説明

柔軟な導電性部材を少なくとも1つ伴うスイッチおよびDC電圧源を含んで成る電気回路

【課題】 柔軟な導電性部材を少なくとも1つ伴うスイッチおよびDC電圧源を含んで成る電気回路。
【解決手段】 スイッチ(10)は導電性表面を有する1番目および2番目の基質(14、20)を含んで成っていて前記導電性表面は場合により溝をまたいで互いに面する導電性層(16、22)の導電性表面であってもよい。前記1番目の基質(14)は柔軟でありそしてこれは本質的に導電性の置換もしくは未置換ポリチオフェンを場合により導電性被膜(16)として含んで成る。基質の一方が基質のもう一方に向かって押されることで前記2つの導電性表面が接触すると前記スイッチはワイヤー(28、30)を含んで成る電気回路を完成し得る。前記本質的に導電性の置換もしくは未置換ポリチオフェンの表面にかける極性を好適には負にする。この電気回路にかける電圧を好適には5ボルト未満にし、より好適には前記電気回路にかける電圧を3ボルト未満にし、更により好適には前記電気回路にかける電圧を1ボルト未満にする。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は一般にスイッチおよび電圧源を含んで成る電気回路に関する。より具体的には、本発明は、2つの導電性表面が接触する種類のスイッチ、例えば膜スイッチおよび抵抗タッチスクリーンなどとDC電圧源とを含んで成る電気回路に関する。
【発明の背景】
【0002】
2つの導電性表面が接触する種類のスイッチは抵抗タッチスクリーンおよび膜スイッチの如き技術で用いられる。便利さおよび明瞭さの理由で、この背景セクションではタッチスクリーンを記述する。
【0003】
タッチスクリーンはデータを入力する目的でコンピューター技術で用いられる。コンピューターの使用者がキーボードまたはマウスを用いてデータを入力する代わりに、この使用者は、コンピューターのモニターに取り付けられたタッチスクリーンを通してデータを入力する。米国特許第4,306,110;米国特許第5,438,168;米国特許第5,541,370;米国特許第5,589,857;米国特許第5,818,430;および米国特許第5,840,175号に抵抗タッチスクリーンが開示されている。
【0004】
抵抗タッチスクリーンの基本的構造は1番目の柔軟な基質(カバーシート)とこのカバーシートに結合している2番目の基質を含んで成る。前記1番目の基質は典型的にプラスチック、例えばポリ(エチレンテレフタレート)(PET)などの薄層を含んで成る。この1番目の基質は相対する1番目の表面と2番目の表面を有し、前記1番目の表面がコンピューターの使用者の方に向いておりそして前記2番目の表面が前記2番目の基質の方に向いている。前記1番目の基質の2番目の表面は導電性であり、例えば導電性要素(conductive element)などで被覆されている。前記2番目の基質は一般にガラスを含んで成るが、他の透明なプラスチック材料を用いることも可能であり、それは平らであるか或はコンピューターモニターの湾曲に合致するように湾曲している。この2番目の基質は、例えば前記1番目の基質に面することでまたコンピューターの使用者の方にも向いている導電性要素などで被覆されている導電性表面を有する。
【0005】
前記導電性要素は典型的に金属または金属酸化物、例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの薄層で出来ている透明な導電性被膜であるが、他の金属または金属酸化物を用いることも可能である。ITO被膜の組成および塗布が米国特許第5,776,373号、米国特許第5,851,642号および米国特許第6,042,752号に記述されている。
【0006】
このようなタッチスクリーンは典型的にまたスペーサードット(spacer dots)を複数含んで成り、前記スペーサードットは、前記カバーシート(1番目の基質)または2番目の基質のいずれかの上表面(facing surfaces)の1つを覆っている導電性被膜に付着している。スペーサードットは米国特許第5,220,136号に記述されているが、また他のスペーサードットを用いることも可能である。このようなスペーサードットが前記カバーシート(1番目の基質)と2番目の基質を分離している。前記カバーシートに触れると2つの導電性表面[1つは前記カバーシート(1番目の基質)の表面でありそして1つは前記2番目の基質の表面である]が一緒に圧縮されることで電気回路[この電気回路はまた導電性表面の縁に付いている導電性要素、例えばワイヤーなども含んで成る]が完成する。その触れる特定の場所、従って導電性表面と導電性表面が接触する場所が、前記接触によってデータが作り出されて転送される場所である。
【0007】
ヨーロッパ特許出願公開第0 128 529号には、互いに電気的に分離した状態で配列されていて接続部が与えられておりかつ追加的に導電性橋渡し要素(bridging element)[これは前記接触要素の一方または両方から電気的に絶縁されており、そしてこれは、これに圧力がかかると、それまたはそれらに接触し得る]も与えられている2つの接触要素を伴う圧力スイッチが開示されており、これは、前記橋渡し要素が導電性ピロール重合体を含んで成ることを特徴とする。
【0008】
