説明

柔軟な耐スパイク性/耐弾道貫通性物品

耐スパイク性パネルおよび耐弾道性パネルでできている物品が着用者をスパイクおよび弾道脅威から保護するために開示される。各パネルは柔軟な布層でできている。耐スパイク性パネル中の布は、複数のフィラメントの、50〜600の線密度を有する第1糸でできている。たておよびよこ方向の両方にインチ当たり40〜100の第1糸がある。耐弾道性パネル中の布は、平方インチ当たり20,000,000〜90,000,000以下のフィラメント交差を提供する複数のフィラメントの、100〜840以下のデニールの線密度を有する第2糸でできている。たておよびよこの両方にインチ当たり5〜40未満の第2糸がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾道脅威からのおよびピック、シャンク、千枚通しなどのような、鋭い先細り道具のスパイク(または穿刺)脅威からの保護用に製造された柔軟な衣類に関する。かかる衣類は、衣類が進んで着用されるのに十分な着心地の良さを確保するためにできるだけ柔軟でなければならない。かかる脅威からの保護を提供する柔軟な衣類はまた、防弾チョッキとして一般に知られている。
【背景技術】
【0002】
着用者を弾道脅威、すなわち弾丸から保護する防弾チョッキは、かねてより商業的に入手可能であった。
【0003】
着用者をスパイク(または穿刺)脅威から保護する防弾チョッキは、1990年代中頃に商業的に入手可能になった。例えば、1996年11月26日に発行された特許文献1(フォイ(Foy)ら)および1997年4月22日に発行された特許文献2(チョウ(Chiou))は、500デシテックス未満のアラミド糸から少なくとも0.75の布タイトネス・ファクターに織られた布より本質的になる柔軟な耐スパイク貫通性物品を開示している。
【0004】
弾道脅威からの保護のために製造された防弾チョッキは、スパイク脅威に対して必ずしも有効ではない。着用者をスパイク脅威から保護する防弾チョッキは弾道脅威に対して必ずしも有効ではないという逆もまた真である。
【0005】
最近になって、単一防護服で、スパイクおよび弾道脅威をはじめとする多数のタイプの貫通脅威から着用者を保護するための防弾チョッキが入手可能になってきた。例えば、特許文献3(チョウ)は、スパイクおよび弾道脅威から保護するための層状構造体の組合せを開示している。外層は、貫通ストライク面であり、500デシテックス未満の線密度のアラミド糸からタイトに織られた布の層を含む。
【0006】
特許文献4(バッチナー(Bachner))は、アラミド繊維の少なくとも60エンド/インチの織り方を有する、織りシートの複数の柔軟な層を含んでなる耐スパイク性パネルであって、アラミド繊維が平方インチ当たり50,000,000〜90,000,000以下のフィラメント交差(平方cm当たり7,750,015〜13,950,027以下のフィラメント交差)を提供するフィラメントと、少なくとも2つのサブパネルとより構築されている耐スパイク性パネルを開示している。この特許はまた、主題耐スパイク性パネルを、弾道/スパイク防護服のストライク面に置かれているかまたは2つの耐スパイク性パネル間に置かれている耐弾道性パネルと組み合わせ得ることも開示している。さらに、特許文献5(バッチナー)および特許文献6(バッチナー)は、平方インチ当たり50,000,000〜90,000,000以下のフィラメント交差(平方cm当たり7,750,015〜13,950,027以下のフィラメント交差)を提供するアラミド繊維の耐スパイク性パネルと、平方インチ当たり90,000,000より大きいフィラメント交差(平方cm当たり13,950,027より大きいフィラメント交差)を有する、織られた繊維の少なくとも1つの耐弾道性パネルと、場合により複合パネルとを含んでなる耐スパイク性および耐弾道性衣類を開示している。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,578,358号明細書
【特許文献2】米国特許第5,622,771号明細書
【特許文献3】米国特許第6,103,646号明細書
【特許文献4】米国特許第5,960,470号明細書
【特許文献5】米国特許第6,131,193号明細書
【特許文献6】米国特許第6,219,842号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様では、耐スパイク性および耐弾道性物品は耐スパイク性パネルおよび耐弾道性パネルを含んでなる。耐スパイク性パネルは、互いに隣接して置かれた第1布の複数の柔軟な層を有する。第1布はたて方向およびよこ方向に複数の第1糸でできており、ここで、第1糸は50〜600デニール(55〜660デシテックス)の線密度を有し、複数の第1フィラメントを含んでなり、そしてたておよびよこ方向の両方にインチ当たり40〜100の第1糸(cm当たり15.7〜39.4の第1糸)がある。
【0009】
耐弾道性パネルは、互いに隣接して置かれた第2布の複数の柔軟な層を有する。第2布層はたて方向およびよこ方向に複数の第2糸でできており、ここで、第2糸は100〜840デニール以下(110〜930デシテックス以下)の線密度を有し、前記第2布中に平方インチ当たり20,000,000〜90,000,000以下のフィラメント交差(平方cm当たり3,100,006〜13,950,027以下のフィラメント交差)を提供する複数の第2フィラメントを含んでなる。たておよびよこ方向の両方にインチ当たり5〜40未満の第2糸(cm当たり2〜15.7未満の第2糸)がある。
【0010】
