説明

椅子及び椅子システム

【課題】使用者の椅子の使用状況を容易且つ安価に誤検知を防ぎながら把握することができる椅子及び椅子システムを提供すること。
【解決手段】着座センサ18は検知電極13間の静電容量を測定し、静電容量の測定値と予め設定した設定値とを比較することにより、着座状態もしくは離席状態とを出力するものであって、着座センサ18の出力を記憶する記憶手段21を備え、記憶手段21に使用者の着座と離席との着座状況を記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の着座状態もしくは離席状態を一対の検知電極により検知する着座センサを備える椅子及び椅子システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、椅子の座面に圧力リミットスイッチを設けて、使用者が着座すると圧力リミットスイッチから在席表示盤に向けて在席信号が発信され、在席表示盤に使用者の在席が表示されるようにしている自動在席表示システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−37171号公報(第2頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、近年、企業の中には社員が特定の個人用デスクを持たず、デスクと椅子が用意されたカフェスタイルの部屋に社員が携帯電話やノートパソコン等を持ち込み、空いているデスクで仕事をするフリーアドレス方式のオフィスを採用しているものがあり、特許文献1に示すような自動在席表示システムを用いて各机の使用状況を把握したいという要望や、各机の使用頻度を把握することでオフィスのレイアウトの変更に役立てたいという要望があったが、圧力リミットスイッチを座面に取り付ける必要がある上、圧力リミットスイッチによる機械的接触を検知することにより使用者の着座を検知しているため、例えば荷物等を誤検知してしまうばかりか、設置コストが嵩んでしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、使用者の椅子の使用状況を容易且つ安価に誤検知を防ぎながら把握することができる椅子及び椅子システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の椅子は、
使用者の着座状態もしくは離席状態を一対の検知電極により検知する着座センサを備える椅子において、
前記着座センサは前記検知電極間の静電容量を測定し、該静電容量の測定値と予め設定した設定値とを比較することにより、着座状態もしくは離席状態とを出力するものであって、
前記着座センサの出力を記憶する記憶手段を備え、
該記憶手段に使用者の着座と離席との着座状況を記憶することを特徴としている。
この特徴によれば、簡易な構成且つ安価な着座センサにより使用者等の生体以外に対する誤検知を防ぎながら、使用者が椅子に着座する着座回数等の着座状況を把握することができる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の椅子は、請求項1に記載の椅子であって、
前記着座状況を、使用者の着座時刻と離席時刻として前記記憶手段に記憶することを特徴とする椅子。
この特徴によれば、使用者が椅子に着座した累積着座時間を把握することができる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の椅子システムは、
使用者の着座状態もしくは離席状態を一対の検知電極により検知する着座センサを備える椅子システムにおいて、
前記着座センサは前記検知電極間の静電容量を測定し、該静電容量の測定値と予め設定した設定値とを比較することにより、着座状態もしくは離席状態とを出力するものであって、
使用者の着座と離席との着座状況を記憶するステップと、記憶した前記着座状況を外部に設けた受信器に送信するステップと、を有することを特徴としている。
この特徴によれば、受信器で受信した使用者の着座と離席との使用状況を椅子から離れた場所で監視することができるとともに、使用者の着座と離席との使用状況の記憶を継続しながら解析等の作業を行うことができる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の椅子システムは、請求項3に記載の椅子システムであって、
使用者の着座時刻と離席時刻とを記憶するステップを有することを特徴としている。
この特徴によれば、使用者の椅子に対する累積着座時間を算出して、椅子の使用頻度を分析することによって、使用者に適した椅子の配置やオフィスレイアウト等の設計等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例における椅子システムが適用されたオフィスを示す斜視図である。
【図2】着座センサを取り付けられた椅子を示す斜視図である。
