説明

格納式針を備える安全注射器

【課題】プランジャにより安全装置が始動されなくても、流体を吸引する前にシリンジバレルから空気が完全に排出されるようにする。
【解決手段】偶発ニードルスティックからユーザを保護する種々の安全機構を組み込んだ注射器が開示されている。ある実施形態では、注射器は、プランジャと係合することによってシリンジバレルの中に格納できる格納式キャリッジを組み込んでいる。キャリッジは、任意の数の針寸法を持つ異なる針基を受容するように構成されている。別の実施形態では、キャリッジは、プランジャがシリンジバレルからキャリッジの係合を離すと、バネが針をバレルの中に自動的に格納するように、バネが装着されている。更に他の実施の形態では、バネの装着された針を備えた針基が注射器と共に使用される。針は、プランジャが、針基に組み込まれた或る機構を作動させるとバレル内に格納され、これにより針を解放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ユーザへの不慮の接触を最小限にする安全注射器が、手動および自動格納式キャリッジ(Carriage)を備える安全注射器に拡大された詳しい議論と共にここに論じられる。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年2月27日に出願された独国実用新案DE20303231U1の優先権を主張し、その内容はここに参照により組み入れられている。
【0003】
注射器は、流動体を注射するため、および流動体運搬容器から流動体を引き上げるために使用される。感染症の伝搬を減らすために、使用済針先への不慮の接触およびニードルスティックを減らすように、市販の注射器に安全特性が加えられた。
【0004】
先端プロテクター、および格納式キャリッジを備える注射器が、主にこれらの安全特性である。概して、先端プロテクター技術では、保護部材が針の上に取り付けられ、注射後の針の針先を覆って、針先を遮る構造を持つ。保護部材は、手動で始動されて針先を覆ってもよく、または自動的にバネを解放することにより、保護部材を針先に押しつけてもよい。
【0005】
格納式キャリッジ技術では、注射器はシリンジバレルの遠位端で移動式キャリッジと圧接される。キャリッジは、針基と針とを取り付けるために、固定された針またはルアーチップを組み入れる。注射後、ニードルスティックを防ぐために、キャリッジは、針に沿って、シリンジバレルの内部空洞に格納できる。さらに詳細には、注射に続いて、典型的にはキャリッジは、プランジャと係合し、反対の方向または近位端の方向のプランジャ上に引くことにより、バレルの内部空洞の中へ格納される。代わりに、キャリッジはプランジャによりバレルから離れ、バネが自動でキャリッジをバレルの内部の空洞に格納する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
注射器に関する従来技術の特性は有用であるけれども、ここで説明されている安全注射器は改良されて置き換えることができる。他の事柄のうちで、従来技術の安全装置は、プランジャにより安全装置が始動されなければ、流体を吸引する前にシリンジバレルから空気が完全には排出されないという欠点を持つ。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、近位端の握持フランジ、針基を受け合う遠位端の開口部、外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを含む壁構造、および上記近位端よりも上記遠位端の近くに位置する内部表面上の1組の雌型(female)デテント(保持機構:detent)を備えるバレルと、上記バレルの上記内部空洞内に配置されるプランジャであって、近位端の押下フランジと、遠位端に近接したプランジャ先端部を含む先端保持部とを備え、上記プランジャ先端部が、第1の距離だけ上記押下フランジから離れたプランジャ先端部の遠位端面を備える、プランジャとを備える注射器を提供することにより実現できる。ルアーチップ、管、雄型(male)デテントを備える各脚を備える上記ルアーチップから離れて存在する1組の脚を備えるようにキャリッジが組み入れられ、上記キャリッジが、上記キャリッジ上の上記雄型デテントと上記バレルの上記雌型デテントとを係合させることにより、上記バレルに着脱式で固定されることを特徴とする。最後に、上記プランジャは、上記プランジャ上に位置する上記プランジャ先端部が上記キャリッジから離れた第1のプランジャ位置と、上記プランジャ先端部または上記プランジャ先端部を保持する先端保持部が上記キャリッジと接する第2のプランジャ位置と、上記プランジャ上の上記押下フランジが、上記押下フランジが上記第1の距離よりは短い第2の距離プランジャ先端部の遠位端の表面から離れるように、上記プランジャ先端部の遠位端の表面に対して遠位端の方向へ移動する第3のプランジャ位置と、を含む3つのプランジャ位置を備えている。
【0008】
本発明のもう1つの形態では、近位端の握持フランジ、針基を受け合う遠位端の開口部、外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを備える壁構造、および上記開口部に近接した蝶番で動くようにされた1組のフックを備えるバレルを備える注射器が、上記バレルの上記内部空洞内に配置されたプランジャと共に使用でき、近位端の押下フランジ、および遠位端に近接して先端保持部に取り付けられたプランジャ先端部を備える先端保持部を備え、上記プランジャ先端部が、第1の距離押下フランジから離れたプランジャ先端部の遠位端の表面を備えることを特徴とする上記プランジャを備え、ルアーチップ、管、2つの井戸状穴部、および上記井戸状穴部の下に位置する少なくとも1つの突起を備える上記管の内部に位置する2つの突起を備えるキャリッジが組み入れられ、上記キャリッジが、上記バレル上の上記蝶番で動くようにされたフックと上記井戸状穴部とを係合させることにより、上記バレルに着脱式で固定されることを特徴とし、最後に、上記プランジャが、上記プランジャ上に位置する上記プランジャ先端部が上記キャリッジから離れた第1のプランジャ位置と、上記プランジャ先端部または上記プランジャ先端部を保持する先端保持部が上記キャリッジと接する第2のプランジャ位置と、上記プランジャ上の上記押下フランジが、上記押下フランジが上記第1の距離よりは短い第2の距離プランジャ先端部の遠位端の表面から離れるように、上記プランジャ先端部の遠位端の表面に対して遠位端の方向へ移動する第3のプランジャ位置と、を含む3つのプランジャ位置を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明のさらにもう1つの形態では、近位端の握持フランジ、開口部を備えかつ第1の内側肩部を区画する遠位端の内向きの突起、外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを備える壁構造、および近位端の握持フランジよりも遠位端の上記開口部の近くに位置する第2の内側肩部を備えるバレルであって、上記バレルの内部空洞内に配置された上記内部空洞をもつ管状の本体、近位端の押下フランジ、および上記管状の本体の肩部と当接して押し端に取り付けられたプランジャ先端部を持つ押し端を備える先端保持部を備えるプランジャと共に使用し、細長い本体に位置するバネを持つ細長い本体、上記細長い本体から延在する基部、上記細長い本体および上記基部の間に位置する肩部、および管に取り付けられた針を備える管を備えるキャリッジが組み入れられてもよくて、上記バネが、上記バレルの上記第1の内側肩部および上記キャリッジ上の上記肩部により縮められ、上記キャリッジが、上記キャリッジの上記基部および上記バレルの上記内部表面の間に弾性のある保持タイヤを押し込むことにより上記バレルに着脱式で固定され、最後に、上記プランジャが、上記プランジャ上に位置する上記プランジャ先端部が上記キャリッジから離れた第1のプランジャ位置と、上記保持タイヤが上記キャリッジの上記基部を実質的に押して取り外す前に、上記プランジャ先端部が上記プランジャの上記肩部および上記バレルの上記第2の内側肩部に同時に接する第2のプランジャ位置と、上記プランジャ上の上記押し端が上記キャリッジの上記基部を遠位端に押して取り外す第3のプランジャ位置と、を含む3つのプランジャ位置を備えることを特徴とする注射器が提供される。
【0010】
本発明のもう1つの形態では、近位端の握持フランジ、開口部を備え、第1の内側肩部を区画する遠位端の内向きの突起、外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを備える壁構造、および上記近位端の上記握持フランジよりも上記遠位端の上記開口部の近くに位置する第2の内側肩部を備えるバレルであって、上記バレルの内部空洞内に配置された上記内部空洞をもつ管状の本体、近位端の押下フランジ、上記管状の本体の肩部と境を接する押し端に取り付けられたプランジャ先端部を持つ押し端を備える保持部、および上記肩部の遠位端に位置し、内部に位置され、上記プランジャ先端部の内部ボアの表面に境を接する半径方向に外向きの突起を備えるプランジャと共に使用し、バネが位置された細長い本体、上記細長い本体から延在する基部、上記細長い本体および上記基部の間に位置する肩部、および管に取り付けられた針を備える管を備えるキャリッジが組み入れられてもよく、上記バネが上記バレルの上記第1の内側肩部および上記キャリッジの上記肩部により縮められ、上記キャリッジが、上記キャリッジの上記基部および上記バレルの上記内部表面の間に弾性のある保持タイヤを押し込むことにより、上記バレルに着脱式で固定され、最後に、上記プランジャが、上記プランジャ上に位置する上記プランジャ先端部が上記キャリッジから離れた第1のプランジャ位置と、上記プランジャ先端部が上記バレルの上記第2の内側肩部に接し、上記プランジャ上の半径方向に外向きの上記突起が上記プランジャ先端部の近位表面に接する第2のプランジャ位置と、上記プランジャ上の上記押し端が上記保持タイヤを上記キャリッジの上記基部の遠位端に押して取り外す第3のプランジャ位置と、を含む3つのプランジャ位置を備えることを特徴とする注射器が提供される。
【0011】
本発明のさらにもう1つの形態では、近位端の握持フランジ、遠位端のルアーチップ、上記ルアーチップと繋がる開口部を持つ肩部を区画する遠位端表面、および外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを備える壁構造を備えるバレルであって、上記バレルの上記内部空洞に配置され、近位端の押下フランジ、遠位端に近接して先端保持部に取り付けられるプランジャ先端部を備える先端保持部、およびボアを備える中央の管状の本体を備え、上記プランジャ先端部が第1の距離上記押下フランジから離れたプランジャ先端部の遠位端の表面を備えることを特徴とするプランジャと共に使用し、上記ルアーチップに取り付けられた内腔を区画する管、上記管の部分を形成する薄い壁の表面を持つ井戸状穴部区間、デテントが係合することにより、着脱式で上記管に取り付けられた針、および上記通路の内部で縮められたバネを備える針基を備える注射器が提供され、最後に、上記プランジャは、上記プランジャ上に位置する上記プランジャ先端部が上記バレル上の上記肩部から離れた第1のプランジャ位置と、上記プランジャ先端部が上記第1の肩部に接する第2のプランジャ位置と、上記押下フランジが第1の距離より短い第2の距離上記プランジャ先端部の遠位端の表面から離れるように、上記プランジャ上の上記押下フランジが上記プランジャ先端部の遠位端の表面に対して遠位方向へ移動する第3のプランジャ位置と、を含む3つのプランジャ位置を備えることを特徴とする注射器が提供される。
【0012】
本発明のさらにもう1つの形態では、近位端の握持フランジ、遠位端のルアーチップ、肩部を区画する遠位端の表面、格納式針を受け合うことのできる外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを備える壁構造を備えるバレル、上記バレルの上記内部空洞に配置され、近位端の押下フランジ、および先端フランジおよび遠位端に近接して先端フランジに取り付けられたプランジャ先端部を備える先端保持部を備え、上記プランジャ先端部が、第1の距離上記押下フランジから離れたプランジャ先端部の遠位端の表面、および遠位端表面および近位端表面を備える環状リングを持つボアを備え、上記先端フランジがプランジャ先端部のボアの内部空洞内に配置されるプランジャを備え、この形態にかかる上記プランジャが、上記プランジャが近位端に格納されて流体を吸い上げ、上記プランジャの上記先端フランジが、上記プランジャが近位方向に格納されるように上記環状リングの上記遠位端表面に接する第1のプランジャ位置と、上記プランジャが遠位端へ移動し、上記プランジャ上に位置する上記プランジャ先端部が上記バレル上の上記肩部から離れている第2のプランジャ位置と、上記プランジャ先端部が上記肩部に接する第3のプランジャ位置と、上記プランジャ上の押下フランジが、上記押下フランジが上記第1の距離より短い第2の距離上記プランジャ先端部の遠位端の表面から離れるように上記プランジャ先端部の遠位端の表面に対して遠位方向に移動し、上記プランジャ先端部の上記ボアの中に位置する上記先端のフランジが上記環状リングの上記遠位端表面にもう接しない第4の位置と、を含む4つのプランジャ位置を備えることを特徴とする注射器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の形態にかかる手動格納式キャリッジを備える注射器の準概略断面図
