梨の石細胞を含む漬物の製造方法および梨の石細胞を含む漬物、並びに漬物用の梨の冷凍卸し実の製造方法および漬物用の梨の冷凍卸し実
【課題】 この発明は、フルーティーで円やかであると共に、フルーツが実である時の食感を活かすことが出来るような、これまでにない全く新しい漬物を提供することを課題とする。
【解決手段】 この発明では梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を調味液として野菜や獣肉や魚肉などの具材を漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で、すなわち梨の石細胞を含む漬物として、提供する。これにより梨の実であった時のつぶつぶしゃきしゃきとした食感を漬物に残すことが出来る。なお梨の実を石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を冷凍して、石細胞を含む梨の冷凍卸し実を作っておけば、年間を通して漬物作りに利用することが可能になる。また梨の石細胞を含むソースを提供することが出来る。
【解決手段】 この発明では梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を調味液として野菜や獣肉や魚肉などの具材を漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で、すなわち梨の石細胞を含む漬物として、提供する。これにより梨の実であった時のつぶつぶしゃきしゃきとした食感を漬物に残すことが出来る。なお梨の実を石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を冷凍して、石細胞を含む梨の冷凍卸し実を作っておけば、年間を通して漬物作りに利用することが可能になる。また梨の石細胞を含むソースを提供することが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は調味液に梨の卸し液を用いた漬物に係り、更に詳しくは卸し液に梨の石細胞を含ませたものを用いて野菜や獣肉や魚肉を漬け込み、この漬物に石細胞を付着させた状態で提供することを特徴とするものに関する。なお梨の石細胞を含むソースにも関連している。
【背景技術】
【0002】
これまで野菜の漬物には糠漬や浅漬やピクルスがあった。しかしながらライト指向の今日にあっては、サラダ風の漬物としての浅漬やピクルスが特に人気が高い。また大根などの辛味のある漬物は敬遠され勝ちであるため、特開2004−173612のような辛味を除去または軽減した大根浅漬の製造方法が提案されている。このものは大根をクエン酸やリンゴ酸などの可食性酸を含む調味液に下漬けする工程を経る製造方法である。また漬物をフルーティーで円やかなものとするために、調味液にリンゴジュースやカボスジュースを入れて漬けたものもある。
【0003】
また獣肉を用いた鉄板焼きなどに於いて、予め獣肉を焼き肉のタレに漬け込むことが行われているが、このタレにリンゴ果汁などを入れて美味しさを向上させたものがある。獣肉を生で食する場合にも各種のタレが用いられる。また魚肉の場合にも同様のものが存在する。
【0004】
なおこのようなタレの用途を広げて、洋食・中華・和食・エスニック料理等々に用いるソースとしたり、野菜サラダに用いるソース(ドレッシングを含む)とするなどの試みが為されているが、その何れにもフルーティーさを加えるためにリンゴ果汁などを混入することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−173612
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
確かにリンゴジュースを含む調味液のようなものであれば、フルーティーで円やかな野菜の漬物を提供することは出来る。しかしながら確かに味はリンゴなのであるが、リンゴをそのまま食した時のシャリシャリする食感は完全に失われたものとなっている。
【0007】
また焼肉用や生食用のタレに付いても同様であり、加えられているフルーツの味はするものの、フルーツをそのまま食した時の独特の食感は失われてしまっている。このような問題は魚肉を食する場合にも起こることである。
【0008】
また上述したソースやドレッシングに関しても、確かに加えられたフルーツの味がしてフルーティーさは感じられるものの、そのフルーツに独特の食感を得ることは出来ないでいる。
【0009】
そこでこの発明は、上述したような問題を解決して、フルーティーで円やかであると共に、「フルーツが実である時の食感を活かすこと」が出来るようなこれまでにない全く新しい野菜の漬物を提供することを課題とする。また獣肉に付いてもこのような考えを適用したい。また同様に魚肉に付いてもこのような考えを適用したい。更にフルーティーで円やかであると共に、「フルーツが実である時の食感を活かすこと」が出来るような、これまでにない全く新しいソースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題の解決のために当発明者は、フルーツを調味液やソースに用いるにはフルーツの実を卸す必要があるが、どのようなフルーツを用いれば、またどのようにして用いれば、実である時の食感を活かすことが出来るかに付いて鋭意研究を行った。この結果、石細胞と言うものを果肉に有する梨を特定することに成功した。
【0011】
すなわち上記課題は、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液に具材を漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で提供する、梨の石細胞を含む漬物の製造方法とすることにより達成される。またこの製造方法による、梨の石細胞を含む漬物とした。梨は丸ごと卸しても良いが、石細胞の特徴を際だたせるためには剥き実とするのが好ましい。また石細胞を残すようにとは、梨を卸した液につぶつぶした状態が残るように卸すことを言う。また卸すとは、卸金や金網ですったり、細かく刻んで潰したりすることを言う。またこれ以外の方法を用いても良い。
【0012】
漬物の具材には野菜を用いることが出来る。長芋、人参、大根、胡瓜、茄子など、多くの野菜を使用することが出来る。またこの調味液には、塩、昆布、鷹の爪、酢、化学調味料などを必要に応じて追加することが出来る。後述の酢を加えた場合では、浅漬と言うよりはむしろ和風のピクルスとなる。ピクルスでは更にワインや砂糖を加えるようにしても良い。
【0013】
この調味液としての卸し液には石細胞が含まれており、これにより作った野菜の浅漬はその表面に石細胞を纒った独特の漬物となっている。この漬物は表面の石細胞を洗い流さないようにして食する。そして食した際には、梨独特の石細胞が表面に付着していることによって、つぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感がまるごとの実ほどではないにしても十分に得られるのである。逆に言えばつぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感があるにも拘らず漬物になっていると言うギャップに驚きがある。このようなつぶつぶしゃきしゃきとしたフルーティーな食感は他のフルーツを用いた場合では決して得られない貴重なものであり、梨のまるごとの実である時の食感をそのまま野菜の漬物に継承させることにこの発明は成功したのである。
【0014】
上記で漬物の具材には野菜を用いることが出来ることに言及した。さらに酢を加えることにも言及した。そこで次に具材としての野菜にらっきょうを用いることを説明する。らっきょうを石細胞を含む梨の卸し液に酢を加えて漬け込むのである。加える酢の分量の数値に限定はないが、好適な分量として石細胞を含む梨の卸し液80重量パーセントに対して酢20重量パーセントを上げる。
【0015】
