椅子式マッサージ機
【課題】
被施療者に煩雑な操作を要請することなく、不快感・窮屈感の発生を防止できる利便性の高い椅子式マッサージ機を提供すると共に、無駄を省いた経済的な椅子式マッサージ機を提供することを目的とする。
【解決手段】
背凭れ部10と、背凭れ部10の左右両側に設けられた側壁部14と、座部11と、座部11両側に設けられた肘掛部13を有し、前記側壁部14の内側面に体側部施療体34と、前記肘掛部13に前腕部施療体33を備えた椅子式マッサージ機1であって、該肘掛部13の上部に前腕部載置面131を有し、前記前腕部載置面131に、載置した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知するための検知手段4を設け、前記検知手段4により、検知した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触に対応して、体側部施療体34および前腕部施療体33の施療内容を変更する制御を行う椅子式マッサージ機。
被施療者に煩雑な操作を要請することなく、不快感・窮屈感の発生を防止できる利便性の高い椅子式マッサージ機を提供すると共に、無駄を省いた経済的な椅子式マッサージ機を提供することを目的とする。
【解決手段】
背凭れ部10と、背凭れ部10の左右両側に設けられた側壁部14と、座部11と、座部11両側に設けられた肘掛部13を有し、前記側壁部14の内側面に体側部施療体34と、前記肘掛部13に前腕部施療体33を備えた椅子式マッサージ機1であって、該肘掛部13の上部に前腕部載置面131を有し、前記前腕部載置面131に、載置した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知するための検知手段4を設け、前記検知手段4により、検知した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触に対応して、体側部施療体34および前腕部施療体33の施療内容を変更する制御を行う椅子式マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は椅子式マッサージ機、特に、座部に着座した被施療者の体側部を施療する体側部施療体と、被施療者の前腕部を施療する前腕部施療体とを備える椅子式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の椅子式マッサージ機は、エアバッグ等の施療体によって施療が行われる部位が多様化する傾向にあり、被施療者の背部や腰部はもちろん、前腕部を施療するエアバッグや、肩部及び前腕側方部を左右両側から挟圧施療するエアバッグを備えるものが存在し(特許文献1及び特許文献2)、これらを複合的に備えるマッサージ機の開発が進んでいる。
【0003】
これらを複合的に備える椅子式マッサージ機は、肘掛部に載置された前腕部を施療する前腕部施療用エアバッグと、体側部を左右両側から挟圧施療する体側部施療用エアバッグとを備え、各エアバッグは、被施療者の前腕部と体側部の相対的な位置関係に適合する位置等にそれぞれ設定される。
【特許文献1】特開2005−192603号
【特許文献2】特開2005−287831号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の施療部位の多様化ないし複合化は、被施療者にとって好ましいものではあるが、被施療者の好み等もまた多種多様であり、被施療者の個別的事情によっては、特定の施療部位への施療を望まない場合もある。とりわけ、その圧迫感や、施療中に手を使う作業が困難となる不自由性等から、前腕部の施療を望まない被施療者が少なくない。
【0005】
前腕部の施療を望まない被施療者は、エアバッグによる施療を前腕部に作用させないために、前腕部の位置を施療位置(前腕部施療用エアバッグによる施療を受ける位置)から別の位置に変位させるため、この変位に伴って被施療者の上腕部及び肩部の位置も変位することになる。そうすると、被施療者の上腕部及び肩部の位置と、体側部施療用エアバッグの位置との間に齟齬が生じるため、変位前の位置を前提とした施療内容のままでは被施療者に好適なマッサージを与えることはできず、場合によってはむしろ不快ないし窮屈な感じを与えることがある。また、この被施療者とって、前腕部施療用エアバッグによる施療は不必要なものであるから、前腕部施療用エアバッグに給排制御を行うのは無駄で不経済である。
【0006】
もちろん、前腕部の施療を望まない被施療者は、マッサージ機に付属するリモコン器を操作し、前腕部施療用エアバッグや体側部施療用エアバッグを停止することも可能であるが、リモコン器を手に取って、リモコン器に配列された複数のボタンの内から所望の動作を実行するボタンを認識して操作するのは煩雑である。
【0007】
そこで、本発明は、被施療者に煩雑な操作を要請することなく、不快感・窮屈感の発生を防止できる利便性の高い椅子式マッサージ機を提供すると共に、無駄を省いた経済的な椅子式マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の椅子式マッサージ機(1)は、背凭れ部(10)と、背凭れ部(10)の左右両側に設けられた側壁部(14)と、座部(11)と、座部(11)両側に設けられた肘掛部(13)を有し、前記側壁部(14)の内側面に体側部施療体(34)と、前記肘掛部(13)に前腕部施療体(33)を備えた椅子式マッサージ機(1)であって、該肘掛部(13)の上部に前腕部載置面(131)を有し、前記前腕部載置面(131)に、載置した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知するための検知手段(4)を設け、前記検知手段(4)により、検知した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触に対応して、体側部施療体(34)および前腕部施療体(33)の施療内容を変更する制御を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の椅子式マッサージ機(1)は、背凭れ部(10)と、背凭れ部(10)の左右両側に設けられた側壁部(14)と、座部(11)と、座部(11)両側に設けられた肘掛部(13)を有し、前記側壁部(14)の内側面に体側部施療体である体側部施療用エアバッグ(34)と、前記肘掛部(13)に前腕部施療体である前腕部施療用エアバッグ(33)が設けられた椅子式マッサージ機(1)であって、該肘掛部(13)の上部に前腕部載置面(131)を設け、前記前腕部載置面(131)に、載置した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知するための検知手段(4)を設け、前記検知手段(4)により、検知した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触に対応して、体側部施療用エアバッグ(34)および前腕部施療用エアバッグ(33)の圧力を下げる制御を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の椅子式マッサージ機(1)は、請求項1又は2記載の椅子式マッサージ機に関し、体側部施療体(34)と前腕部施療体(33)を各々独立して制御可能としたことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の椅子式マッサージ機(1)は、請求項1乃至3のいずれかに記載の椅子式マッサージ機に関し、被施療者が施療体の動作内容を操作できる操作手段(5)を備え、前記検知手段(4)による制御内容を、前記操作手段(5)により被施療者が設定できることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の椅子式マッサージ機(1)は、請求項1乃至4のいずれかに記載の椅子式マッサージ機に関し、前記検知手段(4)による制御内容を、前記操作手段(8)により被施療者が自動マッサージコース中に設定できることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の椅子式マッサージ機(1)は、請求項1乃至5のいずれかに記載の椅子式マッサージ機に関し、前記検知手段(4)による制御内容は、体側部施療体(34)および前腕部施療体(33)による施療動作の中止であることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の椅子式マッサージ機(1)は、請求項6に記載の椅子式マッサージ機に関し、前記検知手段(4)により自動マッサージコース中に被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知している場合に、体側部施療体(34)および前腕部施療体(33)による施療プログラムをスキップすることを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の椅子式マッサージ機(1)は、請求項1乃至7のいずれかに記載の椅子式マッサージ機に関し、前記検知手段(4)がシート状のセンサであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、肘掛部の上部に形成された前腕部載置面に前腕部を載置する動作を行うだけで、体側部施療体及び前腕部施療体の施療内容を変更することができ、不快感ないし窮屈感の発生を防止し、リラックスした状態でマッサージを受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、着座した被施療者の体側部を施療する体側部施療体と、前記被施療者の前腕部を施療する前腕部施療体とを備える椅子式マッサージ機であって、内方に挿入した前腕部表面と対向する内面部に前腕部施療体を配設した前腕部保持部を形成し、前腕部保持部の外面部に前腕部を載置可能な前腕部載置面を形成したマッサージ機において好適に実施される。
【0018】
