、ある範囲内で制御するなど、最適化されてもよい。
【0083】
別の利点が、カートリッジの排出口824、825を図20に示すような構造に成形することにより生じる場合がある。本実施形態は、排出口を形成するために使用され得る成形コアを、互いに対して傾斜した向きに配置し、移動することを可能にする。従って、排出口824、825を互いに対して傾斜した向きに配置してもよい。排出口824、825がベアリングシェル828の内表面に隣接して結合するように、角度を選択してもよい。これは、排出口の開口部の領域を最小化する可能性、及び従って、ノズルの注入口領域を最小化する可能性も提供する。その結果、材料の分注中にもたらされる圧力のためにノズルとカートリッジとの間に最終的に生じる力が低減され、カートリッジとノズルとの間で必要とされるシールの質がより低くて済み得る。
【0084】
末端部分823に必要な要件により限定されず、前部分822を適宜に設計してもよいため、カートリッジ前部分822の壁の厚さを最適化しし得ることは、本実施形態の別の利点である。換言すれば、前部分822及び末端部分823の分割設計は、統合設計により示される技術的な限界を低減することもできる。
【0085】
図21において、カートリッジ830の凹部又は窓831を備える実施形態を示す。カートリッジは、ノズル832を受けるカートリッジ前部833を有する。カートリッジ前部833及びノズル832は共同して、好ましくは、その間をシールする可動の接続を形成する。図示したような窓831は、カートリッジ前部833でのプラスチック材の蓄積を低減するために役立ち得るため、カートリッジ前部833の形状精度を改善し得る。従って、ノズル832とカートリッジ前部833のシールを改良し得る。
【0086】
図22は、窓851を有するカートリッジ850を示す。本実施形態において、カートリッジチャンバの前壁852は、ベアリングシェル854を形成する壁853から分離されている。またこのような実施形態は、プラスチック材の累積の低減、部品のよりよい精度、及びノズル(図示せず)とカートリッジ850との間の改良したシールを提供することができる。
【0087】
図23は、混合流路841及び注入口842、843を有するノズル840を示す。図のように注入口843は、混合流路841を注入口843とともに単一成形コアの使用により成形できるように、混合流路841の延長であってもよい。注入口842は、混合流路841に対して傾斜し、ノズル840の内側で混合流路841に合流する。図に示すように、注入口842、843は、ノズル840のベアリングメンバ844の外表面で別々の開口部を形成する。ベアリングメンバ上に、カートリッジの2つの排出口に及ぶ1つの大きな共通注入口を有することに対して、対応するカートリッジ排出口に直接接続するベアリングメンバ上の2つの小さい別々の注入口は、ノズルのベアリングメンバとカートリッジのベアリングシェル(図示せず)との間の境界面でより小さい全断面積を提供する。従って、例えば、材料をカプセルから分注する場合、注入口を介して強制的に送られる材料がもたらす圧力がベアリングメンバからベアリングシェルを無理に離そうとし、従って漏れを生じさせようとする力が低減され得る。これは、このような材料の圧力により負荷を受けるベアリングシェルの領域が、かなり小さいためである。利点として、カートリッジとノズルとの間で必要とされるシールの質はより低くてもよい。
【0088】
図24から26は、ノズル863を備えるカプセル860を示す。ノズル863は、カートリッジ前部862内で可動に固定される。ノズル863は、カートリッジ前部のベアリングシェル869(図25に図示)とシールするベアリングメンバ864を備える。さらに、ノズル863は、ベアリングメンバ864の外表面から突出する環状隆起部865を有する。ノズル863の保存位置において、環状隆起部865は、カートリッジ861の材料チャンバ866、867の壁の一部分を提供する。従って、開口又は排出口871、872は、環状隆起部865の表面で閉じるチャンバ866、867に形成される(図25参照)。環状隆起部865は、保存位置から操作位置にノズルを旋回すると、排出口871、872と流体連通する位置に置換される溝868を有する(図26参照)。ノズルの操作位置において、チャンバ866、867と混合流路873との間の流路を構築するように、溝は、ノズルの混合流路873に接続されている。換言すれば、ノズル863は、カートリッジ861と共同して、材料チャンバ866、867を開閉するための弁を形成する。溝は、カートリッジ861及び/又はベアリングシェル869と連携する凸型隆起部(図示せず)により少なくとも一部取り囲まれ、混合流路に向かって強制的に送られる材料が大量の漏れなく経路へ進むように、経路に対するシールを提供する。凸型隆起部は、例えば、図15a及び15bに示す本実施形態の記載のように、先行部及び後行部を有してもよい。本実施形態の利点は、冷却中、成形した材料の不均一な収縮から生じる場合がある不正確を低減できるように、ノズルを取り囲むプラスチック材の壁の厚さを最適化し得ることである。さらに、ノズルとカプセルとの間でさらに十分なシールを提供し得る。図示される実施形態は、1つの構成要素として形成されるカートリッジを有してもよいし、又は、カートリッジは、図19a、19b及び20に示すように少なくとも2つの部品からなるものとしてもよい。
