説明

栄養補助食品の経粘膜送達のための可食性フィルム

本発明は、フィルム層(該フィルム層は、口腔中で速く溶出する)および粉末マトリックスを含有するコーティング(該コーティングは、該フィルム層の少なくとも1つの側に適用され、そして該粉末マトリックスは栄養補助食品、接着物、バルク剤、流動化剤、および甘味剤を含む)を含有する、組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、(a)米国特許仮出願番号60/677,679(2005年5月3日出願)(Atty Dkt No. 57778.8005.US00)、(b)米国特許仮出願番号60/677,717(2005年5月4日出願)(Atty Dkt No. 57778.8005.US01)、(c)米国特許出願番号10/713,544(2003年11月14日出願)(Atty Dkt No. 57778.8001.US01)(これは、米国特許仮出願番号60/426,598(2002年11月14日出願)(Atty Dkt No. 57778.8001.US00)および米国特許仮出願番号60/497,186(2003年8月22日出願)(Atty Dkt No. 57778.8003.US00)の優先権を主張する)、(d)米国特許出願番号10/402,273(2003年3月28日出願)(Atty Dkt No. 57778.8002.US00)、(e)米国特許出願番号10/921,770(2004年8月18日出願)(Atty Dkt No. 57778.8003.US01)(これは、米国特許仮出願番号60/497,186(2003年8月22日出願)(Atty Dkt No. 57778.8003.US00)の優先権を主張する)、および(f)米国特許出願番号10/706,810(2003年11月12日出願)(Atty Dkt No. 57778.8004.US00)(これは、米国特許仮出願番号60/426,598(2002年11月14日出願)(Atty Dkt No. 57778.8001.US00)の優先権を主張する)(これらの全ての開示は図面を含めて、本明細書の一部を構成する)の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、栄養補助食品の経粘膜送達のための可食性フィルムの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ビタミン、ミネラル、草本、および他の栄養物質のヒトの消費には長い歴史がある。健康食品産業は、1800年代に出現したと考えることができ、例えばグラハムクラッカーのシルヴェステル グラハム師(Reverend Sylvester Graham)の発明、およびパッケージセリアルのケロッグの開発が挙げられる。
【0004】
20世紀半ばには、消費者は1日に3回の栄養性食事を消費し、そして身体における負の影響を有する食品を回避するように奨励された。20世紀の後半での強調は、身体に負の影響を有する食品を回避することから、消費する量を追跡することにシフトした。現在では、科学および医薬の進歩は機能性食品群に対する理解および流行を促進した。
【0005】
該健康食品産業は、1992年〜1998年までの成長率を帳消しにして15パーセントで成長し、これは、子供の出生(baby bowmen)の人口統計および人々の健康を意識する生活様式に対する関心によって主に誘導された。該成長率は1999年には実質的にゆるやかになり、そして次の3年間には約10%になると予想される。多くのソースは、1999年の国内天然物の売れ行きを250億から350億の間と見積もっている。
【0006】
過去7年に渡って、代替医療の人気の増大および健康を意識した消費者の数の増加は、栄養補助食品の売れ行きの増大に寄与した。この傾向は続き、売れ行きは将来更に増大する、と予想される。健康に及ぼすビタミンおよび栄養補助食品の負の影響についての一般的な認識は、そのような要求を示唆する科学的な発見についての広く公開された報告によって高まった。自然食品に対する需要は融通がきかないこともまた、該産業の成長を引き受けた。我々は、健康食品に対する需要がレギュラーな食品に対する需要よりも価格に対して敏感でないように思われると観察する。我々は、消費者は以下の2つの重要な理由でかかる製品に対して高い価格を喜んで払うと考える。
1.彼らは、該製品を消費する健康上の利益を信じている。
2.彼らの忙しい生活様式は、ビタミンおよび栄養補助食品の利便性を要求している。
【0007】
数が増加する健康の専門家は、栄養補助食品の利点を認識し、そして病気(例えば、心臓疾患および発作)を予防する際のそれらの使用を提唱している。同様に、政府および医療関係者は、予防医療をきわだたせる保健医療のコストを削減しようとしている。近年の研究は、選択される栄養補助食品の日常的な消費と広範囲の疾患(例えば、癌、心臓疾患、発作、および関節炎)の発生率との間の相関を示している。
【0008】
米国の人口の加齢化、およびそれに対応した予防学的な健康方法(顕著には、良好な食事を含む)の注目へのシフトは、ビタミンおよび栄養補助食品に対する要求を増大させ続けるであろう。米国商務省によれば、消費者の36歳以上の群(これは、ビタミンおよび栄養補助食品の日常的なユーザーの実質的な大部分を代表する)は、母集団よりも2010年にはより有意に速く伸びると予想されている。産業ソースはまた、ビタミン消費者が過去よりも1日により多くのビタミンおよび栄養補助食品を摂取するようになると報告する。強化(Consolidation)された強い人口統計の傾向、およびより科学に基づいた栄養素が、来る年には予想される。
【0009】
上記の理由のため、栄養補助食品を送達するための代替方法に対する当該分野における所望が存在する。
【発明の開示】
【0010】
(発明の概要)
本発明は、哺乳動物および/またはヒトの体内に栄養補助食品を送達するための様々な経口/頬側の経粘膜システムに関する。
【0011】
該経口/頬側の経粘膜システムとしては、速効溶出性片(strips)、薄フィルム組成物、散剤、ゲル、スプレー、時間放出性トローチ剤もしくは貯蔵パケット、および他の経口/頬側の経粘膜薬物/物質送達システムを含む。
【0012】
栄養補助食品を送達するのに使用することができる1つの該経口/頬側経粘膜システムは、いくつかの配置(例えば、マトリックスおよび貯蔵設計を含む)で供される3M(登録商標)サイドット(Cydot)(登録商標)システムである。栄養補助食品を送達するのに使用することができる別の該経口/頬側経粘膜システムは、ゼンゲン社(Zengen Inc.)の「経口片二重層システム」(これは、コラセプティック レリーフ ストリップ(Chloraseptic Relief Strips)(登録商標)で使用する)である。更なる別のシステムは、スコール バンディット(Skoal Bandit)(登録商標)製品と同様な「茶バッグ(tea bag)」デバイスであり得る。
【0013】
該栄養補助食品としては例えば、鉄、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、炭水化物、タンパク質、糖類(グルコース)、亜鉛、モリブデン、銅、カリウム、マンガン、塩化物、炭酸水素塩および炭酸塩、アルミニウム、ヒ素、臭素、カドミウム、クロム、塩素、コバルト、フッ素、ヨウ素、マンガン、モリブデンニッケル、リン、セレン、ケイ素、バナジウム、亜鉛、アミノ酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンB複合体、チアミン(ビタミン31)、リボフラビン(ビタミン132)、ナイアシン(ビタミンB3)、ピリドキシン(ビタミンB6)、ビオチン、パントテン酸およびパンテチン、葉酸、ビタミンB12、「局方外品」ビタミンB類(コリンおよびイノシトールを含む)、およびビタミンP(バイオフラボノイド)、および/または他の重要な栄養素、加えて様々なホメオパシー/代替物質である。
【0014】
(発明の詳細な記載)
上記で列挙した詳細および他の有利な点、並びに本発明による目的が得られる方法を十分に理解するために、本発明のより詳細な説明は引用によって、その具体的な実施態様について行なう。
【0015】
治療薬は、粘膜を横切って有効に送達することができる。経粘膜送達は、これらの膜が非常に薄くそして浸透性であるという理由で特に魅力的である。該性質は、身体中への薬物(物質)の速い取り込みを可能とする。この効率的な取り込みは、薬物(物質)が身体の自然の防御のいくつかを迂回し、そして該治療薬の効果を増大するのを可能とする。経粘膜送達システムは、他の送達の方法を越えるいくつかの利点を与える。以下のものを含む:
