説明

柔軟な布地に対するケーブルの付着

データ又はパワーを伝送する能力を有するケーブル又は相互接続を有する布地体又は織物を布地体又は織物表面に対してテープによって固定する。ケーブル又は相互接続システムを固定する方法は、例えば、衣服テーピングプロセスを含んでいる。テーピングされたケーブル又は相互接続を具備する布地体は、非常に柔軟であり、洗濯耐久性を有し、且つ、ユーザーにとって控えめなものになっている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
個人が使用する電子装置は、小型化によって携帯性が実現され、この結果、ラップトップ、携帯電話機、計算機、ハンドヘルドオーガナイザ、携帯型ラジオ、及びCDプレーヤーなどの装置の有用性及び機能性が向上している。十分な小型化により、電子回路を衣類などの日常品に一体化させることが可能になっている。例えば、多くの衣料品は、いまや、携帯電話機、コンパクトディスクプレーヤー、及び携帯型オーディオプレーヤーを携行するためのポケットを含むように製造されている。いまや、小さな電子装置を織物及び衣服と統合し、装置の携帯性を劇的に向上させることが望ましい。これらの多くの試みが目標としているところは、ハンズフリー操作である。
【0002】
最近の実例が衣料品への電子回路の一体化を例示している。織物及びエレクトロニクス産業が一体化の可能性を実証するための共同作業を既に開始しているのである。例えば、Levi Strauss社とPhilips Electronics社は、モバイル通信装置、携帯型オーディオ装置(MP3プレーヤー)、ユーザーヘッドフォン、及びマイクロフォンを内蔵したLevi’s ICD+ジャケットを共同開発している。このジャケットには、ユーザーキーパッドで制御及び同期化可能な装置を接続する相互接続システムを構成するための配線が提供されている(米国特許出願第2003/0056969号)。
【0003】
衣服及びその他の柔軟な布帛又は布地体への電子モジュールの一体化に伴う難問は、モジュール間の接続である。モジュール間の接続は、モジュール間においてデータ又はパワーを伝送するという望ましい機能を少なくとも提供する必要がある。但し、同時に、接続は、柔軟であり、柔軟な布地体のユーザー又は着用者にとって控えめなものであると共に、布地体の着用又は使用時に、その接続によってパワー又はデータがモジュール間において確実に伝送されることが望ましい。更には、布地体のクリーニングのためにケーブルが除去されない限り、接続は、洗濯の後にも信頼性を有していなければならない。又、接続の付着方法が、織物産業に使用されているプロセスと互換性を有していることが望ましい。従って、柔軟な物体内において電子モジュールを接続するシステムは、モジュール間におけるデータ又はパワーの伝送、ユーザーにとって控えめなものであること、厳しい使用及びクリーニングに耐える十分な耐久性の保持、並びに、既知の織物プロセスと互換性のあるプロセスを使用した布地体への統合という要件を少なくとも具備していることが望ましい。
【0004】
布地体(即ち、衣料品)内に電子モジュール間の接続を内蔵する試みには、いくつかの方法が含まれる。例えば、衣類の内部に縫製された襠又はトンネル内に内蔵された相対的に堅いケーブル(又は、織物間に隠蔽された導電体)を使用して電子相互接続を布地体に内蔵している(CA2014104)。Levi’s ICD+という衣服の構造は、これと類似した方法を利用している。縫製された(又は、トンネル)構造においては、堅いケーブルは、容易に曲がらないことから、屈曲疲れが少なく、しばしば、薄くて柔軟なケーブルやその他の電子コンポーネントと比べて、耐久性が改善される。しかしながら、好都合に耐久性のある相互接続システムが生成される一方で、しばしば、柔軟性と重量が犠牲となり、且つ、相互接続が、着用者にとって控えめなものにならない。かさばった堅いケーブルが、磨耗と水疱の原因をユーザーに付与する場合もある。従って、軍事、警察、及び消防、並びに、バックパッキング/ハイキング、ランニング、及び、場合によっては、カジュアルウェアなどの多くのアプリケーションにおいては、耐久性のために、衣類の重量及び堅さの増大に甘んじることは許容不能である。
【0005】
別の方法は、導電性の糸、ワイヤ、ファイバ、及びこれらに類似するものとして導電性要素を織り込む又は編み込むことにより、導電性要素を織物に内蔵している。これらの織物は、例えば、米国特許第6,026,512号明細書に開示されているように、静電気消散衣服を製造するのに使用されている。導電性の織物は、多くの場合に、金属メッキされたアラミドファイバ、コーティングされたカーボンファイバ、又はその他の類似した導電体から製造された導電性の糸を利用している。その他の例には、信号又はパワー伝送のために導電体を直接布地内に織り込む又は編み込む段階が含まれる(米国特許第5,906,004号)。次いで、これらの導電性織物を衣料品の本体に内蔵する。しかしながら、これらの衣服の有用性は、信号の完全性が重要なアプリケーションにおいて、信号の絶縁の問題に起因して限定される場合がある。この構成に固有のその他の制限には、耐久性の欠如が含まれており、水及び磨耗に対する暴露などの使用や保守の際に遭遇し得る状態から導電性織物内の導電体が十分に保護されない。継ぎ目における接続と複数の布地パネルに跨った回路方向の制御に伴う難しさに起因し、製造上の問題が発生する。例えば、複数のパネルに跨った相互接続を有する衣服の製作を試みる際に(特に、一体化された導電体が1つの方向(縦糸又は横糸)にのみ走っている場合に)、裁断及び縫製作業が非常に妨げられることになる。又、導電性の織物構造を具備した衣服は、導電体が損傷すると、修理不可能である。
【0006】
Wilson他(WO 01/36728 A1)は、1本又は複数のファイバの代わりに、織物リボンの長さにわたって延長する伝送要素と共に編まれた、縫製された、又は編み込まれた織物リボンと、織り端と、を形成することにより、既存の制限のいくつかを克服するべく試みている。次いで、リボン織物を衣服上に縫製又は(好ましくは、フック又はループファスナによって)断続的に固定することにより、このリボン織物を2つの電子装置間において衣服に内蔵する。この構造は、修理性と、継ぎ目における相互接続性に関連する特定の問題と、を解決可能ではあるが、耐久性と信号の完全性に関係する固有の制限を依然として具備している。導電性要素が織物本体に対して直接的且つ連続的に接続されていなければ、着用及び洗濯の際の要素の動きにより、耐久性が制限されることになる。又、縫製又は固定によって衣服内に編まれた、縫製された、又は織り込まれた織物リボンを内蔵すると、衣服の美観に影響が及び、且つ、衣服の製造が複雑化することにもなる。
【0007】
米国特許第6,111,233号、第6,414,289号、及び第6,548,789号明細書において、Rock他は、電気抵抗加熱複合布地について記述している。例えば、米国特許第6,548,789号明細書には、導電性糸などの電気抵抗加熱要素を織物表面に刺繍又は接着し、この結果得られる複合布地を衣服に内蔵可能であることが教示されている。任意選択で、例えば、接着剤又はラミネーションにより、障壁層を織物表面上(電気抵抗加熱要素と同一又は反対の織物表面上)に配置し付着することも可能である。加熱毛布などの単純な構造を複合布地から製造可能であることが教示されている。或いは、この代わりに、例えば、衣料品などの更に複雑な形状に複合布地を内蔵することも可能であり、この場合には、複合布地のペアをジャケットに内蔵可能である。しかしながら、パターンの裁断位置、電気的な接続を通じた縫製、及び継ぎ目における接続など、内蔵された織物の複合的な3次元構造としての製造に関連する問題点に起因し、この方法は、三次元布地形状内における相互接続にとって非実用的なものとなる可能性がある。一体化した織物を有する布地のパネルを使用する場合には、パネル間において実際的な接続を形成することが、未解決の難問として残ることになる。又、織物表面における障壁層のラミネーション又は接着は、衣服の柔軟性と美観に影響を与えることになる。更には、この構造の一体化された特性は、電気システムの修理性又は交換性(これは、電気システムよりも衣服が長持ちするアプリケーションにおいて、望ましい特徴であろう)に有用ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
真に高屈曲性のアプリケーションにおいて耐久性を有しており、且つ、洗濯耐久性を有する相互接続システムを具備した布地体を提供することが望ましい。相互接続システムが、衣服の快適さと美観を損なうことなしに、布地体内に内蔵され、且つ、相互接続システムを具備する布地体が、身体にとって快適であり、着用の際にユーザーを刺激する堅い又は硬いポイントを伴うことなしに着用者にとって控えめなものになっていることが更に望ましい。これらの構造は、例えば、テントの場合に、折り畳みとパッキングのために柔軟な状態に留まっていることが更に望ましい。
【0009】
