説明

椅子式マッサージ機

【課題】足先マッサージ部を具えた椅子式マッサージ機において、座部への乗り降りに、足先マッサージ部が邪魔にならない様にする。
【解決手段】足裏等の足先をマッサージする足先マッサージ部4及び座部3を具えた椅子式マッサージ機において、足先マッサージ部4は、座部3の前部に接近し且つ座部3に腰掛けた被施療者の足先にマッサージを施すことが可能な足下ろし施療位置から、後方へ待避可能に配備され、足先マッサージ部4に待避駆動装置6が連繋されている。足先マッサージ部4を待避位置に移動させると、座部3への乗り降りに足先マッサージ部4が邪魔にならない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足裏等の足先をマッサージする足先マッサージ部及び座部を具えた椅子式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の足先マッサージ部を具えた椅子式マッサージ機には、足先マッサージ部が足下ろし施療位置から、前進しながら上昇して被施療者の足を持ち上げた状態で施療できる足上げ施療位置に変位できるものがある(特許文献1)。
足先マッサージ部の足下ろし施療位置とは、被施療者がマッサージ機の座部に腰掛けて膝から下を下向きにして足先にマッサージを受けることのできる位置のことである(以下、同様)。
マッサージ機の使用が終わると、マッサージ機から降りやすくするために、足先マッサージ部(4)は足下ろし施療位置にリセットされる様になっているのが一般的である。
【0003】
【特許文献1】特開2005−211416
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の足先マッサージ部を具えた椅子式マッサージ機は、マッサージが終わると、足先マッサージ部が足下ろし施療位置にリセットされるから、マッサージ機への乗り降りに足先マッサージ部が邪魔になる。
足先マッサージ部には、足先が嵌まる凹部が設けられており、被施療者がマッサージ機の前方から、マッサージ機の背もたれ側に向いたまま、足先マッサージ部の凹部に両足先を挿入して、該凹部内で足先を180°前後に回転させ様としても、凹部にはその余裕はない。
従って、被施療は背中をマッサージ機の背もたれに向けた姿勢で、足先を足先マッサージ部の凹部に挿入してから腰掛けなければならず、乗り込み難い。
更に、被施療者がマッサージ機に乗り降りする際に、被施療者の全体重が足先マッサージ部に掛かるから、床面から直接にマッサージ機に乗り込み、又マッサージ機から直接に床面に降りる場合に較べて、足元が不安定となる。
本発明は、上記問題を解決できる足先マッサージ部を具えた椅子式マッサージ機を明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1は、足裏載せ面(42)を有し足先をマッサージする足先マッサージ部(4)及び座部(3)を具えた椅子式マッサージ機において、足先マッサージ部(4)は、座部(3)に腰掛けた被施療者が足を下ろした状態で足先にマッサージを受けることができる足下ろし施療位置から、後方へ待避可能に配備され、足先マッサージ部(4)に待避駆動装置(6)が連繋されている。
【0006】
請求項2は請求項1に記載の椅子式マッサージ機において、足先マッサージ部(4)は、後部が上昇し、前部が下向きとなる様に移動して足下ろし施療位置から待避する。
【0007】
請求項3は請求項1又は2に記載の椅子式マッサージ機において、座部(3)の前部両側に、上部を枢支して夫々垂直面内で下向き状態から前方に回動可能にガイドバー(61)(61)を取り付け、平行杆(64)(64)を連結杆(65)で繋いで形成されたスライドフレーム(63)の該平行杆(64)(64)を前記両ガイドバー(61)(61)の自由端にスライド可能に係合し、
スライドフレーム(63)の両平行杆側に垂直面内で回動可能に支持台(66)(66)の基端を枢支して、両支持台(66)(66)の他端を前記両ガイドバー(61)(61)にスライド可能に連繋し、両支持台(66)(66)に跨って足先マッサージ部(4)を取り付け、スライドフレーム(63)に前後方向へ押し引きする押引き手段(7)を連繋し、両ガイドバー(61)(61)、スライドフレーム(63)、支持台(66)(66)及び押引き手段(7)とによって、足先マッサージ部(4)の待避駆動装置(6)が構成され、
