説明

架橋法及びそれにより形成された架橋多糖

多糖を架橋する方法は、個別の粒子を粒子内的に架橋するために適切な条件下で、水性媒体中において多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2008年7月22日に出願された米国仮出願第61/135,560号及び2008年4月7日に出願された米国仮出願第61/123,364号(これらは、参照により本明細書に援用される)の利益を主張する。
【0002】
本発明の分野
本発明は、架橋法及びそれにより形成された架橋多糖に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明の背景
カルボキシルメチルグアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、及びヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムグアーガムなどの誘導体化された多糖類を含む多糖類は、パーソナルケア組成物中の含有物を含む各種の用途において使用される入手可能な材料である。
【0004】
そのような多糖類の処理では、流体のままであり、かつ容易に取り扱うことができる多糖粒子の水性分散体の形成を可能にするために、比較的水に不溶である多糖の架橋粒子を形成することが好ましい場合がある。例えば、典型的には、グアーガム類は、「水分離」プロセス(このプロセスでは、グアーガム「分離体」として知られる、グアーガム種から誘導された材料が、水性媒体中の誘導体化剤との反応を受ける)により形成される。一般に、グアーガム分離体の表面を部分的に架橋することによって、洗浄中にグアーガム分離体に吸収される水の量を減らすために、ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム)が、水分離プロセスの反応工程における加工助剤として使用される。ホウ酸塩架橋は、アルカリ条件下で起こり、かつ可逆的であり、生成物を酸性条件下で水和させる。比較的低い濃度での誘導化分離体の水含有量、典型的には、約90質量%以下の水含有量を維持することは、洗浄された誘導化分離体の取り扱い及び製粉を単純化する。架橋が無いときには、洗浄された誘導化分離体の水含有量は、比較的高く、そして、高水含有量の分離体の取り扱い及びさらなる処理は困難である。最終用途(例えば、シャンプーなどの水性パーソナルケア組成物中の増粘剤として)の前に、粘性水性溶液を形成するためにグアーガムの溶解を可能にするべく、架橋されたグアーガムは、典型的には水に分散され、次に、ホウ素の架橋は、グアーガム分散体のpHを調整することにより逆方向に戻される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ホウ酸塩架橋剤の使用は、製品規制要求を作り出すことになるので、幾つかの最終用途では好ましくないであろう。
【0006】
必要なものは、誘導体化グアーガムなどの誘導体化された多糖増粘剤を含む多糖増粘剤の製造及び取り扱いを単純化するための加工助剤としてのホウ素架橋の代替物である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の概要
第一の態様では、本発明は、個別の粒子を粒子内的に架橋するために適切な条件下で、水性媒体中において多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程を含む、多糖を架橋する方法に関する。該多糖粒子を洗浄工程に供する前後で、典型的には、洗浄工程が行われた後に、多糖を架橋する工程が起こる。
【0008】
第二の態様では、本発明は、(a)該粒子を粒子内的に架橋するために適切な条件下で、水性媒体中において多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程;(b)該多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程の前後で、誘導体化多糖粒子を形成するために適切な条件下で、該多糖の粒子に誘導体化剤を反応させる工程及び(c)該架橋及び誘導体化された粒子を洗浄する工程を含む、架橋された誘導体化多糖類の製造方法に関する。
【0009】
別の態様では、本発明は、(a)該粒子を粒子内的に架橋するために適切な条件下で、水性媒体中において多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程;(b)該多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程の前後で、誘導体化多糖粒子を形成するために適切な条件下で、該多糖の粒子に誘導体化剤を反応させる工程;(c)(i)該粒子にチタン化合物を接触させる工程の前後、又は(ii)該粒子に誘導体化剤を反応させる工程の前後のいずれかで、該多糖の粒子を解重合する工程;及び(d)該架橋及び誘導体化された粒子を洗浄する工程を含む、架橋された誘導体化多糖類の製造方法に関する。
【0010】
さらなる態様では、本発明は、(a)誘導体化多糖粒子を形成するために適切な条件下で、該多糖の粒子に誘導体化剤を反応させる工程;(b)誘導体化粒子を洗浄する工程;
(c)誘導体化粒子を洗浄する工程と同時に、又は誘導体化粒子を洗浄する工程の後で、粒子を粒子内的に架橋するために適切な条件下で、誘導体化粒子にチタン化合物を接触させる工程を含む、架橋された誘導体化多糖類の製造方法である。
【0011】
一実施形態では、チタン架橋された多糖の架橋は、可逆的であり、そして脱架橋の反応速度論は、pH感受性である。典型的には、多糖の脱架橋が起こる速度は、pHを下げるとともに増加する。典型的には、水不溶性架橋粒子の形態の多糖を維持することによって、架橋された多糖の水性分散体の流動性を維持するために、架橋された多糖の水性分散体は、約8以上、より典型的には約10以上、より典型的には約12以上のpHに保たれ、そして多糖を脱架橋して、水性媒体中での脱架橋された多糖の溶解を可能にするために、典型的には水性媒体中で多糖の粘性水溶液を形成するために、典型的には、水性媒体のpHを約8以下、より典型的には約7以下の値に調整することにより、架橋は、急速に逆反応させられる。
【0012】
別の態様では、本発明は、上述の方法により製造された誘導体化多糖に関する。
【0013】
さらに別の態様では、本発明は、上述の方法のいずれかにより製造された誘導体化多糖を含む水性組成物に関する。一実施形態では、水性組成物は、組成物の100質量部を基準として、約1〜約30質量部の、前述の方法のいずれかにより製造された、架橋された誘導体化多糖類;約65〜約95質量部の水;及び約5〜約20質量部の電解質を含む。
【0014】
別の実施形態では、水性組成物は、組成物の100質量部を基準として、約1〜約15質量部の、前述の方法のいずれかにより製造された、架橋された誘導体化多糖類及び約85〜約98質量部の水を含む。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の詳細な説明及び好ましい実施形態
本明細書では、一般に、用語「水性媒体」は、水、典型的には10質量%以上の水、より典型的には25質量%以上の水、さらに典型的には50質量%以上の水、及び90質量%未満、より典型的には75質量%未満、さらに典型的には50質量%未満の1つ以上の水混和性有機液体(例えば、エタノール又はイソプロパノールなどのアルコールなど)を含み、かつ所望により水性媒体に溶解した1つ以上の溶質を含んでよい液状媒体を意味する。一実施形態では、水性媒体の液体部分は、基本的に水からなる。本明細書では、用語「水溶液」とは、より具体的には、前記水性媒体に溶解した1つ以上の溶質をさらに含む水性媒体をいう。
【0016】
