説明

果実用熟成シート

【課題】粉体組成物を合成樹脂組成物に配合し、シート基材に塗布もしくは含浸させ、静止状態でも安定的にマイナスイオンを多く発生させ、しかもマイナスイオンによる果実の酸度低下機能を持続する果実熟成シートを提供するものである。
【解決手段】果実用熟成シートは、シート状基材に合成樹脂組成物を塗布もしくは含浸させ、該合成樹脂組成物が固化されてなる合成樹脂層を有してなる果実用熟成シートにおいて、前記合成樹脂組成物中に、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化酸化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末(比重B、平均粒子径b)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対し電融安定化酸化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末が100Bb3/3Aa3〜1000Bb3/Aa3重量部配合されてなるマイナスイオン発生粉体を、合成樹脂100重量部に対し5〜50重量部を含有させてなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルマリン粉末、ジルコニウム化合物を含有した合成樹脂組成物をシート状基材に塗布又は含浸してなる果実用熟成シートに関し、更に詳しくは、トルマリンによって発生するマイナスイオンにより果実の甘味度を高めることができるようにした果実用熟成シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、果実を収穫し、出荷までは、収穫後20kgのプラスチック製コンテナの底に新聞紙を敷き、この上に果実を並べ、倉庫で30日〜40日貯蔵した後に選果場に持ち込み、光センサーで糖度、酸度を測定し、高糖低酸及び低糖低酸のものを合格品として出荷し、高糖中酸、高糖高酸及び低糖高酸のものは更に熟成させるために、ポリ袋に入れ熟成をしていた。
【特許文献1】特開昭63−79527号公報
【特許文献2】特開平6−343442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ポリ袋に入れて熟成する方法は、果実を1個ずつポリ袋に入れ、これを20kgプラスチック製コンテナに4〜5段に並べ、再度倉庫で保管しなければならず、手間がかかるばかりでなく、酸度が低下するまでの期間が40日以上かかってしまうものであり、作業性の改善及び早期の出荷ができる方法が望まれていた。
【0004】
一方、エチレンガスが果実の熟成に効果的であることから、倉庫内にエチレンガスを導入して果実を熟成させる方法(特開昭63−79527号公報)や、柑橘類を低温保存した後にマイクロ波を照射して内部温度を18〜23℃に昇温させて熟成する方法(特開平6−343442号)などが知られているが、エチレンガス濃度のコントロールやマイクロ波の照射のコントロールが難しいばかりでなく、大型の設備が必要で極めてコスト高になるという問題があった。
【0005】
これを改善する方法として、金属粉とエチルアルコールを有効成分とし、且つ吸液性ポリマー及び/又は増粘剤と金属塩を必須成分とし、全体をインキ状ないしクリーム状とした追熟用組成物を、フィルム状又はシート状の支持体に積層し、前記追熟用組成物をフィルム状又はシート状の被覆材で覆い、支持対と被覆材からなる包材の少なくとも一部が通気性を有する追熟用シートが開発された。
【0006】
この追熟シートは、追熟用組成物中の金属粉が空気中の酸素と酸化反応を生じる祭にエチルアルコールの脱水反応が起きてエチレンガスが発生し、このエチレンガスを利用して果実を熟成させるものである。しかしながら、この追熟シートもエチレンガスはエチルアルコールの脱水反応により生成されるものであり、エチルアルコールは揮発性であるため、経時的に揮発して消失するので、長期間にわたり繰り返し使用できるものではなく、やはりコスト高になるものである。
【0007】
本発明者等は、マイナスイオンが果実の酸度低下に効果があることを見出し、鋭意研究の結果、マイナスイオンを発生するトルマリン粉末を応用する方法を検討し、トルマリンのマイナスイオン発生機能を向上させ、外的作用を働かせなくても常時マイナスイオンを発生させることができ、しかも希有元素類を含有する、フェルグソン石、モナズ石、バストネス石、ゼノタイム、コルンブ石、ベタホ石、サマルスキー石、ユークセン石、タンタル石、閃ウラン鉱、方トリウム石、カルノー石、ガドリアン石などの鉱石粉末を混合することなく、これらの鉱石が発する放射線によるマイナス面を解決した安全な粉体組成物を応用し、本発明を完成させたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記粉体組成物を合成樹脂組成物に配合し、これをシート基材に塗布もしくは含浸させ、該合成樹脂組成物が固化されてなる合成樹脂層を有してなるシート状物が、静止状態でも安定的にマイナスイオンを多く発生させ、しかもマイナスイオンによる果実の酸度低下機能を持続する果実熟成シートを提供するものである。
【0009】