足先マッサージ部(4)の足下ろし施療位置から、押引き手段(7)によってスライドフレーム(63)に前向きの力を加えると、該スライドフレーム(63)及び該フレームの平行杆(64)(64)に係合している前記両ガイドバー(61)(61)は、該ガイドバーの回転支点(61a)を中心に前方へ回転して、足先マッサージ部(4)は前進且つ後傾しながら上昇して足上げ施療位置へ変位し、
足先マッサージ部(4)の足下ろし施療位置から、スライドフレーム(63)に後向きの力を加えると、スライドフレーム(63)は、ガイドバー(61)(61)をスライドして後方へスライド移動し、両支持台(66)(66)は、下向き状態のガイドバー(61)(61)を滑って縦向きに変位し、足先マッサージ部(4)は足裏載せ面(42)が起立する様に姿勢を変えながら待避位置に移動する。
【0008】
請求項4は請求項3に記載の椅子式マッサージ機において、両ガイドバー(61)(61)は繋ぎ杆(62)で繋がっている。
【0009】
請求項5は請求項3又は4に記載の椅子式マッサージ機において、ガイドバー(61)(61)には、支持台(66)(66)の係合位置よりも上位置にてスライド可能に取付け台(8)(8)が配備され、同一ガイドバー(61)上の支持部材(66)と取付け台(8)は連結部材(81)を介して枢支連結され、脹ら脛をマッサージする脹ら脛マッサージ部(5)が両取付け台(8)(8)に跨って取り付けられ、
足先マッサージ部(4)の待避位置への移動と連動して、脹ら脛マッサージ部(5)はガイドバー(61)(61)に沿って上向きに移動して、足先マッサージ部(4)の待避スペースを空ける。
【0010】
請求項6は請求項1に記載の椅子式マッサージ機において、足先マッサージ部(4)は、マッサージ機を置く床面に対して略平行にスライドして座部(3)の下方に待避可能である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の椅子式マッサージ機は、足先マッサージ部(4)は該足下ろし施療位置よりも後方へ待避可能に配備されているから、足先マッサージ部(4)の待避位置をマッサージ機使用後のリセット位置とすれば、被施療者が使用後にマッサージから降りる際には、足裏を床面に接地して安定して立ち上がることできる。
又、マッサージ機に腰掛ける際にも、足先マッサージ部(4)は待避位置にあるから、被施療者は座部(3)の正面で座部(3)に接近した位置で、足裏を床面に接地した状態で向きを変えて、安定して座部(3)に腰掛けることができる。
【0012】
請求項2の椅子式マッサージ機は、足先マッサージ部(4)を座部(3)の下方に収容して待避させるのではなく、座部(3)の前側で起立姿勢で待避させるから、座部(3)の下方を、待避駆動装置(6)の一部を収容する等、有効に利用できる。
【0013】
請求項3の椅子式マッサージ機では、足先マッサージ部(4)は、待避駆動装置(6)の2つの支持台(66)(66)に両持ち支持され、両支持台(66)(66)を両側に具えたスライドフレーム(63)を2本のガイドバー(61)(61)を滑らせて待避位置へ移動するから、足先マッサージ部(4)の基本施療位置から待避位置への移動及びその逆方向の移動が円滑に且つ安定して行われる。
【0014】
請求項4の椅子式マッサージ機は、ガイドバー(61)(61)は繋ぎ杆(62)で繋がって、一体に回動するから、足先マッサージ部(4)の基本施療位置から待避位置への移動及びその逆方向の移動が一層円滑に且つ安定して行われる。
【0015】
請求項5の椅子式マッサージ機は、足先マッサージ部(4)の待避位置への移動と連動して、脹ら脛マッサージ部(5)はガイドバー(61)(61)に沿って上向きに移動して、足先マッサージ部(4)の待避スペースを空けるから、足先マッサージ部(4)の待避に何ら支障はない。
【0016】
請求項6の椅子式マッサージ機では、足先マッサージ部(4)は、マッサージ機を置く床面に対して略平行にスライドして座部(3)の下方に待避させるから、足先マッサージ部(4)の待避駆動装置は、請求項3の押引き手段(7)のアクチェータ(73)だけで足りるので、構成を簡素できる。
