説明

校正基板および回路パラメータの測定方法

【課題】フィクスチャ基板の回路パラメータを簡単に測定する。
【解決手段】フットプリント相当パターン113i,113oとSMAコネクタ102と校正配線パターンと有する校正基板100を用いて、フィクスチャ基板の回路パラメータを測定する。フットプリント相当パターン113i,113oは、一組のフィクスチャ基板それぞれに設けられたフットプリントに対応する配線パターンである。SMAコネクタ102は、各フィクスチャ基板に搭載されたSMAコネクタと同一のものである。校正配線パターンは、各フィクスチャ基板の配線パターンに対応する、フットプリント相当パターン113i,113oとSMAコネクタ102とを接続する配線パターンである。そして、測定対象回路を介して接続されるフィクスチャ基板のフットプリントに相当するフットプリント相当パターン同士が直接接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、校正基板と、その校正基板を用いた、回路パラメータの測定方法に関する。
【0002】
校正基板は、回路パラメータの測定対象回路と、回路パラメータの測定装置とを仲介する仲介基板(フィクスチャ基板)の存在が、回路パラメータの測定値に与える影響量を校正するために使われる回路基板である。
【背景技術】
【0003】
一般的に、回路パラメータ(代表的には、Sパラメータ)を測定する測定装置が有する、測定用の信号の入出力コネクタと、測定対象回路(DUT:Device Under Test)が有する入出力コネクタとはコネクタの種類が互いに異なっていることが多い。このため、回路パラメータの測定では、多くの場合、DUTと測定装置を接続するために、両者を仲介する接続用治具基板(フィクスチャ基板)が必要となる(例えば、特許文献1、2参照)。このようなフィクスチャ基板を使って得られた回路パラメータの測定結果は、フィクスチャ基板の回路パラメータを含んだ値となる。
【0004】
従来、フィクスチャ基板の回路パラメータはDUTの回路パラメータに比較すれば小さいものであったため、フィクスチャ基板の存在がDUTの回路パラメータ測定結果に与える影響量は無視され、その測定結果が、DUTの回路パラメータとして扱われた。しかしながら、近年、DUTで扱われる信号の周波数が上昇するにつれ、この影響量が無視できなくなってきている。
【0005】
ここで、測定結果にフィクスチャ基板の存在が与える影響量を校正してDUTの回路パラメータを測定する方法としては、次のような測定方法が知られている。即ち、フィクスチャ基板とDUTとが接続された接続物の回路パラメータとは別に、フィクスチャ基板単体の回路パラメータを別途測定しておくという方法である。この測定方法では、上記の接続物の回路パラメータから、フィクスチャ基板単体の回路パラメータを除去することで上記の影響量が校正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−38054号公報
【特許文献2】特願2006−528501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フィクスチャ基板の回路パラメータの測定は、フィクスチャ基板のDUT接続コネクタに3種類(開放、短絡、標準負荷)の校正キットを取り付けることで行われることが多い。
【0008】
ここで、回路パラメータの測定装置は、SMA(Sub Miniature typeA)コネクタ等の同軸コネクタを信号の入出力コネクタとして備えたものをDUTとして想定しているものが多い。そして、校正キットは、測定装置におけるこのような事情を考慮して、同軸コネクタに接続されるものが一般的に市販されており容易に入手可能となっている。ここで、DUTの中には、同軸コネクタ以外のコネクタを備えているものも多い。このようなDUTの回路パラメータの測定に用いられるフィクスチャ基板は、必然的に同軸コネクタ以外のコネクタをDUT接続コネクタとして備えている。その結果、このようなフィクスチャ基板の回路パラメータの測定には市販の校正キットを用いることができないこととなる。
【0009】
このように、市販の校正キットを用いることができない場合には、DUT接続コネクタに取付け可能な校正キットを個別に作成することが考えられる。しかしながら、精度の高い校正キットの作成自体にも高度な技術を要する上に、コネクタの種類によっては現状の技術で作成不能なものもある。このため、フィクスチャ基板の回路パラメータの測定自体が困難なものとなっているのが現状である。
【0010】
本件は上記事情に鑑み、フィクスチャ基板の回路パラメータを簡単に測定することができる校正基板と、そのような校正基板を用いてDUTの回路パラメータを測定する、回路パラメータの測定方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する校正基板は、入力する測定信号によってその回路パラメータが測定される測定対象回路についての、1組の仲介基板を用いた回路パラメータの測定結果を校正するための校正基板である。1組の仲介基板は、上記測定対象回路と、その測定対象回路の回路パラメータを測定する測定装置との間に介在する。また、1組の仲介基板それぞれは、上記測定対象回路が接続されるフットプリントと、上記測定装置が接続されるコネクタと、上記フットプリントと上記コネクタとを接続する配線パターンとを備える。
【0012】
この校正基板は、フットプリント相当パターンと、接続コネクタと、校正配線パターンとを有している。
【0013】
フットプリント相当パターンは、上記各仲介基板に設けられ、上記測定対象回路が接続するフットプリントに対応する配線パターンである。
【0014】
接続コネクタは、上記各仲介基板に設けられたコネクタと同一のコネクタである。
【0015】
校正配線パターンは、上記各仲介基板の配線パターンに対応する、上記フットプリント相当パターンと上記接続コネクタとを接続する配線パターンである。
【0016】
そして、上記測定対象回路を介して接続される上記仲介基板のフットプリントに相当するフットプリント相当パターン同士が直接接続されている。
【0017】
上記目的を達成する回路パラメータの測定方法は、第1の測定過程と、第2の測定過程と、校正過程とを有している。
【0018】
第1の測定過程は、上記測定対象回路が上記仲介基板に接続された接続物の回路パラメータを上記測定装置で測定する過程である。
【0019】
第2の測定過程は、上記校正基板の回路パラメータを上記測定装置で測定する過程である。
【0020】
校正過程は、上記第2の測定過程で得られた回路パラメータの測定値を用いて、上記第1の測定過程で得られた回路パラメータの測定値を校正する過程である。
【発明の効果】
【0021】
本件によれば、フィクスチャ基板の回路パラメータを簡単に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態の校正基板によって回路パラメータを得ることができるフィクスチャ基板を示す図である。
【図2】第1実施形態の校正基板を示す図である。
【図3】DUTと2つのフィクスチャ基板とを互いに接続した物についてのインサーションロスの測定を行う際の、その物と測定装置とのケーブル接続を示す接続図である。
【図4】第1実施形態の校正基板のインサーションロスの測定を行う際の、その校正基板と測定装置とのケーブル接続を示す接続図である。
【図5】DUTと2つのフィクスチャ基板とを互いに接続した物についてのリターンロスの測定を行う際の、その物と測定装置とのケーブル接続を示す接続図である。
【図6】第1実施形態の校正基板のリターンロスの測定を行う際の、その校正基板と測定装置とのケーブル接続を示す接続図である。
【図7】第2実施形態の校正基板によって回路パラメータを得ることができるフィクスチャ基板を示す図である。
