板材の搬送装置
【課題】簡単な構成で、しかも、形状や大きさのいかんを問わず、板材を所定位置に搬送して位置決めや突合せをする。
【解決手段】板材の搬送装置は、板材を載置するためのワークセットベース12と、ワークセットベース12に設けた、板材と接触する保持手段14と、ワークセットベース12の前端の幅方向中央部と係合する連結部材22と、連結部材22を移動させる駆動機構20とを具備している。
【解決手段】板材の搬送装置は、板材を載置するためのワークセットベース12と、ワークセットベース12に設けた、板材と接触する保持手段14と、ワークセットベース12の前端の幅方向中央部と係合する連結部材22と、連結部材22を移動させる駆動機構20とを具備している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は板材を所定位置まで搬送するための装置に関するもので、たとえば、テーラード・ブランク(Tailor-Welded Blanks)をつくるときのように金属板材を突合せ溶接するにあたり、その金属板材を突き合わせた状態に位置決めするために利用することができる。
【背景技術】
【0002】
テーラード・ブランク材は、厚さや材質の異なる金属板材の端縁同士を突き合わせて、レーザ溶接等により突合せ溶接をした後、プレス加工により1枚のパネルに成型したもので、自動車のドア・パネル等で採用されている。
【0003】
図12を参照して、2枚の板材1,2をそれらの端縁1a,2a同士で突き合わせる場合の従来一般的な方法を説明すると次のとおりである。まず、図12(A)に示すように、第一の板材1をプッシャ3で矢印bで示すように押して端縁1bを位置決めピン4に当てる。続いて、プッシャ3を後退させた後、図12(B)に示すように、第一の板材1をプッシャ5で矢印aで示すように押して端縁1aを位置決めンピン6に当てる。そして、第一の板材1をクランプした後、位置決めピン6を退入させる。次に、図12(C)に示すように、第二の板材2を、突き合わせるべき端縁2aとは反対側からプッシャ7で押して、第一の板材1の端縁1aに当てる。その後、第二の板材2をクランプする。なお、図12ではクランプ装置は図示を省略してある。
【特許文献1】特開2003−71592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
板材を突合せ溶接する場合、端縁間のすきまの有無や大きさが溶接品質に大きく影響する。しかし、上述の従来の位置決め方法のようにプッシャで機械的に押すだけでは、端縁1a,2a同士を突き合わせて位置決めすることは必ずしも容易でない。図示するような矩形の板材1,2同士の場合は比較的容易に突き合わせることができるが、三角形や曲線部分を含んだ各種の異形材に対応するためには、プッシャや位置決めピンの数、ひいては工程数を増やさざるを得ない。
【0005】
具定例を挙げるならば、図13(A)は板材を位置決めピンに突き当てる場合を示しているが、矢印で示すようにプッシャで後ろから押すだけでは二点鎖線で示すように板材の姿勢がくずれてしまう。図13(B)に示すように、曲線を含み、しかも対称形でないような端縁を押す場合にも同様の問題がある。図13(C)に示すように端縁の形状に合わせた補強材を用いたり、図13(D)に示すように板材にプッシャを当てるための切り欠きをわざわざ設けたりすることも行われている。さらに、図13(E)に示すように、板材を後から押すと板にそり等の変形のある場合には板材が撓んで浮き上がるおそれがある。
【0006】
この発明の主要な目的は、簡単な構成で、しかも、板材の形状や大きさのいかんを問わず、板材を所定位置に搬送することのできる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の板材の搬送装置は、板材を載置するためのワークセットベースと、ワークセットベースに設けた、板材と接触する保持手段と、ワークセットベースの前端の幅方向中央部と係合する連結部材と、前記連結部材を移動させる駆動機構とを具備したことを特徴とするものである。ここで、「前」、「後」とは、ワークセットベースによる板材の搬送方向で見た「前」、「後」を意味する。
【0008】
ワークセットベースによる板材の搬送方向で見た板材の前端を保持手段により保持するのがワークの姿勢を制御する上では望ましい。言い換えるならば、板材を引いて搬送するのが望ましい。従来のプッシャのように、突き合わせるべき端縁とは反対側、すなわち突合せ端縁から遠い方から押して移動させるのでなく、板材の端縁近傍を保持し、引いて移動させることにより、板材の形状や大きさに関係なく容易に移動させることができ、しかも、板材を押すのではなく引いて移動させると板材のずれや撓みが少ないため、板材の端縁同士を突き合わせるような操作も確実に行うことができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の装置において、前記保持手段が板材の平面方向の自由度をもっていることを特徴とするものである。そのような保持手段の一例としてバキュームカップを挙げることができる(請求項3)。バキュームカップはその材料の弾性により、ある程度板材の平面方向の自由度をもっているため、板材が位置決めピンや他の板材の端縁と突き当たるまで、縦横に移動させることができる。