説明

桟木用樹脂組成物及び桟木

【課題】剛性、耐衝撃性、釘乃至ビスの保持性、研削加工性、軽量性の何れについても優れた特性を示し、さらにはリサイクル品を用いて成形した場合にも同様の特性を示す桟木を提供する。
【解決手段】メルトフローレート(MFR)が0.1〜20g/10minのポリスチレン、(B)MFRが0.1〜20g/10minの範囲にあり且つ前記ポリスチレンのMFRの0.1〜10倍の範囲にあるポリエチレン系樹脂、(C)MFRが0.1〜20g/10minの範囲にあり且つ前記ポリスチレン系樹脂のMFRの0.1〜10倍の範囲にあるポリプロピレン系樹脂、(D)スチレン系ゴム及び(E)発泡剤からなり、且つ前記ポリエチレン系樹脂(PE)とポリプロピレン系樹脂(PP)とを、PE/PP=0.1〜2.0の重量比で含有していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築外装下地材の一種である桟木用樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いての押出発泡成形により得られた桟木に関するものである。
【背景技術】
【0002】
胴縁、瓦桟、型枠などの建築下地材として使用されている桟木としては、古くから木材が使用されていたが、現在では、資源の枯渇化、環境保護などの観点から、所謂プラスチック製の合成木材、特に発泡ポリスチレン製のものが広く使用されている(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、現在では、石油資源の枯渇化を防止するため、各種プラスチック製品の再使用が検討されている。また、ポリスチレンは、入手が困難な高価なプラスチックであることから、その再利用が望まれており、実際、特許文献2には、リサイクル発泡ポリスチレンを用いた瓦桟が提案されている。
【0004】
また、ポリスチレンを用いた木工用合成樹脂組成物として、特許文献3には、メルトフローレート(MFR)が0.3〜30のポリオレフィン系樹脂をMFRが0〜30のポリスチレンと組み合わせたものが提案されている。
【特許文献1】実公昭63−9682号公報
【特許文献2】特開2004−218307号
【特許文献3】特開平10−101812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、胴縁などの桟木は、剛性(曲げ強度)や、釘やビスを打ち込んだときに割れなどを発生しないような耐衝撃性、打ち込まれた釘やビスを引き抜いたときにも強度が低下しないような強度保持性(釘乃至ビスの引き抜き性)が要求されるばかりか、さらには、ノコギリなどで切断したときにバリが発生しないこと(研削加工性)や軽量性も要求されており、従来公知のプラスチック製桟木は、上記のような特性の全てを満足するものではなく、その改善が望まれている。特に特許文献2の瓦桟のように、リサイクルポリスチレンが使用されているものは、その強度的特性が不満足である。また、特許文献3の木工用合成樹脂組成物を用いて桟木を成形した場合は、剛性、耐衝撃性或いは釘乃至ビスの保持性が不満足となってしまう。
【0006】
従って、本発明の目的は、剛性、耐衝撃性、釘乃至ビスの保持性、研削加工性、軽量性の何れについても優れた特性を示し、さらにはリサイクル品を用いて成形した場合にも同様の特性を有する桟木用樹脂組成物及び該組成物から成形された桟木を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
(A)メルトフローレート(MFR)が0.1〜20g/10minのポリスチレン 100重量部、
(B)MFRが0.1〜20g/10minの範囲にあり且つ前記ポリスチレンのMFRの0.1〜10倍の範囲にあるポリエチレン系樹脂 2.5乃至25重量部、
(C)MFRが0.1〜20g/10minの範囲にあり且つ前記ポリスチレン系樹脂のMFRの0.1〜10倍の範囲にあるポリプロピレン系樹脂 2.5〜25重量部、
(D)スチレン系ゴム 10乃至30重量部
(E)発泡剤 0.1〜3重量部、
からなり、且つ前記ポリプロピレン系樹脂(PP)とポリエチレン系樹脂(PE)とを、PE/PP=0.1〜2.0の重量比で含有していることを特徴とする桟木用樹脂組成物が提供される。
【0008】
本発明によれば、また、上記の樹脂組成物を押出発泡成形してなる桟木が提供される。
かかる桟木は、発泡倍率が1.8〜3.0倍の範囲に発泡成形されていることが好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の桟木用樹脂組成物を押出発泡成形して得られる桟木は、軽量性に優れているばかりか、後述する実施例から明らかなように、優れた剛性及び耐衝撃性を有しており、例えば曲げ強度は18MPa以上であり、また釘やビスを打ち込んだときに割れ等のクラックを発生せず、釘やビスの保持性にも優れ、釘等を引き抜いたときにも良好な強度を示す。さらには、ノコギリで切断したときのバリの発生も少なく、研削加工性も良好である。また、ポリスチレン以外にポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂が配合されているため、コストの点でも有利である。
【0010】
