説明

梱包容器

【課題】外装容器を小型化すること。
【解決手段】内部に被梱包体4が収容可能な収容空間3が形成され、被梱包体4が通過可能な通過口3aを有する箱状の外装容器2と、被梱包体4を収容可能な袋部7と、袋部7に形成され且つ被梱包体4が通過可能な開口部8と、利用者が把持可能な取手部9と、を有し、被梱包体4を収容した状態で外装容器2内に収容される収容袋6と、を備えた梱包容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包容器に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の画像形成装置やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置のような精密機器を、梱包する技術に関して、以下の特許文献1記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開2009−35269号公報には、画像記録装置(1)を、袋状の保護シート(7)で被覆してから、梱包用緩衝体(3,4)で両側から挟み込み、梱包箱(2)に収容する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−35269号公報(「0024」、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、外装容器を小型化することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の梱包容器は、
内部に被梱包体が収容可能な収容空間が形成され、前記被梱包体が通過可能な通過口を有する箱状の外装容器と、
前記被梱包体を収容可能な袋部と、前記袋部に形成され且つ前記被梱包体が通過可能な開口部と、利用者が把持可能な取手部と、を有し、前記被梱包体を収容した状態で前記外装容器内に収容される収容袋と、
を備え、
前記取手部は、帯の両端が前記開口部の縁の離れた2つの位置で前記袋部に接続された環状の構成を複数有すると共に、
前記取手部は、前記被梱包体が収容された前記収容袋が前記外装容器内に収容され、且つ、前記取手部を前記通過口を通過する方向に延ばした場合に、前記被梱包体の通過口側の面よりも前記通過口側に突出する長さに形成され、且つ、
前記取手部は、前記被梱包体が収容された前記収容袋が前記外装容器内に収容され、且つ、前記取手部を前記通過口に沿った方向に延ばした場合に、前記被梱包体の前記通過口に沿った長さの半分以上の長さに形成され、
前記取手部と前記袋部との接続部分の位置は、前記被梱包体が収容された前記収容袋が前記外装容器内に収容され、且つ、前記取手部を前記通過口を通過する方向に延ばした場合に、前記被梱包体の通過口側の面よりも前記通過口側に配置された、
ことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の梱包容器において、
前記外装容器の前記通過口が閉じられた場合に、前記取手部が前記通過口に沿った方向に延びた状態で収容されると共に、
前記取手部が延びる方向に対して、前記被梱包体の外端よりも、前記取手部と前記袋部との接続部分が、内側に配置され、
前記取手部が前記通過口に沿った方向に延びた状態において、前記袋部のだぶついた部分が、前記袋部の前記被梱包体の外面に沿った部分よりも、外側に配置された、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の梱包容器において、
前記袋部のだぶついた部分が、前記複数の取手部がまとめて把持された場合に、取手部の延長上且つ前記被梱包体の外表面に沿って帯状に配置されるように、畳まれた、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の梱包容器において、
前記取手部どうしの間隔が、前記取手部と前記袋部との接続部どうしの間隔よりも長い、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の梱包容器において、
前記収容袋の内部に配置され、且つ、前記収容袋を挟んで前記被梱包体と前記外装容器との間に配置され、衝撃を緩和する緩衝部材、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、取手部を有しない収容袋を使用する場合に比べて、外装容器と被梱包体との隙間を小さくすることができ、外装容器を小型化することができる。