板材の平面方向にある程度の自由度をもったその他の保持手段の例としては、コイルばねで保持した磁石を挙げることができる。たとえば、板材が磁性体である場合、コイルばねのような可撓性をもった軸の上端にマグネットを固定した形態の保持手段を採用することができる。保持手段の数や配置はワークの大きさに応じて増減することができる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1、2または3の装置において、ワークセットベースの上面に、板材の後端と係合する部分をもったフックを配置したことを特徴とするものである。この場合、フックが板材の後端に係合して板材を後から押すことになるが、駆動機構による牽引力は、保持手段を介してワークセットベースの前端に作用するため、実質的に、板材を前方から引いて搬送することにほかならない。ここで、フックとは、板材の後端と係合する部分をもった治具であれば足り、必ずしも「フック」の語から想起される形状を備えている必要はない。フックは、上記バキュームカップに代えて、あるいは、上記バキュームフックに加えて、採用することができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、従来の機械的プッシャのように、板材の形状によって押せなかったり、板材の端縁同士を突き合わせることができなかったり、といった問題点が解消する。しかも、搬送すべき板材すなわちワークに応じてワークセットベースを交換するだけで、あらゆる形状、大きさのワークに対応することができるという汎用性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に従ってこの発明の実施の形態を説明する。図1ないし図10に保持手段としてバキュームカップを採用した実施例を示す。
【0013】
実施例1(図1、図2)
実施例1は、概ね長方形のワークセットベース12を有し、図1に二点鎖線で示すような小形かつ矩形の板材すなわちワークを搬送するのに適している。この場合、ワークはワークセットベース12の半分程度の長さである。そして、ワークの隣り合った端縁(辺)を2組の位置決めピンすなわちロケートピン26a,26bとサイドピン28に当てて位置決めした状態が図1に示してある。位置決めピン26a,26b;28は図1の紙面に対して垂直な方向(図2のZ方向)に延在し、軸方向に昇降可能であり、また、ワークに応じてX,Y方向の位置を変更することも可能である。なお、この実施例1はワークをその前端(図11に関連して後に述べる実施例のように突合せを行う場合にはその突合せ端)を正確に位置決めした状態でクランプサポート30上にクランプすることを予定したものであることから、ワークの前端を受ける位置決めピンとその際の補助的役割を果たす位置決めピンとを区別してそれぞれロケートピン、サイドピンと呼び分けているが、いずれも位置決め用のピンであることに変わりはない。
【0014】
ワークセットベース12は、図2に示すように、長手方向に延長されたワークに対応できるようにと用意された複数のフリーローラ24のうちのいずれかの上にスライド可能に載置してある。フリーローラ24は、板材の搬送方向と直交する向きに配置した支持軸にローラを回転自在に取り付けたものである。フリーローラ24を廃止してテーブルあるいはレール上を摺動させることも可能である。あるいは、フリーベア(登録商標)やエアーフリーベア(登録商標)を採用してもよい。短い材料しか加工しない場合には汎用性に限定は加わるが、必ずしもフリーローラやフリーベアのような保持を必要としない場合もある。ワークセットベース12は図の左端すなわちワークセットベースによる搬送方向前端に穴13があけてあり、この穴13に駆動機構20のピボットピン22を挿入してある。ワークセットベース12の穴13とピボットピン22とは、着脱自在で、かつ、ワークセットベース12がピボットピン22のまわりを自由に旋回できるような関係にある。
【0015】
駆動機構20は、図1および図2にX,Y,Zで示す互いに直交する3軸方向にピボットピン22を移動させることができる。ピボットピン22は、駆動機構20による牽引力をワークセットベース12に伝達して、ワークセットベースを直交3軸方向に移動させる。駆動機構20としては、たとえば、ボールねじとサーボモータの組み合わせ、リニアガイドとサーボモータの組み合わせ、あるいは、リニアガイドとエアシリンダの組み合わせで構成することができる。
【0016】
ワークセットベース12には保持手段としてバキュームカップ14が取り付けてある。ここでは2個のバキュームカップ14がワークセットベース12の前端部に横列に配置してある。図2に示すようにバキュームカップ14は吸着面を上に向けてあり、図示しない真空系統に配管で接続してある。なお、バキュームカップ14の吸着面を下に向けた配置とすることも可能である。ワークの前端をロケートピン26a,26bに正確に当てるためには、ワークの前端部を吸着保持したバキュームカップ14がロケートピン26a,26bにできる限り近い位置まで達するのが好ましい。そのために、図1に符号32で示すようにクランプサポート30を部分的に切り欠いてある。
【0017】
