説明

核酸ワクチンのアジュバンド作用のためのPPDの使用

本発明は核酸ワクチンの新規アジュバントを提供し、特に本発明はPPDを含んでなるまたはそれと一緒に投与される核酸ワクチンを提供する。本発明は、核酸ワクチンの治療効力を改善するための方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は核酸ワクチンの新規アジュバントを提供し、特に本発明はPPDを含んでなるまたはそれと一緒に投与される核酸ワクチンを提供する。本発明は、核酸ワクチンの治療効力を改善するための方法も提供する。
【0002】
更に詳しくは、本発明は、核酸ワクチンによりコードされる特異的抗原に対する免疫応答を高める目的で核酸ワクチン組成物の製造に際するPPDの使用を提供する。ワクチン組成物、別々な核酸組成物を含んでなるキットおよび別々な投与用にPPDを含んでなる組成物、ワクチンおよびキットの製造方法、および本発明のワクチン組成物による個体の治療方法が提供される。
【0003】
長年にわたり、ワクチン接種技術は、感染生物に対する免疫応答を上げるために、抗原(例えば、タンパク質、不活化または弱毒ウイルス)の動物への導入から本質的になっていた。80年代の終わりから、抗原をコードする核酸配列を含んでなるベクターの動物への導入からなる新たなワクチン接種技術が現れてきた。例えば、狂犬病糖タンパク質をコードする生きたワクシニアウイルスが、西欧諸国で陸生動物狂犬病の撲滅のために用いられて成功してきた(Cliquet et al.,Dev.Biol.(Basel),2004,119,185-204)。核酸免疫化の主な利点は、コードされた抗原が内因性および外因性経路の双方でプロセッシングされ、ペプチドエピトープが主要組織適合性複合体(MHC(major histocompatibility complexes))クラスIおよびクラスII複合体により提示されるので、細胞性(CD4+およびCD8+T細胞を含む)および体液性免疫応答が双方とも誘導されることである(Haupt et al.,Exp.Biol.Med.(Maywood),2002,227,227-37)。
【0004】
CTL応答の効率的発生は、核酸ワクチン接種による癌の予防または治療処置への道を開いた。多くの腫瘍細胞はTAA(腫瘍関連抗原)と称される特異的抗原を発現するが、腫瘍の周辺で諸因子によりダウンレギュレートされる免疫系ではこれらの抗原がほとんど認識されない。TAAをコードする核酸で患者のワクチン接種は、免疫系が十分に有効な環境でTAAの発現に至り、腫瘍細胞に対して特異的な免疫応答を生じる。
【0005】
どの治療においても、核酸ワクチン接種の効力を改善する必要性が常にある。したがって、免疫応答を定量的に上げる、または応答のタイプを症状に最も有効なものにシフトさせる手法が有用である。
【0006】
しかしながら、核酸ワクチン接種に適したアジュバントの特定はストレート的なものではなく、伝統的ワクチンまたは核酸ワクチンに対する免疫応答に関与するメカニズムが同一ではないからである。例えば、BCG、モンタナイド、レバミゾールまたはクロロキンのような伝統的ワクチンの強アジュバントが核酸によりコードされる抗原に対する免疫応答を高められないことを、本発明者は発見した。
【0007】
PPD(精製タンパク質誘導体(purified protein derivative))は、Mycobacterium tuberculosisから抽出される化合物のミックスである。PPDはツベルクリン反応の検出試験として用いられている。PPDの皮内注射後、隆起で特徴づけられる遅延過敏反応の生成がtuberculosis感染の徴候である。
【0008】
古典的抗原用のキャリアとしてPPDの使用は、先行技術で既に開示されていた。例えば、Perrautら(Clin.Exp.Immunol.,1993,93,382-6)はPPDへ接合された合成マラリアペプチドを含んでなるワクチンについて記載している。Ohnoら(US20060008478)はPPDおよび抗原を含んでなる複合体について開示し、これらの2成分は共沈物である。先行技術全体がPPDおよび抗原の同時注射について開示している。
【0009】
本発明者は、PPDが核酸ワクチンの、更に詳しくはベクターとして組換えウイルスを用いる核酸ワクチンの非常に有効なアジュバントであることを発見した。この発見は特に意外であり、ウイルスの表面に存在するまたはウイルス感染で発現される様々なウイルス抗原さえあれば、抗原に対する免疫応答をアジュバントするには十分であると思われていたからである(J.Immunol.,2005,175,599-606)。
【発明の概要】
【0010】
本発明の一つの態様によると、(i)PPDと、(ii)抗原をコードする核酸配列とを含んでなるワクチン組成物が提供される。
【0011】
別な側面において、本発明は、(i)PPDと、(ii)抗原をコードする核酸配列とを含んでなるパーツのキットを提供する。
【0012】
別な側面において、本発明は抗原に対する免疫応答を高める方法を提供し、該方法は抗原をコードする核酸とPPDを連続的または同時に投与することを含んでなる。
【0013】
別な態様において、核酸配列によりコードされる抗原に対する免疫応答の増強のための薬剤の製造に際するPPDの使用が提供され、該核酸配列は該誘導体と連続的または同時に投与される。
【0014】
別な態様において、本発明は核酸配列によりコードされる抗原に対する免疫応答を高めるためにPPD誘導体を含んでなる医薬組成物を更に提供する。
【0015】
他の態様において、本発明は、病状に関連した抗原ペプチドをコードする核酸配列を哺乳類へ投与し、免疫応答を上げるために該哺乳類へPPDを追加投与することを含んでなる、病状に対して哺乳類で免疫応答を上げさせる方法を提供する。
【0016】
免疫原をコードする核酸配列を哺乳類へ投与し、免疫応答を上げるために有効な量で該哺乳類へPPDを追加投与するステップを含んでなる、免疫原に対する哺乳類の免疫応答を高める方法が更に提供される。
【発明の具体的な説明】
【0017】
明細書全体を通して用いられているように、単数表現の用語は、内容がその他を明記していない限り、それらが“少なくとも1つ”、“少なくとも初め”、“1以上”または“複数”の言及された成分またはステップを表わす意味で用いられている。例えば、単なる“細胞”という用語は混合物を含めた複数の細胞を含んでいる。
【0018】
“および/または”という用語は、ここのどこで用いられていても、“および”、“または”および“該用語で関連づけられる要素のすべてまたはいずれか他の組合せ”の意味を含んでいる。
【0019】
ここで用いられている“約”または“およそ”という用語は、記載値または範囲の20%以内、好ましくは10%以内、更に好ましくは5%以内を意味する。
【0020】
ここで用いられている“含んでなる”という用語は、製品、組成物および方法が言及された成分またはステップを含んでいるという意味であるが、但し他を除外することではない。“から本質的になる”とは、製品、組成物および方法を規定するために用いられているとき、いかなる本質的に重要な他の成分またはステップも除外する意味である。このように、列挙された成分から本質的になる組成物は、微量の混入物および製薬上許容されるキャリアを除外するものではない。“からなる”とは、他の成分またはステップの微量より多い要素を除外する意味である。
【0021】
ここで用いられているワクチン組成物という用語は、抗原をコードする核酸配列とPPDの組合せに関する。該組合せは、例えば、単一の製薬上許容される処方剤で2成分の混合物の形をとるか、または別々の個別成分の形、例えば2成分を別々な連続または同時投与用として、抗原をコードする核酸配列とPPDを含んでなるキットの形をとる。好ましくは、2成分の投与は実質的に同時である。
【0022】
