説明

枠体及び床施工方法

【課題】 少ない作業量で確実に施工できる枠体を提供する。
【解決手段】 互いに平行に配設された複数の梁10・10間に掛け渡される枠体1a・1bであって、前記梁10・10に直交して互いに平行に配設された複数の根太材2・2と、隣接する前記梁10・10間の距離より短い間隔で互いに平行に配設され、隣接する前記根太材2・2を当該根太材2・2の上面より低い位置で結合する複数のつなぎ材3・3とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主要には、住宅分野の例えば床構造において使用される枠体の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から住宅分野において、床衝撃音を低コストで可及的に低減させるために、及び、現場での施工性を容易にするために、技術開発が盛んに行われている。
【0003】
例えば特許文献1は、下端に遮音構造材が掛け渡された梁材と、隣接梁材間に掛け渡され、ビスで梁材の上面に固定された根太材と、根太材と直交し根太下面にビス止めされた中間梁と、根太材の上面に釘打ちされた床下地面材からなる床構造を開示する。この構成では、床下地面材、根太材、中間梁からなる床構成材と遮音構造材とを直接接触させない構成とすることで、床衝撃音を防止している。
【0004】
また特許文献2は、梁材の上側フランジの両端を上方に曲げ上げた立ち上がり壁に、端部に設けた下向きヘアピン形状のクリップを上から差し込んで固定した床パネルが開示されている。このような構成とすることで、作業者に熟練や特殊技能を必要としない床材と梁材との接合方法が提供されるとしている。
【特許文献1】特開2003−96963号公報
【特許文献2】特開平11−22088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1の構成は、梁材に根太材の両端を1本ずつ計2箇所ずつネジ止めし、あるいは金物で締結する必要があり、建築現場での作業量が多くなってしまう。一方、特許文献2のようにクリップで梁材上面に設けた垂直壁を挟むだけの床固定方法を採った場合、施工作業量は減少するものの、大きな衝撃力が作用したり、あるいは長年の使用によって、床の位置がズレたり、極端な場合は床が外れたりするおそれがある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0007】
◆本発明の観点によれば、互いに平行に配設された複数の梁間に掛け渡される枠体であって、前記梁に直交して互いに平行に配設された複数の根太材と、隣接する前記梁間の距離より短い間隔で互いに平行に配設され、前記根太材の上面より低い位置で隣接する前記根太材を結合する複数のつなぎ材とから構成されてなる、枠体が提供される。
【0008】
これにより、つなぎ材と梁とを固定することにより、つなぎ材により一体化された根太を梁に固定することができる。この結果、梁への固定箇所が低減するので、建築現場における床施工の工数を大幅に低減できる。更に、つなぎ材の上面が根太材の上面より下の位置にあるから、つなぎ材に固定ボルトを貫通させても、ボルトの頭が、根太材の上面に貼られた床下地面材と干渉しない。従って、床下地面材を切り欠く等の干渉防止対策が不要になる(床下地面材との干渉防止効果)。また、梁の上面に柱が立つ場合でも、つなぎ材の部分で梁に固定すれば、柱と枠体との干渉を防止することもできる(柱との干渉防止効果)。加えて、枠体を梁から防振支持する場合には、つなぎ材と梁とが干渉しないので、枠体の形状を変更することなく剛な支持から防振支持に変更することが可能である(梁との干渉防止効果)。
【0009】
◆前記の枠体においては、前記根太材が中空部を有していることが好ましい。
【0010】
これにより、枠体の軽量化を図ることができる。また、床下地面材を根太材に例えばネジや釘を用いることで容易かつ強固に固定することができる。
【0011】
◆前記の枠体においては、前記つなぎ材が中空部を有していることが好ましい。
【0012】
これにより、枠体の軽量化が図られる。また、つなぎ材を根太材に例えばネジや釘を用いて容易かつ強固に固定することができる。
【0013】
◆前記の枠体においては、前記つなぎ材の下面に、前記梁側に張り出すように取り付けられた押さえ材を有することが好ましい。
【0014】
これにより、枠体と梁との固定が一層強固となり、施工後の長年の使用にも十分耐えることができる。
【0015】
◆前記の枠体においては、前記押さえ材は前記つなぎ材の長手方向中央位置に配置されていることが好ましい。
【0016】
これにより、根太材と根太材の中央位置で枠体を固定できるので、枠体の固定が安定し且つ確実である。