ワークセットベース12の上面にワークセットブロック16が配置してある。搬送対象(位置決め対象)であるワークすなわち板材はワークセットブロック16の上に載置される。バキュームカップ14の上面は、バキュームが発生していない自然状態では、ワークセットブロック16の上面よりもわずかに突出している。
【0018】
テーラードブランクに用いる場合には、上記のような手順にて位置決めされたワークを図示しないクランプによって固定した後に、突合せ端縁の反対側に位置する板材と付き合わせクランプし、その突合せ線をレーザ等の熱源で加熱溶接することによって接合する。その際の反対側の板材の突合せにも上記の発明と同様の機構を用いることができる。すなわち符号26a,26bによって示された突合せ端縁の位置決めピンがすでに固定された板材の端縁に置き換えられるだけで、それ以外の機構や板の動きは全く同様に考えることができる。なお、突合せを行う場合については図11に関連して後に詳しく述べる。
【0019】
実施例2(図3、図4)
実施例2は、図3に二点鎖線で示すようにワークがワークセットベースによる搬送方向に長くなった場合に適している。ワークセットベース12は実施例1のものとほぼ同じである。ここでは、2個のバキュームカップ14がワークの長手方向に縦列に、つまり、一つはワークセットベース12の前端部に、もう一つはワークセットベース12の中央部に、配置してある。また、ワークセットベース12の上面にフック18が設けてある。フック18は、図4に示すように、ワークセットブロック16と同じ高さの部分と、ワークセットブロック16よりも一段高くなった立ち上がり部19とからなっている。立ち上がり部19はワークの搬送方向で見た後方の端縁に引っかかる。したがって、この場合、ワークを搬送する際には、2個のバキュームカップ14でワークの搬送方向の前端部と中央部を吸着し、かつ、立ち上がり部19によりワークの後端を押すことになる。この図ではフックがある程度の体積を持ったブロック形状の例を示すが、これは板の端縁をしっかりと固定することができるなら針金状のような線材等でも置き換えることができる。
【0020】
実施例3(図5)
実施例3は、図5に二点鎖線で示すようにワークがワークセットベースによる搬送方向にさらに長くなりかつ単純な矩形形状ではなく台形形状をした場合に適している。また、この場合、ワークの幅が広くなってワークセットベース12からはみ出している。ワークセットベース12は実施例1や実施例2のものに比べて長くなっている。バキュームカップ14も3個、ワークの長手方向に縦列に配置してある。ワークセットブロック16とフック18が配置してある。この場合は突合せ端縁の方が短い底辺となる二等辺台形を図示しているが、突合せ端縁の方が長い底辺となる二等辺台形も同様に位置決めすることができる。またある程度の限定はつくものの不等辺台形も位置決めすることができる。
【0021】
実施例4(図6)
実施例4は、図6に二点鎖線で示すように突合せ端縁の長さが長いワークの搬送に適している。ワークセットベース12はT字形をなしており、前端(突合せを行う場合には突合せ端)に位置するT字の横バー(同じく突合せ端縁側)に相当する部分に2個のバキュームカップ14が横列すなわち突合せ端縁と平行に配置してある。ここでは、ワークセットブロック16とフック18が配置してあるが、突合せ方向と直角方向の長さが短い場合にはブロックがなくても成立する場合もある。また大形、たとえば突合せ端方向に直角な方向に長いワークの場合など、フリーローラ24の幅を越えたワークの部分を受けるためのサポートバー34を設置してもよい。
【0022】
実施例5(図7)
実施例5は、図7に二点鎖線で示すような平行四辺形のワークの搬送、位置決めに適している。ワークセットベース12は実施例2のものと類似であるが、ワークセットブロック16がワークセットベース12を越えて延在して、ワークセットブロック16からはみ出したワークの部分をも支えている。なお、図7では鋭角をなす隣接端縁(辺)だけを位置決めピン26a,26b;28に当てた状態を示してあるが、ワークの反対側に存在する鈍角をなす隣接端縁(辺)だけに位置決めピンに当てるようにしてもよい。
【0023】
実施例6(図8)
実施例6は、図8に二点鎖線で示すような弧状のワークの搬送、位置決めに適している。ワークセットベース12は前端側に比べて後端側が幅広になっている。ワークセットブロック16がワークセットベース12を越えて延在して、ワークセットブロック16からはみ出したワークの部分を支えている点は実施例5と同様である。バキュームカップ14は、前端側に縦列に配置した2個に加えて、中央部付近にも1個配置してある。またこの場合にはフック18がピボット22から見て突合せ端縁と直角方向の線上にはないが位置決め途中でワークの姿勢がくずれない限りそれは問題とはならない。
【0024】
実施例7(図9)
実施例9は、大きなワークの搬送に適している。ワークセットベース12はT字形であるが、T字の横バーに相当する部分がさらに長くなっている。バキュームカップ14も、T字の横バーに相当する部分に横列に配置した4個に加えて、中央部と後端部にも1個ずつ配置してある。この場合、フックは設けてない。なお、ワークセットベース12からはみ出したワークの部分はワークサポートバー上を摺動させるようになっている。
【0025】
実施例8(図10)
