説明

架橋セルロース繊維及びその製造方法

本発明は、架橋セルロース繊維を調製する方法を提供する。マーセライズ処理ではない条件下で、苛性溶液で処理をしたセルロース繊維のシートを、ポリカルボン酸ポリマー架橋剤を含有する溶液により架橋する。その処理をしたセルロース繊維材料を、シート形態で乾燥及び硬化をして繊維内架橋を促進する。経済的であり、優れた吸収特性及び湿潤レジリエンス特性を有するこの方法の架橋繊維製品もまた開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた吸収特性及び湿潤レジリエンス特性(wet resiliency property)を備えた架橋セルロースパルプシートに関する。より詳しくは、本発明は、シート形態の架橋セルロースパルプ繊維に関するものであり、その繊維は、マーセライズ処理ではない条件(non−mercerizing conditions)下で苛性処理が施されている。本発明はまた、マーセライズ処理ではない条件下で苛性処理を施した繊維から架橋セルロースパルプのシートを製造する方法に関するものであり、そのシートは、シート形態又は毛羽状若しくは個別化した繊維の形態でマーセライズ処理をして架橋した繊維を含むものと同等以上の性能特性を有する。
【背景技術】
【0002】
特殊紙及び吸収性衛生用品市場において、手ごろな価格で、且つ高多孔性、嵩高で高吸収性繊維が流体と接したとき崩壊に耐える優れた湿潤レジリエンスを有するパルプに対する需要が増大している。濾過材、タオル、及びティッシュ工業では特に、ウエットプレスを受けてさえもそのような特性を保持する、良好な多孔性、吸収性及び嵩を有するシート又は巻物の製品が要求されている。望ましいシート製品はまた、気体又は液体が容易に通過することを可能にする透過性を有しなければならない。
【0003】
通常、セルロース繊維は、個別化した形態で架橋を施し、架橋セルロース繊維を含有する構造体に増大した吸収性、嵩及びレジリエンスなどの優れた特性を与える。
【0004】
1.架橋剤
架橋セルロース繊維及びそれらを調製する方法は、広く知られている。一般的なセルロース架橋剤としては、アルデヒド及び尿素ベースのホルムアルデヒド付加生成物が挙げられる。例えば、米国特許第3224926号、第3241533号、第3932209号、4035147号、及び第3756913号を参照されたい。これら通常使用される架橋剤、例えばDMDHEU(ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素)又はNMA(N−メチロールアクリルアミド)等は、ホルムアルデヒドの放出を生じ得るため、ヒトの皮膚と接触する吸収性製品(例えばおむつ)へのそれらの適用は安全性の懸念により制限されている。加えて、ホルムアルデヒド架橋生成物として残存するホルムアルデヒドは、既知の健康有害物質であり、EPAにより発癌物質としてリストに挙げられている。
【0005】
カルボン酸もまた、架橋に使用されてきた。例えば、欧州特許出願第440472号は、クエン酸等のカルボン酸を、木材パルプ繊維の架橋剤として利用することを開示している。セルロースパルプ繊維を架橋するために、その他のポリカルボン酸、即ち、C〜Cポリカルボン酸、特に1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸(BCTA)又は1,2,3−プロパントリカルボン酸、好ましくはクエン酸が、欧州特許第427317号及び米国特許第5183707号及び第5190563号に記載されている。米国特許第5225047号は、ポリカルボン酸の脱離剤及び架橋剤、特にBCTAを、スラリー化又はシート化したセルロース繊維に適用することを記載している。クエン酸とは異なり、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸は、商業規模での使用については高価過ぎるものと考えられる。
【0006】
ポリアクリル酸による架橋が、米国特許第5549791号及び国際公開第95/34710号に開示されている。そこに記載されているのは、アクリル酸モノマー単位が優位を占めるアクリル酸及びマレイン酸の共重合体の使用である。
【0007】
一般に、「硬化」とは、架橋剤と繊維の間の共有結合の形成(即ち、架橋の形成)を指す。米国特許第5755828号は、遊離のカルボン酸基を有する架橋セルロース繊維を提供するため、架橋剤及びポリカルボン酸の両方を部分硬化条件下で使用することを開示している。その遊離のカルボン酸基は、得られた繊維構造物の引張り特性を改善する。その架橋剤としては、尿素誘導体及び無水マレイン酸が挙げられる。そのポリカルボン酸としては、例えばアクリル酸ポリマー及びポリマレイン酸が挙げられる。米国特許第5755828号の架橋剤は、約165℃の硬化温度を有する。その硬化温度は、部分硬化のみを介して、未架橋のカルボン酸基が提供されるように、ポリカルボン酸の硬化温度より低くなければならない。処理パルプは、硬化のための適切な時間及び温度で繊維を離解し、フラッシュ乾燥をする。
【0008】
繊維内架橋及び繊維間架橋は、異なる用途を有する。国際公開第98/30387号は、綿セルロース繊維又は紙を、防皺性及び湿潤強度のために、マレイン酸ポリマーによりエステル化及び架橋することを記載している。これらの特性は、繊維間架橋により与えられる。マレイン酸のホモポリマー、並びにマレイン酸、アクリル酸及びビニルアルコールのターポリマーを使用するセルロース繊維の繊維間架橋は、Y.Xuらにより、パルプ及び紙工業技術協会誌(the Journal of the Technical Association of the Pulp and Paper Industry)、TAPPI JOURNAL 81(11):159〜164(1998)に記載されている。しかしながら、クエン酸は、繊維間架橋には十分でないことが証明された。繊維間架橋におけるクエン酸の失敗及びポリマレイン酸の成功は、各種のポリマー状カルボン酸が、個別的であって、ある化合物又はポリマーが、商業的利用にとって価値ある特質をもたらす可能性を予測することはできないことを示している。米国特許第5427587号においては、マレイン酸含有ポリマーが、同様にセルロース基材を強化するために使用されている。この方法は、繊維内架橋よりはむしろセルロース分子間の繊維間エステル架橋を必要とする。ポリマーは、セルロース材料を繊維間架橋によって強化するために使用されたが、繊維間架橋は、一般に、吸収性を減少させる。
【0009】
湿潤強度を加えるための繊維間架橋剤として作用するが、繊維内架橋を介して吸収性を改良する材料としては具合が悪い別の材料は、国際公開第98/13545号に記載されているエチレングリコールビス(無水トリメリット酸)樹脂等の芳香族ポリカルボン酸である。
【0010】
両方の用途(即ち、湿潤強度を改良するための繊維間架橋、並びに改良された吸収性及び高い嵩構造のための繊維内架橋の両方)で機能することが知られている1つの材料は、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸である。しかしながら、上記のように、それは現在のところ商業的に利用するには高価過ぎる。
【0011】
吸収性製品用に使用されるその他のパルプとしては、米国特許第5695486号に記載されているもの等のフラッシュ乾燥した製品が挙げられる。この特許は、化学溶媒により処理し熱硬化して繊維を結合させたセルロース及び酢酸セルロース繊維の繊維ウェブを開示している。この方式で処理したパルプは、高いノット(knot)含有量を有しており、架橋パルプの溶媒レジリエンス及び吸収能に欠ける。
【0012】
