説明

椅子式マッサージ機

【課題】清掃が行い易く、いつも清潔に保つことができ、かつ足が蒸れたりすることを可及的に防止可能な脚載置部を備える椅子式マッサージ機を提供する。
【解決手段】背もたれ部3及び座部1を有する椅子本体と、前記座部前方側において上下回動可能とした脚載置部4と、少なくとも椅子本体又は脚載置部のいずれか一方に設けられたマッサージ機構部と、を備えた椅子式マッサージ機において、脚載置部は、脚を受ける脚受部18と、同脚受部の下端部側に配設した板状の足裏受部17とを具備し、この足裏受部と脚受部との間に所定の間隙を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚載置部を備える椅子式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、背もたれ部及び座部を有する椅子本体と、前記座部前方側において上下回動可能とした脚載置部と、少なくとも前記椅子本体又は前記脚載置部のいずれか一方に設けられたマッサージ機構部とを備えた椅子式マッサージ機がある。
【0003】
例えば、床面に載置した座部にリクライニング自在の背もたれ部を連設し、さらに、前記座部の前方側に回動自在の脚載置部を設け、前記背もたれ部にもみ玉などを具備するマッサージ機構部を設けるとともに、前記脚載置部にエアセルなどを設けて、身体のみならず脚や足をマッサージ可能にしたものなどである。
【0004】
かかる椅子式マッサージ機において、前記脚載置部についてみれば、脚を受ける脚受部と、同脚受部の下端部側に配設した足裏受部とを具備したものがあった(例えば、特許文献1を参照。)。
【0005】
かかる脚載置部は、被施療者の足裏を受ける足裏受部の左右側から側面部がそれぞれ立設されるとともに、足裏受部の後端部からは、前記側面部と連続する後面部が立設され、また、足裏受部の中央には突出部を設けている。したがって、突出部を挟む左右側に足収容部がそれぞれ区画形成されることになり、かかる略袋状となった左右の足収容部に、被施療者は足をそれぞれ収容していた。なお、前記足裏受部及び左右の側面部には、エアマッサージ用のエアバッグは配設されている。
【特許文献1】特開2004−216028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上述した従来の椅子式マッサージ機における脚載置部の構造では、左右の足収容部が袋状となっているために、どうしてもゴミなどが溜まりやすく、溜まったゴミの清掃が行い難いという問題があった。
【0007】
また、どうしても閉塞部分が多くなることで、足が蒸れたりするおそれがあり、これに伴い足受部に臭いがこもってしまうといった問題が残されていた。
【0008】
さらに、足収容部の左右側面部に設けたエアバッグは、足を左右から略水平方向に押圧するだけとなりがちで、足裏受部に設けたエアバッグのみでは足裏を十分にマッサージすることが困難であった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決することのできる椅子式マッサージ機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)請求項1記載の本発明では、背もたれ部及び座部を有する椅子本体と、前記座部前方側において上下回動可能とした脚載置部と、少なくとも前記椅子本体又は前記脚載置部のいずれか一方に設けられたマッサージ機構部と、を備えた椅子式マッサージ機において、前記脚載置部は、脚を受ける脚受部と、同脚受部の下端部側に配設した板状の足裏受部とを具備し、この足裏受部と前記脚受部との間に所定の間隙を設けた椅子式マッサージ機とした。
【0011】
(2)請求項2記載の本発明では、請求項1記載の椅子式マッサージ機において、前記足裏受部に、足の一部を施療可能な足用エアバッグを、前記間隙の一部を覆うように取付けたことを特徴とする。
【0012】
(3)請求項3記載の本発明では、請求項2記載の椅子式マッサージ機において、前記足用エアバッグは、足裏に当接する底面部と、この底面部の左右から立設する側面部とを備え、前記底面部で足裏を、前記左右側面部で足の側部を挟圧して施療可能としたことを特徴とする。
【0013】
(4)請求項4記載の本発明では、請求項3記載の椅子式マッサージ機において、前記脚受部を区画形成する左右立壁部と中央立壁部の各壁部下端の鉛直下方位置に、前記足用エアバッグの左右側面部の立ち上がり基端部を配置し、前記左右側面部を膨張させた際に、膨張した左右側面部を前記壁部下端に当接させ、各左右側面部の上端側が内側方向に傾倒するように構成したことを特徴とする。
【0014】
(5)請求項5記載の本発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の椅子式マッサージ機において、前記脚載置部を上下回動させるとともに、上下回動させたときの回動位置を検出するための回動位置検出センサを備えた回動手段と、前記脚載置部を被施療者の脚の長さ方向に伸縮させるとともに、伸縮させたときの前記脚載置部の前記座部前方側からの位置を検出するための伸縮位置検出センサを備えた伸縮手段と、前記回動手段及び伸縮手段の動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、足裏受部と脚受部との間に所定の間隙を設けたことにより、足裏受部の清掃が行い易く、いつも清潔に保つことが可能になるとともに、足が蒸れたりすることを可及的に防止することが可能となる。
【0016】
また、足裏受部と脚受部とを完全にセパレート化することで、製造時において、それぞれ簡単な金型で形成することが可能となり、複雑で高価な金型を用いなくて済む。
【0017】