実施例1から実施例7までは、ワークを一方向に搬送し、位置決めピンに当てて位置決めする場合を述べるにとどめたが、いずれも、板材を突き合わせる場合にも利用することができる。たとえば、図10の装置は同図の紙面内で180度回転させた状態で図9の装置と対をなし、それぞれのワークを互いに突き合わせる向きに搬送することができる。その作用については簡略化した図11を参照して述べることとする。
【0026】
上述の実施例1の装置を使用して2枚の板材1,2をそれらの端縁1a,2a同士で突き合わせる方法を図11を参照して説明する。なお、分かりやすくするため、図11では位置決めピン52a,52b,54以外の装置の図示を省略し、板材のみ図示してある。また、破線で示すように、保持手段として2つのバキュームカップ14を採用した場合の例である。
【0027】
まず、図11(A)に示すように、第一の板材1の搬送方向前方の端縁1a近傍をバキュームカップ14で吸着して保持し、位置決めピン52a,52b,54に向けて引いて搬送する。このときの操作は矢印c,dで示すような二段階となる。すなわち、最初に矢印cで示すように端縁1aを位置決めピン52a,52bに突き当て、続いて矢印dで示すように別の端縁1bを位置決めピン54に突き当てる。もちろん、最初に矢印dで示すように端縁1bを位置決めピン54に突き当て、続いて矢印cで示すように端縁1aを位置決めピン52a,52bに突き当てる、といった順番でもよい。
【0028】
また、上述のように二段階で移動させる代わりに、図11(A)に白抜き矢印で示すように斜めに移動させてもよい。このとき、バキュームカップ14は自らの材料がもつ弾性によって第一の板材1と平行な方向にある程度の自由度を有するため、板材1を白抜き矢印で示すように斜めに移動させることにより、端縁1aを位置決めピン52a,52bに、他の端縁1bを位置決めピン54に、それぞれ突き当てる操作を同時に行うことができる。したがって、位置決めピン52a,52bに向けて押すプッシャと位置決めピン54に向けて押すプッシャとが必要であった従来の技術(図12参照)に比べて、装置が簡略化できる。
【0029】
第一の板材1を位置決めピン52a,52b,54に突き当てた状態が図11(A)に二点鎖線で示してある。この状態で第一の板材1をクランプし、位置決めピン52a,52b,54を後退させる。なお、クランプ装置は図示を省略してある。
【0030】
続いて図11(B)に示すように、第二の板材2の搬送方向前方の端縁2a近傍をバキュームカップ14で吸着して保持し、矢印で示すように引いて搬送し、第二の板材2の端縁2aを第一の板材1の端縁1aに突き合わせる。ここでも、バキュームカップ14は第二の板材2と平行な方向にある程度の自由度をもっていることから、仮に第一の板材1の端縁1aに対して第二の板材2の端縁2aが斜めになって移動してきたとしても、端縁1a,2a同士が突き合わさるまで第二の板材2を移動させることができる。このようにして板材1,2を突き合わせた後、第二の板材2をクランプする。
【0031】
述べたように、突き合わせるべき端縁とは反対側から押して移動させる従来の方法に対して、板材1,2の端縁1a,2a近傍を保持し、引いて移動させることにより、板材1,2の形状や大きさに関係なく容易に移動させることができる。しかも、板材1,2を押すのではなく引いて移動させると板材1,2のずれや撓みが生じにくい。したがって、確実に第一の板材1を位置決めピンに突き当てることができ、また、第二の板材2の端縁2aを第一の板材1の端縁1aと突き合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施例1の装置の平面図
【図2】図1のII−II断面図
【図3】実施例2の装置の平面図
【図4】図3のIV−IV断面図
【図5】実施例3の装置の平面図
【図6】実施例4の装置の平面図
【図7】実施例5の装置の平面図
【図8】実施例6の装置の平面図
【図9】実施例7の装置の平面図
【図10】実施例8の装置の平面図
【図11】2枚の板材を突合せ位置決めする要領を示す平面略図
【図12】従来の技術を示す平面略図
【図13】従来の技術を示す平面略図
【符号の説明】
【0033】
1 第一の板材
1a,1b 端縁
2 第二の板材
2a 端縁
12 ワークセットベース
13 穴
14 バキュームカップ(保持手段)
16 ワークセットブロック
18 フック
19 立ち上がり部
20 駆動機構
22 ピボットピン(連結部材)
24 フリーローラ
26a,26b ロケートピン(位置決めピン)
28 サイドピン(位置決めピン)
30 クランプサポート
32 切欠き
34 サポートバー
52a,52b,54 位置決めピン
【技術分野】
【0001】
この発明は板材を所定位置まで搬送するための装置に関するもので、たとえば、テーラード・ブランク(Tailor-Welded Blanks)をつくるときのように金属板材を突合せ溶接するにあたり、その金属板材を突き合わせた状態に位置決めするために利用することができる。
【背景技術】
【0002】
テーラード・ブランク材は、厚さや材質の異なる金属板材の端縁同士を突き合わせて、レーザ溶接等により突合せ溶接をした後、プレス加工により1枚のパネルに成型したもので、自動車のドア・パネル等で採用されている。
【0003】
