説明

核酸を検出、増幅および/また単離するための組成物および方法

本発明は、試料中の1つ以上の標的核酸配列を検出、増幅、および/または単離するための組成物、方法、およびキットを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連する出願データ]
本出願は、2005年7月1日出願の米国仮特許出願第60/695、407号および2005年8月4日出願の米国仮特許出願第60/705、167号に基づき優先権を主張する。
【0002】
[技術分野]
本発明は、一般に分子生物学の分野に関する。
【0003】
本発明のある実施形態は、試料中の標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物、方法およびキットを提供する。
【背景技術】
【0004】
デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)のような核酸は、共有結合したヌクレオチドサブユニットで構成される大きな高分子である。核酸は、動物および植物のような全ての多細胞生物、酵母および細菌のような単細胞生物およびウイルスのような細胞寄生体を含む全ての生物学的有機体の遺伝子設計図をコード化し、世代から世代へ伝達する。核酸配列分析は、生物の表現型形質ならびに所与の形質の基礎となる生化学的プロセスのどちらも理解する上で助けとして利用することができる。従って、特定核酸配列の検出、増幅、単離および配列決定は、多くの正常または病的生物学プロセスへの洞察を得る上での第1歩となる。
【0005】
核酸配列を検出するのに適した種々の技術が記載されている(例えば、Lodis ら, 2000, Molecular Cell Biology. 4th ed. New York: W.H. Freeman & Coを参照)。標的核酸配列を増幅する実験技術は、当業者に、標的配列を用いた多くの様々な業績を成し遂げることを可能にした。これらの業績には、試料中の少量の標的配列を検出する、標的配列を配列決定する、ならびに十分な量の標的配列を得て、クローン技術を介して種々の核酸配列を結合することを容易にしたことも含まれる。
【0006】
ポリメラーゼ鎖反応(PCR)は、核酸配列を増幅するために使用することができる。例えば、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、および第4,800,159号を参照のこと。PCRが有効であるとしても、この方法に短所がないというわけではない。PCRで使用される各試薬は、通常、試薬および試料DNA配列をエアロゾル化し得る多数のピペット操作工程を必要とする反応を実行する直前に、混合される。標的核酸分子の指数関数的増幅により、PCRは感受性が高い。ほんの少量の汚染DNAが、誤った正信号を出すことにより、増幅後に得られた結果を損ない得る。PCR反応を準備する過程において、取り扱われる各反応チューブが多ければ多いほど、汚染されたピペット先端または汚染されたPCR試薬溶液のいずれかを介して、このような汚染DNAが反応チューブ内に導入される可能性が多くなる。
【0007】
従って、試料中の標的核酸配列を増幅、検出する便利な方法を提供する一方で、ピペット操作ミスおよび異質DNAで汚染されたPCR試薬から生じる人的ミスの影響を最小限にする必要がある。また、温度のような広範囲な物理的条件にわたって安定なPCR試薬を提供する必要もある。広い温度範囲にわたって試薬が安定的であれば、試薬を比較的容易に出荷および貯蔵することができ、かつ、より経済的なPCRの活用法を提供することができる。また、増幅後、標的核酸を単離する方法をより早く、より集中的労力の少ないものにする必要もある。ある実施形態において、本発明はこれらの必要性を実現している。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、試料中の標的核酸配列またはその相補体を除き、単一容器内でのPCR反応に必要な全ての試薬を含有する単一製剤を提供することで、試料中の標的核酸配列の増幅、検出および/または単離に用いることができる組成物を含む。本発明の組成物は、また、増幅後にPCR産物が付着することができる固体支持体も含んでいる。固体支持体は、PCR産物の急速単離および検出を促進することができる。本発明は、試料標的核酸配列を除く、単一容器中でのPCR配列反応に必要な全ての試薬を含有する単一製剤を提供することにより、試料中の標的核酸配列の配列決定に用いることができる組成物を含む。本発明はまた、標的核酸配列を検出、増幅および/または単離し、それによって組成物の安定性および貯蔵寿命を高めるために用いることができる乾燥組成物も含む。本発明はまた、試料中の標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法、試料中の標的核酸配列を配列決定する方法、および本発明の組成物の製造方法も含む。さらに、本発明は、試料中の標的核酸配列を検出、増幅、単離および/または配列決定するのに有用なキット類を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)標的核酸配列の第1部分とハイブリダイズすることが可能な第1オリゴヌクレオチド、
(i)標的核酸配列の第2部分に相補性の核酸配列とハイブリダイズすることが可能な第2オリゴヌクレオチド、および
(j)少なくとも1つの固体支持体に結合され、
(1)標的核酸配列、または
(2)標的核酸配列に相補性の核酸配列の第3部分とハイブリダイズすることが可能な第3オリゴヌクレオチドを含み、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、(h)第1オリゴヌクレオチドおよび(i)第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とする標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を提供する。
【0010】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)1組の結合バートナーの第1メンバーにより修飾された少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)標的核酸配列の第1部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能である第1オリゴヌクレオチド、および
(i)標的核酸配列の第2部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であり、かつ、1組の結合バートナーの第2メンバーを含む第2オリゴヌクレオチドを含み、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とする
標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を提供する。
【0011】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)リンカー物質に結合することが可能な少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)標的核酸配列の第1部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能な第1オリゴヌクレオチド、および
(i)標的核酸配列の第2部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であり、かつ、リンカー物質を含む第2オリゴヌクレオチドを含み、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、標的核酸配列が増幅されるまで、第2オリゴヌクレオチドが固体支持体に結合されないこと、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とする
標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を提供する。
【0012】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)Nの不連続領域を含む少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)i番目第1オリゴヌクレオチドがi番目標的核酸配列の第1部分とハイブリダイズすることが可能であるNの第1オリゴヌクレオチド、
(i)i番目第2オリゴヌクレオチドが、i番目標的核酸配列の第2部分に相補性の核酸配列とハイブリダイズすることが可能であるNの第2オリゴヌクレオチド、および
(j)i番目第3オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの固体支持体上のi番目不連続領域に結合されており、
(1)i番目標的核酸配列、または
(2)i番目標的核酸配列に相補性の核酸配列
の第3部分とハイブリダイズすることが可能であるNの第3オリゴヌクレオチド
を含み、
Nが1または1よりも大きい整数であること、i番目が1およびNの両方を含む1とNとの間の全ての整数を順番に表し、かつ、組成物の標的核酸特異的要素を示すのに用いられること、(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、(h)i番目第1オリゴヌクレオチドおよび(i)i番目第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とする
Nの標的核酸配列を検出、増幅、および/または単離するための組成物を提供する。
【0013】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)i番目不連続領域が1組の結合バートナーのi番目第1メンバーにより修飾されているNの不連続領域を含む少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)i番目第1オリゴヌクレオチドがi番目標的核酸配列の第1部分またはi番目標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であるNの第1オリゴヌクレオチド、および
(i)i番目第2オリゴヌクレオチドが番目標的核酸配列の第2部分またはi番目標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であり、かつ、1組の結合バートナーのi番目第2メンバーを含むNの第2オリゴヌクレオチド
を含み、
Nが1または1よりも大きい整数であること、i番目が1およびNの両方を含む1とNとの間の全ての整数を順番に表し、かつ、組成物の標的核酸特異的要素を示すために用いられること、(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とするNの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を提供する。
【0014】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(1)以下の:
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)標的核酸配列の第1部分とハイブリダイズすることが可能な第1オリゴヌクレオチド、
(i)標的核酸配列の第2部分に相補性の核酸配列とハイブリダイズすることが可能な第2オリゴヌクレオチド、および
(j)少なくとも1つの固体支持体に結合され、
(1)標的核酸配列、または
(2)標的核酸配列に相補性の核酸配列
の第3部分とハイブリダイズすることが可能である第3オリゴヌクレオチドを得、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、(h)第1オリゴヌクレオチド、および(i)第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とすること、および
(2)容器内において(a)〜(j)を組み合わせ、それによって標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を形成すること
を含む、標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物の製造方法を提供する。
【0015】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(1)以下の:
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)1組の結合バートナーの第1メンバーにより修飾されている少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)標的核酸配列の第1部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能な第1オリゴヌクレオチド、および
(i)標的核酸配列の第2部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であり、1組の結合バートナーの第2メンバーを含む第2オリゴヌクレオチド
を得、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とすること、および
(2)容器内において(a)〜(i)を組み合わせ、それにより標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を形成すること
を含む、標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物の製造方法を提供する。
【0016】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(1)以下の各成分:
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)リンカー物質に結合することが可能な少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)標的核酸配列の第1部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能な第1オリゴヌクレオチド、および
(i)標的核酸配列の第2部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であり、リンカー物質を含む第2オリゴヌクレオチド、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、標的核酸配列が増幅されるまで、第2オリゴヌクレオチドが固体支持体に結合されないこと、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないこと特徴とすること、および
(2)単一容器中において(a)〜(i)を組み合わせ、それによって標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を形成すること
を含む、試料中の標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物の製造方法を提供する。
【0017】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(1)以下のもの:
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)Nの不連続領域を含む少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)i番目第1オリゴヌクレオチドが、i番目標的核酸配列の第1部分とハイブリダイズすることが可能なNの第1オリゴヌクレオチド、
(i)i番目第2オリゴヌクレオチドが、i番目標的核酸配列の第2部分に相補性の核酸配列とハイブリダイズすることが可能であり、かつ、(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、(h)i番目第1オリゴヌクレオチド、および(i)i番目第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されているNの第2オリゴヌクレオチド、および
(j)i番目第3オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの固体支持体上のi番目不連続領域に結合され、かつ
(1)i番目標的核酸配列、または
(2)i番目標的核酸配列に相補性の核酸配列
の第3部分とハイブリダイズすることが可能なNの第3オリゴヌクレオチドを得ること、
(2)i番目第3オリゴヌクレオチドを少なくとも1つの固体支持体上のi番目不連続領域に結合すること、および
(3)容器内において(a)〜(i)を組み合わせ、それによってNの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を形成することを含み、
Nが1または1よりも大きい整数であること、i番目が1およびNの両方を含む1とNとの間の全ての整数を順番に表し、かつ、組成物の標的核酸特異的要素を示すのに用いられること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とする
Nの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物の製造方法を提供する。
【0018】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(1)以下の:
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)i番目不連続領域が1組の結合バートナーのi番目第1メンバーにより修飾されている、Nの不連続領域を含む少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)i番目第1オリゴヌクレオチドが、i番目標的核酸配列の第1部分またはi番目標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能なNの第1オリゴヌクレオチド、および
(i)i番目第2オリゴヌクレオチドが、i番目標的核酸配列の第2部分またi番目標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であり、かつ、1組の結合バートナーのi番目第2メンバーを含むNの第2オリゴヌクレオチド
を得、
Nが1または1よりも大きい整数であること、i番目が1およびNの両方を含む1とNとの間の全ての整数を順番に表し、かつ、組成物の標的核酸特異的要素を示すのに用いられること、(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズされることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とすること、および
(2)容器内において(a)〜(i)を組み合わせ、それによってNの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を形成すること
を含む、Nの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物の製造方法を提供する。
【0019】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物をフリーズドライする工程を含み得る。ある実施形態において、本発明の方法は、標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を凍結乾燥する工程を含み得る。
【0020】
種々の実施形態において、本発明は、
(1)前述のとおりの方法により生成される標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための第1組成物を得る、
(2)標的核酸配列を含有する試料を第1組成物に付加して第2組成物を形成する、
(3)第2組成物を交互に加熱および冷却して標的核酸配列の多数の複製を製造する、
(4)任意に、工程(3)から標的核酸配列の多数の複製を単離する、および
(5)任意に標識を検出して、それによって試料中の標的核酸を検出する
工程を含む、標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法を提供する。
【0021】
ある実施形態において、標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法は、工程2〜5を実行する前に、工程(1)の組成物をフリーズドライまたは凍結乾燥する工程を含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(1)前述のとおりの方法により生成された標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための第1組成物を得る、
(2)標的核酸配列を含有する試料を第1組成物に付加して第2組成物を形成する、
(3)第2組成物を交互に加熱および冷却して標的核酸配列の多数の複製を製造する、
(4)第2オリゴヌクレオチドを固体支持体に結合する、
(5)任意に、工程(3)から標的核酸配列の多数の複製を単離する、および
(6)任意に標識を検出し、それによって試料中の標的核酸を検出する
工程を含む標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法を提供する。
【0023】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(1)前述のとおりの第1組成物を得る、
(2)Nの標的核酸配列を含有していてもよい試料を第1組成物に付加して第2組成物を形成する、
(3)第2組成物を交互に加熱および冷却して、試料中のNの標的核酸配列のそれぞれの多数の複製が作られるようにする、
(4)少なくとも1つの固体支持体上のNの不連続領域に多数の複製を結合させておく、および
(5)任意に標識を検出または単離し、それによって試料中のNの標的核酸配列を検出する
工程を含み、
Nが1または1よりも大きい整数であることを特徴とする
Nの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法を提供する。
【0024】
本発明はまた、本発明に係る標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための方法を実行するために用いることができるキットも提供することができる。
【0025】
上述の概略的説明および以下の詳細な説明は、例証的、かつ、説明するためのものであり、主張されているように本発明の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
ある実施形態において、本発明は、試料中の標的核酸配列を増幅または検出するための予備混合試薬を含む組成物を提供する。その他の実施形態において、本発明はまた、標的核酸配列を単離するための手段も提供する。本発明の組成物は、(1)各成分を別々に付加した時に生じる測定誤差による潜在的不正確さおよび(2)各成分溶液に何回もピペットの先端が導入されることで増大する異質核酸による成分汚染の危険を避けることができる。加えて、本発明の組成物は使用するのにより便利である。核酸配列を検出、増幅および/または単離するのに必要な全ての成分が、試料そのものを除いて、単一の容器内に収めることができる。
【0027】
本発明はまた、本発明の組成物の製造方法ならびに試料中の標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法も提供する。本発明の組成物は、試料中の標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するために有効なキットの一部であり得る。
【0028】
I.定義
用語「ハイブリダイズ」は、相補性のオリゴヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドの間の結合を指す。2つの分子がハイブリダイズすると、相補性の塩基対により、2つの分子の結合を形成する。オリゴヌクレオチドは、様々な環境下でオリゴヌクレオチドにまたはポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができる。例えば、オリゴヌクレオチドはPCR反応中に標的配列または標的配列の相補体にハイブリダイズすることができる。このような状況において、オリゴヌクレオチドは、標的配列増幅に使用される塩および温度条件下で標的核酸配列またはその相補体に「ハイブリダイズすることができる」。オリゴヌクレオチドの一部分もまた、オリゴヌクレオチドを固体支持体に結合させる過程において、第2オリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる。例えば、固体支持体は、オリゴヌクレオチドを10チミジン残基と共にその末端でハイブリダイゼーションを介して固体支持体に結合させることができる固体支持体に共有結合的に付着したポリAオリゴヌクレオチド10残基長を有し得る。この状況においては、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドを固体支持体に結合させるために用いられる塩および温度条件下で「ハイブリダイズすることが可能である」。オリゴヌクレオチドはまた、標的配列を捕獲または単離するために標的配列にハイブリダイズし得る。この状況においては、オリゴヌクレオチドは、標的核酸配列を捕獲または単離するために用いられる塩および温度条件下で「ハイブリダイズすることが可能である」。当業者は、捕獲オリゴヌクレオチドの長さ、オリゴヌクレオチドC/G含有量、およびハイブリダイゼーション反応の塩濃度から、標的配列を捕獲する適切なハイブリダイゼーション温度を容易に決定することができる。
【0029】
用語「相補性」は、塩基対を形成するヌクレオチドを指す。例えば、アデニンはチミジンに相補性であり、アデニンはウラシルに相補性であり、シトシンはグアニンに相補性である。二本鎖オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの各鎖は、各ヌクレオチド位置において各鎖からのヌクレオチドが塩基対を形成する場合、相補性である。用語「十分に相補性」は、正確に相補体でないが、一連のハイブリダイゼーション条件下で互いにハイブリダイズすることができる2つの配列を指す。例えば、一本の鎖が他方よりも長いこともあるが、ハイブリダイゼーションに帰着するのに十分な位置で塩基対の形を有する。別の例においては、2つの鎖が同じ長さで、各位置で塩基対を形成していない可能性があるが、ハイブリダイゼーションに帰着するための十分な塩基対が形成される。配列の長さを含む各因子、配列が有しているGおよびC残基の数、ハイブリダイゼーション反応の塩濃度、およびハイブリダイゼーション反応の温度により、どのくらいヌクレオチドの不適当な組み合わせが存在し得るかを決定することができ、それでも2つの十分に相補性の配列間でのハイブリダイゼーションに至る。適切なハイブリダイゼーション条件は、Dieffenbach, C. WおよびDvksler, G.S. (1995) PCR primer: a laboratory manual. CSHL press、コールド・スプリング・ハーバー、米国、or PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Innis, M.A.ら編、Academic Press, サンディエゴ、米国、1990年に例証されているように、当業者は最小限度の実験により選択することができる。例えば、十分に相補性の配列は、1.5mMMg2+および50mMNaの存在下で、60℃で互いにハイブリダイズすることができる。
【0030】
用語「プライマー」は、標的核酸配列にハイブリダイズし、相補性鎖の合成を可能にすることができるオリゴヌクレオチドを指す。用語「順方向プライマー」は、DNA分子の非コード鎖とハイブリダイズすることができるプライマーを指す。用語「逆方向プライマー」は、DNA分子のコード鎖とハイブリダイズできるプライマーを指す。
【0031】
用語「オリゴヌクレオチド」は、長さ100ヌクレオチド未満のヌクレオチドまたは核酸類似体を含む分子を指す。用語「捕獲オリゴヌクレオチド」は、増幅した標的核酸配列を固体支持体につなぐオリゴヌクレオチドを指す。用語「ポリA尾部」は、オリゴヌクレオチドの末端に付加された一連のアデニンヌクレオチドを指す。用語「ポリT尾部」は、オリゴヌクレオチドの末端に付加された一連のチミジンヌクレオチドを指す。用語「ポリAオリゴヌクレオチド」は、アデニン残基だけを含有するオリゴヌクレオチドを指す。用語「ポリTオリゴヌクレオチド」は、チミジン残基だけを含有するオリゴヌクレオチドを指す。次の各用語「ポリG尾部」、「ポリU尾部」、「ポリC尾部」、「ポリGオリゴヌクレオチド」、「ポリUオリゴヌクレオチド」および「ポリCオリゴヌクレオチド」も同じように定義される。
【0032】
用語「ポリヌクレオチド」は、長さ100ヌクレオチド以上のヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含む分子を指す。
【0033】
用語「標的核酸配列」または「標的配列」は、配列中で順序つけられた核酸または核酸類似体を含む化合物を指し、化合物は、試料中で検出、増幅または単離されるために探し出される。核酸が二本鎖である場合、標的核酸配列は鎖のどちらか1つであってもよい。
【0034】
用語「核酸」は、自然発生ヌクレオチドから単独で形成された骨格を持つヌクレオチド配列含有オリゴマーまたはポリマーを指す。用語「核酸類似体」は、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド、またはヌクレオチドおよび/または少なくとも1つヌクレオチド類似体の修飾から直接派生したサブユニットを含むオリゴマーまたはポリマーを意味する。
【0035】
用語「核酸類似体」は、また標的核酸配列または標的核酸配列相補体に結合することができる合成分子も指す。例えば、核酸類似体は、リボまたはデオキシリボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチド、および/またはヌクレオチド類似体で構成され得る。用語「ヌクレオチド類似体」は、天然ヌクレオチドまたは修飾されたヌクレオチドの位置で用いることが可能な合成部分を指す。
【0036】
用語「ヌクレオシド三リン酸」または「ヌクレオチド」は、共有結合的に3つのリン酸基に結合することが可能なリボースまたはデオキシリボースのような糖分子に共有結合的に結合することが可能なプリンまたはピリミジンのような窒素性塩基を指す。ヌクレオシド三リン酸は、リボヌクレオシドおよびデオキシリボヌクレオシド三リン酸の両方を含み得る。用語「修飾されたヌクレオチド」は、化学的に修飾されたヌクレオチドを指す。
【0037】
本明細書で用いられる用語「ポリメラーゼ」は、化学成分間の反応に触媒作用を及ぼしてより大きな分子を形成する酵素を指す。例えば、ポリメラーゼは、ヌクレオチドの重合に触媒作用を及ぼしてポリヌクレオチドを形成することができる。核酸ポリメラーゼは、各ヌクレオシド三リン酸間の反応に触媒作用を及ぼして、リン酸ジエステル結合により共に結合された直鎖状核酸分子を形成することができる。用語「処理能力」とは、酵素が鋳型基質複合体から離れる前に、ポリメラーゼが、増大する核酸鎖に付加することができるヌクレオチドの数を指す。
【0038】
用語「重合」とは、より小さいサブユニットを化学的に連結してより大きな分子を形成する過程を指す。例えば、ヌクレオチドの重合は、結果としてポリヌクレオチドを形成することができる。
【0039】
用語「緩衝剤」は、溶液中の自由水素イオンの濃度に対する変化を減少させることができ、それにより特定のpHまたはpH範囲を維持することができる試薬を指す。
【0040】
用語「凍結保護物質」は、乾燥物質の凍結、乾燥および/または再組成中に、生物学的活性分子または試薬の活性を防ぐことができる化合物または組成物を指す。用語「フリーズ−ドライ」は、真空で物質を急速凍結し、その後乾燥させることを指す。用語「凍結乾燥された」または「凍結乾燥」は、高真空で凍結することにより物質を乾燥させる、または減圧下で昇華により凍結した物質から水分を除去することを指す。用語「凍結乾燥する」および「フリーズドライ」は、本明細書全体を通して置き換え可能に用いられている。昇華は、固体が液相を経ずに蒸発する過程を指す。
【0041】
陽イオンは、核酸に関連する負電荷を中和する手段を与える。本発明における有効な陽イオンは、1価および2価の陽イオンであってもよい。用語「1価の陽イオン」は、正味正電荷1を伴うイオンを指す。用語「2価の陽イオン」は、正味正電荷2を伴うイオンを指す。