フラッシュ乾燥は、熱気流中のパルプの非拘束状態での乾燥である。フラッシュ乾燥及びフラッシュ乾燥に伴うその他の機械的処理は、ファイン(fines)の生成をもたらし得る。ファインは、架橋製品を使用する際にしばしばダスティングを生じる、例えば0.2mm未満の短繊維である。
【0013】
II.セルロース繊維の架橋方法
さまざまな用途のためにパルプを処理し、架橋することに伴う2つの異なる方法が一般に存在する。1つのやり方においては、繊維は、個別化した繊維又は毛羽状の形態において架橋剤により架橋されて、繊維内架橋を促進する。もう1つのやり方は、シート、ボード又はパッドの形態における繊維間結合を含む。
【0014】
米国特許第5998511号は、繊維を個別化した繊維の形態でポリカルボン酸により架橋する方法(及びそこから誘導される製品)を開示している。そのセルロース材料は、それが十分に個別化された繊維形態となるように、さまざまな磨砕装置を用いて繊維を離解し、その後、この化学物質とセルロース繊維とが繊維間結合よりもむしろ繊維内結合により結合する。
【0015】
機械的な繊維離解は、一定の利点を有する。特殊紙の用途において、「ニット(nit)」は、湿式堆積操作でスラリー化したときでさえ容易にほぐれない硬い繊維束である。この方法は、その後の硬化ステップの間の繊維間結合(この技術で使用される通常の製紙用パルプからの望ましくない「ニット」の原因となる)を最少化する繊維の個別化を増進することに加えて、繊維のカール及びねじれを増進し、それは架橋すると強化され、その結果湿潤崩壊に耐えるより開放された吸収性のある構造となり、改良された性能(例えば、吸収性及び多孔性用途において)をもたらす。
【0016】
しかしながら、架橋前に実質的に十分に繊維離解させたときでさえ、特殊紙の用途においては、多孔性及び嵩を加えるために標準的な製紙用パルプとブレンドした後は、仕上がり製品中に[ニット」が依然として見出され得る。この形態で「ニット」が架橋されたとき、それらがほぐれることはない。
【0017】
個別化した形態で架橋するやり方により提供される利点にもかかわらず、多くの製品用途において(例えば、特に湿式堆積特殊繊維用途において)、望ましくない「ニット」及び「ノット」をできるだけ最小限にすることが必要である。ノットは、それらが、乾式積層システムにおいては一般にほぐれないが、湿式堆積システムにおいては一般に分散する繊維の塊であるので「ニット」とは異なる。したがって、望ましくない「ニット」及び「ノット」をさらに最小限にする技術が必要とされる。
【0018】
他方、シート、ボード又はパッドの形態での繊維間架橋もまた、有意義である。PCT特許出願国際公開第98/30387号は、その低い処理コストに加えて、湿潤強度を改良する、製紙用パルプのポリカルボン酸混合物によるエステル化及び繊維間架橋について記載している。ポリカルボン酸を用いて製紙用パルプに湿潤強度を与える繊維間架橋は、Y. Yuら、(Tappi Journal, 81(11), 159 (1998))、及び芳香族ポリカルボン酸が使用されたPCT特許出願国際公開第98/13545号にも記載されている。
【0019】
シート、ボード又はパッドの形態での繊維間架橋は、通常は非常に多量の「ノット」(及び「ノット」の細画分である「ニット」も)を生成する。それ故、シート形態でセルロース構造を架橋することは、望ましい結果と相反するものであり、実際に、望ましい用途において不十分な性能をもたらす「ノット」(及び「ニット」)を最大にすることが予想される。
【0020】
したがって、優れた湿潤レジリエンスをもたらし現行の個別化した架橋方法より少ない「ノット」(及び「ニット」)のシート形態の架橋繊維を製造する経済的な架橋方法に対する必要性が存在する。本発明は、これらの必要性を満たすことを追求し、さらなる関連する利点を提供する。
【0021】
III.苛性溶液による処理
米国特許第3932209号(参照により組み込まれる)は、セルロース繊維からヘミセルロースを除去するための、「低温」苛性抽出法の使用を記載している。ヘミセルロースは、セルロースと糖類の間の組成の中間にあるゴム状の無定形物質の群として説明される。それらは、セルロース繊維壁に見出され、キシラン、マンナン、グルコマンナン、アラバン、ガラクタン、アラボガラクトン、ウロン酸、植物ガム、及びL−ラムノースの残基を含有する関連ポリマーが挙げられる。セルロース繊維シートの架橋中、ヘミセルロースは、かなりの量の望ましくない繊維間架橋及びノット形成の原因となる。そのようなものとして、米国特許第3932209号は、7%を超えるヘミセルロース含有量を含むパルプボードが、15%を超える望ましくないノット含有量の架橋パルプを形成するであろうから、許容できないことを教示している。
【0022】
米国特許第6620293号(参照により組み込まれる)においては、マーセライズ処理をした架橋セルロース繊維シートが、ノット及びニットが少なく、吸収性及び湿潤レジリエンスが個別化又は毛羽状の形態で架橋した繊維に匹敵する、費用効率の良い方法で形成できることを見出した。そのセルロース繊維は、架橋剤を適用する前にマーセライズ処理された。「マーセライズ処理をされた」とは、セルロース繊維を、シート又は個別化した形態のいずれであっても、マーセライズ処理条件下で苛性溶液により(例えば、水酸化ナトリウムにより)処理したことを意味する。マーセライズ処理条件が、セルロース繊維を低温(即ち、15〜35℃)及び高い苛性溶液強度(即ち、10%水酸化ナトリウム以上の強度)におけるセルロース繊維の処理を必要とすることは当技術分野でよく知られている。
【0023】
マーセライズ処理条件(即ち、低温、高い苛性濃度)でセルロースパルプを処理し、次いでシート形態でセルロース繊維を架橋することは、マーセライズ処理の費用に伴う費用劣位を生じる。そのようなことのため、現在技術的に知られているものと同等以上である架橋セルロースパルプのシートを製造するためのなお一層費用のかからない方法に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0024】
1つの態様において、本発明は、シート形態の架橋セルロース繊維を調製する方法であって、カルボン酸ポリマー架橋剤を、マーセライズ処理ではない条件下で苛性溶液により処理されているセルロース繊維のシートに適用するステップと、当該セルロース繊維のシートにおける当該架橋剤を硬化して繊維内架橋を形成させるステップとを含む、方法を提供する。
【0025】
別の態様において、本発明は、優れた吸収特性を有する架橋セルロース繊維のシートを調製する方法であって、マーセライズ処理ではない条件下で苛性溶液により処理されているセルロース繊維の湿式堆積シートを形成するステップと、カルボン酸ポリマー架橋剤を当該セルロース繊維のシートに塗布して架橋剤が含浸したシートを形成するステップと、当該含浸したセルロース繊維のシートにおける当該架橋剤を硬化して繊維内架橋を形成させるステップとを含む、方法を提供する。
【0026】
本発明の別の態様は、セルロース繊維の湿式堆積シート(a wet laid sheet)を含む組成物であって、当該セルロース繊維が、マーセライズ処理ではない条件下で苛性溶液により処理されており、ポリカルボン酸ポリマー架橋剤の適用により形成される十分な繊維内架橋を有している、組成物を提供する。1つの実施形態において、そのカルボン酸ポリマー架橋剤は、アクリル酸ポリマーであり、別の実施形態においては、そのカルボン酸ポリマー架橋剤は、マレイン酸ポリマーである。
【0027】
さらに別の態様において、本発明は、本発明のシート化したカルボン酸架橋繊維を含有する吸収構造体、及び上記構造体を組み込む吸収体を提供する。