【0016】
直接的な吸収:
粘膜を通じた吸収により、循環器系に直接に通じる。このことは、薬物(物質)が胃腸管、並びに初回通過肝臓代謝を迂回するのを可能とする。このことは、生物学的な治療薬にとって重要である。
【0017】
速効性の開始:
薬物(物質)は循環器系に直接に侵入し、これにより、必要な部位にすばやく運搬する治療が可能となる。該薬物/物質がその標的領域により速く達すればするほど、そのものはより速くその所望の効果を発揮し始めることができる。
【0018】
低用量:
胃腸管および初回通過代謝の回避は、非常に少量の該薬物を投与することにより同一の効果を達成することができ、これにより、投与する用量の減少および副作用の低下を可能とする。
【0019】
経粘膜薬物送達は通常、3つの系に分類される:
【0020】
鼻腔経粘膜:
この範疇の製品は、鼻腔スプレー、ポンプおよびゲルを含む。鼻腔経路に送達される該薬物の大部分は、抗炎症薬である。
【0021】
経口/頬側の経粘膜:
これらの系は、該治療薬を放出するのに唾液を使用する。製品としては、粘膜接着物、速効溶出性片、または他の速効溶出性送達系、貯蔵ポーチもしくはパケット、および固体トローチ製剤を含む。
【0022】
膣または尿道の坐剤:
この範疇における送達系は、膣またはペニスのキャピラリーベッドによって直接に吸収されるように設計する。
【0023】
粘性の多糖類マトリックスは、口腔、鼻腔経路、膣および尿道を覆う系に侵入し得る外来性粒子を捕捉するように設計する。これは、微細組織およびキャピラリーベッド(これは、上皮の真下に存在する)に対する損傷を防止する、防御である。該粘膜は身体を外来性の物質および病原体から防止するが、該領域は粘膜よりもよりずっと浸透性である。この浸透性により、薬物を粘膜に送達して循環中に速く侵入することが可能となる。
【0024】
栄養素溶液は、嘔吐、下痢、激しい発汗、体液損失の他の形態、および/または身体の遺伝的な構造もしくは現在の遺伝的な状態に関する他の天然の栄養素の欠乏症、加えて栄養欠乏症の他の原因、の間での栄養素の損失を経口的に補充するのに使用することができる。
【0025】
経粘膜栄養補助食品は、栄養素損失の軽、中、および/または重度の症例において使用することができる。
【0026】
栄養補助食品の経粘膜送達は、胃腸管、胃、物質の消化および吸収、嚥下、プロトコールのコンプライアンス、および物質の有効性、並びに胃腸管代謝に関する他の問題に関連する負の問題を考える際に、経口送達を超える利点を与える。
【0027】
本発明の実施態様において使用するための適当な可食性フィルム担体は、目的の溶出速度、ユーザーにとっての目的の服用感、薄フィルム担体および活性成分の適合性、製造の制約、コスト、または他のファクターを含むファクターに応じて、当業者に選択され得る。該フィルムはまたこれらと同じファクターに応じて厚くも薄くもなり得る。
【0028】
目的の溶出速度は、該可食性フィルムについての具体的な使用方法に応じて変化し得る。例えば、活性成分の即時送達の場合には、該フィルムは口腔で素早く溶出するように製造され、そして一度に活性成分の全用量が送達され得る。該フィルムはまた、目的の時間で口腔中に送達されるよう活性物質の量を制御して、長時間かけて溶出するように製造する。
【0029】
具体的なフィルム製剤および製造方法は当該技術分野で公知であり、例えば米国特許第5,948,430号(ZERBEらによる)を参照できる(これは本明細書に引用される)。各フィルム製剤は通常、フィルム形成剤、バルク剤、軟化剤、強力な人工甘味料、糖アルコール、天然甘味料、香料、冷却剤、界面活性剤、着色剤、オイル、および乾燥剤を含む。これらの成分は食品産業においてよく知られており、広く利用可能である。
【0030】
本発明の可食性フィルムの主成分はフィルム形成剤であり、これはほとんどの場合にいずれかの水溶性フィルム形成剤であり得る。フィルム形成剤としては例えば、プルラン、グアーガム、ペクチン、キサンタンガム、アルギン酸塩、ゼラチン、デンプン類(トウモロコシ、ジャガイモ、コメまたはタピオカを含む)、加工デンプン、マルトデキストリン、小麦グルテン、カルボキシメチルセルロース、カラゲナンコンニャクまたはイナゴマメガム(locust bean gum)を含むが、これらに限定されない。
【0031】
本発明の可食性フィルムの1例は二層フィルムを含むと記載されている。該フィルムは、基質層または活性層として機能する1つの水溶性層と第二の乾燥被覆層とからなる。該第二の乾燥被覆層は、基質層中に固定されて、それ自身を底層に貼り付ける。一方、活性成分はいずれかの層に含まれ得て、好ましくは該第二の乾燥被覆層は1またはそれ以上の活性成分(例えば、メントールもしくはベンゾカイン、またはその両方)を含む。該乾燥被覆層は、第一(底)層の部分的な硬化後、該薄フィルム表面に適用され、この底層にそれ自身を貼り付ける。該乾燥被覆層および類似の層は、安定性を保つのに非常に低い水分環境が要求される低用量の活性成分を用いる場合に特に有効である。該第二の層はまた基質および分割剤も含み得る。
【0032】
該フィルムは速く溶出するようなサイズである。1片あたりの重さは様々であり得る。1片の該重さは、約10〜80 mg、約20〜70 mg、約30〜60 mgの範囲および約50 mgであり得る。1片あたりの最大の用量はまた活性成分の選択によっても変化し得る。該最大の用量は好ましくは12.5 mgである。活性成分は固体または液体型式で送達され、用量レベルに応じて、活性成分は脂溶性または水溶性であり得る。水系で安定な活性成分が好ましい。しかしながら、水系で安定でない活性成分は好ましくないと考えられるが、なお用いられ得る。好ましくは給仕あたりの投与量は1〜2片であるが、個々の片のサイズおよび当業者に公知の他のファクターによって変化し得る。
【0033】
個々の片は実質上いずれのサイズにでも製造でき、該片は13/16インチ×1 1/インチ矩形であることが好ましい。第一の層の厚さは約0.040〜1.1マイクロメートルの範囲であることが好ましい。第二の乾燥被覆層の厚さは、約0.007〜0.02マイクロメートルの範囲であることが好ましい。ある層の厚さは、充填および加工処理のような技術分野の当業者にとって公知のファクターによって、本明細書で列記される値から上下し得る。
【0034】
いずれの当該技術分野で公知の標準的な製造方法も、該フィルムの製造に用いることができる。かかる方法の例は米国特許第5,948,430号(ZERBEら)に見出すことができる。
【0035】
米国特許第5,948,430号(ZERBEら)に記載の製造方法に加えて、本発明による可食性フィルムの製造もエアレーション工程を含み得る。この工程には、基質上に適用する前にその塊にエアレーションすることが含まれる。エアレーションは機械的攪拌、機械的反応、または二酸化炭素エアレーションを用いて、最も好適に達成される。エアレーション工程は、エアレーションをしない場合よりもより大きな厚みおよびより低い密度を有する可食性フィルムを与える。
【0036】
本発明の更なる態様には、改善されたフィルムおよびこれを製造する方法を含む。該フィルムは生細胞に用いられ得る。フィルム中の薬物混入層の形成には溶媒は要求されず、熱および剪断のダメージの可能性を最小限にする。該フィルムによる薬物の溶出または送達の速度は、容易に調整できる。薬物含有層は、熱で誘起される薬物のダメージの可能性を最小限にしながらではあるが、可食性フィルム上のコーティングを形成するのに熱を用いることが許容される。親水性の成分は薬物含有層の製造中、より高濃度で容易に混合され得る。
【0037】
更に、本発明は、口腔内に薬物を送達するための改善された組成物を含む。該組成物は適用されるコーティングおよびフィルム層を含む。
【0038】
該フィルム層は、いずれかのポリマー、軟化剤、充填剤、マトリックス、または他の組成物から製造される。該フィルムは、特定の厚さのフィルムについては口腔内での許容され得る溶出速度を有する。例えば、該フィルムが50ミクロンの厚さを有する場合には、フィルムが約15秒以内に口腔内で溶出するのが所望され得る。あるいは、フィルムはよりゆっくりと溶出するのが所望され得る。例えば、該フィルムは、プルラン、加工デンプン、ペクチン、カラゲナン、マルトデキストリン、またはアルギン酸塩で製造し得るが、これらに限定されない。
【0039】
