説明

核酸の単離および精製

【課題】核酸の単離および精製する方法を提供する。
【解決手段】セルロース粒子またはセルロースろ紙を用いて、様々な供給源からDNA、RNA、およびPNAのような核酸を単離および精製を行うが、その際に塩化ナトリウムおよびポリエチレングリコールの濃度を、核酸がセルロース粒子またはセルロースろ紙に結合するレベルに調整する。セルロース粒子またはセルロースろ紙に結合している核酸を分離し、粒子またはろ紙から核酸を溶出する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2001年11月6日に出願された「ISOLATION AND PURIFICATION OF NUCLEIC ACIDS」という表題の米国仮特許出願第60/337,904号の利益を主張し、その内容は本明細書によって参照として組み入れられる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発のもとでなされた発明に対する権利に関する記載
該当なし
【0003】
コンパクトディスクで提出された「配列リスト」、表、またはコンピュータ・プログラムリスト添付物の参照
該当なし
【0004】
発明の背景
高品質の核酸の単離および精製は、分子生物学的手順において重要な段階である。ヒト血液、血清、培養細胞、ならびに植物、動物、およびヒト組織、ならびに他の試料等の生体液から、一本鎖および二本鎖DNAを単離するための、数多くの方法が報告されている。以下の多くの様々な手順が記載されている:

。これらの手順のほとんどは、時間を要し、単調であり、かつコストがかかる。さらに、これらの手順の多くは有害な有機溶媒の使用を含む。例えば、AstellおよびSmith(1971)によって記載されている方法では、オリゴデオキシリボヌクレオチドのセルロースへの共有結合が必要とされる。KothariおよびTaylor(1972)によって記載されている手順は、セルロースおよび様々なセルロース誘導体に関連し、一つまたは複数の有機溶媒が核酸単離の様々な段階で用いられ、純粋な核酸を単離するためにそれらはみな何回もの精製サイクルを必要とする。さらに、入手可能なマトリックスの各種類の適用は、特定の群の核酸に限定される場合が多いことが見出された。
【0005】
Su およびComeau(1999)は、セルロースおよびセルロースろ紙を用いた核酸の単離について記載している。彼らは、汎用性マトリックスとして二次微小繊維関連セルロース(SFセルロースと表す)を用いて、広範囲の核酸を単離できることを見出した。しかし彼らの手順は、核酸の単離に用いる以前に、セルロースマトリックス繊維を調製するための複雑な処理および調整段階を含む。さらに、核酸を実際に精製する以前に、試料由来の核酸粗製抽出物を界面活性剤またはカオトロピック塩を含む溶液中に調製し、>12000 ×gで2分間遠心分離することにより沈渣を除去することが必要とされる。Su およびComeau(1999)により記載される方法の手順が複雑でかつ時間を要すること、および様々な有機溶媒を必要とすることから、この方法は困難なものとなり自動化するには実際に不可能な技法とされる。
【発明の開示】
【0006】
発明の概要
本発明で記載する方法では、セルロース粒子またはセルロースろ紙等の隣接水酸基を有するポリマーを使用する。驚いたことに、結合緩衝液として調合されるある化学物質および塩の存在下において、これらの粒子またはろ紙は核酸を吸収することができる。次に粒子またはろ紙に結合している核酸を洗浄して不必要な物質を除去し、その後溶出緩衝液または脱イオン水を添加することにより、粒子またはろ紙から結合している核酸を溶出する。
【0007】
セルロース粉末は、例えばSigma(ミズーリ州セントルイス)またはWhatman Inc.(ニュージャージー州クリフトン)から購入可能である。セルロースろ紙は、Whatman Inc.(ニュージャージー州クリフトン)またはSchlecher & Schuell(ニューハンプシャー州キーン)から購入可能である。
【0008】
結合緩衝液は、一般に、高濃度の塩およびポリアルキレングリコールを含む。結果として生じる組み合わせの濃度は、核酸がセルロースに結合するのに適切な濃度に調整される。記載した結合緩衝液に少し変更を加えるだけで、洗浄緩衝液としても使用することができる。
【0009】
本発明はまた、生体液、組織、細胞等を含む様々な供給源から、DNA、RNA、およびPNA等の核酸を単離する方法に関する。本方法は、結合緩衝液の存在下で核酸をセルロース粒子またはろ紙に結合させる段階、その結果生じた結合している核酸を洗浄緩衝液を用いて洗浄する段階、および溶出緩衝液または脱イオン水を用いて核酸を溶出する段階を含む。
【0010】
本明細書に記載する方法は、実質的にいかなる大きさのおよび多種多様な供給源由来の、二本鎖または一本鎖ポリヌクレオチド(例えば、DNA、RNA、PNA)の単離にも有用である。
【0011】
