説明

核医学画像診断システムおよびこのシステムに用いられる放射性薬剤の製造管理方法

【課題】放射性薬剤の管理が容易で、放射性薬剤に含まれる放射性核種の種類や核種量を迅速かつ容易に確認でき、システムの設置自由度を向上させた核医学画像診断システムおよびこのシステムに用いられる放射性薬剤の製造管理方法を提供する。
【解決手段】核医学画像診断システム10は、陽電子を放出する放射性核種12を製造する加速器13と、この放射性核種12を用いて放射性薬剤14を製造する薬剤合成装置15と、陽電子放出型断層撮像を利用した診断検査装置16とから構成され、薬剤合成装置15で製造される放射性薬剤14に含有される放射性核種の種類、核種量、製造年月日等の必要情報を記録する記録開示手段24が用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陽電子放出型断層撮像(Positron Emission Tomography:以下、PETという。)を用いた核医学診断技術に係り、特に、放射性薬剤を利用するPETを用いた核医学診断システムおよびこのシステムに用いられる放射性薬剤の製造管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年ガン検診にPETを用いた核医学画像診断システムが有効な手段として注目されている。PETを用いた核医学画像診断システムでは、短半減期で陽電子を放出する放射性核種が使用される。この放射性核種として11C(半減期:20分)、13N(半減期:10分)、15O(半減期:2分)、18F(半減期:110分)等がある。
【0003】
放射性核種から放出される陽電子は、消滅する際、対称方向に2対のガンマ線を放出する。放出されるガンマ線を捉えることで放出位置を求め映像化を行なうことができる。
【0004】
ガン細胞はグルコース(ブドウ糖)を活発に吸収することが知られており、ブドウ糖に似た、18Fを使用したフルオロ・デオキシ・グルコース(以下、FDGという。)を使用すると、FDGはガン細胞に積極的に吸収される。
【0005】
吸収されたFDGは、陽電子を放出し、2対のガンマ線を放出するので、このガンマ線を捉えることでガン細胞の検出を行なうことができる。
【0006】
一方、陽電子を放出する放射性核種は、半減期が非常に短い。このため、放射性核種の製造は、ガン検診の直前に行なうことが好ましい。放射性核種の製造や放射性核種を用いた放射性薬剤の合成を病院施設内で行ない、ガン検診の直前に放射性薬剤が作られるようになっている(特許文献1ならびに非特許文献1および2参照)。
【0007】
一般に、核医学画像診断システムは、放射性核種を製造する加速器と、放射性核種を用いて放射性薬剤を製造する薬剤合成装置と、ガン診断を行なうためのPETカメラとを備える。加速器には直流磁場と高周波電場を用いて粒子を円形に回転させながら加速するサイクロトロンが用いられる。
【0008】
核医学画像診断システムに用いられる放射性核種は半減期が短いため、放射性核種の量が時々刻々と減少する。このため、放射性核種の製造時には、放射性核種の減少分を予想して検診に必要な核種量より多目に作成しておき、放射性核種の量を少なくとも使用直前に確認する必要がある。
【0009】
また、核医学画像診断システムは、PETに放射性薬剤を利用し、放射性核種を使用するので、被曝防止のための放射線管理が必要となる。放射性薬剤は、放射線遮蔽を行なった保管状態で、製造および保管や運搬が行なわれる。
【0010】
PET用放射性薬剤では、ガンマ線を測定して放射性核種の種類を確認したり、放射性核種量が測定される。放射性核種の確認のためには、ガンマ線スペクトルの測定を行なったり、放射性薬剤のガンマ線の定量測定で放射性核種量を測定している。この他に、放射性核種の半減期の測定が行なわれる。これらの測定基準は、非特許文献3に測定方法を含めて定められている。
【0011】
ガンマ線のスペクトルの測定には、ガンマ線スペクトロメータが用いられ、ガンマ線の定量測定にはガンマ線スペクトロメータや井戸型シンチレーション計数器、電離箱が使用される。半減期の測定にもガンマ線スペクトロメータや井戸型シンチレーション計数器、電離箱が使用される。
【特許文献1】特開2001−172204号公報
【非特許文献1】月刊新医療 2002年3月号、株式会社エムイー振興協会
【非特許文献2】月刊新医療 2003年3月号、株式会社エムイー振興協会
【非特許文献3】「サイクロトロン核医学利用専門委員会が成熟技術として認定した放射性薬剤の基準(2001年改定)」RADLOISOTOPES Vol.50,No.5,May 2001,社団法人 日本アイソトープ協会
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