【0028】
有利には、本発明は、良好な嵩特性、良好な多孔性及び吸収性、少ないノット(及びニット)、並びに少ないファインを有する架橋繊維を経済的に提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、カルボン酸架橋剤により化学的に架橋したシート形態のセルロース繊維を形成する方法に関する。好ましくは、そのセルロースパルプ繊維は、マーセライズ処理ではない条件下で苛性溶液により処理されており、8%を超えるヘミセルロース含有量を有している。
【0030】
A.苛性溶液処理
セルロースパルプ繊維は、さまざまなマツ(サザンパイン、ホワイトパイン、カリブパイン)、アメリカツガ、さまざまなトウヒ(例えば、ベイトウヒ)、ダグラスファー又はそれらの混合物等を出発原料とする針葉樹パルプ源から及び/又はゴム、カエデ、オーク、ユーカリ、ポプラ、ブナ、又はアスペン或いはそれらの混合物等を出発原料とする広葉樹パルプ源から任意の従来の方法を用いて得ることができる。セルロース繊維は、機械的な精製は何も受けていないことが好ましい。
【0031】
好ましい実施形態において、そのセルロースパルプ繊維は、それらがシート形態で架橋される前に、存在するヘミセルロースの少なくとも一部を除去するために従来の任意の方法を用いて前処理を行う。その前処理は、架橋ステップの前ならいつ行っても良い。好ましくは、そのヘミセルロースは、マーセライズ処理ではない条件下の苛性溶液中でセルロースパルプ繊維を処理(即ち、苛性抽出)することにより抽出する。マーセライズ処理ではない条件は、既知のマーセライズ処理パラメーターより低い濃度の苛性溶液(即ち、10%未満の水酸化ナトリウム濃度)及び/又はより高い温度(即ち、35℃を超える)による処理を含む。例えば、セルロースパルプ繊維の処理は、10%未満の苛性の強度(即ち、4%、5%、6%、7%、8%、又は9%以下の苛性溶液強度)で実施することができる。また、セルロースパルプ繊維は、35℃を超える温度(例えば、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、など)で処理することができる。
【0032】
セルロース繊維パルプを前処理するのにより低い強度の苛性溶液を使用することにより、本発明は、結果的にその他の既知の方法より低コストとなる。同時に、より低い強度の苛性溶液による処理は、これまでシート形態の架橋吸収性構造体に許容できることが見出されていたものより高いヘミセルロース含有量を有する(即ち、米国特許第3932209号に開示されている最大7%のヘミセルロース含有量を超える)マーセライズ処理されていないセルロース繊維を生ずる。しかしながら、本明細書で説明されているように、本発明者らは、当該技術の教示に反して、低いノット及びニットのレベル並びに優れた吸収性及び湿潤レジリエンスを備えた架橋セルロースパルプシートが、ヘミセルロース含有量がこれまで受け入れられてきた閾値よりずっと高いマーセライズ処理をされていないセルロース繊維パルプから、本発明を使用することにより依然として形成することができることを意外にも見出した。例えば、本発明の架橋セルロース繊維シートは、7%若しくは8%を超えるヘミセルロース含有量又は10%を超えるヘミセルロース含有量を有する(即ち、11%、12%、13%、14%、15%など以上)セルロースパルプから形成することができる。好ましくは、セルロース繊維パルプのヘミセルロース含有量は、8〜15%の間である。
【0033】
マーセライズ処理がされていないセルロース繊維パルプを、次いで、架橋のために従来方法の空気堆積又は湿式堆積等のような任意の既知の方法を用いて、シート、パッド又はボードの形にする。
【0034】
B.架橋剤
本発明において使用するのに適する架橋剤としては、無水マレイン酸を主モノマーとして調製されるホモポリマー、コポリマー及びターポリマーの単独又は組み合わせが挙げられる。分子量は、約400から約100,000、好ましくは約400から約4,000の範囲であることができる。ホモポリマーの酸ポリマーは、マレイン酸の繰り返し化学単位−[CH(COOH)−CH(COOH)]−(nは、4以上、好ましくは約4から約40である)を含有する。無水マレイン酸に加えて、マレイン酸又はフマル酸もまた使用することができる。
【0035】
本明細書で使用する用語「カルボン酸ポリマー」とは、セルロースとエステル結合(即ち、架橋)を形成するために使用できる多数のカルボン酸基を有するポリマーを指す。一般に、本発明で有用なカルボン酸ポリマー架橋剤は、カルボン酸基又はカルボン酸基に転化することができる官能基を含むモノマー及び/又はコモノマーから形成されている。本発明の架橋繊維を形成するのに有用な適当な架橋剤としては、ポリアクリル酸ポリマー、ポリマレイン酸ポリマー、アクリル酸のコポリマー、マレイン酸のコポリマー、及びそれらの混合物が挙げられる。その他の適当なカルボン酸ポリマーとしては、クエン酸、並びにポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリ(3−ヒドロキシ)酪酸、及びポリイタコン酸等の市販のポリカルボン酸が挙げられる。本明細書で使用する用語「ポリアクリル酸ポリマー」とは、重合したアクリル酸(即ち、ポリアクリル酸)を指し;「アクリル酸のコポリマー」とは、アクリル酸と適当なコモノマーから形成されるポリマー、アクリル酸と低分子量のモノアルキル置換ホスフィナート、ホスホナート及びそれらの混合物とから形成されたコポリマーを指し;用語「ポリマレイン酸ポリマー」とは、重合したマレイン酸(即ち、ポリマレイン酸)又は無水マレイン酸を指し;「マレイン酸のコポリマー」とは、マレイン酸(又は無水マレイン酸)と適当なコモノマーから形成されるポリマー、マレイン酸と低分子量のモノアルキル置換ホスフィナート、ホスホナート及びそれらの混合物のコポリマーを指す。
【0036】
ポリアクリル酸ポリマーとしては、アクリル酸、アクリル酸エステル、及びそれらの混合物を重合することによって形成されているポリマーが挙げられる。ポリマレイン酸ポリマーとしては、マレイン酸、マレイン酸エステル、無水マレイン酸、及びそれらの混合物を重合することによって形成されているポリマーが挙げられる。代表的なポリアクリル酸及びポリマレイン酸ポリマーは、Vinings Industries(米国ジョージア州アトランタ)及びBioLab Inc.(米国ジョージア州ジケーター)から市販されている。
【0037】
本発明で用いることができる架橋剤としては、マレイン酸若しくはフマル酸の少なくとも1つ又はそれらの無水物を、単独で、又は1つ若しくは複数のそれらと共重合されるその他のモノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、アコニット酸(及びそれらのエステル)、アクリロニトリル、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、メチルビニルケトン、ビニルアルコール、アクロレイン、エチレン、プロピレンなど)と組み合わせて調製される付加重合体がある。本発明で有用なポリマレイン酸ポリマー(「PMAポリマー」)及びその製造方法は、例えば、そのすべてが参照により組み込まれている米国特許第3810834号、第4126549号、第5427587号及び国際公開第98/30387号に記載されている。好ましい実施形態において、PMAポリマーは、無水マレイン酸ホモポリマーの加水分解生成物である。本発明の他の実施形態において、PMAポリマーは、無水マレイン酸と上で掲げたモノマーの1つとのコポリマーから得られる加水分解生成物である。別の好ましいPMAポリマーは、無水マレイン酸と上に掲げた2つのその他のモノマーとのターポリマーである。無水マレイン酸は、好ましいポリマーの調製において使用する主モノマーである。無水マレイン酸対その他のモノマーのモル比は、通常は、約2.5:1から9:1の範囲内である。
