説明

梱包材

【課題】 本発明は、構造が簡単且つ安価であると共に、梱包対象物の確実な保護ができる梱包材を提供することにある。
【解決手段】 外装部1と緩衝部2とを備え、外装部1は、一の段ボール材を折り曲げて、一方側壁1aと他方側壁1cと一方側壁1aと他方側壁1cとをつなぐ底壁1bとから略コ字型をなすものであり、緩衝部2は、他の段ボール材を折り曲げて蛇腹状をなすものであると共に、一端2aが一の段ボール材の一端と揃えてあり、他端2bの板面が底壁1b内周面に配置し且つ固着してあることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓枠や建具などを梱包するための梱包材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の梱包材としては、図5(a)(b)のように、一枚の段ボール材を略コ字状に折り曲げて外装部11を形成し、その内周側に緩衝部となる矩形ブロック状の発泡材12を入れてあり、外装部11間は、コーナージョイント部材15でつなげてある。これにより、建具などの梱包対象物13の四方端縁に対して発泡材12が当接するように外装部を嵌めるものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような梱包材では、外装部と緩衝部が別の部材から構成してあることで、梱包材を組み立てるときには個別に材料を調達しなければならず、しかも、緩衝部が単に外装部内周側に収まるような構造であるため、外装部内周側での緩衝部の位置決めが確実とは言えず、梱包対象物の保護が不十分となる懸念があった。また、緩衝部がブロック状であるから梱包材の未使用時には、かさばってしまう不都合もあった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、構造が簡単且つ安価であると共に、梱包対象物の確実な保護ができる梱包材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の請求項1記載の発明は、外装部と緩衝部とを備え、外装部は、一の段ボール材を折り曲げて、一方側壁と他方側壁と一方側壁と他方側壁とをつなぐ底壁とから略コ字型をなすものであり、緩衝部は、他の段ボール材を折り曲げて蛇腹状をなすものであると共に、一端が一の段ボール材の一端と揃えてあり、他端の板面が底壁内周面に配置し且つ固着してあることを特徴とする。
【0005】
本発明の請求項2記載の発明では、外装部と緩衝部と連結部とを備え、外装部は、段ボール材の一端側を折り曲げて、一方側壁と他方側壁と一方側壁と他方側壁とをつなぐ底壁とから略コ字型をなしており、緩衝部は、段ボール材の他端側を折り曲げて蛇腹状をなし、他端の板面が底壁内周面に当接して他方側壁の内周側に配置してあり、連結部は、外装部の他方側壁の端部と緩衝部の一端との間に位置し、他方側壁内周面に沿わせてあることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項3記載の発明では、緩衝部の他端の板面は、外装部の底壁内周面と一致する幅寸法であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のうちの請求項1記載の発明によれば、一の段ボール材と他の段ボール材の一端同士を揃え、他の段ボール材の他端を一の段ボール材の底壁となる箇所に配置して他端の板面を固着し、一の段ボール材を折り曲げてコ字型の外装部を形成すると共に、他の段ボール材を蛇腹状に折り曲げて緩衝部を形成したときに、緩衝部の他端の板面が外装部の底壁内周面に固着していることで、緩衝部が外装部内周側に位置決めされて簡単に梱包材を組み立てることができる。
【0008】
本発明のうち請求項2記載の発明によれば、一枚の段ボール材の一端側をコ字型に折り曲げて外装部を形成し、他端側を蛇腹状に折り曲げて緩衝部を形成すると共に、連結部を折り返して外装部の他方側壁内周面に沿わせたときに、緩衝部の他端の板面が外装部の底壁内周側に当接するので、外装部内周側における緩衝部の位置が容易に決まり、梱包材の組み立てが一層容易となる。また、一枚の段ボール材から外装部と緩衝部と連結部とを形成できるため、梱包材を簡単に形成できると共に、未使用時には梱包材を展開して平たくして保管できるため保管スペースを要しない。
【0009】