又、脹ら脛マッサージ部(5)を設ける場合、足先マッサージ部(4)を待避させるために、脹ら脛マッサージ部(5)を移動させる必要はなく、全体構成も簡素化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、椅子式マッサージ機の骨組(1)と、足先マッサージ部(4)と脹ら脛マッサージ部(5)を外した状態を示している。
骨組(1)は、座部(3)を構成するためのメインフレーム(10)と、背もたれ(2)を構成するための背もたれフレーム(21)と、座部(3)の両サイドに設けられる肘掛けフレーム(図示せず)とによって構成される。
以下の説明で、背もたれ(2)側を「後」、その反対側を「前」とする。
【0018】
メインフレーム(10)は、後方が開口したコ字状の座部枠体(14)の4隅に縦向き脚杆(12)を突設し、前後の縦向き脚杆(12)(12)、(12)(12)の下端を平行な横向き脚杆(11)(11)に固定している。両横向き脚杆(11)(11)は繋ぎ杆(13)で繋がっている。
座部枠体(14)には、クッション用に複数のスプリング(31)が張設されている。
スプリング(31)の上に、ウレタン樹脂マット等のクッション材を載せ、カバー(何れも図示せず)を被せて、座部(3)を完成する。
尚、必要に応じて、座部(3)に臀部用の適当なマッサージ手段を設けることもできる。
【0019】
背もたれフレーム(21)は、座部(3)の後端に位置する支点(22)を中心に後傾可能に取り付けられ、背もたれ用のアクチュータ(23)によって動作する。
背もたれフレーム(21)には、被施療者の肩、背中、腰をマッサージするマッサージユニット(図示せず)が配備され、該フレーム(21)全体にカバー(図示せず)が被せられて、背もたれ(2)が完成する。
【0020】
脹ら脛マッサージ部(5)は、被施療者が座部(3)に腰掛けた状態で両脚の脹ら脛が別個に嵌まる凹部(51)(51)を有している。凹部(51)は、前方、上方、下方の3方が開口している。
凹部(51)の壁面には、脹ら脛を左右から挟み込む様に、公知のエアーバック式マッサージ具(52)(52)が配備されている。
脹ら脛マッサージ部(5)は全体にカバー(50)で覆われている。
【0021】
足先マッサージ部(4)は、被施療者が座部(3)に腰掛けた状態で両足先が別個に嵌まる凹部(41)(41)を有している。足先とは、踝付近から下の部分を云う。
実施例の凹部(41)は、上方、前方、後方の3方に開口しているが、上方が開口しておれば、前方、後方が開口しているか否かは問わない。
凹部(41)の底部が足載せ面(42)であり、該足載せ面(42)に足裏マッサージ手段(44)が配備されている。
各凹部(41)の左右の側面(43)(43)には、エアーバック式マッサージ具等のマッサージ手段(45)(45)が配備されている。
【0022】
足先マッサージ部(4)及び脹ら脛マッサージ部(5)は、施療定位置から待避位置へ、又、その逆方向へ駆動する待避駆動装置(6)に連繋されている。
図1、図2に基づいて待避駆動装置(6)について説明する。
前記座部枠体(14)の前側両端に突設したブラケット(15)(15)に、2本のガイドバー(61)(61)の上端を支点(61a)を中心に垂直面内で前後に回動可能に支持する。
実施例では、両ガイドバー(61)(61)の上端どうしが繋ぎ杆(62)が繋がっており、両ガイドバー(61)(61)は一体に回動する。
ガイドバー(61)(61)の下端にはガイドバー(61)と直交して短筒状の受け部(60)(60)が開口を前後に向けて固定されている。
前記座部枠体(14)の前部両端には、ガイドバー(61)(61)が真下を向いた状態から後方へ回転することを防止するストッパ(16)(16)が設けられている。
【0023】
平行杆(64)(64)を連結杆(65)で繋いでコ字状に形成されたスライドフレーム(63)の該平行杆(64)(64)を、前記両ガイドバー(61)(61)下端の受け部(60)(60)にスライド可能に嵌め、平行杆(64)(64)の先端にフランジ状の抜止め片(68)(68)を設けている。
【0024】