【0042】
用語「結合された」または「結合する」は、2つの部分間の対合を指す。例えば、ハイブリダイゼーションは、相補性オリゴヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドの対合を伴う結合形成であってもよい。
【0043】
用語「1組の結合バートナー」は、第2実体に結合することができる第1実体を指す。一般に、そのような複合体は比較的高い親和力および比較的低中間能力により特徴づけられる。非特定結合は中高能力を伴う低親和力を有している可能性がある。
【0044】
用語「固体支持体」は、標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能なオリゴヌクレオチドに結合されることが可能な任意の材料を指す。
【0045】
用語「標識」は、オリゴヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドに付着され、オリゴヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチド内に組み込まれる、および/またはヌクレオシド三リン酸に付着することができる部分、分子または分子の集まりを指し、部分、分子または分子の集まりはポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、またはヌクレオシド三リン酸を装置や方法を用いて検出することを可能にする。いくつかの実施形態において、標識は、直接的または間接的どちらでも検出可能信号を生成、修飾または調整することができる。
【0046】
用語「ECL部分」は、電気化学エネルギー源への暴露により、繰り返し電磁放射線を放射させることを誘発できる任意の化合物を指す。代表的なECL部分は、Electrogenerated Chemiluminescence, Bard, Editor Marcel Dekker, (2004); Knight, A and Greenway, G. Analyst 119: 879-890 1994;および、米国特許5,221,605; 5,591,581; 5,858,676; および 6,808,939に記載されている。
【0047】
本明細書で用いられる用語「ECL共反応化合物」は、それ自体によりまたはその1つまたは複数の電気化学的還元生成物または酸化生成物を介したいずれかにより、ECL反応配列において役割を担う化学化合物に属する。多くの場合、ECL共反応化合物は、ECLを生成するためのより簡単な方法(例えば、二段階酸化−還元サイクルの半分だけの使用)および/または改善されたECL強度の使用を可能にすることができる。
【0048】
用語「容器」は、DNA重合反応を実施するために適した入れ物を指す。
【0049】
用語「耐熱性」は、実質上高温に影響されない特性を指す。例えば、あるポリメラーゼは、そのポリメラーゼが、60℃で1時間経過後、その本来の活性の少なくとも50%を維持しているならば、耐熱性と見なすことができる。
【0050】
本明細書で用いられる用語「乾燥組成物」は、組成物が、組成物の全重量に比較して、5重量%以下の水分含有量を有していることを意味する。
【0051】
本明細書で用いられる用語「液体接触」は、乾燥組成物への液体の付加を指し、乾燥組成物の各成分が同一の液体と接触している状態である。いくつかの実施形態において、液体は水である。
【0052】
用語「磁気ビーズ」には、本文中で用いられているように、磁性、常磁性、および超常磁性ビーズが含まれる。
【0053】
用語「および/または」は、本文中で用いられているように、一連の選択肢のうち少なくとも1つを意味する。例えば、A、B、および/またはCは次のA、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、AおよびBおよびCのいずれかである。
【0054】
II.本発明の組成物
本発明は、試料中の標的核酸配列を増幅、検出および/または単離するための組成物に関する。これらの組成物は、試料標的核酸配列またはその相補体を除いて、単一製剤におけるPCR反応に必要なあらゆる試薬を提供することができる。いくつかの実施形態において、エンドユーザーは、標的核酸配列の増幅を開始する前に、組成物に標的核酸配列さらに、または水を付加するだけでよく、試料を調製するために必要なピペット操作の回数を最小限にすることによりテスト試料間の一貫性を最適化する。いくつかの実施形態において、本発明の組成物中に存在するオリゴヌクレオチドの少なくとも1つが多くの用途に役立つ。例えば、ただ1つのオリゴヌクレオチドは、PCR反応を刺激しおよび結果として得られたPCR産物を固体支持体に付着させることの両方を可能にする。多機能性プライマーの追加例が以下の節で論じられている。最終的に、本発明の組成物は凍結乾燥することが可能で、それにより組成物の安定性を向上させている。
【0055】
A.2つのオリゴヌクレオチドを含む組成物
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、2つのオリゴヌクレオチドを含み得る。これらの実施形態では、1つのオリゴヌクレオチドは、PCR反応を刺激し、そしてPCR産物を固体支持体に連結する2つの機能を果たす。いくつかの実施形態では、他のオリゴヌクレオチドは、PCR反応を刺激し、そしてPCR産物を標識する。いくつかの実施形態では、他のオリゴヌクレオチドは、一方の機能のみを果たし、そしてPCR反応を刺激する一方で、PCR産物に組み込まれるヌクレオチドは、PCR産物を標識する。
【0056】
オリゴヌクレオチドを、対1組の結合パートナーを介して固体支持体に連結させ得る。いくつかの実施形態では、本発明は、
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの一価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの二価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)一対組の結合パートナーの第1構成要素により修飾された少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護剤、
(h)標的核酸配列の第1部分、または標的核酸配列に相補的である配列にハイブリダイズする能力のあることが可能な第1のオリゴヌクレオチド、および
(i)標的核酸配列の第2部分、または標的核酸配列に相補的である配列にハイブリダイズすることが可能でありし、そして1組の結合パートナーの対の第2要素を含む能力のある第2のオリゴヌクレオチドを含み、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)第1のオリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、標識により修飾されていること、第1のオリゴヌクレオチドが、標的核酸配列にハイブリダイズする能力がすることが可能である場合に、そのときには第2のオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1のオリゴヌクレオチドが、標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能である場合に、そのときには第2のオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、そしておよび組成物が、標的核酸配列またはそれの相補体を含まないことを特徴とするものである標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を提供する。
【0057】
ある実施形態では、固体支持体は、一対組の結合パートナーの第1構成要素により修飾されたビーズを含み得る。ある実施形態では、ビーズは、磁性化可能な磁気ビーズであり得る。ある実施形態では、固体支持体は、対1組の結合パートナーの第1構成要素により修飾され得る磁性化可能な磁気ビーズを含み得る。ある実施形態では、固体支持体は、第1構成要素がオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含む対1組の結合パートナーの第1構成要素により修飾されたビーズを含み得る。ある実施形態では、固体支持体は、カルボキシル化磁性化ビーズを含み得る。
【0058】
ある実施形態では、第2のオリゴヌクレオチドは、対1組の結合パートナーの第2構成要素により修飾され得て、そして少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸または第1のオリゴヌクレオチドのいずれかが、少なくとも1つの電気化学的ルミネッセンス発光部分、すなわちECL成分により修飾され得る。対1組の結合パートナーは、第2のオリゴヌクレオチドおよび少なくとも1つの固体支持体の間の可逆性結合を可能にし得る。いくつかの実施形態では、対1組の結合パートナーの第1構成要素および第2構成要素の間の相互反応作用は、(1)第1および第2構成要素が、増幅反応の間に互いに安定的に結合しないように、DNAを増幅するために使用される温度で不安定であり、および(2)DNAを増幅するために使用される温度で、または未満で安定である。例えば、少数のアデニンおよびチミジン残基の間の結合は、温度感受性である。いくつかの実施形態では、固体支持体は、10、20、30、40または50個のチミジン残基長またはいずれかの中間の長さであるポリT尾部により修飾され得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプライマーは、10、20、30、40または50個のアデニン残基長またはいずれかの中間の長さであるそれの5’末端にポリA尾部を5’末端に有し得る。他の実施形態では、ポリA尾部は、固体支持体に連結され得て、そしてオリゴヌクレオチドプライマーは、それの5’末端にポリT尾部を有し得る。いくつかの実施形態では、ポリdAまたはポリdT尾部の融解温度(Tm)は、使用されるPCRプライマーのTmより低い少なくとも10℃低い可能性がある。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーは、ポリT尾部が50℃のTmを示し、そしてビーズの集合がプライマーポリT尾部と同じ長さであるポリA尾部を有し得るものであるポリT尾部を有し得る。増幅のために使用される温度が50℃より高いため、このプライマーおよびビーズは、PCRのような増幅反応の間に一緒に存在でき、そして増幅の間に、互いに連結しない。例えば、PCRサイクルは、融解のために95℃の、プライマー・ハイブリダイゼーションのために60℃の、そして重合のために72℃の温度を使用し得る。これらの温度の間、プライマーのポリT尾部およびビーズのポリA尾部は相互作用しない。しかし、いったん増幅が完了し、そしてサンプル試料が、50℃またはそれ未満以下に下がると、プライマーのポリT尾部とビーズのポリTA尾部は相互作用でき、それにより増幅配列をビーズに付着させ得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、第2のオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列に含まれない1本鎖の制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含み得る。固体支持体は、同じエンドヌクレアーゼ認識部位の十分に相補的な鎖を含むオリゴヌクレオチドにより修飾され得る。標的核酸配列の増幅の後、増幅標的の1つの鎖を、固体支持体に連結したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせ、それにより制限エンドヌレアーゼ切断部位を作り出し得る。いくつかの実施形態では、制限エンドヌレアーゼ切目切断を切断開裂して、増幅標的鎖の単離を可能にし得る。
【0060】
オリゴヌクレオチドは、リンカー物質を介しても固体支持体に連結され得る。このような実施形態では、連結オリゴヌクレオチドは、増幅が起こった後まで、固体支持体に連結されない。いくつかの実施形態では、本発明は、
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの一価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの二価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)リンカー物質に連結され得る少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護剤、
(h)標的核酸配列の第1部分、または標的核酸配列に相補的である配列にハイブリダイズする能力のあることが可能な第1のオリゴヌクレオチド、および
(i)標的核酸配列の第2部分、または標的核酸配列に相補的である配列にハイブリダイズすることが可能であり、そしてリンカー物質を含む能力のある第2のオリゴヌクレオチドを含み、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)第1のオリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、標識により修飾されていること、第2のオリゴヌクレオチドが、標的核酸配列が増幅されるまで固体支持体に連結されず、第1のオリゴヌクレオチドが、標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能である場合に、第2のオリゴヌクレオチドは、が標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1のオリゴヌクレオチドが、標的核酸配列の相補体にハイブリダイズする能力がすることが可能である場合に、第2のオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、そしておよび組成物が、標的核酸配列またはそれの相補体を含まないことを特徴とするものである標的核酸配列を検出、増幅、および/または単離するための組成物を提供する。
【0061】
いくつかの実施形態では、第2のオリゴヌクレオチドおよび固体支持体を、固体支持体に対する架橋を可能にする部分で修飾し得る。このような部分は、例えば、当業界当分野で知られる光活性化可能な架橋剤であり得る。ある実施形態では、固体支持体は、ビーズを含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、DNA重合反応は、PCR反応である。PCRでは、特定のDNA配列の十分に相補的な構成要素にハイブリダイズする2つのプライマーを使用することにより、ポリメラーゼによるDNA合成の開始を促進し得る。
【0063】
2つのオリゴヌクレオチドを使用するいくつかの実施形態では、第1のオリゴヌクレオチドを、ECL成分で修飾する。2つのオリゴヌクレオチドを使用するいくつかの実施形態では、三リン酸ヌクレオシドヌクレオシド三リン酸を、ECL成分で修飾し得る。
【0064】
さらに特定の例示の実施形態では、本発明は、
(a)Taqポリメラーゼ、
(b)5’−三リン酸デオキシシチジンデオキシシチジン5’−三リン酸(dCTP)、5’−三リン酸デオキシアデノシンデオキシアデノシン5’−三リン酸(dATP)、5’−三リン酸デオキシグアノシンデオキシグアノシン5’−三リン酸(dGTP)、5’−三リン酸デオキシチミジンデオキシチミジン5’−三リン酸(dTTP)、
(c)塩化カリウム、
(d)塩化マグネシウム、
(e)トリス−HCl、
(f)対1組の相補的オリゴヌクレオチドの第1構成要素に共有結合で共有結合的に連結される磁性化可能な磁気ビーズ、
(g)トレハロース、
(h)[Ru(bpy)2+または[Ru(スルホ−bpy)bpy]2+で標識され、そして標的核酸配列の第1部分にハイブリダイズすることが可能な第1のオリゴヌクレオチド、および
(i)標的核酸配列の第2部分に相補的である配列にハイブリダイズし、そして対1組の相補的オリゴヌクレオチドの第2の構成部材メンバーを含むことが可能な第2のオリゴヌクレオチドを含む乾燥組成物を提供する。
【0065】
ある実施形態では、本発明は、
(a)少なくとも1つの熱安定性耐熱性ポリメラーゼ、
(b)少なくとも4つの異なる三リン酸ヌクレオシドヌクレオシド三リン酸、
(c)一価の陽イオンを含む少なくとも1つの塩、
(d)二価の陽イオンを含む少なくとも1つの塩、
(e)8.1から〜8.5までのpH範囲で効果的な緩衝容量能力を示す、少なくとも1つの緩衝剤、
(f)対1組の結合パートナーの第1構成要素により修飾されたビーズを含む少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの二糖、
(h)標的核酸配列の第1部分に結合することが可能な第1のオリゴヌクレオチド、および
(i)標的核酸配列の第2部分に結合することが可能であり、そして対1組の結合パートナーの第2構成要素により修飾された第2のオリゴヌクレオチド
を含み、
(b)少なくとも4つの三リン酸ヌクレオシドヌクレオシド三リン酸および(h)第1のオリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、標識により修飾されていることを特徴とする乾燥組成物を提供する。
【0066】
ある実施形態では、本発明は、
(a)Taqポリメラーゼ、
(b)5’−三リン酸デオキシシチジンデオキシシチジン5’−三リン酸(dCTP)、5’−三リン酸デオキシアデノシンデオキシアデノシン5’−三リン酸(dATP)、5’−三リン酸デオキシグアノシンデオキシグアノシン5’−三リン酸(dGTP)、5’−三リン酸デオキシチミジンデオキシチミジン5’−三リン酸(dTTP)、
(c)塩化カリウム、
(d)塩化マグネシウム、
(e)トリス−HCl、
(f)対1組の結合パートナーの第1構成要素により修飾された磁性化可能な磁気ビーズ、
(g)トレハロース、
(h)標的核酸配列の第1部分に結合することが可能な第1のオリゴヌクレオチド、および
(i)標的核酸配列の第2部分に結合することが可能であり、そして対1組の結合パートナーの第2構成要素により修飾された第2のオリゴヌクレオチド
を含み、
(b)ヌクレオシド三リン酸および(h)第1のオリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、標識により修飾されている乾燥組成物を提供する。
【0067】
2つのオリゴヌクレオチドを使用した実施形態は、複数の標的核酸配列を検出、増幅、または単離するために修飾され得る。このような修飾は、後述する「マルチアレイ」区分の節で下でいっそう詳細に検討される。
【0068】
B.3つのオリゴヌクレオチドを含む組成物
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、プライマーとして作用する2つのものオリゴヌクレオチド、および第3のオリゴである3つのオリゴヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、第3のオリゴヌクレオチドを、PCR産物を固体支持体と連結させる。いくつかの実施形態では、第3のオリゴヌクレオチドを、共有結合を介して固体支持体と連結させる。いくつかの実施形態では、第3のオリゴヌクレオチドを、固体支持体と可逆的に結合させる。例えば、第3のオリゴヌクレオチドを、対1組の結合パートナーを介して固体支持体に連結させ得る。残りのオリゴヌクレオチドの両方がPCR反応を刺激する。いくつかの実施形態では、残りのオリゴヌクレオチドの内の1つも、PCR産物を標識する。いくつかの実施形態では、第3のオリゴヌクレオチドは、PCR産物を標識するが、その一方で、2つのプライマーオリゴヌクレオチドの内の一方はが、増幅産物を固体支持体に付着させる。いくつかの実施形態では、PCR産物に組み込まれるヌクレオチドは、PCR産物を標識する。
【0069】
いくつかの実施形態では、本発明は、
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの一価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの二価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護剤、
(h)標的核酸配列の第1部分とハイブリダイズすることが可能な第1のオリゴヌクレオチド、
(i)標的核酸配列の第2部分に相補的な核酸配列とハイブリダイズすることが可能な第2のオリゴヌクレオチド、および
(j)少なくとも1つの固体支持体に連結され、そして
(1)標的核酸配列、または
(2)標的核酸配列と相補的な核酸配列の第3部分とハイブリダイズすることが可能な第3のオリゴヌクレオチド
を含み、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、(h)第1のオリゴヌクレオチド、および(i)第2のオリゴヌクレオチドの内の少なくとも1つが、標識により修飾されておりること、そしておよび組成物が、標的核酸配列またはその相補体を含まないものであることを特徴とする標的核酸配列を検出、増幅、または単離するための組成物を提供する。
【0070】
いくつかの部分は、第3のオリゴヌクレオチドを、固体支持体と結合させるために使用され得る。いくつかの実施形態では、第3のオリゴヌクレオチドは、前述のとおり検討上述された結合パートナーのような対1組の結合パートナーを介して、固体支持体に連結され得る。例えば、いくつかの実施形態では、アビジン/ビオチン相互作用がPCR反応を通して安定なままである場合に、アビジンは、PCR反応を開始する前にビオチンと結合し得る。いくつかの実施形態では、固体支持体は、アビジンで被覆させ得る一方で、第3のオリゴヌクレオチドは、ビオチン化され得る。いくつかの実施形態では、固体支持体を、ストレプトアビジンで被覆し得る一方で、第3のオリゴヌクレオチドを、ビオチニル化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、固体支持体を、抗−DNP抗体で被覆し得る一方で、第3のオリゴヌクレオチドは、DNPを含み得る。いくつかの実施形態では、固体支持体を、抗フルオレセイン抗体で被覆し得る一方で、第3のオリゴヌクレオチドは、フルオレセインを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、例えば、5’末端でオリゴヌクレオチドを第1級アミンで合成すること、およびそれらのオリゴヌクレオチドを、カルボキシル化磁性化可能な磁気ビーズと反応させることによって、第3のオリゴヌクレオチドを、固体支持体に共有結合で共有結合的に結合させ得る。いくつかの実施形態では、第3のオリゴヌクレオチドを、カルボジイミド・カップリング(例えば、Katzら、1994年、J.Electroanal.Chem.367巻、59頁、Narvaezら、1997年、J.Electroanal.Chem. 430巻、227頁を参照)またはマレイミド反応(例えば、Martyら、2004年、CMLS Cellular and Molecular Life Sci. 61巻、1785頁)のような多様な周知の化学によって固体支持体の表面に共有結合で共有結合的に付着させ得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、第3のオリゴヌクレオチドを、切断可能な連結によって固体支持体に連結させ、従って、標的配列を含む複合体、第3のオリゴヌクレオチドおよび固体支持体が単離された後に、固体支持体から標的配列を分離する手段を提供し得る。第3のオリゴヌクレオチドおよび固体支持体の間の連結の切断が、酵素的、光分解性または化学的手段を使用して達成され得る。適切な化学的に切断可能な基の例は、それに限定されないが、ジアルコキシシラン、ジスルフィド、3’−(S)−ホスホロチオエート、5’−(S)−ホスホロチオエート、およびリボースであり得る。ジアルコキシシランは、フッ素イオンで切断され得る。ジスルフィド結合は、ジチオスレイトールのような還元剤で切断され得る。ホスホロチオエートヌクレオチド間連結は、中程度の酸化的条件下で選択的に切断され得る。リボース連結の選択的切断は、希釈水酸化アンモニウムでの処理によって達成され得る。適切な酵素切断可能部位は、グリコシラーゼまたはヌクレアーゼによって切断可能なヌクレオチドであり得る。DNAグリコシラーゼは、ウラシル−DNAグリコシラーゼであり得る。この方法では、ウラシルは、ポリヌクレオチドに合成的に組み込まれ、チミジンを置換し得る。ウラシルは、ウラシルDNAグリコシラーゼを用いた処理によって部位特異的に除去され得る。切断可能部位は、IIクラスのIIS制限酵素のような制限エンドヌレアーゼ切断可能部位でもあり得る。例としては、BpmI、BsgI、BseRI、BsmFI、およびFokI認識が挙げられる。第3のオリゴヌクレオチドの配列は、それが、標的配列中に存在する制限エンドヌレアーゼ部位を組み込むように選択され、そして増幅標的を第3のオリゴヌクレオチドに結合した後、続いて切断して、連結ポリヌクレオチドを放出し得る。これらおよび他の制限酵素部位の配列は、当業界当分野で示された。ニュー・イングランド・バイオラボズ(New England BioLabs)のカタログ(ニュー・イングランド・バイオラボズ、マサチューセッツ州バーバリー(Beverly,MA))を参照。
【0073】
第3のオリゴヌクレオチドも、オルソ−ニトロベンジル級の光切断可能なリンカーのような光切断可能なリンカーを使用して、固体支持体から切断し得る。光切断可能なリンカーは、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、およびFmoc−アミノエチルカルボン酸であり得る。
【0074】
習熟した技術者当業者は、第3のオリゴヌクレオチドが、例えば供給されるときに組成物中に存在し得る光活性化可能な架橋剤を使用してPCR反応を開始する前に末端使用者エンドユーザーが第3のオリゴヌクレオチドを少なくとも1つの固体支持体に連結させる限り、末端使用者エンドユーザーに到達する前には、少なくとも1つの固体支持体に連結される必要がないことが分かる。
【0075】
ある実施形態では、第3のオリゴヌクレオチドを、磁性化可能な磁気ビーズに連結し、標的核酸配列を単離および/または検出するための手段を提供し得る。複合体を磁界にかけることによって、磁性化可能な磁気ビーズに連結したオリゴヌクレオチドおよび標的配列を含む複合体を単離し得る。
【0076】
3つのオリゴヌクレオチドを使用するある実施形態では、第3のオリゴヌクレオチドは、少なくとも部分的に、第1のオリゴヌクレオチド、第2のオリゴヌクレオチドまたは第1および第2の両方のオリゴヌクレオチドに結合できる核酸配列と重複する核酸配列と結合し得る。
【0077】
3つのオリゴヌクレオチドを使用する実施形態は、複数の標的核酸配列を検出、増幅、または単離するように修飾され得る。このような修飾は、「マルチプル複数アレイ」区分の節で以下にさらに詳細に検討される。
【0078】
3つのオリゴヌクレオチドを使用するいくつかの実施形態では、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドの内の少なくとも1つを、ECL成分で修飾する。3つのオリゴヌクレオチドを使用するいくつかの実施形態では、ヌクレオシド三リン酸を、ECL成分で修飾する。
【0079】
ある実施形態では、第1および第2のオリゴヌクレオチドは、DNA重合反応でプライマーとして役割を果たし得る。いくつかの実施形態では、DNA重合反応は、PCR反応である。PCRでは、特定のDNA配列の十分に相補的な構成要素にハイブリダイズする2つのプライマーを使用でき、従って、ポリメラーゼによるDNA合成の開始を促進し得る。
【0080】
以下の実施形態は、特定の例の組成物の成分を含む組成物を提供する。例えば、Taqポリメラーゼのようなポリメラーゼ、塩化カリウムのような一価の陽イオン、塩化マグネシウムのような二価の陽イオン、連結物質リンカー物質としてのビオチンなどである。いくつかの実施形態では、本発明は、
(a)Taqポリメラーゼ、
(b)デオキシシチジン5’−三リン酸(dCTP)、デオキシアデノシン5’−三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン5’−三リン酸(dGTP)、デオキシチミジン5’−三リン酸(dTTP)、
(c)塩化カリウム、
(d)塩化マグネシウム、
(e)トリス−HCl、
(f)アビジンまたはストレプトアビジンで被覆された磁性化可能な磁気ビーズ、
(g)トレハロース、
(h)標的核酸配列の第1部分にハイブリダイズする能力がすることが可能であり、そして[Ru(bpy)2+または[Ru(スルホ−bpy)bpy]2+で標識された第1のオリゴヌクレオチド、
(i)標的核酸配列の第2部分に相補的である核酸配列とハイブリダイズする能力のあることが可能な第2のオリゴヌクレオチド、および
(j)第3のオリゴヌクレオチドがビオチニル化され、そして標的核酸配列の第3部分に、または標的核酸配列に相補的な核酸配列にハイブリダイズすることが可能なものである第3のオリゴヌクレオチド
を含む乾燥組成物を提供する。
【0081】
いくつかの実施形態は、裏打剤として第1級アミンを使用できる。いくつかの実施形態では、本発明は、
(a)Taqポリメラーゼ、
(b)デオキシシチジン5’−三リン酸(dCTP)、デオキシアデノシン5’−三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン5’−三リン酸(dGTP)、デオキシチミジン5’−三リン酸(dTTP)、
(c)塩化カリウム、
(d)塩化マグネシウム、
(e)トリス−HCl、
(f)カルボキシル化磁性化可能な磁気ビーズ、
(g)トレハロース、
(h)標的核酸配列の第1部分にハイブリダイズする能力がすることが可能であり、そして[Ru(bpy)2+または[Ru(スルホ−bpy)bpy]2+で標識された第1のオリゴヌクレオチド、
(i)標的核酸配列の第2部分に相補的である核酸配列とハイブリダイズする能力のあることが可能な第2のオリゴヌクレオチド、および
(j)第3のオリゴヌクレオチド中で、標的核酸配列の第3部分に、または標的核酸配列に相補的な核酸配列にハイブリダイズすることが可能なものである5’末端で第1級アミンを通してカルボキシル化磁性化可能な磁気ビーズに結合した第3のオリゴヌクレオチド
を含む乾燥組成物を提供する。
【0082】
ある実施形態では、本発明は、
(a)少なくとも1つの熱安定性耐熱性ポリメラーゼ、
(b)少なくとも4つの異なるヌクレオシド三リン酸、
(c)一価の陽イオンを含む少なくとも1つの塩、
(d)二価の陽イオンを含む少なくとも1つの塩、
(e)8.1から〜8.5までのpH範囲で効果的な緩衝容量能力を示す少なくとも1つの緩衝剤、
(f)少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの二糖、
(h)標的核酸配列の第1部分にハイブリダイズすることが可能な第1のオリゴヌクレオチド、
(i)標的核酸配列の第2部分にハイブリダイズすることが可能な第2のオリゴヌクレオチド、および
(j)少なくとも1つの固体支持体に連結し、そして標的核酸配列の第3部分にハイブリダイズすることが可能な第3のオリゴヌクレオチド、
を含み、
少なくとも4つのヌクレオシド三リン酸、第1のオリゴヌクレオチド、および第2のオリゴヌクレオチドの内の少なくとも1つが、ECL成分により修飾されている乾燥組成物を提供する。
【0083】
C.マルチプル複数アレイのための組成物
いくつかの実施形態では、本発明は、複数の標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するために使用され得る。複数の標的核酸配列が検出されるとき、各標的核酸配列に十分に相補的であるオリゴヌクレオチドは、固体支持体の不連続区分に連結される。オリゴヌクレオチドは、前述のとおり検討された上述された連結剤を介して固体支持体の不連続区分に連結され得る。例えば、結合パートナーの一方が固体支持体上で不連続配置に付着される特徴的な一対組の結合パートナーによって、各特徴的オリゴヌクレオチドを、固体支持体に連結させ得る。あるいはまたは、各特徴的なオリゴヌクレオチドを、異なる不連続配置で固体支持体に連結させ得る。複数の標的核酸配列は、1つの生物から得られる複数の配列、または複数の生物から得られる標的核酸配列であり得る。複数の標的核酸配列に関するいくつかの実施形態では、固体支持体は、異なる標的を捕捉するために配列された不連続領域を有する平面構造であり得る。いくつかの実施形態では、各標的核酸配列は、異なる第1のオリゴヌクレオチド、第2のオリゴヌクレオチド、存在する場合は第3のオリゴヌクレオチド、および存在する場合には対1組の結合パートナーを有し得る。例えば、異なる標的配列を検出するために、各不連続領域を、異なる第3のオリゴヌクレオチドに連結させ得る。この複数のアレイを、区分節II.A.で検討上述されるとおり、2つのオリゴヌクレオチドフォーマットと共に使用し得る。いくつかの実施形態では、本発明は、