ここで用いられている“PPD”、“精製タンパク質誘導体”または“ツベルクリン”(tuberculin)(互換的に用いられる)という用語は、Seibertプロセスによる得られるタンパク質に関する(Seibert et al.,Am.Rev.Tuberc.,1934,30,713-720およびSeibert et al.,Am.Rev.Tuberc.,1941,44,9-23)。PPDはSeibertプロセスによる得られるタンパク質を含んでなる組成物にも関する。このような組成物は、例えば、applisol(Parkedale Pharmaceuticals,Rochester,USA)、PPD Tine Test(Lederlete Pharmaceutical,Pearl River,USA)、Tubertest(Sanofi Pasteur Msd)、Tubersol(Aventis Pasteur)、Aplitest、Sclavo Test-PPD(Sclavo Laboratories,Italy)またはMono-Vacc Test(O.T.)ブランドで市販されている。本発明の好ましい態様によると、PPDはtubertestおよびtubersolを含んでなる群より選択される組成物である。
【0023】
例えばウイルス、細菌または寄生虫感染症、癌、アレルギーおよび自己免疫障害のような様々な病状に対する哺乳類の予防または治療に適用されることが、本出願によるワクチン接種法および組成物で可能である。
【0024】
“抗原”という用語は、抗体のような選択的結合剤で結合されうる、加えて抗原のエピトープと結合しうる抗体を産生するために動物で用いうる、分子または分子の部分に関する。抗原は1以上のエピトープを有する。
【0025】
一つの態様において、抗原は腫瘍関連抗原(TAA)である。TAAとは、同組織タイプの非腫瘍細胞よりも腫瘍細胞において高い頻度または密度で検出される分子に関する。TAAの例としてはCEA、MART‐1、MAGE‐1、MAGE‐3、GP‐100、MUC‐1、MUC‐2、点変異ras癌遺伝子、正常または点変異p53、過剰発現p53、CA‐125、PSA、C‐erb/B2、BRCA I、BRCA II、PSMA、チロシナーゼ、TRP‐1、TRP‐2、NY‐ESO‐1、TAG72、KSA、HER‐2/neu、bcr‐abl、pax3‐fkhr、ews‐fli‐1、survivinおよびLRPがあるが、それらに限定されない。好ましい態様によると、TAAはMUC1である。
【0026】
本発明の他の態様において、抗原は微生物抗原である。ここで用いられる微生物抗原はウイルス、細菌、寄生虫および真菌を含めた微生物の抗原であるが、それらに限定されない。
【0027】
ウイルスとしてはRetroviridae、Picornaviridae(例えば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス;エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス);Calciviridae(例えば、胃腸炎を引き起こす株);Togaviridae(例えば、ウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス);Flaviridae(例えば、デングウイルス、脳炎ウイルス、黄熱ウイルス);Coronoviridae(例えば、コロナウイルス);Rhabdoviradae(例えば、水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス);Filoviridae(例えば、エボラウイルス);Paramyxoviridae(例えば、パラインフルエンザウイルス、おたふく風邪ウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器多核体ウイルス);Orthomyxoviridae(例えば、インフルエンザウイルス);Bungaviridae(例えば、ハンタウイルス、ブンガウイルス、フレボウイルスおよびナイロウイルス);Arenaviridae(例えば、出血熱ウイルス);Reoviridae(例えば、レオウイルス、オルビウイルスおよびロタウイルス);Birnaviridae;Hepadnaviridae(例えば、B型肝炎ウイルス);Parvoviridae(パルボウイルス);Papovaviridae(パピローマウイルス、ポリオーマウイルス);Adenoviridae(ほとんどのアデノウイルス);Herpesviridae(単純ヘルペスウイルス(HSV)1および2、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスウイルス);Poxyiridae(天然痘ウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス);およびIridoviridae(例えば、アフリカ豚コレラウイルス)があるが、それらに限定されない。
【0028】
本発明の好ましい態様によると、該抗原はヒトパピローマウイルス(HPV)の抗原である。好ましい態様によると、該HPV抗原はHPV‐16または/およびHPV‐18から誘導される。
【0029】
更に好ましい態様によると、該HPV抗原はHPVのE6初期コード領域、HPVのE7初期コード領域およびそれらの部分または組合せからなる群より選択される。
【0030】
本発明は、p53への結合性が変化したまたは少なくとも有意に減少したHPV E6ポリペプチドの使用および/またはRbへの結合性が変化したまたは少なくとも有意に減少したHPV E7ポリペプチドの使用を包含する(Munger et al.,1989,EMBO J.,8,4099-4105;Crook et al.,1991,Cell,67,547-556;Heck et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,4442-4446;Phelps et al.,1992,J.Virol.,66,2148-2427)。本発明の目的に適した非発癌性HPV‐16 E6バリアントは約118位〜約122位に位置する1以上のアミノ酸残基を欠損し(+1は天然HPV‐16 E6ポリペプチドの第一メチオニン残基を表わす)、残基118‐122(CPEEK)の完全欠損が特に好ましい。本発明の目的に適した非発癌性HPV‐16 E7バリアントは約21位〜約26位に位置する1以上のアミノ酸残基を欠損し(+1は天然HPV‐16 E7ポリペプチドの第一アミノ酸を表わす)、残基21‐26(DLYCYE)の完全欠損が特に好ましい。好ましい態様によると、本発明で使用上1種以上のHPV‐16初期ポリペプチドが、MHCクラスIおよび/またはMHCクラスII提示を改善するように、および/または抗HPV免疫を賦活するように更に修飾される。HPV E6およびE7ポリペプチドは核タンパク質であり、膜提示がそれらの治療効力を改善しうることが以前に示されていた(例えばWO99/03885参照)。このように、細胞膜へ固着されるようにHPV初期ポリペプチドの少なくとも1種を修飾することが勧められる。膜固着は、HPV初期ポリペプチドに膜固着配列を、天然ポリペプチドがそれを欠けば分泌配列(即ち、シグナルペプチド)を組み込むことで容易に行える。膜固着および分泌配列は当業界で知られている。簡単に言えば、分泌配列は膜提示または分泌ポリペプチドのN末端に存在し、小胞体(ER)へのそれらの輸送を開始させる。それらは15〜35の本質的に疎水性のアミノ酸を通常含んでなり、次いでこれが特異的ER局在エンドペプチダーゼにより除去されて、成熟ポリペプチドを与える。膜固着配列は通常性質上高度に疎水性であり、細胞膜にポリペプチドを固着させるように働く(例えばBranden and Tooze,1991,Introduction to Protein Structure,p.202-214,NY Garland参照)。
【0031】
