説明

板状体の梱包材

【課題】型枠付き太陽電池モジュールなどの板状体からの抜け出しを確実に防止して梱包する。
【解決手段】底面部2の側端縁に側面部3および側面側上面部4が折り目を介して順に連設される一方、底面部2の上下各端縁に背面部5及び正面部6が折り目を介して連設されるとともに、背面部5の上端縁及び正面部6の下端縁に、背面側上面部7及び正面側上面部8がそれぞれ折り目を介して連設されて構成される。そして、側面側上面部4の各差込孔4aに臨む上下各端部近傍に側面部3との折り目bに向かって凸状の切れ目gが形成されるととに、該凸状の切れ目gを挟んで側面側上面部4の端縁から設定長さにわたって一対の切れ目hが形成され、凸状の切れ目gと一対の切れ目hとの間に内フランジ部の幅に対応して折り目bと平行に内フランジ部の厚みに相当する間隔の一対の折り目iが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、板状体、例えば、型枠付き太陽電池モジュールなどの梱包材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、型枠付き太陽電池モジュールの梱包材が知られている。例えば、特許文献1には、太陽電池パネル枠Waの一方の側において、表面3から上面6を経て折返上面7を太陽電池パネル枠Waに沿って巻き込むとともに、表面3から下面8を経て折返下面9を太陽電池パネル枠Waに沿って巻き込み、さらに、表面3から側面4を経て裏面5を太陽電池パネル枠Waに沿って巻き込んで梱包する梱包箱が記載されている。この梱包箱においては、裏面5の上下各端縁に連設した上下の係止片12,13を折返上面7および折返下面9にそれぞれ形成した上下の差込孔14,15に差し込み、ロック部12a,13aを介して係止することにより、裏面5を抜け止めしている。
【0003】
また、特許文献2には、太陽電池のパネルフレームFの一方の側において、下板13から側板11を経て上板12をパネルフレームFに沿って巻き込み、下板13から外ヒレ15を経て折り返し片16をパネルフレームFに沿って巻き込んで梱包する包装具が記載されている。この包装具においては、上板12の上下各端部にU字状の切れ目を形成して内ヒレ14および突片14aを形成し、パネルフレームFの上面に突片14aを載置しつつその内面に内ヒレ14を沿わせ、さらに、上下の折り返し片16にそれぞれ連設した差込片17を上板12の上下各端部にそれぞれ形成した差込口に差し込むことにより、上板12を抜け止めしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3097147号公報
【特許文献2】特開2009−107636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、引用文献1の梱包箱は、裏面に連設した係止片を折返上面(折返下面)の差込孔に差し込み、ロック部を介して係止するようにしているが、係止片を差込孔に差し込むだけであり、ロック部を折返上面(折返下面)の裏面側に確実に係止させることはできず、裏面の復元力による跳ね上がりを確実に防止することは困難である。しかも、太陽電池パネル枠に対して梱包箱が抜け出し方向に移動した場合、差込孔に差し込まれた係止片の端縁に太陽電池パネル枠の内端面が衝突することになる。この場合、係止片は簡単に圧潰し、太陽電池パネル枠からの梱包箱の抜け出しを確実に防止することはできないものとなる。
【0006】
このため、太陽電池パネル枠の左右各側にそれぞれ装着された梱包箱は、それらの抜け出しを防止するために、結束バンドなどによって結束する必要があった。
【0007】
また、引用文献2の包装具は、折り返し片に連設した差込片を上板の差込口に差し込み、それらの係合溝を介して係合させることにより、上板の抜け出し、すなわち、上板の復元力による跳ね上がりを防止することができる。しかしながら、太陽電池モジュールに対して包装具が抜け出し方向に移動した場合、差込口に差し込まれた差込片および内ヒレの端縁に太陽電池モジュールのフレーム内端面が衝突することから、差込片や内ヒレは簡単に圧潰し、太陽電池モジュールからの包装具の抜け出しを確実に防止することはできないものである。
【0008】
このため、太陽電池モジュールの左右各側にそれぞれ装着された包装具は、それらの離脱を防止するために、結束バンドなどによって結束する必要があった。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、型枠付き太陽電池モジュールなどの板状体からの抜け出しを確実に防止して梱包することのできる梱包材を提供ものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、内フランジ部を有する板状体の少なくとも左右各側面とともに、左右各側面近傍の底面、上面、背面および正面を覆う一対の梱包材であって、内フランジ部外面を覆う側面側上面部に、内フランジ部の幅に対応して側面側上面部と側面部との折り目と平行に内フランジ部の厚みに相当する間隔の一対の折り目が形成されるとともに、該一対の折り目に連通して側面側上面部の端縁に向かう切れ目および側面側上面部と側面部との折り目側に向かう切れ目がそれぞれ形成され、一対の折り目に沿う折り曲げによって一体に連動する抜け止め片および跳ね上がり防止片が区画され、板状体の梱包時、一対の折り目に沿って折り曲げることにより抜け止め片を内フランジ部に巻き付けるとともに、抜け止め片に連動して内フランジ部から突出する跳ね上がり防止片を背面側上面部および正面側上面部が上方から覆って跳ね上がり防止片が元の位置に戻ろうとするのを防止することを特徴とするものである。
【0011】
