梱包体
【課題】シートが汚れるのを防止しつつシート巻回体を容易に出し入れすることができる梱包体を提供する。
【解決手段】円管状の紙管及び塩ビ管にセパレータが巻回されて塩ビ管の両端部がセパレータから突出しているセパレータ巻回体を収納する梱包体11であって、セパレータ巻回体が収納される容器12と、容器12の両端部に設置される枕部材14と、を有し、枕部材14は、上方に開口が形成されて前記塩ビ管が載置支持される載置部を有する。
【解決手段】円管状の紙管及び塩ビ管にセパレータが巻回されて塩ビ管の両端部がセパレータから突出しているセパレータ巻回体を収納する梱包体11であって、セパレータ巻回体が収納される容器12と、容器12の両端部に設置される枕部材14と、を有し、枕部材14は、上方に開口が形成されて前記塩ビ管が載置支持される載置部を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円管状の支持管にシート状物が巻回されたシート巻回体を収納する梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、リチウムイオン電池用のセパレータは、円管状の紙管に巻回されたセパレータ巻回体として構成されており、このセパレータ巻回体を搬送する際は、セパレータが汚れないようにセパレータ巻回体を梱包体に収納している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−189379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、セパレータが汚れるのを防止しつつ、梱包体からセパレータ巻回体を容易に出し入れしたいとの要望が高く、依然、この点において改善の余地があった。
【0005】
そこで、本発明は、シートが汚れるのを防止しつつシート巻回体を容易に出し入れすることができる梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る梱包体は、円管状の支持管にシート状物が巻回されて支持管の両端部がシート状物から突出しているシート巻回体を収納する梱包体であって、シート巻回体が収納される容器と、容器の両端部に設置される枕部材と、を有し、枕部材は、上方に開口が形成されて支持管が載置支持される載置部を有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る梱包体によれば、枕部材に巻回体を支持させることで、シート状物が容器に触れて汚れるのを防止しつつ、巻回体を容易に出し入れすることができる。
【0008】
この場合、枕部材は、上方に開口されて支持管の端面に係止される係止部を更に有することが好ましい。これによりシート状物の収納を阻害することなく巻回体の軸線方向への移動を規制することができる。
【0009】
また、載置部の開口は、上方に向けて拡径されていることが好ましい。これにより、巻回体を容易に載置部に載置させることができる。
【0010】
また、載置部の開口に挿入されて載置部に載置された支持管の移動を規制する移動規制部材を更に有することが好ましい。これにより、巻回体の上下方向への移動を規制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シートが汚れるのを防止しつつシート巻回体を容易に出し入れすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】セパレータ巻回体の構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る梱包体の分解斜視図である。
【図3】蓋を取り外した状態の梱包体を示す平面図である。
【図4】図2に示す梱包体の部分拡大斜視図である。
【図5】図2に示す梱包体の断面図である。
【図6】容器にセパレータ巻回体を収納した状態を示す平面図である。
【図7】図6に示すVII−VII線における断面図である。
【図8】図6の状態を示す斜視図である。
【図9】載置部に枕部材用蓋を取り付ける状態を示す断面図である。
【図10】セパレータ巻回体が収納された容器に枕部材用蓋を取り付けた状態を示す平面図である。
【図11】図10の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る梱包体の好適な実施形態について詳細に説明する。本実施形態は、本発明に係る梱包体を、リチウムイオン電池用のセパレータが巻回されたセパレータ巻回体を収納する梱包体に適用したものである。なお、以下の説明では、梱包体の縦方向をX方向、梱包体の幅方向をY方向、梱包体の高さ方向をZ方向という。また、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0014】