本発明の関係で用いられる膜固着および分泌配列の選択は広範である。それらは、例えば狂犬病糖タンパク質、HIVウイルスエンベロープ糖タンパク質または麻疹ウイルスFタンパク質の、それを含んでなる膜固着および/または分泌ポリペプチド(例えば、細胞またはウイルスポリペプチド)から得ても、または合成でもよい。本発明に従い用いられる初期HPV‐16ポリペプチドの各々に挿入される膜固着および/または分泌配列は、共通のまたは異なる起源を有する。分泌配列の好ましい挿入部位は翻訳の開始コドンの下流におけるN末端であり、膜固着配列のそれは、例えば終止コドンのすぐ上流におけるC末端である。
【0032】
本発明で使用のHPV E6ポリペプチドは、好ましくは、麻疹Fタンパク質の分泌および膜固着シグナルの挿入により修飾される。場合によりまたは組み合わせて、本発明で使用のHPV E7ポリペプチドは、好ましくは、狂犬病糖タンパク質の分泌および膜固着シグナルの挿入により修飾される。
【0033】
細菌はグラム陽性およびグラム陰性菌を含んでなる。このようなグラム陽性菌にはPasteurella種、Staphylococcus種およびStreptococcus種があるが、それらに限定されない。グラム陰性菌にはEscherichia coli、Pseudomonas種およびSalmonella種があるが、それらに限定されない。感染性細菌の具体例としては、Helicobacter pyloris、Borelia burgdorferi、Legionella pneumophilia、Mycobacteria種(例えばM.tuberculosis、M.avium、M.intracellulare、M.kansaii、M.gordonae)、Staphylococcus aureus、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis、Listeria monocytogenes、Streptococcus pyogenes(A群Streptococcus)、Streptococcus agalactiae(B群Streptococcus)、Streptococcus(viridans群)、Streptococcus faecalis、Streptococcus bovis、Streptococcus(嫌気種)、Streptococcus pneumoniae、病原性Campylobacter種、Enterococcus種、Haemophilus influenzae、Bacillus antracis、Corynebacterium diphtheriae、Corynebacterium種、Erysipelothrix rhusiopathiae、Clostridium perfringens、Clostridium tetani、Enterobacter aerogenes、Klebsiella pneumoinae、Pasturella multocida、Bacteroides種、Fusobacterium nucleatum、Streptobacillus moniliformis、Treponema pallidium、Treponema pertenue、Leptospira、RickettsiaおよびActinomyces israelliがあるが、それらに限定されない。
【0034】
真菌は、特にCryptococcus neoformans、Histoplasma capsulatum、Coccidioides immitis、Blastomyces dermatitidis、Chlamydia trachomatis、Candida albicansを含んでなる。
【0035】
本発明の他の態様によると、抗原は、Plasmodium、例えばPlasmodium falciparum、Plasmodium malariae、Plasmodium ovaleおよびPlasmodium vivax、およびToxoplasma gondiiを含んでなる感染生物の抗原である。血液媒介および/または組織寄生虫には、Plasmodium種、Babesia microti、Babesia divergens、Leishmania tropica、Leishmania種、Leishmania braziliensis、Leishmania donovani、Trypanosoma gambienseおよびTrypanosoma rhodesiense(アフリカ睡眠病)、Trypanosoma cruzi(Chagas病)およびToxoplasma gondiiがある。
【0036】
他の態様によると、抗原はアレルゲンである。アレルゲンとは、感受しやすい対象者でアレルギーまたは喘息反応を誘導しうる物質に関する。アレルゲンのリストは膨大であり、花粉、昆虫毒、動物毛埃、真菌胞子および薬物(例えば、ペニシリン)がある。天然、動物および植物アレルゲンの例としては下記属に特異的なタンパク質があるが、それらに限定されない:Canine(Canis familiaris);Dermatophagoides(例えば、Dermatophagoides farinae);Felis(Felis domesticus);Ambrosia(Ambrosia artemiisfolia);Lolium(例えば、Lolium perenneまたはLolium multiflorum);Cryptomeria(Cryptomeria japonica);Alternaria(Alternaria alternata);Alder;Alnus(Alnus gultinoasa);Betula(Betula verrucosa);Quercus(Quercus alba);Olea(Olea europa);Artemisia(Artemisia vulgaris);Plantago(例えば、Plantago lanceolata);Parietaria(例えば、Parietaria officinalisまたはParietaria judaica);Blattella(例えば、Blattella germanica);Apis(例えば、Apis multiflorum);Cupressus(例えば、Cupressus sempervirens、Cupressus arizonicaおよびCupressus macrocarpa);Juniperus(例えば、Juniperus sabinoides、Juniperus virginiana、Juniperus communisおよびJuniperus ashei);Thuya(例えば、Thuya orientalis);Chamaecyparis(例えば、Chamaecyparis obtusa);Periplaneta(例えば、Periplaneta americana);Agropyron(例えば、Agropyron repens);Secale(例えば、Secale cereale);Triticum(例えば、Triticum aestivum);Dactylis(例えば、Dactylis glomerata);Festuca(例えば、Festuca elatior);Poa(例えば、Poa pratensisまたはPoa compressa);Avena(例えば、Avena sativa);Holcus(例えば、Holcus lanatus);Anthoxanthum(例えば、Anthoxanthum odoratum);Arrhenatherum(例えば、Arrhenatherum elatius);Agrostis(例えば、Agrostis alba);Phleum(例えば、Phleum pratense);Phalaris(例えば、Phalaris arundinacea);Paspalum(例えば、Paspalum notatum);Sorghum(例えば、Sorghum halepensis);およびBromus(例えば、Bromus inermis)。
【0037】
ここで用いられている“免疫応答”という用語は、B細胞媒介、T細胞媒介、または両BおよびT細胞媒介応答の組合せを包含している。
【0038】