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの一価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの二価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)i番目の不連続領域が、対1組の結合パートナーのi番目の第1構成要素により修飾されているものであるNの不連続領域を含む少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護剤、
(h)i番目の第1のオリゴヌクレオチドが、i番目の標的核酸配列の第1部分に、またはi番目の標的核酸配列に相補的である配列にハイブリダイズする能力がすることがある可能なものである第1のオリゴヌクレオチド、および
(i)i番目の第2のオリゴヌクレオチドが、i番目の標的核酸配列の第2部分、にまたはi番目の標的核酸配列に相補的である配列にハイブリダイズする能力がすることが可能であり、そして対1組の結合パートナーのi番目の第2構成要素を含むものであるNの第2のオリゴヌクレオチド
を含み、
Nが1または1よりも大きい整数であること、i番目が1およびNの両方を含む1とNとの間の全ての整数を順番に表しNが、1より大きいかまたは等しい整数であり、i番目は、順に、1およびNの両方を含めた1とNの間の全ての整数を表し、組成物の標的核酸特異的構成要素を意味するため示すのに使用されること、(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)第1のオリゴヌクレオチドの内の少なくとも1つが、標識により修飾されておりること、第1のオリゴヌクレオチドが、標的核酸配列にハイブリダイズする能力がすることが可能である場合に、第2のオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列の成分にハイブリダイズすることが可能であること、第1のオリゴヌクレオチドが、標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能である場合に、第2のオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、そしておよび組成物が、標的核酸配列またはそれの相補体を含まないことを特徴とするNの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を提供するものである。
【0084】
Nの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を提供する。
【0085】
この複数のアレイを、区分節IIBで検討上述されるとおり、3つのオリゴヌクレオチドフォーマットと共に使用することもできる。いくつかの実施形態では、本発明は、
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの一価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの二価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)Nの不連続領域を含む少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護剤、
(h)i番目の第1のオリゴヌクレオチドが、i番目の標的核酸配列の第1部分とハイブリダイズする能力がすることがある可能なものであるNの第1のオリゴヌクレオチド、
(i)i番目の第2のオリゴヌクレオチドが、i番目の標的核酸配列の第2部分に相補的な核酸配列とハイブリダイズすることが可能であるNの第2のオリゴヌクレオチド、および
(j)i番目の第3のオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの固体支持体上のi番目の不連続領域に連結され、そして
(1)i番目の標的核酸配列、または
(2)i番目の標的核酸配列に相補的な核酸配列の第3部分とハイブリダイズすることが可能なものであるNの第3のオリゴヌクレオチド
を含み、
Nが1または1よりも大きい整数であること、i番目が1およびNの両方を含む1とNとの間の全ての整数を順番に表しNが、1より大きいかまたは等しい整数であり、i番目は、順に、1およびNの両方を含めた1とNの間の全ての整数を表し、組成物の標的核酸特異的構成要素を意味するため示すのに使用されること、(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、(h)i番目の第1のオリゴヌクレオチド、および(i)i番目の第2のオリゴヌクレオチドの内の少なくとも1つが、標識により修飾されていること、そしておよび組成物は、標的核酸配列またはそれの相補体を含まないことを特徴とするNの標的核酸配列を検出、増幅、および/または単離するための組成物を提供する。
【0086】
ある実施形態では、第1および第2のオリゴヌクレオチドは、DNA重合反応でプライマーとして役割を果たし得る。いくつかの実施形態では、DNA重合反応は、PCR反応である。PCRでは、特定のDNA配列の十分に相補的な構成要素にハイブリダイズする2つのプライマーを使用でき、それによりポリメラーゼによるDNA合成の開始を促進し得る。
【0087】
D.本発明の組成物の全般的態様
上で区分節II.A〜−Cで検討上述される実施形態の全ては、例えば、サンプル試料が作製され得る源、使用されるオリゴヌクレオチドの型、使用される標識の型、PCR反応条件、および使用される固体支持体の型のような共通するいくつかの特徴を共有する。本発明の組成物のこれらの一般的態様は、以下の区分節で検討される。
【0088】
1.サンプル試料
サンプル試料は、DNA、RNA、またはそれらの混合物を含み得る。サンプル試料は、生物学上のサンプル試料であり得る。サンプル試料は、核酸分子のインビトロ化学合成から由来し得る。サンプル試料は、核酸を含有する生物からも作製され得る。このような生物は、例えば、細菌、ウイルス、原生動物、線虫、真菌、無脊椎動物、および脊椎動物であり得る。
【0089】
ある実施形態では、標的核酸配列は、アエロモナス・ヒハイドロフィラ(Aeromonas Hydrophila)および他のエスピーピー(spp)種、バシルス・アンスラシス炭疽菌(Bacillus anthracis)、バシルス・セレウス菌(Bacillus cereus)、クロシトリジウム(Clostridium)のボツリヌム(Botulinum)神経毒素産生種、ブルセラ・アボルツス(Brucella abortus)、ブルセラ・メリテンシス(Brucella melitensis)、ブルセラ・スイス(Brucella suis)、ブルクホルデリア・マレイ(Burkholderia mallei)(公式にはシュードモナス・マレイ(Pseudomonas mallei))、ブルクホルデリア・シュードマレイ(Burkholderia pseudomallei)(公式にはシュードモナス・シュードマレイ(Pseudomonas mallei))、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、クラミジア・プシタチ(Chlamydia psittaci)、クロストリジウム・ボツリナム(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ボツリナム(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ペルフリンゲンス(Clostridium perfringens)、コシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、コシジオイデス・ポサダシ(Coccidioides posadasii)、コウドリア・ルミナンチウム(Cowdria ruminantium)(心水病)、コキシエラ・ブルネチ(Coxiella burnetii)、腸毒素産生性エッシェリキア・コリ大腸菌(Escherichia coli-enterotoxigenic)(ETEC)、腸病原性エッシェリキア・コリ大腸菌(Escherichia coli-enteropathogenic)(EPEC)、エッシェリキア・コリ大腸菌−腸出血性O157:H7(Escherichia coli-O157:H7)(EHEC)、および腸浸潤性エッシェリキア・コリ大腸菌(Escherichia coli-enteroinvasive)(EIEC)のような腸内毒素エッシェリキア・コリ大腸菌(Escherichia coli)群(EEC群)、エヒリキア・カフェンシス(Ehrlichia chaffeensis)のようなエヒリキア・エスピーピー種.(Ehrlichia spp.)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophilla)、リベロバクター・アフレカヌス(Liberobacter africanus)、リベロバクター・アシアチクス(Liberobacter asiaticus)、リステリア・モノシトゲネス(Listeria monocytogenes)、クレブシエラ(Klebsiella)、エンテロバクター(Enterobacter)、プロテウス(Proteus)、シトロバクター(Citrobacter)、アエロバクター(Aerobacter)、プロビデンシア(Providencia)およびセラチア(Serratia)のようなミスセラノウスエンテリックス(miscellaneous enterics)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)、マイコバクテリウム・ツバキュロシス(Mycobacterium tuberculosis)、マイコプラズマ・カプリコルム(Mycoplasma capricolum)、マイコプラズマ・ミコイデス・ミコイデス(Mycoplasma mycoides mycoides)、ペロノスクレロスポラ・フィリピネンシス(Peronosclerospora Phillippinensis)、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、プレシオモナス・シゲロイデス(Plesiomonas shigelloides)、ラルストニア・ソラナセアルム・レイス3(Ralstonia solanacearum race 3)、次亜種2、リケッシア・プロワゼキ(Rickettsia prowazekii)、リケッシア・リケチ(Rickettsia richettsii)、サルモネラ・エスピーピー種(Salmonella spp)、シュレロフトラ・ライシアエ・バー・ゼアエ(Schlerophthora rayssiae var zeae)、シゲラ・エスピーピー種(Shigella spp.)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、シンキトリウム・エンドビオチクム(Synchytrium endobioticum)、ビブリオ・コレラエ(Vibrio cholerae)非−O1、ビブリオ・コレラエ(Vibrio cholerae)O1、ビブリオ・パラヘモリチクス(Vibrio parahaemolyticus)および他のビブリオ種、ビブリオ・ブルニフィクス(Vibrio vulnificus)、キサントモナス・オリザエ(Xanthomonas oryzae)、キシレラ・ファスチジオサ(Xylella fastidiosa)(かんきつ類多様化白化株)、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)およびエルシニア・シュードツベキュロシス(Yersinia pseudotuberculosis)、およびエルシニア・ペスチス(Yersinia pestis)のような病原性細菌中で見られる。ある実施形態では、標的核酸配列は、非病原性細菌中で見られ得る。
【0090】
ある実施形態では、標的核酸配列は、アデノビリダエ(Adenoviridea)、アレナビリダエ(Arenaviridae)、アルテリビルス(Arterivirus)、アストロビリダエ(Astroviridae)、バキュロビリダエ(Baculoviridae)、バドナビルス(Badnavirus)、バルナビリダエ(Barnaviridae)、ビルナビリダエ(Birnaviridae)、ブロモビリダエ(Bromoviridae)、ブニアビリダエ(Bunyaviridae)、カリシビリダエ(Caliciviridae)、カピロビルス(Capillovirus)、カリアビルス(Cariavirus)、カウリモビルス(Caulimovirus)、シルコビリダエ(Circoviridae)、クロステトビルス(Closterovirus)、コモビリダエ(Comoviridae)、コロナビリダエ(Coronaviridae)、コルチコビリダエ(Corticoviridae)、シストビリダエ(Cystoviridae)、デルタビルス(Deltavirus)、ジアントビルス(Dianthovirus)、エナモビルス(Enamovirus)、フィロビリダエ(Filoviridae)、フラビビリダエ(Flaviviridae)、フロビルス(Furovirus)、フセロビリダエ(Fuselloviridae)、ジェミニビリダエ(Geminiviridae)、ヘパドナビリダエ(Hepadnaviridae)、ヘルペスビリダエ(Herpesviridae)、ホルデイビルス(Hordeivirus)、ヒポビリダエ(Hypoviridae)、イデオビルス(Idaeovirus)、イノビリダエ(Inoviridae)、イリドビリダエ(Iridoviridae)、レビビリダエ(Leviviridae)、リポトリキシビリダエ(Lipothrixviridae)、ルテオビルス(Luteovirus)、マクロモビルス(Machlomovirus)、マラフィビルス(Marafivirus)、ミクロビリダエ(Microviridae)、ミオビリダエ(Myoviridae)、ネクロビルス(Necrovirus)、ノダビリダエ(Nodaviridae)、オルソミキソビリダエ(Orthomyxoviridae)、パラミキソビリダエ(Paramyxoviridae)、パルチチビリダエ(Partitiviridae)、パルボビリダエ(Parvoviridae)、フィコドナビリダエ(Phycodnaviridae)、プラズマビリダエ(Plasmaviridae)、ポドビリダエ(Podoviridae)、ポリドナビリダエ(Polydnaviridae)、ポテックスビルス(Potexvirus)、ポチビリダエ(Potyviridae)、ポックスビリダエ(Poxviridae)、レオビリダエ(Reoviridae)、レトロビリダエ(Retroviridae)、ラブドビリダエ(Rhabdoviridae)、リジディオビルス(Rhizidiovirus)、セキビリダエ(Sequiviridae)、シホリリダエ(Siphoviridae)、ソベモビルス(Sobemovirus)、テクチビリダエ(Tectiviridae)、テヌイビルス(Tenuivirus)、テトラビリダエ(Tetraviridae)、トバモビルス(Tobamovirus)、トブラビルス(Tobravirus)、トガビリダエ(Togaviridae)、トンブスビリダエ(Tombusviridae)、トチビリダエ(Totiviridae)、チモビルス(Tymovirus)、およびウムブラビルス(Umbravirus)科に属するウイルス中に見られ得る。
【0091】
このようなウイルスの例としては、それに限定されないが、アフリカウマ病ウイルス、アフリカ豚コレラウイルス、アカバネウイルス、トリインフルエンザウイルス(高病原性)、バニャ(Bhanja)ウイルス、ブルータングウイルス(外来種)、ラクダ痘ウイルス、セルコピセシン・ヘルペスウイルス1、チクンガニャ・ウイルス、古典的豚コレラウイルス、コロナウイルス(SARS)、クリミア−コンゴ出血熱ウイルス、デングウイルス、ダグベ(Dugbe)ウイルス、エボラウイルス;東部ウマ脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、マレー・バレー脳炎、およびベネゼーラ・ウマ脳炎ウイルスのような脳炎ウイルス;ウマ・モルビリウイルス、フレキサルウイルス、口蹄疫ウイルス、ジャーミストンウイルス、ヤギ痘ウイルス、ハンターンまたは他のハンタウイルス、ヘンドラウイルス、イシククリウイルス、コウタンゴウイルス、ラッサ熱ウイルス、跳躍病ウイルス、ランピースキン病ウイルス、リンパ球脈絡髄膜炎ウイルス、悪性カタル熱ウイルス(高病原性)、マルブルクウイルス、マヤロウイルス、メナングルウイルス、サル痘ウイルス、ムカンボウイルス、ニューカッスル病ウイルス(VVND)、ニファウイルス、ノーウォークウイルス群、オロパウチウイルス、オルンゴウイルス、小反芻動物病ウイルス、ピリウイルス、プラム痘ポチウイルス、ポリオウイルス、ポテトウイルス、ポーワッサンウイルス、リフトバレイ熱ウイルス、牛疫ウイルス、ロタウイルス、セムリキ森林ウイルス、ヒツジ痘ウイルス;フレキサル、グアナリト、ジュニン、マクポ、およびサビアのような南アフリカ出血熱ウイルス;スポンドウェニウイルス、ブタ水痘性疾患ウイルス;中央ヨーロッパダニ媒介脳炎、極東ダニ媒介脳炎、ロシア春夏脳炎、キャサヌール森林病疾患、およびオムスク出血熱のようなダニ媒介脳炎複合(フラビ)ウイルス、痘瘡主要ウイルス(天然痘ウイルス)、痘瘡副ウイルス(アラストリム)、水泡性口内炎ウイルス(高病原性)、ベッセルスブロンウイルス、ウエストナイルウイルス、黄熱病ウイルス;ジュニン、マクポ、サビア、フレキサルおよびグアナリトのような南アメリカ出血熱ウイルス;SV40、JCおよびBKのようなポリオマウイルスを含む、およびパピロマウイルス(例えば、HPV)を含むパポバビリダエ科からのウイルス、パルボウイルス(例えば、B19およびRA−1)、リノウイルスを含むピコルナビリダエ科からのウイルスのような病原性細菌が挙げられる。
【0092】
ある実施形態では、標的核酸配列は、カカンタモエバおよび他の自由生活性アメーバ、アニサキス・エスピー.種(Anisakis sp.)および他の関連線虫アスカリス・ルムブリコイデス(Ascaris lumbricoides)およびトリクリス・トリキウラ(Trichuris trichiura);クリプトスポリジウム・パルブム(Cryptosporidium parvum);シクロスポラ・カエタネンシス(Cyclospora cayetanensis);ジフィロボスリウム・エスピーピー種.(Diphyllobothrium spp.);エンタモエバ・ヒストリチカ(Entamoeba histolytica);ユストロンギリデス・エスピー.種(Eustrongylides sp.);ギアルジア・ラムブリア(Giardia lamblia);ナノフィエツス・エスピーピー種.(Nanophyetus spp.);シストソマ・エスピーピー種.(Shistosoma spp.);トキソプラズマ・ゴンジ(Toxoplasma gondii);およびトリキネラ(Trichinella)のような寄生性原生動物および線虫で見られ得る。
【0093】
ある実施形態では、標的核酸配列は、アスペルギルス・エスピーピー種.(Aspergillus spp.)、ブラストマイセス・デルマタチチディス(Blastomyces dermatitidis)、カンジダ(Candida)、コッキジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、コッキジオデス・ポサダシル(Coccidiodes posadasil)、クリプトコッカス・ネオホルマンス(Cryptococcus neoformans)、ヒストプラズマ・カプスラツム(Histoplasma capsulatum)、トウモロコシさび病、コメ葉枯れ病、コメ褐斑病、ライ麦葉枯れ病、スポロトリックス・シェンキ(Sporothrix schenckii)および小麦真菌のような真菌で見ることができる。
【0094】
ある実施形態では、標的核酸配列は、それに限定されないが、無脊椎動物およびヒトを含む哺乳類のような脊椎動物で見ることができる。ある実施形態では、標的核酸配列は、植物で見ることができる。ある実施形態では、標的核酸配列は、アルカエア(Archaea)のドメインから得られる種で見ることができる。
【0095】
2.ポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド
本発明は、サンプル試料から標的核酸配列を検出、増幅、および/または単離するための組成物を提供する。いくつかの実施形態では、標的核酸配列は、ポリヌクレオチドであり得る。ポリヌクレオチドは、長さを変化できる。例えば、ポリヌクレオチドは、100から〜2000個までのヌクレオチド長であり得る。ポリヌクレオチドは、100から〜1500個までのヌクレオチド長であり得る。ポリヌクレオチドは、100から〜1000個までのヌクレオチド長であり得る。ポリヌクレオチドは、100から〜500個までのヌクレオチド長であり得る。ポリヌクレオチドは、100から〜200個までのヌクレオチド長であり得る。いくつかの実施形態では、標的配列増幅のために適した条件は、72℃であり得る。いくつかの実施形態では、標的配列増幅のために適した条件は、41℃であり得る。当業者は、標的増幅のために適した他の温度を十分に識別し得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、オリゴヌクレオチドを含み得る。オリゴヌクレオチドは、10から〜100個までのヌクレオチド長であり得る。オリゴヌクレオチドは、10から〜90個までのヌクレオチド長であり得る。オリゴヌクレオチドは、10から〜70個までのヌクレオチド長であり得る。オリゴヌクレオチドは、10から〜50個までのヌクレオチド長であり得る。オリゴヌクレオチドは、10から〜40個までのヌクレオチド長であり得る。オリゴヌクレオチドは、10から〜30個までのヌクレオチド長であり得る。オリゴヌクレオチドは、10から〜20個までのヌクレオチド長であり得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ポリA尾部を含み得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ポリT尾部を含み得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ポリAオリゴヌクレオチドであり得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ポリTオリゴヌクレオチドであり得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、プライマーであり得る。オリゴヌクレオチドに基づいて、連結が標的核酸配列の一部に対するハイブリダイゼーションを防止しない限りは、プライマーは、リン酸ジエステル結合によって、またはリン酸ジエステル結合以外の連結によって、連結され得る。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーは、リン酸ジエステル連結よりむしろペプチド結合によって結合される構成要素塩基を有し得る。いくつかの実施形態では、プライマーを、標的核酸配列に十分に相補的であるように作製し得る。正確な相補性は、特定の組の条件でハイブリダイゼーションを達成する必要がない。配列の長さ、配列が有するGおよびC残基の数、ハイブリダイゼーション反応の塩濃度およびハイブリダイゼーション反応の温度を含む因子は、どのくらいのヌクレオチドミスマッチが存在し得るかを決定し、さらに2つの配列の間のハイブリダイゼーションを生じ得る。適切なハイブリダイゼーション条件は、Dieffenbach,C.W.およびDvksler,G.S. (1995年) PCR primer:a laboratory manual.,CSHL pressプレス社、コールド・スプリング・ハーバー、(Cold Spring Harbor)、米国(USA)、またはPCR Protocols:A Guide to Methods and Applications、Innis,M.A.ら編、アカデミック・プレス(Academic Press)、サンディエゴ(San Diego)、米国(USA)、1990年で例示されるとおりの最小実験法を用いて当業者によって選択され得る。
【0098】
ある実施形態では、プライマーは、ヌクレオチド、修飾ヌクレオチド、または核酸類似体を含み得る。ヌクレオチドは、ポリヌクレオチドを形成するための構築ブロックとして使用され得る。含窒塩基は、それに限定されないが、シトシン、グアニン、アデニン、チミジン、ウラシルおよびイノシンであり得る。ヌクレオシド三リン酸は、それに限定されないが、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)、デオキシウラシル三リン酸(dUTP)、およびデオキシイノシン三リン酸(dITP)、7−デアザ−dGTP、2−アザ−dATP、およびN4−メチル−dCTPであり得る。修飾ヌクレオチドの限定しない例としては、5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、シュードイソシトシン、2−チオウラシルおよび2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)およびN8−(7−デアザ−8−アザ−アデニン)であり得る。核酸類似体は、それに限定されないが、ペプチド核酸(PNA)、鍵付核酸(LNA)またはいずれかの誘導形態の核酸であり得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも4つの異なるヌクレオシド三リン酸を含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも4つの異なる三リン酸ヌクレオシドヌクレオシド三リン酸は、デオキシシチジン・5’−三リン酸(dCTP)、デオキシアデノシン・5’−三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン・5’−三リン酸(dGTP)、およびデオキシチミヂン・5’−三リン酸(dTTP)であり得る。
【0100】
3.標識
数個の型種の標識を、本発明の組成物に使用し得る。ある実施形態では、オリゴヌクレオチドまたは三リン酸ヌクレオシドヌクレオシド三リン酸の内の少なくとも1つは、標識により修飾され得る。標識は、それに限定されないが、発蛍光団、ハプテン、発光ルミネッセンス標識、放射活性標識、電気化学的ルミネッセンス発光部分(すなわち、ECL成分)、クアンタムドット、ビーズ、アミノヘキシル、ピレン、金属粒子、スピン標識、酵素、および染料であり得る。直接的に検出可能な標識の例としては、それに限定されないが、ECL成分、発蛍光団、および酵素標識が挙げられる。間接的に検出可能な標識の例は、それに限定されないが、ハプテン、酵素およびビオチンが挙げられる。標識としては、例えば、KostrikisL.ら、Science 279巻:1228−29279: 1228-29頁、1998年で、およびTyagi,S.ら、Nat. Biotechnol. 16巻:49-52,頁、1998年で示されるとおりの分子ビーコン(すなわち、ヘヤピンループ含有オリゴヌクレオチドに付着した形態感受性標識)も含む。いくつかの実施形態では、標識は、検出可能な信号を減少し得る。例えば、標識は、検出可能な物質によって発生される検出可能な信号を消光または減少する物質であり得る。いくつかの実施形態では、標識は、消光剤が標的核酸増幅の結果として存在するときに、ECL信号が減少されるようにECL消光剤であり得る。例えば、ECL成分は、消光剤を含有するPCR産物がビーズに連結されるときに、ECL信号が減少されるように、ビーズと結合され得る。ECL成分を有するビーズから得られる信号を、増幅反応中に関与したECL成分を有するビーズと比較することによって、信号の減少を検出し得る。消光剤の例としては、それに限定されないが、メチルビオロゲンカルボキシレート、少なくとも1つのベンゼン部分を含む化合物、およびさらに詳細には、少なくとも1つのフェノール部分、キノン部分、ベンゼンカルボン酸、および/またはベンゼンカルボン酸部分を含む化合物が挙げられる。
【0101】
少なくとも1つのフェノール部分を含み、そして少なくとも1つのフェノール部分を含む消光部分が誘導される消光剤の例としては、それに限定されないが、フェノール;アルキル−フェノール(o−メチル−フェノール(すなわちo−クレゾール)、m−メチル−フェノール(すなわちm−クレゾール)、p−メチル−フェノール(すなわちo−クレゾール)、o−エチル−フェノール、m−エチル−フェノール、p−エチル−フェノール、o−プロピル−フェノール、m−プロピル−フェノール、およびp−プロピル−フェノールのようなo−アルキル−フェノール、m−アルキル−フェノール、およびp−アルキル−フェノールを含むC1−6アルキル−フェノールのような);アリール−フェノール(p−フェニル−フェノールのようなo−アリール−フェノール、m−アリール−フェノール、およびp−アリール−フェノールを含むC7−10アリール−フェノールのような);ハロ−フェノール(o−フルオロ−フェノール、m−フルオロ−フェノール、およびp−フルオロ−フェノールのようなo−ハロ−フェノール、m−ハロ−フェノール、およびp−ハロ−フェノールのような)、ヒドロキシ−フェノール(o−ヒドロキシ−フェノール(すなわちカテコール)、m−ヒドロキシ−フェノール(すなわちレソルシノール)、およびp−ヒドロキシ−フェノール(すなわちヒドロキシキノン)のような);およびビフェノール(4,4’−ビフェノールのような)が挙げられる。
【0102】
少なくとも1つのキノン部分を含み、そして少なくとも1つのキノン部分を含む消光部分が誘導される消光剤の例としては、それに限定されないが、o−キノン(すなわち1,2−ベンゾキノン)およびp−キノン(すなわち1,4−ベンゾキノン)のようなキノン(すなわちベンゾキノン);2−メチル−1,4−ベンゾキノン、2−エチル−1,4−ベンゾキノン、2−n−プロピル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、および2,5−ジメチル−1,4−ベンゾキノンのようなC1−6アルキル−1,4−ベンゾキノンを含むC1−6アルキル−キノンのようなアルキル−キノン;2−フルオロ−1,4−ベンゾキノン、2−クロロ−1,4−ベンゾキノン、2−ブロモ−1,4−ベンゾキノン、2−ヨード−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジフルオロ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジフルオロ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロフルオロ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジブロモ−1,4−ベンゾキノン、および2,5−ジブロモ−1,4−ベンゾキノンを含むハロ−1,4−ベンゾキノンのようなハロ−キノン;2−メトキシ−3−メチル−1,4−ナフトキノンを含む1,2−ナフトトキノンおよび1,4−ナフトキノンのようなナフトキノン;1,5−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノン、1,2,3,4−テトラフルオロ−5,8−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノン、9,10−アントラキノン−2−カルボン酸、9,10−アントラキノン−2−スルホン酸、9,10−アントラキノン−1,5−ジスルホン酸、および9,10−アントラキノン−2,6−ジスルホン酸を含む1,2−アントラキノン、1,4−アントラキノン、9,10−アントラキノンのようなアントラキノンが挙げられる。キノンおよびその誘導体は、通常に、化学的に修飾されて、反応性基を保有し得る(すなわち、化学的に活性化された種を形成する)。例えば、1つまたはそれより多く以上の反応性基に、都合により、その後、他の分子に(消光部分として)キノン様部分の付着を可能にするリンカー基を介して(例えば、1,4−ベンゾキノンのオルトまたはパラ位で)付着させ得る。例えば、1,4−ベンゾキノンは、アルキル基のようなリンカー基を介して、オルト−またはメタ−炭素にカルボン酸基(すなわち、−COOH)を保有するように誘導され得る。このような化合物は、2−(1−カルボキシル−ブチ−2−イル)−5−メチル−1,4−ベンゾキノンである。このカルボン酸誘導体を誘導して、N−スクシンイミジルエステル(下記に示される)を形成し、そしてそれは、例えばアミノ酸を保有する分子へのキノン様消光部分の簡単な付着を可能にする。
【0103】
【化1】