核医学画像診断システムに用いられるPET用放射性核種は、いずれも陽電子消滅の際に、エネルギが0.511MeVのガンマ線が放出される。放射性核種の種類の判別は、ガンマ線スペクトル測定のみでは行なうことができず、放射性核種の半減期違いを利用した判別方法を使わなければならない。
【0013】
放射性核種の半減期の違いを利用した判別方法では、放射性薬剤に含まれていると考えられる放射性核種のうち半減期が最も長い放射性核種の半減期以上の時間に亘る測定が必要となるので、放射性核種の量を使用直前に確認することは困難である。
【0014】
複数の放射性核種をPET用放射性薬剤に用いる場合には、使用している放射性核種の種類を半減期の測定を行なうことなく確認できる方法の確立が、放射性核種の誤使用を防止する観点から必要である。
【0015】
一方、放射性核種を病院施設内で製造するためには、加速器を病院施設内に設置する必要がある。
【0016】
しかし、加速器の病院施設内設置には、放射線の漏洩を防止する放射線防護対策が必要であるため、大掛かりな工事が必要となり、既設病院では、病院施設内の設置場所の確保が難しく、また、病院の建物の大幅な改造が必要になる等、費用が掛かり、核医学画像診断システムの普及が進みにくい一因となっている。
【0017】
放射性核種の放射能の減衰状態の確認、すなわち、放射性核種量の確認を容易に行なうことができれば、放射性核種の製造に必要な加速器を病院施設とは別の場所に設置することも可能となり、核医学画像診断システムの普及阻害要因を取り除くことができると思われる。
【0018】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたものであり、放射性薬剤の管理が容易で、かつ放射性薬剤に含まれる放射性核種の種類や核種量を容易に確認でき、設置が容易な核医学画像診断システムおよびこのシステムに用いられる放射性薬剤の製造管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係る核医学画像診断システムは、上述した課題を解決するために、陽電子を放出する放射性核種を製造する加速器と、この放射性核種を用いて放射性薬剤を製造する薬剤合成装置と、陽電子放出型断層撮像を利用した診断検査装置とから構成される核医学画像診断システムにおいて、前記薬剤合成装置で製造される放射性薬剤に含有される放射性核種の必要情報を記録する記録開示手段を用いたものである。
【0020】
一方、本発明に係る核医学画像診断システムに用いられる放射性薬剤の製造管理方法は、上述した課題を解決するために、加速器で陽電子を放出する所要量の放射性核種を製造し、製造された放射性核種を用いて放射性薬剤を薬剤合成装置で合成して製造し、製造された放射性薬剤の記録開示手段に放射性薬剤の必要情報を書き込んで記録させ、上記放射性薬剤を被検者に投与して診断検査装置で診断検査する直前に、放射性薬剤の必要情報を読み出して放射性薬剤の放射性核種量を確認することを特徴とする核医学画像診断システムに用いられる方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る核医学画像診断システムおよびこのシステムに用いられる放射性薬剤の製造管理方法においては、放射性薬剤の管理が容易で、放射性薬剤に含まれる放射性核種の種類や核種量等の必要情報を迅速かつ容易に確認することができ、診断システムの設置自由度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係る核医学画像診断システムの実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0023】
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る核医学画像診断システムの第1実施形態を示す概略図である。この核医学画像診断システム10は、病院施設11内に設置される。
【0024】
核医学画像診断システム10は、陽電子を放出する放射性核種12を製造する加速器13と、この加速器13で製造された放射性核種12を用いて放射性薬剤14を製造する薬剤合成装置15と、放射性薬剤14を用いてガン検診等の診断を行なう診断検査装置としてのPETカメラ16とから構成される。加速器13には、一般にサイクロンが使用されるが、所要のイオンを加速できれば他の加速装置であってもよい。PETカメラ16は、陽電子放出型断層撮像(Positron Emission Tomography)を利用した核医学画像診断技術が用いられる。
【0025】
加速器13を病院施設11内に収容する放射性核種製造ゾーンは、重コンクリート等の放射線防護壁に囲まれて放射線防護対策が施され、放射線が外部に漏洩するのを防止している。加速器13で製造される放射性核種12は、18F,11C,13N,15O等の半減期が短い核種で、陽電子を放出する放射性核種である。
【0026】