適用されるコーティングは、1またはそれ以上の薬物を含む粉末マトリックスである。薬物は粉末担体中に含むことができ、またはそれ自身が粉末であり得る。粉末マトリックスの1つの有利な点は、溶媒の使用が通常要求されないことである。粉末マトリックスの別の有利な点は、所望する場合には薬物に加えて様々な異なる補助的な組成物を通常含み得ることである。粉末のマトリックスの更なる有利な点は、剪断および熱の発生を最小限にする流動床中で混合し得ることである。流動床において、乾燥大気または別の気体は複数の開口部を通じて上方に分散されて、粒子を懸濁し、混合する。いずれかの所望する方法は、粉末を混合するのに用いられ得る。粉末を流動床中で混合または懸濁させる別の有利な点は、粉末粒子を懸濁化する乾燥大気が粒子のアグロメレーションを防ぐのにつながることである。混合された粉末マトリックスはまた、混合された粉末マトリックスをフィルム層へ適用する前に、流動床に貯蔵(すなわち、懸濁)され得る。粉末マトリックスは、篩にかけること、篩い分けすること、噴霧、静電的な、機械的な撹拌などのいずれかの望ましい方法で適用され得る。例えば、粉末のマトリックスは、ノードソン(Nordson)で、または同様の静電的なスプレー銃で圧空を用いて噴霧され得る。かかる銃の1つは、粉末粒子の微細な霧状のスプレーを造る。該銃は粉末粒子を静電気で荷電し、そして粉末粒子を受けるフィルム層の表面に接着する。粉末粒子を適用する別の方法は、粒子を液体担体と混合して、粒子−液体溶液を形成することである。該粒子−液体溶液はフィルム層上にスプレーされる。液体担体は蒸発して、フィルム上に粉末粒子が残る。液体担体は、粉末粒子を液体担体中に溶出させないことが好ましい。
【0040】
薬物とともに粉末マトリックス中に含まれ得る補助的な組成物は、選択された時間の間ゆっくりと溶出する組成物である。かかる補助的な溶出制御の組成物は、口腔内での薬物の放出を遅らせるのに利用され得る。この種類の補助的な組成物の例には、カラゲナン、ゼラチン、アルギン酸塩、プルラン、PVP、および他の親水性物質のようなゲル形成組成物;シクロデキストリン;並びに、カルシウムおよび繊維のような不活性な物質が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、繊維にはカルボキシメチルセルロースが含まれ得る。
【0041】
粉末マトリックス中に薬物と共に含まれ得る別の補助的な組成物は、水または唾液を吸収する吸収作用の組成物である。かかる補助的な吸収作用の組成物はまた、薬物の放出を遅らせ、および/またはゲルを形成するのに用いられ得る。もし所望なら、該ゲルは、非常に柔らかいゼリービーンと同様に、該片を噛むことができるようにすることができる。本明細書で用いられるように、口腔内に置かれるときまたは体液の別の供給源と接するとき、(1)該補助的な組成物が選択された時間の間で唾液または他の水溶液の水をその重さの少なくとも4倍吸収するか、または(2)該補助的な組成物が選択された時間の間でその厚さの少なくとも3倍に膨張するなら、補助的な組成物はゲルと称される。該選択された時間の間は変化し得るが、好ましくは5秒から15分であり、最も好ましくは5秒から5分である。ゲルの補助的な組成物の例としては、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、加工デンプン、ゼラチン、およびカラゲナンが含まれるが、これらに限定されない。これらの組成物は単独または組み合わせて用い得る。ゲルの利点の一つは、薬物の溶出を遅らせ、そしてより長い時間の間、口腔内に薬物を維持する傾向にあることである。
【0042】
粉末マトリックス中に含まれ得る更なる補助的な組成物は、口腔内に置かれてその中の粘膜に接するときに、該粘膜に接着する組成物である。粉末マトリックス中のかかる補助的な接着組成物の濃度は、フィルムが粘膜に接着する時間の長さを変化させるため、またはフィルムと粘膜の間に生じる接着力を変化させるために調整され得る。補助的な接着組成物は、口中の粘膜、または身体の他の部分(例えば、口、鼻、目、膣および直腸を含む)における粘膜もしくは組織に接着する。補助的な接着組成物の例には、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、カルボポール、ポリカルボフィル、カルボキシビニル共重合体、プロピレングリコールアルギン酸塩、アルギン酸、メタクリル酸メチル共重合体、トラガントガム、グアーガム、カラヤガム、エチレン酢酸ビニル、ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレンブロック共重合体、およびメタクリル酸ヒドロキシエチル共重合体を含む。本明細書で提供される組成物のすべての例は、たとえそれらに匹敵するまたは機能的に等価な組成物が挙がっていなくても、他の匹敵するまたは機能的に等価な組成物の使用または包含を制限することなく与えられる。
【0043】
該粉末マトリックスに含まれ得る更に別の補助的な組成物は、硬化プロセスを受ける場合に、フィルム層の外側でより滑らかなまたはより光沢のあるコーティングを形成するように流動する流動組成物である。好ましい硬化プロセスの一つは、選ばれる温度、華氏76°以上まで粉末コーティングを伴ったフィルム層を加熱して、補助的な流動組成物を柔軟にしおよび流動させる。このタイプの補助的な組成物の例は、脂質(様々な動物および植物性の脂肪を含む)、ワックス、特に低融点ワックス、およびポリオール類、特に粉末形態で混合され得るかまたは薬物もしくは他の組成物を含有する粉末粒子中に含まれ得る低融点ポリオールである。薬物自身はまた、華氏76°以上の高温で流動してより滑らかなまたはより光沢のあるコーティングを形成する特性も有し得る。
【0044】
該粉末マトリックス中に含まれ得る他の補助的な組成物には、バルク剤、充填剤、色素(着色剤)、香料、および甘味料を含むが、これらに限定されない。
【0045】
補助的な組成物の組合せは、目的の機能を達成するために、粉末マトリックス中に含まれ得る。例えば、薬物の溶出を遅らせることを所望する場合には、低溶出性の充填剤および繊維を、口の内部を覆う口腔粘膜に接着する能力が非常に高い度合いの高濃度のポリマーと共に該粉末マトリックス中に含むことができる。
【0046】
該粉末マトリックスは通常フィルム層を製造した後に、フィルム層に加えられて適用されるコーティングを形成する。
【0047】
該乾燥粉末マトリックスは通常、少量の保持水もしくは結合水または他の液体を含み、典型的には約10重量%未満が含まれる。該粉末マトリックス中の水分レベルは通常、散剤を混合して、粉末マトリックスを形成する間および該粉末マトリックスをフィルム層に適用する間に、該粉末粒子を互いに固着または接着しないようにすべきである。
【0048】
例えば、該フィルム層は、天然または合成の水溶性ポリマーを含有する高水溶性ポリマーを用いて調製され得るが、これらに限定されない。該ポリマーは良好なフィルム形成容易性を有し、柔らかくてフレキシブルなフィルムを与え、ヒトの消費に安全であることが好ましい。かかるポリマーの一つは、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースの塩のような水溶性セルロース誘導体であり得る。あるいは、該ポリマーは、アクリル酸共重合体またはそのナトリウム、カリウムもしくはアンモニウム塩を含み得る。該アクリル酸共重合体またはその塩は、メタクリル酸、コモノマーのようなエーテルのスチレンもしくはビニルタイプ、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレングリコール、ヒドロキシプロピルデンプン、アルギン酸もしくはその塩、ポリサッカライドもしくはその誘導体(例えばトラガント)、バムゼラチン(bum gelatin)、コラーゲン、変性ゼラチン、およびコハク酸もしくは無水フタル酸で処理されたコラーゲンと組み合わされ得る。例えば、以下のものが接着剤として粉末マトリックスに含まれ得る:エチルセルロース、酢酸セルロースおよびブチルセルロースのような難水溶性セルロース誘導体;セラック;ステアリン酸およびパルミチン酸のような高級脂肪酸。以下のものも、これらに制限されないが、該フィルム層の調製に用いられ得る:プルラン、マルトデキストリン、ペクチン、アルギン酸塩、カラゲナン、グアーガム、他のゼラチンなど。
【0049】
該粉末マトリックスに含まれ得るバルク剤には例えば、アビセル、糖アルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、およびイソマルトを含む)、乳糖、ソルビトールデキストリン、デンプン、無水リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、三ケイ酸マグネシウム、シリカゲル、およびアミラーゼを含むが、これらに限定されない。
【0050】
