説明

梳鋏に用いられる櫛刃の製造方法と梳鋏

本願発明の課題は梳鋏の製造工程が短縮され、櫛溝の周縁が面取りされた丸みのある梳鋏が実現できるための櫛刃の製造方法とその梳鋏を提供することにある。
すなわち、梳鋏に用いられる櫛刃の製造方法であって、櫛歯が櫛溝を挟んで並設された櫛刃が、鋏材料による成型体を焼結する焼結法により製造され、成型体は櫛刃と同一形状に形成されると共に、櫛刃の刃先側には余剰幅部分121を備えて櫛刃の幅よりも広く成型され、且つ櫛溝は余剰幅部分による成型体周縁を残して成型され、この様にして成型された成型体を焼結し、この焼結された焼結体120から余剰部分121を取り除いて櫛歯123の先端123aを形成させることを特徴とする。成型体は、櫛溝の周縁が面取りされた形状に成型されたものでもよい。また成型体は、この成型体の刃裏の幅中央にて、成型体の基端から先端方向にのびる帯状の凹部を裏スキとして成型させると共に、刃裏の凹部でない幅両側を押し出しピンで押し出す箇所としたのでもよい。また梳鋏は、これら方法により製造されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は梳鋏に用いられる櫛刃の製造方法と梳鋏の改良に関し、詳しくは、成型体を焼結する焼結法による櫛刃の製造方法と梳鋏に関する。
【背景技術】
【0002】
理美容用鋏は2本の刃体を枢着させたものであるが、この理美容用鋏の一種である梳鋏は、図16に示した様に、刃体としての櫛刃301と棒刃302とを枢着させたものである。また櫛刃301は、櫛歯303が櫛溝304を挟んで並設されたものであり、これにより髪を梳ききることができるものである。棒刃302を用いず、2本の櫛刃同士を枢着させ梳鋏もある。
【0003】
理美容用の鋏は、図17に示すように、半製品としての刃部401と柄部402とを別々に作り、これを溶接して刃体とするのが一般的である。刃部401は刃物に適した硬いステンレス材料を用い、また柄部402は硬度が不要なので、刃部とは違って錆びに強い特性のステンレス材料を用いるほうが良いという理由からである。刃部はステンレスの板材から、刃部の半製品を鍛造で作り出したり、単に型抜きして得ている。また柄部402は柄405と指環406からなるが、この指環406の形状が比較的単純な場合には鍛造で柄部を作り、指環406の形状が複雑な場合には鋳造で作っている。この様にして得た刃部401と柄部402とが溶接されて、1本の刃体の半製品ができるのである。
図16に示した様な梳鋏300を作る場合には、この様にして作られた刃体の半製品から、櫛溝304を切り込んで櫛歯303を形成し、櫛刃300にしている。
【0004】
この切り込み方であるが、櫛歯が、図示した櫛歯303の様な直線状であれば、円盤状の研削機で櫛溝を1本づつ切り込んで形成している。
また図18の梳鋏500の様に、櫛歯503が円弧状ものもあるが、このような円弧状の場合には円盤状の研削機では切り込めないので、ワイヤー放電加工により櫛溝504を1本づつ切り込み、これにより櫛歯503を形成している。最近の梳鋏は、この様に櫛歯が円弧状になったものが主流である。ただ、加工に要する時間が大変時間であり、1本の櫛刃に櫛溝をすべて切り込むのに3時間程度もかかっていて、その為、全自動の生産ラインで24時間稼働させるなどしている。
【0005】
この様に櫛刃の半製品を作る行程と、半製品に櫛溝の切り込み行程の他に、刃表と刃裏の加工も重要な行程の一つになっている。つまり一般に理美容用の鋏の刃部は、その断面形状が図19に示すように、刃表300Bであれば円弧状となるように研磨されており、また刃裏300Aであれば裏スキ315という僅かな凹みを研磨して形成させた形状である。裏スキ315は刃先同士が確実に接触しあう為のものであり、つまりこの裏スキ315がないと、刃裏同士が接触することにより刃先同士に隙間ができで、髪の切断ができなくなるが、この裏スキにより図20に示すように刃裏同士が接触することもなくなり、刃先同士の接触が確実に成されるからである。
【0006】
なお板材を研削機やワイヤー放電により切り込めば、切り込まれた櫛溝の周縁は直角な角になるのであり、よって櫛歯はその断面が四隅が角になった方形になっている。ただこの様に櫛溝の周縁が角であると、櫛溝に入った髪をこの櫛溝から抜こうとするときには、周縁の角で髪がすれることとなり、これにより髪が抜けにくくなるという不具合がある。また髪が角で擦れて傷むことも不具合である。