すなわち、上記従来技術の有する課題を解決するため本発明の請求項1記載の果実用熟成シートは、シート状基材に合成樹脂組成物を塗布もしくは含浸させ、該合成樹脂組成物が固化されてなる合成樹脂層を有してなる果実用熟成シートにおいて、前記合成樹脂組成物中に、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化酸化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末(比重B、平均粒子径b)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対し電融安定化酸化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末が100Bb3/3Aa3〜1000Bb3/Aa3重量部配合されてなるマイナスイオン発生粉体を、合成樹脂100重量部に対し5〜50重量部を含有させてなるものである。
この果実用熟成シートによれば、電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物の粉末によりトルマリン粉末のマイナスイオン発生の働きが向上されると共に、常時安定的にマイナスイオンが発生され、果実の酸度を短期間で低下させることができ甘味度を向上させることができるばかりでなく、従来のポリ袋のように、果実を1個ずつ包装する必要はなく、例えば20kgプラスチック製コンテナに段ごとに熟成シートを介在させ、果実を4〜5段に並べて倉庫に保管するだけで効果を発揮し、効率的である。さらには、果実の艶も良くなるという効果も発揮することができるものである。
【0010】
また、本発明の請求項2記載の果実用熟成シートは、シート状基材に合成樹脂組成物を塗布もしくは含浸させ、該合成樹脂組成物が固化されてなる合成樹脂層を有してなる果実用熟成シートにおいて、前記合成樹脂組成物中に、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化酸化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対して電融安定化酸化ジルコニウム粉末が25Cc3/Aa3〜1000Cc3/Aa3重量部配合されてなるマイナスイオン発生粉体を、合成樹脂100重量部に対し5〜50重量部を含有させてなるものである。
この果実用熟成シートによれば、電融安定化ジルコニウム粉末により、さらにトルマリン粉末のマイナスイオン発生の働きが向上されると共に、常時安定的にマイナスイオンが発生され、果実の酸度をより短期間で低下させることができ甘味度を向上させることができるばかりでなく、さらには、果実の艶もより良くなるという効果も発揮することができるものである。
【0011】
本発明でいう果実には、デコポン、金峰、キンカン、日向夏、グレープフルーツ等の柑橘類:サクランボ、アンズ、カリン、ナシ、モモ、イチゴ、リンゴ等のバラ科果実:ペリカンマンゴー、アップルマンゴー等のマンゴー類:キウイ等のマタタビ科果実、パイナップル等のパイナップル科果実、イチジク等のクワ科果実:柿等のカキノキ科果実:バナナ等のバショウ科果実、ブドウ等のブドウ科果実:ブルーベリー、ラズベリー等のツツジ科果実、メロン等のウリ科果実など、あらゆる果実が含まれるものである。
【発明の効果】
【0012】
以上、実施の形態とともに詳細に説明したように、本発明の請求項1記載の果実用熟成シートによれば、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化酸化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末(比重B、平均粒子径b)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対し電融安定化酸化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末が、100Bb3/3Aa3〜1000Bb3/Aa3重量部配合されてなる合成樹脂組成物を、シート状基材に塗布もしくは含浸させてなるため、表2に示されるようにマイナスイオン発生数が多く、これを果実の熟成に使用した場合、表1に示すように糖度を短期間に糖度を向上させるとともに、酸度を低下(出荷条件の1.0に近い数値に)させることができるものである。また、糖度が向上し、酸度が低下するので、甘味比(糖度/酸度)が向上し、味の良い果実にすることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明で使用できるトルマリンは、一般式
(Na,Ca,K)(Al,Fe,Li,Mg,Mn)3(BO3)3(Al,Cr,Fe,V)6(Si2O6)3(O,OH,F)4
で表される珪酸塩鉱物であり、電荷の自発分極性を有し、著しい圧電性や集電性を示すことから電気石とも称されるものである。このトルマリンとしては、一般式Na(Li,Al)3(BO3)3Al6(Si2O6)3(OH)4で示されるエルバイトトルマリン(リチア電気石)と呼ばれるもの、一般式NaFe3(BO3)3Al6(Si2O6)3(OH)4で示されるショールトルマリンと呼ばれるもの、NaMg3(BO3)3Al6(Si2O6)3(OH)4で示されるドラバイトトルマリンと呼ばれるものが知られているが、いずれのものも使用できる。