図12を参照して、2枚の板材1,2をそれらの端縁1a,2a同士で突き合わせる場合の従来一般的な方法を説明すると次のとおりである。まず、図12(A)に示すように、第一の板材1をプッシャ3で矢印bで示すように押して端縁1bを位置決めピン4に当てる。続いて、プッシャ3を後退させた後、図12(B)に示すように、第一の板材1をプッシャ5で矢印aで示すように押して端縁1aを位置決めンピン6に当てる。そして、第一の板材1をクランプした後、位置決めピン6を退入させる。次に、図12(C)に示すように、第二の板材2を、突き合わせるべき端縁2aとは反対側からプッシャ7で押して、第一の板材1の端縁1aに当てる。その後、第二の板材2をクランプする。なお、図12ではクランプ装置は図示を省略してある。
【特許文献1】特開2003−71592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
板材を突合せ溶接する場合、端縁間のすきまの有無や大きさが溶接品質に大きく影響する。しかし、上述の従来の位置決め方法のようにプッシャで機械的に押すだけでは、端縁1a,2a同士を突き合わせて位置決めすることは必ずしも容易でない。図示するような矩形の板材1,2同士の場合は比較的容易に突き合わせることができるが、三角形や曲線部分を含んだ各種の異形材に対応するためには、プッシャや位置決めピンの数、ひいては工程数を増やさざるを得ない。
【0005】
具定例を挙げるならば、図13(A)は板材を位置決めピンに突き当てる場合を示しているが、矢印で示すようにプッシャで後ろから押すだけでは二点鎖線で示すように板材の姿勢がくずれてしまう。図13(B)に示すように、曲線を含み、しかも対称形でないような端縁を押す場合にも同様の問題がある。図13(C)に示すように端縁の形状に合わせた補強材を用いたり、図13(D)に示すように板材にプッシャを当てるための切り欠きをわざわざ設けたりすることも行われている。さらに、図13(E)に示すように、板材を後から押すと板にそり等の変形のある場合には板材が撓んで浮き上がるおそれがある。
【0006】
この発明の主要な目的は、簡単な構成で、しかも、板材の形状や大きさのいかんを問わず、板材を所定位置に搬送することのできる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の板材の搬送装置は、板材を載置するためのワークセットベースと、ワークセットベースに設けた、板材と接触する保持手段と、ワークセットベースの前端の幅方向中央部と係合する連結部材と、前記連結部材を移動させる駆動機構とを具備したことを特徴とするものである。ここで、「前」、「後」とは、ワークセットベースによる板材の搬送方向で見た「前」、「後」を意味する。
【0008】
ワークセットベースによる板材の搬送方向で見た板材の前端を保持手段により保持するのがワークの姿勢を制御する上では望ましい。言い換えるならば、板材を引いて搬送するのが望ましい。従来のプッシャのように、突き合わせるべき端縁とは反対側、すなわち突合せ端縁から遠い方から押して移動させるのでなく、板材の端縁近傍を保持し、引いて移動させることにより、板材の形状や大きさに関係なく容易に移動させることができ、しかも、板材を押すのではなく引いて移動させると板材のずれや撓みが少ないため、板材の端縁同士を突き合わせるような操作も確実に行うことができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の装置において、前記保持手段が板材の平面方向の自由度をもっていることを特徴とするものである。そのような保持手段の一例としてバキュームカップを挙げることができる(請求項3)。バキュームカップはその材料の弾性により、ある程度板材の平面方向の自由度をもっているため、板材が位置決めピンや他の板材の端縁と突き当たるまで、縦横に移動させることができる。板材の平面方向にある程度の自由度をもったその他の保持手段の例としては、コイルばねで保持した磁石を挙げることができる。たとえば、板材が磁性体である場合、コイルばねのような可撓性をもった軸の上端にマグネットを固定した形態の保持手段を採用することができる。保持手段の数や配置はワークの大きさに応じて増減することができる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1、2または3の装置において、ワークセットベースの上面に、板材の後端と係合する部分をもったフックを配置したことを特徴とするものである。この場合、フックが板材の後端に係合して板材を後から押すことになるが、駆動機構による牽引力は、保持手段を介してワークセットベースの前端に作用するため、実質的に、板材を前方から引いて搬送することにほかならない。ここで、フックとは、板材の後端と係合する部分をもった治具であれば足り、必ずしも「フック」の語から想起される形状を備えている必要はない。フックは、上記バキュームカップに代えて、あるいは、上記バキュームフックに加えて、採用することができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、従来の機械的プッシャのように、板材の形状によって押せなかったり、板材の端縁同士を突き合わせることができなかったり、といった問題点が解消する。しかも、搬送すべき板材すなわちワークに応じてワークセットベースを交換するだけで、あらゆる形状、大きさのワークに対応することができるという汎用性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に従ってこの発明の実施の形態を説明する。図1ないし図10に保持手段としてバキュームカップを採用した実施例を示す。