図11に示すように、椅子式マッサージ機の座部に着座した被施療者60の本来的な姿勢は、肘掛部に形成された前腕部保持部61の内方に前腕部を挿入した姿勢であるから、被施療者60の体側部を施療する体側部施療体62は、この姿勢における上腕部及び肩部に適切な押圧を与える位置・圧力に設定されるのが通常である。
【0019】
ここで被施療者60は、マッサージ機に備えられた各施療体に対応する全ての施療を必ずしも望むものではなく、特に、その圧迫感や手作業の不自由性等から、前腕部aの施療を望まない場合が少なくない。前腕部aの施療を望まない被施療者60は、図12に示すように、肘掛部に形成された前腕部保持部61の内方に前腕部aを挿入することなく、比較的リラックスできる姿勢として、前腕部保持部61の外面部の一部である上面に形成された前腕部載置面63に前腕部を載置した姿勢を自然と選択する。しかしながら、その姿勢によれば、被施療者60の本来的な姿勢が崩れ、上腕部及び肩部の位置と、体側部施療体62の位置・圧力等の設定との関係に齟齬が生じ、本来的な姿勢を前提とした圧力等の施療内容では好適な施療を被施療者に与えることにならない。特に図12に示すように、被施療者60は、両脇を開いて両腕を前方ないし外方に張り出した状態で前腕部aを前腕部保持部61の前腕部載置面63に載置することになるので、体側部施療体62による施療ポイント(図中●印)が本来よりも下方にずれる結果、被施療者の肘部付近が内側方向に押し込まれるため、本来的な姿勢を前提とした体側部施療体62による押圧施療のままでは被施療者に窮屈な感じを与えることになる。一方で、この被施療者とって前腕部保持部61に配設される前腕部施療体による施療は不必要なものであるから、前腕部施療体を作動したままにしておくのは不経済である。
【0020】
もちろん、前腕部の施療を望まない被施療者は、マッサージ機に付属するリモコン器その他の操作手段を用いて、前腕部施療体や体側部施療体を制御して停止することも可能であるが、操作手段として配列された複数のボタンの内から所望の制御を実行するボタンを認識して操作する等、マッサージ中に所望の制御に対応した特別な動作を行わねばならないのは、被施療者にとって負担以外の何ものでもない。
【0021】
そこで本発明は、前腕部の施療を望まない被施療者が、自然と選択するリラックスした姿勢になるだけで、即ち、前腕部保持部の外面部に前腕部を載置する動作を行うだけで、当該被施療者が所望する特有の制御、即ち、体側部施療体及び前腕部施療体の両者の施療を中止する等して施療内容を変更する制御を行うことにより、被施療者が窮屈な姿勢になることを防止すると共に、経済的にも好ましい椅子式マッサージ機を提供するものである。
【0022】
本発明の好適な実施態様は、前腕部を内方に保持すると共に前腕部表面と対向する内面部に前腕部施療体を配設した前腕部保持部を有する肘掛部とし、前腕部保持部の外面部に前腕部を載置可能な前腕部載置面を形成して、前腕部載置面に検知手段を配設し、検知手段によって前腕部載置面と被施療者の前腕部との接触を検知して、体側部施療体の施療内容を変更する制御を行うことを特徴とする椅子式マッサージ機である。体側部施療体に加えて、前腕部施療体の施療内容をも変更する制御を行うものであれば、前腕部載置面に前腕部を載置するという単一の動作によって2つの関連する施療体の施療内容を一挙に変更することができるので好ましい。
【0023】
なお、背凭れ部の左右両側に対設された側壁部の内側面に体側部施療体を配設し、座部の左右両側に対設された前腕部保持部を有する肘掛部に前腕部施療体を配設した椅子式マッサージ機とするのが好適であるが、側壁部と肘掛部は一体的に構成されたものでも別体であっても良い。
【0024】
肘掛部は、被施療者の前腕部を施療位置又は非施療位置のいずれかに位置せしめるものである。施療位置とは、前腕部施療体による押圧施療が前腕部に与えられる位置であり、上記実施態様でいえば前腕部保持部の内方に前腕部を挿入した位置である。非施療位置とは、前腕部施療体によって押圧施療が与えられない位置であり、上記実施態様でいえば前腕部保持部の外面部のうち前腕部を載置可能な面に載置された位置である。
【0025】
例えば、上端面の下方に所定空間を隔てて形成された底面部を有し、前記所定空間内で前腕部に施療を与える肘掛部である場合、上端面に前腕部載置面が形成され、前腕部載置面上の前腕部の位置が非施療位置である。また、前腕部の上方に対向して上方向への移動を阻止して前腕部を保持する対向部を有する前腕部保持部を肘掛部の上側部分に形成した場合は、対向部の上方向面に前腕部載置面が形成され、前腕部載置面上の前腕部の位置が非施療位置である。
【0026】
これら前腕部載置面は、施療位置よりも上方に前腕部を位置せしめるものの、被施療者の両腕の間隔に適応するように立設された肘掛部、特に肘掛部の上部に形成される構造上の特性により、違和感なく前腕部を載置することができる。
【0027】
なお、前腕部保持部は、肘掛部の上側に一体的に形成されたものでも、着脱可能な別体でも、また可動に形成されたものでも良い。
【0028】
前腕部載置面に設けられた検知手段は、被施療者の前腕部と前腕部載置面との接触を検知するものであり、圧力センサ、熱センサ、赤外線センサ、光センサなどの公知の検知手段であれば特に限定されるものではないが、肘掛部の形状に沿うように配置でき、肘掛部の構造設計が容易である点から、シート状の押圧センサが好適に用いられる。具体的には、圧電体に加えられた力を電圧に変換する圧電素子や、シリコンゴムに導電性フィラを配合した加圧導電性ゴムを用いることができる。なお、前腕部載置面は被施療者の肌に近接し或いは直接触れ得る部分であるため、綿等の天然繊維又はポリエステル等の化学繊維等を主体とする織物に、ステンレス、カーボン、メッキ等からなる導電性繊維を織り込んで形成された織物からなるシート状センサを前腕部載置面に被覆する態様で配置するのが好ましい。
【0029】
なお、検知手段による検知を容易且つ確実に行うためには、前腕部載置面の略全面にシート状センサを配置するのが好ましいが、前腕部の形状を考慮して検知し易いように配置すれば足りる。例えば、被施療者の前腕部のうち前後方向の中央よりも後方であって前腕前方部よりも比較的径が大きな前腕後方部と接触する配置、即ち、前腕部載置面のうち中央よりも後側部分にシート状センサを配置し、或いは、被施療者の手の平に接触する配置、即ち、前腕部載置面の中央よりも前側部分にシート状センサを配置することもできる。
【0030】
検知手段が被施療者の肘から指先にかけた領域の一部との接触を検知すると、体側部施療体及び前腕部施療体の施療内容を変更する制御を行う。例えば、施療内容を「作動」から「中止」に変更することができる。また、段階的に設定された圧力ないし膨出量を変更する制御を行うことができ、任意の圧力から相対的に小さな圧力に下げる乃至任意の膨出量から相対的に小さな膨出量に下げる制御を行う。具体的には、体側部施療体及び前腕部施療体の各々について、「強/中/弱/切」の順で圧力が下がるように設定された圧力について、「強」から「弱」や、「強」から「切(中止)」等のように、最大値から最小値の範囲内において、任意値から相対的に小さな値に圧力を下げる制御を行うことができる。
【0031】
したがって、被施療者は、肘掛部に肘をかけてリラックスした姿勢になるだけで、それ以上に何らの操作ないし動作を要することなく、窮屈感のない状態でマッサージ機を使用することができる。
【0032】
ここで、体側部施療体等の施療内容をどのように変更するかは、被施療者の体格、好み等の個別的事情に依存する面があることから、マッサージ機に配設された各施療体の施療内容を任意に操作できる操作手段である有線又は無線のリモコン器等を用いて、被施療者が制御内容(変更後の施療内容)を予め設定しておくのが好ましい。
【0033】
また、体側部施療体及び前腕部施療体を各々独立して制御可能とすれば、体側部施療体及び前腕部施療体の施療内容をそれぞれ任意に組み合わせることにより、被施療者の個別事情に対応した適切なマッサージが可能となるので好ましい。例えば、前腕部載置面に前腕部を載置する単一動作のみによって、体側部施療体の圧力を任意値(例えば、「強」、「中」)から相対的に小さな値(例えば、「弱」)に変更する制御を行う一方、前腕部施療体を任意値(例えば、「強」、「中」、「弱」)から最小値(例えば、「切(中止)」)に変更する制御を行うことができる。
【0034】
また、本発明は、人体の各施療部位に対応して配設された複数の施療体を予め設定された順序で作動させる自動コースマッサージにおいて好適に実施される。例えば、マッサージ機に配設された複数の施療体を用いて、「首部」、「背中部」、「腰部」、「前腕部」、「体側部」、「足部」等の各施療部位に対する各施療を設定された順序で実行する自動コースマッサージの場合、当該コース中に被施療者が望まない施療部位への施療が含まれているのが通常である。
【0035】
既述のとおり、前腕部の施療を望まない被施療者は、前腕部を前腕部載置面に載置することになるため、体側部を施療する区間中は窮屈な姿勢になって不快に感じる一方、前腕部を施療する区間中は、前腕部施療体が空作動しているだけで被施療者に施療が行われないことから、施療効果に乏しいばかりか時間的・経済的に無駄である。
【0036】
本発明の好適な実施態様は、複数の施療プログラムを順次実行する自動コースマッサージにおいて、前腕部載置面と被施療者の前腕部との接触を検知手段が検知し、検知時に実行されている施療プログラムが体側部施療体及び前腕部施療体を作動する施療プログラムであれば、体側部施療体及び前腕部施療体の施療内容を変更することを特徴とする椅子式マッサージ機である。
【0037】