【0014】
トルマリン粉末粒子の大きさは、小さいほどマイナスイオン発生が効果的の行われることになり好ましいものである。
トルマリン粉末の好適な大きさは平均粒子径で、0.01〜1000μmであり、好ましくは0.05〜100μm、最も好ましくは0.1〜20μmである。1000μmを越えるとマイナスイオン発生効果が少なくなるばかりでなく、塗料に含有させて塗膜作製したときに、平滑な表面が得られにくくなり、0.01μmより小さくなると均一に分散させることが困難となる場合がある。また、トルマリンは、自発分極性を恒常的に有しているので、上記した消臭効果は、化学反応により失われたり経時的に劣化したりすることはない。
【0015】
また、本発明で使用するトルマリンとしては、リチア電気石が好ましい。このリチア電気石はエルバイトトルマリンと呼ばれ、おおよそ淡色のピンク、緑、青色を呈したエルバイトトルマリンを粉末化したものは、光の散乱によってほぼ白色を呈するものである。すなわち、リチア電気石を粉末化したものを塗料に分散させれば、任意の染料や顔料を塗料組成物に含有させることによって、得られる塗膜の色合いを淡色から農色まで自由に設計できるものである。
淡色系に着色する場合には、エルバイトトルマリンを単独で使用するのが最も好ましいが、ショールトルマリンやドラバイトトルマリンと混合して使用することも可能である。使用可能なエルバイトトルマリンとショールトルマリンやドラバイトトルマリンとの混合比率は、50/50〜100/0であり、好ましくは70/30〜100/0であり、さらに好ましくは80/20〜100/0である。
【0016】
本発明で使用できるジルコニウム化合物としては、ケイ酸ジルコニウム、金属ジルコニウム、酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニルアンモニウム、オキシ塩化ジルコニウム、電融安定化酸化ジルコニウム(電融安定化ジルコニウムと称する場合がある)、安定化ジルコニアなどがあげられる。特に好ましいのは、電融安定化ジルコニウムである。
これらのジルコニウム化合物は、純度100%のものが最も好ましいが、必ずしも純度100%でなくてもマイナスイオン発生機能を励起活性させ、マイナスイオン発生の向上が認められるものである。ジルコニウム化合物の純度は70%以上であれば本発明の効果が認められ、好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上である。
【0017】
電融安定化ジルコニウムは、特にトルマリンのマイナスイオン発生機能を励起活性させる作用が強く、もっとも好ましいものである。
【0018】
ケイ酸ジルコニウムは、ジルコンサンドを鉄ボールなどで粉砕し、粉砕物から鉄粉を除去し、分級することにより得られる。金属ジルコニウムは、ジルコンサンドから炭化ジルコニウムを調製し、これを四塩化ジルコニウムとし金属ジルコニウムを得ることができる。酸化ジルコニウムは、ジルコンサンドをアルカリ分解してジルコン酸アルカリとし、これを酸に溶解させジルコニル溶液とし、これから水酸化ジルコニルを得て、これを酸化することにより得られる。また、酸化ジルコニウムはパデライトを原料とし、これから不純物を除去して得ることもできる。炭酸ジルコニルアンモニウムは、ジルコニル溶液から炭酸ジルコニルを得て、これから炭酸ジルコニルアンモニウムを得ることができる。ジルコンサンドを、石炭を添加してアーク溶融すると安定化ジルコニアを得ることができる。
【0019】
電融安定化ジルコニウムは、ジルコンサンドをアーク溶融する事により得ることができる。
【0020】
上記したジルコニウム化合物または電融安定化ジルコニウムを粉砕してジルコニウム化合物粉末若しくは電融安定化ジルコニウム粉末とし、これをトルマリン粉末と混合することにより、トルマリンのマイナスイオン発生機能が向上でき、しかも放射線放射のない混合粉体組成物が得られるものである。
しかしながら、単に混合しただけでは、必ずしもマイナスイオン発生機能を向上させることができるとは限らないものである。種々の研究の結果、電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末が、トルマリン粉末の個数の三分の一以上存在するときにマイナスイオン発生機能が向上することを見いだしたものである。特に電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末がトルマリン粉末の個数の2倍以上存在するときに最もマイナスイオン発生機能が向上するものである。トルマリン粉末の個数よりも電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末の個数が少なくなるに従って、マイナスイオン生成機能は減少し、トルマリン粉末の個数の三分の一未満になるとマイナスイオンの発生機能は急速に少なくなる。電融安定化ジルコニウム粉末の場合には、トルマリン粉末に作用してマイナスイオン発生させる機能が強いので、他のジルコニウム化合物粉末と異なり、トルマリン粉末の個数の四分の一未満になるまではマイナスイオンの発生機能は急速に少なくなることはない。一方、電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末や電融安定化ジルコニウム粉末の個数がトルマリン粉末の個数より10倍以上多くなった場合には、マイナスイオン発生機能の向上はわずかとなり、しかも電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム粉末や電融安定化ジルコニウム粉末を多量に使用することは、経済的な面から効果的ではないものである。