伝統的なタッチスクリーンに関する問題は、カバーシート(1番目の基質)に含まれている柔軟なシートの機械的特性とこの1番目の基質が有する導電性表面の機械的特性の間の相互関係にある。前記導電性表面で用いられている伝統的な材料は一般に脆く、これが変形を繰り返し受けると亀裂を起こしかつ前記1番目の基質に含まれている柔軟なプラスチックシートから剥がれる(disbond)可能性がある。それによって、今度は、前記導電性表面で電流を運ぶ通路の連続性が壊れ、その結果として今度はタッチスクリーンが接触の場所を正確に報告することができなくなってしまう。求められているのは、スイッチの寿命に渡って柔軟で耐久性がありかつ柔軟なシートに結合する導電性表面である。このような導電性表面をタッチスクリーンで用いる場合、これはまた透明である必要もある。
【0009】
金属および金属酸化物被膜は、上述した欠点を有することに加えて、ITO被膜の寿命は限られている、即ちそれらは必要な電流を数回のタッチ(touches)後に伝達しなくなる。また、ITO被膜は比較的高価でありかつ機械的損傷に対する耐性が低い。求められているのは、寿命がより長くてコストが低くかつ機械的損傷に対して耐性を示す透明な導電性被膜である。
【発明の面】
【0010】
本発明の1つの面は、導電性表面が安価で機械的特性が向上、即ち脆くなくかつ長期に渡る使用後でも1番目の基質の柔軟なシートに結合したままであるスイッチを提供することにある。
【0011】
本発明のさらなる面は、寿命を向上させたタッチスクリーンを提供することにある。
【0012】
本明細書の以下に行う記述から本発明のさらなる面および利点が明らかになるであろう。
【発明の要約】
【0013】
本発明は、1番目の基質(カバーシート)の透明な導電性表面で用いられている材料と電気回路の電気特性の両方を変えることで前記問題を解決するものである。
【0014】
本発明では、伝統的なタッチスクリーン技術に対する1番目の改良で、本質的に導電性の重合体の層を1番目の基質(カバーシート)の柔軟なプラスチックシートを覆う被膜として用いる。柔軟なプラスチックシートを覆う本質的に導電性の重合体の被膜は、1番目の基質(カバーシート)のプラスチックシートを覆うITO被膜に比べて、脆くなく、機械的損傷に対する柔軟性が高くかつ低コストで入手可能である。更に、金属被膜ではなく本質的に導電性の重合体被膜でプラスチックシートを覆うと、そのような被膜は亀裂を起こすことも前記1番目の基質(カバーシート)のプラスチックシートから剥がれることもないことで寿命がより長くなる。本発明者らは、この上に述べたスイッチは長期間に渡る使用後でも機械的損傷を受け易くはないが本質的に導電性の重合体を含んで成る導電性被膜が1層のみで他が本質的に金属または金属酸化物、例えばITOなどから成る時には寿命が制限されることを見いだした。驚くべきことに、本質的に導電性の被膜の方が金属も
しくは金属酸化物被膜よりも機械的特性が向上していると言った利点を得ようとするには本質的に導電性の重合体を組み込んだタッチスクリーンを用いた電気回路の励起を注意深く調節する必要があることを見いだした。通常の金属もしくは金属酸化物被膜、例えばITOなどを用いる場合には電気回路の励起をそのように注意深く調節する必要はなく、かつそのような通常の材料を用いた場合には決して追加的利点は得られない。特に、そのような本質的に導電性の重合体被膜が有する向上した機械的特性の利点を最大限にしようとする時には、励起電圧のレベルと前記本質的に導電性の重合体被膜にかける電圧の極性の両方を注意深く調節する必要がある。本タッチスクリーンでは励起電圧を商業的に入手可能な多数種のタッチスクリーンで通常用いられている5ボルトDCから下げる必要がある。またAC電圧でも同じ効果が観察される。追加的に、前記本質的に導電性の重合体被膜をDC電圧下に保持すると本タッチスクリーンの耐久性が有意に向上する。このような驚くべき効果は通常の金属もしくは金属酸化物被膜を用いた時には観察されない。
【0015】
導電性表面を有する1番目の基質(カバーシート)[この1番目の基質は本質的に導電性の重合体を含んで成る]および導電性表面を有する2番目の基質[この基質は前記1番目の基質から離れて位置する]を含んで成るスイッチ[前記カバーシートが動いて前記2番目の基質の導電性表面に接触すると前記接触を示すシグナルを発生する]を用いて本発明の面を実現し、このスイッチは、前記本質的に導電性の重合体が置換もしくは未置換のポリチオフェンであることを特徴とする。
【0016】
更に、この上に開示したスイッチおよび前記1番目の基質の導電性表面と前記2番目の基質の導電性表面の間に電圧差を与える電圧源を含んで成る電気回路を用いることでも本発明の面を実現する。
【0017】
また、この上に開示したスイッチまたはこの上に開示した電気回路を含んで成る電気器具を用いることでも本発明の面を実現する。
【0018】
また、この上に開示したスイッチまたはこの上に開示した電気回路を含んで成るタッチスクリーンを用いることでも本発明の面を実現する。
【0019】
また、この上に開示したスイッチまたはこの上に開示した電気回路を含んで成るキーボードを用いることでも本発明の面を実現する。
【0020】
本発明に従うスイッチおよび電気回路の好適な態様を独立項に明記する。
【詳細な説明】
【0021】
定義
また用語「カバーシート」を用いる時にも本発明に従う柔軟で導電性表面を有する1番目の基質を示す。