従来よりらっきょうの甘酢漬けと言うものがあったが、このツーンとくる香りを嫌う人が多く存在する。従ってこのような人達にも食して貰うためにはどうしたら良いかはこの発明の別の課題でもある。そこで石細胞を含む梨の卸し液に酢を加えてらっきょうを漬け込むようにすると、ツーンとせずフルーティーにまとまった新規ならっきょう漬けと成る。このようにして、酢の健康に対する効果と梨の石細胞による効果との相乗効果を得ることが出来るのである。
【0016】
なお梨の石細胞を用いることが如何に特殊なことであるかは、石細胞の効能の他の側面を知ることによって更に確実なものとなる。すなわち梨の石細胞は腸内に於いてコレステロールに吸着して、腸にコレステロールの吸収をしにくくする作用がある。すなわち結果として血中コレステロール値を下げる働きがあるのである。従って肉料理などと共にこの発明の梨の石細胞を含む漬物を提供するのは好ましく、またこの意味で後述する獣肉や魚肉の漬物は理に適ったものであると言うことが出来る。
【0017】
また漬物の具材に獣肉を用いることが出来る。生食用には牛肉が一般的である。鶏肉や豚肉のように一度湯に潜らせたものを用いる場合がある。また焼いた肉を用いる場合もある。このようにして獣肉の漬物を得るが、このようなものはこれまでになかった珍しいものである。
【0018】
この調味液としての卸し液を用いることによって梨独特の石細胞を表面に纒った獣肉の漬物を得るが、このものは表面に付着した梨の石細胞を洗い流さないようにして食するものである。そして食した際には、梨独特の石細胞が表面に付着していることによって、つぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感がまるごとの実ほどではないにしても十分に得られるのである。このようなつぶつぶしゃきしゃきとしたフルーティーな食感は他のフルーツを用いた場合では得られない貴重なものであり、梨の実である時の食感をそのまま野菜の漬物に継承させることにこの発明は成功したのである。
【0019】
また漬物の具材に魚肉を用いることが出来る。生肉にも焼き物にも用いることが可能である。生肉の漬物では海鮮丼などへの用途がある。この魚肉の漬物の作用効果は獣肉の場合と同様のものであり、このような魚肉の漬物は新規で珍しいものである。
【0020】
ところで規格外の梨は廃棄処分されることが多い。旨さには何等問題はないのであるが、ただ規格外であると言うだけで処分されている。これは誠に勿体ないことであるが、この発明の石細胞を含む漬物の製造に活用することは十分可能であり、産業上の利益には計り知れないものがある。なおまた漬物の素材が野菜である場合に、これまでは規格外につき廃棄される運命にあったものを活かすことが可能となるなど本発明の影響は広範に及ぶ。
【0021】
次に請求項1に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法に於いて、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作り、この梨の冷凍卸し実を適時に解凍して卸し液に戻し、これを用いて野菜や獣肉や魚肉を漬け込むようにすることが出来る。なお冷凍に先立って卸し液を漉すなどして濃縮したものとしても良い。これは言わば石細胞を含む梨の「濃縮冷凍卸し実」であって解凍後に希釈して用いることになるが、卸し液が濃縮してあるのでアイスの重量を低減させることが出来ると言う効果がある。なお上記製造方法に於いて、石細胞を含む梨の卸し液に、これを冷凍する前にまたは解凍した後で、適量の酢を加えるようにすることが出来る。
【0022】
前記石細胞を含む梨の「冷凍卸し実」は、この発明で初めて提案されたものである。梨は季節ものであって長期保存することが出来ない。柿のように乾燥保存することにも、みかんのように冷凍保存することにも不向きな果実である。一見すると冷凍保存には可能性があるように思われるが、冷凍すると品質が劣化してしまうのが実のままの梨の実状である。従って梨は全くのところ季節ものなのである。しかしながら、梨の実を石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作っておけば、年間を通して漬物作りに利用することが可能になる。これにより梨のシーズンオフであってもこの発明の漬物を食することで梨を味わうことが出来る格別の効果を奏するのである。なお解凍時に解凍しやすいように、冷凍卸し実をクラッシュアイスのように破砕しておくようにしても良い。
【0023】
また漬物用の梨の冷凍卸し実は、これだけを単独で流通させることが可能であるため、各地でその土地土地の野菜や獣肉や魚肉を用いた漬物に利用することが可能となることは実に重要であり、産業上に与える影響にも極めて大きいものがある。
【0024】
なお、フルーツを調味液やソースに用いるにはフルーツの実を卸す必要があるが、この発明はどのようなフルーツを用いれば、またどのようにして用いれば、実である時の食感を活かすことが出来るかに付いての研究成果であり、石細胞と言うものを果肉に有する梨を特定することに成功し、これを用いて野菜や獣肉や魚肉の漬物を作っている。従って石細胞を有する調味液やソースが重要になる。この一例として、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液に卸し野菜の卸し液を混入して撹拌することによって、梨の石細胞を含むソースを得る製造方法を上げる。この野菜の卸し液が混入した、梨の石細胞を含むソースは、野菜や獣肉や魚肉の漬物などに用いる他にドレッシングとしての用途がある。またこれだけを単独で流通させることが可能である。なおこの卸し液を漉すなどして濃縮したものに野菜の卸し液を混入して撹拌したものを提供することが出来る。またこれを冷凍することが出来る。これにより希釈して用いると言う用途が可能となる。
【0025】
また一例として、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液にビネガーを混入して撹拌することによって、梨の石細胞を含むソースを得る製造方法を上げる。このビネガーが混入した、梨の石細胞を含むソースは、野菜や獣肉や魚肉の漬物などに用いられる他に、例えば鶏肉や小魚の空揚げ用の料理ソースとしての用途がある。また上記同様にこれだけを単独で流通させることが可能である。なおこの卸し液を漉すなどして濃縮したものに、ビネガーを混入して撹拌したものや、更にこれを冷凍したものを提供することが出来る。これにより希釈して用いると言う用途が可能となる。
【0026】
また一例として、ビネガーが混入した梨の石細胞を含むソースを、野菜としてのらっきょうの漬物などに用いる用途がある。ビネガーにはフルーツビネガーやワインビネガーなどがある。少し酸味が欲しいような場合にこの味付けのためにビネガーを用いるが、これによってフルーティーな全く新しいらっきょう漬けを得ることが出来る。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、梨の石細胞に着目することによって、つぶつぶしゃきしゃきとした食感のある、世界でも全く新しい味の漬物を提供することが出来るようになった。またこの発明の石細胞を含む梨の冷凍卸し実を用いることによって、年間を通して、且つ日本中、世界中にこの発明の漬物を提供することが可能となった。またこの発明の、野菜の卸し液に梨の石細胞を含むソースは、これまでにない食感のソースとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図2】同実施形態の製造状態を表わす説明図である。
【図3】同実施形態の漬物を表わす説明図である。
【図4】第2実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図5】同実施形態の冷凍卸し実を表わす説明図である。
【図6】第3実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図7】第4実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図8】第5実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図9】第6実施形態のソースを表わす説明図である。