“核酸配列”という用語は、ヌクレオチドの直線配列に関する。ヌクレオチドはポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドの直線配列、または双方の混合物である。本発明の関係におけるポリヌクレオチドの例としては、一本および二本鎖DNA、一本および二本鎖RNAと、一本および二本鎖DNAおよびRNAの両混合物を有するハイブリッド分子がある。更に、本発明のポリヌクレオチドは1以上の修飾ヌクレオチドを有してもよい。
【0039】
本発明の好ましい態様によると、抗原をコードする核酸配列がベクターに含まれる。
【0040】
ベクターはプラスミドまたはウイルス源のものであり、適宜に、ベクターのトランスフェクション効率および/または安定性を改善する1種以上の物質と組み合わされる。これらの物質は、当業者に利用される文献で広く記載されている(例えば、Feigner et al.,1987,Proc.West.Pharmacol.Soc.,32,115-121;Hodgson and Solaiman,1996,Nature Biotechnology,14,339-342;Remy et al.,1994,Bioconjugate Chemistry,5,647-654参照)。非制限例として、該物質はポリマー、脂質、特にカチオン性脂質、リポソーム、核タンパク質または中性脂質である。これらの物質は単独でまたは組合せて用いられる。考えられる組合せは、カチオン性脂質(DOGS、DC‐CHOL、スペルミン‐chol、スペルミジン‐cholなど)、リゾリン脂質(例えば、ヘキサデシルホスホコリン)および中性脂質(DOPE)と組み合わされた組換えプラスミドベクターのものである。
【0041】
好ましい態様によると、本発明で用いられるカチオン性脂質はEP901463B1で記載されたカチオン性脂質、更に好ましくはpcTG90である。
【0042】
本発明の関係で用いられるプラスミドの選択は多岐にわたる。それらはクローニングベクターおよび/または発現ベクターである。一般的に、それらは当業者に知られ、それらのいくつかは市販されており、遺伝子操作の技術を用いてそれらを構築するまたはそれらを修飾することも可能である。挙げられる例は、pBR322(Gibco BRL)、pUC(Gibco BRL)、pBluescript(Stratagene)、pREP4、pCEP4(Invitrogene)またはpPoly(Lathe et al.,1987,Gene,57,193-201)由来のプラスミドである。好ましくは、本発明の関係で用いられるプラスミドは、複製がプロデューサー細胞および/または宿主細胞で開始されるよう保証する複製起点を含有している(例えば、ColE1起点はE.coliで産生させたいプラスミドの場合に選択され、プラスミドが哺乳類宿主細胞で自己複製されることを望むならばoriP/EBNA1系が選択される:Lupton and Levine,1985,Mol.Cell.Biol.,5,2533-2542;Yates et al.,Nature,313,812-815)。プラスミドは、トランスフェクトされた細胞を選択または同定しうる選択遺伝子(栄養要求性変異の相補性、抗生物質耐性をコードする遺伝子など)を追加で含んでもよい。当然、プラスミドは、所定細胞でその維持および/またはその安定性を改善する追加要素(モノマー形でプラスミドの維持を促すcer配列(Summers and Sherrat,1984,Cell,36,1097-1103);細胞ゲノムへ組込みのための配列)を含有しうる。
【0043】
ウイルスベクターに関しては、ポックスウイルス(ワクシニアウイルス、特にMVA、カナリアポックスウイルスなど)、アデノウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、アルファウイルス、泡沫状ウイルスまたはアデノウイルス関連ウイルス由来のベクターを考えることが可能である。複製可能または複製欠損ウイルスベクターを用いることが可能である。組み込まれないベクターを用いることが好ましい。この点では、アデノウイルスベクターと、ポックスウイルス、更に好ましくはワクシニアウイルスおよびMVAに由来するベクターが、本発明を実施する上で非常に特に適している。
【0044】
好ましい態様によると、本発明によるウイルスベクターは修飾ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)に由来する。MVAベクターおよびこのようなベクターを作製する方法は、欧州特許EP83286およびEP206920とMayr et al.(1975,Infection,3,6-14)およびSutter et Moss(1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,10847-10851)で詳細に記載されている。更に好ましい態様によると、本発明による核酸配列はMVAベクターの欠損I、II、III、IV、VおよびVI、更に好ましくは欠損IIIに挿入される(Meyer et al.,1991,J.Gen.Virol.,72,1031-1038;Sutter et al.,1994,Vaccine,12,1032-1040)。
【0045】
レトロウイルスは分裂細胞に感染する、ほとんどの場合で組み込まれる性質を有し、この点では癌に関する使用で特に適している。本発明による組換えレトロウイルスは、LTR配列、キャプシド形成領域と、レトロウイルスLTRまたは内部プロモーター、例えば下記のもののコントロール下に置かれた本発明によるヌクレオチド配列を通常含有している。組換えレトロウイルスはいかなる起源(ネズミ、霊長類、ネコ、ヒトなど)のレトロウイルス、特にM0MuLV(Moloneyネズミ白血病ウイルス)、MVS(ネズミ肉腫ウイルス)またはFriendネズミレトロウイルス(Fb29)に由来してもよい。それは、ウイルス粒子を構築するために必要とされるウイルスポリペプチドgag、polおよび/またはenvをトランスで供給しうるキャプシド形成細胞系で増殖される。このような細胞系は文献で記載されている(PA317、Psi CRIP GP+Am‐12など)。本発明によるレトロウイルスベクターは、特にLTR(真核細胞プロモーターでプロモーター領域の置換)またはキャプシド形成領域(異種キャプシド形成領域、例えばVL3Oタイプで置換)に、修飾を含有しうる(フランス出願94 08300および97 05203参照)。
【0046】
ベクターが宿主生物または環境内で増殖することを避けるために、E1、E2、E4およびL1‐L5領域から選択される、複製に必須な少なくとも1つの領域の全部または一部を欠いたアデノウイルスベクターを用いることも好ましい。E1領域の欠損が好ましい。しかしながら、それは、欠陥のある必須機能が相補細胞系および/またはヘルパーウイルスによりトランスで補完される程度に、特にE2、E4および/またはL1‐L5領域の全部または一部に影響を及ぼす他の修飾/欠損と組合せてもよい。この点において、最新の第2世代ベクターを用いることが可能である(例えば、国際出願WO‐A‐94/28152およびWO‐A‐97/04119参照)。実例として、E1領域およびE4転写単位の主部分の欠損が非常に特に有利である。クローニング能力を高める目的で、アデノウイルスベクターは非必須E3領域の全部または一部を追加的に欠くことができる。他の手段によると、キャプシド形成に必須な配列、即ち5′および3′ITR(逆向き末端リピート)とキャプシド形成領域を保有した最小アデノウイルスベクターを用いることも可能である。様々なアデノウイルスベクターおよびそれらを作製する技術が知られている(例えば、Graham and Prevect,1991,Methods in Molecular Biology,Vol.7,p.109-128;Ed:E.J.Murey,The Human Press mc参照)。
【0047】