さらに、本発明は、セルロース粒子またはセルロースろ紙、ならびに核酸がセルロール粒子またはろ紙に結合するのに適切な濃度の適切な塩およびポリアルキレングリコールを含む結合緩衝液を含むキットを提供する。いくつかの態様において、キットはまた、適切な洗浄緩衝液、溶出緩衝液、および細胞、組織、または核酸を遊離するための様々な供給源由来の物質を溶解する試薬も含む。
【0012】
発明の詳細な説明
概要
本方法は、最終的な精製以前に、最初に核酸をある程度精製された形態まで精製する必要性を排除することにより、様々な供給源からの核酸の単離を単純化するものである。本方法では、抽出または洗浄用のアルコールを含む有機溶媒の使用もまた排除される。本方法により、PCR、配列決定、またはブロッティング手順等のさらなる特徴づけおよび後続処理が直接できる状態の核酸が産生される。本明細書に記載する独特な特徴のために、本方法はハイスループットスクリーニング系を含む自動化に容易に適応できる。
【0013】
さらに、本発明で使用するセルロース粒子およびセルロースろ紙は、市販されており非常に安価である。本明細書に記載する方法は、全般的に時間を要する手順、および最初に核酸の粗製調製物または化学修飾を調製する必要性(SuおよびComeau (1999))もまた回避する。さらにまた、本発明は、AstellおよびSmith (1971)ならびにKothari およびTaylor (1972)によって記載される手順に必要とされる、他の物質のセルロール粒子またはセルロースろ紙への化学修飾または化学共役または物理的吸着の必要性を排除する。
【0014】
態様の説明
以下の方法において、セルロース粒子またはセルロースろ紙は、ある濃度の塩およびポリアルキレングリコールの存在下で核酸に結合することが見出された。したがって、本発明は一つの局面において、生体液、様々な溶液、細胞、植物、組織、プラスミドを含む細菌細胞溶解液等を含むがこれらに限定されない様々な供給源から、DNA、RNA、およびPNA等の核酸を単純にかつ迅速に単離する方法を提供する。記載する本発明はまた、核酸を大きさに基づいて単離するためでもある。以下は、DNAによって例示される核酸に関する本発明の説明である。本発明が同様の様式でRNAおよびPNAの分離にも有用であることを理解されたい。小さな核酸はセルロース粒子(または粉末)またはセルロースろ紙への強力な結合に高塩濃度を必要とするため、塩濃度を選択的に操作して、セルロース粒子またはセルロースろ紙に結合している核酸を大きさに基づいて遊離させることができる。DNAが結合しているセルロース粒子またはセルロースろ紙は、セルロース粒子またはセルロースろ紙からDNAを溶出および分離するために適切な溶出緩衝液と接触させる以前に、任意に適切な洗浄緩衝液を用いて洗浄してもよい。洗浄および溶出のすべての段階における液体からのセルロース粒子(粉末)の分離は、例えば、セルロース粉末を小さなカラムにセットすることにより、または減圧濾過または遠心機を使用することにより、単純化され得る。セルロースろ紙についても、同様の手順が用いられ得る。
【0015】
上記の点から、本発明は一つの局面において、
a) セルロースを核酸を含む溶液と混合し、それにより組み合わせを生成する段階;ならびに
b) 組み合わせの塩およびポリアルキレングリコールの濃度を、核酸がセルロースに結合するのに適した濃度に調整し、それにより溶液中のすべてまたは一部の核酸がセルロースに結合する段階
を含む、核酸をセルロースに結合させる方法を提供する。
【0016】
当業者は、核酸がセルロースに結合するために条件(例えば、塩およびポリアルキレングリコールの濃度)が十分である限りは、成分(例えば、核酸、セルロース、塩、およびポリアルキレングリコール)を組み合わせる順番は変動し得ることを理解すると考えられる。したがって、いくつかの態様においては、セルロースを、核酸がセルロースに結合する最適条件を提供するために選択される、所定量の塩およびポリアルキレングリコールを有する溶液と混合する。次にこのセルロース/塩/ポリアルキレングリコールの組み合わせを、核酸を含む混合液と混合することができる。その後、実施例に詳細に記載するように、結合している核酸を適切な洗浄緩衝液を用いて洗浄することにより精製し、溶出緩衝液を用いてセルロースから回収することができる。
【0017】
または、核酸と、セルロースが核酸にまたは核酸がセルロースに結合するように選択される所定濃度の塩およびポリアルキレングリコールとを含む組み合わせに、セルロースを直接添加することもできる。
【0018】
いかなる方法においても、セルロースに結合する核酸の量は、典型的にセルロースの量に依存することになる。好ましくは、セルロースの量は、セルロース粒子またはセルロースろ紙表面の飽和を回避するのに十分な量であり、溶液中の少なくとも60%、より好ましくは80%、およびさらにより好ましくは90%またはそれ以上の核酸がセルロースに結合している。多くの場合、結合している核酸の占める割合は100%となる。しかし、いくつかの態様において、特定の大きさの核酸の選択的結合は、試料中の全核酸含有量の約5%〜約30%のみがセルロースに結合するように塩およびポリアルキレングリコールの濃度を操作することによって達成され得る。