又、相互接続システムが容易に除去又は修理可能である布地体を具備することが望ましい。これは、相互接続システムや電子モジュールよりも衣服が長持ちする高屈曲性アプリケーションの場合に、特に望ましい。更には、これは、衣服と一体化される相互接続システムが、衣服が製造された後に、後から取り付けられる衣服などの布地にとっても望ましい。
【0010】
衣服の製造分野において既知であると共に、完成した又は部分的に完成した柔軟な布地体上において実行可能な技法を使用し、ケーブル及び相互接続などの電子コンポーネントを衣料品などの三次元の柔軟な布地体内に内蔵又は交換するプロセスを具備することが更に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、相互接続システムを衣服内に内蔵するための従来の方法が遭遇する問題点の多くを適切に解決する。本発明は、衣料品及びその他の織物構造用の柔軟であって軽量の相互接続システムを有する布地体に関するものである。一実施態様においては、接続は、柔軟なケーブルによって提供され、テープと布地体間において固定される。柔軟なケーブル及びテープが、ユーザーにとって控えめな耐久性を有する接続を提供する。
【0012】
又、本発明は、相互接続システムを有する衣服の製造に関係する未解決の難問を解決する三次元布地体内に相互接続システムを内蔵するプロセスをも提供する。例えば、本発明の一実施態様は、柔軟なケーブルとの組み合わせにおいて、連続衣服テーピングプロセスを利用し、接着剤を有するテープにより、ケーブルを複数の布地パネルに跨って布地体に又は織物構造に永久的に固定している。好ましいプロセスは、予め製造された衣服アセンブリ内にケーブルを統合する段階を提供する。更なる実施例においては、ホットメルト接着剤を有するテープを使用し、ケーブルを布地体又は織物に固定することにより、着脱可能であって修理可能な相互接続システムを生成する。
【発明の効果】
【0013】
驚くべきことに、ケーブルを布地体又は織物に対してテーピングする段階によれば、結果的に、布地体における快適さ、柔軟性、及び良好な美的特性を示しつつ、テーピングされていないシステムと比べて、改善された耐久性を具備した洗濯耐久性を有する相互接続システムがもたらされることが判明した。又、洗濯耐久性を有する相互接続システムは、衣服の手触り、重量、又は美観に顕著な影響を与えることなしに、衣服に一体化可能であることが判明した。更に驚くべきことには、衣服の製造に使用されているプロセスと互換性を有する技法を使用することにより、柔軟で、控えめであって、且つ、洗濯耐久性を有する構造を製造可能であることが判明した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の図面に明瞭に示されているように、図1は、織物表面(10)と、織物表面(10)の少なくとも一部に跨って延在するテープ(12)及び所定長のケーブル(13)と、を有する本発明の構造(1)を示しており、この場合に、ケーブルは、織物とテープ(12)間に固定されており、テープは、実質的且つ連続的にケーブルの長さ(14)をカバーしている。図2は、本発明の構造の断面を示している。構造は、織物表面(10)、接着剤(20)及び少なくとも1つの追加層(22)を有するテープ(12)、並びに、幅(21)を有するケーブルを有しており、ケーブルは、上部、下部、及び側部表面(それぞれ、13a、13b、及び13c)を有しており、この場合に、テープは、ケーブルの上部表面(13a)をカバーしており、テープ接着剤(20a)は、少なくともケーブルの上部表面に接着している。図2に示されているように、一実施例においては、テープ接着剤(20b)は、ケーブルの側部表面(13c)に接着し、側部表面をわずかに超えて織物上にも延在しており、接着剤(20b)は、織物表面(10)に接着し、これにより、テープと織物表面(10)間においてケーブルを固定している。図3は、本発明の更なる構造の断面を示しており、この断面は、織物表面(10)といくつかのケーブル(33)を示しており、この場合に、ケーブルは、織物表面(10)とテープ(12)間に固定されている。テープは、接着剤(20)と少なくとも1つの追加層(22)を有し、テープ接着剤(20)は、ケーブルの上部(13a)及び側部(13c)表面を覆い、且つ、これに接着しており、接着剤(20b)は、ケーブルの側部表面を超えて更に延在し、織物表面(10)に接着している。
【0015】
好ましくは、ケーブルは、テープと織物間に固定されており、ケーブルは、織物にわたって延在するケーブル長の全体に沿って、連続的にテーピングされている。又、ケーブルは、洗濯及び高屈曲性アプリケーションにおいて、織物表面に耐久性を有して固定された状態に留まる必要がある。この「固定された状態に留まる」という文言は、カバリングテープと織物表面間において、視認可能な剥離を伴うことなしに、テープが織物に付着した状態に留まり、これにより、ケーブルが定位置に留まっていることを意味している。テープと織物表面間にケーブルを固定することにより、本発明においては、洗濯などの着用、使用、及び保守の際にケーブルに作用する強力な力、もつれ、又はねじれの影響(この結果、しばしば、ケーブル又は接続の障害が発生する)が極小化され、この結果、接続システムの耐久性が改善されると考えられる。又、テープと織物表面間にケーブルを固定することにより、雨及び雪などの環境条件、汗や身体の油などの汚染物質、並びに、防虫剤、ディーゼル燃料、及びこれらに類似したものなどの化学薬品などからケーブルが保護されることになるとも考えられる。
【0016】
織物表面に付着したケーブルを有する織物構造が非常に柔軟であると共に、洗濯及び高屈曲性アプリケーションにおいて、ケーブルが織物表面に耐久性を有して固定されることが好ましい。当業者であれば、本明細書における「織物」とは、織られたもの、不織布、ニット、平ひも、及びこれらから製造された複合物を意味していることを認識するであろう。特に有用な複合物には、発泡体、フィルム、メンブレイン、及びコーティングを有する織物ラミネーションが含まれる(但し、これに限定されない)。好ましい織物は、防水性又は防液性を有している。「防液性」とは、織物が、本明細書に記載されている方法に実質的に従って実行された場合に、Suter試験に合格することを意味している。特に好適な織物は、防液性を有する湿気水蒸気透過性織物(特に、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を有する織物)を含んでいる。本発明の目的に関し、「織物」の定義には、フィルムが含まれており、特に、この場合に、フィルムは、ラミネート又はパネルの形態におけるものなどのように、布地体内に内蔵されるか又は布地体のすべて又は一部を形成している。
【0017】
本発明に使用するのに好適なテープは、ケーブル上に適用された際にケーブル幅をわずかに超えて延在し織物又は布地体に接着する幅を具備する狭く柔軟であって連続したストリップである。一実施態様においては、テープは、接着剤層と少なくとも1つの追加層という少なくとも2つの層を有する柔軟で耐久性を有するテープである。テープ内に使用するのに適切な接着剤は、熱又は化学的に機能する接着剤である。好適な接着剤の1つの種類は、ケーブル及び織物の熱安定性レンジよりも低い機能温度を具備する熱可塑性接着剤である。好適な熱可塑性接着剤には、熱可塑性ポリウレタン及びポリアミドが含まれる。接着剤の更なる好適な種類は、織物及びケーブルの熱安定性レンジよりも低い機能温度を具備する熱硬化性接着剤である。熱硬化性接着剤の特に有用な種類は、シリコーンである。エラストマー系接着剤も好適である。例えば、ポリビニルクロライド、ポリエステル、及びオレフィンポリマー接着剤などのその他の接着剤も、テープ接着剤として使用するのに好適であろう。又、感圧接着剤などのその他の接着剤も、特定のアプリケーションにおいては好適であろう。
【0018】
好適な2層テープは、接着剤と、テープ接着剤の処理温度を上回る温度において固形状態に留まる少なくとも1つの追加層と、を有している。追加層は、例えば、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリウレタン、ポリビニルクロライド、ポリエステル、及びこれらに類似したものなどの防液性フィルムから構成可能である。特に好適なものは、接着剤と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(ePTFEが最も好ましい)と、を有する層から構成された2層テープである。特に好適な3層テープは、ポリウレタン接着剤、PTFEを有する層(ePTFEが最も好ましい)、及びニット層から構成されている。又、例えば、テープに対して磨耗保護を提供し、且つ、着用者又は使用者の皮膚に快適な布地の内部表面を提供するべく、追加層がニット層を有することも可能である。テープは、織物などのその他の層、追加の接着剤層(これは、同一又は異なるものであってよい)、及び撥水コーティングなどのコーティングを更に有することができる。本発明に使用するのに好適なものとなるには、テープは、洗濯耐久性を有しており、且つ、複数の洗濯/乾燥サイクルの後に、織物又は布地体に固定した状態に留まることが可能であることが好ましい。
