説明

梳き鋏用櫛刃

【課題】新規な形状をもつ梳き鋏の刃の要素を備えた梳き鋏用櫛刃を提供する。
【解決手段】深溝加工により切り出された多数の櫛歯2,・・の先端7に砥石により複数のV溝v1 ,v2 ,v3 ,v4 ・・を形成し、V溝の先端を櫛歯の毛髪切断用刃部とする梳き鋏用櫛刃である。前記V溝間に形成される峰252,254,256の先端252t,254t,256tは鋏の枢着点5側の先端252tから順次棒刃に対応させられるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、櫛刃の要素(櫛歯)の先端に回転砥石を用いてV溝を形成しV溝の先端に刃付けをした梳き鋏用櫛刃に関する。
【背景技術】
【0002】
髪を梳くために梳き鋏が利用されている。梳き鋏は一方が櫛刃であって、先端の刃に凹状の刃(U字形またはV字形の刃と呼ばれている)が設けられているものが多い。このU字部分で捕らえた髪を切断することにより、髪を梳く。この様な櫛刃の刃体を加工するために、放電加工機が用いられることがある。
【0003】
本件発明者は、以下の特許文献1により梳き鋏用櫛刃の製造方法を提案している。この発明は櫛刃の要素の先端に回転砥石によりV溝を設けるとともに、櫛刃の底の面取りを行ったものである。この方法は数値制御の加工機を用いて回転砥石で加工を行う梳き鋏用櫛刃の製造方法に適している。
特許文献2記載の発明は、刃先の先端にU状の刃部を設けた梳き鋏である。この鋏は鋏の枢結部近傍に比較して先部の毛髪切断量を少なくすることで、切断抵抗を少なくし、枢結部近傍での毛髪切断時の操作感と、先部での毛髪切断時の操作感の差異を同等程度にしたものである。
特許文献3,4記載の発明は、回転砥石を用いて櫛刃を加工する本件発明者の発明に係るものである。特許文献3記載の発明は、櫛刃の先端のV溝以外で挟まれる髪を無くするために谷側に逃がしの斜面を設けたものである。特許文献4記載の発明は、櫛刃の先端のV溝を含めて、先端を種々の形状に加工できるようにしたものである。
なお特許文献5については発明の開示に関連して後述する。
特許文献6記載の発明は、すき鋏に関するものであり、凹縁部において支承保持された毛髪だけを確実に切断でき、毛髪に折れ目を付けることなくカッティングを行なうことができるすき鋏を提供することを目的としている。そして、実施例として凹状保持縁5に支承される毛髪4を刃板1の刃縁11により切断するものを開示している。なお、このすき鋏は公知の放電加工により製造されるものであり、凹状保持縁5はいわゆる刃ではなく刃板1に刃縁11が設けられているものである。
特許文献7記載の発明は、毛髪4に枝毛の原因となる折り目をつけることなく、常に適切な量の毛髪4を効率良く軽快にカットできる実用性にすぐれた画期的なすき鋏を提供することを目的としている。実施例として櫛刃2(なお、切断用の刃ではない)には凹溝14が凹設されており、傾斜辺状縁6が凹溝14間に設けられているものが示されている。なお、特許文献6の発明と同様に公知の放電加工により製造されるものであり、凹溝部14は特許文献6の凹状保持縁5と同様な役割を果たしている。
【特許文献1】特開平11−19342号公報
【特許文献2】特開平11−57240号公報
【特許文献3】特開2005−65934号公報
【特許文献4】特開2005−87256号公報
【特許文献5】特願2006−207921
【特許文献6】特開2004−321199号公報
【特許文献7】特開2005−334618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
梳き鋏の刃の加工において、特に放電加工により櫛歯の先端を加工すると櫛歯のV溝の方向は必然的に垂直に近くなり、仕上げの加工が容易ではないという問題がある。
これに対して、回転砥石を用いる方法は、放電加工によるものに比較して、仕上りが良好であるという特徴を備えている。しかし、焼き入れ後に回転砥石を用いて刃付けを行い、さらに羽布加工により表面を仕上げる場合に、回転砥石で加工された櫛刃の要素の先端のV溝に仕上がりが余り良くないという問題が残されている。
