説明

棒材切断機

【課題】 任意なタイミングでの切断や、可動刃を高速で動かしての切断が可能であり、切断できる長さの選択肢が広い棒材切断機の提供。
【解決手段】 棒材Sを切る固定刃1及び可動刃2と、可動刃2に与えるべき昇降運動をスライダ3に発生させる往復運動機構12と、スライダ3の昇降運動を可動刃2に伝達する間欠駆動機構23と、切断される棒材Sを供給する送り手段21と、棒材Sの供給状況に基づいて間欠駆動機構23の動きを制御する制御手段を備え、前記間欠駆動機構23は、スライダ3の下端に可動刃2を加圧する揺動ヘッド5を備え、前記制御手段は、棒材Sの供給状況に基づき、揺動ヘッド5の姿勢を、可動刃2を加圧する有効位相、又は可動刃2を加圧しない無効位相に選択的に切り替える棒材切断機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒材切断機(以下、切断機と記す。)に関するものであって、特に、クラッチ・ブレーキを用いることなく、任意なタイミングで切断及び材料送り等を行い得る間欠駆動機構の採用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、切断機は、丸型又はU型の固定刃及び可動刃等を一体化したダイセットを備え(例えば、下記特許文献1参照。)、往復運動機構で進退するスライダで、可動刃に対し切断に足る加圧を行うものである(例えば、下記特許文献2参照。)。
尚、丸型又はU型の固定刃及び可動刃とは、相互に擦れ合う両刃の切断端に対して垂直に直線的な丸孔又はU字溝を穿設し、棒材(棒材)を挿通又は収容し得る様にしたものである。
前記往復運動機構としては、クランク機構や、スコッチヨーク機構(例えば、下記特許文献3参照。)を採用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−210210号公報
【特許文献2】特公昭58−37097号公報
【特許文献3】特開2000−65290号公報
【0004】
切断機を用いて切断を連続的に行なうには、切断の度に棒材を送る作業(以下、送り作業と記す。)を適切なタイミングで行うことが不可欠である。送り作業のタイミングや動作に不備があれば、送り作業の最中に可動刃と棒材とが抵触し、部材の破損や棒材の誤切断につながることとなるからである。
【0005】
従来の切断機は、間欠駆動機構がなく、常に一定周期で可動刃が昇降していたために、単位時間の切断回数に応じて棒材の供給に許された時間(以下、供給時間と記す。)が限られ、その時間に供給可能な棒材の長さ(切断長)も限られていた。
そこで、棒材を連続して長い切断長で切断する際には、可動刃の昇降速度を遅くする手法や、往復運動機構の往復駆動源にクラッチ・ブレーキを付設する等によって、送り作業等の間、強制的に往復運動機構の動作を止める手法を採る必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、その様な手法を採ったとしても、送り作業等の度に、往復運動機構を減速し、又は往復運動機構と往復駆動源との連結を断っていたのでは、往復運動機構を送り作業が終了する度に再加速しなければならない。ところが、上記の如く供給時間が限られる問題は何等解消していないために、可動刃を高速で動かしての切断が困難となることは避けられない。
この様に、従来の切断機には、切断できる棒材の切断長が制限されるのみならず、切断面の精度を高めることが出来ないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、任意なタイミングでの切断や、可動刃を高速で動かしての切断が可能であり、切断できる棒材の切断長の選択肢が広い棒材切断機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明による棒材切断機は、棒材を切る固定刃及び可動刃と、可動刃に与えるべき昇降運動をスライダに発生させる往復運動機構と、スライダの昇降運動を可動刃に伝達する間欠駆動機構と、切断される棒材を供給する送り手段と、棒材の供給状況に基づいて間欠駆動機構の動きを制御する制御手段を備えたものである。
【0009】
前記間欠駆動機構は、スライダの下端又は可動刃の上端に、可動刃を加圧し又はスライダから加圧を受ける揺動ヘッドを備え、前記制御手段は、棒材の供給状況に基づき、揺動ヘッドの姿勢を、可動刃を加圧する有効位相、若しくは可動刃を加圧しない無効位相、又はスライダから加圧を受ける有効位相、若しくはスライダから加圧を受けない無効位相に、選択的に切り替えるものである。
【発明の効果】
【0010】