本発明によれば、一対の梱包材によって板状体の左右各側面を覆うとともに、左右各側面近傍の底面、上面、背面および正面を覆って梱包する。そして、板状体の梱包に際して、板状体の内フランジ部を覆う側面側上面部に形成された内フランジ部の厚みに相当する間隔の一対の折り目に沿って折り曲げ、側面側上面部の端縁に向かう切れ目および側面側上面部と側面部との折り目側に向かう切れ目によって一体に連動する抜け止め片および跳ね上がり防止片を区画する。次いで、一対の折り目に沿って折り曲げて抜け止め片を内フランジ部に巻き付けるとともに、抜け止め片に連動して内フランジ部から突出する跳ね上がり防止片の上方に背面側上面部および正面側上面部をそれぞれ被せて跳ね上がり防止片が元の位置に戻ろうとするのを防止する。
【0012】
この場合、背面側上面部および正面側上面部を側面側上面部に粘着テープなどを利用してそれぞれ貼着し、背面側上面部および正面側上面部が元の位置に戻ろうとするのを防止する。
【0013】
この結果、抜け止め片が内フランジ部に巻き付けられた状態で、抜け止め片と一体の跳ね上がり防止片を背面側上面部および正面側上面部が上方から覆って跳ね上がり防止片が元の位置に戻ろうとするのを防止することにより、板状体からの梱包材の抜け出しを確実に防止できる。
【0014】
本発明は、内フランジ部を有する板状体の少なくとも左右各側面とともに、左右各側面近傍の底面、上面、背面および正面を覆う一対の梱包材であって、底面部の側端縁に側面部および側面側上面部が折り目を介して順に連設される一方、底面部の上下各端縁に背面部および正面部がそれぞれ折り目を介して連設されるとともに、背面部の上端縁および正面部の下端縁に背面側上面部および正面側上面部がそれぞれ折り目を介して連設されて構成され、側面側上面部の上下各端部近傍に側面部との折り目に向かって凸状の切れ目がそれぞれ形成されるとともに、該凸状の切れ目を挟んで側面側上面部の端縁から設定長さにわたって一対の切れ目がそれぞれ形成され、さらに、凸状の切れ目と一対の切れ目との間に内フランジ部の幅に対応して側面側上面部と側面部との折り目と平行に内フランジ部の厚みに相当する間隔の一対の折り目がそれぞれ形成され、また、背面側上面部および正面側上面部の高さが側面側上面部の上下各端部近傍に形成された凸状の切れ目を覆う長さに設定されることを特徴とするものである。
【0015】
本発明によれば、展開図にしたがって打ち抜いた後、板状体の幅方向の長さ間隔をおいて一対の梱包材を左右対称に配置し、それらの底面部にわたって板状体を載置する。次いで、底面部に対して側面部を折り目に沿って折り曲げて立ち上げるとともに、側面部に対して側面側上面部を折り目に沿って折り曲げて板状体の上面に被せる。そして、側面側上面部の上下各端部近傍に形成された内フランジ部の厚みに相当する間隔の一対の折り目に沿って折り曲げ、側面側上面部と側面部との折り目側に向かう凸状の切れ目および該凸状の切れ目を挟んで側面側上面部の端縁から設定長さにわたって延びる一対の切れ目によって一体に連動する抜け止め片および跳ね上がり防止片を区画する。次いで、一対の折り目に沿って折り曲げて抜け止め片を内フランジ部に巻き付けるとともに、抜け止め片と一体に連動する跳ね上がり防止片を内フランジ部から突出させる。この状態で、底面部に対して背面部および正面部をそれぞれ折り目に沿って折り曲げて立ち上げるとともに、背面部および正面部に対して背面側上面部および正面側上面部をそれぞれ折り目に沿って折り曲げて板状体の上面に被せる。これにより、背面側上面部および正面側上面部が内フランジ部から突出する跳ね上がり防止片を上方から覆って跳ね上がり防止片が元の位置に戻ろうとするのを防止する。
【0016】
この場合、背面側上面部および正面側上面部を側面側上面部に粘着テープなどを利用してそれぞれ貼着し、背面側上面部および正面側上面部が元の位置に戻ろうとするのを防止する。
【0017】
この結果、抜け止め片が内フランジ部に巻き付けられた状態で、抜け止め片と一体の跳ね上がり防止片を背面側上面部および正面側上面部が上方から覆って跳ね上がり防止片が元の位置に戻ろうとするのを防止することにより、板状体からの梱包材の抜け出しを確実に防止できる。
【0018】
本発明は、内フランジ部を有する板状体の少なくとも左右各側面とともに、左右各側面近傍の底面、上面、背面および正面を覆う一対の梱包材であって、底面部の側端縁に側面部および側面側上面部が折り目を介して順に連設される一方、底面部の上下各端縁に背面部および正面部がそれぞれ折り目を介して連設されるとともに、背面部の上端縁および正面部の下端縁に背面側上面部および正面側上面部がそれぞれ折り目を介して連設されて構成され、側面側上面部の上下各端部近傍に側面部との折り目に向かって複数個の凸状の切れ目がそれぞれ形成されるとともに、該複数個の凸状の切れ目のうちの両側の凸状の切れ目に連続して側面側上面部の端縁まで延びる一対の切れ目がそれぞれ形成され、さらに、隣接する凸状の切れ目間に内フランジ部の幅に対応して側面側上面部と側面部との折り目と平行に内フランジ部の厚みに相当する間隔の一対の折り目がそれぞれ形成され、また、背面側上面部および正面側上面部の高さが側面側上面部の上下各端部近傍に形成された凸状の切れ目を覆う長さに設定されることを特徴とするものである。
【0019】
