説明

板材供給装置及びこの板材供給装置が配置されたプレス加工ライン

【課題】張力を付与しながら板材を送り出す場合であっても、コイル材22のばらけ現象を抑制しつつ送り出し効率を向上させることができるようにする。
【解決手段】本発明の板材供給装置2は、第1検出器17にて検出された送出量と第2検出器18にて検出されたアンコイラ15の回転量とに基づいてコイル材22のコイル外径D2を求める径検出手段30と、径検出手段30で求められたコイル外径D2と送り出し後の板材12の張力とに基づいてアンコイラ駆動モータ16へのトルク制御値pを求めるトルク算出手段31と、アンコイラ駆動モータ16の回転停止後にトルク算出手段31で求めたトルク制御値pに応じてアンコイラ駆動モータ16へのトルク制御を行う制御手段32とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、プレス加工装置に板材を送り出すための板材供給装置及びこの板材供給装置が配置されたプレス加工ラインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、プレス加工装置に板材を供給するため、コイル状に巻かれた板材(コイル材)を供給装置によって送る様々な技術が開発されてきている。コイル材からプレス加工装置へ向けて板材を送り出した場合、コイル材の外径が変化し、この外径の変化が、例えば、送り出した後の板材の矯正に影響を与えることがある。そのため、コイル材の外径の変化を検出して制御を行うものとして特許文献1や特許文献2に示すものがある。
【0003】
特許文献1のコイル材巻き癖矯正装置は、アンコイラに配置されたコイル材の外径を検出できる外径検出手段と、レベラに設けられた矯正ロール部の矯正量を調整する矯正量印加機構と、外径検出手段からの検出信号を基に予め設定された矯正量の基準値からそのコイル外径に対する矯正量を求め、その矯正量になるように矯正量調整機構を駆動制御する制御手段とを備えている。
【0004】
特許文献2のコイル材供給装置は、コイルカーに上下方向移動自在に設けられ、下方への移動によりコイル材の外周面に当接するコイル押えローラと、コイル材の外周面へのコイル押えローラの当接によりコイル材の径寸法を検出するためのコイル径検出手段と、このコイル径検出手段で検出されたコイル材の径寸法に基づき、スキッド台に載置されたコイル材の中心の高さ位置とアンコイラの回転ドラムの高さ位置とが一致するまで昇降手段を駆動制御してスキッド台を上下動させる制御装置とを備えている。
【0005】
つまり、特許文献1では、コイル材の外径を検出してコイル外径に対する矯正量を求めて制御を行ったり、特許文献2では、コイル材の外径を検出してスキッド台に載置されたコイル材の中心の高さ位置とアンコイラの回転ドラムの高さ位置とが一致するまでスキッド台を上下させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−51943号公報
【特許文献2】特開平5−23741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さて、特許文献1及び2に示す技術では、コイル材から送り出した後の板材(アンコイラの出側の板材)には、張力を付与せずにプレス加工装置へ送り出すことを前提としたものである。しかしながら、近年、特許文献1及び2とは異なり、コイル材から送り出した後の板材(アンコイラの出側の板材)に張力を付与してプレス加工装置へ送り出すことが望まれている。
【0008】
板材に張力を与えながら板材の送り出しを考えた場合、アンコイラを回転して板材を送り出しているときは、板材に一定の張力が付与された状態であるが、アンコイラを停止して板材の送り出しを停止した際には、アンコイラに装着された板材(コイル材)が外側に広がり、コイル材がばらけるという現象が生じやすい。コイル材が外側に広がるというばらけ現象が生じてしまうと、アンコイラを停止後に再びアンコイラを回転させて送り出す工程を行う前に、ばらけたコイル材を巻き絞らなければならず、その結果、送り出す効率が低下してしまう虞がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、張力(引っ張り力)を付与しながら板材を送り出すものであって、コイル材のばらけ現象を抑制しつつ送り出し効率を向上させることができる板材供給装置及びこの板材供給装置が配置されたプレス加工ラインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため以下の技術的手段を講じた。