【図8】図7に示す2つのフィクスチャ基板の回路パラメータを求めるための校正基板の配線パターンを、フィクスチャ基板の配線パターンの点対称複写と平行移動によって設計することの困難さを示す図である。
【図9】第2実施形態の校正基板を示す図である。
【図10】第2実施形態の校正基板のインサーションロスの測定を行う際の、その校正基板と測定装置とのケーブル接続を示す接続図である。
【図11】第2実施形態の校正基板のリターンロスの測定を行う際の、その校正基板と測定装置とのケーブル接続を示す接続図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本件の校正基板および校正方法の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0024】
まず、第1実施形態について説明する。
【0025】
第1実施形態の校正基板は、次のようなフィクスチャ基板における回路パラメータを得るためのものである。
【0026】
第1実施形態の校正基板に先だってフィクスチャ基板について説明する。
【0027】
代表的な回路パラメータであるSパラメータの中には、例えば、DUTに入力された電気信号がDUTを通過する際の損失(インサーションロス)がある。インサーションロスの測定では、測定装置からDUTへの電気信号の入力と、DUTを通過した電気信号の測定装置での測定が行われる。また、Sパラメータの中には、DUTに入力された電気信号がDUTで反射されることによる損失(リターンロス)もある。リターンロスの測定では、測定装置からDUTへの電気信号の入力と、DUTで反射されて戻ってくる電気信号の測定装置での測定が行われる。これらのSパラメータの測定の際には、測定装置とDUTとを接続する必要がある。
【0028】
尚、ここでは、DUTを具体的には特定しないが、DUTは、例えば、ケーブル、回路網が搭載された回路基板、あるいは、集積回路を内蔵した回路素子等というように電気信号が通過するものであれば良い。
【0029】
回路パラメータの測定装置の多くは、SMAコネクタ等の同軸コネクタを入出力コネクタとして備えている。一方で、DUT側の接続コネクタは、同軸コネクタであるとは限らないので、同軸ケーブルでは測定装置とDUTとを接続できない。フィクスチャ基板は、DUT側の接続コネクタと嵌合するコネクタと、同軸ケーブル等を使って測定装置と接続される同軸コネクタ等とを備え、測定装置とDUTとの間における電気信号のやり取りを仲介するものである。フィクスチャ基板は、一般的には、DUTにおける入力側と出力側との双方に用いられる。
【0030】
図1は、第1実施形態の校正基板によって回路パラメータを得ることができるフィクスチャ基板を示す図である。
【0031】
この図1の例では、測定対象回路(DUT)20は、回路本体21と、外部回路との接続用の2つの接続コネクタ(DUT側接続コネクタ)22とを備えている。このDUT20の回路パラメータの測定時には、各DUT側接続コネクタ22に一組のフィクスチャ基板10i,10oが1つずつ接続される。この図1に示す一組のフィクスチャ基板10i,10oが、測定対象回路と、測定対象回路の回路パラメータを測定する測定装置とを仲介する一組の仲介基板の一例に相当する。
【0032】
図1(A)には、DUT20の2つのDUT側接続コネクタ22のそれぞれに一組のフィクスチャ基板10が1つずつ接続された接続物の側面図が示されている。また、図1(B)には、接続物の上面図が示されている。
【0033】
フィクスチャ基板10には、DUT側接続コネクタ22と嵌合するコネクタ(フィクスチャ側接続コネクタ)11が搭載されている。フィクスチャ側接続コネクタ11は、2列に配列された複数の基板搭載端子11aを有している。
【0034】
フィクスチャ基板10上には、この基板搭載端子11aが各々にはんだ付けされる、2列に配列された複数のフットプリント12が形成されている。フットプリント12は、フィクスチャ側接続コネクタ11から足状に延びている基板搭載端子11aが載せられてはんだ付けされるパターンである。
【0035】
各基板搭載端子11aが各フットプリント12にはんだ付けされることで、フィクスチャ側接続コネクタ11がフィクスチャ基板10に搭載される。図1(B)では、フィクスチャ基板10上のフットプリント12が見えるように、DUT側接続コネクタ22とフィクスチャ側接続コネクタ11は図示が省略されている。
【0036】
DUT20の回路本体21は、電気信号の進行方向が互いに逆向きとなる2系統の信号線21aを備えている。本実施形態のDUT20には、電気信号として差動信号が入出力される。このため、DUT20には、入力と出力との各系統について2本ずつ、合計4本の信号線21aが備えられている。4本の信号線21aのそれぞれは、DUT側接続コネクタ22の不図示の端子に接続されている。
【0037】
DUT側接続コネクタ22とフィクスチャ側接続コネクタ11との嵌合により、DUT20にフィクスチャ基板10が接続されると、これらのコネクタを経て、DUT20の各信号線21aがフィクスチャ基板10上のフットプリント12に接続される。
【0038】
ここで、この図1の例では、各信号線21aは、フィクスチャ基板10上に2列に配列されたフットプリント12のうち、フィクスチャ基板10の中央寄りの列に属する入力側のフットプリント12iおよび出力側のフットプリント12oに接続される。そして、フィクスチャ基板10上には、合計4本の配線パターンが形成されている。各配線パターンの、フィクスチャ側接続コネクタ11の側の端部は入力側のフットプリント12iあるいは出力側のフットプリント12oに繋がっている。
【0039】
入力側および出力側のフットプリント12i,12oとフィクスチャ側接続コネクタ11とDUT側接続コネクタ22とを介して、フィクスチャ基板10上の各配線パターンは、DUT20の各信号線21aに接続される。これら入力側および出力側のフットプリント12i,12oが、測定対象回路が接続されるフットプリントの一例に相当する。
【0040】
フィクスチャ基板10上の4本の配線パターンのうち、DUT20の2本の信号線21aに信号を入力する2本の配線パターンが入力側配線パターン13となっている。そして、DUT20の2本の信号線21aからの信号を出力する2本の配線パターンが出力側配線パターン14となっている。入力側配線パターン13の、フィクスチャ側接続コネクタ11の側の端部は入力側のフットプリント12iに繋がっている。また、出力側配線パターン14の、フィクスチャ側接続コネクタ11の側の端部は出力側のフットプリント12oに繋がっている。
【0041】
また、フットプリント12のうちには、どの配線パターンとも繋がっていない無接続のフットプリント12nもある。
【0042】
また、フィクスチャ基板10には、同軸コネクタの一種であるSMAコネクタ15が4個搭載されている。そして、2本の入力側配線パターン13と2本の出力側配線パターン14のそれぞれがこのSMAコネクタ15のいずれかに繋がっている。このSMAコネクタ15が、測定装置が接続されるコネクタの一例に相当する。また、入力側配線パターン13と出力側配線パターン14が、フットプリントとコネクタとを接続する配線パターンの一例に相当する。
【0043】
DUT20の回路パラメータの測定時には、図1に示すように、DUT20が有する2つのDUT側接続コネクタ22それぞれにフィクスチャ基板10が1つずつ接続される。そして、各フィクスチャ基板10のSMAコネクタ15が、回路パラメータを測定する後述の測定装置が有する、測定用の電気信号の入出力のためのSMAコネクタに、同軸ケーブル30によって接続される。
【0044】
DUT側接続コネクタ22に接続された2つのフィクスチャ基板10のうちの一方が、測定装置が出力した電気信号をDUT20に入力するための入力側のフィクスチャ基板として使われる。また、他方のフィクスチャ基板10が、DUT20から出力された電気信号を受け取る出力側のフィクスチャ基板として使われる。図1(B)では、図示左側のフィクスチャ基板10が入力側、図示右側のフィクスチャ基板10が出力側となっている。