【図3】着座センサの要部を示す概念図である。
【図4】椅子システムの構成を示すブロック図である。
【図5】着座情報が記憶される着座情報記憶テーブルを示す図である。
【図6】椅子制御回路で実行される着座情報記憶処理のフローチャートを示す図である。
【図7】解析装置の表示部に表示される累積着座時間の棒グラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る椅子及び椅子システムを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0012】
実施例に係る椅子及び椅子システムにつき、図1から図7を参照して説明する。先ず図1の符号1は、本発明の椅子システムが適用された企業等のオフィス1である。このオフィス1には、略長方形状の長机2が設置されている。この長机2には、長手方向沿って使用者毎にワークスペースWが割り当てられている。これら各ワークスペースWには、使用者が着座する椅子3が配置されており、使用者はワークスペースW内で椅子3に着座して作業が可能となっている。
【0013】
また、各ワークスペースWの長机2上には、使用者が使用するパーソナルコンピュータ4と、パーソナルコンピュータ4の使用時に手元を照らす個別照明5が設けられている。さらに、長机2には、各ワークスペースWの個別照明5とともに、長手方向の全長に亘って全てのワークスペースWを照らす全体照明8が取り付けられている。
【0014】
次に、使用者が着座する椅子3について説明する。この椅子3は、図2に示すように、オフィス1の床面を移動可能なキャスター3aを備えた脚柱3bと、この脚柱3bの上端部に取り付けられた、使用者が着座する座部3cと、座部3cの後部から上方に向かって延設された背凭れ3dと、から構成されている。
【0015】
この椅子3の座部3cの上部には、使用者が着座する際に臀部の下に敷くクッション12が敷設されており、クッション12内にはウレタン材が内蔵されている。このクッション12に内蔵されたウレタン材の上面には、図2及び図3に示すように、一対の検知電極13(センサ電極とGND電極)が椅子3の幅方向を向いて貼り付けられており、その周りはクッション12のクロスで被覆されている。これら検知電極13は、例えば、電気抵抗が極めて低く、薄くて柔軟で、使用者が着座しても違和感無く座り心地に影響しない折曲げ強度の高いニッケル・銅被覆ポリエステル織布等により構成されている。
【0016】
また、椅子3の側部には、図2及び図4に示すように、椅子3での各種制御を実行するための制御ボックス22が設けられている。この制御ボックス22内には、使用者の椅子3に対する着座を判断する計測制御回路14と、クッション12毎の固有のクッションIDが記憶された記憶部15と、後述する着座状態を示す着座信号と離席状態を示す離席信号を示す出力信号とを受信器7に向かって無線通信により送信する送信器16と、現在時刻を計時するRTC(リアルタイムクロック)23と、が内蔵されており、これら記憶部15と送信器16とRTC23と、検知電極13とは、この計測制御回路14に接続されている。
【0017】
計測制御回路14には、特に図示しないが、検知電極13間にかけるための高周波交流電圧を発生させる発振回路と、検知電極13間に流れる電流を平滑化するための平滑回路と、検知電極13間で検知された静電容量を設定値と比較する比較器と、を備えている。
【0018】
更に、制御ボックス22内には、計測制御回路14と検知電極13とに給電を行うバッテリ17が内蔵されており、このバッテリ17が計測制御回路14に接続されることによって、検知電極13間に高周波交流電圧をかけられるようになっている。
【0019】
尚、人体は100pFのコンデンサと1.5kΩの抵抗を直列に接続したものとしてモデル化されることが知られている。このため、使用者が椅子3に着座することでクッション12のクロスや衣服等を介して接触すると、図3に示すように、使用者自身がコンデンサCとして振る舞い、検知電極13間の静電容量が変化する。
【0020】
このとき、計測制御回路14は、人体と検知電極13との間にクッション12のクロスや衣服等が介在することによる静電容量の低下や、計測制御回路14と配線と検知電極13自身が有する静電容量の増加を考慮して、例えば、設定値を30pF〜50pF程度に設定している。この設定値を超える静電容量が検知電極13間で測定値として測定されることによって、計測制御回路14は使用者が椅子3に対して着座した着座状態を示す着座信号を出力するようになっている。
【0021】
反対に、使用者が椅子3から離席することによって、検知電極13間で測定される静電容量が設定値未満となる場合には、計測制御回路14は使用者が椅子3から離席した離席状態を示す離席信号を出力する。つまり、検知電極13と計測制御回路14は本発明における着座センサ18を構成している。
【0022】
