説明

植え込み可能なマーカ、器具、および、方法

【課題】植え込み可能なマーカ、マーカを植え込むための器具、および、マーカを植え込む方法を提供する。
【解決手段】植え込み可能なマーカは、骨アンカーを提供する外側面116を備え、追跡システムによって検出可能なマーカがその中に固定されたキャビティ108を有する、ハウジング100、を有している。キットは、植え込み可能なマーカを受容するためのガイド溝を備えたガイド器具と、ガイド溝内に受容され、植え込み可能なマーカと取り外し可能に係合するための遠位の端部を備えた、導入用具と、ガイド溝内に受容される植え込み可能なマーカと、を含む。導入用具は、植え込み可能なマーカを骨の中に打ち込むように動作可能である。方法は、器具を用いて皮膚を穿刺する過程と、骨の中に植え込み可能なマーカを打ち込む過程と、器具を引き抜き、植え込まれたマーカを骨の中に残す過程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、マーカ、器具、および、関連する方法、に関し、より詳しく言うと、骨に植え込み可能なマーカ、マーカを植え込むための器具、マーカを骨に植え込む方法、および、植え込まれたマーカの使用方法、に関する。
【0002】
〔背景技術〕
追跡システムによって検出可能なマーカは、例えば、外科手術の間に体の一部の位置を追跡できるように、体の一部に取り付けられる。そのようなマーカは、基準マーカと呼ばれることがある。さまざまな種類のマーカが、追跡システムの特質、および、どのように信号がマーカによって生み出されて追跡システムに通信されるか、に応じて、用いられる。しかし、マーカは、典型的には、ある種の支持構造上に設けられ、その支持構造によってマーカが、皮膚などの体の一部に取り付けられ、または、骨またはその他の皮下の体の部分または解剖学的な構造に繋留される。
【0003】
しかし、支持構造を用いてマーカを体に取り付けることに関連した問題が存在することがある。検出されたマーカの位置と、マーカが関連付けられた体の一部の位置と、検出されたマーカの位置から導かれた体の一部の位置と、の間に不一致が生ずる可能性が大きい。さらに、マーカを骨に取り付ける場合、マーカの支持構造を取り付けるために骨にアクセスできるようにするために、切開が行われ、そのために、患者が被る外傷が増加する。さらに、マーカの取り付けは典型的にはそのマーカを必要とする実際の外科手術に先行する別の手術として実行されるので、マーカの取り付けが、外科手術を複雑化し、外科手術を長くする。
【0004】
手術用センサーのある例が、米国特許第6,499,488号(ハンターら:Hunter et al.)に記載されていて、そこでは、手術ガイダンスシステムに信号を送るセンサーが、手術用ねじに取り付けられたハウジング内に、または、ハウジングの代わりに手術用ねじの中空部分の中に、設けられている。手術用ねじは、骨質の解剖学的な構造内にねじ込まれる。したがって、センサーは、手術用ねじによって、骨質の解剖学的な構造に取り付けられる。しかし、センサーは、依然として手術用ねじによって支持されていて、センサーそれ自体が、骨質の解剖学的な構造内に配置されているのではない。さらに、切開が、体の一部にセンサーを取り付けるために、依然として必要とされる。
【0005】
したがって、本発明は、マーカのさまざまな不十分な点を解消する。
【0006】
〔発明の開示〕
本発明の第1の態様に基づけば、骨の中に経皮的に植え込むための植え込み可能なマーカが提供される。その植え込み可能なマーカは、内部キャビティを備えたハウジングと、内部キャビティ内に固定されたマーカと、を具備する。ハウジングは、骨アンカーを提供する外側面を含んでいてよい。骨アンカーは、植え込み可能なマーカを骨内に保持するために、植え込まれたときに周囲の骨と少なくとも部分的に係合してよい。マーカは、追跡システムによって検出可能であってよい。
【0007】
植え込み可能なマーカは、事前の切開を必要とせずに、患者の皮膚を通して骨に植え込まれるので、すなわち、植え込み可能なマーカは経皮的に植え込み可能なので、患者が経験する手術による外傷が低減される。
【0008】
患者は、哺乳動物であってよく、さらに、動物でもヒトでもよい。
【0009】
マーカおよびキャビティは、マーカの少なくとも一部が使用中に骨の中に配置されるように、構成されている。好ましくは、マーカの位置検出部分は、患者の骨の中に配置されている。
【0010】
植え込み可能なマーカの全体が、骨の中に植え込まれていてよい。したがって、植え込み可能なマーカが植え込まれ終わると、植え込み可能なマーカのいずれの部分も骨の外側面から盛り上がらない。
【0011】
マーカは、密封されていてよい。ハウジングは、密封されていてよい。ハウジングおよびマーカの両方が密封さていてよい。これによって、植え込まれたマーカが患者の体内に置かれる時間が延長される。
【0012】
骨アンカーは、保持構造の形態であってよい。保持構造は、単一の構成、または、複数の構成、であってよい。保持構造は、植え込み可能なマーカを使用中に骨内に保持するのを助ける、リブ、歯、突起(prong)、とげ(barb)、みぞ(trough)、リップ(lip)、または、任意のその他の構造であってよい。
【0013】
骨アンカーは、骨の表面成長(bone ongrowth)を助長する、増強する、促進する、または、別な方法で容易にするように、適合された表面によって提供されてよい。例えば、表面は、粗くすることによって、薬剤、化合物、または、化学物質、によって処理することによって、穴あけすることによって、溝を機械加工することによって、ヒアルロン酸の生物学的表面コーティングを設けることによって、適合されてよい。