スライドフレーム(63)の連結杆(65)の両端側に垂直面内で回動可能に支持台(66)(66)を設けて、両支持台(66)(66)を傾けた状態で支持台(66)(66)の他端(自由端)を前記両ガイドバー(61)(61)にスライド可能に連繋する。
実施例では、支持台(66)の自由端にローラ(67)を枢支し、該ローラ(67)周面の丸底溝を丸管状のガイドバー(61)の周面に転動可能に当てている。
【0025】
両ガイドバー(61)(61)には、支持台(66)のローラ(67)位置よりも上位置にてスライド可能に取付け台(8)(8)が配備され、同一ガイドバー(61)上の支持部材(66)と取付け台(8)は連結部材(81)を介して枢支連結されている。
【0026】
スライドフレーム(63)に、該スライドフレーム(63)を前後に押し引きする押引き手段(7)を連繋する。
実施例の押し引き手段(7)は、前記した2本のガイドバー(61)(61)を繋ぐ繋ぎ杆(62)に第1アーム(71)を枢支し、スライドフレーム(63)の連結杆(65)に第2アーム(72)を枢支し、アーム(71)(72)の自由端を後方で中折れ状態に枢支連結し、第1アーム(71)の連結杆(65)側を、座部(3)の下方に配備したアクチェータ(73)に連結して構成されている。
【0027】
待避駆動装置(6)の両支持台(66)(66)に跨って前記足先マッサージ部(4)の左右両端が固定されている。
両支持台(61)(61)上の、取付け台(8)(8)に跨って前記脹ら脛マッサージ部(5)の両端が固定されている。
前記待避駆動装置(6)のガイドバー(61)(61)が真下を向き、スライドフレーム(63)が床面と平行状態のとき、足先マッサージ部(4)は凹部(41)を真上に向けて、足先の足下ろし施療位置にある。又、脹ら脛マッサージ部(5)は凹部(51)を前方に向けて脹ら脛の足下ろし施療位置にある。
【0028】
待避駆動装置(6)の作動による、足先マッサージ部(4)と脹ら脛マッサージ部(5)の動作を説明する。
足先マッサージ部(4)が足下ろし施療位置にある状態(図3、図4)から、アクチェータ(73)が作動して、第1アーム(71)、第2アーム(72)を介してスライドフレーム(63)を後方へ引っ張ると、スライドフレーム(63)は、両側の平行杆(64)(64)がガイドバー(61)(61)下端の受け部(60)(60)をスライドして、床面と平行姿勢のまま後退する。ガイドバー(61)(62)はストッパ(16)(16)によっ後方への回動は阻止されている。
【0029】
スライドフレーム(63)が後退すると、支持台(66)(66)は、自由端のローラ(67)(67)をガイドバー(61)(61)に押し当てた状態でガイドバー(61)に沿う様に起立する(図6)。
両支持台(66)(66)に跨って取り付けられている足先マッサージ部(4)は、支持台(66)(66)の起立によって、凹部(41)(41)が前方に向く様に起立する(図5)。
【0030】
上記支持台(66)(66)が起立するにつれて、支持台(66)上の連結部材(81)がガイドバー(61)(61)上の取付け台(8)(8)を真直ぐに押し上げる。
取付け台(8)(8)に跨って取り付けられた脹ら脛マッサージ部(5)は姿勢を変えることなく、持ち上げられて、上記足先マッサージ部(4)が起立して待避できるスペースを空ける。
【0031】
アクチェータ(73)がスライドフレーム(63)を前方に押すと、スライドフレーム(63)は、先端の抜止め片(68)がガイドバー(61)の受け部(60)に当たるまでは床面と平行に前進し、抜止め片(68)が受け部(60)に当たると、スライドフレーム(63)がガイドバー(61)(61)をその上端の支点(61a)中心に前方へ上向きに回転せ、これにともなってスライドフレーム(63)自体もガイドバー(61)(61)に支持されたまま、前方へ上向きに回転する(図7、図8)。
上記したスライドフレーム(63)の前方上向き回転により、足先マッサージ部(4)及び脹ら脛マッサージ部(5)は夫々の足下ろし施療位置から上昇しながら前進し且つ後傾して足上げ施療位置へと変位する。
【0032】