【0019】
本発明の方法において、セルロース粉末は、例えばSigma(ミズーリ州セントルイス)またはWhatman Inc.(ニュージャージー州クリフトン)から購入可能である。セルロースろ紙は、Whatman Inc.(ニュージャージー州クリフトン)またはSchlecher & Schuell(ニューハンプシャー州キーン)から購入可能である。
【0020】
本発明に記載するように、核酸のセルロース粒子またはセルロースろ紙への結合および非特異的に吸着したタンパク質または他の物質の除去は、ある濃度の塩およびポリアルキレングリコール溶液を用いて達成され得る。本発明において有用な塩は、LiCl、BaCl2、MgCl2、CsCl、CaCl2、NaCl、KCl、およびKIから選択される。好ましくは、塩はNaClである。同様に、例えばポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールを含む様々なポリアルキレングリコールが、本発明において有用である。好ましくは、ポリアルキレングリコールはポリエチレングリコールである。塩およびポリアルキレン試薬は、核酸のセルロース粒子およびセルロースろ紙への結合を促進する濃度で使用する。結合緩衝液および洗浄緩衝液中の塩濃度は、用いる塩および核酸が単離および精製される環境に依存することになる。一般に、塩濃度は約0.25M〜約5.0Mである。より好ましくは、結合緩衝液および洗浄緩衝液中の塩濃度は、約0.5M〜約2.5Mである。さらにより好ましくは、塩濃度は約0.5M〜約1.5Mである。最も好ましくは、結合緩衝液の塩濃度は約1.25Mであり、洗浄緩衝液の塩濃度は約0.5Mである。同様に、ポリアルキレン濃度も、用いるポリアルキレンに依存することになる。ポリエチレングリコールはSigma Chemicals(ミズーリ州セントルイス、米国)等の業者から市販されており、分子量約200〜約10,000、好ましくは分子量約1,000〜約8,000、より好ましくは分子量約6,000〜約8,000が有用である。用いるポリエチレングリコールの重量範囲に応じて、濃度を調整することができる。一般に、平均分子量8,000を有するポリエチレングリコールを使用する方法では、結合緩衝液および洗浄緩衝液中の濃度は、約5%〜約15%、好ましくは約10%に調整する。
【0021】
上記のおよび以下の実施例に記載する結合緩衝液および洗浄緩衝液を用いることにより、他の核酸単離手順で通常用いられるエチルアルコールを含む有機溶媒の使用が回避される。
【0022】
本発明において、セルロースは粒子もしくは粉末またはろ紙の形態である。
【0023】
関連する局面において、本発明は下記の段階を含む、核酸溶液中の核酸をセルロースに結合させることにより、非核酸物質から核酸を分離する方法を提供する:
a) セルロースを核酸および非核酸物質を含む溶液と混合し、第一の組み合わせを生成する段階;
b) 第一の組み合わせの塩およびポリアルキレングリコールの濃度を、溶液中の核酸がセルロースに結合するのに適した濃度に調整し、セルロースに結合している核酸を含む第二の組み合わせを生成する段階;
c) 第二の組み合わせからセルロースに結合している核酸を分離する段階;
d) c)で分離したセルロースに結合している核酸を溶出緩衝液と接触させ、結合している核酸をセルロースから溶出緩衝液中に遊離させる段階; ならびに
e) 溶出緩衝液からセルロースを分離し、実質的に非核酸物質を含まない核酸を提供する段階。
【0024】
一般に、本発明のこの局面において使用する成分は上記と同様であり、塩およびポリアルキレングリコールの濃度の好ましい範囲も上記と同様である。溶出緩衝液は好ましくはEDTAを含むトリス緩衝液である。より好ましくは、溶出緩衝液は、約1 mM EDTAを含む約10 mMトリス、pH 8.0である。また上記のように、本発明のこの局面を、例えばDNA、RNA、PNA、またはそれらの混合物を含む様々な核酸に用いることができる。
【0025】
本発明のこの局面の特に好ましい態様において、セルロース粒子またはセルロースろ紙に結合している核酸はDNAであり、洗浄緩衝液を用いて洗浄され、DNAを粒子またはろ紙に結合させたまま、洗浄緩衝液によってセルロース粒子またはセルロースろ紙に結合している不純物が除去される。より好ましくは、セルロース粒子またはセルロースろ紙に結合しているDNAは、セルロース粒子またはセルロースろ紙に結合しているDNAを遊離させる溶出緩衝液を用いて溶出され、DNAが単離される。
【0026】
他の好ましい態様において、溶液中の核酸は、好ましくはヒト、植物、動物、ウイルス、または細菌起源の細胞から調製される溶解液である。したがって、1つの用途において、細胞は動物由来、好ましくはヒト由来である。別の用途において、細胞は植物由来である。別の用途において、細胞は細菌起源のものである。さらに別の用途において、細胞はウイルス起源のものである。
【0027】