まず、本実施形態に係る梱包体を説明する前に、梱包体に収納されるセパレータ巻回体について説明する。
【0015】
図1は、セパレータ巻回体の構成を示す斜視図である。図1に示すように、セパレータ巻回体1は、円管状に形成された第一の管2と、第一の管2の外周面に巻回されたリチウムイオン電池用のセパレータ3と、第一の管2の内側に嵌め込まれて円管状に形成された第二の管4と、を備えており、セパレータ3の軸線方向両端から紙管2が突出するとともに、第一の管2の軸線方向両端から第二の管4が突出している。そして、セパレータ3の周りには、防汚用のエアパックが巻かれている。なお、本実施形態では、第一の管2及び第二の管4は、それぞれ紙及び塩化ビニルで形成されたもの(以下、それぞれ「紙管2」、「塩ビ管4」ともいう。)として説明するが、その素材は特に限定されるものではない。これらの素材としては、例えば、紙、プラスチック、金属が挙げられる。第一の管2を形成する素材としては、金属が混入する可能性の低い紙またはプラスチックが好ましい。このようなプラスチックとしては、FRP、ベークライト(フェノ−ル樹脂)等が挙げられる。また、第二の管4を形成する素材としては、繰り返し使用する際の耐久性からプラスチックが好ましい。このようなプラスチックとしては、塩化ビニル、ポリエチレンが挙げられ、規格品が入手容易なことから塩化ビニルが更に好ましい。また、本実施形態では、紙管2の内側に塩ビ管4が挿入された二重管構造であるものとして説明するが、紙管2のみの一重管構造であるものとしてもよい。また、図面では、第1の管2の内径と第2の管4の外径とが一致するように図示しているが、これらの径は必ずしも一致する必要はない。
【0016】
図2は、実施形態に係る梱包体の分解斜視図である。図2に示すように、本実施形態に係る梱包体11は、上方が開口された箱型に形成された容器12と、容器12の開口を塞ぐ蓋13と、容器12内に設置されて容器12の両端部に配置される一対の枕部材14と、各枕部材14に取り付けられる枕部材用蓋15と、を備えている。枕部材14および枕部材用蓋15としては、輸送時の振動からセパレータ巻回体1を守る緩衝性能、および積み重ねた際上部の荷重を支える強度の観点から、紙又はプラスチックの成型物を用いることが好ましい。これらの中でも、軽量で細部の加工が精密にできるプラスチック発泡体またはプラスチックダンボールの成型物が好ましく用いられる。プラスチック発泡体としては、高い圧縮強度を有するポリエチレン、ポリプロピレンの発泡ビーズ成型物が更に好ましい。これらの発泡体は圧縮強度が0.05〜0.5MPaであることが好ましく、0.1〜0.3MPaであることがさらに好ましい。
【0017】
容器12は、セパレータ巻回体1の軸線方向がX方向に配置されるように、セパレータ巻回体1を収納するものであり、X方向に長い直方体に形成されている。この容器12は、X方向両端部において対向配置される一対の短側壁12aと、Y方向両端部において対向配置されて一対の短側壁12aと接続される一対の長側壁12bと、一対の短側壁12a及び一対の長側壁12bに接続される底壁12cと、を備えている。そして、セパレータ3が一対の長側壁12b、底壁12c及び蓋13に接触しないように、容器12の内寸法が、セパレータ巻回体1の外寸法よりも大きくなっている。容器12を形成する素材としては、軽量、高強度、成形性の観点から紙製のダンボール、プラスチック製のダンボールが好ましく用いられる。特に、繰り返し使用時の耐久性からプラスチックダンボールが更に好ましい。
【0018】
図3は、蓋を取り外した状態の梱包体を示す平面図である。図4は、図2に示す梱包体の部分拡大斜視図である。図5は、図2に示す梱包体の断面図である。図2〜図5に示すように、枕部材14は、略同一断面でX方向に所定の厚みだけ延びており、Y方向における幅が、一対の長側壁12bの間隔とほぼ同じ寸法となっている。
【0019】
この枕部材14には、Y方向における中央部に、下方に向けて凹状に窪んだ略U字状断面の載置部21が形成されている。
【0020】
載置部21は、上方に開口されており、セパレータ巻回体1の塩ビ管4を宙吊り状態で載置支持する部材である。載置部21には、セパレータ巻回体1の塩ビ管4の外径と略同じ幅に形成された矩形凹部22と、矩形凹部22の上側に配置されて、上方に向けて拡径された傾斜凹部23と、が形成されている。矩形凹部22は、セパレータ巻回体1の塩ビ管4が載置される部位である。矩形凹部22は、塩ビ管4が載置された際に、セパレータ巻回体1のセパレータ3が容器12の一対の長側壁12b、底壁12c及び蓋13に接触しないように、X方向視において一対の短側壁12aの中央に配置されている。
【0021】