本発明の板材供給装置は、コイル状に巻かれた板材よりなるコイル材を回転によって送り出すアンコイラと、前記アンコイラを回転させるべく前記アンコイラに回転駆動力を付与するアンコイラ駆動モータと、前記コイル材からの板材の送出量を検出可能な第1検出器と、前記アンコイラの回転量を検出可能な第2検出器とを備え、前記第1検出器にて検出された送出量と前記第2検出器にて検出されたアンコイラの回転量とに基づいて前記コイル材のコイル外径を求める径検出手段と、前記径検出手段で求められたコイル外径と送り出し後に板材に掛かる引っ張り力とに基づいて前記アンコイラ駆動モータへのトルク制御値を求めるトルク算出手段と、前記アンコイラ駆動モータの回転停止後に前記トルク算出手段で求めたトルク制御値に応じて前記アンコイラ駆動モータへのトルク制御を行う制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
前記トルク算出手段は、前記引っ張り力と送り出し後の前記コイル径によって変化する力とが一致するように前記トルク制御値を求めることが好ましい。
前記制御手段は、前記板材の送り出し時は前記アンコイラ駆動モータの回転制御を行うと共に前記板材の送り出し停止時は前記回転制御からトルク制御に切り替えてトルク制御値で制御を行うことが好ましい。
【0012】
本発明のプレス加工ラインは、上述した板材供給装置を備え、前記板材供給装置から送り出された板材の矯正を行って当該板材をプレス加工装置に送ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、張力を付与しながら板材を送り出す場合であっても、コイル材のばらけ現象を抑制しつつ送り出し効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】プレス加工ラインの全体図である。
【図2】コイル材の外径(直径)及び引っ張り力を求める説明図である。
【図3】板材供給装置の送り速度と板材矯正装置の送り速度との関係を示す関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、プレス加工ラインの全体図を示している。
図1に示すように、プレス加工ライン1には、上流側から下流側に向けて順に、板材供給装置2と、板材矯正装置3と、プレス加工装置4とが配置されている。
本発明は、板材供給装置2から板材12を張力を掛けつつ下流側に送り出している状況下にて板材供給装置2のアンコイラ15に巻かれたコイル材22のばらつき現象を抑制することを特徴としている。
【0016】
まず、板材矯正装置3及びプレス加工装置4について説明する。
板材矯正装置3は、板材供給装置2から送られてきた板材12の巻き癖等を除去するものであって、板材12を送り出すための一対の送りローラ5と、この送りローラ5に回転駆動力を付与する矯正駆動モータ6と、板材12を矯正する複数の矯正ローラ7とを備えている。
【0017】
送りローラ5及び矯正ローラ7は、床面F等に設置されたフレーム8に回転自在に支持され、矯正ローラ7の下流側に送りローラ5が配置されている。矯正ローラ7は、送りローラ5の回転動力が伝達される複数の従動ローラ(従動歯車)9を介して回転するようになっている。
この実施形態では、下側に配置された2つの矯正ローラ7D、7Dと、この2つの矯正ローラ7D、7Dの上側に配置された矯正ローラ7U、7Uによって、板材12が矯正されるようになっている。矯正駆動モータ6は、後述する板材矯正装置3に備えられたアンコイラ駆動モータ16と同期して回転駆動するようになっている。即ち、矯正駆動モータ6は、板材矯正装置3側の板材12の送り速度(送出量)と、板材供給装置2側の板材12の送り速度(送出量)とが同じとなるように、送りローラ5を回転駆動するものとなっている。
【0018】
プレス加工装置4は、板材矯正装置3から送り出された板材12に対して、上金型10と下金型11とによってプレスすることによってプレス加工するもので、間欠的にプレス加工を繰り返すものである。