【0104】
少なくとも1つのベンゼンカルボン酸またはベンゼンカルボン酸部分を含み、そして少なくとも1つのベンゼンカルボン酸またはベンゼンカルボン酸部分を含む消光部分が誘導され得る消光剤の例としては、それに限定されないが、安息香酸;o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、およびp−アミノフェノールのようなアミノ安息香酸;o−ヒドロキシフェノール、m−ヒドロキシフェノール、およびp−ヒドロキシフェノールのようなヒドロキシ安息香酸;およびo−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、およびp−ニトロフェノールのようなニトロ安息香酸が挙げられる。
【0105】
発蛍光団は、それに限定されないが、5(6)−カルボキシフルオレッセン、5−または6−カルボキシフルオレッセン、6−(フルオレッセン)−5−(および6)−カルボキサミドヘキサン酸、フルオレッセン(すなわち、FITC)、ロダミン、テトラメチルロダミン、シアニン染料(すなわち、Cy2、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7)、フィコエリスリン、R−フィコエリスリンの接合体、アロフィコエリスリンの接合体、カスケードブルー、オレンジグリーン488、パシフィックブルー、ロダミングリーン、都合により置換されたクマリン、AMCA、(ジエチル−アミノ)クマリン、PerCP、フィコビリタンパク質、R−フィコエリスリン(RPE)、アロフィコエリスリン(APC)、テキサスレッド、プリンストンレッド、IR染料、ディオミックス(ジェナ、グレマニー(Jena, Gremany))染料、テトラメチルロダミン、リサミン、TRITC、およびアレックサ染料であり得る。発蛍光団は、被覆CdSeナノ微結晶のような半導体材料に基づいた粒子のような無機発蛍光団も含み得る。例えば、バイオ分析およびハイテク・アプリケーションthe Dynomics catalogue of Fluorescent Dyes for Bioanalytical and Hightech Applications(4版、2005年)に関する蛍光染料のダイノミックス・カタログ、およびジ・ハンドブックThe handbook −蛍光プローブおよび標識技術に対する指針- A Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies(10版、インビトロゲン(Invitrogen)、米国カリフォルニア州カールスバッド(Carisbad,CA,USA))を参照。
【0106】
標識は、それに限定されないが、ジニトロフェノール(DNP)、フルオレッセンイソチオシアネート(FITC)、5(6)−カルボキシフルオレッセン、2,4−ジニトロフェニル、ジゴキシゲニン、ロダミン、ブロモデオキシ・ウリジン、アセチルアミノフルオレン、トリニトロフェノール水銀、エストラジオール、およびビオチンを含むハプテンまたは抗原であり得る。
【0107】
ルミネッセンス発光標識は、それに限定されないが、ルミノール、イソルミノール、アクリジニウムエステル、アクリジンジオン1,2−ジオキセタン、ピリドピリダジン、グリーン蛍光タンパク質(GFP)、GFP類似体、リーフ珊瑚蛍光タンパク質(RCFP)、およびRCFP類似体であり得る。
【0108】
放射活性標識は、それに限定されないが、14Cのような炭素の放射活性アイソトープ同位体、Hのような水素の放射活性アイソトープ同位体、32Pのような含リンの放射活性アイソトープ同位体、および32Sのような硫黄の放射活性アイソトープ同位体であり得る。
【0109】
例えば、放射活性ヌクレオシド三リン酸は、マサチューセッツ州ボストン(Boston,MA)のニュー・イングランド・ニュークレア(New England Nuclear)のような多様な源から市販で入手可能である。標識により修飾され得るヌクレオシド三リン酸の他の例としては、5−(3−アミノアリル)−dUTP、および5−{[3−(E)−(4−アジド−2,3,5,6−テトラフルオロベンズアミド)プロペニル−1}]−2’−デオキシウリジン−5’−トリホスフェートが挙げられる。
【0110】
4.ECL標識
ある実施形態では、標識は、ECL成分を含み得る。ECL成分は、遷移金属であり得る。例えば、ECL成分は、金属が、例えば、ルテニウム、オスミウム、レニウム、イリジウム、ロジウム、プラチナ、パラジウム、モリブデン、およびテクネチウムから選択され得る金属含有有機化合物を含み得る。例えば、金属は、ルテニウムまたはオスミウムであり得る。例えば、ECL成分は、ルテニウムキレートまたはオスミウムキレートであり得る。例えば、ECL成分は、ビス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)およびトリ(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)を含み得る。例えば、ECL成分は、ルテニウム(II)トリスビピリジン([Ru(bpy)2+)であり得る。金属は、例えば、それに限定されないが、セリウム、ジスプロシウム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ホルミウム、ランタナム、ルテチウム、ネオダイミウム、プラセオダイミウム、プロメチウム、テルビウム、ツリウム、およびイッテルビウムを含む希土類金属からも選択され得る。例えば、金属は、セリウム、ユーロピウム、テルビウムまたはイッテルビウムであり得る。
【0111】
金属含有ECL成分は、式
M(P)(L1)(L2)(L3)(L4)(L5)(L6)
(式中、Mは金属である;Pは、Mのポリデンテートリガンドである;L1、L2、L3、L4、L5およびL6は、Mのリガンドであり、その各々は、互いに同じであるか、または異なっていてよい;mは、1に等しいか、またはそれより大きな整数である;n、o、p、q、rおよびsの各々は、ゼロに等しいか、またそれより大きな整数である;およびP、L1、L2、L3、L4、L5およびL6は、ECL成分が誘導されて、電磁性照射を発するような組成および数のものであり、そしてMのリガンドによって供されるMに対組する結合の総数は、Mの同等数に等しい)
を示し得る。例えば、Mは、ルテニウムであり得る。例えば、Mは、オスミウムであり得る。
【0112】
ECL成分のいくつかの例は、Mの1つのポリデンテートリガンドを有し得る。ECL成分は、1つ以上のポリデンテートリガンドも有し得る。Mの1つ以上より多いポリデンテートリガンドを含む例では、ポリデンテートリガンドは、同じであるか、異なっていてよい。ポリデンテートリガンドは、芳香族または脂肪族であり得る。適切な芳香族ポリデンテートリガンドは、芳香族複素環式リガンドであり得て、そして例えば、ビピリジル、ビピラジル、ターラピリジル、1,10フェナントロリン、およびポルフィリンのような窒素含有であり得る。
【0113】
適切なポリデンテートリガンドは、未置換であるか、または当業界当分野で知られる多数の置換基のいずれかによって置換され得る。適切な置換基としては、それに限定されないが、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、カルボキシレート、カルボキシアルデヒド、カルボキシアミド、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、イミノ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミジン、グアニジニウム、ウレイド、マレイミド−硫黄含有基、リン含有基、およびN−ヒトロキシスクシンイミドのカルボン酸エステルが挙げられる。
【0114】
いくつかの実施形態では、L1、L2、L3、L4、L5およびL6の少なくとも1つは、ポリデンテート芳香族複素環式リガンドであり得る。例えば、これらのポリデンテート芳香族複素環式リガンドの少なくとも1つは、窒素を含有し得る。適切なポリデンテートリガンドは、それに限定されないが、ビピリジル、ビピラジル、ターピリジル、1,10フェナントロリン、ポルフィリン、置換ビピリジル、置換ビピラジル、置換ターピリジル、置換1,10フェナントロリンまたは置換ポルフィリンであり得る。これらの置換ポリデンテートリガンドは、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、カルボキシレート、カルボキシアルデヒド、カルボキシアミド、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、イミノ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボキシル、アミジン、グアニジニウム、ウレイド、マレイミド、硫黄含有基、リン含有基またはN−ヒドロキシスクシンイミドのカルボン酸エステルで置換され得る。
【0115】
ECL成分のいくつかの例は、2つのビデンテートリガンドを含有でき、そしてその各々は、ビピリジル、ビピラジル、ターピリジル、1,10フェナントロリン、置換ビピリジル、置換ビピラジル、置換ターピリジルまたは置換1,10フェナントロリンであり得る。
【0116】
ECL成分のいくつかの例は、3つのビデンテートリガンドを含むことができ、その各々は、ビピリジル、ビピラジル、ターピリジル、1,10フェナントロリン、置換ビピリジル、置換ビピラジル、置換ターピリジルまたは置換1,10フェナントロリンであり得る。例えば、ECL成分は、ルテニウム、2つのビデンテートビピリジルリガンド、および1つの置換ビデンテートビピリジルリガンドを含み得る。例えば、ECL成分は、ポルフィリンまたは置換ポルフィリンのようなテトラデンテートリガンドを含み得る。
【0117】
例えば、ECL成分は、1つまたはそれ以上のモノデンテートリガンドを有し得て、その広範な多様性は、当業界当分野で知られている。適切なモノデンテートリガンドは、例えば、一酸化炭素、シアニド、イソシアニド、ハライド、および脂肪族、芳香族、および複素環式ホスフィン、アミン、スチビン、およびアルシンであり得る。
【0118】
例えば、Mの1つまたはそれ以上のリガンドを、例えば、放射活性アイソトープ同位体、蛍光成分、または別のルミネッセンスの発光ルテニウムまたはオスミウム含有中心のような別の化学標識に付着し得る。
【0119】
例えば、ECL成分は、トリス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートであり得る。例えば、ECL成分は、ビス[(4,4’−カルボメトキシ)−2,2’−ビピリジン]2−[3−(4−メチル−2,2’−ビピリジン−4−イル)プロピル]−1,3−ジオキソランルテニウム(II)であり得る。例えば、ECL成分は、ビス(2,2’ビピリジン)[4−(ブタン−1−アール)−4’−メチル−2,2’−ビピリジン]ルテニウム(II)であり得る。例えば、ECL成分は、ビス(2,2’−ビピリジン)[4−(4’−メチル−2,2’−ビピリジン−4’−イル)−酪酸]ルテニウム(II)であり得る。例えば、ECL成分は、(2,2’−ビピリジン)[シス−ビス(1,2−ジフェニルホスフィノ)エチレン]{2−[3−(4−メチル−2,2’−ビピリジン−4’−イル)プロピル]−1,3−ジオキソラン}オスミウム(II)であり得る。例えば、ECL成分は、ビス(2,2’−ビピリジン)[4−(4’−メチル−2,2’−ビピリジン)−ブチルアミン]ルテニウム(II)であり得る。例えば、ECL成分は、ビス(2,2’−ビピリジン)[1−ブロモ−4(4’−メチル−2,2’−ビピリジン4−イル)ブタン]ルテニウム(II)であり得る。例えば、ECL成分は、ビス(2,2’−ビピリジン)マレイミドヘキサン酸、4−メチル−2,2’−ビピリジン−4’−ブチルアミドルテニウム(II)であり得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、ECL成分は、オスミウムおよびルテニウム、またはトリスビピリジルルテニウム(II)の誘導体[Ru(bpy)2+]から選択される金属イオンを含む。例えば、ECL成分は、その構造が、
【化2】