【0038】
好ましくは、ポリマレイン酸ポリマーは、下記式を有する:
【化1】


[式中、R、及びRは、独立してH、置換されているか非置換のC〜Cアルキル、又はアリールであり、x及びzは正の有理数又は0であり、yは正の有理数であり、x+y+z=1であり;yは、一般に、0.5より大きい、即ち、ポリマーの50%を超える]。
多くの場合、yは、0.9、即ちポリマーの90%未満であることが望ましい。yの適当な範囲は、それ故、約0.5から約0.9である。本明細書で用いるアルキルとは、飽和、不飽和、枝分かれ、非枝分かれのアルキルを指す。アルキル上又はポリマーのその他の場所の置換基としては、非限定で、カルボキシル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、及びアルキルチオール置換基が挙げられる。このタイプのポリマーは、例えば、参照により本明細書に組み込まれている国際公開第98/30387号に記載されている。
【0039】
本発明で使用するのに適するポリマレイン酸ポリマーは、少なくとも400、好ましくは約400から約100,000の数平均分子量を有する。約400から約4000の平均分子量を有するポリマーが、本発明においてはより好ましく、約600から約1400の平均分子量が最も好ましい。これは、湿潤強度を増すための紙タイプのセルロースの繊維間架橋にとって好ましい40,000〜1,000,000の範囲(例えば、参照により組み込まれているC.Yangの国際公開第98/30387号、p.7;及びC. Yang、TAPPI JOURNALを参照)とは対照的である。
【0040】
本発明で使用するのに適するポリマーの非限定の例としては、例えば少なくとも4個の繰り返し単位及び例えば少なくとも400の分子量を有するマレイン酸の直鎖のホモポリマー、分子量が少なくとも400のマレイン酸が主のターポリマーが挙げられる。
【0041】
1つの実施形態において、本発明は、本明細書に記載したポリマレイン酸又はポリアクリル酸を含む架橋剤と第2の架橋剤とのブレンドによりシート形態で架橋されているセルロール繊維を提供する。好ましい第2の架橋剤としては、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、シトラコン酸、マレイン酸(及び無水マレイン酸)、イタコン酸、及び酒石酸モノコハク酸エステル等のポリカルボン酸が挙げられる。より好ましい実施形態において、第2の架橋剤は、クエン酸又はマレイン酸(又は無水マレイン酸)である。その他の好ましい第2の架橋剤としては、グリオキサール及びグリオキシル酸が挙げられる。
【0042】
ポリマーの溶液を使用してセルロース材料を処理する。この溶液は好ましくは水性である。この溶液は、約2重量パーセントから約10重量パーセント、好ましくは約3.0重量パーセントから約6.0重量パーセントの量のカルボン酸を含む。この溶液は、好ましくは約1.5から約5.5、より好ましくは約2.5から約3.5のpHを有する。
【0043】
繊維(例えば、シート化又は巻物化した形態であり好ましくは従来方法の湿式堆積により形成される)は、架橋剤の溶液で、例えば、吹き付け(spraying)、浸し塗り(dipping)、含浸(impregnation)又はその他の従来の塗布方法により繊維が十分均一に染込むように処理する。
【0044】
硬化する前に架橋触媒を好ましくはカルボン酸と共に適用する。架橋用の適当な触媒としては、アルカリ金属次亜リン酸塩、アルカリ金属亜リン酸塩、アルカリ金属ポリリン酸塩、アルカリ金属リン酸塩等のリンを含有する酸のアルカリ金属塩、及びアルカリ金属スルホン酸塩が挙げられる。特に好ましい触媒は、次亜リン酸ナトリウムである。触媒対カルボン酸の適当な比は、例えば、1:2から1:10、好ましくは1:4から1:8までである。
【0045】
作業条件はまた、最終製品中におけるファインの形成を減少させるように意図されている。1つの実施形態においては、連続した巻物の形態の木材パルプのシートを、処理ゾーンを通し、そこで、架橋剤を、片面又は両面に、吹き付け、ロール塗り、浸し塗り又はその他の含浸等の従来の手段により塗布する。湿潤した処理パルプは、次いで乾燥する。次に、それを架橋が生じるように適当な温熱条件下で、例えば、硬化に十分な時間高温で(例えば、約175℃から約200℃、好ましくは約185℃で、約5分から約30分、好ましくは約10分から約20分、最も好ましくは約15分の時間)加熱することにより硬化させる。硬化は、強制通風オーブンを使用して達成することができる。
【0046】
乾燥及び硬化は、例えば、空気、不活性ガス、アルゴン、窒素、その他の高温ガス流中で行うことができる。空気が最も普通に使用される。
【0047】
本発明の架橋繊維は、約8.0g/gを超え、好ましくは約8.5g/gを超え又はより好ましくは約9.0g/gを超える荷重下吸収能(absorbency under load:AUL)を有するものとして特徴付けることができる。AULは、繊維がある期間にわたって拘束力又は封圧力(a restraining or confining force)に対抗して流体を吸収する能力の程度を示す。加えて、これら繊維の吸収能(absorbent capacity:CAP)は、9.0g/gを超え、好ましくは約10.0g/gを超え、又はより好ましくは約11.0g/gを超えることができる。CAPは、繊維が、拘束圧が無いか極わずかの状態で流体を保持する能力の程度を示す。また、本発明の繊維は、約0.6g/g未満、好ましくは約0.58g/g未満、より好ましくは約0.55g/g未満の遠心保持能(centinfuge retention capacity:CRC)を有するものとして特徴付けることができる。これらの特性を測定するために使用する方法は、後に実施例で概説する。
【0048】
C.使用及び用途
本発明により調製して得られる架橋繊維材料は、例えば、良好な吸収性及び多孔性を必要とする嵩高の特殊繊維の用途におけるバルク材として使用することができる。その架橋繊維は、例えば、不織の毛羽状吸収材用途で使用することができる。その繊維は、独立に使用することができ、好ましくは従来の技術を用いて他のセルロース材に組み込んでブレンドを形成することができる。吸収材製品を形成するには、一般に空気堆積技術を使用する。空気堆積方法においては、単独の又は他の繊維と組み合わせたブレンドの繊維を、成型スクリーンに吹き付ける。湿式堆積方法もまた使用することができ、本発明の架橋繊維を他のセルロース繊維と組み合わせてブレンドのシート又はウェブを形成する。おむつ、婦人衛生製品及びその他の吸収材製品(例えばミートパッド若しくは包帯など)のための捕捉層又は吸収コア、またはフィルター(例えば本発明の架橋繊維組成物を100%含有している空気堆積フィルター)を含むさまざまな最終製品を製造することができる。タオル及びティッシュもまた、本発明の繊維又はそのブレンドで製造することができる。ブレンドは、少量の本発明の架橋繊維組成物、例えば、約5重量%から約40重量%の本発明の架橋組成物、又は20重量%未満、好ましくは約5重量%から約10重量%の本発明の架橋組成物を、多量、例えば、約95重量%から約60重量%の、架橋されていない木材パルプ材料又はその他のセルロース繊維(例えば標準的な製紙用品位のパルプなど)とブレンドして含有させることができる。
【0049】