このように、板材矯正装置3及びプレス加工装置4によれば、板材供給装置2から送り出された板材12を板材矯正装置3によって矯正し、矯正した後の板材12に対してプレス加工装置4によって所望のプレス加工を行うことができる。なお、板材矯正装置3やプレス加工装置4について簡単に説明したが、これら板材矯正装置3及びプレス加工装置4は、図1に示すものに限定されず、どのようなものであってもよい。
【0019】
さて、プレス加工ライン1において、板材供給装置2から板材矯正装置3に向けて板材12を供給するにあたっては、板材12に一定の張力を付与するように、板材供給装置2のアンコイラ15や板材矯正装置3の送りローラ5とを回転させるようになっている。なお、プレス加工ライン1においては、少なくとも板材供給装置2の第1エンコーダの検出ロール23(板材供給装置2の出側)から板材矯正装置3の入側までの間(例えば、矯正ローラ7までの間)は、板材12に張力を掛けることとしている。
【0020】
上述したように、板材12に張力を掛け送り出すような場合は、アンコイラ15を停止して板材12の送り出し停止時に、コイル状に巻かれた板材12(コイル材22)が外側に広がり、コイル材22がばらけるという現象が生じやすいことから、本発明では、コイル材22のばらけ現象を抑制しする制御を行うこととしている。
以下、板材供給装置2について詳しく説明する。
【0021】
板材供給装置2は、アンコイラ15と、アンコイラ駆動モータ16と、第1検出器17と、第2検出器18と、制御部19とを備えている。
アンコイラ15は、コイル状に巻かれた板材12よりなるコイル材22を回転によって送り出すもので、フレーム20に回転自在に支持されている。アンコイラ駆動モータ16は、アンコイラ15に回転駆動力を付与するもので、アンコイラ15と同様にフレーム20に固定されている。アンコイラ15とアンコイラ駆動モータ16との間には、アンコイラ駆動モータ16の回転数を減速してアンコイラ15の駆動軸に伝達する減速機21が設けられている。
【0022】
第1検出器17は、コイル材22から送り出された板材12の送出量(周速)を検出可能なものであって、コイル材22の外周面に接触してコイル材22の回転に伴って回転する検出ロール23を備えた第1エンコーダから構成されている。
具体的には、第1エンコーダ17の検出ロール23は、アンコイラ15の上方に配置されたアーム24の先端部に回転自在に支持されている。この検出ロール23は、コイル材22の外周面に接触して、コイル材22の回転に伴って回転し、この回転数(回転角速度等)に基づいてコイル材22の周速を検出可能となっている。第1エンコーダ17で検出された検出ロール23の回転数は、制御部19に入力されるようになっている。
【0023】
アーム24の基端部はフレーム8の横軸25に枢支され、アーム24の中途部には、横軸25を中心としてアーム24を揺動させるためのアクチュエータ(例えば、油圧シリンダ)26が連結されている。
したがって、コイル材22の回転に応じて油圧シリンダ26を作動させてアーム24を揺動させることにより、コイル材22の外径が変化しても第1エンコーダ17の検出ロール23をコイル材22の外周面に接触させることができる。
【0024】
第2検出器18は、アンコイラ15の回転量(回転数)を検出可能なものである。この第2検出器18は、アンコイラ15の外周面に接触又は非接触して直接アンコイラ15の回転数を検出したり、アンコイラ15の駆動軸(回転駆動軸)に接触又は非接触して回転駆動軸の回転数を検出することによって、アンコイラ15の回転量である回転角速度を検出する第2エンコーダから構成されている。第2エンコーダ18で検出されたアンコイラ15の回転量は制御部19に入力されるようになっている。
【0025】
制御部19は、板材供給装置2を制御するものであって、例えば、アンコイラ駆動モータ16の回転制御やトルク制御を行うものである。この制御部19は、シーケンサ等から構成され、径検出手段30と、トルク算出手段31と、制御手段32とを備えている。これら径検出手段30、トルク算出手段31、制御手段32はシーケンサに格納されたプログラム等から構成されている。
【0026】
径検出手段30は、第1エンコーダ17にて検出された送出量と第2エンコーダ18にて検出されたアンコイラ15の回転数とに基づいてコイル材22のコイル外径を求めるものである。
