説明

格納・展開できる台

【課題】展開作業や格納作業の愉しみ、独特な形態の格納状態を愉しみ、その実用性を愉しみ、生活の動作の中で愉しみを提供することのできる、格納・展開できる台の構造を提案する。
【解決手段】座部12と、該座部12の下部に固設された棒状の脚部13とを備えて、台10を構成し、台10の座面と床面とが略同一平面となる状態に台を格納可能な格納部を床11に形成した。台10の脚部13の外周に雄ネジ13aを、脚部13が格納される脚格納部14の内周に雌ネジ14aを形成し、台10を回転させ、台10を昇降させることによって、使用可能な状態に展開し、また、格納部に格納できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格納したり、使用可能に展開したりすることのできる台の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
通常は、コンパクトに折り畳んだ状態とされたり、デッドスペースに配置されたりして、格納されており、使用する際に展開して使用可能な状態とする台が知られている。例えば、電車や航空機の座席背面に設けられたテーブル、電車やバス等の補助座席、公衆トイレのベビーオムツ換え台、映画館の座席、折り畳みベッド等である。これらは、使用される頻度の少なかったり、使用時間が短かったりするため、空間の有効利用や、清掃時等の利便性の向上を目的として、格納した状態に設置される。
【0003】
また、住宅等の私的空間においても、床下に机や椅子等の家具を格納し、使用時には、これらを展開させて使用可能な状態とする技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の技術である。
特許文献1では、机と椅子とを床及び床下空間を用いて構成し、通常は床面より下方に格納し、使用時には、床の一部を上昇させて机とし、床の一部を回転させて椅子を出現させ、机と椅子とを使用可能な状態とする技術が、公開されている。この技術では、机や椅子等の家具が、不使用時には、室内空間に存在せず、必要に応じて室内空間に出現させるので、室内空間を有効に広く利用することができる。
【特許文献1】特開2003−105963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような、通常格納された状態であって使用時に展開させる台の、展開する作業や格納する作業は、様々である。
例えば、電車や航空機の座席背面に設けられたテーブルにおいて、使用可能な状態に展開する作業は、テーブルを係止している係止部材を回転させて係止を解除し、テーブルを引き倒し、略水平方向にテーブルをスライドさせて位置調整するものである。また、格納する作業は、略水平方向にテーブルをスライドさせたのち、該テーブルを押し上げ、係止部材を回転させて該係止部材にて座席背面にテーブルを係止させるものである。
また、例えば、電車やバス等の補助座席であれば、使用可能な状態に展開する作業は、開く動作を単数回又は複数回行うものであり、格納する作業は、閉じる動作を単数回又は複数回行うものである。特に、バスの補助座席を展開する作業は、座席を横方向に開き、更に、背もたれを後ろ側へ開き、場合によっては、頭もたれを後ろ側に開くものであり、開く方向が少なくとも二方向ある。
【0005】
上述の如く、展開作業や格納作業には様々な動作が伴い、その独特な動作を必要とする作業を楽しむこともできる。
そこで、本発明では、展開作業や格納作業の愉しみ、独特な形態の格納状態を愉しみ、さらに、その実用性を愉しみ、生活の動作の中で愉しみを提供することのできる、格納・展開できる台の構造を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、座部と、該座部の下部に固設された棒状の脚部とを備えて、台を構成し、台の座面と床面とが略同一平面となる状態に台を格納可能な格納部を床に形成し、前記台を昇降可能としたものである。
【0008】
請求項2においては、前記台の脚部の外周と、前記格納部の脚部が格納される部分の内周とに、ネジを形成し、台の脚部を格納部に対して螺入可能としたものである。
【0009】