【図10】同実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図11】第7実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図12】第8実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図13】第9実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図14】第10実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下この発明の10種の実施形態を図面を参照しつつ説明するが、この発明はこれ等の実施形態に限定されるものではない。
【0030】
第1実施形態
この実施形態は野菜の浅漬の製造方法に係るものである。梨の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS1)、これに塩、昆布、鷹の爪を加えて調味液2とし(ステップS2)、この石細胞20を含む調味液2を漬物容器1に入れて、これに刻んだ野菜3を漬けて重石10を載せ(ステップS3)、頃合を調べて漬物容器1より取り出して、水洗せずにそのまま密封包装する(ステップS4)。図2から明かとなるように、野菜3は調味液2に浸されているが、この調味液2の中には梨を卸して得られたたくさんの石細胞20が見られる。なお野菜を刻まずに漬物容器1に入れる実施例も可能である。塩分に付いては、梨の甘みをしっかりと残すのであれば塩分控えめとすることが好ましい。
【0031】
このようにして漬いた野菜3の周りには、図3で表したように調味液2が纒わり着いているが、調味液2には石細胞20がたっぷりと含まれている。このことによって漬いた野菜3を噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした食感が生まれるのであり、この食感は、卸す前の梨の実である時の食感であるつぶつぶしゃきしゃき感を継承したものなのである。
【0032】
第2実施形態
この実施形態は野菜のピクルス漬けに用いる梨の冷凍卸し実の製造方法に係るものである。梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20を残すようにしつつ卸し(ステップS5)、これに赤ワインと酢とを加えてピクルス用の調味液2を作り(ステップS6)、この調味液2を冷凍装置にて冷凍し(ステップS7)、この冷凍調味液を粉砕機にてクラッシュアイスのように破砕して、包装袋4に入れて密封包装を行ない(ステップS8)、石細胞20を含む梨の冷凍卸し実を得る。図5の円内には冷凍卸し実21が拡大されて描かれているが凍った調味液2の中にたくさんの石細胞20が見られる。
【0033】
この梨の冷凍卸し実は長期間に亘る保存が可能であり、必要な時に解凍して漬物に使用することが出来る。この実施形態ではクラッシュアイスのように破砕されているため、解凍の際には短時間での解凍が可能になっている。なおこの実施形態では野菜のピクルス漬けのために赤ワインと酢とを加えているが、これ等を加えることなく冷凍したプレーンな冷凍卸し実として、解凍してから追加の調味料を加えるようにすることも可能である。なおクラッシュアイスに破砕する加工を施さずに、例えばキューブ形状の冷凍調味液を成型するようにしても良いし、解凍に時間を掛けられるのであれば、或いは解凍時間を気にしないのであれば、全凍結のままの冷凍調味液を提供するようにしても良い。
【0034】
第3実施形態
この実施形態は梨のシーズンオフに野菜のピクルス漬けを作る方法に係るものである。予め用意しておいた第2実施形態の、野菜のピクルス漬けに用いる梨の冷凍卸し実を解凍して(ステップS9)、これに胡瓜などの野菜を刻んで漬け込み(ステップS10)、所要時間だけ寝かせてから取り出し水洗せずにそのまま密封包装する(ステップS11)。
【0035】
解凍した梨の冷凍卸し実には石細胞20が含まれているため、このピクルス漬けを食すると、ピクルス漬けの周りに付着している梨の石細胞20によってつぶつぶしゃきしゃきとした感じを楽しむことが出来る。
【0036】
第4実施形態
この実施形態は牛肉の漬物の製造方法に係るものである。梨の皮を剥きこれを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞を残すようにして卸し(ステップS12)、これを真空パックの袋に入れて、塩、酢、昆布、鷹の爪、化学調味料と言った調味料を加えて(ステップS13)、この袋に薄切りにした牛肉を漬け込み真空パックを行ない(ステップS14)、この袋を冷凍庫内に入れて冷凍する(ステップS15)。
【0037】
この牛肉の漬物は水洗いせずにそのまま食するものであるが、上述した第1実施形態の図3を借りて説明すれば(野菜3を牛肉に置き換える)、漬いた牛肉の周りには調味液2が纒わり着いており、この調味液2に石細胞20がたっぷりと含まれるものである。このことによって漬いた牛肉を噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした、梨の実である時の食感を継承した食感が生まれるのである。
【0038】
第5実施形態
この実施形態は、魚肉としての鮭身を用いた漬物の製造方法に関するものである。梨の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶとした石細胞を残すようにして卸し(ステップS16)、これをファスナー付きの袋に入れて塩、酢、化学調味料と言った調味料を加え(ステップS17)、この袋の中に薄切りにした鮭身の複数枚を、これ等の間間に昆布と輪切りにした鷹の爪とを挟み込むようにしたものを漬け込んで、袋の口をファスナーで密閉し(ステップS18)、この袋を冷蔵庫に入れて冷蔵する(ステップS19)。
【0039】
上述した第1実施形態の図3を借りて説明すれば、野菜3を鮭身に置き換えるのであるが、この生鮭の漬物は、鮭身の周りにたっぷりと付着している梨の石細胞20によってつぶつぶしゃきしゃきとした、梨が実であった時の食感を楽しむことが出来るのである。つぶつぶとした食感はざらざらした感じとも取れるが、梨の実の場合にはこれが梨独特の舌や歯に心地良いものとなっている。なおこのためにはこの鮭身の漬物は水洗いせずにそのまま食するようにする。
【0040】
第6実施形態
この発明は、調味液に梨の卸し液を用いた漬物に係り、更に詳しくは卸し液に梨の石細胞を含ませたものを用いて野菜や獣肉や魚肉を漬け込み、この漬物に石細胞を付着させた状態で提供することを特徴としており、この実施形態では漬物用のソースを製造するための製造方法を解説する。
【0041】
梨の皮を剥きこの芯を取ったものを卸し機に掛けて、つぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS20)、これに別途作った各種野菜の卸したものを混入して混ぜ合わせ(ステップS21)、こうして得られたソース(ドレッシング)を真空パックにて包装袋5にパック詰めする(ステップS22)。
【0042】
図9から明かとなるように、卸し野菜と梨のジュースとから成る調味液6には多くの石細胞20を見ることが出来る。使用時には包装袋5を開封して調味液6を取り出す。なおこの実施形態の漬物用ソースは包装袋5のまま流通させることが出来るものである。
【0043】
第7実施形態
この実施形態のソースは、上述した図9を借りて説明すれば、各種野菜の卸したものを含む調味液6の代わりに、ビネガーを含むものである。梨の皮を剥き、この芯を取ったものを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS23)、これにビネガーを加えて混ぜ合わせ(ステップS24)、こうして得られたソースを真空パックにて包装袋5にパック詰めする(ステップS24)。