加速器13で製造された放射性核種12は、鉛容器等の放射線防護対策が採られた保護容器(図示せず)内に収容されて薬剤合成ゾーンまで搬送され、薬剤合成装置15で放射性核種12を用いて放射性薬剤14が合成され、製造される。保護容器には放射性核種12の種類、製造日時、核種量等の必要情報が記録された磁気カード、ICカード、ICタグ、ICチップ等の記録開示手段20が設けられる。
【0027】
記録開示手段20には情報書込み装置21により加速器13で製造された放射性核種12に必要情報が書き込まれ、記録される。記録開示手段20は放射性核種量を示す手段として機能する。放射性核種12の必要情報には、放射性核種12の種類、製造日時、核種量の他に必要に応じて製造された放射性核種の半減期や検定日または検定日時があり、この必要情報を情報書込み装置21で書き込み、記録させるようになっている。「検定日」または「検定日時」とは放射性核種を用いて合成された放射性薬剤が表示された放射能を有すべき日または日時をいう。
【0028】
加速器13で製造された放射性核種12は、薬剤合成装置15で合成処理される前に、情報読取り装置22で読み出され、放射性核種12の種類、製造日時、核種量等が確認される。放射性核種12の必要情報が読み出され、確認された後、薬剤合成装置15により放射性核種12を用いて放射性薬剤14が合成され、製造される。放射性薬剤14は放射製剤、PET用薬剤、検査用薬剤あるいはPET用診断薬と呼称され、液体状あるいは気体状に形成される。液体状放射性薬剤や気体状放射性薬剤は、検査対象の被検者毎にアンプル等の密閉された収納容器(図示せず)が収納され、保管される。
【0029】
薬剤合成装置15で製造された放射性薬剤14を収容する各被検者毎の収納容器には、放射性薬剤14の種類、製造日時、放射性核種量等が記録された磁気カード、ICカード、ICタグ、ICチップ等の記録開示手段24が設けられる。放射性薬剤14の記録開示手段24は、被検者毎に使用される放射性薬剤14の必要情報が書き込まれ、記録されるもので、放射性核種12の記録開示手段20とは異なるものが用いられる。
【0030】
放射性薬剤14の記録開示手段24は、検査対象の各被検者毎の放射性核種量を個別に示す手段として機能する。放射性薬剤14の必要情報には、放射性薬剤14に含まれる放射性核種の種類、核種量、製造日時または合成日時等があり、これらの必要情報は情報書込み装置25で書き込まれ、記録される他、検査対象の被検者の氏名、放射性核種の半減期や放射性核種(溶液)と溶媒の混合割合(濃度)、検定日または検定日時等の書込みが行なわれる。
【0031】
情報書込み装置25は、情報読出し装置22と連動させ、加速器13で製造された放射性核種12の記録開示手段20に記録された必要情報をそのまま自動的に転写可能に構成してもよい。いずれにしても、薬剤合成装置15に情報読取り装置22および情報書込み装置25が並設される。
【0032】
薬剤合成装置15で製造された放射性薬剤14は、被検者の検査目的に応じて図2に示すように種々作られる。放射性薬剤14は加速器13で製造された放射性核種12に、薬剤合成装置15により種々の溶媒(希釈剤)を合成処理することにより製造される。
【0033】
薬剤合成装置15で製造された放射性薬剤14は、検査対象の被検者に投与され、PETカメラ16で画像診断される。被検者に投与される前に、放射性薬剤14の確認試験が行なわれるが、この確認試験は、各被検者毎の放射性薬剤14の収納容器に添付された記録開示手段24により、一目で確認することができる。記録開示手段24には、予め必要情報が書き込まれ、記録されているので、記録開示手段24に記録された必要情報を確認することで、簡単かつ容易に放射性核種量を確認することができる。記録開示手段24には、ICタグまたはICカードに放射性核種量を表示する表示装置が内蔵され(備えられ)ている。
【0034】
次に、核医学画像診断システムの作用、ひいては放射性薬剤の製造管理方法を説明する。
【0035】
この核医学画像診断システム10では、検査対象の各被検者の検査日(検定日)あるいは検査日時(検定日時)は予め知られており、各被検者の検査日あるいは検査日時に放射性薬剤14に含まれる放射性核種量が必要量確保されるように、加速器13で製造される放射性核種量は、その半減期を考慮し、余裕をもって製造される。加速器13で検査される各被検者に必要な総合計の放射性核種量が余裕をもって製造される。
【0036】
加速器13で放射性核種12が製造されると、その放射線量も図示しない放射線測定器で測定されるので、情報書込み装置21により、放射性核種12の記録開示手段20に、放射性核種の種類、製造日時、核種量等の必要情報が書き込まれ、記録される。
【0037】
放射性核種12は図示しない保護容器に収納されて薬剤合成ゾーンに搬送されるが、保護容器に添付される記録開示手段20に放射性核種12の必要情報が書き込まれているので、記録開示手段20の記録内容を薬剤合成装置15の情報読取り装置22で読み出すことにより、必要な放射性核種の核種量を直ちにかつ一目で確認できる。