【0045】
測定装置と各フィクスチャ基板10との接続は、端部にSMAコネクタ31を有する同軸ケーブル30を介して行われる。
【0046】
同軸ケーブル30のSMAコネクタ31は、入力側のフィクスチャ基板10iにおける、入力側配線パターン13に繋がっているSMAコネクタ15に嵌合される。そして、この同軸ケーブル30を通ってフィクスチャ基板10に入力された信号が、フィクスチャ側接続コネクタ11とDUT側接続コネクタ22とを経てDUT20に入力される。
【0047】
そして、DUT20の内部を通過した信号が、出力側のフィクスチャ基板10oにおける出力側配線パターン14に繋がっているSMAコネクタ15から出力される。この信号は、例えば代表的な回路パラメータであるSパラメータのインサーションロスの測定の際には、同軸ケーブル30を経て測定装置に戻されることとなる。また、Sパラメータのリターンロスの測定の際には、出力側配線パターン14に繋がっているSMAコネクタ15に、開放および短絡の2種類の校正キットが接続される。測定装置や校正キットの接続については、後で詳細に説明する。
【0048】
このようにDUT20に2つのフィクスチャ基板10が接続されて測定される回路パラメータの測定値は、DUT20の回路パラメータの成分の他に、2つのフィクスチャ基板10の回路パラメータの成分を含んだものとなる。
【0049】
従って、2つのフィクスチャ基板10がその測定結果に与えている影響量を校正するためには、DUT20の回路パラメータの測定結果からフィクスチャ基板10における回路パラメータの成分を除く必要がある。
【0050】
以下に説明する校正基板は、上記の影響量を校正するために、フィクスチャ基板10の回路パラメータを求めるのに使われる回路基板である。
【0051】
図2は、第1実施形態の校正基板を示す図である。
【0052】
この図2に示す校正基板100は、基板101と、8個のSMAコネクタ102と、第1配線パターン110と、第2配線パターン120とを備えている。
【0053】
第1配線パターン110は、図1に示すフィクスチャ基板10上の配線パターンから、2列のフットプリント12のうちの、フィクスチャ基板10の縁寄りの列のフットプリント12を除いたパターンである。
【0054】
第1配線パターン110は、互いに繋がっていない独立した配線パターンとして、第1の入力側校正パターン111と第1の出力側校正パターン112を有している。さらに、第1配線パターン110は、独立した配線パターンとして、第1の無接続のフットプリント相当パターン113nも有している。
【0055】
第1の入力側校正パターン111は、図1(B)に示す2本の入力側配線パターン13と同等な2本の配線パターンである。各第1の入力側校正パターン111における校正基板100の中央側の端部は、図1(B)に示す入力側のフットプリント12iに相当する第1の入力側のフットプリント相当パターン113iに繋がっている。そして、各第1の入力側校正パターン111における、第1の入力側のフットプリント相当パターン113iとは反対側の端部がSMAコネクタ102に接続されている。
【0056】
第1の出力側校正パターン112は、図1(B)に示す2本の出力側配線パターン14と同等な2本の配線パターンである。各第1の出力側校正パターン112における校正基板100の中央側の端部は、図1(B)に示す出力側のフットプリント12oに相当する第1の出力側のフットプリント相当パターン113oに繋がっている。そして、2本の第1の出力側校正パターン112それぞれにおける、第1の出力側のフットプリント相当パターン113oとは反対側の端部もSMAコネクタ102に接続されている。
【0057】
第1の入力側のフットプリント相当パターン113iおよび第1の出力側のフットプリント相当パターン113oが、上記フットプリントに対応するフットプリント相当パターンの一例に相当する。また、第1の入力側校正パターン111および第1の出力側校正パターン112が接続されているSMAコネクタ102が、各仲介基板に設けられたコネクタと同一の接続コネクタの一例に相当する。
【0058】
また、第1の無接続のフットプリント相当パターン113nは、図1(B)に示すフィクスチャ基板10の中央寄りのフットプリント12のうちの無接続のフットプリント12nに相当するパターンである。
【0059】
第2配線パターン120は、第1配線パターン110に対して点対称なパターンである。そして、第2配線パターン120は、互いに繋がっていない独立した配線パターンとして、第2の入力側校正パターン121と第2の出力側校正パターン122を有している。さらに、第2配線パターン120は、第2の無接続のフットプリント相当パターン123nも有している。
【0060】
第2の入力側校正パターン121は、第1の入力側校正パターン111に対して点対称なパターンである。そして、第2の入力側校正パターン121に繋がっている第2の入力側のフットプリント相当パターン123iが、第1の出力側校正パターン112に繋がっている第1の出力側のフットプリント相当パターン113oに直結している。また、2本の第2の入力側校正パターン121それぞれにおける、第2の入力側のフットプリント相当パターン123iとは反対側の端部がSMAコネクタ102に接続されている。
【0061】
第2の出力側校正パターン122は、第1の出力側校正パターン112に対して点対称なパターンである。そして、第2の出力側校正パターン122に繋がっている第2の出力側のフットプリント相当パターン123oが、第1の入力側校正パターン111繋がっている第1の入力側のフットプリント相当パターン113iに直結している。また、2本の第2の出力側校正パターン122それぞれにおける、第2の出力側のフットプリント相当パターン123oとは反対側の端部がSMAコネクタ102に接続されている。
【0062】
第2の入力側のフットプリント相当パターン123iおよび第2の出力側のフットプリント相当パターン123oも、上記フットプリントに対応するフットプリント相当パターンの一例に相当する。また、第2の出力側校正パターン122が接続されているSMAコネクタ102も、各仲介基板に設けられたコネクタと同一の接続コネクタの一例に相当する。
【0063】
また、第2の無接続のフットプリント相当パターン123nは、第1の無接続のフットプリント相当パターン113nに対して点対称なパターンである。そして、第2の無接続のフットプリント相当パターン123nは第1の無接続のフットプリント相当パターン113nに直結している。
【0064】
第1の入力側校正パターン111と第2の出力側校正パターン122とを合わせたものが、各仲介基板の配線パターンに対応する、フットプリント相当パターンと接続コネクタとを接続する校正配線パターンの一例に相当する。また、第1の出力側校正パターン112と第2の入力側校正パターン121とを合わせたものも、校正配線パターンの一例に相当する。
【0065】
この校正基板100の配線パターンは、例えばコンピュータ上で基板設計ツールを用いて設計されるが、その設計は、図1に示すフィクスチャ基板10の設計データの流用により行われる。まず、フィクスチャ基板10の配線パターンから、縁寄りの列の無接続のフットプリント12nが除かれ、第1配線パターン110が作られる。続いて、その第1配線パターン110が、点対称複写される。
【0066】
その複写されたパターンは、そのパターンにおけるフットプリント相当パターンが、第1配線パターン110における入力側、出力側、および無接続のフットプリント相当パターン113i,113o,113nに直結する位置まで平行移動される。上記の点対称複写と平行移動により第2配線パターン120が作られ、延いては、校正基板100の配線パターンが完成する。
【0067】
次に、図2の校正基板100を用いた校正方法を含む、DUT20の回路パラメータの測定方法について説明する。