請求項3においては、天板と、該天板に対して略平行に重ね合わせた状態と略直交方向に突き合わせた状態とを現出可能に固定された脚板とを備えて、台を構成し、天板と脚板とを略平行に重ね合わせた状態で台を格納可能な格納部を形成し、台を略水平方向に移動させて格納部より引き出し可能としたものである。
【0010】
請求項4においては、前記天板に、該天板の移動方向と同一方向に延在するとともに、該天板の移動長さと略同一長さの溝を形成し、前記格納部に、前記溝に嵌入するダボを設けたものである。
【0011】
請求項5においては、前記台が縁台であり、前記格納部を基礎に形成したものである。
【0012】
請求項6においては、空間と空間とを仕切る壁に、回転扉を設け、該回転扉に凹部を備えて台を形成したものである。
【0013】
請求項7においては、前記台に、回転扉の内部と連通する開口孔を形成するとともに、回転扉の内部を天井裏又は床下に連通したものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
請求項1においては、通常、台を床に格納した状態とし、必要に応じて格納部から台を上昇させて使用可能な状態とすることができ、空間を有効に利用することができる。
【0016】
請求項2においては、台を回転させることにより、座部を上昇又は降下させることができ、台の展開又は格納作業が簡易であるとともに、座部の高さ調整が容易である。また、台を使用可能な状態とする展開作業を愉しみ、台を格納する格納作業を愉しむことができて、生活に「遊びの要素」を備えることができる。
【0017】
請求項3においては、通常、台を床に格納した状態とし、必要に応じて格納部から台を移動させて使用可能な状態とすることができ、空間を有効に利用することができる。また、台を使用可能な状態とする展開作業を愉しみ、台を格納する格納作業を愉しむことができて、生活に「遊びの要素」を備えることができる。
【0018】
請求項4においては、溝及びダボによって台の移動をガイドすることができ、また、格納部からの台の抜け落ちを防止することができる。
【0019】
請求項5においては、縁台を基礎に格納することで、狭い庭であってもガーデニングや物干しのスペースと縁台のスペースを共存させることができる。
【0020】
請求項6においては、回転扉を回転させることで、台及び台に設置されたものを、展開したり、格納したりすることによって、空間の雰囲気を変化させることができる。
【0021】
請求項7においては、台に電気機器を設置した際に、その配線を回転扉内部に見た目良く納めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係る格納・展開できる台は、通常は生活空間外に格納された状態にあり、使用時に展開して生活空間に出現させ使用できる状態とすることを特徴としている。すなわち、展開と格納の作業を施すことができることを特徴としている。なお、ここで生活空間とは、実質的に活動できることのできる空間を差し、床下や天井裏等は生活空間外に位置することとする。
この格納・展開できる台を日常生活に採り入れることで、台を生活空間に出現させる展開作業を愉しみ、また、台が生活空間に存在する状態から生活空間外へ格納する格納作業を愉しむことができる。そして、この格納・展開できる台は独特な格納状態を有し、そのデザインを愉しむことができる。
上述の如く、収納できる台は、実用性を備えながらも、「遊びの要素」を備えるものである。
下記第一実施例から第三実施例にて、上記格納・展開できる台について詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明の第一実施例について説明する。
図1は本発明の第一実施例に係る格納・展開できる台の構造を示す側面図、図2は格納・展開できる台の斜視図、図3は格納・展開できる台の使用形態を示す図である。
図4は格納・展開できる台を備えた部屋の様子を示す図である。
【0024】
第一実施例では、椅子等として利用することのできる「格納・展開できる台」について説明する。
【0025】
図1及び図2に示す如く、台10は、床11(床面及び床下)に格納される。床11は生活空間外であり、格納された状態にある台10は、生活空間である室内空間を狭めることなく存在している。
また、台10は、床11に格納された状態から、床11の上方へ進出させることによって生活空間に出現し、使用可能な状態に展開される。