【0044】
このようにして得られた調味液には、噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした食感を生む梨の石細胞がたっぷりと含まれている。この食感は梨の実である時の食感であるつぶつぶしゃきしゃき感を正に継承したものである。この実施形態のソースは野菜用、獣肉用、魚肉用として広範に用いられる。また包装袋5のまま流通させることが可能である。
【0045】
第8実施形態
この実施形態は野菜や獣肉や魚肉などの漬物に用いられる、梨の濃縮冷凍卸し実の製造方法に係るものである。梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞を残すようにしつつ卸し(ステップS26)、この石細胞を含む卸し液を膜濃縮により濃縮し(ステップS27)、このようにして得られた調味液を冷凍装置にて冷凍し(ステップS28)、更にこの冷凍調味液を粉砕機にてクラッシュアイスのように破砕して包装袋に入れて密封包装を行ない(ステップS29)、石細胞を含む梨の濃縮冷凍卸し実を得る。これを図5を借りて説明すると、クラッシュアイス状の濃縮調味液の中にたくさんのつぶつぶとした石細胞20が見られるのである。
【0046】
石細胞を含む卸し液を濃縮する方法には、真空濃縮法や凍結濃縮法などがあるが、ステップS27では膜濃縮法によっている。この石細胞を含む梨の濃縮冷凍卸し実を用いる際には、先ず解凍してから、水を加えて濃縮還元を行うようにするのである。解凍に水を用いて濃縮還元まで行うことも可能である。この濃縮された冷凍卸し実は長期間に亘る保存が可能であり、所要時に解凍して漬物に使用することが出来る。なお卸し液の濃縮は、卸し液の品質レベルの一定化を実現したり、アイスの重量を低減させることに寄与する。
【0047】
第9実施形態
この実施形態はフルーツ感覚あるいはサラダ感覚で食することが出来る新しいらっきょう漬けの製造方法に関するものである。梨の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS30)、この卸し実80重量パーセントに対して20重量パーセントの米酢を加えて調味液7とし(ステップS31)、この石細胞20を含む調味液7の中にらっきょう8を漬け(ステップS32)、頃合を調べそのまま袋詰めや瓶詰めや缶詰として密封包装する(ステップS33)。
【0048】
らっきょう8の周りには、図13のステップS32の右横に説明図として図示した通り、調味液7がまとわり付いているが、この調味液7の中には梨を卸して得られたたくさんの石細胞20が含まれている。このことによって、らっきょう8を噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした食感が生まれるのであり、この食感は、卸す前の梨の実である時の食感であるつぶつぶしゃきしゃき感を継承したものなのである。なおこの実施形態では米酢を用いているが、米酢以外の酢を任意に用いることが可能である。
【0049】
第10実施形態
この実施形態はらっきょう漬けに用いる梨の冷凍卸し実の製造方法に係るものである。梨の実の皮を剥いて、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20を残すようにしつつ卸し(ステップS34)、この石細胞を含む卸し液を加熱して殺菌しつつ濃縮し(ステップS35)、これに米酢を加えてらっきょう漬け用の調味液を作って冷凍装置にて冷凍し(ステップS36)、更にこの冷凍調味液を粉砕機にてクラッシュアイスのように破砕して包装袋に入れて密封包装を行ない(ステップS37)、米酢と石細胞とを含む梨の濃縮冷凍卸し実を得る。これを図5を借りて説明すると、クラッシュアイス状の濃縮調味液の中にはたくさんのつぶつぶとした石細胞20が見られる。なおこのようにして得られたクラッシュアイス状の梨の冷凍卸し実と冷凍したらっきょうとをセットにして提供することが可能である(使用に際しては先ず両者共に解凍しておく)。
【0050】
この石細胞を含む梨の濃縮冷凍卸し実を用いる際には、先ず解凍してから、水を加えて濃縮還元を行うようにするのである。解凍に水を用いて濃縮還元まで行うことも可能である。この濃縮された冷凍卸し実は長期間に亘る保存が可能であり、所要時に解凍してらっきょう漬に使用することが出来る。またこの実施形態ではクラッシュアイスのように破砕されていることにより、解凍の際には短時間での解凍が可能になっている。なおこの実施形態では特に冷凍前に米酢を加えているが、これを加えることなく冷凍したプレーンな冷凍卸し実として、解凍してから米酢を加えるようにすることも可能である。なおクラッシュアイスに破砕する加工を施さずに例えばキューブ形状の冷凍調味液を成型するようにしても良いことなどは上述した通りである。かくして得られるらっきょう漬けであるから、らっきょうの周りに付着している梨の石細胞によって、つぶつぶしゃきしゃきとした食感を楽しむことが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0051】
この発明の内、梨の冷凍卸し実に関しては、これを家庭用の調味液として販売することが出来る。また漬物のためのみならず、例えば和食や洋食や中華などの料理や菓子やドリンク等に用いるソース材料として提供することが出来る。なおこの新しいソースを用いた料理や菓子やドリンク等を冷凍して、冷凍食品として提供することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 漬物容器 10 重石 2 調味液 20 石細胞
21 冷凍卸し実 3 野菜 4 包装袋 5 包装袋
6 調味液 7 調味液 8 らっきょう
【技術分野】
【0001】
この発明は調味液に梨の卸し液を用いた漬物に係り、更に詳しくは卸し液に梨の石細胞を含ませたものを用いて野菜や獣肉や魚肉を漬け込み、この漬物に石細胞を付着させた状態で提供することを特徴とするものに関する。なお梨の石細胞を含むソースにも関連している。
【背景技術】
【0002】
これまで野菜の漬物には糠漬や浅漬やピクルスがあった。しかしながらライト指向の今日にあっては、サラダ風の漬物としての浅漬やピクルスが特に人気が高い。また大根などの辛味のある漬物は敬遠され勝ちであるため、特開2004−173612のような辛味を除去または軽減した大根浅漬の製造方法が提案されている。このものは大根をクエン酸やリンゴ酸などの可食性酸を含む調味液に下漬けする工程を経る製造方法である。また漬物をフルーティーで円やかなものとするために、調味液にリンゴジュースやカボスジュースを入れて漬けたものもある。
【0003】
また獣肉を用いた鉄板焼きなどに於いて、予め獣肉を焼き肉のタレに漬け込むことが行われているが、このタレにリンゴ果汁などを入れて美味しさを向上させたものがある。獣肉を生で食する場合にも各種のタレが用いられる。また魚肉の場合にも同様のものが存在する。
【0004】
なおこのようなタレの用途を広げて、洋食・中華・和食・エスニック料理等々に用いるソースとしたり、野菜サラダに用いるソース(ドレッシングを含む)とするなどの試みが為されているが、その何れにもフルーティーさを加えるためにリンゴ果汁などを混入することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−173612
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
確かにリンゴジュースを含む調味液のようなものであれば、フルーティーで円やかな野菜の漬物を提供することは出来る。しかしながら確かに味はリンゴなのであるが、リンゴをそのまま食した時のシャリシャリする食感は完全に失われたものとなっている。
【0007】
また焼肉用や生食用のタレに付いても同様であり、加えられているフルーツの味はするものの、フルーツをそのまま食した時の独特の食感は失われてしまっている。このような問題は魚肉を食する場合にも起こることである。