【0019】
本発明の構造は、ケーブル又は相互接続システムを更に有している。当業者であれば、「相互接続システム」とは、パワー又はデータを伝送する能力を有する構造を意味しており、分岐ケーブルを含むケーブルと、ケーブルを電子モジュールなどの装置に接続するコネクタと、から構成されていることを理解するであろう。「ケーブル」という用語は、電気データ、光学データ、及び電磁信号などのパワー又はデータを電子モジュール又は装置間において伝送する能力を有する1つ又は複数の伝送要素を具備する導電体を意味している。従って、ケーブルは、ケーブル端部において、相互接続システムを形成するコネクタによって終端処理されている。図示のように(図2)、ケーブル(13)は、絶縁ジャケット(26)と導電性要素(27)を有することができる。当業者であれば、「ケーブル」という用語が、例えば、リボンケーブル、ツイストペア、同軸ケーブル、及びこれらに類似したものを含むことを意味するものであることを認識するであろう。導電性要素を具備するケーブルは、アプリケーションに応じて任意の数の要素を具備可能である。いくつかの実施例においては(例えば、要素が電気的に導電性である場合には)、複数の伝送要素が、互いに絶縁状態(即ち、電気的絶縁状態)に保持されていることが好ましいであろう。このようなアプリケーション用の1つの好適なケーブルは、複数の要素と、0.5mmを下回る又はこれと等しい(好ましくは、約0.3mmを下回る、更に好ましくは、約0.2mmを下回る)厚さを具備するマイクロリボンケーブルである。
【0020】
ケーブルは、導電性要素を包囲する複数の絶縁ジャケット又は複数の層を具備可能である。例えば、EMI(ElectroMagnetic Interference)遮蔽を提供する必要がある場合には、絶縁材料と導電性材料が交互に変化する層を更に必要とすることになろう。ホットメルトポリウレタン接着剤などのホットメルト接着剤を使用して織物表面にケーブルを固定することが望ましいアプリケーションにおいては、ケーブルが、テープ接着剤の処理温度において熱的に安定している少なくとも1つの絶縁ジャケット又は層(26)を具備していることが好ましい。絶縁層は、ePTFE、PTFE、フッ素化エチレンプロピレン、ポリビニルクロライド、ポリイミド、シリコーン、ポリエチレン、及びこれらに類似したものなどの電気絶縁材料を有することができる。絶縁層を有する1つの好適なケーブルは、例えば、マルチ信号伝送ケーブル(W. L. Gore & Assoc., Inc., Elkton, MD)などのPTFE又はePTFEの層又はジャケットを有するマイクロリボンケーブルである。ケーブル及び絶縁材料の選択は、例えば、ケーブルの固定に使用される処理温度、並びに、アプリケーションによって規定された電気的性能、耐久性、及び柔軟性の要件に依存したものであってよい。マイクロリボンケーブルなどの薄くて狭い導電性ケーブルは、衣服アプリケーションに有利であり、この場合には、これらは、例えば、固定された後に、視覚的に控えめな状態に留まることになる。
【0021】
本発明のケーブルは、長さによって定義されており、且つ、織物及びテープに対するケーブルの位置に関連し、上部及び下部表面、並びに、側部表面を具備している。従って、本発明の目的に関し、フラット、ラウンド、又はツイストペアなどの所定長のケーブルは、上部及び下部ケーブル表面を具備しており、ケーブルの上部表面は、その所定長のケーブルのテープに最も近接した部分であり、ケーブルの下部表面は、所定長のケーブルの織物表面に最も近接した部分であり、ケーブルの側部表面は、ケーブルの上部及び下部表面の間の部分である。
【0022】
図7に示されている更なる実施態様においては、テープ接着剤(20)を有するテープ(12)、織物表面(10)、及びテープと織物表面間のケーブル(13)を有する構造が提供されており、この場合には、追加接着剤(74)が、ケーブルの下部表面と織物表面の間に配置されている。一実施態様においては、ケーブルが接着剤成分を有することが可能であり、この結果、ケーブルを織物表面上に延長させる前に、ケーブルの下部表面などのケーブル表面上に接着剤を具備している。別の実施例においては、織物表面にケーブルを配置する前に、追加接着剤を織物に適用している。次いで、ケーブルを追加接着剤と織物表面に接着する。いずれの構成も、テーピングプロセスにおいて定位置にケーブルを保持するのに有用であろう。ケーブルのコンポーネントとして(又は、織物上に直接配置するのに)適切な好ましい追加接着剤には、感圧接着剤が含まれる。
【0023】
別の実施態様においては、織物上にテープを配置する前に、ケーブルとテープを事前に単一構造に組み立てることが可能である。例えば、ケーブルを接着剤内に埋め込むなどにより、ケーブルをテープ接着剤層内に内蔵可能である。或いは、この代わりに、ケーブルが、追加テープ層の中の1つを有することも可能であり、或いは、ラミネーションになどにより、ケーブルを1つ又は複数の追加テープ層内に内蔵することも可能である。
【0024】
図4は、本発明の模範的な布地体であり、これは、具体的には、フードを具備した衣服又はジャケットである。「布地体(fabric body)」という用語は、三次元又は複数パネルの織物構造を意味している。例には、テント及びビビーバッグを含むパーソナルシェルター、帽子、ジャケット、シャツ、靴下、手袋、フード、及びこれらに類似したものを含む衣服、並びに、かばん、バックパック、及びこれらに類似したものが含まれる(但し、これらに限定されるものではない)。三次元織物構造を有する布地体は、少なくとも1つの織物パネルと、好ましくは、少なくとも2つの結合された織物パネルと、を有することが可能であり、この場合に、1つ又は複数のパネルは、例えば、溶着又は縫製によって結合可能である。従って、三次元織物構造は、例えば、継ぎ目を更に有することが可能であり、この場合に、少なくとも2つの織物パネルが結合されているか、或いは、単一のパネルの端部が結合されている。図4に示されているように、フード付きのジャケットを有する布地体は、少なくとも2つの結合された織物パネル(41)と継ぎ目(44)を有している。ジャケット本体(47)とフード(48)は、少なくとも1つの継ぎ目(44)を定義する少なくとも2つの結合された織物パネルから形成されており、この場合に、所定長のケーブル(43)は、ジャケット本体及びフード内(又は、この上)に配置された電子モジュール(45)間においてルーティングされている。所定長のケーブル(43)とテープ接着剤(42)を有するテープは、織物パネルの少なくとも一部に跨って延在し、継ぎ目(44)を跨って延在している。織物パネルに跨って延在している所定長のケーブルは、テープ(42)によって実質的且つ連続的にカバーされている。好ましくは、テープ接着剤は、ケーブルの上部表面に沿って所定長のケーブルに接着し、ケーブル側部表面を超えて織物上に延在し、テープと織物パネル間においてケーブルを固定している。
【0025】
従って、好適な実施態様は、少なくとも2つの結合された織物パネルと、ケーブル側部表面を具備する所定長のケーブルと、有する布地体に関係しており、この場合に、ケーブルは、少なくとも2つの織物パネルの少なくとも一部にわたって延在している。この実施例は、所定長のケーブルをカバーし、これに接着する接着剤を有するテープを更に有しており、この場合に、接着剤は、ケーブルの側部表面を超えて織物パネル上に延在し、且つ織物パネルに接着しており、この結果、ケーブルは、テープと織物パネル間において固定されている。布地体は、ケーブルと織物パネル間に追加接着剤を更に有することができる。パワー又はデータの伝送に使用するべく、所定長のケーブルの端部は、コネクタによって終端処理されている。好ましくは、コネクタの少なくとも1つの表面は、テープ接着剤によってカバーされており、テープと織物間において固定されている。
【0026】
更なる好適な布地体は、表面を具備する織物と、織物の少なくとも一部にわたって延在した絶縁層を有する所定長のマイクロリボンケーブルと、を有している。熱的に安定した層とポリウレタン接着剤を有する好適なテープが、所定長のマイクロリボンケーブルをカバーしており、ポリウレタン接着剤が、ケーブルに接着し、ケーブル側部表面を超えて延在して織物表面に接着している。ケーブルは、織物表面とテープ間において固定されている。好ましくは、絶縁層及び熱的に安定した層は、テープ接着剤の処理温度を上回る温度において熱的に安定している。
【0027】
好適な一実施態様においては、テープによって固定されたケーブルを有する布地体は、防液性を有している。防液性とは、織物パネルを結合する継ぎ目を含む布地体が、本明細書に記述されている方法に従って実質的に実行された場合に、Suter試験に合格することを意味している。又、接着剤を有するテープを継ぎ目に適用して防液性シールを提供することも可能である。ケーブルが継ぎ目に沿って延在している場合には、テープは、ケーブルを布地体に固定すると共に、防液性のシーリングを継ぎ目に提供するべく機能する。従って、防液性の布地体は、好ましくは、防液性織物パネル、接着剤を有するテープ、及びケーブルを有しており、この場合に、テープが、ケーブルを織物に固定している。ケーブルが継ぎ目に沿って延在している場合には、接着剤を有するテープは、継ぎ目をシーリングし、これにより、ケーブルを有する防液性シーリングされた継ぎ目を形成する。