載置部21のX方向中央部には、ストッパー24が嵌め込まれている。ストッパー24は、セパレータ巻回体1のX方向への移動を規制する部材である。ストッパー24は、上方に開口した凹状に形成された薄板であり、載置部21にセパレータ巻回体1が載置された際に、塩ビ管4の中空内部を開口させつつ、塩ビ管4の端面を係止することができるように、載置部21の矩形凹部22及び傾斜凹部23から突出している。
【0022】
図2及び図5に示すように、枕部材用蓋15は、矩形凹部22を正方形の開口とするように載置部21を塞いで、セパレータ巻回体1のZ方向への移動を規制する部材である。枕部材用蓋15は、載置部21の傾斜凹部23と、蓋13と、に接触する形状となっている。枕部材用蓋15のX方向における厚みは、少なくとも、載置部21の内側端縁からストッパー24に至る寸法であればよく、例えば、載置部21と同じ厚みであってもよい。
【0023】
次に、梱包体11に対するセパレータ巻回体1の収納方法について説明する。
【0024】
図6は、容器にセパレータ巻回体を収納した状態を示す平面図である。図7は、図6に示すVII−VII線における断面図である。図8は、図6の状態を示す斜視図である。図6〜図8に示すように、まず、容器12から蓋13及び一対の枕部材用蓋15を取り外して、容器12の両端部に一対の枕部材14が設置された状態にし、セパレータ巻回体1を容器12に挿入して塩ビ管4の両端部を枕部材14の載置部21に挿入する。
【0025】
このとき、載置部21の傾斜凹部23が上方に向けて拡径された傾斜面となっていることから、載置部21の間口が広く、しかも、傾斜凹部23に挿入された塩ビ管4が矩形凹部22にガイドされるため、容易に、塩ビ管4を載置部21に挿入することができる。また、ストッパー24が上方に開口した凹状に形成されていることから、ストッパー24と短側壁12aとの間に作業者の手や搬送装置のアームを挿入しながら塩ビ管4を載置部21に挿入することができるため、容易に、塩ビ管4を載置部21に挿入することができる。
【0026】
そして、塩ビ管4が矩形凹部22まで挿入されると、塩ビ管4の側面が三方から矩形凹部22に当接されるとともに、塩ビ管4の両端縁がストッパー24に当接される。これにより、セパレータ巻回体1のY方向の移動が規制されるとともに、セパレータ巻回体1のX方向の移動が規制される。
【0027】
図9は、載置部に枕部材用蓋を取り付ける状態を示す断面図である。図10は、セパレータ巻回体が収納された容器に枕部材用蓋を取り付けた状態を示す平面図である。図11は、図10の状態を示す斜視図である。図9〜図11に示すように、セパレータ巻回体1が載置部21に載置されると、枕部材用蓋15を載置部21に取り付け、塩ビ管4に枕部材用蓋15を当接させる。そして、容器12に蓋13を被せることで、セパレータ巻回体1のZ方向の移動が規制される。
【0028】
以上説明したように、本実施形態に係る梱包体11によれば、枕部材14にセパレータ巻回体1の塩ビ管4を支持させることで、セパレータ3が容器12及び蓋13に触れて汚れるのを防止しつつ、セパレータ巻回体1を容易に出し入れすることができる。
【0029】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、セパレータが第1の管(紙管)及び第2の管(塩ビ管)に巻回されて当該塩ビ管が枕部材に載置支持されるものとして説明したが、セパレータが紙管のみに巻回されて当該紙管が枕部材に載置支持されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1…セパレータ巻回体(巻回体)、2…紙管、3…セパレータ(シート状物)、4…塩ビ管、11…梱包体、12…容器、12a…短側壁、12b…長側壁、12c…底壁、13…蓋、14…枕部材、15…枕部材用蓋(移動規制部材)、21…載置部、22…矩形凹部、23…傾斜凹部、24…ストッパー(係止部)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、円管状の支持管にシート状物が巻回されたシート巻回体を収納する梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、リチウムイオン電池用のセパレータは、円管状の紙管に巻回されたセパレータ巻回体として構成されており、このセパレータ巻回体を搬送する際は、セパレータが汚れないようにセパレータ巻回体を梱包体に収納している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−189379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、セパレータが汚れるのを防止しつつ、梱包体からセパレータ巻回体を容易に出し入れしたいとの要望が高く、依然、この点において改善の余地があった。
【0005】