【0038】
加速器13で製造された所要量の放射性核種は、情報読出し装置22で必要情報を読み出すことにより、読出し時点での放射性核種量をその半減期から計算できる。この計算は、記録開示手段20にICカードやICタグを用いる場合、ICカードやICタグ内で行なうことができ、この計算結果をICタグやICカードに内蔵の表示装置(図示せず)に表示させることで、直ちに放射性核種の核種量を確認できる。薬剤合成装置15は、情報読出し装置22で読み出した放射性核種の必要情報を基に、放射性核種12と溶剤を用いて合成処理し、必要な放射性薬剤14を各被検者毎に個別に製造することができる。製造された放射性薬剤14には、情報書込み装置25により、各被検者毎の記録開示手段24に放射性薬剤の必要情報を書き込むことができる。放射性薬剤の必要情報は、放射性薬剤14に含まれる放射性核種の種類、核種量、合成(製造)時刻等であり、この必要情報が情報書込み装置25により書き込まれ、記録される。
【0039】
放射性薬剤14は密閉されたアンプル等の収納容器に収容されるが、この収納容器に放射性薬剤の必要情報が記載された記録開示手段24が添付される。
【0040】
記録開示手段24が添付された放射性薬剤14は、検査ゾーンで被検者に投与され、PETカメラ16により診断検査を受ける。放射性薬剤14が被検者に投与される直前に記録開示手段24に記録された放射性薬剤14の必要情報が情報読取り装置26に読み出され、放射性薬剤14に含まれる放射性核種の種類や核種量の確認を容易にかつ迅速に行なうことができる。
【0041】
放射性薬剤14に含まれる放射性核種の核種量は、製造時あるいは合成時点で放射性核種量が判っていれば、その放射性核種の半減期を用いて計算により簡単かつ短時間で求めることができる。
【0042】
加速器13で製造された放射性核種12の核種量を示す記録開示手段20および薬剤合成装置15で合成された放射性薬剤14の放射性核種量を示す記録開示手段24に書き込まれた放射性核種量をNo、放射性核種の製造時刻あるいは放射性薬剤14の合成時刻と情報読取り装置26での読出し時刻との時間差をT、使用した放射性核種12の半減期をThとすると、読出し時点の放射性核種量Nrは、
[数1]
Nr=No・exp(−T/Th) ……(1)
となる。
【0043】
放射性薬剤14に含まれる放射性核種の核種量や種類を示す記録表示手段24あるいは放射性核種12の核種量や種類を示す記録表示手段20に磁気カードを使用した場合、磁気カードは必要情報の記入あるいは書込みしかできないため、上記(1)式を用いて放射性核種量を計算により算出することになる。
【0044】
しかし、ICカードやICタグ、ICチップを使用した場合には、ICカード等に(1)式をプログラムとして組み込むことができ、ICカードやICタグ内で放射性核種量を計算することができる。ICカードやICタグに表示器(表示装置)を組み込んだ場合には、放射性核種12の種類や核種量を簡単かつ容易に表示することができる。
【0045】
この核医学画像診断システム10によれば、加速器13で製造した放射性核種12や薬剤合成装置15で合成した放射性薬剤14に、少なくとも放射性核種の種類や核種量、製造日時等の必要情報を示す記録開示(表示)手段20,24を添付して輸送や保管を図ることができる。このため、使用する放射性核種の種類や核種量、製造日時を情報読取り装置22,26により判読でき、その読出し時点での放射性核種量を容易にかつ迅速に、一目で分かることができる。
【0046】
[第2実施形態]
図3は、本発明に係る核医学画像診断システムの第2実施形態を示す概略図である。第2実施形態を説明するに当り、第1実施形態に示された核医学画像診断システムと同じ部材には、同一符号を付して重複説明を省略する。
【0047】
第2実施形態に示された核医学画像診断システム10Aは、放射性核種12を製造する加速器13と、製造された放射性核種を用いて放射性薬剤14を合成する薬剤合成装置15とを病院外施設30に設けたものである。
【0048】
病院施設11内には、診断検査装置としてのPETカメラ16が設けられる。この場合、病院施設11内に加速器13および薬剤合成装置15を設ける必要がないので、病院施設11内の建物を大幅に改造する必要がない。
【0049】
加速器13および薬剤合成装置15を病院施設外に設置した場合には、加速器13で製造された放射性核種は薬剤合成装置15で合成されて放射性薬剤14が製造されるが、この放射性薬剤14を病院まで輸送して被検者に投与させるようになっている。この場合、病院までの輸送時間による放射性核種量の減衰が問題になる。この輸送による放射性核種量の減衰を考慮する必要があるので半減期が2分あるいは10分と短い15Oや13Nの放射性核種の製造には向かない。加速器13を病院外施設30に設置した場合、例えば半減期が20分以上の放射性核種が製造される。
【0050】