(式中、Wは、NHSエステル、活性化カルボキシル、アミノ基、水酸基、カルボン酸基、ヒドラジン、マレイミド、またはホスホアミダイトのような共有結合の連結を形成するように、生物学上の材料、結合試薬、酵素基質または他のアッセイ試薬と反応し得るECL成分に付着した官能基である)
である[Ru(スルホ−bpy)bpy]2+であり得る。
【0121】
ECL成分のいくつかの例では、その部分は、金属を含まない。このような非金属ECL成分は、それに限定されないが、ルブレンおよび9,10−ジフェニルアントラセンであり得る。
【0122】
ECL成分を含むプライマーの例は、例えば、米国特許第6,174,709号で示されるとおり当業界当分野で周知である。ある実施形態では、標識を、オリゴヌクレオチド・プライマーオリゴヌクレオチドプライマーの5’末端に、または3’末端に付着させ得る。ある実施形態では、標識は、オリゴヌクレオチド・プライマーオリゴヌクレオチドプライマーに直接的に組み込まれ得る。プライマーは、合成の間に導入されるアミノ基で標識され得るか、または例えば、タグがECL成分であり得るタグNHSおよびタグ・ホスホアミダイトを、それぞれ使用して、合成の間に直接的に標識され得る。いくつかの実施形態では、タグは、発蛍光団、ハプテン、酵素的標識、またはルミネセンス標識を含む。同様に、フルオレッセンで標識されたヌクレオシド三リン酸を使用してオリゴヌクレオチドを産生し得る。発蛍光団およびビオチンを含む多様な標識により修飾されたオリゴヌクレオチドの高処理量の自動化合成が示された。Andrusら、1997年、Nucleic Acid Symp.37巻:317頁 を参照。さらに、レチニウム、オスミウム、鉄、ロジウム、銅およびフェロセンを含む検出可能な遷移金属で、オリゴヌクレオチドを修飾する方法を示した(例えば、Meadeら、1995年、1995, Chem. Int. Engl. 34巻:352頁;Iharaら、1997年、Chem. Commun.1609; Holminら、1999年、Inorg. Chem. 38巻:174頁 ;Hallら、1997年、J. Am. Chem. Soc. 119巻: 5045頁; Bashkinら、1994年、J. Am. Chem. Soc. 116巻:5981頁; Yuら、2000年、J. Am. Chem. Soc. 122巻: 6767頁を参照)。
【0123】
5.ECL共反応体共反応化合物
いくつかの実施形態では、組成物は、ECL共反応体共反応化合物を含む。いくつかの実施形態では、共反応体共反応化合物は、電気化学酸化/還元により、直接または別の反応によるかのいずれかで、溶液中に強力な酸化または還元種を生じる化学的化合物であり得る。共反応体共反応化合物は、不可逆に電気還元されて、酸化SO4*イオンを形成するペルオキソジスルフェート(すなわち、S2−、ペルスルフェート)であり得る。共反応体共反応化合物は、不可逆に電気的酸化されて、還元CO2*イオンを形成するオキサレート(すなわち、C2−)でもあり得る。還元剤として作用し得る共反応体共反応化合物の分類は、アミンまたは、例えばトリ−n−プロピルアミン(すなわち、N(CHCHCH、TPA)を含むアミン基を含有する化合物である。いくつかの実施形態では、ターシャリーアミンは、第2級アミンより優れた共反応体共反応化合物であり得る。いくつかの実施形態では、第2級アミンは、第1級アミンより優れた共反応体共反応化合物であり得る。
【0124】
共反応体共反応化合物としては、それに限定されないが、リンコマイシン、クリンダマイシン−2−ホスフェート、エリスロマイシン、1−メチルピロリドン、ジフェニドール、アトロピン、トラゾドン、ヒドロフルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、クリンダマイシン、テトラサイクリン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、レセルピン、トリメチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ピペリジン、N,N−ジメチルアニリン、フェニラミン、ブロモフェニラミン、クロロフェニルラミン、ジフェニルヒドラミン、2−ジメチルアミノピリジン、ピリルアミン、2−ベンジルアミノピリジン、ロイシン、バリン、グルタミン酸、フェニルアラニン、アラニン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、トリプトファン、チロシン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン、メチオニン、スレオニン、セリン、シクロチアジン、トリクロロメチアジド、1,3−ジアミノプロパン、ピペラジン、クロロチアジド、ヒドラジノサラジン、バルビツール酸、ペルスルフェート、ペニシリン、1−ピペリジニルエタノール、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、エチレンジアミン、ベンゼンスルホナミド、テトラメチルスルホン、エチルアミン、ジ−エチルアミン、トリ−エチルアミン、トリ−イソ−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−イソ−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−イソ−ブチルアミン、ビ−イソ−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、ヒドラジンスルフェート、グルコース、n−メチルアセトアミド、ホスホノ酢酸、および/またはその塩が挙げられる。
【0125】
共反応体共反応化合物としては、それに限定されないが、N−エチルモルホリン、スパルテイン、トリ−n−ブチルアミン、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、トリエタノールアミン、ジヒドロニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド、1,4−ジアゾビシクロ(2.2.2)オクタン、エチレンジアミン・テトラ酢酸、シュウ酸、1−エチルピペリジン、ジ−n−プロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラプロピル−1,3−ジアミノプロパン、DAB−AM−4、ポリプロピレンイミン・テトラアミン・デンドリマー、DAB−AM−8、ポリプロピレンイミン・オクタアミン・デンドリマー、DAB−AM−16、ポリプロピレンイミン・ヘキサデカアミン・デンドリマー、DAB−AM−32、ポリプロピレンイミン・ドトリアコンタアミン・デンドリマー、DAB−AM−64、ポリプロピレンイミン・テトラヘキサコンタアミン・デンドリマー、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、グリシル−グリシン、2−モルホリノエタンスルホン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’、2’’−ニトリロトリエタノール、N−(2−アセタミド)イミノジ酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)タウリン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)ヒドレート、ピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)ジヒドレート、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)、および/またはその塩も挙げられる。
【0126】
6.固体支持体
ある実施形態では、組成物は、固体支持体を含む。固体支持体は、それに限定されないが、ビーズ、膜、ゲル、ハイドロゲル、合成有機重合体、電極、および無機酸化物であり得る。いくつかの実施形態では、固体支持体を、1つの標的核酸配列を増幅および/または検出するために使用し得る。いくつかの実施形態では、固体支持体を、複数の標的核酸配列を検出するために使用し得る。複数の標的核酸配列を検出する場合、各標的核酸配列に十分に相補的であるオリゴヌクレオチドを、固体支持体の不連続区分に連結する。複数のオリゴヌクレオチドと共に使用し得る固体支持体の例としては、それに限定されないが、膜、半導体チップ、多穴プレート、および電極(例えば、米国特許出願公開番号第2004/0189311号および2005/0052646号を参照)が挙げられる。例えば、電極のパターン化アレイを、異なる核酸配列に連結するように設計された、いくつかの電極と共に使用し得る。これらの電極を、例えば、ECL反応で稼働電極として使用して、増幅した標的核酸によって電極に連結されたECL標識を検出し得る。いくつかの実施形態では、電極は炭素を含む。他の実施形態では、固体支持体をパターン化して、発蛍光団が、一度に1つの区分のみを励起させる、および/または独立に区分から蛍光放出を検出するかのいずれかによって検出可能である可能な固体支持体の不連続区分で、異なる標的核酸配列の増幅に対処し得る。
【0127】
ビーズも、複数のオリゴヌクレオチド形態で使用し得る。例えば、目的が、複数の標的を増幅することである場合、増幅された標的のなかで分離が要求されるものはない。いくつかの実施形態では、異なる増幅配列の間を区別することを望み得る。これは、異なる核酸配列についての標識を作製し、そして各標識を別個に測定する(例えば、各標識は、異なる波長で冷光を発し得る)ことよって、および/または唯一増幅された標的核酸配列のみと結合するビーズを分離することによってのいずれかにより行われ得る。それに限定されないが、異なるサイズ、異なる密度、異なる磁気量、ビーズバーコードとして作用する異なる蛍光タグ(例えば、ルミネックス・コープ(Luminex Corp)社、米国テキサス州オースティン(Austin,TX,USA)から得られるxMAP(登録商標))などのような少なくとも1つの異なる特性を含むビーズを使用することによってビーズを分離し得る。その後、分離されたビーズを、個々に、または同じ標的を共有する基としてのいずれかで検出し得る。
【0128】
本発明で使用され得るビーズとしては、それに限定されないが、ポリスチレンビーズが挙げられる。ビーズとしては、超常磁性ビーズを含む磁性化可能な磁気ビーズも挙げ得る。ある実施形態では、固体支持体は、カルボキシレート化磁性化可能な磁気ビーズを含み得る。ビーズとしては、金ビーズを含む金属性ビーズも挙げられ得る。いくつかの実施形態では、ビーズは、0.01μm〜100μm、0.1μm〜50μm、1μm〜20μm、0.5μm〜10μm、0.05μm〜5μm、1μm〜3μm、または0.1μm〜1μmの範囲にある直径を示し得る。
【0129】
本発明で使用され得る膜は、例えば、ニトロセルロース、ナイロン、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)またはカルボキシル化ポリビニリデン(米国特許番号第6,037,124号)を含む。膜は、ポリビニルベンジルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、ポリビニルベンジルベンゾイルアミノエチルジメチルアンモニウムクロリド、ポリビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ポリビニルベンジルトリヘキシルアンモニウムクロリドおよびポリビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリドの共重合体、ポリビニルベンジルベンゾイルジメチルアンモニウムクロリドおよびポリビニルアミノエチルジメチルアンモニウムクロリドの共重合体、およびポリビニルベンジルフェニルウレイドエチルジメチルアンモニウムクロリドおよびポリビニルベンジルベンゾイルジメチルアンモニウムクロリドの共重合体(米国特許番号第5,336,596号)を含む種々の材料で被覆し得る。
【0130】
本発明で使用し得るゲルおよびハイドロゲルは、例えば、アクリルアミド、セルロースおよびアガロースゲルを含む。
【0131】
合成有機重合体は、それに限定されないが、ポリアクリル酸、ビニル重合体、アクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、およびカルボヒドレート重合体のようなものであり得る。カルボヒドレート重合体の例は、それに限定されないが、アガロース、セルロース、ヒアルロン酸、キチン、アシルゲラン、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルキチン、ポリ(ラクチド−コ−エチレングリコール)およびポリエチレングリコールであり得る。固体支持体は、ポリスチレン、セファロースSepharose(登録商標)、またはセファデックスSephadex(登録商標)より構成され得る。
【0132】
電極は、それに限定されないが、炭素、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、銀、銀/塩化銀、金、プラチナ、イリジウム、酸化インジウム−スズ−オキシド(ITO)およびプラチナ/イリジウムアロイ合金を含むいずれかの導体材料を含み得る。
【0133】
無機オキシド酸化物は、それに限定されないが、シリカ、ジルコニア、カーボングラッドジルコニア(米国特許番号第5,182,016号)、チタニア、セリア、アルミナ、マンガン、マグネシア(すなわち、酸化マグネシウムオキシド)、酸化カルシウムオキシド、および制御多孔ガラス(CPG)であり得る。固体支持体は、それに限定されないが、デキストラン−アクリルアミドを含む上述の支持体のいくつかの組み合わせも含み得る。
【0134】
7.連結剤
いくつかの実施形態では、固体支持体は、1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドに連結され得る。いくつかの実施形態では、共有結合は、固体支持体にオリゴヌクレオチドを連結し得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドを、ハイブリダイゼーションを介して固体支持体に連結し得る。いくつかの実施形態では、非共有結合は、2つの部分を連結し得る。非共有結合は、それに限定されないが、イオン性相互作用、水素結合、およびファンデルワールス力であり得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、固体支持体(例えば、炭素電極)に受動的に吸収され得る。いくつかの実施形態では、固体支持体は、対1組の結合パートナーを介してオリゴヌクレオチドに連結され得る。典型的には、結合パートナーの間の特定の相互作用は、親和性定数Kaが、10−1より高いか、または10−1より高いときに起こり得る。高親和性定数は、大きな親和性を示すことができ、従って、大きな特異性を示し得る。例えば、抗体は、10−1から〜10−1まで、またはそれより高い範囲で親和性定数を示す抗原を結合し得る。所望の場合、非特異的結合は、特異的結合に実質的に影響を及ぼすことなく、当業界当分野で知られる通常の技術を使用して、結合条件を変化させることによって、減じ得る。条件は、例えば、結合反応での分子濃度、溶液のイオン強度、温度、結合のために対処される時間、または他の分子の濃度の点で、定義され得る。
【0135】
対1組の結合パートナーの例は、それに限定されないが、十分に相補的な核酸配列であり得る。十分に相補的な核酸配列は、DNA/DNAハイブリッド、RNA/RNAハイブリッド、またはDNA/RNAハイブリッドとしてハイブリダイズし得る。例えば、いくつかの実施形態では、1つのDNA配列でのアデニンヌクレオチドは、別のDNA配列でのチミジンヌクレオチドとハイブリダイズし得る。いくつかの実施形態では、RNA配列でのアデニンヌクレオチドは、DNA配列中のチミジンヌクレオチドとハイブリダイズし得る。
【0136】
8.減圧下の凍結乾燥またはフリーズドライ凍結乾燥
ある実施形態では、本発明の組成物を凍結し、そしてその後乾燥(すなわち、凍結乾燥フリーズドライ)させて、乾燥組成物を形成し得る。ある実施形態では、本発明の組成物を減圧下で凍結乾燥させて、乾燥組成物を形成し得る。生物学上の試薬を安定化するために減圧下での凍結乾燥を使用することは、例えば、米国特許番号第5,834,254号で、および米国特許出願番号第10/147,965号で記述される。乾燥組成物の例としては、組成物の総重量に対して3重量%より少ないか、または等しい以下の水分含量を示す組成物、および組成物の総重量に対して0重量%から〜3重量%までの水分含量を示す組成物が挙げられる。乾燥組成物を形成することは、温度のような種々の物理的パラメーターの変動から組成物を含む試薬の活性を保護するための手段を提供し得る。従って、ある実施形態では、本発明は、周囲温度で安定であり得て、そして標的核酸配列を検出、増幅、および/または単離するために有用であり得る乾燥組成物を提供する。種々の実施形態では、乾燥組成物は、乾燥しておらず、そして例えば、−40℃〜60℃、−40℃〜4℃、0℃〜40℃、0℃〜100℃、4℃〜60℃、10℃〜30℃、10℃〜60℃、15℃〜45℃、20℃〜60℃、または25℃〜40℃の広範な温度より安定であり得る同じ試薬を含む混合物に比較してより長い貯蔵寿命を示し得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、組成物は、凍結保護剤を含む。多様な凍結保護剤が示された。例えば、Cleggら、1982年、Cryobiology 19巻:、306頁、;Carpenterら、1987年、Cryobiology 24巻、:455頁を参照。
【0138】
本発明で使用されるのに適切な凍結保護剤は、それに限定されないが、二糖、多糖およびポリアルコールであり得る。ある実施形態では、凍結保護剤は、トレハロースであり得る。ある実施形態では、凍結保護剤は、マンニトール、ラクトース、マルトース、ショ糖、デキストロース、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)であり得る。1つ以上の凍結保護剤の組み合わせも意図され得る。二糖は、それに限定されないが、トレハロースであり得る。
【0139】
9.本発明で使用するための容器
容器は、それに限定されないが、例えば微小遠心管を含む多穴プレートおよびチューブであり得る。いくつかの実施形態では、乾燥組成物を保持し得る容器は、密閉して封鎖し得る。いくつかの実施形態では、容器を、EVAまたはサントプレンSantoprene(登録商標)のような、容器の開口部に圧縮された弾性、熱硬化性または熱可塑性材料で封鎖し得る。いくつかの実施形態では、容器を、箔マイクロプレート密栓のような金属性層を含む積層体で封鎖し得る。種々の実施形態では、容器を、容器に熱封鎖され得る積層体のような熱で調節可能な層を含む積層体で封鎖し得る。いくつかの実施形態では、容器を、容器に積層体を結合し得る接着層を含む積層体で封鎖し得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、容器は、封鎖された外側容器(例えば、封鎖された袋)の内側に1つまたはそれ以上の封鎖封入体(容器)のような少なくとも1つの封入体を含む。いくつかの実施形態では、封鎖された外側容器は、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、アルミニウム、ニッケル、ポリエステル−箔−ポリエステルの三重積層体、またはポリエステル−ポリエチレンの二重積層体を含み得る。いくつかの実施形態では、乾燥剤を、最も内部の封入体と最も外側の封入体の間に加え得る。乾燥剤は、例えば、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、シリカ、不定形シリケート、アルミノシリケート、粘土、活性化アルミナ、ゼオライト、またはモレキュラーシーブ分子篩を含み得る。いくつかの実施形態では、湿度指標を、最も内部の封入体と最も外側の封入体の間に加え得る。湿度指標は、例えば、乾燥組成物が、その安定性が弱められなかったほどなお十分に乾燥していることを示すものとして使用し得る。いくつかの実施形態では、湿度指標は、最も外側の封入体を通して見ることができる。ある実施形態では、湿度指標は、米国軍基準MS20003に適合するように設計されたもののような、湿度が色変化によって示されるカードまたはディスクであり得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、容器によって作られる湿度防護壁は、外部条件が、10日間、20日間、40日間、67日間、3ヶ月間、6ヶ月間、12ヶ月間、18ヶ月間、24ヶ月間、またはそれより長く、37℃および100%相対湿度であるときに、乾燥組成物を乾燥したままにするのに十分であり得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、容器によって作られる湿度防護壁は、外部条件が、1日間、1週間、1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間、12ヶ月間、18ヶ月間、24ヶ月間、またはそれより長く、25℃および100%相対湿度であるときに、乾燥組成物を乾燥したままにするのに十分であり得る。
【0143】
いくつかの実施形態では、容器によって作られる湿度防護壁は、外部条件が、3ヶ月間、6ヶ月間、12ヶ月間、18ヶ月間、24ヶ月間、またはそれより長く、4℃および30%相対湿度であるときに、乾燥組成物を乾燥したままにするのに十分であり得る。
【0144】
10.ポリメラーゼ
ポリメラーゼとしては、それに限定されないが、DNAポリメラーゼおよびRNAポリメラーゼが挙げられる。クレノーフラグメントのようないくつかのポリメラーゼは、DNAをテンプレートとして使用し得る。他のポリメラーゼは、RNAをテンプレートとして使用し得る。これらのRNA−依存性ポリメラーゼは、それに限定されないが、可逆転写酵素であり得る。さらに他のポリメラーゼ、例えばTthポリメラーゼおよびTZ05ポリメラーゼは、DNAまたはRNAをテンプレートとして使用し得る。従って、例示のポリメラーゼは、DNA−依存性DNAポリメラーゼ、RNA−依存性DNAポリメラーゼ、DNA−依存性RNAポリメラーゼ、およびRNA−依存性RNAポリメラーゼであり得る。ポリメラーゼは、これらの活性の組み合わせを示し得る。例えば、逆転写酵素は、DNA−依存性DNAポリメラーゼおよびRNA−依存性DNAポリメラーゼであり得る。
【0145】
ポリメラーゼは、ポリメラーゼ活性以外にそれと関連した他の活性を示し得る。例えば、ポリメラーゼは、RNAを分解する能力を付与するRNAエースアーゼ活性も示し得る。逆転写酵素のRNAエースアーゼ活性は、RNA/DNAハイブリッド分子中でこのポリメラーゼにRNAを分解させ得る。さらに、Taqポリメラーゼのようなポリメラーゼは、高い加工性処理能力を示し得る。末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼのようなポリメラーゼは、低い加工性処理能力を示し得る。クレノーフラグメントのようなポリメラーゼは、中程度の加工性処理能力を示し得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、熱安定性耐熱性ポリメラーゼであり得る。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、中温性生物から由来でき、従って、20〜40℃の範囲で最大ポリメラーゼ活性を示し得る。中温性生物から由来するポリメラーゼは、それに限定されないが、phi29DNAポリメラーゼ(バシルス・サブチリス(Bacillus subtilis)から得られる)、T4DNAポリメラーゼ(T4DNAポリメラーゼ過剰産生プラスミドを担持するエッシェリキア・コリ大腸菌(Escherichia coli)の株から得られる)、77DNAポリメラーゼ(T7ファージから得られる)、およびクレノーフラグメント(エッシェリキア・コリ大腸菌から得られる)であり得る。温度安定性ポリメラーゼは、好熱性生物から由来し得る。例えば、熱安定性耐熱性ポリメラーゼは、好熱性アルカエ(archaea)から由来し得る。熱安定性耐熱性ポリメラーゼは、好熱性細菌からも由来し得る。熱安定性耐熱性ポリメラーゼは、好熱性ユーカリャ(Eukarya)からも由来し得る。熱安定性耐熱性ポリメラーゼの例としては、それに限定されないが、テルムス・アクアチクス(Thermus aquaticus)から由来するTaqポリメラーゼ、ピロコッカス・フリオスス(Pyrococcus furiosus)から由来するPfuポリメラーゼ、サーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)から由来するベントポリメラーゼ、サーモコッカス・イリトラリス(Thermococcus litoralis)から由来するTliポリメラーゼ、サーマス・ブロキアヌス(Thermus brockianus)から由来するDyNAザイムzyme(商標)ポリメラーゼ、またはピロコッカス・アビシ(Pyrococus abyssi)から由来するイシスDNAポリメラーゼ(商標)が挙げられる。さらに他の熱安定性耐熱性ポリメラーゼは、例えば、TthポリメラーゼおよびTZ05ポリメラーゼであり得る。
【0147】
11.陽イオン、洗剤界面活性剤、および担体タンパク質
いくつかの実施形態では、一価の陽イオンは、一価の陽イオンを含む少なくとも1つの塩によって供され得る。一価の陽イオンの例は、それに限定されないが、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、アンモニウムイオン(NH)、銀イオン(Ag)、およびテトラメチルアンモニウムイオンおよびテトラエチルアンモイウムイオンのような第4級アンモニウム陽イオンであり得る。いくつかの実施形態では、ニ価二価の陽イオンは、ニ価二価の陽イオンを含む少なくとも1つの塩によって供され得る。ニ価二価の陽イオンの例は、それに限定されないが、マグネシウムイオン(Mg2+)、マンガンイオン(Mn2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、および銅イオン(Cu2+)であり得る。いくつかの実施形態では、塩は、塩化カリウムおよび塩化マグネシウムの少なくとも1つから選択され得る。
【0148】
いくつかの実施形態では、緩衝剤は、6.0〜9.0までのpH範囲内で有効な緩衝容量能力を有するいずれかの緩衝剤であり得る。ある実施形態では、適切な緩衝剤は、8.0〜8.8までのpH範囲内で有効な緩衝容量能力を有するいずれかの緩衝剤であり得る。いくつかの実施形態では、緩衝剤は、8.1〜8.5までのpH範囲内で有効な緩衝容量能力を有する緩衝剤であり得る。いくつかの実施形態では、緩衝剤は、トリス−HClであり得る。緩衝剤は、それに限定されないが、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン・ヒドロクロリド、およびN−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシンである。緩衝剤は、温度の関数として、溶液のpHを移行させ得る。例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン・ヒドロクロリドは、−0.028pH〜−0.021単位/℃の範囲内で温度依存性を示す。従って、ここで全てのpH値は、23℃での溶液のpHと解釈されるべきである。
【0149】
ある実施形態では、本発明の組成物は、洗剤界面活性剤を含み得る。洗剤界面活性剤の例は、それに限定されないが、イオン性、非イオン性および双極性洗剤界面活性剤であり得る。洗剤界面活性剤の例は、それに限定されないが、ツイーンTween(登録商標)20、トリトンTriton(登録商標)X−100、セシットThesit(登録商標)(ポリオキシエチレン9ラウリルエーテル)であり得る。他の例示の洗剤界面活性剤は、シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich)Sigma−Aldrich(登録商標)カタログで見出され得る。
【0150】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、担体タンパク質を含み得る。担体タンパク質は、それに限定されないが、ウシ血清アルブミンが挙げられる。
【0151】
III.本発明の組成物を作製する方法
A.2つのオリゴヌクレオチドを含む組成物を作製する方法
本発明の組成物は、一般に、組成物中に存在する成分を集め、そしてそれらの成分を1つの組成物中に合わせることによって製造され得る。いくつかの実施形態では、前述のとおりの組成物で列挙される成分を得ること、およびこれらの成分を合わせること、それにより標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を形成することを含む標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を作製する方法を提供する。種々の実施形態では、これらの方法で使用される成分は、上記の上で区分節II.AおよびII.Dで示される特徴を示す。
【0152】
B.3つのオリゴヌクレオチドを含む組成物を作製する方法
本発明の組成物は、一般に、組成物中に存在する成分を集め、そして1つの組成物中のそれらの成分を合わせることによって作製され得る。いくつかの実施形態では、本発明は、前述のとおりの組成物で列挙される成分を得ること、およびこれらの成分を合わせること、それにより標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を形成することを含む標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を作製する方法を提供する。種々の実施形態では、これらの方法で使用される成分は、上記の上で区分節II.BおよびII.Dで示される特徴を示す。
【0153】
C.マルチプル複数アレイのための組成物を作製する方法
本発明の組成物は、一般に、組成物中に存在する成分を集め、そして1つの組成物中でそれらの成分を合わせることによって作製される。いくつかの実施形態では、固相(例えば、異なるビーズまたは固相の異なる領域に連結される異なるオリゴヌクレオチド)と関連した成分は、個別に作製され、そしてその後、残りの成分と合せ得る。いくつかの実施形態では、本発明は、前述のとおりの組成物で列挙される成分を得ること、およびこれらの成分を合わせること、それにより標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を形成することを含む標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を作製する方法を提供する。種々の実施形態では、これらの方法で使用される成分は、上記の上で区分節II.CおよびII.Dで示される特徴を示す。
【0154】
D.本発明の組成物を作製する一般的態様
いくつかの実施形態では、本発明の組成物を作製する方法は、上に示される組成物を最初に凍結することによって、いったん成分が合わせられると、成分を凍結乾燥させ、そしてその後、その組成物を脱水することを含み得る。いくつかの実施形態では、組成物を、適切な温度で、市販の冷凍機に組成物を入れることによって凍結し得る。例えば、組成物は、2〜30分間、−20℃で、容器を入れることによって組成物を凍結し得る。代わりに、組成物を、2〜30分間、氷浴、例えばエタノール−ドライアイス浴に入れることによって、組成物を凍結し得る。
【0155】
いくつかの実施形態では、組成物の成分を合わせて、種々の濃度の各成分を生じ得る。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、25〜250単位/mlまでの濃度で存在し得る。いくつかの実施形態では、ヌクレオシド三リン酸は、100〜500nmolの濃度で存在し得る。いくつかの実施形態では、一価の陽イオンは、50〜150mmolまでの濃度で存在し得る。ある実施形態では、固体支持体がビーズである場合、ビーズは、200〜2000mg/lまでの濃度で存在し得る。いくつかの実施形態では、凍結保護剤は、4〜15g/100mlまでの濃度で存在し得る。いくつかの実施形態では、第1のオリゴヌクレオチドは、300〜500nmolまでの濃度で存在し得る。いくつかの実施形態では、第2のオリゴヌクレオチドは、300からnmolまでの濃度で存在し得る。いくつかの実施形態では、第3のオリゴヌクレオチドは、固体支持体の1m当たり1011〜1019コピー複製までの濃度で存在し得る。いくつかの実施形態では、第3のオリゴヌクレオチドは、固体支持体の1m当たり1013〜1018コピー複製までの濃度で存在し得る。いくつかの実施形態では、第3のオリゴヌクレオチドは、固体支持体の1m当たり1015〜1017コピー複製までの濃度で存在し得る。
【0156】
IV.標的核酸を検出、増幅および/または単離する方法
いくつかの実施形態では、本発明は、
(1)前述のとおりの方法のいずれかによって生成される標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための第1組成物を得る、
(2)第1組成物に、標的核酸配列を含む試料を付加して、第2組成物を形成する、
(3)標的核酸配列の複数の複製が作製されるように第2組成物を交互に加熱および冷却する、
(4)工程(3)から標的核酸配列の複数の複製を任意に単離する、および
(5)標識を任意に検出し、それにより試料中の標的核酸を検出する
工程を含む標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法を提供する。
【0157】
いくつかの実施形態では、本発明は、
(1)前述のとおりの方法のいずれかによって生成される標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための第1組成物を得る、
(2)第1組成物に、標的核酸配列を含む試料を付加して、第2組成物を形成する、
(3)標的核酸配列の複数の複製が作製されるように第2組成物を交互に加熱および冷却する、
(4)固体支持体に第2オリゴヌクレオチドを結合する、
(5)工程(3)から標的核酸配列の複数の複製を任意に単離する、および
(6)標識を任意に検出し、それにより試料中の標的核酸を検出する
工程を含む標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法を提供する。
【0158】
いくつかの実施形態では、本発明は、
(1)前述のとおりの第1組成物を得る、
(2)第1組成物に、Nの標的核酸配列を含む可能性のある試料を付加して、第2組成物を形成する、
(3)試料中にあるNの標的核酸配列の各々の複数の複製が作製されるように第2組成物を交互に加熱および冷却する、
(4)複数の複製を、少なくとも1つの固体支持体上のNの不連続領域に結合させる、および
(5)標識を任意に検出または単離し、それにより試料中のNの標的核酸配列を検出する
工程を含み、
Nが、1または1より大きい整数である
Nの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法を提供する。
【0159】
標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法の種々の実施形態では、前述のとおりの組成物を、上の節IIで示される種々の実施形態を包含するように修飾し得る。標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法の種々の実施形態では、前述のとおりの方法によって生成される組成物を、上の節IIで示される種々の実施形態を包含するように修飾し得る。
【0160】
ある実施形態では、方法は、標的核酸を含有する試料を除いて必要な試薬の全てが、容器に予め混合されるPCR反応を行うことを含み得る。試料は、PCR反応を開始する前に、予備混合した試薬に付加し得る。いくつかの実施形態では、増幅された標的核酸配列は、PCRの後に容器から除去でき、さらなる研究または操作のためにアガロースゲル上でのような標準技術を介して単離し得る。いくつかの実施形態では、増幅された標的核酸配列は、固体支持体に結合し得る。使用される固体支持体によって、PCR産物に結合した標識を検出することによって、産物を検出または単離する前に、容器を、遠心分離または磁界にさらして、PCR産物を濃縮し得る。
【0161】
いったんDNA増幅反応が完了すると、反応容器を、増幅産物が1組の結合パートナーを介して固体支持体に結合できる温度まで冷却し得る。いくつかの実施形態では、1組の結合パートナーの第1メンバーおよび第2メンバーの間の相互作用は、増幅反応中に最低温度より低い10℃で不安定であり、20℃より高い温度で安定である。例えば、1組の結合パートナーの第1メンバーと第2メンバーの間の相互作用は、増幅反応中の最低温度とほぼ同じ温度で不安定であり、そして30℃より高い温度で安定であり得る。1組の結合パートナーのために使用される核酸配列は、例えば、1つ以上の標的配列を測定するための所望の熱安定性および特徴的結合を提供するヌクレオチドの混合物であり得る。
【0162】
いくつかの実施形態では、固体支持体を使用して、標識および増幅された標的配列を分離することによって、複数の標的核酸配列を増幅、検出または単離し得る。いくつかの実施形態では、本発明は、Nが1;2;10;20;30;40;50;60;70;80;90;100;200;300;400;500;600;700;800;900;1000;2000;3000;4000;5000;10,000;50,000;100,000;300,000;500,000;700,000または1,000,000より大きいかまたは等しい整数である、Nの標的核酸配列を検出し得る。いくつかの実施形態では、21,000,000である。いくつかの実施形態では、2≦N≦1,000である。いくつかの実施形態では、2≦N≦1,000である。いくつかの実施形態では、2100である。いくつかの実施形態では、2≦N≦30である。いくつかの実施形態では、2≦N≦10である。いくつかの実施形態では、N>10である。いくつかの実施形態では、N≧50である。
【0163】
いくつかの実施形態では、各標的核酸配列を、1組のオリゴヌクレオチドで増幅し得る。いくつかの実施形態では、「i」が1とNの間の整数であり、各組のオリゴヌクレオチドが異なる標的核酸配列を増幅するものである「i」組のオリゴヌクレオチドで、「i」標的核酸配列を増幅し得る。いくつかの実施形態では、各標的核酸配列を、各標的核酸配列に特徴的な核酸配列を含有する組のオリゴヌクレオチドで増幅し得る。例えば、10個の異なる標的核酸配列が検出される予定の場合には、10個の異なる組のオリゴヌクレオチドを使用し、各組は、10個の異なる標的核酸配列の内の1つを増幅する。3つのオリゴヌクレオチドを使用するいくつかの実施形態では、各標的核酸配列を、1つより多く標的核酸配列に共通の核酸配列を含有する1組のオリゴヌクレオチドで増幅し得る。このような実施形態では、第3オリゴヌクレオチドの配列は、各標的核酸配列に特徴的であり得る。
【0164】
複数の標的核酸配列に関与するいくつかの実施形態では、固体支持体は、異なる標的を捕獲するように配列された不連続領域を有する平面構造であり得る。いくつかの実施形態では、不連続領域は、各電極が電気的絶縁体によって囲まれている電極であり得る。例えば、各不連続領域は、互いから、および電気絶縁体による他の不連続領域から分離した稼働電極および対抗電極を含み得る。標的核酸配列を捕獲するように稼働電極を作製し得る。例えば、各不連続領域を、異なる標的配列を検出するために、異なる第3オリゴヌクレオチドに結合させ得る。いくつかの実施形態では、対抗電極は、複数の稼働電極に渡って共有でき、従って、対抗電極は、不連続領域にあるとみなされない。いくつかの実施形態では、各標的核酸配列は、異なる第1オリゴヌクレオチド、第2オリゴヌクレオチド、存在する場合第3オリゴヌクレオチド、および存在する場合1組の結合パートナーを有することができる。
【0165】
例えば、各不連続領域を、1組の結合パートナーが異なる第2オリゴヌクレオチドおよび異なる不連続領域の間の可逆結合を可能にする1組の結合パートナーの異なる第1メンバーに結合させ得る。いくつかの実施形態では、1組の結合パートナーの第1メンバーおよび第2メンバーの間の相互作用は、(1)第1および第2メンバーが増幅反応の間に互いに安定に結合しないように、DNAを増幅するために使用される温度で不安定であり、および(2)DNAを増幅するために使用される温度より下で安定である。いったんDNA増幅反応が完了すると、反応容器を、増幅産物が1組の結合パートナーを介してそれらの個別の不連続領域に結合する温度まで冷却し得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、電気化学的発光を使用して、固体支持体の不連続領域として電極を使用することによって、複数の標的核酸配列を検出し、その領域が、標的配列の一方に特異的に結合するように配列され得る。いくつかの実施形態では、蛍光を使用して、複数の標的核酸配列を検出でき、固体支持体の各不連続領域が、標的配列の一方に特異的に結合するように配列される。
【0167】
ある実施形態では、標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法は、さらに、節IVの最初に示される工程2〜5を行う前に、工程(1)の組成物から乾燥組成物を形成すること(例えば、フリーズドライ、または凍結乾燥により)を含む。いくつかの実施形態では、成分を凍結し得る。例えば、乾燥組成物は、例えば、ドライアイス・エタノール浴で、または液体窒素で、工程(1)の組成物を第1即時凍結することによって形成され得る。凍結後、成分を、固形状態で試料を保持する温度および圧力で、例えば、0%〜5%に水分を減少させるのに十分な時間、例えば1〜48時間、−30℃〜0℃の温度および10〜20mTorrの圧力で凍結乾燥させ得る。長い期間および低い圧力も意図される。低温での当初の水除去の後、凍結乾燥温度は、いくつかの場合には、減圧環境で水除去の速度を加速するために37℃程度の高さまで上げ得る。いくつかの実施形態では、水、緩衝剤、または標的核酸配列を含有する試料の内の少なくとも1つを、工程(1)の乾燥組成物に付加するときに、脱水が起こる可能性がある。当業者は、水および/または緩衝剤を付加することによって、脱水が達成される場合に、PCR反応を開始する前ではあるが、試料を継続的に付加できることを理解する。代わりに、水および/または緩衝剤は、PCR反応を開始する前ではあるが、試料が付加された後に付加され得る。
【0168】
当業者は、DNAまたはRNA配列を増幅するためにPCRを使用し得る。PCRは、各試料を一連の増幅サイクルにかけることを含む。典型的には、各増幅サイクルは、(1)二本鎖核酸が一本鎖に分離する溶融工程、(2)RCRの文脈ではプライマーとも称される第1および第2オリゴヌクレオチドが、標的核酸中に含まれる十分に相補的な配列にハイブリダイズするアニーリング工程、および(3)ポリメラーゼ酵素が、成長中のポリヌクレオチドにヌクレオシド三リン酸を付加することによってプライマーを伸長させ、従って標的核酸の複数の複製を作り出すプライマー伸長またはポリメラーゼ工程を含み得る。いくつかの実施形態では、標的核酸配列がRNA配列であるとき、本発明の組成物は、RNAをDNAに変換する、逆転写酵素のようなRNA依存性ポリメラーゼを、生じるDNA配列の増幅を促進するためにDNA依存性ポリメラーゼを含み得る。
【0169】
いくつかの実施形態では、標的DNAは、一本鎖標的核酸分子である。PCR溶融工程は、一本鎖標的中の二次構造を排除し得る。一本鎖に十分に相補的なプライマーのみが、第1増幅サイクル中に標的配列と最初にハイブリダイズし得る。いったん第1増幅工程が完了すると、標的DNAは、その後二本鎖であり、両方のプライマーに、連続PCRサイクル中でそれらの十分に相補的な配列を結合させる。
【0170】
適切な溶融温度は、85℃〜99℃の範囲にある。溶融工程の期間は、10秒〜5分の範囲にあり得る。いくつかの実施形態では、標的核酸配列は、30秒間95℃でインキュベートして、鎖分離および/または二次構造の除去を可能にし得る。いくつかの実施形態では、標的核酸配列は、15秒間97℃でインキュベートして、鎖分離および/または二次構造除去を可能にし得る。
【0171】
最適なプライマーのために必要とされる温度および時間の量は、プライマー配列によって変化できる。例えば、ある実施形態では、アニーリング温度は、プライマーの溶融温度(Tm)以下で5℃であり得る。一般に、適切なプライマーTmは、プライマー中の各AまたはTについて2℃を、そしてプライマー中の各GまたはCについて4℃を加えることによって計算し得る。代わりに、Tmは、以下の式を使用して計算し得る。14ヌクレオチド長未満である配列について、Tm=(wA+xT)×2+(yG+zC)×4。13ヌクレオチド長より長い配列について、Tm=64.9+41×(yG+zC−16.4)/(wA+xT+yG+zC)。各式では、w、x、yおよびzは、Tmを計算し得るヌクレオチド配列中のAs、Ts、Gs、およびCsの数である。いくつかの実施形態では、標的核酸配列にプライマーをアニールするための適切な温度は、45℃〜65℃の範囲にあり得る。いくつかの実施形態では、アニーリング工程の期間は、2秒〜5分の範囲にあり得る。いくつかの実施形態では、プライマーを標的核酸配列にアニールするために適切な温度は、55℃〜72℃の範囲にあり得る。いくつかの実施形態では、PCR反応中の各プライマーの濃度は、0.1μM〜0.5μMであり得る。いくつかの実施形態では、PCR反応中の各プライマーの濃度は、0.2μMであり得る。当業者は、適切なプライマー結合および特異性を達成するために適切なアニーリング温度およびプライマー濃度を容易に決定し得る。
【0172】
良好なプライマー伸長は、標的核酸配列の長さ、PCR反応での標的核酸配列の濃度、および重合が起こる温度に依存し得る。いくつかの実施形態では、プライマー伸長温度は、60℃〜85℃、または70℃〜75℃の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、プライマー伸長温度は、72℃であり得る。プライマー伸長工程の期間は、1秒〜30分の範囲に、または20秒〜5分の範囲にあり得る。いくつかの実施形態では、PCR反応は、プライマー伸長を可能にするために1分間、72℃でインキュベートし得る。
【0173】
良好な標的核酸増幅のために必要とされる増幅サイクルの数は、PCR反応での標的核酸配列の濃度に依存し得る。いくつかの実施形態では、PCR反応は、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、または40〜45の増幅サイクルを受け得る。
【0174】
任意に、増幅サイクルを開始する前に、PCR反応は、標的核酸配列中の二次構造を最小にするために、および標的配列二本鎖分離の完了を最大にするために予備インキュベートし得る。いくつかの実施形態では、この予備インキュベーション工程に関する温度は、85℃〜99℃の範囲内にあり、この工程の期間は、1〜10分の範囲内にあり得る。さらに、サイクルが、完了した後に、最終のプライマー伸長/重合工程を加えて、増幅された複製に、その完全な形で標的配列を複製させ得る。いくつかの実施形態では、この最終工程は、1〜15分の期間、70℃〜75℃の範囲にある温度で行われ得る。
【0175】
いくつかの実施形態では、PCR反応の完了の後に、PCR反応容器を操作し得る。いくつかの実施形態では、PCR反応が完了したときに、固体支持体に結合した第3オリゴヌクレオチドを再懸濁させるために、容器の内容物を混合し得る。オリゴヌクレオチドと固体支持体の間の相互作用は、高温で不安定であるいくつかの実施形態では、容器の内容物を、固体支持体へのオリゴヌクレオチドの結合を促進するために相互作用が安定である温度で混合し得る。
【0176】
いくつかの実施形態では、容器の内容物を、1〜15分間、85℃〜99℃の範囲にある温度まで加熱して、PCR反応の二重鎖核酸産物が、一本鎖に融解させ得る。固体支持体に結合された第3オリゴヌクレオチドを使用するいくつかの実施形態では、温度を、5分〜2時間の範囲の期間、20℃〜65℃の範囲に低下させることによって、第3オリゴヌクレオチドは、標的配列にハイブリダイズし得る。第3オリゴヌクレオチドと固体支持体との間の相互作用が高温で不安定であるいくつかの実施形態では、PCR反応を、固体支持体へのオリゴヌクレオチドの結合を促進するために相互作用が安定であり、第3オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズし得る温度でインキュベートし得る。例えば、第3オリゴヌクレオチドは、標的核酸配列に結合しない5’末端でポリT尾部を含み得る。この一本鎖ポリT尾部は、各A/T対について2℃を使用して、固体支持体に共有結合で結合され得るポリAオリゴヌクレオチドに結合し得る。
【0177】
標的配列を、その後、容器の残りの内容物から物理的に分離し得る。いくつかの実施形態では、容器を、10分間、例えば1,000×gで遠心分離し得る。固体支持体が磁気ビーズである、ある実施形態では、分離は、容器に磁界をかけ、未結合の試薬をデカントし、吸引、またはそうでなければ除去し、それによって標的核酸配列を単離することによって達成され得る。
【0178】
いくつかの実施形態では、PCR反応が完了した後に、標的配列を検出し得る。標識がECL部分または発蛍光団である場合、増幅した標的配列を、電子増倍管に結合したセルに入れ得る。当業者は、標的配列がこの目的のために設計された装置、例えばM−SERIESM1−M分析装置(BioVeris社、メリーランド州ゲーサーズバーグ)のセルで単離および検出され得ることを認識する。標識が放射活性アイソトープである場合、増幅標的配列は、例えば、ガンマ計測器、ガイカー計測器、またはシンチレーション計測器を使用して検出し得る。
【0179】
V.キット
いくつかの実施形態では、本発明は、標的核酸を検出、増幅および/または単離する方法を行うためのキットも提供する。いくつかの実施形態では、本発明のキットは、前述のとおりの組成物の少なくとも1つを含むことができ、キットは、キット成分が包装され得る容器を含み得る。いくつかの実施形態では、キットは、標的核酸を検出、増幅および/または単離するためにキット構成要素をどのように使用するかについての指示を含み得る。
【実施例】
【0180】
実施例1:病原性細菌からのDNAの検出
3つのオリゴヌクレオチドを、炭疽菌の感染防御抗原をコードするDNA配列の一部にハイブリダイズするように設計された。第1オリゴヌクレオチドの配列は、以下のとおりである。

