説明

杭打機

【課題】組立時に起伏ワイヤをスムーズに繰り出すことができると共に、分解時に起伏ワイヤがミドルシーブに噛込むことを防止できる杭打機を提供する。
【解決手段】第1リーダ52にはその外周面にロアリーダから第1リーダ52へ向かう方向にレール56が延設され、ミドルシーブ6にはそのレール56と係合する係合部が設けられ、レール56と係合部とが係合することにより、ミドルシーブ6がロアリーダから第1リーダ52に向かう方向に移動可能に構成されるので、ミドルシーブ6を第1リーダ52からロアリーダに向かう方向(又はその逆方向)に移動させる際にミドルシーブ6に巻き掛けられたワイヤロープが大きく弛むことを抑制できるので、組立時にワイヤロープをスムーズに繰り出すことができると共に、分解時にワイヤロープがミドルシーブ6に噛込むことを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は杭打機に関し、特に、組立時に起伏ワイヤをスムーズに繰り出すことができると共に、分解時に起伏ワイヤがミドルシーブに噛込むことを防止できる杭打機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、杭打機を用いて杭打ち作業が行われている。特許文献1には、従来の杭打機が開示される。かかる杭打機は、杭打ち作業を行うための建設車輌であり、走行装置51と、走行装置51に支持される杭打機の本体である上部旋回体52と、その上部旋回体52との前部に配設される複数のリーダ60と、上部旋回体52の後部に配設されるガントリ1とを備えて構成されている。
【0003】
かかる杭打機を搬送する際には、本体、リーダ、ガントリ等が分解された状態でトレーラにより搬送される。若しくは、トレーラが長い場合では、杭打機をそのままの状態で搬送可能であるが、杭を打つ深さに応じて複数のリーダが継ぎ足される場合には、旋回時に複数のリーダがトレーラからはみ出てしまう。よって、複数のリーダは分割された状態でトレーラにより運搬される。
【0004】
従って、いずれの場合においても、リーダは、複数に分割された状態で搬送されるので、現場において複数のリーダの組み立て作業又は分解作業が行われる。かかるリーダの組み立て又は分解作業において、杭打機とは別体のクレーンで起伏ワイヤが繰り出された状態のミドルシーブを吊り上げて移設する作業が行なわれる。即ち、ミドルシーブは、起伏ワイヤを取り回すための貨車であって、継ぎ足されたリーダの総数に応じて取付位置が決められる。よって、リーダの組み立て時には、ミドルシーブを本体側のリーダから先端側のリーダに移設し、リーダの分解時には、ミドルシーブを先端側のリーダから本体側のリーダに移設している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−127944
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の杭打機では、かかるミドルシーブは、クレーンで吊り上げられた状態で、先端側のリーダまたは本体側のリーダに移設されるので、起伏ワイヤにテンションをかけることができず、起伏ワイヤが大きく弛んだ状態となってしまう。よって、従来の杭打機では、組立時において起伏ワイヤをスムーズに繰り出すことができないという問題点があり、分解時において起伏ワイヤを巻き取る際に、起伏ワイヤがミドルシーブに噛込み易いという問題点があった。
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、組立時に起伏ワイヤをスムーズに繰り出すことができると共に、分解時に起伏ワイヤがミドルシーブに噛込むことを防止できる杭打機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、請求項1記載の杭打機は、車体と、その車体に連結される車体側リーダ及びその車体側リーダに連結される先端側リーダとを有すると共に前記車体側リーダ及び先端側リーダが分解又は組立可能に構成される複数のリーダと、前記車体側リーダ又は先端側リーダに脱着可能に固定されるシーブと、そのシーブに巻き掛けられて前記複数のリーダを起伏させるワイヤロープとを備えるものであり、前記先端側リーダは、その外周面に前記車体側リーダから前記先端側リーダへ向かう方向に延設されるレールを備え、前記シーブは、前記レールに係合する係合部を備え、その係合部と前記レールとの係合を介して前記先端側リーダに沿って移動可能に構成されている。
【0009】
請求項2記載の杭打機は、請求項1記載の杭打機において、前記レールは、前記車体側リーダと先端側リーダとの間の連結部から所定の隙間を設けて配置され、その隙間は、前記係合部の移動方向における全長より短く設定されている。
【0010】
請求項3記載の杭打機は、請求項1又は2に記載の杭打機において、前記レールは、所定の距離を設けて平行に配置される一対のレールで構成され、前記係合部は、前記一対のレールに係合可能に配置される一対の係合部で構成されている。
【0011】
請求項4記載の杭打機は、請求項3記載の杭打機において、前記一対のレールは、前記先端側リーダに固定される底壁と、その底壁から立設される側壁とを備え、前記一対の係合部は、前記シーブから立設され前記側壁に係合する係合壁を備えている。
【0012】