また、薬剤合成装置15で放射性核種が合成され、放射性薬剤14が製造されるが、製造された放射性薬剤14は、アンプル等の密閉収納容器に被検者毎に収納され、管理される。放射性薬剤14の収納容器には、磁気カード、ICカード、ICタグ等からなる記録開示手段24が添付される。この記録開示手段24に情報書込み装置25により必要情報が書き込まれ、記録される。
【0051】
情報書込み装置25により書き込まれる必要情報には、放射性薬剤14に含まれる放射性核種の種類と核種量、合成(製造)された時刻等があり、さらに、放射性薬剤の濃度、検定日や検定日時、被検者の氏名等を書き込むようにしてもよい。
【0052】
放射性薬剤14の記録開示手段24に書き込まれた必要情報は、病院施設11内の検査ゾーンに設けられた情報読取り装置26で読み出され、放射性薬剤14が被検者に投与される前に、放射性核種の核種量が確認される。このため、放射性薬剤14が、被検者に投与される前に、放射性核種量が必要量存在するか否か、すなわち適性か否かの判定を容易にかつ簡単に行なうことができる。
【0053】
このため、放射性薬剤14の放射性核種量が適性か否かの判定が容易となり、放射性薬剤14の放射性核種量の確認を簡単かつ容易に行なうことができる。この核医学画像診断システム10Aは、加速器13および薬剤合成装置15を病院外施設30に設置することが可能となり、加速器13の設置場所の自由度が大きい。
【0054】
加速器13の設置には、放射性遮蔽を確実にかつ強固に行なう必要があり、病院内の設置には種々の制約を受ける。しかし、加速器13を病院外施設に設置することで、病院建物の改造を必要あるいは小幅に留めることができ、核医学画像診断システム10Aの設置が容易にできるメリットがある。
【0055】
[第3実施形態]
図4は、本発明に係る核医学画像診断システムの第3実施形態を示す概略図である。
【0056】
この実施形態に示された核医学画像診断システム10Bの説明に当り、図1に示された核医学画像診断システム10と同じ構成には同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0057】
第3実施形態に示された核医学画像診断システム10Bは、放射性核種12を製造する加速器13を病院外の施設30に設置し、薬剤合成装置15および診断検査装置としてのPETカメラ16を病院施設11内に設置したものである。
【0058】
加速器13で製造された放射性核種12は、放射線の漏洩を防止する保護容器(図示せず)内に収納される一方、この保護容器に記録開示手段20が付設(添付)される。記録開示手段20には情報書込み装置21により放射性核種12の必要情報が書き込まれ、記録される。記録開示手段20は、放射性核種12の保護容器に付設される磁気カード、ICカードあるいはICタグである。
【0059】
放射性核種12の記録開示手段20には、情報書込み装置21により放射性核種12の種類、核種量および製造日時等の必要情報が書き込まれ、記録される。加速器13側の情報書込み装置21で放射性核種12の記録開示手段20に書き込まれた放射性核種12の必要情報は、薬剤合成装置15側に設置される情報読取り装置22で読み出される。
【0060】
薬剤合成装置15には情報読取り装置22と情報書込み装置25が設けられ、放射性核種12の核種量等の必要情報は情報読取り装置22で読み出される一方、薬剤合成装置15で合成された放射性薬剤14の放射性核種量、合成日時等の必要情報は、情報書込み装置25により記録開示手段24に書き込まれる。この記録開示手段24は検査対象の被検者毎に製造される放射性薬剤14を収納したアンプル等の収納容器に添付される。
【0061】
加速器13で製造された放射性核種12には、放射性核種12の種類と核種量、製造日時等を表示する記録開示手段20が付けられているので、薬剤合成装置15での薬剤合成時に、放射性核種12の製造量からどれだけ(何人分)の放射性薬剤14を製造することができるか、あるいは放射性核種製造量が所要量に達しているか否かの判断を迅速かつ容易に行なうことができる。
【0062】
この核医学画像診断システム10Bにおいては、放射線遮蔽を確実に行なう必要がある加速器13を病院外施設30に設置したので、病院施設11の大幅改造を不要とすることができる一方、放射性薬剤14を製造する薬剤合成装置15を病院施設11内に設置したので、薬剤合成装置15の設置に薬事法上の制約を受けず、薬剤合成装置15を円滑かつスムーズに設置できる。いずれにしても、強固な放射線遮蔽を必要とする加速器13を病院外施設30に設置することで、病院施設11の大改造無しに核医学画像診断システム10Bを容易に設置することができる。
【0063】
[第4実施形態]
図5は、本発明に係る核医学画像診断システムの第4実施形態を示す概略図である。
【0064】