【0008】
また上述したソースやドレッシングに関しても、確かに加えられたフルーツの味がしてフルーティーさは感じられるものの、そのフルーツに独特の食感を得ることは出来ないでいる。
【0009】
そこでこの発明は、上述したような問題を解決して、フルーティーで円やかであると共に、「フルーツが実である時の食感を活かすこと」が出来るようなこれまでにない全く新しい野菜の漬物を提供することを課題とする。また獣肉に付いてもこのような考えを適用したい。また同様に魚肉に付いてもこのような考えを適用したい。更にフルーティーで円やかであると共に、「フルーツが実である時の食感を活かすこと」が出来るような、これまでにない全く新しいソースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題の解決のために当発明者は、フルーツを調味液やソースに用いるにはフルーツの実を卸す必要があるが、どのようなフルーツを用いれば、またどのようにして用いれば、実である時の食感を活かすことが出来るかに付いて鋭意研究を行った。この結果、石細胞と言うものを果肉に有する梨を特定することに成功した。
【0011】
すなわち上記課題は、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液に具材を漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で提供する、梨の石細胞を含む漬物の製造方法とすることにより達成される。またこの製造方法による、梨の石細胞を含む漬物とした。梨は丸ごと卸しても良いが、石細胞の特徴を際だたせるためには剥き実とするのが好ましい。また石細胞を残すようにとは、梨を卸した液につぶつぶした状態が残るように卸すことを言う。また卸すとは、卸金や金網ですったり、細かく刻んで潰したりすることを言う。またこれ以外の方法を用いても良い。
【0012】
漬物の具材には野菜を用いることが出来る。長芋、人参、大根、胡瓜、茄子など、多くの野菜を使用することが出来る。またこの調味液には、塩、昆布、鷹の爪、酢、化学調味料などを必要に応じて追加することが出来る。後述の酢を加えた場合では、浅漬と言うよりはむしろ和風のピクルスとなる。ピクルスでは更にワインや砂糖を加えるようにしても良い。
【0013】
この調味液としての卸し液には石細胞が含まれており、これにより作った野菜の浅漬はその表面に石細胞を纒った独特の漬物となっている。この漬物は表面の石細胞を洗い流さないようにして食する。そして食した際には、梨独特の石細胞が表面に付着していることによって、つぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感がまるごとの実ほどではないにしても十分に得られるのである。逆に言えばつぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感があるにも拘らず漬物になっていると言うギャップに驚きがある。このようなつぶつぶしゃきしゃきとしたフルーティーな食感は他のフルーツを用いた場合では決して得られない貴重なものであり、梨のまるごとの実である時の食感をそのまま野菜の漬物に継承させることにこの発明は成功したのである。
【0014】
上記で漬物の具材には野菜を用いることが出来ることに言及した。さらに酢を加えることにも言及した。そこで次に具材としての野菜にらっきょうを用いることを説明する。らっきょうを石細胞を含む梨の卸し液に酢を加えて漬け込むのである。加える酢の分量の数値に限定はないが、好適な分量として石細胞を含む梨の卸し液80重量パーセントに対して酢20重量パーセントを上げる。
【0015】
従来よりらっきょうの甘酢漬けと言うものがあったが、このツーンとくる香りを嫌う人が多く存在する。従ってこのような人達にも食して貰うためにはどうしたら良いかはこの発明の別の課題でもある。そこで石細胞を含む梨の卸し液に酢を加えてらっきょうを漬け込むようにすると、ツーンとせずフルーティーにまとまった新規ならっきょう漬けと成る。このようにして、酢の健康に対する効果と梨の石細胞による効果との相乗効果を得ることが出来るのである。
【0016】
なお梨の石細胞を用いることが如何に特殊なことであるかは、石細胞の効能の他の側面を知ることによって更に確実なものとなる。すなわち梨の石細胞は腸内に於いてコレステロールに吸着して、腸にコレステロールの吸収をしにくくする作用がある。すなわち結果として血中コレステロール値を下げる働きがあるのである。従って肉料理などと共にこの発明の梨の石細胞を含む漬物を提供するのは好ましく、またこの意味で後述する獣肉や魚肉の漬物は理に適ったものであると言うことが出来る。
【0017】
また漬物の具材に獣肉を用いることが出来る。生食用には牛肉が一般的である。鶏肉や豚肉のように一度湯に潜らせたものを用いる場合がある。また焼いた肉を用いる場合もある。このようにして獣肉の漬物を得るが、このようなものはこれまでになかった珍しいものである。
【0018】
この調味液としての卸し液を用いることによって梨独特の石細胞を表面に纒った獣肉の漬物を得るが、このものは表面に付着した梨の石細胞を洗い流さないようにして食するものである。そして食した際には、梨独特の石細胞が表面に付着していることによって、つぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感がまるごとの実ほどではないにしても十分に得られるのである。このようなつぶつぶしゃきしゃきとしたフルーティーな食感は他のフルーツを用いた場合では得られない貴重なものであり、梨の実である時の食感をそのまま野菜の漬物に継承させることにこの発明は成功したのである。
【0019】
また漬物の具材に魚肉を用いることが出来る。生肉にも焼き物にも用いることが可能である。生肉の漬物では海鮮丼などへの用途がある。この魚肉の漬物の作用効果は獣肉の場合と同様のものであり、このような魚肉の漬物は新規で珍しいものである。
【0020】
ところで規格外の梨は廃棄処分されることが多い。旨さには何等問題はないのであるが、ただ規格外であると言うだけで処分されている。これは誠に勿体ないことであるが、この発明の石細胞を含む漬物の製造に活用することは十分可能であり、産業上の利益には計り知れないものがある。なおまた漬物の素材が野菜である場合に、これまでは規格外につき廃棄される運命にあったものを活かすことが可能となるなど本発明の影響は広範に及ぶ。
【0021】
次に請求項1に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法に於いて、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作り、この梨の冷凍卸し実を適時に解凍して卸し液に戻し、これを用いて野菜や獣肉や魚肉を漬け込むようにすることが出来る。なお冷凍に先立って卸し液を漉すなどして濃縮したものとしても良い。これは言わば石細胞を含む梨の「濃縮冷凍卸し実」であって解凍後に希釈して用いることになるが、卸し液が濃縮してあるのでアイスの重量を低減させることが出来ると言う効果がある。なお上記製造方法に於いて、石細胞を含む梨の卸し液に、これを冷凍する前にまたは解凍した後で、適量の酢を加えるようにすることが出来る。
【0022】
前記石細胞を含む梨の「冷凍卸し実」は、この発明で初めて提案されたものである。梨は季節ものであって長期保存することが出来ない。柿のように乾燥保存することにも、みかんのように冷凍保存することにも不向きな果実である。一見すると冷凍保存には可能性があるように思われるが、冷凍すると品質が劣化してしまうのが実のままの梨の実状である。従って梨は全くのところ季節ものなのである。しかしながら、梨の実を石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作っておけば、年間を通して漬物作りに利用することが可能になる。これにより梨のシーズンオフであってもこの発明の漬物を食することで梨を味わうことが出来る格別の効果を奏するのである。なお解凍時に解凍しやすいように、冷凍卸し実をクラッシュアイスのように破砕しておくようにしても良い。
