説明

棚受けブッシュ

【課題】 棚板を保持することができ、内部にリブを設けずに、無段階に高さ(位置)調節ができる。
【解決手段】棚板の受け穴部の内面と、前記受け穴部に挿通する金属パイプの支柱の外面との間に嵌挿される硬質樹脂成型部である棚受けブッシュであって、
棚受けブッシュの内周面には、支柱に向けて突出するリブを設けずに、支柱の外面に対して摩擦力で止める軟質樹脂成型部を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式棚に用いる棚受けブッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の棚受けブッシュは、支柱に等間隔に刻みを入れ、ブッシュ側にその刻みと雄雌になるように内部にリブを設けて、高さ調整の位置決めを行っていた(特許文献1〜6)。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3160266号
【特許文献2】特開2007−175224
【特許文献3】特開2000−37236
【特許文献4】実開平03−041703
【特許文献5】実開平02−125630
【特許文献6】実開平01−177931
【0004】
しかし、従来の棚受けブッシュは、支柱に入れた刻みによって高さ(位置)が調節されることから、決められた位置に高さを調節せざるを得ず、無段階に高さ(位置)調節ができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、棚板を保持することができ、内部にリブを設けずに、無段階に高さ(位置)調節ができる棚受けブッシュを提供できるところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は鋭意検討した結果、棚板の受け穴部の内面と、前記受け穴部に挿通する金属パイプの支柱の外面との間に嵌挿される硬質樹脂成型部である棚受けブッシュであって、
棚受けブッシュの内周面には、支柱に向けて突出するリブを設けずに、支柱の外面に対して摩擦力で止める軟質樹脂成型部を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
また棚板の受け穴部の断面は、略多角形の内面で構成されているとともに当該略多角形の各内面が上下方向にテーパ面をなしかつ当該各内面のテーパ面は円周方向に下向きのテーパ面と上向きのテーパ面とが交互に繰り返されて構成されているが、この棚板の受け穴部に対して、棚受けブッシュの外周面には、上記棚板の受け穴部のテーパ面とは逆テーパとなる上向きのテーパ面と下向きのテーパ面とが円周方向に交互に繰り返されて構成されている。
【発明の効果】
【0008】
従って、硬質素材と軟質素材を一体にし、軟質樹脂の柔軟性、また、摩擦力により棚板を保持することにより、支柱に刻みを設ける必要が無く、無段階に高さ(位置)調節ができる。
また本発明によれば、支柱に刻みを設ける必要が無いため、丸パイプや丸棒をそのまま支柱として使用する事が出来るので、加工の手間が省け、コスト低減ができる。
また棚板に重量物が載せても、上記棚板は、所望位置にて支柱に外装された上記棚板ブッシュに、棚板の受け穴部の内面のテーパ面と棚板ブッシュの外面のテーパ面相互間のくさび作用によって固定される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一態様のブッシュが設置された状態を示す棚板の斜視図である。
【図2】支柱への取り付け状態を示す同要部斜視図である。
【図3】同ブッシュの半分を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を用いて説明するが、本発明は図面で示した態様に限られるものではない。
【0011】
図1は本発明の一態様のブッシュが設置された状態を示す棚板の斜視図である。図2は支柱への取り付け状態を示す同要部斜視図である。図3は同ブッシュの縦方向の分割状態を示す半分の斜視図である。
【0012】
図1乃至図3において、100は棚板200の受け穴部201と支柱300との間に設けられた硬質樹脂成型部101である棚受けブッシュである。棚受けブッシュ100は棚板200の受け穴部201の内面202と、前記受け穴部201に挿通する金属パイプの支柱300の外面301との間に嵌挿された状態を示している。金属パイプはパイプの素材に限定されず、樹脂パイプ、木製パイプいずれであっても、摩擦抵抗が得られれば、使用可能である。
【0013】
図3において、棚受けブッシュ100の内周面102には、支柱300に向けて突出するリブを設けずに、支柱300の外面301に対して摩擦力で止める軟質樹脂成型部103が内設されている。因みに、棚受けブッシュの軟質成型部103と硬質成型部101の一体化の方法は、二色成型、接着、溶着を例示することができる。
【0014】
従って、支柱300に棚板200を取り付ける際には、棚板200の受け穴部201に支柱300を嵌挿し、その際、半分割された棚受けブッシュ100を、棚板200の受け穴部201の内面202と、前記受け穴部201に挿通する支柱300の外面301との間に合わせて嵌挿すれば、棚受けブッシュ100内周面102の軟質樹脂成型部103によって、支柱300の外面301に対して摩擦力で固定保持されて、簡単に取り付けられる。なお、好ましくは外面301に高分子膜を被覆した支柱300であれば、棚受けブッシュ100の軟質樹脂成型部103によって、支柱300の外面301に対して一層効果的に摩擦力で固定保持される。
【0015】
また支柱300に対して棚板200の高さ(位置)調節をする際には、支柱300の外面301に対して摩擦力で止められている軟質樹脂成型部103に対して、当該摩擦力を超える力を与えてやれば、無段階に高さ(位置)調節ができる。
【0016】
一方、他実施例では、棚板200の受け穴部201の断面は、略多角形の内面で構成されているとともに当該略多角形の各内面が上下方向にテーパ面をなしかつ当該各内面のテーパ面は円周方向に下向きのテーパ面と上向きのテーパ面とが交互に繰り返されて構成されている。
【0017】
この棚板200の受け穴部201に対して、棚受けブッシュ100の外周面104には、上記棚板200の受け穴部201のテーパ面とは逆テーパとなる上向きのテーパ面と下向きのテーパ面とが円周方向に交互に繰り返されて構成されている。
【0018】
従って、上記棚板200は、所望位置にて支柱300に外装された上記棚板ブッシュ100に、棚板200の受け穴部201の内面202のテーパ面と棚板ブッシュ100の外周面104のテーパ面相互間のくさび作用によって固定されるため、確実に固定される。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、組立式棚に用いる棚受けブッシュに幅広く利用できる。
【符号の説明】
【0020】
100 棚受けブッシュ
101 硬質樹脂成型部
102 内周面
103 軟質樹脂成型部
104 外周面
200 棚板
201 受け穴部
300 支柱
301 外面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚板の受け穴部の内面と、前記受け穴部に挿通する支柱の外面との間に嵌挿される硬質樹脂成型部である棚受けブッシュであって、
棚受けブッシュの内周面には、支柱に向けて突出するリブを設けずに、支柱の外面に対して摩擦力で止める軟質樹脂成型部を設けたことを特徴とする棚受けブッシュ。
【請求項2】
棚受けブッシュの外周面には、断面が略多角形の内面で構成されているとともに当該略多角形の各内面が上下方向にテーパ面をなしかつ当該各内面のテーパ面は円周方向に下向きのテーパ面と上向きのテーパ面とが交互に繰り返されて構成された棚板の受け穴部に対して、上記棚板の受け穴部のテーパ面とは逆テーパとなる上向きのテーパ面と下向きのテーパ面とが円周方向に交互に繰り返されて構成されている請求項1記載の棚受けブッシュ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−100920(P2012−100920A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252750(P2010−252750)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(504156795)株式会社ネオスター (6)
【Fターム(参考)】