説明

枢軸支持装置

【課題】1枚以上の多数枚の表示板を上部、側部などいずれの側でも纏まり良く、重合状態を無理なく整然と配設できるようにした枢軸支持装置を提供する。
【解決手段】1枚以上の表示板8を一側で折り返し自在に集束する枢軸支持装置であって、軸杆3に回転自在に挿通する複数の環体4を備え、各環体には外方への突起片5を突出させ、この突起片には蝶番機構の連結片6を連設し、この連結片に表示板8の上部を固定させて1枚以上の表示板を集束できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告とか表示などを目的とする各種表示板を、1枚以上折り返し可能に回転させて支持する枢軸支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に看板などの表示板は、上部とか側部などを折り返して表側とか裏側を表示することが行われている。
【0003】
この折り返し表示板は、蝶番とか軸に回転可能のリングなどを用いて、所謂、枢軸構造にすることが広く行われている。
【0004】
また、工事用看板で上下2枚の表示板を用い、蝶番を用いて上下に折り曲げ、表示内容を表側と裏側で異ならせたものが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−140915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1枚以上の多数の表示板を一側で折り返して軸支集束する際、多数の表示板が重なり合うため、集束して支持させると表示板の肉厚が大きくなり、吊下状態で整然と纏まらず、中心より外側に行くにしたがって広がり、極端な場合は裾広がり現象を生じて了う。したがって、表示板を多数枚用いることができないという問題があった。
【0006】
本発明は、叙上の点に着目してなされていもので、1枚以上の多数枚の表示板を上部、側部などいずれの側でも纏まり良く、重合状態を無理なく整然と配設できるようにした枢軸支持装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は下記の構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
【0008】
(1)1枚以上の表示板を一側で折り返し自在に集束する枢軸支持装置であって、軸杆に回転自在に挿通する複数の環体を備え、各環体には外方への突起片を突出させ、この突起片には蝶番機構の連結片を連設し、この連結片に表示板の上部を固定させて1枚以上の表示板を集束できるようにして成ることを特徴とする枢軸支持装置。
【0009】
(2)表示板の一側は、2個の環体の連結片と固定させて成ることを特徴とする前記(1)記載の枢軸支持装置。
【0010】
(3)折り返し自在に支持する側は、上部ないし側部のいずれかで行うことを特徴とする前記(1)記載の枢軸支持装置。
【0011】
(4)1枚以上の表示板は、環体の突起片に回動自在の連結片に取替自在に利用して成ることを特徴とする前記(1)記載の枢軸支持装置。
【0012】
(5)軸杆には複数の環体の中央箇所に、間隔保持のための規制環を嵌挿して成ることを特徴とする前記(1)記載の枢軸支持装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、軸を支点で折り返す際、環体と表示板とが直接接続されていると、折り返す操作が滑らかに行い難い問題があり、また2枚以上に表示板が重なると吊り下がった状態で嵩張り、重なり具合が悪く裾広がりが生じて体裁が悪いが、軸杆に挿通される環体には突起片が突出し、かつ蝶番機構のヒンジ状の連結片を介して表示板と連結してあるので、蝶番機構で突起片と回動自在に接続される表示板は、軸杆周辺を回動する環体と二重の回動作用を呈して、軸杆での環体による折り返し反転作用が無理なく行えると共に、環体に突起片を突出させているので、重なり合う他の表示板の肉厚を吸収でき、換言すればその肉厚分だけ環体の突起片が傾斜して外側に位置する表示板を蝶番機構の連結片によって無理なく垂直方向に他の表示板と平行状態で重ね合わせることができる。
【0014】
この枢軸支持装置は、主として軸杆を水平方向の横方向に構成される看板,表示器などに用いられるが、垂直方向の縦方向に設けても同様に自由に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0016】
以下に、本発明の一実施例を図面について説明する。
【0017】
なお、実施例では起立した基板の上端又はその上方に設けた軸により折り返し反転する2枚の表示板を設けた縦看板に用いた場合を示す枢軸支持装置について説明する。
【0018】
図において、1は基台2上に起立する方形状の基板、3は前記基板1の上方に配設される軸杆、4,4,……は軸杆3に挿通されて回転される複数の環体、5,5,……は各環体4,4,……の外周に外方へ向けて突出させた突起片、6,6,……は各突起片5,5,……に設けたピン7,7,……で回動自在のヒンジなどの蝶番機構の連結片、をそれぞれ示す。
【0019】