梳き鋏の櫛刃と棒刃の接触平面(以下基準面SP)に対してV溝の方向が垂直あるいは、それに近い場合は羽布加工により表面を仕上げることは容易ではない。またV溝が深い場合も同様である。そのために、本件発明者は、基準面に対してV溝の方向の角度を鋭くして(例えば45度以下)、V溝の縁の一方の高さを低くして羽布加工性を高めた梳き鋏を提案した(特許文献5)。
【0005】
理,美容の業界では梳き鋏で梳く髪の量をカット率として梳き鋏相互間の比較の目安としている。
このカット率は梳き鋏の刃先の形状によって決まり、櫛歯の刃の部分が占める割合の大きさ、櫛歯の厚さ、V溝の形状、角度等に依存する。
一方技能者には技能によりこのカット率を適宜に変えたいという要望もある。さらに技能者は毛髪の切断量が櫛刃と棒刃の一回の開から閉の間で連続的であることが望まれる。
本発明の目的は、前述の使用者の要請を満たすことができ、さらにそのような鋏を工業的に生産できる梳き鋏用櫛刃を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明による請求項1記載の梳き鋏用櫛刃は、
深溝加工により切り出された多数の櫛歯の先端に砥石により複数のV溝を形成し、V溝の先端を櫛歯の毛髪切断用刃部とする梳き鋏用櫛刃であって、
前記V溝間に形成される峰の先端は鋏の枢着点側から順次棒刃に対応させられるように構成されている。
【0007】
本発明による請求項2記載の梳き鋏用櫛刃は、深溝加工により切り出された多数の櫛歯の先端に砥石により複数のV溝を形成し、V溝の先端を櫛歯の毛髪切断用刃部とする梳き鋏用櫛刃であって、
前記V溝間の複数の峰の基準面からの高さは櫛歯の方向に直角な一定の平面において、櫛歯の先端寄りの峰の高さが低くなるように構成されている。
【0008】
本発明による請求項3記載の梳き鋏用櫛刃は、請求項1,または2記載の梳き鋏用櫛刃において、前記峰はV溝の加工により形成されるものである。
本発明による請求項4記載の梳き鋏用櫛刃は、請求項1,2,または3記載の梳き鋏用櫛刃において、
各櫛歯は、鋏の枢着点寄りに、その櫛歯の峰の先端よりも突出した案内突起を備えるものである。
【発明の効果】
【0009】
前記構成によれば、櫛歯の方に切断用の刃部を多数設けることができるので、毛髪を連続的に梳くことができる。不連続または間欠的な切断による違和感の発生はない。
また、鋏の角度を変えることにより毛髪の保持量が変わるので、使用者の技量を十分に発揮でき、使い勝手が良い梳き鋏用櫛刃を提供できる。また多数の溝を設けることにより一つの溝あたりの深さは小さく羽布仕上げが容易になり、仕上がりの良い刃付けが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下図面等を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明による梳き鋏用櫛刃の櫛歯(櫛刃の要素)の先端の形状を示す正面図、図2は同じく先端の表面の形状を説明するための略図、図3は同底面図、図4は同平面図である。図5は本発明による梳き鋏用櫛刃の形状と、説明のための座標軸との関係を示す正面図であり櫛歯の先端を一部拡大して示してある。図6は櫛刃の深溝加工を説明するために櫛刃のブランクと回転砥石の配置を例示した斜視図である。
各図を参照して、一つの櫛歯2の形状を説明する。櫛刃のブランク1を加工して多数の櫛歯(櫛刃の要素)2が後述するようにして切り出される。
櫛歯の表面220a,連接された表面の先端寄りの斜面220bは機械加工されたブランクの表面に対応している。溝に対面する櫛歯の側面(上側)230uと櫛歯の側面(下側)230bは、図6に示すように、ワークをx,y面に移動させる深溝加工工程で形成され、ついで、複数の溝が順次形成される。
【0011】
本発明による請求項1記載の梳き鋏用櫛刃は、図6に示した深溝加工により切り出された多数の櫛歯の先端に砥石により複数のV溝を形成し、V溝の先端を櫛歯の毛髪切断用刃部(260,261),(262,263),(264,265)とする梳き鋏用櫛刃である。V溝(v1 , v2 )間に形成される峰の先端252t,V溝(v2 , v3 )間に形成される峰の先端254t,V溝v3 ,仮想V溝v4間に形成される峰の先端256tは、峰の先端252tから順次、図示されていない棒刃に対応させられるように構成されている。