更に、本発明によるアデノウイルスベクターの起源は、種の観点からおよび血清型の観点から双方において様々である。該ベクターはヒトまたは動物(イヌ、トリ、ウシ、ネズミ、ヒツジ、ブタ、サルなど)源のアデノウイルスのゲノムから、あるいは少なくとも2種の異なる起源のアデノウイルスゲノムフラグメントを含んでなるハイブリッドから誘導される。イヌ源のCAV‐1またはCAV‐2アデノウイルス、トリ源のDAVアデノウイルスまたはウシ源のBad3型アデノウイルスが特に挙げられる(Zakharchuk et al.,Arch.Virol.,1993,128:171-176;Spibey and Cavanagh,J.Gen.Virol.,1989,70:165-172;Jouvenne et al.,Gene,1987,60:21-28;Mittal et al.,J.Gen.Virol.,1995,76:93-102)。しかしながら、好ましくは血清型Cアデノウイルス、特に2または5型血清型Cアデノウイルスに由来するヒト源のアデノウイルスベクターが好ましい。
【0048】
ここで用いられている“複製可能”(replication-competent)という用語は、トランス補完の不在下でも宿主細胞で複製しうるウイルスベクターに関する。
【0049】
本発明の好ましい態様によると、複製可能ベクターは複製可能アデノウイルスベクターである。これらの複製可能アデノウイルスベクターは当業者に周知である。これらの中では、ONYX‐015ウイルスの場合のように(Bischoff et al.,1996;Heise et al.,2000;WO94/18992)、55kD P53インヒビターをコードするE1b領域で欠損したアデノウイルスベクターが特に好ましい。したがって、該ウイルスはp53欠陥新生物細胞に選択的に感染してそれを殺すために用いられる。当業者は、確立された技術に従い、アデノウイルス5または他のウイルスでp53インヒビター遺伝子を変異および破壊することもできる。E1A Rb結合領域で欠損したアデノウイルスベクターも本発明で用いられる。例えば、E1A領域に24塩基対欠損を有する変異アデノウイルスであるデルタ24ウイルス(Fueyo et al.,2000)。デルタ24はRb結合領域に欠損を有し、Rbと結合しない。したがって、変異ウイルスの複製は正常細胞でRbにより阻害される。しかしながら、Rbが不活化されて、細胞が新生物化すると、デルタ24はもはや阻害されない。代わりに、変異ウイルスは効率的に複製して、Rb欠陥細胞を溶解させる。
【0050】
本発明によるアデノウイルスベクターは、ライゲーションまたは相同組換え(例えば、国際出願WO‐A‐96/17070参照)によりEscherichia coli(E.coli)においてインビトロで、または相補細胞系で組換えにより作製しうる。
【0051】
本発明の好ましい態様によると、ベクターは抗原の発現に必要な要素を更に含んでなる。
【0052】
発現に必要な要素は、核酸配列をRNAへ転写させてmRNAをポリペプチドへ翻訳させうる、すべての要素からなる。これらの要素は、特に調節性または構成性であるプロモーターを含んでなる。当然、プロモーターは選択されるベクターおよび宿主細胞に適したものである。挙げられる例は、PGK(ホスホグリセリン酸キナーゼ)、MT(メタロチオネイン;Mclvor et al.,1987,Mol.Cell.Biol.,7,838-848)、α‐1‐アンチトリプシン、CFTR、サーファクタント、免疫グロブリン、アクチン(Tabin et al.,1982,Mol.Cell.Biol.,2,426-436)およびSRa(Takebe et al.,1988,Mol.Cell.Biol.,8,466-472)遺伝子の真核細胞プロモーター、SV40ウイルス(シミアンウイルス)の初期プロモーター、RSV(ラウス肉腫ウイルス)のLTR、HSV‐1 TKプロモーター、CMVウイルス(サイトメガロウイルス)の初期プロモーター、ワクシニアウイルスのp7.5K pH5R、pK1L、p28およびp11プロモーター、E1AおよびMLPアデノウイルスプロモーターである。プロモーターは腫瘍または癌細胞で発現を刺激するプロモーターでもよい。乳および前立腺癌で過剰発現されるMUC‐1遺伝子(Chen et al.,1995,J.Clin.Invest.,96,2775-2782)、結腸癌で過剰発現されるCEA(癌胎児性抗原を表わす)遺伝子(Schrewe et al.,1990,Mol.Cell.Biol.,10,2738-2748)、黒色腫で過剰発現されるチロシナーゼ遺伝子(Vile et al.,1993,Cancer Res.,53,3860-3864)、乳および膵臓癌で過剰発現されるERBB‐2遺伝子(Harris et al.,1994,Gene Therapy,1,170-175)および肝臓癌で過剰発現されるα‐フェトプロテイン遺伝子(Kanai et al.,1997,Cancer Res.,57,461-465)のプロモーターが特に挙げられる。サイトメガロウイルス(CMV)初期プロモーターが非常に特に好ましい。
【0053】
しかしながら、ワクシニアウイルス由来のベクター(例えばMVAベクター)が用いられる場合、チミジンキナーゼ7.5K遺伝子のプロモーターが特に好ましい。
【0054】
必要な要素として、宿主細胞で本発明によるヌクレオチド配列の発現またはその維持を改善する追加要素を更に含んでもよい。イントロン配列、分泌シグナル配列、核局在配列、IRES型の翻訳の再開始のための内部部位、転写終結ポリA配列、トリパータイトリーダーおよび複製起点が特に挙げられる。これらの要素は当業者に知られている。
【0055】
本発明による組換えベクターは対象の1種以上の追加遺伝子も含むことができ、これらの遺伝子は同様の調節要素(ポリシストロニックカセット(polycistronic cassette))または独立要素のコントロール下に置くことができる。特に挙げられる遺伝子は、インターロイキンIL‐2、IL‐4、IL‐7、IL‐10、IL‐12、IL‐15、IL‐18、ケモカイン、例えばCCL19、CCL20、CCL21、CXCL‐14、インターフェロン、腫瘍壊死因子(TNF)、コロニー刺激因子(CSF)、特にGM‐CSF、および先天性免疫および血管形成で作用する因子(例えば、PAI‐1、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビターを表わす)をコードする遺伝子である。1つの具体的態様において、本発明による組換えベクターはIL‐2をコードする対象の遺伝子を含んでなる。
【0056】
本発明は、ワクチン組成物、本発明によるパーツのキットおよび製薬上許容されるキャリアを含んでなる医薬組成物を更に提供する。
【0057】
本発明は、抗原をコードする核酸とPPDを混合することを含んでなる、ワクチン組成物の製造のための方法を更に提供する。
【0058】
別な態様において、該方法は製薬上許容されるキャリア内にワクチン組成物を配合することを更に提供する。
【0059】
製薬上許容されるキャリアは、好ましくは等張性、低張性または弱高張性であり、例えばスクロース溶液のような比較的低いイオン強度を有している。更に、このようなキャリアは溶媒または水性もしくは部分的水性液体、例えば無発熱性物質無菌水を含有してもよい。医薬組成物のpHは加えて、インビボで使用の要件を満たすように調整および緩衝化される。医薬組成物は、製薬上許容される希釈剤、アジュバントまたは賦形剤と、溶解、安定および保存剤も含有してよい。注射投与の場合、水性、非水性または等張性溶液中の処方が好ましい。それは、適切な希釈剤で使用時に再調製される、液体または乾燥(粉末、凍結乾燥品など)形の単回用量または多回用量として提供される。
【0060】
抗原をコードする核酸配列がプラスミド源のものである場合、製薬上許容されるキャリアは好ましくは遺伝子銃投与向けの粒子である。例えば、該キャリアは金ビーズである。
【0061】
本発明は、本発明によるワクチン組成物、パーツのキットまたは医薬組成物の投与による、腫瘍に罹患したまたは罹患しやすい患者を治療する方法を更に提供する。治療される腫瘍は、乳房の癌腫;非小細胞肺癌腫を含む肺の癌腫;または前立腺、胃および他の胃腸癌腫である。