【0022】
スイッチ
本発明のスイッチは1番目の基質と2番目の基質を含んで成る。本スイッチの1番目の基質(カバーシート)は柔軟な支持体(1番目の支持体)と本質的に導電性の置換もしくは未置換ポリチオフェンを含んで成っていて柔軟で導電性表面を有する。本スイッチの2番目の基質は支持体(2番目の支持体)を含んで成っていて導電性表面を有する。
【0023】
本発明のスイッチの1番目の態様に従い、前記1番目と2番目の基質の導電性表面は互いに離れて位置していて互いに面しており、このように、前記1番目の基質に触れるとそれの導電性表面と前記2番目の基質の導電性表面が一緒に押され得ることで電気接触が実現する。
【0024】
本発明のスイッチの2番目の態様に従い、1番目の端子が前記1番目の基質の導電性表面から伸びておりそして2番目の端子が前記2番目の基質の導電性表面から伸びており、前記1番目の基質が動くと前記1番目の基質の導電性表面が前記2番目の基質の導電性表面に接触することで回路が完成するように前記1番目の端子が電気回路を形成する。
【0025】
本発明のスイッチの3番目の態様に従い、電気回路が前記1番目の基質の表面層と前記2番目の基質の表面層の間に電圧差を与える電圧源を含んで成り、この電気回路は、前記1番目の基質に触れると結果として前記1番目の基質の表面層と前記2番目の基質の表面層が一緒に押されることで完成する。
【0026】
本発明のスイッチの4番目の態様に従い、前記1番目の基質の導電性層の極性は前記2番目の基質の導電性表面に比較して負である。
【0027】
本発明に従うスイッチの4番目の態様に従い、前記2番目の基質の導電性表面は通常の導電性無機被膜、例えばITOなどである。
【0028】
本発明のスイッチの5番目の態様に従い、本スイッチは、更に、前記1番目の基質の導電性表面または前記2番目の基質の導電性表面に位置する複数のスペーサードットも含んで成る。
【0029】
本発明のスイッチの6番目の態様に従い、
1番目の支持体とこの1番目の支持体の1番目の表面に付着している1番目の導電性被膜を含んで成る1番目の基質(カバーシート)[この1番目の導電性被膜は本質的に導電性の置換もしくは未置換チオフェンを含んで成る]、および2番目の支持体とこの2番目の支持体の1番目の表面に付着している2番目の導電性被膜を含んで成る2番目の基質、
を含めて、前記1番目の基質と2番目の基質を前記1番目の導電性被膜と2番目の導電性被膜が互いに面するように位置させ、そして前記1番目の導電性被膜と2番目の導電性被膜を横切らせてかける電位を5ボルト未満にする。
【0030】
本発明では、また、接着を向上させる目的で他の要素、例えばタイ層(tie−layers)(示していない)などを用いることも可能であり、それらを前記1番目の基質(カバーシート)のプラスチックシートと導電性重合体層の間に位置させてもよい。
【0031】
本スイッチの1番目の基質
本発明のスイッチの1番目の基質(カバーシート)は、柔軟な支持体(1番目の支持体)と本質的に導電性の置換もしくは未置換ポリチオフェンを含んで成っていて柔軟で導電性表面を有する。更に、前記1番目の基質の導電性表面にも本質的に導電性の置換もしくは未置換ポリチオフェンを含めても構わない。
【0032】
この1番目の基質の本質的に導電性の置換もしくは未置換ポリチオフェンを標準的な被覆技術または積層で与えることができる。本発明で用いる1番目の基質の柔軟な支持体(1番目の支持体)は、好適には、プラスチックシート、例えばポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、セルローストリアセテート、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、そして同様な特性を有する他のプラスチックであり、場合によりそれにサビング(subbing)層を与えることも可能である。
【0033】
本発明の好適な態様に従う1番目の基質の導電性表面は、導電性被膜の導電性表面である、即ちこの1番目の基質は支持体(1番目の支持体)と導電性被膜を含んで成る。
【0034】
また、導電性被膜を与えておいた軟質ガラス/プラスチック積層物、例えばWO 99/21707、WO 99/21708およびヨーロッパ特許出願公開第1 013 413号に記述されている如き積層物を本発明のスイッチの1番目の基質として用いることも可能である。
【0035】
この1番目の基質は好適には実質的に透明である、即ち白色光(white light)透過率が少なくとも80%、より好適には少なくとも90%、最も好適には少なくとも95%であることを特徴とする。
【0036】
この1番目の基質の導電性被膜の反対側に位置する面に追加的層、例えば抗光沢(anti−glare)層または耐引っ掻き傷性ハードコート(hardcoat)層などを与えることも可能である。
【0037】
本スイッチの2番目の基質
本発明のスイッチの2番目の基質は支持体(2番目の支持体)を含んで成っていて導電性表面を有する。この2番目の基質の支持体(2番目の支持体)は柔軟である必要はなく、無機基質、例えばセラミックまたはガラスなどであってもよいが、また他の透明な材料、例えばプラスチックなどを用いることも可能である。
【0038】