該粉末マトリックス中の粒子の大きさは所望に応じて変え得るが、10メッシュから400メッシュの範囲またはより細かいことが好ましく、40メッシュから300メッシュが好ましい。
【0051】
該フィルム層の厚さは所望に応じて変え得るが、典型的には0.01mmから3.00mmの範囲、0.03mmから1.00mmが好ましい。
【0052】
粉末マトリックスは、フィルム層の片面または両面に適用し得る。該フィルム層は、フィルム層の上端の外部表面上部に含まれ、そしてフィルムの底部の外部表面下部に含まれる。外部表面上部は一般的に外部表面下部と平行である。粉末マトリックス層の厚さは所望に応じて変え得るが、0.001mmから3.00mmの範囲が好ましく、0.01mmから1.00mmが好ましい。
【0053】
所望ならば、該粉末マトリックス層をフィルム層に適用した後、別の層を粉末マトリックス層の上に適用して、粉末マトリックス層をシールし、粉末マトリックス層からの薬物の溶出を遅らせるなどすることができる。
【0054】
所望ならば、多重粉末マトリックス層をフィルム層に適用できる。フィルム層は2つまたはそれ以上の層のラミネートからなり得る。フィルム層の製造方法、およびフィルム層中への可塑剤、バルク剤、味覚改変剤、色素などの導入方法は、当該技術分野でよく知られており、本明細書では詳細は記載しない。薬物は乾燥粉末形態中のフィルム層へ適用されるので、薬物とフィルム層からなる組成物との間の不都合な相互作用の可能性は低くなる。
【0055】
文脈で他に特定されておらずまたは要求されてない限り、本明細書で用いる「可食性」なる用語は、「経口的な消費可能性」なる用語で相互交換可能に使用され、そしてこれは、一般的には物品がレシピエントにとって有意に有害な影響なく、口中、口腔内、舌の上などに置かれ得ることを意味する。
【0056】
ある実施態様においては、本発明の組成物およびフィルムは、該組成物またはフィルムを味よくする少なくとも1つの香味および/または芳香の組成物を含み得る。いずれかの有効な香料または芳香が用いられ得る。香味剤または芳香剤はいずれかの有効な量で存在し、例えば約0.5〜40重量%、1〜30重量%、5〜15重量%、0.5〜15重量%の範囲が含まれる。香味剤は天然または人工、あるいはそれらの組合せであり得る。
【0057】
文脈で他に特定されておらずまたは要求されてない限り、本発明の可食性フィルムはいずれかの有効な方法で製造し得る。米国特許出願第20010022964号、第20020131990号および第20020019447号、並びに米国特許第6,419,903号、第3,931,146号、第5,411,945号、第6,010,716号、第5,629,003号、第5,948,430号、第6,177,096号、第6,284,264号、第5,700,478号、第6,449,925号、第4,072,551号、第4,083,741号(これらすべては、本明細書で十分に示されているように、本明細書に引用され、可食性フィルムを製造する方法を記載している)。当該技術分野で公知でありまたは本明細書中に記載する、これらおよび他の方法は、本発明に従って用いることができる。
【実施例】
【0058】
使用例1−過剰な体液損失による栄養欠乏症
特に、下痢および嘔吐による栄養素の損失は、特に乳児および若年の子供における激しい症状を引き起こし得て、そしてこれは死を招くこともあり得る。下痢は、大腸菌の腸菅病原性の菌株による小腸のコロニー形成(これは、熱安定性および/または熱不安定性のエンテロトキシンを産生する)を伴うことが多い。関連エンテロトキシンは、他の腸菅病原(例えば、コレラ)によって産生され、そしてこのものは下痢を引き起こす。これらのエンテロトキシンは、腸菅内腔での体液分泌を刺激し、そして下痢を引き起こす。関連する体液損失は、死を招くことがあり得る。
【0059】
重度の脱水症の場合には、矯正的な非経口(静脈内)療法が必要となることが多い。軽から中程度の脱水症の場合には、経口再水和溶液は、静脈内療法に対する安全でかつ経済的な代替物を提供する。経口維持療法または再水和療法において使用される経口電解質溶液は、電解質と炭水化物成分(例えば、グルコースまたはデキストロース)との混合物を含む。
【0060】
経粘膜栄養補助食品は、下痢および嘔吐による栄養素の損失の軽、中、および/または重度の症例において使用し得る。
【0061】
使用例2−加齢個体群における栄養欠乏症
米国の3百万人の看護学出身の研修医の50%から75%は、嚥下における困難性を経験する。1つのカナダ国の349患者の養護ホームの研究において、68%が嚥下障害の徴候を示し、そして40%は薬物を嚥下するように言われた場合には挑戦的な挙動を示した。
【0062】
これら何百万人の患者への投薬は、養護ホーム、医療機関(menial institutions)、および総合病院にとってさえ非常に大きな課題を与える。
【0063】
2002年2月17日付けの会議において報告されている保健福祉省(Department of Health & Human Services)による研究は、90%以上の養護ホームが悪影響を受け(undenauffed)、そして周辺の介護基準(marginal care standards)さえを満足するために、毎年予算にない78億ドルを費やさなければいけないであろうことを示した。慢性疾患を有する患者は、薬物投与の支援が不十分であるという理由でその大部分を受けている。
【0064】
在宅医療および養護ホームの両方において、加齢の精神医学的な影響は固体剤形の投与を複雑にすることが多い。該養護ホーム環境における焦燥(agitation)の罹患率は75%から90%の範囲に及び;アルツハイマー疾患を有する患者における精神障害の発生率は、1年基準で20%、および3年基準で50%である。経口固体剤形を用いてホームでこれらの患者を薬物療法する試みの混乱は、燃え尽き症候群、そして結局は患者の入院を生じる。典型的に、関与する該障害は、嚥下の困難性を正当に評価していない。
【0065】
パーキンソン病:パーキンソン病の大部分の視覚的な症状の1つはよだれであり、これは患者の80%〜90%に影響を及ぼす。よだれは、唾液の過剰産生ではなく唾液を嚥下する無能から生じる。実際には、パーキンソン病患者は実のところは、健常者よりも産生する唾液は少ない。過剰量の唾液を「ドライアップ(dry up)する」のに一般に処方される抗コリン薬は実のところは、嚥下するのがより一層困難である粘着性の唾液を生じる。
【0066】
慢性的な嚥下の困難性を伴う他の患者としては、慢性閉塞性肺疾患、発作、およびアルツハイマー疾患を有する患者、並びに頭頸部の疾患およびそれに対する放射線療法を有する患者を含む。
【0067】
経粘膜薬物送達を考慮する更に別の理由は、肝代謝の軽減または排除であり得る。肝臓は、薬物(例えば、ホルモン)を有意に変化する。他に、初回通過肝代謝は、患者を処置するのに使用する他の薬物の代謝を損ない得る。
【0068】
健常者における経口薬物の早期試験は、一旦実際の患者を処置すると、服用の困難性をマスクすることができる。健常者における経口5−HT3拮抗薬物についての薬物動態学的な曲線を得る1つ事例であり−カプセル剤を摂取した直後に、どれほど多くの薬物が化学療法が原因で嘔吐する患者によって吸着されたかを予測するために、これらの曲線を使用するのは全く別のことであり得る。
【0069】
最後に、経口固体投与フィルムとして送達される場合には、いくつかの薬物療法は、少なくとも何人かの患者について、体全体または特定の臓器を許容し得ない薬物レベルにまで暴露する。これらの薬物の例としては、NSAIDs、勃起不全処置薬、および抗真菌薬を含む。
【0070】
NSAIDsの場合には、通常非常に限局性の痛みを処置するために、経口固体剤形を全身投与することにより、毎年約76,000人の入院および7,600人の死亡の原因であるGI出血を誘起する血中レベルを生じる。
【0071】
従って、経粘膜栄養補助食品は、例えば老人、乳児、および経口送達が好ましい選択肢でないこともある他の状況などの場合に有利であり得る。
【0072】
使用例3−栄養欠乏症および低ナトリウム血症(低血中ナトリウム)
1999年9月に、19歳の米国空軍採用担当部者は、5.8マイルの歩行の間に虚脱を起こし、体温が華氏温度108となった。医師は、水分過剰の結果としての熱中症および低血中ナトリウムレベルの両方が原因で死亡したと結論付けた。
【0073】
2000年1月には、米国軍人の20歳の訓練を受けている者が、薬物試験のための尿検体を得ようとして、2〜4時間の間に約12クォートの水を飲んだ。次いでその者は、大便失禁をうけ、意識を失い、そして錯乱し、次いで低血中ナトリウムの結果としての脳および肺中での膨潤から死亡した。