上で記したように、高いヘミセルロース含有量のために、マーセライズ処理ではない条件下で処理した繊維を含むシート形態の繊維構造体を架橋することは、繊維間架橋を増加して「ニット」及び「ノット」を生ずる原因となり、所望の用途における不十分な性能を引き起こすことが予想される。それ故、本発明に従ってシート形態でマーセライズ処理ではない条件下で苛性処理をしたセルロースパルプ繊維を架橋することにより、「ノット」含有量(「ニット」は、「ノット」含有量全体のサブコンポーネントである)が、通常、HBA(「嵩高添加剤(high−bulk additive)」を指す)と呼ばれるWeyerhaeuser Companyの市販の架橋パルプ製品及びProctor & Gamble(「P&G」)による吸着材製品に利用されている架橋パルプ等の、個別化された繊維形態で架橋されたセルロースパルプ繊維のものに匹敵することを見出したことは予想外であった。これらは双方共、繊維間架橋を最小限にするために標準の毛羽状パルプを使用した「個別化した」繊維の形態で架橋した製品である。
【0050】
吸収性能が重要であるおむつの捕捉層(AL)等の一定の用途に繊維が適しているかどうかを決定する吸収性試験において、本発明に従ってマーセライズ処理ではない条件下で苛性処理した架橋セルロースパルプ繊維が、マーセライズ処理をした架橋セルロースパルプ繊維に匹敵する吸収性能の結果を生ずることが観察された。さらに、本発明に従って調製したセルロースパルプ繊維製品の吸収性能は、個別化した繊維の形態で架橋されているWeyerhaueser MBA及びP&Gの市販のパルプ製品と同程度以上であることが観察された。
【0051】
したがって、本発明の別の非常に重要な利点は、本発明に従って製造した架橋セルロースパルプ製品が、従来の個別化した架橋セルロース繊維と同等以上の性能特性を持っているばかりでなく、粉末状の個別化架橋繊維に関連する取り扱い上及び加工上の問題を避けることである。
【0052】
本発明を、以下の実施例により説明するが本発明はこれら実施例により限定されない。
【実施例】
【0053】
実施例中の用語は、以下のように定義する。
【0054】
Rayfloc(登録商標)−J−LD(低密度)は、Rayonier Performance Fibers Division(米国ジョージア州Jesup及びフロリダ州フェルナンディナビーチ)により、おむつの吸収コア等の良好な吸収性を必要とする製品用に販売されている未処理のサザンパインクラフトパルプである。
【0055】
Belclene(登録商標)OP−80(BioLab Industrial Water Additives Division、米国ジョージア州ジケーター)は、マレイン酸モノマー単位が主であるポリマレイン酸ターポリマー(分子量約1000)とクエン酸との混合物である。
【0056】
(実施例1)
従来のクラフト毛羽状品位のパルプ(即ち、Rayfloc−J)を、その通常の漂白手順(当業者にはよく理解されている従来技術)中にそれぞれ組み込んだ16%、10%、及び7%の水酸化ナトリウムを用いる25℃の苛性抽出条件で処理をした。これらのパルプを、次に既知の通常の製紙法を用いて湿式堆積し、密度が0.44〜0.46g/ccのパルプシートを形成した。
【0057】
そのパルプシートを、架橋剤(即ち、4.8〜4.9%のBelclene(登録商標)DP−80)により以下のように架橋した。上記のようにして製造した乾燥パルプシートを、pHが3.0のDP−80の溶液(次亜リン酸ナトリウム一水和物触媒対DP−80固体を1:6の重量部で含有する溶液)に浸漬した。次いで、そのシートを吸収紙にあて、計量する前に46〜47%の範囲の濃度(consistencies)まで機械的にプレスした。パルプシートと共に残存する溶液の量から、オーブン乾燥した(「o.d.」)パルプ上のDP−80化学物質の量を計算することができる。そのシートは、次に、トンネル乾燥機に移して、約50℃及び17%相対湿度で一晩空気乾燥させた。空気乾燥した個々のパルプシートを次に約188℃の強制通風オーブン中に15分間置き、それらをDP−80と硬化(即ち、架橋)させた。16%、10%及び7%の苛性で抽出したパルプで作製した試料を、以後それぞれR−16、R−10及びR−7と呼ぶ。
【0058】
A.吸収性試験
次の段落で説明する吸収性試験方法を用いて、荷重下吸収能(AUL)、吸収能(CAP)、及び遠心保持能(CRC)の値を、本発明の架橋繊維製品(R−7パルプ繊維でできている)について測定し、2つの架橋されている市販製品:Pampers(登録商標)の捕捉層(AL)として使用されているP&Gの「補強ねじれカール状(stiffened twisted curly)」(STC)繊維及びWeyerhaeuserのHBA[嵩高添加剤(high−bulk additive)]繊維−これら市販製品は両方共個別化した繊維の形態で架橋された繊維である−を含む、その他の架橋繊維製品(R−10及びR−16パルプ繊維でできている)と比較した。この試験方法は、荷重下での湿潤崩壊に耐える繊維の能力(即ち、湿潤レジリエンス)を示すためそれが最も重要であるCRC値を用いて、ALの用途における性能を予測するものである。
【0059】
吸収性試験は、シリンダー底部の「セル」に付着している100メッシュの金属ふるいを有し、直径0.995インチ及び約4.4gの重量を有するプラスチックのスペーサディスクを含有する内径1インチのプラスチックシリンダー中で行った。この試験において、スペーサディスクを含むセルの重量を、0.0001gの正確さで測定し、次にスペーサをシリンダーから取り外し、約4重量%から約8重量%の範囲内の含水率を有する約0.35gの架橋した繊維をシリンダーに空気堆積(air−laid)した。次に、スペーサディスクをシリンダー中の繊維上に挿入して戻し、そのシリンダー群を0.0001gの正確さで計量した。次に、セル中の繊維を4psiの荷重で60秒間圧縮し、次いでその荷重を取り除いて繊維パッドを60秒間平衡させた。パッドの厚さを測定し、その結果を架橋繊維の乾燥嵩を計算するために使用した。
【0060】
次に、スペーサディスクの表面(top)に100gの錘を乗せることにより、0.3psiの荷重を繊維パッドにかけ、そのパッドを60秒間平衡させた後、パッドの厚さを測定した。次に、セルとその中身を、十分な量の食塩水(食塩0.9重量%)を含有するペトリ皿にセルの底が触れるように吊るした。そのセルをペトリ皿中で10分間そのままにした後、取り出して別の空のペトリ皿中に吊るし、30秒間滴下させた。バッドが荷重下にある間にその厚さを測定した。次いで、100gの錘を取り除き、セルと中身の重量を測定した。次いで、繊維1グラム当たりが吸収した食塩水の重量を測定し、荷重下の吸収能(absorbency under load)(g/g)として示した。
【0061】
架橋繊維の吸収能(absorbenct capacity)は、この実験を0.01psiの荷重のもとで行った以外は上の荷重下吸収能を測定するのに用いた試験と同じやり方で測定した。結果は、繊維1グラム当たりが吸収する食塩水の重量を決定するために使用し、吸収能(g/g)として示す。
【0062】
次に、吸収能試験からのセルを、1400rpmで3分間遠心分離し(Centrifuge Model HN、International Equipment Co.、米国マサチューセッツ州ニードハムハイツ)、計量した。得られた結果は、繊維1グラム当たりが保持した食塩水の重量を計算するために使用し、遠心保持能(g/g)として示した。
【0063】
結果を表1にまとめる。
【表1】

【0064】