本発明の好適な態様に従う2番目の基質の導電性表面は、導電性被膜の導電性表面である、即ちこの2番目基質は支持体(2番目の支持体)と導電性被膜を含んで成る。
【0039】
この2番目の基質は平らであってもよいか或は例えばコンピューターのモニタースクリーンの湾曲に合致するように湾曲していてもよい。この2番目の基質の導電性表面はインジウム錫酸化物(ITO)であってもよいか或は他の透明な金属もしくは金属酸化物被膜または本質的に導電性の重合体で作られていてもよい。この2番目の基質の導電性被膜の反対側に位置する面に追加的層、例えば抗光沢層または耐引っ掻き傷性ハードコート層などを与えることも可能である。
【0040】
電気回路
本発明に従う電気回路は、この上に開示したスイッチおよび前記1番目の基質の導電性表面と前記2番目の基質の導電性表面の間に電圧差を与える電圧源を含んで成る。そのような電気回路を図10に示す。
【0041】
本発明の電気回路の1番目の態様に従う電圧源はAC電圧源である。
【0042】
本発明の電気回路の2番目の態様に従う電圧源はDC電圧源であり、この場合、前記1番目の基質の導電性表面を前記DC電圧源の負極性につなげる。
【0043】
本発明の電気回路の3番目の態様に従い、この場合の電圧差は5ボルト未満である。
【0044】
本発明の電気回路の4番目の態様に従い、この場合の電圧差は3ボルト未満である。
【0045】
本発明の電気回路の5番目の態様に従い、この場合の電圧差は1ボルト未満である。
【0046】
タッチスクリーン
本発明に従うスイッチまたは本発明に従う電気回路を含んで成るタッチスクリーン。
【0047】
本発明のタッチスクリーンの第一態様に従って本発明のスイッチをタッチスクリーンの
構成要素として用いる時には、前記1番目の基質と2番目の基質が実質的に透明、即ち各々の白色光透過率が少なくとも80%、より好適には少なくとも90%、最も好適には少なくとも95%であることを特徴とするスイッチが好適である。
【0048】
本発明のタッチスクリーンの2番目の態様に従い、本タッチスクリーンは、
1番目の支持体(この1番目の支持体はプラスチックを含んで成る)を含んで成る1番目の基質(カバーシート)、
前記1番目の基質から離れて位置する2番目の基質、
前記1番目の支持体を覆っている1番目の導電性被膜[この1番目の導電性被膜は相対する表面を有しており、この1番目の導電性被膜の相対する表面の1つは前記1番目の支持体に面しており、この1番目の導電性被膜の相対する表面のもう1つは前記2番目の基質に面しており、この1番目の導電性被膜は本質的に導電性の置換もしくは未置換のポリチオフェンを含んで成る]、
前記2番目の支持体を覆っている2番目の導電性被膜[この2番目の導電性被膜は前記1番目の導電性被膜から離れて位置しており、この2番目の導電性被膜は前記1番目の導電性被膜に面する表面を有していてそれから離れて位置している]、および
複数のスペーサードット[この複数のスペーサードットは、前記導電性被膜の中の他方の導電性被膜に面する表面を覆っている1番目の導電性被膜または2番目の導電性被膜の上に位置し、このスペーサードットは前記導電性被膜の中の他方の導電性被膜から離れて位置する]、
前記1番目の導電性被膜から伸びる1番目の端子、
前記2番目の導電性被膜から伸びる2番目の端子、
を含んでいて、
前記1番目の導電性被膜と前記2番目の導電性被膜が一緒に押されると電気シグナルが受信媒体に伝達される電気回路が完成するように前記1番目の端子と前記1番目の導電性被膜と前記2番目の導電性被膜と前記2番目の端子が電気回路を形成する。
【0049】
図9に本発明に従うタッチスクリーン10を示す。1番目の基質(カバーシート)12は、透明なポリエチレンテレフタレート(PET)シート14とこれの上に位置する導電性被膜16を含んで成る。この導電性被膜16は、PETシート14とは別の方向を向く導電表面18を有する。この1番目の基質の導電性被膜16は本質的に導電性の重合体を含んで成っていて透明である。
【0050】
図9に示すタッチスクリーン10は更に2番目の基質20も含んで成る。この2番目の基質20は支持体と導電性被膜22を含んで成り、この導電性被膜22は、前記1番目の基質の導電性被膜16の方向に向く導電性表面24を有していてそれから離れて位置する。この2番目の支持体の導電性被膜はITOで出来ている。
【0051】
前記タッチスクリーン10は更に本分野の技術者に良く知られている種類のスペーサードット26も複数含んで成る。この複数のスペーサードット26は、前記1番目の基質の導電性被膜16の導電性表面18の上に位置していて前記2番目の基質の導電性被膜22の導電性表面24に面しかつそれから離れて位置するか、別法として、このスペーサードット26を前記2番目の基質の導電性被膜22の導電性表面24の上に位置させて前記1番目の基質の導電性被膜16の導電性表面18に面するようにしかつそれから離れて位置させることも可能である。
【0052】
前記タッチスクリーン10は更に複数の導電性要素も含んで成り、前記要素は導電性被膜16および22に電気連結していて前記導電性被膜が互いに接触した時に電気回路を形成する。前記1番目の導電性被膜16はワイヤー28でコンピューターのモニター(示していない)の中に位置する電力源(示していない)につながっており、前記2番目の導電
