説明

椅子における操作レバー装置

【課題】ワイヤの掛け方を変更するだけで、操作レバーの回動角度に対するワイヤの牽引量を簡単に変更することができ、もって、ワイヤの引き代や引き強さ等が異なる種々の調節装置の操作手段として広く適用できるようにした、椅子における操作レバー装置を提供する。
【解決手段】椅子に枢着した操作レバー19の中間部にワイヤ掛け部23を設け、このワイヤ掛け部23に、被操作手段に連係されたワイヤ25を掛け回し、操作レバー19を回動させることにより、ワイヤ25を牽引するようにした椅子における操作レバー装置において、ワイヤ掛け部23を、ワイヤ25が当接する最も操作レバー19の先端寄りの最先端当接部Aの位置が、操作レバー19の長手方向に異なる複数の態様で、ワイヤ25を装着可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子における背凭れの角度調節装置、背凭れの付勢力調節装置、座の高さ調節装置、その他の可動部分の変位や強さ等を調節するための各種調節手段を操作する、椅子における操作レバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、椅子の肘掛けの前端下部に操作レバーを設け、この操作レバーを回動させることにより、ワイヤを介して、上記のような各種調節手段を操作するようにした、椅子における操作レバー装置につき、先に特許出願している(特許文献1および2参照)。
【特許文献1】特開2004−49691号公報
【特許文献2】特開2004−113501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これらの特許文献1および2に記載されている操作レバー装置は、いずれも、操作レバーの回動角度に対するワイヤの牽引量が常に一定であるので、例えば、背凭れの角度調節装置操作用の操作レバー装置を、座の高さ調節装置操作用の操作レバー装置として転用したり、またはそれらの共通化を図ろうとしても、必要とするワイヤの牽引量や牽引力が異なるため、その転用や共通化の実現は困難である。
【0004】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、ワイヤの掛け方を変更するだけで、操作レバーの回動角度に対するワイヤの牽引量を簡単に変更することができ、もって、ワイヤの引き代や引き強さ等が異なる種々の調節装置の操作手段として広く適用できるようにした、椅子における操作レバー装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)椅子の一部に基端部が枢着され、かつ先端部に操作部が設けられている操作レバーの中間部に、ワイヤ掛け部を設け、このワイヤ掛け部に、一端が操作レバーの近傍の椅子の一部に止着され、かつ他端が椅子における被操作手段に連係されたワイヤの一端寄りの部分を掛け回し、前記操作レバーを回動させることにより、ワイヤ掛け部に掛け回されたワイヤを牽引して、前記被操作手段を操作するようにした椅子における操作レバー装置において、前記ワイヤ掛け部を、前記ワイヤが、操作レバーの長手方向に異なる複数の位置において係止しうるようなものとする。
【0006】
(2)上記(1)項において、ワイヤ掛け部を、操作レバーの長手方向と、ワイヤの案内方向とに対して直交する軸線を曲率中心とする円弧状とするとともに、その中間部に、前記ワイヤをバイパスしうるバイパス通路を設ける。
【0007】
(3)上記(1)項において、ワイヤ掛け部を、操作レバーの長手方向に、ワイヤが挿通しうる間隔を保って突設した複数のピンにより形成する。
【0008】
(4)上記(1)〜(3)項において、操作レバーの基端部を、椅子の肘掛けの前端下部に、左右方向を向く軸をもって枢着する。
【0009】
(5)上記(1)〜(3)項において、操作レバーの基端部を、椅子の座の下面側部に、左右方向を向く軸をもって枢着する。
【0010】
(6)上記(1)〜(5)項において、被操作手段を、ワイヤを牽引することにより、背凭れの回動を可能とし、ワイヤが緩められることにより、背凭れの回動が停止させられるようにした背凭れの角度調節装置とする。
【0011】