請求項2に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、開梱時に取手部を掴みやすくすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、収容袋の破断を低減できる。
請求項4に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、だぶついた部分が被梱包体の外表面に沿って帯状に配置されやすくなっている。
請求項5に記載の発明によれば、収容袋を外装容器から取り出す際に、緩衝部材が装着された状態で被梱包体を取り出すことができ、被梱包体の破損を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施例1の梱包容器の全体説明図であり、各部材が外装容器から取り出された状態の説明図である。
【図2】図2は、実施例1の梱包容器の説明図であり、図2Aは梱包された状態から外装容器の上部が開かれた状態の平面図、図2Bは梱包された状態における要部断面図である。
【図3】図3は、実施例1の梱包容器の説明図であり、梱包された状態から、上側の緩衝材と被梱包体とが外装容器から取り出された状態の説明図である。
【図4】図4は、実施例1の被梱包体が外装容器から取り出され且つ収容袋から取り出される前の状態の説明図である。
【図5】図5は従来の梱包容器から被梱包体を取り出す状態の説明図である。
【図6】図6は実施例2の梱包容器の説明図であり、実施例1の図2Aに対応する平面図である。
【図7】図7は実施例3の梱包容器の説明図であり、実施例1の図2Bに対応する要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1の梱包容器の全体説明図であり、各部材が外装容器から取り出された状態の説明図である。
図2は、実施例1の梱包容器の説明図であり、図2Aは梱包された状態から外装容器の上部が開かれた状態の平面図、図2Bは梱包された状態における要部断面図である。
図1、図2において、実施例1の梱包容器1は、外装容器の一例としての直方体状の外装箱2を有する。実施例1の外装箱2は、段ボールにより構成されているが、段ボールに限定されず、樹脂容器等、従来公知の任意の容器を採用可能である。前記外装箱2は、底部2aと、前後左右の側部2bと、各側部2bの上端に一体的に形成された蓋部2cとを有し、蓋部2cが閉じられた状態で、底部2a、側部2bおよび蓋部2cにより囲まれる空間により収容空間3が構成される。したがって、図2に示すように、蓋部2cが開放されると収容空間3の上部に、通過口3aが形成される。
【0015】
前記外装箱2の内部の収容空間3には、被梱包体の一例であって、画像形成装置の一例としてのプリンタ4が収容される。前記プリンタ4は、装置本体4aと、画像が記録される媒体が収容される収容部の一例として、装置本体4aの下部に着脱可能に支持された給紙トレイ4bと、画像が記録された媒体が排出される排出部の一例として、装置本体4aの上面に形成された排出トレイ4cと、を有する。
図2Aにおいて、実施例1のプリンタ4は、左右方向の長さLaの方が、前後方向の長さLbよりも長く構成されている。すなわち、プリンタ4や収容される外装箱2も、左右方向が長手方向、前後方向が短手方向となっている。
【0016】
図3は、実施例1の梱包容器の説明図であり、梱包された状態から、上側の緩衝材と被梱包体とが外装容器から取り出された状態の説明図である。
図4は、実施例1の被梱包体が外装容器から取り出され且つ収容袋から取り出される前の状態の説明図である。
図1〜図4において、前記プリンタ4は、収容袋の一例としてのポリ袋6に収容された状態で外装箱2の内部に収容されている。実施例1のポリ袋6は、プリンタ4が収容される袋部7と、プリンタ4が袋部7から出し入れされる際に通過可能な開口部8と、取手部9と、を有する。
なお、実施例1のポリ袋6は、ポリエチレンにより構成されているが、これに限定されず従来公知の樹脂材料により構成可能である。また、ポリ袋6は、0.02〜0.1mm程度、特に、5kg程度のプリンタ4の場合、0.04〜0.06mm程度の厚さのポリエチレンを使用することが好ましいが、プリンタ4を内部に収容した状態で取手部9を持っても破断しない程度の強度を有するように、任意の樹脂材料や厚さとすることが可能である。