この実施形態に示された核医学画像診断システム10Cは、第2実施形態に示された核医学画像診断システム10Aの変形例を示すものであり、病院外施設30に加速器13と薬剤合成装置15とを設置し、薬剤合成装置15で合成された放射性薬剤14a,14bを複数の病院に供給できるように構成したものである。図1に示された核医学画像診断システム10と同じ構成には同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0065】
図5に示された核医学画像診断システム10Cでは、放射性核種を製造する加速器13と、製造された放射性核種から放射性薬剤14を合成する薬剤合成装置15とを病院外施設30に設置する一方、薬剤合成装置15で製造された放射性薬剤14a,14bの記録開示手段24a,24bには、情報書込み装置21により必要な情報が書き込まれる。
【0066】
情報書込み装置21は病院外施設30に設けられ、この情報書込み装置21で放射性薬剤14a,14bの記録開示手段24a,24bに、放射性核種の種類、核種量および合成日時等の必要情報が書き込まれ、記録される。放射性薬剤14a,14bは密閉されたアンプル等の収納容器に入れられ、検査対象の被検者毎に必要な本数が用意される。
【0067】
薬剤合成装置15で放射性核種を合成して製造された放射性薬剤14a,14bは、図5では2箇所の病院に供給される。各病院施設11a,11bには診断検査装置としてのPETカメラ16a,16bと、放射性薬剤14a,14bの記録開示手段24a,24bに記録された放射性薬剤の必要情報を読み出す情報読出し装置26a,26bとが設けられる。病院数は2箇所に限定されず、3箇所以上であってもよい。
【0068】
病院外施設30の加速器13で製造される放射性核種の核種量は、加速器13で加速するイオンのエネルギとイオン数、すなわちイオン電流で決定される。加速器13にサイクロトロンを使用した場合、イオン電流を増加させるには、加速エネルギを高くする必要がある。
【0069】
また、加速器13では、放射性核種を生成するための最低の反応エネルギも決まっており、一般には1台の加速器13で複数台のPETカメラ16a,16bに供給する放射性核種量を製造可能である。一方、1箇所の病院で必要とするPETカメラ16a,16bの数には限界があり、病院1箇所に放射性薬剤14a,14bを供給する場合には、加速器13の製造能力に余裕がある場合が多い。
【0070】
この核医学画像診断システム10Cでは、薬剤合成装置15で合成され、製造される放射性薬剤14a,14bに含まれる放射性核種の種類、核種量および合成日時(製造日時)等の必要情報を情報書込み装置21により放射性薬剤14a,14bの記録開示手段24a,24bに書き込み、記録させることで、放射性薬剤14a,14bを病院外施設30外で製造することができる。
【0071】
薬剤合成装置15を病院外施設30に設置したことで、放射性薬剤14a,14bを供給する病院数を1箇所に限定する必要がなく、放射性薬剤14a,14bを供給可能な範囲で病院数を増やすことが可能となる。
【0072】
したがって、病院施設外に設置された加速器13と薬剤合成装置15とを、効率よく運転し、複数の病院で検査される被検者数の人数の輸送時間を考慮して、所要量の放射性薬剤14a,14bを効率よく、能率的に製造することができる。
【0073】
[第5実施形態]
図6は、本発明に係る核医学画像診断システムの第5実施形態を示す概略図である。
【0074】
この実施形態に示された核医学画像診断システム10Dは、図4に示された核医学画像診断システム10Bの変形例を示すもので、病院外施設30に、放射性核種を製造する加速器13を設置する一方、複数の病院施設11a,11b内に放射性薬剤14a,14bを合成する薬剤合成装置15a,15bおよび診断検査装置としてのPETカメラ16a,16bを設置したものである。第1実施形態に示された核医学画像診断システム10の構成と同じ構成には同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0075】
図6に示された核医学画像診断システム10Dでは、病院施設外設置の加速器13が、重コンクリート等の強固な放射線遮蔽手段で囲撓され、加速器13で製造された放射性核種12a,12bは放射線対策を施した鉛容器等の保護容器(図示せず)内に収容されて搬送される。放射性核種12a,12bの保護容器には記録開示手段20a,20bが付設され、この記録開示手段20a,20bに情報書込み装置21により放射性核種の必要情報が書き込まれる。
【0076】
記録開示手段20a,20bは、磁気カード、ICカード、ICタグ等で形成され、この記録開示手段20a,20bに放射性核種12a,12bの種類、核種量、製造日時、半減期、検定日または検定日時等の必要情報が書き込まれる。放射性核種12a,12bの必要情報は、病院外施設の加速器13側に設けられた情報書込み装置21により書き込まれる。
【0077】