表1に示されているように、本発明に従って調製した架橋繊維(R−7)は、他の既知の架橋パルプ繊維を凌いだ。例えば、本発明のマーセライズ処理をせずに架橋したR−7のCRC値は、より精製してマーセライズ処理をしたR−10及びR−16パルプから得た架橋対照物のCRC値よりはわずかに大きいものの、P&G STC及びWeyerhaueser HBA繊維製品に対するそのCRC値をはるかに下回って、R−7繊維から得られた架橋シート製品のAL用途に対する適正が確認された。
【0065】
B.ヘミセルロース含有量
R−16、R−10及びR−7繊維についてアルファ(α)−セルロース及びヘミセルロース含有量を測定し、その結果を表2に示す。具体的には、分析は、2つのヘミセルロース糖類、キシロース及びマンノースについて行った。木材糖分の分析には3つの主なステップである、加水分解、分離及び検出が存在する。使用した方法において、パルプ中に存在するヘミセルロース炭水化物は、2段階でそれらを加水分解してそれぞれの糖モノマーにした後、糖の分析で普通に使用される方法であるパルス電流検出器による高pH陰イオン交換クロマトグラフィー(HPAEC/PAD)[例えば、R. D. Rocklin & C.A. Pohlの「パルス電流検出器を用いる陰イオン交換クロマトグラフィーによる炭水化物の測定(Determination of Carbohydrates by Anion Exchange Chromatography with Pulsed Amperometric Detection)」、J. Liquid Chromatography, 6(9),pp.1577〜1590 (1983);J. J. Worrall & K. M. Andersonの「木材糖分の陰イオンクロマトグラフィーによる分析のための試料調製(Sample Preparation for Analysis of Wood Sugars by Anion Chromatography)」、J. Wood Chem. and Tech., 13(3), pp. 429〜437 (1993)]にかけた。酢酸ナトリウム/水酸化ナトリウム(NaCOCH/NaOH)洗浄溶離液を用いるこの特定のHPAEC/PAD法の詳細な説明が、M. W. Davisの「パルス電流検出による高pH陰イオン交換クロマトグラフィー(HPAEC/PAD)によるリグノセルロースの炭水化物組成分析のための修正された迅速な方法(A Rapid Modified Method for Compositional Carbohydrate Analysis of Lignocellulosics by High pH Anion-Exchange Chromatography with Pulsed Amperometric Detection (HPAEC/PAD))、J. Wood Chem. and Tech., 18(2), pp. 235〜252 (1998)の中で見出される。上の文献は、すべて、参照により組み込む。
【0066】
試料調製中、試料は、2段階の加水分解を受けさせた。パルプ試料(0.355±0.005g)は、最初に、72%w/wの硫酸(3.0mL)により、30.0℃で60分間の処理をした。モノマーのオリゴマーへの逆戻りを最少にするために、1時間後、72%硫酸中の試料を84mLの脱イオン水(≧18.1MΩ)で希釈し、その希釈した試料をオートクレーブ中120℃(15psi)で20分間加熱した。冷却後、その試料を0.45ミクロンのイオンクロマトグラフィーフィルターにより濾過し、クロマトグラフ分析のためにさらに希釈した。
【0067】
HPAEC/PADによるクロマトグラフ分析を、CarboPac PAl(Dionex)分析カラム、分離液(水)とカラム洗浄液(200mMのNaOH中の170mMのNaCOCH)のためのGP40グラジエントポンプ、ポストカラム移動相(300mMのNaOH)用のPC10空気調節器、及びDionex ED40電気化学的検出器を備えたDionex DX500イオンクロマトグラフィーシステムを用いて実施した。
【0068】
結果を表2に示す。
【表2】

【0069】
表2に示されているように、本発明のセルロース繊維(即ち、R−7)は、より低い強度の苛性溶液の使用によってはるかに高いヘミセルロース含有量を有している。同時にこの結果により、表1と組み合わせて見ると、従来技術の教示に反して、本発明が、従来技術において許容される閾値より高い(即ち、7%を超える)ヘミセルロース含有量をそれらが有していてさえ、許容されるAUL、CAP、及びCRC値を有する実行可能な架橋繊維を生じることが確認される。
【0070】
C.ノット含有量
本発明の架橋繊維の実行可能性をさらに確認するために、R−7製品のノット含有量を測定し、ジョンソン繊維分類法(the Johnson Fiber Classification)を用いて既存の市販製品と比較した。具体的には、毛羽状形態の試料を気流中で連続的に分散させた。分散中、ほぐれている繊維は、14メッシュ(1.18mm)の網、次いで42メッシュ(0.2mm)の網を通過した。分散室に残ったパルプ塊(ノット)及び42メッシュの網にかかったものを取り出して計量した。前者を「ノット」、後者を「アクセプト」と呼ぶ。これら2つを合わせた重量を最初の重量から差し引き、0.2mmの網を通過した繊維の重量を決定する。これらの繊維を「ファイン」と呼ぶ。
【0071】
結果を表3に示す。
【表3】

【0072】
表3に示すデータにより、本発明の架橋繊維が当技術において許容されている上限より高い量のヘミセルロースを含有しているのに、DP−80で架橋したR−7シート製品は、それにもかかわらず、「ノット」の含有量が、確立されている15%の限界値をはるかに下回ることが確認された。したがって、この結果により、本発明で採用した架橋の化学反応は、意外にもヘミセルロース含有量の高いパルプシート又はボードを架橋のための供給原料として使用することを可能にすることがさらに確認された。
【0073】
その上、表3により、R−7繊維から得られたDP−80で架橋した製品は、市販のP&G STC及びWeyerhaueser HBA繊維製品のいずれよりも少ない「ノット」を含有していることが確認された。「ファイン」のレベルもまた、同程度であった。
【0074】
(実施例2)
Rayfloc供給原料を、低温の苛性抽出条件で、4%NaOH溶液により25℃で前処理/精製をした後にシート形態でDP−80により架橋した以外は、実施例1を繰り返した。
【0075】
A.ヘミセルロース含有量
実施例1で記した手順を用いて、この試料のα−セルロース及びヘミセルロース含有量を測定した。その結果を表4に示す。
【表4】

【0076】
表4に示されているデータにより、マーセライズ処理ではない条件下でより低い強度の苛性溶液により処理したR−4は、R−7よりさらに高いヘミセルロース含有量、したがってより低いα−セルロース含有量を有することが確認された。
【0077】
B.吸収性試験
実施例1で記した方法で、DP−80(5.8%)により架橋したR−4繊維から形成したシートを、プレス成型後湿潤した形態で209℃に設定したオーブン中に入れ、合計6分間の乾燥と硬化を同時に行った。これにより、その高いヘミセルロース含有量にもかかわらず、意外にも既知の商品と同等以上の製品が得られた。具体的には、R−4繊維についての吸収性の試験結果を、DP−80で架橋したR−7の製品、及び2つの市販の架橋製品(P&G及びWeyenhaueser)について得られた前の結果と比較して下の表5に示す。
【表5】

【0078】
表5のデータにより、架橋R−4繊維が、架橋R−7のものと同程度のAUL、CAP及びCRC値を有することが確認された。R−4の製品は、P&G及びWeyenhaueserの商品より良好なCRC値を生じたので、上記結果は、架橋R−4セルロースパルプ繊維が商業的に実現可能であることを示している。