【0021】
したがって、本発明においては、電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末の個数は、トルマリン粉末の1/3〜10/1の個数を存在させるのが好ましく、電融安定化ジルコニウム粉末の場合にはトルマリン粉末の1/4〜10/1の個数を存在させるのが好ましいものである。すなわち、トルマリン粉末の比重がA(g/cc)で平均粒子径a(cm)とした場合、比重B(g/cc)で平均粒子径b(cm)の電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末は、トルマリン粉末100重量部に対して100Bb3/3Aa3〜1000Bb3/Aa3重量部を混合するのがよいものである。好ましくは、50Bb3/Aa3〜500Bb3/Aa3重量部を混合するのがよい。最も好ましくは、100Bb3/Aa3〜300Bb3/Aa3重量部を混合するのがよい。
また、トルマリン粉末の比重がA(g/cc)で平均粒子径a(cm)とした場合、比重C(g/cc)で平均粒子径c(cm)の電融安定化ジルコニウム粉末は、トルマリン粉末100重量部に対して25Cc3/Aa3〜1000Cc3/Aa3重量部を混合するのがよいものである。好ましくは、40Cc3/Aa3〜400Cc3/Aa3重量部を混合するのがよい。最も好ましくは、70Cc3/Aa3〜250Cc3/Aa3重量部を混合するのがよい。
【0022】
トルマリン粉末と電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム粉末または電融安定化ジルコニウム粉末は、上記したとおりの混合比率で混合することにより、マイナスイオン発生機能は向上するものであるが、よりその機能の向上を効率的にするには、トルマリン粉末1個に対して電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム粉末が1/3個(電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末1個に対してトルマリン粉末3個)〜10個、またはトルマリン粉末1個に対して電融安定化ジルコニウム粉末が1/4個(電融安定化ジルコニウム粉末1個に対してトルマリン粉末4個)〜10個が精密に分散されるのが望ましい。
トルマリン粉末と電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末や電融安定化ジルコニウム粉末とを均一に分散する方法としては、通常使用されている撹拌翼型の混合機、空気流型混合機で粉末状態のままで混合してもよいし、粉末を水などの液体中に分散させ、撹拌翼を使用して混合したり、液流で混合してもよい。さらには、精密分散状態に混合するための特殊混合機、例えば、ラモンドスターラーを使用したラモンドミキサーなどを使用して混合してもよい。
通常使用されている混合機を使用する場合には、トルマリン粉末と電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末または電融安定化ジルコニウム粉末との平均粒径が同じである場合には、比重の大きい粉末が下層に集中することになり、精密分散状態にすることが難しくなる傾向がある。したがって、トルマリン粉末の比重がA、電融安定化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末の比重がBの場合、ジルコニウム粉末の平均粒径はトルマリン粉末の平均粒径のA/B倍にするのが好ましく、トルマリン粉末の比重がA、電融安定化ジルコニウム粉末の比重がCの場合、電融安定化ジルコニウム粉末の平均粒径はトルマリン粉末のA/C倍にするのが好ましい。
【0023】
合成樹脂組成物に使用される合成樹脂としては、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂などの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のほか、熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0024】
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィンモノマーの単独重合体のほか、エチレンやプロピレンなどのオレフィン系モノマーと他のモノマー、例えば酢酸ビニル、α-オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アルキルビニルエーテル、アクリロニトリルなどとの共重合体のほか、これらオレフィン系樹脂を主成分とする他のポリマーとの混合物が使用できる。塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと他のモノマー、例えば酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリルなどとの共重合体のほか、塩化ビニル系樹脂を主成分とする他のポリマーとの混合物が使用できる。