加速器13で製造された放射性核種には、所要量ずつ分配されて保護容器に収容されて各病院に搬送され、その病院施設11a,11bに設置された薬剤合成装置15a,15bに供給される。供給された放射性核種12a,12bを用いて放射性薬剤14a,14bを合成処理する前に、放射性核種の記録開示手段20a,20bに記録された放射性核種の必要情報が情報読取り装置22a,22bで読み出される。この情報読取り装置22a,22bで放射性核種12a,12bの必要情報を読み取ることにより、直ちに、放射性核種12a,12bの種類や核種量を確認することができる。
【0078】
放射性核種12a,12bの種類や核種量を確認した後、各病院の薬剤合成装置15a,15bで放射性核種12a,12bは溶媒と合成され、放射性薬剤14a,14bが製造される。放射性薬剤14a,14bは検査対象の各被検者毎に個別に製造される。放射性薬剤14a,14bは、アンプル等の密閉された収納容器に収納されて搬送され、被検者に投与される。
【0079】
放射性薬剤14a,14bを収納した密閉容器には、磁気カード、ICカード、ICタグ等の記録開示手段24a,24bが付設され、この記録開示手段24a,24bに放射性薬剤の必要情報が情報書込み装置25a,25bで書き込まれる。書き込まれる放射性薬剤14a,14bの必要情報には、放射性核種の種類、核種量、合成日時の他、必要に応じて被検者の氏名、検査日(検査日時)、放射性薬剤の濃度等がある。
【0080】
放射性薬剤14a,14bの必要情報が書き込まれた記録開示手段24a,24bは、被検者の検査の直前に情報読取り装置26a,26bで読み取ることにより放射性薬剤14a,14bに含まれる放射性核種の種類、核種量等を直ちに読み取り、あるいは計算により求めることができ、診断検査時に必要な放射性核種量が含まれるか否かの確認が容易となる。
【0081】
この核医学画像診断システム10Dでは、加速器13を病院外に設置し、加速器13で製造された放射性核種12a,12bの必要情報を表示する記録開示手段20a,20bを放射性核種12a,12bに添付して各病院に提供することができる。放射性核種12a,12bの必要情報は、情報書込み装置21で記録開示手段20a,20bに書き込まれ、記録される。
【0082】
各病院には、薬剤合成装置15a,15bがそれぞれ設置され、薬剤合成装置15a,15bで放射性核種12a,12bを用いて放射性薬剤14a,14bが被検者毎に個別に合成され、製造される。薬剤合成装置15a,15bで放射性薬剤14a,14bを製造する前に、記録開示手段20a,20bに開示された放射性核種12a,12bの必要情報が情報読取り装置22a,22bで読み出され、放射性核種12a,12bの種類、核種量、製造日時が確認される。この核医学画像診断システム10Dでは、病院施設11a,11b内設置の薬剤合成装置15a,15bで放射性薬剤14a,14bが製造されるので、薬剤の製造に薬事法上の制約を受けることがなく、自由度が大きい。
【0083】
薬剤合成装置15a,15bで製造された放射性薬剤14a,14bは、被検者毎に個別の密閉収納容器に収納され、搬送されるが、放射性薬剤14a,14bの収納容器に記録開示手段24a,24bが添付され、この記録開示手段24a,24bに情報書込み装置25a,25bにより放射性薬剤14a,14bの必要情報が書き込まれる。
【0084】
放射性薬剤14a,14bの必要情報、具体的には、放射性核種の種類、核種量、合成日時や被検者の氏名、検査日時、放射性薬剤の濃度等が書き込まれた後、放射性薬剤14a,14bは検査ゾーンに運ばれ、PETカメラ16a,16bで検査を受ける被検者に投与される。
【0085】
被検者に放射性薬剤14a,14bが投与される前に、放射性薬剤14a,14bの必要情報が情報読取り装置26a,26bで読み取られ、放射性薬剤14a,14bに含まれる放射性核種量を直ちに確認したり、また、計算により放射性核種量を容易に求めることで、確認することができる。
【0086】
放射性薬剤14a,14bの放射性核種量を情報読取り装置26a,26bで直ちにあるいは計算により容易に確認することができ。この確認後に放射性薬剤14a,14bが被検者に投与され、診断検査装置のPETカメラ16a,16bにより画像診断検査される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係る核医学画像診断システムの第1実施形態を示す概略図。
【図2】核医学画像診断システムに備えられる薬剤合成装置で製造される放射性薬剤と検査目的を表す図。
【図3】本発明に係る核医学画像診断システムの第2実施形態を示す概略図。
【図4】本発明に係る核医学画像診断システムの第3実施形態を示す概略図。
【図5】本発明に係る核医学画像診断システムの第4実施形態を示す概略図。
【図6】本発明に係る核医学画像診断システムの第5実施形態を示す概略図。
【符号の説明】
【0088】
10 核医学画像診断システム