【0089】
図27a、27bにおいて、ユーザに充填量レベルを示すための充填量レベル表示器を有する、カプセルを示す。図27aに示す例において、充填量レベル表示器は、カートリッジに窓901を備える。窓901を介して、カプセル中の残留材料が低下するとすぐに、カプセルのピストン902が目に見える(図27b)。このような特性を用いて、例えば、ピストンがその末端位置に達した時に驚くことがないよう、早期に低充填量のレベルを認識し、低速で残留材料の分注を制御することができるため、これは特に不透明なカプセルからの材料を分注するユーザにとって、有利である可能性がある。さらに、ユーザは、充填量レベルが低下した場合、第2のカプセルの準備を開始してもよい。例えば、歯科医は、使用しているカプセルの充填量レベル表示器が、材料がほぼ空であることを示す場合、助手に新しいカプセルを準備させてもよい。
【0090】
図28a、28bは、充填量レベル表示器が窓904及び表示器部材903を備えるカプセル900の実施形態を示す。表示器部材903は、窓904を通して延在し、カプセルがその最大充填量レベルである場合にすでに見えていてもよい。カプセルから材料を分注中、表示器部材903は、ユーザが充填量レベルを連続的に観察できるように移動する。またカプセル900は、ユーザがカプセル中に残った実際のペーストの量を測定できるように、表示、例えば、目盛りを備えてもよい。あるいは、表示器部材は、図27a、27bに示す実施形態に記載のように、初めは不可視で、カプセルの充填量レベルが低下した場合に可視的になってもよい。
【0091】
図29は、延伸チップ(図示せず)の連携嵌合部材と嵌合するための保持部材911を有するノズル910の前部分を示す。このようなチップは、ユーザが、ある場所、例えば、歯の根経路などにアクセスできるように、ノズル910の直径に対して低減した外径を有してもよい。
【0092】
図30において、カプセル920を示す。カプセル920は、カプセルの後末端部923に隣接する縁922及び縁922の前に分注アプリケーターとの嵌合のための環状溝921を有する。環状縁922は、溝921の後ろのカプセル部分を強化し、さらに、アプリケーターを通して大きすぎる力がかかることにより、カプセルが過負荷となった場合、カプセルがアプリケーターから分離することを防ぐための安全停止具を提供する場合があることが明らかとなっている。
【0093】
図31は、カートリッジ壁952の弾性を低減する強化リブ951を有するカプセル950の実施形態を示す。このような設計は、カプセルからの材料の分注中、加圧され得るカートリッジ壁952に良好な安定性を提供するのに役立つ。さらに、このような設計は、カートリッジ壁をただ厚くするよりもさらに正確にカートリッジ壁952を成形するために資する。これは、成形材料が固まる場合、厚い壁は一般に不均一に収縮するが、薄い壁は、本実施形態において、リブ951を介して得られるように、成形後、一般により均一に収縮する傾向があるためである。カプセルから材料を押し出すために使用されるピストンは、通常カートリッジ壁でシールされ、カートリッジ壁の厚さの変動は、最終的にこのシールに影響を及ぼすため、高精度は、一般に望ましい。
【0094】
本発明を、そのいくつかの実施形態を参照して記載してきた。本発明の範囲から逸脱することなく、記載の実施形態において多くの変更を加えられることが、当業者には明らかである。このように、本発明の範囲は本出願に記載の構造に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の文言によって記載の構造及びそれらの構造と同等のものによってのみ限定されるものである。
【0095】
本発明の好ましい実施形態を例証としてのみ、添付した図面を参照にして詳細を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】既知のカプセルの概略断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態による、カプセルの概略断面図であり、カプセルをその保存位置に示す。
【図3】図2のカプセルの概略断面図であり、カプセルをその操作位置に示す。
【図4】図2のカプセルのベアリングメンバの概略図。
【図5】本発明のカプセルの代替のベアリングメンバの概略図。
【図6】本発明の第2の実施形態による、カプセルの概略断面図であり、ノズルをその保存位置に示す。
【図7】本発明の第3の実施形態による、カプセルのノズルの透視図。