【0028】
本発明の別の実施態様は、相互接続システムを含むテーピングされたケーブルを具備する布地体を組み立てるプロセスに関係している。ケーブルを具備する布地体を組み立てる方法は、少なくとも2つの織物パネルを結合して継ぎ目を有する布地体を形成する段階と、ケーブル側部表面を具備する所定長のケーブルを継ぎ目に跨って少なくとも2つの織物パネルの一部上に延在させる段階と、を有している。又、接着剤を有するテープが提供されており、接着剤をケーブルに接着する段階と、ケーブル長をカバーする段階と、ケーブル側部表面を超えて延在させる段階と、を有している。テープ接着剤がテープを布地体に接着し、これにより、ケーブルを布地体に固定している。
【0029】
高性能衣服の分野においては、衣服テーピングプロセスを使用してテープ(例えば、継ぎ目シーリングテープ)を衣服の継ぎ目に適用することにより、これらに対して防液性を付与することが知られている。衣服のテーピングは、例えば、Gore Model 5000 seam sealing machine(W. L. Gore & Assoc., Inc., Elkton, MD)、又は、Pfaff Industrie(Kaiserslautern, Germany)が製造している継ぎ目シーリング機械などの継ぎ目シーリング技術の分野において既知のいくつかの機械又はプロセスによって実現可能である。一実施態様においては、方法は、リール又はロールなどの連続供給装置からテープを提供する衣服継ぎ目シーリング機械を提供する段階と、長さが長いテープに好適な連続プロセスによってテープを織物又は布地体に適用する段階と、を有している。図5は、本発明において使用する継ぎ目シーリング機械の1つのセグメントを示している。図5の機械は、テープ供給リール(50)とケーブル供給リール(51)という2つの供給リールを具備するものとして示されている。現在、衣服テーピングプロセスにおいて知られているものは、リール(50)などの連続供給装置からテープを提供するもののみである。従って、「衣服テーピングプロセス」という文言は、接着剤(20)の層を有するテープ(12)を提供する段階と、例えば、ホットエアノズル(54)又はその他の熱源によってテープ(12)に熱を印加して接着剤(20)を溶かす段階と、を有する継ぎ目シーリング機械又はクロスオーバープレスなどの機械を使用するプロセスを意味している。本方法は、織物又は布地体(10)を提供する段階と、溶解した接着剤を具備するテープを織物又は布地体上に配置する段階と、圧力を織物又は布地体及びテープに印加する段階と、テープを織物又は布地体に接着する段階と、を更に有している。
【0030】
従って、本発明は、少なくとも1つの織物パネル又は織物表面を有する布地体を提供する段階と、織物の少なくとも一部にわたって所定長のケーブルを延在させる段階と、テープ接着剤を有するテープを提供する段階と、所定長のケーブルをテープによって織物に固定する段階と、を有する衣服テーピングプロセスを使用してケーブルを布地体又は織物表面に適用する方法を開示しており、この場合に、テープは、衣服テーピングプロセスによって所定長のケーブルに適用される。一実施態様においては、テープとケーブルは、例えば、継ぎ目シーリング機械を使用することにより、同時に織物に対して適用され、この場合に、ケーブル(13)は、好ましくは、ケーブル供給リール(51)などの連続供給装置から供給される。この実施態様においては、本方法は、接着剤(20)の層と、接着剤の処理温度を上回る温度において固体状態に留まる少なくとも1つの追加層(22)と、を有するテープ(12)を提供する段階(テープは、好ましくは、ロール(51)の形態で提供される)と、ホットエアノズル(54)又はその他の熱源によって熱をテープ(12)に印加して接着剤(20)を溶かす段階と、を有している。本方法は、織物(10)とロール又はリール(51)から供給されるケーブル(13)を提供する段階と、織物、溶解した接着剤を具備するテープ、及びケーブルを2つのニップローラー(55)及び(56)間に供給する段階と、テープと織物間においてケーブルを加圧する段階と、を更に有しており、テープは、連続的に所定長のケーブルをカバーし、テープが織物に接着し、ケーブルを織物に固定する。好適な実施態様においては、テープとケーブルは、テープとケーブルをアライメントするガイドローラー(52及び53)上において同時に提供又は供給され、ニップローラーの間にコンポーネントを供給する前に、テープの幅に対してケーブルがセンタリングされる。
【0031】
本発明に使用するのに好適な衣服テーピングプロセスの別の例は、例えば、Crossover Press Model 994−GS(これは、George Knight, Ltd., Brockton, MA、又はW. L. Gore & Assoc., Elkton, MDを通じて入手可能である)などのプレスを利用するクロスオーバープレスと呼ばれるプロセスである。クロスオーバープレスは、例えば、相互接続システムのコネクタを織物又は布地体に固定したり、2つの所定長のテープが互いに交差しているものなどのシーリングの実行が困難なエリアを加熱及び加圧したりするなど、小さなエリアにテープを適用するために(即ち、細かなテーピングのために)使用可能である。但し、クロスオーバープレスは、ケーブル又は相互接続システムを織物又は布地体に一体化するのにも使用可能である。図6は、小さなプレスの1つのセグメントと、上部表面上に高温エラストマー系発泡体の上部表面を有する下部プラテン(62)上にスタックされた織物又は布地体(10)、テープ(12)、及びケーブル(13)を有する構成を示している。次いで、加熱された上部プラテン(61)が、テープ上に降下して加圧し、接着剤(20)が溶解し、テープとケーブルが織物(10)に対して加圧される。
【0032】
従って、本方法は、上部プラテン(61)、下部プラテン(62)、及び、好ましくは、1つ又は両方のプラテンを制御可能に加熱する手段(65)を有するプレスを提供する段階と、上部及び下部プラテン間に織物を提供する段階と、接着剤と接着剤のプロセス温度を上回る温度において固体状態に留まる少なくとも1つの追加層を有するテープを提供する段階と、織物とテープ接着剤間にケーブルを提供する段階と、を有するケーブルを織物又は布地体にテーピングするプロセスにも関係している。本方法は、上部及び下部プラテンを一緒に加圧する段階と、テープ接着剤を溶解する段階と、接着剤をケーブルに接着する段階と、テープを織物に接着し、これにより、織物又は布地体とテープ間においてケーブルを固定する段階と、を更に有している。又、本方法は、プラテンの間にテープ又はケーブルを提供する前に、テープ接着剤によって所定長のケーブルをカバーする段階をも有することも可能である。
【0033】
好ましくは、織物は、衣服などの布地体又はその他の布地の形態である。一実施態様においては、所定長のケーブルをカバーする段階の前に、本方法は、接着剤を溶解する段階を有することができる。好適な方法は、所定長のケーブルをテープ接着剤によってカバーする段階と、テープ接着剤をケーブル側部表面を超えて織物上に延長させる段階と、衣服テーピングプロセスによってケーブルを織物に固定する段階と、を有している。更に好ましくは、所定長のケーブルをケーブル上部表面上においてカバーする段階と、テープ、ケーブル、及び織物に圧力を印加する段階と、織物とテープ間においてケーブルを固定する段階と、を有する方法が開示される。
【0034】
追加接着剤(好ましくは、感圧接着剤テープ)をケーブルの下部面に適用することが好ましい。この結果、布地上において、手作業により、ケーブルを容易にルーティング可能であり、この結果、ケーブルは、テープによって布地体に固定されるまで、その位置を曲線又は旋回形状において維持することになる。従って、織物又は布地体を組み立てる方法は、テープ接着剤をケーブルに接着してケーブルを織物表面又は布地体に固定する段階の前に、接着剤を有するケーブルを織物又は衣服の少なくとも一部上において延在させる段階と、ケーブルを織物又は布地体に接着又は固定する段階と、を更に有している。或いは、この代わりに、ケーブルを織物表面の一部上に適用する前に接着剤を織物表面又は布地体に適用可能な場合には、組立方法は、テープ接着剤を織物又は布地体に接着する前に、追加接着剤を織物表面又は布地体の少なくとも一部に提供する段階と、所定長のケーブルを追加接着剤の一部上に提供する段階と、ケーブルを織物又は布地体に接着又は固定する段階と、更に有している。
【0035】
本発明の別の方法においては、ケーブル及びテープは、布地体内の継ぎ目に沿って延在しており、ケーブルは、テープによって織物に固定されており、防液性の織物及び継ぎ目を有する布地体を提供する段階と、継ぎ目に沿ってケーブルを延在させる段階と、接着剤を有するテープを提供する段階と、テープ接着剤を溶解する段階と、溶解した接着剤を有するテープを防液性の織物上に加圧する段階と、テープと織物間においてケーブルを固定する段階と、を有し、この場合に、結果的に得られたケーブルを有するシーリングされた継ぎ目は、防液性を有している。