本明細書では、用語「粒子内的に」は、多糖からなる各々の粒子内を意味するので、「粒子内的に架橋する」とは、粒子間で顕著な架橋を起こすことのない、個別の多糖粒子の多糖分子間での架橋、典型的には、そのような多糖分子のヒドロキシル基間での架橋をいう。
【0017】
適切な多糖類は、糖構成単位のポリマー鎖を含み、そして適切な多糖類としては、例えば、デンプン類、セルロース類、キサンタンガムなどのキサンタン類、レバンなどのポリフルクトース、並びにグアーガム、ローカストビーンガム、及びタラガムなどのガラクトマンナン類が挙げられる。多糖類は、水性媒体中で余り溶けないので、典型的には、水性媒体に分散した個別の固体相のままである。
【0018】
一実施形態では、多糖は、デンプン又はセルロースである。
【0019】
一実施形態では、多糖は、イヌリン又はレバンなどのポリフルクトースである。一実施形態では、多糖は、レバンであり、それは、β−2,1結合を介して分岐しており、β−2,6結合を介して結合した5員環を含むポリフルクトースである。レバンは、138℃のガラス転移温度を示し、微粒子形態で入手できる。1〜2百万の重量平均分子量では、高密度球状粒子の直径は、約85nmである。
【0020】
一実施形態では、多糖はキサンタンである。キサンタン類としては、限定されるものではないが、キサンタンガム及びキサンタンゲルが挙げられる。キサンタンガムは、グラム陰性細菌により形成された多糖ガムであり、主ヘキソース単位としてD−グルコース、D−マンノース、D−グルクロン酸を含み、またピルビン酸も含み、そして部分的にアセチル化されている。
【0021】
一実施形態では、多糖はガラクトマンナンである。ガラクトマンナン類は、主に単糖類マンノース及びガラクトースからなる多糖類である。マンノース要素は、由来する植物に応じて、様々な距離の1,6架橋−D−ガラクトピラノシル残分を有する、数百の(1,4)−β−D−マンノピラノシル残分からなる鎖を形成する。ガラクトマンナン類の天然物は、グアーガム、グアー分離体、ローカストビーンガム及びタラガムを含む多数の供給源から入手できる。さらに、またガラクトマンナン類は、典型的な合成経路により得られ、天然ガラクトマンナン類の化学改質又は他の一般に知られている経路により得られることができる。
【0022】
一実施形態では、多糖ローカストビーンガムである。ローカストビーンガム又はイナゴマメガムは、イナゴマメ(Ceratonia siliqua)の木の種の精製された内肺乳である。この種類のガムに関するガラクトース:マンノースの比は、約1:4である。
【0023】
一実施形態では、多糖はタラガムである。タラガムは、タラの木の精製された種ガムに由来する。ガラクトース:マンノースの比は、約1:3である。
【0024】
一実施形態では、多糖はグアーガムである。主に粉砕後の「グアー粉」と呼ばれるグアーガムとは、豆科植物グアー(Cyamopsis tetragonolobus)の種から発見されたゴムのりをいう。水可溶性画分(85%)は、(1,6)結合により結合されたα−D−ガラクトピラノシル単位を有する(1,4)−β−Dマンノピラノシル単位の直鎖からなる「グアラン」と呼ばれる。グアラン中のD−ガラクトース:D−マンノースの比は、約1:2である。グアーガムは、熱水又は冷水中では分散性の白粉の形態を取ってよい。典型的には、天然グアーガムは、約2,000,000〜約5,000,000g/モルの重量平均分子量を有する。
【0025】
グアー種は、一対の固い非脆性内肺乳領域(以下、不安定な胚(胚芽)に挟まれた「グアー分離体」という)からなる。脱皮後、種は分けられ、胚芽(種の43〜47%)は、ふるい分けにより除去され、そして分離体は粉砕される。粉砕された分離体は、約78〜82%のガラクトマンナン多糖及び少量の幾つかのタンパク性材料、無機塩、水不溶性ガム、及び細胞膜、並びに幾つかの残りの種皮及び胚を含むことが分かっている。
【0026】
一実施形態では、多糖粒子は、スケール及び光学顕微鏡を用いて測定したときに約2〜約5mmの平均粒径を有する粒子の形態のグアー分離体である。
【0027】
適切なチタン化合物は、水性媒体中で可溶性の、チタン(II)、チタン(III)、チタン(IV)、及びチタン(VI)化合物である。
【0028】
一実施形態では、チタン化合物は、チタン(IV)化合物、つまりチタン化合物のチタン原子が+4の酸化状態であるチタン化合物である。
【0029】
一実施形態では、チタン化合物は、チタン塩、より典型的には水溶性チタン塩(例えば、四塩化チタン、四臭化チタン、又はテトラアミノチタネートなど)である。
【0030】
一実施形態では、チタン化合物は、1つ以上のチタンキレートを含む。適切なチタンキレートは、入手可能であり、適切なチタンキレートとしては、例えば、チタンアセチルアセトネート、トリエタノールアミンチタネート、及び乳酸チタンが挙げられる。
【0031】
一実施形態では、チタン化合物は1つ以上のチタンエステルを含む。適切なチタンエステルは、入手可能であり、適切なチタンエステルとしては、例えば、n‐ブチルポリチタート、チタンテトラプロパノラート、オクチレングリコールチタネート、テトラ−n‐ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラ−イソプロピルチタネート、及びテトラ−イソプロピルチタネートが挙げられる。
【0032】
一実施形態では、チタン化合物は、ジイソプロピルジ−トリエタノールアミノチタネート、チタネート(2−)、ジヒドロキシビス[2−ヒドロイプロパナト(hydroypropanato)(2−)−O1,02]、アンモニウム塩、チタンアセチルアセトネート、チタンオルトエステル、塩化チタン(IV)、及びそれらの混合物から選択される。
【0033】
一実施形態では、多糖粒子は、それぞれのグアー分離体粒子のヒドロキシル基を少なくとも部分的に架橋するのに適切な条件下で、水性媒体中でチタン化合物と接触させられる。典型的には、架橋は、グアー分離体粒子間で顕著な架橋を起こすことなく、粒子内的に、つまりグアー分離体の各粒子内で、該粒子のヒドロキシル基間で起こる。
【0034】
一実施形態では、多糖粒子は、水性媒体中でチタン化合物の溶液と接触させられる。
【0035】
一実施形態では、水性媒体は、媒体の100質量部を基準として、約0.1〜約15質量部、より典型的には約0.5〜約10質量部、さらに典型的には約1〜約5質量部のチタン化合物を含む。
【0036】
一実施形態では、水性媒体は、約6〜約14、より典型的には約6〜約8のpHを有する。
【0037】
一実施形態では、工程(a)における水性媒体及びグアー分離体は、水性媒体及び多糖粒子の合計量の100質量部を基準として、約20〜約90質量部、より典型的には約30〜約60質量部の水性媒体、及び約10〜約80質量部、より典型的には約40〜約70質量部の多糖粒子を含む。
【0038】
一実施形態では、多糖粒子は、約10〜約90℃、より典型的には約15〜約35℃、さらに典型的には約20〜約30℃の温度で、水性媒体中でチタン化合物と接触させられる。
【0039】
一実施形態では、多糖粒子は、約1分〜約2時間、より典型的には、約5分〜約60分、さらに典型的には、約15〜約35分の期間に亘って、水性媒体中でチタン化合物と接触させられる。
【0040】
多糖類の誘導体を形成するプロセスが、一般に知られている。典型的には、多糖は、好ましい置換基を有するグアー多糖を形成する適切な反応条件下で、1つ以上の誘導体化剤と反応させられる。適切な誘導体化試薬は、入手可能であり、典型的には、1分子当たり、エポキシ基、クロロヒドリン基、又はエチレン性不飽和基などの反応性官能基、及びカチオン性、非イオン性又はアニオン性置換基などの少なくとも1つの他の置換基、又は置換基がアルキレン又はオキシアルキレン基などの二価の連結基により誘導体化剤の反応性官能基と結合されることができるような置換基の前駆体を含む。適切なカチオン性置換基としては、一級、二級若しくは三級アミノ基又は四級アンモニウム、スルホニウム、若しくはホスヒニウム(phosphinium)基が挙げられる。適切な非イオン性置換基としては、ヒドロキシプロピル基などのヒドロキシアルキル基が挙げられる。適切なアニオン性基としては、カルボキシメチル基などのカルボキシアルキル基が挙げられる。カチオン性、非イオン性及び/又はアニオン性置換基は、一連の反応を経て、又はそれぞれの適切な誘導体化剤との同時の反応により、グアー多糖鎖に導入されることができる。