また、図4に示すように示すように、制御ボックス22の送信器16の通信可能範囲内には、例えばパーソナルコンピュータ等の中央制御装置19が設けられている。この中央制御装置19は、計測制御回路14で出力された着座状態を示す着座信号と離席状態を示す離席信号とを処理するための中央制御回路20と、中央制御装置19で解析を行うための各種プログラム等の記憶及び解析結果のデータを保存するための着座情報記憶テーブルとが記憶されている(図5参照)、本発明における記憶手段としての記憶部21と、記憶部21に記憶されている解析結果のデータを表示するための表示部24と、送信器16から送信された着座情報を受信する受信器7と、から構成されている。これら記憶部21と受信器7と表示部24とは、この中央制御回路20に接続されている。
【0023】
更に、着座情報記憶テーブルの一部について詳述する。着座情報記憶テーブルは、各クッションIDと関連付けられて複数が記憶部21に記憶されている。そして、これら着座情報記憶テーブルには、図5に示すように、受信器7が送信器16から受信した、RTC23を参照して取得した日付と、受信器7が送信器16受信した、RTC23を参照して取得した着座時刻と、受信器7が送信器16から受信した、RTC23を参照して取得した離席時刻と、着座時刻と離席時刻との差である着座時間と、同一日付における着座時間の合計である累積着座時間と、が関連付けられて記憶されており、時間の経過とともに受信器7で新たな信号が受信される毎に、日付と着座時刻と離席時刻と着座時間と累積着座時間とが各項目に追加記憶されるようになっている。また、これら着座情報記憶テーブルに記憶された日付と着座時刻と離席時刻とを用いて1日当りの着座回数の累計も算出可能となっている。
【0024】
本実施例では、前述のように計測制御回路14から出力された着席信号及び離席信号に基づいて、中央制御回路20が使用者の椅子3への着座と離席とを各クッションIDに対応した着座情報記憶テーブルに記憶させている。この計測制御回路14と中央制御回路20とが実行する着座情報記憶処理を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0025】
先ず、Sa01のステップにおいて、計測制御回路14は、検知電極13間の静電容量を測定してSa02のステップに進む。そして、Sa02のステップにおいて、計測制御回路14は、Sa01のステップで測定した静電容量の測定値と設定値とを比較することで、使用者が椅子3に着座したか否かの判定を行い、使用者が椅子3に着座していればSa03のステップに進み、使用者が椅子3に着座していなければSa01のステップに進み、Sa01とSa02のステップによって使用者が椅子3に着座したか否かの判定を繰り返す。
【0026】
Sa03のステップにおいて、計測制御回路14と中央制御回路20とは、Sa02のステップにおける使用者の着座判定に基づいて、着座時刻記憶処理を行う。具体的には、計測制御回路14は、検知電極13の測定値によって使用者の着座が検知されると、RTC23を参照して日付と現在時刻とを取得し、送信器16から受信器7に向けて着座信号とクッションIDと日付と現在時刻とを着座情報として送信する。
【0027】
そして、中央制御回路20は、受信器7で着座信号とクッションIDと日付と現在時刻とを受信することによって、記憶部21に記憶されている複数の着座情報記憶テーブルの中から、受信器7で受信したクッションIDと関連付けられている着座情報記憶テーブルを割り出す。更に、中央制御回路20は、着座情報記憶テーブルの最下段に計測制御回路14がRTC23を参照して取得した日付と時刻とを関連付けて記憶させた後にSa04のステップに進む。尚、着座情報記憶テーブルに記憶された時刻は、使用者が椅子3に着座した着座時刻として記憶される。
【0028】
Sa04のステップにおいて、計測制御回路14は、検知電極13間の静電容量を測定してSa05のステップに進む。そして、Sa05のステップにおいて、計測制御回路14は、Sa04のステップで測定した静電容量の測定値と設定値とを比較することで、使用者が椅子3から離席したか否かの判定を行い、使用者が椅子3から離席していればSa03のステップに進み、使用者が椅子3から離席していなければSa04のステップに進み、Sa04とSa05のステップによって使用者が椅子3から離席したか否かの判定を繰り返す。
【0029】
Sa06のステップにおいて、計測制御回路14と中央制御回路20とは、Sa05のステップにおける使用者の離席判定に基づいて、離席時刻記憶処理を行う。具体的には、計測制御回路14は、RTC23を参照して日付と現在時刻とを取得し、送信器16から受信器7に向けて離席信号とクッションIDと日付と現在時刻とを着座情報として送信して、計測制御回路14での処理を終了する。
【0030】