また、形成された間隙に踵を位置させることにより、被施療者は足を安定保持することが可能となり、例えば、エアバッグなどを設けて足をマッサージする場合に足のふらつきを防止してマッサージ効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本実施形態に係る椅子式マッサージ機は、背もたれ部及び座部を有する椅子本体と、前記座部前方側において上下回動可能とした脚載置部と、少なくとも前記椅子本体又は前記脚載置部のいずれか一方に設けられたマッサージ機構部とを備えており、前記脚載置部は、脚を受ける脚受部と、同脚受部の下端部側に配設した板状の足裏受部とを具備し、この足裏受部と前記脚受部との間に所定の間隙を設けたものである。
【0019】
背もたれ部は、座部に対してリクライニング可能であり、本実施形態では、マッサージ機構として、もみ玉を備えたメカニカルなマッサージユニットを上下昇降自在、かつ前後進退自在に配設している。また、この背もたれ部をはじめ、前記座部などにはエアマッサージを可能とするエアバッグを配設することができる。
【0020】
脚載置部は、略フラットな板状体からなる足裏受部と、この足裏受部の上方に配置した平面断面視で略U字状とした半割筒状の左右脚受部とからなり、被施療者は、この左右脚受部にふくらはぎ部分を中心とする脚を保持させるとともに、足裏受部に足裏を当接させて下肢をゆったりと保持させることが可能となっている。
【0021】
そして、特徴的な構成として、本実施形態に係る椅子式マッサージ機では、前記足裏受部と前記脚受部との間に所定の間隙を設けている。かかる間隙を設けることにより、足裏受部にゴミなどが溜まっても、簡単に掃きだすことができるようになる。したがって、清掃が容易となり、足裏受部をいつも清潔に保つことが可能である。
【0022】
しかも、間隙によって通気性が向上するので、足が蒸れたりすることを可及的に防止することが可能となる。
【0023】
さらに、例えば間隙が後方(座部側)に形成されていると、この間隙に踵を位置させることで、間隙を形成する前記脚受部の下端部に、踵の一部、あるいは踵の上方部分(足首の下部)を当接させることができ、被施療者は、足を安定保持することが可能となる。
【0024】
なお、足裏受部と脚受部との間隙は、部分的でもよいが、足裏受部と脚受部とを別体により構成し、体足裏受部の平面部に対して略全体的に形成することが好ましい。
【0025】
このように、足裏受部と脚受部とを完全にセパレート化すれば、製造時において、それぞれ簡単な金型で形成することが可能となり、複雑で高価な金型を用いなくて済む。
【0026】
ところで、足裏受部と脚受部との間隙を略全体的に設ける場合でも、間隙の寸法は、足裏受部のどの位置においても必ず等しくなければならないものでもない。例えば、足裏受部に対して脚受部を僅かに後方に傾斜させることが考えられ、その場合は、前側に形成される間隙が後側に形成される間隙よりも広くなる。
【0027】
また、前記足裏受部に、足の一部を施療可能な足用エアバッグを、前記間隙の一部を覆うように取付けることができる。
【0028】
すなわち、前述したように、踵側の間隙に踵を位置させることで、間隙を形成する前記脚受部の下端部に踵の一部、あるいは踵の上方部分(足首の下部)を当接させて足の保持が行えるが、足の幅方向の間隙は、足がふらつく要因となりかねないので、間隙の一部である足の左右側の間隙を覆うように足用エアバッグを設けておくのである。
【0029】
かかる構成により、足のふらつきを防止して、足を安定保持させながら効果的なエアマッサージが行える。ここでは、この足用エアバッグは、マッサージ機構の一例となるものである。
【0030】
上記足用エアバッグは、下記の構成とすることができる。
【0031】
すなわち、足裏に当接する底面部と、この底面部の左右から立設する側面部とを備え、前記底面部で足裏を、前記左右側面部で足の側部を挟圧して施療可能とするものである。
【0032】
かかる構成とすることにより、側面部においては足を左右側からしっかりと挟圧してエアマッサージが行えるとともに、挟圧されて保持された足裏に対して、底面部によりしっかりと押圧し、効果的な足裏マッサージが行えるようになる。
【0033】
しかも、エアが送給された場合、底面部側から起立した側面部の根元側は、上端側に比べて、ふらつくことのない安定した強度を有し、かかる根元側で足裏受部と脚受部との間隙を覆うことになるので、足をしっかりと保持することができ、間隙に対する足のガード機能が高まる。
【0034】
また、特に、前記脚受部を区画形成する左右立壁部と中央立壁部の各壁部下端の鉛直下方位置に、前記足用エアバッグの左右側面部の立ち上がり基端部を配置し、前記左右側面部を膨張させた際に、膨張した左右側面部を前記壁部下端に当接させ、各左右側面部の上端側が内側方向に傾倒するように構成するとよい。
【0035】
かかる構成によって、エアバッグに空気を送って膨張させると、左右側面部がそれぞれ足の甲に被さるようになり、甲をやや上方から底面部に向けて押さえることができるので、足裏のエアマッサージをより効果的に行える。
【0036】
また、上記構成により、足用エアバッグに空気が送られていない状態では、当該足用エアバッグの左右側面部を、左右立壁部及び中央立壁部の内側面に近接した状態で略垂直に起立した状態となすことができ、脚受部の幅が狭まることを防止しながら、なおかつ足裏受部に足を載せる際に、足用エアバッグの左右側面部が邪魔になることもなくなる。
【0037】
ところで、上述してきた椅子式マッサージ機において、本実施形態では、前記脚載置部を上下回動させるとともに、上下回動させたときの回動位置を検出するための回動位置検出センサを備えた回動手段と、前記脚載置部を被施療者の脚の長さ方向に伸縮させるとともに、伸縮させたときの前記脚載置部の前記座部前方側からの位置を検出するための伸縮位置検出センサを備えた伸縮手段と、前記回動手段及び伸縮手段の動作を制御する制御手段とを備えた構成としている。