【0017】
◆前記の枠体においては、前記根太材の下面と前記押さえ材の上面とで前記梁の少なくとも一部を挟むことにより、前記梁に固定できるようにすることが好ましい。
【0018】
これにより、例え最小構成の枠体(2本の根太材が2本のつなぎ材で一体化された構成の枠体)でも、最も安定度の高い3点固定で梁に対し固定されることとなるから、枠体と床下地面材とからなる床構成材の剛性が増大して、床構成材の振動を低減できる。
【0019】
◆前記の枠体においては、前記根太材の下面と前記梁の上面との間、及び、前記押さえ材の上面と前記梁の下面との間に、緩衝材を介在させたことが好ましい。なお、「梁の上面」/「梁の下面」とは、梁の最上面/最下面のみならず、梁の一部分の上面/下面の場合も含む。
【0020】
これにより、根太材の両端のみでの防振支持と比較して床構成材の振動が抑えられ、防振効果を損なうことなく床衝撃音を効果的に低減させることができる。
【0021】
◆前記の枠体においては、隣接する前記梁間に複数個の枠体を掛け渡す際に、梁の長手方向に少なくとも1つ飛ばしに配設することが好ましい。
【0022】
これにより、少ない部材で床を構成することができるとともに、梁に枠体を固定する箇所を著しく減少させることができる。
【0023】
◆前記の枠体においては、前記枠体の最も外側にある根太材と、隣接する別の枠体の最も外側にある根太材とを、締結具により結合して、複数の枠体を一体化することが好ましい。
【0024】
この構成では、複数の枠体が一体化することにより、床構成材の剛性を一層向上させ得る。
【0025】
◆前記の枠体においては、前記枠体の中空部の全部または一部に粒状体を充填することが好ましい。
【0026】
これにより、床仕上げ材、床下地面材、複数の枠体から構成される床構成材の問題となる振動モードにおける振幅の腹の位置に所要の粒状体が充填され、粒状体の一部が跳躍して床構成材に効果的に振動減衰を付与できるとともに、残りの粒状体が付加質量となって、振幅の腹の位置に粒状体が充填されていると有効となる質量が増大し、床衝撃音を効果的に防止できる。
【0027】
◆前記の枠体においては、前記根太材の上面に床下地面材を貼り付けたことが好ましい。
【0028】
これにより、床下地面材を工場等で予め施工しておき、それを建築現場へ搬送して貼り付けるといった施工態様が可能になる。従って、建築現場での作業量を低減でき、効率良い施工が行える。
【0029】
◆一方、床下地面材を貼り付けていない状態の枠体を、隣接する梁間に複数個掛け渡しておき、枠体を梁に固定した後、前記根太材の上面に床下地面材を貼り付ける床施工方法も考えられる。
【0030】
この方法を採った場合、床下地面材を千鳥状に隙間無く施工することができるので、上記の場合のように隙間を埋める材料が不要となる。また、床下地面材を複数の枠体に掛け渡すことができるので、前記床構成材の剛性を一層向上させ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る枠体を梁間に設置した様子を示す平面図、図2は同じく斜視図、図3は枠体の梁への固定箇所を詳細に示す拡大斜視図である。
【0032】
図1及び図2には住宅の2階の床部分の基礎構造の一部が示され、断面I型の複数本の梁10・10が互いに平行に配設されている。この梁10・10の間に掛け渡されるように、2つの枠体1a,1bが設置されている。一側の梁10からは、2本の柱材11・11が上向きに突設されている。
【0033】
第1実施形態の枠体1aは、上記梁10・10に直交する向きに互いに配設された複数本(2本)の根太材2・2を、2本のつなぎ材3・3で結合した構成としている。根太材2及びつなぎ材3は、例えば鋼製の薄肉形材を使用して形成することが考えられる。根太材2の上面には、例えばパーティクルボードや構造用合板などからなる床下地面材が敷設され、その上面にフローリングや建材畳などの床仕上げ材が施工される。
【0034】
図1に示すように、2本のつなぎ材3・3の外側同士の間隔L2は、上記枠体1aが掛け渡される2本の梁10・10の内側同士の間隔L1よりもやや短い間隔とされている。また図2に示すように、それぞれのつなぎ材3・3の上面は、前記根太材2・2の上面よりも低く位置している。更に図2に示すように、それぞれの根太材2・2は角パイプ状に構成しており、中空部を有するように構成されている。
【0035】
次に、図3を参照して、枠体1aの梁10・10への取付けについて説明する。互いに平行な根太材2・2の両端が、梁10・10の上に載置される。そして、根太材2・2の両端部に位置する前記つなぎ材3の長手方向中央には、貫通状のボルト孔4が上下方向に穿設される。このボルト孔4には固定ボルト5が上下方向に挿通される。なお図3に示すように、つなぎ材3も中空部を有する角パイプ状に構成している。