【0062】
本発明は、ここで記載されているようなワクチン組成物、パーツのキットまたは医薬組成物の投与による、感染疾患に罹患したまたは罹患しやすい患者を治療する方法を更に提供する。ここで用いられている“感染疾患”という用語は、感染生物により引き起こされるあらゆる疾患を含むが、それに限定されない。感染生物には、ウイルス(例えば、一本鎖RNAウイルス、一本鎖DNAウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A、BおよびC型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス(HSV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン‐バールウイルス(EBV)、ヒトパピローマウイルス(HPV))、寄生虫(例えば、原生動物および後生動物病原体、例えばPlasmodia種、Leishmania種、Schistosoma種、Trypanosoma種)、細菌(例えば、Mycobacteria、特にM.tuberculosis、Salmonella、Streptococcus、E coli、Staphylococcus)、真菌(例えば、Candida種、Aspergillus種)、Pneumocystis cariniiおよびプリオンがある。
【0063】
本発明は、ここで記載されているようなワクチン組成物、パーツのキットまたは医薬組成物の投与による、アレルギーに罹患したまたは罹患しやすい患者を治療する方法を更に提供する。
【0064】
本発明は哺乳類で抗原への免疫応答を高めるための方法を更に提供し、該方法は次の成分:(i)PPDおよび(ii)抗原をコードする核酸配列の哺乳類への投与を含んでなる。一つの態様において、該方法は2成分(i)および(ii)の同時投与を含んでなる。一方、該方法は成分(i)および(ii)の連続投与を含んでなる。
【0065】
ここで用いられている“連続”(sequential)という用語は、各成分が時間枠内で次々と対象者へ投与されることを意味する。このように、連続投与では、一方の成分を他方の後に5分間、10分間またはおよそ数時間以内で投与する。
【0066】
本発明は、病状と関連した抗原をコードする核酸配列を哺乳類へ投与し、免疫応答を上げるために哺乳類へPPDを更に投与することを含んでなる、病状に対する免疫応答を哺乳類で上げさせる方法を更に提供する。
【0067】
本発明は、抗原をコードする核酸配列を哺乳類へ投与し、更にPPDを哺乳類へ投与するステップを含んでなる、抗原に対する哺乳類の免疫応答を高める方法を更に提供する。
【0068】
本発明は、抗原をコードする核酸配列の哺乳類への投与の結果として発現される、抗原により開始される免疫応答を高めるための薬剤の製造に際するPPDの使用を更に提供する。
【0069】
本発明は、核酸配列によりコードされる抗原への免疫応答の賦活のために哺乳類への同時または連続投与用の薬剤の製造に際するPPDの使用を更に提供し、該核酸配列は別な薬剤に処方される。
【0070】
本発明のワクチン組成物、パーツのキットまたは医薬組成物の投与は、当業者に知られたいかなる手段によっても行える。好ましい投与経路には、皮内、皮下、経口、非経口、筋肉内、鼻内、舌下、気管内、吸入、眼、膣および直腸があるが、それらに限定されない。好ましい態様によると、本発明のワクチン組成物、パーツのキットまたは医薬組成物は皮下または皮内デリバリーされる。本発明の更に好ましい態様によると、PPDと抗原をコードする核酸が同部位に投与される。
【0071】
投与は、単回用量でまたはある時間間隔後に1回もしくは数回反復される用量で行える。望ましくは、ワクチン組成物、パーツのキットまたは医薬組成物は週間隔で1〜10回投与される。
【0072】
PPDの投与の用量は様々であるが、0.1UI〜50UI、有利には1UI〜10UI、更に有利には約5UIである。
【0073】
抗原をコードする核酸配列の投与の用量も様々であり、様々なパラメーター、特に投与の様式;用いられる組成物;宿主生物の年齢、健康度および体重;症状の性質および程度;併用療法の種類;治療の頻度;および/または予防または治療の必要性の相関として適応しうる。治療の適切な投与量を定めるために必要な計算の別な精密化は、関連状況に照らして、実務者によりルーチンで行われる。一般指針として、MVA含有組成物の適切な投与量は約10〜1010pfu(プラーク形成単位)、望ましくは約10〜10pfuであり、一方アデノウイルス含有組成物は約10〜1013iu(感染単位)、望ましくは約10〜1012iuである。ベクタープラスミドに基づく組成物は10μg〜20mg、有利には100μg〜2mgの用量で投与される。好ましくは、組成物は5 10pfu〜5 10pfuのMVAワクシニアベクターを含む用量で投与される。
【0074】
本発明による使用または方法が癌の治療用である場合、本発明の方法または使用は1種以上の常套治療戦略(例えば、放射線、化学療法および/または手術)と併用して行える。複合治療アプローチの使用は患者に広範な介入をもたらす。一つの態様では、本発明の方法が進められまたは外科的介入で続けられる。他の態様では、それが進められまたは放射線療法(例えば、ガンマ線)で続けられる。当業者であれば適切な放射線療法プロトコールと用いうるパラメーターを容易に考えられる(例えばPerez and Brady,1992,Principles and Practice of Radiation Oncology,2nd Ed.JB Lippincott Co.参照;当業者によれば直ちに明らかとなるような適切な適応と修正を用いる)。
【0075】
本発明は、更に、上記のような方法と一緒にした患者の同時治療を含んでなる、化学療法剤で化学療法治療をうけている癌患者の治療を改善するための方法に関する。
【0076】
本発明は、更に、上記のような方法と一緒にしたかかる治療の必要な患者の同時治療を含んでなる、細胞毒性剤または放射線療法の細胞毒性有効性を改善する方法に関する。
【0077】
本発明による使用または方法が感染疾患の治療用である場合、本発明の方法または使用は抗生物質、抗真菌化合物および/または抗ウイルス化合物のような他の治療化合物の使用と一緒に行える。
【0078】
本発明は、更に、上記のような方法と一緒にしたかかる治療の必要な患者の同時治療を含んでなる、抗生物質、抗ウイルスまたは抗真菌剤の治療効力を改善する方法に関する。
【0079】
他の態様において、本発明の方法または使用は、1種以上のプライマー組成物と1種以上のブースター組成物の連続投与を含んでなる、プライムブースト治療戦略に従い行われる。典型的には、プライミングおよびブースティング組成物は、共通して少なくとも抗原ドメインを含んでなるまたはコードする異なるビヒクルを用いる。プライミング組成物が最初に宿主生物へ投与され、ブースティング組成物が次いで1日〜12月の期間後に同宿主生物へ投与される。本発明の方法は、プライミング組成物の1〜10回連続投与、次いでブースティング組成物の1〜10回連続投与を含んでなる。望ましくは、注射間隔が約1週間〜6月間である。更に、プライミングおよびブースティング組成物は、投与の同一経路または異なる経路で、同一部位または別な部位に投与される。
【0080】
以下の実施例は本発明の様々な主題を実証するためであり、したがって特徴において限定するものではない。
【0081】
特許、刊行物およびデータベースエントリーの前記開示のすべてが、このような各個別の特許、刊行物またはエントリーが参考のため組み込まれるよう具体的かつ個別に示されているような程度に、参考のためそれら全体でここに特に組み込まれる。
【0082】
図1は、HPV16のE6およびE7タンパク質を発現するTC1腫瘍細胞の注射後における無腫瘍マウスの割合を表わしている。TC1細胞の注射後、PPD、生きたBCGまたはレバミゾールと共にE6/E7抗原を発現するMVAベクターでマウスに3回(週間隔で)ワクチン接種した。単独で注射されるエンプティMVAおよびE6/E7抗原をコードするMVAをコントロールとして用いた。