本発明によれば、展開図にしたがって打ち抜いた後、板状体の幅方向の長さ間隔をおいて一対の梱包材を左右対称に配置し、それらの底面部にわたって板状体を載置する。次いで、底面部に対して側面部を折り目に沿って折り曲げて立ち上げるとともに、側面部に対して側面側上面部を折り目に沿って折り曲げて板状体の上面に被せる。そして、側面側上面部の上下各端部近傍に形成された内フランジ部の厚みに相当する間隔の一対の折り目に沿って折り曲げ、側面側上面部と側面部との折り目側に向かう複数個の凸状の切れ目および該複数個の凸状の切れ目のうちの両側の凸状の切れ目に連続して側面側上面部の端縁まで延びる一対の切れ目とによって一体に連動する抜け止め片および跳ね上がり防止片を区画する。次いで、一対の折り目に沿って折り曲げて抜け止め片を内フランジ部に巻き付けるとともに、抜け止め片と一体に連動する跳ね上がり防止片を内フランジ部から突出させる。この状態で、底面部に対して背面部および正面部をそれぞれ折り目に沿って折り曲げて立ち上げるとともに、背面部および正面部に対して背面側上面部および正面側上面部をそれぞれ折り目に沿って折り曲げて板状体の上面に被せる。これにより、背面側上面部および正面側上面部が内フランジ部から突出する跳ね上がり防止片を上方から覆って跳ね上がり防止片が元の位置に戻ろうとするのを防止する。
【0020】
この場合、背面側上面部および正面側上面部を側面側上面部に粘着テープなどを利用してそれぞれ貼着し、背面側上面部および正面側上面部が元の位置に戻ろうとするのを防止する。
【0021】
この結果、抜け止め片が内フランジ部に巻き付けられた状態で、抜け止め片と一体の跳ね上がり防止片を背面側上面部および正面側上面部が上方から覆って跳ね上がり防止片が元の位置に戻ろうとするのを防止することにより、板状体からの梱包材の抜け出しを確実に防止できる。
【0022】
本発明は、内フランジ部を有する板状体の少なくとも左右各側面とともに、左右各側面近傍の底面、上面、背面および正面を覆う一対の梱包材であって、底面部の側端縁に側面部および側面側上面部が折り目を介して順に連設される一方、底面部の上下各端縁に背面部および正面部がそれぞれ折り目を介して連設されるとともに、背面部の上端縁および正面部の下端縁に背面側上面部および正面側上面部がそれぞれ折り目を介して連設されて構成され、側面側上面部の上下各端部近傍に側面部との折り目に向かって複数個の凸状の切れ目がそれぞれ形成されるとともに、該複数個の凸状の切れ目を挟んで側面側上面部の端縁から設定長さにわたって一対の切れ目がそれぞれ形成され、さらに、隣接する凸状の切れ目間および複数個の凸状の切れ目のうちの両側の凸状の切れ目と一対の切れ目との間に内フランジ部の幅に対応して側面側上面部と側面部との折り目と平行に内フランジ部の厚みに相当する間隔の一対の折り目がそれぞれ形成され、また、背面側上面部および正面側上面部の高さが側面側上面部の上下各端部近傍に形成された凸状の切れ目を覆う長さに設定されることを特徴とするものである。
【0023】
本発明によれば、展開図にしたがって打ち抜いた後、板状体の幅方向の長さ間隔をおいて一対の梱包材を左右対称に配置し、それらの底面部にわたって板状体を載置する。次いで、底面部に対して側面部を折り目に沿って折り曲げて立ち上げるとともに、側面部に対して側面側上面部を折り目に沿って折り曲げて板状体の上面に被せる。そして、側面側上面部の上下各端部近傍に形成された内フランジ部の厚みに相当する間隔の一対の折り目に沿って折り曲げ、側面側上面部と側面部との折り目側に向かう複数個の凸状の切れ目および該複数個の凸状の切れ目を挟んで側面側上面部の端縁から設定長さにわたって延びる一対の切れ目とによって一体に連動する抜け止め片および跳ね上がり防止片を区画する。次いで、一対の折り目に沿って折り曲げて抜け止め片を内フランジ部に巻き付けるとともに、抜け止め片と一体に連動する跳ね上がり防止片を内フランジ部から突出させる。この状態で、底面部に対して背面部および正面部をそれぞれ折り目に沿って折り曲げて立ち上げるとともに、背面部および正面部に対して背面側上面部および正面側上面部をそれぞれ折り目に沿って折り曲げて板状体の上面に被せる。これにより、背面側上面部および正面側上面部が内フランジ部から突出する跳ね上がり防止片を上方から覆って跳ね上がり防止片が元の位置に戻ろうとするのを防止する。
【0024】
この場合、背面側上面部および正面側上面部を側面側上面部に粘着テープなどを利用してそれぞれ貼着し、背面側上面部および正面側上面部が元の位置に戻ろうとするのを防止する。
【0025】
この結果、抜け止め片が内フランジ部に巻き付けられた状態で、抜け止め片と一体の跳ね上がり防止片を背面側上面部および正面側上面部が上方から覆って跳ね上がり防止片が元の位置に戻ろうとするのを防止することにより、板状体からの梱包材の抜け出しを確実に防止できる。
【0026】
本発明において、前記背面側上面部の側端縁および正面側上面部の側端縁に係止片がそれぞれ折り目を介して連設され、また、側面側上面部の上下各端部近傍に側面部との折り目に沿って係止片に対応して差込孔がそれぞれ形成されるとともに、各係止片の端縁に、背面側上面部および正面側上面部との各折り目に沿って側面側上面部の差込孔端縁部に係止可能な係止溝がそれぞれ形成されることが好ましい。これにより、背面側上面部に連設された係止片および正面側上面部に連設された係止片をそれぞれ側面側上面部に形成された差込孔に差し込むとともに、それらの各係止溝を側面側上面部に係止させることができる。したがって、背面側上面部および正面側上面部にそれぞれ連設された係止片の係止溝を側面側上面部に係止することで、板状体の内フランジ部に巻き付けられた抜け止め片と一体の跳ね上がり防止片を覆った状態の背面側上面部および正面側上面部が元の位置に戻ろうとするのを確実に防止できる。
【0027】