【0036】
前記つなぎ材3の長手方向中央部分の下面には、垂直部と水平部とを有するL字型の押さえ材6が設置される。この押さえ材6の水平部の先端は、I型の前記梁10の上フランジの下側(上フランジと下フランジとの間)に向かって張り出すように延びるとともに、その先端上面に押さえ面7を構成している。押さえ材6には前記固定ボルト5を挿通させる孔8が形成されており、この孔8に固定ボルト5を通すとともにナット9を螺着することで、押さえ材6をつなぎ材3に取り付けている。また、固定ボルト5を回転させて締め付けることで押さえ材6を上昇させ、根太材2・2の端部の下面と押さえ材6の上面(押さえ面7)とで梁10の上フランジを上下から挟んで固定できるようになっている。
【0037】
図4には枠体1a,1bを防振支持する場合の取付例が示されており、根太材2の下面と梁10の上フランジの上面との間、及び、前記押さえ材6の上面(押さえ面7)と梁10の上フランジの下面との間に、例えば合成樹脂製のブロック状の緩衝材20が介在されている。この結果、3点での安定した防振支持が実現される。
【0038】
なお、図1及び図2に示す第2実施形態の枠体1bは、根太材2・2同士を結合するつなぎ材3の数を増やしたものであり、その他の構成は前述の第1実施形態と同様である。2つの枠体1a,1bは、梁10の長手方向に、当該枠体1a,1bの幅1つ分くらいの間隔をあけて(言い換えれば、1個飛ばしに)配置されている。
【0039】
図5に示すのは変形例であり、枠体1b’及び1b”は、互いに平行に配設された3本の梁10のうち、中間の梁10を跨ぐようにして、外側の梁10・10の間に掛け渡されている。枠体1b’・1b”の最も外側のつなぎ材3・3にはそれぞれ前記押さえ材6が取り付けられて、当該つなぎ材3・3を外側の梁10・10に固定している。更に枠体1b’・1b”の中間位置のつなぎ材3にも同じく押さえ材6が取り付けられて、当該つなぎ材3を中間の梁10に固定している。
【0040】
なお、図1及び図5において、枠体1a・1b・1b’・1b”の固定方法については、図3に示す剛な支持とするか、図4に示す防振支持とするか、任意の方法を選択できる。
【0041】
以上に示すように、本発明の枠体1a・1bは、梁10に直交して互いに平行に配設された複数の根太材2・2と、枠体1a・1bが掛け渡される梁10・10の間隔L1よりもやや短い間隔L2を有しながら互いに平行に配設され、前記根太材2・2を互いに結合する複数のつなぎ材3・3と、を有する。更に、前記つなぎ材3・3は、前記根太材2の上面より低い位置で前記根太材2・2を結合する構成になっている。
【0042】
従って、つなぎ材3と梁10とを固定することにより、根太材2を梁10に直接固定することとほぼ同等の固定状態が実現される。この結果、梁10への固定箇所を少なくでき、建築現場における床施工の工数を大幅に低減できる。
【0043】
更に図2に示すように、つなぎ材3の上面が根太材2の上面より下の位置にあるから、つなぎ材3に梁10への固定のための固定ボルト5を通しても、その固定ボルト5の頭部が根太材2の上面から突出しない。従って、その後の工程で根太材2の上面に床下地面材を貼る際も、その固定ボルト5との干渉を避けるべく床下地面材に切欠を設ける等の対策が不要になる。
【0044】
また、梁10の上面に柱材11が立設されている場合でも、つなぎ材3の部分を梁10に固定することで、柱材11と枠体との干渉を防止できる。即ち図1や図2に示すように、2本の根太材2・2の間の位置に柱材11が来るように、言い換えれば、最も外側のつなぎ材3のすぐ脇に柱材11が来るように、枠体1bを配置することで、枠体1bと柱材11との干渉を容易に回避できる。なお前述したとおり、押さえ材6は梁10の上フランジの下側へ張り出すように構成しているから、上フランジの上側に立設される柱材11と押さえ材6とが互いに干渉することもない。なお押さえ材6は、本実施形態では、梁10の一部分(上フランジ)の下側に張り出しているが、梁10全体の下側に張り出していてもよい。また、押さえ材6が梁10の下側に張り出す場合にも限定されず、梁10側に向かって張り出していれば良い。
【0045】
更に、前記の枠体1a・1bにおいては、根太材2が中空部を有しているので、枠体1a・1bの軽量化が実現されるとともに、床下地面材を根太材2にネジや釘などを用いることで容易かつ強固に固定できる。加えて、つなぎ材3も中空部を有しているので、枠体1a・1bを軽量化できるとともに、例えばタッピングネジ等を用いることで、つなぎ材3を根太材2に固定することも容易である。