【0013】
実施例1(図1、図2)
実施例1は、概ね長方形のワークセットベース12を有し、図1に二点鎖線で示すような小形かつ矩形の板材すなわちワークを搬送するのに適している。この場合、ワークはワークセットベース12の半分程度の長さである。そして、ワークの隣り合った端縁(辺)を2組の位置決めピンすなわちロケートピン26a,26bとサイドピン28に当てて位置決めした状態が図1に示してある。位置決めピン26a,26b;28は図1の紙面に対して垂直な方向(図2のZ方向)に延在し、軸方向に昇降可能であり、また、ワークに応じてX,Y方向の位置を変更することも可能である。なお、この実施例1はワークをその前端(図11に関連して後に述べる実施例のように突合せを行う場合にはその突合せ端)を正確に位置決めした状態でクランプサポート30上にクランプすることを予定したものであることから、ワークの前端を受ける位置決めピンとその際の補助的役割を果たす位置決めピンとを区別してそれぞれロケートピン、サイドピンと呼び分けているが、いずれも位置決め用のピンであることに変わりはない。
【0014】
ワークセットベース12は、図2に示すように、長手方向に延長されたワークに対応できるようにと用意された複数のフリーローラ24のうちのいずれかの上にスライド可能に載置してある。フリーローラ24は、板材の搬送方向と直交する向きに配置した支持軸にローラを回転自在に取り付けたものである。フリーローラ24を廃止してテーブルあるいはレール上を摺動させることも可能である。あるいは、フリーベア(登録商標)やエアーフリーベア(登録商標)を採用してもよい。短い材料しか加工しない場合には汎用性に限定は加わるが、必ずしもフリーローラやフリーベアのような保持を必要としない場合もある。ワークセットベース12は図の左端すなわちワークセットベースによる搬送方向前端に穴13があけてあり、この穴13に駆動機構20のピボットピン22を挿入してある。ワークセットベース12の穴13とピボットピン22とは、着脱自在で、かつ、ワークセットベース12がピボットピン22のまわりを自由に旋回できるような関係にある。
【0015】
駆動機構20は、図1および図2にX,Y,Zで示す互いに直交する3軸方向にピボットピン22を移動させることができる。ピボットピン22は、駆動機構20による牽引力をワークセットベース12に伝達して、ワークセットベースを直交3軸方向に移動させる。駆動機構20としては、たとえば、ボールねじとサーボモータの組み合わせ、リニアガイドとサーボモータの組み合わせ、あるいは、リニアガイドとエアシリンダの組み合わせで構成することができる。
【0016】
ワークセットベース12には保持手段としてバキュームカップ14が取り付けてある。ここでは2個のバキュームカップ14がワークセットベース12の前端部に横列に配置してある。図2に示すようにバキュームカップ14は吸着面を上に向けてあり、図示しない真空系統に配管で接続してある。なお、バキュームカップ14の吸着面を下に向けた配置とすることも可能である。ワークの前端をロケートピン26a,26bに正確に当てるためには、ワークの前端部を吸着保持したバキュームカップ14がロケートピン26a,26bにできる限り近い位置まで達するのが好ましい。そのために、図1に符号32で示すようにクランプサポート30を部分的に切り欠いてある。
【0017】
ワークセットベース12の上面にワークセットブロック16が配置してある。搬送対象(位置決め対象)であるワークすなわち板材はワークセットブロック16の上に載置される。バキュームカップ14の上面は、バキュームが発生していない自然状態では、ワークセットブロック16の上面よりもわずかに突出している。
【0018】
テーラードブランクに用いる場合には、上記のような手順にて位置決めされたワークを図示しないクランプによって固定した後に、突合せ端縁の反対側に位置する板材と付き合わせクランプし、その突合せ線をレーザ等の熱源で加熱溶接することによって接合する。その際の反対側の板材の突合せにも上記の発明と同様の機構を用いることができる。すなわち符号26a,26bによって示された突合せ端縁の位置決めピンがすでに固定された板材の端縁に置き換えられるだけで、それ以外の機構や板の動きは全く同様に考えることができる。なお、突合せを行う場合については図11に関連して後に詳しく述べる。
【0019】
実施例2(図3、図4)
実施例2は、図3に二点鎖線で示すようにワークがワークセットベースによる搬送方向に長くなった場合に適している。ワークセットベース12は実施例1のものとほぼ同じである。ここでは、2個のバキュームカップ14がワークの長手方向に縦列に、つまり、一つはワークセットベース12の前端部に、もう一つはワークセットベース12の中央部に、配置してある。また、ワークセットベース12の上面にフック18が設けてある。フック18は、図4に示すように、ワークセットブロック16と同じ高さの部分と、ワークセットブロック16よりも一段高くなった立ち上がり部19とからなっている。立ち上がり部19はワークの搬送方向で見た後方の端縁に引っかかる。したがって、この場合、ワークを搬送する際には、2個のバキュームカップ14でワークの搬送方向の前端部と中央部を吸着し、かつ、立ち上がり部19によりワークの後端を押すことになる。この図ではフックがある程度の体積を持ったブロック形状の例を示すが、これは板の端縁をしっかりと固定することができるなら針金状のような線材等でも置き換えることができる。