スパイク脅威に対する優れた性能を維持しながら弾道性能のさらにより大きい改善であって、耐スパイク性および耐弾道性物品が平方インチ当たり25,000,000〜300,000,000以下のフィラメント交差(平方センチ当たり3,875,007〜46,500,093以下のフィラメント交差)を提供する繊維での耐スパイク性パネルと、平方インチ当たり20,000,000〜90,000,000以下のフィラメント交差(平方センチ当たり3,100,006〜13,950,027以下のフィラメント交差)を提供する糸での耐弾道性パネルとを含んでなる改善が実現されることもまた発見された。
【0011】
本発明の適用性のさらなる範囲は、本明細書で以下に示される詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の精神および範囲内の様々な変更および修正がこの詳細な説明から当業者に明らかになるであろうから、詳細な説明および具体的な実施例は、本発明の実施形態を示すが、例示だけの目的で示されることが理解されるべきである。前述の概要および次の詳細な説明の両方とも、特許請求されるような本発明の例示的なおよび説明のためのものであるに過ぎず、限定するものではないことが理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の保護物品は、弾道脅威からの保護だけでなく、ピック、シャンク、千枚通しなどのような、鋭い先細り道具のスパイク(または穿刺)脅威による貫通からの二重の保護を提供するために特に開発された。警察官、看守、および警備員が同じ防護服でスパイク脅威および弾道脅威の両方から同時防護されることはさらにより重要になりつつある。
【0013】
原則として、柔軟な耐スパイク性物品は、高い引張強度および靱性の糸材料から織られた布の層を用いて製造され、耐貫通性の程度は、特に、糸の線密度と織り方のタイトネスとの関数である。糸の線密度が低ければ低いほど、そして織り方がタイトであればあるほど、耐貫通性は大きい。
【0014】
原則として、柔軟な耐弾道性物品は、指定の脅威に対して有効であるのに十分な層へ高
い引張強度および靱性の糸材料から製造された布の層を用いて製造される。弾道保護のための布は、比較的高い線密度の糸を一般に使用し、織られている場合、製織の厳密さから生じる糸繊維への損傷を避けるために極めてタイトな織り方を回避することを除いて、織り方のタイトネスについてほとんど考慮しない。
【0015】
スパイクおよび弾道脅威の両方による貫通からの脅威に対して有効な保護構造体を製造するために、既に指摘されたように材料の組合せが提案されてきた。本発明者は、保護の顕著な改善をもたらす、材料の全く異なる組合せを本明細書で発見した。
【0016】
耐スパイク性材料および耐弾道性材料を利用する、本発明の特定の組合せは、良好な弾道保護および良好な耐スパイク性を示し、かつ、スパイクおよび弾道脅威による両貫通からの脅威に対して有効な以前から入手可能な保護構造体と比べて優れた性能を有する。非常に注目すべきことに、弾道およびスパイク脅威からのこの優れた保護を提供する柔軟な衣類がより高い生産コストにつながる生産制限を受けない繊維から製造されることもまた発見された。
【0017】
本発明の耐スパイク性および耐弾道性物品は、複数の耐スパイク性布層で構成される耐スパイク性パネルと複数の耐弾道性布層で構成される耐弾道性パネルとを一緒に、必要に応じて、間に他の層材料を挟むかまたは挟まずに、向かい合わせに置くことによって製造することができる。物品のパネルを形成する層は、例えば、縫い合わせることによって接合することができる、またはそれらは一緒に積み重ねて、例えば、布エンベロープに保持することができる。各パネルを構成する層は通常一緒に置かれ、複合体は、それによって、層の別個のセクションを有する構造体として見ることができる。
【0018】
図1は、耐弾道性織布の層12の耐弾道性パネル11と耐スパイク性織布の層14の耐スパイク性パネル13との本発明の耐スパイク性および耐弾道性物品10を示す。
【0019】
耐スパイク性パネルは、互いに隣接して置かれた耐スパイク性布であって、たて方向の複数の第1糸およびよこ方向の複数の第1糸でできている布の複数の柔軟な層でできている。耐スパイク性パネルの第1糸は50〜600デニール(55〜660デシテックス)の線密度を有する。たておよびよこ方向の両方にインチ当たり40〜100の糸(cm当たり15.7〜39.4の糸)がある。一実施形態では、たておよびよこ方向の両方にインチ当たり45〜80の糸(cm当たり17.7〜31.5の糸)がある。
【0020】
耐スパイク性パネルの第1糸は複数のフィラメントでできている。一実施形態では、フィラメントは、耐スパイク性パネルの布中で平方インチ(平方cm当たり)25,000,000(3,875,007)〜300,000,000(46,500,093)以下、90,000,000(13,950,027)より大きい〜250,000,000(38,750,077)以下、または25,000,000(3,875,007)〜50,000,000(7,750,015)未満のフィラメント交差を提供する。別の実施形態では、耐スパイク性パネルの糸は少なくとも10g/デニール(9g/デシテックス)の引張強度および少なくとも2%の破断伸びを有する。別の実施形態では、耐スパイク性パネルの第1糸は50〜600デニール(55〜660デシテックス)、好ましくは100〜500デニール(110〜550デシテックス)の線密度を有し、フィラメントは0.3〜8.0デニール(0.33〜8.9デシテックス)、好ましくは0.5〜4.0デニール(0.55〜4.44デシテックス)の線密度を有する。別の実施形態では、耐スパイク性パネルは平方フィート当たり0.15〜1.50ポンド以下(平方メートル当たり732〜7,320グラム以下)、好ましくは平方フィート当たり0.2〜0.90ポンド以下(好ましくは平方メートル当たり976〜4,394グラム以下)の面密度を有する。