そこで、本発明は、シートが汚れるのを防止しつつシート巻回体を容易に出し入れすることができる梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る梱包体は、円管状の支持管にシート状物が巻回されて支持管の両端部がシート状物から突出しているシート巻回体を収納する梱包体であって、シート巻回体が収納される容器と、容器の両端部に設置される枕部材と、を有し、枕部材は、上方に開口が形成されて支持管が載置支持される載置部を有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る梱包体によれば、枕部材に巻回体を支持させることで、シート状物が容器に触れて汚れるのを防止しつつ、巻回体を容易に出し入れすることができる。
【0008】
この場合、枕部材は、上方に開口されて支持管の端面に係止される係止部を更に有することが好ましい。これによりシート状物の収納を阻害することなく巻回体の軸線方向への移動を規制することができる。
【0009】
また、載置部の開口は、上方に向けて拡径されていることが好ましい。これにより、巻回体を容易に載置部に載置させることができる。
【0010】
また、載置部の開口に挿入されて載置部に載置された支持管の移動を規制する移動規制部材を更に有することが好ましい。これにより、巻回体の上下方向への移動を規制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シートが汚れるのを防止しつつシート巻回体を容易に出し入れすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】セパレータ巻回体の構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る梱包体の分解斜視図である。
【図3】蓋を取り外した状態の梱包体を示す平面図である。
【図4】図2に示す梱包体の部分拡大斜視図である。
【図5】図2に示す梱包体の断面図である。
【図6】容器にセパレータ巻回体を収納した状態を示す平面図である。
【図7】図6に示すVII−VII線における断面図である。
【図8】図6の状態を示す斜視図である。
【図9】載置部に枕部材用蓋を取り付ける状態を示す断面図である。
【図10】セパレータ巻回体が収納された容器に枕部材用蓋を取り付けた状態を示す平面図である。
【図11】図10の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る梱包体の好適な実施形態について詳細に説明する。本実施形態は、本発明に係る梱包体を、リチウムイオン電池用のセパレータが巻回されたセパレータ巻回体を収納する梱包体に適用したものである。なお、以下の説明では、梱包体の縦方向をX方向、梱包体の幅方向をY方向、梱包体の高さ方向をZ方向という。また、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0014】
まず、本実施形態に係る梱包体を説明する前に、梱包体に収納されるセパレータ巻回体について説明する。
【0015】
図1は、セパレータ巻回体の構成を示す斜視図である。図1に示すように、セパレータ巻回体1は、円管状に形成された第一の管2と、第一の管2の外周面に巻回されたリチウムイオン電池用のセパレータ3と、第一の管2の内側に嵌め込まれて円管状に形成された第二の管4と、を備えており、セパレータ3の軸線方向両端から紙管2が突出するとともに、第一の管2の軸線方向両端から第二の管4が突出している。そして、セパレータ3の周りには、防汚用のエアパックが巻かれている。なお、本実施形態では、第一の管2及び第二の管4は、それぞれ紙及び塩化ビニルで形成されたもの(以下、それぞれ「紙管2」、「塩ビ管4」ともいう。)として説明するが、その素材は特に限定されるものではない。これらの素材としては、例えば、紙、プラスチック、金属が挙げられる。第一の管2を形成する素材としては、金属が混入する可能性の低い紙またはプラスチックが好ましい。このようなプラスチックとしては、FRP、ベークライト(フェノ−ル樹脂)等が挙げられる。また、第二の管4を形成する素材としては、繰り返し使用する際の耐久性からプラスチックが好ましい。このようなプラスチックとしては、塩化ビニル、ポリエチレンが挙げられ、規格品が入手容易なことから塩化ビニルが更に好ましい。また、本実施形態では、紙管2の内側に塩ビ管4が挿入された二重管構造であるものとして説明するが、紙管2のみの一重管構造であるものとしてもよい。また、図面では、第1の管2の内径と第2の管4の外径とが一致するように図示しているが、これらの径は必ずしも一致する必要はない。
【0016】