スライダの下端又は可動刃の上端に揺動ヘッドを備えた構造を有し、棒材の供給状況に基づき、間欠駆動機構(揺動ヘッド)の姿勢を有効位相又は無効位相に選択的に切り替える制御手段を備えることにより、往復運動機構と往復駆動源との連結を断つことなく、可動刃に対するスライダの働きかけを有効とし、又は無効とすることができる。
【0011】
その結果、従来と比較して任意なタイミングで切断を行なうことができ、往復運動機構の動作を一定速度に維持しつつ、可動刃を従来よりも高速に動かした状態で切断作業を行うことが可能となる。
以上により、従来と比較して、切断できる棒材の切断長の選択肢が幅広く、精度の高い切断面が得られる棒材切断機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による棒材切断機(有効位相時)の一例を示す側方から見た要部断面図である。
【図2】本発明による棒材切断機(無効位相時)の一例を示す側方から見た要部断面図である。
【図3(A)(B)】本発明による棒材切断機(切断完了位置及び復帰位置)の一例を示す可動刃の側から見た要部正面図である。
【図4】本発明による棒材切断機の一例を示す固定刃の側から見た正面図である。
【図5(A)(B)】本発明による棒材切断機(A)及び従来の棒材切断機(B)による切断作業の一例を示すフローチャートである。
【図6(A)(B)(C)(D)】本発明による棒材切断機を用いた切断作業(有効位相時)の一例を示す工程図である。
【図7(A)(B)(C)(D)】本発明による棒材切断機を用いた切断作業(無効位相時)の一例を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明による棒材切断機の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1乃至図4並びに図6及び図7に示す例は、フレーム10に、棒材Sを切断するダイセット7と、ダイセット7に与えるべき上下方向の往復運動(以下、昇降運動と記す。)を発生する往復運動機構12と、往復運動機構12に駆動力を与える往復駆動源13と、ダイセット7に昇降運動を伝達する間欠駆動機構と、ダイセット7へ切断される棒材Sを供給する送り手段21を支持してなり、送り手段21が発生する送り情報に基づいて間欠駆動機構23の動きを制御する制御手段を備える。
【0014】
ダイセット7は、丸型の固定刃1及び可動刃2と、可動刃2を支持する左右の一対の切断ガイド8と、それらを支持して一体化する支台6を備えてなる。固定刃1は、支台6に固定され、可動刃2は、前記切断ガイド8に昇降自在に支持される。
【0015】
尚、当該例における可動刃2は、可動刃本体2bをダイホルダ2cに装填したものである。
【0016】
固定刃1及び可動刃2は、棒材Sを挿通する際には、固定刃1及び可動刃2の丸孔1b,2dが相互に向き合って連通し(以下、この状態となる位置を復帰位置と記す。)、切断完了の際には、固定刃1と可動刃2の丸孔1b,2dは、相互にずれ合い、各々の切断端1a,2aが各々の丸孔2d,1bを封じる位置関係をとる(以下、この状態となる位置を切断完了位置と記す。)。
【0017】
以下、往復運動機構について説明する。
往復運動機構12は、昇降運動を行なうスライダ3と、スライダ3を昇降自在に支持する昇降ガイド11とからなり、スコッチヨーク機構を採用したものである。
往復運動機構12の駆動力は、フレーム10に支持された往復駆動源13が与える。
【0018】
スライダ3は、スコッチヨーク機構のヨークとして組み入れ、移動軸受3aが左右に移動可能なガイド孔3bを備える。移動軸受3aは、エキセン軸13aが備える偏芯盤13bを支持し、エキセン軸13aの回転に伴う偏芯盤13bの旋回運動を、移動軸受3aを介してスライダ3に伝達する。その際、偏芯盤13bの旋回運動のうち横方向の揺動は、ガイド孔3b内での移動軸受3aの往復運動を以ってキャンセルされ、上下方向の運動のみがスライダ3に加わることとなる。
【0019】
エキセン軸13aは、フレーム10に支持され、その駆動力は、同じくフレーム10に固定された往復駆動源13からプーリ及び伝動ベルト(図示省略)を介して得る。スライダ3の昇降運動を連続する為の回転エネルギーの維持は、エキセン軸13aの両端に、各々棒材Sの切断に適したフライホイール(図示省略)を付設することで得る。
【0020】
スコッチヨーク機構は、装置が嵩高とならない点で有利であるが、スコッチヨーク機構に限らず、クランク機構やレバー機構を用いることができる。
往復駆動源13には、モータを採用する。
【0021】