性被膜22も同様にワイヤー30でコンピューターのモニター(示していない)の中に位置する受信媒体(示していない)につながっている。導電性要素には数多くの代替構造配置が可能であり、例えば米国特許第4,306,110;米国特許第5,438,168;米国特許第5,541,370;米国特許第5,589,857;米国特許第5,818,430;および米国特許第5,840,175号(これらは各々引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている如き構造配置が可能である。
【0053】
本質的に導電性の重合体
本発明で用いる本質的に導電性の重合体は、本技術分野で公知の本質的に導電性の如何なる重合体であってもよく、例えばポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンなどであってもよい。本質的に導電性の適切な重合体に関する詳細を教則本、例えば“Advances in Synthetic Metals”,P.Bernier,S.Lefrant,およびG.Bidan,Elsevier編集,1999;“Intrinsically Conducting Polymers:An Emerging Technology”,Kluwer(1993);“Conducting Polymer Fundamentals and Applications,A Practical Approach”,P.Chandraskhar,Kluwer,1999;そして“Handbook of Organic Conducting Molecules and Polymers”,Walwa編集1−4巻 Marcel Dekker Inc.(1997)などに見ることができる。
【0054】
本発明のスイッチの7番目の態様に従い、前記本質的に導電性の置換もしくは未置換ポリチオフェンは下記の式:
【0055】
【化1】

【0056】
[式中、
nは、1よりも大きく、好適には5よりも大きく、そして
1およびR2は、各々独立して、水素、または場合により置換されていてもよいC1-4アルキル基を表すか、或は一緒になって、場合により置換されていてもよいC1-4アルキレン基、または場合により置換されていてもよいシクロアルキレン基、好適にはエチレン基、場合によりアルキルで置換されていてもよいメチレン基、場合によりC1-12アルキルもしくはフェニルで置換されていてもよいエチレン基、1,3−プロピレン基、または1,2−シクロヘキシレン基を表す]
で表される。非常に好適な置換ポリチオフェンはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)であり、これは米国特許第5,766,515号およびヨーロッパ特許出願公開第686 662号(これらは引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。
【0057】
前記1番目および2番目の基質の導電性表面層は、公知のコーティング方法、例えばス
ピンコーティング(spin coating)、ディップ(dip)コーティング、ロッド(rod)コーティング、ブレード(blade)コーティング、エアーナイフ(air knife)コーティング、グラビア(gravure)コーティング、逆ロール(reverse roll)コーティング、押出し加工コーティング、スライド(slide)コーティングおよびカーテン(curtain)コーティングなどを用いて、前記本質的に導電性の重合体が入っているコーティング溶液もしくは分散液を塗布することで入手可能である。この塗布した溶液または分散液を公知方法で乾燥させて硬化させることができる。このようなコーティング技術の概説を“Modern Coating and Drying Technology”,Edward Cohen および Edgar B.Gutoff Editors,VCH Publishers,Inc.,New York(1992)に見ることができる。このようにして得た導電性被膜が示す表面抵抗値が好適には<50000Ω/平方であるようにする。
【0058】
本質的に導電性のポリチオフェンおよび前記ポリチオフェンとポリアニオンを含有させた水性分散液の調製がヨーロッパ特許出願公開第440 957号および相当する米国特許第5,300,575号に記述されている。ポリチオフェンの生成は、高分子量ポリアニオン化合物の存在下の下記の式:
【0059】
【化2】

【0060】
[式中、R1およびR2は、この上で定義した通りである]
に従う3,4−ジアルコキシチオフェンまたは3,4−アルキレンジオキシチオフェンの酸化的重合で進行する。
【0061】
前記式に相当するチオフェンとポリ酸と酸化剤を有機溶媒または好適には水(場合により有機溶媒を特定量で入れた)に溶解させそして次にその結果として生じた溶液またはエマルジョンを0℃から100℃で重合反応が完結するまで撹拌することを通して、ポリチオフェンの安定な水溶液もしくは分散液を得ることができる。このような酸化的重合で生じるポリチオフェンは正に帯電しているが、そのような正帯電の場所および数を正確に決定するのは不可能であり、従って、ポリチオフェン重合体の繰り返し単位を示す一般式にはそれを記述しなかった。
【0062】