例えば、検知時に実行されている施療プログラムが、体側部施療体又は前腕部施療体を作動する施療プログラムであれば、前記施療プログラムを中止し、前記施療プログラムよりも後順の施療プログラムのうちから、体側部施療体又は前腕部施療体を作動する施療プログラムを除く他の施療プログラムのちで最先の施療プログラムを選択して実行するものである。つまり、体側部施療体又は前腕部施療体を作動する施療プログラムを実行することなく、体側部施療体又は前腕部施療体を作動する施療プログラムを除く他の施療プログラムまでスキップするものである。具体的には、「背中部」、「前腕部」、「腰部」、「体側部」、「足部」に対応する施療プログラムをこの順序で実行する自動コースマッサージである場合は、2番目の「前腕部」及び4番目の「体側部」に対応する施療プログラムがスキップされ、「背中部」、「腰部」、「足部」の順序で実行される効率的な自動コースマッサージが実現できる。
【0038】
なお、本発明の検知手段であるシート状センサは、左右の前腕部に対応する各前腕部載置面にそれぞれ設けられているが、両方のシート状センサが検知した場合、片方のシート状センサのみが検知した場合のいずれであっても、左右両側の体側部施療体又は/及び前腕部施療体の施療内容を変更する制御を行うことができる。
【0039】
また、左右の前腕部に形成された各前腕部載置面に配置された各シート状センサにつき、一のシート状センサの検知に対して同方向の体側部施療体又は/及び前腕部施療体の施療内容を変更し、他のシート状センサの検知に対して同方向の他の体側部施療体又は/及び前腕部施療体の施療内容を変更するように制御し、左右の前腕部に配置された各シート状センサのそれぞれを独立させて制御を行うことも可能である。
【0040】
以下、上述した本発明に係るマッサージ機の具体的な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0041】
図1に示すように、椅子式マッサージ機1は、座部11と、座部11の後側にリクライニング可能に連結される背凭れ部10と、座部11の前側に上下方向に揺動可能に連結した足載部12と、座部11の両側の立設された肘掛部13と、背凭れ部10の両側から前方に突出した側壁部14とから形成されている。
【0042】
背凭れ部10には、左右一対の揉み玉21を備えた昇降自在の施療子機構2を設けている。施療子機構2は、背凭れ部10に設けた左右一対のガイドレール22に沿って背凭れ部10の上端から下端にかけて昇降する。
【0043】
施療子機構2は、モータ等を駆動源として左右一対の施療子21を作動させる機械式のマッサージ機構であり、背凭れ部10に凭れた被施療者の首部、背部、腰部などの背面全体を、たたき、揉み、ローリング、指圧などの多様な態様で施療するようにしたものである。
【0044】
また、椅子式マッサージ機1の各所定位置には、空気の給排気によって膨縮を繰り返す事が可能なエアバッグ30〜34を夫々埋設している。エアバッグ30等は、エアコンプレッサー及び各エアバッグに空気を分配するための分配器等からなる空気給排装置3により膨縮動作を行うようにしており、空気給排装置3は座部11の下部空間に設置している。
【0045】
空気給排装置3による各エアバッグ30等の膨縮動作によって、被施療者の所定の施療部位を押圧、指圧などをすることができ、また、複数のエアバッグ30等を対となるように対設させた箇所には、挟圧等の施療を行う事ができ、更に、各エアバッグ30等を膨張状態に保つようにした場合は、被施療者の所定の部位を一定の時間保持する事も可能である。
【0046】
座部11には、後側に臀下部用のエアバッグ31、前側に腿部用のエアバッグ31を並列させて夫々埋設し、主に下方から上方に押圧する施療を行うようにしている。
【0047】
足載部12は、被施療者の脛部および足先部を夫々嵌入させる左右一対の凹部を形成したものであり、各凹部にエアバッグ32を左右一対として対設するように配設させて、凹部内部で被施療者の脛部及び足先部に対する挟圧施療を実施するようにしている。
【0048】
背凭れ部10の側部に設けた左右一対の側壁部14は、座部11に着座した被施療者の肩部及び上腕側方部に対向する位置、とりわけ肩甲骨の肩峰突起の前下方のツボである肩ぐうに適切な刺激を与える位置に配設しており、左右の側壁部14の内側面には夫々左右方向に重合したエアバッグ34を並列状態に埋設している。図6に示すように、エアバッグ34を重合し、その基端部のみを側壁部14の基端部に取り付けることにより、膨張時には重合したエアバッグ34が扇状に広がって被施療者の体側部を挟圧する。図6は、段階的に圧力ないし膨出量を変更することができるエアバッグ34を示しており、「強、中、弱、切(中止)」の4段階に変更可能であって、図中(a)は「強」、図中(b)は「中」、図中(c)は「弱」、図中(d)は「切(中止)」の各状態を示している。
【0049】
側壁部14のエアバッグ34は、膨縮動作により体側部を挟圧施療することはもちろん、一定の時間において膨張状態を保ちながら、被施療者の身体が背凭れ部10から離れないように保持することができ、被施療者の身体を固定した状態で施療子機構2の施療子21による背部からの施療を効果的に受ける事が可能となる。
【0050】
図3等に示すように、肘掛部13には断面略コ字状の前腕部保持部13Aが形成されており、内面部(132a,133a,134a)にエアバッグ33を配設して被施療者の前腕部Aに挟圧施療を実施する一方、外面部(131、133b)に前腕部載置面131が形成され、前腕部載置面131上にシート状センサ4が配設される。
【0051】
前腕部保持部13Aは、施療位置にある前腕部Aが載置される内面底部132と、内面底部132と上下方向に所定間隔を介して対向する上方対向部134と、上方対向部134を支持すると共に内面底部132の外端から立設された立壁部133とから形成される。上方対向部134は、立壁部133の上端に一体的に連設されると共に前記上端から曲折して内側方向に突設された部材であって、上方対向部134の内側端の左右方向(内外方向)位置は、内面底部132の内側端の左右方向位置と概ね一致している。
【0052】
上方対向部134と内面底部132との間隙には、前腕部Aを挿入し又は外方に離脱するために開設された挿入口135が形成される。なお、挿入口135は、被施療者の前腕部Aの長さに対応する全長(前後方向長さ)に亘って形成されるのが好ましい。
【0053】
前腕部施療体であるエアバッグ33が配設される前腕部保持部13Aの内面部は、内面底部132の上面132aと、立壁部133の内面133aと、上方対向部134の内面134aとで構成され、内面底部132と上下方向に対向する内面134aの夫々に重合したエアバッグ33を対設している。なお、エアバッグ33は必ずしも対設する必要はなく、内面底部132の上面132a又は上方対向部134の内面134aのいずれか一方でも好適に実施される。
【0054】
前腕部保持部13Aの外面部のうち水平方向に平坦面を構成する部分である前腕部載置面131にはシート状センサ4が配設され、肘掛部14を覆う合成皮等からなる外側カバー136で被覆されている。なお、外側カバー136の一部をシート状センサ4で構成しても良い。
【0055】
シート状センサ4は、前腕部Aの検知を容易且つ確実に行うために、図3(a)に示すように、前腕部載置面131の略全面に配置するのが好ましい。
【0056】
また、図3(b)に示すように、帯状に裁断された縦長のシート状センサ41a,41bを、前腕部載置面131の左右方向に所定間隔を介して並列させる等、前腕部載置面131に対して部分的に配置することもできる。この場合、例えば、内側のシート状センサ41aのみが接触を検知した場合は、体側部施療用エアバッグ34の圧力を下げるように変更制御し、内側及び外側のシート状センサ41a,41bの両者の接触を検知した場合は、体側部施療用エアバッグ34の圧力を前記下げた圧力よりも更に下げた圧力に変更制御する等のように、両シート状センサ41による検知の組み合わせによって施療内容のバリエーションを拡大することができる。
【0057】
肘掛部13は、その前方部に、前腕部Aの上下及び外側方向への移動を阻止して保持する断面略コ字状の前腕部保持部13Aを形成する一方、後方部には、前腕部Aの外側方向の移動を阻止して保持する断面略L字状の立壁部137からなる後方保持部13Bを形成している。この後方保持部13Bは、背凭れ部10のリクライニング動作に伴う腕部の移動、特に腕部が後方移動する際に、肘掛部上に前腕部Aを保持して後方へ案内する役割を果たすものである。
【0058】
リモコン器5は、マッサージ機1を操作するための操作手段であり、図8に示すように、各種プッシュスイッチ、方向キー等の入力手段51、表示手段であるLCD50を配置している。
【0059】
リモコン器5とマッサージ機1にはそれぞれ通信部が設けられており、通信部を介してリモコン器5とマッサージ機1とは通信可能である。被施療者がリモコン器5を用いて操作した場合には、リモコン器5からマッサージ機1の図示しない制御部であるマイクロコンピュータに対して信号が送信され、この信号に基づいて制御部が空気給排装置3等の各種駆動部を駆動させる。
【0060】
マッサージ機1の制御部は、リモコン器5からの入力信号を受信して、施療子機構21に内蔵された図示しない各種モータ、空気給排装置3、施療子機構21を昇降させる図示しない昇降用モータ、足載部12の図示しない昇降用モータ、図示しないリクライニング用のアクチュエータ等の駆動部を駆動させて入力信号に応じた動作を行わせる制御を行う一方、シート状センサ4から入力信号を受信し、体側部施療用エアバッグ34及び前腕部施療用エアバッグ33の施療内容を変更するように制御を行うものである。
【0061】
シート状センサ4からの入力信号に応じて制御部が行う制御内容は、リモコン器5によって次のように設定される。
【0062】
図8に示す「メニュー画面」は、リモコン器5の「メニューボタン」によってLCD50に表示される画面であり、この画面において「肘掛け」モードを選択すると(ONを選択)、図8に示す「肩エアー設定画面」が表示される。「肩エアー設定画面」では、シート状センサ4による検知後の体側部施療用エアバッグ34の施療内容を設定する。具体的には、「強、中、弱、切(中止)」のいずれかに設定可能である。「肩エアー設定画面」において変更後の施療内容を設定すると、図8に示す「腕エアー設定画面」が表示される。「腕エアー設定画面」では、シート状センサ4による検知後の前腕部施療用エアバッグ33の施療内容を設定する。具体的には、「強、中、弱、切(中止)」のいずれかに設定可能である。このように、体側部施療用エアバッグ及び前腕部施療用エアバッグの各々について圧力を下げる場合、「強→中/弱/切」、「中→弱/切」、「弱→切」の6通りの変更が可能である。つまり、体側部施療用エアバッグ34及び前腕部施療用エアバッグ33は夫々複数の変更内容を備え、任意の変更内容を夫々設定して組み合わせることができる。