請求項5記載の杭打機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の杭打機の奏する効果に加え、前記レールは、前記係合部と係合するレール側係合面を有し、前記係合部は、前記レールと係合する係合部側係合面を有し、前記レール側係合面又は前記係合部側係合面のいずれか一方には、前記レールの延設方向に直交する断面が三角形状に突設される突部が形成され、前記レール側係合面又は前記係合部側係合面の他方には、前記レールの延設方向に直交する断面が前記突部に対応して三角形状に凹設される凹溝が形成されている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の杭打機によれば、複数のリーダのうち車体に連結される車体側リーダとその車体側リーダに連結される先端側リーダとが分解又は組立可能に構成され、その車体側リーダ及び先端側リーダにシーブが脱着可能に固定される。そして、先端側リーダと車体側リーダとの組立時において、クレーンで吊り上げられたシーブが車体側リーダから先端側リーダに移設された後に、シーブが先端側リーダに固定され、その先端側リーダに固定されたシーブに巻き掛けられるワイヤによって複数のリーダが起こされる。一方、先端側リーダと車体側リーダとの分解時において、先端側リーダに固定されたシーブに巻き掛けられるワイヤによって複数のリーダが伏せられた後に、シーブがクレーンで吊り上げられ、車体側リーダに固定される。
【0014】
ここで、先端側リーダにはその外周面に車体側リーダから先端側リーダへ向かう方向にレールが延設され、シーブにはそのレールと係合する係合部が設けられ、レールと係合部とが係合することにより、シーブが車体側リーダから先端側リーダに向かう方向に移動可能に構成されるので、組立時にワイヤをスムーズに繰り出すことができると共に、分解時にワイヤがミドルシーブに噛込むことを防止できるという効果がある。
【0015】
即ち、先端側リーダのレールとシーブの係合部とが係合するので、シーブが先端側リーダに保持される。よって、シーブ(係合部)はそのシーブに巻き掛けられるワイヤにテンションを掛けながらレール上(先端側リーダ)を移動可能とされる。従って、先端側リーダと車体側リーダとの組立時(又は分解時)にワイヤにテンションを掛けながら車体側リーダから先端側リーダに向かう方向(又は先端側リーダから車体側リーダに向かう方向)にシーブを移動させることができる。結果として、シーブを先端側リーダから車体側リーダに向かう方向(又はその逆方向)に移動させる際にシーブに巻き掛けられたワイヤが大きく弛むことを抑制できるので、組立時にワイヤをスムーズに繰り出すことができると共に、分解時にワイヤがミドルシーブに噛込むことを防止できる。
【0016】
請求項2記載の杭打機によれば、請求項1記載の杭打機の奏する効果に加え、レールは、車体側リーダと先端側リーダとの間の連結部から所定の隙間を設けて配置され、その隙間は、係合部の移動方向における全長より短く設定されるので、所定の隙間が係合部の移動方向における全長より長く設定される場合に比べて、レールが車体側リーダと先端側リーダとの連結部の近傍まで延設される。
【0017】
よって、シーブをクレーンで吊り上げて車体側リーダから先端側リーダに向かう方向(又は逆方向)に移設させる際に、所定の隙間が係合部の移動方向における全長より長く設定される場合に比べて、クレーンで吊り上げて移設させる距離を短く抑えることができるので、ワイヤが大きく弛むことを確実に抑制できる。従って、組立時にワイヤをスムーズに繰り出すことができると共に、分解時にワイヤがミドルシーブに噛込むことを確実に防止できるという効果がある。
【0018】
また、車体側リーダと先端側リーダとの連結部及びレールの間に所定の隙間が設定されるので、かかる連結部にクレーンで吊り下げられたシーブが干渉することなく、シーブを車体側リーダから先端側リーダ(又は先端側リーダから車体側リーダ)へ移設できるという効果がある。
【0019】
さらに、所定の隙間が係合部の移動方向における全長より短く設定されるので、クレーンで吊り下げられ移設されたシーブが最も車体側リーダ側に配置された場合であっても、シーブの係合部は車体側リーダのレールと係合される。よって、先端側リーダにおいてクレーンで吊り下げられ移設されたシーブの係合部はレールと確実に係合するので、レールから脱落することが抑制され、シーブを車体側リーダから先端側リーダ(又は先端側リーダから車体側リーダ)へ確実に移設することができるという効果がある。
【0020】
請求項3記載の杭打機によれば、請求項1又は2に記載の杭打機の奏する効果に加え、で所定の距離を設けて平行に配置される一対のレールが一対の係合部と係合されるので、一対のレールと一対の係合部とをそれぞれ係合させることができる。よって、レール上を移動するシーブがレールに対してぐらつくことを規制でき、シーブをレールに安定して係合させることができるという効果がある。
【0021】
請求項4記載の杭打機によれば、請求項3記載の杭打機の奏する効果に加え、一対のレールは、先端側リーダに固定される底壁と、その底壁から立設される側壁とを備え、一対の係合部は、シーブから立設され側壁に係合する係合壁を備えているので、レール上に係合部を載せるだけでレールの側壁と係合部の係合壁が係合する。よって、レールの側壁と係合部の係合壁とを係合させる係合操作を簡単に行うことができるという効果がある。