【0074】
2001年3月には、19歳の米国海軍人が、26マイルの行進(その間、その者は90ポンド以上の荷およびギアを運んだ)の後に非常に大量の水の飲食が原因で死亡した。その者は8時間の歩行の初期段階では良好であると見られたが、最後の方には、その者は嘔吐を始め、そして過度に疲弊しているようであった。次いで、その者は病院に送られ、そこでその者は昏睡となり、そして脳膨張が発生し、そして翌日には死亡した。その者が行進の間にどれだけ多くの水を飲んだかは不明であるが、しかし、海軍は、該活動の前およびその間に水を飲むことについて「常に強調」したと、GardnerはMilitary Medicineの最新号において記載している。
【0075】
従って、経粘膜栄養補助食品(ナトリウム栄養補助食品)は、低ナトリウム血症を予防するのに利点を有し得る。
【0076】
使用例4−鉄欠乏症
貧血は、赤血球が身体組織に十分な酸素を供給しない疾患である。多くの種類および原因の貧血が存在する。鉄欠乏性貧血は、非常に少ない鉄によって引き起こされる血液中の赤血球の数の減少である。
【0077】
鉄欠乏性貧血は、最も一般的な形態の貧血である。女性の約20%、妊娠中の女性の50%、および男性の3%は鉄が欠乏している。鉄は、ヘモグロビン(血液中の酸素運搬色素)の必須成分である。鉄は通常、食事での食品によっておよび古い赤血球から鉄を再利用することによって得る。それがない場合には、血液は、酸素を効率よく運搬することができず、そして酸素は身体中の全ての細胞の正常な機能のために要求される。
【0078】
鉄欠乏症の原因は、食事中の非常に少ない鉄、身体による鉄の吸収の乏しさ、および血液の損失(重度の月経出血を含む)である。それはまた、子供において中毒症を生じる事に関連し得る。
【0079】
貧血は、鉄の正常な貯蔵が身体および骨髄において枯渇した後にゆっくりと発生する。女性は一般的に、男性よりも鉄の貯蔵が少なく、そして月経によって損失が増大し、女性は男性よりも貧血のより高いリスク下に置かれている。
【0080】
男性及び閉経後の女性の場合には、貧血は通常、潰瘍に関連する胃腸管の血液の損失、アスピリンもしくは非ステロイド系抗炎症性薬(NSAJDS)の使用、または特定の種類の癌(食道癌、胃癌、直腸癌)によって引き起こされる。
【0081】
高リスクの群としては、月経によって血液が損失した出産年齢の女性;鉄に対する要求が増大する妊娠中もしくは授乳中の女性;乳児、子供、および急速成長期にある青年、並びに鉄の食事性摂取が乏しいヒトを含む。血液の損失に関連する危険因子は、消化管潰瘍疾患、長期間のアスピリンの使用、および直腸癌である。
【0082】
該欠乏症の原因は、特に腸癌を最も被り易い老人の患者において同定されなければいけない。
【0083】
経口鉄栄養補助食品(硫酸第1鉄)を入手し得る。鉄の最も良い吸収は空腹の胃であるが、多くのヒトはこれに耐えることができず、そしてそれを食品と一緒に摂取する必要があり得る。ミルクおよび制酸薬は鉄の吸収を妨害し得て、そしてこれらは鉄栄養補助食品と同時に摂取する必要はない。ビタミンCは吸収を増大し、そしてこれは、ヘモグロビンの産生において必須である。
【0084】
栄養補助食品の鉄は、通常の食事性の摂取は要求される量を供給することはめったにないために、妊娠中および授乳中において必要とされる。
【0085】
ヘマトクリットは鉄治療法の2ヵ月後には正常までに戻るべきであるが、しかし、鉄は、身体の鉄の貯蔵(これは、骨髄中に大部分含まれる)を補充するのに更に6〜12ヶ月の間続けなければいけない。
【0086】
静脈内または筋肉内の鉄は、経口形態を耐えることができない患者にとって使用可能である。
【0087】
鉄が豊富な食品は、レーズン、肉(肝臓は最大の供給源である)、魚、家禽、卵(卵黄)、マメ科食物(エンドウマメおよびインゲンマメ)、および全粒パンを含む。
【0088】
従って、経粘膜栄養補助食品(鉄栄養補助食品)は、鉄の供給源としておよび鉄欠乏症/貧血の予防において有利であり得る。
【0089】
使用例5−カルシウム欠乏症
カルシウムは、多くの身体の機能(例えば、心拍の制御、神経インパルスの伝導、ホルモン分泌の刺激、および血液の凝固を含む)、並びに健康な骨格の構築および維持、に必須である。
【0090】
カルシウムは多くの食品中に存在するミネラルであり、そして十分なカルシウムの摂取は、ヒトの身体がカルシウムを産生することができないために重要である。完全な骨格の成長を達成した後でさえも、十分なカルシウム摂取は、身体が、脱落した粘膜、爪、毛髪、および汗、並びに尿および大便(frees)を通して毎日カルシウムを損失するという理由で、重要である。カルシウムの損失は食事を通して毎日補充しなければいけない。食事が、これらの活動を行なうのに十分なカルシウムを含まない場合には、カルシウムを骨(カルシウムの貯蔵領域)から摂取する。
【0091】
米国科学アカデミー(The National Academy of Sciences)およびアメリカ骨粗鬆症財団(the National Osteoporosis Foundation)は、成人の男性および女性にとって1000〜1200mg/日の毎日のカルシウム摂取を推奨する。専門家によれば、食品はカルシウムの最善の供給源であるが;しかしながら、ほとんどの米国人はかれらの食事において十分なカルシウムを有しない。幸運にも、カルシウム強化食品およびカルシウム栄養補助食品はそのギャップを埋めており、これにより、毎日のカルシウム要求を満たすことが保証される。栄養補助食品から必要とされる量は、どれだけ多くの量のカルシウムが食品源から消費されるかということに依存する。
【0092】
カルシウムは、化合物と呼ばれる他の物質と組み合わせてのみ天然に存在する。いくつかの異なるカルシウム化合物が栄養補助食品中に使用されており、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびクエン酸カルシウムを含む。これらの化合物は異なる量のカルシウム元素を含み、これは該栄養補助食品中のカルシウムの実際の量である。どれだけ多くの量のカルシウム元素が該栄養補助食品中に存在するか、およびどれだけ多くの服用または丸剤を摂取しなければいけないかを決定するために、ラベルを十分に読むことは重要である。
【0093】
カルシウム栄養補助食品は、処方箋なしに広範囲の調製および強度で入手することができ、これにより、1つの混乱させる経験を選択することとなり得る。多数のヒトは、どのカルシウム栄養補助食品を摂取すべきかと尋ねる;「最も良い」栄養補助食品とは許容性、利便性、費用、および入手可能性に基づいて個々の要求を満足するものである。カルシウム栄養補助食品を選択する際には、以下の重要な考察が存在する。
【0094】
純度−信頼性を証明する公知のブランド名であるカルシウム栄養補助食品を選択する。「精製」と記載するかまたはUSP(米国薬局方)の記号を有するラベルを探す。しかしながら、該USP記号の添付は自発的なものであるので、多くのファイン製品はこの記号を示していない。非洗練牡蠣、骨食事、もしくはUSPのないドロマイトからのカルシウムは避ける。これらは歴史的に、より高レベルの鉛または他の毒性金属を含むからである。
【0095】
吸収性−ほとんどのブランド名のカルシウム製品は、身体中に容易に吸収される。該製品の情報が、そのものが吸収性であると記載していない場合には、どれだけ十分に錠剤が溶出するかを、そのものを少量の温水中に30分間置き、そしてそのものをときどき撹拌することによって測定することができる。この時間内に溶出しない場合には、そのものはおそらく胃中で溶出しないであろう。咀嚼性で且つ液体のカルシウム栄養補助食品は、それらが胃に侵入する前に分解されるという理由で十分に溶出する。食事または栄養補助食品のどちらか由来のカルシウムは、それらが1日に数回、500mg以下の量で摂取される場合には身体によって最もよく吸収されるが、しかし、そのものを全て1回で摂取することは、全くそのものを摂取しないことよりは良い。炭酸カルシウムは、食品と一緒に摂取する場合に最もよく吸収される。クエン酸カルシウムはいつでも摂取することができる。
【0096】
許容性−カルシウム栄養補助食品は通常、多数の人々にとっての満足な選択肢であるが、特定の製品は、ある個体において副作用(例えば、ガスまたは便秘)を引き起こし得る。1個の基準(例えば、水分および繊維の摂取量の増大)が問題を解決しない場合には、別の形態のカルシウムを試みるべきである。栄養補助食品の摂取量を徐々に増加させることは重要であり;1週間、毎日500mg摂取し、次いでより多くの量のカルシウムをゆっくりと加える。