【0026】
前記台10は、座部12と、脚部13とで構成される。そして、台10は床11を座部12の形状に切り欠いて形成した座格納部11aに格納される。台10の座部12は、床11の表面と座面12aとが略同一平面となるように、すなわち、座面12aが床面より高かったり低かったりして床11の表面に凹凸を形成しないように、床11の座格納部11aに格納される。
【0027】
台10の座部12は、本実施例においては平面視円形状であって、座面12aは床11の表面と同様のデザイン(模様)が施される。これにより、台10を床11に格納した状態において、床面に違和感を与えることなく、室内空間に台10を調和させることができる。
但し、座面12aのデザイン(模様)を床11の表面と異なるものとして、床11から出現させることのできる台10であることを強調し、その存在感を愉しむこともできる。
なお、台10の座部12には、生活空間に突出しない座部12を容易に回転させることができるように、生活空間側に対して進退可能なハンドル16が備えられる。
【0028】
台10の脚部13は、座部12の下面に固設される。脚部13は一本の棒状部材であって、その外周に雄ネジ13aが形成される。
なお、脚部13には、抜け防止及び緩み防止のためのナット13bが外嵌され、座部12下面は該ナット13を嵌入可能に凹部が形成される。
【0029】
床11には、前記座格納部11aに連続する脚格納部14が形成される。脚格納部14は、座格納部11aより下方へ突出した筒状体であり、その内周部に雌ネジ14aが形成される。座格納部11aは床11の下方に突出することになるので、座格納部11aの内周部や台10の脚部13が錆びることのないように、座格納部11aは下方が閉塞された一端閉塞の筒状体とされる。
【0030】
そして、上記台10の脚部13に形成された雄ネジ13aと、脚格納部14の雌ネジ14aとによって、台10の脚部13は回転しながら脚格納部14より進退する。すなわち、台10の座部12を一方向に回転させることにより、台10の脚部13を脚格納部14より進出させ、また、座部12を他方に回転させることにより、台10の脚部13を脚格納部14へ後退させることができる。
このように、台10を回転させることにより、台10の座部12の高さ位置を調節することができる。
【0031】
上述の台10を、生活空間外である床11に格納した状態から、使用可能な状態に展開して生活空間に出現させるためには、台10の座部12に設けられたハンドル16を起立させてハンドル16に手を掛けることのできる状態とし、ハンドル16を持って座部12を回転させると、徐々に座部12が上昇する。そして、所望の高さになるまで座部12を回転させて、台10を使用するに適した状態とする。
また、台10を使用可能に生活空間に出現した状態から、床11に格納するためには、座部12を展開するときとは反対方向に回転させて、座部12を徐々に降下させる。座部12の周囲に手が回らなくなるまで降下すれば、ハンドル16を起立させてハンドル16に手を掛けて座部12を回転させ、座格納部11aに座部12が嵌合し、床11の表面と座部12の表面とが略同一平面となるまで、座部12を降下させる。
【0032】
台10は座部12の高さ位置を容易に調節可能であるので、子供や大人、その台10を利用する人に応じて高さを調節することができる。そして、台10を椅子として利用する際に、机の高さ(形態)に応じて台10の座部12の高さを調整することができる。机がテーブルであるときには椅子として(図3(a))、机が座卓であるときには、正座用椅子として(図3(b))、座部12の高さを調整することができる。
【0033】
図4では、上記台10を備えた部屋の様子の一例を示している。部屋の床11の適宜位置に台10が椅子として設けられている。
台10は、必要な数だけを、展開して生活空間に出現させて椅子として使用可能な状態とし、不要な数は床11に格納した状態とすることができる。従って、台10を必要とする人数に応じて、必要な数の台10を生活空間に出現させることができ、生活空間を広く有効に利用することができる。
【0034】
椅子は、折り畳むことができても、また、積み重ねることができても、格納にスペースを必要とする。これに対し、上記台10は、生活空間外である床11(床及び床下)を格納スペースとして有効に利用することにより、生活空間を狭めることなく、椅子としての台10を備えることができる。