【0063】
なお、上記「メニュー画面」において「肘掛け」モードを選択しない場合は(OFFを選択)、シート状センサ4が接触を検知しても、前腕部施療用エアバッグ33、体側部施療用34の施療内容は変更されない。
【0064】
次に、リモコン器5を用いて「肘掛け」モードを選択し(ONを選択)、「肩エアー設定画面」及び「腕エアー設定画面」で「切(中止)」を設定した後の制御を、自動コースマッサージに即して説明する。
【0065】
図9を参照して、リモコン器5の「自動ボタン」を選択して自動コースマッサージを開始すると、まず自動コースマッサージを構成するn番目の施療プログラムを認識し(ステップS1)、n番目の施療プログラムが「肩(体側部施療用エアバッグ34による施療)」又は「腕(前腕部施療用エアバッグ33による施療)」であるか否かを判定する(ステップS2)。「肩」又は「腕」のプログラムである場合には、肘掛けモードを確認するプログラムを起動する(ステップS3)。
【0066】
肘掛けモードを確認するプログラムでは、まず「肘掛け」モードがONであるか否かを判定し(ステップS31)、ONの場合には検知手段4が接触を検知したか否かを判定し(ステップS32)、検知もあった場合には「肘掛けモード」の設定を呼び出し(ステップS33)、肘掛けモードを確認するプログラムを終了する。一方、「肘掛け」モードがOFFであるか、もしくは検知手段が接触を検知しなかった場合には、何も行われず肘掛けモードを確認するプログラムを終了する。
【0067】
肘掛けモードを確認するプログラム(S3)が終了すると、次のプログラムの設定が「切(中止)」であるか否かを判定し(ステップS4)、「切(中止)」であった場合にはn番目のマッサージプログラムをスキップする(ステップS5a)。一方、「肩」又は「腕」のプログラムで無い場合、もしくは次のプログラム(「肩」又は「腕」)の強さ設定が「切」で無い場合には、n番目のプログラムを実行する(ステップS5b)。
【0068】
n番目の施療プログラムがスキップまたは実行された後は、判定対象となる施療プログラムをn+1番目に移行し(ステップS6)、上記と同様の判定を繰り返し、判定対象となる施療プログラムの番号がプログラムの設定数(自動コースマッサージを構成する施療プログラムの総数)を超えた場合に自動コースマッサージは終了する(ステップS7)。
【0069】
具体的には、図10に示す5つの施療プログラムを含む自動マッサージコースは、以下のように制御される。なお、同図中、「他エアー1」「他エアー2」「他エアー3」とは、体側部施療用エアバッグ34及び前腕部施療用エアバッグ33とは異なる他のエアバッグ30、31、32等を作動させる施療プログラムを意味し、「腕エアー」とは前腕部施療用エアバッグ33を作動させる施療プログラムを意味し、「肩エアー」とは体側部施療用エアバッグ34を作動させる施療プログラムを意味する。
【0070】
まず、「他エアー1」の開始時である時間t0において、(1)体側部施療用エアバッグ34又は前腕部施療用エアバッグ33のいずれかを作動させる施療プログラムであるか否か、(2)シート状センサ4による前腕部Aの接触を検知したか否か、を判定する。「他エアー1」は体側部施療用エアバッグ34又は前腕部施療用エアバッグ33のいずれかを作動させる施療プログラムではないため、スキップされることなく実行される。次に、「腕エアー」の開始時である時間t1において、上記(1)及び(2)を判定するが、「腕エアー」は前腕部施療用エアバッグ33を作動させる施療プログラムであるため、「腕エアー」はスキップされる。次に、繰り上がった「他エアー2」の開始時である時間t1において、上記(1)及び(2)を判定するが、「他エアー1」と同様にスキップされることなく実行される。次に、繰り上がった「肩エアー」の開始時である時間t2において、上記(1)及び(2)を判定するが、「肩エアー」は体側部施療用エアバッグ34を作動させる施療プログラムであるためスキップされる。次に、繰り上がった「他エアー3」の開始時である時間t2においても、上記(1)及び(2)を判定するが、「他エアー3」は「他エアー1」と同様にスキップされることなく実行される。
【0071】
したがって、本発明は、自動コースマッサージにおいて、前腕部Aを前腕部載置面に載置した被施療者に不快感ないし窮屈感を与えないことに加えて、スキップされた施療プログラムの時間分だけマッサージ時間が短縮されるため、快適且つ効率的な自動コースマッサージを実行することができる。
【0072】
なお、上記において(1)体側部施療用エアバッグ34又は前腕部施療用エアバッグ33のいずれかを作動させるマッサージプログラムであるか否か、(2)シート状センサ4による前腕部Aの接触を検知したか否か、は各プログラムの開始時に判定するようにしているが、施療プログラムをスキップするか否かの判定は、判定対象である施療プログラムの直前の施療プログラムの実行中の任意の時間に行っても良く、また、上記(2)を、判定対象である施療プログラムの直前の施療プログラムの実行中において一定時間以上検知したか否か、にすることもできる。
【0073】
また、本発明は、スキップにより短縮された時間を合理的に利用する趣旨で、自動コースマッサージの最終番目の施療プログラムの後に、体側部用エアバッグ34や前腕部用エアバッグ33のいずれかを作動させる施療プログラムを除く他の施療プログラムを追加して実行する制御や、或いは、スキップ後の自動コースマッサージを構成する施療プログラム群のうち前記他の施療プログラムの一部又は全部の各時間を延長する制御を行うことを妨げるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の椅子式マッサージ機の実施態様を示す全体斜視図。
【図2】本発明の椅子式マッサージ機の実施態様を示す全体平面図。
【図3】本発明の椅子式マッサージ機における肘掛部の一実施態様を示す平面図。
【図4】本発明の椅子式マッサージ機における肘掛部の一実施態様を示す断面図(A―A)。
【図5】本発明の椅子式マッサージ機における肘掛部の一実施態様を示す断面図(B―B)。
【図6】本発明の椅子式マッサージ機における側壁部の一実施態様を示す断面図。
【図7】本発明の椅子式マッサージ機におけるリモコン器の一実施態様を示す正面図。
【図8】本発明の椅子式マッサージ機におけるリモコン器の表示画面の一実施態様を示す図。
【図9】本発明の椅子式マッサージ機における制御の一実施態様を示すフローチャート。
【図10】本発明の椅子式マッサージ機における制御の一実施態様を示す説明図。
【図11】前腕部を前腕部保持部に挿入した状態を模式的に示した参考正面図及び平面図。
【図12】前腕部を前腕部載置面に載置した状態を模式的に示した参考正面図及び平面図。
【符号の説明】
【0075】
1 椅子式マッサージ機
10 背凭れ部
11 座部
13 肘掛部
131 前腕部載置面
14 側壁部
33 前腕部施療体(エアバッグ)
34 体側部施療体(エアバッグ)
4 検知手段
5 操作手段(リモコン器)
【技術分野】
【0001】
本発明は椅子式マッサージ機、特に、座部に着座した被施療者の体側部を施療する体側部施療体と、被施療者の前腕部を施療する前腕部施療体とを備える椅子式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の椅子式マッサージ機は、エアバッグ等の施療体によって施療が行われる部位が多様化する傾向にあり、被施療者の背部や腰部はもちろん、前腕部を施療するエアバッグや、肩部及び前腕側方部を左右両側から挟圧施療するエアバッグを備えるものが存在し(特許文献1及び特許文献2)、これらを複合的に備えるマッサージ機の開発が進んでいる。
【0003】
これらを複合的に備える椅子式マッサージ機は、肘掛部に載置された前腕部を施療する前腕部施療用エアバッグと、体側部を左右両側から挟圧施療する体側部施療用エアバッグとを備え、各エアバッグは、被施療者の前腕部と体側部の相対的な位置関係に適合する位置等にそれぞれ設定される。
【特許文献1】特開2005−192603号
【特許文献2】特開2005−287831号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の施療部位の多様化ないし複合化は、被施療者にとって好ましいものではあるが、被施療者の好み等もまた多種多様であり、被施療者の個別的事情によっては、特定の施療部位への施療を望まない場合もある。とりわけ、その圧迫感や、施療中に手を使う作業が困難となる不自由性等から、前腕部の施療を望まない被施療者が少なくない。
【0005】
前腕部の施療を望まない被施療者は、エアバッグによる施療を前腕部に作用させないために、前腕部の位置を施療位置(前腕部施療用エアバッグによる施療を受ける位置)から別の位置に変位させるため、この変位に伴って被施療者の上腕部及び肩部の位置も変位することになる。そうすると、被施療者の上腕部及び肩部の位置と、体側部施療用エアバッグの位置との間に齟齬が生じるため、変位前の位置を前提とした施療内容のままでは被施療者に好適なマッサージを与えることはできず、場合によってはむしろ不快ないし窮屈な感じを与えることがある。また、この被施療者とって、前腕部施療用エアバッグによる施療は不必要なものであるから、前腕部施療用エアバッグに給排制御を行うのは無駄で不経済である。
【0006】
もちろん、前腕部の施療を望まない被施療者は、マッサージ機に付属するリモコン器を操作し、前腕部施療用エアバッグや体側部施療用エアバッグを停止することも可能であるが、リモコン器を手に取って、リモコン器に配列された複数のボタンの内から所望の動作を実行するボタンを認識して操作するのは煩雑である。