【0022】
請求項5記載の杭打機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の杭打機の奏する効果に加え、レールは係合部と係合するレール側係合面を有し、係合部はレールと係合する係合部側係合面を有し、レール側係合面又は係合部側係合面のいずれか一方に突設される突部とレール側係合面又は係合部側係合面の他方に凹設される凹溝とは、レールの延設方向に直交する断面が三角形状に突設されるので、突部と凹溝との三角形の頂点を挟む2つの面でそれぞれ係合される。
【0023】
よって、突部と凹溝との2面が係合することによりレールに対してシーブがぐらつくことを規制できるので、シーブはレール上を安定した状態で走行できる。従って、シーブを車体側リーダから先端側リーダに向かう方向(又は逆方向)に移動させる移動作業をスムーズに行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施の形態における杭打機の側面図である。
【図2】(a)は、ミドルシーブの側面図であり、(b)は図2(a)のIIb方向から視たミドルシーブの上面図であり、(c)は図2(b)のIIc方向から視たミドルシーブの側面図である。
【図3】(a)は、第1リーダの側面図であり、(b)は図3(a)のIIIb方向から視た第1リーダの正面図であり、(c)は図3(b)のIIIc―IIIc線における第1リーダの断面図である。
【図4】(a)は、ロアリーダから第1リーダへミドルシーブが移設された状態を示す複数のリーダの側面図であり、(b)は、ロアリーダから第1リーダに向かう方向へミドルシーブが第1リーダ上を移動する状態を示す複数のリーダの側面図である。
【図5】(a)は、第1リーダからロアリーダに向かう方向へミドルシーブが第1リーダ上を移動する状態を示す複数のリーダの側面図であり、(b)は、第1リーダからロアリーダへミドルシーブが移設される状態を示す複数のリーダの側面図である。
【図6】(a)は、本発明の第2実施の形態における杭打機の断面図であり、図6(b)は、図6(a)のVI部を拡大した杭打機の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施の形態における杭打機1の側面図であり、油圧シリンダ(図示せず)によりガントリ4が起立した状態を示している。
【0026】
また、矢印Fは杭打機1の前方を、矢印Bは後方を、矢印Uは上方を、矢印Dは下方を、矢印Lは左方を及び矢印Rは右方を示している。なお、ガントリ4は、倒伏状態と完全に起立した状態とが二点鎖線で図示されている。また、図1において第2リーダ53の図示が一部省略されている。図4及び図5においても同様である。
【0027】
図1を参照して、杭打機1の概略構成について説明する。杭打機1は、鋼管杭やコンクリート杭等を地盤へ打ち込む杭打ち作業を行うための建設車両であり、杭打機1を走行させるための装置である走行装置2と、走行装置2に支持される上部旋回体3と、上部旋回体3の後部に配設されるガントリ4と、リーダブラケット9を介して上部旋回体3の前部に配設される複数のリーダ5と、複数のリーダ5に脱着可能に固定されるミドルシーブ6と、そのミドルシーブ6に巻き掛けられて複数のリーダ5を起伏させるワイヤロープ7を備えて構成されている。
【0028】
図1に示すように、上部旋回体3は、リーダ5及びガントリ4等の各種設備が配設される杭打機1の本体であり、旋回装置31を介して走行装置2に支持されると共に、その旋回装置31によって走行装置2に対し旋回自在に構成されている。上部旋回体3の前端部分(図1左端部分)にリーダブラケット9が取り付けられる。
【0029】
図1に示すように、ガントリ4は、ワイヤロープ7を支持するためのものであり、前脚41と、その前脚41に連結される後脚42と、それら前脚41と後脚42とを連結する主軸43とを主に備えて構成されている。
【0030】
前脚41は、角柱状の部材で構成され、下端が上部旋回体3に固定され立設されている。後脚42は、外側の下部角柱体42aと、下部角柱体42aの内周側に配置される中間角柱体42bと、中間角柱体42bの内周側に配置される上部角柱体42cとで構成され同心円上に配置される3つの角柱状の部材で形成され、下端が前脚41よりも後方(図1右側)の上部旋回体3に固定され立設されている。図1に示すように、ガントリ4は、現場において2段階で起立される。
【0031】
まず、油圧シリンダ(図示せず)により下部角柱体42aが起立され、ガントリ4が図1で示すように中間起立状態となり、さらに後述するミドルシーブ6が後述するロアリーダ51から第1リーダ52に移設されてその第1リーダ52に固定された後に、ミドルシーブ6に巻き掛けられたワイヤロープ7が上部旋回体3の内部に収容される本体側のウインチ(図示せず)により巻き取られることにより中間角柱体42bが起立されてガントリ4が完全な起立状態となる。
【0032】
リーダ5は、鋼管杭やコンクリート杭等を地盤へ打ち込むオーガ又はハンマ(いずれも図示せず)を支持するためのものであり、複数のリーダ5が長手方向(図1左右方向)に連結され杭を打ち込むために必要な長さに調整される。また、リーダ5は、リーダブラケット9の前端に連結されるロアリーダ51と、そのロアリーダ51の先端に連結される第1リーダ52と、その第1リーダ52の先端に連結される第2リーダ53とを備えて構成されている。