本発明のうち請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、緩衝部の他端の板面が外装部の底壁内周面側と一致する幅寸法であることから、外装部内周側における緩衝部の位置決めが一層容易になされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、図面に基づいて本実施による換気装置の実施の形態を説明する。
図1(a)(b)(c)は、本実施による梱包材であり、(a)は、側面視した展開図であり、(b)は、平面視した展開図であり、(c)は、完成状態を示す側面図である。図2(a)(b)は、図1の梱包材の使用状態を示す斜視図であり、(b)は、要部を拡大した側面図である。図3(a)(b)(c)は、本発明の他の実施形態であり、(a)は、側面視した展開図であり、(b)は、平面視した展開図であり、(c)は、使用状態を示す側面図である。図4(a)(b)(c)(d)は、本発明の梱包材の他の実施形態であり、(a)は、側面視した展開図であり、(b)と(c)は、各々組み立て手順を示す側面図であり、(d)は、使用状態を示す側面図である。
【0011】
本実施による梱包材は、図1(a)(b)(c)を参照すれば、一の段ボール材からなる外装部1と他の段ボール材からなる緩衝部2とを備えており、一の段ボール材と他の段ボール材の一端同士を揃えたときに、他の段ボールの他端2bは、一の段ボールの第一折目部4aと第二折目部4bの間に位置し、その位置で他端2bの板面を固着してある。そして、外装部1は、一の段ボール材の一端側から他端側に向かう間隔をあけた2箇所に第一折目部4aと第二折目部4bを各々設け、その第一〜第二折目部4a,4bを各々折り曲げてコ字型に形成するものであり、また、緩衝部2は、他の段ボール材の一端2aから他端2bに向けて間隔をあけた三箇所に第三〜第五折目部4c,4d,4eを各々設けてあり、その第三〜第五折目部4c,4d,4eを折り曲げて蛇腹状に形成するものである。このとき、緩衝部2の第五折目部4eより他端側の板面は、外装部1の底壁1b内周面に固着しているので、これにより、緩衝部2が外装部1内周側に簡単に位置決めされ、図2(a)(b)のように、本梱包材により梱包対象物3を安定して保護できる。尚、符号5は、梱包材同士を連結するコーナージョイント部材である。
【0012】
本発明の他の実施形態として、図3(a)(b)(c)を参照すれば、略コ字型をなす外装部7と、蛇腹状に折りたたまれた緩衝部8と、外装部7と緩衝部8とを連結する連結部6とからなっており、上記実施形態と相違する点として、外装部7と緩衝部8と連結部6は、一辺が長い矩形長方形状をなす6mm厚の1枚の段ボール材の長手方向の一端側から他端側に向けて、所定寸法ごとに第一〜第七折目部4a〜4gが設けてある。具体的に、一枚の段ボール材の長手方向の一端から他端に向かう115mm(4a)、100mm(4b)、170mm(4c)に第一〜第三折目部4a〜4cを設け、その第一〜第三折目部4a〜4cをコ字型に折り曲げて外装部7を形成している。また、緩衝部8は、上記段ボール材の第三折目部4cから145mm他端側に向かう位置に第四折目部4dが設けてあり、その第三折目部4cと第四折目部4dとの間で外装部7と緩衝部8とを連結する連結部6を形成している。また、連結部6の他端に位置する第四折目部4dから他端側に向かう45mm間隔の3箇所に第五〜第七折目部4e〜4gを設け、その第五〜第七折目部4e〜4gを各々折り曲げて蛇腹状の緩衝部8を形成している。
【0013】
上記のような段ボール材から形成される外装部7は、段ボール材を第一〜第三折目部4a〜4cで曲げて一方側壁7aと底壁7bと他方側壁7cとからなる略コ字型にして、その内周側に梱包対象物3の端部を保持するための保持スペースを形成する。また、緩衝部8は、折り曲げて4つの緩衝壁8a,8bからなる蛇腹状に形成してあり、緩衝部8を構成する各緩衝壁8a,8bの厚みが各々6mmである。連結部6は、一端を外装部7の他方側壁7cの上端に連結してあると共に、折り返して他方側壁7cの内周面に沿って当接しており、連結部6の他端には緩衝部8の一端8aが連結してあり、板面の寸法は145mmとしてある。そして、連結部6の板面の長さと蛇腹状に折り曲げられた緩衝部8とを足した長さは、図3(c)のように、外装部7の他方側壁7cの内周面の長さと略一致し、これにより、最も他端8bに位置する緩衝壁の板面は、外装部7の底壁7b内周面に当接する。