図2は、実施形態に係る梱包体の分解斜視図である。図2に示すように、本実施形態に係る梱包体11は、上方が開口された箱型に形成された容器12と、容器12の開口を塞ぐ蓋13と、容器12内に設置されて容器12の両端部に配置される一対の枕部材14と、各枕部材14に取り付けられる枕部材用蓋15と、を備えている。枕部材14および枕部材用蓋15としては、輸送時の振動からセパレータ巻回体1を守る緩衝性能、および積み重ねた際上部の荷重を支える強度の観点から、紙又はプラスチックの成型物を用いることが好ましい。これらの中でも、軽量で細部の加工が精密にできるプラスチック発泡体またはプラスチックダンボールの成型物が好ましく用いられる。プラスチック発泡体としては、高い圧縮強度を有するポリエチレン、ポリプロピレンの発泡ビーズ成型物が更に好ましい。これらの発泡体は圧縮強度が0.05〜0.5MPaであることが好ましく、0.1〜0.3MPaであることがさらに好ましい。
【0017】
容器12は、セパレータ巻回体1の軸線方向がX方向に配置されるように、セパレータ巻回体1を収納するものであり、X方向に長い直方体に形成されている。この容器12は、X方向両端部において対向配置される一対の短側壁12aと、Y方向両端部において対向配置されて一対の短側壁12aと接続される一対の長側壁12bと、一対の短側壁12a及び一対の長側壁12bに接続される底壁12cと、を備えている。そして、セパレータ3が一対の長側壁12b、底壁12c及び蓋13に接触しないように、容器12の内寸法が、セパレータ巻回体1の外寸法よりも大きくなっている。容器12を形成する素材としては、軽量、高強度、成形性の観点から紙製のダンボール、プラスチック製のダンボールが好ましく用いられる。特に、繰り返し使用時の耐久性からプラスチックダンボールが更に好ましい。
【0018】
図3は、蓋を取り外した状態の梱包体を示す平面図である。図4は、図2に示す梱包体の部分拡大斜視図である。図5は、図2に示す梱包体の断面図である。図2〜図5に示すように、枕部材14は、略同一断面でX方向に所定の厚みだけ延びており、Y方向における幅が、一対の長側壁12bの間隔とほぼ同じ寸法となっている。
【0019】
この枕部材14には、Y方向における中央部に、下方に向けて凹状に窪んだ略U字状断面の載置部21が形成されている。
【0020】
載置部21は、上方に開口されており、セパレータ巻回体1の塩ビ管4を宙吊り状態で載置支持する部材である。載置部21には、セパレータ巻回体1の塩ビ管4の外径と略同じ幅に形成された矩形凹部22と、矩形凹部22の上側に配置されて、上方に向けて拡径された傾斜凹部23と、が形成されている。矩形凹部22は、セパレータ巻回体1の塩ビ管4が載置される部位である。矩形凹部22は、塩ビ管4が載置された際に、セパレータ巻回体1のセパレータ3が容器12の一対の長側壁12b、底壁12c及び蓋13に接触しないように、X方向視において一対の短側壁12aの中央に配置されている。
【0021】
載置部21のX方向中央部には、ストッパー24が嵌め込まれている。ストッパー24は、セパレータ巻回体1のX方向への移動を規制する部材である。ストッパー24は、上方に開口した凹状に形成された薄板であり、載置部21にセパレータ巻回体1が載置された際に、塩ビ管4の中空内部を開口させつつ、塩ビ管4の端面を係止することができるように、載置部21の矩形凹部22及び傾斜凹部23から突出している。
【0022】
図2及び図5に示すように、枕部材用蓋15は、矩形凹部22を正方形の開口とするように載置部21を塞いで、セパレータ巻回体1のZ方向への移動を規制する部材である。枕部材用蓋15は、載置部21の傾斜凹部23と、蓋13と、に接触する形状となっている。枕部材用蓋15のX方向における厚みは、少なくとも、載置部21の内側端縁からストッパー24に至る寸法であればよく、例えば、載置部21と同じ厚みであってもよい。
【0023】
次に、梱包体11に対するセパレータ巻回体1の収納方法について説明する。
【0024】
図6は、容器にセパレータ巻回体を収納した状態を示す平面図である。図7は、図6に示すVII−VII線における断面図である。図8は、図6の状態を示す斜視図である。図6〜図8に示すように、まず、容器12から蓋13及び一対の枕部材用蓋15を取り外して、容器12の両端部に一対の枕部材14が設置された状態にし、セパレータ巻回体1を容器12に挿入して塩ビ管4の両端部を枕部材14の載置部21に挿入する。
【0025】
このとき、載置部21の傾斜凹部23が上方に向けて拡径された傾斜面となっていることから、載置部21の間口が広く、しかも、傾斜凹部23に挿入された塩ビ管4が矩形凹部22にガイドされるため、容易に、塩ビ管4を載置部21に挿入することができる。また、ストッパー24が上方に開口した凹状に形成されていることから、ストッパー24と短側壁12aとの間に作業者の手や搬送装置のアームを挿入しながら塩ビ管4を載置部21に挿入することができるため、容易に、塩ビ管4を載置部21に挿入することができる。