【0036】
本発明のプロセスを使用し、織物又は布地体をケーブル又は相互接続システムと一体化させた場合に、ケーブル又は相互接続システムは、着用者にとって控えめなものになることが判明している。好適な実施例においては、ケーブル又は相互接続システムを衣服又はその他の布地体の内部表面に適用した場合に、外部表面上において、布地に対する相互接続システム又はケーブルの付着を視認することは不可能である。
【0037】
織物産業においては、耐久性及び柔軟性が、バックパッキング、ハイキング、カジュアルウェア、警察、作業着、軍隊、消防、及びこれらに類似したものなどの本発明の布地体を使用可能な多くのアプリケーションにおいて非常に重要であることが知られている。特に、布地体は、洗濯耐久性並びに屈曲及び磨耗により、使用の際に、極めて過酷な状態におかれることが知られている。具体的には、軽度な要件のアプリケーションにおいては、布地体及びこれに付着しているその他のコンポーネントは、少なくとも2回の洗濯/乾燥サイクルに耐えることが重要である。過酷な使用法の衣服は、更に大きな洗濯耐久性を必要とすることになる。着用耐久性は、フィールドウェアの場合に衣服が経験する折り畳み、ねじれ、及び擦れをシミュレートする本明細書に記述されている湿式屈曲及び磨耗試験を使用して計測される。布地体及び付属物が少なくとも2時間にわたって耐えることが望ましいが、これを上回ることが更に好ましいと考えられる。
【0038】
驚くべきことに、本発明の方法を使用してケーブル又は相互接続システムをテーピングした織物及び布地体は、使用及び保守の際に非常に丈夫であることが判明した。本発明の好適な実施態様は、少なくとも2洗濯/乾燥サイクル(最も好ましくは、少なくとも5洗濯サイクル)にわたって、織物又は布地体に固定された状態に留まる相互接続システム又はケーブルを具備する織物又は布地体である。「固定された状態に留まる」とは、ケーブル又は相互接続システムが、織物又は布地に固定された状態で留まることを意味しており、この場合に、接着剤を有するテープと織物又は布地間に視認可能な剥離は存在していない。更に好ましくは、本発明の方法によって固定された相互接続システム又はケーブルを具備する織物又は布地体においては、データ又はパワーの伝送が、洗濯の後にも維持されている。好ましくは、ケーブル又は相互接続システム内の導電体の直流(DC)抵抗値は、2回の選択/乾燥サイクルの後に、約100Ω/mを下回っており、最も好ましくは、5回の洗濯/乾燥サイクルの後に、100Ω/mを下回っている。又、ケーブル又は相互接続システム内の導電体の直流(DC)抵抗値が、10時間の湿式屈曲及び磨耗の後に(最も好ましくは、20時間の湿式屈曲及び磨耗の後に)、約100Ω/mを下回っている織物又は布地体が好ましい。
【0039】
又、着用者にとっては、布地の柔軟性が重要であることが知られている。本明細書に記述されている本発明によって計測される曲げ剛性は、布地の柔軟性、柔らかさ、又は手触りの重要な成分であることが当業者に知られている。好ましくは、本発明の方法に従って固定されたケーブルを有する本発明の布地体及び織物においては、曲げ剛性について本明細書に記述されている方法に従って試験された場合に、1000グラム未満のHandle−O−Meter曲げ剛性を具備しており、これは、好ましくは、500グラム以下であり、最も好ましくは、250グラム以下である。
【0040】
以下のような試験を使用し、本発明のいくつか実施例のいくつかの特性について評価した。
【0041】
(試験方法)
(連続した湿式屈曲及び磨耗後の導電性の試験方法)
時間の経過に伴う着用又は使用耐久性の加速インジケータとして本方法を使用した。本発明の例に従って準備されたサンプルを試験した。36cm x 71cmの織物表面の一連のサンプルを裁断した。例に記述されているように、長さが約55〜70cmのケーブルを織物に固定した。
【0042】
又、テーピング又はトンネルと通じたルーティングにより、例に記述されているように、ケーブル長を織物に固定した後に、本発明の適切な例において使用されている方法に従って、ケーブルのそれぞれの端部において、約6cmのテープによってケーブルを更に固定した。これは、未固定のケーブル端部に対する損傷を防止するべく実行した。初期抵抗値の評価のために、ケーブルの両端において、約0.75〜1.5cmのケーブル長がテープを越えて延在するようにした。
【0043】
連続的に動作するべく変更されたKenmore洗濯機(Sears, Chicago, IL)内にサンプルを配置した。合計洗濯負荷が1kg+/−0.1kgとなるように、必要に応じて、同一の織物表面のバラストを追加した。洗濯ドラムに20℃+/−5℃の軟水を充填し、付着したケーブルを有する織物のサンプルを連続攪拌方式で洗濯した。2時間の攪拌の後に、サンプルを吊るして空気乾燥させた。毎回2時間の湿式屈曲及び磨耗の後に、サンプルを評価し、ケーブルが電気的に接続した状態に留まっているかどうかを判定した。
【0044】
電気的な接続性は、ケーブル内のコネクタのDC抵抗値を計測することにより、Fluke 21 IIIモデルマルチメーターを使用して確認した。ケーブルの抵抗値を正確に評価するために、サンプルから、ケーブルの端部を織物及び(適宜)ケーブル上の保護絶縁に固定しているテープの約0.5cmの部分を剥ぎ取った。この剥ぎ取り作業は、フレッシュな導電体端部を試験するべく、それぞれ2時間の増分ごとに反復した。湿式屈曲及び磨耗試験は、サンプルに障害が発生したと判定されるまで、2時間を増分単位として継続した。
【0045】
直流DC抵抗値が100Ωを超過した場合に、ケーブルサンプルに障害が発生したと見なした。誤った結果を回避するべく、テープを剥ぎ取り、テーピングされた端部、並びに、ケーブル長に沿った複数の場所において、障害が発生したサンプルを評価し、障害がケーブル内において発生しており、露出したケーブル端部の高疲労に起因するものではないことを確認した。この試験におけるサンプルの耐久性の評価は、サンプルに障害が発生した連続洗濯時間数として報告した。複数のサンプルを試験した場合には、平均を報告した。
【0046】
((Handle−O−Meterを使用した)曲げ剛性試験の試験方法)
しばしば、手触りとも呼ばれる曲げ剛性は、Handle−O−Meter(Model 211−5、Thwing Albert Instrument Company, Philadelphia, PA)を使用し、ケーブルと、本発明の方法によって布地に固定されたケーブルと、について試験した。1000グラムの梁を使用し、1.2cmのスロットを通じて試験標本を押した。計器により、スロットを通じた試験標本の移動に抵抗する力を計測した。この布地の曲げ剛性に関係する抵抗力をデジタル的に計測及び表示した。ピーク抵抗力を記録し、これを使用してサンプルを比較した。テープによって織物に固定されているケーブルの場合には、サンプルサイズは、10cm x 10cmである。付着していないケーブルの場合には、サンプルは、ケーブル自体であった。
【0047】
テープによって固定されたケーブルを有する織物又は付着していないケーブルの代表的な試験においては、ケーブルがスロットに対して垂直に延長するように、サンプルを装置の上に配置した。試験を開始し、梁を降下させ、スロットを通じてサンプルに力を加えた。ピーク抵抗力値を記録した。次いで、同一のサンプルを反転させ、180度回転させて異なる場所において曲げた。試験を反復し、ピーク抵抗力を記録した。2つのピーク抵抗を平均し、手触りの数値(又は、グラムを単位とする曲げ抵抗力)として報告した。同一の構成の少なくとも2つのサンプルを試験し、平均を結果として報告した。
【0048】
(洗濯/乾燥サイクルにおける試験方法)
サンプルの洗濯耐久性を判定するべく、ISO6330:1984 Procedure No. 3Bに概説されている条件に略準拠して、サンプルを洗濯し、乾燥させた。具体的には、媒体である水のレベルが約18ガロン(即ち、0.0681m3に等しい)、湯の温度が約華氏140度(即ち、摂氏60度に等しい)、及び10分間に設定されたすすぎサイクル及び強力な洗濯サイクルに設定されており、約90gのTIDE(登録商標)粉洗濯石鹸を有する上部投入型洗濯機内に、4ポンド(約2Kg)の洗濯物負荷として、サンプルを投入した。約35〜45分の乾燥時間のHot設定により、サンプルを回転乾燥機内において乾燥させた。この洗濯/乾燥方式を5回反復した。本発明のテープによって固定されたケーブルを有する織物の場合には、テープの外観を評価し、ケーブルのいずれかの端部上の基板導電体に接触することにより、Fluke 21 IIIマルチメーターを使用してケーブルの電気直流抵抗を計測した。
【0049】
(防液性織物及び継ぎ目のためのSuter試験)