【0046】
また、前記枠体1a・1bは、前記つなぎ材3の下面に、梁10の上フランジの下側に張り出すように取り付けられた押さえ材6を有する。従って、枠体1a・1bと梁10との固定が一層強固となり、施工後の長年の使用にも十分耐えることができる。
【0047】
加えて、前記押さえ材6は、前記つなぎ材3の長手方向中央位置に配置されている。従って、枠体1a・1bの固定箇所が2本の根太材2・2の間のほぼ中央位置になるので、梁10・10への固定が安定的かつ確実になる。
【0048】
更に、前記枠体1a・1bは、根太材2の下面と押さえ材6の上面(押さえ面7)とで梁10の一部すなわち前記上フランジを挟むことにより、梁10に固定できる構成となっている。これにより、例え最小構成の枠体(2本の根太材2・2が2本のつなぎ材3・3で一体化された構成の枠体を意味し、第1実施形態の枠体1aが相当する)でも、最も安定度の高い3点固定で梁10に対し固定されることになる。従って、枠体1a・1bと床下地面材とからなる床構成材の剛性が増大して、床構成材の振動を低減できる。また、簡単な方法で枠体1a・1bを梁10・10に固定できる。
【0049】
また、図4に示すように、根太材2の下面と梁10の上フランジの上面との間、及び、前記押さえ材6の上面(押さえ面7)と梁10の上フランジの下面との間に、緩衝材20を介在させることで、3点での安定した防振支持が実現される。従って、根太材2の下面と梁10の上面との間にのみ緩衝材20を介在させた場合に比較して、床構成材の振動が抑制され、防振効果を損なうことなく床衝撃音を効果的に低減できる。
【0050】
上記のことは即ち、枠体1a・1bを梁10に対して防振支持する場合でもつなぎ材3と梁10とが干渉しないので、枠体1a・1bの主要部分の構成を変更することなく、剛な支持(図3)から防振支持(図4)に変更することが容易であることを意味する。即ち、剛な支持から防振支持に変更するには、図3の押さえ材6を取り外し、代わりに図4に示すように、ほぼ前記緩衝材20の高さ分だけ垂直部を延伸させた形状の押さえ材6を用いるだけで良い。
【0051】
更に、図1に示すように、隣接する梁10・10の間に複数個の枠体1a・1bを掛け渡す際に、両枠体1a・1bを梁10の長手方向に1つ飛ばしに配設することで、少ない部材で床を構成でき、また、梁10に枠体を固定する箇所を更に著しく減少させることができる。
【0052】
一方、図5に示すように、各枠体1a・1b’・1b”を間隔を殆どおかずに配置することも可能である。なお、図5の配置例では、各枠体1a・1b’・1b”の最も外側にある根太材2(本実施形態の枠体1a・1b’・1b”は根太材2が2本の構成であるので、いずれもが最も外側の根太材2に該当する)は、隣接する別の枠体の最も外側にある根太材2に対し、図示しない締結具により結合することとしている。締結具としては、例えば公知のボルトやタップネジとすることが考えられる。こうすることで、複数の枠体1a・1b’・1b”が相互に一体化され結合されて、床構成材の剛性を良好に向上させることができる。
【0053】
更に、図6の要部断面図に示すように、根太材2の中空部に袋体12を挿入し、この袋体12の内部に粒状体13を充填しても良い。袋体12としては、内外表面をゴム質でコーティングしたものが望ましい。粒状体13としては砂などの非金属材料も使用できるが、金属材料のように、適度の重量を有し、形状が揃っていて、安価であることが望ましく、例えば還元ペレットが好ましい。また、粒状体13として非金属材料やスラグを用いる場合は、袋体12を省略しても良い。粒状体13は、床構成材の振動モードにおける振幅の腹の位置に充填することが好ましい。こうすると、床構成材が振動しても、前記粒状体の一部が跳躍して床構成材に効果的に振動減衰を付与できるとともに、残りの粒状体が付加質量となって、有効質量の増大によって床衝撃音を効果的に防止できる。根太材2に限定されず、つなぎ材3の中空部に粒状体13を充填しても良い。
【0054】
なお、床の施工方法としては、枠体1a・1bを梁10・10に固定する前に各枠体1a・1bの根太材2の上面に床下地面材を工場等で予め貼り付けておき、その枠体1a・1bを建築現場へ搬送して梁10・10に固定する方法を採れば、施工の効率が一層向上する。
【0055】
一方、先ず複数個の枠体1a・1b・・・を梁10・10・・・の間に掛け渡して配置して、すべての枠体1a・1bを梁10・10に固定した後に、根太材2・2の上面に床下地面材を貼り付ける方法を採っても良い。こうすると、床下地面材を千鳥状に隙間無く施工でき、隙間を埋める材料を不要とできる。従って、この施工方法は、図1のように枠体1a・1bを間隔をあけて配置する場合に特に有効である。また、床下地面材を複数の枠体に掛け渡すように配置できるので、床構成材の剛性を一層向上させ得る。