【0026】
そして、塩ビ管4が矩形凹部22まで挿入されると、塩ビ管4の側面が三方から矩形凹部22に当接されるとともに、塩ビ管4の両端縁がストッパー24に当接される。これにより、セパレータ巻回体1のY方向の移動が規制されるとともに、セパレータ巻回体1のX方向の移動が規制される。
【0027】
図9は、載置部に枕部材用蓋を取り付ける状態を示す断面図である。図10は、セパレータ巻回体が収納された容器に枕部材用蓋を取り付けた状態を示す平面図である。図11は、図10の状態を示す斜視図である。図9〜図11に示すように、セパレータ巻回体1が載置部21に載置されると、枕部材用蓋15を載置部21に取り付け、塩ビ管4に枕部材用蓋15を当接させる。そして、容器12に蓋13を被せることで、セパレータ巻回体1のZ方向の移動が規制される。
【0028】
以上説明したように、本実施形態に係る梱包体11によれば、枕部材14にセパレータ巻回体1の塩ビ管4を支持させることで、セパレータ3が容器12及び蓋13に触れて汚れるのを防止しつつ、セパレータ巻回体1を容易に出し入れすることができる。
【0029】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、セパレータが第1の管(紙管)及び第2の管(塩ビ管)に巻回されて当該塩ビ管が枕部材に載置支持されるものとして説明したが、セパレータが紙管のみに巻回されて当該紙管が枕部材に載置支持されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1…セパレータ巻回体(巻回体)、2…紙管、3…セパレータ(シート状物)、4…塩ビ管、11…梱包体、12…容器、12a…短側壁、12b…長側壁、12c…底壁、13…蓋、14…枕部材、15…枕部材用蓋(移動規制部材)、21…載置部、22…矩形凹部、23…傾斜凹部、24…ストッパー(係止部)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円管状の支持管にシート状物が巻回されて前記支持管の両端部が前記シート状物から突出しているシート巻回体を収納する梱包体であって、
前記シート巻回体が収納される容器と、
前記容器の両端部に設置される枕部材と、
を有し、
前記枕部材は、上方に開口が形成されて前記支持管が載置支持される載置部を有することを特徴とする梱包体。
【請求項2】
前記枕部材は、上方に開口されて前記支持管の端面に係止される係止部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の梱包体。
【請求項3】
前記載置部の前記開口は、上方に向けて拡径されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の梱包体。
【請求項4】
前記載置部の前記開口に挿入されて前記載置部に載置された前記支持管の移動を規制する移動規制部材を更に有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の梱包体。
【請求項1】
円管状の支持管にシート状物が巻回されて前記支持管の両端部が前記シート状物から突出しているシート巻回体を収納する梱包体であって、
前記シート巻回体が収納される容器と、
前記容器の両端部に設置される枕部材と、
を有し、
前記枕部材は、上方に開口が形成されて前記支持管が載置支持される載置部を有することを特徴とする梱包体。
【請求項2】
前記枕部材は、上方に開口されて前記支持管の端面に係止される係止部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の梱包体。
【請求項3】
前記載置部の前記開口は、上方に向けて拡径されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の梱包体。
【請求項4】
前記載置部の前記開口に挿入されて前記載置部に載置された前記支持管の移動を規制する移動規制部材を更に有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の梱包体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−75722(P2013−75722A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2012−60580(P2012−60580)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−60580(P2012−60580)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]