【0017】
また、実施例1のポリ袋6では、取手部9は、帯の両端が前記開口部8の縁の前後に離れた2つの位置で、袋部7に接続された環状の構成を2つ有する。したがって、取手部9は、いわゆるループ状の形状となっており、内側に利用者が指や腕を通すことが可能な空間9aが形成される。なお、実施例1の取手部9は、取手部9どうしの間隔である左右方向の間隔が、取手部9と袋部7との接続部9bどうしの間隔である前後方向の間隔よりも長く設定されている。すなわち、実施例1の取手部9は、長手方向の両側に一対設けられている。
なお、実施例1の取手部9は、製作費用の低減のため、袋部7に一体形成されているが、別体構成の帯状の取手部を袋部7に接着剤や接着テープ等で接続する構成とすることも可能である。
【0018】
さらに、実施例1の取手部9は、図3、図4に示すように、プリンタ4が収容されたポリ袋6が外装箱2内に収容され、且つ、取手部9を通過口3aを通過する方向である上方に延ばした場合に、プリンタ4の通過口3a側の面である上面よりも通過口3a側に突出する長さに形成されている。
また、実施例1の取手部9は、プリンタ4が収容されたポリ袋6が外装箱2内に収容され、且つ、取手部9を通過口3aに沿った方向である水平方向に延ばした場合に、プリンタ4の通過口3aに沿った長さである幅Laの半分以上の長さL1に形成されている。すなわち、取手部9の長さL1が、プリンタ4の長手方向の幅Laの半分以上の長さに設定されており、L1≧La/2に設定されている。ここで、実施例1の取手部9は、図2Bに示すように、外装箱2の通過口3aが閉じられた場合に、通過口3aに沿った方向である水平方向に延びた状態で収容されており、図2Aに示すように、L1≧La/2に設定された左右の取手部9は、水平方向に沿って延びた状態では、取手部9どうしの先端部分が上下に重なった状態で畳まれる。
【0019】
さらに、実施例1の取手部9では、取手部9と袋部7との接続部分9bの位置は、図4に示すように、プリンタ4が収容されたポリ袋6が外装箱2内に収容され、且つ、取手部9を上方に延ばした場合に、プリンタ4の通過口3aの面よりも通過口3a側である上側に配置されている。すなわち、実施例1では、ポリ袋6にプリンタ4が収容された状態では、プリンタ4の上面の角4dが外部に露出せず、ポリ袋6に覆われた状態となるように、ポリ袋6の大きさが設定されている。したがって、実施例1のポリ袋6では、図2Bに示すように、外装箱2が閉じられた状態では、接続部分9bは、プリンタ4の外端の角4dよりも内側に配置される。
【0020】
図2B、図3、図4において、実施例1のポリ袋6では、取手部9が通過口3aに沿った方向である水平方向に延びた状態において、袋部7のだぶついた部分7aが、接続部分9bよりも、袋部7のプリンタ4の外面に沿った部分7bよりも、外側に配置されている。したがって、取手部9を片手でつかんだ状態のように、前記複数の取手部9がまとめて把持された場合に、袋部7のだぶついた部分7aが、図3に示すように、取手部9の延長上且つプリンタ4の外表面に沿って帯状に配置されるように畳まれている。
【0021】
図1、図2において、実施例1の梱包容器1では、外装箱2には、ポリ袋6に収容されたプリンタ4が収容される場合に、外力を緩衝するための緩衝部材の一例としてのクッション材11を介して収容されている。実施例1のクッション材11は、外装箱2の底部の四つ角に配置された4つの下クッション12と、プリンタ4の上部に装着された上クッション13と、を有する。上クッション13は、軽量化のために中央部がくり抜かれた枠状の枠部13aと、本体部13aの下面の四つ角に形成され且つ下クッション12と上下対称の形状の緩衝本体部13bと、を有する。
【0022】
図2において、実施例1のクッション材11は、外装箱2の内面とプリンタ4の外面との隙間S1が20mmとなるように、厚さ、大きさが設定されている。なお、隙間S1の大きさは、20mmに限定されず、従来の梱包容器1で採用されていた大きさである40mmよりも小さい30mm以下であることが好ましく、クッション材11の加工精度等に応じて、10mm以下とすることも可能である。
なお、実施例1のクッション材11は、発泡スチロールや段ボール等、従来公知の任意の材料により作製可能である。