,8は2枚の同形同大の表示板を示し、それぞれの上部両側を前記それぞれ2個宛の連結片6,6と、ビス9,9で固着するものである。なお、2個宛の連結片6,6は特定されることなく好みの2個のものを選んで表示板の上部を固着すれば良い。
【0020】
したがって、図示では2個づつ4個の環体が軸杆3に挿通され、中央には間隔保持用の規制環10を挿通させて置くのが好ましい。
【0021】
なお図示では、表示板8,8が2枚であるが、3枚,4枚……と増加することができ、この場合は環体4も当然にその倍数、即ち6個,8個と増加して軸杆3内に挿通して同一構成の突起片,連結片を追加して各環体に設けて、同様の操作でビスなどを用いて追加される表示板を固着すれば良い。なお環体4の数が増加し、表示板の数が増加する場合は中央の間隙保持用の規制環を省くことができる。
【0022】
ところで、表示板8,8の表側の表示面11,11と裏側の表示面12,12と、基板1の表側の表示面1aと裏側の表示面1bとを組み合わせて表側の表示面と裏側の表示面とを同一内容の表示とすることができる。
【0023】
即ち、最初の表示板8の表側の表示面11と、基板1の裏側の表示面1bとを同一の表示内容Aとし、また最初の表示板8の折り返して裏側の表示面12と、第2枚目の表示板8の表側の表示面11とを同一の表示内容Bとし、さらに第2番目の表示板8を折り返して表示板8の裏側の表示面12と、基板1の表側の表示面1aとを同一の表示内容Cとすることにより、常に表示板8,8の折り返し位置に関係なく、看板装置として表側と裏側の表示内容をAA,BB,CCの同一内容で表示できる。
【0024】
したがって、Aを「準備中」,Bを「営業中」,Cを「定休日」などと表示すれば、単に表示板を折り返すだけで表側と裏側の両面での同一内容の表示効果が得られるので、店頭,街頭などに設置して置くことにより、往来する人々には表側,裏側に関係なく同一の表示が表されてきわめて便利となる。
【0025】
さらに、表示板8,8の軸杆3を中心とする回転折り返し操作に突起片5,5が環体4,4に設けられており、さらに蝶番機構の連結片6,6を備えているので操作がしやすく、特に突起片5,5が傾斜しても連結片6,6が蝶番機構を備えているので、表示板8,8は常に垂直状態を保持でき、したがって体裁感を向上できる。
【0026】
本実施例では、表示板8,8が2枚であるが、3枚,4枚と増えるにしたがって重ね合わせ状態が増加しても、環体および蝶番機構の連結片の二重の回動作用による相乗効果のため、円滑な操作と常に垂直状態に重なり合う状態を保持できる。
【0027】
以上、本発明について基板1上に設けた垂直方向の表示板方式の実施例について記述したが、基板を省略して軸杆3のみの構成にも適用できると共に、軸杆を縦方向に設けこれに環体を挿通して1以上の表示板を横方向に掛架しても同様に実施できる(図示せず)。
【0028】
また、表示板上での表示内容は好みのもので良く、広告のみならず地図などの表示とか、場所などの地域の表示など、多目的の表示に広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の枢軸支持装置の一実施例を示す正面図
【図2】図1のII−II線縦断面図
【図3】要部の拡大斜面図
【符号の説明】
【0030】
1 基板
1a 基板1の表側の表示面
1b 基板1の裏側の表示面
2 基台
3 軸杆
4,4,…… 環体
5,5,…… 突起片
6,6,…… 連結片
7,7,…… ピン
,8,…… 表示板
9,9 ビス
10 規制環
11,11 表示板8,8の表側の表示面
12,12 表示板8,8の裏側の表示面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚以上の表示板を一側で折り返し自在に集束する枢軸支持装置であって、軸杆に回転自在に挿通する複数の環体を備え、各環体には外方への突起片を突出させ、この突起片には蝶番機構の連結片を連設し、この連結片に表示板の上部を固定させて1枚以上の表示板を集束できるようにして成ることを特徴とする枢軸支持装置。
【請求項2】
表示板の一側は、2個の環体の連結片と固定させて成ることを特徴とする請求項1記載の枢軸支持装置。
【請求項3】
折り返し自在に支持する側は、上部ないし側部のいずれかで行うことを特徴とする請求項1記載の枢軸支持装置。
【請求項4】
1枚以上の表示板は、環体の突起片に回動自在の連結片に取替自在に利用して成ることを特徴とする請求項1記載の枢軸支持装置。
【請求項5】
軸杆には複数の環体の中央箇所に、間隔保持のための規制環を嵌挿して成ることを特徴とする請求項1記載の枢軸支持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−122587(P2008−122587A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305235(P2006−305235)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(593141207)
【Fターム(参考)】