【0097】
カルシウム相互作用−処方箋または一般用医薬品とカルシウム栄養補助食品との間の可能な相互作用について医師または薬剤師に相談することは重要である。例えば、カルシウム栄養補助食品はまた、抗生物質テトラサイクリンの吸収を低化させ得る。カルシウムはまた、鉄吸収を妨害し、よって、カルシウム栄養補助食品は鉄栄養補助食品と同時に摂取すべきではない。このことに対する例外は、鉄栄養補助食品をビタミンCまたはクエン酸カルシウムと一緒に摂取する場合である。空腹の胃に摂取するいずれかの薬物療法は、カルシウム栄養補助食品と一緒に摂取すべきではない。
【0098】
組み合わせ製品−カルシウム栄養補助食品は、ビタミンおよび他のミネラルとの組み合わせの眼もくらむほどの(dazzling)アレイで入手することができる。ビタミンDはカルシウムの吸収について必要であるが、そのものがカルシウム栄養補助食品中に存在することは必要ではない(ビタミンDに関する情報についての骨粗しょう症報告(Osteoporosis Report for information on vitamin D)の1998年冬号を参照)。ミネラル(例えば、マグネシウムおよびリン)もまた重要であるが、しかし通常、食品およびマルチビタミンによって得る。ほとんどの専門家は、栄養素はバランスのとれた食事から摂取し、マルチビタミンは食事の不足を補助するのに使用することを推奨する。
【0099】
ほとんどの公開されている研究は、低カルシウム摂取量は低い骨量、速い骨減少、および高い骨折の割合に関係する、ことを示している。十分なカルシウムの摂取量は、カルシウム欠乏症が骨格の弱化に寄与しないことを保証するのを助けるが;しかしながら、このことは、骨健康にとって必要な唯一の段階である。高いカルシウム摂取量は、エストロゲン欠乏症、身体の不活性、喫煙、アルコール乱用、または様々な医学的な障害もしくは処置が原因の骨減少からヒトを防止するものではない。
【0100】
従って、経粘膜栄養補助食品(カルシウム栄養補助食品)は、カルシウムの供給源としておよびカルシウム欠乏症の予防において、有利であり得る。
【0101】
使用例6−筋収縮(筋痙攣)に及ぼす微量栄養素の影響
筋痙攣は、運動ニューロンの過剰興奮または該アクチン頭部タンパク質へのその誘引から自由にする該ミオシン頭部の無能さ、によって誘発される突発性の電気的に活性な収縮である。労作性痙攣は液体電解質の不適当さの結果であり得ると仮定されている。最新の研究科学は、ナトリウム、塩化物、カリウムおよびマグネシウムの発汗損失の重要性について意見が分かれており、そしてそれらは自明であり、従って「硬直性複合体(Rigor Complex)」の主因としての証拠にはならないと見なしている。しかしながら、ATPトランスロケーションがナトリウム、カリウム、−ATP−アーゼと関連することを示すいくつかの予備的な証拠が存在する。アデノシン三リン酸およびそのアデノシントリホスファターゼ酵素の存在下での体液比率と電解質の細胞内から細胞外のレベルとのバランスは、最適な筋肉の機能にとって必須であろう。ある国際的にランキングされているテニスプレーヤーは、プレー中の説明不可能な筋肉の熱痙攣を経験した。検診および病歴は平凡であり、そしてこのことは患者の血清中プロファイルによって確認されていた。コート上での発汗損失の組成物の評価および3日間の食事の分析は、プレー中のナトリウムの損失は食事性の摂取量をはるかに超えることを示した。毎日の食事性の塩化ナトリウムの増加は、熱痙攣の再発を排除した。
【0102】
初老における、易感染性の状況が原因のよくある痙攣は、熱ストレスの間にあるアスリートによる、極端であるが、同様な生理学的な環境の経験についてのモデルを供し得る。老人の特発性痙攣は、電解質欠乏症、熱ストレス、代謝性ミオパシー、甲状腺疾患、ジストニア、薬物療法に対する応答、および血液透析に直接的に関連することが分かった。処置としては、経口ビタミンEおよび/または硫酸キニーネの栄養補助食品の拡大強化を含むと提示する。更に、1回の処置もなければ、1つの有効な療法を生じることもない。
【0103】
T. D. Noakes博士(1991)は、労作性痙攣について以下の通り概説している。(1)新しいATP補充のためのグリコーゲン枯渇に関する疲弊、(2)電解質プロファイルに対する過剰な体液の容量。博士は、長時間の持久力トレーニングの各方法の前およびその間に60〜120グラムの炭水化物を使用する16オンスの液体の摂取を提案している。
【0104】
カルシウム:関心あるイオン型ミネラル
異常な筋肉のエネルギー代謝の間に、ミネラルの流動は、正常な電解質のホメオスタシスの比率を枯渇しまたは変化し得る。カルシウムは最も豊富なミネラルであり、そしてヒトの身体中に存在する5番目に最も豊富な元素である。従って、そのものは、筋肉収縮、神経伝達、血液凝固、および多くの代謝的機能にとって重要である。骨は、カルシウム貯蔵庫として作用し、これは、血清値が10mg/100mL以下に低下する場合にはそのものを供給し、副甲状腺ホルモンのコントロールによって制御される。血中カルシウムの半分以上がイオン化されており、一方で、その残りはタンパク質と結合し、または有機酸および無機酸と会合する。タンパク質結合性のカルシウムは弱電解質として作用し、一方で代謝的に活性なイオン型カルシウムは、筋肉収縮のための血液および血清によって使用される。
【0105】
運動の間、血中カルシウムは低下し、これにより、骨貯蔵からのイオン型カルシウムの放出についてのビタミンD活性化を刺激するために、副甲状腺を覚醒する。カルシウムレベルが復元されると、副甲状腺の刺激を停止し、そして該甲状腺からカルシトニンを放出し、その結果、骨再吸収/放出を停止する(GarrisonおよびSomerによる, 1995)。カルシウム枯渇は、神経筋肉の強縮を感作する。カルシウムは、神経伝達物質(これは、筋肉の収縮の間に、神経を興奮させそして弛緩させることを可能とする)のシナプス性放出にとって重要である。神経伝達物質の放出の容量は、末端膜におけるイオン型カルシウムの濃度に比例し、そしてマグネシウム濃度に逆比例する。セロトニン、アセチルコリン、およびノルエピネフリンの伝達物質のレベルは、横紋筋および平滑筋の収縮時のカルシウムおよびマグネシウムの両方の酵素学的な影響を受ける。相当な量のカルシウムがない場合には、グリコーゲン酵素、ホスホリラーゼキナーゼは、エネルギー代謝のためにグリコーゲンをグルコース−6−Pへ分解することができない。カルシウムはまた、ATPの加水分解のためのアデノシントリホスファターゼ酵素を活性化する。Balch博士(1990)は、筋肉痙攣が「カルシウム−マグネシウムの不均衡および/またはビタミンの欠乏によって一般的に引き起こされる」と述べている。彼は、筋肉痙攣の予防のために、マグネシウム(750mg)に対する2:1のカルシウム(1500mg)、および400〜1000 IUのビタミンEの毎日の食事または栄養補助食品による摂取を推奨している。かなり多くの研究が、妊娠中の肢痙攣はカルシウム代謝の変化が原因であると記載している(Pitikinによる, 1983)。Hammar(l987)、Knowles(l981)、Odendahl(1974)およびPage(1953)による研究は更に、カルシウムの栄養補助追加またはリンの減少が肢のかかる痙攣を予防しおよび軽減し得ることを示唆している。カルシウムバランスにおそらく関連して、血中マグネシウムの低下は、強縮症および筋肉痙攣と関連した。同様な発見は、カルシウムおよびマグネシウムの栄養補助的な経口摂取が強縮性症状を軽減するという証拠を確認した。
【0106】
電解質バランス:繊細さおよび慎重さ
体液電解質の組成物のカチオンおよびアニオンは決して静的ではなく、細胞内および細胞外の両方の代謝的な活動の代償性の割合内で比例的に平衡である。筋肉の疲弊からのカルシウムおよびマグネシウムの中心的な損失、発汗損失からの体液脱水症、ナトリウムの細胞外カチオンの貯蔵もしくはカリウムの細胞内カチオンの貯蔵は、筋肉不全、すなわち痙攣事象を段階設定する重要な因子である。国際的にランキングされているテニスプレーヤーの上記の症例研究(重度の労作性筋肉痙攣)は、食事性のナトリウム栄養補助によって解決されるが、最新の科学では、決定的な証拠に基づいて解決するための科学的な方法論の観点では重要ではない1解決法であると考えられている。筋肉痙攣は、低カリウム血性の組織環境に関連し、そしてカリウム栄養補助食品によって容易に軽減された(Portierによる, 1973)。Glatzel(1980)は、食事性の塩化ナトリウムを用いて夜間性の痙攣を処置することに成功している。筋肉攣縮、痙攣、および発作に関連する電解質の枯渇の役割についての強い証拠が存在するが、この文献からは決定的ではない。実際に、筋肉グリコーゲンの枯渇、体液の水分過剰、およびビタミン物質の不足、併せて燃料選択における酵素学的な影響はまた、現在疑いがあると考えられている。