【図8a】本発明の第3の実施形態による、カプセルの透視図であり、カプセルをその保存位置に示す。
【図8b】より大きい尺度上で図8aの部分断面図。
【図9a】本発明の第3の実施形態のカプセルの透視図であり、カプセルをその操作位置に示す。
【図9b】より大きい尺度上で図9aの部分断面図。
【図10】強化ウェブを有する、好ましいノズル設計の概略図。
【図11a】カプセルの操作位置において、ノズルをカートリッジに固定する固定機構を示す概略図。
【図11b】カプセルの操作位置において、ノズルをカートリッジに固定する固定機構を示す概略図。
【図11c】代替の固定機構のノズルの代替の断面図を示す概略図。
【図11d】代替の固定機構のノズルの代替の断面図を示す概略図。
【図12】カプセルのノズルの外側及びその内側に示す、本発明による静的ミキサの概略図。
【図13a】本発明の代替の実施形態による異なる凹部領域を有するノズルを示す透視図。
【図13b】本発明の代替の実施形態による異なる凹部領域を有するノズルを示す透視図。
【図14a】本発明の実施形態によるベアリング部分及びピンを備えるノズルを有するカートリッジの概略図。
【図14b】本発明の実施形態によるベアリング部分及びピンを備えるノズルを有するカートリッジの概略図。
【図15a】本発明の実施形態による隆起口を有するカプセルの断面図。
【図15b】本発明の実施形態による隆起口を有するカプセルの断面図。
【図16】本発明の実施形態によるノズルのベアリングメンバの図。
【図17】本発明の実施形態による隆起口を示すカプセル前部領域の透視図。
【図18】本発明の実施形態による隆起口を備えるノズルを有し、また、変形ツールを示すカプセルの断面図。
【図19a】本発明の実施形態によるカートリッジ前部分及びカートリッジ後部分を有するカプセルの透視図。
【図19b】本発明の実施形態によるカートリッジ前部分及びカートリッジ後部分を有するカプセルの透視図。
【図20】本発明の実施形態によるカプセル内の排出口の流路を概説する断面図。
【図21】本発明の実施形態による窓を有するカプセルの透視図。
【図22】本発明の実施形態による2つの窓を有するカプセルの概略断面図。
【図23】本発明の実施形態による2つの別々の注入口を有するノズルの概略断面図。
【図24】本発明の実施形態によるカプセルの開閉のための凸型隆起部を有するカプセルの透視図。
【図25】図24のカプセルの断面透視図。
【図26】図24のカプセルの別の断面透視図。
【図27a】本発明の実施形態による表示器を有するカプセルの断面透視図。
【図27b】本発明の実施形態による表示器を有するカプセルの断面透視図。
【図28a】本発明の実施形態による代替の表示器を有するカプセルの断面透視図。
【図28b】本発明の実施形態による代替の表示器を有するカプセルの断面透視図。
【図29】本発明の実施形態による保持縁を有するノズルの透視図。
【図30】本発明の実施形態によるカートリッジ後末端部で縁を有するカプセルの透視図。
【図31】本発明の実施形態による強化リブを有するカプセルの透視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科材料を保存および分注するためのカプセルであって、
前記歯科材料用のカートリッジと、
前記カートリッジに対して、保存するために前記カプセルが閉じる第1の位置と、前記歯科材料を分注するために前記カプセルが開く第2の位置との間で旋回可能なノズルと、を備え
前記ノズルおよび前記カートリッジのうちの一方がベアリングメンバを備え、前記ノズルおよび前記カートリッジのうちの他方がベアリングシェルを備え、前記ベアリングメンバおよびベアリングシェルはピボットを形成し、
前記第1の位置から前記第2の位置に前記ノズルを旋回させるときの、前記ベアリングメンバと前記ベアリングシェルとの間のシールが改良されている、カプセル。
【請求項2】
前記第1の位置と比較して前記ノズルの前記第2の位置において、前記ベアリングメンバの表面の少なくとも一部分と前記ベアリングシェルの表面の対応する反対部分との間の圧力の増加により、前記シールを改良する、請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記ノズルの前記第1の位置で前記ベアリングシェルの寸法および形に一致し、前記ノズルの前記第2の位置で前記ベアリングシェルの寸法および形に一致しないように、前記ベアリングメンバを寸法決定および成形する、請求項1に記載のカプセル。
【請求項4】
前記ノズルは、前記ベアリングメンバを備え、前記カートリッジは、前記ベアリングシェルを備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項5】
前記カートリッジは、第1の材料構成要素を含有するための第1のチャンバと、第2の材料構成要素を含有するための第2のチャンバを備え、各チャンバは出口に通じる、請求項1に記載のカプセル。
【請求項6】