【0038】
回動手段及び伸縮手段は、共に電動モータやシリンダなどのアクチュエータを好適に用いることができ、回動位置検出センサ及び伸縮位置検出センサについては、共に光センサを利用することができる。
【0039】
かかる構成により、本実施形態に係る椅子式マッサージ機では、予め、脚載置部の位置における最大伸出量を算出することができ、当該脚載置部を、その上下回動位置に応じて最適な伸縮量で伸縮動作させることができる。したがって、脚載置部を上下回動させる場合においても、床面に当接させることなく、最大限まで伸縮させることが可能となる。
【0040】
なお、制御手段としては、CPU、ROM、RAMなどを基板上に設けた制御回路からなり、前記アクチュエータの駆動源と電気的に接続している。また、この制御手段は、前記もみ玉を含むマッサージユニットや、足用エアバッグを含む他のエアバッグの制御などをはじめとする椅子式マッサージ機全体の駆動制御が可能である。
【0041】
そして、この制御手段である制御回路には、リモコン(リモートコントローラ)などの操作手段を電気的に接続し、被施療者による操作入力によって所望する動作が実現できるようにするとよい。
【0042】
以下、本実施形態に係るマッサージ機について、図面を参照しながらより具体的に説明する。図1は本実施形態に係る椅子式マッサージ機を示す斜視図、図2は同側面図、図3は同マッサージ機の背もたれ部及び脚載置部の回動動作を示した側面視による説明図である。
【0043】
本実施形態に係る椅子式マッサージ機は、図1〜図3に示すように、被施療者が着座する座部1と、床面Fに設置され、前記座部1を支持する基台部2と、前記座部1の後側に倒伏自在に連結され、リクライニング可能とした背もたれ部3とから椅子本体を構成するとともに、前記座部1の前側上部近傍に枢支部1aを設け、この枢支部1aを中心に、上下方向へ揺動可能に脚載置部4を連結している。なお、本実施形態に係る椅子式マッサージ機(以下、単に「マッサージ機A」とする)は、基台部2を除く各部については、必要に応じて合成皮革などを縫製して形成したカバー材により直接被覆するか、あるいは同じくカバー材で被覆したクッション部材を配設している。
【0044】
図3に示すように、前記背もたれ部3は、基端部を基台フレーム200に枢支連結して前後揺動可能とした縦フレーム30を備えており、この縦フレーム30のラック13を上下昇降自在となるように機械式のマッサージユニット11を取付けている。そして、このマッサージユニット11は左右一対のもみ玉7を備えるとともに、前後進退自在に構成されており、もみ玉7を被施療者の身体に当接させて、揉み、叩き、指圧などの各種形態のマッサージを行うことができる。
【0045】
また、図1に示すように、背もたれ部3の内部には、その左右上部に背中部用エアバッグa1,a1を、左右下部には腰部用エアバッグa2,a2をそれぞれ配設し、背中や腰を押圧するエアマッサージを実行可能としている。
【0046】
また、前記背もたれ部3は、左右両側に体側施療部として機能する側壁部6,6を備えており、この側壁部6の内側面には、それぞれ左右方向に2個の体側部用エアバッグa3,a3を重合状態に取付けて体側施療部として機能させている。なお、側壁部6は、取付基端部61側の上下長よりも先端部側の上下長を長くした略扇形形状とするとともに、座部1に着座した被施療者の上腕側方となる位置に配設し、前記取付基端部側から先端部側にかけて漸次外側方に拡開させている。
【0047】
図1に示すように、座部1は、その前部側には腿部用エアバッグa4を、後部側には臀下部用エアバッグa5を、左右側には臀側部用エアバッグa6をそれぞれ取付けている。
【0048】
また、座部1の左右側には肘掛部5を設けており、各肘掛部5には、腕を差し入れてエアマッサージ可能とした腕施療部8を設けている。この腕施療部8、8は、それぞれ断面視略コ字状に形成されており、その内側上下面に腕用エアバッグa8,a8をそれぞれ取り付けている。なお、腕を差し入れる開放部分を、本実施形態では横方向に開口しているが、上部に開口させたものとしてもよい。
【0049】
図1及び図2において、Rはリモコンであり、被施療者が操作することにより、本マッサージ機Aにおけるマッサージ動作を含む操作全般を行うことができる。31はリモコンケースであり、背もたれ部3の右側から前方へ伸延させた支持杆32の前端に取付けられている。
【0050】
前記脚載置部4は、本実施形態における要部となるものであって、近年の椅子式マッサージ機においては、リラックスしてマッサージ施療を行うための重要な構成要素であり、所謂「オットマン」と呼ばれている。以下、脚載置部4について、さらに図4〜図11を参照しながら説明する。
【0051】
図4は脚載置部4の正面図、図5は同側面図、図6は同分解斜視図、図7は脚載置部支持フレームと摺動フレームとを示す説明図、図8は脚載置部の足裏受部を被覆する足受カバーの説明図、図9は脚載置部支持フレームと摺動フレームとを取付けた状態の正面図、図10は摺動フレームに取付けた収縮機構の説明図、図11は脚載置部回動機構の説明図である。
【0052】
本実施形態に係る脚載置部4の外観は、図1〜5に示すように、左右の脚(主にふくらはぎ部分)を受ける半割円筒状の左右脚受部18,18を並設した本体部15と、同本体部15の下側先端部に、所定の寸法の間隙dを開けて配設されたフラットな板状の足裏受部17とから形成されている。
【0053】
すなわち、本体部15は、図示するように、後面部15aと、中央立壁部15bと左右立壁部15c,15dとが形成され、これら左右立壁部15c,15dと中央立壁部15bとの間に、左右脚受部18,18が区画形成されている。
【0054】