続けて、中央制御回路20は、受信器7で離座信号とクッションIDと日付と現在時刻とを受信することによって、記憶部21に記憶されている複数の着座情報記憶テーブルの中から、受信器7で受信したクッションIDと関連付けられている着座情報記憶テーブルを割り出す。更に、中央制御回路20は、着座情報記憶テーブルの最下段に計測制御回路14がRTC23を参照して取得した日付と時刻とを関連付けて記憶させた後にSa07のステップに進む。尚、着座情報記憶テーブルに記憶された時刻は、使用者が椅子3から離席した離席時刻として記憶される。
【0031】
Sa07のステップにおいて、中央制御回路20は、使用者が椅子3に着座してから離席するまでの着座時間を算出する着座時間算出処理を行う。具体的には、中央制御回路20は、着座情報記憶テーブルを参照して、着座時刻と離席時刻との差を算出することによって着座時間を算出する。そして、中央制御回路20は、算出した着座時間を着座情報記憶テーブルに日付と着座時刻と離席時刻とに関連付けて記憶させてSa08のステップに進む。
【0032】
Sa08のステップにおいて、中央制御回路20は、着座情報記憶テーブルに同一日付で記憶されている着座情報の着座時間を合計する累積着座時間算出処理を行う。具体的には、中央制御回路20は、Sa03のステップで計測制御回路14がRTC23を参照して取得した日付と同一の日付を着座情報記憶テーブルで参照し、これら日付に関連付けられて記憶されている、Sa07のステップで算出した着座時間全てを加算処理する。そして、中央制御回路20は、この加算処理した結果を累積着座時間として、今回Sa03のスッテプで計測制御回路14がRTC23を参照して取得した日付と、着座時刻と離席時刻と着座時間とに関連付けて着座情報記憶テーブルに記憶させて処理を終了する。
【0033】
尚、中央制御回路20は、記憶部21に記憶される各種プログラム等を用いることによって、着座情報記憶テーブルに記憶されている着座情報を加工して表示部24で表示可能となっている。具体的には、図7に示すように、各椅子3(クッションID)毎に着座情報記憶テーブルに記憶されている累積着座時間を、1日毎の棒グラフとして表示部24に表示させることで、各日付毎での椅子3毎の累積着座時間を視覚的に分かり易く表すことができる。
【0034】
更に尚、中央制御回路20は、着座情報記憶テーブルに記憶されている1日当りの着座回数を計数することによって、着座時間等と併せて各椅子3の使用状況を把握できるようになっている。
【0035】
以上、本実施例における椅子3及び椅子システムにあっては、着座センサ18を備える椅子において、着座センサ18は検知電極13間の静電容量を測定し、静電容量の測定値と予め設定した設定値とを比較することにより、着座状態もしくは離席状態とを出力するものであって、着座センサ18の出力を記憶する記憶部21を備え、記憶部21に使用者の着座と離席との着座状況を記憶することによって、簡易な構成且つ安価な着座センサ18により使用者等の生体以外に対する誤検知を防ぎながら、使用者が椅子3に着座する着座回数等の着座状況を把握することができる。
【0036】
また、着座センサ18を備える椅システムにおいて、着座センサ18は検知電極13間の静電容量を測定し、静電容量の測定値と予め設定した設定値とを比較することにより、着座状態もしくは離席状態とを出力するものであって、使用者の着座と離席との時刻を記憶するステップを有することによって、使用者の椅子3に対する着座時間を算出することができるので、使用者の椅子3の使用状況を把握することができる。
【0037】
また、着座状況を、使用者の着座時刻と離席時刻として記憶部21に記憶するので、使用者が椅子3に着座した累積着座時間を把握することができる。
【0038】
また、使用者の着座と離席との着座状況を記憶するステップと、記憶した着座状況を外部に設けた受信器7に送信するステップと、を有することによって、受信器7で受信した使用者の着座と離席との使用状況を椅子3から離れた場所で監視することができるとともに、使用者の着座と離席との使用状況の記憶を継続しながら解析等の作業を行うことができる。
【0039】
また、使用者の着座時刻と離席時刻とを記憶するステップを有することによって、使用者の椅子3に対する累積着座時間を算出して、椅子3の使用頻度を分析することによって、使用者に適した椅子3の配置やオフィスレイアウト等の設計等に利用することができる。
【0040】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0041】
例えば、前記実施例では、送信器16と受信器7とを無線通信によって通信可能として、送信器16から着座信号と離席信号とを受信器7に送信したが、送信器16と受信器7とは通信ケーブルによって直接接続されていてもよい。
【0042】