【0023】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の梱包容器1では、プリンタ4が取り出される場合、先ず、外装箱2の蓋部2cが開放され、図2Aに示す状態となる。そして、図3に示すように、上クッション13が取り出された後、2つの取手部9が把持されて持ち上げられると、ポリ袋6と共にプリンタ4が取り出される。そして、取手部9を持ってプリンタ4を、設置場所まで移動させた後、図4に示すように、ポリ袋6の開口部8からプリンタ4を取り出すと、プリンタ4が設置される。
【0024】
図5は従来の梱包容器から被梱包体を取り出す状態の説明図である。
図5において、特許文献1に示すような従来の構成では、外装箱01から、取手が設けられていない収納袋02に収納された被梱包体03を取り出す場合に、外装箱01と被梱包体03との間に手04を差し込んで取り出す必要があった。したがって、従来技術では、外装箱01と被梱包体03との隙間が狭すぎると、手04を差し入れることができず、取り出せなくなる問題があった。よって、手04を差し入れられるように、外装箱01と被梱包体03との間の隙間は、一般的に約40mm以上に設定されていた。したがって、図5に示すように、両側から手04を差し入れられるように、外装箱01の外形は、被梱包体03に対して、40mm×2=80mm程度大きく構成されており、大型化している問題があった。
【0025】
これに対して、実施例1では、プリンタ4に埃等が侵入しないよう外表面を覆うポリ袋6に取手部9が設けられており、従来技術のように手を差し込まなくても、取手部9を掴んで、持ち上げるだけで、プリンタ4を取り出すことが可能になっている。したがって、外装箱2とプリンタ4との隙間S1は、従来に比べて狭くすることが可能となっており、従来に比べて外装箱2の小型化が可能になっている。よって、外装箱2の小型化に伴って、倉庫に収容可能な数量を増大させることが可能となり、保管に必要な面積が低減され、保管に必要な費用も抑制される。また、外装箱2の小型化に伴って、プリンタ4の設置後にゴミとなる外装箱2も省容量化され、ゴミの減量にも繋がる。
【0026】
また、プリンタ4のようにある程度の大きさと重量がある被梱包体では、外装箱2から取り出す場合に、従来技術のように、両手で持ち上げる必要があり、作業時に両手が塞がる問題がある。したがって、プリンタ4と外装箱2との間の静電気や摩擦で取り出す際の抵抗が大きい場合、両手が塞がった状態では、一人では外装箱2を押さえることが困難であり、二人以上の作業者が必要であったりして、作業性が悪い問題があった。
これに対して、実施例1では、2つの取手部9を片手で掴むことが可能であり、別の片手で外装箱2を押さえながら、取手部9を掴んだ片手でプリンタ4を取り出すことが可能であり、作業性が向上する。
特に、実施例1では、L1≧La/2に設定されており、外装箱2の蓋部2cが閉じられた状態で、図2Aに示すように、取手部9が上下に重なった状態で収容可能になっている。したがって、上クッション13が取り外されると、上下に重なった2つの取手部9の空間9aに手を入れることが容易であり、重なった状態で収容されていない場合に比べて、2つの取手部9を片手で掴みやすくなっている。
【0027】
また、図3、図4に示すように、実施例1では、ポリ袋6は、プリンタ4を収容しても余裕のある大きさに形成されており、取手部9が掴まれて持ち上げられた場合に、袋部7のだぶついた部分7aが発生する。そして、袋部7のだぶついた部分7aが、プリンタ4の外面に沿った部分7bの外側に重なるように配置されており、取手部9を掴んで持ち上げる際に力が掛かる部分が、だぶついた部分7aと外面に沿った部分7bの二重になっており、強度が向上している。したがって、取手部9bを掴んで持ち上げる際に、ポリ袋6が破断しにくく、作業時にポリ袋6が破れて、プリンタ4が落下して破損する等の不測の事故の発生が低減されている。
特に、実施例1では、図2Bに示すように、プリンタ4が外装箱2内に収容された状態で、だぶついた部分7aが、外面に沿った部分7bの外側に沿って帯状に配置された状態となっており、取手部9をそのまま持ち上げると、だぶついた部分7aと外面に沿った部分7bとが二重になった帯状部分が自然に形成されやすくなっている。
【0028】