【0083】
図2は、レバミゾール、生きたBCGまたはPPDの皮下注射と共にE6/E7抗原をコードするMVAベクターでマウスの免疫化後における、E6/E7エピトープに特異的なT細胞の数を表わしている。
【0084】
図3は、レバミゾール、生きたBCGまたはPPDの皮下注射と共にE6/E7抗原をコードするMVAベクターでマウスの免疫化後における、E7ペプチド(R9F)に特異的なCD8+T細胞の割合を表わしている。
【実施例】
【0085】
1. 試験品
a.各ベクター構築物の名称と簡単な説明
【表1】

【0086】
b.貯蔵の条件
ウイルスをMolecular Immunology Departmentから受け取り、次いで注射日まで−80℃で維持した。ウイルス懸濁液を希釈および投与の直前に急速解凍した。
【0087】
2. 動物モデル
a.種/株/供給者
SPF健常雌性C57BL/6マウスをCharles River(Les Oncins,France)から得た。
詳細: 動物は到着時に6週齢であった。実験の開始時、それらは7週齢であった。
環境: 1時間当たり最低11回換気するように空調される単一の専用室で動物を飼育した。温度および相対湿度範囲は各々20℃〜24℃および40〜70%であった。12時間の明時および12時間の暗時のサイクルを与えるよう自動的に照明をコントロールした。
見張り動物の規則的コントロールにより特別な無病原体状態をチェックした。
食餌: 研究中ずっと、動物は無菌食餌タイプRM1(Dietex France,Saint Gratien)へ随意に近づいた。無菌水がボトルから随意に供された。
【0088】
3. 細胞説明
a.細胞特徴/使用の条件
TC1腫瘍細胞:C57BL6マウス肺から得られたこれらの細胞を次の2レトロウイルスで形質導入した:HPV16のE6およびE7を発現するLXSN16E6E7およびras遺伝子を発現するpVEJB。これらはDr.TC Wu(The Johns Hopkins University,Baltimore,USA)の贈呈である。該細胞を0.5mg/mL G418および0.2mg/mLヒグロマイシン含有のDMEMで培養した。接着細胞をトリプシン処理で除去し、3回の洗浄後、腫瘍接種を皮下で2.10TC1生細胞により行った。
【0089】
4. プロトコール
a.免疫化スケジュール
免疫療法実験のために、C57BL6雌性マウス15匹にD1で2.10TC1細胞により右脇腹で皮下接種した。マウスをD8、15および22に5.10pfuのポックスウイルス(HPV16のE6/E7タンパク質を発現するMVA株)で別々な3箇所に3回皮下処置した。0.5UIのtubertest、5 10cfuのBCGまたは0.5%のレバミゾールをマウスの剃毛皮膚(約10cm)へ注射部位で各免疫化直前に皮下注射した。腫瘍増殖を80日間にわたりキャリパーで週2回モニターした。腫瘍サイズが直径25mmより大きな場合、または腫瘍がたとえそれより小さくても痛みを示した場合は、マウスを倫理的理由から安楽死させた。
【0090】
免疫原性研究のために、C57BL6雌性マウス3匹にD1、8および15で5.10pfuのポックスウイルス(MVA株)で別々な3箇所に皮下接種した。HPV特異的抗原に対する細胞性免疫の検出を最適化するためにこの用量を用いた。0.5UIのtubertest、5 10cfuのBCGまたは0.5%のレバミゾールをマウスの剃毛皮膚(約10cm)へ注射部位で各免疫化直前に皮下注射した。脾臓および血清を免疫学的解析のためにD22で摘出した。
【0091】
1. ElispotによるIFNγ分泌細胞の数/出現頻度の測定
Lympholite精製用緩衝液を用いて新鮮脾臓細胞を調製した。すべてのペプチドをNeosystemにより免疫グレードレベル(10mg)で合成した。各ペプチドを10mg/mLでDMSOに溶解し、4℃で貯蔵した。96ウェルニトロセルロースプレートを炭酸ナトリウム緩衝液中3μg/mLモノクローナルラット抗マウスIFNγ抗体(Clone R4-6A2;Pharmingen,cat.nr551216,ロットM072862;100μL/ウェル)で被覆した。プレートを4℃で一夜または37℃で1時間インキュベートした。プレートをDMEM10%FCSで3回洗浄し、37℃で2時間にわたり100μL DMEM10%FCS/ウェルで満たした。脾臓細胞を10細胞/100μLの濃度で入れた。インターロイキン2を6U/50μL/ウェル((R&D Systems)10ng/mL)の濃度ですべてのウェルへ加えた。コンカナバリンAを陽性コントロールとして用いた(5μg/mL)。HPV特異的ペプチドを5μg/mLの濃度で用いた。プレートを37℃、5%COで48時間インキュベートした。プレートをPBS 1×で1回およびPBS-Tween 0.05%で5回洗浄した。ビオチニル化抗マウスIFNγ(クローンXMG1.2,Pharmingen)を0.3μg/100μL/ウェルの濃度で加え、ゆっくり撹拌しながら室温で2時間インキュベートした。プレートをPBS-Tween 0.05%で5回洗浄した。PBS-Tween 0.05%‐FCS1%で1/5000希釈されたExtravidin AKP(Sigma,St.Louis,MO)もウェルへ加えた(100μL/ウェル)。プレートを室温で45分間インキュベートし、次いでPBS-Tween 0.05%で5回洗浄した。IFNγ分泌をBiorad Kitで顕在化させた。100μL基質(NBT+BCIP)をウェル当たりで加え、プレートを室温で1/2時間静置した。プレートを水で洗浄し、室温で一夜乾燥させた。解剖顕微鏡を用いてスポットをカウントした。
【0092】
2. 試験ペプチドのリスト
SCVYCKKEL(E6;Db):S9Lペプチド
RCIICQRPL(E6;Db):R9Lペプチド
SEYRHYQYS(E6;Kb):S9Sペプチド
ECVYCKQQL(E6;Db):E9Lペプチド
TDLHCYEQL(E7;Kb):T9Lペプチド
RAHYNIVTF(E7;Db):R9Fペプチド
非関連ペプチド(Flu特異的)
【0093】
3. R9Fテトラマー特異的CD8+T細胞の出現頻度の測定
新鮮脾臓細胞を回収し、BD特異的シーブ(Cell Strainer)を用いて調製した。脾臓細胞を24ウェルプレート中R9Fペプチド(5μg/mL)で5日間にわたり刺激したか、または特異的ラベリングのために直接用いた。1.10細胞を4℃で30分間かけて1μLのAPC結合マウスCD8特異的抗体(BD Pharmingen 553035;クローン53-6.7;ロットn°32567)および10μLのR9F特異的H‐2Dbテトラマー(Beckman Coulter T20071;H‐2Db/PE;ペプチドRAHYNIVTF;ロットC507117;C602110)で染色した。細胞を洗浄し、次いでPBS/0.5%PFAで希釈した。
【0094】
4. 結果
治療実験をプロトコールセクションで記載されているようにTC1皮下モデルで行った。0.5UIのPPD5%の皮下投与による前処置が、実験の最後に45%から65%の無腫瘍マウスへと、MVATG8042の治療効力を有意に高めることを、我々は観察した(図1参照)。Kaplan-Meier生存曲線のLog Rankアプリケーション(Statistica 5.1 software,Statsoft Inc.)を用いて異なるグループ間におけるインビボ生存実験の統計学的差異を評価した。P≦0.05が統計学的に有意とみなされる。伝統的ワクチンを効率的に増強することが知られた以前に記載のアジュバント(即ち、レバミゾール、生きたBCG)は、核酸ワクチンMVATG8042の治療効力を高めることができない。
【0095】
免疫原性研究もE6およびE7 HPV抗原に対する細胞性応答の誘導を調べるためにパラレルで行った。マウスをプロトコールセクションで記載されているようにワクチン接種した。
【0096】