【0033】
ロアリーダ51には、ガントリ4を起立させる際に後述するミドルシーブ6を固定する第1固定ブラケット54が外周面に固着されている。後述するミドルシーブ6は第1固定ブラケット54にピンP2を介して脱着可能に取り付けられる。
【0034】
第1リーダ52には、その長手方向(図1左右方向)に延設するレール56が固着され、その先端(図1左端)に後述する第2固定ブラケット55が配設され、かかる第2固定ブラケット55に後述するミドルシーブ6が脱着可能に固着される。かかるレール56及び第2固定ブラケット55については、図3を参照して、後に詳しく説明する。
【0035】
第2リーダ53には、その後端(図1右端)に引込シーブ57が固着されている。かかる引込シーブ57は、後述するレール56上に配置されたミドルシーブ6を第2リーダ53側(図1左側)に引き込むための滑車であり、かかる引込シーブ57に巻き掛けられたペンダントロープ8(図4(b)参照)が別体のクレーン(図示せず)で引っ張られる。これにより、レール56上をミドルシーブ6が前方(図1左側)又は後方(図1右側)に移動する。
【0036】
次に、図2を参照してミドルシーブ6について説明する。図2(a)は、ミドルシーブ6の側面図であり、図2(b)は図2(a)のIIb方向から視たミドルシーブ6の上面図であり、図2(c)は図2(b)のIIc方向から視たミドルシーブ6の側面図である。なお、図2(b)においてワイヤロープ7の図示が省略され、図2(a)にワイヤロープ7が二点鎖線で図示されている。
【0037】
図2に示すように、ミドルシーブ6は、ガントリ4及び複数のリーダ5(いずれも図1参照)を起立させるペンダントロープ8(図4(b)参照)とワイヤロープ7とが保持される滑車であり、ロアリーダ51及び第1リーダ52(図1参照)に脱着可能に固定される。
【0038】
また、ミドルシーブ6は、ワイヤロープ7が巻き掛けられる複数の滑車6aと、複数の滑車6aが収容され前後方向(図2(b)上下方向)が貫通した箱型のケース6fと、ケース6fに固定されケース6fの前面から前方(図2(c)前方)突設される保持部6bと、ケース6fに固定されケース6fの前面から前方に突設される固定部6dと、ケース6fの上面から上方(図2(c)上方)に突設される逆U字型の取っ手6cと、ケース6fの下面から下方に突設される係合部6eとを備えて構成される。
【0039】
保持部6bは、一対の板状部材で構成されるブラケットであり、ケース6fの両端にそれぞれ配設され、一対の保持部6bは同一構成で形成される。かかる一対の保持部6bによりペンダントロープ8(図4(b)参照)を保持する保持ブラケット(図示せず)が挟持され、保持部6bに貫通形成される貫通孔(図示せず)と保持ブラケットに貫通形成される貫通孔(図示せず)とにピンP1が挿通されることにより、ミドルシーブ6にペンダントロープ8が固定される。
【0040】
固定部6dは、一対の板状部材で構成されるブラケットであり、保持部6bより内側のケース6fの両側にそれぞれ配設され、一対の固定部6dは同一構成に形成される。一対の固定部6dにより後述する第2固定ブラケット55の突出部55aが挟持される。一対の固定部6dと貫通形成される貫通孔(図示せず)と第2固定ブラケット55の突出部55aとに貫通形成される貫通孔(図示せず)に後述するピンP2が挿通されることにより、ミドルシーブ6が第1リーダ52(図1参照)に固定される。
【0041】
取っ手6cは、クレーン側のワイヤロープ(いずれも図示せず)を連結する部分であり、ケース6fの上面中央に同一構成で形成された一対の取っ手6cが配設される。かかる取っ手6cにクレーン側のワイヤロープが挿通されて連結されることにより、クレーン(図示せず)によってミドルシーブ6が吊り上げられるので、クレーンを用いてロアリーダ51から第1リーダ52又は第1リーダ52からロアリーダ51(図1参照)へミドルシーブ6を移設することができる。
【0042】
係合部6eは、後述するレール56(図3参照)に係合する部材であり、ケース6fの下面に固着される板部6e1と、その板部6e1から下方(図2(c)下方)に延設される係合壁6e2とで構成される。また、係合部6eは、ケース6fの両側にそれぞれ配設され、一対の係合部6eは同一構成に形成される。係合部6eは左右方向(図2(b)左右方向)で保持部6bと固定部6dとの間に位置しており、一対の係合部6eの離間距離L1は、後述するレール56の離間距離L2(図3(b)参照)より若干短く設定されている。
【0043】
係合壁6e2は、全長L3(図2(a)上下方向の長さ)がケース6fの全長(図2(a)上下方向の長さ)より長く設定される長円形状に形成される部分を備えており、係合壁6e2の前後方向(図2(a)上下方向)の端部には面取りされた円弧状の円弧部6e3が形成され、前後の円弧部6e3の間には直線状の当接部6e4が形成される。
【0044】
よって、クレーン(図示せず)で吊り上げられたミドルシーブ6の係合壁6e2を後述するレール56(図3参照)に係合させる場合に、面取りされた円弧部6e3によりレール56、第1リーダ52、ロアリーダ51等を損傷させることなく、係合壁6e2とレール56とを係合させることができ、直線状の当接部6e4により係合壁6e2はレール56上を前後方向(図2(a)上下方向)円滑に移動できる。