本発明において、前記底面部と側面部との折り目および側面部と側面側上面部との折り目が設定間隔をおいて間欠的に形成されるとともに、底面部および側面側上面部に、間欠的な折り目における対向する端縁を結んで角括弧状の切れ目がそれぞれ形成され、底面部の角括弧状の切れ目および側面側上面部の角括弧状の切れ目が互い違いに形成されることが好ましい。これにより、側面部の上下各端縁に角括弧状の切れ目による複数の脚部が底面部の下面、側面側上面部の上面から互い違いに突出されることから、梱包材によって梱包された板状体を上下に積み重ねると、上方の板状体を梱包する梱包材の底面部の下面から突出する脚部が、下方の板状体を梱包する梱包材の側面側上面部の上面から突出する脚部間における側面側上面部の上面に接地し、上下の梱包材を前後方向に位置決めして移動しないように支持することができる。
【0028】
本発明において、前記底面部と背面部との折り目、底面部と正面部との折り目、背面部と背面側上面部との折り目、正面部と正面側上面部との折り目が設定間隔をおいて間欠的に形成されるとともに、底面部、背面側上面部、正面側上面部に、各間欠的な折り目における対向する端縁を結んで角括弧状の切れ目がそれぞれ形成され、底面部の角括弧状の切れ目および背面側上面部の角括弧状の切れ目、底面部の角括弧状の切れ目および正面側上面部の角括弧状の切れ目がそれぞれ互い違いに形成されることが好ましい。これにより、背面部および正面部の上下各端縁に角括弧状の切れ目による脚部が底面部の下面、背面側上面部の上面および正面側上面部の上面から互い違いに突出されることから、梱包材によって梱包された板状体を上下に積み重ねると、上方の板状体を梱包する梱包材の底面部の下面から突出する脚部が、下方の板状体を梱包する梱包材の背面側上面部の上面および正面側上面部の上面から突出する脚部に接して背面側上面部の上面および正面側上面部の上面に接地し、上下の梱包材を左右方向に位置決めして移動しないように支持することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、型枠付き太陽電池モジュールなどの板状体からの抜け出しを確実に防止して梱包することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の梱包材の一実施形態を板状体を梱包して示す斜視図である。
【図2】図1の左方の梱包材のX面断面図である。
【図3】図1の左方の梱包材の展開図である。
【図4】図1の梱包材による板状体の梱包要領を説明する工程図である。
【図5】図1の梱包材による板状体の梱包要領を説明する工程図である。
【図6】図1の梱包材による板状体の梱包要領を説明する工程図である。
【図7】抜け止め片および跳ね上がり防止片の形成要領を示す説明図である。
【図8】図1の梱包材による板状体の梱包要領を説明する工程図である。
【図9】抜け止め片および跳ね上がり防止片の他の形成要領を示す説明図である。
【図10】抜け止め片および跳ね上がり防止片の他の実施例を示す側面側上面部の部分平面図である。
【図11】抜け止め片および跳ね上がり防止片の他の実施例の変形例を示す側面側上面部の部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
図1および図2には、本発明の梱包材1の一実施形態が板状体P、具体的には、型枠付き太陽電池モジュールを梱包して示されている。
【0033】
ここで、板状体Pの一例として示す型枠付き太陽電池モジュールは、図2に示すように、アルミニウムなどの軽量金属薄板によって形成されるフレームp1と太陽電池パネルp2とから構成される。そして、フレームp1は、断面F字状の保持フレーム部p1aおよび保持フレーム部p1aの下端に一体に設けられた内フランジ部p1bを含み、保持フレーム部p1aの断面コ字状の空間に太陽電池パネルp2を嵌め込んで固定している。また、フレームp1の内フランジ部p1bは、保持フレーム部p1aを補強するとともに、屋根材などへの設置に利用される。
【0034】
この実施形態の梱包材1は、板状体Pの対向する左右各側面とともに、左右各側面近傍の底面、上面、背面および正面をそれぞれ覆うものであって、ダンボールを展開図にしたがって打ち抜いた後、板状体Pの幅に相当する間隔をおいて左右に配置した梱包材1,1にわたって板状体Pを載置し、折り目に沿って折り込んで係止することにより、板状体Pを梱包するものである。
【0035】
この場合、梱包材1は、板状体Pに対して左右一対必要となるが、板状体Pの幅方向中心線に関して左右対称であり、左方の梱包材1についてのみ説明する。
【0036】
梱包材1は、図3の展開図において、コ字状に形成された底面部2の側端縁に側面部3および側面側上面部4が折り目a,bを介して順に連設される一方、底面部2の上下各端縁に背面部5および正面部6がそれぞれ折り目c,cを介して連設されるとともに、背面部5の上端縁および正面部6の下端縁に背面側上面部7および正面側上面部8がそれぞれ折り目d,dを介して連設され、また、背面側上面部7の側端縁および正面側上面部8の側端縁に係止片9,9がそれぞれ折り目e,eを介して連設され、さらに、側面部3の上下各端縁にフラップ10,10がそれぞれ折り目f,fを介して連設されて構成されている。
【0037】
そして、側面側上面部4には、上下各端部近傍において、側面部3との折り目bに沿ってダンボールの厚みに相当する幅と係止片9の長さからなる上下方向に細長い方形状の差込孔4aが係止片9に対応して形成されている。また、側面側上面部4には、前述した各差込孔4aに臨む上下各端部近傍において、U字状などの凸状の切れ目gが側面部3との折り目b方向に向かってそれぞれ形成されるとともに、凸状の切れ目gを挟んで側端縁に直交する一対の切れ目h,hがそれぞれ側端縁から設定長さにわたって形成され、これらの凸状の切れ目gと当該凸状の切れ目gを挟む一対の切れ目h,hとの間に、凸状の切れ目gの各端縁から各切れ目hに向かって、また、各切れ目hの終端縁から凸状の切れ目gに向かって、板状体Pを構成するフレームp1の内フランジ部p1bの厚みに相当する間隔の一対の折り目i,iが側面部3と側面側上面部4との折り目bと平行にそれぞれ形成されている。