上記椅子式マッサージ装置は、リモコンスイッチ操作により、該装置に組み込まれた制御部(図示せず)によって、背もたれ(2)のマッサージユニット及び背もたれ角度変更用アクチュータ(23)、足先マッサージ部(4)のマッサージ手段(44)(45)、脹ら脛マッサージ部(5)のマッサージ具(52)(52)、足先マッサージ部(4)と脹ら脛マッサージ部(5)の待避駆動装置(6)を制御できる。マッサージを途中で中止したり、設定時間のマッサージが終了すると、背もたれ(2)は最も起立した状態、足先マッサージ部(4)と脹ら脛マッサージ部(5)は、図5、図6の如く、待避位置へリセットされる。
【0033】
然して、上記椅子式マッサージ機は、マッサージ機の使用が終われば、足先マッサージ部(4)が該足下ろし施療位置から自動的に後方へ起立する様に待避するから、被施療者は足裏を床面に接地して安定して座部(3)から立ち上がることできる。
又、マッサージ機に腰掛ける際にも、足先マッサージ部(4)は待避位置にあるから、被施療者は座部(3)の正面で座部(3)に接近した位置にて足裏を床面に接地した状態で向きを変えて、安定して座部(3)に腰掛けることができる。
【0034】
足先マッサージ部(4)を座部(3)の下方に収容して待避させるのではなく、座部(3)の前側で起立姿勢で待避させるから、座部(3)の下方に待避駆動装置(6)のアクチェータ(73)を配備したり、背もたれ(2)用のアクチュータ(23)を配備する等、座部(3)の下方空間を有効に利用できる。
【0035】
又、足先マッサージ部(4)は、待避駆動装置(6)の2つの支持台(66)(66)に両持ち支持され、両支持台(66)(66)を両側に具えたスライドフレーム(63)を2本のガイドバー(61)(61)を滑らせて待避位置へ移動するから、足先マッサージ部(4)の足下ろし施療位置から待避位置への移動及びその逆方向の移動が円滑に且つ安定して行われる。
【0036】
又、ガイドバー(61)(61)は繋ぎ杆(62)で繋がって、一体に回動するから、足先マッサージ部(4)の基本施療位置から待避位置への移動及びその逆方向の移動が一層円滑に且つ安定して行われる。
【0037】
又、足先マッサージ部(4)の待避位置への移動と連動して、脹ら脛マッサージ部(5)はガイドバー(61)(61)に沿って上向きに移動して、足先マッサージ部(4)の待避スペースを空けるから、足先マッサージ部(4)の待避に何ら支障はない。
【0038】
実施例の場合、待避駆動装置(6)のアクチェータ(73)を直接にスライドフレーム(63)に接続せずに、中折れ式のアーム(71)(72)を介してスライドフレーム(63)に連繋しているから、アクチェータ(73)の短いストロークで、スライドフレーム(63)を大きく前後に移動させることができる。
【0039】
本発明の実施に際し、待避駆動装置(6)の2本ガイドバー(61)(61)の繋ぎ杆(62)を省略することができる。この場合、第1アーム(71)の上端を前後に回転可能に支持する手段も、例えば座部枠体(14)にブラケット(図示せず)を突設して、第1アーム(71)を軸承することが必要である。
【0040】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0041】
例えば、足先マッサージ部(4)は、マッサージ機を置く床面に対して略平行にスライドして座部(3)の下方に待避させることができる。この場合、足先マッサージ部(4)の待避駆動装置は、上記した押引き手段(7)のアクチェータ(73)だけで足りるので、構成を簡素できる。
又、脹ら脛マッサージ部(5)を設ける場合、足先マッサージ部(4)を待避させるために、脹ら脛マッサージ部(5)を移動させる必要はなく、全体構成も簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】マッサージ機の骨組、取付け前の足先マッサージ部及び脹ら脛マッサージ部の斜視図である。
【図2】待避駆動装置の拡大図斜視図である。
【図3】足下ろし施療位置の足先マッサージ部及び脹ら脛マッサージ部の説明図である。
【図4】同上の待避駆動装置の側面図である。
【図5】待避位置の足先マッサージ部及び脹ら脛マッサージ部の説明図である。
【図6】同上の待避駆動装置の側面図である。
【図7】足上げ施療位置へ向う途中の足先マッサージ部及び脹ら脛マッサージ部の説明図である。
【図8】同上の待避駆動装置の側面図である。
【符号の説明】
【0043】