尚、本実施のものでは、外装部7の他方側壁7cの長さよりも連結部6と緩衝部8の厚みを足した寸法が1mm小さいが、これは、緩衝部8を蛇腹状に折り曲げたときの各緩衝壁8a,8b間のクリアランスとなっている。
【0014】
図4(a)(b)(c)(d)は、本発明の梱包材の他の実施形態を示すものであり、上記実施形態と相違する構成のみを説明すれば、緩衝部8の板面の長さを65mm伸ばし、その延長部分を第八折目部4hとし、その第八折目部4hを折り曲げてできた他端に位置する緩衝壁8cの板面の幅寸法は、外装部7の底壁7b内周面の幅寸法と略一致しており、これにより、緩衝部8が外装部7内周側に位置決めされることから、本梱包材を梱包対象物3の端部に取り付けたときには、図4(d)のように、梱包対象物3の端部に緩衝部8が確実に当接し、梱包対象物3を保護できる。また、本発明の梱包材の寸法については、本実施形態に限らず、梱包対象物3の大きさや形状に対応して様々なものがある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1(a)(b)(c)】本実施による梱包材であり、(a)は、側面視した展開図であり、(b)は、平面視した展開図であり、(c)は、完成状態を示す側面図である。
【図2(a)(b)】(a)は、図1(a)(b)(c)の梱包材の使用状態を示す斜視図であり、(b)は、要部を拡大した側面図である。
【図3(a)(b)(c)】本発明の他の実施形態であり、(a)は、側面視した展開図であり、(b)は、平面視した展開図であり、(c)は、使用状態を示す側面図である。
【図4(a)(b)(c)(d)】本発明の梱包材の他の実施形態であり、(a)は、側面視した展開図であり、(b)と(c)は、各々組み立て手順を示す側面図であり、(d)は、使用状態を示す側面図である。
【図5(a)(b)】従来の梱包材であり、(a)は、梱包材を梱包対象物に取り付けるときの斜視図であり、(b)は、使用状態を示す拡大側面図である。
【符号の説明】
【0016】
1,7 外装部
1a,7a 一方側壁
1b,7b 底壁
1c,7c 他方側壁
2,8 緩衝部
2a,8a 一端
2b,2c,2d,8b,8c 他端
6 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装部と緩衝部とを備え、外装部は、一の段ボール材を折り曲げて、一方側壁と他方側壁と一方側壁と他方側壁とをつなぐ底壁とから略コ字型をなすものであり、緩衝部は、他の段ボール材を折り曲げて蛇腹状をなすものであると共に、一端が一の段ボール材の一端と揃えてあり、他端の板面が底壁内周面に配置し且つ固着してあることを特徴とする梱包材。
【請求項2】
外装部と緩衝部と連結部とを備え、外装部は、段ボール材の一端側を折り曲げて、一方側壁と他方側壁と一方側壁と他方側壁とをつなぐ底壁とから略コ字型をなしており、緩衝部は、段ボール材の他端側を折り曲げて蛇腹状をなし、他端の板面が底壁内周面に当接して他方側壁の内周側に配置してあり、連結部は、外装部の他方側壁の端部と緩衝部の一端との間に位置し、他方側壁内周面に沿わせてあることを特徴とする梱包材。
【請求項3】
緩衝部の他端の板面は、外装部の底壁内周面と一致する幅寸法であることを特徴とする請求項2記載の梱包材。

【図1(a)(b)(c)】
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【図2(a)(b)】
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【図3(a)(b)(c)】
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【図4(a)(b)(c)(d)】
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【図5(a)(b)】
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【公開番号】特開2009−286476(P2009−286476A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143663(P2008−143663)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【Fターム(参考)】