本発明の構造によって製造された布地体の織物及び継ぎ目が防液性を有しているどうかを判定するには、Suter試験手順を使用する(これは、ISO811−1981の記述内容に略基づいている)。この手順においては、試験サンプルの1つの面に対して水を加圧することによって試験対象のサンプルに低圧の負荷をかけ、水がサンプルを透過した標識について他方の面を観察する。
【0050】
直径が3インチ(7.62cm)のサンプルのエリアに水を印加できるように、試験サンプルをクランプし、サンプルを保持している取り付け具内のゴムのガスケット間においてシーリングした。1psig(0.07bar)の気圧下において、水をサンプルの1つの面に印加した。布地ラミネートの試験においては、前面又は外側に水を印加することになろう。継ぎ目の試験においては、サンプルの前面側に水を印加し、漏れについて反対側(即ち、継ぎ目の裏地層)を観察した。
【0051】
水が出現するなんらかのサイン(灯心現象又は水滴の出現のいずれかによる)について、3分間にわたり、サンプルの反対側の面を視覚的に観察した。サンプルは、水が観察されない場合に試験に合格したものと判断され、サンプルは、防液性を有していると見なされる。
【実施例】
【0052】
例1
エラストマー系熱可塑性ポリウレタン接着剤テープによって固定されたケーブルを具備する36cm x 71cmの織物パネルを形成した。
【0053】
導電性銀テープのロール(3M電気テープ、品番3224−1、3M Company、 St. Paul, MN)を0.32cm幅 x 66cm長さのストリップに細長く切断し、2層(2L)GORE−TEX(登録商標)(登録商標)ラミネート(ePTFEを有するMI260布地、W. L. Gore & Assoc., Inc., Elkton, MD)のフィルム側に適用した。次いで、織物とテープ(Nylon 66ニット、ePTFEメンブレイン、及び0.16mmのポリウレタン接着剤を有するGORE−SEAM(登録商標)テープ、品番6GTAJ025POLNM、WL Gore & Assoc., Elkton, MD)の間において、ケーブルを固定した。これを実現するべく、GORE(商標) seam sealing Machine Model 5000E(W. L. Gore & Assoc., Inc., Elkton, MD)を使用し、約550℃の気温、約3.7m/分の稼働速度、及び約103.4kPaの気圧を使用してテープを適用した。テープは、所定長の導電性銀テープをカバーして、導電性銀テープの側部表面を超えて延在し、継ぎ目テープがラミネートに接着した。
【0054】
結果的に得られた布地パネルを、前述の連続湿式屈曲及び磨耗の方法に従い、2時間にわたって洗濯した。前述のように、布地パネルのDC抵抗値を計測したが、これは、洗濯の前後において実質的に不変であり、約0.2Ωの初期及び後続抵抗値を具備していた。
【0055】
例2〜6
例1に記述されているものと類似した2L MI260に対して、例1の方法に実質的に類似した方式で、導電性ケーブルを2層(2L)GORE−SEAM(登録商標)Tape(品番4GNAL022NAT、 W. L. Gore & Assoc., Inc., Elkton, MD)によって固定した。Gore seam sealing machineを使用し、約625℃のエアノズル温度、約4.6m/分のシーリング速度、及び約103.4kPaの気圧により、ラミネートとテープ間においてケーブルを固定した。
【0056】
ケーブルの長さに沿って連続的にテーピングすることにより、以下のケーブルを2Lラミネートのパネルとテープ間において固定した。
【0057】
【表1】

【0058】
導電体が約100Ωを上回るDC抵抗値を具備するまで、固定された導電性ケーブルを具備するラミネートを本明細書に記述されている連続湿式屈曲及び磨耗用の方法に従って試験した。100Ωを上回る抵抗値に到達するまでの湿式屈曲及び磨耗の時間数として、結果を次表に一覧表示している。すべてのケースにおいて、ラミネートからのテープの剥離は観察されなかった。
【0059】
【表2】

【0060】
例7〜11
以下、例7〜11の導電体ケーブルについて説明する。例2〜6と同一のテープにより、例2〜6に記述されている2L Gore−Tex(登録商標)MI260ラミネート(W. L. Gore & Assoc., Inc., Elkton, MD)の36cm x 70cmのセクションに対して、約60cmの長さを具備する導電体ケーブルを固定した。Gore seam sealing machineを使用し、約625℃のエアノズル温度、約4.6m/分の稼働速度、及び約103.4kPaの気圧を使用してケーブルをラミネートに固定した。ケーブルは、例2〜6の方法に実質的に類似した方式で織物に固定した。
【0061】
更に、比較のために、トンネルを介して、導電性ケーブルをラミネートサンプルに付着させた。これを実現するべく、市販のミシンと綿糸を使用し、2L MI260織物の薄いストリップ(5cm x 55cm)を2L MI260パネルの背面に縫い付けた。2L MI260のストリップは、いずれかのエッジから約1cmのところにおいて、その長さに沿ってストリップのいずれかの側(長手方向)に沿って縫い付けた。それぞれのストリップの端部は、ケーブルのルーティングが可能なように、オープン状態に残された(トンネルを形成している)。ケーブルをトンネルを通じてルーティングし、例2〜6において説明した2L 0.1mmテープを使用し、いずれかの端部上において、約6cmにわたり、トンネル端部においてのみテーピングした。
【0062】
本明細書に記述されている試験に従い、湿式屈曲及び磨耗耐久性について、サンプルの両方の組を試験した。次の表は、トンネル及びテーピングによるサンプル間の湿式屈曲及び磨耗時間を比較しており、サンプルに障害が発生した時間(即ち、抵抗値が100Ωを超過した時点)を示している。縫い付けられたトンネル内においてルーティングされた導電体及び端部上に留められたテープの結果は、「トンネル」の列に示されている。その長さに沿って完全にテーピングされた同一の導電体の結果は、「テーピング」の欄に示されている。
【0063】
【表3】

【0064】
例12
三次元布地体へのケーブルの付着について示し、本発明の方法によって付着されたケーブルの洗濯耐久性について試験する。
【0065】
携帯電話機ポケットを有する市販のジャケット(Authentic Brand Wear 1 First, size medium, JC Penneys)衣服に対して、布地に固定されたケーブルを2L 0.1mmのGore−Seamテープ(例2〜11において記述したもの)によって後から取り付けた。この場合には、更に美観を保持するべく、テープを約1.25cmの幅に細長く切断した。
【0066】
ジャケットのライナーにスリットを入れ、縫製された継ぎ目が露出するように、衣服を裏返した。3本のMSTC(16ワイヤ)ケーブル(W. L. Gore & Assoc., Inc.)をジャケットの継ぎ目に沿って延在させ、163℃に設定された温度を有するクロスオーバーシームシーラープレス(George Knight and Co., Inc.のModel 994−GS)を使用し、0.1mmの2L Gore Seamテープ(約1.25cm幅に細長く切断されたもの)によってカバーした。後述するように、テープ及びケーブルを3つの経路に沿ってジャケット上に配置し、ケーブルをテープとジャケット間に挟持した(この場合に、テープは、ケーブルの長さにわたって延在し、ケーブルのエッジを超えて延在している)。テープ及びケーブルのそれぞれの増分を約10秒にわたって圧縮装置の下に保持し、テープをジャケットに接着した。それぞれのケーブルの端部を、各端部の約12cmにわたり、露出したテーピングされていない状態に残した。
【0067】
1本のケーブル(ケーブル1)を継ぎ目に沿って配置し、携帯電話機ポケットからフードの左手側にルーティングして定位置にテーピングした。その他の2本のケーブルを継ぎ目及び織物パネルに沿ってフードの右手側にルーティングし、定位置にテーピングした。フードの右手側の2本のケーブル(ケーブル2及び3)の被覆をレーザー(25WのCO2レーザー)によって剥ぎ取り、シアノアクリレートポリマーによってカバーされたはんだポイントを有するガラス/エポキシ回路基板の予めすずメッキされたパッドにはんだ付けした。フードの左手側のケーブル端部(ケーブル1)も、ケーブル2及び3と実質的に同一の方式で基板に終端処理した。すべての3本のケーブルの反対側の端部を衣服の前面の携帯電話機ポケット内に封入した。ケーブル1及び2の被覆を剥ぎ取り、基板に終端処理した。第3ケーブル(ケーブル3)は、携帯電話機ポケット内において終端処理しない場合の影響を評価するべく、未終端処理状態に残した。すべての回路基板及び自由ケーブルの残りの長さを、ケーブルに使用したものと同一の方法及びテープを使用して衣服にテーピングした。
【0068】
本明細書に記述されている方法に従い、この衣服に対して洗濯/乾燥サイクルを適用した。本明細書に記述されている洗濯/乾燥サイクル用の試験方法を使用し、それぞれの洗濯/乾燥サイクル後に、3本のすべてのケーブル内の導電体のDC抵抗値を前述のFluke 21 III マルチメーターを使用して計測した。次表は、耐久性の検討結果を示している。この洗濯/乾燥プロセスにおいては、視認可能な織物からのテープの剥離は存在しなかった。