【0021】
耐弾道性パネルは、互いに隣接して置かれた耐弾道性布の複数の柔軟な層であって、たて方向の複数の第2糸およびよこ方向の複数の第2糸でできている布層でできている。耐弾道性パネルの第2糸は100〜840以下のデニール(110〜930以下のデシテックス)の線密度を有し、たておよびよこ方向の両方にインチ当たり5〜40未満の第2糸(cm当たり2〜15.7未満の第2糸)がある。耐弾道性パネルの糸は、耐弾道性パネルの布中で平方インチ当たり(平方cm当たり)20,000,000(3,100,006)〜90,000,000(13,950,027)以下、好ましくは35,000,000(5,425,010)〜85,000,000(13,175,026)のフィラメント交差を提供する複数のフィラメントを含んでなる。一実施形態では、たておよびよこ方向の両方にインチ当たり10〜36の糸(cm当たり3.94〜14.2の糸)がある、別の実施形態では、耐弾道性パネルの糸は100〜800デニール(110〜890デシテックス)、好ましくは150〜750デニール(167〜833デシテックス)の線密度を有し、フィラメントは0.3〜8.0デニール(0.33〜8.9デシテックス)、好ましくは0.5〜4.0デニール(0.55〜4.44デシテックス)の線密度を有する。別の実施形態では、耐弾道性パネルの糸は少なくとも10g/デニール(9g/デシテックス)の引張強度および少なくとも2%の破断伸びを有する。
【0022】
耐弾道性および耐スパイク性パネルは事実上任意の順に置かれてもよい。一実施形態では、耐弾道性パネルが貫通ストライク面であり、別の実施形態では、耐スパイク性パネルが貫通ストライク面である。耐スパイク性パネルが貫通ストライク面であることが好ましい。
【0023】
2つ以上の耐スパイク性パネルおよび/または耐弾道性パネルが耐スパイク性および耐弾道性物品を作り上げるために使用されてもよい。例えば、耐スパイク性および耐弾道性物品は、隣接する耐弾道性パネルと共に、ストライク面として耐スパイク性パネルと、次に着用者の身体に向けて置くための内面として別の耐スパイク性パネルとを含んでなってもよい。
【0024】
別の実施形態では、耐弾道性布のおよび耐スパイク性布の層は、耐弾道性および耐スパイク性パネルが実質的に別個であるように混合されない。別の実施形態では、耐弾道性布および耐スパイク性布の層は、耐弾道性および耐スパイク性パネルが別個でないように混合される。しかしながら、層およびパネルは耐弾道性および耐スパイク性パネルが実質的に別個である状態で好ましくは配置されているべきである。
【0025】
好ましくは、第1および第2の複数の層12、14の少なくとも1つの層の布は織られている。最も好ましくは、第1および第2の複数の層12、14の布はすべて織られている。しかしながら、かかる布は織、編、または不織構造であることができる。不織とは、一方向の(マトリックス樹脂内に含まれている場合)、フェルトなどをはじめとする、繊維のネットワークを意味する。織られているとは、平織、千鳥綾織、バスケット織、朱子織、綾織などのような任意の布織り方を意味する。平織が最も一般である。
【0026】
耐弾道性布の複数の層は同じまたは異なる材料でできていてもよい。同様に、耐スパイク性布の複数の層も同じまたは異なる材料であることができる。耐弾道性布のおよび耐スパイク性布の層は同じまたは異なる材料のものであってもよい。
【0027】
耐弾道性および/または耐スパイク性布の層はまた、独立してマトリックス樹脂またはバインダーを含んでもよい。一実施形態では、布の層は実質的に取り囲まれ、熱硬化性もしくは熱可塑性樹脂、またはそれらの混合物を含んでなるマトリックス樹脂で実質的に含浸されている。
【0028】
様々な好適な熱硬化性および熱可塑性樹脂ならびにそれらの混合物が先行技術で周知であり、マトリックス樹脂として使用され得る。例えば、熱可塑性樹脂は、1つもしくはそれ以上のポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエーテル、エーテルケトン、ポリアミド、ポリカーボネートなどを含んでなることができる。熱硬化性樹脂は、1つもしくはそれ以上のエポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂など、好ましくはポリビニルブチラール・フェノール樹脂であることができる。混合物は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との任意の組合せであることができる。
【0029】
一実施形態では、耐スパイク性布の2〜32、好ましくは5〜25の層がある。別の実施形態では、耐弾道性布の10〜70、好ましくは15〜60の層がある。
【0030】
一実施形態では、本発明の耐スパイク性および耐弾道性物品の9mm弾丸に対するV50弾道性能は少なくとも350m/秒である。別の実施形態では、第1物品である本発明の耐スパイク性および耐弾道性物品は、第1物品と同じ面密度を有するが第2物品の耐弾道性パネル中に90,000,000(13,950,027)の平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数を有する耐スパイク性パネルおよび耐弾道性パネルを含んでなる第2物品のそれより大きいV50弾道性能を有する。
【0031】
耐スパイク性パネルと弾道パネルとの間に置かれてもよい他の層材料には、例えば、クッション材料、接着材料、防水材料などが含まれる。
【0032】