(7)上記(1)〜(5)項において、被操作手段を、ワイヤを牽引することにより、椅子の伸縮式脚内に設けたロック付きガススプリングのロック解除ボタンを作動位置まで押動して、座の高さ調節を可能とし、ワイヤが緩められることにより、ロック解除ボタンが不作動位置に復帰して、座の高さを固定するようにした座の高さ調節装置とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
請求項1記載の発明によると、ワイヤ掛け部を、ワイヤが、操作レバーの長手方向に異なる複数の位置において係止しうるようなものとしてあるので、ワイヤ掛け部へのワイヤの掛け方を変更するだけで、操作レバーの回動角度に対するワイヤの牽引量および牽引力を簡単に変更することができ、もって、ワイヤの引き代や引き強さ等が異なる種々の調節装置の操作手段として広く適用することができるとともに、ワイヤの引き代や強さが異なる種々の調節装置間において、操作レバー装置を転用したり、操作レバー装置の共通化を図ったりすることができる。
【0013】
請求項2記載の発明によると、ワイヤ掛け部を、円弧状の曲面とするとともに、その中間部に、ワイヤをバイパスしうるバイパス通路を設けてあるので、円弧状の曲面により、ワイヤを円滑に牽引することができるとともに、円弧状の曲面の中間部に設けたバイパス通路にワイヤを挿通させることにより、ワイヤ掛け部における実際にワイヤが掛かった部分を、操作レバーの枢軸寄りに変位させることができ、もって、操作レバーの回動角度に対するワイヤの牽引量を小とし、かつ牽引力を大とすることができ、しかもこの場合にも、ワイヤは、円弧状の曲面の一部に沿って摺接するので、ワイヤを円滑に牽引することができる。
【0014】
請求項3記載の発明によると、ワイヤ掛け部を、操作レバーの長手方向に、ワイヤが挿通しうる間隔を保って突設した複数のピンにより形成してあるので、操作レバーの構造を簡素化し、安価に製造しうるとともに、ピンの数を増やすだけで、ワイヤの異なる掛け方の態様数を、簡単に増やすことができる。
【0015】
請求項4記載の発明によると、 操作レバーの基端部を、椅子の肘掛けの前端下部に、左右方向を向く軸をもって枢着してあるので、肘掛けに肘を載せた手の先で、操作レバーを操作することができ、操作性がよい。
【0016】
請求項5記載の発明によると、操作レバーの基端部を、椅子の座の下面側部に、左右方向を向く軸をもって枢着してあるので、操作レバーが、座の下方に位置して、目立たず、しかも、手を座の下方に延ばすことにより、操作レバーを簡単に操作することができる。
【0017】
請求項6記載の発明によると、被操作手段を、ワイヤを牽引することにより、背凭れの回動を可能とし、ワイヤが緩められることにより、背凭れの回動が停止させられるようにした背凭れの角度調節装置としてあるので、その装置に使用されているワイヤ復帰用のばねの強さやストロークが、機種によって異なる場合に、操作レバー装置のワイヤの掛け方を変更するだけで、それに対応することができる。
【0018】
請求項7記載の発明によると、被操作手段を、ワイヤを牽引することにより、椅子の伸縮式脚内に設けたロック付きガススプリングのロック解除ボタンを作動位置まで押動して、座の高さ調節を可能とし、ワイヤが緩められることにより、ロック解除ボタンが不作動位置に復帰して、座の高さを固定するようにした座の高さ調節装置としてあるので、ロック解除ボタンの復帰用のばねの強さやストロークに応じて、それに最も適した操作レバーへのワイヤの掛け方を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図6は、本発明の第1の実施形態を備える椅子を示す。
図1に示すように、この椅子(1)は、先端部にキャスタ(2)を設けた放射状の複数本の脚杆(3)を有する脚体(4)を備えている。脚体(4)の中央には、上下調節式の脚柱(5)が立設され、脚柱(5)の上端には、支基(6)が設けられている。
【0020】
支基(6)には、背凭れ(7)を支持する左右1対の背凭れ支持杆(8)の前下端部が、左右方向を向く支持軸(9)をもって枢支され、背凭れ(7)および背凭れ支持杆(8)は、支基(6)内に設けられたリクライニング機構(図示略)により、後傾しうるようになっている。
【0021】
支基(6)の上方に配設された座体(10)の前部は、左右1対の支持リンク(11)(11)をもって、支基(6)の前部に支持され、また座体(10)の後部は、左右の背凭れ支持杆(8)の前向腕部(8a)(その一方のみを図示する)における前端寄りの部分より上向突設された軸受片(12)に、左右方向を向く枢軸(13)をもって枢着され、座体(10)は、背凭れ(7)および背凭れ支持杆(8)が後傾すると、それらに連動して、後下方に移動させられるようになっている。
