説明

核酸構築体および変化した種子油組成の生成方法

本発明は、植物遺伝子学の分野にあり、脂肪酸合成経路内の複数の遺伝子の協調操作に関連する組換え核酸分子、構築体、および他の作用物質を提供する。具体的には、本発明の作用物質は、脂肪酸合成経路内の特定の遺伝子の発現の増強および同経路内の特定の他の遺伝子の発現の抑制を同時に行うことに関連する。また、そのような作用物質が組み込まれた植物、特に、植物が変化した種子油組成を示す、そのような構築体が組み込まれた植物も提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
全脂肪酸の約42重量%〜約85重量%のオレイン酸含量および全脂肪酸の8重量%未満の飽和脂肪酸含量を含む種子油の脂肪酸組成を示すダイズ種子。
【請求項2】
前記種子が内在性ダイズFAD2−1およびFATBの発現を抑制する核酸配列を有するゲノムをさらに含み、前記核酸配列が約20〜約420ヌクレオチドの長さのダイズFAD2−1のイントロンの断片および約40〜約450ヌクレオチドの長さのダイズFATB遺伝子の断片を含み;前記ゲノムがβ−ケトアシル−ACP合成酵素IVおよびΔ−9不飽和化酵素の一方または双方の発現を増加させる核酸配列をさらに含む、請求項1記載のダイズ種子。
【請求項3】
ダイズFAD2−1のイントロンの前記断片およびダイズFATBの前記断片がそれぞれセンスおよびアンチセンス方向に転写され、少なくとも部分的に二本鎖であるRNAがもたらされる、請求項2記載のダイズ種子。
【請求項4】
内在性ダイズFAD2−1およびFATBの発現を抑制する前記核酸配列が、植物染色体内に挿入した後に機能的転写ユニットとして組み立てられる、請求項2記載のダイズ種子。
【請求項5】
前記種子が、連続する約20〜約420ヌクレオチドの長さのダイズFAD2−1のイントロンの断片および連続する約40〜約450ヌクレオチドの長さのダイズFATB遺伝子の断片を含む核酸配列を有するゲノムをさらに含む、請求項1記載のダイズ種子。
【請求項6】
ダイズFAD2−1のイントロンの前記断片およびダイズFATBの前記断片がそれぞれセンスおよびアンチセンス方向に転写され、少なくとも部分的に二本鎖であるRNAがもたらされる、請求項5記載のダイズ種子。
【請求項7】
前記核酸配列が、植物染色体内に挿入した後に機能的転写ユニットとして組み立てられる、請求項5記載のダイズ種子。
【請求項8】
前記種子が、約20〜約420ヌクレオチドの長さのダイズFAD2−1のイントロンの断片を含む、内在性ダイズFAD2−1の発現を抑制する核酸配列を有するゲノムをさらに含み;前記ゲノムが、β−ケトアシル−ACP合成酵素IVおよびΔ−9不飽和化酵素の一方または双方の発現を増加させる核酸配列をさらに含む、請求項1記載のダイズ種子。
【請求項9】
i)植物細胞中で、植物細胞中の内在性FAD2遺伝子に由来し、FAD2のイントロン断片またはFAD2のUTR断片からなる異種FAD2配列を発現させ;次いで
ii)内在性FAD2遺伝子を前記異種FAD2配列で抑制し、ここに、FAD2遺伝子抑制の量が、FAD2イントロンの全長またはFAD2のUTRの全長からなる異種FAD2配列を発現させることによって得られる遺伝子発現の量よりも少ない
ことを特徴とする、FAD2のイントロン全体またはFAD2のUTR全体からなる異種FAD2配列を含むdsRNAi構築体を発現させることによって得られるFAD2遺伝子抑制の量と比較して、FAD2遺伝子抑制の量を低下させる方法。
【請求項10】
前記FAD2のイントロン断片がFAD2のイントロン1全体の連続する約40〜約320ヌクレオチドであり、前記FAD2のUTR断片がFAD2の3'UTR全体の連続する約100〜約140ヌクレオチドであることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
植物細胞を、内在性FAD2遺伝子の一部に由来する、FAD2のイントロン断片またはFAD2のUTR断片からなる異種FAD2配列で形質転換させ;次いで、前記異種FAD2配列の転写が開始される条件下で前記植物細胞を成長させ、それにより前記油組成が、類似の遺伝的背景を有するが前記異種FAD2配列を欠く植物細胞と比較して変更されていることを特徴とする、植物細胞の油組成を変更する方法。
【請求項12】
i)第1の異種FAD2配列で形質転換した植物からのFAD2遺伝子抑制の量が、類似の遺伝的背景および第2の異種FAD2配列を含む植物細胞におけるFAD2遺伝子抑制の量と比較して少なくとも部分的に低下するまで、前記第1の異種FAD2配列の長さを短縮し、前記第2の異種FAD2配列が前記第1の異種FAD2配列よりも多くの内在性FAD2配列からなり;
ii)類似の遺伝的背景を有するが異種FATB配列を有さない植物細胞におけるFATBの抑制と比較して、植物細胞におけるFATB遺伝子発現を少なくとも部分的に低下させることができる前記異種FATB配列を発現させ;
iii)前記第1の異種FAD2配列および前記異種FATB配列を有するゲノムを含む植物を成長させ;次いで
iv)類似の遺伝的背景を有するが前記第1の異種FAD2配列および前記異種FATB配列を欠く植物由来の種子と比較して飽和脂肪酸含量が低下した種子を生産する植物を栽培する
ことを特徴とする、植物種子中のオレイン酸含量を増強し、飽和脂肪酸含量を低下させる方法。
【請求項13】
脂肪酸合成経路内の内在性遺伝子の発現を抑制できる、少なくとも40ヌクレオチドの長さの遺伝子要素の断片を単離し;前記遺伝子要素を温帯油種子作物の植物細胞内に導入し;トランスジェニック植物を生成し;トランスジェニック植物種子からの油の脂肪酸組成を調節する前記遺伝子要素を含むトランスジェニック植物種子を選択することを特徴とする、前記温帯油種子作物の種子由来の油の脂肪酸組成を調節する方法。