【0068】
尚、以下では、測定される回路パラメータがSパラメータであるとして説明を行う。
【0069】
上述したように、Sパラメータにはインサーションロスとリターンロスとがある。以下、インサーションロスの測定方法について説明する。
【0070】
この測定方法では、まず、DUT20と2つのフィクスチャ基板10とを接続した接続物のインサーションロスが測定される。
【0071】
図3は、DUTと2つのフィクスチャ基板との接続物のインサーションロスの測定を行う際の、その接続物と測定装置とのケーブル接続を示す接続図である。
【0072】
尚、この図3では、図を見易くするために、入力側のフィクスチャ基板10iの配線パターンとしては入力側配線パターン13のみが図示され、出力側のフィクスチャ基板10oの配線パターンとしては出力側配線パターン14のみが図示されている。
【0073】
まず、DUT20が有する2つのDUT側接続コネクタ22それぞれに、フィクスチャ基板10,10oのフィクスチャ側接続コネクタ11が嵌合される。これにより、DUT20と2つのフィクスチャ基板10i,10oとの接続物が得られる。
【0074】
そして、入力側のフィクスチャ基板10iにおける2本の入力側配線パターン13それぞれが繋がるSMAコネクタ15が、同軸ケーブル30を介して、測定装置40の2つの入出力コネクタ41に接続される。また、出力側のフィクスチャ基板10oにおける2本の出力側配線パターン14それぞれが繋がるSMAコネクタ15が、同軸ケーブル30を介して、測定装置40の他の2つの入出力コネクタ41に接続される。
【0075】
測定装置40が、入力側のフィクスチャ基板10iに接続された2つの入出力コネクタ41からインサーションロス測定用の差動信号を出力すると、その差動信号が、同軸ケーブル30を介して入力側のフィクスチャ基板10iに入力される。その差動信号は、その入力側のフィクスチャ基板10iからDUT20に入力される。差動信号は、DUT20の内部と出力側のフィクスチャ基板10oとを通過し、同軸ケーブル30を介して測定装置40に戻る。その戻った差動信号が、この測定装置40の内部のレシーバ回路により検出される。そして、測定装置40が出力した差動信号に対する、測定装置40の内部で検出された差動信号の比の絶対値のデシベル値が、測定装置40の内部回路において、インサーションロスとして算出される。これにより、DUT20と2つのフィクスチャ基板10i,10oとの接続物のインサーションロスが測定される。
【0076】
この測定装置40が、測定対象回路の回路パラメータを測定する測定装置の一例に相当する。
【0077】
また、DUT20と2つのフィクスチャ基板10i,10oとの接続物についてのインサーションロスの測定が、接続物について回路パラメータを測定する第1の測定過程の一例に相当する。
【0078】
次に、校正基板100のインサーションロスが測定される。
【0079】
図4は、第1実施形態の校正基板のインサーションロスの測定を行う際の、その校正基板と測定装置とのケーブル接続を示す接続図である。
【0080】
尚、この図4では、図を見易くするために、第1配線パターン110としては第1の入力側校正パターン111のみが図示され、第2配線パターン120としては第2の出力側校正パターン122のみが図示されている。
【0081】
そして、2本の第1の入力側校正パターン111それぞれが繋がるSMAコネクタ102が、同軸ケーブル30を介して、測定装置40の2つの入出力コネクタ41に接続される。また、2本の第2の出力側校正パターン122それぞれが繋がるSMAコネクタ102が、同軸ケーブル30を介して、測定装置40の他の2つの入出力コネクタ41に接続される。
【0082】
測定装置40が、第1の入力側校正パターン111に接続された2つの入出力コネクタ41から、インサーションロス測定用の差動信号を出力すると、その差動信号が、同軸ケーブル30を介して校正基板100に入力される。差動信号は、校正基板100の第1の入力側校正パターン111と第2の出力側校正パターン122とを通過し、同軸ケーブル30を介して測定装置40に戻る。戻った差動信号は、この測定装置40の内部のレシーバ回路により検出される。そして、測定装置40が出力した差動信号と、測定装置40の内部で検出された差動信号との比の絶対値のデシベル値が、測定装置40の内部回路において、インサーションロスとして算出される。
【0083】
この校正基板100についてのインサーションロスの測定が、校正基板の回路パラメータを測定する第2の測定過程の一例に相当する。
【0084】
このように求められた校正基板100のインサーションロスは、図1に示す入力側のフィクスチャ基板10iの入力側配線パターン13のインサーションロスと出力側のフィクスチャ基板10oの出力側配線パターン14のインサーションロスの合計に等しい。
【0085】
そこで、図3を参照して説明した測定によって得られた接続物のインサーションロスから、図4を参照して説明した測定で得られた校正基板100のインサーションロスが減算される。
【0086】
これにより、DUT20と2つのフィクスチャ基板10i,10oとの接続物のインサーションロスの測定結果から、2つのフィクスチャ基板10i,10oのインサーションロスの成分が除かれる。その結果、上記の接続物のインサーションロスに対して2つのフィクスチャ基板10i,10oの存在が与える影響量が校正されて、DUT20のインサーションロスが求められる。
【0087】
ここで、図3および図4それぞれを参照して説明した測定で得られるインサーションロスは、同軸ケーブル30のインサーションロスを含んでいる。上記の減算の際には、この同軸ケーブル30のインサーションロスも図3の測定によって得られた接続物のインサーションロスから減算されることとなる。つまり、同軸ケーブル30のインサーションロスについては、DUT20のインサーションロスを求めるに当たって、存在しないものとして扱っても差し支えないものとなっている。以下では、この同軸ケーブル30のインサーションロスについては特に触れずに説明を行う。
【0088】
以上に説明したインサーションロスの減算が、上記第2の測定過程で得られた回路パラメータの測定値を用いて、上記第1の測定過程で得られた回路パラメータの測定値を校正する校正過程の一例に相当する。
【0089】
ここで、この測定方法によって得られるDUT20のインサーションロスには、DUT側接続コネクタ22に接続されるフィクスチャ側接続コネクタ11でのインサーションロスが含まれている。DUT20が実際に使用されるときには、DUT側接続コネクタ22は必ず何らかの相手側コネクタと接続される。そして、その相手側コネクタにおいてインサーションロスが発生することとなる。この相手側コネクタのインサーションロスは、DUT20の使用時には必ず発生するものである。また、相手側コネクタはDUT側接続コネクタ22に接続するものであるため、相手側コネクタのインサーションロスは、必然的にDUT20に依存したものとなる。従って、DUT20のインサーションロスには、この相手側コネクタのインサーションロスも含めておくことが望ましい。
【0090】
上記の測定方法によれば、フィクスチャ側接続コネクタ11でのインサーションロスが、実際の使用状態での相手側コネクタでのインサーションロスとして、DUT20のインサーションロスに計上される。従って、相手側コネクタのインサーションロスを別途に測定しなくても、相手側コネクタのインサーションロスも含んだDUT20のインサーションロスの値が得られることとなる。
【0091】
次に、Sパラメータにおけるリターンロスの測定方法について説明する。
【0092】
リターンロスの測定でも、まず、DUT20と2つのフィクスチャ基板10i,10oとの接続物についてのリターンロスの測定と、校正基板100についてのリターンロスの測定が行われる。
【0093】