本体部15と足裏受部17との間に形成された間隙dの寸法としては特に限定するものではないが、5〜60mm程度の範囲で設定するとよい。5mm以下では清掃容易性が劣り、60mm以上では足の安定保持が難しくなるからである。なお、より好ましくは、間隙dは10〜30mmの間に設定するとよく、本実施形態では略23mmに設定している。
【0055】
また、本実施形態における間隙dは、本体部15と足裏受部17との間で、全体的に一様な寸法としているが、これは場所によって異なっていても構わない。例えば、足裏受部17の前端側に形成される間隙dと、足裏受部17の後端側(座部1側)に形成される間隙dと、足裏受部17の左右側に形成される間隙dとでは、それぞれ寸法が異なっていても構わない。
【0056】
例えば、使用者が座部1に座したときの脚の姿勢を考慮して、本体部15を足裏受部17に対してやや後方へ傾けた構成とした方が、脚載置部4の使い心地が良好なことが考えられる。したがって、そのように構成した場合は、足裏受部17の前端側に形成される間隙dと、足裏受部17の後端側(座部1側)に形成される間隙dよりも広くなる。
【0057】
このように、本実施形態に係る脚載置部4は、足裏受部17と脚受部18との間に所定寸法の間隙dを設けたことにより、足裏受部17にゴミなどが溜まっても、簡単に掃きだすことができ、清掃が容易となり、足裏受部17をいつも清潔に保つことが可能である。
【0058】
しかも、間隙dによって通気性が向上し、足が蒸れたりすることを可及的に防止することが可能となる。
【0059】
さらに、前記間隙dは、図5に示すように、脚載置部4の後方(座部1側)にも形成されていることから、被施療者はこの間隙dに踵を位置させ、当該間隙dを形成する前記本体部15の下端部に踵の一部、あるいは踵の上方部分(足首の下部)を当接させることにより、足裏受部17において足を安定保持することが可能である。
【0060】
足裏受部17は、その表面において左右の足裏を受けることができるものであるが、本実施形態では、足裏受部17の上面に、以下に説明する足用エアバッグa9を左右それぞれに配設して、左右足裏受16,16を形成している。また、前記本体部15の各脚受部18,18の両内側面には、左右で対をなす脚上部用エアバッグa7,a7,a7,a7を取付けている。
【0061】
足用エアバッグa9は、後に詳述するように、足受カバー100で被覆されており、被覆された状態で、実質的に足裏に当接し、前記足裏受16となる底面部90と、この底面部90の左右から立設する側面部91,91とを形成し、前記底面部90で足裏を、前記左右側面部91,91で足の側部を挟圧してマッサージ施療を可能としている。なお、本実施形態において、足用エアバッグa9の底面部90、左右側面部91,91とした記載は、前記足受カバー100で被服した状態のものであるが、必ずしも足受カバー100で被覆した状態に限定されず、足用エアバッグa9の本体そのものの底面部、左右側面部をも同符合で示す場合がある。
【0062】
このように、足用エアバッグa9の側面部91,91により足を左右側からしっかりと挟圧してエアマッサージが行え、また、挟圧保持された足の足裏を、底面部90によりしっかりと押圧することにより、極めて効果的な足裏マッサージ施療が行える。
【0063】
しかも、足用エアバッグa9が送給された場合、底面部90の左右から起立した側面部91,91の根元側は、上端側に比べて、ふらつくことのない安定した強度を有し、かかる根元側で足裏受部17と脚受部18との間隙dを覆うことになるので、足をしっかりと保持することができ、間隙dに対する足のガード機能が高まる。
【0064】
さらに、被施療者は、前述したように、前記間隙dに踵を位置させることで、間隙dを形成する前記本体部15の下端部に踵の一部、あるいは踵の上方部分(足首の下部)を当接させて足を安定保持することが可能なことから、足用エアバッグa9による足裏マッサージがより効果的に行える。なお、間隙dの寸法を、例えば50〜60mm程度まで広げた場合は、この間隙dに踵を落とし込んだ状態で足の安定保持を図ることも可能である。
【0065】
なお、図4に示すように、本体部15と足裏受部17との間に形成された23mmの間隙dに対して、足用エアバッグa9の高さDを、本実施形態では100mmに設定している。勿論、100mmに限定するものではなく、足の甲部分を左右からだけではなく、斜め上方から押さえつけられる高さがあればよい。
【0066】
また、図4、図5及び図8に示すように、前記足用エアバッグa9の左右側面部91,91の立ち上がり基端部91bは、前記脚受部18を区画形成する左右立壁部15c,15dと中央立壁部15bの各壁部下端の鉛直下方に位置しており、前記左右側面部91,91を膨張させると、膨張した左右側面部91,91が前記壁部下端に当接し、各左右側面部91,91の上端側が内側方向に傾倒する構成となっている。
【0067】
したがって、足用エアバッグa9に空気を送って膨張させると、左右側面部91,91がそれぞれ足の甲に被さるようになり、甲をやや上方から底面部90に向けて押さえることができるので、底面部90による足裏のエアマッサージがより効果的に行われるようになる。
【0068】
さらに、上記構成により、足用エアバッグa9に空気が送られていない収縮した状態においては、当該足用エアバッグa9の左右側面部91,91は、本体部15に形成された左右立壁部15c,15d及び中央立壁部15bの内側面に略接するほどに近接した状態で略垂直に起立した状態となすことができる。
【0069】
したがって、各脚受部18の幅が狭まることを防止しながら、なおかつ足裏受部17に足を載せる際に、足用エアバッグa9の左右側面部91,91、特に上端部分が邪魔になることもないので、使い勝手を損なうことがない。
【0070】
ここで、脚載置部4の構成について、より詳細に説明する。
【0071】