前記酸化剤は、ピロールの酸化的重合で典型的に用いられる酸化剤であり、J.Am.Soc.85、454(1963)を参照のこと。安価で取り扱いが容易な好適な酸化剤は鉄(III)塩、例えばFeCl3、Fe(ClO43、そして有機酸および有機残基を含有する無機酸の鉄(III)塩などである。他の適切な酸化剤はH22、K2Cr27、アルカリもしくはアンモニウムの過硫酸塩、アルカリの過ホウ酸塩、過マンガン酸カリウムおよび銅塩、例えばテトラフルオロホウ酸銅などである。また空気もしくは酸素を酸化剤として用いることも可能である。チオフェンの酸化的重合に必要な酸化剤の量は理論的にチオフェン1モル当たり2.25当量である(J.Polym.Sci.パートA、Polymer Chemistry、26巻、1287頁、1988)。しかしながら、実際には酸化剤を過剰量で用い、例えばチオフェン1モル当たり0.1から2当量の過剰量で用いる。
【0063】
前記ポリ酸がポリアニオンを形成するようにするか、或は別法として、相当するポリ酸の塩、例えばアルカリ塩としてポリアニオンを添加することも可能である。好適なポリ酸またはそれの塩は高分子量カルボン酸、例えばポリ(アクリル酸)、ポリ[(メタ)アクリル酸]およびポリ(マレイン酸)など、または高分子量スルホン酸、例えばポリ(スチレンスルホン酸)(PSS)またはポリ(ビニルスルホン酸)などである。別法として、そのようなカルボン酸および/またはスルホン酸と他の重合性単量体、例えばスチレンまたはアクリレートなどから作られた共重合体を用いることも可能である。特にPSSが好適である。このようなポリアニオンを形成するポリ酸の分子量を好適には1000から2x106、より好適には2000から5x105の範囲にする。このようなポリ酸またはそれらのアルカリ金属塩は商業的に入手可能であり、公知方法、例えばHouben−Weyl,Methoden der Organische Chemie,Bd.E20
Markromolekulare Stoffe,Teil 2,(1987),1141頁に記述されている如き方法に従って調製可能である。
【0064】
次に、そのようにして得た本質的に導電性の重合体が入っている溶液または分散液をコーティング溶液もしくは分散液の基本材料として用いることができる。このようなコーティング溶液もしくは分散液にまた追加的材料、例えば1種以上の結合剤、1種以上の界面活性剤、スペーシング(spacing)粒子、UVフィルターまたはIR吸収剤などを入れることも可能である。適切な高分子量結合剤がヨーロッパ特許出願公開第564 911号に記述されている。そのような結合剤を硬化剤、例えばヨーロッパ特許出願公開第564 911号に記述されている如きエポキシシラン(これは特にガラス基質を被覆する時に用いるに適切である)などで処理しておくことも可能である。
【0065】
そのような本質的に導電性の重合体が入っているコーティング溶液もしくは分散液に、また、好適には、線状、分枝もしくは環状の脂肪族C2-20炭化水素、または場合により置換されていてもよい芳香族C6-14炭化水素、またはピランもしくはフラン[このような有機化合物にヒドロキシ基を少なくとも2つ含めるか或は−COXもしくは−CONYZ基(ここで、Xは−OHを表しそしてYおよびZは互いに独立してHまたはアルキルを表す)を少なくとも1つ含める]、またはラクタム基を少なくとも1つ含む複素環式化合物も入れる。そのような有機化合物の例はN−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、ホルムアミド、ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドである。好適な例は糖または糖誘導体、例えばアラビノース、サッカロース、グルコース、フルクトースおよびラクトースなど、またはジ−もしくはポリアルコール類、例えばソルビトール、キシリトール、マンニトール、マンノース、ガラクトース、ソルボース、グルコン酸、エチレングリコール、ジ−もしくはトリ(エチレングリコール)、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2,3−プロパントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオールなど、または芳香族ジもしくはポリアルコール類、例えばレゾルシノールなどである。
【0066】
産業用途
本スイッチおよび本電気回路は全ての電気器具で使用可能であり、例えば膜スイッチを含んで成るキーボードなどで使用可能である。最も好適な器具は抵抗タッチスクリーンである。
【実施例】
【0067】
本明細書の以下に実験1から6として記述する一連の試験を図10に示す試験器具を用いて実施した。このような組み立てを、Elo Touchsystems,Inc.(Fremont、カリフォルニア州)から商業的に入手可能なAccuTouch(商標
)タッチスクリーンが組み込まれている標準的な26.4cm(10.4インチ)のディスプレーを改造することで行った。この標準的なAccuTouch(商標)タッチスクリーン構造物は、ITOで出来ている透明な導電性被膜16で覆われているPETプラスチックシート32を含んで成るカバーシート(1番目の基質)およびまたITOで出来ている透明な導電性被膜22で覆われているガラス支持体33を含んで成る。この2つの透明な導電性被膜面は互いに面していて離れて位置する。スペーサードットが前記カバーシート(1番目の基質)の被膜の上の配置されていて、これらはガラススクリーンの導電性被膜に面してはいるがそれには触れていない。