【0007】
そこで、本発明は、被施療者に煩雑な操作を要請することなく、不快感・窮屈感の発生を防止できる利便性の高い椅子式マッサージ機を提供すると共に、無駄を省いた経済的な椅子式マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の椅子式マッサージ機(1)は、背凭れ部(10)と、背凭れ部(10)の左右両側に設けられた側壁部(14)と、座部(11)と、座部(11)両側に設けられた肘掛部(13)を有し、前記側壁部(14)の内側面に体側部施療体(34)と、前記肘掛部(13)に前腕部施療体(33)を備えた椅子式マッサージ機(1)であって、該肘掛部(13)の上部に前腕部載置面(131)を有し、前記前腕部載置面(131)に、載置した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知するための検知手段(4)を設け、前記検知手段(4)により、検知した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触に対応して、体側部施療体(34)および前腕部施療体(33)の施療内容を変更する制御を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の椅子式マッサージ機(1)は、背凭れ部(10)と、背凭れ部(10)の左右両側に設けられた側壁部(14)と、座部(11)と、座部(11)両側に設けられた肘掛部(13)を有し、前記側壁部(14)の内側面に体側部施療体である体側部施療用エアバッグ(34)と、前記肘掛部(13)に前腕部施療体である前腕部施療用エアバッグ(33)が設けられた椅子式マッサージ機(1)であって、該肘掛部(13)の上部に前腕部載置面(131)を設け、前記前腕部載置面(131)に、載置した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知するための検知手段(4)を設け、前記検知手段(4)により、検知した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触に対応して、体側部施療用エアバッグ(34)および前腕部施療用エアバッグ(33)の圧力を下げる制御を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の椅子式マッサージ機(1)は、請求項1又は2記載の椅子式マッサージ機に関し、体側部施療体(34)と前腕部施療体(33)を各々独立して制御可能としたことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の椅子式マッサージ機(1)は、請求項1乃至3のいずれかに記載の椅子式マッサージ機に関し、被施療者が施療体の動作内容を操作できる操作手段(5)を備え、前記検知手段(4)による制御内容を、前記操作手段(5)により被施療者が設定できることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の椅子式マッサージ機(1)は、請求項1乃至4のいずれかに記載の椅子式マッサージ機に関し、前記検知手段(4)による制御内容を、前記操作手段(8)により被施療者が自動マッサージコース中に設定できることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の椅子式マッサージ機(1)は、請求項1乃至5のいずれかに記載の椅子式マッサージ機に関し、前記検知手段(4)による制御内容は、体側部施療体(34)および前腕部施療体(33)による施療動作の中止であることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の椅子式マッサージ機(1)は、請求項6に記載の椅子式マッサージ機に関し、前記検知手段(4)により自動マッサージコース中に被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知している場合に、体側部施療体(34)および前腕部施療体(33)による施療プログラムをスキップすることを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の椅子式マッサージ機(1)は、請求項1乃至7のいずれかに記載の椅子式マッサージ機に関し、前記検知手段(4)がシート状のセンサであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、肘掛部の上部に形成された前腕部載置面に前腕部を載置する動作を行うだけで、体側部施療体及び前腕部施療体の施療内容を変更することができ、不快感ないし窮屈感の発生を防止し、リラックスした状態でマッサージを受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、着座した被施療者の体側部を施療する体側部施療体と、前記被施療者の前腕部を施療する前腕部施療体とを備える椅子式マッサージ機であって、内方に挿入した前腕部表面と対向する内面部に前腕部施療体を配設した前腕部保持部を形成し、前腕部保持部の外面部に前腕部を載置可能な前腕部載置面を形成したマッサージ機において好適に実施される。
【0018】
図11に示すように、椅子式マッサージ機の座部に着座した被施療者60の本来的な姿勢は、肘掛部に形成された前腕部保持部61の内方に前腕部を挿入した姿勢であるから、被施療者60の体側部を施療する体側部施療体62は、この姿勢における上腕部及び肩部に適切な押圧を与える位置・圧力に設定されるのが通常である。
【0019】
ここで被施療者60は、マッサージ機に備えられた各施療体に対応する全ての施療を必ずしも望むものではなく、特に、その圧迫感や手作業の不自由性等から、前腕部aの施療を望まない場合が少なくない。前腕部aの施療を望まない被施療者60は、図12に示すように、肘掛部に形成された前腕部保持部61の内方に前腕部aを挿入することなく、比較的リラックスできる姿勢として、前腕部保持部61の外面部の一部である上面に形成された前腕部載置面63に前腕部を載置した姿勢を自然と選択する。しかしながら、その姿勢によれば、被施療者60の本来的な姿勢が崩れ、上腕部及び肩部の位置と、体側部施療体62の位置・圧力等の設定との関係に齟齬が生じ、本来的な姿勢を前提とした圧力等の施療内容では好適な施療を被施療者に与えることにならない。特に図12に示すように、被施療者60は、両脇を開いて両腕を前方ないし外方に張り出した状態で前腕部aを前腕部保持部61の前腕部載置面63に載置することになるので、体側部施療体62による施療ポイント(図中●印)が本来よりも下方にずれる結果、被施療者の肘部付近が内側方向に押し込まれるため、本来的な姿勢を前提とした体側部施療体62による押圧施療のままでは被施療者に窮屈な感じを与えることになる。一方で、この被施療者とって前腕部保持部61に配設される前腕部施療体による施療は不必要なものであるから、前腕部施療体を作動したままにしておくのは不経済である。
【0020】
もちろん、前腕部の施療を望まない被施療者は、マッサージ機に付属するリモコン器その他の操作手段を用いて、前腕部施療体や体側部施療体を制御して停止することも可能であるが、操作手段として配列された複数のボタンの内から所望の制御を実行するボタンを認識して操作する等、マッサージ中に所望の制御に対応した特別な動作を行わねばならないのは、被施療者にとって負担以外の何ものでもない。
【0021】
そこで本発明は、前腕部の施療を望まない被施療者が、自然と選択するリラックスした姿勢になるだけで、即ち、前腕部保持部の外面部に前腕部を載置する動作を行うだけで、当該被施療者が所望する特有の制御、即ち、体側部施療体及び前腕部施療体の両者の施療を中止する等して施療内容を変更する制御を行うことにより、被施療者が窮屈な姿勢になることを防止すると共に、経済的にも好ましい椅子式マッサージ機を提供するものである。
【0022】
本発明の好適な実施態様は、前腕部を内方に保持すると共に前腕部表面と対向する内面部に前腕部施療体を配設した前腕部保持部を有する肘掛部とし、前腕部保持部の外面部に前腕部を載置可能な前腕部載置面を形成して、前腕部載置面に検知手段を配設し、検知手段によって前腕部載置面と被施療者の前腕部との接触を検知して、体側部施療体の施療内容を変更する制御を行うことを特徴とする椅子式マッサージ機である。体側部施療体に加えて、前腕部施療体の施療内容をも変更する制御を行うものであれば、前腕部載置面に前腕部を載置するという単一の動作によって2つの関連する施療体の施療内容を一挙に変更することができるので好ましい。
【0023】
なお、背凭れ部の左右両側に対設された側壁部の内側面に体側部施療体を配設し、座部の左右両側に対設された前腕部保持部を有する肘掛部に前腕部施療体を配設した椅子式マッサージ機とするのが好適であるが、側壁部と肘掛部は一体的に構成されたものでも別体であっても良い。
【0024】
肘掛部は、被施療者の前腕部を施療位置又は非施療位置のいずれかに位置せしめるものである。施療位置とは、前腕部施療体による押圧施療が前腕部に与えられる位置であり、上記実施態様でいえば前腕部保持部の内方に前腕部を挿入した位置である。非施療位置とは、前腕部施療体によって押圧施療が与えられない位置であり、上記実施態様でいえば前腕部保持部の外面部のうち前腕部を載置可能な面に載置された位置である。
【0025】
例えば、上端面の下方に所定空間を隔てて形成された底面部を有し、前記所定空間内で前腕部に施療を与える肘掛部である場合、上端面に前腕部載置面が形成され、前腕部載置面上の前腕部の位置が非施療位置である。また、前腕部の上方に対向して上方向への移動を阻止して前腕部を保持する対向部を有する前腕部保持部を肘掛部の上側部分に形成した場合は、対向部の上方向面に前腕部載置面が形成され、前腕部載置面上の前腕部の位置が非施療位置である。
【0026】