図3、図5及び図6に示すように、脚載置部4は、当該脚載置部4を形作る脚載置部フレーム40を脚載置部支持フレーム400に取付けて構成されており、脚載置部支持フレーム400が基台部2を形作る基台フレーム200の前端に枢支部1aを介して連結されるとともに、この基台フレーム200に取付けられた脚載置部回動機構410により上下回動自在に構成されている。
【0072】
脚載置部フレーム40は、図6に示すように、本体部15(図1参照)を形作る本体殻部15’と、フラットな板状の足裏受部17を形作る足裏受板体17’とから構成されている。
【0073】
一方、脚載置部支持フレーム400には、当該脚載置部支持フレーム400に対して、上下摺動自在となるように摺動機構430を備えた摺動フレーム420が取付けられており、この摺動フレーム420の側面視略L字状に形成した主フレーム421に、本体殻部15’と足裏受板体17’とを、互いに上下方向へ、略25mmの間隙を開けて取付け、足受カバー100(図8参照)などを装着した際に、本体部15と足裏受部17との間に前記寸法値の間隙d(図2参照)が形成されるようにしている。
【0074】
したがって、かかる脚載置部フレーム40にカバーなどを被覆して形成される脚載置部4は、左右脚受部18,18を並設した本体部15と左右の足裏を受ける足裏受部17との間に間隙dが形成されることになり、足がむれることを防止できるともに、溜まり易いゴミなども掃きだしやすく、清掃も容易となっている。
【0075】
なお、図8(a)に示すように、足用エアバッグa9の側面部91は、前後に長い略矩形形状としており、その下端に取付用片部91a,91aを前後に所定間隔をあけて形成している。そして、本実施形態では、この取付用片部91a,91aを、起立状の側面部91の本体に対して内方側へ折曲して、上方から所定の留め具により足裏受体17’に取付けている。したがって、起立した側面部91の本体は、上端側にかけて開き勝手となることから、前述したように、足裏受部17に足を載せる際に、上端部分が邪魔になることを可及的に防止可能となっている。
【0076】
また、本体部15と足裏受部17との間に間隙dが形成されているために、例えば、上記取付用片部91aを、形成したことにより、起立状の側面部91の本体に対して外方側へ折曲して足裏受体17’に取付けることも可能である。このように、本体部15と足裏受部17との間に形成された間隙dは、足用エアバッグa9の取付け構造における設計自由度も向上させることができる。
【0077】
基台フレーム200は、図6に示すように、左右下部フレーム201,201の前端部に左右縦支柱202,202を、中央部近傍には左右中央支柱203,203をそれぞれ立設するとともに、左右縦支柱202,202と左右中央支柱203,203との間に座部支持パネル204を取付けて構成されている。
【0078】
そして、前記座部支持パネル204の左右側に枢支部1a,1aを設けるとともに、これら枢支部1a,1a間に、脚載置部回動機構410を取付けるための前・後枢支ブラケット205.206(図6参照)を形成している。そして、枢支部1a,1aに、脚載置部支持フレーム400の左右縦フレーム401,401の各上端をそれぞれ枢支連結している。図6中、207は基台部前面パネル、402は脚載置部支持フレーム400の左右縦フレーム401,401の間に複数本掛け渡された補強杆、440は脚載置部支持フレーム400と摺動フレーム420との摺動連結機構部である。
【0079】
摺動連結機構部440は、図7に示すように、脚載置部支持フレーム400の左右縦フレーム401,401に第1転動駒441aを上下に配設した横断面視略コ字状の基台側挟持部441,441を取付け、この基台側挟持部441,441に、これも上下に第2転動駒442a,442aを配設した横断面視略コ字状の載置部側挟持部442,442を互いに向かい合わせた状態に連結するとともに、これら両者間に、側面視略L字状に形成した摺動フレーム420の主フレーム421をサンドイッチ状に挟持している。かかる構成により、摺動フレーム420が脚載置部支持フレーム400に対して上下方向へ摺動自在に取り付けられることになる。
【0080】
ここで、図8を参照しながら、足裏受板体17’を被覆した足受カバー100について説明する。
【0081】
足受カバー100は、足裏受板体17’をすっぽりと包むようにカバー本体101が形成され、このカバー本体101の上面には、足用エアバッグa9の左右側面部91,91を上方から被せて覆う側面部カバー部102,102が形成されている。そして、かかる側面部カバー部が形成された上面中央部を、左右にそれぞれ前後方向に設けた面ファスナー103,103によって、上下方向に変位させることが可能となっている。
【0082】
したがって、足裏受板体17’を、容易にカバーすることが可能であり、組立作業性が向上する。
【0083】
また、足受カバー100を、別売りとして提供することも可能であり、素足を載せることが多い足裏受部17に対し、衛生面などで抵抗感をもつ使用者などは、いつでも自分専用の足受カバー100に交換することもできる。したがって、誰でも気持ちよく足裏のマッサージが可能である。
【0084】
このように、本実施形態に係る足載置部4では、足裏受部17と脚受部18とをそれぞれ別部材で独立して構成し、本体部15と足裏受部17との間に間隙dを形成していることから、脚載置部4の製造時においては、それぞれ簡単な金型で形成することが可能となり、複雑で高価な金型を用いなくて済むメリットがある。さらに、かかる構成としたことによって、上述したように足受カバー100を独立して設け、使用者における衛生面などについても十分な配慮が可能となっている。
【0085】
また、図9及び図10に示すように、摺動フレーム420の中央に設けられた摺動機構430は、取付プレート431の下部に脚載置部伸縮モータm7を取付け、この脚載置部伸縮モータm7に、連動機構432を介して螺杆433の下端を連動連結している。