【図2】注射器のバレル内に格納されるプランジャに係合するキャリッジを備える図1の注射器の準概略断面図
【図2a】本発明の形態にかかる代わりのプランジャ先端部の準概略断面図
【図2b】図1の注射器に組み入れられる2つの整列板の典型的な上面図
【図3】本発明の形態にかかる手動格納式キャリッジを備える代わりの注射器の準概略断面図
【図4】注射器のバレルの中に格納されるプランジャに係合するキャリッジを備える図3の注射器の準概略断面図
【図5】本発明の形態にかかる手動格納式キャリッジを備えるもう1つの代わりの注射器の準概略断面図
【図6】注射器のバレルに格納されるプランジャに係合するキャリッジを備える図5の注射器の準概略断面図
【図7】本発明の形態にかかる手動格納式キャリッジを備えるさらにもう1つの代わりの注射器の準概略断面図
【図8】注射器のバレル内に格納されるプランジャに係合するキャリッジを備える図7の注射器の準概略断面図
【図9】本発明の形態にかかる手動格納式キャリッジを備えるさらにもう1つの代わりの注射器の準概略断面図
【図10】注射器のバレルの中に格納されるプランジャに係合するキャリッジを備える図9の注射器の準概略断面図
【図11】本発明の形態にかかるバネの装着されたキャリッジを備える注射器の準概略断面図
【図12】係合が離れて格納する準備の整ったキャリッジを備える図11の注射器の準概略断面図
【図13】バレルの中に格納されたキャリッジを備える図11の注射器の準概略断面図
【図14】本発明の形態にかかるバネの装着されたキャリッジを備える代わりの注射器の準概略断面図
【図15】係合が離れて格納する準備の整ったキャリッジを備える図14の注射器の準概略断面図
【図16】本発明の形態にかかるバネの装着されたキャリッジを備えるもう1つの代わりの注射器の準概略断面図
【図17】係合が離れて格納する準備の整ったキャリッジを備える図16の注射器の準概略断面図
【図18】本発明の形態にかかるバネの装着された格納式針を持つ針基を備える注射器の準概略断面図
【図19】図18の針基の準概略部分拡大図
【図20】バレルに部分的に格納される針を備える図18の注射器の部分断面図
【図21】本発明の形態にかかるバネの装着された格納式針を持つ針基を備える代わりの注射器の準概略断面図
【図22】本発明の形態にかかるバネの装着された格納式針を持つ針基を備える代わりの注射器の準概略断面図
【図23】本発明の形態にかかるバネの装着された格納式針を持つ代わりの針基の準概略部分拡大図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のこれらのおよび他の特性と利点は、明細書、請求の範囲および添付の図を参照してより良く理解されることにより理解される。
【0015】
以下、添付の図を参照して発明の実施の形態を説明する。
【0016】
添付の図に関連して以下に説明されている詳細な説明は、本発明の形態にかかる安全注射器の現在好ましい実施の形態の説明として意図され、本発明が製造または利用できる形のみを表すことを意図していない。この説明は、特性と示されている実施の形態に関連して本発明の安全注射器を製造および使用するステップを説明している。しかし、同じまたは等価な機能および構造は、本発明の範囲に包含されるように意図もされた異なる実施の形態により達成可能である。また、ここで他に示されているように、同様な部材番号は同様な部材または特性を示すよう意図されている。
【0017】
次に図1を参照すると、本発明の形態にかかる格納式キャリッジを備える典型的な注射器10が示されている。1つの典型的な実施の形態では、5mlまたは10mlなどの任意の標準的な大きさである注射器10は、バレル14、握持フランジ18を備える近位端16、取り付けられた針(図示されていない)を持つ標準的な針基を受け合う開口部22を備える遠位端20を備える。
【0018】
バレル14は、外部表面24および内部空洞28を区画する内部表面26を持つ壁の表面を区画する。プランジャ30が内部空洞28に位置し、上記プランジャ30は、一端に押下フランジ32、もう一端にプランジャ先端部および封止34、およびキャリッジ12を持つ。典型的な実施の形態では、キャリッジ12は、雄型(male)ルアーチップ36、封止リング38、1組の近位方向へ延在するアーム40a、40bを備える。封止リング38は、バレル14の内部表面に対して封止するよう構成され、バレル14の内部表面26の一部と組み合わされて、体積の封入部を区画し、その体積の封入部は、バレルに対するプランジャ30およびプランジャ先端部34の位置により変化する。内腔42は、注射器の内部空洞28およびバレル14の可変体積封入部の外部の間に流動体が通るようにキャリッジ12の軸の中央を通って区画される。プランジャ先端部34は、既知の方法により、境界の内部表面26に対して動的に封止される。
【0019】
近位方向へ延在するアーム40a、40bは、1組の一体的に形成されたブリッジ42a、42b(図2)により封止リング38の基部に片持ちにされる。片持ちにされた構成により、アーム40a、40bが、さらに以下で議論する理由のため、バレルの長さ方向の中央の軸により区画される長さ方向の軸の半径方向に内向きの方向に収縮できる。ブリッジ42a、42bのちょうど近位は、高くなった隆起部44a、44bおよび雄型デテント46a、46bであり、上記雄型デテント46a、46bは、キャリッジ12が使用の準備のできている位置にあるとき、バレル14の内部表面26の中に形成される雌型デテント48a、48bと組みになって係合する。2つの始動傾斜50a、50bは、雄型デテント46a、46bのさらに近位に位置する。1つの典型的な実施の形態では、始動傾斜50a、50bは、以下にさらに議論するように、プランジャ30に押されてアーム40a、40bを半径方向に内向きに曲げるときにアーム40a、40bに加わる分力の組を分け与える対角線の面を組み入れる。始動傾斜50a、50bは覆い62と係合するフック状の構成で終わっている(図1)。バレル14、プランジャ30、キャリッジ12、およびプランジャ先端部34は、現在この技術分野で使用されている既知の材料から造られていてもよい。
【0020】
1つの典型的な実施の形態では、バレル14は、2つのテーパー区間を備える。第1のテーパー区間52は、バレルの内部空洞28内に形成され、プランジャ先端部34の遠位端または前方への進行を止める肩部として作用する。第2のテーパー区間54は、さもなければ除外されてもよいのであるが、審美的なアピールのために、バレル14の外部表面24上に形成される。代わりに、テーパー区間52、54は、四角でもよく、四角い仕上げとテーパーの仕上げとの組合せを組み入れてもよい。バレルは好ましくは透明、または準透明であり、参照用のラベリング、マーキング、または他の特徴などのしるしを含んでもよい。
【0021】
1つの典型的な実施の形態では、プランジャ30はプラス(+)形状の断面を持つ1組の細長い板55a、55bを組み入れる。1以上の押下板56は、補強用にプランジャ30上に形成される。遠位方向に突き出た柱または先端保持部58は、1以上の押下板56の遠位端上にプランジャ先端部34を位置させるために、1以上の押下板56の遠位端に位置する。プランジャディスク60は、遠位方向に突き出た柱58上に形成され、ある間隔を開けて最も遠位端の押下板56から好ましくは離れていて、その間隔は、下でさらに議論するように、プランジャ先端部34の一部を収容するのに十分な幅である。一般的に円筒状の覆い62は、押し端64(図2)および1組の穿設スロット66を持つプランジャディスク60の遠位端に位置する。1つの典型的な実施の形態では、押し端64およびプランジャディスク60は、各々、以下で議論する理由により、テーパー表面を備える。穿設スロット66は、始動傾斜50a、50bのフック状の端部を受け合うのに十分な寸法を持つべきである。
【0022】
覆い62は、キャリッジ12の遠位方向へ延在するアーム40a、40bを受け合う1組の開口部69を持つ遠位端表面67を備える。プランジャ先端部34は覆い62を受け合うボア68を備える。1つの典型的な実施の形態では、プランジャ先端部のボア68は、第1の直径区間70、第2の直径区間72、および第3の直径区間74を持つ(図2)。しかし、内部のボア68は、柱58、覆い62、および/またはキャリッジ12の寸法を変更することにより同じ直径を持つことができる。内向きに延在しているリング76は、プランジャ先端部34の近位端に形成され、プランジャ30の遠位方向に突き出た柱58と大きさの合う嵌合を形成する大きさにされる。第1の内向きに延在するリング76から離れた第2の内向きに延在するリング78は、プランジャ先端部の第2の直径区間72および第3の直径区間74の間の変わり目に位置する。第1および第2の内向きに延在するリング76、78の間の空間または間隔80は、作動(activation)間隔として機能し、さらに以下で議論するように、プランジャ30が遠位方向へ進行してキャリッジ12を作動(activate)または格納するとき、プランジャディスク60を受け合うように構成される。
【0023】
代わりのプランジャ先端部34’の実施の形態(図2b)では、第2の内向きに延在するリング78は省略でき、覆い62’の近位端61は、延在するリング76’の遠位端側に隣接するさらに近位方向に延在または移動できる。これにより間隔80が必要なくなり、プランジャ先端部34’の形状を単純化する。そうでなければ、代替的なプランジャ先端部34’が、図1および図2のプランジャ先端部34と同じ機能をする。
【0024】
注射器を使用するために、針基に取り付けられた市販の針(図示されていない)が、先ず第1にルアーチップ36上に取り付けられる。注射器10がルアーチップ36を持ち、キャリッジ12上に永久的に取り付けられた針を持たないので、異なる針の大きさが、吸引、試料の引き上げ、または注射の実施用にルアーチップ上に取り付けできる。好ましくは、注射器が試料の引き上げのために使用されると、針基を備える針は、針の先を覆う先端プロテクターまたは留め金を含むべきである。
【0025】
任意の数の流動体であってもよい医薬の流動体で満たされたバレル14があると、所望の体積までかつ針が患者に注射されるまで、プランジャ30が、流動体を放出するために針の方向へ遠位方向の力FDで遠位方向に進む。この注射は、プランジャ先端部34が肩部またはバレル14の第1のテーパー区間52に接したときに完了する。この点で、患者の皮膚に対してバレル14を遠位方向に押す間に、押下フランジ32によりプランジャ30を引くことにより、好ましくは患者から針が引き抜かれる。バレル内への針およびキャリッジ12の格納は、以下に詳細に説明するように同時に達成される。代わりに、針をバレル14に格納する前に、針は患者から引き抜くことができる。
【0026】
まだ針の取り付けられているキャリッジ12を格納するために、プランジャ30は、てこの支点として作用するブリッジ42a、42bで、近位方向へ延在するアーム40a、40bを内向きに曲げるのに十分な作動(activated)力FAで遠位方向にさらに進行させられる。1つの典型的な実施の形態では、注射器10を使用中のユーザが流動体の注射とキャリッジ12の引き上げとの間での明らかな線引きを感じられるように、作動力FAは遠位端に進行する力FDよりも強い。
【0027】
好ましくはテーパー面を備える覆い52の押し端64がアーム40a、40bの始動傾斜50a、50bに接し、1組の分力を分け与えたとき、アーム40a、40bが曲がる。プランジャ30が始動力FAで遠位方向に移動すると、アーム40a、40bは半径方向に内向きに曲がり、雄型デテント46a、46bは雌型デテント48a、48bから離れる。始動傾斜50a、50bが覆い62の中に位置する穿設スロット66a、66bとかみ合うまで、アームは曲がり続ける。作動力がもう加えられないと、アーム40a、40bは、その弾力性のために、半径方向にわずかな距離だけ半径方向に外向きに嵌合してスロット66a、66bとしっかりと係合する(図2)。
【0028】
作動ステップの間、ディスクが作動した空間80に移動できるようにリング76がその弾力性のためにディスク60を飛び越えるまで、プランジャディスク60は、プランジャ先端部34の内向きに延在するリング76を押す。容易に分かるように、プランジャ先端部34がバレルの肩部と当接し、移動を止めるのに続いて、プランジャ30はプランジャ先端部に対して遠位方向にまだ移動できて、バレル14からキャリッジ12の係合を離す。静止されないと、キャリッジ12および針(図示されていない)は、押下フランジ32上に近位方向に握持し引いて、バレル14の中に針を格納することにより、バレル14の内部空洞28の中に格納できる。
【0029】