本発明の耐スパイク性および耐弾道性布層を製造するために使用される糸は、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリ{2,6−ジイミダゾ[4,5−b4’,5’−e]ピリジニレン−1,4(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン}(PIPD)、またはそれらの混合物よりなる有機繊維から製造することができる。好ましくは、糸はポリアミドでできている。
【0033】
ポリマーがポリアミドである場合、アラミドが好ましい。「アラミド」とは、アミド(−CO−NH−)結合の少なくとも85%が2つの芳香環に直接結合しているポリアミドを意味する。好適なアラミド繊維は、ダブリュ.ブラック(W.Black)ら著、人造繊維−科学および技術(Man−Made Fibers−Science and Technology)、第2巻、297ページ(インターサイエンス・パブリッシャーズ(Interscience Publishers)、1968年)、「繊維形成芳香族ポリアミド(Fiber−Forming Aromatic Polyamides)」という表題のセクションに記載されている。アラミド繊維はまた、米国特許第4,172,938号明細書、同第3,869,429号明細書、同第3,819,587号明細書、同第3,673,143号明細書、同第3,354,127号明細書、および同第3,094,511号明細書にも開示されている。
【0034】
添加物をアラミドと共に使用することができ、そして10重量パーセントほどまでの他のポリマー材料をアラミドとブレンドできること、または10パーセントほどの他のジアミンがアラミドのジアミンに置換したもしくは10パーセントほどの他の二酸塩化物がアラミドの二酸塩化物に置換した共重合体を使用できることが分かった。
【0035】
好ましいアラミドはパラ−アラミドであり、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(PPD−T)が好ましいパラ−アラミドである。PPD−Tとは、p−フェニレンジアミンとテレフタロイルクロリドとのモル対モル重合から生じたホモポリマーと、また、p−フェニレンジアミンと共に少量の他のジアミンの、およびテレフタロイルクロリドと共に少量の他の二酸塩化物の組入れから生じた共重合体とを意味する。一般則として、他の
ジアミンおよび他の二酸塩化物は、ただ、他のジアミンおよび二酸塩化物が重合反応を妨げる何の反応性基も持たないという条件で、p−フェニレンジアミンまたはテレフタロイルクロリドの約10モルパーセントほどまでの量で、またはたぶんわずかにより高い量で使用することができる。PPD−Tはまた、例えば、2,6−ナフタロイルクロリドまたはクロロ−もしくはジクロロテレフタロイルクロリドあるいは3,4’−ジアミノジフェニルエーテルのような他の芳香族ジアミンおよび他の芳香族二酸塩化物の組入れから生じた共重合体をも意味する。
【0036】
ポリマーがポリオレフィンである場合、ポリエチレンまたはポリプロピレンが好ましい。ポリエチレンとは、少量の鎖分岐もしくは100個の主鎖炭素原子当たり5改質単位を超えないコモノマーを含んでもよい、かつ、それと共に混合された約50重量パーセント以下のアルケン−1−ポリマー、特に低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのような1つもしくはそれ以上の高分子ポリマー添加物、または一般に組み入れられる酸化防止剤、滑剤、紫外線遮断剤、着色剤などのような低分子量添加剤を含んでもよい、好ましくは百万より大きい分子量の主に線状のポリエチレン材料を意味する。かかるものは、伸びきり鎖ポリエチレン(ECPE)として一般に知られている。同様に、ポリプロピレンは、好ましくは百万より大きい分子量の主に線状のポリプロピレン材料である。高分子量線状ポリオレフィン繊維は商業的に入手可能である。ポリオレフィン繊維の製造は米国特許第4,457,985号明細書に開示されている。
【0037】
国際公開第93/20400号パンフレットに記載されているような、ポリベンゾオキサゾール(PBO)およびポリベンゾチアゾール(PBZ)が好適である。ポリベンゾオキサゾールおよびポリベンゾチアゾールは好ましくは次の構造の繰り返し単位で構成されている:
【0038】
【化1】

【0039】
窒素原子に結合して示される芳香族基は複素環式であってもよいが、それらは好ましくは炭素環式であり、そしてそれらは縮合または非縮合多環システムであってもよいが、それらは好ましくは単6員環である。ビス−アゾールの主鎖中に示される基は好ましいパラ−フェニレン基であるが、当該基は、ポリマーの製造を妨ない任意の二価の有機基で置き換えられてもよいし、または何の基もなくてもよい。例えば、当該基は、12個以下の炭素原子の脂肪族、トリレン、ビフェニレン、ビス−フェニレンエーテルなどであってもよい。
【0040】
本発明の繊維を製造するために使用されるポリベンゾオキサゾールおよびポリベンゾチアゾールは、少なくとも25、好ましくは少なくとも100の繰り返し単位を有するべきである。ポリマーの製造およびそれらのポリマーの紡糸は、前述の国際公開第93/20400号パンフレットに開示されている。
【0041】
本発明の物品は、実用的な実施例に関して下にさらに記載されるであろう。しかしながら、本発明のコンセプトがこれらの実施例に全く限定されないであろうことは留意されるべきである。
【0042】
試験方法
次の試験方法を次の実施例で用いた。
【0043】
線密度