非核酸物質(例えば、ペプチド、タンパク質、オリゴ等、リグナン、小分子天然物、および典型的に天然源の他の物質)から分離される核酸は、一般に、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%または95%、および最も好ましくは少なくとも99%またはそれ以上の純度で得られる。
【0028】
したがって、本方法は、特定の試料(例えば細胞溶解液)中の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%または95%、および最も好ましくは少なくとも99%またはそれ以上の非核酸物質を除去するのに適している。
【0029】
本発明のさらに別の局面においては、本明細書内でセルロース誘導体と呼ぶ、アガロース、セファロース(登録商標)、スーパーデックス(Superdex)、スーパーロース(Superose)、セファクリル(登録商標)、およびデキストランのような、隣接水酸基を有するポリマーおよび多糖類を使用する。したがって、本発明は下記の段階を含む、核酸をセルロース誘導体に結合させる方法を提供する:
a) セルロース誘導体を核酸を含む溶液と混合し、それにより組み合わせを生成する段階;
b) 組み合わせの塩およびポリアルキレングリコールの濃度を、核酸がセルロース誘導体に結合するのに適した濃度に調整し、それにより溶液中のすべてまたは一部の核酸がセルロース誘導体に結合する段階。
【0030】
この場合もやはり、好ましい成分およびそれらの濃度範囲は、基本的に上記と同様である。セルロース誘導体は、一つの態様群において、アガロース、セファロース(登録商標)、スーパーデックス、スーパーロース、セファクリル(登録商標)、およびデキストラン、ならびにそれらの混合物のような、隣接水酸基を有するポリマーから選択される。さらに、本発明の他の方法のみならずこの方法も同様に、例えば、DNA、RNA、PNA、またはそれらの組み合わせの精製において広範な用途が見出される。
【0031】
関連する方法において、本発明は下記の段階を含む、非核酸物質から核酸を分離する方法を提供する:
a) セルロース誘導体を核酸および非核酸物質を含む溶液と混合し、第一の組み合わせを生成する段階;
b) 第一の組み合わせの塩およびポリアルキレングリコールの濃度を、核酸がセルロース誘導体に結合するのに適した濃度に調整し、セルロース誘導体に結合している核酸を含む第二の組み合わせを生成する段階;
c) 第二の組み合わせからセルロース誘導体に結合している核酸を分離する段階;
d) c)で分離したセルロース誘導体に結合している核酸を溶出緩衝液と接触させ、結合している核酸をセルロース誘導体から溶出緩衝液中に遊離させる段階;
e) 溶出緩衝液からセルロース誘導体を分離し、実質的に非核酸物質を含まない核酸を提供する段階。
【0032】
本発明のこの局面についての好ましい態様は、セルロースの使用について上記した態様である。
【0033】
また上記のように、セルロース誘導体は、一つの態様群において、アガロース、セファロース(登録商標)、スーパーデックス、スーパーロース、セファクリル(登録商標)、およびデキストラン、ならびにそれらの混合物のような、隣接水酸基を有するポリマーから選択される。
【0034】
これから本発明を以下の実施例により説明するが、これらは決して制限的なものではない。
【0035】
実施例
一般方法論
以下の実施例において使用するセルロース粒子は、Sigma(ミズーリ州セントルイス)(カタログ番号:C-6288)またはWhatman Inc.(ニュージャージー州クリフトン)(カタログ番号:4021050)のセルロース粉末である。セルロースろ紙(No.3)はWhatman Inc.(ニュージャージー州クリフトン)から購入し、直径約13ミリメートルの円形に切断した。セファデックス(登録商標)G-25は、Pharmacia(ニュージャージー州ピスカタウェイ)(カタログ番号:17-0033-01)のものである。
【0036】
セルロース粒子、セルロースろ紙、およびセファデックス(登録商標)を、使用する前に、0.02%アジ化ナトリウムを含む分子等級脱イオン水を用いて洗浄した。セルロース粒子およびセファデックス(登録商標)粒子は、50 mg/mlの濃度で同じ緩衝液中に保存した。アガロースゲル電気泳動は、Invitrogen(カリフォルニア州カールスバッド)のE-ゲルシステム(0.8% アガロースゲル)を用いて泳動した。参照方法としては、Qiagen(カリフォルニア州バレンシア)のQIAamp DNAミニキットを使用した。
【0037】
実施例1
セルロース粒子を用いたDNA単離
対照として使用したウシ胸腺DNA標品(Sigma、ミズーリ州、カタログ番号:D1501)は、可逆的にセルロース粒子に結合させた。セルロース粒子に結合しているDNAを、不必要な物質から分離し洗浄した。次に、粒子からDNAを溶出した。以下の手順を用いた:
1. 50μg(STE緩衝液(100 mMトリス-HCl、pH8.0、1 mM EDTA、500 mM塩化ナトリウム)中の1 mg/ml DNA溶液50μl)を含む2 ml微量遠心チューブに、500μlの結合緩衝液(10% PEG 8000 MW、1.25M NaCl)および1 mgのセルロール粒子(50 mg/ml懸濁液20μl)を添加する。