1つの実施の形態では、バレル14の過度に中へキャリッジを格納するのを防ぎ、可能ならばバレル14からキャリッジ12を取り外し、また、バレルの遠位端20から針が突き出るのを防ぐため、握持フランジ18の近くのバレルの内部表面26上の環状の突起を備える停止リング82(図2)は、完全に格納された位置にあるプランジャ30を保持するために組み入れることができる。プランジャ30は、細長い板55a、55bの各々の端に沿ったV字型の切り込みを含んで、プランジャを取り除き、保護されてない位置に針を遠位方向に誤って押すのを避けるための取り除き地点を提供する。一旦キャリッジ12がバレルの中に格納され、プランジャ30が取り除かれると、注射器は、標準的な手順により安全に配置される。
【0030】
キャリッジ12の始動傾斜50a、50b上のフックと、プランジャ30の覆い62上に位置する穿設スロット66a、66bとを整列させるために、整列板86a、86bがバレル14の近位端に組み入れられてもよい。整列板86a、86bは、一体の蝶番88で押下フランジ18と一体的に型で造られ、接着、溶接、またはデテントにより押下フランジ18と係合してもよい。代わりに、整列板86a、86bは、一体の蝶番88を用いることなく、接着剤、溶接、デテントで押下フランジ18に別々に取り付けられてもよい。
【0031】
整列板86a、86bの典型的な上面図である図2aを参照すると、各整列板86a、86bは、握持部90およびスロット94およびスロットの一部96を備える準円形部92を備える。2つの整列板86a、86bは、分割線で一緒になり、各整列板上の2つの部分から成るスロット96がスロット全体を形成する。2つの全体のスロット94は、部分的なスロット96が共にプランジャ30の長方形板55bを受けている間、共にプランジャ30の1つの長方形板を受け合う大きさにされる。整列板86a、86bおよび長方形板55a、55bの間の協調により、プランジャが角度を持ちながら回転することを防ぎ、始動傾斜50a、50b上のフックと覆い62上に位置する穿設スロット66a、66bとが整列しないことを防ぐ。
【0032】
図3を参照すると、本発明の形態にかかる代わりの手動格納式注射器98が示されている。プランジャ先端部100、およびプランジャ先端部がプランジャ30と係合し、互いに作用する方法を除いて、図1−2Aを参照して示されている注射器10に関して上で説明したような特性と同様な特性をもつ。本注射器98の実施の形態では、覆い62は、近位方向に延在するアーム40a、40bを受け合う遠位端表面67で2つの開口部102a、102bを組み入れる。プランジャ先端部100は、覆い62を受け合う実質的に均一な内部直径を持つボア101を備える。内向きに延在するリング104はプランジャ先端部100の近位端に組み入れられ、プランジャ30の遠位方向に突き出た柱58と嵌合するような大きさにされる。図3の使用準備が整った構成では、内向きに延在するリング104が、プランジャ30の柱58上に位置するプランジャディスク106と当接し、本実施の形態では、プランジャディスク106はテーパー面を組み入れていない。1組の穿設スロット66および押し端64を備える覆い62が、キャリッジ12上のフックと係合し、キャリッジ12をバレル14の中に格納するプランジャ先端部100のボア101の内部に配置される。
【0033】
注射器98が使用できて、キャリッジ12は、図1および図2の注射器10を参照して上に説明したのと同じ方法でバレル14の中に格納できる。さらに詳しくは、注射に続いて、プランジャ先端部100の遠位端はバレルの肩部52に当接し、キャリッジ12の近位方向に延在するアーム40a、40bは、覆い62の遠位端表面67の開口部69の中に突き出ている。キャリッジ12を格納するために、次に作動力FAがプランジャ30に加えられて、プランジャ先端部100の遠位端に対して遠位方向にプランジャをさらに進める。この作動力FAは、覆い62の押し端64に1組の分力を始動傾斜50a、50bへ行使させ、次にその力により、近位方向に延在するアーム40a、40bを半径方向に内向きに曲げる。同時に、プランジャディスク106は内向きに延在するリング104に対して押し、プランジャ先端部100に圧力をかける(図4)。
【0034】
キャリッジ12は、雄型デテント46a、46bと雌型デテント48a、48bの係合が離れ、アーム40a、40bの端部上のフックが覆い62上に位置する穿設スロットと係合したとき、バレル14の中へ近位方向に引き上げられてもよい。格納手順の間、プランジャ先端部100は、キャリッジ12の側部の隆起部44a、44bの近位端108に接触するか近くに達するまで遠位方向に広がる。
【0035】
図5は、本発明の形態にかかるもう1つの代わりの格納式注射器110を示す。注射器110は、キャリッジ112およびバレル114と係合する方法およびプランジャ116により格納される方法を除いて、図1−4の注射器と同様である。1つの典型的な実施の形態では、キャリッジ112は、キャリッジに位置する2つの井戸状穴部120の中に形成される1組の始動ピストン118a、118bを組み入れる。キャリッジ112は、ルアーチップ36の周りのメス鍵122、および始動ピストン118a、118bの近位の針基124をさらに備える。針基124はバレル114上に位置する肩部128に対して境を接するフランジ126を組み入れて、キャリッジ112がバレル114と係合する間キャリッジ112とバレル114とを整列させる。針基124は、プランジャ先端部132の遠位端表面130の外形を収容する構成を持つ近位表面127を含む。
【0036】
キャリッジ112は、バレル114の可変内部空洞28と針基をルアーチップ36に取り付けることにより注射器に取り付け可能な針(図示されていない)との間に流動体を通す内腔134を区画するボア133を備える。1つの典型的な実施の形態では、ボア133は、プランジャ116と互いに作用し合う2つの内向きの突起を組み入れる。第1の突起136は、ルアーチップ36の開口部の近くに位置され、近位側にテーパーまたは傾斜のある表面を持つ。傾斜のある表面の反対側の端部上で、以下でさらに議論する理由のために、第1の突起136が好ましくは四角い仕上げを備える。第2の突起138は、2つの始動ピストン118a、118bの下に形成される。キャリッジ112をバレル114にしっかりと固定するために、バレルは、バレルの遠位端の1組の蝶番で動くようにされたフック140を組み入れる。蝶番で動くようにされたフック140は、キャリッジ112上に位置する井戸状穴部120の端と係合して、キャリッジをバレルに固定する。蝶番で動くようにされたフック140は、キャリッジ112上に一体的に型で造られてもよい。
【0037】
1つの典型的な実施の形態では、プランジャ先端部132は、エクステンションピンまたはプランジャ116の遠位方向に突き出た柱142を受け合うボア、内部空間または空洞145、および、プランジャ116およびプランジャ先端部132のある部分の間の間隔を設定する1組のエクステンション脚144a、144bを組み入れる。エクステンション脚144a、144bの間に位置する間隔または空間146は、エクステンションピン142の基部に位置するドラム148を受け合うよう構成される。間隔または空間146は、ドラム148を受け合うのに十分な深さを持ち、さらに以下で論じるように、プランジャ116上のフックをルアーチップ36の中に位置する第1の突起136を握持することから境界を定めるか制限することはしない。プランジャ116は、プランジャ先端部132の内部空間145の中に設けられたフランジ147も備え、1つの典型的な実施の形態では、遠位端側にテーパー面を備えて先端保持器上での組立を容易にする。フランジ147は、流体の吸引の間、プランジャ先端部132をプランジャに固定する。内部空間145は、フック152が第1の突起136を握持することから境界を定めないか妨げないように、作動中、フランジ147が内部空間145内の近位端から遠位端に移動できる十分な長さであるべきである。
【0038】
1組のフック152を備えるフッキングロッド150(図6)は、ルアーチップ36のボアに位置する第1の突起136との係合を引っ掛けるエクステンションピン142の遠位端から延在する。フック152は、デテント構成の中の第1の突起136の四角い面を握持する第1の突起136により、ルアーチップのボアの中に作成された短くなった直径部分を通り過ぎて遠位方向に移動された時、そらすように構成される。
【0039】
バレル114の内部空洞28の中にキャリッジ112を格納するために、プランジャ116は、遠位方向の力FDでプランジャ先端部132の遠位端表面130がキャリッジ112の針基124の近位表面127に接するまで、第1に遠位方向に進行する。この位置で、エクステンションピン142の遠位端は、始動ピストン118a、118b(図5)の下に位置する第2の突起138のちょうど近位に存在すべきである。次に遠位方向の始動力FAはプランジャ116に加えられ、この力によりエクステンション脚144a、144bが外向きに曲がり、エクステンションピン142を第2の突起138を超して移動させて、始動ピストン118a、118bを半径方向に外向きに押す。それと同時に、始動ピストン118a、118bはバレル上に蝶番で動くようにされたフック140を押して、井戸状穴部120から蝶番で動くようにされたフック140のロックを外す。また同時に、フッキングロッド150上のフック152は、第1の突起の遠位端136を移動させて、その突起を握持する。プランジャが反対の近位方向に移動された時、フック152および第1の突起の間の相互作用は、キャリッジ112をバレル114の中に格納する。
【0040】
整列板86a、86bはプランジャ116の部分をキャリッジ112の部分に対して整列することを要求されないけれども、板86a、86bは、プランジャ116を完全にバレル114の外へ格納するのを防ぐために含まれてもよい。代わりに、またはそれに加えて、停止リング82は、プランジャ116の最も近位の押下板56に係合するバレルの近位端の近くに組み入れられて、プランジャの近位方向への移動を防止できる。次にプランジャは、前に説明したように、V字型の切り込み84で取り除かれる。
【0041】
もう1つの代わりの実施の形態(図示されていない)では、フッキングロッド150およびフック152が、図5の注射器のエクステンションピン142の端部から取り除かれる。キャリッジ112上の既存の始動ピン118a、118bの近位の第2の組の始動ピンが加えられ、エクステンションピン142上に位置する1組の突起または傾斜により始動および係合される。この代わりの実施の形態では、エクステンションピン142は第1の組の始動ピン118a、118bを始動して、バレル114からキャリッジ112の係合が離れ、エクステンションピン142上の2つの突起または傾斜は、第2の組の始動ピンに掛け金をかけるか係合して、キャリッジ112を握持する。一旦プランジャが格納されると、傾斜および第2の組の始動ピンの間の協調により、キャリッジをバレルの中に近位端方向に格納する。この実施の形態では、2つの突起または傾斜の近位のエクステンションピンの直径(すなわち、エクステンションピンの基部)は、最も幅広い場所で計測される突起または傾斜の最も大きな断面の寸法と同じ直径を持つべきである。
【0042】
図7は、本発明の形態にかかるもう1つの格納式注射器154を示す。注射器154は、図5および図6とは異なるプランジャ先端部156およびプランジャ160のエクステンションピン158を除いて、図5および図6を参照して示される注射器110に実質的に似ている。本実施の形態では、プランジャ先端部のエクステンション脚144a、144bは取り除かれて、ボア162が環状リング164に組み入れられる。内部の環状リング164から離れた近位端の環状リング166も組み入れられる。2つのリングは、下でさらに議論するように、エクステンションピン158の一部を収容する作動空間および間隔168を区画する。
【0043】
1組のプランジャディスク172、174が、プランジャ先端部156と協調するエクステンションピン158の基部170に組み入れられる。最も遠位端のプランジャディスク174は、好ましくは、内部環状リング164を過ぎてディスクを進めるのを容易にするテーパー表面を備える。1つの典型的な実施の形態では、最も近位のプランジャディスク172は、遠位方向の力FDが加えられた時、プランジャ先端部156の近位の環状リング166を遠位方向に押す四角い仕上げを組み入れる。しかし、最も遠位端のディスク174より小さなオフセット角のわずかなテーパーが最も近位のディスク172により組み入れられて、作動力FAが加えられた時、端部の環状リング166を過ぎて、ディスク172の移動を容易にできる(図8)。
【0044】
キャリッジ112をバレル114の内部空洞内に格納するために、プランジャ160は、プランジャ先端部156の遠位端表面130がキャリッジ112の近位表面127に接するまで、まず第1に遠位方向の力FDで遠位方向に進む。この位置で、エクステンションピン158の遠位端は、始動ピストン118a、118bの下に位置する第2の突起138の近位に存在すべきである。次に遠位方向の始動力FAがプランジャ160に加えられると、その力により、2つのプランジャディスク172、174が、プランジャ先端部156のボア162の中に位置する2つの環状リング166、164を過ぎて移動し、同時に、エクステンションピン158も第2の突起を過ぎて移動して、始動ピストン118a、118bを半径方向に外向きに押す。またそれと同時に、始動ピストン118a、118bはバレル114上の蝶番で動くようにされたフック140を押して、井戸状穴部120から蝶番で動くようにされたフック140を外す。また同時に、フッキングロッド150上のフック152は、第1の突起136の遠位端を移動させて、その突起を握持する。次に、キャリッジ112は、プランジャ160を近位方向へ引くことにより、格納できる。次にプランジャ160は、前に説明したように、取り除かれる。