これら前腕部載置面は、施療位置よりも上方に前腕部を位置せしめるものの、被施療者の両腕の間隔に適応するように立設された肘掛部、特に肘掛部の上部に形成される構造上の特性により、違和感なく前腕部を載置することができる。
【0027】
なお、前腕部保持部は、肘掛部の上側に一体的に形成されたものでも、着脱可能な別体でも、また可動に形成されたものでも良い。
【0028】
前腕部載置面に設けられた検知手段は、被施療者の前腕部と前腕部載置面との接触を検知するものであり、圧力センサ、熱センサ、赤外線センサ、光センサなどの公知の検知手段であれば特に限定されるものではないが、肘掛部の形状に沿うように配置でき、肘掛部の構造設計が容易である点から、シート状の押圧センサが好適に用いられる。具体的には、圧電体に加えられた力を電圧に変換する圧電素子や、シリコンゴムに導電性フィラを配合した加圧導電性ゴムを用いることができる。なお、前腕部載置面は被施療者の肌に近接し或いは直接触れ得る部分であるため、綿等の天然繊維又はポリエステル等の化学繊維等を主体とする織物に、ステンレス、カーボン、メッキ等からなる導電性繊維を織り込んで形成された織物からなるシート状センサを前腕部載置面に被覆する態様で配置するのが好ましい。
【0029】
なお、検知手段による検知を容易且つ確実に行うためには、前腕部載置面の略全面にシート状センサを配置するのが好ましいが、前腕部の形状を考慮して検知し易いように配置すれば足りる。例えば、被施療者の前腕部のうち前後方向の中央よりも後方であって前腕前方部よりも比較的径が大きな前腕後方部と接触する配置、即ち、前腕部載置面のうち中央よりも後側部分にシート状センサを配置し、或いは、被施療者の手の平に接触する配置、即ち、前腕部載置面の中央よりも前側部分にシート状センサを配置することもできる。
【0030】
検知手段が被施療者の肘から指先にかけた領域の一部との接触を検知すると、体側部施療体及び前腕部施療体の施療内容を変更する制御を行う。例えば、施療内容を「作動」から「中止」に変更することができる。また、段階的に設定された圧力ないし膨出量を変更する制御を行うことができ、任意の圧力から相対的に小さな圧力に下げる乃至任意の膨出量から相対的に小さな膨出量に下げる制御を行う。具体的には、体側部施療体及び前腕部施療体の各々について、「強/中/弱/切」の順で圧力が下がるように設定された圧力について、「強」から「弱」や、「強」から「切(中止)」等のように、最大値から最小値の範囲内において、任意値から相対的に小さな値に圧力を下げる制御を行うことができる。
【0031】
したがって、被施療者は、肘掛部に肘をかけてリラックスした姿勢になるだけで、それ以上に何らの操作ないし動作を要することなく、窮屈感のない状態でマッサージ機を使用することができる。
【0032】
ここで、体側部施療体等の施療内容をどのように変更するかは、被施療者の体格、好み等の個別的事情に依存する面があることから、マッサージ機に配設された各施療体の施療内容を任意に操作できる操作手段である有線又は無線のリモコン器等を用いて、被施療者が制御内容(変更後の施療内容)を予め設定しておくのが好ましい。
【0033】
また、体側部施療体及び前腕部施療体を各々独立して制御可能とすれば、体側部施療体及び前腕部施療体の施療内容をそれぞれ任意に組み合わせることにより、被施療者の個別事情に対応した適切なマッサージが可能となるので好ましい。例えば、前腕部載置面に前腕部を載置する単一動作のみによって、体側部施療体の圧力を任意値(例えば、「強」、「中」)から相対的に小さな値(例えば、「弱」)に変更する制御を行う一方、前腕部施療体を任意値(例えば、「強」、「中」、「弱」)から最小値(例えば、「切(中止)」)に変更する制御を行うことができる。
【0034】
また、本発明は、人体の各施療部位に対応して配設された複数の施療体を予め設定された順序で作動させる自動コースマッサージにおいて好適に実施される。例えば、マッサージ機に配設された複数の施療体を用いて、「首部」、「背中部」、「腰部」、「前腕部」、「体側部」、「足部」等の各施療部位に対する各施療を設定された順序で実行する自動コースマッサージの場合、当該コース中に被施療者が望まない施療部位への施療が含まれているのが通常である。
【0035】
既述のとおり、前腕部の施療を望まない被施療者は、前腕部を前腕部載置面に載置することになるため、体側部を施療する区間中は窮屈な姿勢になって不快に感じる一方、前腕部を施療する区間中は、前腕部施療体が空作動しているだけで被施療者に施療が行われないことから、施療効果に乏しいばかりか時間的・経済的に無駄である。
【0036】
本発明の好適な実施態様は、複数の施療プログラムを順次実行する自動コースマッサージにおいて、前腕部載置面と被施療者の前腕部との接触を検知手段が検知し、検知時に実行されている施療プログラムが体側部施療体及び前腕部施療体を作動する施療プログラムであれば、体側部施療体及び前腕部施療体の施療内容を変更することを特徴とする椅子式マッサージ機である。
【0037】
例えば、検知時に実行されている施療プログラムが、体側部施療体又は前腕部施療体を作動する施療プログラムであれば、前記施療プログラムを中止し、前記施療プログラムよりも後順の施療プログラムのうちから、体側部施療体又は前腕部施療体を作動する施療プログラムを除く他の施療プログラムのちで最先の施療プログラムを選択して実行するものである。つまり、体側部施療体又は前腕部施療体を作動する施療プログラムを実行することなく、体側部施療体又は前腕部施療体を作動する施療プログラムを除く他の施療プログラムまでスキップするものである。具体的には、「背中部」、「前腕部」、「腰部」、「体側部」、「足部」に対応する施療プログラムをこの順序で実行する自動コースマッサージである場合は、2番目の「前腕部」及び4番目の「体側部」に対応する施療プログラムがスキップされ、「背中部」、「腰部」、「足部」の順序で実行される効率的な自動コースマッサージが実現できる。
【0038】
なお、本発明の検知手段であるシート状センサは、左右の前腕部に対応する各前腕部載置面にそれぞれ設けられているが、両方のシート状センサが検知した場合、片方のシート状センサのみが検知した場合のいずれであっても、左右両側の体側部施療体又は/及び前腕部施療体の施療内容を変更する制御を行うことができる。
【0039】
また、左右の前腕部に形成された各前腕部載置面に配置された各シート状センサにつき、一のシート状センサの検知に対して同方向の体側部施療体又は/及び前腕部施療体の施療内容を変更し、他のシート状センサの検知に対して同方向の他の体側部施療体又は/及び前腕部施療体の施療内容を変更するように制御し、左右の前腕部に配置された各シート状センサのそれぞれを独立させて制御を行うことも可能である。
【0040】
以下、上述した本発明に係るマッサージ機の具体的な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0041】
図1に示すように、椅子式マッサージ機1は、座部11と、座部11の後側にリクライニング可能に連結される背凭れ部10と、座部11の前側に上下方向に揺動可能に連結した足載部12と、座部11の両側の立設された肘掛部13と、背凭れ部10の両側から前方に突出した側壁部14とから形成されている。
【0042】
背凭れ部10には、左右一対の揉み玉21を備えた昇降自在の施療子機構2を設けている。施療子機構2は、背凭れ部10に設けた左右一対のガイドレール22に沿って背凭れ部10の上端から下端にかけて昇降する。
【0043】
施療子機構2は、モータ等を駆動源として左右一対の施療子21を作動させる機械式のマッサージ機構であり、背凭れ部10に凭れた被施療者の首部、背部、腰部などの背面全体を、たたき、揉み、ローリング、指圧などの多様な態様で施療するようにしたものである。
【0044】
また、椅子式マッサージ機1の各所定位置には、空気の給排気によって膨縮を繰り返す事が可能なエアバッグ30〜34を夫々埋設している。エアバッグ30等は、エアコンプレッサー及び各エアバッグに空気を分配するための分配器等からなる空気給排装置3により膨縮動作を行うようにしており、空気給排装置3は座部11の下部空間に設置している。
【0045】
空気給排装置3による各エアバッグ30等の膨縮動作によって、被施療者の所定の施療部位を押圧、指圧などをすることができ、また、複数のエアバッグ30等を対となるように対設させた箇所には、挟圧等の施療を行う事ができ、更に、各エアバッグ30等を膨張状態に保つようにした場合は、被施療者の所定の部位を一定の時間保持する事も可能である。
【0046】
座部11には、後側に臀下部用のエアバッグ31、前側に腿部用のエアバッグ31を並列させて夫々埋設し、主に下方から上方に押圧する施療を行うようにしている。
【0047】
足載部12は、被施療者の脛部および足先部を夫々嵌入させる左右一対の凹部を形成したものであり、各凹部にエアバッグ32を左右一対として対設するように配設させて、凹部内部で被施療者の脛部及び足先部に対する挟圧施療を実施するようにしている。
【0048】
背凭れ部10の側部に設けた左右一対の側壁部14は、座部11に着座した被施療者の肩部及び上腕側方部に対向する位置、とりわけ肩甲骨の肩峰突起の前下方のツボである肩ぐうに適切な刺激を与える位置に配設しており、左右の側壁部14の内側面には夫々左右方向に重合したエアバッグ34を並列状態に埋設している。図6に示すように、エアバッグ34を重合し、その基端部のみを側壁部14の基端部に取り付けることにより、膨張時には重合したエアバッグ34が扇状に広がって被施療者の体側部を挟圧する。図6は、段階的に圧力ないし膨出量を変更することができるエアバッグ34を示しており、「強、中、弱、切(中止)」の4段階に変更可能であって、図中(a)は「強」、図中(b)は「中」、図中(c)は「弱」、図中(d)は「切(中止)」の各状態を示している。
【0049】