【0012】
本発明による請求項2記載の梳き鋏用櫛刃は、深溝加工により切り出された多数の櫛歯の先端に砥石により複数のV溝を形成し、V溝の先端を櫛歯の毛髪切断用刃部とする梳き鋏用櫛刃であって、前記V溝間の複数の峰252,254,256の基準面SPからの高さは櫛歯の方向に直角な一定の平面(イ−イ),(ロ−ロ),または(ハ−ハ)において、櫛歯の先端寄りの峰の高さが、先端から離れた峰の高さより低くなるように構成されている。
【0013】
本発明による請求項3記載の梳き鋏用櫛刃は、請求項1,または2記載の梳き鋏用櫛刃において、前記峰はV溝の加工により形成されるものである。すなわち、V溝v1 を砥石で加工した後に続いてv2 を加工すると、峰252が形成される。他の峰についても同様である。
本発明による請求項4記載の梳き鋏用櫛刃は、請求項1,2,または3記載の梳き鋏用櫛刃において、各櫛歯は、鋏の枢着点寄りに、その櫛歯の峰の先端よりも突出した案内突起270を備えるものである。この案内突起270はその櫛歯の峰よりは先に棒刃に接触して、櫛歯の峰の先端の保護や髪の案内手段として作用する。
【0014】
前述のように、図1,図2に示されているように、各櫛歯には、V溝v1 ,V溝v2 ,V溝v3 ,仮想V溝v4 (以下単にv1 ,v2 ,v3 ,v4 )が設けられている。これらのV溝は、深溝加工工程後に、回転砥石により櫛歯の先端に形成される。
なお仮想V溝とは通常のV溝と同様に加工されるが、通常のV溝の略半分に相当するものである。V溝として説明した方が説明が簡単になるから、仮想V溝v4 として説明する。各溝は溝間の峰で分けられる。v1 ,v2 間には峰252、v2 ,v3 間には峰254、v3 ,v4 間には峰256が設けられている。
1 ,v2 間の峰の下端252tは基準面にあり毛髪をv1 ,v2 に振り分ける。
2 ,v3 間の峰の下端254tは基準面にあり毛髪をv2 ,v3 に振り分ける。
3 ,v4 間の峰の下端256tは基準面にあり毛髪をv3 ,v4 に振り分ける。
【0015】
1 の上端辺240,241は、櫛歯の表面220aに連絡しており、V溝の底線251はv1 の下端辺260,261の接続点に達している。下端辺260,261は、櫛刃の基準面(SP)にあり、この櫛歯の刃先となっている。
2 の上端辺242,243は、櫛歯の表面220aに連絡しており、V溝の底線253はv2 の下端辺262,263の接続点に達している。下端辺262,263は、櫛刃の基準面(SP)にあり、この櫛歯の刃先となっている。
3 の上端辺244,245は、櫛歯の表面220aに連絡しており、V溝の底線255はv3 の下端辺264,265の接続点に達している。下端辺264,265は、櫛刃の基準面(SP)にあり、この櫛歯の刃先となっている。
4 の上端辺246は、櫛歯の表面220aに連絡している。v4 には底線は存在しないが底線に相当する線257は、v4 の下端辺266に達している。下端辺266は櫛刃の基準面(SP)にあるが下端辺266はこの櫛歯の刃先として実質的に機能しない。
【0016】
櫛歯の最下側側面230bに沿って、案内突起270が設けられている。案内突起の表面は斜面220bとなっており、最下側側面230bの先端には斜面7aが設けられている。案内突起縁線250はv1 に連続している。
【0017】
各図に示すように本発明による梳き鋏用櫛刃は、V溝の先端を櫛歯の毛髪切断用刃部とする梳き鋏用櫛刃である。前記V溝間に形成される峰252,254,256の先端252t,254t,256tはこの順で櫛刃の基部側(枢着点側)より順次棒刃に対応させられるように構成されている。すなわち、252t,254t,256tの順に短くなっている(特に図1,図4参照)。
【0018】
各図に示すように、前記V溝間の複数の峰252,254,256の基準面(SP)からの高さは櫛歯の方向に直角な一定の平面、例えば図1のロ−ロ断面において、図2に示すように252,254,256の順に次第に低くなっている。つまり各櫛歯において、刃先は、図1,図2に示すように上側の峰が低くなっている。