【0045】
図9は、本発明の形態にかかるさらにもう1つの代わりの手動格納式注射器176を示す。注射器176は、図5−8と異なるプランジャ先端部178およびプランジャ180のエクステンションピン183を除いて、図5−8を参照して説明された注射器110、154と実質的に似ている。さらに詳細には、本実施の形態のエクステンションピン183は、基部またはドラムなしのプランジャ180上の最も遠位端の押下フランジ56から直接延在する。加えて、プランジャ先端部178は、内部の環状リングのない1つの端部の環状リング182を持つ。エクステンションピン183は端部の環状リング182のちょうど遠位端に位置するフランジ185を備える。フランジ185は、遠位端側でテーパー状であって、端部の環状リング182を通る組立を容易にするけれども、流動体の吸引の間、プランジャ180上のプランジャ先端部178を固定する近位端上では平らである。プランジャ先端部178の中のボアまたは空洞184は、プランジャ180により圧力を掛けられた時、プランジャ先端部を可撓式にするのに十分なように寸法を設けられるべきである(図10)。
【0046】
バレル114の内部空洞28の中にキャリッジ112を格納するために、プランジャ180は、プランジャ先端部178の遠位端表面130がキャリッジ112の近位表面127に接するまで、遠位方向の力FDで第1に遠位方向に進む。この位置で、エクステンションピン183の遠位端は、始動ピストン118a、118bの下に位置する第2の突起138のちょうど近位に存在すべきである。次に、遠位方向の始動力FAがプランジャ180に加えられると、その力により、押下板56が、プランジャ先端部178の環状リング182に対して押し、プランジャ先端部に圧力をかける(図10)。同時に、エクステンションピン183は第2の突起138を過ぎて移動して、始動ピストン118a、118bを半径方向に外向きに押す。また、それと同時に、始動ピストン118a、118bは、バレル114上の蝶番で動くようにされたフック140を押して、キャリッジ112上の井戸状穴部120から蝶番で動くようにされたフックを外す。また同時にフッキングロッド150上のフック152は第1の突起136上の遠位端を移動させて、突起を握持する。次にキャリッジ112は、プランジャ上で近位方向に引くことにより格納できる。次にプランジャは、前に説明したように、V字型の切り込み84で取り除かれてもよい。
【0047】
次に図11を参照すると、本発明の実施形態にかかる自動針格納式注射器186が示されている。注射器186は、シリンジバレル188と、プランジャ先端部192を備えるプランジャ190と、バネ196でもってバネ付勢されたキャリッジ194と、を備えている。本実施形態のバレル188は、握持フランジ18を有する握持区間198と、プランジャ190の押下フランジ202の1部を受け合うように寸法設定された拡大バレル区間200と、を備えている。或る例示的な実施の形態では、この拡大バレル区間200の近位端204は、以下で更に議論するように、押下フランジがバレル188に対し押し上げられて針を格納するときに(図12及び図13)、押下フランジ202の周縁部と係合する突起部またはリングを備えている。この代わりに、拡大バレル区間200の直径は、押下フランジ202がバレル内に移動させられて針を格納したときには、押下フランジ202と締まり嵌めを形成するように寸法設定されていてもよい。
【0048】
前記握持区間198の遠位方向には可変室区間206があり、この可変室区間は、注入または注射される流体を貯え、バレル188に対するプランジャ先端部192の相対位置によりその容積は変化するものである。可変室区間206の遠位側には係合室208がある。この係合室208は、キャリッジ194と協働して保持タイヤ214に圧力を加える環状の内部表面212を備える第1の係合区間210を備えている。保持タイヤ214は任意の数の弾性ゴムまたはプランジャ先端部192と同じエラストマーから出来ていてもよい。第1係合区間の遠位側には第2の係合区間211がある。圧縮された保持タイヤ214はキャリッジ194を適所に保持する錨として作用し、次いで、バネ196が、バレル188の遠位端218の端壁216とキャリッジ194の基部222の近くに位置する肩部220との間で、圧力が加えられることができるようにする。容易に分かるように、保持タイヤ214は、圧縮されたバネ196により生成されるバネの力に抗するのに十分な、キャリッジ194及びバレル188により作用する圧力を持つべきである。保持タイヤ214への追加の保持力は、バレル188の肩部241に位置する突起部244によってもたらされてもよい。
【0049】
通路または内腔224がキャリッジ194の軸線の中央に形成されており、バレル188の内部空洞とバレルの外部との間での流体の行き来を可能にしている。或る例示的な実施形態では、針先を備える針226が、接着用井戸状穴部228でキャリッジに接着することにより、当該キャリッジ194に永久的に固定される。
【0050】
或る例示的な実施形態では、プランジャ190は、第1の管状区間230と第2の管状の区間232とを備え、それらは、両者間に外側肩部234を形成している。プランジャ先端部192は、第1管状区間230の外部表面上に位置し、外側肩部234と境を接している。その内部では、エラストマー材料で製作されていてもよいプラグ236が、その前部突起部240に比して大きい基部区間238により、第2管状区間232の内部表面に対して押圧されている。バネを作動させる前に(図11)、プラグ236の遠位端、第1の管状区間230の円筒端、およびプランジャ先端部192は、可変室区間206の実質的に全てのヘッドスペースを占有して、バレル内の全ての流体を実質的に放出するように実質的に整列させられる。この目標を容易にするため、可変室区間206と係合室208との間の肩部241は、ヘッドスペースを最小にするために四角であってもよい。その代わりに、プランジャ192が実質的に全てのヘッドスペースを占有するように形作られてもよい。
【0051】
キャリッジ194を格納するために、プランジャ190は、プランジャ先端部192の遠位端表面が、第1の係合区間210と可変室206との間の境界面に位置する肩部241と接するまで、遠位方向の力FDで、先ず遠位方向に移動させられる。この地点で、プランジャ190の第1の管状区間230の終端または遠位端229はプラグ236の先端に接する。次に、始動力FAがプランジャ190に加えられると、プランジャ190の第1の管状区間230は、順に嵌り込む方法でキャリッジ194の近位端を過ぎて移動する。同時に、プランジャ先端部212は、プランジャ190上の外側肩部234およびバレル188の肩部241により圧力を加えられる。
【0052】
さらにプランジャ190が遠位方向に移動すると、管状部分の先端229がキャリッジ194の基部222から遠位方向に保持タイヤ214を移動させ、第1の管状区間230の内部表面から離す方向にプラグ236の基部238を移動させる。或る例示的な実施形態では、保持タイヤ214およびプラグの基部238は、プランジャ190が遠位方向に移動してキャリッジ194を格納すると、対応する座部から同時に離れる。代替的な実施形態では、プラグ236の基部238がその座部を離れる前に、保持タイヤ214はその座部を離れる。更にその代わりに、保持タイヤ214がその座部を離れる前に、プラグ236の基部238はその座部を離れる。
【0053】
一旦保持タイヤ214およびプラグ236が各対応する座部から離れると、バネ196が解放され、押下フランジ202の方向に近位方向に動き始める。これらは直接的か、間接的にバネ196に接しているので、キャリッジ194、針226、およびプラグ236も、同時にバネにより遠位方向に動き始める。したがって、バネの動作は、針226をプランジャ190の内部空洞の中に格納して、針の先端の不慮の接触(図13)を防ぐ。
【0054】
バレルの内部表面とキャリッジ194の基部222とにより設けられる合わさる表面領域である位置で、保持タイヤをその座部に固定するのをさらに支援するために、1つの典型的な実施の形態では、突起244がバレル188の肩部241の内部表面に組み入れられる。高くなった領域244は、プランジャが引き上げられた位置にある時、バネの力に抗して適所に保持タイヤ214を嵌合させる支援をする。
【0055】
1つの典型的な実施の形態では、プランジャ押下フランジ202は、キャリッジの格納に続いて、バレル188の細長いバレル部分200の凹区間242(図12および図13)の中に着座する。押下フランジ202は滑らかな外形を組み入れているので、プランジャ190は握持されて近位方向に移動させられるのが難しくなる。代わりの実施の形態では、使用済み針への接触をさらに防ぐようにバレルと押下フランジとの間のデテント係合が組み入れられていてもよい。
【0056】
本発明の態様に従ってもたらされる代替的な自動針格納式注射器246が、図14−15に示されている。注射器246は、図11−13とは異なるプランジャ先端部248およびプランジャの第1の管状区間230を除いて、図11−13を参照して上で説明されている注射器186と実質的に似ている。本実施の形態では、プランジャ先端部248は1組のエクステンション脚250a、250bを組み入れ、プランジャ190の第1の管状区間230はフランジ227を組み入れる。エクステンション脚250a、250bは、注射器の使用準備が整った時および遠位方向の力FDが加えられた時の注射の間、プランジャ190上の外側肩部234およびプランジャ先端部248の間に間隔または空間を設ける。プランジャ190の第1の管状区間230のフランジ227は、プランジャ先端部248の中の空間251の近位端に位置する。フランジ227は、流体の吸引の間、プランジャ190上にプランジャ先端部248を固定し、或る例示的な実施形態では、遠位端側にテーパー面を備える。しかし、始動力FAがプランジャ190に加えられると、肩部234はエクステンション脚250a、250bを外向きに曲げ、プランジャ190がプランジャ先端部に対してさらに遠位方向に移動することを許容し、キャリッジ194を格納する(図15)。作動中、フランジ227は、空間251の中を近位位置から遠位位置へ移動させる(図15)。
【0057】
格納する準備ができている位置(図14)では、プランジャ先端部248、プラグ236、およびプランジャ190の第1の管状区間230は、可変容量室の実質的に全てのヘッドスペースを占めて、流動体の無駄を最小にすべきである。この構成では、プランジャ先端部248は、バレル188の肩部252と接触すべきであって、プランジャ190の終端229は保持タイヤ214と接触すべきであって、キャリッジ194の近位端231はプラグ236と接触すべきである。したがって、次にプランジャ190は遠位方向に移動して、キャリッジ194を格納し、エクステンション脚250a、250bは肩部234により外向きに曲げられ、保持タイヤ214およびプラグ236はそれらの各座部から離れ、バネ196が解放されて伸び、バレル188の内部空洞の中へキャリッジ194を格納する(図15)。
【0058】
図16および図17は、本発明の態様に従ってもたらされるもう1つの代替的な自動針格納式注射器254を示す。注射器254は、図11−15とは異なるプランジャ先端部256を除いては、図11−15を参照して上に説明されている注射器186、246と実質的に似ている。加えて、プランジャ190の第1の管状区間230は、さらに下で議論するように、プランジャ先端部256と協調するためにわずかに変更される。
【0059】
本実施の形態のプランジャ先端部256は、遠位端の環状リング258および近位の環状リングを備え、それらは、それらの間に空間262を区画する。遠位端および近位の環状リング258、260は、プランジャの第1の管状区間230の外部表面との嵌合を形成する。内部は、第1の管状部分230上の突起264は、プランジャ先端部256の空間262の内部表面と接する。空間262の内部表面および突起264の間の接触は、プランジャの近位方向への移動の間、すなわち流動体の吸引の間、プランジャ190に対するプランジャ先端部256の移動に対する追加の効力を提供する。加えて、突起264は、近位の環状リング260と、第1の管状部分230および第2の管状部分232の交差部に形成された外側肩部234との間に間隔を形成する。さらに、突起264は、プランジャが近位方向に移動する時、第1の管状部分230の落下からプランジャ先端部256を固定することにより、流動体を注射器の中へ吸引するのを容易にする。代わりに、第2の突起またはフランジ172(図7および8に示されているように)は、プランジャ先端部256のわずかに近位に、環状リング260のわずかに近位に、組み入れられて、プランジャ190上のプランジャ先端部256をさらに固定できる。もし組み入れられると、プランジャ先端部256の近位の環状リング260は、両突起264、172の間の間隔に固定される。