具体的には、図2に示すように、第1エンコーダ17の検出ロール23の外径(ロール外径)をD1とし、この検出ロール23の回転数(ロール回転数)をPG1とし、アンコイラ15の回転数(アンコイラ回転数)をPG2とし、コイル外径D2としたとき、式(1)に示す関係が成り立つ。
【0027】
【数1】

【0028】
径検出手段30は、第1エンコーダ17で検出されたロール回転数PG1と、第2エンコーダ18で検出されたアンコイラ回転数PG2、即ち、コイル材22の回転数と、予め設定された第1エンコーダ17のロール外径D1とからコイル外径D2を求める。
トルク算出手段31は、径検出手段30で求められたコイル外径D2と送り出し後の板材12に掛かる引っ張り力とに基づいてアンコイラ駆動モータ16へのトルク制御値を求めるものである。
【0029】
図3に示すように、板材12の幅(板幅)をw、板材12の厚み(板厚)をt、予め設定された設定張力をsとしたとき、引っ張り力T1は、式(2)に示す値となる。
【0030】
【数2】

【0031】
また、コイル外径D2、アンコイラ駆動モータ16のトルク制御値p、減速機21の減速比Gとしたとき、アンコイラ駆動モータ16側にて働かせる力、言い換えれば、コイル外径D2によって変化する力T2は、式(3)となる。
【0032】
【数3】

【0033】
トルク算出手段31は、送り出し後に板材12に掛かる引っ張り力T1とコイル外径D2によって変化する力T2とが一致するように、式(4)により、トルク制御値pを求める。
【0034】
【数4】

【0035】
制御手段32は、アンコイラ駆動モータ16の回転停止後にトルク算出手段31で求めたトルク制御値pに応じてアンコイラ駆動モータ16へのトルク制御を行うものである。
図3に示すように、制御手段32は、まず、プレス加工装置4側から板材12の送り出しの要求があると、第1エンコーダ17で検出された送り速度(送出量)と、板材矯正装置3側の板材12の送り速度(送出量)とが一致するようにフィードバック制御等を掛けながら制御信号によってアンコイラ駆動モータ16を駆動させる。そして、アンコイラ駆動モータ16を回転させて、回転制御(クローズ制御)を続け、所定時間、即ち、プレス加工装置4が要求する所定量の板材12を供給した後は、制御手段32によってアンコイラ駆動モータ16の回転を停止して、回転制御からトルク制御に切り替える。
【0036】
トルク制御においては、上述したトルク制御値pのトルクをアンコイラ駆動モータ16に掛けることによって、アンコイラ15に回転停止力を付与している。言い換えれば、アンコイラ15の停止時にトルク制御によってアンコイラ15を回転させにくくしているため、板材12(コイル材22)に対して逆方向に張力、即ち、アンコイラ15に巻き絞り作用を生じさせている。これより、アンコイラ15停止時において、コイルが外側に広がり、コイル材22がばらけるというばらけ現象を抑制することができる。
【0037】
特に、制御手段32は、アンコイラ駆動モータ16を停止させて再びアンコイラ駆動モータ16を駆動させて板材12を送るまでの間(プレス加工装置4がプレスを行っている間)は、トルク算出手段31によって求めたトルク制御値pを掛けるトルク制御を行っているため、アンコイラ15停止間に板材12が外側へ広がることを防止している。その結果、再び、アンコイラ15をアンコイラ15停止状態からアンコイラ15回転状態にするときに、アンコイラ15を送り方向とは反対に回転させて板材12(コイル材22)の巻き絞りを行う必要がなくなるため、板材12を送り出す効率は低下せず、生産性を向上させることができる。
【0038】
コイルの外径が大きいときは、トルク算出手段31によって求められるトルク制御値pは、その外径に応じて大きくなる。一方、コイルの外径が小さいときは、トルク算出手段31によって求められるトルク制御値pは小さくしていて、コイルの外径に応じてトルク制御値を変化させているため、アンコイラ15の回転と停止とが繰り返されて、コイル材22の大きさが逐次変化したとしても、一定の張力になるため、ばらけ現象を抑制することができる。
【0039】