【0023】
また漬物用の梨の冷凍卸し実は、これだけを単独で流通させることが可能であるため、各地でその土地土地の野菜や獣肉や魚肉を用いた漬物に利用することが可能となることは実に重要であり、産業上に与える影響にも極めて大きいものがある。
【0024】
なお、フルーツを調味液やソースに用いるにはフルーツの実を卸す必要があるが、この発明はどのようなフルーツを用いれば、またどのようにして用いれば、実である時の食感を活かすことが出来るかに付いての研究成果であり、石細胞と言うものを果肉に有する梨を特定することに成功し、これを用いて野菜や獣肉や魚肉の漬物を作っている。従って石細胞を有する調味液やソースが重要になる。この一例として、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液に卸し野菜の卸し液を混入して撹拌することによって、梨の石細胞を含むソースを得る製造方法を上げる。この野菜の卸し液が混入した、梨の石細胞を含むソースは、野菜や獣肉や魚肉の漬物などに用いる他にドレッシングとしての用途がある。またこれだけを単独で流通させることが可能である。なおこの卸し液を漉すなどして濃縮したものに野菜の卸し液を混入して撹拌したものを提供することが出来る。またこれを冷凍することが出来る。これにより希釈して用いると言う用途が可能となる。
【0025】
また一例として、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液にビネガーを混入して撹拌することによって、梨の石細胞を含むソースを得る製造方法を上げる。このビネガーが混入した、梨の石細胞を含むソースは、野菜や獣肉や魚肉の漬物などに用いられる他に、例えば鶏肉や小魚の空揚げ用の料理ソースとしての用途がある。また上記同様にこれだけを単独で流通させることが可能である。なおこの卸し液を漉すなどして濃縮したものに、ビネガーを混入して撹拌したものや、更にこれを冷凍したものを提供することが出来る。これにより希釈して用いると言う用途が可能となる。
【0026】
また一例として、ビネガーが混入した梨の石細胞を含むソースを、野菜としてのらっきょうの漬物などに用いる用途がある。ビネガーにはフルーツビネガーやワインビネガーなどがある。少し酸味が欲しいような場合にこの味付けのためにビネガーを用いるが、これによってフルーティーな全く新しいらっきょう漬けを得ることが出来る。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、梨の石細胞に着目することによって、つぶつぶしゃきしゃきとした食感のある、世界でも全く新しい味の漬物を提供することが出来るようになった。またこの発明の石細胞を含む梨の冷凍卸し実を用いることによって、年間を通して、且つ日本中、世界中にこの発明の漬物を提供することが可能となった。またこの発明の、野菜の卸し液に梨の石細胞を含むソースは、これまでにない食感のソースとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図2】同実施形態の製造状態を表わす説明図である。
【図3】同実施形態の漬物を表わす説明図である。
【図4】第2実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図5】同実施形態の冷凍卸し実を表わす説明図である。
【図6】第3実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図7】第4実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図8】第5実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図9】第6実施形態のソースを表わす説明図である。
【図10】同実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図11】第7実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図12】第8実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図13】第9実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図14】第10実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下この発明の10種の実施形態を図面を参照しつつ説明するが、この発明はこれ等の実施形態に限定されるものではない。
【0030】
第1実施形態
この実施形態は野菜の浅漬の製造方法に係るものである。梨の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS1)、これに塩、昆布、鷹の爪を加えて調味液2とし(ステップS2)、この石細胞20を含む調味液2を漬物容器1に入れて、これに刻んだ野菜3を漬けて重石10を載せ(ステップS3)、頃合を調べて漬物容器1より取り出して、水洗せずにそのまま密封包装する(ステップS4)。図2から明かとなるように、野菜3は調味液2に浸されているが、この調味液2の中には梨を卸して得られたたくさんの石細胞20が見られる。なお野菜を刻まずに漬物容器1に入れる実施例も可能である。塩分に付いては、梨の甘みをしっかりと残すのであれば塩分控えめとすることが好ましい。
【0031】
このようにして漬いた野菜3の周りには、図3で表したように調味液2が纒わり着いているが、調味液2には石細胞20がたっぷりと含まれている。このことによって漬いた野菜3を噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした食感が生まれるのであり、この食感は、卸す前の梨の実である時の食感であるつぶつぶしゃきしゃき感を継承したものなのである。
【0032】
第2実施形態
この実施形態は野菜のピクルス漬けに用いる梨の冷凍卸し実の製造方法に係るものである。梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20を残すようにしつつ卸し(ステップS5)、これに赤ワインと酢とを加えてピクルス用の調味液2を作り(ステップS6)、この調味液2を冷凍装置にて冷凍し(ステップS7)、この冷凍調味液を粉砕機にてクラッシュアイスのように破砕して、包装袋4に入れて密封包装を行ない(ステップS8)、石細胞20を含む梨の冷凍卸し実を得る。図5の円内には冷凍卸し実21が拡大されて描かれているが凍った調味液2の中にたくさんの石細胞20が見られる。
【0033】
この梨の冷凍卸し実は長期間に亘る保存が可能であり、必要な時に解凍して漬物に使用することが出来る。この実施形態ではクラッシュアイスのように破砕されているため、解凍の際には短時間での解凍が可能になっている。なおこの実施形態では野菜のピクルス漬けのために赤ワインと酢とを加えているが、これ等を加えることなく冷凍したプレーンな冷凍卸し実として、解凍してから追加の調味料を加えるようにすることも可能である。なおクラッシュアイスに破砕する加工を施さずに、例えばキューブ形状の冷凍調味液を成型するようにしても良いし、解凍に時間を掛けられるのであれば、或いは解凍時間を気にしないのであれば、全凍結のままの冷凍調味液を提供するようにしても良い。
【0034】
第3実施形態
この実施形態は梨のシーズンオフに野菜のピクルス漬けを作る方法に係るものである。予め用意しておいた第2実施形態の、野菜のピクルス漬けに用いる梨の冷凍卸し実を解凍して(ステップS9)、これに胡瓜などの野菜を刻んで漬け込み(ステップS10)、所要時間だけ寝かせてから取り出し水洗せずにそのまま密封包装する(ステップS11)。
【0035】