【0022】
図2および図3に示すように、左右の背凭れ支持杆(8)の前向腕部(8a)における軸受片(12)の後方には、肘掛け支柱(14)を取り付けるための直方体状の取付部(15)が、軸受片(12)と連続するようにして、一体的に形成されている。
【0023】
取付部(15)の外側面には、側面視が前傾する菱形枠状をなす肘掛け支柱(14)の下端部における椅子(1)の内方に向かってほぼ90°屈曲させられた部分の内端が当接させられ、かつ前後2本のボルト(図示略)をもって、肘掛け支柱(14)の下端部は、取付部(15)に固着されている。
【0024】
肘掛け支柱(14)の上端には、前後方向を向く肘当て(16)が設けられている。また、肘掛け支柱(14)における前傾する前支柱部(14a)の上端には、肘当て(16)の前部との間に間隙(S)を形成するための凹入段部(17)が設けられている。
【0025】
肘掛け支柱(14)における凹入段部(17)から前支柱部(14a)の前面にかけての角部における左右方向の中間部には、後方に凹入する凹入部(18)が設けられ、ここに、操作レバー(19)を収容するハウジング(20)が前方より嵌合され、上下2個の取付ねじ(21)(21)をもって、ハウジング(20)は前支柱部(14a)に固着されている。
【0026】
操作レバー(19)は、その先端部の操作部(19a)が、ハウジング(20)および前支柱部(14a)の前面より前方に突出するようにして、その基端部が、左右方向を向く心軸(22)をもって枢着されている。操作レバー(19)の中間部の一側面には、ワイヤ掛け部(23)が設けられている。
【0027】
このワイヤ掛け部(23)は、操作レバー(19)の長手方向と、後述するワイヤ(25)の案内方向である下方とに対して直交する左右方向を向く軸線を曲率中心とする円弧状をし、その中間部には、上記ワイヤ(25)をワイヤ掛け部(23)の中間部から下方に向けてバイパスしうるバイパス通路(24)が設けられている。
【0028】
ワイヤ(25)の一方の端末に止着された横向きピン状のワイヤエンド部材(26)は、ハウジング(20)の中間部に係止され、かつワイヤ(25)は、そこから、操作レバー(19)のワイヤ掛け部(23)に掛け回された後、下方に向かい、ハウジング(20)の下端部に一方の端末が止着された可撓性のアウターチューブ(27)内に挿入されている。
【0029】
ワイヤ(25)とアウターチューブ(27)とにより、ボーデンケーブル(28)が形成されている。このボーデンケーブル(28)は、ハウジング(20)の下端より、肘掛け支柱(14)の前面中央に設けた下方を向く凹溝(29)と、この凹溝(29)の下端を肘掛け支柱(14)の前面に沿って内方に向けて屈曲させた部分の内端と連通するようにして、取付部(15)に貫通するように設けた左右方向のワイヤ挿通孔(図示略)とを順次通って、背凭れ支持杆(8)の内方に引き出され、座体(10)の下方に設けた、後述する被操作手段である各種の調節手段に接続されている。
【0030】
肘掛け支柱(14)の前面には、その前面形状と同形をなすように、下端部が内方に屈曲する正面視ほぼJ字状のカバー(30)が、ボーデンケーブル(28)が収容された凹溝(29)の前面開口部を覆うように、着脱自在に装着されている。
【0031】
操作レバー(19)は、その側面に突設したピン(31)が、ハウジング(20)の側壁(20a)に設けた、心軸(22)を曲率中心とする円弧孔(32)内を遊動しうる範囲内において、心軸(22)を中心として、上下方向に回動することができ、常時は、図3に示す停止位置に位置し、操作部(19a)を、図3に矢印で示すように、上方に回動させることにより、図4に示すように、ワイヤ掛け部(23)でワイヤ(25)を上方に牽引し、調節手段を作動させることができるようになっている。
【0032】
操作レバー(19)から手を離すと、ワイヤ(25)は、調節手段に内蔵されるか、または別途設けた復帰用のばね(図示略)により引き戻され、操作レバー(19)は、図3に示す停止位置へ戻される。
【0033】