また、椅子としての台10は、場面や人数に合わせて、必要な数だけを生活空間に出現させることができるので、生活空間にある台10の数、また、その高さによって、生活空間の演出することができる。
そして、本実施例に係る台10では、台10の展開作業及び格納作業は、台10を回転させる動作を行うものである。この台10を回転させるという動作を、愉しみ、生活に遊びの要素を採り入れることができる。
上述の如く、台10の、展開して生活空間に出現させる作業を愉しみ、また、生活空間に存在する状態から生活空間外へ格納する作業を愉しむことができる。そして、台の独特な格納状態やデザインを愉しむことができる。
【0035】
なお、台10は椅子としての利用に限定されず、机としたり、植物台としたり、電話台としたり、広く物を載置する台として、また、脚立感覚で使用する足の踏み場としての台として、利用することができる。
【0036】
また、上記台10の、回転させることにより生活空間へ展開する形態は、台のみならず、他のものにも応用させることができる。
例えば、脚部13を中空管で構成し、脚部13の内部を電気配線スペースとして利用し、座面12aに、照明を載置したり取り付けたりして、上下高さ調整可能な照明とすることもできる。
【実施例2】
【0037】
本発明の第二実施例について説明する。
図5は本発明の第二実施例に係る格納・展開できる台の斜視図、図6は格納した状態の格納・展開できる台の構造を示す側面図、図7は展開した状態の格納・展開できる台の構造を示す側面図、図8は格納・展開できる台の構造を示す正面図、図9は図8におけるA−A断面図である。
図10は格納・展開できる台を備えた庭の様子を示す図である。
【0038】
第二実施例では、生活空間外である基礎内部に格納され、生活空間である庭に展開して縁台として利用することのできる「格納・展開できる台」について説明する。
但し、本実施例に係る「格納・展開できる台」の構造は、縁台のみに適用されうるものではなく、例えば、部屋の内部に設ける予備の椅子や荷物台等とすることもできる。
【0039】
図5乃至図8に示す如く、台20は住宅等の建物の基礎21の立ち上がり部より引き出し可能であって、基礎21内部に格納される。住宅の床下には、基礎21に開口する格納部21aが形成され、該格納部21aに台20が略水平方向に摺動可能に格納される。なお、格納部21aの延長線上には、収納時の台20を支持するための支持ステー27が基礎21に固設される。
【0040】
台20は、天板23と、該天板23の下面にヒンジ26を介して固定された脚板24とで構成される。天板23及び脚板24はいずれも板状部材であって、脚板24は天板23に対して略90度回転することが可能である。台20の格納時には、天板23と脚板24とが略平行に重ね合わせた状態(図6)とし、また、展開時には天板23と脚板24とが略直交方向に突き合わせた状態(図7)とすることが可能に構成されている。
【0041】
天板23には、図8及び図9に示す如く、該天板23を引き出す際に手を掛けることにできるように、引き手23bが天板23の前部下面の一部を切り欠いて一体的に形成される。なお、引き手23bに手を掛けることができるように、脚板24の上部には切り欠き24aが形成される。
【0042】
また、天板23の側面には、ガイド溝23aが形成され、基礎21の格納部21aの周囲にはダボ25が形成される。ガイド溝23aは、天板23の移動方向と同一方向に延在するとともに、該天板23の移動長さと略同一長さの溝であって、該ガイド溝23aの端部は、天板23の側面に位置し、ガイド溝23aの両端は閉じられている。また、ダボ25は、格納部21aより、台20側に向けて突出している。
ダボ25はガイド溝23aに嵌入しており、展開又は収納する際、天板23を略水平方向に摺動させるときに、ダボ25がガイド溝23aに嵌入された状態で該ガイド溝23aの内周に沿って移動する。
このダボ25とガイド溝23aによって、天板23の移動がガイドされ、また、天板23が、格納部21aから抜け落ちることのないようにしている。
【0043】
上述の台20は、基礎21の内部に格納された状態では、天板23と脚板24が略平行となるように折り畳まれた状態で、基礎21の格納部21aに挿入されている。