【0025】
ポリウレタン系樹脂としては、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステル・エーテルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリメチルバレロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等のポリマージオールから選ばれる1種以上のポリオールと、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、環状基を有する脂肪族ジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートから選ばれる1種以上のポリイソシアネートと、活性水素原子を少なくとも2個有する低分子化合物、例えば脂肪族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、ヒドラジン誘導体等の群から選ばれる1種以上の鎖伸長剤とを反応させて得られる1液型又は2液型ポリウレタン樹脂が使用できる。アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリル等のアクリル系モノマーの群から選ばれる1種以上を重合させてなる単独重合体や共重合体が使用できる。また上記のアクリル系モノマーの1種以上と他のモノマー、例えばスチレンなどとの共重合体も使用できるし、これらアクリル系樹脂を主体とする他のポリマーとの混合物も使用できる。
【0026】
ポリエステル系樹脂としては、テレフタル酸やイソフタル酸と、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオールから選ばれる1種以上のジオールとを重合させたものが使用できる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)、テレフタル酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとの共重合体(PET−G)、イソフタル酸とネオペンチルグリコールとシクロヘキサンジオールとを共重合したものなどが挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、一般的にナイロンと称されるものが使用でき、具体的には、ナイロン4,ナイロン6,ナイロン8,ナイロン11,ナイロン12,ナイロン66,ナイロン69,ナイロン610,ナイロン611,ナイロン6T等が挙げられ、これらは単独若しくは2種以上を混合して使用することもできるものである。
【0027】
合成樹脂には、必要に応じて可塑剤、安定剤、界面活性剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗酸化剤、充填剤、着色剤を添加することができる。
【0028】
可塑剤としては、ジ−2−エチルヘキシルフタレートなどのフタル酸エステル系可塑剤;トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル系可塑剤;エポキシ化大豆油などのエポキシ系可塑剤;ジ−2−エチルヘキシルアジペートなどの脂肪酸エステル系可塑剤;トリメリット酸エステル系可塑剤;ポリエステル系可塑剤から選ばれる1種以上のものが使用できる。
上記以外に、下記化学式(1)、(2)に示すような導電性可塑剤を使用することもできる。
ROCO(AO)R (1)
(B)[(CH)OCO(AO)R][(CH)OCO(AO)R](2)
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数2〜22の脂肪族、脂環族、芳香族あるいは複素環式炭化水素、R,R,Rは炭素数1〜15の直鎖、もしくは分岐のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。Bは硫黄[S]、酸素[O]、または脂肪族、脂環族あるいは芳香族炭化水素基を表す。sは1〜25の整数、m、nは1〜7の整数、kは1または2、r、pは1〜4の整数である。)
導電性可塑剤は、上記の汎用可塑剤と併用することもできる。汎用可塑剤と併用する場合には、導電性可塑剤の添加量(X)と汎用可塑剤の添加量(Y)が下記(3)式に示す条件を満足する範囲とするのが好ましい。
30≦(X+Y)≦160,かつ 5<X<40 (3)
導電性可塑剤を使用した場合には、帯電防止剤や導電性物質を添加した場合と同様に、この合成樹脂組成物を使用して製品を製造した場合に、製品が静電気を帯電することがなく静電気帯電によりマイナスイオンの発生が抑制されることもないので好ましいものである。
【0029】
安定剤としては、ステアリン酸バリウムなどの高級脂肪酸の金属塩;p−t−ブチル安息香酸亜鉛などのアルキル安息香酸の金属塩;リシノール酸バリウムなどの金属石鹸;トリフェニルホスファイトなどの有機ホスファイト系安定剤、ジブチル錫ジラウレートなどの錫系安定剤などが使用できる。
【0030】