糸または繊維の線密度は、米国材料試験協会(ASTM)D1907−97およびD885−98に記載される手順に基づいて既知の長さの糸または繊維の重さを量ることによって測定する。デシテックスまたは「dtex」は、10,000メートルの糸または繊維のグラム単位の重量と定義される。
【0044】
現実実務では、糸サンプルの測定されたデシテックス、試験条件、およびサンプル同定を試験の開始前にコンピュータにかけ、コンピュータは、糸が破壊される時にその負荷−伸び曲線を記録し、次に特性を計算する。
【0045】
引張特性
試験すべき繊維を順化させ、次にASTM D885−98に記載される手順に基づいて引張試験する。引張強度(破壊引張強度)、破断伸び、および弾性率は、インストロン(Instron)試験機(インストロン・エンジニアリング社、マサチューセッツ州カントン(Instron Engineering Corp.,Canton,Mass.))で試験繊維を破壊することによって測定する。
【0046】
面密度
布層の面密度は、選択されたサイズ、例えば、10cm×10cmの各単層の重量を測定することによって求める。複合構造体の面密度は、個々の層の面密度の合計によって求める。
【0047】
耐突刺し性
多層パネルの耐スパイク性試験は、2000年9月に発行された、スパイクの保護クラスについてのNIJ標準−0115.00「個人防弾チョッキの耐突刺し性(Stab Resistance of Personal Body Armor)」に従って行う。
【0048】
弾道性能
多層パネルの弾道V50試験は、2000年9月に発行された、NIJ標準−0101.04「個人防弾チョッキの耐弾道性」に従って行う。
【実施例】
【0049】
実施例および比較例
次の実施例では、複数の布層の複合体を、耐弾道性および耐突刺し貫通性試験のために製造した。約16インチ×16インチ(40.6cm×40.6cm)のパネルを試験のために構築された。異なる線密度および異なる数のフィラメント交差のアラミド糸でできた幾つかの異なる布を、それぞれ、耐スパイク性および耐弾道性パネルのために使用した。アラミド糸は、商標ケブラー(Kevlar)(登録商標)でイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.du Pont de Nemours
and Company)によって販売されるものであった。アラミドはポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)であった。それぞれ、約4.8kg/mおよび5.9kg/mの面密度の2つの異なるレベルで、組み合わせたシステムとして一緒に積み重ねた耐スパイク性および耐弾道性パネルを、突刺しおよび弾道性能の両方について比較のために試験した。
【0050】
フィラメント交差は、たて方向のフィラメントの1つがよこ方向のフィラメントの1つと交差する場合である。フィラメント交差点の数は、たておよびよこ方向のエンド当たり
のフィラメントの数とインチ当たり(または指定される場合、cm当たり)のエンドの総数とに基づく。交差点の数は、繊維中のフィラメントの数と織物中でたて方向のインチ当たり(または指定される場合、cm当たり)の繊維の数とを乗じ、次に当該量に交差繊維中のフィラメントの数×織物中でよこ方向のインチ当たり(または指定される場合、cm当たり)の交差繊維の数を乗じることによって計算する。例えば、様々な布構築物についてのフィラメント交差点の総数を次の通り計算した。
【0051】
【表1】

【0052】
異なる線密度の糸でできた幾つかの異なる平織布について平方インチ当たり(または指定される場合、平方cm当たり)のフィラメント交差の数、インチ当たり(または指定される場合、平方cm当たり)のエンド数、およびエンド当たりのフィラメントの数の計算を参考までに例示する。
【0053】
【表2】

【0054】
比較例1
比較例1では、平織でインチ当たり70エンド(cm当たり27.6エンド)構造で133のフィラメントを含む220デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の12層を耐スパイク性構成要素として使用した。耐スパイク性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)より少ない、86,676,100(13,434,822)であった。耐スパイク性構成要素の面密度は約1.5kg/mであった。さらに、平織でインチ当たり26エンド(cm当たり10.2エンド)構造で560のフィラメントを含む930デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の16層を耐弾道
性構成要素として使用した。耐弾道性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)より大きい、211,993,600(32,859,074)であった。耐弾道性構成要素の面密度は3.2kg/mであった。組み合わせた耐スパイク性および耐弾道性パネルの合計面密度は約4.7kg/mであった。
【0055】
組み合わせたパネルについてのスパイクに対する耐突刺し性試験は、良好な耐突刺し性を示した、すなわち、それぞれ、36ジュールでおよび43ジュールで試験した時に何の貫入も示さなかった。組み合わせたパネルについての弾道V50抵抗試験は、9mm弾丸に対して467m/秒および40S&W弾丸に対して434m/秒のまずまずの弾道V50を示した。
【0056】
実施例1