その為に、この角を面取りした梳鋏が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−290572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この様な面取りは、実際に行おうとすると面を何らかの方法で研磨などしなければならず、その手間は大変である。特に櫛歯が円弧状になったものであれば、この櫛歯の面取りは一層大変である。
【0008】
また鍛造などによる方法は刃体形状に型抜きし、これに刃表や刃裏を加工する行程がこれに加わっており、完成品までのこの行程の短縮が望まれている。特に梳鋏は、その櫛溝の形成行程の短縮が望まれている。
【0009】
以上の問題を鑑み、本願発明の課題は梳鋏の製造工程が短縮され、櫛溝の周縁が面取りされた丸みがあり、刃裏を研いでも裏スキが消えることのない梳鋏の櫛刃の製造方法とその梳鋏を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の課題を解決する為に本願請求項1に記載されたのは、梳鋏に用いられる櫛刃の製造方法の発明である。又この櫛刃とは、櫛歯と櫛溝が交互に繰り返された櫛刃である。この製造方法は、まず、前記櫛刃の刃部に対応する成型体を準備するのであり、この成型体とは、前記櫛歯となる部分の歯先同士を繋げる余剰部分を有すると共に、前記余剰部分以外の部分が前記櫛刃と略同一形状をなす成型体として形成するのである。そしてこの成型体を焼結して焼結体を形成し、この焼結体から余剰部分を取り除いて前記櫛歯の先端を形成させることを特徴とするのである。
この方法では、成型体が「余剰部分以外の部分が前記櫛刃と略同一形状をなす」のである。ここで、成型体には成型の金型に射出するときのノズル痕や、金型から外すための押し出しピンがピン痕として残り、この点が櫛歯の形状とはことなるので、上記の様に「略同一形状」としたのである。
【0011】
これにより、従来であれば多くの行程を経て製造していた櫛刃が、少ない行程で製造可能となる。具体的には、従来の例えば鍛造のよる製造方法であれば、型抜きから刃表研削、刃裏研削、櫛溝切り込み、その他と多くの行程を経るのであるが、本発明によれば少ない工程ですむ。特に櫛溝も成型と同時に形成されるのであって、従来の切り込みを行わないので、櫛刃の製造時間の中でもっとも時間のかかっていたこの切り込み作業(例えば櫛刃1本で3時間)が削減され、よって製造時間の大幅な短縮が可能となる。また焼結された焼結体は、軽微な表面仕上げだけで完成品となるのでこの点でも製造時間の短縮になる。
また同じ形状のものが量産可能であるので、量産品の規格維持が容易且つ正確におこなえる。
【0012】
またこの製造方法では、櫛歯の先端の形状が、取り除く余剰部分の形状の選択により形成する様にしてみよい。これにより、1種類の焼結体から、櫛歯の先端を様々に違えた櫛刃の形成が容易になるからである。
【0013】
またこの製造方法では、成型体は、櫛溝の周縁が面取りされた形状に成型するとよい。
成型によれば、金型を一旦準備すれば、櫛溝の周縁を面取りされた形にすることは容易であり、従来であれば、櫛溝の周縁にあった角を削り取る作業が必要であったが、この様な作業が不要であり、正確な面取りが行えるからである。また櫛溝の周縁をこの様な面取り形状のしても、刃表はすでに完成した形状になっており、光沢を出す為程度の磨きでよいので作業が簡易であり、櫛溝の周縁の面取りされた形状が維持できる。つまり仮に成型された刃表の形状を更に研磨仕上げなどする必要があれば、櫛歯を研磨して削ることとなり、これにより成型でできた面(角のこと)が無くなってしてしまう。しかし成型・焼結されたその表面が完成品にきわめて近いので、製造時には研磨などの表面加工が不要であり、よって成型された成型でできた面取り形状がそのまま維持できるのである。
【0014】
またこの製造方法では、成型体を、この成型体の刃裏の幅中央にて、前記成型体の基端から先端方向にのびる帯状の凹部を裏スキとして成型させ、更に刃裏の凹部でない幅両側を押し出しピンで押し出す箇所にするとよい。
これによれば、裏スキを研磨などして形成していた従来の行程が不要になるからである。また、刃裏だけは押し出しピンのピン痕を研磨して取り除く作業をするが、平板な研磨材で研磨すると、研磨されるのは、凹んでいない刃裏の幅両側(峰寄りと刃先より)だけであり、凹部は研磨されない。つまり面取りされていて断面形状に丸味のある櫛歯は研磨されないこととなる。その為に、この面取り形状が維持できるのである。つまり、もし櫛歯も研磨するのであれば、成型により得られた面取り形状も、研磨により角のある形状になってしまうが、刃裏の凹部は、裏スキであると共に、この様な櫛歯の面取りされた状態を維持する機能がある。