【請求項14】
前記内在性遺伝子が脂肪酸合成経路内の2つ以上の内在性遺伝子であることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記遺伝子要素が、脂肪酸合成経路内の前記内在性遺伝子のイントロン、エクソン、輸送ペプチドコードDNA配列、3'−UTR、5'−UTR、オープンリーディングフレームまたは転写物からなる群から選択されることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記内在性遺伝子がFAD2−1、FAD3、FATB、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記温帯油種子作物がダイズ、アブラナ、ヒマワリ、ピーナッツ、トウモロコシ、および綿からなる群から選択されることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項18】
全脂肪酸の約42重量%〜約85重量%のオレイン酸含量および全脂肪酸の8重量%未満の飽和脂肪酸含量を含む種子油の脂肪酸組成を示すダイズ種子の細胞。
【請求項19】
連続する約20〜約420ヌクレオチドの長さのダイズFAD2−1のイントロンの断片および連続する約40〜約450ヌクレオチドの長さのダイズFATB遺伝子の断片を含む組換え核酸分子。
【請求項20】
約20〜約420ヌクレオチドの長さのダイズFAD2−1のイントロンの断片、約40〜約450ヌクレオチドの長さのダイズFATB遺伝子の断片、およびβ−ケトアシル−ACP合成酵素IVおよびΔ−9不飽和化酵素の一方または双方の発現を増加させる核酸配列を含む核酸配列を含む組換え核酸分子。
【請求項21】
全脂肪酸の約42重量%〜約85重量%のオレイン酸含量および全脂肪酸の約8重量%以下の飽和脂肪酸含量を含む脂肪酸組成を有する非混合ダイズ油。
【請求項22】
全脂肪酸の約42重量%〜約85重量%のオレイン酸含量および全脂肪酸の8重量%未満の飽和脂肪酸含量を含む種子油の脂肪酸組成を示すダイズ種子に由来するダイズミール。
【請求項23】
i)ダイズ細胞内に、FAD3遺伝子ファミリーの少なくとも2つのメンバーからの核酸配列を含む異種核酸分子を導入し;
ii)植物細胞における内在性FAD3遺伝子発現を少なくとも部分的に低下させることができるFAD3遺伝子から核酸配列を発現させ;
iii)前記FAD3遺伝子ファミリーの少なくとも2つのメンバーからの前記核酸配列を有するゲノムを含む植物細胞を成長させ;次いで
iv)類似の遺伝的背景を有するが前記FAD3遺伝子ファミリーの前記少なくとも2つのメンバーを欠く植物細胞と比較してリノレン酸含量が低下している前記植物細胞を栽培する
ことを特徴とする、ダイズ種子のリノレン酸含量を減少させる方法。
【請求項24】
前記FAD3遺伝子ファミリーがFAD3−1A、FAD3−1B、およびFAD3−1Cからなる群から選択されることを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記DNA断片がFAD3の転写領域5'−または3'−UTRからのものであることを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項26】
FAD3遺伝子ファミリーの少なくとも2つのメンバーからのDNA断片を含む組換えDNA構築体。
【請求項27】
連続する約20〜約420ヌクレオチドの長さのダイズFAD2−1のイントロンの断片および連続する約40〜約450ヌクレオチドの長さのダイズFATB遺伝子の断片をさらに含む、請求項26記載の組換えDNA構築体。
【請求項28】
全脂肪酸の約42重量%〜約85重量%のオレイン酸含量、全脂肪酸の約8重量%以下の飽和脂肪酸含量、および全脂肪酸の約1.5重量%以下のリノレン酸含量を含む脂肪酸組成を有する非混合ダイズ油。
【請求項29】
請求項26記載の組換えDNA構築体を含むダイズ種子。
【請求項30】
請求項29記載のダイズ種子に由来するダイズミール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a−b】
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【図5c−d】
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【図6a−b】
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【図6c】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2009−526550(P2009−526550A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555312(P2008−555312)
【出願日】平成19年2月12日(2007.2.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/003823
【国際公開番号】WO2007/095243
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(501231613)モンサント テクノロジー エルエルシー (71)
【Fターム(参考)】