また、前記実施例では、検知電極13で使用者の着座が検知されると、椅子制御回路が着座信号と日付と現在時刻とクッションIDとを着座情報として送信器16から受信器7に送信し、受信器7が着座信号と日付と現在時刻とクッションIDとを受信すると、中央制御回路20がクッションIDに関連付けられて記憶部21に記憶されている着座情報記憶テーブルに、日付と着座時刻とを記憶させたが、記憶部15をUSBメモリースティック等の制御ボックス22に対して着脱可能なストレージデバイスとして構成するとともに、記憶部15に着座情報記憶テーブルを記憶させ、着座情報記憶テーブルに日付と着座時刻と離席時刻とを記憶させるとともに、計測制御回路14が着座時間算出処理及び累積着座時間算出処理とを行った後に、制御ボックス22から記憶部15を取り外して中央制御装置19に接続させるようにし、記憶部15に記憶されている着座情報記憶テーブルを基に解析等の作業を行うようにしてもよい。尚、この場合は記憶部15が本発明における記憶手段となる。
【0043】
また、前記実施例では、前記実施例では、椅子3の座部3cに、上面に検知電極13を備えたウレタン材が内蔵されたクッション12を敷設したが、クッション12を設けずに検知電極13を座部3cの上面に備えてもよい。
【0044】
また、前記実施例では、椅子3をオフィス1内の複数の椅子とし、椅子3に備えられた検知電極13の測定値に基づく着座情報を中央制御装置19に送信することによって椅子システムを構成したが、例えば、劇場等の客席に検知電極13を備えることで客の客席に対する着座と離席とを検知できるように構成し、この着座回数の合計を人気のある客席の特定や、客席の配置替え及び補修等の目安にすることもできる。
【0045】
また、前記実施例では、着座情報記憶テーブルは記憶部21に記憶されていたが、着座情報記憶テーブルを記憶部15に記憶させ、計測制御回路14が着座情報記憶テーブルに日付と着座時刻または離席時刻とを関連付けて追加記憶させ、更に着座時間と累積着座時間とを記憶させた後に、送信器16から受信器7に向けて着座情報記憶テーブルとクッションIDとを送信することで、各着座情報記憶テーブルを中央制御装置19に転送させるようにしてもよい。
【0046】
また、前記実施例では、計測制御回路14は、着座判定または離席判定に基づいて、RTC23を参照して日付と現在時刻とを取得し、送信器16から受信器7に向けて着座信号または離席信号とクッションIDと日付と現在時刻とを着座情報として送信したが、着座情報記憶テーブルを記憶部15に記憶させて、計測制御回路14が着座情報記憶テーブルに日付と着座時刻または離席時刻と着座時間と累積着座時間とを追加記憶するようにし、使用者の着座の検知終了後に中央制御装置19を操作することによって中央制御装置19から制御ボックス22に対して着座情報記憶テーブルの転送要求を行い、送信器16から送信された着座情報記憶テーブルを受信器7で受信した後に記憶部21で記憶することによって、中央制御回路20が着座情報の解析を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
3 椅子
12 クッション
13 検知電極
14 計測制御回路
15 記憶部
16 送信器
18 着座センサ
19 中央制御装置
20 中央制御回路
21 記憶部(記憶手段)
23 RTC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の着座状態もしくは離席状態を一対の検知電極により検知する着座センサを備える椅子において、
前記着座センサは前記検知電極間の静電容量を測定し、該静電容量の測定値と予め設定した設定値とを比較することにより、着座状態もしくは離席状態とを出力するものであって、
前記着座センサの出力を記憶する記憶手段を備え、
該記憶手段に使用者の着座と離席との着座状況を記憶することを特徴とする椅子。
【請求項2】
前記着座状況を、使用者の着座時刻と離席時刻として前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
使用者の着座状態もしくは離席状態を一対の検知電極により検知する着座センサを備える椅子システムにおいて、
前記着座センサは前記検知電極間の静電容量を測定し、該静電容量の測定値と予め設定した設定値とを比較することにより、着座状態もしくは離席状態とを出力するものであって、
使用者の着座と離席との着座状況を記憶するステップと、記憶した前記着座状況を外部に設けた受信器に送信するステップと、を有することを特徴とする椅子システム。
【請求項4】
使用者の着座時刻と離席時刻とを記憶するステップを有することを特徴とする請求項3に記載の椅子システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−233615(P2010−233615A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82142(P2009−82142)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】