【0015】
請求項5記載には梳鋏の発明を記載した。この梳鋏は、請求項1の製造方法により得た櫛刃を用いた梳鋏である。
これにより、金型形状を転写して同一形状のものが量産でき、しかもその形状の精度が高いものが得られる。その為に、従来の鍛造であれば、刃表や刃裏の表面形状を精密に研削形成していたものを、本発明では成型と焼結により当初から、従来であれば最終工程を経て段階で得られるものを、焼結した時点で得ることができる。
特に本発明の成型品においては、その櫛歯が余剰部分により繋がっているので、これにより細長い櫛歯が焼結により変形するのを抑制することとなり、成型体を焼結したものは元々精度の高いところに加え、一層、精度の高いものが得られる。例えば、梳鋏は、櫛歯同士の間が、髪が櫛溝に入っていく入口となるが、櫛歯が僅かでも曲がるとこの櫛溝の入口に大小の違いが生ずるがそのようなこともない。
また粗度も高いものが得られるので、従来であれば、表面形状の形成が成された後に、研磨布などにより研削痕の消去と光沢出しをしていたが、研削痕の様な表面の傷もなく、軽微な磨きだけでよい。
【0016】
またこの梳鋏では、成型体を、櫛溝の周縁が面取りされた形状に成型しておくとよい。これによれば、櫛溝に髪の引っかかりが無く、よって櫛溝からの髪を抜くときには、引っ掛かりがなく滑らかに抜くことができる。また焼結された焼結体の表面は粗度が高いので、この焼結体は、櫛溝に何らかの加工を加えなくても櫛歯の表面は滑らかであり、この点でも引っかかりがないので髪を傷つけることがない。
【0017】
またこの梳鋏では、成型体の段階で、裏スキとなる凹部が設けられている。鋏は一般に、メンテナンスとして刃裏を研ぐことがあるが、この場合には裏スキが消失する傾向にある。その為に、再度、刃裏を研削して裏スキを形成し直すことがある。しかし、本請求項の梳鋏であれば、裏スキが凹部として形成されているので、刃裏を研いでも、凹部に有するある程度の深さにより、この様な消失を避けることができるのである。また刃裏を研いでも、凹部により櫛溝の面(角のこと)が削れて無くなることはない。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本願発明の梳鋏に用いる櫛刃の製造方法によれば、櫛刃の製造工程が短縮され、結局、梳鋏の製造工程が短縮される。また櫛溝の周縁が面取りされた丸みのある櫛刃とこれを用いた梳鋏の実現が容易となる。さらには、梳鋏も精度の高く、櫛溝も表面が平滑なものが得られるので、梳鋏の髪の抜けが良好なものが得られる。また刃裏を研いでも裏スキが消えることはなく、よって櫛溝の面の消失することもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本願発明の実施例を説明する。なお、櫛刃の製造方法とこの櫛刃による梳鋏の説明を併せて行う。
【0020】
この実施例の梳鋏1は、図1に示すような、櫛刃100と棒刃200とを枢着させたものであり、この櫛刃100は刃部101と柄部102とがあり、刃部101には図2に示す様に、櫛歯103が櫛溝104を挟んで並設されたものである。又この櫛刃100は、従来技術の説明で示した図12と同様に、刃部101と柄部102の半製品を別々に作り、これを溶接して接続して、櫛刃100の半製品を作るのであり、その後に各種加工を経て櫛刃を完成され、この櫛刃100と棒刃200とで梳鋏を得ている。
【0021】
この櫛刃100の刃部101であるが、これは、この刃部に対応する焼結体をMIM成型により、次の様にして作られる。
まず図示しない金型を準備し、図3に示すような成型体110の成型をする。この成型体110は、図4に示すように、鋏の材料となるステンレスの金属粉末と、プラスチック粒によるバインダーとを混練(S1)してコンパウンドを造粒し、このコンパウンドを溶融させて金型に射出成型(S2)するのである。金型は櫛刃の刃表側金型と刃裏側金型とからなり、押し出しピンは刃裏側金型に設けられている。よって、押し出しピンのピン痕は刃裏に付くこととなる。
【0022】