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤のいずれも使用可能であるが、ノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面活性剤としては、ソルビタン、グリセリンなどの多価アルコールと脂肪酸のエステル、多価アルコールと脂肪酸及び二塩基酸とのエステル、或いはこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加した化合物や、フッ素系界面活性剤が使用できる。
【0031】
滑剤としては、ステアリン酸などの脂肪酸系滑剤、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロアミドなどの脂肪酸アミド系滑剤、ブチルパルミテートなどのエステル系滑剤、バリウムイソデシルホスフェートなどの有機リン酸金属塩系滑剤、ポリエチレンワックス、流動パラフィンから選ばれる1種以上を使用できる。
【0032】
発泡剤としては、熱可塑性樹脂からなる殻にブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素などの熱膨張性物質を包含させたマイクロカプセル型発泡剤、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N'-ジメチル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド、アゾジカーボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラジド、P,P'-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ベンゼン-1,3-ジスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジドなどの熱分解型発泡剤などが使用できる。
【0033】
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤から選ばれる1種以上を使用することができる。
【0034】
光安定剤としては、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、トリス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリアジン−2,4,6−トリカルボキシレートなどのヒンダードアミン系光安定剤が使用できるものである。
【0035】
抗酸化剤としては、一般に使用されているフェノール系抗酸化剤、チオプロピオン酸エステル系抗酸化剤、脂肪族サルファイド系抗酸化剤を1種又は2種以上を使用することができる。
【0036】
充填剤としては、加工温度で溶融、分解などの物理的、化学的な変化を起こさない耐熱性に優れた無機質及び/又は有機質の充填剤であればいずれのものでも使用できる。具体例としては、炭酸マグネシウム、マグネシウム系ケイ酸塩、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、ハイドロタルサイト、酸化チタンなどの無機質充填剤のほか、架橋塩化ビニル樹脂粉末、アクリル系樹脂粉末、ポリウレタン粉末のような架橋された合成樹脂粉末などの有機質充填剤を挙げることができる。
【0037】
着色剤としては、カーボンブラック、群青、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、亜鉛華、キナクリドンレッド、ハンザイエローなど、一般に合成樹脂の着色に使用される顔料や染料であればいずれのものでも使用でき、これらは1種又は2種以上を併用することもできる。
【0038】
これら合成樹脂に配合するマイナスイオン発生粉体組成物の量は、合成樹脂100重量部に対して5〜50重量部である。好ましくは10〜40重量部であり、もっとも好ましくは15〜30重量部である。5重量部未満の場合には、合成樹脂組成物から成形品を製造しても、該成形品から十分なマイナスイオンが発生されない場合がある。50重量部を越えて配合した場合には、合成樹脂組成物に均一に分散しにくくなるばかりでなく、得られた果実熟成シートからマイナスイオン発生粉体が欠落しやすくなり、充分な効果が得られなくなる可能性がある。
【0039】
これら合成樹脂に、マイナスイオン発生粉体組成物を配合するには、合成樹脂を製造する原材料中に配合し、その後合成樹脂を製造するようにしてもよいし、製造された合成樹脂に配合するようにしてもよい。製造された合成樹脂に配合する場合には、合成樹脂の溶媒溶液やエマルジョン等の合成樹脂組成物にマイナスイオン発生粉体組成物を配合するようにしてもよいものである。合成樹脂組成物に対してマイナスイオン発生粉体を均一に分散させるには、予め合成樹脂または合成樹脂組成物によるマイナスイオン発生粉体のマスターバッチを作成しておき、作成したマスターバッチを合成樹脂または合成樹脂組成物に分散させても良い。
本発明に使用される合成樹脂組成物には、少なくとも合成樹脂と合成樹脂の分散溶媒からなるものである。使用される分散溶媒は、使用される合成樹脂やシート状基材によって適宜選定されるが、例えば水、アルコール、有機溶媒等が使用される。合成樹脂と分散溶媒の配合割合は、シート基材に合成樹脂層を設ける、塗布や含浸方法によって適宜選定される。