側壁部14のエアバッグ34は、膨縮動作により体側部を挟圧施療することはもちろん、一定の時間において膨張状態を保ちながら、被施療者の身体が背凭れ部10から離れないように保持することができ、被施療者の身体を固定した状態で施療子機構2の施療子21による背部からの施療を効果的に受ける事が可能となる。
【0050】
図3等に示すように、肘掛部13には断面略コ字状の前腕部保持部13Aが形成されており、内面部(132a,133a,134a)にエアバッグ33を配設して被施療者の前腕部Aに挟圧施療を実施する一方、外面部(131、133b)に前腕部載置面131が形成され、前腕部載置面131上にシート状センサ4が配設される。
【0051】
前腕部保持部13Aは、施療位置にある前腕部Aが載置される内面底部132と、内面底部132と上下方向に所定間隔を介して対向する上方対向部134と、上方対向部134を支持すると共に内面底部132の外端から立設された立壁部133とから形成される。上方対向部134は、立壁部133の上端に一体的に連設されると共に前記上端から曲折して内側方向に突設された部材であって、上方対向部134の内側端の左右方向(内外方向)位置は、内面底部132の内側端の左右方向位置と概ね一致している。
【0052】
上方対向部134と内面底部132との間隙には、前腕部Aを挿入し又は外方に離脱するために開設された挿入口135が形成される。なお、挿入口135は、被施療者の前腕部Aの長さに対応する全長(前後方向長さ)に亘って形成されるのが好ましい。
【0053】
前腕部施療体であるエアバッグ33が配設される前腕部保持部13Aの内面部は、内面底部132の上面132aと、立壁部133の内面133aと、上方対向部134の内面134aとで構成され、内面底部132と上下方向に対向する内面134aの夫々に重合したエアバッグ33を対設している。なお、エアバッグ33は必ずしも対設する必要はなく、内面底部132の上面132a又は上方対向部134の内面134aのいずれか一方でも好適に実施される。
【0054】
前腕部保持部13Aの外面部のうち水平方向に平坦面を構成する部分である前腕部載置面131にはシート状センサ4が配設され、肘掛部14を覆う合成皮等からなる外側カバー136で被覆されている。なお、外側カバー136の一部をシート状センサ4で構成しても良い。
【0055】
シート状センサ4は、前腕部Aの検知を容易且つ確実に行うために、図3(a)に示すように、前腕部載置面131の略全面に配置するのが好ましい。
【0056】
また、図3(b)に示すように、帯状に裁断された縦長のシート状センサ41a,41bを、前腕部載置面131の左右方向に所定間隔を介して並列させる等、前腕部載置面131に対して部分的に配置することもできる。この場合、例えば、内側のシート状センサ41aのみが接触を検知した場合は、体側部施療用エアバッグ34の圧力を下げるように変更制御し、内側及び外側のシート状センサ41a,41bの両者の接触を検知した場合は、体側部施療用エアバッグ34の圧力を前記下げた圧力よりも更に下げた圧力に変更制御する等のように、両シート状センサ41による検知の組み合わせによって施療内容のバリエーションを拡大することができる。
【0057】
肘掛部13は、その前方部に、前腕部Aの上下及び外側方向への移動を阻止して保持する断面略コ字状の前腕部保持部13Aを形成する一方、後方部には、前腕部Aの外側方向の移動を阻止して保持する断面略L字状の立壁部137からなる後方保持部13Bを形成している。この後方保持部13Bは、背凭れ部10のリクライニング動作に伴う腕部の移動、特に腕部が後方移動する際に、肘掛部上に前腕部Aを保持して後方へ案内する役割を果たすものである。
【0058】
リモコン器5は、マッサージ機1を操作するための操作手段であり、図8に示すように、各種プッシュスイッチ、方向キー等の入力手段51、表示手段であるLCD50を配置している。
【0059】
リモコン器5とマッサージ機1にはそれぞれ通信部が設けられており、通信部を介してリモコン器5とマッサージ機1とは通信可能である。被施療者がリモコン器5を用いて操作した場合には、リモコン器5からマッサージ機1の図示しない制御部であるマイクロコンピュータに対して信号が送信され、この信号に基づいて制御部が空気給排装置3等の各種駆動部を駆動させる。
【0060】
マッサージ機1の制御部は、リモコン器5からの入力信号を受信して、施療子機構21に内蔵された図示しない各種モータ、空気給排装置3、施療子機構21を昇降させる図示しない昇降用モータ、足載部12の図示しない昇降用モータ、図示しないリクライニング用のアクチュエータ等の駆動部を駆動させて入力信号に応じた動作を行わせる制御を行う一方、シート状センサ4から入力信号を受信し、体側部施療用エアバッグ34及び前腕部施療用エアバッグ33の施療内容を変更するように制御を行うものである。
【0061】
シート状センサ4からの入力信号に応じて制御部が行う制御内容は、リモコン器5によって次のように設定される。
【0062】
図8に示す「メニュー画面」は、リモコン器5の「メニューボタン」によってLCD50に表示される画面であり、この画面において「肘掛け」モードを選択すると(ONを選択)、図8に示す「肩エアー設定画面」が表示される。「肩エアー設定画面」では、シート状センサ4による検知後の体側部施療用エアバッグ34の施療内容を設定する。具体的には、「強、中、弱、切(中止)」のいずれかに設定可能である。「肩エアー設定画面」において変更後の施療内容を設定すると、図8に示す「腕エアー設定画面」が表示される。「腕エアー設定画面」では、シート状センサ4による検知後の前腕部施療用エアバッグ33の施療内容を設定する。具体的には、「強、中、弱、切(中止)」のいずれかに設定可能である。このように、体側部施療用エアバッグ及び前腕部施療用エアバッグの各々について圧力を下げる場合、「強→中/弱/切」、「中→弱/切」、「弱→切」の6通りの変更が可能である。つまり、体側部施療用エアバッグ34及び前腕部施療用エアバッグ33は夫々複数の変更内容を備え、任意の変更内容を夫々設定して組み合わせることができる。
【0063】
なお、上記「メニュー画面」において「肘掛け」モードを選択しない場合は(OFFを選択)、シート状センサ4が接触を検知しても、前腕部施療用エアバッグ33、体側部施療用34の施療内容は変更されない。
【0064】
次に、リモコン器5を用いて「肘掛け」モードを選択し(ONを選択)、「肩エアー設定画面」及び「腕エアー設定画面」で「切(中止)」を設定した後の制御を、自動コースマッサージに即して説明する。
【0065】
図9を参照して、リモコン器5の「自動ボタン」を選択して自動コースマッサージを開始すると、まず自動コースマッサージを構成するn番目の施療プログラムを認識し(ステップS1)、n番目の施療プログラムが「肩(体側部施療用エアバッグ34による施療)」又は「腕(前腕部施療用エアバッグ33による施療)」であるか否かを判定する(ステップS2)。「肩」又は「腕」のプログラムである場合には、肘掛けモードを確認するプログラムを起動する(ステップS3)。
【0066】
肘掛けモードを確認するプログラムでは、まず「肘掛け」モードがONであるか否かを判定し(ステップS31)、ONの場合には検知手段4が接触を検知したか否かを判定し(ステップS32)、検知もあった場合には「肘掛けモード」の設定を呼び出し(ステップS33)、肘掛けモードを確認するプログラムを終了する。一方、「肘掛け」モードがOFFであるか、もしくは検知手段が接触を検知しなかった場合には、何も行われず肘掛けモードを確認するプログラムを終了する。
【0067】
肘掛けモードを確認するプログラム(S3)が終了すると、次のプログラムの設定が「切(中止)」であるか否かを判定し(ステップS4)、「切(中止)」であった場合にはn番目のマッサージプログラムをスキップする(ステップS5a)。一方、「肩」又は「腕」のプログラムで無い場合、もしくは次のプログラム(「肩」又は「腕」)の強さ設定が「切」で無い場合には、n番目のプログラムを実行する(ステップS5b)。
【0068】
n番目の施療プログラムがスキップまたは実行された後は、判定対象となる施療プログラムをn+1番目に移行し(ステップS6)、上記と同様の判定を繰り返し、判定対象となる施療プログラムの番号がプログラムの設定数(自動コースマッサージを構成する施療プログラムの総数)を超えた場合に自動コースマッサージは終了する(ステップS7)。
【0069】
具体的には、図10に示す5つの施療プログラムを含む自動マッサージコースは、以下のように制御される。なお、同図中、「他エアー1」「他エアー2」「他エアー3」とは、体側部施療用エアバッグ34及び前腕部施療用エアバッグ33とは異なる他のエアバッグ30、31、32等を作動させる施療プログラムを意味し、「腕エアー」とは前腕部施療用エアバッグ33を作動させる施療プログラムを意味し、「肩エアー」とは体側部施療用エアバッグ34を作動させる施療プログラムを意味する。
【0070】
まず、「他エアー1」の開始時である時間t0において、(1)体側部施療用エアバッグ34又は前腕部施療用エアバッグ33のいずれかを作動させる施療プログラムであるか否か、(2)シート状センサ4による前腕部Aの接触を検知したか否か、を判定する。「他エアー1」は体側部施療用エアバッグ34又は前腕部施療用エアバッグ33のいずれかを作動させる施療プログラムではないため、スキップされることなく実行される。次に、「腕エアー」の開始時である時間t1において、上記(1)及び(2)を判定するが、「腕エアー」は前腕部施療用エアバッグ33を作動させる施療プログラムであるため、「腕エアー」はスキップされる。次に、繰り上がった「他エアー2」の開始時である時間t1において、上記(1)及び(2)を判定するが、「他エアー1」と同様にスキップされることなく実行される。次に、繰り上がった「肩エアー」の開始時である時間t2において、上記(1)及び(2)を判定するが、「肩エアー」は体側部施療用エアバッグ34を作動させる施療プログラムであるためスキップされる。次に、繰り上がった「他エアー3」の開始時である時間t2においても、上記(1)及び(2)を判定するが、「他エアー3」は「他エアー1」と同様にスキップされることなく実行される。