【0041】
一実施形態では、多糖は、ヒドロキシアルキル及び/又はポリ(アルキレンオキシ)置換基をグアー多糖鎖に加える既知のアルコキシル化条件下で、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はブチレンオキシドなどのアルキレンオキシド誘導体化剤と反応させられる。
【0042】
一実施形態では、多糖は、グアー多糖鎖にカルボキシアルキル基を加える既知のエステル化条件下で、ナトリウムモノクロロアセテートなどのカルボン酸誘導体化剤と反応させられる。
【0043】
一実施形態では、誘導体化剤は、カチオン性窒素ラジカル、より典型的には四級アンモニウムラジカルを含むカチオン性置換基を含む。典型的な四級アンモニウムラジカルは、トリアルキルアンモニウムラジカル(例えば、トリメチルアンモニウムラジカル、トリエチルアンモニウムラジカル、トリブチルアンモニウムラジカルなど)、アリールジアルキルアンモニウムラジカル(例えば、ベンジルジメチルアンモニウムラジカルなど)、及び窒素原子が環構造の員数であるアンモニウムラジカル(ピリジニウムラジカル及びイミダゾリンラジカルなど)であり、それぞれ対イオン、典型的には塩化物、臭化物、又はヨウ化物対イオンと併用される。一実施形態では、カチオン性置換基は、アルキレン又はオキシアルキレン連結基によりカチオン化剤の反応性官能基と結合している。
【0044】
適切なカチオン化試薬としては、例えば:
エポキシ官能カチオン性窒素化合物、例えば、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなど、
クロロヒドリン官能カチオン性窒素化合物(例えば、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル−ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル−ステアリルジメチルアンモニウムクロリドなど)、及び
ビニル−若しくは(メタ)アクリルアミド−官能窒素化合物(例えば、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなど)
が挙げられる。
【0045】
一実施形態では、カチオン性グアー分離体、つまりカチオン性官能基を有する誘導体化グアー分離体を形成するために、多糖は、比較的穏やかな条件(例えば、40℃〜70℃の温度に加熱する)下で、水性媒体中において塩基の存在下で、クロロヒドリン官能性四級アンモニウム化合物と反応させられる。
【0046】
一実施形態では、多糖は、適切な反応条件下で水性媒体中における1つ以上の誘導体化剤との多糖の反応により少なくとも一部の置換基が加えられている、1分子当たり1つ以上の置換基を有する多糖分子を含む。
【0047】
一実施形態では、誘導体化多糖は、1つ以上の誘導体化反応工程において適切な反応条件下で水性媒体中における1つ以上の誘導体化剤との多糖の反応により全て又は実質的に全ての置換基が加えられている、1分子当たり1つ以上の置換基を有する多糖分子を含む。
【0048】
一実施形態では、誘導体化多糖は、第一液状媒体中の適切な反応条件下における1つ以上の第一の誘導体化剤との多糖の反応により置換基の第一の部分が加えられていて、かつ適切な反応条件下での第二液状媒体中における1つ以上の第二誘導体化剤との多糖の反応により置換基の第二の部分が加えられている(ただし、第一液状媒体及び第二液状媒体の少なくとも1つが水性媒体である)、1分子当たり1つ以上の置換基を有する多糖分子を含む。
【0049】
一実施形態では、第一及び第二の液状媒体は、それぞれ水性媒体である。一実施形態では、第一及び第二の液状媒体は、それぞれ同じ水性媒体である。第一及び第二の液状媒体が同じ水性媒体である実施形態では、第一及び第二の誘導体化剤による誘導体化反応は、水性媒体中で同時に又は連続的に行なわれることができる。
【0050】
一実施形態では、第一及び第二の液状媒体の一方は、水性媒体であり、第一及び第二の液状媒体の他方は、水性媒体以外の液状媒体であり、そして第一液状媒体中の誘導体化反応は、第二液状媒体中の誘導体化反応前に行なわれる。一実施形態では、第一液状媒体は水性媒体であり、そして第二液状媒体は、例えば、極性有機溶媒、より典型的には水混和性有機溶媒などの水性媒体以外の液状媒体である。一実施形態では、第一液状媒体は、水性媒体以外の液状媒体であり、そして第二液状媒体は水性媒体である。
【0051】
一実施形態では、水膨潤ガムの100質量部当たり、約30〜60質量部、より典型的には30〜50質量部のグアー分離体、及び40〜70質量部、より典型的には50〜70質量部の水を含む水膨潤ガムの形態の水性媒体中において、誘導体化剤とのグアー分離体の反応により、誘導体化多糖は形成される。
【0052】
一実施形態では、誘導体化多糖に水性洗浄媒体を接触させる工程は、適切な反応条件下の水性反応媒体中での誘導体化剤との多糖の反応による工程の次に、行なわれる。一実施形態では、水性反応媒体中の誘導体化剤とのグアー分離体の反応により形成された水膨潤ガムは、水性洗浄媒体と接触させられる。
【0053】
一実施形態では、誘導体化多糖は、誘導体化グアー分離体を洗浄する前に、典型的には約50℃以下の温度に冷却される。
【0054】
一実施形態では、誘導体化多糖に水性媒体を接触させ、次に、誘導体化多糖から、水性濯ぎ溶液の形態の水性洗浄媒体を物理的に分離する(ただし、接触及び分離工程が1つの「洗浄工程」を構成する)ことにより、誘導体化多糖は水性媒体で洗浄される。
【0055】
1つ以上の洗浄工程が、任意の適切なプロセス容器内で行われる。各洗浄工程が、例えば攪拌混合容器における、回分プロセスとして、又は、例えば誘導体化グアー分離体の流れが、水性洗浄媒体の並流又は向流と接触させられるカラム内などの連続プロセスとして、行なわれることができる。
【0056】
一実施形態では、水性洗浄媒体は、基本的に水、さらに典型的には脱イオン水からなる。
【0057】
一実施形態では、誘導体化多糖は、洗浄工程ごとの各誘導体化多糖固体の1キログラム(kg)当たり、約2〜約30kg、より典型的には、約5〜約20kg、さらに典型的には、約5〜約15kgの水性洗浄媒体と接触させられる。
【0058】
一実施形態では、各洗浄工程は、洗浄工程当たり約30分以下、より典型的には、約30秒〜約15分、さらに典型的には約1分〜約8分の接触時間に亘って、誘導体化多糖に水性洗浄媒体を接触させる工程を含む。
【0059】
洗浄された誘導体化多糖は、例えば、ろ過及び/又は遠心分離などの任意の適切な脱水手段により水性洗浄媒体から分離される。一実施形態では、洗浄された誘導体化多糖は、遠心分離により洗浄液体から分離される。
【0060】
一実施形態では、脱水チタン架橋された誘導体化グアー分離体は、約80質量%以下、より典型的には約70質量%以下の含水量を有する。誘導体化グアー粒子を形成するために、脱水された誘導体化多糖粒子は、乾燥され、そして粉砕される。
【0061】
一実施形態では、誘導体化多糖は、任意の適切な乾燥手段(例えば、空気乾燥、流体床乾燥、フラッシュ粉砕、冷凍乾燥など)により、約20質量%以下、より典型的には約15質量%以下の水含有量まで乾燥される。
【0062】
一実施形態では、乾燥チタン架橋された誘導体化グアー分離体は、任意の適切な粒径減少手段(例えば粉砕機など)により粉砕される。一実施形態では、グアー分離体は、「フラッシュ製粉」手順(グアー分離体の流れ及び加熱された空気の流れは、粉砕機中に同時に導入される)において同時に乾燥される。