2. 回転(end-over-end )ローテータを用いて、チューブの内容物を室温で10分間混合する。
3. 微量遠心機を用いて、セルロース粒子に結合しているDNAを沈降させる。
4. 1 mlの洗浄緩衝液(10% PEG分子量8000、2.5M NaCl)を用いて粒子を洗浄する。洗浄段階をもう一度繰り返す。
5. 200〜500μlの溶出緩衝液(分子等級脱イオン水またはTE緩衝液(10 mMトリス-HCl、pH8.0、1 mM EDTA)を加えて10分間混合し、上記のように粒子を沈降させることにより、粒子からDNAを溶出する。精製したDNAは上清中に回収され、さらなる解析ができる状態になっている。
【0038】
結果を表1に要約する。セルロース粒子を用いて処理した後のDNAの全収率は>90%であり、一度目の溶出では投入したDNAの≧80%が回収される。さらに、260/280値が高い(1.8〜1.96)ことから、単離されたDNAが高品質であり高純度であることが示される。
【0039】
実施例2
セルロース粒子を用いた全血からのDNAの単離
ヒト全血試料由来のDNAは、プロテイナーゼKおよび特別に調合した溶解緩衝液を用いて遊離させた。次に、結合緩衝液の存在下で、DNAをセルロース粒子に結合させた。続いて、セルロース粒子に結合しているDNAを、他の混入物から分離し洗浄した。粒子からDNAを溶出した。以下の手順を用いた:
1. 2ml微量遠心チューブに、10 mMトリス-HCl、1mM 塩化カルシウム、50%グリセロール、pH 7.5中のプロテイナーゼK溶液20μl(400μg)をピペットで移す。
2. 200μlの全血(ヘパリン処理、クエン酸処理、またはEDTA処理済)を添加する。
3. 200μlの溶解緩衝液(50 mMトリス-HCl、50 mM EDTA、6MグアニジンHCl、6M尿素、10 mM塩化カルシウム、10%ツィーン20)を添加する。
4. 15秒間瞬間ボルテックスすることにより、チューブの内容物を混合する。
5. チューブの内容物を、56℃で10分間インキュベートする。
6. 56℃からチューブを取り出し、500μlの結合緩衝液(10% PEG 8000 MW、1.25M NaCl)を添加した後、よく混合したセルロース粒子懸濁液20μl(1 mg)を添加する。
7. 回転ローテータで混合しながら、チューブの内容物を室温で10分間インキュベートする。
8. 微量遠心機を用いて、セルロース粒子に結合しているDNAを沈降させる。
9. 上清を吸引し、1 mlの洗浄緩衝液(10% PEG 8000 MW、2.5M NaCl)を添加してよく混合し上清を吸引することにより粒子を洗浄する。洗浄段階をもう一度繰り返す。
10. 200〜500μlの溶出緩衝液(10 mMトリス-HCl、pH8.0、1 mM EDTA)または分子等級脱イオン水を加え、上記の段階7のように混合する。
11. 微量遠心機を用いて粒子を沈降させ、精製されたDNAを含む上清を慎重に収集する。
12. その時点で、精製したDNAはさらなる解析ができる状態になっている。
【0040】
本発明の方法によって全血試料から単離されたDNAのアガロースゲル電気泳動から、単一の分解されていない高分子量のDNAバンドが示された(図1)。
【0041】
実施例3
マイクロチューブ内におけるセルロースろ紙を用いたDNAの単離
特別に調合した結合緩衝液中で、DNAを捕獲するためのマトリックスとして、1層の円形のワットマンろ紙(Whatman Filter Paper)を用いた。洗浄緩衝液を用いて捕獲されたDNAを洗浄して不必要な物質を除去し、次にろ紙から精製DNAを溶出した。以下の手順を用いた:
1. セルロースろ紙から1枚の均一な円形(直径13 mm)の層を切り取り、2 ml微量遠心チューブ内にセットする。
2. まず2 mlの分子等級脱イオン水でろ紙を洗浄し、その後2 mlの結合緩衝液(10% PEG 8000 MW、1.25M NaCl)で洗浄する。
3. チューブに結合緩衝液500μlを添加し、その後STE緩衝液(100 mMトリス-HCl、pH8.0、1 mM EDTA、500 mM NaCl)中の1 mg/mlウシ胸腺DNA溶液50μlを添加する。
4. 回転ローテータで混合しながら、チューブを室温で10分間インキュベートする。
5. ろ紙を含むマイクロチューブから溶液(液体)を吸引し、それぞれ1 mlの洗浄緩衝液(10% PEG 8000 MW、2.5M NaCl)を用いてろ紙を2回洗浄する。
6. 200〜500μlの溶出緩衝液(10 mMトリス-HCl、pH8.0、1 mM EDTA)または分子等級脱イオン水を添加する。上記の段階4のように、10分間混合する。
7. 精製されたDNA(溶出緩衝液中)を、ろ紙を含むマイクロチューブからきれいなチューブに慎重に移す。DNAはさらなる処理ができる状態になっている。
【0042】