【0086】
また、取付プレート431の一側端上部から連設部材434を突設して、この連設部材434に脚載置部伸縮位置検出センサG7を取付けている。
【0087】
脚載置部伸縮位置検出センサG7は、前記連設部材434に上端を固定するともに、長手方向に複数の貫通孔435を所定の間隔で開設した伸縮位置検出用基板436と、この伸縮位置検出用基板436を包持するように設けられるとともに、前記貫通孔435の位置に光線を出射するように構成した光センサ部437とからなり、光センサ部437の発光部からの光が貫通孔435を通過して受光部に受光された光の検出回数によって脚載置部4の伸縮量を検出することができるようになっている。
【0088】
また、脚載置部支持フレーム400を後方から押し上げたり、あるいは引き下げたりして脚載置部4を上下回動させる脚載置部回動機構410は、図11に示すように、取付シャシ411の一端に脚載置部回転モータm6を固定し、この脚載置部回転モータm6に、連動機構412を介して螺杆413の一端を連動連結している。
【0089】
また、取付シャシ411の他端近傍から連設部材414を突設して、この連設部材414に脚載置部回動位置検出センサG6を取付けている。脚載置部回動位置検出センサG6は、前記脚載置部伸縮位置検出センサG7と略同様な構成となっており、前記連設部材414に先端を固定するともに、長手方向に複数の貫通孔415を所定の間隔で開設した回動位置検出用基板416と、この回動位置検出用基板416を包持するように設けられるとともに、前記貫通孔415の位置に光線を出射するように構成した光センサ部417とからなる。そして、光センサ部417の発光部からの光が貫通孔415を通過して受光部に受光された光の検出回数によって脚載置部4の回動位置を検出することができるようになっている。
【0090】
また、図3に示すように、脚載置部回動機構410の螺杆413の先端は、前記基台フレーム200側に枢支連結したアーム部418を取付けるとともに、このアーム部418に設けた転動輪419が、前記基台部前面パネル207の後面を円滑に転動可能としている。かかる構成により、脚載置部4の上下回動が極めて滑らかに行われることになる。
【0091】
ところで、図3に示すように、基台フレーム200には、リクライニング手段としてのリクライニングモータm5を備えた背もたれ部回動機構300が配設されている。なお、この背もたれ部回動機構300は、前述した脚載置部回動機構410と略同様な構成であり、リクライニングモータm5によって回転駆動し、進退によって背もたれ部3をリクライニング可能とした螺子杆310と、前述した脚載置部回動位置検出センサG6と略同様な構成のリクライニング位置検出センサG5とを備えている。
【0092】
ここで、図12を参照しながら、本実施形態に係るマッサージ機Aの制御手段である制御部Gについて以下に詳述する。
【0093】
制御部Gは前記基台部2内に配設されており、図示するように、遠隔操作可能な操作手段であるリモコンR(図1〜図3)が接続され、このリモコンRに設けた操作部Sの各操作ボタンを介して電源投入から電源オフ、及びマッサージ機Aの単機能動作からプログラミングされた自動コースなどの制御動作、さらには前記背もたれ部3のリクライニング動作及び前記脚載置部4の上下回動動作並びに脚の長さ方向への伸縮動作などをコントロールすることができる。KはリモコンRに設けた液晶パネルからなる表示部である。
【0094】
また、図示するように、制御部Gは、CPUと、各種マッサージプログラムや各種制御テーブルを格納したメモリ部G1と、前記リクライニングモータm5や脚載置部回転モータm6、脚載置部伸縮モータm7を含む各種モータなどの駆動制御を行う駆動制御部G2と、インターフェイスG3,G4とを備えている。
【0095】
前記CPUには、インターフェイスG3を介してリモコンR、背もたれ部3のリクライニング角度を検出してリクライニング位置を検知するリクライニング位置検出センサG5と、脚載置部4の上下回動角度を検出して回動位置を検知する脚載置部回動位置検出センサG6と、当該脚載置部4の伸縮位置を検出する脚載置部伸縮位置検出センサG7と、マッサージユニット11の前後方向への進退位置を検出する進退位置検出センサG8と、ロータリーエンコーダE1,E3,E4とが接続している。
【0096】
また、CPUは、インターフェイスG4を介して、脚載置部4の回動手段としての脚載置部回転モータm6と、脚載置部4を、被施療者の脚の長さ方向に伸縮させる伸縮手段としての脚載置部伸縮モータm7とを接続して、脚載置部4の上下回動動作及び伸縮動作を制御している。
【0097】
さらに、CPUは、このインターフェイスG4を介して、マッサージユニット11内に配設したもみ玉駆動ユニット9の昇降用モータm1、もみ用モータm3、叩き用モータm4、及びマッサージユニット11を進退させる進退モータm2、さらには、背もたれ部3のリクライニング動作を行うリクライニング手段であるリクライニングモータm5、エアバッグ用エアポンプ25、座部1に配設したヒータHを接続している。このヒータHにより冬などでも心地好くマッサージすることが可能となっている。
【0098】
また、CPUは、インターフェイスG4を介してエアポンプ25と接続しており、このエアポンプ25からは複数のエアバッグa1〜a9に給気可能としており、図示しない電磁弁の開閉動作によってエアバッグa1〜a9を膨張(膨出)・収縮可能とするとともに、エアバッグa1〜a9を膨張状態(膨出状態)に保持可能とし、心地良いエアマッサージを実行可能としている。
【0099】