【0060】
プランジャ190が、キャリッジ194を格納する適所にあると、プランジャ先端部256、プラグ236、およびプランジャ190の第1の管状区間230は、可変容量室の実質的に全てのヘッドスペースを占めて、流動体の無駄を最小にすべきである。この構成では、プランジャ先端部256はバレル188上の肩部252と接するべきであって、プランジャ190の終端229は保持タイヤ214に接するべきであって、キャリッジ194の近位端231はプラグ236と接するべきである。したがって、次にプランジャ190が遠位方向に移動してキャリッジ194を格納すると、作動力FAは、プランジャ先端部256および第1の管状部230の間の摩擦を超えて、プランジャ190がプランジャ先端部256に対して移動する。それと同時に、保持タイヤ214およびプラグ236は各座部から離れ、バネ196が開放されて伸び、バレルの内部空洞の中にキャリッジ194を格納する(図17)。代わりの実施の形態(図示されていない)では、(図7および8に示されているように)最も近位の突起172は、作動力FAが加えられると、近位の環状リング260の下に押さえられる。
【0061】
次に図18に移ると、本発明の形態にかかるバネ搭載格納式針270を持つ針基268とともに使用する注射器266が示されている。本実施の形態のバレル272は、遠位端278において統合して成形されたルアーチップ274およびメスロック276、および近位端282の握持フランジ280を備える。プランジャ284はバレルの内部に位置する。プランジャ284は、ボア288を区画する細長い管と、押下フランジ292に取り付けられたフィンおよび管の両方を備える管286に取り付けられた4枚の長方形の板またはフィン290とを備え、管286を成形する開口部294および管の遠位端のエンドキャップ297を保持する壊れやすい封止296を持つ。好ましくは、ボア288は、以下に説明する理由のために、エンドキャップ297よりも大きい内径を持つ。次に開口部294はプラグ298で封止される。プランジャ284も、押下板300および遠位方向に突き出た先端保持部302を含み、エクステンションピン304の近位に位置され、管286の一部を占める。エクステンションピン304は、ルアーチップ274と嵌合する大きさにされ、以下でさらに議論するように、針基268を受け合う大きさにされる。1つの典型的な実施の形態では、細長い管286は円筒形状である。しかし、他の細長い形状の本体も本発明の範囲から外れずに組み込むことができる。
【0062】
プランジャ先端部308は、エクステンションピン304を収納する開口部310、先端保持部302と嵌合する近位の環状リング312、および1組の近位方向に延在するエクステンション脚314a、314bを備える。1つの典型的な実施の形態では、エクステンション脚314a、314bおよび環状リング312は、押下板300および先端保持部板316の両方に接する。しかし、環状リング312と先端保持部板316との間のわずかな間隔は容認される。
【0063】
1つの典型的な実施の形態では、本実施の形態の注射器266とともに使用可能な針基268は、突き出た針270を持つ遠位端のハウジング構造320を備えるハウジング318、ねじ山でメスロック276と係合するオスのねじ山320を持つ近位のハウジング構造322、それらの間に配置された中央作動区画324、およびこれらを通して区画されるボア326を備える。任意の支持フィン325を備える一般的に円筒状の管323は、針基268の遠位端に位置する。ボア326は、以下でさらに議論するように、円筒状の管323を通って延在し、針270およびバネ327を収容するのに十分な大きさを持つ。円筒状の管323の遠位端は、針270の外部直径と精密嵌号する環状のキャップ329である。環状のキャップ329は、以下でさらに説明するように、錨を設けバネ327の一端を支持する。
【0064】
外部は、まっすぐな円筒または壁も受け入れることができるけれども、近位のハウジング構造322から遠位端のハウジング構造320への方向へ、ハウジング318は内向きにテーパーを設けられてもよい。中央作動区画324において、ハウジングは2つの井戸状穴部328a、328bを組み入れ(図19)、それらは、針基268のボア326を備えた2つの薄い壁の区間330を形成する。薄い壁の区間330は、各々、以下で議論するように、ボア326の中にニードルスリーブ334と係合する受け合う空間を形成する膨らみ区間332を含む。図18に加えて図19を参照すると井戸状穴部328a、328bの薄い壁の区間330は、各々、基部の区間336、基部の区間からテーパーまたは角度を有する遷移区間338、および膨らみ332が位置する握持区間340を含む。代わりに、1つの薄い壁の区間を備えた1つの井戸状穴部が針基に組み入れられてもよい。
【0065】
ニードルスリーブ334(図19)は、一般的に、膨らみ区間342およびボアを含む細長い管を備える。1つの典型的な実施の形態では、スリーブ334の外部表面344は、井戸状穴部328a、328bの握持区間340とますます握持により係合する起伏表面を備える。針270をスリーブ334に固定するために、スリーブのボアは、針をスリーブに接着する接着用井戸状穴部346を備える(図19)。
【0066】
針基268を組み立てるために、バネ327は、まず第1に、針270およびニードルスリーブ334の組合せ上に取り付けられる。次に、針270およびバネ327は、ハブの近位端の開口部から針基268のボア326の中に挿入される。針270は、2つの井戸状穴部328a、328bにおいてニードルスリーブ334が針基の握持区間340と係合するまで、ボア326を通って遠位方向に押される。1つの典型的な実施の形態では、スリーブ334上の膨らみが握持区間240の膨らみ332により提供される空間に合う時に、係合が形成される。
【0067】
針270を格納するために、プランジャ284は、プランジャ先端部308の遠位端表面がバレル272の肩部または端部348に接するまで、まず第1に遠位方向の力FDで遠位方向に移動される。この地点で、エクステンションピン304が、針270の近位端350からわずかに離れたエクステンションピン304上のエンドキャップ297を備えるルアーチップ274の内側に位置する。次に始動力FAがプランジャ284に加えられると、押下板300は遠位方向に移動して、エクステンション脚314a、314bを内向きに(または、エクステンション脚314a、314bが先端保持部302のより近くに位置されたならば、外向きに)曲げる。それと同時に、エクステンションピン304は前方に移動し、井戸状穴部328a、328bの遷移区間338を、ニードルスリーブ334上の膨らみ342から離すように外向きに変形させる。前方への動作は、針270の近位端350に対してエクステンションピン304のエンドキャップも押す。針270が、針基268に対してニードルスリーブ334が境を接することにより支えられるので、針270は等しい強さの反対向きの力でエンドキャップ297を押し戻し、壊れやすい封止296を引き裂くまたは分離させる。針270の近位端350は、エクステンションピン304からエンドキャップ297を結果として完全に引き裂き、次にそれによりバネ327の通路を広げる。次に広がるバネ327がニードルスリーブ336を近位方向に押し、ニードルスリーブ336は針270に取り付けられ、プランジャ284の中に位置するボア288の中へ針を近位方向に押して、針の先端への不慮の接触を防ぐ。一旦針が格納されると、注射器は通常の手順で安全に配置できる。
【0068】
図18および図20に最も示されているように、針270を格納するために始動力FDがプランジャ284に加えられると、プランジャはプランジャ先端部308に対して遠位方向に移動する。上で議論したように、この相対的移動は、注射器先端保持部302の先端保持部板316とプランジャ先端部308の端部表面313との間の空間により提供される。上記間隔は、壊れやすい封止296に穴を開けることから針270の近位端350の境界を定めないように十分な寸法であるべきである。
【0069】
次に図21を参照すると、本発明の形態にかかるバネの装着された格納式針270を持つ針基268とともに使用する代わりの注射器352が示されている。注射器352は、図18−20とは異なるプランジャ先端部354を除いて、図18−20を参照して上に説明されている注射器266と実質的に似ている。加えて、プランジャ284の先端保持部356は、下でさらに議論するように、プランジャ先端部354と協調するためにわずかに変更される。
【0070】
本実施の形態のプランジャ先端部354は、先端保持部356の外部表面と摩擦係合する大きさの内径を備える内部ボア358を備える。前に説明したように、プランジャ先端部354およびプランジャ284の間の相対移動のための間隔は、先端保持部356の遠位端とプランジャ先端部354の端部表面との間のプランジャ先端部のボアの内部に設けられる。プランジャ先端部354の近位端はプランジャ284上の押下板300と境を接する。この接触により、遠位方向の力FDが加えられると、押下板300が遠位方向にプランジャ先端部354を移動させることができる。針基268に関して針270を格納する仕組みは図18−20の針基を参照して上で議論したのと同じである。
【0071】
次に図22に移ると、本発明の形態にかかるバネの装着された格納式針270を持つ針基268とともに使用される代わりの注射器362が示されている。注射器362は、図18−21とは異なるプランジャ先端部364を除いて、図18−21を参照して上に説明した注射器266、352と実質的に同様である。加えて、プランジャ284の先端保持部366は、以下にさらに議論するように、プランジャ先端部364と協調するために、わずかに変更される。
【0072】
本実施の形態では、プランジャ先端部364は、プランジャ先端部の内部ボア358の中の溝368を組み入れる。溝368は、プランジャ284上のプランジャディスク370を受け合う大きさにされ、下に説明するように、始動力FAを加えると遠位方向に移動できる。1つの典型的な実施の形態では、押下板300は、使用開始位置にある時、プランジャ先端部364の近位の環状リング372から離れて位置する。
【0073】
針270を格納するために、プランジャは近位から図22に示されている遠位位置に第1に進行される。この位置において、プランジャ先端部364の端部表面360は、バレル272の端部の肩部348に接触する。次に、始動力FAがプランジャ284に加えられると、プランジャディスク370はプランジャ先端部364の溝368の中を遠位方向に移動し、プランジャ284はプランジャ先端部の端部表面360に対して遠位方向に移動する。押下板300は、プランジャ先端部364の近位の環状リング372と接触するように移動する。それと同時に、エクステンションピン304は、図18−20を参照して上で議論したように、針270と接触してその針を格納する。
【0074】
次に図23に移ると、本発明の形態にかかる代わりの針基374の部分断面図が示されている。針基374は、針基の井戸状穴部328a、328bの握持区間340が針376を握持する方法が異なることを除いて、図18−20を参照して上に説明した針基268と実質的に似ている。針基374は、図18、21、および22を参照して上で説明した任意の注射器266、352、362とともに使用でき、それらの注射器266、352、362で説明されているのと同じ方法で針376を格納するよう始動できる。しかし、ニードルスリーブ334を利用する(図19)代わりに、本実施の形態では、針376の近位端は、ひだまたは膨らみ378を組み入れる。膨らみまたはひだ378は、針を挟んでひだを造ることによりまたは膨らみを造る制御された圧縮処理により作成できる。
【0075】
針基374は、第1に、針376上にバネ327を位置させることにより組み立てることができ、次に、膨らみまたはひだ378に対する端部上に乗っている。次に、針376およびバネ327の組は、針基のボア326に挿入され、井戸状穴部328a、328bの薄い壁の区間330の中に形成される膨らみ332により提供される空間と膨らみまたはひだ378が係合するまで、遠位方向に押される。一旦係合すると、ひだまたは膨らみ378、および針基の管状区間323上の環状リングまたはキャップ329が、バネを圧縮し、針376に格納のための負荷を与える。
【0076】
注射器アセンブリの限られた実施の形態およびそれらの構成が、特定して説明され、ここに図示されているけれども、多くの変更および変化が当業者には明らかである。したがって、本発明の原則にかかる注射器アセンブリまたはそれらの構成はここに特定して説明した物の他に実施可能である。本発明は請求の範囲により定義される。
【0077】
本発明の好ましい態様を、以下に述べる。
[1]
近位端の握持フランジ、針基を受け合う遠位端の開口部、外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを含む壁構造、および上記近位端よりも上記遠位端の近くに位置する内部表面上の1組の雌型デテント、を備えるバレルと;