結果を表2に示す。用いた条件下で、投入したDNAの約25%が回収された。以下の実施例4に示すように、ろ紙層の枚数を増やすことによりDNA回収率が上昇する。
【0043】
実施例4
カラム内におけるセルロースろ紙を用いたDNAの単離
特別に調合した結合緩衝液中で、DNAを捕獲するためのカラム内のマトリックスとして、1層または3層の円形のセルロースろ紙を用いた。洗浄緩衝液を用いて捕獲されたDNAを洗浄して不必要な物質を除去し、次にカラムから精製DNAを溶出した。以下の手順を用いた:
1. 上記の実施例3のようにセルロースろ紙から均一な円形の層を切り取り、カラム(0.5×10 cm)の底に1層または3層をセットした。
2. カラム内のろ紙を2 mlの分子等級脱イオン水で洗浄し、その後2 mlの結合緩衝液(10% PEG 8000 MW、1.25M NaCl)で洗浄する。各洗浄とも、単に重力によりカラムから液体が排出されるようにする。
3. カラムに結合緩衝液500μlを添加し、その後STE緩衝液(100 mMトリス-HCl、pH8.0、1 mM EDTA、500 mM NaCl)中の1 mg/mlウシ胸腺DNA溶液50μlを添加する。
4. 重力によりカラムから液体を排出させる。
5. それぞれ500μlの洗浄緩衝液(10% PEG 8000 MW、2.5M NaCl)を用いて、カラム中のろ紙を2回洗浄する。
6. 200〜500μlの溶出緩衝液(10 mMトリス-HCl、pH8.0、1 mM EDTA)または分子等級脱イオン水を添加する。精製DNAを収集するが、このDNAはさらなる処理ができる状態になっている。
【0044】
結果を表2に示す。1層のろ紙を用いた場合、投入したDNAの〜75%が回収された。層の枚数を3枚に増やすことにより、DNAの回収率は100%に上昇した。注釈:洗浄段階を容易にするために、真空ポンプを用いてもよい。
【0045】
実施例5
マイクロチューブ内におけるセファデックス(登録商標)G-25を用いたDNAの単離
特別に調合した結合緩衝液中で、DNAを捕獲するためのマトリックスとして、セファデックス(登録商標)G-25を用いた。洗浄緩衝液を用いて捕獲されたDNAを洗浄して不必要な物質を除去し、次にカラムから精製DNAを溶出した。以下の手順を用いた:
1. 0.02%アジ化ナトリウムを含む分子等級水中の、セファデックス(登録商標)G-25の50 mg/ml懸濁液を調製する。
2. 1 mg(20μl)、5 mg(100μl)、および10 mg(200μl)のセファデックス(登録商標)G-25懸濁液を、3本の個々の微量遠心チューブにピペットで移す。
3. 500μlの結合緩衝液(10% PEG 8000 MW、1.25M NaCl)を添する。
4. STE緩衝液(100 mMトリス-HCl、pH8.0、1 mM EDTA、500 mM NaCl)中の1 mg/mlウシ胸腺DNA溶液50μlを添加する。
5. 回転ローテータで混合しながら、室温で10分間インキュベートする。
6. それぞれ1 mlの洗浄緩衝液(10% PEG 8000 MW、2.5M NaCl)を用いて、セファデックス(登録商標)粒子を2回洗浄する。微量遠心機を用いて粒子を沈降させ、上清を吸引する。
7. 200〜500μlの溶出緩衝液(10 mMトリス-HCl、pH8.0、1 mM EDTA)または分子等級脱イオン水を添加する。
8. 上記の段階5のように、室温で10分間インキュベートする。
9. 微量遠心機を用いて、粒子を沈降させる。
10. 精製されたDNAを含む上清をきれいなマイクロチューブに慎重に移す。DNAはさらなる処理ができる状態になっている。
【0046】
表3に示す結果は、同じ条件下でセルロース粒子を用いて得られた結果と矛盾しない。
【0047】
実施例6
カラム内におけるセファデックス(登録商標)G-25を用いたDNAの単離
特別に調合した結合緩衝液中で、DNAを捕獲するためのマトリックスとして、カラム内に充填されたセファデックス(登録商標)G-25用いた。洗浄緩衝液を用いて捕獲されたDNAを洗浄して不必要な物質を除去し、次にカラムから精製DNAを溶出した。以下の手順を用いた:
1. 0.02%アジ化ナトリウムを含む分子等級水中の、セファデックス(登録商標)G-25の50 mg/ml懸濁液を調製する。
2. 2本の個々のカラム(0.5×10 cm)に、1 mg(20μl)または5 mg(100μl)のセファデックス(登録商標)G-25懸濁液を充填する。
3. 500μlの結合緩衝液(10% PEG 8000 MW、1.25M NaCl)を添する。
4. STE緩衝液(100 mMトリス-HCl、pH8.0、1 mM EDTA、500 mM NaCl)中の1 mg/mlウシ胸腺DNA溶液50μlを添加する。
5. 室温で10分間インキュベートする。
6. 重力によりカラムから液体を排出させる。
7. それぞれ1 mlの洗浄緩衝液(10% PEG 8000 MW、2.5M NaCl)を用いて、カラム中のセファデックス(登録商標)粒子を2回洗浄する。