昇降ガイド11は、可動刃2の上位であって、且つ可動刃2の昇降軌道とスライダ3の昇降軌道が相互の延長線上、又はその延長線と平行に存在する位置関係となる様に、スライダ3の左右に一対平行に配置した状態でフレーム10に固定する。
【0022】
フレーム10は、往復運動機構12におけるスライダ3の位置を、エキセン軸13aの回転位相として検出するロータリーエンコーダ等のセンサ(図示省略、以下、エキセン軸センサと記す。)を備える。
更に、ダイセット7の下となる位置に、復帰機構4を上向きで埋設して備えると共に、可動刃2の昇降軌道の延長線に沿ってフレーム10に貫通孔9を設ける。当該例の復帰機構4は、エアシリンダを用い、その作用ロッドが、貫通孔9を通って可動刃2に当接することにより、可動刃2の復帰の際は、気圧で可動刃2を突き上げ、可動刃2が下降する際は、エアによる緩衝作用を得る。
【0023】
以下、間欠駆動機構について記す。
この例は、スライダ3と可動刃2の間に間欠駆動機構23を備える。
間欠駆動機構23は、スライダ3の昇降運動を可動刃2に伝える揺動ヘッド5と、それを駆動すべくフレーム10に固定したサーボモータ等の揺動駆動源16と、その回転力を揺動ヘッド5へ伝えるシャフト15からなる。
【0024】
この例における揺動ヘッド5は、ヘッド本体5bの基端部両側面に、揺動軸5aを一体的に突設したものである。この例のヘッド本体5bは直方体状であり、揺動軸5aを設けた基端部とは反対側の端面が、可動刃2の受圧部を圧する為の加圧面5cとなる。
揺動ヘッド5のヘッド本体5bは、スライダ3の下端部に、揺動軸5aが保持されることにより垂下及び傾倒可能に支持される。
【0025】
揺動ヘッド5は、鉛直方向へ垂下した姿勢にあることを条件として、可動刃2に対しスライダ3の昇降運動を伝達し、傾倒したことを条件として昇降運動の伝達を回避する。
よって、揺動軸5aと加圧面5cとの間の長さ及び揺動ヘッド5の厚みは、揺動ヘッド5に許容された傾倒によって、加圧面5cが可動刃2の受圧部から十分に逸れ得る長さ及び薄さに設定する必要があり、また、それを可能とする揺動量を与える必要がある。
【0026】
揺動軸5aは、その遠心方向へ突出する態様の伝動アーム19を備え、その先端部は、退避機構22を介してスライダ3に連結する。
退避機構22は、スプリング等の付勢部材であり、揺動駆動源16の動力が遮断される等の緊急時における強制的な退避機構である。
退避機構22は、その引っ張り力を以って、揺動ヘッド5の加圧面5cを、可動刃2の昇降軌道から退避する方向へ付勢する。
【0027】
当該例では、揺動ヘッド5に許容された傾倒は、垂下状態に始まり、退避機構22の付勢作用による伝動アーム19の動きに対応した方向への傾倒のみであり、反対側への傾倒は、ストッパ(図示省略)等により規制される。
【0028】
以下、揺動ヘッド5の駆動機構について記す。
揺動ヘッド5の揺動軸5aは、シャフト15を介して揺動駆動源16から角度調整可能な回転力を受ける。揺動駆動源16は、揺動軸5aの延長線上に設置されている。揺動軸5aと揺動駆動源16を連結するシャフト15は、屈曲又は伸縮(スライド)自在なユニバーサルジョイント17等で連結し、揺動駆動源16を常時静止したフレーム10に置きつつ、スライダ3の昇降運動に対応して駆動力の伝達が得られる構造とする。
【0029】
上記連結構造を以って、この構成によれば、スライダ3の仕様の設定幅が広がり、棒材Sの種類に応じて、可動刃2に切断力を与える際の最適な条件設定を施すことが容易となる。
【0030】
以下、揺動ヘッド5の作用について説明する。
揺動ヘッド5が垂下した姿勢となった際には、スライダ3は、上死点に位置する時には、その揺動ヘッド5が復帰位置にある可動刃2から所定距離離隔し(図4参照。)、スライダ3の下降過程における一定の位置(図3(B)及び図6(B)参照。)で当接した可動刃2を伴って下降し、下死点に位置する時には、揺動ヘッド5が可動刃2を切断完了位置にまで押し下げた状態となる(図1、図3(A)、及び図6(C)参照。以下、この下降期間におけるスライダ3の動作を切断動作と記す。)。
【0031】
一方、揺動ヘッド5が所定角度の傾倒姿勢となった際には、揺動ヘッド5の先端部は、可動刃2の受圧部から逸れ、上記スライダ3の動きと同じ振幅の切断動作では可動刃2に加圧できず、実質的な切断作用は得られない(図2、及び図7(B)(C)(D)参照。)。即ち、その間のスライダ3の昇降は、可動刃2の動作に対しては無効な動作となる。
【0032】
送り手段21は、棒材Sを搭載し搬送する複数のピンチローラ20を配設してなる。