【0045】
また、係合壁6e2は、その全長(図2(a)上下方向の長さ)がケース6fの全長(図2(a)上下方向の長さ)より長く形成されるので、レール56(図3参照)との接触面積を確保することができ、レール56上を安定して移動できる。
【0046】
次に、図3を参照して第1リーダ52について説明する。図3(a)は、第1リーダ52の側面図であり、図3(b)は図3(a)のIIIb方向から視た第1リーダ52の正面図であり、図3(c)は図3(b)のIIIc―IIIc線における第1リーダ52の断面図である。また、図3(a)及び図3(c)において、レール56上を移動するミドルシーブ6が二点鎖線で図示されている。なお、図3(c)のXで示す部分について拡大図示される。
【0047】
第1リーダ52は、筒状の本体52bと、本体の前後の端部に本体52bの径より径大のドーナツ状に形成されロアリーダ51又は第2リーダ53と連結されるフランジ52aと、作業装置(図示せず)の昇降をガイドするガイドパイプ52cとで構成される。
【0048】
第1リーダ52の本体52bには、ミドルシーブ6を脱着可能に固定するための第2固定ブラケット55と、ロアリーダ51から第1リーダ52へ向かう方向(第1リーダ52の前後方向、図3(a)左右方向)に延設されるレール56とが形成される。
【0049】
第2固定ブラケット55は、筒状の本体52bの外周面に固定されるブラケットであり、筒状の本体52bの外周面に固定される土台部55bと、その土台部55bの上面から上方に突設されミドルシーブ6が脱着可能に固定される突出部55aとで構成される。
【0050】
レール56は、ミドルシーブ6の係合壁6e2が係合する部材であり、筒状の本体52bの外周面に第1支持部材59及び第2支持部材58を介して固定される底壁56aと、その底壁56aから上方(図3(c)上方)に立設される側壁56bとで構成され、レール56の延設方向(図3(a)左右方向)と直交する方向におけるレール56の断面形状がL字型に形成されている。
【0051】
即ち、第1支持部材59が筒状の本体52bの外周面に固着されると共に、第2支持部材58が第2固定ブラケット55の土台部55bの側面に固着され、かかる第1支持部材59の上面と第2支持部材58の上面とにレール56の底壁56aが固着される。
【0052】
レール56の側壁56bの底壁56aからの長さ(図3(c)上下方向の長さ)は、ミドルシーブ6の係合壁6e2の板部6e1からの長さの略半分に設定されている。よって、ミドルシーブ6の係合壁6e2の下部がレール56の側壁56bと係合するように、レール56の側壁56bが形成されている。
【0053】
従って、ミドルシーブ6の係合壁6e2がレール56上を移動する際に、レール56の側壁56bがミドルシーブ6に接触することを防止できる。結果として、レール56の側壁56bによってミドルシーブ6が損傷することを防止できるので、ミドルシーブ6を保護できる。
【0054】
また、ミドルシーブ6の係合壁6e2の板部6e1からの長さは、レール56の側壁56bの底壁56aからの長さ(図3(c)上下方向の長さ)の略2倍に設定される。よって、図3(c)に示すように、レール56の側壁56bの底壁56aからの長さ分だけ第1リーダ52から離した状態でミドルシーブ6が第1リーダ52の上方に配置される。
【0055】
従って、ミドルシーブ6の係合壁6e2がレール56上を移動する際にミドルシーブ6と第1リーダ52の本体52bとが接触することを防止できる。結果として、ミドルシーブ6によって第1リーダ52の本体52bが損傷することを防止できるので、第1リーダ52の本体52bを保護できる。
【0056】
また、一対のレール56は、離間距離L2を設けて平行に配置され、この一対のレール56に一対の係合壁6e2が係合可能に配置される。さらに、レール56は、フランジ52aから隙間L4を設けて配置され、その隙間L4は、係合壁6e2の移動方向における全長L3より短く設定される。よって、隙間L4が係合部6eの移動方向における全長L3より長く設定される場合に比べて、レール56がロアリーダ51と第1リーダ52との連結部の近傍まで延設される。
【0057】
上述したように、第1リーダ52にはその外周面にロアリーダ51から第1リーダ52へ向かう方向(図3(a)左右方向)にレール56が延設され、ミドルシーブ6にはそのレール56と係合する係合部6eが設けられ、レール56と係合部6eとが係合することにより、ミドルシーブ6がロアリーダ51(図1参照)から第1リーダ52に向かう方向に移動可能に構成されるので、第1リーダ52のレール56とミドルシーブ6の係合部6eとが係合すると、ミドルシーブ6が第1リーダ52に保持される。
【0058】
よって、ミドルシーブ6(係合部6e)はそのミドルシーブ6に巻き掛けられるワイヤロープ7にテンションを掛けながらレール56上(第1リーダ52)を移動可能とされる。従って、第1リーダ52とロアリーダ51(図1参照)との組立時(又は分解時)にワイヤロープ7にテンションを掛けながらロアリーダ51から第1リーダ52に向かう方向(又は第1リーダ52からロアリーダ51に向かう方向)にミドルシーブ6を移動させることができる。
【0059】