図5は、DUTと2つのフィクスチャ基板とを互いに接続した物についてのリターンロスの測定を行う際の、その物と測定装置とのケーブル接続を示す接続図である。
【0094】
図5に示すケーブル接続では、図3に示す出力側のフィクスチャ基板10oのSMAコネクタ15を同軸ケーブル30で測定装置40に接続するのに替えて、出力側フィクスチャ基板10o(図5図示右側のフィクスチャ基板10)のSMAコネクタ15に、開放、短絡の2種類の校正キット42、43を接続する。これらの開放、短絡の2種類の校正キット42、43は、SMAコネクタに接続されるものであり、一般に市販されていて入手が容易な校正キットである。開放用の校正キット42は、その校正キット42が接続されるSMAコネクタの信号端子とグラウンドとの間を開放された状態とするものである。短絡用の校正キット43は、その校正キット43が接続されるSMAコネクタの信号端子とグラウンドとを短絡するものである。
【0095】
上記の接続物についてのリターンロスの測定では、出力側のフィクスチャ基板10oの各SMAコネクタ15に開放用の校正キット42が接続された状態と、短絡用の校正キット43が接続された状態とのそれぞれについて次のような測定が行われる。即ち、各種類の校正キットが接続された状態で、測定装置40から入力され上記の接続物で反射されて測定装置40に戻ってくる差動信号がこの測定装置40で検出される。
【0096】
そして、開放、短絡の2種類の校正キット42、43それぞれについて検出された差動信号に基づいて、上記の接続物が所定の負荷状態に置かれたときに反射される差動信号が求められる。そして、測定装置40から入力された差動信号に対する、上記のように求められた差動信号の比の絶対値のデシベル値が、測定装置40の内部回路においてリターンロスとして算出される。これにより、DUT20と2つのフィクスチャ基板10i,10oとの接続物のリターンロスが測定される。この接続物のリターンロスの測定も、上記第1の測定過程の一例に相当する。
【0097】
図6は、第1実施形態の校正基板のリターンロスの測定を行う際の、その校正基板と測定装置とのケーブル接続を示す接続図である。
【0098】
図6に示すケーブル接続では、図4に示すケーブル接続で校正基板100の出力側のSMAコネクタ102を同軸ケーブル30で測定装置40に接続するのに替えて、このSMAコネクタ102(図6図示右側のSMAコネクタ102)に、開放、短絡の2種類の校正キット42、43を接続する。そして、開放、短絡、各種類の校正キット42、43が接続された状態で、測定装置40から入力され校正基板100で反射されて測定装置40に戻ってくる差動信号がこの測定装置40で検出される。この検出された差動信号に基づいて、校正基板100が所定の負荷状態に置かれたときに反射される差動信号が求められる。さらに、測定装置40から入力された差動信号に対する、上記のように求められた差動信号の比が、測定装置40の内部回路においてリターンロスとして算出される。これにより、校正基板100のリターンロスが測定される。このように測定される校正基板100のリターンロスは、図1に示す入力側のフィクスチャ基板10iの入力側配線パターン13と出力側のフィクスチャ基板10oの出力側配線パターン14のリターンロスの合計に等しい。この校正基板100についてのリターンロスの測定も、上記第2の測定過程の一例に相当する。
【0099】
そして、DUT20と2つのフィクスチャ基板10との接続物のリターンロスから、2つのフィクスチャ基板10のリターンロスが減算される。このように、上記の接続物のリターンロスから2つのフィクスチャ基板10の存在が与える影響量が引かれることで、接続物のリターンロスの測定結果が校正され、DUT20のリターンロスが求められる。このリターンロスの減算も、上記校正過程の一例に相当する。
【0100】
ここまで、DUT20における、図1に示す2系統(本数は4本)の信号線21aのうち、図中で左から右に電気信号が通過する系統の信号線21aについての回路パラメータを測定する方法について説明した。図1の例では、DUT20は、信号線21aとして、図中で右から左に電気信号が通過する別系統の信号線21aも備えている。
【0101】
この別系統の信号線21aについての回路パラメータの測定も、図3から図6を参照して説明した測定方法と同等な測定方法で行われる。ただし、この別系統の信号線21aについての回路パラメータの測定では、同軸ケーブル30や上記の2種類の校正キット42、43が、この別系統の信号線21aに繋がるSMAコネクタ15に付け替えられる。
【0102】
その結果、入力側として使われていたフィクスチャ基板10が新たに出力側として用いられ、出力側として使われていたフィクスチャ基板10が新たに入力側として用いられることとなる。また、新たに入力側として用いられるフィクスチャ基板10では、出力側配線パターン14に替えて同一フィクスチャ基板10上の入力側配線パターン13が新たに用いられることとなる。一方、新たに出力側として用いられるフィクスチャ基板10では、入力側配線パターン13に替えて同一フィクスチャ基板10上の出力側配線パターン14が新たに用いられることとなる。
【0103】
そして、新たに用いられる入力側配線パターン13と新たに用いられる出力側配線パターン14における回路パラメータは、校正基板100の第2の入力側校正パターン121から第1の出力側校正パターン112を通るルートの回路パラメータに相当する。このため、上記の別系統の信号線21aについての回路パラメータの測定における校正処理に供するべく、校正基板100におけるこのルートの回路パラメータが測定される。
【0104】
ここで、校正基板100では、第1の配線パターン110と第2の配線パターン120とは互いに点対称の関係にある。従って、第2の入力側校正パターン121から第1の出力側校正パターン112を通るルートの回路パラメータと、第1の入力側校正パターン111から第2の出力側校正パターン122を通るルートの回路パラメータは同等となる。このため、校正基板100については、いずれか一方のルートの回路パラメータのみを測定し、他方のルートの回路パラメータとして流用しても良い。
【0105】
尚、本実施形態では、上述したように、校正基板100の設計が、フィクスチャ基板10の配線パターンから縁寄りの列の無接続のフットプリント12nの削除、点対称複写、および平行移動によって行われる。このため、校正基板100は、互いに回路パラメータが同等となる2つのルートの配線パターンを有する形態となっている。上述したように、これら2つのルートの配線パターンは、互いに回路パラメータが同等であって一方の配線パターンの回路パラメータを他方の配線パターンの回路パラメータとして流用することができる。このため、校正基板としては、いずれか一方のルートの配線パターンのみを有する形態であっても良い。ただし、この形態の校正基板を作成するためには、校正基板の設計において、いずれか一方のルートの配線パターンを削除するという手間が生じることとなる。本実施形態では、2つのルートの配線パターンを有する形態を採用することで、設計上のこのような手間が省かれている。
【0106】
また、上述した設計方法で得られる本実施形態の校正基板100は、校正のために回路パラメータが測定されるどの配線パターンにも繋がっていない第1および第2の無接続のフットプリント相当パターン113n,123nを有した形態となっている。この形態は、校正基板100の設計において、フィクスチャ基板10におけるフットプリント12が、縁寄りの列の無接続のフットプリント12n以外はそのまま利用されることによる。第1および第2の無接続のフットプリント相当パターン113n,123nは、校正には寄与しないパターンである。このため、校正基板としては、これら第1および第2の無接続のフットプリント相当パターン113n,123nを持たない形態であっても良い。ただし、この形態の校正基板を作成するためには、校正基板の設計において、これらのパターンを削除するという手間が生じることとなる。本実施形態では、第1および第2の無接続のフットプリント相当パターン113n,123nを有した形態採用するという点でも、設計上の手間が省かれている。