上記バレルの上記内部空洞内に配置されるプランジャであって、近位端の押下フランジと、遠位端に近接したプランジャ先端部を含む先端保持部とを備え、上記プランジャ先端部が、第1の距離だけ上記押下フランジから離れたプランジャ先端部の遠位端面を備える、プランジャと;
ルアーチップと、通路と、各々が雄型デテントを備え上記ルアーチップから離間するよう伸長する1組の脚部と、を備えるキャリッジと;を備え、
上記キャリッジは、上記キャリッジ上の上記雄型デテントと上記バレルの上記雌型デテントとを係合させることにより、上記バレルに着脱式で固定され;
上記プランジャは、上記プランジャ上に位置する上記プランジャ先端部が上記キャリッジから離れている第1のプランジャ位置と;上記プランジャ先端部または当該プランジャ先端部を保持する先端保持部が、上記キャリッジと接する第2のプランジャ位置と;上記プランジャ上の上記押下フランジが上記プランジャ先端部の遠位端面に対して遠位方向へ移動して、当該押下フランジが上記第1の距離よりは短い第2の距離だけプランジャ先端部の遠位端面から離れる第3のプランジャ位置と;を含む3つのプランジャ位置を備える、
ことを特徴とする注射器。
[2] 上記先端保持部が、上記キャリッジ上の上記脚部を受け合う覆いを備える、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[3] 上記先端保持部は、上記プランジャが遠位方向に移動すると上記プランジャ先端部の一端を押すプランジャディスクを備える、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[4] 上記プランジャがプラス形状の構成の2枚の細長い板を備える、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[5] 上記プランジャ先端部が環状のリングを備える、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[6] 上記プランジャ先端部の上記遠位端面が、上記キャリッジ上の2本の脚部を受け合う1組の開口部を備える、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[7] 上記キャリッジが、上記バレルの内部表面と封止係合する封止リングを備える、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[8] 上記プランジャ先端部が、上記バレル上の内側肩部に第2のプランジャ位置で接する、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[9] 上記プランジャ先端部が、近位の環状リングおよび内部の環状リングで区画される溝を備える、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[10] 上記バレルの近位端に位置する整列板をさらに備える、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[11] 上記プランジャが、先端保持部の近位に位置する押下板をさらに備える、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[12] 上記バレルがマーキングを備える、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[13] 上記バレルが透明である、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[14] 上記バレルが一体の蝶番を備える、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[15] 上記プランジャ先端部は、上記プランジャが第3のプランジャ位置にあるときに、上記先端保持部の一部および上記バレルの内側肩部により圧力をかけられる、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[16] 上記脚部が、上記キャリッジ上の封止リングから片持ちにされる、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[17] 上記脚部が、各々、テーパー表面を備える、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[18] 上記覆いが、テーパー表面を備える押し端を備える、ことを特徴とするクレーム2に記載の注射器。
[19] 上記覆いが1組の穿設スロットを備える、ことを特徴とするクレーム2に記載の注射器。
[20] 上記プランジャディスクがテーパー表面を備える、ことを特徴とするクレーム3に記載の注射器。
[21] 上記2枚の細長い板が、2枚の整列板の上の複数のスロットと協調して、上記バレルに対して上記プランジャを、角度をつけて整列させる、ことを特徴とするクレーム4に記載の注射器。
[22] 穿設スロットが脚部の一部を受け合い、整列板が上記穿設スロットと上記脚部の一部を整列させるために組み入れられる、ことを特徴とするクレーム19に記載の注射器。
[23] 上記先端保持部の上のプランジャディスクが、上記プランジャが第3のプランジャ位置にあるときに、上記溝と係合する、ことを特徴とするクレーム9に記載の注射器。
[24] 遠位方向の力が加えられると、第1のプランジャ位置から第2の位置へ上記プランジャが移動し、始動力が加えられると、第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動し、上記始動力が上記遠位方向の力より大きい、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[25] 上記キャリッジは、上記プランジャが第3のプランジャ位置に移動した後、上記バレルの上記内部空洞の中に移動できる、ことを特徴とするクレーム1に記載の注射器。
[26] 上記キャリッジが上記バレルの上記内部空洞の中に格納できる、ことを特徴とするクレーム22に記載の注射器。
[27] 上記先端保持部が、押し端を有する覆いを備え、上記押し端が、各脚部の上記テーパー表面に1組の分力を分け与える、ことを特徴とするクレーム17に記載の注射器。
【0078】
[28]
近位端の握持フランジ、針基を受け合う遠位端の開口部、外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを備える壁構造、および上記開口部に近接した蝶番で動くようにされた1組のフック、を備えるバレルと;
上記バレルの上記内部空洞内に配置されるプランジャであって、近位端の押下フランジと、遠位端に近接したプランジャ先端部を含む先端保持部とを備え、上記プランジャ先端部が、第1の距離だけ上記押下フランジから離れたプランジャ先端部の遠位端面を備える、プランジャと;
ルアーチップと、通路と、2つの井戸状穴部と、少なくとも1つの突起が上記井戸状穴部の下に位置した状態で上記通路の内部に位置する2つの突起と、を備えるキャリッジと、を備え;
上記キャリッジが、上記バレル上の上記蝶番で動くようにされたフックと上記井戸状穴部とを係合させることにより、上記バレルに着脱式で固定され;
上記プランジャが、上記プランジャ上に位置する上記プランジャ先端部が上記キャリッジから離れた第1のプランジャ位置と;上記プランジャ先端部または当該プランジャ先端部を保持する先端保持部が、上記キャリッジと接する第2のプランジャ位置と;上記プランジャ上の上記押下フランジが上記プランジャ先端部の遠位端面に対して遠位方向へ移動して、当該押下フランジが上記第1の距離よりは短い第2の距離だけプランジャ先端部の遠位端面から離れる第3のプランジャ位置と;を含む3つのプランジャ位置を備える、
ことを特徴とする注射器。
[29] 各井戸状穴部内にある始動ピストンをさらに備える、ことを特徴とするクレーム28に記載の注射器。
[30] 上記始動ピストンが上記蝶番で動くようにされたフックと接触する、ことを特徴とするクレーム29に記載の注射器。
[31] 上記先端保持部の遠位側にエクステンションピンをさらに備える、ことを特徴とするクレーム28に記載の注射器。
[32] 上記エクステンションピンの遠位端にフッキングロッドをさらに備える、ことを特徴とするクレームに記載の注射器。
[33] 上記フッキングロッドの遠位端に1組のフックをさらに備える、ことを特徴とするクレーム32に記載の注射器。
[34] 上記プランジャが第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動すると、上記エクステンションピンが、上記井戸状穴部の下に位置する上記突起を半径方向に外向きに広げ、1組のフックが上記通路内の他の突起と係合するように構成されている、ことを特徴とするクレーム33に記載の注射器。
[35] 上記井戸状穴部の中に位置する上記始動ピストンが、上記バレル上の上記蝶番で動くようにされたフックを半径方向外向きに押して、上記バレルから上記キャリッジを分離させる、ことを特徴とするクレーム34に記載の注射器。
[36] 上記プランジャ先端部が1組のエクステンション脚部を備える、ことを特徴とするクレーム28に記載の注射器。
[37] 上記プランジャが、第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動すると、上記プランジャ上の押下板により上記プランジャ先端部に圧力が加えられる、ことを特徴とするクレーム28に記載の注射器。
[38] 上記プランジャ先端部が近位の環状リングおよび内部の環状リングを備え、それらの間に溝を区画する、ことを特徴とするクレーム28に記載の注射器。
[39] 上記先端保持部がプランジャディスクをさらに備える、ことを特徴とするクレーム38に記載の注射器。
[40] 上記プランジャが第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動すると、上記プランジャディスクが上記溝を占有する、ことを特徴とするクレーム39に記載の注射器。
[41] 上記プランジャは、遠位方向の力が加えられると、第1のプランジャ位置から第2のプランジャ位置に移動し、始動力が加えられると、第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動し、上記始動力は上記遠位方向の力よりも大きい、ことを特徴とするクレーム28に記載の注射器。
【0079】
[42]
近位端の握持フランジ、開口部を備えかつ第1の内側肩部を区画する遠位端の内向きの突起、外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを備える壁構造、および近位端の握持フランジよりも遠位端の上記開口部の近くに位置する第2の内側肩部、を備えるバレルと;
上記バレルの内部空洞内に配置され内部空洞を有する管状本体と、近位端の押下フランジと、上記管状本体の肩部に当接し取り付けられたプランジャ先端部を有する押し端を備える先端保持部と、を備えるプランジャと;
それ自体上に位置するバネを有する細長い本体、上記細長い本体から延在する基部、上記細長い本体と上記基部との間に位置する肩部、およびそれ自体に取り付けられた針を備える通路を備えるキャリッジと;を備え、
上記バネが、上記バレルの上記第1の内側肩部および上記キャリッジ上の上記肩部により縮められ、上記キャリッジが、上記キャリッジの上記基部と上記バレルの上記内部表面との間に弾性のある保持タイヤを押し込むことにより、上記バレルに着脱式で固定され;
上記プランジャが、上記プランジャ上に位置する上記プランジャ先端部が上記キャリッジから離れた第1のプランジャ位置と;上記保持タイヤが上記キャリッジの上記基部を実質的に押して取り外す前に、上記プランジャ先端部が上記プランジャの上記肩部および上記バレルの上記第2の内側肩部に同時に接する第2のプランジャ位置と;上記プランジャ上の上記押し端が上記キャリッジの上記基部を遠位端に押して取り外す第3のプランジャ位置と;を含む3つのプランジャ位置を備える、
ことを特徴とする注射器。
[43] 上記針が上記キャリッジに接着される、ことを特徴とするクレーム42に記載の注射器。
[44] 上記プランジャが第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動すると、上記プランジャの上記肩部および上記バレルの第2の内側肩部により上記プランジャが圧力を受ける、ことを特徴とするクレーム42に記載の注射器。
[45] 上記プランジャが第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動すると、上記押下フランジが上記プランジャ先端部に対し相対的に移動する、ことを特徴とするクレーム42に記載の注射器。
[46] 上記プランジャが第3のプランジャ位置にあるときに、上記バネが、上記プランジャの上記管状の本体の上記内部空洞の中へ近位方向に動き始める、ことを特徴とするクレーム42に記載の注射器。
[47] 上記プランジャ先端部が1組のエクステンション脚部を備える、ことを特徴とするクレーム42に記載の注射器。