【0040】
本発明に使用されるシート状基材としては、紙、織布、編布、不織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂シートであれば何れのものでも使用できる。紙としては、洋紙、和紙のいずれでもよく、表面が平滑な紙のほか、クレープ紙のように凹凸が形成された紙でも良い。凹凸が形成された紙を使用した場合には、果実の緩衝材の働きも有するので好ましい。もちろん、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化酸化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対して電融安定化酸化ジルコニウム粉末が25Cc3/Aa3〜1000Cc3/Aa3重量部配合されてなるマイナスイオン発生粉体を、合成樹脂100重量部に対し5〜50重量部を含有させてなる合成樹脂組成物を塗布もしくは含浸させた後に、凹凸を形成させても良いものである。
【0041】
本発明に使用される織布、編布、不織布等の布帛としては表面がパイル加工されたもの、表面が起毛されたもの、表面に短繊維が植毛されたもの等いずれのものでも使用できる。布帛を構成する繊維としては、綿、ウール、絹などの天然繊維、スフ、レーヨン等の半合成繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維などの合成繊維等が使用できる。
【0042】
合成樹脂フィルムや合成樹脂シートとしては、マイナスイオン発生粉体組成物を含有する合成樹脂組成物に使用するのと同様の合成樹脂が使用できる。
【0043】
シート状基材に合成樹脂組成物を塗布または含浸させるには、ドクターナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター等により所定の厚味にコーティングする方法、カレンダーにより合成樹脂組成物を所定の厚味に分出ししてトッピングする方法、グラビアロールやロータリスクリーンにより印刷する方法、合成樹脂組成物液に浸漬し、余剰の合成樹脂組成物液をニップロールにて絞液して除去する方法等が採用できる。塗布または含浸はシート状基材の全面に行っても良いし、散点状、ストライプ状、格子状等の任意模様状に塗布または含浸させても良いものである。
【実施例】
【0044】
実施例1: 下記の原料からなる合成樹脂組成物をポリプロピレン繊維からなる不織布(チッソ株式会社製:エスボンドEBタイプ)にグラビアロールにて200g/mの目付量でコーティングし、これを加熱乾燥しシート1を得た。原料中のマイナスイオン発生粉体組成物におけるエルバイトトルマリン粉末数/珪酸ジルコニウム粉末数の混合比率≒1/3であった。
アクリル樹脂溶液(樹脂固形分40重量%) 100重量部
珪酸ジルコニウム粉末(比重4.2、粒径2μm) 11重量部
エルバイトトルマリン粉末(比重3.0、粒径3μm) 9重量部
得られたシート1を450mm×550mmの大きさにカットし、図1に示すように20kgプラスチック製コンテナの底面に一枚を敷き、その上にデコポン(柑橘果実)を縦4個、横5個(計20個)を配置し(図1では横6個配置されているが、実際には5個を配置)、その上にシート1を敷き同様にデコポン20個を配置し、これを繰り返してデコポンを4段に積み重ね、最上段のデコポンの上面をシート1で覆い、果実保管倉庫で熟成させた。特定された5個のデコポンについて日園連酸糖分析装置(HORIBA)で糖度及び酸度を測定し、甘味比(糖度/酸度)を算出した。結果は表1に示す。
【表1】


実施例2: 下記の原料からなる合成樹脂組成物をポリプロピレン繊維からなる不織布(チッソ株式会社製:エスボンドEBタイプ)にグラビアロールにて200g/mの目付量でコーティングし、これを加熱乾燥しシート1を得た。原料中のマイナスイオン発生粉体組成物におけるエルバイトトルマリン粉末数/電融安定化ジルコニウム粉末数の混合比率≒1/2であった。
アクリル樹脂溶液(樹脂固形分40重量%) 100重量部
電融安定化ジルコニウム粉末(比重5.6、粒径2μm) 5.2重量部
エルバイトトルマリン粉末(比重3.0、粒径3μm) 10.8重量部
得られたシート2を450mm×550mmの大きさにカットし、20kgプラスチック製コンテナの底面に一枚を敷き、その上にデコポン(柑橘果実)を縦4個、横5個(計20個)を配置し、その上にシート2を敷き同様にデコポン20個を配置し、これを繰り返してデコポンを3段に積み重ね、最上段のデコポンの上面をシート2で覆い、果実保管倉庫で熟成させた。特定された5個のデコポンについて日園連酸糖分析装置(HORIBA)で糖度及び酸度を測定し、甘味比(糖度/酸度)を算出した。結果は表1に示す。
【0045】
実施例3
下記の原料からなる合成樹脂組成物を使用する以外は、実施例2と同様にしてシート3を作製し、シート3を使用する以外は実施例2と同様の方法でデコポンを熟成させた。特定された5個のデコポンについて実施例1と同様の測定を行った。結果は表1に示す。
アクリル樹脂溶液(樹脂固形分40重量%) 100重量部
電融安定化ジルコニウム粉末(比重5.6、粒径2μm) 4.4重量部
エルバイトトルマリン粉末(比重3.0、粒径3μm) 8.8重量部