そして、天板23に形成された引き手23bに手を掛けて、台20を格納部21aより引き出し、脚板24をヒンジ26を中心として回転させて開き、該脚板24を略垂直に立たせて天板23を支持させることにより、台20を使用可能な状態に展開することができる。
また、台20が展開した状態から、脚板24をヒンジ26を中心として回転させて天板23と脚板24が略平行となるように折り畳み、台20を略水平方向に格納部21aへ押し入れることによって、台20を格納することができる。
上述の如く、台20を使用可能な状態とする展開作業では、引き出す→開く、動作を行い、格納作業は、折り畳む→押し入れる、動作を行う。このように、台20の使用に際して、展開作業と格納作業とを必要とし、この作業を愉しむことで、生活に遊びの要素を採り入れることができる。
上述の如く、台20の、台を展開して生活空間に出現させる作業を愉しみ、また、台20が生活空間に存在する状態から生活空間外へ格納する作業を愉しむことができる。そして、台20の独特な格納状態やデザインを愉しむことができる。
【0044】
図10に示す如く、上述の台20は、庭に設置される縁台20として使用することができる。
縁台としての台20は、必要に応じて、生活空間外である基礎21の内部に格納した状態から、生活空間へ展開させて使用可能な状態とすることができるので、狭い庭であっても、庭という生活空間を有効に利用することができる。すなわち、台20の不使用時には、台20が展開される場所である生活空間を、洗濯物を干したり、植物を育てたりするスペースとして利用することができるのである。
また、台20は、不使用時には格納されるので、特に、台20が木材等の自然素材で構成された物である場合に、風雨に曝される頻度を低減させ劣化を防止することができる。
【実施例3】
【0045】
本発明の第三実施例について説明する。
図11は本発明の第三実施例に係る格納・展開できる台を備えた回転扉の斜視図、図12は格納・展開できる台を備えた回転扉の構造を示す正面図、図13は格納・展開できる台を備えた回転扉の構造を示す側面断面図である。
図14は格納・展開できる台を備えた回転扉を備えた部屋の様子を示す図である。
【0046】
第三実施例では、室内において部屋と部屋とを仕切る壁面に設けられ、テレビやオーディオ機器等を載せるための台として利用することのできる「格納・展開できる台」について説明する。
【0047】
図11乃至図13に示す如く、台34は壁31に嵌め込まれた回転扉30に形成される。
回転扉30には、上下方向中途部に凹部が形成されており、ここが台34として機能する。回転扉30は、部屋の間仕切壁31に設けられた開口31aに嵌入された開口枠32に嵌入される。開口枠32は、回転扉30を支持するため、柱41・41や梁42・42により形成される構面内に嵌め込まれ、柱41・41や梁42・42に固設されて、十分な強度が備えられる。
【0048】
前記回転扉30は開口31aを閉塞する建具として利用され、回転扉30を回転させることによって、間仕切壁31に部屋間を往来することができる開口を出現させることができる。回転扉30は、本来回転扉が有する、通行や通気といった目的を失うことなく、物を載置することのできる台34としての機能を有しているのである。
回転扉30の上下には回転軸33・33が突出しており、該回転軸33・33は、開口枠32に形成された軸受け32a・12aに嵌入される。すなわち、回転扉30は開口枠32に回動可能に支持され、回転軸33・33を回転の中心として回動することができる。
【0049】
前記回転扉30に形成された台34には、例えば、テレビ38等の電気を必要とする機器が載置される。このため、回転扉30の内部は配線空間として利用され、該回転扉の内部は天井裏又は床下に連通される。図13に示す如く、台34には、コンセントや、配線を通すための、台34と回転扉30の内部とを連通させる孔39が設けられる。そして、これらの配線は、回転扉30の内部を通り、筒状に形成された回転軸33・33の内部を通って、天井又は床下に至り、ここから配線源に接続される。従って、配線を見た目良く納めることができる。
【0050】