【0068】
本実験では、前記カバーシート(1番目の基質)の透明な導電性被膜のITOを本質的に導電性の重合体で出来ている被膜に置き換えることを通して、この上に記述した標準的構造配置を改造した。用いた特別な本質的に導電性の重合体はPEDOT/PSSであり、これは、Agfa−Gevaert N.V.(Mortsel、ベルギー)から商標ORGACONTMEL3TGの下で厚みが175ミクロメートルのポリエチレンテレフタレートフィルムを覆っている被膜として商業的に入手可能である。
【0069】
空気式ピストンを前記1番目の基質の上に位置するように前記導電性表面とは反対側の面に取り付けて340g(12オンス)の荷重を針に1秒当たり3回の頻度でかけた。この針31は硬質プラスチック、具体的にはGeneral Electric Companyから商業的に入手可能なCYCOLAC(商標)T4500 ABSで出来ていた。この針の先端部の半径は0.76mm(0.030インチ)であった。この先端部をこれが前記導電性表面とは反対側の1番目の基質の表面に存在する複数のスペーサードットの中の4個が限定する領域の中心部を打つように注意深く位置させた。この針の先端部が前記1番目の基質を打つと、前記タッチスクリーンの1番目の基質を覆っている導電性被膜と2番目の基質を覆っている導電性被膜が押されて接触することで電気回路が完成する。図10に示すように、1000オームの抵抗器R1と9000オームの抵抗器R2を前記1番目の基質の導電性被膜と直列でつなげておいた。この抵抗器R1を横切る電圧降下Vを連続的に監視する目的でデータ取得装置を用いた。この回路にまた1対の入力端子AとBも含めておいた。
【0070】
実験1
この実験では、入力端子AとBを横切らせて5ボルトDCの電圧電位(voltage
potential)をかけたが、この電圧はタッチスクリーン産業で通常用いられる電圧である。米国特許第5,766,515号に教示されているように、端子Aの電圧を端子Bに対して正にした。前記1番目の基質の導電性表面と2番目の基質の導電性表面が接触することによって作り出される電気接触が劣化すると、各接触中に流れる電流の量が低下することで直列抵抗を横切る電圧降下の度合が低くなる。
【0071】
前記導電性表面を接触させた時に適切な電気回路が完成しない度合にまで電気接触が劣化すると、タッチスクリーンの故障が起こり得る。抵抗器R1を横切る電圧降下が50パーセント低くなることで示されるように電流の量が50パーセント少なくなると、これは、タッチスクリーンが故障したことを示す妥当な指標である。図1は、抵抗器R1を横切る測定電圧Vが約1400回のタッチT後に50パーセント低くなることを示している。
【0072】
実験2
実験2でもまた入力端子AとBを横切らせて5ボルトDCの電圧電位をかけたが、しかしながら、実験2では実験1に比較して極性を逆にした、即ち端子Aが端子Bに対して負の電圧を持つようにした。図2は、抵抗器R1を横切る測定電圧Vが約80,000回のタッチT後でも50パーセントにまで低くならなかったことを示しており、このことは、実験1に比較して57倍の向上に相当する。
【0073】
実験3
実験3でも再び端子Aに正の極性を持たせたが、入力端子AとBを横切る電圧電位を5ボルトDCから0.5ボルトDCにまで低くした。図3は、抵抗器R1を横切る電圧Vの低下は約130,000回のタッチT後でも無視出来るほどであることを示している。この実験をタッチTが全体で約1.81百万回のタッチになるまで継続した。図4は、この試験の最後の120,000回のタッチTに渡る電圧低下は図3に示した元々の電圧Vに比較してほんの数パーセント低くなるのみであることを示している。1.81百万回のタッチTを越えて継続した実験全体に渡って抵抗器R1を横切る測定電圧Vの50パーセント低下は起こらなかった。
【0074】
実験4
実験4でも再び端子Aに負の極性を持たせた(実験2と同様に)が、入力端子AとBを横切る電圧電位を5ボルトDCから0.5ボルトDCにまで低くした。図5および図6は、1.3百万回のタッチTを越えて継続した実験全体に渡って抵抗器R1を横切る測定電圧Vの50パーセント低下は起こらなかったことを示している。
【0075】
極性を逆にしてもDC電圧を低くしても装置が故障を起こす前のタッチ数が大きく増大することが前記実験から分った。このことは驚くべきことでありかつ予想外であった。
【0076】
実験5
実験5では、60Hzで作動する5ボルトのAC源を入力端子AとBにつなげた。図7は、抵抗器R1を横切る測定電圧Vが約700回のタッチT後に50パーセントを越えて低くなることを示している。
【0077】
実験6
実験6では、AC電圧のレベルを5ボルトから0.5ボルトにまで下げた。図8は、30,000回のタッチTを越えて継続した実験全体に渡って抵抗器R1を横切る測定電圧Vの50パーセント低下は起こらなかったことを示している。
【0078】
AC電圧を低くしても装置が故障を起こす前のタッチ数Tが大きく増大することが前記実験から分った。このような結果は驚くべきことでありかつ予想外であった。
【0079】