図1のイ−イ断面において、図2に示すように254,256の順に次第に低くなっている。
図1のハ−ハ断面において、図2に示すように252,254の順に次第に低くなっている。
つまり各櫛歯において、図2に示すように上側の峰が低くなり、薄くなっていることを示している。
これらの峰は、V溝の加工により形成されるものであり、機械加工の表面よりは薄くなっている。
【0019】
さらに、本発明による梳き鋏用櫛刃の櫛歯は案内突起270を備えるものである。
鋏の枢着点5寄りに、表面220bがその櫛歯に形成され他の峰252,254,256よりも高く、基準面(SP)側が他の歯部より先に棒刃に対応させられるものである。
下端面側の側面には斜面7aが設けられている。
【0020】
図5において直角座標のxy平面に平行な櫛刃の裏面を基準面(他の刃を結合したときの合わせ面)とする。各図において、yを櫛歯(櫛刃の要素)2の方向、x軸を櫛歯2の先端面を連ねる直線に略平行な方向とする。なお櫛歯2の先端面を連ねる線は大きな円弧で必ずしも直線で無い場合もあるが、櫛歯に直角で前記円弧に近い直線の方向をx方向とする。z方向は櫛刃の厚さの方向である。
【0021】
本発明による梳き鋏用櫛刃は、櫛刃の原形となるブランク1(図6参照)を準備し前記ブランク1の表面に機械加工を行い図6に示されているように刃の表裏の面、刃先の先端面7や、刃の表面の傾斜面等を機械加工する。
図6において10は回転砥石9の軸を示し、x’軸と一致させられており、x’軸はx軸と平行である。
櫛歯2の切り出しは、数値制御によりブランク1と深溝加工用の回転砥石9の相対位置をX方向に1ピッチあて移動させ、さらにy方向に移動させて行う。
櫛歯の谷または溝の面取りは特許文献1に示したようにブランク1をy軸回りに回転させて、回転砥石9に接触させて行う。
【0022】
次に、前記構成の先端形状をもつ櫛刃の要素を備えた櫛刃の加工方法を説明する。
(ブランク準備ステップ)
ブランク準備ステップで梳き鋏用櫛刃のブランク1を用意する。
(ブランク仕上げステップ)
表面の機械加工により櫛刃の表裏,先端,峰等の形状を仕上げて整える。図6にこの機械加工により仕上げ済のブランク1を示す。
(ブランク焼き入れ歪みとりステップ)
ブランク1の焼き入れを行い、続いて歪みとりを行う。
(溝または谷の加工ステップ)
深溝または谷3(図5参照)の加工用の回転砥石9で、溝または谷の加工を行う。
溝または谷の加工は、溝幅に相当する砥石9を送り込むことにより成される。回転砥石の外周面(砥粒の付着面)の断面形状は円筒面である。なお櫛刃の1ピッチ送りにより順次行うが、数値制御送りにより異なるピッチの設定が可能である。
図1に深溝または谷3の加工により切り出された櫛歯2の外形を仮想線2で示す。
【0023】
(溝または谷底の面取りステップ)
溝または谷底の面取りは前記溝または谷の加工ステップに引き続いて、同一の砥石9を用いて行われる。なおこの加工の際のブランクと砥石9の位置関係は前述の特許文献1に詳述してある。
(櫛刃の要素の先端に複数のV溝を加工するステップ)
複数のV溝の加工には、回転砥石9とは異なり、外周が、溝の長さ程度では、略直線とみなし得る程度の大径(例えば150φ程度)のV砥石(図示せず)を用いる。砥石の軸はx軸に平行である。これに対してすでに多数の歯が形成されたワーク(ブランク)を移動テーブルに固定してxy平面内で移動させることにより、V溝を順次加工する。V溝の底の形状は、砥石の最外周の形状で決まる。
(羽布による仕上げ加工)
前記加工の工程に続いて羽布(バフ)かけによる仕上げを行なう。
回転中の羽布にV溝加工済のワークを接触させて表面を研磨する。
これによりV溝内の面も研磨され、刃先が仕上げられる。
【0024】
前述した実施形態は、理解を容易にするために、比較的溝数の少ないものについて、説明した。本件発明者は、種々の試作をおこなったが、以下の範囲の試作品については、良好な結果を得ている。
刃の長さ(図6の7の部分)60〜65mm
歯数 13〜30
歯幅(x方向)0.8〜1.5mm
溝数(1歯) 2,3,4〜8