前記ノズルは通路を備えるカニューレを備え、
前記カプセルに対して前記ノズルの前記第1の位置は前記カートリッジの少なくとも1つの排出口を閉鎖する保存位置であり、前記第2の位置は前記ノズルの通路が前記カートリッジの排出口と流体連通する操作位置である、請求項5に記載のカプセル。
【請求項7】
前記カートリッジから前記ノズルを通して材料を分注するためのプランジャをさらに備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項8】
前記ベアリングのピボット軸は、前記カートリッジの長手軸に対して横方向であり、前記ノズルの長手軸に対して横方向である、請求項1に記載のカプセル。
【請求項9】
前記ベアリングメンバは、前記ベアリングメンバの回転軸に対して垂直の平面において、非円形断面形状を備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項10】
前記ベアリングメンバは、楕円形断面を備え、前記第1の位置において、前記楕円形の短軸は、前記カートリッジの長手軸と一致する、請求項9に記載のカプセル。
【請求項11】
前記ベアリングメンバは、いくつかの湾曲した部分からなる非円形の断面を備える、請求項9に記載のカプセル。
【請求項12】
前記ベアリングメンバは、構造化された外表面を備え、前記ベアリングシェルは、構造化された内表面を備え、
前記ベアリングメンバの前記外表面の構造は、前記ノズルの前記第1の位置で前記ベアリングシェルの前記内表面の構造に一致し、前記ノズルの前記第2の位置で前記ベアリングシェルの内表面の構造に一致しない、請求項1に記載のカプセル。
【請求項13】
前記ベアリングメンバの前記外表面の前記構造は凹型構造であり、
前記ベアリングシェルの前記内表面の前記構造は対応する凸型構造である、請求項12に記載のカプセル。
【請求項14】
前記ベアリングメンバの前記外表面の前記構造は、凹型領域であり、
前記ベアリングシェルの前記内表面の前記構造は、対応する凸型領域である、請求項13に記載のカプセル。
【請求項15】
前記ベアリングメンバの前記外表面は、閉曲線に沿って連続する溝を備え、
前記ベアリングシェルの前記内表面は、対応する凸型隆起部を備える、請求項14に記載のカプセル。
【請求項16】
前記連続する溝は、ノズル注入口と前記延在するカニューレとの間でベアリングメンバの表面に位置する、請求項15に記載のカプセル。
【請求項17】
前記凸型隆起部は、前記カートリッジ排出口を囲む、請求項15に記載のカプセル。
【請求項18】
前記ノズルが前記第1の位置に配置される場合、前記溝は、少なくとも1つのカートリッジ排出口を囲み、
前記ノズルが第2の位置に配置される場合、対応する凸型隆起部は前記ノズルの注入口を囲む、請求項15に記載のカプセル。
【請求項19】
前記ノズルが前記第1の位置に配置される場合、前記溝および前記対応する凸型隆起部は、互いに嵌合する、請求項17に記載のカプセル。
【請求項20】
前記ベアリングメンバの前記外表面は、凸型構造を備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項21】
前記ベアリングメンバの前記外表面は、閉曲線に沿って連続し、前記ノズルを囲む、凸型構造を備える、請求項20に記載のカプセル。
【請求項22】
前記ベアリングシェルの前記内表面は、前記ベアリングメンバの前記外表面に対応する凹型構造を備える、請求項21に記載のカプセル。
【請求項23】
前記ベアリングシェルは、開口部であって、前記ベアリングメンバの前記凸型構造を少なくとも部分的に取り囲み、前記ベアリングシェルの前記内表面から前記カートリッジの前記外表面に延在する開口部を備える、請求項22に記載のカプセル。
【請求項24】
前記ノズルが前記第1の位置で旋回する場合、前記開口部は少なくとも前記ノズルの注入口を通過し、
前記ノズルが前記第2の位置で旋回する場合、前記凸型隆起部が少なくとも1つのカートリッジ排出口を囲む、請求項23に記載のカプセル。
【請求項25】
前記ノズルが前記第2の位置で旋回する場合、前記凸型隆起部は、前記少なくとも1つのカートリッジ排出口を囲み、
前記ノズルが前記第1の位置で旋回する場合、前記対応する溝は、前記ノズルの前記注入口を囲む、請求項23に記載のカプセル。
【請求項26】
前記溝の断面に含まれる寸法は、半径約0.25mm、深さ約0.05mm、半径約0.25mm、深さ約0.075mm、および半径約0.5mm、深さ約0.1mmのうちから選択される、請求項21または34に記載のカプセル。
【請求項27】
前記ベアリングメンバはベアリング部分およびピンを備え、
前記ピンは、前記ベアリング部分の側面で、偏心関係に配置される、請求項1に記載のカプセル。
【請求項28】
前記ベアリング部分および前記ピンは、ほぼ円筒形である、請求項27に記載のカプセル。
【請求項29】
ベアリングメンバは、前記ベアリング部分を挟んで配置された2つのピンを備える、請求項28に記載のカプセル。