配列番号1は順方向プライマーである。
【0181】
第2オリゴヌクレオチドの配列は以下のとおりである。

配列番号2は逆方向プライマーである。
2つのオリゴヌクレオチドプライマーは、PCR産物193塩基長を増幅した。米国特許第5,597,910号で示される方法を使用して、ホスホアミダイト化学によって5’末端でルテニウムを有する配列番号2を合成した。
【0182】
生じる標識PCR産物を捕獲するために使用される第3オリゴヌクレオチドは、以下の配列を示した。

このオリゴヌクレオチドは、第1および第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズした配置の間の標的核酸配列上の位置に、未標識PCRプライマーと同じ標的鎖に十分に相補的であった。Biosource International社(カリフォルニア州カマリロ)から購入した5’末端で第1級アミノ基を有する第3オリゴヌクレオチドを合成した。[1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド]ヒドロクロリドを架橋剤として使用することによって、捕獲オリゴヌクレオチドを、Dynal2.8−ミクロンのカルボキシル化超常磁性ビーズ(Dynal Biotech社、ウィスコンシン州ブラウン・ディアー、M−270カルボキシル化ビーズ、部品番号143.06)に結合させた。簡潔には、200μlの0.01M水酸化ナトリウムで2回、200μlの脱イオン水で3回洗浄することによって、200μlのM−270カルボキシル化ビーズ(30mg/ml)を作製した。25mMの2−モルホリノエタンスルホン酸緩衝液(MES、シグマ・アルドリッチ、ミズーリ州セントルイス)pH5.0および30μMのアミノ標識オリゴヌクレオチドを含有する140μlの溶液中で、洗浄したビーズを再懸濁させた。混合物を、30分間、回転攪拌混合で、室温でインキュベートし、その後、100mM MES(pH5.0)中の100mg/mlの[1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(EDC、Pierce Biotechnology社、イリノイ州ロックフォード)の新たに作製した溶液60μlを、添加し、4℃で18時間インキュベートした。ビーズを、400μlの10mMトリス−HCl(pH8.0)、0.1mM EDTA、0.1%Tween20(シグマ・アルドリッチ、ミズーリ州セントルイス)で4回洗浄することによって、未反応オリゴヌクレオチドを除去した。接合ビーズを、400μlの同じ緩衝剤中に再懸濁し(15mgビーズ/ml)、4℃で保存した。
【0183】
以下の試薬の液体製剤を調製した:5mMトリス−HCl(pH8.3)、25mM KCl、2.5mM MgCl、0.1mM dATP、0.1mM dCTP、0.1mM dGTP、0.1mM dTTP、10mMトリス(pH8.0)中の0.1μM未標識PCRプライマー、0.1mM EDTA、10mMトリス(pH8.0)中の0.1μM[Ru(bpy)2+標識PCRプライマー、0.1mM EDTA、2.5%w/vトレハロース、0.125%v/vTween(登録商標)20、0.02単位/μl TaqDNAポリメラーゼ、第3オリゴヌクレオチドに結合した0.3μgの上述のオリゴヌクレオチド−超常磁性ビーズ。緩衝液、塩化マグネシウム溶液およびTaqDNAポリメラーゼを、Applied Biosystems社から購入した。dNTPミックス溶液を、Bioline社から購入した。トレハロースおよびTween(登録商標)20を、シグマ・アルドリッチから購入した。オリゴヌクレオチドを、Biosource社から購入した。
【0184】
50μlの液体製剤を、0.2mlポリプロピレンPCR管に入れ、ドライアイス・エタノール浴中で即時凍結し、棚板温度−30℃でLabconcoモデル7934000凍結乾燥機中で46時間、凍結乾燥により乾燥させた。以下の実験のため、同日、乾燥製剤を使用した。25μlの水を各管に添加することによって、PCR反応液を調製した。スターン株から得たシリカ回転カラム(Qiagen社)を使用して作製した1μlの200pg/μlの炭疽菌DNAを、最高濃度の管に添加し、DNAの6回希釈を、反応ミックス中で行った。PCR管を密栓し、簡潔に混合後、熱サイクラー(MJリサーチPTC−200)に入れて、35サイクルのDNA増幅を受けさせた。増幅サイクルを開始する前に、PCR管を、7分間、95℃で予備インキュベートした。各増幅サイクルは、30秒間95℃で、30秒間55℃で、その後1分間72℃でPCR管をインキュベートすることにより構成される。35サイクルを完了した後、PCR管を、4分間72℃でインキュベートした。
【0185】
その後、反応液を混合して、ビーズを再懸濁し、95℃で5分間加熱し、その後40℃で30分間インキュベートして、捕獲オリゴヌクレオチドに、PCR産物とハイブリダイズさせた。組み込まれた標識プライマーを介して標識し、PCR産物を、210μlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈し、ビーズに結合した[Ru(bpy)2+の量を、BioVeris M−SERIES(登録商標)M1R分析装置(BioVeris社、メリーランド州ゲーサーズバーグ)で定量した。図1に示されるとおり、結果は、検出されたECL信号と存在した標的炭疽菌DNAの量の間の相互関係を示した。
【0186】
実施例2:凍結乾燥産物の安定性
以下の炭疽菌標的:保護的抗原、カプセル状タンパク質Bおよび染色体遺伝子座の一部をコードするDNA配列を増幅および検出するために、PCR反応混合物を作製した。以下のプライマー対を各標的のために使用した。
感染防御抗原:
順方向プライマー:配列番号1
逆方向プライマー:配列番号2
カプセル状タンパク質B:
順方向プライマー:

逆方向プライマー:

染色体遺伝子座BA4070:
順方向プライマー:

逆方向プライマー:

捕獲オリゴヌクレオチドの配列は以下のとおりであった:
感染防御抗原:配列番号3
カプセル状タンパク質B:

染色体遺伝子座BA4070

【0187】
実施例1で示されるとおり、5’末端に第1級アミンを有する捕獲オリゴヌクレオチドを合成した。各反応ミックスは、10mM トリス−HCl(pH8.3)、50mM KCl、4mM MgCl、0.2mM dATP、0.2mM dCTP、0.2mM dGTP、0.4mM dUTP、5%w/vトレハロース、0.25%Tween(登録商標)20、0.02%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.2μM未標識順方向プライマー、0.2μM[Ru(bpy)2+標識逆方向プライマー、捕獲オリゴヌクレオチドに結合した0.6μgM−270超常磁性ビーズ(実施例1で製造された)、および0.04単位/μl TaqDNAポリメラーゼより構成された。総量6mlの各ミックスを作製し、その4mlを凍結乾燥した。実施例1で示されるとおり、5’末端にルテニウム−キレート検出可能な基を有する逆方向プライマーを合成した。
【0188】
25μlアリコートの反応ミックスを、0.2mlPCR反応管に再懸濁させ、ドライアイス・エタノール浴で即時凍結した。凍結管を、モデル7934000Labconco凍結乾燥機に入れ、棚板温度を上昇するプログラムを使用して乾燥させた:1.5時間−30℃、次の12時間かけて−10℃に傾斜し、次の6時間かけて0℃に傾斜し、10℃で20時間までに終了した。乾燥した反応管を、シリカゲル乾燥性ポケット5gを含有するアルミ箔袋(Ulead社)中で37℃で保存した。凍結乾燥後1日、7日、28日目に、25μlの水に懸濁した0、0.1、または5pgの炭疽菌DNAを添加することによって、反応管を再構成させた。PCR管を密栓し、簡潔に混合し、その後MJリサーチPTC225熱サイクラーに入れて、38サイクルのDNA増幅を受けさせた。増幅サイクルを開始する前に、PCR管を、7分間95℃で予備インキュベートした。各増幅サイクルは、15秒間95℃で、および30秒間50℃で、PCR管をインキュベートし、38回繰返すことより構成された。その後、試料を、2分間、72℃でインキュベートした。
【0189】
その後、反応液を、簡潔に混合して、ビーズを再懸濁し、95℃で5分間加熱し、その後、40℃で30分間インキュベートして、捕獲オリゴヌクレオチドに、PCR産物とハイブリダイズさせた。組み込まれた標識プライマーを介して標識して、PCR産物をその後、210μlの水で希釈し、ビーズに結合した[Ru(bpy)2+の量を、BioVeris M−SERIES(登録商標)M1R分析装置(BioVeris社、メリーランド州ゲーサーズバーグ)で定量した。図2Aおよび2Bで示されるとおり、反応混合物は、試験された各DNA濃度で検出可能なPCR産物を提供した。従って、3つの標的部位全てについての反応混合物は、37℃で保存した場合少なくとも28日間安定であった。
【0190】
実施例3:RNAの検出
反応混合物を作製して、重症急性呼吸器症候群(SARS)を引き起こすコロナウイルスのRNAゲノムの一部を増幅および検出した。使用されたオリゴヌクレオチドは、以下の配列を有した:
順方向プライマー:

逆方向プライマー:

捕獲オリゴヌクレオチド:

【0191】
実施例1および2で示されるとおりに、プライマーおよび捕獲オリゴヌクレオチドを作製した。反応混合物は、20mMトリス−HCl(pH8.3)、100mM KCl、2mM塩化マグネシウム、0.2mM dATP、0.2mM dCTP、0.2mM dGTP、0.4mM dUTP、5%トレハロース、0.2μM未標識順方向プライマー、0.2μM[Ru(bpy)2+標識逆方向プライマー、捕獲オリゴヌクレオチドに結合した0.6μg超常磁性ビーズ(Dynal Biotech社)から得られる1μm直径MyOne(商標)カルボキシル化ビーズ、部品番号650.12)、および0.15単位/μlサームス種Z05ポリメラーゼ(Applied Biosystems社、カリフォルニア州ホスター)を含有した。超常磁性ビーズを、実施例1で示されるとおりに作製した。
【0192】
25μlの反応混合物を、0.2ml PCR反応管に懸濁させた。その管を、ドライアイス上で即時凍結させ、−30℃に予め冷却したVirTis Ultra35凍結乾燥機に入れた。温度を、−30℃で、360時間保持し、0.1℃/分で、−10℃まで上昇させ、480分間−10℃で保持し、0℃まで、0.1℃/分で上昇させ、300分間0℃で保持し、10℃まで0.1℃/分で上昇させ、300分間10℃で保持し、25℃まで0.17℃/分で上昇させ、13分間25℃で保持した。その間の圧力は、15〜19mTorrであった。25μlの脱イオン水を添加することによって、乾燥反応物を、再構成した。再構成反応のための試験テンプレートは、SARS−CoV強化RNA(Ambion社、テキサス州オースチン)であった。75℃で3分間加熱し、その後、RT−PCR反応に加えることによって、3μlの強化RNA(1×10粒子)を活性化させた。3μlを6つの管に逐次移行させることによって、RNAの希釈を行った。PCR間を密栓し、簡潔に混合し、その後、MJリサーチPTC−200熱サイクラーに入れて、40サイクルの増幅を受けさせた。PCR管を、最初に、30分間65℃で予めインキュベートして、RNAテンプレートから当初のDNA鎖の合成をさせた。その後、試料を、1分間95℃でインキュベートして、増幅サイクルの開始の前に、生じるRNA/DNAハイブリッドの鎖を分離させた。各増幅サイクルは、15秒間95℃で、30秒間55℃でPCR管をインキュベートすることより構成された。40サイクルを完了した後に、PCR管を、30分間45℃でインキュベートして、捕獲オリゴヌクレオチドに、PCR産物とハイブリダイズさせた。組み込まれた標識逆方向プライマーを介して標識して、その後PCR産物を、210μlのPBSで希釈し、ビーズに結合した[Ru(bpy)2+の量を、BioVeris M−SERIES(登録商標)M1R分析装置(BioVeris社、メリーランド州ゲーサーズバーグ)で定量した。図3で示されるとおり、生じたECL信号の強度は、試料中に存在するウイルス性RNA複製数と相互関係があった。
【0193】
ここで引用される全資料は、それらの全体で参照して組み込まれる。参照により組み込まれる刊行物および特許または特許出願は、明細書に含まれる開示を反駁するのであれば、その明細書は、いずれかのこのような正反対の材料を放棄および/または優先することが意図される。
【0194】
明細書および請求項で使用される成分の量、反応条件などを表す全ての数は、用語「約」によって全ての例で修飾されると理解されることである。従って、それと反対に指示されない限り、明細書および付随の請求項で説明される数字で示されるパラメーターは、本発明によって得られることを求められる所望の特性によって変化し得る推定である。少なくとも、請求項の範囲に対する等価物の原理の使用を制限する試みとしてではなく、各数字で表されるパラメーターは、明らかな数字の数および通常の丸めのアプローチの点で解釈されるべきである。
【0195】
当業者に明らかであるとおり、その概念および範囲から逸脱することなく、本発明の多くの修飾および変動をなし得る。例えば、明細書は、核酸増幅についてのPCRに該当するが、自己持続配列複製(3SR)および鎖置換増幅(SDA)のような標的ポリヌクレオチド増幅方法;「分岐鎖」DNA増幅のような標的ポリヌクレオチドに付着した信号の増幅に基づいた方法;リガーゼ連鎖反応(LCR)およびQBレプリカーゼ増幅(QBR)のようなプローブDNAの増幅に基づいた方法;ライゲーション活性化転写(LAT)および核酸配列に基づいた増幅(NASBA)のような転写に基づいた方法;および修復連鎖反応(RCR)およびサイクリングプローブ反応(CPR)のような他の種々の増幅方法のように、他の増幅技術も、本発明の範囲内にある。
【0196】
明細書は、明細書内に引用される資料の教示の点で最も十分に理解される。明細書内の実施形態は、本発明の実施形態の例を提供し、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきでない。当業者は、多くの他の実施形態が、本発明によって包含されることを十分に認識する。この開示で引用される全ての刊行物および特許は、全体に参照して組み込まれる。参照により組み込まれる材料は、本明細書と反駁するか、または一致しないのであれば、明細書は、いずれかのこのような材料を放棄する。本明細書中の任意の資料の引用は、このような資料が本発明の先行技術であるという承認はない。明細書および実施例が、例示のみと考慮されるべきことが意図され、本発明の真の範囲および概念は、以下の請求項によって示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】炭疽菌(B. anthracis)DNAの開始濃度と炭疽菌DNAのPCR増幅後に検出された電気化学発光信号との関係を示したグラフである。各記号は二重測定の平均を表しており、線は測定に沿った数学的曲線である。
【図2】炭疽菌ゲノムDNAが付加された、再組成された乾燥組成物のPCR増幅後、時間を経て発生させた電気化学発光信号を示すグラフである。ゲノム炭疽菌DNA(染色体遺伝子座BA4070、防御因子およびカプセル状タンパク質B)の三つの部分は2種類の量(炭疽菌DNAの100fgおよび5pg)で3回に分けて測定された(A.凍結乾燥後1日および7日)(B.凍結乾燥後28日)。各バーは三重測定の平均を表している。誤差バーは三重測定の1標準偏差を表している。
【図3】予備混合試薬を用いた逆転写酵素およびPCR増幅後の、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスの電気化学発光信号および複製数との関係を示したグラフである。円記号は、液状で保持され、かつ、製造された同日に使用された組成物に対する二重測定の平均を表している。プラス記号は、乾燥組成物を形成するために凍結乾燥され、乾燥組成物が室温で5日間貯蔵された後使用された組成物に対する二重測定の平均を表している。2,000粒子に近いRNA複製の数で、液体および乾燥組成物測定は重複している。線は乾燥組成物測定に沿った数学的曲線である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)標的核酸配列の第1部分とハイブリダイズすることが可能な第1オリゴヌクレオチド、
(i)標的核酸配列の第2部分に相補性の核酸配列とハイブリダイズすることが可能な第2オリゴヌクレオチド、および
(j)少なくとも1つの固体支持体に結合され、
(1)標的核酸配列、または
(2)標的核酸配列に相補性の核酸配列
の第3部分とハイブリダイズすることが可能な第3オリゴヌクレオチド
を含む標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物であって、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、(h)第1オリゴヌクレオチド、および(i)第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、および
組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とする組成物。
【請求項2】
第3オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの固体支持体に共有結合的に結合されていることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
第3オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの固体支持体から切断することが可能なことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項4】
第1および第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識を含んでいることを特徴とする請求項1、2または3記載の組成物。
【請求項5】
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)1組の結合パートナーの第1メンバーにより修飾された少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)標的核酸配列の第1部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能な第1オリゴヌクレオチド、および
(i)標的核酸配列の第2部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であり、1組の結合パートナーの第2メンバーを含む第2オリゴヌクレオチド
を含む標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物であって、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含んでいないことを特徴とする組成物。
【請求項6】
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)リンカー物質に結合することが可能な少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)標的核酸配列の第1部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能な第1オリゴヌクレオチド、および
(i)標的核酸配列の第2部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であり、かつ、リンカー物質を含む第2オリゴヌクレオチド
を含む標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物であって、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、標的核酸配列が増幅されるまで、第2オリゴヌクレオチドが固体支持体に結合されないこと、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含んでいないことを特徴とする組成物。
【請求項7】
リンカー物質が光活性化可能であり、そのためリンカー物質が固体支持体に結合されることが可能であることを特徴とする請求項6記載の組成物。
【請求項8】
リンカー物質がアリールアジドを含んでいることを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項9】
第1オリゴヌクレオチドが標識により修飾されていることを特徴とする請求項5または6記載の組成物。
【請求項10】
さらにECL共反応化合物を含んでいることを特徴とする請求項1、5または6記載の組成物。
【請求項11】
ECL共反応化合物が第2級アミンおよび/または第3級アミンを含んでいることを特徴とする請求項10記載の組成物。
【請求項12】
ECL共反応化合物が、ペルオキソ二硫酸、エチルアミン、ジ−エチルアミン、トリ−エチルアミン、トリ−イソ−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−イソ−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−イソ−ブチルアミン、ビ−イソ−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、N−エチルモルホリン、スパルテイン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、ジヒドロニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、1,4−ジアゾビシクロ(2.2.2)オクタン、エチレンジアミン四酢酸、シュウ酸、1−エチルピペリジン、ジ−n−プロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラプロピル−1,3−ジアミノプロパン、DAB−AM−4、ポリプロピレンイミンテトラアミンデンドリマー、DAB−AM−8、ポリプロピレンイミンオクタアミンデンドリマー、DAB−AM−16、ポリプロピレンイミンヘキサデカアミンデンドリマー、DAB−AM−32、ポリプロピレンイミンドトリアコンタアミンデンドリマー、DAB−AM−64、ポリプロピレンイミンテトラヘキサコンタアミンデンドリマー、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、グリシル−グリシン、2−モルホリノエタンスルホン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロトリエタノール、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)タウリン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−l−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)水和物、ピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)二水和物、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸、およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)および/またはそれらの塩類の少なくとも1つであることを特徴とする請求項10記載の組成物。
【請求項13】
ECL共反応化合物が、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、トリ−n−プロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラプロピル−1,3−ジアミノプロパンおよび/またはそれらの塩類の少なくとも1つであることを特徴とする請求項10記載の組成物。
【請求項14】
(a)組成物が乾燥組成物であること、
(b)組成物がさらに、外部条件が4℃、および30%の相対湿度である場合、乾燥組成物を3ヶ月間乾燥させておくのに充分な湿度バリアーを形成する容器を含んでいること、
(c)少なくとも1つの固体支持体が、約1〜約3ミクロンの直径を有する少なくとも1つの磁気ビーズであること、
(d)第1および第2オリゴヌクレオチドが、それぞれ約10〜約90ヌクレオチド長であること、
(e)少なくとも1つの緩衝剤が、約8.1〜約8.5のpH範囲において有効な緩衝能力を有していること、
(e)少なくとも1つのポリメラーゼが耐熱性ポリメラーゼを含んでいること、および
(f)第1および第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、ECL成分、フルオロフォアまたは化学発光標識を含む、ただし、第3オリゴヌクレオチドが含まれない実施形態においては、第2オリゴヌクレオチドがECL成分、フルオロフォア、または化学発光標識を含まないという条件であること
を特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸が標識により修飾されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
組成物が乾燥組成物であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
さらに、外部条件が37℃および100%の相対湿度の場合、乾燥組成物を20日間乾燥させておくのに充分な湿度バリアーを形成する容器を含む請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
さらに、
(a)乾燥組成物を保持する内部容器、
(b)外部容器、および
(c)内部容器と外部容器との間に位置する乾燥剤
を含み、
外部条件が37℃および100%の相対湿度の場合、結果として生じる湿度バリアーが乾燥組成物を20日間乾燥させておくのに充分であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
さらに、外部条件が4℃および30%の相対湿度の場合、乾燥組成物を3ヶ月間乾燥させておくのに充分な湿度バリアーを形成する容器を含んでいる請求項16記載の組成物。
【請求項20】
少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸がデオキシリボヌクレオシド三リン酸であることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
少なくとも1つのデオキシリボヌクレオシド三リン酸が、デオキシシチジン5’−三リン酸(dCTP)、デオキシアデノシン5’−三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン5’−三リン酸(dGTP)、デオキシチミジン5’−三リン酸(dTTP)、デオキシウラシル5’−三リン酸(dUTP)および/またはデオキシイノシン5’−三リン酸(dITP)から選択されることを特徴とする請求項20記載の組成物。
【請求項22】
少なくとも1つの固体支持体が少なくとも1つのビーズであることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
少なくとも1つのビーズが約1〜約3ミクロンの直径を有することを特徴とする請求項22記載の組成物。
【請求項24】
少なくとも1つのビーズが少なくとも1つのポリスチレンビーズであることを特徴とする請求項22記載の組成物。
【請求項25】
少なくとも1つのビーズが少なくとも1つの磁気ビーズであることを特徴とする請求項22記載の組成物。
【請求項26】
少なくとも1つの固体支持体が少なくとも1つの電極であることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
第1および第2オリゴヌクレオチドがそれぞれ約15〜約60ヌクレオチド長であることを特徴とする請求項1〜26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
少なくとも1つの1価の陽イオンが、カリウムイオン、アンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオンおよびテトラエチルアンモニウムイオンの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
少なくとも1つの2価の陽イオンが、マグネシウムまたはマンガンを含んでいることを特徴とする請求項1〜28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
少なくとも1つのポリメラーゼが耐熱性ポリメラーゼを含んでいることを特徴とする請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
少なくとも1つのポリメラーゼが逆転写酵素を含んでいることを特徴とする請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
少なくとも1つのポリメラーゼが、Taqポリメラーゼ、Tthポリメラーゼ、TZ05ポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、テルムス・ブロキアヌス(brockianus)に由来するダイナザイム(商標)ポリメラーゼ、パイロコッカス・アビシに由来するIsisDNAポリメラーゼ(商標)またはDNAポリメラーゼIのクレノー断片を含むことを特徴とする請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
少なくとも1つの緩衝剤が、約8.1〜約8.5のpH範囲において有効な緩衝能力を有していることを特徴とする請求項1〜32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
少なくとも1つの凍結保護物質が二糖、多糖体、またはポリアルコールを含んでいることを特徴とする請求項1〜33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
少なくとも1つの凍結保護物質がショ糖またはフィコールを含んでいることを特徴とする請求項34記載の組成物。
【請求項36】
少なくとも1つの凍結保護物質がトレハロースを含んでいることを特徴とする請求項34記載の組成物。
【請求項37】
標識がECL成分、フルオロフォア、酵素標識、放射性同位体、化学発光標識、生物発光標識、ハプテン、抗体、または染料を含んでいることを特徴とする請求項1〜36のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
標識がルテニウムキレート、オスミウムキレート、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン、ローダミン、またはシアニンを含んでいることを特徴とする請求項1〜37のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
標識がビス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)またはトリス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)を含んでいることを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
(1)以下の:
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)標的核酸配列の第1部分とハイブリダイズすることが可能な第1オリゴヌクレオチド、
(i)標的核酸配列の第2部分に相補性の核酸配列とハイブリダイズすることが可能な第2オリゴヌクレオチド、および
(j)少なくとも1つの固体支持体に結合され、
(1)標的核酸配列、または
(2)標的核酸配列に相補性の核酸配列
の第3部分とハイブリダイズすることが可能な第3オリゴヌクレオチド
を得る工程であって、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、(h)第1オリゴヌクレオチド、および(i)第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とする工程、および
(2)容器内で(a)〜(j)を組み合わせ、それにより標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を形成する工程
を含む標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物の製造方法。
【請求項41】
第3オリゴヌクレオチドが固体支持体に共有結合的に結合されていることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項42】
第3オリゴヌクレオチドが固体支持体から切断されることが可能であることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項43】
第1および第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていることを特徴とする請求項40、41または42記載の方法。
【請求項44】
(1)以下の
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)1組の結合パートナーの第1メンバーにより修飾された少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)標的核酸配列の第1部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能な第1オリゴヌクレオチド、および
(i)標的核酸配列の第2部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であり、1組の結合パートナーの第2メンバーを含む第2オリゴヌクレオチド
を得る工程であって、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能な場合、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能である場合、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とする工程、および
(2)容器内で(a)〜(i)を組み合わせ、それにより標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を形成する工程
を含む標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物の製造方法。
【請求項45】
(1)以下の成分:
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)結合物質に結合することが可能な少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)標的核酸配列の第1部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能な第1オリゴヌクレオチド、および
(i)標的核酸配列の第2部分または標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であり、リンカー物質を含む第2オリゴヌクレオチド
を得る工程であって、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、標的核酸配列が増幅されるまで第2オリゴヌクレオチドが固体支持体に結合されないこと、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能な場合、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能である場合、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含んでいないことを特徴とする工程、および
(2)単一の容器内で(a)〜(i)を組み合わせ、それにより標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を形成する工程
を含む、試料内の標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物の製造方法。
【請求項46】
リンカー物質が光活性化可能であり、そのためリンカー物質が固体支持体に結合されることが可能であることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項47】
リンカー物質がアリールアジドを含んでいることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項48】
第1オリゴヌクレオチドが標識により修飾されていることを特徴とする請求項40、44または45記載の方法。
【請求項49】
試料が標的核酸配列に相補性の核酸配列を含有していることを特徴とする請求項40〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
試料が標的核酸配列に相補性の核酸配列を含有していないことを特徴とする請求項40〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
ECL共反応化合物が工程(2)の組成物に付加されることを特徴とする請求項40〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
ECL共反応化合物が第2級アミンおよび/または第3級アミンを含んでいることを特徴とする請求項51記載の方法。
【請求項53】
ECL共反応化合物が、ペルオキソ二硫酸、エチルアミン、ジ−エチルアミン、トリ−エチルアミン、トリ−イソ−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−イソ−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−イソ−ブチルアミン、ビ−イソ−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、N−エチルモルホリン、スパルテイン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、ジヒドロニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、1,4−ジアゾビシクロ(2.2.2)オクタン、エチレンジアミン四酢酸、シュウ酸、1−エチルピペリジン、ジ−n−プロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラプロピル−l,3−ジアミノプロパン、DAB−AM−4、ポリプロピレンイミンテトラアミンデンドリマー、DAB−AM−8、ポリプロピレンイミンオクタアミンデンドリマー、DAB−AM−16、ポリプロピレンイミンヘキサデカアミンデンドリマー、DAB−AM−32、ポリプロピレンイミンドトリアコンタアミンデンドリマー、DAB−AM−64、ポリプロピレンイミンテトラヘキサコンタアミンデンドリマー、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、グリシル−グリシン、2−モルホリノエタンスルホン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロトリエタノール、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)タウリン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)水和物、ピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)二水和物、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸、およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)および/またはそれらの塩類の少なくとも1つであることを特徴とする請求項51記載の方法。
【請求項54】
ECL共反応化合物がピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、トリ−n−プロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラプロピル−1,3−ジアミノプロパンおよび/またはそれらの塩類の少なくとも1つであることを特徴とする請求項51記載の方法。
【請求項55】
少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸が標識により修飾されていることを特徴とする請求項40〜54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
さらに、乾燥組成物を形成するために、工程(2)の組成物を凍結乾燥する工程を含んでいる請求項40〜55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
さらに、外部条件が4℃および30%の相対湿度の場合、乾燥組成物を3ヶ月間乾燥させておくのに充分な湿度バリアーを形成するために、乾燥組成物を保持する容器を密閉する工程を含んでいる請求項56記載の方法。
【請求項58】
(a)少なくとも1つの固体支持体が、約1〜約3ミクロンの直径を有する少なくとも1つの磁気ビーズであること、
(b)第1および第2オリゴヌクレオチドがそれぞれ約10〜約90ヌクレオチド長であること、
(c)少なくとも1つの緩衝剤が、約8.1〜約8.5のpH範囲において有効な緩衝能力を有していること、
(d)少なくとも1つのポリメラーゼが耐熱性ポリメラーゼを含んでいること、および
(e)第1および第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つがECL成分、フルオロフォア、または化学発光標識を含んでいる、ただし第3オリゴヌクレオチドを含まない実施形態においては、第2オリゴヌクレオチドがECL成分、フルオロフォア、または化学発光標識を含まないという条件であること
を特徴とする請求項40〜57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸がデオキシリボヌクレオシド三リン酸であることを特徴とする請求項40〜58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
少なくとも1つのデオキシリボヌクレオシド三リン酸が、デオキシシチジン5’−三リン酸(dCTP)、デオキシアデノシン5’−三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン5’−三リン酸(dGTP)、デオキシチミジン5’−三リン酸(dTTP)、デオキシウラシル5’−三リン酸(dUTP)、およびデオキシイノシン5’−三リン酸(dITP)から選択されることを特徴とする請求項59記載の方法。
【請求項61】
少なくとも1つの固体支持体が少なくとも1つのビーズであることを特徴とする請求項40〜60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
少なくとも1つのビーズが、約1〜約3ミクロンの直径を有していることを特徴とする請求項61記載の方法。
【請求項63】
少なくとも1つのビーズが少なくとも1つのポリスチレンビーズであることを特徴とする請求項61記載の方法。
【請求項64】
少なくとも1つのビーズが少なくとも1つの磁気ビーズであることを特徴とする請求項61記載の方法。
【請求項65】
第1および第2オリゴヌクレオチドが、それぞれ約15〜約60ヌクレオチド長であることを特徴とする請求項40〜64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
1価の陽イオンが、カリウムイオン、アンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、またはテトラエチルアンモニウムイオンの少なくとも1つであることを特徴とする請求項40〜65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
2価の陽イオンがマグネシウムまたはマンガンであることを特徴とする請求項40〜66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
ポリメラーゼが耐熱性ポリメラーゼであることを特徴とする請求項40〜67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
ポリメラーゼが逆転写酵素であることを特徴とする請求項40〜67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
少なくとも1つのポリメラーゼが、Taqポリメラーゼ、Tthポリメラーゼ、TZ05ポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、テルムス・ブロキアヌス(brockianus)に由来するダイナザイム(商標)ポリメラーゼ、パイロコッカス・アビシに由来するIsisDNAポリメラーゼ(商標)またはDNAポリメラーゼIのクレノー断片を含んでいることを特徴とする請求項40〜67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
少なくとも1つの緩衝剤が、約8.1〜約8.5のpH範囲における有効な緩衝能力を有していることを特徴とする請求項40〜70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
凍結保護物質が二糖、多糖体、またはポリアルコールを含んでいることを特徴とする請求項40〜71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
凍結保護物質がショ糖またはフィコールを含んでいることを特徴とする請求項72記載の方法。
【請求項74】
凍結保護物質がトレハロースを含んでいることを特徴とする請求項72記載の方法。
【請求項75】
標識が、ECL成分、フルオロフォア、酵素標識、放射性同位体、化学発光標識、生物発光標識、ハプテン、抗体、または染料を含んでいることを特徴とする請求項40〜74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