かかる構成により、リモコンRの操作部Sからの指令信号に基づいて、制御部Gでは、疲労回復、リフレッシュ、リラックスなどを目的として様々なマッサージモードを組合せた複数の自動コースや指圧、もみ(もみ上げ/もみ下げ)、叩き、さすり、バイブ、ストレッチなどの基本マッサージ、さらにはローリング、エアマッサージなどの種類の異なった単独の手動マッサージを実行可能とするとともに、脚載置部4及び背もたれ部3の前後回動動作を行うことができる。
【0100】
本実施形態に係るマッサージ機Aは、上述してきた構成を有するものであり、脚載置部4は、足裏受部17と脚受部18との間に所定の間隙dが設けられていることから清掃が行い易く、いつも清潔に保つことができるとともに、足が蒸れたりすることを可及的に防止可能としている。
【0101】
また、形成された間隙dに踵を位置させて、この間隙dを形成する前記脚受部18が設けられた本体部15の下端部に踵の一部、あるいは踵の上方部分(足首の下部)を当接させたり、間隙dに踵を落とし込んだりすることで、被施療者は、足を安定保持することが可能となり、足用エアバッグa9を用いて足をマッサージする場合のマッサージ効果を高めることができる。
【0102】
さらに、足裏受部17と脚受部18が設けられた本体部15とを完全にセパレート化することで、製造時においては、前記本体殻部15’と足裏受板体17’とをそれぞれ簡単な金型で形成することが可能となり、複雑で高価な金型を用いなくて済むのでコスト的にも有利となっている。
【0103】
また、制御部Gは、脚載置部回動位置検出センサG6の検出値に基いて、前記脚載置部4が床面Fに接する位置までの距離を予め演算することによって、前記脚載置部伸縮モータm7を動作させる場合、前記演算結果に応じた伸縮量となるようにこれを制御して、前記脚載置部4が回動時に床面Fに接することを未然に防止することができる。
【0104】
すなわち、脚載置部4の上下の回動位置における最大伸出量を予め算出するようにしているので、前記脚載置部伸縮モータm7の駆動を制御して、脚載置部4の上下回動位置に応じた最適な伸縮量で伸縮動作させることができ、脚載置部4を上下回動させる場合においても、床面Fに当接させることなく、最大限まで伸縮させることが可能となる。
【0105】
図13に脚載置部4の最大伸縮ストロークLと、この最大伸縮ストロークLを床面Fに当接することなく実現しうる脚載置部4の限界位置を示しており、そのときの脚載置部4の位置が当該脚載置部4の基準位置となる。本実施形態では、最大伸縮ストロークLを180mmとし、床面Fからの角度θが46度の位置である。
【0106】
すなわち、本マッサージ機Aは、図13に示した基準位置よりも上方にあれば脚載置部4は最大伸長させても床面Fに当接するおそれはないので、その伸縮は自在に行えるが、基準位置よりも下方に位置する場合は、脚載置部4が床面Fに当接することのないように、制御部Gは脚載置部4の回動位置における最大伸出量を予め算出するのである。
【0107】
図14は、リモコンRの操作により、脚部用上下ボタン(図示せず)のいずれかが押下された場合の脚載置部4の伸縮動作制御処理を示すフローチャートである。
【0108】
図示するように、制御部GのCPUは、先ず、ボタン押下が成されたか否かを判断し(ステップS351)、脚部用上げボタンが押下された場合であれば、脚載置部4を上方へ回動させる上げ指示をセットする。次いで、CPUは、脚載置部4の伸長が最長であるか否かを判断し(ステップS353)、最長であればこの処理を終了し、最長ではない場合は、脚載置部4の伸長指示をセットして(ステップS354)この処理を終了する。なお、上記上げ指示の場合、床に脚載置部が接するおそれがないので、脚載置部の伸縮制御は不要としても構わない。
【0109】
一方、脚部用下げボタンが押下された場合であれば(ステップS351でNO)、処理をステップS355に移す。ステップS355では、脚載置部4の収縮位置が最短であるか否かを判断し、最短な場合は脚載置部4を下方へ回動させる下げ指示をセットして(ステップS358)この処理を終了する。
【0110】
他方、ステップS355で最収縮位置ではないと判断した場合は、脚載置部4が前述した基準位置(θ=46度)よりも上方に位置しているか否かを判断し(ステップS356)、基準位置よりも上と判断した場合は(Yes)、処理を前記ステップS358に移してこの処理を終了する。
【0111】
一方、ステップS356で、脚載置部4が基準位置よりも下方に位置していると判断した場合(No)、脚載置部4をその位置に見合った長さまで収縮させる収縮指示をセットし(ステップS357)、この処理を終了する。
【0112】
なお、脚載置部4が上記基準位置よりも上方に位置している場合においても(ステップS356でYes)、ステップS358の処理の前に、ステップS357同様に、下方への回動時にその回動位置に見合った長さまで収縮させる制御をさせても良い。
【0113】
そして、この脚載置部4の伸縮動作制御処理が終了すると、制御部Gは各ステップでセットされたコマンドに従って、脚載置部4を伸縮させて回動動作を行う。したがって、脚載置部4は、床面Fに当接することなく回動動作が行われることになり、床面Fを傷つけてしまうおそれがなくなる。
【0114】
なお、上述してきた脚載置部4の収縮動作については、自動コースによるマッサージを実施中においても制御部Gによって制御されており、伸長量にかかわらず、脚載置部4は床面Fと当接するおそれはない。
【0115】
上述してきた実施形態により、以下のマッサージ機が実現できる。
【0116】
背もたれ部3及び座部1を有する椅子本体と、前記座部1前方側において上下回動可能とした脚載置部4と、少なくとも前記椅子本体又は前記脚載置部4のいずれか一方に設けられたマッサージ機構部(例えば、マッサージユニット11やエアバッグa1〜a9)を備え、前記脚載置部4は、脚を受ける脚受部18と、同脚受部18の下端部側に配設した板状の足裏受部17とを具備し、この足裏受部17と前記脚受部18との間に所定の間隙dを設けた椅子式マッサージ機。