【請求項30】
ノズル注入口および隆起口を有するノズルを有し、前記隆起口は、先行部および後行部を備え、
前記ノズルが前記第1の位置に配置される場合、前記先行部の少なくとも一部は、前記ベアリングシェルの外表面から突出し、
前記ノズルが前記第2の位置に配置される場合、前記先行部および前記後行部は、少なくとも部分的に前記ノズル注入口に突出する、請求項1に記載のカプセル。
【請求項31】
前記ノズルが前記第2の位置に配置される場合、前記先行部および前記後行部は、前記ノズル注入口に突出する連続的な構造を形成する、請求項30に記載のカプセル。
【請求項32】
前記ノズルが前記第2の位置に配置される場合、前記先行部および前記後行部は、前記ベアリングシェルの内表面で密閉するための可撓性のある密閉口部を形成する、請求項30に記載のカプセル。
【請求項33】
先行部および後行部を有する隆起口を形成する方法であって、前記先行部の少なくとも一部は、前記ベアリングシェルの外表面から突出し、前記後行部の少なくとも一部は、ノズル注入口に突出し、
i.前記ベアリングメンバの外表面から突き出す隆起口を成形するステップと、
ii.前記ノズル注入口に突出するために適合するように、前記隆起口の一部を変形するステップと、を備える、方法。
【請求項34】
前記カートリッジは、少なくとも第1のプラスチック材料のカートリッジ前部分と、第2のプラスチック材料のカートリッジ後部分とから構成され、
前記カートリッジ前部分と前記カートリッジ後部分とは、前記第1および第2のプラスチック材料により提供される材料固着により接合され、
前記カートリッジ前部分は、少なくとも前記ベアリングシェルを提供する、請求項1に記載のカプセル。
【請求項35】
前記カートリッジ前部分は、互いに対して傾斜し前記ベアリングシェルで合流する、前記歯科材料用の排出口の流路を備える、請求項34に記載のカプセル。
【請求項36】
旋回可能なノズルを有するカートリッジを成形する方法であって、
i.カートリッジ前部分を成形するために、型に前記ノズルを提供するステップと、
ii.カートリッジ後部分を成形するステップと、
iii.前記ノズルの少なくとも一部の周辺に前記カートリッジ前部分を成形するステップとを備え、
前記カートリッジ前部分および前記カートリッジ後部分のうちの1つは、その他の部分を成形する際に、実質的に固体である、方法。
【請求項37】
前記カートリッジ前部分を成形するために、型に前記カートリッジ後部分を提供する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記カートリッジ後部分を成形するために、前記ノズルを有する前記カートリッジ前部分を型に提供する、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記ノズルは、混合流路であって、前記混合流路への第1の注入口、さらに、前記混合流路に合流する第2の注入口を提供する混合流路を備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項40】
−歯科材料を入れるための少なくとも1つの材料チャンバと、
−前記ノズルの前記ベアリングメンバの前記外表面上の環状隆起部とを備え、
前記環状隆起部は、前記ノズルが前記第1の位置にある場合、前記材料チャンバの一部を提供し、
前記環状隆起部は、前記ノズルが前記第2の位置にある場合、前記材料チャンバと共に流体経路を提供する溝をさらに備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項41】
前記溝は、前記ノズルの混合流路と恒常的に流体連通する、請求項40に記載のカプセル。
【請求項42】
前記カプセル中に残留する材料の量を示すための表示器を備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項43】
前記表示器は、前記カプセルに残留する材料の最後の約30%を示す、請求項42に記載のカプセル。
【請求項44】
前記表示器は、前記カプセルが満杯の状態から前記カプセルが空の状態までの前記カプセル中に残留する材料を示す、請求項42に記載のカプセル。
【請求項45】
前記表示器は、前記カートリッジ中に窓を備える、請求項42に記載のカプセル。
【請求項46】
前記カプセル内のピストンに接続する表示器部材を備える、請求項42に記載のカプセル。
【請求項47】
前記表示器は、前記表示器部材と共同して、残留材料の比例または絶対量の表示を提供する目盛りをさらに備える、請求項46に記載のカプセル。
【請求項48】
前記目盛りは、前記カプセル中に残留する材料量の絶対値を示す表示を備え、
前記表示は、前記カートリッジにレーザーで刻まれている、請求項47に記載のカプセル。
【請求項49】
前記ノズルに、前記ノズル上に延伸チップを保持するための保持部材を備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項50】