【0107】
以上に説明した校正基板100を用いた校正を行う測定方法によれば、DUT側接続コネクタ22に合わせた特別製の校正キットを用いることなくフィクスチャ基板10の回路パラメータを簡単に測定することができる。
【0108】
即ち、回路パラメータの代表例であるSパラメータのうちのインサーションロスについては、校正基板100の入出力両方のSMAコネクタ102を同軸ケーブル30を介して測定装置40に接続することで測定が行われる。また、リターンロスについては、出力側のSMAコネクタ102に、一般に市販されていて入手が容易な校正キット42、43を接続することで測定が行われる。
【0109】
そして、このように特別製の校正キットを用いることなく簡単に測定した校正基板100の回路パラメータを使って、DUT20の回路パラメータを得ることができる。
【0110】
また、本実施形態では、フィクスチャ基板10が、入力側配線パターン13と出力側配線パターン14との2種類の配線パターンを有している。そして、校正基板100における配線パターンは、これら2種類の配線パターン同士が直結した形状のパターンとなっている。
【0111】
本実施形態では、校正基板100の配線パターンとして、このような形状のパターンを採用することで、校正に必要な入力側と出力側とを併せた回路パラメータの成分が一度に得られることとなっている。また、校正基板100における配線パターンは、2種類の配線パターン同士の直結により、入力側と出力側以外の余分な構造が排除されたものとなっている。その結果、校正に必要な回路パラメータの成分のみが高精度に測定されることとなる。このことは、本件の校正基板に対し、次のような応用形態が好適であることを意味している。
【0112】
この応用形態では、前記校正配線パターンは、入力用配線パターンと出力用配線パターンとが直結されたパターン形状を有する。入力用配線パターンは、一方の仲介基板が有する、上記測定対象回路に上記測定信号を入力する配線パターンである。出力用配線パターンは、他方の仲介基板が有する、上記測定対象回路からの測定信号が出力する配線パターンである。
【0113】
図1に示すフィクスチャ基板10は、この応用形態における仲介基板の一例にも相当している。また、第1の入力側校正パターン111と第2の出力側校正パターン122とを合わせたものや、第1の出力側校正パターン112と第2の入力側校正パターン121とを合わせたものは、この応用形態における校正配線パターンの一例にも相当している。
【0114】
次に、第2実施形態について説明する。
【0115】
図7は、第2実施形態の校正基板によって回路パラメータを得ることができるフィクスチャ基板を示す図である。
【0116】
図7(A)には、DUT60の2つのDUT側接続コネクタ62のそれぞれにフィクスチャ基板50が接続された接続物の側面図が示されている。また、図7(B)には、その接続物の上面図が示されている。
【0117】
この図7の例では、DUT側接続コネクタ62に嵌合するフィクスチャ側接続コネクタ51において、2列の基板搭載端子51aの一方の列の基板搭載端子51aに、回路本体61が有する2系統の信号線61aの一方の系統の信号線61aが接続されている。また、他方の列の基板搭載端子51aに、他方の系統の信号線61aが接続されている。
【0118】
フィクスチャ基板50上には、2本の入力側パターン53と、2本の出力側パターン54が形成されている。各配線パターンの、フィクスチャ側接続コネクタ51の側の端部は、フットプリント52となっている。そして、このフットプリント52とフィクスチャ側接続コネクタ51とDUT側接続コネクタ62とを介して、各配線パターンは、DUT60の各信号線61aに接続される。また、入力側パターン53と出力側パターン54は、各パターンから互いに逆向きに、入力側のフットプリント52iと出力側のフットプリント52oが突き出した形状となっている。
【0119】
また、フットプリント52の中には、入力側の無接続のフットプリント52i_nと、出力側の無接続のフットプリント52o_nとが有る。入力側の無接続のフットプリント52i_nは、入力側のフットプリント52iと同じ列に並んで配列され、入力側配線パターン53とは繋がっていないフットプリントである。出力側の無接続のフットプリント52o_nは、出力側のフットプリント52oと同じ列に並んで配列され、出力側配線パターン54とは繋がっていないフットプリントである。
【0120】
そして、入力側のフットプリント52iと出力側のフットプリント52oは互いに距離を置いて隣り合っており、入力側の無接続のフットプリント52i_nと出力側の無接続のフットプリント52o_nも互いに距離を置いて隣り合っている。
【0121】
2本の入力側パターン53と2本の出力側パターン54のそれぞれにおける両端部のうち、フットプリント52とは反対側の端部はSMAコネクタ55に繋がっている。
【0122】
DUT60の回路パラメータの測定時には、図7に示すように、DUT60が有する2つのDUT側接続コネクタ62それぞれにフィクスチャ基板50が1つずつ接続される。そして、その接続された2つのフィクスチャ基板50のうちの一方が入力側のフィクスチャ基板として使われ、他方のフィクスチャ基板50が出力側のフィクスチャ基板として使われる。また、入力側のフィクスチャ基板50における入力側パターン53に繋がっているSMAコネクタ55には、図1にも示した同軸ケーブル30のSMAコネクタ31が嵌合される。また、出力側のフィクスチャ基板50における出力側パターン54に繋がっているSMAコネクタ55にも同軸ケーブル30のSMAコネクタ31が嵌合される。
【0123】
以下、この図7に示すフィクスチャ基板50の回路パラメータを求めるための校正基板について説明する。
【0124】
この校正基板の配線パターンについて、例えば、上述した第1実施形態と同様に、フィクスチャ基板50の配線パターンの点対称複写と平行移動によって設計することが考えられる。しかし、この設計方法では、以下に説明するように、図7に示すフィクスチャ基板の回路パラメータを求めるための校正基板の配線パターンを得ることは困難である。
【0125】
図8は、図7に示すフィクスチャ基板の回路パラメータを求めるための校正基板の配線パターンを、フィクスチャ基板の配線パターンの点対称複写と平行移動によって設計することの困難さを示す図である。
【0126】
この図8には、フィクスチャ基板50における配線パターンと、その配線パターンを点対称複写して得られた配線パターンとが、互いのフットプリント52が重なる位置で重ねられて示されている。フィクスチャ基板50では、上記のように、入力側のフットプリント52iと、出力側のフットプリント52oとは互いに隣り合っている。
【0127】
このため、図8に示すように2つの配線パターンを重ねると、点対称複写で得られた配線パターンの出力側パターン54’が、元の配線パターンの入力側パターン53と、フットプリント52よりも入力側の箇所で繋がったり互いに交差したりしてしまう。
【0128】
同様に、点対称複写で得られた配線パターンの入力側パターン53’も、元の配線パターンの出力側パターン54と、フットプリント52よりも出力側の箇所で繋がったり互いに交差したりしてしまう。
【0129】
そして、点対称複写で得られた配線パターンをどのように平行移動しても、このような配線パターン同士の繋がりや交差を回避することは難しい。
【0130】
第2実施形態の校正基板は、このような配線パターン同士の繋がりや交差を生じさせることなく設計されたものである。
【0131】
図9は、第2実施形態の校正基板を示す図である。
【0132】
この図9に示す校正基板200は、基板201と、4個のSMAコネクタ202と、2本の入力側校正パターン203と、2本の出力側校正パターン204とを備えている。