【産業上の利用可能性】
【0025】
前記櫛刃を用いた梳き鋏は回転砥石で加工されるから仕上がりが良く理,美容の分野から、個人用に至るまで広く利用できる。
また前述した櫛刃の製造方法によれば、櫛刃の要素の加工に砥石を使用して数値制御で行うことができるので櫛刃を合理的な価格で製造でき、鋏製造業で特に熟練を要する作業者でなくても精度の高い理,美容用の梳き鋏の櫛刃を提供することができる。
また、本発明による櫛刃を用いた梳き鋏は髪に対する角度を変えたり、鋏の裏表を変えても安定したカット率が得られ、熟練した理,美容師の技量を存分に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による梳き鋏用櫛刃の櫛歯(櫛刃の要素)の先端の形状を示す正面図である。
【図2】本発明による梳き鋏用櫛刃の櫛歯(櫛刃の要素)の先端の表面の形状を説明するための断面略図である。
【図3】本発明による梳き鋏用櫛刃の櫛歯(櫛刃の要素)の先端の形状を示す底面図である。
【図4】本発明による梳き鋏用櫛刃の櫛歯(櫛刃の要素)の先端の形状を示す平面図である。
【図5】本発明による梳き鋏用櫛刃の形状と、説明のための座標軸との関係を示す正面図であり櫛歯の先端を一部拡大して示してある。
【図6】櫛刃の深溝加工を説明するために櫛刃のブランクと回転砥石の配置を例示した斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1 櫛刃のブランク
2 櫛歯(櫛刃の要素)
3 櫛刃の溝または谷
4 櫛刃の峰
5 鋏の枢着点
7 櫛刃のブランクの刃先(長さ)
7a 櫛歯(案内突起)の斜面
9 深溝加工用の砥石
220a 櫛歯の表面
220b 櫛歯の表面の先端寄りの斜面
220c 櫛歯の裏面または基準面(SP)
230u 櫛歯の側面(上側)
230b 櫛歯の側面(下側)
240,241 溝v1 の上端
242,243 溝v2 の上端
244,245 溝v3 の上端
246 仮想溝v4 の上端
250 案内突起縁線
251 溝v1 の底
252 溝v1 ,v2 間の峰
252t 溝v1 ,v2 間の峰の下端(先端)
253 溝v2 の底
254 溝v2 ,v3 間の峰
254t 溝v23 間の峰の下端(先端)
255 溝v3 の底
256 溝v3 ,仮想溝v4 間の峰
256t 溝v3 ,仮想溝v4 間の峰の下端(先端)
257 仮想溝v4 の底
260,261 溝v1 の下端の刃先
262,263 溝v2 の下端の刃先
264,265 溝v3 の下端の刃先
270 案内突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
深溝加工により切り出された多数の櫛歯の先端に砥石により複数のV溝を形成し、V溝の先端を櫛歯の毛髪切断用刃部とする梳き鋏用櫛刃であって、
前記V溝間に形成される峰の先端は鋏の枢着点側から順次棒刃に対応させられるように構成されている梳き鋏用櫛刃。
【請求項2】
深溝加工により切り出された多数の櫛歯の先端に砥石により複数のV溝を形成し、V溝の先端を櫛歯の毛髪切断用刃部とする梳き鋏用櫛刃であって、
前記V溝間の複数の峰の基準面からの高さは櫛歯の方向に直角な一定の平面において、櫛歯の先端寄りの峰の高さが低くなるように構成されている梳き鋏用櫛刃。
【請求項3】
請求項1,または2記載の梳き鋏用櫛刃において、
前記峰はV溝の加工により形成されるものである梳き鋏用櫛刃。
【請求項4】
請求項1,2,または3記載の梳き鋏用櫛刃において、
各櫛歯は、鋏の枢着点寄りに、その櫛歯の峰の先端よりも突出した案内突起を備えるものである梳き鋏用櫛刃。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−173389(P2008−173389A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−11701(P2007−11701)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(593207282)
【Fターム(参考)】