第一セットの実験(図2参照)では、ELISPOTアッセイを用いてE6またはE7特異的IFNγ分泌細胞の数を調べた。免疫化後のCD8T細胞応答をモニターするためにE6およびE7 H‐2Db拘束性ペプチドを用いた。PPDの皮下投与での前処置が得られるMHCクラスI拘束性CD8T細胞の数および認識されるH‐2Db拘束性ペプチドの数を有意に改善することを、我々は観察した。
【0097】
同様に、CD8+/R9Fテトラマー+T細胞の数も、E7特異的免疫優性エピトープR9Fでインビトロ刺激前または後に、フローサイトメトリー解析(図3)により測定した。このことは、R9F免疫優性エピトープの認識がCD8特異的T細胞で明らかに媒介されていることを示している。この総数は脾臓で比較的低く、フローサイトメトリー解析にはペプチドでのインビトロ刺激を要した。PPDでの前処置がこの特定エピトープに対する特異的CD8T細胞の数を改善し、一方でレバミゾールおよび生きたBCGでの前処置はそうできない(観察された差異は統計学的に有意でない)。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1は、HPV16のE6およびE7タンパク質を発現するTC1腫瘍細胞の注射後における無腫瘍マウスの割合を表わしている。TC1細胞の注射後、PPD、生きたBCGまたはレバミゾールと共にE6/E7抗原を発現するMVAベクターでマウスに3回(週間隔で)ワクチン接種した。単独で注射されるエンプティMVAおよびE6/E7抗原をコードするMVAをコントロールとして用いた。
【図2】図2は、レバミゾール、生きたBCGまたはPPDの皮下注射と共にE6/E7抗原をコードするMVAベクターでマウスの免疫化後における、E6/E7エピトープに特異的なT細胞の数を表わしている。
【図3】図3は、レバミゾール、生きたBCGまたはPPDの皮下注射と共にE6/E7抗原をコードするMVAベクターでマウスの免疫化後における、E7ペプチド(R9F)に特異的なCD8+T細胞の割合を表わしている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)PPDと、(ii)抗原をコードする核酸配列とを含んでなる、ワクチン組成物。
【請求項2】
(i)抗原をコードする核酸配列と、
(ii)PPDと
を含んでなる、パーツのキット。
【請求項3】
PPDが、tubertestおよびtubersolを含んでなる群から選択される組成物である、請求項1または2に記載のワクチン組成物またはパーツのキット。
【請求項4】
抗原が腫瘍関連抗原(TAA)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のワクチン組成物またはパーツのキット。
【請求項5】
抗原が微生物抗原である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のワクチン組成物またはパーツのキット。
【請求項6】
微生物が、ウイルス、細菌、寄生虫または真菌の抗原である、請求項5に記載のワクチン組成物またはパーツのキット。
【請求項7】
抗原が感染生物の抗原である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のワクチン組成物またはパーツのキット。
【請求項8】
抗原が、HPVのE6初期コード領域、HPVのE7初期コード領域およびそれらの部分または組合せからなる群より選択される、請求項6に記載のワクチン組成物またはパーツのキット。
【請求項9】
抗原がアレルゲンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のワクチン組成物またはパーツのキット。
【請求項10】
核酸配列がベクターに含まれている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のワクチン組成物またはパーツのキット。
【請求項11】
ベクターがプラスミドまたはウイルス源のものである、請求項10に記載のワクチン組成物またはパーツのキット。
【請求項12】
ベクターが、ポックスウイルス、アデノウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、アルファウイルス、泡沫状ウイルスまたはアデノウイルス関連ウイルス由来である、請求項11に記載のワクチン組成物またはパーツのキット。
【請求項13】
ベクターがMVA由来である、請求項12に記載のワクチン組成物またはパーツのキット。
【請求項14】
ベクターが、抗原の発現に必要な要素を更に含んでなる、請求項10〜13のいずれか一項に記載のワクチン組成物またはパーツのキット。
【請求項15】
各成分が実質的に同時投与用である、請求項2〜14のいずれか一項に記載のパーツのキット。
【請求項16】
各成分が単一の製薬上許容される処方剤内に存在する、請求項2〜14のいずれか一項に記載のパーツのキット。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれかに記載のワクチン組成物またはパーツのキットと、製薬上許容されるキャリアとを含んでなる、医薬組成物。
【請求項18】
抗原をコードする核酸配列とPPDを混合することを含んでなる、ワクチン組成物の製造方法。
【請求項19】
ワクチン組成物を製薬上許容されるキャリア内に配合するステップを更に含んでなる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項1〜16のいずれかに記載のワクチン組成物またはパーツのキットまたは請求項17に記載の医薬組成物の投与による、腫瘍に罹患したまたは罹患しやすい患者を治療する方法。
【請求項21】
請求項1〜16のいずれかに記載のワクチン組成物またはパーツのキット、または請求項17に記載の医薬組成物の投与による、感染疾患に罹患したまたは罹患しやすい患者を治療する方法。
【請求項22】
請求項9に記載のワクチン組成物、パーツのキットまたは医薬組成物の投与による、アレルギーに罹患したまたは罹患しやすい患者の治療方法。
【請求項23】
(i)PPDおよび(ii)抗原をコードする核酸配列の哺乳類への投与を含んでなる、抗原への哺乳類の免疫応答を高める方法。
【請求項24】
PPDおよび核酸が同時に投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
抗原をコードする核酸配列を哺乳類へ投与し、免疫応答を上げるために該哺乳類へPPDを更に投与することを含んでなる、病状に対して哺乳類で免疫応答を上げさせる方法。
【請求項26】
抗原をコードする核酸配列を哺乳類へ投与し、更にPPDを該哺乳類へ投与するステップを含んでなる、抗原に対する哺乳類の免疫応答を高める方法。
【請求項27】
請求項20に記載の方法と一緒にした患者の同時治療を含んでなる、化学療法剤で化学療法治療をうけている癌患者の治療を改善するための方法。
【請求項28】
請求項20に記載の方法と一緒にしたかかる治療の必要な患者の同時治療を含んでなる、細胞毒性剤または放射線療法の細胞毒性有効性を改善する方法。
【請求項29】
抗原をコードする核酸配列の哺乳類への投与の結果として発現される、抗原により開始される免疫応答を高めるための薬剤の製造に際するPPDの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−541235(P2009−541235A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515745(P2009−515745)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005261
【国際公開番号】WO2007/147518
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(599082883)トランジェーヌ、ソシエテ、アノニム (32)
【氏名又は名称原語表記】TRANSGENE S.A.
【Fターム(参考)】