標識がルテニウムキレート、オスミウムキレート、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン、ローダミンまたはシアニンを含んでいることを特徴とする請求項75記載の方法。
【請求項77】
標識がビス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)またはトリス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)を含んでいることを特徴とする請求項76記載の方法。
【請求項78】
(1)請求項40または44の方法により生成される標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための第1組成物を得る、
(2)標的核酸配列を含有する試料を第1組成物に付加して第2組成物を形成する、
(3)第2組成物を交互に加熱および冷却して標的核酸配列の多数の複製を製造する
(4)任意に工程(3)から標的核酸配列の多数の複製を単離する、および
(5)任意に標識を検出して、それによって試料中の標的核酸を検出する
工程を含む標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法。
【請求項79】
(1)請求項45の方法により生成される標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための第1組成物を得る、
(2)標的核酸配列を含有する試料を第1組成物に付加して第2組成物を形成する、
(3)第2組成物を交互に加熱および冷却して標的核酸配列の多数の複製を製造する、
(4)第2オリゴヌクレオチドを固体支持体に結合させる、
(5)任意に工程(3)から標的核酸配列の多数の複製単離する、および
(6)任意に標識を検出し、それによって試料中の標的核酸を検出する
工程を含む標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法。
【請求項80】
試料が標的核酸配列および標的核酸配列に相補性の核酸配列を含有していることを特徴とする請求項78または79記載の方法。
【請求項81】
試料が標的核酸配列に相補性の核酸配列を含有していないことを特徴とする請求項78または79記載の方法。
【請求項82】
標的核酸配列がリボ核酸を含んでいることを特徴とする請求項78〜81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
標的核酸配列がデオキシリボ核酸を含んでいることを特徴とする請求項78〜81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
請求項1〜39のいずれか1項に記載の組成物を含む単一の容器を含んでいる試料中の標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するためのキット。
【請求項85】
組成物が乾燥組成物であることを特徴とする請求項84記載のキット。
【請求項86】
さらにキットの使用方法についての説明書を含んでいる請求項84記載のキット。
【請求項87】
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)Nの不連続領域を含む少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)i番目第1オリゴヌクレオチドが、i番目標的核酸配列の第1部分とハイブリダイズすることが可能であるNの第1オリゴヌクレオチド、
(i)i番目第2オリゴヌクレオチドが、i番目標的核酸配列の第2部分に相補性の核酸配列とハイブリダイズすることが可能であるNの第2オリゴヌクレオチド、および
(j)i番目第3オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの固体支持体上のi番目不連続領域に結合され、かつ
(1)i番目標的核酸配列、または
(2)i番目標的核酸配列に相補性の核酸配列
の第3部分とハイブリダイズすることが可能であるNの第3オリゴヌクレオチド
を含むNの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物であって、
Nが1または1よりも大きい整数であること、i番目が1およびNの両方を含む1とNとの間の全ての整数を順番に表し、かつ、組成物の標的核酸特異的要素を示すのに用いられること、(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、(h)i番目第1オリゴヌクレオチド、および(i)i番目第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とする組成物。
【請求項88】
i番目第1およびi番目第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識を含むことを特徴とする請求項87記載の組成物。
【請求項89】
容器への水分の付加により、要素(a)〜(j)が互いに液体接触状態になることを特徴とする、さらに組成物を保持する容器を含む請求項87または88記載の組成物。
【請求項90】
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)i番目不連続領域が、1組の結合パートナーのi番目第1メンバーにより修飾される、Nの不連続領域を含む少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)i番目第1オリゴヌクレオチドが、i番目標的核酸配列の第1部分またはi番目標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能である、Nの第1オリゴヌクレオチド、および
(i)i番目第2オリゴヌクレオチドが、i番目標的核酸配列の第2部分またはi番目標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であり、かつ、1組の結合パートナーのi番目第2メンバーを含む、Nの第2オリゴヌクレオチド
を含むNの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物であって、
Nが1より大きいまたは等しい整数であること、i番目が1およびNの両方を含む1とNとの間の全ての整数を順番に表し、かつ、組成物の標的核酸特異的要素を示すのに用いられること、(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)i番目第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが、標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含まないことを特徴とする組成物。
【請求項91】
容器への水分の付加により、各要素(a)〜(i)が互いに液体接触状態になることを特徴とする、さらに組成物を保持する容器を含む請求項90記載の組成物。
【請求項92】
2≦N≦1,000,000であることを特徴とする請求項87、89、90または91記載の組成物。
【請求項93】
2≦N≦1,000であることを特徴とする請求項87、89、90または91記載の組成物。
【請求項94】
N≧10であることを特徴とする請求項87、89、90または91記載の組成物。
【請求項95】
N≧50であることを特徴とする請求項87、89、90または91記載の組成物。
【請求項96】
i番目第1オリゴヌクレオチドが標識により修飾されていることを特徴とする請求項90または91記載の組成物。
【請求項97】
さらにECL共反応化合物を含んでいる請求項87〜96のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項98】
ECL共反応化合物が第2級アミンおよび/または第3級アミンを含んでいることを特徴とする請求項97記載の組成物。
【請求項99】
ECL共反応化合物が、ペルオキソ二硫酸、エチルアミン、ジ−エチルアミン、トリ−エチルアミン、トリ−イソ−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−イソ−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−イソ−ブチルアミン、ビ−イソ−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、N−エチルモルホリン、スパルテイン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、ジヒドロニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、1,4−ジアゾビシクロ(2.2.2)オクタン、エチレンジアミン四酢酸、シュウ酸、1−エチルピペリジン、ジ−n−プロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラプロピル−l,3−ジアミノプロパン、DAB−AM−4、ポリプロピレンイミンテトラアミンデンドリマー、DAB−AM−8、ポリプロピレンイミンオクタアミンデンドリマー、DAB−AM−16、ポリプロピレンイミンヘキサデカアミンデンドリマー、DAB−AM−32、ポリプロピレンイミンドトリアコンタアミンデンドリマー、DAB−AM−64、ポリプロピレンイミンテトラヘキサコンタアミンデンドリマー、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、グリシル−グリシン、2−モルホリノエタンスルホン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロトリエタノール、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)タウリン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−l−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)水和物、ピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)二水和物、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸、およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)および/またはそれらの塩類の少なくとも1つであることを特徴とする請求項97記載の組成物。
【請求項100】
ECL共反応化合物が、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、トリ−n−プロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラプロピル−1,3−ジアミノプロパンおよび/またはそれらの塩類の少なくとも1つであることを特徴とする請求項97記載の組成物。
【請求項101】
少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸が標識により修飾されていることを特徴とする請求項87〜100のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項102】
組成物が乾燥組成物であることを特徴とする請求項87〜101のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項103】
さらに、外部条件が37℃および100%の相対湿度の場合、乾燥組成物を20日間乾燥させておくのに充分な湿度バリアーを形成する容器を含んでいる請求項102記載の組成物。
【請求項104】
さらに、
(a)乾燥組成物を保持する内部容器、
(b)外部容器、および
(c)内部容器と外部容器との間に位置する乾燥剤
を含み、
外部条件が37℃および100%の相対湿度の場合、結果として生じる湿度バリアーが乾燥組成物を20日間乾燥させておくのに充分であることを特徴とする請求項102記載の組成物。
【請求項105】
さらに、外部条件が4℃および30%の相対湿度の場合、乾燥組成物を3ヶ月間乾燥させておくのに充分な湿度バリアーを形成する容器を含んでいる請求項102記載の組成物。
【請求項106】
少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸がデオキシリボヌクレオシド三リン酸であることを特徴とする請求項87〜105のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項107】
少なくとも1つのデオキシリボヌクレオシド三リン酸が、デオキシシチジン5’−三リン酸(dCTP)、デオキシアデノシン5’−三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン5’−三リン酸(dGTP)、デオキシチミジン5’−三リン酸(dTTP)、デオキシウラシル5’−三リン酸(dUTP)および/またはデオキシイノシン5’−三リン酸(dITP)から選択されることを特徴とする請求項106記載の組成物。
【請求項108】
少なくとも1つの固体支持体が少なくとも1つの電極であることを特徴とする請求項87〜107のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項109】
Nの不連続領域のそれぞれが不連続電極であることを特徴とする請求項87〜108のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項110】
Nの第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが約15〜約60ヌクレオチド長であること、およびNの第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが約15〜約60ヌクレオチド長であることを特徴とする請求項87〜109のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項111】
少なくとも1つの1価の陽イオンが、カリウムイオン、アンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、およびテトラエチルアンモニウムイオンの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする請求項87〜110のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項112】
少なくとも1つの2価の陽イオンがマグネシウムまたはマンガンを含んでいることを特徴とする請求項87〜111のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項113】
少なくとも1つのポリメラーゼが耐熱性ポリメラーゼを含むことを特徴とする請求項87〜112のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項114】
少なくとも1つのポリメラーゼが逆転写酵素を含んでいることを特徴とする請求項87〜112のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項115】
少なくとも1つのポリメラーゼが、Taqポリメラーゼ、Tthポリメラーゼ、TZ05ポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、テルムス・ブロキアヌス(brockianus)に由来するダイナザイム(商標)ポリメラーゼ、パイロコッカス・アビシに由来するIsisDNAポリメラーゼ(商標)またはDNAポリメラーゼIのクレノー断片を含んでいることを特徴とする請求項87〜112のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項116】
少なくとも1つの緩衝剤が、約8.1〜約8.5のpH範囲において有効な緩衝能力を有していることを特徴とする請求項87〜115のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項117】
少なくとも1つの凍結保護物質が二糖、多糖体、またはポリアルコールを含んでいることを特徴とする請求項87〜116のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項118】
少なくとも1つの凍結保護物質がショ糖またはフィコールを含んでいることを特徴とする請求項117記載の組成物。
【請求項119】
少なくとも1つの凍結保護物質がトレハロースを含んでいることを特徴とする請求項117記載の組成物。
【請求項120】
標識がECL成分、フルオロフォア、酵素標識、放射性同位体、化学発光標識、生物発光標識、ハプテン、抗体または染料を含んでいることを特徴とする請求項87〜119のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項121】
標識がルテニウムキレート、オスミウムキレート、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン、ローダミンまたはシアニンを含んでいることを特徴とする請求項120記載の組成物。
【請求項122】
標識がビス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)またはトリス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)を含んでいることを特徴とする請求項121記載の組成物。
【請求項123】
(a)組成物がさらに、ピペラジン−1,4ビス(2−エタンスルホン酸)、トリ−n−プロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラプロピル−l,3−ジアミノプロパンおよび/またはそれらの塩類の少なくとも1つであるECL共反応化合物を含んでいること、
(b)組成物が乾燥組成物であること、
(c)組成物がさらに、外部条件が4℃および30%の相対湿度の場合、乾燥組成物を3ヶ月間乾燥させておくのに充分な湿度バリアーを形成する容器を含んでいること、
(e)Nの第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが約10〜約90ヌクレオチド長であること、およびNの第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが約10〜約90ヌクレオチド長であること、
(f)少なくとも1つの緩衝剤が、約8.1〜約8.5のpH範囲において有効な緩衝能力を有していること、
(g)少なくとも1つのポリメラーゼが耐熱性ポリメラーゼを含んでいること、および
(h)i番目第1およびi番目の第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つがECL成分、フルオロフォア、または化学発光標識を含んでいる、ただし、i番目第3オリゴヌクレオチドを含む各実施形態においては、i番目第2オリゴヌクレオチドがECL成分、フルオロフォア、または化学発光標識を含まないという条件であること
を特徴とする請求項87〜122のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項124】
(1)以下の:
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)Nの不連続領域を含む少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)i番目第1オリゴヌクレオチドが、i番目標的核酸配列の第1部分とハイブリダイズすることが可能である、Nの第1オリゴヌクレオチド、
(i)i番目第2オリゴヌクレオチドが、i番目標的核酸配列の第2部分に相補性の核酸配列とハイブリダイズすることが可能であり、かつ、(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、(h)i番目第1オリゴヌクレオチド、および(i)i番目第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、標識により修飾されているNの第2オリゴヌクレオチド、および
(j)i番目第3オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの固体支持体上のi番目不連続領域に結合されており、かつ
(1)i番目標的核酸配列、または
(2)i番目標的核酸配列に相補性の核酸配列
の第3部分とハイブリダイズすることが可能であるNの第3オリゴヌクレオチド
を得る、
(2)i番目第3オリゴヌクレオチドを、少なくとも1つの固体支持体上のi番目不連続領域に結合させる、および
(3)(a)〜(j)を容器内で組み合わせ、それによってN標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を形成する
工程を含むNの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物の製造方法であって、
Nが1または1よりも大きい整数であること、i番目が1およびNの両方を含む1とNとの間の全ての整数を順番に表し、かつ、組成物の標的核酸特異的要素を示すために用いられること、および組成物が標的核酸配列またはその相補体を含んでいないことを特徴とする方法。
【請求項125】
容器への水分の付加により、各要素(a)〜(j)が互いに液体接触状態になることを特徴とする請求項124記載の方法。
【請求項126】
第3オリゴヌクレオチドが、固体支持体に共有結合的に結合されていることを特徴とする請求項124または125記載の方法。
【請求項127】
第3オリゴヌクレオチドが固体支持体から切断されることが可能であることを特徴とする請求項124または125記載の方法。
【請求項128】
i番目第1およびi番目第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識を含んでいることを特徴とする請求項124〜127のいずれか1項に記載の方法。
【請求項129】
乾燥組成物を形成するために、さらに、工程(3)の組成物を凍結乾燥する工程を含む請求項124〜128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
外部条件が4℃および30%の相対湿度の場合、乾燥組成物を3ヶ月間乾燥させておくのに充分な湿度バリアーを形成するために、乾燥組成物を保持する容器を密閉する工程をさらに含んでいる請求項129記載の方法。
【請求項131】
(1)以下の:
(a)少なくとも1つのポリメラーゼ、
(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸、
(c)少なくとも1つの1価の陽イオン、
(d)少なくとも1つの2価の陽イオン、
(e)少なくとも1つの緩衝剤、
(f)i番目不連続領域が1組の結合パートナーのi番目第1メンバーにより修飾されている、Nの不連続領域を含んでいる少なくとも1つの固体支持体、
(g)少なくとも1つの凍結保護物質、
(h)i番目第1オリゴヌクレオチドがi番目標的核酸配列の第1部分またはi番目標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であるNの第1オリゴヌクレオチド、および
(i)i番目第2オリゴヌクレオチドがi番目標的核酸配列の第2部分またはi番目標的核酸配列に相補性の配列にハイブリダイズすることが可能であり、かつ、1組の結合パートナーのi番目第2メンバーを含んでいるNの第2オリゴヌクレオチド
を得る工程であって、
Nが1または1より大きい整数であること、i番目が1およびNの両方を含む1とNとの間の全ての整数順番に表し、かつ、組成物の標的核酸特異的要素を示すのに用いられること、(b)少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸および(h)i番目第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが標識により修飾されていること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であること、第1オリゴヌクレオチドが標的核酸配列の相補体にハイブリダイズすることが可能であるならば、そのときには第2オリゴヌクレオチドが標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であること、および組成物が標的核酸配列を含まないことを特徴とする工程、および
(2)容器内で(a)〜(i)を組み合わせ、それによってNの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物を形成する工程
を含むNの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離するための組成物の製造方法。
【請求項132】
容器に水分を付加することにより、各要素(a)〜(i)が互いに液体接触状態になることを特徴とする請求項131記載の方法。
【請求項133】
2≦N≦1,000,000であることを特徴とする請求項124、125、131、または132記載の方法。
【請求項134】
2≦N≦1,000であることを特徴とする請求項124、125、131、または132記載の方法。
【請求項135】
N≧10であることを特徴とする請求項124、125、131、または132記載の方法。
【請求項136】
N≧50であることを特徴とする請求項124、125、131、または132記載の方法。
【請求項137】
第1オリゴヌクレオチドが標識により修飾されていることを特徴とする請求項131〜136のいずれか1項に記載の方法。
【請求項138】
少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸が標識により修飾されていることを特徴とする請求項124〜137のいずれか1項に記載の方法。
【請求項139】
ECL共反応化合物が工程(2)の組成物に付加されることを特徴とする請求項124〜138のいずれか1項に記載の方法。
【請求項140】
ECL共反応化合物が第2級アミンおよび/または第3級アミンを含んでいることを特徴とする請求項139記載の方法。
【請求項141】
ECL共反応化合物が、ペルオキソ二硫酸、エチルアミン、ジ−エチルアミン、トリ−エチルアミン、トリ−イソ−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−イソ−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−イソ−ブチルアミン、ビ−イソ−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、N−エチルモルホリン、スパルテイン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、ジヒドロニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、1,4−ジアゾビシクロ(2.2.2)オクタン、エチレンジアミン四酢酸、シュウ酸、1−エチルピペリジン、ジ−n−プロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラプロピル−l,3−ジアミノプロパン、DAB−AM−4、ポリプロピレンイミンテトラアミンデンドリマー、DAB−AM−8、ポリプロピレンイミンオクタアミンデンドリマー、DAB−AM−16、ポリプロピレンイミンヘキサデカアミンデンドリマー、DAB−AM−32、ポリプロピレンイミンドトリアコンタアミンデンドリマー、DAB−AM−64、ポリプロピレンイミンテトラヘキサコンタアミンデンドリマー、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、グリシル−グリシン、2−モルホリノエタンスルホン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロトリエタノール、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)タウリン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−l−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)水和物、ピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)二水和物、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸、およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)および/またはそれらの塩類の少なくとも1つであることを特徴とする請求項139記載の方法。
【請求項142】
ECL共反応化合物がピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、トリ−n−プロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラプロピル−1,3−ジアミノプロパンおよび/またはそれらの塩類の少なくとも1つであることを特徴とする請求項139記載の方法。
【請求項143】
(a)組成物が乾燥組成物であること、
(b)外部条件が4℃および30%の相対湿度である場合、組成物がさらに、乾燥組成物を3ヶ月間乾燥させておくのに充分な湿度バリアーを形成する容器を含んでいること、
(c)少なくとも1つの固体支持体が少なくとも1つの電極であること、
(d)第1および第2オリゴヌクレオチドがそれぞれ約10〜約90ヌクレオチド長であること、
(e)少なくとも1つの緩衝剤が、約8.1〜約8.5のpH範囲において有効な緩衝能力を有していること、
(f)少なくとも1つのポリメラーゼが耐熱性ポリメラーゼを含んでいること、および
(g)i番目第1および第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つがECL成分、フルオロフォア、または化学発光標識を含んでいる、ただし、i番目第3オリゴヌクレオチドを含まない実施形態において、i番目第2オリゴヌクレオチドがECL成分、フルオロフォア、または化学発光標識を含まないという条件であること
を特徴とする請求項124〜142のいずれか1項に記載の方法。
【請求項144】
さらに、乾燥組成物を形成するために工程(2)の組成物を凍結乾燥する工程を含んでいる請求項131または132記載の方法。
【請求項145】
外部条件が4℃および30%の相対湿度の場合、乾燥組成物を3ヶ月間乾燥させておくのに充分な湿度バリアーを形成するために、乾燥組成物を保持する容器を密閉する工程をさらに含んでいる請求項144記載の方法。
【請求項146】
少なくとも1つのヌクレオシド三リン酸がデオキシリボヌクレオシド三リン酸であることを特徴とする請求項124〜145のいずれか1項に記載の方法。
【請求項147】
少なくとも1つのデオキシリボヌクレオシド三リン酸が、デオキシシチジン5’−三リン酸(dCTP)、デオキシアデノシン5’−三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン5’−三リン酸(dGTP)、デオキシチミジン5’−三リン酸(dTTP)、デオキシウラシル5’−三リン酸(dUTP)、およびデオキシイノシン5’−三リン酸(dITP)から選択されることを特徴とする請求項146記載の方法。
【請求項148】
少なくとも1つの固体支持体が少なくとも1つの電極であることを特徴とする請求項124〜147のいずれか1項に記載の方法。
【請求項149】
Nの不連続領域のそれぞれが不連続電極であることを特徴とする請求項124〜147のいずれか1項に記載の方法。
【請求項150】
Nの第1オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが約15〜約60ヌクレオチド長であること、およびNの第2オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが約15〜約60ヌクレオチド長であることを特徴とする請求項124〜149のいずれか1項に記載の方法。
【請求項151】
1価の陽イオンがカリウムイオン、アンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、またはテトラエチルアンモニウムイオンの少なくとも1つであることを特徴とする請求項124〜150のいずれか1項に記載の方法。
【請求項152】
2価の陽イオンがマグネシウムまたはマンガンであることを特徴とする請求項124〜151のいずれか1項に記載の方法。
【請求項153】
ポリメラーゼが耐熱性ポリメラーゼであることを特徴とする請求項124〜152のいずれか1項に記載の方法。
【請求項154】
ポリメラーゼが逆転写酵素であることを特徴とする請求項124〜152のいずれか1項に記載の方法。
【請求項155】
少なくとも1つのポリメラーゼが、Taqポリメラーゼ、Tthポリメラーゼ、TZ05ポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、テルムス・ブロキアヌス(brockianus)に由来するダイナザイム(商標)ポリメラーゼ、パイロコッカス・アビシに由来するIsisDNAポリメラーゼ(商標)またはDNAポリメラーゼIのクレノー断片を含んでいることを特徴とする請求項124〜152のいずれか1項に記載の方法。
【請求項156】
少なくとも1つの緩衝剤が、約8.1〜8.5のpH範囲において有効な緩衝能力を有していることを特徴とする請求項124〜155のいずれか1項に記載の方法。
【請求項157】
凍結保護物質が二糖、多糖体、またはポリアルコールを含んでいることを特徴とする請求項124〜156のいずれか1項に記載の方法。
【請求項158】
凍結保護物質がショ糖またはフィコールを含んでいることを特徴とする請求項124〜156のいずれか1項に記載の方法。
【請求項159】
凍結保護物質がトレハロースを含んでいることを特徴とする請求項124〜156のいずれか1項に記載の方法。
【請求項160】
標識がECL成分、フルオロフォア、酵素標識、放射性同位体、化学発光標識、生物発光標識、ハプテン、抗体または染料を含んでいることを特徴とする請求項124〜159のいずれか1項に記載の方法。
【請求項161】
標識がルテニウムキレート、オスミウムキレート、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン、ローダミンまたはシアニンを含んでいることを特徴とする請求項160記載の方法。
【請求項162】
標識がビス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)またはトリス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)を含んでいることを特徴とする請求項161記載の方法。
【請求項163】
(1)請求項87または90記載の第1組成物を得る、
(2)Nの標的核酸配列を含有している可能性のある試料を第1組成物に付加して、第2組成物を形成する、
(3)第2組成物を交互に加熱および冷却して、試料中のNの標的核酸配列のそれぞれの多数複製が作られるようにする、
(4)少なくとも1つの固体支持体上のNの不連続領域に多数の複製を結合させておく、および
(5)任意に標識を検出または単離し、それによって試料中のNの標的核酸配列を検出する
工程を含むNの標的核酸配列を検出、増幅および/または単離する方法であって、
Nが1または1よりも大きい整数であることを特徴とする方法。
【請求項164】
第1組成物がさらに容器を含んでいること、容器への水分の付加により、第1組成物の各要素が互いに液体接触状態になることを特徴とする請求項163記載の方法。
【請求項165】
第1組成物が乾燥組成物であることを特徴とする請求項163記載の方法。
【請求項166】
試料が、Nの標的核酸配列および、Nの標的核酸配列の少なくとも1つに相補性の少なくとも1つの核酸配列を含有していることを特徴とする請求項163、164、または165記載の方法。
【請求項167】
試料が、Nの標的核酸配列の少なくとも1つに相補性の核酸配列を含有しないことを特徴とする請求項163、164、または165記載の方法。
【請求項168】
Nの標的核酸配列の少なくとも1つがリボ核酸を含んでいることを特徴とする請求項163〜167のいずれか1項に記載の方法。
【請求項169】
Nの標的核酸配列の少なくとも1つがデオキシリボ核酸を含んでいることを特徴とする請求項163〜167のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2009−500020(P2009−500020A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519621(P2008−519621)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/025619
【国際公開番号】WO2007/005626
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(505000103)バイオヴェリス コーポレイション (7)
【Fターム(参考)】