本実施例では、平織でインチ当たり70エンド(cm当たり27.6エンド)構造で133のフィラメントを含む220デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の12層を耐スパイク性構成要素として使用した。耐スパイク性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)より少ない、86,676,100(13,434,822)であった。耐スパイク性構成要素の面密度は1.5kg/mであった。さらに、平織でインチ当たり31エンド(cm当たり12.2エンド)構造で267のフィラメントを含む440デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の28層を耐弾道性構成要素として使用した。耐弾道性構成要素の面密度は約3.2kg/mであった。耐弾道性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)よりかなり少ない、68,508,729(10,618,874)であった。組み合わせた耐スパイク性および耐弾道性パネルの合計面密度は4.7kg/mであった。
【0057】
組み合わせたパネルについてのスパイクに対する耐突刺し性試験は、良好な耐突刺し性を示した、すなわち、それぞれ、36ジュールでおよび43ジュールで試験した時に何の貫入も示さなかった。組み合わせたパネルについての9mmおよび40S&W弾丸に対する弾道V50抵抗性試験を行った。90,000,000(13,950,027)より少ない平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数で構築された耐弾道性パネルを使った本発明の物品は、それぞれ、比較例1のそれらより約7%および6%高い、9mm弾丸に対して496m/秒および40S&W弾丸に対して461m/秒の改善された弾道V50を示した。
【0058】
実施例2
本実施例では、平織でインチ当たり50エンド(cm当たり19.7エンド)構造で267のフィラメントを含む440デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の10層を耐スパイク性構成要素として使用した。耐スパイク性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)よりかなり高い、178,222,500(27,624,543)であった。耐スパイク性構成要素の面密度は1.7kg/mであった。さらに、平織でインチ当たり26エンド(cm当たり10.2エンド)構造で267のフィラメントを含む440デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の34層を耐弾道性構成要素として使用した。耐弾道性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)よりかなり少ない、48,191,364(7,469,676)であった。耐弾道性構成要素の面密度は3.2kg/mであった。組み合わせた耐スパイク性および耐弾道性パネルの合計面密度は約4.9kg/mであった。
【0059】
組み合わせたパネルについてのスパイクに対する耐突刺し性試験は、非常に良好な耐突刺し性を示した、すなわち、それぞれ、36ジュールでおよび43ジュールで試験した時に何の貫入も示さなかった。弾道V50抵抗性試験を組み合わせたパネルについて行った。90,000,000(13,950,027)よりかなり少ない平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数で構築された耐弾道性パネルを使った本発明の物品は、それぞれ、比較例1のそれらより約9%および8%高い、9mm弾丸に対して507m/秒および40S&W弾丸に対して468m/秒のかなりのより高い弾道V50を示した。
【0060】
実施例3
本実施例では、平織でインチ当たり63エンド(cm当たり24.8エンド)構造で150のフィラメントを含む330デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の10層を耐スパイク性構成要素として使用した。耐スパイク性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)よりかなり高い、158,760,000(24,607,849)であった。耐スパイク性構成要素の面密度は1.6kg/mであった。さらに、平織でインチ当たり35エンド(cm当たり13.8エンド)構造で267のフィラメントを含む440デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の25層を耐弾道性構成要素として使用した。耐弾道性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)より少ない、87,329,025(13,536,026)であった。耐弾道性構成要素の面密度は3.2kg/mであった。組み合わせた耐スパイク性および耐弾道性パネルの合計面密度は約4.8kg/mであった。
【0061】
組み合わせたパネルについてのスパイクに対する耐突刺し性試験は、非常に良好な耐突刺し性を示した、すなわち、それぞれ、36ジュールでおよび43ジュールで試験した時に何の貫入も示さなかった。弾道V50抵抗性試験を組み合わせたパネルについて行った。90,000,000(13,950,027)より少ない平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数で構築された耐弾道性パネルを使った本発明の物品は、それぞれ、比較例1のそれらより約5%および7%高い、9mm弾丸に対して487m/秒および40S&W弾丸に対して466m/秒のかなりのより高い弾道V50を示した。
【0062】
比較例2