【0063】
一実施形態では、本発明によるチタン架橋された誘導体化多糖は、カチオン性置換基、非イオン性置換基、及びアニオン性置換基からなる群から各部位ごとに独立して選択される置換基によって多糖の1つ以上の部位が置換されている、ガラクトマンナン多糖を含む。
【0064】
一実施形態では、本発明によるチタン架橋された誘導体化多糖は、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムグアー、ヒドロキシプロピルラウリルジメチルアンモニウムグアー、ヒドロキシプロピルステアリルジメチルアンモニウムグアー、ヒドロキシプロピルグアー、カルボキシメチルグアー、ヒドロキシプロピル基及びヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム基を有するグアー、並びにそれらの混合物から選択される。
【0065】
一実施形態では、本発明によるチタン架橋された誘導体化グアーガムは、約0.001〜約3.0の全置換度(DS)を示す。ただし:
DSは、カチオン性置換基のDS(DSカチオン性)、非イオン性置換基のDS(DS非イオン性)及びアニオン性置換基のDS(DSアニオン性)の合計であり、
DSカチオン性は、0〜約3、より典型的には約0.001〜約2.0、さらに典型的には約0.001〜約1.0であり、
DS非イオン性は、0〜3.0、より典型的には約0.001〜約2.5、さらに典型的には約0.001〜約1.0であり、そして
DSアニオン性は、0〜3.0、より典型的には約0.001〜約2.0である。
【0066】
一実施形態では、グアーガムの分子量は、既知の手段、例えば過酸化物による処理により、減少させられる。分子量減少は、実施形態では、チタン化合物による処理の前後、及び誘導体化剤による処理の前後で行なわれ、そしてグアーガムは、チタン化合物によるグアーの架橋後、かつ誘導体化剤によるグアーの処理前に、その分子量を減少させるように処理される。
【0067】
一実施形態では、本発明によるチタン架橋された多糖のホウ素含有量は、質量分析により測定されたときに、検出不能な少量〜約50ppm未満、より典型的には検出不能な少量〜約20ppm未満、さらに典型的には未満〜約10ppm未満の範囲にある。
【0068】
一実施形態では、本発明によるチタン架橋された誘導体化グアーの粒子は、光散乱により測定したときに、約10〜約300マイクロメーター(μm)、より典型的には、約20〜約200μmの平均粒径(D50)を有する。
【0069】
チタン架橋された多糖の架橋は可逆的であり、架橋された多糖は、水の存在下で脱架橋する傾向にある。
【0070】
一実施形態では、(典型的には、分散体の100質量部を基準として、約2〜約15質量部、より典型的には、5〜12質量部の架橋された多糖粒子及び約85〜約98質量部、より典型的には約88〜約95質量部の水を含んでいる)多糖粒子の水性分散体を形成するために、該チタン架橋された多糖の粒子は、約10以上、より典型的には約12以上のpHで水に分散される。約10以上、より典型的には約12以上のpHで架橋された多糖の粒子は、緩やかに脱架橋する傾向がある。緩やかな脱架橋は、水性分散体が流体のままであり、容易に加工可能なままであり、かつ比較的固い水膨潤ゲルを形成しない傾向を有する期間に亘って、多糖粒子を少なくとも部分的に架橋されたままにする。
【0071】
一実施形態では、10以上、より典型的には約12以上のpHでの、チタン架橋されたグアーの粒子の水性分散体(10質量%)は、約10分以上、より典型的には約15分以上の期間で流体を保つ。
【0072】
一実施形態では、チタン架橋された多糖粒子の水性分散体が流体のままである期間は、分散体中の架橋された多糖粒子の濃度を減らすことにより、長期に渡る。一実施形態では、10以上、より典型的には約12以上のpHでのチタン架橋されたグアーの粒子の分散体(5質量%)は、約15分以上、より典型的には約30分以上の期間に亘って流体のままである。
【0073】
一実施形態では、水性媒体中のチタン架橋された多糖粒子の分散体が流体のままである期間は、水性媒体のイオン強度を増やすことにより、長期に渡る。一実施形態では、チタン架橋された多糖の粒子の水性分散体は、分散体の100質量部を基準として、約2〜約15質量部のチタン架橋された多糖粒子及び約85〜約98質量部の水を含む。一実施形態では、チタン架橋された多糖の水性分散体は、分散体の100質量部を基準として、約1〜約30質量部のチタン架橋された多糖粒子、約65〜約96質量部の水、及び約5〜約20質量部の電解質(典型的には、アルカリ金属又はアンモニウム塩、より典型的にはNaCl)を含む。一実施形態では、10以上、より典型的には約12以上のpHでの水性塩溶液中のチタン架橋された多糖粒子の分散体(10質量%)は、約15分以上、より典型的には約20分以上、さらに典型的には30分を超える期間に亘って、流体のままである。
【0074】
約10を超える、より典型的には約12以上のpHでは、チタン架橋された多糖の架橋は、水に容易に膨潤できないか、又は水溶性ではないポリマー網目を効果的に提供する。架橋は、永続的ではなく、非架橋グアー分子を提供するpHに調整することにより、急速に逆方向に戻ることがある。グアー多糖の場合には、非架橋グアー分子は、典型的には、1モル当たり約500,000〜約15,000,000gの重量平均分子量、より典型的には、1モル当たり約1,000,000〜約10,000,000gの重量平均分子量、最も典型的には、1モル当たり約2,000,000〜約5,000,000gの重量平均分子量を示し、粘性水性溶液を形成するために、水に溶解することができる。
【0075】
作用機序に拘束されるものではないが、多糖の一部分は、非逆方向反応のチタン架橋により架橋された2つ又は3つの多糖分子を含み、かつ例えば2〜5個の要因により、単一の非架橋多糖分子の分子量より高い分子量を示している水溶性複合体の形態のままであることが分かっている。
【0076】
本発明によるチタン架橋された多糖は、脱架橋(つまりチタン架橋物の脱離)され、そして約10未満、より典型的には約9未満、さらに典型的には約7以下のpHで水性媒体中で水和することができる。
【0077】
一実施形態では、チタン架橋されたグアー粒子は、架橋を戻すpH調整前に、水性分散体の100質量部当たり、典型的には約0.1〜約2質量部のグアー粒子の量で分散される。一実施形態では、そのような分散体は、チタン架橋された誘導体化グアー粒子のより濃縮された水性分散体を希釈することにより形成される。
【0078】
一実施形態では、水性媒体のpHは、有効量の任意の適切な酸を加えることにより、誘導体化グアーの急速な脱架橋及び水和を可能にするのに有効なpHに調整される。一実施形態では、酸は、クエン酸、酢酸又は塩酸から選択される。一実施形態では、水性媒体のpHは、クエン酸を加えることにより調整される。
【0079】
一実施形態では、本発明によるチタン架橋された誘導体化グアーガムは、8時間以下、より典型的には4時間以下、さらに典型的には2時間以下で、水及び1質量%のグアーガムの混合物を攪拌することにより約7未満のpHで実質的に均質の溶液を形成することができる。本明細書では、用語「少なくとも実質的に均質の溶液」は、目視検査によって単相のように見えるガムを含む水性混合物を意味する。
【0080】
一実施形態では、脱イオン水中の本発明による脱架橋された水和誘導体化グアーガムの1%溶液は、ブルックフィールドRV粘度計(マサチューセッツ州Middleboroのブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ(Brookfield Engineering Laboratories)社)を用いて計測したときに、約50〜約6000センチポアズ(cP)、より典型的には約100〜約5000cPの粘度を示す。
【0081】