【0079】
表1及び表5の結果は、苛性抽出強度が減少する(即ち、16%から4%NaOH濃度に)と、CRC値が増大することを示している。また、低い苛性抽出強度により純度が低下する(例えば、出発シート原料の高いヘミセルロース含有量)と、製品の色が問題となり得る。しかしながら、多くの最終用途において、色は障害ではなく、それは硬化時の温度制御により一層の注意を払うことによって制御することができる。
【0080】
C.ノット含有量
実施例1に記載したジョンソン格付け結果の手順を用いて、R−4製品のノット含有量を測定し、他のセルロースパルプ繊維製品と比較した。その結果を表6に表示する。
【表6】

【0081】
表6に示されているように、架橋したR−4製品の毛羽状試料におけるノット含有量は、R−7製品のそれより高く、製品実行可能性に対してこの分野で確立されている15%のノット含有量閾値より大幅に高い。しかしながら、意外にも、この閾値を著しく超えているにもかかわらず、表5により、R−4繊維は、なお商業的に実現可能であることが確認される。「ファイン」の含有量の程度が低いことによりこの意外な結果を説明できるものと考えられる。例えば、本発明で採用する方法の結果として、R−4繊維は、他の繊維ほどもろくはなく、したがって、毛羽状化の際に高いファイン含有量をもたらすことがなく、その結果、吸収性能を解決する。
【0082】
とは言っても、R−4製品の高い「ノット」含有量のために、多すぎる「ノット」の吸収材毛羽状製品は、一定の用途に対しては美的に不利であり得、それらを均一に空気堆積して選ばれる製品にしようと試みる場合は困難を引き起こすことがあり得る。
【0083】
(実施例3)
プレス成型後湿潤試料を平均温度198℃に設定したオーブン中に入れ、合計4.5分間の乾燥及び硬化を同時に行った以外は実施例1に記載した手順を用いて、Rayfloc原料パルプを7%のNaOHにより65℃で苛性抽出にかけ、その後シート形態で6.0%のDP−80を用いて架橋した。この試料を「R−7−65℃」と呼ぶ。
【0084】
A.ヘミセルロース含有量
実施例1で概要を述べた手順に従い、R−7−65℃繊維のヘミセルロース糖類及びα−セルロース含有量を測定し、実施例1によるR−7試料(以後、「R−7−25℃」)と比較した。その結果を表7に示す。
【表7】

【0085】
表7に示されているように、R−7−65℃のヘミセルロース含有量は、R−7−25℃より高い(したがって、その試料は純度が低い)。
【0086】
B.吸収性試験
R−7−65℃パルプ製品のAUL、CAP、及びCRC値を、実施例1に記載した手順を用いて測定し、先に測定した製品と比較した。その結果を表8に示す。
【表8】

【0087】
表8の結果により、R−7−65℃の製品は、純度が低い(即ち、高いヘミセルロース含有量を有する)にもかかわらず、R−7−65℃繊維は、R−7−25℃繊維及び2つの商品(P&G及びWeyerhaueser)と比較して同程度の吸収特性を生じることが確認された。
【0088】
C.ノット含有量
R−7−65℃の製品のノット含有量を、実施例1に記載した手順を用いて測定し、先に測定した製品と比較した。その結果を表9に示す。
【表9】

【0089】
これらのジョンソン繊維格付けの結果により、R−7−65℃由来の架橋製品の「ノット」含有量の程度が、許容される(従来技術により教示されている15%の閾値を十分下回る)こと、並びにP&G及びWeyerhaueserの2つの商品と同等以上に良好であることが確認される。
【0090】
本発明の好ましい実施形態であると現時点で考えられることを記載してきたが、当業者であれば、本発明の精神から外れることなくそれを変更及び修正することができることを認識するであろうし、すべての上記変更及び修正は、本発明の正当な範囲に含まれるものとして主張するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート形態の架橋セルロース繊維を調製する方法であって、
(a)カルボン酸ポリマー架橋剤を、マーセライズ処理ではない条件(non−mercerizing condition)下で苛性溶液(caustic solution)により予め処理されているセルロース繊維のシートに塗布するステップと、
(b)前記セルロース繊維のシートにおける前記架橋剤を硬化して繊維内架橋を形成させるステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記セルロース繊維のヘミセルロース含有量が、8%を超える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セルロース繊維のヘミセルロース含有量が、10%を超える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記セルロース繊維のヘミセルロース含有量が、8から15%の間である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(a)において製造したシートを、ステップ(b)の前に乾燥する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記繊維が、10%未満の苛性溶液強度(caustic solution strength)で処理されている請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記繊維が、8%未満の苛性溶液強度で処理されている請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記カルボン酸ポリマー架橋剤が、マレイン酸モノマーのホモポリマー、マレイン酸モノマーのコポリマー、マレイン酸モノマーのターポリマー又はそれらの混合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記カルボン酸ポリマー架橋剤が、約400から約10000までの平均分子量を有する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記カルボン酸ポリマー架橋剤が、約400から約4000までの平均分子量を有する請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記カルボン酸ポリマー架橋剤が、約1.5から約5.5までのpHを有する請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記カルボン酸ポリマー架橋剤が、約2.5から約3.5までのpHを有する請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記架橋剤が、C〜Cポリカルボン酸を含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記繊維が、約8.0g/gを超える荷重下吸収能(an absorbency under load)を有する請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記繊維が、約9.0g/gを超える荷重下吸収能を有する請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記繊維が、約9.0g/gを超える吸収能(an absorbent capacity)を有する請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記繊維が、約10.0g/gを超える吸収能を有する請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記繊維が、約0.6g/g未満の遠心保持能(a centrifuge retention capacity)を有する請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記繊維が、約0.55g/g未満の遠心保持能を有する請求項1に記載の方法。