結果として、ミドルシーブ6を第1リーダ52からロアリーダ51(図1参照)に向かう方向(又はその逆方向)に移動させる際にミドルシーブ6に巻き掛けられたワイヤロープ7が大きく弛むことを抑制できるので、組立時にワイヤロープ7をスムーズに繰り出すことができると共に、分解時にワイヤロープ7がミドルシーブ6に噛込むことを防止できる。
【0060】
レール56が第1リーダ52の後端に形成されるフランジ52aの近傍まで延設される。よって、ミドルシーブ6をクレーン(図示せず)で吊り上げてロアリーダ51(図1参照)から第1リーダ52に向かう方向(又は逆方向)に移設させる際に、隙間L4が係合部6eの移動方向における全長L3より長く設定される場合に比べて、クレーンで吊り上げて移設させる距離を短く抑えることができるので、ワイヤロープ7が大きく弛むことを確実に抑制できる。従って、組立時にワイヤロープ7をスムーズに繰り出すことができると共に、分解時にワイヤロープ7がミドルシーブ6に噛込むことを確実に防止できる。
【0061】
また、フランジ52a及びレール56の間に隙間L4が設定されるので、フランジ52aにクレーン(図示せず)で吊り下げられたミドルシーブ6が干渉することなくロアリーダ51(図1参照)から第1リーダ52(又は第1リーダ52からロアリーダ51)へ移設できる。
【0062】
さらに、隙間L4が係合部6eの移動方向における全長L3より短く設定されるので、クレーン(図1参照)で吊り下げられたミドルシーブ6が最も後側(図3右側)に配置された場合であっても、ミドルシーブ6の係合部6eはレール56と係合される。よって、第1リーダ52においてクレーンで吊り下げられたミドルシーブ6の係合部6eはレール56と確実に係合しレール56から脱落することが抑制されるので、ミドルシーブ6をロアリーダ(図1参照)51から第1リーダ52(又は第1リーダ52からロアリーダ51)へ確実に移設させることができる。
【0063】
また、離間距離L2を設けて平行に配置される一対のレール56は少なくとも一対の係合壁6e2と係合するので、一対のレール56と一対の係合壁6e2とをそれぞれ係合させることができる。よって、一対のレール56上を移動するミドルシーブ6がレール56に対してぐらつくことを規制できるので、レール56及び係合壁6e2が1つの場合に比べて、一対の係合壁6e2を一対のレール56に安定して係合させることができる。
【0064】
さらに、一対のレール56は、第1リーダ52に固定される底壁56aと、その底壁56aから立設される側壁56bとで構成され、その側壁56bに係合する一対の係合壁6e2は、ミドルシーブ6から下方(図3(c)下方)に立設されるので、レール56上に係合部6eを載せるだけでレール56の側壁56bと係合部6eの係合壁6e2が係合する。よって、レール56の側壁56bと係合部6eの係合壁6e2とを係合させる係合操作を簡単に行うことができる。
【0065】
次に、図4を参照して複数のリーダ5の組立作業について説明する。図4は、複数のリーダ5を組み立てた後に、ミドルシーブ6をロアリーダ51から第1リーダ52へ移動する工程を示しており、図4(a)は、ロアリーダ51から第1リーダ52へミドルシーブ6が移設された状態を示す複数のリーダ5の側面図であり、図4(b)は、ロアリーダ51から第1リーダ52に向かう方向へミドルシーブ6が第1リーダ52上を移動する状態を示す複数のリーダ5の側面図である。図4(a)において、ロアリーダ51に固定されたミドルシーブ6が二点鎖線で図示されており、図4(b)において、レール56上を移動する前のミドルシーブ6が二点鎖線で図示されている。
【0066】
図4(a)に示すように、ロアリーダ51、第1リーダ52、第2リーダ53及び他のリーダ5の組立時において、ロアリーダ51、第1リーダ52、第2リーダ53、他のリーダ5を接続した後、まず、第2ピンP2が第1固定ブラケット54から外される。これにより、第1固定ブラケット54が固定されたミドルシーブ6は第1固定ブラケット54から取り外される。
【0067】
次に、クレーン側のワイヤロープ(いずれも図示せず)をミドルシーブ6の取っ手6c(図2(b)参照)に連結し、クレーンで吊り上げられたミドルシーブ6がロアリーダ51から第1リーダ52に移設される。この場合であっても、クレーンで吊り上げられたミドルシーブ6を、第1リーダ52のフランジ52aとロアリーダ51のフランジ51aとを跨ぐように、移設させるだけなので、第1固定ブラケット54から第2固定ブラケット55まで移設させる場合に比べて、ミドルシーブ6をクレーンで吊り上げて移設させる距離を短く設定できる。
【0068】
そして、ミドルシーブ6の一対の係合壁6e2が第1リーダ52上の一対のレール56に係合するように、クレーン(図示せず)で吊り上げられたミドルシーブ6が下ろされて第1リーダ52上に移設される。
【0069】
その後、図4(b)に示すように、一対の係合壁6e2と一対のレール56とを係合させた状態で、引込シーブ57を介してミドルシーブ6に連結されたワイヤロープ7がクレーン(図示せず)で上方(図4(b)上方)に引っ張られることにより、ミドルシーブ6は、一対の係合壁6e2を一対のレール56の側壁56b(図3(c)参照)と係合させながら、ロアリーダ51から第1リーダ52に向かって(図4(b)右から左に向かって)第1リーダ52のレール56上を移動する。この場合、ワイヤロープ7はある程度の弛みを持った状態でガントリ4(図1参照)側から繰り出される。
【0070】