本発明の方法により架橋されている多糖類は、例えば、シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、ローション、クリーム、コンディショナー、髭剃り製品、洗顔、中性シャンプー、ヘアースタイルジェル、パーソナルティッシュ、及びスキントリートメントなどのパーソナルケア用途で有用である。
【0082】
一実施形態では、本発明のパーソナルケア組成物は、本発明の方法により架橋されている多糖類、並びに1つ以上の「助剤」、つまり、湿潤又はコンディショニングなどのパーソナルケアの利益をパーソナルケア組成物の使用者に提供する当技術分野で知られているような材料、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤などの洗浄剤、並びに皮膚軟化剤、湿潤剤、コンディショナー、ポリマー、ビタミン、研磨剤、UV吸収剤、抗菌剤、抗ふけ剤、香料、脱色素剤、反射剤、増粘剤、ほぐし/湿潤結合剤、膜形成ポリマー、保湿剤、アミノ酸剤、抗菌剤、アレルギー防止剤、抗にきび剤、老化防止剤、抗しわ剤、消毒剤、鎮痛剤、抗咳剤、抗掻痒剤、局部麻酔剤、抗脱毛剤、育毛促進剤、育毛防止剤、抗ヒスタミン、抗感染剤、炎症防止剤、制吐薬、抗コリン作用剤、血管収縮剤、血管拡張剤、創傷回復促進剤、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質、デオドラント及び制汗剤、薬剤、毛柔軟剤、日焼け剤、美白剤、脱毛剤、髭剃り準備剤、外部鎮痛剤、逆刺激剤、直腸剤、殺虫剤、ツタウルシ製品、カシウルシ製品、焼成製品、抗おしめ発疹剤、あせも剤、化粧調製剤、アミノ酸及びそれらの誘導体、薬草抽出物、レチノイド、フラボイド、感覚剤、抗酸化剤、毛柔軟剤、細胞回転増進剤、着色料、及びそれらの混合物を含む。
【0083】
一実施形態では、本発明のパーソナルケア組成物は、例えば、ピリジンチオン塩、アゾール、硫化セレン、微粒子硫黄、角質溶解薬及びそれらの混合物などの抗ふけ活性物を含む。
【0084】
一実施形態では、本発明によるパーソナルケア組成物は、組成物の100質量部を基準として:
(a)約0.001質量部を超える、より典型的には約0.01〜約0.8質量部、さらに典型的には約0.1〜約0.4質量部の、本発明の方法により架橋されている多糖、及び
(b)約1質量部を超える、典型的には約5〜約20質量部、さらに典型的には約10〜約15質量部の、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物から選択される界面活性剤
を含む水性組成物である。
【0085】
一実施形態では、パーソナルケア組成物の多糖成分は、少なくとも部分的に脱架橋されている。
【0086】
一実施形態では、多糖は、本発明の方法により架橋されているグアーである。
【0087】
一実施形態では、多糖は、本発明の方法により架橋されている誘導体化グアーである。
【0088】
一実施形態では、パーソナルケア組成物は、パーソナルケア助剤、より典型的には、コンディショニング剤、抗ふけ剤、又はこれらの混合物をさらに含む。
【0089】
一実施形態では、本発明による界面活性剤成分(b)のパーソナルケア組成物は、両イオン性界面活性剤、より典型的には、アルキルベタイン及びアミドアルキルベタインから選択される両イオン性界面活性剤を含む。
【0090】
一実施形態では、本発明による界面活性剤成分(b)のパーソナルケア組成物は、両イオン性界面活性剤、より典型的には、アルキルベタイン及びアミドアルキルベタインから選択される両イオン性界面活性剤、並びにアニオン性界面活性剤、より典型的には、アルキルスルフェート及びアルキルエーテルスルフェートの塩から選択されるアニオン性界面活性剤の混合物を含む。
【0091】
パーソナルケア組成物で用いるのに適したカチオン性界面活性剤は、当技術分野でよく知られており、そのカチオン性界面活性剤としては、例えば、パーソナルケア組成物のpH(一般に約pH10以下である)で正電荷のみに帯電するわけではない四級アンモニウム界面活性剤及び四級アミン界面活性剤が挙げられ、そしてカチオン性界面活性剤は、パーソナルケア組成物に可溶性である。一実施形態では、カチオン性界面活性剤は、コカミドプロピルアミンオキシドなどの少なくとも1つのn−アシルアミドプロピルジメチルアミンオキシドを含む。
【0092】
パーソナルケア組成物で用いるのに適したアニオン性界面活性剤は、当技術分野で周知であり、それらとしては、例えば、アンモニウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウレススルフェート、トリエチルアミンラウリルスルフェート、トリエチルアミンラウレススルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウレススルフェート、モノエタノールアミンラウリルスルフェート、モノエタノールアミンラウレススルフェート、ジエタノールアミンラウリルスルフェート、ジエタノールアミンラウレススルフェート、ラウリン酸モノグリセリド硫酸ナトリウム、ナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウレススルフェート、カリウムラウリルスルフェート、カリウムラウレススルフェート、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、アンモニウムココイルスルフェート、アンモニウムラウロイルスルフェート、ナトリウムココイルスルフェート、ナトリウムラウロイルスルフェート、カリウムココイルスルフェート、カリウムラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、モノエタノールアミンココイルスルフェート、モノエタノールアミンラウリルスルフェート、ナトリウムトリデシルベンゼンスルホナート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホナート、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0093】
パーソナルケア組成物で用いるのに適した両性界面活性剤は、当技術分野で周知であり、それらとしては、脂肪族基が直鎖又は分岐鎖の鎖でよい脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く説明されている界面活性剤であって、脂肪族置換基の1つが、約8〜約18個の炭素原子を含み、そして1つがカルボキシ、スルホナート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネートなどのアニオン性水可溶化基を含む界面活性剤が挙げられる。一実施形態では、両性界面活性剤が、ココアンホ酢酸塩、ココアンホ二酢酸塩、ラウロアンホ酢酸塩、及びラウロアンホ二酢酸塩から選択された少なくとも1つの化合物を含む。
【0094】
パーソナルケア組成物で用いるのに適した両イオン性界面活性剤は、当技術分野で周知であり、それらとしては、例えば、脂肪族基が直鎖又は分岐鎖の鎖でよい脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く説明されている界面活性剤であって、脂肪族置換基の1つは、約8〜約18個の炭素原子を含み、1つは、アニオン性基(例えば、カルボキシ、スルホナート、スルフェート、ホスフェート又はホスホネートなど)を含む界面活性剤が挙げられる。適切な両イオン性界面活性剤の特定の例としては、アルキルベタイン、例えば、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチル−α−カルボキシ−エチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシ−エチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシ−プロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチル−γ−カルボキシプロピルベタイン、及びラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)−α−カルボキシエチルベタイン、アミドプロピルベタイン、及びアルキルスルタインなど、例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシ−エチル)スルホプロピルベタイン、及びアルキルアミドプロピルヒドロキシスルタインなどが挙げられる。