図3および図4に示すように、ワイヤ(25)を、操作レバー(19)におけるワイヤ掛け部(23)の円弧状の外周面の全体に掛け回しているときには、ワイヤ(25)が当接する最も操作レバー(19)の先端寄りの最先端当接部(A)の位置が、ワイヤ掛け部(23)における操作レバー(19)の操作部(19a)側の端部となっており、この状態で、操作レバー(19)を上方に回動させたときは、図4に示すように、ワイヤ掛け部(23)でワイヤ(25)を大きく牽引することができる。
【0034】
しかし、図5および図6に示すように、ワイヤ(25)を、操作レバー(19)におけるワイヤ掛け部(23)のバイパス通路(24)に挿通し、ワイヤ掛け部(23)のほぼ半部のみに掛け回したときには、最先端当接部(A)の位置が、ワイヤ掛け部(23)のほぼ中間に位置し、この状態で、操作レバー(19)を、図6に示すように上方に回動させても、ワイヤ(25)は、図4に示す場合に比して、わずかしか牽引されない。
【0035】
したがって、このように、ワイヤ(25)の掛け方を変更するだけで、操作レバー(19)の回動角度に対するワイヤの牽引量を簡単に変更することができ、もって、ワイヤ(25)の引き代や引き強さ等が異なる種々の調節装置等(被操作手段)の操作手段として、広く適用することができるとともに、ワイヤ(25)の引き代や強さが異なる種々の調節装置間において、操作レバー装置を転用したり、操作レバー装置の共通化を図ったりすることができる。
【0036】
被操作手段としては、例えば、本出願人の出願に係る特開2004−49713号公報に記載されているように、ワイヤ(25)を牽引することにより、背凭れ(7)の回動を可能とし、ワイヤ(25)が緩められることにより、背凭れ(7)の回動が停止させられるようにした背凭れ(7)の角度調節装置や、同じく、特開2006−109999号公報に記載されているように、ワイヤ(25)を牽引することにより、椅子(1)の伸縮式脚柱(5)内に設けたロック付きガススプリング(図示略)のロック解除ボタンを作動位置まで押動して、座体(10)の高さ調節を可能とし、ワイヤ(25)が緩められることにより、ロック解除ボタンが不作動位置に復帰して、座体(10)の高さを固定するようにした座の高さ調節装置等とすることができる。
【0037】
被操作手段を上記背凭れの角度調節装置としたときは、作動ストローク、すなわちワイヤの牽引代が大きいので、ワイヤ(25)を、図3に示すように、操作レバー(19)におけるワイヤ掛け部(23)の全体に掛け回し、被操作手段を上記の座の高さ調節装置としたときは、作動ストローク、すなわちワイヤの牽引代が小さいので、ワイヤ(25)を、図5に示すように、操作レバー(19)におけるワイヤ掛け部(23)のバイパス通路(24)に挿通し、ワイヤ掛け部(23)のほぼ半部のみに掛け回すのが好ましい。
【0038】
図7は、本発明の第2の実施形態を示す。なお、第1の実施形態におけるのと同様の機能を有する部材には、上記と同一の符号を付して示してある。
この例では、座体(10)の下面に、操作レバー(19)の基端部を、前後方向を向く心軸(22)をもって枢着し、操作レバー(19)における基端部と、先端部の操作部(19a)との間の中間部に、ワイヤ(25)が挿通しうる間隔を保って、操作レバー(19)の長手方向に並ぶ前後方向を向く3本のピン(50)からなるワイヤ掛け部(23)を設け、この3本のピン(50)に、一方の端末に止着したワイヤエンド部材(26)が座体(10)の下面における心軸(22)の近くに止着されたワイヤ(25)を、互いに異なる態様で掛け回すことにより、操作レバー(19)の回動角度に対するワイヤ(25)の牽引量を簡単に変更できるようにしてある。
【0039】
すなわち、図7に実線で示すように、3本のピン(50)全体に掛け回したときと、同じく想像線で示すように、2本または1本のピン(50)のみに掛け回したときとにおいて、最先端当接部(A)の位置が、操作レバー(19)の長手方向に変位し、もって、操作レバー(19)の回動角度に対するワイヤ(25)の牽引量が変わるようにしてある。
【0040】
したがって、第2の実施形態においても、第1の実施形態におけるのと同様の作用および効果、すなわち、ワイヤ(25)の引き代や引き強さ等が異なる種々の調節装置の操作手段として広く適用することができるとともに、ワイヤ(25)の引き代や強さが異なる種々の調節装置間において、操作レバー装置を転用したり、操作レバー装置の共通化を図ったりすることができる等の効果を奏することができる。
【0041】