さらに、本発明の樹脂組成物は成形性やリサイクル性にも優れており、ポリスチレン、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂としてリサイクル品を用いた場合にも、上記のような特性を有する桟木を成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の桟木用樹脂組成物は、(A)ポリスチレン、(B)ポリエチレン系樹脂、(C)ポリプロピレン系樹脂、(D)スチレン系ゴム及び(E)発泡剤からなるものであり、必要により、種々の添加剤が配合される。
【0012】
(A)ポリスチレン:
ポリスチレンは、本発明の樹脂組成物の基材であり、ポリスチレンを基材として用いることにより、優れた機械的特性を有する桟木を成形することができる。本発明において、かかるポススチレンのメルトフローレート(MFR:ASTM D1236,230℃)は、0.1〜20g/10min、特に1.0〜10g/10minの範囲にあることが必要である。MFRが上記範囲よりも大きいと成形が困難となり、またMFRが上記範囲よりも小さいと、強度等の特性が低下したり、発泡が困難となったりする。
【0013】
(B)ポリエチレン系樹脂:
ポリエチレン系樹脂は、耐衝撃性を付与するための成分であり、前記ポリスチレン(A)100重量部当り2.5〜25重量部、特に8〜20重量部の量で使用される。この量が、上記範囲よりも少ないと、耐衝撃性が低下し、例えば釘やビスを打ち込んだときに割れ等が発生してしまう。また多量に使用すると、剛性が不満足となってしまう。
【0014】
また、このポリエチレン系樹脂のMFR(ASTM D1236,190℃)は、上記のポリスチレンと同様、0.1〜20g/10min、特に1.0〜10g/10minの範囲にあることが必要であり、さらに、前記ポリスチレンのMFRの0.1〜10倍の範囲にあることが重要である。即ち、両者のMFRがかけ離れると、成形加工性が低下してしまうからである。
【0015】
尚、ポリエチレン系樹脂には、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)等があるが、MFRが前述した範囲内である限り、何れも使用することができるし、また、それぞれ単独でも、2種以上の組合せでも使用することができる。
【0016】
(C)ポリプロピレン系樹脂:
ポリプロピレン系樹脂は、剛性を補強するための成分であり、ポリスチレン100重量部当り2.5〜25重量部、特に10〜20重量部の量で使用される。この量が、上記範囲よりも少ないと、剛性が低下してしまい、例えば切削加工性の低下をもたらし、得られる桟木をノコギリで切断したとき、バリの発生量が多くなってしまう。また多量に使用すると、十分な発泡を行うことが困難となってしまう。
【0017】
さらに、このポリプロピレン系樹脂(PP)は、前記ポリエチレン系樹脂(PE)との重量比(PE/PP)が0.1〜2.0となる割合で配合すべきである。即ち、ポリエチレンに比して上記範囲よりも多量にポリプロピレン系樹脂を使用すると、発泡が困難となってしまい、また上記範囲よりもポリプロピレン系樹脂の量が少ないと曲げ強度が低下してしまい、例えば得られる桟木の曲げ強度は18MPa未満となってしまう。
【0018】
さらに、成形性を確保するため、このポリプロピレン系樹脂のMFR(ASTM D1236,230℃)も、上記のポリスチレンと同様、0.1〜20g/10min、特に1.0〜10g/10minの範囲にあることが必要である。
【0019】
尚、ポリプロピレン系樹脂としては、前述したMFRを有しているものであれば、アイソタクティック構造のものでも、シンジオタクティック構造のものでも使用でき、さらには、ホモポリプロピレンの他に、ランダム共重合ポリプロピレンや、ブロック共重合ポリプロピレンを使用することもできる。これらの共重合体におけるコモノマーとしては、プロピレン以外のオレフィン類、例えばエチレン、1−ブテンの1種或いは2種以上の組合せが挙げられる。本発明においては、特に剛性の観点から、ホモポリプロピレンが最も好適である。
【0020】
(C)スチレン系ゴム:
成分(C)のスチレン系ゴムは、ポリエチレン系樹脂と同様、耐衝撃性を向上させるための成分であるが、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂と基材であるポリスチレン(A)との相溶化を向上させるための成分でもある。即ち、スチレン系ゴム以外の他のゴム成分(例えばアクリル系ゴム)を用いた場合には、ポリスチレンやポリエチレン系樹脂或いはポリプロピレン系樹脂との相溶性が著しく低いため、分散不良などを生じ、各種の特性が低下してしまう。
【0021】
このようなスチレン系ゴムは、両末端相にポリスチレン相を持つブロックコポリマーで、中間層にそれぞれポリブタジエン、ポリイソプレン相を持っているため常温では、加硫ゴムのような優れた弾性を示すとともに高温で可塑化され、一般のプラスチック成形機などで容易に加工が可能である。これらは、ブタジエン−スチレン共重合体ゴム(SBS)やイソプレン−スチレン共重合体ゴム(SIS)と呼ばれているものであるが、耐衝撃性向上効果が大きく、樹脂改質などの観点から、SBSゴムが最適である。ポリブタジエンの含有量が、一般に5乃至80重量%、特に50乃至70重量%の範囲にあるものが入手容易である。
【0022】