前記カートリッジの最後端に縁、および前記縁の前に距離をおいて溝を備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項51】
前記ベアリングメンバは、少なくとも1つの減摩剤を含む、プラスチック材料から作製される、請求項1に記載のカプセル。
【請求項52】
前記ノズルは、前記カニューレ内に静的ミキサを備える、請求項6に記載のカプセル。
【請求項53】
前記ノズルは、前記ベアリングメンバから前記カニューレへの遷移部を強化するための強化要素を備え、
前記強化要素は、前記カニューレの前記軸線に沿って延在する強化ウェブである、請求項6に記載のカプセル。
【請求項54】
前記カニューレは、前記ノズルの回転面に長軸を有する楕円形断面を備える、請求項6に記載のカプセル。
【請求項55】
前記ノズルをその操作位置に固定するための固定機構を備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項56】
前記固定機構は、前記ベアリングシェルに、前記ノズルカニューレと嵌合するように設けられた、少なくとも1つの戻り止めで形成される、請求項55に記載のカプセル。
【請求項57】
前記ノズルをその保存位置に固定するための固定機構を備える、請求項1に記載のカプセル。
【請求項58】
前記カプセルは、2回射出成形により製造される、請求項1に記載のカプセル。
【請求項59】
まず前記ノズルを成形し、続いて、前記ベアリングメンバを囲む前記ベアリングシェルを備えた前記カートリッジを成形することにより製造される、請求項58に記載のカプセル。
【請求項60】
前記カプセルは、その保存位置に製造される、請求項59に記載のカプセル。
【請求項61】
高粘度を有する材料で充填される、請求項1に記載のカプセル。
【請求項62】
前記カプセルは、樹脂変性されたグラスアイオノマーの合着/充填/支台築造材料、樹脂ベースの合着/充填/支台築造材料、並びに仮クラウンおよびブリッジ材料のうちから選択される材料で充填される、請求項1に記載のカプセル。
【請求項63】
前記ベアリングメンバは、前記ノズルがその第1の位置に配置される場合、前記カートリッジの前記排出口に整列かつ対応する、少なくとも1つの止まり穴を備える、請求項5に記載のカプセル。
【請求項64】
前記カプセルから材料を押し出す手持ち式の分注器と組み合わせる、請求項1〜63に記載のカプセル。
【請求項65】
前記ノズルを成形し、続いて、前記ベアリングメンバを囲む前記ベアリングシェルを備えた前記カートリッジを成形する工程を備える、請求項1に記載のカプセルを製造する方法。
【請求項66】
前記ノズルの前記溝は、前記カプセルの成形中、前記ベアリングシェルに前記凸型隆起部を形成する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記カプセルは、その保存位置に製造される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
請求項1に記載のカプセルを射出成形するための、ベアリングメンバを備えるノズルの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15a】
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【図15b】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19a】
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【図19b】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27a】
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【図27b】
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【図28a】
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【図28b】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公表番号】特表2009−529377(P2009−529377A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558544(P2008−558544)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/063635
【国際公開番号】WO2007/104037
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】