以上、まとめると、板材矯正装置3の矯正駆動モータ6の駆動が開始されると、板材供給装置2のアンコイラ駆動モータ16も同時に駆動が開始されて、板材矯正装置3の矯正駆動モータ6と板材供給装置2のアンコイラ駆動モータ16とが同期して送出量が同じとなるように、各駆動モータが駆動する。そして、板材矯正装置3の矯正駆動モータ6が停止すると板材供給装置2のアンコイラ駆動モータ16も停止する。
【0040】
このとき、板材供給装置2は、径検出手段30によってコイル材22のコイル外径D2を求め、トルク算出手段31はコイル外径D2と送り出し後に板材12に掛かる引っ張り力Tとに基づいてトルク制御値pを求め、アンコイラ駆動モータ16の回転停止後にトルク制御値pをアンコイラ駆動モータ16にかけるトルク制御を行うこととしている。そして、このような制御によって、張力を付与しながら板材12を送り出す場合であっても、コイル材22のばらけ現象を抑制しつつ送り出し効率を向上させることができる。
【0041】
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
【符号の説明】
【0042】
1 プレス加工ライン
2 板材供給装置
3 板材矯正装置
4 プレス加工装置
5 送りローラ
6 矯正駆動モータ
7 矯正ローラ
8 フレーム
9 従動ローラ
10 上金型
11 下金型
12 板材
15 アンコイラ
16 アンコイラ駆動モータ
17 第1検出器(第1エンコーダ)
18 第2検出器(第2エンコーダ)
19 制御部
20 フレーム
21 減速機
22 コイル材
23 検出ロール
24 アーム
25 横軸(枢支軸)
26 アクチュエータ
30 径検出手段
31 トルク算出手段
32 制御手段
D1 ロール外径
D2 コイル外径
PG1 ロール回転数
PG2 アンコイラ回転数
T1 引っ張り力
T2 変化する力(アンコイラ駆動モータ側の力)
w 板幅
t 板厚
s 設定張力
p トルク制御値
G 減速比

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル状に巻かれた板材よりなるコイル材を回転によって送り出すアンコイラと、前記アンコイラを回転させるべく前記アンコイラに回転駆動力を付与するアンコイラ駆動モータと、前記コイル材からの板材の送出量を検出可能な第1検出器と、前記アンコイラの回転量を検出可能な第2検出器とを備え、
前記第1検出器にて検出された送出量と前記第2検出器にて検出されたアンコイラの回転量とに基づいて前記コイル材のコイル外径を求める径検出手段と、
前記径検出手段で求められたコイル外径と送り出し後に板材に掛かる引っ張り力とに基づいて前記アンコイラ駆動モータへのトルク制御値を求めるトルク算出手段と、
前記アンコイラ駆動モータの回転停止後に前記トルク算出手段で求めたトルク制御値に応じて前記アンコイラ駆動モータへのトルク制御を行う制御手段とを備えていることを特徴とする板材供給装置。
【請求項2】
前記トルク算出手段は、前記引っ張り力と送り出し後の前記コイル径によって変化する力とが一致するように前記トルク制御値を求めることを特徴とする請求項1に記載の板材供給装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記板材の送り出し時は前記アンコイラ駆動モータの回転制御を行うと共に前記板材の送り出し停止時は前記回転制御からトルク制御に切り替えて前記トルク制御値で制御を行うことを特徴とする請求項の1又は2に記載の板材供給装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかの板材供給装置が配置され、前記板材供給装置から送り出された板材の矯正を行って当該板材をプレス加工装置に送るプレス加工ライン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−228708(P2012−228708A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98038(P2011−98038)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【特許番号】特許第4933668号(P4933668)
【特許公報発行日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【出願人】(594207654)
【Fターム(参考)】