解凍した梨の冷凍卸し実には石細胞20が含まれているため、このピクルス漬けを食すると、ピクルス漬けの周りに付着している梨の石細胞20によってつぶつぶしゃきしゃきとした感じを楽しむことが出来る。
【0036】
第4実施形態
この実施形態は牛肉の漬物の製造方法に係るものである。梨の皮を剥きこれを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞を残すようにして卸し(ステップS12)、これを真空パックの袋に入れて、塩、酢、昆布、鷹の爪、化学調味料と言った調味料を加えて(ステップS13)、この袋に薄切りにした牛肉を漬け込み真空パックを行ない(ステップS14)、この袋を冷凍庫内に入れて冷凍する(ステップS15)。
【0037】
この牛肉の漬物は水洗いせずにそのまま食するものであるが、上述した第1実施形態の図3を借りて説明すれば(野菜3を牛肉に置き換える)、漬いた牛肉の周りには調味液2が纒わり着いており、この調味液2に石細胞20がたっぷりと含まれるものである。このことによって漬いた牛肉を噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした、梨の実である時の食感を継承した食感が生まれるのである。
【0038】
第5実施形態
この実施形態は、魚肉としての鮭身を用いた漬物の製造方法に関するものである。梨の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶとした石細胞を残すようにして卸し(ステップS16)、これをファスナー付きの袋に入れて塩、酢、化学調味料と言った調味料を加え(ステップS17)、この袋の中に薄切りにした鮭身の複数枚を、これ等の間間に昆布と輪切りにした鷹の爪とを挟み込むようにしたものを漬け込んで、袋の口をファスナーで密閉し(ステップS18)、この袋を冷蔵庫に入れて冷蔵する(ステップS19)。
【0039】
上述した第1実施形態の図3を借りて説明すれば、野菜3を鮭身に置き換えるのであるが、この生鮭の漬物は、鮭身の周りにたっぷりと付着している梨の石細胞20によってつぶつぶしゃきしゃきとした、梨が実であった時の食感を楽しむことが出来るのである。つぶつぶとした食感はざらざらした感じとも取れるが、梨の実の場合にはこれが梨独特の舌や歯に心地良いものとなっている。なおこのためにはこの鮭身の漬物は水洗いせずにそのまま食するようにする。
【0040】
第6実施形態
この発明は、調味液に梨の卸し液を用いた漬物に係り、更に詳しくは卸し液に梨の石細胞を含ませたものを用いて野菜や獣肉や魚肉を漬け込み、この漬物に石細胞を付着させた状態で提供することを特徴としており、この実施形態では漬物用のソースを製造するための製造方法を解説する。
【0041】
梨の皮を剥きこの芯を取ったものを卸し機に掛けて、つぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS20)、これに別途作った各種野菜の卸したものを混入して混ぜ合わせ(ステップS21)、こうして得られたソース(ドレッシング)を真空パックにて包装袋5にパック詰めする(ステップS22)。
【0042】
図9から明かとなるように、卸し野菜と梨のジュースとから成る調味液6には多くの石細胞20を見ることが出来る。使用時には包装袋5を開封して調味液6を取り出す。なおこの実施形態の漬物用ソースは包装袋5のまま流通させることが出来るものである。
【0043】
第7実施形態
この実施形態のソースは、上述した図9を借りて説明すれば、各種野菜の卸したものを含む調味液6の代わりに、ビネガーを含むものである。梨の皮を剥き、この芯を取ったものを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS23)、これにビネガーを加えて混ぜ合わせ(ステップS24)、こうして得られたソースを真空パックにて包装袋5にパック詰めする(ステップS24)。
【0044】
このようにして得られた調味液には、噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした食感を生む梨の石細胞がたっぷりと含まれている。この食感は梨の実である時の食感であるつぶつぶしゃきしゃき感を正に継承したものである。この実施形態のソースは野菜用、獣肉用、魚肉用として広範に用いられる。また包装袋5のまま流通させることが可能である。
【0045】
第8実施形態
この実施形態は野菜や獣肉や魚肉などの漬物に用いられる、梨の濃縮冷凍卸し実の製造方法に係るものである。梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞を残すようにしつつ卸し(ステップS26)、この石細胞を含む卸し液を膜濃縮により濃縮し(ステップS27)、このようにして得られた調味液を冷凍装置にて冷凍し(ステップS28)、更にこの冷凍調味液を粉砕機にてクラッシュアイスのように破砕して包装袋に入れて密封包装を行ない(ステップS29)、石細胞を含む梨の濃縮冷凍卸し実を得る。これを図5を借りて説明すると、クラッシュアイス状の濃縮調味液の中にたくさんのつぶつぶとした石細胞20が見られるのである。
【0046】
石細胞を含む卸し液を濃縮する方法には、真空濃縮法や凍結濃縮法などがあるが、ステップS27では膜濃縮法によっている。この石細胞を含む梨の濃縮冷凍卸し実を用いる際には、先ず解凍してから、水を加えて濃縮還元を行うようにするのである。解凍に水を用いて濃縮還元まで行うことも可能である。この濃縮された冷凍卸し実は長期間に亘る保存が可能であり、所要時に解凍して漬物に使用することが出来る。なお卸し液の濃縮は、卸し液の品質レベルの一定化を実現したり、アイスの重量を低減させることに寄与する。
【0047】
第9実施形態
この実施形態はフルーツ感覚あるいはサラダ感覚で食することが出来る新しいらっきょう漬けの製造方法に関するものである。梨の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS30)、この卸し実80重量パーセントに対して20重量パーセントの米酢を加えて調味液7とし(ステップS31)、この石細胞20を含む調味液7の中にらっきょう8を漬け(ステップS32)、頃合を調べそのまま袋詰めや瓶詰めや缶詰として密封包装する(ステップS33)。
【0048】
らっきょう8の周りには、図13のステップS32の右横に説明図として図示した通り、調味液7がまとわり付いているが、この調味液7の中には梨を卸して得られたたくさんの石細胞20が含まれている。このことによって、らっきょう8を噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした食感が生まれるのであり、この食感は、卸す前の梨の実である時の食感であるつぶつぶしゃきしゃき感を継承したものなのである。なおこの実施形態では米酢を用いているが、米酢以外の酢を任意に用いることが可能である。
【0049】
第10実施形態
この実施形態はらっきょう漬けに用いる梨の冷凍卸し実の製造方法に係るものである。梨の実の皮を剥いて、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20を残すようにしつつ卸し(ステップS34)、この石細胞を含む卸し液を加熱して殺菌しつつ濃縮し(ステップS35)、これに米酢を加えてらっきょう漬け用の調味液を作って冷凍装置にて冷凍し(ステップS36)、更にこの冷凍調味液を粉砕機にてクラッシュアイスのように破砕して包装袋に入れて密封包装を行ない(ステップS37)、米酢と石細胞とを含む梨の濃縮冷凍卸し実を得る。これを図5を借りて説明すると、クラッシュアイス状の濃縮調味液の中にはたくさんのつぶつぶとした石細胞20が見られる。なおこのようにして得られたクラッシュアイス状の梨の冷凍卸し実と冷凍したらっきょうとをセットにして提供することが可能である(使用に際しては先ず両者共に解凍しておく)。
【0050】