【0095】
パーソナルケア組成物で用いるのに適した非イオン性界面活性剤は、当技術分野で周知であり、それらとしては、例えば、約8個〜約22個の炭素原子を含むアルキル基を有する長鎖アルキルグルコシド;コカミドMEA、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、及びそれらの混合物などのヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドが挙げられる。
【0096】
一実施形態では、パーソナルケア組成物は、コンディショニング剤をさらに含む。パーソナルケア組成物で用いるのに適したコンディショニング剤は、当技術分野で周知であり、それらとしては、特定のコンディショニングの利益を髪及び/又は肌に与えるために使用される任意の材料が挙げられる。ヘアトリートメント組成物では、適切なコンディショニング剤は、光沢、柔軟性、耐電防止性、湿潤取り扱い性、損傷、管理容易性、及び身体に関する1つ以上の利益を供給するものである。典型的には、本発明によるパーソナルケア組成物に有用なコンディショニング剤は、乳化液体粒子を形成するか、又は上記で説明したようなアニオン性界面活性剤成分中で界面活性剤ミセルにより可溶化される、水不溶性、水分散性及び不揮発性の液体を含み、それらとしては、一般に、シリコーンオイルなどのシリコーン、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高反射性シリコーン、及びシリコーン樹脂、及び有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素オイル、ポリオレフィン、及び脂肪エステルなど)として特徴付けられるコンディショニング剤が挙げられる。
【0097】
適切なシリコーンコンディショニング剤としては、例えば、ポリ(ジメチルシロキサン)などのポリ(アルキルシロキサン)、シクロメチコン四量体、五量体及び六量体の混合物などの環状ポリ(アルキルシロキサン)、並びにポリ(メチルフェニルシロキサン)などのポリ(アルキルアリールシロキサン)のようなポリオルガノシロキサンなどのシリコーン流体が挙げられる。
【0098】
パーソナルケア組成物中のコンディショニング剤として使用するための適切な有機コンディショニングオイルとしては、脂肪エステル、典型的には、少なくとも10個の炭素原子を有するものが挙げられる。これらの脂肪エステルとしては、脂肪酸又はアルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステルが挙げられる。これらの脂肪エステルのヒドロカルビル基は、それらと共有結合している他の互換性がある官能基{アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ又はエーテル結合など)など}を含むか、又は有してよい。適切な脂肪エステルとしては、例えば、イソプロピルイソステアレート、ヘキシルラウレート、イソヘキシルラウレート、イソヘキシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、デシルオレエート、イソデシルオレエート、ヘキサデシルステアレート、デシルステアレート、イソプロピルイソステアレート、ジヘキシルデシルアジペート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、セチルラクテート、オレイルステアレート、オレイルオレエート、オレイルミリステート、ラウリルアセテート、セチルプロピオネート、及びオレイルアジペートが挙げられる。パーソナルケア組成物で用いるのに適した他の脂肪エステルは、多価アルコールエステルとして知られるものである。そのような多価アルコールエステルとしては、アルキレングリコールエステルが挙げられる。パーソナルケア組成物で用いるのに適したさらに他の脂肪エステルは、限定されるものではないが、モノ−、ジ−、及びトリ−グリセリド、好ましくは、ジ−及びトリ−グリセリド、より好ましくはトリグリセリドを含むグリセリドである。各種のこれらの種類の材料は、植物及び動物脂肪及び油(例えば、ヒマシ油、ベニバナ油、脱脂綿種油、トウモロコシ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボガド油、パーム油、ゴマ油、羊毛脂及びダイズ油など)から得られる。合成潤滑油としては、限定されるものではないが、トリオレイン及びトリステアリングリセリルジラウレートが挙げられる。
【0099】
一実施形態では、本発明による誘導体化グアーガムは、肌、髪、及び/又は爪の上又は中へのコンディショニング剤(より典型的には、シリコーンコンディショニング剤)の向上された供給を提供する。
【0100】
本発明によるパーソナルケア組成物は、所望により、助剤(例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン及びイミダゾリジニル尿素などの保存剤、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムなどの電解質、ポリビニルアルコールなどの増粘剤、クエン酸及び水酸化ナトリウムなどのpH調整剤、真珠光沢又は乳白剤、染料並びにエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどの金属イオン封鎖剤など)に加えて、他の含有物をさらに含んでよい。
【実施例】
【0101】
実施例1
プロセス水(約26質量部)及びチタン化合物(約0.4質量部)をそれぞれ反応容器に入れて、次に、その反応容器含有物を5分間混合した。次に、グアー分離体(43質量部)を反応容器に入れて、次に、その反応容器含有物を30分間混合した。カチオン性誘導体化剤(Quat 188、約17質量部)を緩やかに反応容器に加え、次に、その反応容器含有物を30分間混合した。次にNaOH(約13質量部)を緩やかに加え、次に反応容器含有物を20分間混合した。次に反応容器含有物を加熱して、60〜65℃の温度範囲内に60分維持した。次に、反応容器含有物を40℃未満に冷却し、回収した。チタン架橋された誘導体化分離物を、2分間に亘って2回、それぞれ水によって、10質量部の水:1質量部の分離物の比で洗浄し、ろ過し、回収し、フラッシュミリングした。
【0102】
チタン架橋された誘導体化グアーガムの5%分散体の粘度を12のpHで測定した。95gの脱イオン(DI)水を0.5NのNaOHによって12のpHに調整して、5gのチタン架橋された誘導体化グアーガムを加えて攪拌した。#3スピンドルを備えたブルックフィールドRV粘度計を20rpmで用いて、分散体の粘度を25℃で測定した。粘度結果をセンチポアズ(cP)単位の表Iにおいて後述する。
【0103】
チタン架橋された誘導体化グアーガムの1%分散体のpHを4の値に調整して、架橋を戻して、次に粘度を測定した。25gのチタン架橋された誘導体化グアーガムの5%分散体をDI水によって125gに希釈し、50%クエン酸を加えることにより、得られた1%分散体のpHを4に調整して、pH調整の直後と、さらに混合の2時間後に、スピンドルを用いて、粘度範囲に適した速度で、ブルックフィールドRV粘度計を用いて、1%分散体の粘度を25℃で測定した。粘度結果をセンチポアズ(cP)単位の下記表Iにおいて説明する。