【0133】
さらに、校正基板200は、入力側のフットプリント相当パターン205iと、出力側のフットプリント相当パターンと、入力側の無接続のフットプリント相当パターン205i_nと、出力側の無接続のフットプリント相当パターン205o_nとを備えている。
【0134】
入力側校正パターン203は、図7(B)に示す2本の入力側パターン53と同等な2本の配線パターンである。各入力側校正パターン203における図中右側の端部は、図7(B)に示す入力側のフットプリント52iに相当する形状の入力側のフットプリント相当パターン205iに繋がっている。そして、2本の入力側校正パターン203それぞれにおける、この入力側のフットプリント相当パターン205iとは反対側の端部がSMAコネクタ202に接続されている。
【0135】
出力側校正パターン204は、図7(B)に示す2本の出力側パターン54と同等な2本の配線パターンである。各出力側校正パターン204における図中右側の端部は、図7(B)に示す出力側のフットプリント52oに相当する出力側のフットプリント相当パターン205oに繋がっている。そして、2本の出力側校正パターン204それぞれにおける、この出力側のフットプリント相当パターン205oとは反対側の端部がSMAコネクタ202に接続されている。
【0136】
本実施形態では、この出力側校正パターン204は、図7(B)に示す出力側パターン54の次のような平行移動によって得られたものである。
【0137】
即ち、出力側校正パターン204は、出力側のフットプリント52oが入力側のフットプリント52iに直結する位置まで出力側パターン54を図中左側に平行移動することによって得られたものである。
【0138】
また、出力側校正パターン204が繋がるSMAコネクタ202の位置は、入力側校正パターン203が繋がるSMAコネクタ202の位置とは、上記の平行移動の分だけ、図中左側にずれた位置となっている。
【0139】
入力側の無接続のフットプリント相当パターン205i_nは、図7(B)に示す入力側の無接続のフットプリント52i_nに相当するパターンである。
【0140】
また、出力側の無接続のフットプリント相当パターン205o_nは、図7(B)に示す出力側の無接続のフットプリント52o_nに相当するパターンである。
【0141】
そして、校正基板200では、入力側の無接続のフットプリント相当パターン205i_nが、出力側の無接続のフットプリント相当パターン205o_nに直結されている。
【0142】
尚、本実施形態の校正基板200は、校正のために回路パラメータが測定されるどの配線パターンにも繋がっていない入力側および出力側の無接続のフットプリント相当パターン205i_n,205o_nを有した形態となっている。本実施形態の校正基板200は、フィクスチャ基板50が有する全てのフットプリント52をそのまま配置するように設計されているため、これらの無接続のフットプリント相当パターン205i_n,205o_nも校正基板200上に配置されている。しかし、これらの無接続のフットプリント相当パターン205i_n,205o_nは、校正には寄与しないパターンである。このため、校正基板としては、これらの無接続のフットプリント相当パターン205i_n,205o_nを持たない形態であっても良い。ただし、この形態の校正基板を作成するためには、校正基板の設計において、どの配線パターンにも繋がっていないフットプリント相当パターンを校正基板から削除するという手間が生じることとなる。本実施形態では、上記の無接続のフットプリント相当パターン205i_n,205o_nを有した形態採用することで、設計上のこのような手間が省かれている。
【0143】
以上に説明した校正基板200の配線パターンは、入力側と出力側のうちの一方のフィクスチャ基板50における入力側パターン53と出力側パターン54とを直結したものとなっている。
【0144】
図7に示すように、入力側のフィクスチャ基板50の入力側パターン53は、DUT60における2系統の信号線61aのうちの一方の系統の信号線61aの入力側に繋がる。そして、この系統の信号線61aの出力側には、出力側のフィクスチャ基板50の出力側パターン54が繋がる。出力側のフィクスチャ基板50は、入力側のフィクスチャ基板50と同等な基板である。このため、出力側のフィクスチャ基板50の出力側パターン54は、入力側のフィクスチャ基板50の出力側パターン54と同等なパターンである。
【0145】
つまり、本実施形態の校正基板200の配線パターンの回路パラメータは、1つの系統の信号線61aに繋がる、各々別のフィクスチャ基板50に属する入力側パターン53と出力側パターン54の回路パラメータの合計に等しい。そして、本実施形態の校正基板200は、この1系統分の信号線61aに対応した、1系統分の配線パターンのみを有したものとなっている。
【0146】
次に、図9の校正基板200を用いた校正方法を含む、DUT60の回路パラメータの測定方法について説明する。
【0147】
第2実施形態での回路パラメータの測定方法についても、上述した第1実施形態と同様に、測定される回路パラメータがSパラメータであるとして説明を行う。
【0148】
この測定方法でも、まず、DUT60と2つのフィクスチャ基板50との接続物について回路パラメータが測定装置40によって測定される。この接続物についての測定については、インサーションロス、リターンロスの双方ともに、測定装置40とフィクスチャ基板50との接続も含めて上述の第1実施形態と同様であるので説明を割愛する。
【0149】
次に、図9の校正基板200の回路パラメータが測定される。
【0150】
図10は、第2実施形態の校正基板のインサーションロスの測定を行う際の、その校正基板と測定装置とのケーブル接続を示す接続図である。
【0151】
インサーションロスの測定では、2本の入力側校正パターン203それぞれが繋がるSMAコネクタ202が、同軸ケーブル30を介して、測定装置40の、2つの入出力コネクタ41に接続される。また、2本の出力側校正パターン204それぞれが繋がるSMAコネクタ102が、同軸ケーブル30を介して、測定装置40の、他の2つの入出力コネクタ41に接続される。
【0152】
測定装置40が、入力側校正パターン203に接続された2つの入出力コネクタ41から、インサーションロス測定用の差動信号を出力すると、その差動信号が、同軸ケーブル30を介して校正基板200に入力される。差動信号は、校正基板200の入力側校正パターン203と出力側校正パターン204とを通過し、同軸ケーブル30を介して測定装置40に戻る。戻った差動信号は、この測定装置40の内部のレシーバ回路により検出される。そして、測定装置40が出力した差動信号と、測定装置40の内部で検出された差動信号との比の絶対値のデシベル値が、測定装置40の内部回路において、インサーションロスとして算出される。このように求められたインサーションロスは、図7に示す入力側のフィクスチャ基板50の入力側パターン53と出力側のフィクスチャ基板50の出力側パターン54のインサーションロスの合計に等しい。
【0153】
図11は、第2実施形態の校正基板のリターンロスの測定を行う際の、その校正基板と測定装置とのケーブル接続を示す接続図である。
【0154】
図11に示すケーブル接続では、出力側校正パターン204それぞれが繋がるSMAコネクタ202に、同軸ケーブル30に替えて開放および短絡の2種類の校正キット42、43が接続される。そして、各種類の校正キット42、43が接続された状態で、測定装置40から入力され上記の接続物で反射されて測定装置40に戻ってくる差動信号がこの測定装置40で検出される。この検出された差動信号に基づいて、校正基板100が所定の負荷状態に置かれたときに反射される差動信号が求められる。さらに、測定装置40から入力された差動信号に対する、上記のように求められた差動信号の比の絶対値のデシベル値が、測定装置40の内部回路においてリターンロスとして算出される。これにより、校正基板200のリターンロスが測定される。このように測定される校正基板200のリターンロスは、図7に示す入力側のフィクスチャ基板50の入力側パターン53と出力側のフィクスチャ基板50の出力側パターン54のリターンロスの合計に等しい。