また、実施例1では、2つの取手部9が、長手方向に離れた位置に配置されており、短手方向の両側に配置される場合に比べて、だぶついた部分7aの帯が形成されやすく、帯も大きくなりやすくなっている。したがって、短手方向の両側に配置される場合に比べて、ポリ袋6が破断しにくくなっている。
さらに、実施例1では、取手部9と袋部7との接続部分9bが、プリンタ4の角4aよりも上方に配置されており、プリンタ4の角4aが外部に露出しない状態でポリ袋6に収容されている。したがって、プリンタ4の角4aが露出している場合に比べて、プリンタ4が袋部7から脱落、落下し難くなっている。
【実施例2】
【0029】
次に、本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0030】
図6は実施例2の梱包容器の説明図であり、実施例1の図2Aに対応する平面図である。
図6において、実施例2の梱包容器1では、2つの取手部9が、重なり合わないように、互いに前後にずれた状態で収容されている。
【0031】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の梱包容器1では、取手部9が乱雑に収容されたり、絡み合った状態で収容されている場合に比べて、取手部9を掴みやすく作業性が向上している。
【実施例3】
【0032】
次に、本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0033】
図7は実施例3の梱包容器の説明図であり、実施例1の図2Bに対応する要部断面図である。
図7において、実施例3の梱包容器1では、ポリ袋6の外側にクッション材11が装着された実施例1と異なり、クッション材11が、ポリ袋6の内部に収容されている。
【0034】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の梱包容器1では、ポリ袋6の取手部9を掴んで持ち上げると、クッション材11もプリンタ4と共に取り出される。したがって、外装箱2から取り出した後、プリンタ4の設置場所まで取手部9を掴んで移動させたり、床等に置く場合に、机に接触させたり、手が滑ったり、手荒に扱ったり等して衝撃が発生しても、クッション材11が緩衝し、プリンタ4が破損等することが低減される。なお、実施例3では、外装箱2の内面に、ポリ袋6が接触しており、クッション材11が接触する場合に比べて、摩擦抵抗が小さくなることが期待できる。すなわち、ポリ袋6を取り出す作業が容易になることが期待できる。
【0035】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、被梱包体として、画像形成装置の一例としてのプリンタを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX等の画像形成装置や、トナーカートリッジ等の交換部品、あるいは、パーソナルコンピュータや液晶ディスプレイ等の電子機器等の任意の商品にも適用可能である。
【0036】
(H02)前記実施例において、取手部9の数は2つとする構成が取り扱いがわかりやすく好ましいが、これに限定されず、3つ以上とすることも可能である。例えば、被梱包体の形状が大きなものは、前後左右の4箇所に設けたり、被梱包体が三角形状や5角形状等の多角形状である場合は、3つや5つ以上とすることも可能である。なお、このとき、3つ以上の取手部9の全てを片手で掴むことが可能なように、取手部9の長さを設定することも可能であるが、両手でそれぞれ掴むことができるような長さや、それぞれの手で掴む取手部9の個数が異なるような長さ設定とすることも可能である。
(H03)前記実施例において、取手部9の長さL1は、L1≧La/2であることが好ましいが、これに限定されず、L1<La/2とすることも可能である。
【0037】
(H04)前記実施例において、取手部9と袋部7との接続部分9bの位置は、プリンタ4の角部4aよりも上方に配置される構成とすることが好ましいが、これに限定されず、角部よりも下方に配置することも可能である。
(H05)前記実施例において、だぶついた部分7aを利用して、ポリ袋6の強度を向上させる構成とすることが望ましいが、これに限定されず、例えば、ポリ袋6の強度が十分である場合には、だぶついた部分7aが、外面に沿った部分7bと重ならないように配置することも可能である。