本分野の通常の技術を持つ実施者が理解するであろうように、本発明は数多くの変形を受け入れる余地があり、そのような変形には、これらに限定するものでないが、抵抗タッチスクリーンおよび膜スイッチの全ての変形が含まれる。本発明に対するそのような変形は全部本発明の範囲内に入る。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1は、図10の試験器具を用いて回路電圧を5Vにしそしてカバーシート(1番目の基質)に正極性を持たせて実施した実験1の抵抗器R1を横切る電圧Vをタッチ数Tの関数として示すチャートである。
【図2】図2は、図10の試験器具を用いて回路電圧を5Vにしそしてカバーシート(1番目の基質)に負極性を持たせて実施した実験2の抵抗器R1を横切る電圧Vをタッチ数Tの関数として示すチャートである。
【図3】図3は、図10の試験器具を用いて回路電圧を0.5Vにしそしてカバーシート(1番目の基質)に正極性を持たせて実施した実験3の抵抗器R1を横切る電圧Vをタッチ数Tの関数として示すチャートである。
【図4】図4は、図10の試験器具を用いて回路電圧を0.5Vにしそしてカバーシート(1番目の基質)に正極性を持たせて実施した実験3の抵抗器R1を横切る電圧Vをタッチ数Tの関数として示すチャートである。
【図5】図5は、図10の試験器具を用いて回路電圧を0.5Vにしそしてカバーシート(1番目の基質)に負極性を持たせて実施した実験4の抵抗器R1を横切る電圧Vをタッチ数Tの関数として示すチャートである。
【図6】図6は、図10の試験器具を用いて回路電圧を0.5Vにしそしてカバーシート(1番目の基質)に負極性を持たせて実施した実験4の抵抗器R1を横切る電圧Vをタッチ数Tの関数として示すチャートである。
【図7】図7は、図10の試験器具を用いて回路AC電圧を5Vおよび60Hzにして実施した実験5の抵抗器R1を横切る電圧Vをタッチ数Tの関数として示すチャートである。
【図8】図8は、図10の試験器具を用いて回路AC電圧を0.5Vおよび60Hzにして実施した実験6の抵抗器R1を横切る電圧Vをタッチ数Tの関数として示すチャートである。
【図9】図9は、本発明に従うタッチスクリーンの図示図である。
【図10】図10は、本発明に従って用いた回路装置の図示図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチおよびDC電圧源を含んで成る電気回路であって、前記スイッチは、本質的に導電性の置換もしくは未置換のポリチオフェン重合体を含んでいて導電性表面を有する1番目の基質(カバーシート)、および、前記1番目の基質から離れて位置していて導電性表面を有する2番目の基質、を含んで成っており、前記カバーシートが動いて前記2番目の基質の導電性表面に接触すると前記接触を示すシグナルを発生する、そして、前記電圧源は、1番目の基質の導電性表面と2番目の基質の導電性表面との間に電圧差を与えるものであり、前記1番目の基質の導電性表面は前記電圧源の負極性につなげられ、電圧差は5ボルト未満であることを特徴とする電気回路。
【請求項2】
電圧差が3ボルト未満である請求項1記載の電気回路。
【請求項3】
電圧差が1ボルト未満である請求項1記載の電気回路。
【請求項4】
前記置換もしくは未置換のポリチオフェンが下記の式:
【化1】

[式中、
nは、1よりも大きく、そして
1およびR2は、各々独立して、水素、または場合により置換されていてもよいC1-4アルキル基を表すか、或は一緒になって、場合により置換されていてもよいC1-4アルキレン基、または場合により置換されていてもよいシクロアルキレン基、好適にはエチレン基、場合によりアルキルで置換されていてもよいメチレン基、場合によりC1-12アルキルもしくはフェニルで置換されていてもよいエチレン基、1,3−プロピレン基、または1,2−シクロヘキシレン基を表す]
で表される請求項1〜3のいずれか1つに記載の電気回路。
【請求項5】
電気器具であって、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電気回路を含んで成る電気器具。
【請求項6】
タッチスクリーンであって、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電気回路を含んで成るタッチスクリーン。
【請求項7】
キーボードであって、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電気回路を含んで成るキーボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−231788(P2010−231788A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87755(P2010−87755)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【分割の表示】特願2001−212558(P2001−212558)の分割
【原出願日】平成13年7月12日(2001.7.12)
【出願人】(593194476)アグフア−ゲヴエルト,ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (50)
【出願人】(510132381)タイコ・エレクトロニクス・コーポレーシヨン (1)
【Fターム(参考)】