この成型体110の形状は、最終的に得ようとする櫛刃100の刃部101とほぼ同一形状に形成されたものであり、ネジ穴112も形成されている。ただ、その刃先側は、櫛歯となる部分113の歯先を延長させた余剰部分111が、櫛歯113同士を繋げた形状に形成されている(図5参照)。またこの余剰部分111以外の部分は、完成された時の櫛刃と略同一形状をなす成型体を形成している。従って余剰幅部分111を備えた形状である点が、完成品の櫛刃100とは異なっており、余剰幅部分111が刃先線にそって繋がっているので、これにより櫛歯113の隣同士を互いに支え合っている状態なのである。
【0023】
また成型体110の刃裏110Aは図6、図7に示すように、この成型体110の刃裏110Aの幅中央にて、成型体110の基端Xから先端Y方向にのびる帯状の凹部115を裏スキとして成型させてある。そして凹部115でない刃裏の両側116a,116b(つまり峰側と刃先側)を、押し出しピンで押し出す箇所としている。
【0024】
更にこの成型体110は、図8に示すように櫛溝114の周縁が面取りされて、櫛歯113はその刃表側110Bも刃裏側110Aも丸味を帯びた形状に成型されている。
【0025】
この様にして成型された成型体110は、所定の方法で焼結(図4の符号S3)して焼結体を脱型すると、図3,図6に示した様な、櫛刃100の刃部101と殆ど同形状ながら刃先に余剰部分111がある点などだけが異なっている焼結体が得られるのである。
【0026】
この焼結体は焼結時の収縮率が小さく、よって焼結前の成型体と殆ど同一形状である。またこの焼結体は、最終的な完成品としての櫛刃ともほぼ同一形状であり、その刃表はその表面も完成品に近いきれいな仕上がりになっている。また、櫛歯は細長いので焼結時に変形しやすく、変形すると櫛溝の入り口に広狭差ができなどして不具合が生じやすい。しかし櫛歯の先は余剰部分により繋がっているので、櫛歯同士で支持し合うこととなり、これにより焼結時の櫛歯の変形を防ぐ効果が得られるので、変形のない寸法精度の高い櫛歯が得られる。更に焼結体の刃裏は、その凹部がやはり完成品と同一形状にて表面も仕上がりに近い状態である。ただ刃裏の凹部以外の箇所116a,116bなどは、押し出しピンのピン痕117が残っている点が完成品と異なっている。また峰側には射出時のノズル痕118がある。
【0027】
この状態で、別途、準備された図示しない柄部を焼結体と溶接し、櫛刃の半製品が、一旦、できあがるのである(図4の符号S4)。
【0028】
そして、研磨により刃部からノズル痕118を削り取り、また刃裏110Aを平面な研磨材で研磨してピン痕117を削り取る。この場合でも櫛歯113や櫛溝114の刃裏側110Aは、凹部115により研磨材に触れることが無く、よって櫛溝114の周縁の丸味が削れることもない。
また図9に示すように、焼結された刃部の焼結体120から、余剰部分121を取り除いて櫛歯123の先端123aを形成させるのである。これには、ワイヤー放電加工により、図9の破線を切り取り線として切り、これにより櫛刃100の櫛歯103は、図10の様な先端形状となる。
【0029】
次に、この状態になれば櫛刃100はほぼ完成であり、後はバフと呼ばれる柔らかい研磨布で刃部101の表裏や柄部102の表面仕上げをすれば櫛刃100の完成である。
後は別途、作られた棒刃と枢着させ、その噛み合わせ具合などを調整し、最後に棒刃に刃付けをして完成である。
【0030】
なお、以上の各行程は必要に応じて前後入れ替えてもよく、上記順序に限るものではない。また櫛歯の形状やその先端形状も自由に変更してよい。また棒刃を用いずに、2本の櫛刃を枢着させて梳鋏としてもよい。
【0031】
また同じ焼結体を用いても、取り除く余剰部分の形状の選択により、櫛歯の先端の形状が様々に形成される。図11は、櫛刃123の先端に2つの凹部123bを設けたものであり、余剰部分121をワイヤ放電加工で切り取る場合に、ワイヤをこの刃先形状の軌跡で切り取る様にすればよい。また図12は、余剰部分121が櫛歯123と櫛歯123の間にあって櫛歯123をつないでいるが、この繋ぎ部分を切り取り、刃先は直線刃としている。そしてこの直線刃の中央に幅の狭い凹部123cが1つ設けられている。
また同じ成型体を用いた梳鋏であっても、余剰部分を切り取る際には、図13〜15に示す様に、櫛溝124の口部125の広狭を選択することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この図は、実施例に係る梳鋏の図である。
【図2】この図は、図1の梳鋏に用いられる櫛刃の図である。
【図3】この図は、櫛刃の刃部に対応する成型体の平面図である。