【0020】
実施例3(図5)
実施例3は、図5に二点鎖線で示すようにワークがワークセットベースによる搬送方向にさらに長くなりかつ単純な矩形形状ではなく台形形状をした場合に適している。また、この場合、ワークの幅が広くなってワークセットベース12からはみ出している。ワークセットベース12は実施例1や実施例2のものに比べて長くなっている。バキュームカップ14も3個、ワークの長手方向に縦列に配置してある。ワークセットブロック16とフック18が配置してある。この場合は突合せ端縁の方が短い底辺となる二等辺台形を図示しているが、突合せ端縁の方が長い底辺となる二等辺台形も同様に位置決めすることができる。またある程度の限定はつくものの不等辺台形も位置決めすることができる。
【0021】
実施例4(図6)
実施例4は、図6に二点鎖線で示すように突合せ端縁の長さが長いワークの搬送に適している。ワークセットベース12はT字形をなしており、前端(突合せを行う場合には突合せ端)に位置するT字の横バー(同じく突合せ端縁側)に相当する部分に2個のバキュームカップ14が横列すなわち突合せ端縁と平行に配置してある。ここでは、ワークセットブロック16とフック18が配置してあるが、突合せ方向と直角方向の長さが短い場合にはブロックがなくても成立する場合もある。また大形、たとえば突合せ端方向に直角な方向に長いワークの場合など、フリーローラ24の幅を越えたワークの部分を受けるためのサポートバー34を設置してもよい。
【0022】
実施例5(図7)
実施例5は、図7に二点鎖線で示すような平行四辺形のワークの搬送、位置決めに適している。ワークセットベース12は実施例2のものと類似であるが、ワークセットブロック16がワークセットベース12を越えて延在して、ワークセットブロック16からはみ出したワークの部分をも支えている。なお、図7では鋭角をなす隣接端縁(辺)だけを位置決めピン26a,26b;28に当てた状態を示してあるが、ワークの反対側に存在する鈍角をなす隣接端縁(辺)だけに位置決めピンに当てるようにしてもよい。
【0023】
実施例6(図8)
実施例6は、図8に二点鎖線で示すような弧状のワークの搬送、位置決めに適している。ワークセットベース12は前端側に比べて後端側が幅広になっている。ワークセットブロック16がワークセットベース12を越えて延在して、ワークセットブロック16からはみ出したワークの部分を支えている点は実施例5と同様である。バキュームカップ14は、前端側に縦列に配置した2個に加えて、中央部付近にも1個配置してある。またこの場合にはフック18がピボット22から見て突合せ端縁と直角方向の線上にはないが位置決め途中でワークの姿勢がくずれない限りそれは問題とはならない。
【0024】
実施例7(図9)
実施例9は、大きなワークの搬送に適している。ワークセットベース12はT字形であるが、T字の横バーに相当する部分がさらに長くなっている。バキュームカップ14も、T字の横バーに相当する部分に横列に配置した4個に加えて、中央部と後端部にも1個ずつ配置してある。この場合、フックは設けてない。なお、ワークセットベース12からはみ出したワークの部分はワークサポートバー上を摺動させるようになっている。
【0025】
実施例8(図10)
実施例1から実施例7までは、ワークを一方向に搬送し、位置決めピンに当てて位置決めする場合を述べるにとどめたが、いずれも、板材を突き合わせる場合にも利用することができる。たとえば、図10の装置は同図の紙面内で180度回転させた状態で図9の装置と対をなし、それぞれのワークを互いに突き合わせる向きに搬送することができる。その作用については簡略化した図11を参照して述べることとする。
【0026】
上述の実施例1の装置を使用して2枚の板材1,2をそれらの端縁1a,2a同士で突き合わせる方法を図11を参照して説明する。なお、分かりやすくするため、図11では位置決めピン52a,52b,54以外の装置の図示を省略し、板材のみ図示してある。また、破線で示すように、保持手段として2つのバキュームカップ14を採用した場合の例である。
【0027】
まず、図11(A)に示すように、第一の板材1の搬送方向前方の端縁1a近傍をバキュームカップ14で吸着して保持し、位置決めピン52a,52b,54に向けて引いて搬送する。このときの操作は矢印c,dで示すような二段階となる。すなわち、最初に矢印cで示すように端縁1aを位置決めピン52a,52bに突き当て、続いて矢印dで示すように別の端縁1bを位置決めピン54に突き当てる。もちろん、最初に矢印dで示すように端縁1bを位置決めピン54に突き当て、続いて矢印cで示すように端縁1aを位置決めピン52a,52bに突き当てる、といった順番でもよい。
【0028】