【0104】
【表1】

【0105】
実施例2
実施例1Aについて説明されたものと類似の態様で実施例2のチタン架橋されたグアーを形成して、25gの5%グアー分散体を脱イオン水によって125gに希釈し、下記表IIに示す酸によってpHを下記表IIに示す値に調整することにより、脱架橋して、次に実施例1A〜1Eについて上記で説明されたように、つまり、スピンドルを用いて、粘度範囲に適した速度で、下記表IIに示すpH調整の後の時間間隔で、25℃でブルックフィールドRV粘度計を用いることにより、粘度結果を得るための組成物を測定した。
【0106】
【表2】

【0107】
上記表IIで提供された結果によって、クエン酸によるチタン架橋されたグアー分散体のpHの調整が、酢酸又はHalよりも、チタン架橋されたグアーの架橋をより速く、かつ効率的に戻すことが示される。
【0108】
実施例3
下記表IIIに示したように、使用されるチタン化合物の量及び洗浄回数を変えたこと以外は、実施例1Aについて上記で説明されたものと類似する態様で形成されたチタン架橋されたグアーを実施例3A、3B、3C及び3Dのコンディショニングシャンプー中の含有物として使用した。いずれの場合にも、列挙した成分を混合容器中で合わせて混ぜることにより、シャンプーを調製した。
【0109】
【表3】

【0110】
列挙した含有物の追加後、そのpHを確認して、必要に応じて、クエン酸又はNaOH溶液を用いて、pH6.0〜6.5に調整した。
【0111】
チタン架橋されたグアーに変えてホウ素架橋されたグアー(グアー成分として使用された実施例C1のものと類似する)を用いること以外は、実施例3A、3B、3C及び3Dを形成するのに使用されたものと類似する態様で、比較例C3A及びC3Bのシャンプーを形成した。
【0112】
シャンプーのそれぞれがシリコーンコンディショニング剤を髪上に分配できる効率を評価した。IHIP(インターナショナル・ヘアー・インポーターズ&プロダクツ(International Hair Importers & Products)社)により供給された未使用媒体の褐色カフカス人毛(Virgin Medium Brown Caucasian Hair)(編毛質量:4.5g、エポキシブルークリップ下の長さ:20cm)についてシャンプーのシリコーン分配率を測定した。2つの測定をシャンプーごとに行ない、平均値及び標準偏差を導出した。この方法は、それぞれ下記でより詳細に論じられるが、次の4工程:(1)10%SLES(ナトリウムラウリルエーテルスルフェート)溶液による編毛の前処理、(2)シャンプーによる編毛の処理、(3)テトラヒドロフラン(THF)を用いるジメチコーン抽出、及び(4)GPCによる抽出されたジメチコーンの定量を含む。
【0113】
(1)(a)流水(150ミリリットル(ml)/秒の水流速、38℃の水温)下で編毛のそれぞれを1分間を濡らすこと、(b)手によって、3mlの10%SLES溶液を各編毛に沿って適用すること、そして次に(c)流水下で編毛を1分間濯ぐことにより、10%ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)溶液によって編毛をそれぞれ前処理した。
【0114】
(2)次に下記:(a)450mgの量のシャンプーを秤量すること、(b)編毛を実験者の指の1つに巻きつけて、その量のシャンプーを編毛に付けること、(c)シャンプーを付けた毛を45秒間指で揉み、シャンプーが編毛に沿って均一に分配されたことを確認すること、そして次に(d)流水下(150ml/秒の水流速、38℃の水温)で編毛を30秒間濯ぐこと、(e)実験者の中指及びひとさし指によって編毛を引っ張ることにより、編毛から過剰な水を除去すること、そして(f)編毛を乾燥させて、制御された環境(21℃、50%相対湿度)で終夜で平衡化することにより、実施例のコンディショニングシャンプーの1つによって前処理された編毛を処理した。
【0115】
(3)下記:(a)風袋を測定した250mlポリエチレン瓶の外側に編毛の取り付けタブを付けたまま、瓶中に編毛を入れること、(b)取り付けタブの増したの毛を切って、瓶中に入れられた毛の量を記録すること、(c)約100mlのTHFを瓶中に入れること、(d)瓶に蓋をすること、(e)撹拌台上で200rpmで瓶を24時間攪拌すること、(f)手によって、瓶から150ml蒸発皿にTHF抽出溶液を移すこと、そして(g)フードの下で、最大通気度で皿を24時間放置してTHFを蒸発させることにより、THFによって処理された各編毛からシリコーンコンディショニング剤を抽出した。
【0116】
(4)(a)時計皿をかぶせた蒸発皿の風袋を測定すること、(b)フードの下で、約4mlのTHFを蒸発皿に入れること、(c)スパーテルを用いて、蒸発皿中のジメチコーンを再溶解すること、(d)シリコーンが再溶解したら直ぐに、時計皿をかぶせた蒸発皿を秤量して、入れられたTHFの量を記録すること、(e)シリンジによって、ジメチコーン溶液を2mlバイアル中に移し、バイアルに蓋をすること、そして(f)GPCによりバイアル内の溶液中のジメチコーン濃度を決定することにより、抽出されたシリコーンコンディショニング剤の量を定量した。
【0117】
次に、百万分率(ppm、ジメチコーンのμg/毛のg)で表される、毛に分配されたジメチコーンの量Qを下記:
【数1】

{式中、
ジメチコーンは、ppm(ジメチコーンのμg/THFのg)単位で表されるGPCバイアル中のジメチコーン濃度である。
THFは、蒸発皿中のジメチコーンを再溶解するために使用されたTHFのg単位の量であり、そして
、ポリエチレン瓶に入れられたg単位の毛の量である。}
の通り計算した。
【0118】
分配率を下記:
【数2】

{式中、
Qは、毛上に分配されたシリコーンの量(ppm単位)であり、
は、ポリエチレン瓶に入れられたg単位の毛の量であり、
φは、シャンプー製剤中で活性なジメチコーンの質量分率(本明細書で検討した実施例については、φ=0.01)であり、そして
シャンプーは、毛を処理するために使用されたmg単位のシャンプーの量(本明細書では、mシャンプーは約450mg)である。}
の通り計算した。
【0119】
結果を下記表で説明する。
【0120】
【表4】

【0121】
表IIIの結果によって、チタン架橋されたグアーを含むシャンプーが、ホウ素架橋されたグアーを含む類似のシャンプーと比べて、編毛上へのコンディショニング剤の有意に向上した分配を示すことが分かった。
【0122】
実施例4
下記表IVに示すように、10%水性分散体を調製するために使用されるチタン化合物の量及び洗浄回数を変えたこと以外は、実施例1Aについて上記で説明されたものと類似の態様で実施例4のチタン架橋されたグアーを形成した。
【0123】
実施例4のチタン架橋されたグアーを使用して、2つの水分散液(次のように、1つは脱イオン水液であり、1つは水性10%NaCl溶液である:108gのDI水、又は20%NaOHによってpH12に調整した108gの10%NaCl溶液)を調製した。実施例4の12gのチタン架橋されたグアーを加えて攪拌した。ブルックフィールドRV粘度計を20rpmで用いて、各分散体の粘度を25℃での時間の関数として測定した。5000センチポアズの粘度を達成するために必要な時間(分単位)として、結果を下記表IVで説明する。
【0124】
【表5】

【0125】
表IV中の結果によって、塩水中のチタン架橋されたグアーの分散が、分散体をより長い時間に亘って流動性に保つために役立つことが示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)粒子を粒子内的に架橋するために適切な条件下で、水性媒体中において多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程;