【0069】
【表4】

【0070】
例13
織物(3層GORE−TEX(登録商標)布地、W. L. Gore & Assoc., Inc., Elkton, MD)から、縫製が完了したジャケットを組み立てた。リボンケーブル内の適切なワイヤを端子基板にはんだ付けすることにより、3つの12導電体リボンケーブル(Gore MSTC 12、W. L. Gore & Associates, Pleinfeld, Germany)から4つの電子モジュール用のコネクタを具備する相互接続システムを組み立てた。アクリル系の感圧接着剤転移テープを2.5mm幅に細長く切断し、3mmの幅を具備するリボンケーブルの1つの面に適用した。接着剤転移テープから剥離紙を除去し、ケーブルと感圧接着剤を指で織物に加圧することにより、衣服の内部面上において、衣服の継ぎ目に沿い、且つ、織物パネル及び継ぎ目を跨ってケーブルをルーティングした。
【0071】
衣服上の特定の場所(即ち、フード、それぞれの腕、及び左胸の領域)において電子モジュールを接続するべく、ケーブルを配置した。ケーブルがテープによって固定されるまでのケーブルの織物への付着を感圧接着剤によって提供した。次いで、ケーブル側部表面を超えて延在するテープによってそれぞれのケーブルの長さ全体をカバーすることにより、テープ(Gore 3 Layer seam tape、薄い灰色、22mm幅、WL Gore & Assoc. Inc., Elkton, MD)によってケーブルをカバーし、衣服に固定した。テープによってカバーされたケーブル及び織物の加熱及び加圧をクロスオーバープレス(Model 994−GS、George Knight, Ltd., UK)内において増分的に実行し、テープを織物に接着させ、これにより、ケーブルを衣服に固定した。加圧は、163℃の上部プラテン温度により、10秒にわたって行った。テープは、ポリウレタン接着剤の0.15mmの層、マイクロポーラスPTFEの25μmの層、及びニットの布地層を具備していた。テープは、織物パネルを結合している少なくとも1つの継ぎ目において交差していた。
【0072】
テープ及び織物によってカバーされた継ぎ目の部分を防液性について試験した結果、(実質的に本明細書に記述されている方法に従って実行された場合に)Suter試験に合格することが判明した。必要に応じて、電子モジュールをハーネスに装着し、稼働させた。
【0073】
例14
ケーブルの曲げ剛性を評価する。本発明の付着方法によって固定されたケーブルを具備した織物の曲げ剛性を試験する。
【0074】
例7及び8のテーピングされたサンプルとこれらのサンプルを形成するべく使用した織物の曲げ剛性を本明細書に記述されているHandle−O−Meter試験を使用して試験した。又、その他のケーブルタイプも試験した。
【0075】
ヘッドフォンスピーカーワイヤ、4ミリのGore seam tape、並びに、例11において説明したテーピングプロセス条件を使用し、実質的に例11に従って別のサンプルを準備した。使用した織物表面は、2L US101 Gore−Tex(登録商標)Laminate(ePTFEを有するメンブレインにラミネートされた75g/m2のポリエステルの布地)であった。サンプル及びこのサンプルを製造するのに使用した織物を曲げ剛性について試験した。この結果が次表に報告されている。
【0076】
【表5】

【0077】
この表は、両方の織物についてグラムを単位として報告された結果を含んでおり、織物は、テープによって固定されたケーブルを有している。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】接着剤を有するテープによって固定されたリボンケーブルを有する織物表面の平面図である。
【図2】接着剤テープによって固定されたリボンケーブルを有する織物表面の断面図である。
【図3】接着剤を有するテープによって織物に固定されたいくつかの導電性ケーブルを有する織物表面の断面図である。
【図4】ジャケットの本体部からフードに延長する付着した相互接続を有する衣服の図式表現である。
【図5】連続継ぎ目シーリング機械の1つのセグメントと、テーピングケーブルを織物表面に同時に配置するプロセスの構成の図である。
【図6】クロスオーバープレス機械の1つのセグメントと、ケーブルを織物表面にテーピングする1つのプロセスの構成の図である。
【図7】上部及び側部ケーブル表面上の接着剤と下部ケーブル表面上の接着剤を有するテープによって織物に固定されたリボンケーブルを有する織物表面の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2枚の結合された織物パネルと、
ケーブル側部表面を具備する所定長のケーブルであって、少なくとも2枚の織物パネルの少なくとも一部にわたって延在している所定長のケーブルと、
前記所定長のケーブルをカバーし、これに接着する接着剤を有するテープであって、前記接着剤は、ケーブル側部表面を超えて前記織物パネル上に延在し、前記織物パネルに接着している、テープと、
を有し、
前記ケーブルは、前記テープと前記織物パネル間において固定されている布地体。
【請求項2】
前記ケーブルは、少なくとも2回の洗濯サイクルにわたって固定した状態に留まる請求項1記載の布地体。
【請求項3】
前記ケーブルは、少なくとも5回の洗濯サイクルにわたって固定した状態に留まる請求項1記載の布地体。
【請求項4】
前記ケーブル内の導電体の直流(DC)抵抗値が、2回の洗濯サイクルの後に、100Ω/mを下回っている請求項1記載の布地体。
【請求項5】
前記ケーブル内の導電体の直流(DC)抵抗値が、5回の洗濯サイクルの後に、100Ω/mを下回っている又はこれと等しい請求項1記載の布地体。
【請求項6】
前記ケーブルは、1つ又は複数の伝送要素を具備している請求項1記載の布地体。
【請求項7】
前記ケーブルは、同軸ケーブル、リボンケーブル、又はツイストペアである請求項1記載の布地体。
【請求項8】
前記布地体は、前記ケーブルと前記織物パネル間に接着剤を更に有する請求項1記載の布地体。
【請求項9】
前記ケーブルと前記織物パネル間の前記接着剤は、感圧接着剤である請求項1記載の布地体。
【請求項10】
前記テープ接着剤は、化学的に活性化する請求項1記載の布地体。
【請求項11】
前記テープ接着剤は、熱的に活性化する請求項1記載の布地体。
【請求項12】
前記テープ接着剤は、熱硬化性又は熱可塑性接着剤である請求項1記載の布地体。
【請求項13】
前記ケーブルは、前記テープ接着剤の処理温度において熱的に安定している1つ又は複数の絶縁層を有する請求項11記載の布地体。
【請求項14】
前記テープ接着剤は、ポリウレタンを有する請求項1記載の布地体。
【請求項15】
前記テープ接着剤は、シリコーンを有する請求項1記載の布地体。
【請求項16】
前記テープは、3層を含む請求項1記載の布地体。
【請求項17】
前記テープは、ニット層を有する請求項16記載の布地体。
【請求項18】
前記テープは、2層を含む請求項1記載の布地体。
【請求項19】
前記テープは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の層を有する請求項18記載の布地体。
【請求項20】
前記織物パネルは、防液性を有する請求項1記載の布地体。
【請求項21】
前記布地体は、防液性を有する請求項1記載の布地体。
【請求項22】
前記布地体は、パーソナルシェルターである請求項1記載の布地体。
【請求項23】
前記布地体は、テントである請求項1記載の布地体。
【請求項24】
前記布地体は、衣服である請求項1記載の布地体。
【請求項25】
前記布地体は、ジャケットである請求項1記載の布地体。
【請求項26】
前記布地体は、手袋である請求項1記載の布地体。
【請求項27】
ケーブル端部に接続された少なくとも1つの表面を具備するコネクタを更に有する請求項1記載の布地体。
【請求項28】
前記コネクタの少なくとも1つの表面は、テープ接着剤によってカバーされ、前記テープ及び布地体間において固定されている請求項27記載の布地体。
【請求項29】
前記ケーブルは、パワー又はデータを伝送する能力を有する請求項1記載の布地体。
【請求項30】
前記ケーブルは、電気的又は光学的データを伝送する能力を有する請求項1記載の布地体。
【請求項31】
前記ケーブルは、電磁信号を伝送する能力を有する請求項1記載の布地体。
【請求項32】
前記ケーブルは、0.5mmを下回る又はこれと等しい厚さを具備する請求項1記載の布地体。
【請求項33】
表面を具備する織物と、
絶縁層を有する所定長のマイクロリボンケーブルであって、前記ケーブルは、ケーブル側部表面を具備しており、前記ケーブルは、前記織物の少なくとも一部にわたって延在している所定長のマイクロリボンケーブルと、