【0117】
上記椅子式マッサージ機において、前記足裏受部17に、足の一部を施療可能な足用エアバッグa9を、前記間隙dの一部を覆うように取付けた椅子式マッサージ機。
【0118】
上記椅子式マッサージ機において、前記足用エアバッグa9は、足裏に当接する底面部90と、この底面部90の左右から立設する側面部91,91とを備え、前記底面部90で足裏を、前記左右側面部91,91で足の側部を挟圧して施療可能とした椅子式マッサージ機。
【0119】
上記椅子式マッサージ機において、前記脚受部18を区画形成する左右立壁部15c,15dと中央立壁部15bの各壁部下端の鉛直下方位置に、前記足用エアバッグa9の左右側面部91,91の立ち上がり基端部91bを配置し、前記左右側面部91,91を膨張させた際に、膨張した左右側面部91,91を前記壁部下端に当接させ、各左右側面部91,91の上端側が内側方向に傾倒するように構成した椅子式マッサージ機。
【0120】
上記椅子式マッサージ機において、前記脚載置部4を上下回動させるとともに、上下回動させたときの回動位置を検出するための回動位置検出センサG6を備えた回動手段(例えば、脚載置部回動機構410)と、前記脚載置部4を被施療者の脚の長さ方向に伸縮させるとともに、伸縮させたときの前記脚載置部4の前記座部1前方側からの位置を検出するための伸縮位置検出センサG7を備えた伸縮手段(例えば、摺動機構430)と、前記回動手段及び伸縮手段の動作を制御する制御手段(例えば、制御部G)と、を備えた椅子式マッサージ機。
【0121】
以上、本発明を、実施形態を通して説明したが、実施形態では具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。また、実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本実施形態に係る椅子式マッサージ機を示す斜視図である。
【図2】同側面図である。
【図3】同マッサージ機の背もたれ部及び脚載置部の回動動作を示した側面視による説明図である。
【図4】脚載置部の正面図である。
【図5】同脚載置部の背面図である。
【図6】同脚載置部の分解斜視図である。
【図7】脚載置部支持フレームと摺動フレームとを示す説明図である。
【図8】足受カバーの説明図である。
【図9】脚載置部支持フレームと摺動フレームとを取付けた状態の正面図である。
【図10】摺動フレームに取付けた収縮機構の説明図である。
【図11】脚載置部回動機構の説明図である。
【図12】マッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
【図13】脚載置部の最大伸縮ストロークと、脚載置部の限界位置を示す説明図である。
【図14】脚載置部動作制御処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0123】
A マッサージ機
F 床面
G 制御部
d 間隙
1 座部
2 基台部
3 背もたれ部
4 脚載部
15 本体部
16 足裏受
17 足裏受部
18 脚受部
15’ 本体殻部
17’ 足裏受板体
40 脚載置部フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背もたれ部及び座部を有する椅子本体と、
前記座部前方側において上下回動可能とした脚載置部と、
少なくとも前記椅子本体又は前記脚載置部のいずれか一方に設けられたマッサージ機構部と、
を備えた椅子式マッサージ機において、
前記脚載置部は、脚を受ける脚受部と、同脚受部の下端部側に配設した板状の足裏受部とを具備し、この足裏受部と前記脚受部との間に所定の間隙を設けたことを特徴とする椅子式マッサージ機。
【請求項2】
前記足裏受部に、足の一部を施療可能な足用エアバッグを、前記間隙の一部を覆うように取付けたことを特徴とする請求項1記載の椅子式マッサージ機。
【請求項3】
前記足用エアバッグは、足裏に当接する底面部と、この底面部の左右から立設する側面部とを備え、前記底面部で足裏を、前記左右側面部で足の側部を挟圧して施療可能としたことを特徴とする請求項2記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
前記脚受部を区画形成する左右立壁部と中央立壁部の各壁部下端の鉛直下方位置に、前記足用エアバッグの左右側面部の立ち上がり基端部を配置し、前記左右側面部を膨張させた際に、膨張した左右側面部を前記壁部下端に当接させ、各左右側面部の上端側が内側方向に傾倒するように構成したことを特徴とする請求項3記載の椅子式マッサージ機。
【請求項5】
前記脚載置部を上下回動させるとともに、上下回動させたときの回動位置を検出するための回動位置検出センサを備えた回動手段と、
前記脚載置部を被施療者の脚の長さ方向に伸縮させるとともに、伸縮させたときの前記脚載置部の前記座部前方側からの位置を検出するための伸縮位置検出センサを備えた伸縮手段と、
前記回動手段及び伸縮手段の動作を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の椅子式マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−313105(P2007−313105A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−147057(P2006−147057)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000136491)株式会社フジ医療器 (137)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【Fターム(参考)】