【0155】
そして、上記の接続物について得られたインサーションロスおよびリターンロスそれぞれから、校正基板200について得られたインサーションロスおよびリターンロスを減算するという校正が行われる。この校正により、DUT20のインサーションロスおよびリターンロスが求められる。
【0156】
尚、上述したように、本実施形態の校正基板200は、図7に示すDUT60における2系統の信号線61aのうちの1系統分の信号線61aに対応した、1系統分の配線パターンのみを有したものとなっている。このため、DUT60の一方の系統の信号線61aについての回路パラメータの測定時に得られた校正基板200の回路パラメータが、他方の系統の信号線61aについての回路パラメータの測定時の校正に流用される。
【0157】
以上に説明した第2実施形態の校正基板200を用いた校正を行う測定方法でも、上述の第1実施形態と同様に、入手に困難さを伴う特別製の校正キットを用いることなくDUT60の回路パラメータを得ることができる。
【0158】
また、本実施形態では、フィクスチャ基板50において、入力側のフットプリント52iと、出力側のフットプリント52oとが、各パターンから互いに逆向きに突き出している。そして、入力側のフットプリント52iと、出力側のフットプリント52oとが、互いに距離を置いて隣り合っている。
【0159】
本実施形態の校正基板200の配線パターンは、フィクスチャ基板50におけるこのようなパターン形状を利用して設計されたものである。即ち、この配線パターンは、出力側パターン54を、出力側のフットプリント52oが入力側のフットプリント52iに直結する位置まで平行移動させたものとなっている。
【0160】
上述したように、本実施形態では、校正基板200の配線パターンとして、このような形状のパターンが採用されることで、図8に示す配線パターンの交差等を回避した上でフィクスチャ基板10の配線パターンを流用したパターン設計の簡単化が図られている。このことは、本件の校正基板に対し、次のような応用形態が好適であることを意味している。
【0161】
この応用形態では、上記仲介基板が、上記配線パターンとして、上記測定対象回路に対する測定信号の入力用と出力用とに使い分けられる2種類の配線パターンを有している。2種類の配線パターンは、それら2種類の配線パターンそれぞれから上記フットプリントが互いに逆向きに突き出していて、且つ、その2種類の配線パターンそれぞれのフットプリントが互いに距離を置いて配置されたものとなっている。
【0162】
図7に示すフィクスチャ基板50が、この応用形態における仲介基板の一例に相当する。
【符号の説明】
【0163】
10,50 フィクスチャ基板
10i 入力側のフィクスチャ基板
10o 出力側のフィクスチャ基板
11,51 フィクスチャ側接続コネクタ
11a,51a 基板搭載端子
12,52 フットプリント
12i,52i 入力側のフットプリント
12o,52o 出力側のフットプリント
12n 無接続のフットプリント
13,53,53’ 入力側パターン
14,54,54’ 出力側パターン
15,31,55,102,202 SMAコネクタ
20,60 DUT
21,61 回路本体
21a,61a 信号線
22,62 DUT側接続コネクタ
30 同軸ケーブル
40 測定装置
41 入出力コネクタ
42、43 校正キット
52i_n 入力側の無接続のフットプリント
52o_n 出力側の無接続のフットプリント
100,200 校正基板
101,201 基板
110 第1配線パターン
111 第1の入力側校正パターン
112 第1の出力側校正パターン
113i 第1の入力側のフットプリント相当パターン
113o 第1の出力側のフットプリント相当パターン
113n 第1の無接続のフットプリント相当パターン
120 第2配線パターン
121 第2の入力側校正パターン
122 第2の出力側校正パターン
123i 第2の入力側のフットプリント相当パターン
123o 第2の出力側のフットプリント相当パターン
123n 第2の無接続のフットプリント相当パターン
203 入力側校正パターン
204 出力側校正パターン
205i 入力側のフットプリント相当パターン
205i_n 入力側の無接続のフットプリント相当パターン
205o 出力側のフットプリント相当パターン
205o_n 出力側の無接続のフットプリント相当パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力する測定信号によってその回路パラメータが測定される測定対象回路と、前記測定対象回路の回路パラメータを測定する測定装置との間に介在し、前記測定対象回路が接続されるフットプリントと、前記測定装置が接続されるコネクタと、前記フットプリントと前記コネクタとを接続する配線パターンとをそれぞれ備える1組の仲介基板を用いた、前記測定対象回路の回路パラメータの測定結果を校正するための校正基板であって、
前記各仲介基板に設けられ、前記測定対象回路が接続するフットプリントに対応するフットプリント相当パターンと、
前記各仲介基板に設けられたコネクタと同一の接続コネクタと、
前記各仲介基板の配線パターンに対応する、前記フットプリント相当パターンと前記接続コネクタとを接続する校正配線パターンとを有し、
前記測定対象回路を介して接続される前記仲介基板のフットプリントに相当するフットプリント相当パターン同士が直接接続されていることを特徴とする校正基板。
【請求項2】
前記校正配線パターンは、一方の仲介基板が有する、前記測定対象回路に前記測定信号を入力する入力用配線パターンと、他方の仲介基板が有する、前記測定対象回路からの測定信号が出力する出力用配線パターンとが直結されたパターン形状を有することを特徴とする、請求項1記載の校正基板。
【請求項3】
前記仲介基板が、前記配線パターンとして、前記測定対象回路に対する測定信号の入力用と出力用とに使い分けられる2種類の配線パターンを有し、それら2種類の配線パターンそれぞれから前記フットプリントが互いに逆向きに突き出していて、且つ、該2種類の配線パターンそれぞれのフットプリントが互いに距離を置いて配置されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の校正基板。
【請求項4】
入力する測定信号によって回路パラメータが測定される測定対象回路が、前記測定対象回路の回路パラメータを測定する測定装置と前記測定対象回路とを仲介する仲介基板に接続された接続物の回路パラメータを、該測定装置で測定する第1の測定過程と、
前記仲介基板が前記回路パラメータの測定に与える影響を校正するための校正基板であって、前記仲介基板に搭載された前記第2種類のコネクタと同じタイプの接続コネクタと、前記仲介基板に搭載され前記第1種類のコネクタに接続される第1コネクタと該仲介基板上の前記第2種類のコネクタとを繋いだ該仲介基板上の配線パターン中の箇所のうち該第1コネクタが接続されているフットプリントの箇所で該配線パターン同士が直結したパターン形状を有し、両端が前記接続コネクタに繋がった校正配線パターンと、を備えた校正基板の回路パラメータを前記測定装置で測定する第2の測定過程と、
前記第2の測定過程で得られた回路パラメータの測定値を用いて、前記第1の測定過程で得られた回路パラメータの測定値を校正する校正過程と、
を有することを特徴とする回路パラメータの測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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