【0056】
以上に本発明の好適な実施形態および変形例を示したが、本発明の技術的範囲は以上の構成に限定されず、例えば以下に示す変更を加えて実施することができる。
【0057】
(1)上記では枠体の根太材2の数は2本であったが、3本以上であっても良い。また、つなぎ材3の数も何本であっても良い。
【0058】
(2)緩衝材20は振動を吸収し得るものであればよく、その素材・形状は適宜のものを選択して良い。
【0059】
(3)根太材2やつなぎ材3には中空部が形成されていなくても良く、また、粒状体13は中空部内の一部にのみ充填されていても良い。
【0060】
(4)図1の構成では枠体を1個飛ばしに配置したが、例えば枠体1個半や2個分以上の間隔をあけて配置しても良い。
【0061】
(5)枠体を固定する相手としての梁の形状としては、I型に限らず、異型H型などを採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に係る枠体を梁間に設置した様子を示す平面図。
【図2】同じく斜視図。
【図3】枠体の梁への固定箇所を詳細に示す拡大斜視図。
【図4】枠体を防振支持する変形例を示す拡大斜視図。
【図5】枠体の種々の変形例を示す平面図。
【図6】根太材の中空部に粒状体を充填した様子を示す断面図。
【符号の説明】
【0063】
1a・1b・1b’・1b” 枠体
2 根太材
3 つなぎ材
4 ボルト孔
5 固定ボルト
6 押さえ材
7 押さえ面
8 孔
9 ナット
10 梁
11 柱材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に配設された複数の梁間に掛け渡される枠体であって、前記梁に直交して互いに平行に配設された複数の根太材と、隣接する前記梁間の距離より短い間隔で互いに平行に配設され、前記根太材の上面より低い位置で隣接する前記根太材を結合する複数のつなぎ材とから構成されてなる枠体。
【請求項2】
前記根太材が中空部を有していることを特徴とする請求項1に記載の枠体。
【請求項3】
前記つなぎ材が中空部を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の枠体。
【請求項4】
前記つなぎ材の下面に、前記梁側に張り出すように取り付けられた押さえ材を有することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の枠体。
【請求項5】
前記押さえ材は前記つなぎ材の長手方向中央位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の枠体。
【請求項6】
前記根太材の下面と前記押さえ材の上面とで前記梁の少なくとも一部を挟むことにより、前記梁に固定できるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の枠体。
【請求項7】
前記根太材の下面と前記梁の上面との間、及び、前記押さえ材の上面と前記梁の下面との間に、緩衝材を介在させたことを特徴とする請求項6に記載の枠体。
【請求項8】
隣接する前記梁間に複数個の枠体を掛け渡す際に、梁の長手方向に少なくとも1つ飛ばしに配設したことを特徴とする請求項1から請求項7までの何れか一項に記載の枠体。
【請求項9】
前記枠体の最も外側にある根太材と、隣接する別の枠体の最も外側にある根太材とを、締結具により結合して、複数の枠体を一体化したことを特徴とする請求項1から請求項7までの何れか一項に記載の枠体。
【請求項10】
前記枠体の中空部の全部または一部に粒状体を充填したことを特徴とする請求項2から請求項9までの何れか一項に記載の枠体。
【請求項11】
前記根太材の上面に床下地面材が貼り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項10までの何れか一項に記載の枠体。
【請求項12】
隣接する梁間に複数個の請求項1から請求項10までの何れか一項に記載の枠体を掛け渡し、枠体を梁に固定した後、前記根太材の上面に床下地面材を貼り付けることを特徴とする床施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−83646(P2006−83646A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−271401(P2004−271401)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】