【0046】
実施例4
下記の原料からなる合成樹脂組成物を使用する以外は、実施例2と同様にしてシート4を作製し、シート4を使用する以外は実施例2と同様の方法でデコポンを熟成させた。特定された5個のデコポンについて実施例2と同様の測定を行った。結果は表1に示す。
アクリル樹脂溶液(固形分40重量%) 100重量部
電融安定化ジルコニウム粉末(比重5.6、粒径2μm) 3.8重量部
エルバイトトルマリン粉末(比重3.0、粒径3μm) 7.8重量部
【0047】
参考例1
60個のデコポンを、20kgプラスチック製コンテナの底面に縦4個、横5個(計20個)を配置し、その上に同様にデコポン20個を配置し、これを繰り返してデコポンを3段に積み重ね、果実保管倉庫で熟成させた。特定された5個のデコポンについて実施例1と同様の測定を行った。結果は表1に示す。
【0048】
参考例2
60個のデコポンをそれぞれポリエチレン袋に収納する以外は参考例1と同様にしてデコポンを熟成させた。特定された5個のデコポンについて実施例1と同様の測定を行った。結果は表1に示す。
【0049】
比較例1
何も処理していないポリプロピレン繊維からなる不織布(チッソ株式会社製:エスボンドEBタイプ)を使用する以外は、実施例1と同様の方法でデコポンを熟成させた。特定された5個のデコポンについて実施例1と同様の測定を行った。結果は表1に示す。
【表2】

【0050】
また、本発明の請求項2に記載の果実用熟成シートによれば、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化酸化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対して電融安定化酸化ジルコニウム粉末が、25Cc3/Aa3〜1000Cc3/Aa3重量部配合されてなる合成樹脂組成物を、シート状基材に塗布もしくは含浸させてなるため、表2に示されるように他のジルコニウム化合物を使用した場合よりもトルマリンのマイナスイオン発生機能をより大きく向上させることができ、したがって、果実の熟成もより短期間でできるものである。このことは、表1の実施例1〜4に示したデコポンの熟成度から明らかである。
【0051】
マイナスイオンを発生しない比較例1や,ポリ袋を使用する参考例2に比較しても、マイナスイオンを常時発生する本発明の果実用熟成シートが優れた効果を示し,しかもプラスチックコンテナーに果実を収納する際に、各段の間に敷くだけで熟成効果が発現され、ポリ袋のように1個づつ袋に収納し、更にプラスチックコンテナーに収納するような手間がかからないものである。
【0052】
また、定かではないが、表3に示すように、本発明の果実用熟成シートは、遠赤外線を多く放射しており、この遠赤外線も果実の熟成に貢献しているものと思われる。
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の果実熟成シートの実施例1の使用状態を示す参考図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状基材に合成樹脂組成物を塗布もしくは含浸させ、該合成樹脂組成物が固化されてなる合成樹脂層を有してなる果実用熟成シートにおいて、前記合成樹脂組成物中に、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化酸化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末(比重B、平均粒子径b)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対し電融安定化酸化ジルコニウムを除くジルコニウム化合物粉末が下記(1)式に示される量が配合されてなるマイナスイオン発生粉体を、合成樹脂100重量部に対し5〜50重量部を含有させたことを特徴とする果実用熟成シート。
100Bb3/3Aa3〜1000Bb3/Aa3重量部 (1)
【請求項2】
シート状基材に合成樹脂組成物を塗布もしくは含浸させ、該合成樹脂組成物が固化されてなる合成樹脂層を有してなる果実用熟成シートにおいて、前記合成樹脂組成物中に、トルマリン粉末(比重A、平均粒子径a)と電融安定化酸化ジルコニウム粉末(比重C、平均粒子径c)との混合粉末であって、トルマリン粉末100重量部に対して電融安定化酸化ジルコニウム粉末が下記(2)式に示される量が配合されてなるマイナスイオン発生粉体を、合成樹脂100重量部に対し5〜50重量部を含有させたことを特徴とする果実用熟成シート。
25Cc3/Aa3〜1000Cc3/Aa3重量部 (2)

【図1】
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【公開番号】特開2006−115701(P2006−115701A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−303695(P2004−303695)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【出願人】(502321881)株式会社東京俊光社 (3)
【出願人】(598028051)株式会社 日本ハネック (16)
【Fターム(参考)】