8. 200〜500μlの溶出緩衝液(10 mMトリス-HCl、pH8.0、1 mM EDTA)または分子等級脱イオン水を添加する。
9. 精製DNAをきれいなチューブに収集する。
10. DNAはさらなる処理ができる状態になっている。
【0048】
表4に示す結果により、カラム中のセファデックス(登録商標)G-25の量を増やすことによりDNAの収率が上昇することが示される。
【0049】
(表1)セルロース粒子からのウシ胸腺DNAの回収

【0050】
(表2)ろ紙からのウシ胸腺DNAの回収(マイクロチューブ内の1層 対 カラム内の1層または3層)


マイクロチューブ内のろ紙1層 カラム内のろ紙1層 カラム内のろ紙3層
【0051】
(表3)セファデックス(登録商標)G-25 対 セルロース粒子からのウシ胸腺DNAの回収

【0052】
(表4)カラムに充填されたセファデックス(登録商標)G-25からのウシ胸腺DNAの回収

【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施例2に記載する全血から単離されたDNAのアガロースゲル電気泳動を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の段階を含む、核酸をセルロースに結合させる方法:
a) セルロースを核酸を含む溶液と混合し、それにより組み合わせを生成する段階;および
b) 組み合わせの塩およびポリアルキレングリコールの濃度を、核酸がセルロースに結合するのに適した濃度に調整し、それにより溶液中のすべてまたは一部の核酸がセルロースに結合させる段階。
【請求項2】
核酸がDNAであり、かつポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ポリエチレングリコールが約1000〜約8000の分子量を有し、かつ塩が塩化ナトリウムである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
ポリエチレングリコールが約6000〜約8000の分子量を有し、かつ塩が塩化ナトリウムである、請求項2記載の方法。
【請求項5】
ポリエチレングリコール濃度が5%〜15%に調整され、かつ塩化ナトリウム濃度が0.25M〜5.0Mの間に調製される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
核酸がRNAであり、かつポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
セルロースが粒子の形態である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
下記の段階を含む、核酸溶液中の非核酸物質から核酸を分離する方法:
a) セルロースを核酸および非核酸物質を含む溶液と混合し、第一の組み合わせを生成する段階;
b) 第一の組み合わせの塩およびポリエチレングリコール濃度を、溶液中の核酸がセルロースに結合するのに適した濃度に調整し、セルロースに結合している核酸を含む第二の組み合わせを生成する段階;
c) 第二の組み合わせからセルロースに結合している核酸を分離する段階;
d) c)で分離したセルロースに結合している核酸を溶出緩衝液と接触させ、結合している核酸をセルロースから溶出緩衝液中に遊離させる段階; ならびに
e) 溶出緩衝液からセルロースを分離し、実質的に非核酸物質を含まない核酸を提供する段階。
【請求項9】
段階c)およびe)におけるセルロース粒子の分離が遠心機を用いて行われる、請求項8記載の方法。
【請求項10】
段階c)およびe)におけるセルロース粒子の分離がカラムを用いて行われる、請求項8記載の方法。
【請求項11】
セルロース粒子に結合している核酸がDNAであり洗浄緩衝液を用いて洗浄され、DNAをセルロース粒子に結合させたまま、洗浄緩衝液によってセルロース粒子に結合している不純物が除去される、請求項8記載の方法。
【請求項12】
セルロース粒子に結合しているDNAが、セルロース粒子に結合しているDNAを遊離させる溶出緩衝液を用いて溶出される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
溶出緩衝液によって遊離されるDNAが単離される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
ポリエチレングリコールが約1000〜約8000の分子量を有し、かつ塩が塩化ナトリウムである、請求項8記載の方法。
【請求項15】
ポリエチレングリコールが約6000〜約8000の分子量を有し、かつ塩が塩化ナトリウムである、請求項8記載の方法。
【請求項16】
ポリエチレングリコール濃度が5%〜15%であり、かつ塩化ナトリウム濃度が0.25M〜5.0Mの間である、請求項14記載の方法。
【請求項17】
核酸および非核酸物質が細胞溶解液から得られる、請求項8記載の方法。
【請求項18】
溶解液がヒト、動物、植物、ウイルス、または細菌起源の細胞から調製される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