ロアリーダ51から第1リーダ52に向かう方向(図4(b)右から左方向)にレール56上を移動したミドルシーブ6が、第2固定ブラケット55の突出部55aに到達すると、ピンP2が突出部55aの貫通孔とミドルシーブ6の固定部6dの貫通孔とに挿通され、ミドルシーブ6が第2固定ブラケット55に固定される。
【0071】
このように、ミドルシーブ6が第2固定ブラケット55に固定された状態で、上述したように、ガントリ4(図1参照)を起立させる。この場合、ミドルシーブ6をロアリーダ51から第1リーダ52に移設させるので、リーダ5側に対してガントリ4側の重量を確保することができる。
【0072】
よって、ワイヤロープ7を本体側のウインチ(図示せず)で引くことにより、リーダ5側が浮き上がることなく、油圧シリンダで途中まで起立されたガントリ4を完全に起立させることができる。ガントリ4を完全に起立させた後、第1リーダ52に固定されたミドルシーブ6に巻き掛けられるワイヤによってロアリーダ51、第1リーダ52、第2リーダ53及び接続された複数のリーダ5が起こされる。
【0073】
図5を参照して複数のリーダ5の分解作業について説明する。図5は、複数のリーダ5を分解する前に、ミドルシーブ6を第1リーダ52からロアリーダ51へ移動する工程を示しており、図5(a)は、第1リーダ52からロアリーダ51に向かう方向へミドルシーブ6が第1リーダ52上を移動する状態を示す複数のリーダ5の側面図であり、図5(b)は、第1リーダ52からロアリーダ51へミドルシーブ6が移設される状態を示す複数のリーダ5の側面図である。図5(a)及び図5(b)において、レール56上を移動した後のミドルシーブ6が二点鎖線で図示されている。
【0074】
第1リーダ52に固定されたミドルシーブ6に巻き掛けられるワイヤロープ7によって起立状態の複数のリーダ5が伏せられると共にガントリ4が一段倒伏された後に、まず、突出部55aの貫通孔とミドルシーブ6の固定部6dの貫通孔とに挿通されたピンP2を取り外すと共に、ミドルシーブ6の一対の係合壁6e2が第1リーダ53上の一対のレール56に係合するように、一対のレール56上にミドルシーブ6が移設される。
【0075】
次に、本体側のウインチ(図示せず)でワイヤロープ7を巻き上げ、ミドルシーブ6は一対の係合壁6e2を一対のレール56の側壁56bと係合させながら、一対のレール56に沿って第1リーダ52からロアリーダ51へ向かう方向(図5(b)左から右方向)に移動し、一対のレール56のロアリーダ51側端に到達する。
【0076】
そして、クレーン(図示せず)でミドルシーブが吊り上げられて、一対のレール56のロアリーダ51側端から第1固定ブラケット54まで移設される。その後、ピンP2が第1固定ブラケット54の貫通孔とミドルシーブ6の固定部6dの貫通孔とに挿通され、ミドルシーブ6が第2固定ブラケット55に固定される。最後に、複数のリーダ5が分解される。
【0077】
次に、図6を参照して、本発明の第2実施の形態における杭打機101について説明する。図6(a)は、本発明の第2実施の形態における杭打機101の断面図であり、図6(b)は、図6(a)のVI部を拡大した杭打機101の拡大断面図である。また、図6(a)は、図3(c)の断面図に相当する。但し、ミドルシーブ106は実線で表示されている。なお、図6において、杭打機101の側面は、一対のレール156及び一対の係合部106eを除き第1実施の形態と同様であるため、杭打機101の側面図は省略されている。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0078】
第1実施の形態における一対のレール56は、第1リーダ52(第1支持部材59又は第2支持部材58)に固定される底壁56aと、その底壁56aから立設される側壁56bとで構成され、第1実施の形態における一対の係合部6eは、ケース6fの下面に固着される板部6e1と、その板部から下方(図2(c)下方)に延設される係合壁6e2とで構成される。
【0079】
これに対して、第2実施の形態における一対のレール156は、第1リーダ52(第1支持部材(図示せず)又は第2支持部材158)に固定される底壁156aと、その底壁56aから上向きに凸の三角形状に突設される突壁156bとで構成され、第2実施の形態における一対の係合部106eは、ケース6fの下面に固着される板部106e1と、その板部から下方(図2(c)下方)に所定間隔を空けて延設される一対の支持壁106e3と、一対の支持壁106e3に挟持されるローラ106e2を一対の支持壁106e3に固定する第3ピン106e4とで構成される。
【0080】
よって、一対のレール156は一対の係合部106eと係合する一対の突壁156bを有し、一対の係合部106eは一対のレール156と係合する一対のローラ106e2を有し、一対の突壁156bには突部156b1が突設され、一対のローラ106e2には凹溝106e5が凹設され、突部156b1と凹溝106e5とは、一対のレール156の延設方向に直交する断面が三角形状に形成されるので、突部156b1と凹溝106e5との三角形の頂点を挟む2つの面でそれぞれ係合される。
【0081】
よって、突部156b1と凹溝106e5との2面が係合することによりレール156に対してミドルシーブ106がぐらつくことを規制できるので、ミドルシーブ106は一対のレール156上を安定した状態で走行できる。従って、ミドルシーブ106をロアリーダ51から第1リーダ52に向かう方向又は逆方向(図1参照)に移動させる移動作業をスムーズに行うことができる。