本発明は、上記第1および第2の実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、幾多の変形した態様での実施が可能である。
例えば、操作レバー(19)を、背凭れ支持杆(8)の前向腕部(8a)や、支基(6)の側面等に設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の操作レバー装置の第1の実施形態を備える椅子の側面図である。
【図2】同じく、肘掛け部分を斜め前方より見た斜視図である。
【図3】同じく、肘掛け支柱の前上部を中央で縦断した拡大縦断側面図である。
【図4】同じく、図3に示す状態から、操作レバーを引いたときの状態を示す、拡大縦断側面図である。
【図5】同じく、図3に示す態様とは異なる態様で、ワイヤをワイヤ掛け部に掛け回したときの状態を示す拡大縦断側面図である。
【図6】同じく、図5に示す状態から、操作レバーを引いたときの状態を示す、拡大縦断側面図である。
【図7】本発明の操作レバー装置の第2の実施形態を備える椅子の座体の右側部の拡大縦断正面図である。
【符号の説明】
【0043】
(1)椅子
(2)キャスタ
(3)脚杆
(4)脚体
(5)脚柱
(6)支基
(7)背凭れ
(8)背凭れ支持杆
(8a)前向腕部
(9)支持軸
(10)座体
(11)支持リンク
(12)軸受片
(13)枢軸
(14)肘掛け支柱
(14a)前支柱部
(15)取付部
(16)肘当て
(17)凹入段部
(18)凹入部
(19)操作レバー
(19a)操作部
(20)ハウジング
(20a)側壁
(21)取付ねじ
(22)心軸
(23)ワイヤ掛け部
(24)バイパス通路
(25)ワイヤ
(26)ワイヤエンド部材
(27)アウターチューブ
(28)ボーデンケーブル
(29)凹溝
(30)カバー
(31)ピン
(32)円弧孔
(50)ピン
(A)最先端当接部
(S)間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子の一部に基端部が枢着され、かつ先端部に操作部が設けられている操作レバーの中間部に、ワイヤ掛け部を設け、このワイヤ掛け部に、一端が操作レバーの近傍の椅子の一部に止着され、かつ他端が椅子における被操作手段に連係されたワイヤの一端寄りの部分を掛け回し、前記操作レバーを回動させることにより、ワイヤ掛け部に掛け回されたワイヤを牽引して、前記被操作手段を操作するようにした椅子における操作レバー装置において、
前記ワイヤ掛け部を、前記ワイヤが、操作レバーの長手方向に異なる複数の位置において係止しうるようなものとしたことを特徴とする椅子における操作レバー装置。
【請求項2】
ワイヤ掛け部を、操作レバーの長手方向と、ワイヤの案内方向とに対して直交する軸線を曲率中心とする円弧状とするとともに、その中間部に、前記ワイヤをバイパスしうるバイパス通路を設けたことを特徴とする請求項1記載の椅子における操作レバー装置。
【請求項3】
ワイヤ掛け部を、操作レバーの長手方向に、ワイヤが挿通しうる間隔を保って突設した複数のピンにより形成したことを特徴とする請求項1記載の椅子における操作レバー装置。
【請求項4】
操作レバーの基端部を、椅子の肘掛けの前端下部に、左右方向を向く軸をもって枢着した請求項1〜3のいずれかに記載の椅子における操作レバー装置。
【請求項5】
操作レバーの基端部を、椅子の座の下面側部に、左右方向を向く軸をもって枢着した請求項1〜3のいずれかに記載の椅子における操作レバー装置。
【請求項6】
被操作手段を、ワイヤを牽引することにより、背凭れの回動を可能とし、ワイヤが緩められることにより、背凭れの回動が停止させられるようにした背凭れの角度調節装置とした請求項1〜5のいずれかに記載の椅子における操作レバー装置。
【請求項7】
被操作手段を、ワイヤを牽引することにより、椅子の伸縮式脚内に設けたロック付きガススプリングのロック解除ボタンを作動位置まで押動して、座の高さ調節を可能とし、ワイヤが緩められることにより、ロック解除ボタンが不作動位置に復帰して、座の高さを固定する座の高さ調節装置とした請求項1〜5のいずれかに記載の椅子における操作レバー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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