様々な供給源から核酸を単離するのに適した濃度のセルロースおよび試薬を含む、核酸を単離および精製するためのキット。
【請求項20】
下記の段階を含む、核酸をセルロースろ紙に結合させる方法:
a) セルロースろ紙を核酸を含む溶液と混合し、それにより組み合わせを生成する段階;ならびに
b) 組み合わせの塩およびポリアルキレングリコールの濃度を、核酸がセルロースろ紙に結合するのに適した濃度に調整し、それにより溶液中のすべてまたは一部の核酸をセルロースろ紙に結合させる段階。
【請求項21】
セルローろ紙が様々な厚さおよびそれらの組み合わせからなる群からのものである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
核酸がDNAであり、かつポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールである、請求項20記載の方法。
【請求項23】
核酸がRNAであり、かつポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールである、請求項20記載の方法。
【請求項24】
ポリエチレングリコールが約1000〜約8000の平均分子量を有し、かつ塩が塩化ナトリウムである、請求項22記載の方法。
【請求項25】
ポリエチレングリコールが約6000〜約8000の平均分子量を有し、かつ塩が塩化ナトリウムである、請求項22記載の方法。
【請求項26】
ポリエチレングリコール濃度が5%〜15%に調整され、かつ塩化ナトリウム濃度が0.25M〜5.0Mの間に調製される、請求項24記載の方法。
【請求項27】
下記の段階を含む、非核酸物質から核酸を分離する方法:
a) セルロースろ紙を核酸および非核酸物質を含む溶液と混合し、第一の組み合わせを提供する段階;
b) 第一の組み合わせの塩およびポリエチレングリコールの濃度を、核酸がセルロースろ紙に結合するのに適した濃度に調整し、セルロースろ紙に結合している核酸を含む第二の組み合わせを生成する段階;
c) 第二の組み合わせからセルロースろ紙に結合している核酸を分離する段階;
d) c)で分離したセルロースろ紙に結合している核酸を溶出緩衝液と接触させ、結合している核酸をセルロースろ紙から溶出緩衝液中に遊離させる段階; ならびに
e) 溶出緩衝液からセルロースろ紙を分離し、実質的に非核酸物質を含まない核酸を提供する段階。
【請求項28】
段階c)およびe)におけるセルロースろ紙の分離が手動でまたは遠心機を用いて行われる、請求項27記載の方法。
【請求項29】
段階c)およびe)におけるセルロースろ紙の分離がろ紙をカラムに配置することによって行われる、請求項27記載の方法。
【請求項30】
セルロースろ紙に結合している核酸が洗浄緩衝液を用いて洗浄され、核酸をセルロースろ紙に結合させたまま、洗浄緩衝液によってセルロースろ紙に結合している不純物が除去される、請求項27記載の方法。
【請求項31】
セルロースろ紙に結合している核酸がDNAであり、セルロースろ紙に結合しているDNAを遊離させる溶出緩衝液を用いて溶出される、請求項30記載の方法。
【請求項32】
溶出緩衝液によって遊離されるDNAが単離される、請求項31記載の方法。
【請求項33】
ポリエチレングリコールが約1000〜約8000の平均分子量を有し、かつ塩が塩化ナトリウムである、請求項27記載の方法。
【請求項34】
ポリエチレングリコールが約6000〜約8000の平均分子量を有し、かつ塩が塩化ナトリウムである、請求項27記載の方法。
【請求項35】
ポリエチレングリコール濃度が約5%〜15%であり、かつ塩濃度が0.25M〜5.0Mの間である、請求項33記載の方法。
【請求項36】
核酸および非核酸物質が細胞溶解液から得られる、請求項27記載の方法。
【請求項37】
溶解液がヒト、動物、植物、ウイルス、または細菌起源の細胞から調製される、請求項36記載の方法。
【請求項38】
様々な供給源から核酸を単離するのに適した濃度のセルロースろ紙および試薬を含む、核酸を単離および精製するためのキット。
【請求項39】
核酸がセルロースに結合するのに十分な濃度で塩およびポリアルキレングリコールを含む混合液中でセルロースと核酸とを混合する段階を含む、核酸をセルロースに結合させる方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−131264(P2009−131264A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324369(P2008−324369)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【分割の表示】特願2003−542893(P2003−542893)の分割
【原出願日】平成14年9月12日(2002.9.12)
【出願人】(500430084)プロメガ・コーポレーション (18)
【Fターム(参考)】