【0038】
ここで、側面部3と側面側上面部4との折り目bから内方側の折り目iまでの距離が内フランジ部p1bの幅に設定されている。
【0039】
これらの凸状の切れ目g、一対の切れ目h,hおよび平行な一対の折り目i,iによって、後述するように、一体に連動する抜け止め片41および跳ね上がり防止片42が区画形成される。
【0040】
また、底面部2と側面部3との折り目aは、設定間隔をおいて間欠的に形成されるとともに、底面部2には、間欠的な折り目aにおける対向する終端縁と始端縁とを結んで角括弧状の切れ目jが形成されている。一方、側面部3と側面側上面部4との折り目bも、設定間隔をおいて間欠的に形成されるとともに、側面側上面部4には、間欠的な折り目bにおける対向する終端縁と始端縁とを結んで角括弧状の切れ目kが形成されている。この場合、底面部2に形成された角括弧状の切れ目jと側面側上面部4に形成された角括弧状の切れ目kとは、互い違いに形成されている。
【0041】
同様に、底面部2と背面部5との折り目cおよび底面部2と正面部6との折り目cも、設定間隔をおいて間欠的に形成されるとともに、底面部2には、間欠的な折り目cにおける対向する終端縁と始端縁とを結んで角括弧状の切れ目mが形成されている。さらに、背面部5と背面側上面部7との折り目dおよび正面部6と正面側上面部8との折り目dも、設定間隔をおいて間欠的に形成されるとともに、背面側上面部7および正面側上面部8には、間欠的な折り目dにおける対向する終端縁と始端縁とを結んで角括弧状の切れ目nがそれぞれ形成されている。この場合、底面部2に形成された角括弧状の切れ目mと背面側上面部7に形成された角括弧状の切れ目nとは互い違いに形成され、底面部2に形成された角括弧状の切れ目mと正面側上面部8に形成された角括弧状の切れ目nとは互い違いに形成されている。
【0042】
これらの角括弧状の切れ目j,k,m,nによって、後述するように、側面部3の上下各端縁、背面部5の上下各端縁、正面部6の上下各端縁に、それぞれ上方および下方に突出する互い違いの脚部31,51,61が形成される。
【0043】
また、背面側上面部7および正面側上面部8は、前述した凸状の切れ目g、一対の切れ目h,hおよび平行な一対の折り目i,iによって形成される抜け止め片41および跳ね上がり防止片42を上方から覆うことができる高さを有している。すなわち、背面部5と背面側上面部7との折り目dから背面側上面部7の上端縁までの長さは、側面側上面部4の上端縁からその上端部近傍の抜け止め片41および跳ね上がり防止片42を形成する下方の切れ目hまでの長さよりも大きく設定されている。同様に、正面部6と正面側上面部8との折り目dから正面側上面部8の下端縁までの長さは、側面側上面部4の下端縁からその下端部近傍の抜け止め片41および跳ね上がり防止片42を形成する上方の切れ目hまでの長さよりも大きく設定されている。
【0044】
一方、背面側上面部7に連設された係止片9には、上端縁部に背面側上面部7との折り目eに沿ってダンボールの厚みよりもやや大きな幅と深さの係止溝9aが形成されている。同様に、正面側上面部8に連設された係止片9にも、下端縁部に正面側上面部8との折り目eに沿ってダンボールの厚みよりもやや大きな幅と深さの係止溝9aが形成されている。
【0045】
ここで、係止片9の長さと差込孔4aの長さは一致している他、背面部5と背面側上面部7との折り目dから係止片9の下端縁までの長さ(正面部6と正面部側上面部8との折り目dから係止片9の上端縁までの長さ)は、側面側上面部4の上端縁から上方の差込孔4aの上端縁までの長さ(側面側上面部4の下端縁から下方の差込孔4aの下端縁までの長さ)に係止溝9aの深さを加えた長さよりもやや大きく設定されている。つまり、後述するように、係止片9を差込孔4aに差し込む際、背面部5(正面部6)の内面と側面部3の上下各端縁との間になおも係止溝9aの深さ分押し込む余裕を確保している。
【0046】
次に、このように構成された梱包材1を用いて板状体Pである型枠付き太陽電池モジュールを梱包する場合について図4乃至図8に基づいて説明する。
【0047】
まず、それぞれ展開図にしたがって梱包材1を打ち抜いた後、一対の梱包材1,1を板状体Pの幅に相当する間隔をおいて作業テーブル上に左右対称に配置する。具体的には、板状体Pの四隅に、左右の梱包材1,1における底面部2と側面部3との折り目aおよび底面部2と背面部5との折り目cとの交点、底面部2と側面部3との折り目aおよび底面部2と正面部6との折り目cとの交点がそれぞれ対向するように、左右の梱包材1,1を作業テーブル上に配置する(図4参照)。
【0048】
次いで、対向して配置した左右の梱包材1,1の底面部2,2にわたって板状体Pを載置した後(図5参照)、底面部2に対して側面部3を折り目aに沿って谷折りし、板状体Pの左右各側面に沿うように立ち上げるとともに、側面部4に対して各フラップ10を折り目fに沿って谷折りし、板状体Pの背面および正面にそれぞれ沿うように折り曲げる(図6参照)。
【0049】
その後、立ち上げた側面部3に対して側面側上面部4を折り目bに沿って谷折りし、板状体Pを構成するフレームp1の内フランジ部p1bに沿わせるとともに(図7(b)参照)、側面側上面部4の上下各端縁部近傍に形成された一対の切れ目h,hによって区画された部分(抜け止め片41)を平行な一対の折り目i,iのうち、板状体Pにおけるフレームp1の内フランジ部p1bの端縁に対応する側面部3側の折り目iに沿って谷折りする。この際、凸状の切れ目gによって区画された部分(跳ね上がり防止片42)が抜け止め片41に連動して立ち上げられる(図7(c)参照)。さらに、一対の切れ目h,hによって区画された抜け止め片41をもう一つの折り目iに沿って内方に折り込み、内フランジ部p1bに巻き付ける。この際、凸状の切れ目gによって区画された跳ね上がり防止片42が抜け止め片41に連動して板状体Pにおけるフレームp1の内フランジ部p1bの先端から板状体Pの内方側に向けて突出される(図7(d)参照)。