比較例2では、平織でインチ当たり70エンド(cm当たり27.6エンド)構造で133のフィラメントを含む220デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の12層を耐スパイク性構成要素として使用した。耐スパイク性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)より少ない、86,676,100(13,434,822)であった。耐スパイク性構成要素の面密度は1.5kg/mであった。さらに、平織でインチ当たり26エンド(cm当たり10.2エンド)構造で560のフィラメントを含む930デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の22層を耐弾道性構成要素として使用した。耐弾道性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)より大きい、211,993,600(32,859,074)であった。耐弾道性構成要素の面密度は4.4kg/mであった。組み合わせた耐スパイク性および耐弾道性パネルの合計面密度は5.9kg/mであった。
【0063】
組み合わせたパネルについてのスパイクに対する耐突刺し性試験は、スパイクに対して
良好な耐性を示した、すなわち、それぞれ、36ジュールでおよび43ジュールで試験した時に何の貫入も示さなかった。組み合わせたパネルについての9mm弾丸に対する耐弾道性試験は、509m/秒のまずまずの弾道V50を示した。
【0064】
実施例4
本実施例では、平織でインチ当たり70エンド(cm当たり27.6エンド)構造で133のフィラメントを含む220デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の12層を耐スパイク性構成要素として使用した。耐スパイク性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)より少ない、86,676,100(13,434,822)であった。耐スパイク性構成要素の面密度は1.5kg/mであった。さらに、平織でインチ当たり31エンド(cm当たり12.2エンド)構造で267のフィラメントを含む440デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の39層を耐弾道性構成要素として使用した。耐弾道性構成要素の面密度は4.3kg/mであった。耐弾道性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)よりかなり少ない、68,508,729(10,618,874)であった。組み合わせた耐スパイク性および耐弾道性パネルの合計面密度は5.8kg/mであった。
【0065】
組み合わせたパネルについてのスパイクに対する耐突刺し性試験はまた、良好な耐突刺し性を示した、すなわち、それぞれ、36ジュールでおよび43ジュールで試験した時に何の貫入も示さなかった。組み合わせたパネルについての9mm弾丸に対する耐弾道性試験を行った。90,000,000(13,950,027)より少ない平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数で構築された耐弾道性パネルを使った本発明の物品は、比較例2のそれより高い、9mm弾丸に対して521m/秒の改善された弾道V50を示した。
【0066】
実施例5
本実施例では、平織でインチ当たり50エンド(cm当たり19.7エンド)構造で267のフィラメントを含む440デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の9層を耐スパイク性構成要素として使用した。耐スパイク性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)よりかなり高い、178,222,500(27,624,543)であった。耐スパイク性構成要素の面密度は1.6kg/mであった。さらに、平織でインチ当たり26エンド(cm当たり10.2エンド)構造で267のフィラメントを含む440デシテックス・ケブラー(登録商標)アラミドから織った布の46層を耐弾道性構成要素として使用した。耐弾道性構成要素についての平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数は、90,000,000(13,950,027)よりかなり少ない、48,191,364(7,469,676)であった。耐弾道性構成要素の面密度は4.3kg/mであった。組み合わせた耐スパイク性および耐弾道性パネルの合計面密度は5.9kg/mであった。
【0067】
組み合わせたパネルについてのスパイクに対する耐突刺し性試験は、非常に良好な耐突刺し性を示した、すなわち、それぞれ、36ジュールでおよび43ジュールで試験した時に何の貫入も示さなかった。耐弾道性試験を組み合わせたパネルについて行った。90,000,000(13,950,027)よりかなり少ない平方インチ当たり(平方cm当たり)のフィラメント交差の数で構築された耐弾道性パネルを使った本発明の物品は、比較例2のそれより約6%高い、9mm弾丸に対して540m/秒のかなりのより高い弾道V50を示した。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の耐スパイク性および耐弾道性物品の拡大斜視図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