【0107】
燃料変換およびフリーラジカル捕捉に必要なビタミン:ビタミン8−6、ビタミンE
ビタミンE栄養補助食品は、Lotzof(1977)およびCathcart(1972)によるいくつかの臨床的な観察において筋肉のトランピングを軽減することが知られる。Ayres(1969および1974)による2つの別個の実験研究は、CathcartおよびLotzofの発見を確認した。Balch博士の学術文献(1990)の研究は最近、上記の学術に加えられた。夜間性の筋肉攣縮、および遠位型/末梢性の平滑筋の痙攣は、EllisおよびPresley(1973)によって行なわれた研究においてビタミンB−6(ピリドキシン)の経口摂取によって軽減された。
【0108】
従って、経粘膜栄養補助食品は、筋肉収縮の開始を緩和しまたは拡張する際に有利であり得る。
【0109】
使用例7
過剰な体液損失による栄養素の損失と闘うための、アスリートの栄養補助食品としての経口/頬側の経粘膜による栄養素の送達
本発明の別の態様は、精力的な運動に関与する被験者に栄養素を補充しそして別の成分を供給するための、経粘膜の方法および製品(例えば、電解質を含む)に関し、これにより、スポーツドリンクまたは他の経口摂取性の栄養補助食品に関連する制限の多くを回避する。
【0110】
1態様における本発明は、運動および高エネルギー労作の他の期間に使用される栄養素を投与するための、速効溶出性片(または、貯蔵ポーチ/ポケット)である。
【0111】
該栄養素は、該速効性片から該血流(ここでは、それらは該身体における必要なエネルギーまたはホメオスタシス条件の維持を供することができる)へ直接に送達される。該栄養素は、胃腸管(ここでは、吸収は制限因子であろう)を通過することは必要ではない。
【0112】
速効溶出性片を使用するアスリート栄養補助食品の送達は、従来の送達方法を越えるいくつかの利点を供する。例えば、該速効溶出性片は、該アスリート栄養補助食品の胃腸管の代謝を回避し、初回通過影響を低下させ、そして所望する場合には、従来の方法(例えば、スポーツドリンクまたは他の経口摂取型栄養補助食品の使用)よりも該アスリート栄養補助食品の成分の長期間の放出を与えることができる。
【0113】
該速効溶出性片は、該アスリート栄養補助食品の成分の多数の異なる濃度を含み得る。
【0114】
該速効溶出性片は、通常の速効溶出性片のいずれかの種類(例えば、経粘膜速効溶出性片、舌下速効溶出性片、または頬側速効溶出性片)であり得る。好ましい実施態様において、該速効溶出性片としては、浸透を増強するための量の少なくとも1つの粘膜浸透増強剤を含む。
【0115】
該経粘膜速効溶出性片はいずれかの型(例えば、長方形、正方形、丸型、矩形など)であり得る。該経粘膜速効溶出性片はまた、様々なサイズを有し得る。
【0116】
本発明の実施態様の該速効溶出性片は、栄養素、炭水化物、および胃腸管の妨害を引き起こすことなく身体的なストレスの条件下でのアスリートのエネルギー要求の全てを提供する。
【0117】
従って、経粘膜栄養補助食品(電解質/他の栄養補助食品)は、身体的な活動からの過剰な体液損失による栄養素の損失を補充するのに有利であり得る。
【0118】
使用例8−経粘膜栄養製品のミックス(組成物)
以下のものは、経粘膜栄養補助食品組成物(過剰な体液損失用)のための製剤である。 1部の塩化カリウム、
1.93部のクエン酸三ナトリウム、
2.33部の塩化ナトリウム、
13.33部のグルコース。
【0119】
固形製剤は、適当な液体(水)による再水和ガイドラインと組み合わせるべきである。
【0120】
使用例9−ビタミン欠乏症、微量栄養素欠乏症
ビタミンおよびミネラル(ほんの少量だけ必要とされる生命を維持するための栄養素)(すなわち、「微量栄養素」)の食事性欠乏症は、学習障害、精神障害、健康の低下、牽引(tow)仕事の能力、盲目、および未熟死の原因となる。該結果は、荒廃中の国民の健康問題である;約10億人、開発途上国のほとんど全ての人々が、これらの食事性欠乏症の影響を被っており、そして更なる10億人は犠牲となる危険がある。
【0121】
国家レベルでの莫大な意味を把握するために、南アフリカに今日存在する微量栄養素欠乏症のレベルについて、5百万人の人々の国家を考察する。該国家は、これらの欠乏症の理由で、毎年以下の損失を被るであろう:
・20,000人の死亡、
・11,000人の子供性クレチン病または幼児期の盲目、
・嗜眠またはより重度の身体障害が原因の1.3百万人の失業の年数、
・360,000人の生徒の無駄にした年数(総生徒本体の3%)。
【0122】
欠乏症の種類による損失の観点では、13百万人以上の人々がビタミンAの不足由来の夜盲目症または全盲を被る。食事中に十分なヨウ素を有しない地域では、毎年1,000人の妊婦のうちの5〜10人の出生児が、ヨウ素欠乏症が原因で出生時またはその後すぐに死亡する。重度の鉄欠乏症は、妊産婦死亡の5分の1と同数、並びにそれを理由に入院しそして輸血を受けない子供(輸血を受ける子供は、他の危険に暴露される)の約30%の死亡を生じる。
【0123】
従って、経粘膜栄養補助食品(微量栄養補助食品)は、世界中のビタミン/微量栄養素の欠乏症について利点を有し得る。
【0124】
本発明を具体的な実施態様で記載するが、他の実施態様は当該分野の当業者によって容易に適合することができる。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム層;
該フィルム層の少なくとも一方の側にコーティングを適用した、該コーティング;および、
栄養補助食品、
を含有する組成物。
【請求項2】
コーティングは粉末マトリックスを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
該フィルム層は栄養補助食品を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
粉末マトリックスは栄養補助食品を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
栄養補助食品は、鉄、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、炭水化物、タンパク質、亜鉛、モリブデン、銅、カリウム、マンガン、塩化物、炭酸水素塩および炭酸塩、アルミニウム、ヒ素、臭素、カドミウム、クロム、塩素、コバルト、フッ素、ヨウ素、マンガン、モリブデンニッケル、リン、セレン、ケイ素、バナジウム、アミノ酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンB複合体、チアミン(ビタミン31)、リボフラビン(ビタミン132)、ナイアシン(ビタミンB3)、ピリドキシン(ビタミンB6)、ビオチン、パントテン酸およびパンテチン、葉酸、ビタミンB12、「局方外品」ビタミンB類(コリンおよびイノシトールを含む)、およびビタミンP(バイオフラボノイド)からなる群から選ばれる、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
栄養補助食品は電解質を含む、請求項4記載の組成物。
【請求項7】
栄養補助食品はビタミンを含む、請求項4記載の組成物。
【請求項8】
粉末マトリックスは補助的な溶出調節組成物を含む、請求項6記載の組成物。
【請求項9】
補助的な溶出調節組成物は、1個以上のカラゲナン、アルギン酸ゼラチン、プルラン、PVP、シクロデキストリン、カルシウム、またはファイバーを含む、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
粉末マトリックスは吸収組成物を含む、請求項6記載の組成物。
【請求項11】
吸収組成物は、1個以上のカルボキシメチルセルロース、ペクチン、加工デンプン類、ゼラチン、またはカラゲナンを含む、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
粉末マトリックスは接着物を含む、請求項6記載の組成物。
【請求項13】
接着物は、エチルセルロース、酢酸セルロースおよびブチルセルロース、シェラック、または脂肪酸(ステアリン酸およびパルミチン酸を含む)を含む1個以上の難水溶性セルロース誘導体を含む、請求項12記載の組成物。
【請求項14】
粉末マトリックスは更に粘膜接着物を含む、請求項6記載の組成物。
【請求項15】