このようなスチレンゴムは、ポリスチレン100重量部当り10〜30重量部、特に10〜20重量部の量で使用される。この量が、上記範囲よりも少ないと、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂の分散不良が生じ、成形される桟木の各種特性が全体的に低下してしまうばかりか、樹脂組成物の成形性も低下してしまう。また、上記範囲よりも多量の使用は、剛性の低下をもたらす。
【0023】
(E)発泡剤:
発泡剤としては、種々のタイプがあるが、本発明では、特に化学発泡剤が使用される。即ち、ガスの含浸及び膨張を利用した物理発泡では、発泡のために特別の設備が必要となったりして、経済性、生産性の点で不利となってしまう。
【0024】
本発明において使用される発泡剤としては、これに限定されるものではないが、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機発泡剤;N,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソ・テレフタルアミド、N,N'−ジニトロソ・ペンタメチレン・テトラミンなどのニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾジカルボキサミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウム・アゾジカルボキシレートなどのアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、P,P'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4'−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジドなどのアジド化合物などをあげることができ、これらは、それぞれ、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0025】
このような発泡剤は、用いる(A)〜(D)成分の種類、物性及び配合量に応じて、発泡倍率が1.8〜3.0倍となるような量で使用され、具体的には、ポリスチレン(A)100重量部当り0.1〜3重量部の量で使用される。これよりも少量の場合には、発泡が不十分となり、成形される桟木は、軽量性などの点で不満足なものとなってしまう。また、上記範囲よりも多量に使用すると、発泡が過剰となり、成形される桟木の剛性が不満足となってしまい、特に、ノコギリで切断したときに多量のバリが発生するようになってしまう。
【0026】
(各種添加剤):
本発明の桟木用樹脂組成物においては、成形される桟木の剛性や耐衝撃性等の特性が損なわれない限りの量で、それ自体公知の各種添加剤を配合することができる。
【0027】
例えば、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などのために、発泡助剤を配合することができる。このような発泡助剤としては、サルチル酸、フタル酸、ステアリン酸などの有機酸;尿素およびその誘導体などをあげることができる。また、気泡調節の目的で、無機微粉末、例えばタルク、各種クレイ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等を配合することができる。また、加工性や成形性の向上を目的として、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属石鹸、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の滑剤を配合することもできる。さらに、軽量化のために、適宜木粉を配合することもできる。このような木粉としては、粒径が100メッシュサイズ以下(150μm以下)のものが使用され、例えば針葉樹、広葉樹、ラワン材等の任意の木材の粉末が使用され、製材の際副生する鋸屑、鉋屑等もボールミル粉砕等で粉末化して使用できる。また、これらの添加剤以外にも、必要に応じて、充填剤、着色剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等も、必要に応じて、適宜配合することができる。
【0028】
<桟木の製造>
本発明においては、前述した各成分を含有する樹脂組成物を調製し、ついでこれを溶融押出しての発泡成形により、所望の形状の桟木を製造する。
【0029】
樹脂組成物の調製は、それ自体公知の手段、例えばドライブレンドやメルトブレンド方式で行うことができる。例えば、各成分の混合を、ブレンダー、ヘンシェルミキサー等を用いてドライブレンドで行うこともできるし、一軸或いは二軸の押出機やバンバリーミキサー、ニーダー等を用いてメルトブレンドで行うことができる。
【0030】
配合の順序にも特に制限はなく、全成分を同時にブレンドしてもよく、また成分を多段階にブレンドすることもできる。例えば、予め発泡剤を除く成分を予備混合し、この予備混合物に発泡剤を添加してブレンドを続行することもできるし、また発泡剤或いは更に他の助剤を予備混合し、この予備混合物に(A)〜(D)の樹脂乃至ゴム成分を添加してブレンドを続行することもできる。
【0031】