たて方向に第1の複数の第1糸とよこ方向に第2の複数の第1糸とでできた第1布の互いに隣接して置かれた複数の柔軟な層を含んでなる耐スパイク性パネルであって、第1糸が50〜600デニールの線密度を有し、かつ、複数の第1フィラメントを含んでなり、そしてさらに第1の複数のおよび第2の複数の第1糸がインチ当たり40〜100の第1糸含んでなる耐スパイク性パネルと、
たて方向に第1の複数の第2糸とよこ方向に第2の複数の第2糸とでできた第2布の互いに隣接して置かれた複数の柔軟な層を含んでなる耐弾道性パネルであって、第2糸が100〜840以下のデニールの線密度を有し、そして第2糸が前記第2布中に平方インチ当たり20,000,000〜90,000,000以下のフィラメント交差を提供する複数の第2フィラメントを含んでなり、そしてさらに第1の複数のおよび第2の複数の第2糸がインチ当たり5〜40未満の第2糸を含んでなる耐弾道性パネルと
を含んでなる、耐スパイク性および耐弾道性物品。
【請求項2】
第2フィラメントが平方インチ当たり35,000,000〜85,000,000のフィラメント交差を提供する請求項1に記載の物品。
【請求項3】
第1および第2の複数の第1糸がインチ当たり45〜80の第1糸である請求項1に記載の物品。
【請求項4】
第1および第2の複数の第2糸がインチ当たり10〜36の第2糸である請求項1に記載の物品。
【請求項5】
第1糸の複数の第1フィラメントが前記第1布中で平方インチ当たり25,000,000〜300,000,000以下のフィラメント交差を提供する請求項1に記載の物品。
【請求項6】
第1糸の複数の第1フィラメントが前記第1布中で平方インチ当たり90,000,000より多い〜250,000,000以下のフィラメント交差を提供する請求項1に記載の物品。
【請求項7】
第1糸の複数の第1フィラメントが前記第1布中で平方インチ当たり25,000,000〜50,000,000未満のフィラメント交差を提供する請求項1に記載の物品。
【請求項8】
第1および第2糸が少なくとも10g/デニールの引張強度および少なくとも2%の破断伸びを有する請求項1に記載の物品。
【請求項9】
第2糸が100〜800デニールの線密度を有し、そして第2フィラメントが0.3〜8.0デニールの線密度を有する請求項1に記載の物品。
【請求項10】
第2糸が150〜750デニールの線密度を有し、そして第2フィラメントが0.5〜4.0デニールの線密度を有する請求項1に記載の物品。
【請求項11】
第1糸が50〜600デニールの線密度を有し、そして第1フィラメントが0.3〜8.0デニールの線密度を有する請求項1に記載の物品。
【請求項12】
第1糸が100〜500デニールの線密度を有し、そして第1フィラメントが0.5〜4.0デニールの線密度を有する請求項1に記載の物品。
【請求項13】
耐スパイク性パネルが平方フィート当たり0.15〜1.50ポンド以下の面密度を有する請求項1に記載の物品。
【請求項14】
耐スパイク性パネルが平方フィート当たり0.20〜0.90ポンド以下の面密度を有する請求項1に記載の物品。
【請求項15】
耐スパイク性パネルが2〜32の第1布層を含んでなり、そして耐弾道性パネルが10〜70の第2布層を含んでなる請求項1に記載の物品。
【請求項16】
耐スパイク性パネルが5〜25の第1布層を含んでなり、そして耐弾道性パネルが15〜60の第2布層を含んでなる請求項1に記載の物品。
【請求項17】
第1布層の少なくとも1つおよび第2布層の少なくとも1つが織られている請求項1に記載の物品。
【請求項18】
第1布層のすべておよび第2布層のすべてが織られている請求項1に記載の物品。
【請求項19】
第1および第2糸が独立して、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、ポリベンゾチアゾール繊維、ポリ{2,6−ジイミダゾ[4,5−b4’,5’−e]ピリジニレン−1,4(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン}、およびそれらの混合物よりなる群から選択される複数の繊維を含んでなる請求項1に記載の物品。
【請求項20】
耐スパイク性パネルがストライク面である請求項1に記載の物品。
【請求項21】
ストライク面として耐スパイク性パネル、中間層として耐弾道性パネル、および物品の着用者の身体のわきに置くための内面として第2の耐スパイク性パネルを含んでなる請求項1に記載の物品。
【請求項22】
第1布層がマトリックス樹脂またはバインダーを含む請求項1に記載の物品。
【請求項23】
第2布層がマトリックス樹脂またはバインダーを含む請求項1に記載の物品。
【請求項24】
耐スパイク性パネルおよび耐弾道性パネルを含んでなる第2物品のそれより大きい弾道V50性能を物品が有し、第2物品中の耐弾道性パネルが第1物品の耐弾道性パネルと同じ面密度を有するが、第2物品の耐弾道性パネルでの平方インチ当たりのフィラメント交差の数が90,000,000より多い請求項1に記載の物品。
【請求項25】
9mm弾丸に対するV50弾道性能が少なくとも350m/秒である請求項1に記載の物品。

【図1】
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【公表番号】特表2007−530895(P2007−530895A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517856(P2006−517856)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/021680
【国際公開番号】WO2005/049903
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】