[48] 上記エクステンション脚部が上記プランジャの上記肩部と接する、ことを特徴とするクレーム47に記載の注射器。
[49] 上記プランジャが第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動すると、上記エクステンション脚部が上記肩部により曲げられる、ことを特徴とするクレーム48に記載の注射器。
[50] 上記プランジャの上記管状本体の上記内部空洞の遠位端に位置するプラグをさらに備える、ことを特徴とするクレーム42に記載の注射器。
[51] 上記プラグが、前部の突起と、上記前部の突起に比較してより大きい基部とを備える、ことを特徴とするクレーム50に記載の注射器。
[52] 上記プラグの上記基部が、上記管状本体の壁表面により圧力を受ける、ことを特徴とするクレーム51に記載の注射器。
【0080】
[53]
近位端の握持フランジ、開口部を備えかつ第1の内側肩部を区画する遠位端の内向きの突起、外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを備える壁構造、および近位端の握持フランジよりも遠位端の上記開口部の近くに位置する第2の内側肩部、を備えるバレルと;
上記バレルの内部空洞内に配置されるプランジャであって、内部空洞を有する管状の本体と、近位端の押下フランジと、上記管状本体の肩部に当接し取り付けられたプランジャ先端部を有する押し端を備える先端保持部と、
上記肩部の遠位端に位置して内部に配置され上記プランジャ先端部の内部ボアの表面に当接する半径方向に外向きの突起部と、を備えるプランジャと;
それ自体上に位置するバネを有する細長い本体、上記細長い本体から延在する基部、上記細長い本体と上記基部との間に位置する肩部、およびそれ自体に取り付けられた針を備える通路を備えるキャリッジと;を備え、
上記バネが、上記バレルの上記第1の内側肩部および上記キャリッジ上の上記肩部により縮められ、上記キャリッジが、上記キャリッジの上記基部と上記バレルの上記内部表面との間に弾性のある保持タイヤを押し込むことにより、上記バレルに着脱式で固定され;
上記プランジャが、上記プランジャ上に位置する上記プランジャ先端部が上記キャリッジから離れた第1のプランジャ位置と;上記プランジャ先端部が上記バレルの上記第2の内側肩部に接し上記プランジャの上記半径方向に外向きの突起部が上記プランジャ先端部の近位表面に接する第2のプランジャ位置と;上記プランジャ上の上記押し端が上記キャリッジの上記基部を遠位端に押して取り外す第3のプランジャ位置と;を含む3つのプランジャ位置を備える、
ことを特徴とする注射器。
[54] 上記プランジャは、遠位方向の力が加えられると、第1のプランジャ位置から第2のプランジャ位置に移動し、始動力が加えられると、第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動し、上記始動力が上記遠位方向の力より大きい、ことを特徴とするクレーム53に記載の注射器。
[55] 上記プランジャが第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動すると、上記プランジャの上記管状本体の上記半径方向に外向きの突起部が、上記プランジャ先端部の上記内部ボアの内部の近位位置から、上記プランジャ先端部の上記内部ボアの内部の遠位位置に移動する、ことを特徴とするクレーム53に記載の注射器。
[56] 上記プランジャの上記管状本体の上記半径方向に外向きの突起が、上記プランジャが近位方向に移動して流体を吸引するときに、上記プランジャ先端部と接する、ことを特徴とするクレーム53に記載の注射器。
【0081】
[57]
近位端の握持フランジ、遠位端のルアーチップ、上記ルアーチップと繋がる開口部を有する肩部を区画する端部表面、および外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを備える壁構造を備えるバレルと;
上記バレルの上記内部空洞に配置されるプランジャであって、近位端の押下フランジ、遠位端に近接して先端保持部に取り付けられるプランジャ先端部を備える先端保持部、およびボアを備える中央の管状本体を備え、上記プランジャ先端部が第1の距離だけ上記押下フランジから離れたプランジャ先端部の遠位端の表面を備える、プランジャと;
上記ルアーチップに取り付けられた内腔を区画する通路、上記通路の部分を形成する薄い壁の表面を持つ井戸状穴部区間、デテントが係合することにより、着脱式で上記管に取り付けられた針、および上記通路の内部で縮められたバネ、を備える針基を備え;
上記プランジャは、上記プランジャ上に位置する上記プランジャ先端部が上記バレルの上記肩部から離れた第1のプランジャ位置と;上記プランジャ先端部が上記第1の肩部に接する第2のプランジャ位置と、上記押下フランジが上記第1の距離より短い第2の距離だけ上記プランジャ先端部の遠位端の表面から離れるように、上記プランジャ上の上記押下フランジが上記プランジャ先端部の遠位端の表面に対して遠位方向へ移動する第3の位置と;を含む3つのプランジャ位置を備える、
ことを特徴とする注射器。
[58] 上記プランジャ先端部が複数のエクステンション脚部を備える、ことを特徴とするクレーム57に記載の注射器。
[59] 上記針基が、上記針に取り付けられたニードルスリーブをさらに備える、ことを特徴とするクレーム57に記載の注射器。
[60] 上記薄い壁の表面が、膨らみ区間を備える、ことを特徴とするクレーム59に記載の注射器。
[61] 壊れやすい封止により上記プランジャの上記管状の本体に取り付けられるエンドキャップをさらに備える、ことを特徴とするクレーム59に記載の注射器。
[62] 薄い壁の表面を備える第2の井戸状穴部をさらに備える、ことを特徴とするクレーム59に記載の注射器。
[63] 2つの薄い壁の表面が上記管の一部を形成する、ことを特徴とするクレーム62に記載の注射器。
[64] 上記ニードルスリーブが膨らみ区間を備える、ことを特徴とするクレーム60に記載の注射器。
[65] 上記ニードルスリーブの上記膨らみ区間が、上記井戸状穴部の上記薄い壁の表面の上記膨らみ区間と係合する、ことを特徴とするクレーム64に記載の注射器。
[66] 薄い壁のテーパー区間をさらに備える、ことを特徴とするクレーム65に記載の注射器。
[67] 上記プランジャの遠位端が上記薄い壁のテーパー区間と当接する、ことを特徴とするクレーム66に記載の注射器。
[68] 上記針の近位端が壊れやすい封止を裂く、ことを特徴とするクレーム67に記載の注射器。
[69] 上記針が膨らみ区間を備える、ことを特徴とするクレーム57に記載の注射器。
[70] 上記膨らみ区間が上記薄い壁の区間の一部と係合する、ことを特徴とするクレーム69に記載の注射器。
[71] 上記バネの端部が上記膨らみ区間に支えられている、ことを特徴とするクレーム70に記載の注射器。
【0082】
[72]
近位端の握持フランジ、遠位端のルアーチップ、肩部を区画する端部の表面、格納式針を受け合うことのできる外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを備える壁構造を備えるバレルと;
上記バレルの上記内部空洞に配置されるプランジャであって、近位端の押下フランジ、先端フランジおよび遠位端に近接して先端フランジに取り付けられたプランジャ先端部を備える先端保持部を備え、上記プランジャ先端部が、第1の距離だけ上記押下フランジから離れたプランジャ先端部の遠位端の表面、および遠位端表面および近位端表面を備える環状リングを有するボアを備え、上記先端フランジがプランジャ先端部のボアの内部空洞内に配置される、プランジャと、を備え;
上記プランジャが、上記プランジャが近位端に格納されて流体を吸い上げ、上記プランジャの上記先端フランジが、上記プランジャが近位方向に格納されるように上記環状リングの上記遠位端表面に接する第1のプランジャ位置と;上記プランジャが遠位端へ移動し、上記プランジャ上に位置する上記プランジャ先端部が上記バレル上の上記肩部から離れている第2のプランジャ位置と;上記プランジャ先端部が上記肩部に接する第3のプランジャ位置、および上記プランジャ上の押下フランジが、上記押下フランジが上記第1の距離より短い第2の距離だけ上記プランジャ先端部の遠位端の表面から離れるように上記プランジャ先端部の遠位端の表面に対して遠位方向に移動し、上記プランジャ先端部の上記ボアの中に位置する上記先端のフランジが上記環状リングの上記遠位端表面にもはや接しない第4の位置と;を含む4つのプランジャ位置を備える、
ことを特徴とする注射器。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、ユーザへの不慮の接触を最小限にする安全注射器として、有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0084】
10 注射器
12 キャリッジ
14 バレル
16 フランジ(18)を備える近位端
18 フランジ
20 バレルの遠位端
22 針基を受け合う開口部
24 外部表面
26 内部表面
28 バレルの内部空洞
30 プランジャ
32 押下フランジ
34 プランジャ先端部
34’ プランジャ先端部
36 ルアーチップ
38 封止リング
40a アーム
40b アーム
42 内腔
42a ブリッジ
42b ブリッジ
44a 隆起部
44b 隆起部
46a 雄型デテント
46b 雄型デテント
48a 雌型デテント
48b 雌型デテント
50a 始動傾斜
50b 始動傾斜
52 第1のテーパー区間(肩部)
54 第2のテーパー区間
55a 細長い板
55b 細長い板
56 押下板
58 遠位方向に突き出た柱
60 プランジャディスク
61 覆い(62’)の近位端
62 覆い
62’ 覆い
64 押し端
66 穿設スロット
67 アーム(40a、40b)を受け合う遠位端表面
68 ボア
69 開口部
70 第1の直径区間
72 第2の直径区間
74 第3の直径区間
76 第1の内向きに延在するリング
76’ 延在するリング
78 第2の内向きに延在するリング
80 空間または間隔
82 停止リング
84 V字型の切り込み
86a 整列板
86b 整列板
88 一体の蝶番
90 握持部
92 準円形部
94 スロット
96 スロット
98 注射器
100 プランジャ先端部
101 ボア
102a 開口部
102b 開口部
104 内向きに延在するリング
106 プランジャディスク
110 注射器
112 キャリッジ
114 バレル
116 プランジャ
118a 始動ピストン
118b 始動ピストン
120 井戸状穴部
122 メス鍵
124 針基
126 フランジ
127 近位表面
128 肩部
130 遠位端表面
132 プランジャ先端部
133 ボア
134 内腔
136 第1の突起
138 第2の突起
140 蝶番で動くようにされたフック
142 エクステンションピン
144a エクステンション脚
144b エクステンション脚
145 内部空間
146 間隔または空間
147 フランジ
148 ドラム
150 フッキングロッド
152 フック
154 注射器
156 プランジャ先端部
158 エクステンションピン
160 プランジャ
162 ボア
164 環状リング
166 環状リング
168 作動空間および間隔
170 基部
172 プランジャディスク、突起、フランジ
174 プランジャディスク
176 注射器
178 プランジャ先端部
180 プランジャ
182 環状リング
183 エクステンションピン
184 ボアまたは空洞
186 注射器
188 バレル
190 プランジャ
192 プランジャ先端部
194 キャリッジ
196 バネ
198 握持区間
200 細長いバレル区間
202 押下フランジ
204 近位端
206 可変室区間
208 係合室
210 第1の係合区間
211 第2の係合区間
212 環状の内部表面、プランジャ先端部
214 保持タイヤ
216 遠位端の端壁
218 バレルの遠位端
220 肩部
222 基部
224 管または内腔
226 針
227 フランジ
228 接着用井戸状穴部
229 プランジャの終端
230 第1の管状区間
231 キャリッジの近位端
232 第2の管状区間
234 外側肩部
236 プラグ
238 プラグの基部
240 前部の突起、握持区間
241 バレルの肩部
242 凹区間
244 突起
246 注射器
248 プランジャ先端部
250a エクステンション脚
250b エクステンション脚
251 空間
252 バレルの肩部
254 注射器
256 プランジャ先端部
258 環状リング
260 環状リング
262 空間
264 突起
266 注射器
268 針基
270 針
272 バレル
274 ルアーチップ
276 メスロック
278 遠位端
280 握持フランジ
282 近位端
284 プランジャ
286 管
288 ボア
290 フィン
292 押下フランジ
294 開口部
296 壊れやすい封止
297 エンドキャップ
298 プラグ
300 押下板
302 先端保持部
304 エクステンションピン
308 プランジャ先端部
310 開口部
312 環状リング
313 端部表面
314a エクステンション脚
314b エクステンション脚