送り手段21は、ピンチローラ20の稼動による材料供給時に出力する供給信号と、ストッパ24への材料到着時に出力する到着信号と、ピンチローラ20及び棒材Sが停止している時に出力する停止信号と、棒材Sがピンチローラ20上に存在しない時に出力する非検知信号を送り情報として発生する。
尚、当該例の到着信号は、可動刃2の丸孔2dに対向する位置にストッパ24を設け、ストッパ24に棒材Sが接触した際に発生する。
【0033】
以下、この棒材切断機の制御について説明する。
制御手段は、棒材Sの供給状況を示す送り情報と、エキセン軸13aの回転位相に基づき、揺動ヘッド5の姿勢を制御する。
【0034】
即ち、制御手段は、エキセン軸13aの回転に伴い偏芯盤13bが振れている方向を、エキセン軸13aの回転位相を検出するエキセン軸センサから読み取り、偏芯盤13bが振れている方向が、エキセン軸13aの支軸13cの位置より上位に存在する時期にのみ、揺動ヘッド5を回転させ、揺動ヘッド5の加圧面5cを、可動刃2の昇降軌道内へ挿入し、又は昇降軌道外へ退避させるよう制御を行う。
【0035】
具体的には、制御手段は、偏芯盤13bの振れている方向が真上である時の位相を0度として、偏芯盤13bの振れている方向が、一方の水平方向である270度の時から、0度を通過して、90度に至るまでの期間に揺動ヘッド5を回転させる。実際には、揺動ヘッド5の揺動速度に応じて、干渉防止の予備角度を見込んだ期間内(この例では、約290度から70度までの140度の間)で揺動ヘッド5を回転させることが望ましい(以下、この様な期間の開始時期を揺動開始点と記す。)。
【0036】
制御手段による揺動ヘッド5の回転角度の制御は、スライダ3の昇降が可動刃2に対して作用する有効位相と、スライダ3の昇降が可動刃2に対して作用しない無効位相とを切り替えることにより行なう。各位相の位置には、揺動ヘッド5が各々の位相にあることを検知するセンサ18を設置する。
これらのセンサ18は、揺動ヘッド5と共に回動する伝動アーム19を検知することで、有効位相にあることを確認する有効信号と、無効位相にあることを確認する無効信号を発する。
【0037】
棒材Sを供給する際には、制御手段は、エキセン軸13aが揺動開始点に到達したことをエキセン軸センサで検出し、揺動ヘッド5を回転させる処理を実行する。
この例では、偏芯盤13bの触れている方向が真上である時に、揺動ヘッド5の加圧面5cは、復帰位置の可動刃2から一定長(この例では、60mm。)上方へ離隔した位置に存在する(図4、図6(A)、図7(D)参照。)。
【0038】
制御手段は、エキセン軸13aが揺動開始点に到達したことをエキセン軸センサで検出した信号(以下、揺動開始信号と記す。)を受けて揺動駆動源16を駆動し、揺動ヘッド5の加圧面5cを受圧部の昇降軌道外へ瞬時に退避させる。その結果、揺動ヘッド5の加圧面5cが可動刃2を逸れることを以って、スライダ3の昇降運動は、可動刃2に対して何等力を加えることなく継続する。当該例では、この時期が棒材切断作業の間欠時期となる(図7(B)(C)(D)参照。)。
【0039】
制御手段は、これらの制御と同時にピンチローラ20を稼動させ、切断寸法に応じてストッパ24に当接する位置まで材料を送り、所定位置に達した事を確認する到着信号を受けて、ピンチローラ20のトルクを棒材Sに対してスリップしない程度にまで低下させ、棒材Sを保持固定する(図6(B)(C)(D)参照。)。
【0040】
制御手段は、到着信号を受けたことを条件に、揺動開始信号を受けて、揺動駆動源16を駆動し、揺動ヘッド5の加圧面5cを、可動刃2の受圧部の昇降軌道内へ挿入する(図6(A)参照。)。その後、スライダ3は、切断動作を開始し、揺動ヘッド5の加圧面5cを可動刃2の受圧部に接する位置にまで押し下げ(図6(B)参照。)、更に、可動刃2を切断完了位置へ押し下げる(図6(C)参照。)。制御手段は、エキセン軸センサにより、偏芯盤13bの振れている方向が真下である時の位相(180度)を検出し、可動刃2が切断完了位置に達し、切断動作が完了したことを検出する。
【0041】
尚、この例では、偏芯盤13bの振れている方向が、水平方向である時に、揺動ヘッド5の加圧面5cは、復帰位置の可動刃2に接して存在するように設定し、偏芯盤13bの振れている方向が真下である時に、揺動ヘッド5の加圧面5cは、復帰位置の可動刃2の受圧部の位置から一定長(この例では、60mm。)下降した位置に存在するように設定する(図1、図3(A)、図6(A)参照。)。
【0042】
切断動作を完了したスライダ3は上昇を開始し、スライダ3に押し下げられていた可動刃2は、エアダンパ等の復帰機構4によって復帰位置へ上昇する。