一般に、発泡は、押出機の内部で行ってもよいし、押出機の外部で行うこともできるが、一般的には、押出機内部で発泡を行うのが、操作が簡単であるため好ましい。押出成形に当たっては、各成分をドライブレンドし、押出機のホッパーにこれを供給する。押出機としては、単軸或いは二軸のスクリューを備えたそれ自体公知の押出機が使用される。各成分及び発泡剤は押出機中で機械的に溶融混練され、ダイを経て空気中へ押し出されることにより、発泡成形体を形成する。この押出発泡成形では、各成分の混練、押出及び発泡が一台の押出機で行われ、操作が簡単であると共に生産性も高いという利点を有する。尚、この場合、溶融混練時の温度(シリンダー温度)は、当然、各成分の融点以上の温度であり且つ発泡剤の分解温度以上に設定される。
【0032】
成形ダイから押出成形される発泡成形体は、必要により、これをサイジングダイを通すことにより、寸法及び形状を安定化させ、目的とする桟木とすることができる。
【0033】
このようにして発泡倍率が1.8〜3.0倍と軽量性に富み、安価な桟木が得られる。かかる桟木は、曲げ強度が18MPa以上の剛性を有しており、腰があり、しかも切削加工性に優れ、ノコギリで切断したときのバリの発生が極めて少ないばかりか、耐衝撃性にも優れており、例えば釘打ち特性が良好であり、釘を打ち込んだときの割れをほとんど生じることがなく、また釘の引き抜き性が良好であり、釘を引き抜いたときの強度低下も小さい。
【0034】
さらに、本発明においては、前述した(A)〜(C)の樹脂成分としてリサイクル品を使用した場合にも、上記のような優れた特性の桟木を得ることができる。
【0035】
本発明による桟木は、瓦桟、建築用型枠、胴縁などとして有用である。
【実施例】
【0036】
本発明を次の実施例で更に説明する。次の実施例は、説明のためのものであり、いかなる意味においても本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
以下の実施例及び比較例で用いた各種成分は、以下の通りである。
(A)ポリスチレン
ポリスチレン(A−1):リサイクル品
比重:1.05
MFR:1.5g/10min
ポリスチレン(A−2)
比重:1.05
MFR:8.0g/10min
(B)ポリエチレン系樹脂
ポリエチレン(B−1):リサイクル品
比重:0.95
MFR:2.5g/10min
ポリエチレン(B−2)
比重:0.95
MFR:10.0g/10min
(C)ポリプロピレン系樹脂
ポリプロピレン(C−1):リサイクル品
比重:0.90
MFR:2.5g/10min
ポリプロピレン(C−2)
比重:0.90
MFR:10.0g/10min
(D)スチレン系ゴム
SBS(比重:0.96)
(E)発泡剤
重曹
アゾジカルボアミド(ADCA)
【0038】
(実施例1〜3、比較例1〜4)
表1に示す重量割合で各種成分を押出機中に投入し、130〜190℃のシリンダー温度で溶融混練し、発泡及び押出を行い、15mm×30mmの角柱形状の桟木を成形した。
得られた桟木について、以下の方法で、比重、密度、発泡倍率、釘打ち特性、釘抜き性、切削性及び曲げ強度を測定し、その結果を表1に示した。
【0039】
(1)比重
用いた各材料の比重から計算により求めた。
(2)密度(g/cm
JIS K−7112の水中置換法に準拠して求めた。
(3)発泡倍率
上記で求めた比重及び密度から算出した。
(4)釘打ち特性
−10℃でリング釘(ステンレス製;φ=2.5mm、L=50mm)を、30mm辺を上下とし桟木の小口面から10mm内側の部分に打ち込み、割れた数で評価した。評価基準は以下の通りである。
○:割れ数0/20本
×:割れ数0/20本以上
(5)釘抜き特性
上記と同じリング釘を使用し、30mm辺を上下とし打ち込み貫通したリング釘を速度10mm/minで引き抜いたときの強度を測定し、N=10の平均値で評価した。
(6)切削性
木工用電動ノコギリを用いて切断した時のバリの発生量を目視で判定した。
○:バリの発生がほとんどない。
×:多量のバリが発生した。
(7)曲げ強度
JIS K7221−1に基づいて、支点距離:100mm、速度10mm/minの条件で測定した。
【0040】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)メルトフローレート(MFR)が0.1〜20g/10minのポリスチレン 100重量部、
(B)MFRが0.1〜20g/10minの範囲にあり且つ前記ポリスチレンのMFRの0.1〜10倍の範囲にあるポリエチレン系樹脂 2.5乃至25重量部、
(C)MFRが0.1〜20g/10minの範囲にあり且つ前記ポリスチレン系樹脂のMFRの0.1〜10倍の範囲にあるポリプロピレン系樹脂 2.5〜25重量部、
(D)スチレン系ゴム 10乃至30重量部
(E)発泡剤 0.1〜3重量部、
からなり、且つ前記ポリプロピレン系樹脂(PP)とポリエチレン系樹脂(PE)とを、PE/PP=0.1〜2.0の重量比で含有していることを特徴とする桟木用樹脂組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の樹脂組成物を押出発泡成形してなる桟木。
【請求項3】
発泡倍率が1.8〜3.0倍の範囲に発泡成形されている請求項2に記載の桟木。

【公開番号】特開2008−274072(P2008−274072A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118399(P2007−118399)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000010065)フクビ化学工業株式会社 (150)
【Fターム(参考)】