【0082】
以上、各実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した各実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0083】
例えば、第1実施の形態において、レール56の側壁56bは、底壁56aからの高さがフランジ52aの上端と略同一に形成されるが、必ずしもこれに限られるものではなく、側壁56bがフランジ52aの上端から突出するように形成してもよい。この場合は、係合部6eと側壁56bとの接触面積を拡大することができるので、より安定した状態でミドルシーブ6がレール56を走行する。よって移動作業をスムーズに行うことができる。
【0084】
また、第2実施の形態において、一対の突壁156bには突部156b1が突設され、一対のローラ106e2には凹溝106e5が凹設されたが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の突壁156bには凹溝が凹設され、一対のローラ106e2には突部が形成されてもよい。
【0085】
さらに、第2実施の形態において、突部156b1及び凹溝106e5は、一対のレール156の延設方向に直交する断面が三角形状に形成されたが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対のレール156の延設方向に直交する断面が矩形状や円弧状であってもよい。
【0086】
また、第1実施の形態において、レール56の側壁56bと係合部6eの係合壁6e2とが係合するように構成されるが、必ずしもこれに限られるものではなく、レール56の底壁56aから一対の突起を突設すると共に係合部6eをローラで構成し、一対の突起の離間距離をローラの幅より若干大きく設定することにより、その一対の突起の間をローラが移動するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0087】
1,101 杭打機
3 上部旋回体(車体)
5 リーダ
6,106 ミドルシーブ(シーブ)
6e,106e 係合部
7 ワイヤロープ(ワイヤ)
51 ロアリーダ(リーダ)
52 第1リーダ(リーダ)
53 第2リーダ
56,156 レール
106e2 ローラ(レール側係合面)
106e5 凹溝
156b 突壁(係合部側係合面)
156b1 突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、その車体に連結される車体側リーダ及びその車体側リーダに連結される先端側リーダとを有すると共に前記車体側リーダ及び先端側リーダが分解又は組立可能に構成される複数のリーダと、前記車体側リーダ又は先端側リーダに脱着可能に固定されるシーブと、そのシーブに巻き掛けられて前記複数のリーダを起伏させるワイヤロープとを備えた杭打機において、
前記先端側リーダは、その外周面に前記車体側リーダから前記先端側リーダへ向かう方向に延設されるレールを備え、
前記シーブは、前記レールに係合する係合部を備え、その係合部と前記レールとの係合を介して前記先端側リーダに沿って移動可能に構成されることを特徴とする杭打機。
【請求項2】
前記レールは、前記車体側リーダと先端側リーダとの間の連結部から所定の隙間を設けて配置され、
その隙間は、前記係合部の移動方向における全長より短く設定されることを特徴とする請求項1記載の杭打機。
【請求項3】
前記レールは、所定の距離を設けて平行に配置される一対のレールで構成され、
前記係合部は、前記一対のレールに係合可能に配置される一対の係合部で構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の杭打機。
【請求項4】
前記一対のレールは、前記先端側リーダに固定される底壁と、その底壁から立設される側壁とを備え、
前記一対の係合部は、前記シーブから立設され前記側壁に係合する係合壁を備えることを特徴とする請求項3記載の杭打機。
【請求項5】
前記レールは、前記係合部と係合するレール側係合面を有し、
前記係合部は、前記レールと係合する係合部側係合面を有し、
前記レール側係合面又は前記係合部側係合面のいずれか一方には、前記レールの延設方向に直交する断面が三角形状に突設される突部が形成され、前記レール側係合面又は前記係合部側係合面の他方には、前記レールの延設方向に直交する断面が前記突部に対応して三角形状に凹設される凹溝が形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の杭打機。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−281167(P2010−281167A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137123(P2009−137123)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(000004617)日本車輌製造株式会社 (722)
【Fターム(参考)】