この石細胞を含む梨の濃縮冷凍卸し実を用いる際には、先ず解凍してから、水を加えて濃縮還元を行うようにするのである。解凍に水を用いて濃縮還元まで行うことも可能である。この濃縮された冷凍卸し実は長期間に亘る保存が可能であり、所要時に解凍してらっきょう漬に使用することが出来る。またこの実施形態ではクラッシュアイスのように破砕されていることにより、解凍の際には短時間での解凍が可能になっている。なおこの実施形態では特に冷凍前に米酢を加えているが、これを加えることなく冷凍したプレーンな冷凍卸し実として、解凍してから米酢を加えるようにすることも可能である。なおクラッシュアイスに破砕する加工を施さずに例えばキューブ形状の冷凍調味液を成型するようにしても良いことなどは上述した通りである。かくして得られるらっきょう漬けであるから、らっきょうの周りに付着している梨の石細胞によって、つぶつぶしゃきしゃきとした食感を楽しむことが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0051】
この発明の内、梨の冷凍卸し実に関しては、これを家庭用の調味液として販売することが出来る。また漬物のためのみならず、例えば和食や洋食や中華などの料理や菓子やドリンク等に用いるソース材料として提供することが出来る。なおこの新しいソースを用いた料理や菓子やドリンク等を冷凍して、冷凍食品として提供することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 漬物容器 10 重石 2 調味液 20 石細胞
21 冷凍卸し実 3 野菜 4 包装袋 5 包装袋
6 調味液 7 調味液 8 らっきょう
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液に具材を漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で提供する、梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項2】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作り、この梨の冷凍卸し実を適時に解凍して卸し液に戻し、これを用いて具材を漬け込む、請求項1に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項3】
さらに酢を加える、請求項1または請求項2に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項4】
前記具材に野菜を用いる、請求項1または請求項2または請求項3に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項5】
前記具材としての野菜にらっきょうを用いる、請求項4に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項6】
前記具材に獣肉を用いる、請求項1または請求項2または請求項3に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項7】
前記具材に魚肉を用いる、請求項1または請求項2または請求項3に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項8】
請求項1または請求項2または請求項3の製造方法により、具材に野菜を用いて製造された、梨の石細胞を含む漬物。
【請求項9】
請求項5の製造方法により、具材としての野菜にらっきょうを用いて製造された、梨の石細胞を含む漬物。
【請求項10】
請求項1または請求項2または請求項3の製造方法により、具材に獣肉を用いて製造された、梨の石細胞を含む漬物。
【請求項11】
請求項1または請求項2または請求項3の製造方法により、具材に魚肉を用いて製造された、梨の石細胞を含む漬物。
【請求項12】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を冷凍する、漬物用の梨の冷凍卸し実の製造方法。
【請求項13】
冷凍に先立ってさらに酢を加える、請求項12に記載の漬物用の梨の冷凍卸し実の製造方法。
【請求項14】
前記卸し液を濃縮した後に冷凍する、請求項12または請求項13に記載の漬物用の梨の冷凍卸し実の製造方法。
【請求項15】
請求項12または請求項13または請求項14の製造方法により製造された、漬物用の梨の冷凍卸し実。
【請求項1】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液に具材を漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で提供する、梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項2】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作り、この梨の冷凍卸し実を適時に解凍して卸し液に戻し、これを用いて具材を漬け込む、請求項1に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項3】
さらに酢を加える、請求項1または請求項2に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項4】
前記具材に野菜を用いる、請求項1または請求項2または請求項3に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項5】
前記具材としての野菜にらっきょうを用いる、請求項4に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項6】
前記具材に獣肉を用いる、請求項1または請求項2または請求項3に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項7】
前記具材に魚肉を用いる、請求項1または請求項2または請求項3に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項8】
請求項1または請求項2または請求項3の製造方法により、具材に野菜を用いて製造された、梨の石細胞を含む漬物。
【請求項9】
請求項5の製造方法により、具材としての野菜にらっきょうを用いて製造された、梨の石細胞を含む漬物。
【請求項10】
請求項1または請求項2または請求項3の製造方法により、具材に獣肉を用いて製造された、梨の石細胞を含む漬物。
【請求項11】
請求項1または請求項2または請求項3の製造方法により、具材に魚肉を用いて製造された、梨の石細胞を含む漬物。
【請求項12】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を冷凍する、漬物用の梨の冷凍卸し実の製造方法。
【請求項13】
冷凍に先立ってさらに酢を加える、請求項12に記載の漬物用の梨の冷凍卸し実の製造方法。
【請求項14】
前記卸し液を濃縮した後に冷凍する、請求項12または請求項13に記載の漬物用の梨の冷凍卸し実の製造方法。
【請求項15】
請求項12または請求項13または請求項14の製造方法により製造された、漬物用の梨の冷凍卸し実。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−182775(P2011−182775A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259480(P2010−259480)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(594168115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(594168115)
【Fターム(参考)】
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