【請求項20】
優れた吸収特性を有する架橋セルロース繊維のシートを調製する方法であって、
(a)マーセライズ処理ではない条件下で苛性溶液により予め処理されているセルロース繊維の湿式堆積シート(a wet laid sheet)を形成するステップと、
(b)カルボン酸ポリマー架橋剤を前記セルロース繊維のシートに適用して該架橋剤が含浸したシートを形成するステップと、
(c)前記含浸したセルロース繊維のシートにおける前記架橋剤を硬化して繊維内架橋を形成させるステップと
を含む方法。
【請求項21】
前記ステップ(b)において製造した含浸シートを、ステップ(c)の前に乾燥する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記セルロース繊維のヘミセルロース含有量が、8%を超える請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記セルロース繊維のヘミセルロース含有量が、10%を超える請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記セルロース繊維のヘミセルロース含有量が、8から15%の間である請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記繊維が、10%未満の苛性溶液強度で処理されている請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記繊維が、8%未満の苛性溶液強度で処理されている請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記カルボン酸ポリマー架橋剤が、マレイン酸モノマーのホモポリマー、マレイン酸モノマーのコポリマー、マレイン酸モノマーのターポリマー又はそれらの混合物を含む請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記カルボン酸ポリマー架橋剤が、約400から約4000までの平均分子量を有する請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記カルボン酸ポリマー架橋剤が、約1.5から約5.5までのpHを有する請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記カルボン酸ポリマー架橋剤が、約2.5から約3.5までのpHを有する請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記架橋剤が、C〜Cポリカルボン酸を含む請求項20に記載の方法。
【請求項32】
前記繊維が、約8.0g/gを超える荷重下吸収能を有する請求項20に記載の方法。
【請求項33】
前記繊維が、約9.0g/gを超える荷重下吸収能を有する請求項20に記載の方法。
【請求項34】
前記繊維が、約9.0g/gを超える吸収能を有する請求項20に記載の方法。
【請求項35】
前記繊維が、約10.0g/gを超える吸収能を有する請求項20に記載の方法。
【請求項36】
前記繊維が、約0.6g/g未満の遠心保持能を有する請求項20に記載の方法。
【請求項37】
前記繊維が、約0.55g/g未満の遠心保持能を有する請求項20に記載の方法。
【請求項38】
セルロース繊維の湿式堆積シートを含む組成物であって、該セルロース繊維が、マーセライズ処理ではない条件下で苛性溶液により処理されており、該苛性処理されたセルロース繊維のシートへのポリカルボン酸ポリマー架橋剤の適用により形成された十分な繊維内架橋を有している、組成物。
【請求項39】
前記セルロース繊維のヘミセルロース含有量が、8%を超える請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
前記セルロース繊維のヘミセルロース含有量が、10%を超える請求項38に記載の組成物。
【請求項41】
前記セルロース繊維のヘミセルロース含有量が、8から15%の間である請求項38に記載の組成物。
【請求項42】
前記繊維が、10%未満の苛性溶液強度で処理されている請求項38に記載の組成物。
【請求項43】
前記繊維が、8%未満の苛性溶液強度で処理されている請求項38に記載の組成物。
【請求項44】
前記カルボン酸ポリマー架橋剤が、マレイン酸モノマーのホモポリマー、マレイン酸モノマーのコポリマー、マレイン酸モノマーのターポリマー又はそれらの混合物を含む請求項38に記載の組成物。
【請求項45】
前記カルボン酸ポリマー架橋剤が、約400から約4000までの平均分子量を有する請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記カルボン酸ポリマー架橋剤が、約1.5から約5.5までのpHを有する請求項44に記載の組成物。
【請求項47】
前記カルボン酸ポリマー架橋剤が、約2.5から約3.5までのpHを有する請求項44に記載の組成物。
【請求項48】
前記セルロース繊維の繊維内架橋が、C〜Cポリカルボン酸からなる架橋剤により形成されている請求項38に記載の組成物。
【請求項49】
バルキング材を含む請求項38に記載の組成物。
【請求項50】
個人衛生物品用の捕捉層を含む請求項38に記載の組成物。
【請求項51】
おむつ、婦人衛生製品、ミートパッド又は包帯用の吸収コアを含む請求項38に記載の組成物。
【請求項52】
タオル材を含む請求項38に記載の組成物。
【請求項53】
フィルター材を含む請求項38に記載の組成物。
【請求項54】
前記セルロース繊維が、該セルロース繊維を湿式堆積処理してシート形態にし、該繊維を該シート形態のままで架橋することにより製造される請求項38に記載の組成物。
【請求項55】
前記繊維が、約8.0g/gを超える荷重下吸収能を有する請求項38に記載の組成物。
【請求項56】
前記繊維が、約9.0g/gを超える荷重下吸収能を有する請求項38に記載の組成物。
【請求項57】
前記繊維が、約9.0g/gを超える吸収能を有する請求項38に記載の組成物。
【請求項58】
前記繊維が、約10.0g/gを超える吸収能を有する請求項38に記載の組成物。
【請求項59】
前記繊維が、約0.6g/g未満の遠心保持容量を有する請求項38に記載の組成物。
【請求項60】
前記繊維が、約0.55g/g未満の遠心保持容量を有する請求項38に記載の組成物。

【公表番号】特表2007−527472(P2007−527472A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534175(P2006−534175)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/032481
【国際公開番号】WO2005/035871
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(506109823)レイヨニーア ティーアールエス ホールディングス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】