また、上述のように二段階で移動させる代わりに、図11(A)に白抜き矢印で示すように斜めに移動させてもよい。このとき、バキュームカップ14は自らの材料がもつ弾性によって第一の板材1と平行な方向にある程度の自由度を有するため、板材1を白抜き矢印で示すように斜めに移動させることにより、端縁1aを位置決めピン52a,52bに、他の端縁1bを位置決めピン54に、それぞれ突き当てる操作を同時に行うことができる。したがって、位置決めピン52a,52bに向けて押すプッシャと位置決めピン54に向けて押すプッシャとが必要であった従来の技術(図12参照)に比べて、装置が簡略化できる。
【0029】
第一の板材1を位置決めピン52a,52b,54に突き当てた状態が図11(A)に二点鎖線で示してある。この状態で第一の板材1をクランプし、位置決めピン52a,52b,54を後退させる。なお、クランプ装置は図示を省略してある。
【0030】
続いて図11(B)に示すように、第二の板材2の搬送方向前方の端縁2a近傍をバキュームカップ14で吸着して保持し、矢印で示すように引いて搬送し、第二の板材2の端縁2aを第一の板材1の端縁1aに突き合わせる。ここでも、バキュームカップ14は第二の板材2と平行な方向にある程度の自由度をもっていることから、仮に第一の板材1の端縁1aに対して第二の板材2の端縁2aが斜めになって移動してきたとしても、端縁1a,2a同士が突き合わさるまで第二の板材2を移動させることができる。このようにして板材1,2を突き合わせた後、第二の板材2をクランプする。
【0031】
述べたように、突き合わせるべき端縁とは反対側から押して移動させる従来の方法に対して、板材1,2の端縁1a,2a近傍を保持し、引いて移動させることにより、板材1,2の形状や大きさに関係なく容易に移動させることができる。しかも、板材1,2を押すのではなく引いて移動させると板材1,2のずれや撓みが生じにくい。したがって、確実に第一の板材1を位置決めピンに突き当てることができ、また、第二の板材2の端縁2aを第一の板材1の端縁1aと突き合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施例1の装置の平面図
【図2】図1のII−II断面図
【図3】実施例2の装置の平面図
【図4】図3のIV−IV断面図
【図5】実施例3の装置の平面図
【図6】実施例4の装置の平面図
【図7】実施例5の装置の平面図
【図8】実施例6の装置の平面図
【図9】実施例7の装置の平面図
【図10】実施例8の装置の平面図
【図11】2枚の板材を突合せ位置決めする要領を示す平面略図
【図12】従来の技術を示す平面略図
【図13】従来の技術を示す平面略図
【符号の説明】
【0033】
1 第一の板材
1a,1b 端縁
2 第二の板材
2a 端縁
12 ワークセットベース
13 穴
14 バキュームカップ(保持手段)
16 ワークセットブロック
18 フック
19 立ち上がり部
20 駆動機構
22 ピボットピン(連結部材)
24 フリーローラ
26a,26b ロケートピン(位置決めピン)
28 サイドピン(位置決めピン)
30 クランプサポート
32 切欠き
34 サポートバー
52a,52b,54 位置決めピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板材を載置するためのワークセットベースと、ワークセットベースに設けた、板材と接触する保持手段と、ワークセットベースの前端の幅方向中央部と係合する連結部材と、前記連結部材を移動させる駆動機構とを具備した板材の搬送装置。
【請求項2】
前記保持手段が板材の平面方向の自由度をもっている請求項1の装置。
【請求項3】
前記保持手段がバキュームカップである請求項2の装置。
【請求項4】
ワークセットベースの上面に、板材の後端と係合する部分をもったフックを配置した請求項1、2または3の装置。
【請求項1】
板材を載置するためのワークセットベースと、ワークセットベースに設けた、板材と接触する保持手段と、ワークセットベースの前端の幅方向中央部と係合する連結部材と、前記連結部材を移動させる駆動機構とを具備した板材の搬送装置。
【請求項2】
前記保持手段が板材の平面方向の自由度をもっている請求項1の装置。
【請求項3】
前記保持手段がバキュームカップである請求項2の装置。
【請求項4】
ワークセットベースの上面に、板材の後端と係合する部分をもったフックを配置した請求項1、2または3の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−238294(P2007−238294A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−64645(P2006−64645)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(505268839)株式会社ハイブリッド・テクノロジー・システムズ (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(505268839)株式会社ハイブリッド・テクノロジー・システムズ (4)
【Fターム(参考)】
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