粘膜接着物は、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、カルボポール、ポリカルボフィル、カルボキシビニル共重合体、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸、メタクリル酸メチル共重合体、トラガントガム、グアーガム、カラヤガム、エチレン酢酸ビニル、ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレンブロック共重合体、またはメタクリル酸ヒドロキシエチル共重合体の1個以上から選ばれる、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
粉末マトリックスは流動化剤を含む、請求項6記載の組成物。
【請求項17】
流動化剤は、脂質、ワックスまたはポリオールである、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
粉末マトリックスはバルク剤を含む、請求項16記載の組成物。
【請求項19】
バルク剤は、アビセル、糖アルコール(マンニトール、ソルビトール、キシリトールおよびイソマルトを含む)、乳酸糖、ソルビトールデキストリン、デンプン、無水リン酸カルシウム、カルシウム炭酸塩、トリケイ酸マグネシウム、シリカ、またはアミラーゼの1個以上を含む、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
粉末マトリックスは更に1個以上のバルク剤、充填剤、色素、香味剤、または甘味剤を含む、請求項6記載の組成物。
【請求項21】
粉末マトリックスは約10重量%未満の水を含む、請求項6記載の組成物。
【請求項22】
フィルム層の厚さは約0.01mm〜約3mmの範囲内である、請求項6記載の組成物。
【請求項23】
フィルム層の厚さは約0.03mm〜約1mmの範囲内である、請求項6記載の組成物。
【請求項24】
フィルム層は少なくとも2個の層を含む、請求項6記載の組成物。
【請求項25】
フィルム層は口腔中で速く溶出する、該フィルム層;および、
粉末コーティングを該フィルム層の少なくとも一方の側に適用する、栄養補助食品を含有する粉末コーティング、
を含有する、組成物。
【請求項26】
フィルム層は口腔中に置かれた後30秒以内に溶出する、請求項25記載の組成物。
【請求項27】
フィルム層は口腔中に置かれた後15秒以内に溶出する、請求項25記載の組成物。
【請求項28】
栄養補助食品は、鉄、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、炭水化物、タンパク質、亜鉛、モリブデン、銅、カリウム、マンガン、塩化物、炭酸水素塩および炭酸塩、アルミニウム、ヒ素、臭素、カドミウム、クロム、塩素、コバルト、フッ素、ヨウ素、マンガン、モリブデンニッケル、リン、セレン、ケイ素、バナジウム、亜鉛、アミノ酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンB複合体、チアミン(ビタミン31)、リボフラビン(ビタミン132)、ナイアシン(ビタミンB3)、ピリドキシン(ビタミンB6)、ビオチン、パントテン酸およびパンテチン、葉酸、ビタミンB12、「局方外品」ビタミンB類(コリンおよびイノシトールを含む)、およびビタミンP(バイオフラボノイド)からなる群から選ばれる、請求項25記載の組成物。
【請求項29】
栄養補助食品は電解質を含む、請求項25記載の組成物。
【請求項30】
栄養補助食品はビタミンを含む、請求項25記載の組成物。
【請求項31】
フィルム層は、プルラン、加工デンプン、ペクチン、カラギナン、マルトデキストリン、またはアルギン酸の1個以上を含む、請求項25記載の組成物。
【請求項32】
フィルム層は天然または合成の水溶性高分子を含む、請求項25記載の組成物。
【請求項33】
フィルム層は口腔中で速く溶出するフィルム層;および、
粉末マトリックスを含有するコーティング、
を含有する組成物であって、
ここで、該コーティングは該フィルム層の少なくとも一方の側に適用し、そして該粉末マトリックスは栄養補助食品、接着物、バルク剤、流動化剤、および甘味剤を含む、該組成物。
【請求項34】
フィルム層は口腔中に置かれた後30秒以内に溶出する、請求項33記載の組成物。
【請求項35】
フィルム層は口腔中に置かれた後15秒以内に溶出する、請求項33記載の組成物。
【請求項36】
栄養補助食品は、鉄、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、炭水化物、タンパク質、モリブデン、銅、カリウム、マンガン、塩化物、炭酸水素塩および炭酸塩、アルミニウム、ヒ素、臭素、カドミウム、クロム、塩素、コバルト、フッ素、ヨウ素、マンガン、モリブデンニッケル、リン、セレン、ケイ素、バナジウム、亜鉛、アミノ酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンB複合体、チアミン(ビタミン31)、リボフラビン(ビタミン132)、ナイアシン(ビタミンB3)、ピリドキシン(ビタミンB6)、ビオチン、パントテン酸およびパンテチン、葉酸、ビタミンB12、「局方外品」ビタミンB類(コリンおよびイノシトールを含む)、およびビタミンP(バイオフラボノイド)からなる群から選ばれる、請求項33記載の組成物。
【請求項37】
栄養補助食品は電解質を含む、請求項33記載の組成物。
【請求項38】
フィルム層を供し;
該フィルム層にコーティングを適用する(ここで、該コーティングは粉末マトリックスを含み、そして該粉末マトリックスは栄養補助食品、接着物、バルク剤、流動化剤、および甘味剤を含む);
工程を含む、速く溶出する薄フィルムを製造する方法。
【請求項39】
フィルム層は口腔中に置かれた後15秒以内に溶出する、請求項38記載の方法。
【請求項40】
更に、該フィルム層および粉末マトリックスを乾燥する工程を含む、請求項38記載の方法。
【請求項41】
乾燥の工程は、流動化剤の軟化時点に近い温度で行なう、請求項40記載の方法。
【請求項42】
流動化剤は、脂質、ワックス、またはポリオールを含む、請求項38記載の方法。
【請求項43】
栄養補助食品は、鉄、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、炭水化物、タンパク質、モリブデン、銅、カリウム、マンガン、塩化物、炭酸水素塩および炭酸塩、アルミニウム、ヒ素、臭素、カドミウム、クロム、塩素、コバルト、フッ素、ヨウ素、マンガン、モリブデンニッケル、リン、セレン、ケイ素、バナジウム、亜鉛、アミノ酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンB複合体、チアミン(ビタミン31)、リボフラビン(ビタミン132)、ナイアシン(ビタミンB3)、ピリドキシン(ビタミンB6)、ビオチン、パントテン酸およびパンテチン、葉酸、ビタミンB12、「局方外品」ビタミンB類(コリンおよびイノシトールを含む)、およびビタミンP(バイオフラボノイド)から選ばれる、請求項38記載の方法。
【請求項44】
栄養補助食品は電解質を含む、請求項38記載の方法。
【請求項45】
栄養補助食品はビタミンを含む、請求項38記載の方法。
【請求項46】
更に、流動床中でコーティングを製造する工程を含む、請求項38記載の方法。
【請求項47】
コーティングは、篩にかけること、篩い分けすること、噴霧、静電的なもしくは機械的な撹拌によって適用する、請求項38記載の方法。
【請求項48】
粉末粒子は荷電されている、請求項38記載の方法。
【請求項49】
コーティングは静電的なスプレー銃を用いて適用する、請求項48記載の方法。
【請求項50】
静電的なスプレー銃は粉末粒子を荷電して、その結果、粉末粒子をフィルム層の表面に接着する、請求項49記載の方法。

【公表番号】特表2008−539729(P2008−539729A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510134(P2008−510134)
【出願日】平成18年5月3日(2006.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/016832
【国際公開番号】WO2006/119286
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(505269445)イノゼン・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】Innozen, Inc.
【Fターム(参考)】