(b)多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程の前後で、誘導体化多糖粒子を形成するために適切な条件下で、該多糖の粒子に誘導体化剤を反応させる工程;及び
(c)該架橋及び誘導体化された粒子を洗浄する工程
を含む、架橋された誘導体化多糖類の製造方法。
【請求項2】
工程(b)が、該多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程後に、誘導体化多糖粒子を形成するために適切な条件下で、該多糖の粒子に誘導体化剤を反応させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(b)が、該多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程前に、誘導体化多糖粒子を形成するために適切な条件下で、該多糖の粒子に誘導体化剤を反応させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
チタン化合物が、チタン(II)、チタン(III)、チタン(IV)チタン(VI)化合物及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
チタン化合物が、チタン塩、チタンキレート、チタンエステル及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
チタン化合物が、四塩化チタン、四臭化チタン、テトラアミノチタネート、チタンアセチルアセトネート、トリエタノールアミンチタネート、乳酸チタン、n‐ブチルポリチタネート、チタンテトラプロパノラート、オクチレングリコールチタネート、テトラ−n‐ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラ−イソプロピルチタネート、ジイソプロピルジ−トリエタノールアミノチタネート、チタンオルトエステル、塩化チタン(IV)及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
組成物の100質量部を基準として、約1〜約30質量部の、請求項1に記載の方法により製造された、架橋された誘導体化多糖類;約65〜約95質量部の水;及び約5〜約20質量部の電解質を含む、架橋された誘導体化多糖組成物。
【請求項8】
電解質が、アルカリ金属、アンモニウム塩、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の多糖組成物。
【請求項9】
組成物の100質量部を基準として、約1〜約15質量部の、請求項1に記載の方法により製造された、架橋された誘導体化多糖類;及び約85〜約98質量部の水を含む、架橋された誘導体化多糖組成物。
【請求項10】
(a)粒子を粒子内的に架橋するために適切な条件下で、水性媒体中において多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程;
(b)該多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程の前後で、誘導体化多糖粒子を形成するために適切な条件下で、該多糖の粒子に誘導体化剤を反応させる工程;
(c)(i)該粒子にチタン化合物を接触させる工程の前後か、又は(ii)該粒子に誘導体化剤を反応させる工程の前後のいずれかで、該多糖の粒子を解重合する工程;及び
(d)該架橋及び誘導体化された粒子を洗浄する工程
を含む、架橋された誘導体化多糖類の製造方法。
【請求項11】
工程(b)が、該多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程後に、誘導体化多糖粒子を形成するために適切な条件下で、該多糖の粒子に誘導体化剤を反応させる工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
工程(b)が、該多糖の粒子にチタン化合物を接触させる工程前に、誘導体化多糖粒子を形成するために適切な条件下で、該多糖の粒子に誘導体化剤を反応させる工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
チタン化合物が、チタン(II)、チタン(III)、チタン(IV)、チタン(VI)化合物及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
チタン化合物が、チタン塩、チタンキレート、チタンエステル及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
チタン化合物が、四塩化チタン、四臭化チタン、テトラアミノチタネート、チタンアセチルアセトネート、トリエタノールアミンチタネート、乳酸チタン、n‐ブチルポリチタネート、チタンテトラプロパノラート、オクチレングリコールチタネート、テトラ−n‐ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラ−イソプロピルチタネート、ジイソプロピルジ−トリエタノールアミノチタネート、チタンオルトエステル、塩化チタン(IV)及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
組成物の100質量部を基準として、約1〜約30質量部の、請求項10に記載の方法により製造された、架橋された誘導体化多糖類;約65〜約95質量部の水;及び約5〜約20質量部の電解質を含む、架橋された誘導体化多糖組成物。
【請求項17】
電解質が、アルカリ金属、アンモニウム塩、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の多糖組成物。
【請求項18】
(a)誘導体化多糖粒子を形成するために適切な条件下で、多糖の粒子に誘導体化剤を反応させる工程;
(b)誘導体化粒子を洗浄する工程;
(c)誘導体化粒子を洗浄する工程と同時に、又は誘導体化粒子を洗浄する工程の後に、該粒子を粒子内的に架橋するために適切な条件下で、該誘導体化粒子にチタン化合物を接触させる工程
を含む、架橋された誘導体化多糖類の製造方法。
【請求項19】
チタン化合物が、チタン(II)、チタン(III)、チタン(IV)、チタン(VI)化合物及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
チタン化合物が、チタン塩、チタンキレート、チタンエステル及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
チタン化合物が、四塩化チタン、四臭化チタン、テトラアミノチタネート、チタンアセチルアセトネート、トリエタノールアミンチタネート、乳酸チタン、n‐ブチルポリチタネート、チタンテトラプロパノラート、オクチレングリコールチタネート、テトラ−n‐ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラ−イソプロピルチタネート、ジイソプロピルジ−トリエタノールアミノチタネート、チタンオルトエステル、塩化チタン(IV)及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。

【公表番号】特表2011−516685(P2011−516685A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503985(P2011−503985)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/002171
【国際公開番号】WO2009/126256
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(508339035)
【Fターム(参考)】