【0050】
次いで、背面側上面部7および正面側上面部8に対して係止片9をそれぞれ折り目e,eに沿って谷折りするとともに、底面部2に対して背面部5および正面部6をそれぞれ折り目c,cに沿って谷折りし、板状体Pの背面および正面に沿うようにそれぞれ立ち上げる(図8参照)。
【0051】
この後、背面部5に対して背面側上面部7を折り目dに沿って谷折りし、板状体Pの上面に沿うように折り曲げるとともに、係止片9を側面側上面部4の差込孔4aに差し込む。さらに、係止片9を差込孔4aに差し込んだ状態で、背面側上面部7を側面側上面部4に沿って対向する正面側上面部8に向けて押し出せば、係止片9が側面部3の内面に沿って押し出され、係止溝9aが側面側上面部4の差込孔4a端縁部に係止され、差込孔4aからの係止片9の抜け出しが阻止される。これにより、背面側上面部7が跳ね上がり防止片42を上方から押さえ込み、跳ね上がり防止片42が一対の折り目i,iに沿って元の位置に戻ろうとするのを防止するとともに、係止片9の係止溝9aが側面側上面部4に係止し、係止片9、すなわち、背面側上面部7が折り目dに沿って元の位置に戻ろうとするのを防止する(図1、図2参照)。
【0052】
同様に、正面部6に対して正面側上面部8を折り目dに沿って谷折りし、板状体Pの上面に沿うように折り曲げるとともに、係止片9を側面側上面部4の差込孔4aに差し込む。さらに、係止溝9aを差込孔4aに差し込んだ状態で、正面側上面部8を側面側上面部4に沿って対向する背面側上面部7に向けて押し出せば、係止片9が側面部3の内面に沿って押し出され、係止溝9aが側面側上面部4の差込孔4a端縁部に係止され、差込孔4aからの係止片9の抜け出しが阻止される。これにより、正面側上面部8が跳ね上がり防止片42を上方から押さえ込み、跳ね上がり防止片42が平行な一対の折り目i,iに沿って元の位置に戻ろうとするのを防止するとともに、係止片9の係止溝9aが側面側上面部4に係止し、係止片9、すなわち、正面側上面部8が折り目dに沿って元の位置に戻ろうとするのを防止する。
【0053】
この結果、板状体Pを梱包材1,1によって梱包すると、図1および図2に示すように、梱包材1の抜け止め片41が板状体Pにおけるフレームp1の内フランジ部p1bに巻き付けられるとともに、抜け止め片41と一体の跳ね上がり防止片42を背面側上面部7および正面側上面部8がそれぞれ上方から押さえ込んで跳ね上がり防止片42が元の位置に戻ろうとするのを防止する一方、各係止片9が側面側上面部4に形成された差込孔4aにそれぞれ差し込まれるとともに、係止溝9aが側面側上面部4に係止され、係止片9の抜け出し、すなわち、各係止片9がそれぞれ連設された背面側上面部7および正面側上面部8が元の位置に戻ろうとするのを防止することにより、板状体Pからの梱包材1の抜け出しを確実に防止することができる。したがって、左右に対向する一対の梱包材1,1にわたって結束バンドなどによって結束する必要がなく、梱包作業を短時間に行うことが可能となり、コストの上昇を抑えることができる。あるいはまた、結束バンドを併用することによって、梱包材1の抜け出しをより確実に防止することができるため、梱包の信頼性をさらに高めることができる。
【0054】
また、側面部3、背面部5、正面部6の各下端縁に角括弧状の切れ目j,k,m,nによる複数の脚部31,51,61が底面部2の下面から突出するとともに、側面部3、背面部5、正面部6の各上端縁に角括弧状の切れ目j,k,m,nによる複数の脚部31,51,61が側面側上面部4の上面、背面側上面部7の上面および正面側上面部8の上面から突出する。そして、底面部2の下面から突出する脚部31,51,61と側面側上面部4の上面、背面側上面部7の上面および正面側上面部8の上面から突出する脚部31,51,61とは互い違いに形成される。これにより、梱包材1,1によって梱包された板状体Pを上下に積み重ねると、上方の板状体Pを梱包する梱包材1,1の底面部2の下面から突出する脚部31,51,61が、それぞれ下方の板状体Pを梱包する梱包材1,1の側面側上面部4の上面、背面側上面部7の上面および正面側上面部8の上面からそれぞれ突出する脚部31,51,61間の上面に接地し、上下の梱包材1,1を左右方向および前後方向に位置決めして移動しないように支持することができる。
【0055】
このとき、側面側上面部4に形成した抜け止め片41が板状体Pの内フランジ部p1bを巻き込み、また、跳ね上がり防止片42により梱包材1をきっちり抜け防止して組み立てるので、脚部31,51,61の位置精度を極めて高くできる。したがって、梱包材1が左右の2部材に分割されていても、上下に積み重ねるときの各脚部31,51,61の合わせ込みが極めて容易に行えるとともに、上下に積み重ねた際の横ズレ現象の発生を大幅に抑制できる。
【0056】