熱的に安定した層とポリウレタン接着剤を有するテープであって、前記テープは、前記所定長のマイクロリボンケーブルをカバーし、前記ポリウレタン接着剤は、前記ケーブルに接着し、ケーブル側部表面を超えて延在して前記織物表面に接着する、テープと、
を有し、
前記ケーブルは、前記織物表面と前記テープ間において固定され、前記絶縁層と前記熱的に安定した層は、前記テープ接着剤の処理温度を上回る温度において熱的に安定している布地体。
【請求項34】
前記絶縁層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である請求項33記載の布地体。
【請求項35】
前記絶縁層は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)である請求項33記載の布地体。
【請求項36】
前記マイクロリボンケーブルは、0.5mmを下回る又はこれに等しい厚さを具備する請求項33記載の布地体。
【請求項37】
前記ケーブルと前記織物表面間に追加接着剤を更に有する請求項33記載の布地体。
【請求項38】
前記テープは、ニット層を更に有する請求項33記載の布地体。
【請求項39】
ケーブルを具備する布地体を組み立てる方法において、
少なくとも2枚の織物パネルを結合して継ぎ目を有する布地体を形成する段階と、
ケーブル側部表面を具備する所定長のケーブルを、前記継ぎ目に跨って少なくとも2枚の織物パネルの一部上に延在させる段階と、
接着剤を有するテープを提供する段階であって、前記テープ接着剤は、前記ケーブル長に接着し、これをカバーし、且つ、前記ケーブル側部表面を超えて延在する、段階と、
前記テープ接着剤によって前記テープを前記布地体に接着させ、これにより、前記ケーブルを前記布地体に固定する段階と、
を有する方法。
【請求項40】
前記ケーブルは、少なくとも2回の洗濯サイクルにわたって、前記布地体に固定した状態に留まる請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記テープと前記布地体間に前記ケーブルを固定する段階を更に有する請求項39記載の方法。
【請求項42】
所定長のケーブルを延在させる前記段階とテープを提供する前記段階は、同時である請求項39記載の方法。
【請求項43】
所定長のケーブルを延在させる前記段階の前に、少なくとも2枚の織物パネルにわたって追加接着剤を適用する段階を更に有する請求項39記載の方法。
【請求項44】
所定長のケーブルを延在させる前記段階は、前記接着剤上において前記所定長のケーブルを延在させる段階と、前記ケーブルを前記接着剤に接着させる段階と、を有する請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記ケーブルは、ケーブル表面上に接着剤を有し、
保護テープを提供する段階の前に、前記所定長のケーブルを前記織物パネルに接着する段階を更に有する請求項39記載の方法。
【請求項46】
コネクタを提供する段階と、前記ケーブルをコネクタによって終端処理する段階と、を更に有する請求項39記載の方法。
【請求項47】
接着剤を有する前記テープによって前記コネクタをカバーする段階であって、前記接着剤は、コネクタのエッジを越えて前記織物パネル上に延在する、段階と、前記コネクタを前記布地体に固定する段階と、を更に有する請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記布地体は、パーソナルシェルターである請求項39記載の方法。
【請求項49】
前記布地体は、衣服である請求項39記載の方法。
【請求項50】
前記布地体は、ジャケットである請求項39記載の方法。
【請求項51】
ケーブルを布地体に適用する方法において、
少なくとも1つの織物パネルを具備する布地体を提供する段階と、
接着剤を有するテープを具備するテープリール、加熱コンポーネント、及び2つのロールを具備する継ぎ目テープシーリング機械を提供する段階と、
ケーブル側部表面を有する所定長のケーブルを少なくとも1つの織物パネルの少なくとも一部にわたって延在させる段階と、
前記テープリールからの前記テープを前記所定長のケーブル上に供給し、前記テープによって前記所定長のケーブルをカバーする段階と、
前記加熱コンポーネントによって前記テープ接着剤を溶かす段階と、
前記テープ及びケーブルを具備する前記織物を前記2つのローラーを通じて供給する段階と、
前記ケーブルの前記長さに沿って前記テープ接着剤を接着させる段階であって、前記テープ接着剤は、前記ケーブル側部表面を超えて前記織物パネル上に延在する、段階と、
これにより、前記テープと前記織物パネル間において前記ケーブルを固定する段階と、
を有する方法。
【請求項52】
前記継ぎ目シーリング機械は、ケーブルリールを更に有し、前記ケーブルは、前記テープを供給する前記段階と同時に、前記リールから供給される請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記ケーブルを前記テープによってカバーする前記段階の前に、前記ケーブルを追加接着剤によって前記織物に接着する段階を更に有する請求項51記載の方法。
【請求項54】
前記布地体は、衣服である請求項51記載の方法。
【請求項55】
前記布地体は、ジャケットである請求項51記載の方法。
【請求項56】
ケーブルを織物表面に適用する方法において、
表面を具備する織物を提供する段階と、
織物表面の少なくとも一部にわたって所定長のケーブルを延在させる段階と、
テープ接着剤を有するテープを提供する段階と、
前記所定長のケーブルを前記テープによって前記織物表面に固定する段階と、
を有し、
前記テープは、衣服テーピングプロセスによって適用される方法。
【請求項57】
前記所定長のケーブルをテープによってカバーする段階を更に有する請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記テープ接着剤をケーブル側部表面を超えて前記織物表面上に延在させる段階を更に有する請求項56記載の方法。
【請求項59】
前記ケーブルは、前記テープと前記織物間において固定される請求項56記載の方法。
【請求項60】
前記ケーブルは、熱的に安定した絶縁層を有する請求項56記載の方法。
【請求項61】
前記織物は、布地体である請求項56記載の方法。
【請求項62】
前記布地体は、衣服である請求項61記載の方法。
【請求項63】
前記衣服は、ジャケットである請求項62記載の方法。
【請求項64】
前記衣服は、手袋である請求項62記載の方法。
【請求項65】
前記衣服は、シャツである請求項62記載の方法。
【請求項66】
前記衣服は、フードである請求項62記載の方法。
【請求項67】
前記布地体は、パーソナルシェルターである請求項61記載の方法。
【請求項68】
前記パーソナルシェルターは、テントである請求項67記載の方法。
【請求項69】
前記織物は、継ぎ目を有する少なくとも2枚の結合された織物パネルを有する請求項56記載の方法。
【請求項70】
前記織物は、防液性を有する請求項56記載の方法。
【請求項71】
前記布地体は、防液性を有する請求項61記載の方法。
【請求項72】
前記布地体は、湿気水蒸気透過性を有する請求項61記載の方法。
【請求項73】
所定長のケーブルを延在させる前記段階とテープを提供する前記段階は、同時である請求項56記載の方法。
【請求項74】
所定長のケーブルを延在させる前記段階とテープを提供する前記段階の前に、前記織物にわたってパターンとして追加接着剤を接着する段階を更に有する請求項56記載の方法。
【請求項75】
前記テープ接着剤は、ポリウレタンである請求項56記載の方法。
【請求項76】
前記追加接着剤は、感圧接着剤である請求項74記載の方法。
【請求項77】
所定長のケーブルを延在させる前記段階は、前記追加接着剤上において所定の長さにわたって前記所定長のケーブルを延在させる段階と、前記ケーブルを前記接着剤の前記所定の長さに対して接着させる段階と、を更に有する請求項74記載の方法。
【請求項78】
前記ケーブルは、ケーブル表面上に追加接着剤を有する請求項56記載の方法。
【請求項79】
前記ケーブルをテープによって前記織物に固定する前記段階の前に、前記ケーブルを前記織物表面に接着する段階を更に有する請求項79記載の方法。
【請求項80】
コネクタを提供する段階と、コネクタによって前記ケーブルを終端処理する段階と、を更に有する請求項56記載の方法。
【請求項81】
前記コネクタは、衣服テーピングプロセスによって適用されたテープによって前記織物に固定される請求項56記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−509779(P2007−509779A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538012(P2006−538012)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/032687
【国際公開番号】WO2005/045110
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】