【0071】
したがって、本発明は、自動コースマッサージにおいて、前腕部Aを前腕部載置面に載置した被施療者に不快感ないし窮屈感を与えないことに加えて、スキップされた施療プログラムの時間分だけマッサージ時間が短縮されるため、快適且つ効率的な自動コースマッサージを実行することができる。
【0072】
なお、上記において(1)体側部施療用エアバッグ34又は前腕部施療用エアバッグ33のいずれかを作動させるマッサージプログラムであるか否か、(2)シート状センサ4による前腕部Aの接触を検知したか否か、は各プログラムの開始時に判定するようにしているが、施療プログラムをスキップするか否かの判定は、判定対象である施療プログラムの直前の施療プログラムの実行中の任意の時間に行っても良く、また、上記(2)を、判定対象である施療プログラムの直前の施療プログラムの実行中において一定時間以上検知したか否か、にすることもできる。
【0073】
また、本発明は、スキップにより短縮された時間を合理的に利用する趣旨で、自動コースマッサージの最終番目の施療プログラムの後に、体側部用エアバッグ34や前腕部用エアバッグ33のいずれかを作動させる施療プログラムを除く他の施療プログラムを追加して実行する制御や、或いは、スキップ後の自動コースマッサージを構成する施療プログラム群のうち前記他の施療プログラムの一部又は全部の各時間を延長する制御を行うことを妨げるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の椅子式マッサージ機の実施態様を示す全体斜視図。
【図2】本発明の椅子式マッサージ機の実施態様を示す全体平面図。
【図3】本発明の椅子式マッサージ機における肘掛部の一実施態様を示す平面図。
【図4】本発明の椅子式マッサージ機における肘掛部の一実施態様を示す断面図(A―A)。
【図5】本発明の椅子式マッサージ機における肘掛部の一実施態様を示す断面図(B―B)。
【図6】本発明の椅子式マッサージ機における側壁部の一実施態様を示す断面図。
【図7】本発明の椅子式マッサージ機におけるリモコン器の一実施態様を示す正面図。
【図8】本発明の椅子式マッサージ機におけるリモコン器の表示画面の一実施態様を示す図。
【図9】本発明の椅子式マッサージ機における制御の一実施態様を示すフローチャート。
【図10】本発明の椅子式マッサージ機における制御の一実施態様を示す説明図。
【図11】前腕部を前腕部保持部に挿入した状態を模式的に示した参考正面図及び平面図。
【図12】前腕部を前腕部載置面に載置した状態を模式的に示した参考正面図及び平面図。
【符号の説明】
【0075】
1 椅子式マッサージ機
10 背凭れ部
11 座部
13 肘掛部
131 前腕部載置面
14 側壁部
33 前腕部施療体(エアバッグ)
34 体側部施療体(エアバッグ)
4 検知手段
5 操作手段(リモコン器)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背凭れ部と、背凭れ部の左右両側に設けられた側壁部と、座部と、座部両側に設けられた肘掛部を有し、前記側壁部の内側面に体側部施療体と、前記肘掛部に前腕部施療体を備えた椅子式マッサージ機であって、該肘掛部の上部に前腕部載置面を有し、前記前腕部載置面に、載置した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知するための検知手段を設け、前記検知手段により、検知した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触に対応して、体側部施療体および前腕部施療体の施療内容を変更する制御を行うことを特徴とする椅子式マッサージ機。
【請求項2】
背凭れ部と、背凭れ部の左右両側に設けられた側壁部と、座部と、座部両側に設けられた肘掛部を有し、前記側壁部の内側面に体側部施療体である体側部施療用エアバッグと、前記肘掛部に前腕部施療体である前腕部施療用エアバッグが設けられた椅子式マッサージ機であって、該肘掛部の上部に前腕部載置面を設け、前記前腕部載置面に、載置した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知するための検知手段を設け、前記検知手段により、検知した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触に対応して、体側部施療用エアバッグおよび前腕部施療用エアバッグの圧力を下げる制御を行うことを特徴とする椅子式マッサージ機。
【請求項3】
体側部施療体と前腕部施療体を各々独立して制御可能としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
被施療者が施療体の動作内容を操作できる操作手段を備え、前記検知手段による制御内容を、前記操作手段により被施療者が設定できることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の椅子式マッサージ機。
【請求項5】
前記検知手段による制御内容を、前記操作手段により被施療者が自動マッサージコース中に設定できることを特徴とする請求項4に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項6】
前記検知手段による制御内容は、体側部施療体および前腕部施療体による施療動作の中止であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の椅子式マッサージ機。
【請求項7】
前記検知手段により自動マッサージコース中に被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知している場合に、体側部施療体および前腕部施療体による施療プログラムをスキップすることを特徴とする請求項6に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項8】
前記検知手段がシート状のセンサであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の椅子式マッサージ機。
【請求項1】
背凭れ部と、背凭れ部の左右両側に設けられた側壁部と、座部と、座部両側に設けられた肘掛部を有し、前記側壁部の内側面に体側部施療体と、前記肘掛部に前腕部施療体を備えた椅子式マッサージ機であって、該肘掛部の上部に前腕部載置面を有し、前記前腕部載置面に、載置した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知するための検知手段を設け、前記検知手段により、検知した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触に対応して、体側部施療体および前腕部施療体の施療内容を変更する制御を行うことを特徴とする椅子式マッサージ機。
【請求項2】
背凭れ部と、背凭れ部の左右両側に設けられた側壁部と、座部と、座部両側に設けられた肘掛部を有し、前記側壁部の内側面に体側部施療体である体側部施療用エアバッグと、前記肘掛部に前腕部施療体である前腕部施療用エアバッグが設けられた椅子式マッサージ機であって、該肘掛部の上部に前腕部載置面を設け、前記前腕部載置面に、載置した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知するための検知手段を設け、前記検知手段により、検知した被施療者の肘から指先にかけた領域の接触に対応して、体側部施療用エアバッグおよび前腕部施療用エアバッグの圧力を下げる制御を行うことを特徴とする椅子式マッサージ機。
【請求項3】
体側部施療体と前腕部施療体を各々独立して制御可能としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
被施療者が施療体の動作内容を操作できる操作手段を備え、前記検知手段による制御内容を、前記操作手段により被施療者が設定できることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の椅子式マッサージ機。
【請求項5】
前記検知手段による制御内容を、前記操作手段により被施療者が自動マッサージコース中に設定できることを特徴とする請求項4に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項6】
前記検知手段による制御内容は、体側部施療体および前腕部施療体による施療動作の中止であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の椅子式マッサージ機。
【請求項7】
前記検知手段により自動マッサージコース中に被施療者の肘から指先にかけた領域の接触を検知している場合に、体側部施療体および前腕部施療体による施療プログラムをスキップすることを特徴とする請求項6に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項8】
前記検知手段がシート状のセンサであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の椅子式マッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−35682(P2010−35682A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199439(P2008−199439)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000136491)株式会社フジ医療器 (137)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000136491)株式会社フジ医療器 (137)
【Fターム(参考)】
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