ところで、前述した実施形態においては、凸状の切れ目g、一対の切れ目h,hおよび平行な一対の折り目i,iを側面側上面部4に形成し、凸状の切れ目gおよび一対の切れ目h,hによって区画された部分を平行な一対の折り目i,iに沿って折り込んで抜け止め片41および跳ね上がり防止片42を区画形成し、一対の折り目i,iに沿って略180度折り返して抜け止め片41を板状体Pにおけるフレームp1の内フランジ部p1bに巻き付ける場合を例示したが、略180度にわたって折り返すことなく板状体Pにおけるフレームp1の内フランジ部p1bを側面側上面部4との間で挟み込んで抜け出しを防止することもできる。具体的には、図9に示すように、側面側上面部4の上下各端縁部近傍に形成された一対の切れ目h,hによって区画された部分を跳ね上がり防止片42として一対の折り目i,iのうち、側面側上面部4の上端縁側の折り目iに沿って外方に向けて略90度谷折りする。この際、凸状の切れ目gによって区画された部分が抜け止め片41として跳ね上がり防止片42に連動して略水平状に切り起こされる(図9(b)参照)。この後、側面部3に対して側面側上面部4を折り目bに沿って谷折りし、板状体Pにおけるフレームp1の内フランジ部p1bの外面に沿わせるとともに(図9(c)参照)、一対の切れ目h,hによって区画された跳ね上がり防止片42をもう一つの折り目iに沿って前述とは逆に戻すように内方に折り込み、凸状の切れ目gによって区画された抜け止め片41を内フランジ部p1bに巻き付けるとともに、抜け止め片41に連動して跳ね上がり防止片42を板状体Pの内フランジ部p1bから突出させる(図9(d)参照)。
【0057】
この場合、凸状の切れ目gによって区画された部分が抜け止め片41に形成されるとともに、一対の切れ目h,hによって区画された部分が跳ね上がり防止片42に形成され、前述した場合とは、役割が逆転するものとなる。
【0058】
また、前述した実施形態においては、凸状の切れ目g、一対の切れ目h,hおよび平行な一対の折り目i,iによって一体に連動する抜け止め片41および跳ね上がり防止片42を形成したが、図10に示すように、2個(複数個)の凸状の切れ目gを形成するとともに、両側の凸状の切れ目gの端縁に連続して側面側上面部4の端縁まで延びる一対の切れ目h,hを形成し、隣接する凸状の切れ目g,g間に内フランジ部p1bの厚みに相当する間隔をおいて側面部3と側面側上面部4との折り目bに平行な一対の折り目i,iを形成し、これらの一対の切れ目h,h、複数個の凸状の切れ目gおよび平行な一対の折り目i,iによって一体に連動する抜け止め片41および跳ね上がり防止片42を形成することもできる。このような一対の切れ目h,h、複数個の凸状の切れ目gおよび平行な一対の折り目i,iによって形成される抜け止め片41および跳ね上がり防止片42は、複数個に分割されるため、力を分散して支持することができ、好ましい。
【0059】
ここでは、一対の切れ目h,hを両側の凸状の切れ目gの端縁に連続して形成した場合を例示したが、図11に示すように、両側の凸状の切れ目gから離れた位置に一対の切れ目h,hを形成してもよい。この場合、両側の凸状の切れ目gと一対の切れ目h,hとの間にも、内フランジ部p1bの厚みに相当する間隔の一対の平行な折り目i,iを形成することが好ましい。
【0060】
さらに、前述した実施形態においては、板状体Pとして型枠付き太陽電池モジュールを例示したが、太陽電池モジュールに限らず、窓枠、ドアなどの額縁なども板状体Pとして適用することができる。
【0061】
さらにまた、前述した実施形態においては、一対の梱包材1,1によって板状体Pの長手方向に対向する左右各側面とともに、その左右各側面近傍の底面、上面、正面、背面を覆う場合について説明したが、短手方向に対向する左右各側面とともに、その左右各側面近傍の底面、上面、正面、背面を覆うこともできる。
【0062】
また、梱包材1を展開図にしたがって打ち抜くことに先立って、側面部3の差込孔4aに臨む部分(図3の展開図にハッチングで示す部分)を圧縮してダンボールの板厚を薄くすることが好ましい。これにより、差込孔4aに対する係止片9の差し込みを容易に行うことができる。
【0063】
さらに、前述した実施形態においては、背面側上面部7および正面側上面部8にそれぞれ係止片9を連設するとともに、側面側上面部4に係止片9に対応して差込孔4aを形成し、係止片9を差込孔4aに差し込んで係止することにより、背面側上面部7および正面側上面部8の跳ね上がりを防止する場合を説明したが、係止片9を連設することなく背面側上面部7および正面側上面部8を粘着テープなどを利用して側面側上面部4に貼着するようにしてもよい。
【0064】
なお、板状体Pの背面および正面を保護するため、背面部5と背面側上面部7、正面部6と正面側上面部8および底面部2の一部または全部によって左右の梱包材1,1を一体に連設することもできる。この場合、抜け止め片41および跳ね上がり防止片42を併用すると、梱包材の抜け出しをさらに確実に防止できるとともに、梱包材によって梱包された板状体Pのガタツキなどを確実に防止でき、有用である。
【符号の説明】
【0065】
1 梱包材
2 底面部
3 側面部
31 脚部
4 側面側上面部
4a 差込孔
41 抜け止め片
42 跳ね上がり防止片
5 背面部
51 脚部
6 正面部
61 脚部
7 背面側上面部
8 正面側上面部
9 係止片
9a 係止溝
a,b,c,d,e,f,i 折り目
g 凸状の切れ目
h 切れ目
j,k,m,n 角括弧状の切れ目
P 板状体
p1 フレーム
p1b 内フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内フランジ部を有する板状体の少なくとも左右各側面とともに、左右各側面近傍の底面、上面、背面および正面を覆う一対の梱包材であって、内フランジ部外面を覆う側面側上面部に、内フランジ部の幅に対応して側面側上面部と側面部との折り目と平行に内フランジ部の厚みに相当する間隔の一対の折り目が形成されるとともに、該一対の折り目に連通して側面側上面部の端縁に向かう切れ目および側面側上面部と側面部との折り目側に向かう切れ目がそれぞれ形成され、一対の折り目に沿う折り曲げによって一体に連動する抜け止め片および跳ね上がり防止片が区画され、板状体の梱包時、一対の折り目に沿って折り曲げることにより抜け止め片を内フランジ部に巻き付けるとともに、抜け止め片に連動して内フランジ部から突出する跳ね上がり防止片を背面側上面部および正面側上面部が上方から覆って跳ね上がり防止片が元の位置に戻ろうとするのを防止することを特徴とする板状体の梱包材。