316 先端保持部板
318 ハウジング
320 ハウジング構造、オスのねじ山
322 ハウジング構造
323 円筒状の管
324 中央作動区画
325 支持フィン
326 ボア
327 バネ
328a 井戸状穴部
328b 井戸状穴部
329 キャップ
330 薄い壁の区間
332 膨らみ
334 ニードルスリーブ
336 ニードルスリーブ
338 遷移区間
340 握持区間
342 膨らみ
344 外部表面
346 接着用井戸状穴部
348 端部
350 針の近位端
352 注射器
354 プランジャ先端部
356 先端保持部
358 内部ボア
360 端部表面
362 注射器
364 プランジャ先端部
366 先端保持部
368 溝
370 プランジャディスク
372 近位の環状リング
374 針基
376 針
378 膨らみまたはひだ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端の握持フランジ,開口部を形成する遠位端の端末壁部,該端末壁部から離間した位置の内側肩部、及び外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを備える側壁構造、を備えるバレルと;
上記バレルの内部空洞内に配置され内部空洞を有する管状本体と、近位端の押下フランジと、押し端を含むプランジャ先端保持部と、を備えるプランジャと;
上記プランジャ先端保持部に取り付けられた弾性プランジャ先端部であって、近位端と遠位端との間で一定の内径を有すると共に、近位端と遠位端で比較的大きな肉厚を有し近位端と遠位端との間の部位では相対的小さい肉厚を有する、実質的に、滑らかにテーパが付けられた円筒として形成され、上記近位端が上記管状本体の肩部に当接している、プランジャ先端部と;
それ自体上に位置するバネを有する細長い本体,上記細長い本体から延在する基部,上記細長い本体と上記基部との間に位置する肩部、及び針を受容する通路を備えるキャリッジと;を備え、
上記バネが、上記バレルの上記端末壁部と上記キャリッジ上の上記肩部とによって圧縮され、上記キャリッジが、上記キャリッジの上記基部と上記バレルの上記内部表面との間に押し込められた弾性のある保持タイヤによって、上記バレルに対して着脱可能に固定され;
上記プランジャが、上記プランジャ先端部が上記キャリッジから離れた第1のプランジャ位置と;上記保持タイヤが上記キャリッジの上記基部上に位置している間、上記プランジャ先端部が上記プランジャの上記肩部と上記バレルの上記内側肩部とに同時に接する、第2のプランジャ位置と;上記プランジャ上の上記押し端が上記保持タイヤを上記キャリッジの上記基部から遠位方向へ押して取り外した第3のプランジャ位置と;を含む3つのプランジャ位置を備える、ことを特徴とする注射器。
【請求項2】
上記第2のプランジャ位置では、上記バレルの上記内側肩部は、上記プランジャ先端部が上記バレル遠位端へ向かう更なる遠位方向の動作を行うことを停止させる、ことを特徴とする請求項1に記載の注射器。
【請求項3】
上記プランジャが上記第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置へ移動すると、上記プランジャ先端部は、上記プランジャの上記肩部と上記バレルの上記内側肩部とによって圧縮される、ことを特徴とする請求項1に記載の注射器。
【請求項4】
上記プランジャ先端部は、圧縮されると、上記近位端と上記遠位端との間の部位で肉厚が増大する、ことを特徴とする請求項3に記載の注射器。
【請求項5】
上記プランジャが第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動すると、上記押下フランジが上記プランジャ先端部に対し相対的に移動する、ことを特徴とする請求項1に記載の注射器。
【請求項6】
上記プランジャが第3のプランジャ位置にあるときに、上記バネが、上記プランジャの上記管状本体の内部空洞内へ近位方向に動き始める、ことを特徴とする請求項1に記載の注射器。
【請求項7】
上記プランジャの上記管状本体の上記内部空洞の遠位端に位置するプラグをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の注射器。
【請求項8】
上記プラグが、前部の突起と、上記前部の突起に比較してより大きい基部とを備える、ことを特徴とする請求項7に記載の注射器。
【請求項9】
上記管状本体の肩部は、プランジャ先端部の内側に位置する突起部である、ことを特徴とする請求項8に記載の注射器。
【請求項10】
上記プランジャは、遠位方向の力が加えられると、第1のプランジャ位置から第2のプランジャ位置に移動し、始動力が加えられると、第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動し、上記始動力は上記遠位方向の力よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の注射器。
【請求項11】
上記プランジャは、上記バレルの第1の内部表面区間に沿って上記バレルの内部空洞内に配設され、前記弾性のある保持タイヤは、上記キャリッジの上記基部と上記バレルの第2の内部表面区間との間に押し込められており、上記バレルの第1の内部表面区間は上記バレルの第2の内部表面区間よりも大きい直径を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の注射器。
【請求項12】
上記バレルの内側肩部は、上記バレルの第1の内部表面区間から上記バレルの第2の内部表面区間へかけて延在している、ことを特徴とする請求項11に記載の注射器。
【請求項13】
近位端の握持フランジ,開口部を形成する遠位端の端末壁部,該端末壁部から離間した位置の内側肩部、及び外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを備える側壁構造、を備えるバレルと;
上記バレルの内部空洞内に配置され内部空洞を有する管状本体と、近位端の押下フランジと、プランジャ先端保持部と、を備えるプランジャであって、該プランジャ先端保持部は、押し端と、比較的大径の部分と比較的小径の部分との境界を形成する肩部と、該肩部の遠位側に位置する半径方向外向きの突起部とを有している、プランジャと;
上記プランジャ先端保持部の上記比較的小径の部分に取り付けられた弾性プランジャ先端部であって、上記プランジャ先端部が、近位の環状リングと遠位の環状リングとを有し、これら近位の環状リングと遠位の環状リングとが同じ内径を有している、プランジャ先端部と;
それ自体上に位置するバネを有する細長い本体,上記細長い本体から延在する基部,上記細長い本体と上記基部との間に位置する肩部、及び針を受容する通路を備えるキャリッジと;を備え、
上記バネが、上記バレルの上記端末壁部と上記キャリッジ上の上記肩部とによって圧縮され、上記キャリッジが、上記キャリッジの上記基部と上記バレルの上記内部表面との間に押し込められた弾性のある保持タイヤによって、上記バレルに対して着脱可能に固定され;
上記プランジャが、上記プランジャ先端部が上記キャリッジから離れた第1のプランジャ位置と;上記保持タイヤが上記キャリッジの上記基部上に位置している間、上記プランジャ先端部が上記バレルの肩部に接すると共に、上記プランジャの半径方向外向きの突起部が上記プランジャ先端部の近位の環状リングに接する、第2のプランジャ位置と;上記プランジャ上の上記押し端が上記保持タイヤを上記キャリッジの上記基部から遠位方向へ押して取り外し、上記プランジャの半径方向外向きの突起部が上記プランジャ先端部の遠位の環状リングに接すると共に、上記プランジャの肩部が上記プランジャ先端部の近位の環状リングに接する、第3のプランジャ位置と;を含む3つのプランジャ位置を備える、ことを特徴とする注射器。
【請求項14】
上記プランジャ先端部は、近位の環状リングと遠位の環状リングとの間に延在する実質的に円筒状の側壁部を更に備えている、ことを特徴とする請求項13に記載の注射器。
【請求項15】
上記第2のプランジャ位置では、上記バレルの上記内側肩部は、上記プランジャ先端部が上記バレル遠位端へ向かう更なる遠位方向の動作を行うことを停止させる、ことを特徴とする請求項13に記載の注射器。
【請求項16】
上記プランジャが第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動すると、上記押下フランジが上記プランジャ先端部に対し相対的に移動する、ことを特徴とする請求項13に記載の注射器。
【請求項17】
上記プランジャが第3のプランジャ位置にあるときに、上記バネが、上記プランジャの上記管状本体の内部空洞内へ近位方向に動き始める、ことを特徴とする請求項13に記載の注射器。
【請求項18】
上記プランジャの上記管状本体の上記内部空洞の遠位端に位置するプラグをさらに備える、ことを特徴とする請求項13に記載の注射器。
【請求項19】
上記プラグが、前部の突起と、上記前部の突起に比較してより大きい基部とを備える、ことを特徴とする請求項18に記載の注射器。
【請求項20】
上記プラグの基部は、上記管状本体の壁面によって圧縮される、ことを特徴とする請求項19に記載の注射器。
【請求項21】
上記プランジャは、遠位方向の力が加えられると、第1のプランジャ位置から第2のプランジャ位置に移動し、始動力が加えられると、第2のプランジャ位置から第3のプランジャ位置に移動し、上記始動力は上記遠位方向の力よりも大きい、ことを特徴とする請求項13に記載の注射器。
【請求項22】
上記プランジャは、上記バレルの第1の内部表面区間に沿って上記バレルの内部空洞内に配設され、前記弾性のある保持タイヤは、上記キャリッジの上記基部と上記バレルの第2の内部表面区間との間に押し込められており、上記バレルの第1の内部表面区間は上記バレルの第2の内部表面区間よりも大きい直径を有している、ことを特徴とする請求項13に記載の注射器。
【請求項23】
上記バレルの内側肩部は、上記バレルの第1の内部表面区間から上記バレルの第2の内部表面区間へかけて延在している、ことを特徴とする請求項22に記載の注射器。
【請求項24】
近位端の握持フランジ,開口部を形成する遠位端の端末壁部,該端末壁部から離間した位置の内側肩部、及び外部表面と内部空洞を区画する内部表面とを備える側壁構造、を備えるバレルと;
上記バレルの内部空洞内に配置され内部空洞を有する管状本体と、近位端の押下フランジと、プランジャ先端保持部と、を備えるプランジャであって、該プランジャ先端保持部は、押し端と、比較的大径の部分と比較的小径の部分との境界を形成する肩部とを有している、プランジャと;
上記プランジャ先端保持部の上記比較的小径の部分に取り付けられた弾性プランジャ先端部であって、上記プランジャ先端部が、近位の端面と遠位の端面とを備えている、プランジャ先端部と;
それ自体上に位置するバネを有する細長い本体,上記細長い本体から延在する基部,上記細長い本体と上記基部との間に位置する肩部、及び針を受容する通路を備えるキャリッジと;を備え、
上記バネが、上記バレルの上記端末壁部と上記キャリッジ上の上記肩部とによって圧縮され、上記キャリッジが、上記キャリッジの上記基部と上記バレルの上記内部表面との間に押し込められた弾性のある保持タイヤによって、上記バレルに対して着脱可能に固定され;
上記握持フランジ,上記保持タイヤ及び上記プランジャ先端部の近位の端面は、上記プランジャ先端部が上記バレルの内側肩部に接した後、上記バレルの上記握持フランジに対し遠位方向へ相対的に移動可能である、
ことを特徴とする注射器。
【請求項25】
上記プランジャ先端部が、近位の環状リングと遠位の環状リングとを有し、これら近位の環状リングと遠位の環状リングとが同じ内径を有している、ことを特徴とする請求項24に記載の注射器。
【請求項26】
上記プランジャ先端部は、近位端と遠位端との間で一定の内径を有すると共に、近位端と遠位端で比較的大きな肉厚を有し近位端と遠位端との間の部位では相対的小さい肉厚を有する、実質的に、滑らかにテーパが付けられた円筒として形成され、上記近位端が上記管状本体の肩部に当接している、ことを特徴とする請求項24に記載の注射器。

【図1】
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【図2】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−86057(P2012−86057A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−811(P2012−811)
【出願日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【分割の表示】特願2006−501667(P2006−501667)の分割
【原出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【出願人】(591002131)ベー・ブラウン・メルズンゲン・アクチエンゲゼルシャフト (12)
【氏名又は名称原語表記】B.BRAUN MELSUNGEN AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】