【0038】
(H06)前記実施例において、取手部9を長手方向の両側に配置することが望ましいが、これに限定されず、短手方向の両側に配置する構成とすることも可能である。
(H07)前記実施例3において、クッション材11の両方をポリ袋6内に収容する構成を例示したが、これに限定されず、例えば、下クッション12のみをポリ袋6内に収容し、上クッション13は、実施例1、2と同様に、ポリ袋6の外に装着する構成とすることも可能である。
(H08)前記実施例において、クッション材11の構成は、実施例に例示した形状に限定されず、被梱包体の外形に応じて、任意の形状のものを任意の個数採用可能である。また、上クッション13は、枠部13aを有する一体の構成を例示したが、これに限定されず、下クッション12と同様の構成としたり、右側の2つが接続された右側上クッションと、左側の2つが接続された左側上クッションとからなる構成とする等、任意の変更が可能である。
【符号の説明】
【0039】
1…梱包容器、
2…外装容器、
3…収容空間、
3a…通過口、
4…被梱包体、
6…収容袋、
7…袋部、
7a…だぶついた部分、
7b…被梱包体の外面に沿った部分、
8…開口部、
9…取手部、
9b…接続部分、
11…緩衝部材、
L1…取手部の長さ、
La…被梱包体の長さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に被梱包体が収容可能な収容空間が形成され、前記被梱包体が通過可能な通過口を有する箱状の外装容器と、
前記被梱包体を収容可能な袋部と、前記袋部に形成され且つ前記被梱包体が通過可能な開口部と、利用者が把持可能な取手部と、を有し、前記被梱包体を収容した状態で前記外装容器内に収容される収容袋と、
を備え、
前記取手部は、帯の両端が前記開口部の縁の離れた2つの位置で前記袋部に接続された環状の構成を複数有すると共に、
前記取手部は、前記被梱包体が収容された前記収容袋が前記外装容器内に収容され、且つ、前記取手部を前記通過口を通過する方向に延ばした場合に、前記被梱包体の通過口側の面よりも前記通過口側に突出する長さに形成され、且つ、
前記取手部は、前記被梱包体が収容された前記収容袋が前記外装容器内に収容され、且つ、前記取手部を前記通過口に沿った方向に延ばした場合に、前記被梱包体の前記通過口に沿った長さの半分以上の長さに形成され、
前記取手部と前記袋部との接続部分の位置は、前記被梱包体が収容された前記収容袋が前記外装容器内に収容され、且つ、前記取手部を前記通過口を通過する方向に延ばした場合に、前記被梱包体の通過口側の面よりも前記通過口側に配置された、
ことを特徴とする梱包容器。
【請求項2】
前記外装容器の前記通過口が閉じられた場合に、前記取手部が前記通過口に沿った方向に延びた状態で収容されると共に、
前記取手部が延びる方向に対して、前記被梱包体の外端よりも、前記取手部と前記袋部との接続部分が、内側に配置され、
前記取手部が前記通過口に沿った方向に延びた状態において、前記袋部のだぶついた部分が、前記袋部の前記被梱包体の外面に沿った部分よりも、外側に配置された、
ことを特徴とする請求項1に記載の梱包容器。
【請求項3】
前記袋部のだぶついた部分が、前記複数の取手部がまとめて把持された場合に、取手部の延長上且つ前記被梱包体の外表面に沿って帯状に配置されるように、畳まれた、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の梱包容器。
【請求項4】
前記取手部どうしの間隔が、前記取手部と前記袋部との接続部どうしの間隔よりも長い、
ことを特徴とする請求項3に記載の梱包容器。
【請求項5】
前記収容袋の内部に配置され、且つ、前記収容袋を挟んで前記被梱包体と前記外装容器との間に配置され、衝撃を緩和する緩衝部材、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の梱包容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−246038(P2012−246038A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121081(P2011−121081)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】