図14に示す如く、上記台34を備えた回転扉30は、例えば、ウォークインクローゼットや物置、押し入れ等の格納庫と部屋との間の間仕切壁に設けられる。これにより、回転扉30を回転させることにより、台34を生活空間である室内側へ出現させたり、生活空間外である格納庫内へ格納したりすることができる。
【0051】
また、図14に示す如く、上記台34を備えた回転扉30は、例えば、寝室とリビングルーム等、いずれも生活空間であって異なる目的のための部屋を仕切る間仕切壁に設けられる。回転扉30を回転させることで、台34及び台34に設置されたものを、展開したり(見せたり)、格納したり(隠したり)することによって、空間の雰囲気を変化させることができる。
この場合、台34に設置されたものは、間仕切壁にて仕切られている二つの空間の両方で利用することが可能である。よって、台34に設置された一つのものを二つの空間で共有することができ、それぞれの空間に備える必要がなく、経済性・利便性を図ることができる。
【0052】
上述の如く、回転扉30を回転させて、台34を展開したり格納したりする作業を愉しむことができる。従って、この台34を備えた回転扉30によって、空間に遊びの要素が備えられることになる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第一実施例に係る格納・展開できる台の構造を示す側面図。
【図2】格納・展開できる台の斜視図。
【図3】格納・展開できる台の使用形態を示す図。
【図4】格納・展開できる台を備えた部屋の様子を示す図。
【図5】本発明の第二実施例に係る格納・展開できる台の斜視図。
【図6】格納した状態の格納・展開できる台の構造を示す側面図。
【図7】展開した状態の格納・展開できる台の構造を示す側面図。
【図8】格納・展開できる台の構造を示す正面図。
【図9】図8におけるA−A断面図。
【図10】格納・展開できる台を備えた庭の様子を示す図。
【図11】本発明の第三実施例に係る格納・展開できる台を備えた回転扉の斜視図。
【図12】格納・展開できる台を備えた回転扉の構造を示す正面図。
【図13】格納・展開できる台を備えた回転扉の構造を示す側面断面図。
【図14】格納・展開できる台を備えた回転扉を備えた部屋の様子を示す図。
【符号の説明】
【0054】
10・20・34 台
30 回転扉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と、該座部の下部に固設された棒状の脚部とを備えて、台を構成し、
台の座面と床面とが略同一平面となる状態に台を格納可能な格納部を床に形成し、
前記台を昇降可能とした
ことを特徴とする格納・展開できる台。
【請求項2】
前記台の脚部の外周と、
前記格納部の脚部が格納される部分の内周とに、ネジを形成し、
台の脚部を格納部に対して螺入可能とした、
請求項1に記載の格納・展開できる台。
【請求項3】
天板と、該天板に対して略平行に重ね合わせた状態と略直交方向に突き合わせた状態とを現出可能に固定された脚板とを備えて、台を構成し、
天板と脚板とを略平行に重ね合わせた状態で台を格納可能な格納部を形成し、
台を略水平方向に移動させて格納部より引き出し可能とした
ことを特徴とする格納・展開できる台。
【請求項4】
前記天板に、該天板の移動方向と同一方向に延在するとともに、該天板の移動長さと略同一長さの溝を形成し、
前記格納部に、前記溝に嵌入するダボを設けた、
請求項3に記載の格納・展開できる台。
【請求項5】
前記台が縁台であり、前記格納部を基礎に形成した、
請求項3又は請求項4のいずれかに記載の格納・展開できる台。
【請求項6】
空間と空間とを仕切る壁に、回転扉を設け、
該回転扉に凹部を備えて台を形成した
ことを特徴とする格納・展開できる台。
【請求項7】
前記台に、回転扉の内部と連通する開口孔を形成するとともに、
回転扉の内部を天井裏又は床下に連通した、
請求項6に記載の格納・展開できる台。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−37574(P2006−37574A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220795(P2004−220795)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】