【図4】この図は、MIM成型による焼結の行程の図である。
【図5】この図は、A−A部分拡大図であり、ノズル痕は省略した。
【図6】この図は、図3に示した成型体の底面図である。
【図7】この図は、C−D−E線組合せ端面図である。
【図8】この図は、B−B端面図である。
【図9】この図は、焼結体から余剰部分を切り取って櫛刃の先端を形成する説明図で ある。
【図10】この図は、図9の破線で切り取りをした後の櫛歯の図である。
【図11】この図は、取り除く余剰部分の形状を替えた櫛歯の図である。
【図12】この図も、取り除く余剰部分の形状を替えた櫛歯の図である。
【図13】この図は、取り除く余剰部分の形状により、櫛溝の口部の大きさが決まることを説明する図である。
【図14】この図も、取り除く余剰部分の形状により、櫛溝の口部の大きさが決まることを説明する図である。
【図15】この図も、取り除く余剰部分の形状により、櫛溝の口部の大きさが決まることを説明する図である。
【図16】この図は、従来の櫛刃の図であり、櫛歯が直線である。
【図17】この図は、別々に作られた刃部と柄部が溶接されて1本の刃体になることを説明する図である。
【図18】この図は、従来の櫛刃の図であり、櫛歯が円弧状である。
【図19】この図は、理美容用鋏の刃部の断面形状を説明する図である。
【図20】この図は、理美容用鋏における裏スキの機能を説明する図である。
【符号の説明】
【0033】
1 梳鋏
100 櫛刃
101 刃部
102 柄部
103 櫛歯
104 櫛溝
200 棒刃
110 成型体
110A 刃裏
110B 刃表
111 余剰部分
112 ネジ穴
113 成型体の櫛歯
114 成型体の櫛溝
115 裏スキとしての凹部
117 ピン痕
118 ノズル痕
120 焼結体
121 焼結体の余剰部分
123 焼結体の櫛歯


【特許請求の範囲】
【請求項1】
梳鋏に用いられる櫛刃であって櫛歯と櫛溝が交互に繰り返された櫛刃、の製造方法であり、
前記櫛刃の刃部に対応する成型体であって、前記櫛歯となる部分の歯先同士を繋げる余剰部分を有すると共に、前記余剰部分以外の部分が前記櫛刃と略同一形状をなす成型体を形成し、
この成型体を焼結して焼結体を形成し、
前記焼結体から余剰部分を取り除いて前記櫛歯の先端を形成させることを特徴とする梳鋏の櫛刃の製造方法。
【請求項2】
櫛歯の先端の形状が、取り除く余剰部分の形状の選択により形成されることを特徴とする請求項1記載の梳鋏の櫛刃の製造方法。
【請求項3】
成型体は、櫛溝の周縁が面取りされた形状に成型されたことを特徴とする請求項1又は2記載の梳鋏の櫛刃の製造方法。
【請求項4】
成型体は、この成型体の刃裏の幅中央にて、前記成型体の基端から先端方向にのびる帯状の凹部を裏スキとして成型させると共に、刃裏の凹部でない幅両側を押し出しピンで押し出す箇所としたことを特徴とする請求項3記載の梳鋏の櫛刃の製造方法。
【請求項5】
櫛歯と櫛溝が交互に繰り返された櫛刃を用いた梳鋏であり、
前記櫛刃の刃部に対応する成型体であって、前記櫛歯となる部分の歯先同士を繋げる余剰部分を有すると共に、前記余剰部分以外の部分が前記櫛刃と略同一形状をなす成型体を形成し、
この成型体を焼結して焼結体を形成し、
前記焼結体から余剰部分を取り除いて前記櫛歯の先端を形成させた前記櫛刃、を用いたことを特徴とする梳鋏。
【請求項6】
櫛歯の先端の形状が、取り除く余剰部分の形状の選択により形成されることを特徴とする請求項5記載の梳鋏。
【請求項7】
成型体は、櫛溝の周縁が面取りされた形状に成型されたことを特徴とする請求項5又は6記載の梳鋏。
【請求項8】
成型体は、この成型体の刃裏の幅中央にて、前記成型体の基端から先端方向にのびる帯状の凹部を裏スキとして成型させたことを特徴とする請求項7記載の梳鋏。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【国際公開番号】WO2005/077612
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【発行日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518053(P2005−518053)
【国際出願番号】PCT/JP2005/002484
【国際出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(390038209)足立工業株式会社 (24)
【Fターム(参考)】