【0043】
制御手段は、上記の如く、切断機に対する停止等の他の操作が行われるまで、揺動開始信号を受けて、揺動ヘッド5の加圧面5cを受圧部の昇降軌道外へ退避させる動作、及び棒材Sを供給する動作に始まる一連の動作を繰り返す制御を行う。
【0044】
本発明による棒材切断機は、フレーム10、スライダ3、往復運動機構12、ダイセット7等の基本的構造は同じであるが、揺動ヘッド5をスライダ3の先端に備える構造は採らず、可動刃2に備える構造の間欠駆動機構を採用することが可能である。
この実施の形態では、スライダ3は、その先端に加圧面5cを備える。スライダ3から加圧を受ける可動刃2は、その上端に揺動ヘッドを備える。
【0045】
揺動ヘッド5は、可動刃2の上端部に支持された揺動軸5aに起立又は傾倒可能に支持され、その揺動軸5aは、シャフト15を介して揺動駆動源16から角度調整可能な回転力を受ける。揺動軸5aと揺動駆動源16を連結するシャフト15の態様は、先に説明した実施の形態と同様である。
【0046】
揺動ヘッド5は、鉛直方向へ起立した姿勢にあることを条件として、スライダ3の昇降運動を可動刃2に伝達することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 固定刃,1a 切断端,1b 丸孔,
2 可動刃,2a 切断端,2b 可動刃本体,2c ダイホルダ,2d 丸孔,
3 スライダ,3a 移動軸受,3b ガイド孔,
4 復帰機構,5 揺動ヘッド,5a 揺動軸,5b ヘッド本体,5c 加圧面,
6 支台,7 ダイセット,8 切断ガイド,9 貫通孔,
10 フレーム,11 昇降ガイド,12 往復運動機構,
13 往復駆動源,13a エキセン軸,13b 偏芯盤,13c 支軸,
14 緩衝機構,
15 シャフト,16 揺動駆動源,17 ユニバーサルジョイント,
18 センサ,19 伝動アーム,
20 ピンチローラ,21 送り手段,
22 退避機構,23 間欠駆動機構,24 ストッパ,
S 棒材,

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒材(S)を切る固定刃(1)及び可動刃(2)と、
可動刃(2)に与えるべき昇降運動をスライダ(3)に発生させる往復運動機構(12)と、
スライダ(3)の昇降運動を可動刃(2)に伝達する間欠駆動機構(23)と、
切断される棒材(S)を供給する送り手段(21)と、
棒材(S)の供給状況に基づいて間欠駆動機構(23)の動きを制御する制御手段を備え、
前記間欠駆動機構(23)は、スライダ(3)の下端に可動刃(2)を加圧する揺動ヘッド(5)を備え、
前記制御手段は、棒材(S)の供給状況に基づき、揺動ヘッド(5)の姿勢を、可動刃(2)を加圧する有効位相、又は可動刃(2)を加圧しない無効位相に選択的に切り替える棒材切断機。
【請求項2】
棒材(S)を切る固定刃(1)及び可動刃(2)と、
可動刃(2)に与えるべき昇降運動をスライダ(3)に発生させる往復運動機構(12)と、
スライダ(3)の昇降運動を可動刃(2)に伝達する間欠駆動機構(23)と、
切断される棒材(S)を供給する送り手段(21)と、
棒材(S)の供給状況に基づいて間欠駆動機構(23)の動きを制御する制御手段を備え、
前記間欠駆動機構(23)は、可動刃(2)の上端にスライダ(3)から加圧を受ける揺動ヘッド(5)を備え、
前記制御手段は、棒材(S)の供給状況に基づき、揺動ヘッド(5)の姿勢を、スライダ(3)から加圧を受ける有効位相、又はスライダ(3)から加圧を受けない無効位相に選択的に切り替える棒材切断機。

【図1】
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【図2】
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【図3(A)(B)】
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【図4】
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【図5(A)(B)】
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【図6(A)(B)(C)(D)】
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【図7(A)(B)(C)(D)】
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