11,11a,11b 病院施設
12,12a,12b 放射性核種
13 加速器
14,14a,14b 放射性薬剤(放射製剤)
15,15a,15b 薬剤合成装置
16,16a,16b PETカメラ(診断検査装置)
20,20a,20b,24,24a,24b 記録開示手段
21,25,25a,25b 情報書込み装置
22,22a,22b,26,26a,26b 情報読取り装置
30 病院外施設

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽電子を放出する放射性核種を製造する加速器と、
この放射性核種を用いて放射性薬剤を製造する薬剤合成装置と、
陽電子放出型断層撮像を利用した診断検査装置とから構成される核医学画像診断システムにおいて、
前記薬剤合成装置で製造される放射性薬剤に含有される放射性核種の必要情報を記録する記録開示手段を用いたことを特徴とする核医学画像診断システム。
【請求項2】
前記加速器で製造される放射性核種に、この放射性核種の必要情報を記録する記録開示手段を用いたことを特徴とする請求項1記載の核医学画像診断システム。
【請求項3】
前記放射性薬剤の必要情報あるいは放射性核種の必要情報を記録する記録開示手段は、ICタグまたはICカードで構成され、上記ICタグまたはICカードに放射性核種の種類、核種量および製造日時の必要情報を書き込み、記録させたことを特徴とする請求項1または2記載の核医学画像診断システム。
【請求項4】
前記記録開示手段は、ICタグまたはICカードで構成され、上記ICタグまたはICカードに放射性核種の種類、核種量、製造日時等の必要情報を書き込み、前記ICタグまたはICカード内で放射性核種の半減期を用いて放射線核種量を計算するように設定したことを特徴とする請求項1または2記載の核医学画像診断システム。
【請求項5】
前記記録開示手段は、ICタグまたはICカードで構成され、上記ICタグまたはICカードに放射性核種の必要情報を書き込んで記録させる一方、前記ICタグまたはICカード内で放射性核種の半減期を用いて放射性核種量を計算し、計算で求めた放射性核種量を表示可能にICタグまたはICカードに表示装置を内蔵させたことを特徴とする請求項1または2記載の核医学画像診断システム。
【請求項6】
前記記録開示手段は、ICタグまたはICカードで構成され、上記磁気カードには放射性核種の必要情報が書き込まれる一方、書き込まれた放射性核種の必要情報を読み出す情報読取り装置を設け、この必要情報の読取りで放射性核種量を確認可能に構成したことを特徴とする請求項1または2記載の核医学画像診断システム。
【請求項7】
前記加速器および薬剤合成装置は病院外施設に設置され、前記診断検査装置は1箇所以上の病院施設内に設置し、薬剤合成装置で製造された放射性薬剤を診断検査装置側に供給するように構成したことを特徴とする請求項1記載の核医学画像診断システム。
【請求項8】
前記加速器は病院外施設に設置され、前記薬剤合成装置および診断検査装置は1箇所以上の病院施設内に設置され、前記加速器で製造された放射性核種を分配して薬剤合成装置に供給するように構成したことを特徴とする請求項1記載の核医学画像診断システム。
【請求項9】
加速器で陽電子を放出する所要量の放射性核種を製造し、
製造された放射性核種を用いて放射性薬剤を薬剤合成装置で合成して製造し、
製造された放射性薬剤の記録開示手段に放射性薬剤の必要情報を書き込んで記録させ、
上記放射性薬剤を被検者に投与して診断検査装置で診断検査する直前に、放射性薬剤の必要情報を読み出して放射性薬剤の放射性核種量を確認することを特徴とする核医学画像診断システムに用いられる放射性薬剤の製造管理方法。
【請求項10】
加速器で製造された放射性核種の必要情報を放射性核種の記録開示手段に書き込んで記録し、上記放射性核種から放射性薬剤を合成して製造する直前に記録開示手段に記録された必要情報を読み出し、放射性核種の種類、核種量を確認することを特徴とする請求項9記載の核医学画像診断システムに用いられる放射性薬剤の製造管理方法。
【請求項11】
前記薬剤合成装置で製造された放射性薬剤の必要情報を、放射性薬剤の記録開示手段に書き込んで記録し、
この放射性薬剤を被検者に投与する直前に、上記記録開示手段に記録された必要情報を読み出して放射性薬剤の放射性核種量を確認し、
上記放射性薬剤の放射性核種量を確認した後、被検者に投与することを特徴とする請求項9記載の核医学画像診断システムに用いられる放射性薬剤の製造管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−84432(P2006−84432A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−272006(P2004−272006)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】