10 メインフレーム
3 座部
4 足先マッサージ部
41 凹部
5 脹ら脛マッサージ部
51 凹部
6 待避駆動装置
61 ガイドバー
63 スライドフレーム
64 平行杆
66 支持台
8 取付け台
81 連結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足裏載せ面(42)を有し足先をマッサージする足先マッサージ部(4)及び座部(3)を具えた椅子式マッサージ機において、足先マッサージ部(4)は、座部(3)に腰掛けた被施療者が足を下ろした状態で足先にマッサージを受けることができる足下ろし施療位置から、後方へ待避可能に配備され、足先マッサージ部(4)に待避駆動装置(6)が連繋されている、椅子式マッサージ機。
【請求項2】
足先マッサージ部(4)は、後部が上昇し、前部が下向きとなる様に移動して足下ろし施療位置から待避する、請求項1に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項3】
座部(3)の前部両側に、上部を枢支して夫々垂直面内で下向き状態から前方に回動可能にガイドバー(61)(61)を取り付け、平行杆(64)(64)を連結杆(65)で繋いで形成されたスライドフレーム(63)の該平行杆(64)(64)を前記両ガイドバー(61)(61)の自由端にスライド可能に係合し、
スライドフレーム(63)の両平行杆側に垂直面内で回動可能に支持台(66)(66)の基端を枢支して、両支持台(66)(66)の他端を前記両ガイドバー(61)(61)にスライド可能に連繋し、両支持台(66)(66)に跨って足先マッサージ部(4)を取り付け、スライドフレーム(63)に前後方向へ押し引きする押引き手段(7)を連繋し、両ガイドバー(61)(61)、スライドフレーム(63)、支持台(66)(66)及び押引き手段(7)とによって、足先マッサージ部(4)の待避駆動装置(6)が構成され、
足先マッサージ部(4)の足下ろし施療位置から、押引き手段(7)によってスライドフレーム(63)に前向きの力を加えると、該スライドフレーム(63)及び該フレームの平行杆(64)(64)に係合している前記両ガイドバー(61)(61)は、該ガイドバーの回転支点(61a)を中心に前方へ回転して、足先マッサージ部(4)は前進且つ後傾しながら上昇して足上げ施療位置へ変位し、
足先マッサージ部(4)の足下ろし施療位置から、スライドフレーム(63)に後向きの力を加えると、スライドフレーム(63)は、ガイドバー(61)(61)をスライドして後方へスライド移動し、両支持台(66)(66)は、下向き状態のガイドバー(61)(61)を滑って縦向きに変位し、足先マッサージ部(4)は足裏載せ面(42)が起立する様に姿勢を変えながら待避位置に移動する、請求項1又は2に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
両ガイドバー(61)(61)は繋ぎ杆(62)で繋がっている、請求項3に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項5】
両ガイドバー(61)(61)には、支持台(66)(66)の係合位置よりも上位置にてスライド可能に取付け台(8)(8)が配備され、同一ガイドバー(61)上の支持部材(66)と取付け台(8)は連結部材(81)を介して枢支連結され、脹ら脛をマッサージする脹ら脛マッサージ部(5)が両取付け台(8)(8)に跨って取り付けられ、
足先マッサージ部(4)の待避位置への移動と連動して、脹ら脛マッサージ部(5)はガイドバー(61)(61)に沿って上向きに移動して、足先マッサージ部(4)の待避スペースを空ける、請求項3又は4に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項6】
足先マッサージ部(4)は、マッサージ機を置く床面に対して略平行にスライドして座部(3)の下方に待避可能である、請求項1に記載の椅子式マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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