【請求項2】
内フランジ部を有する板状体の少なくとも左右各側面とともに、左右各側面近傍の底面、上面、背面および正面を覆う一対の梱包材であって、底面部の側端縁に側面部および側面側上面部が折り目を介して順に連設される一方、底面部の上下各端縁に背面部および正面部がそれぞれ折り目を介して連設されるとともに、背面部の上端縁および正面部の下端縁に背面側上面部および正面側上面部がそれぞれ折り目を介して連設されて構成され、側面側上面部の上下各端部近傍に側面部との折り目に向かって凸状の切れ目がそれぞれ形成されるとともに、該凸状の切れ目を挟んで側面側上面部の端縁から設定長さにわたって一対の切れ目がそれぞれ形成され、さらに、凸状の切れ目と一対の切れ目との間に内フランジ部の幅に対応して側面側上面部と側面部との折り目と平行に内フランジ部の厚みに相当する間隔の一対の折り目がそれぞれ形成され、また、背面側上面部および正面側上面部の高さが側面側上面部の上下各端部近傍に形成された凸状の切れ目を覆う長さに設定されることを特徴とする板状体の梱包材。
【請求項3】
内フランジ部を有する板状体の少なくとも左右各側面とともに、左右各側面近傍の底面、上面、背面および正面を覆う一対の梱包材であって、底面部の側端縁に側面部および側面側上面部が折り目を介して順に連設される一方、底面部の上下各端縁に背面部および正面部がそれぞれ折り目を介して連設されるとともに、背面部の上端縁および正面部の下端縁に背面側上面部および正面側上面部がそれぞれ折り目を介して連設されて構成され、側面側上面部の上下各端部近傍に側面部との折り目に向かって複数個の凸状の切れ目がそれぞれ形成されるとともに、該複数個の凸状の切れ目のうちの両側の凸状の切れ目に連続して側面側上面部の端縁まで延びる一対の切れ目がそれぞれ形成され、さらに、隣接する凸状の切れ目間に内フランジ部の幅に対応して側面側上面部と側面部との折り目と平行に内フランジ部の厚みに相当する間隔の一対の折り目がそれぞれ形成され、また、背面側上面部および正面側上面部の高さが側面側上面部の上下各端部近傍に形成された凸状の切れ目を覆う長さに設定されることを特徴とする板状体の梱包材。
【請求項4】
内フランジ部を有する板状体の少なくとも左右各側面とともに、左右各側面近傍の底面、上面、背面および正面を覆う一対の梱包材であって、底面部の側端縁に側面部および側面側上面部が折り目を介して順に連設される一方、底面部の上下各端縁に背面部および正面部がそれぞれ折り目を介して連設されるとともに、背面部の上端縁および正面部の下端縁に背面側上面部および正面側上面部がそれぞれ折り目を介して連設されて構成され、側面側上面部の上下各端部近傍に側面部との折り目に向かって複数個の凸状の切れ目がそれぞれ形成されるとともに、該複数個の凸状の切れ目を挟んで側面側上面部の端縁から設定長さにわたって一対の切れ目がそれぞれ形成され、さらに、隣接する凸状の切れ目間および複数個の凸状の切れ目のうちの両側の凸状の切れ目と一対の切れ目との間に内フランジ部の幅に対応して側面側上面部と側面部との折り目と平行に内フランジ部の厚みに相当する間隔の一対の折り目がそれぞれ形成され、また、背面側上面部および正面側上面部の高さが側面側上面部の上下各端部近傍に形成された凸状の切れ目を覆う長さに設定されることを特徴とする板状体の梱包材。
【請求項5】
請求項2または4のいずれか一つに記載の板状体の梱包材において、前記背面側上面部の側端縁および正面側上面部の側端縁に係止片がそれぞれ折り目を介して連設され、また、側面側上面部の上下各端部近傍に側面部との折り目に沿って係止片に対応して差込孔がそれぞれ形成されるとともに、各係止片の端縁に、背面側上面部および正面側上面部との各折り目に沿って側面側上面部の差込孔端縁部に係止可能な係止溝がそれぞれ形成されることを特徴とする板状体の梱包材。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか一つに記載の板状体の梱包材において、前記底面部と側面部との折り目および側面部と側面側上面部との折り目が設定間隔をおいて間欠的に形成されるとともに、底面部および側面側上面部に、間欠的な折り目における対向する端縁を結んで角括弧状の切れ目がそれぞれ形成され、底面部の角括弧状の切れ目および側面側上面部の角括弧状の切れ目が互い違いに形成されることを特徴とする板状体の梱包材。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれか一つに記載の板状体の梱包材において、前記底面部と背面部との折り目、底面部と正面部との折り目、背面部と背面側上面部との折り目、正面部と正面側上面部との折り目が設定間隔をおいて間欠的に形成されるとともに、底面部、背面側上面部、正面側上面部に、各間欠的な折り目における対向する端縁を結んで角括弧状の切れ目がそれぞれ形成され、底面部の角括弧状の切れ目および背面側上面部の角括弧状の切れ目、底面部の角括弧状の切れ目および正面側上面部の角括弧状の切れ目がそれぞれ互い違いに形成されることを特徴とする板状体の梱包材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−35854(P2012−35854A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175317(P2010−175317)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(593122789)ユーテック株式会社 (118)
【Fターム(参考)】