【0014】
マーカは、マーカの一部がハウジングの外側にある状態で、ハウジング内に部分的に配置されていてよい。マーカはハウジングによって全体的に取り囲まれていてもよい。
【0015】
ハウジングは単一のコンポーネントであってよく、または、ハウジングは複数のコンポーネントで作られていてもよい。ハウジングは、任意の適切な生体適合性の材料で作られていてよい。ハウジングは、マーカの周りに成形されていてよい。ハウジングの複数のコンポーネントは、ろう付け、溶接、接着剤による接着、などを含むさまざまな方法を用いて結合されてよい。ハウジングのひとつまたは複数のコンポーネントは、金属、合金、セラミック、プラスチック、および、それらの組み合わせ、などを含むさまざまな材料で作られてよい。
【0016】
マーカは、無線式で検出されてよい。好ましくは、マーカは、電磁放射を用いて、無線式で検出され、もっとも好ましくは、電磁スペクトルの無線周波数部の範囲内の電磁放射を用いて、無線式で検出される。
【0017】
保持構造は、ねじ山、ねじ山の一部、または、複数のねじ山、を含んでいてよい。ねじ山を用いることによって、植え込み可能なマーカを骨内に植え込むことおよび骨内に保持することの両方が容易にされる。
【0018】
ハウジングは、先細りの導入端部を有していてよい。導入端部は、植え込み可能なマーカを穴の中に配置するのを容易にする自動配置機構を提供してよい。導入端部は、骨を穿通してよい。導入端部は、トロカール先端部(Trochar tip)、または、骨を穿通できるその他の先端部、を有していてよい。したがって、植え込み可能なマーカは、植え込み可能なマーカに力が加えられたときに、骨内に向けて押される。導入端部は、セルフタッピングねじ山を含んでいてよい。したがって、骨に穴を設ける必要はなく、植え込み可能なマーカは直接骨内にねじ込まれる。導入端部は、トロカール先端部のみを含むか、または、セルフタッピングねじ山または先細りの端部と組み合わせてトロカール先端部を含む。
【0019】
ハウジングは、取り外し可能に導入用具と係合するためのコネクタを有していてよい。コネクタは、トルクまたは回転駆動力が植え込み可能なマーカに加えられるようにする任意の構造であってよい。例えば、コネクタは、多角形の形状、非円形の湾曲した形状、を有していてよく、または、溝、リップ、リッジ、ソケット、または、導入用具に設けられた整合する構造と嵌め合わされる任意のその他の構造、を含んでいてよい。コネクタは、導入用具と結合されたとき、植え込み可能なマーカと導入用具との間の相対的な回転を防止するように構成されていてよい。
【0020】
ハウジングまたはマーカは、糸、縫合糸、ワイヤ、または、その他の細長い要素、を受容するための付属部品を含んでいてよい。好ましくは、細長い要素は、柔軟である。細長い要素または縫合糸は、植え込み可能なマーカが植え込まれた後に、植え込み可能なマーカの除去を補助するための、再配置機構の一部として役立つ。
【0021】
植え込み可能なマーカは、約6mm未満の外径を有していてよく、好ましくは、約5mm未満の外径を有していてよく、より好ましくは、約4mm未満の外径を有していてよく、最も好ましくは、約3mm未満の外径を有していてよい。植え込み可能なマーカは、約2mmから6mmまでの範囲内の直径を有していてよく、好ましくは、2mmから5mmまでの範囲内の直径を有していてよく、より好ましくは、約2mmから4mmまでの範囲内の直径を有していてよく、最も好ましくは、約3mmから4mmまでの、または、2mmから3mmまでの範囲内の直径を有していてよい。
【0022】
ねじ山の少なくとも第1の部分は、植え込み可能なマーカを骨内に保持するのを増強するための断面形状を有していてよい。ねじ山の少なくとも第2の部分は、骨内への切り込みを増強するための断面形状を有していてよい。ねじ山のその他の部分の断面は、ねじ山の第1の部分の断面よりもより鋭い形状を有していてよい。ねじ山の第1の部分は、大まかに言って、丸みを帯びた不等辺四角形(trapezium)の形状の断面を有していてよい。
【0023】
植え込み可能なマーカは、トランスデューサまたはセンサーを、さらに含んでいてよい。トランスデューサまたはセンサーは、マーカの周囲の領域の性質を検出するためのものであってよい。医者、臨床医、または、外科医、に有用な情報を提供する体の任意の性質が検出されてよい。そのような性質は、圧力、温度、生物学的活性、化学的性質、を含む集合から選択される。トランスデューサまたはセンサーは、ハウジング内に提供されていてよく、および/または、少なくとも検出部分が体に対して露出さていてよい。
【0024】
本発明の別の態様に基づけば、骨の中に植え込み可能なマーカを経皮的に植え込むためのキットが提供される。そのキットは、ガイド器具、導入用具、および/または、植え込み可能なマーカ、を具備している。ガイド器具は、長さ方向の軸に沿って少なくとも部分的に延在し、植え込み可能なマーカを受容する、ガイド溝、を有していてよい。導入用具は、ガイド器具のガイド溝内に受容されてよく、長さ方向の軸に沿って少なくとも部分的に並進運動してよい。導入用具は、植え込み可能なマーカと取り外し可能に係合するための遠位の端部を有していてよい。植え込み可能なマーカは、ガイド溝内に受容されてよい。植え込み可能なマーカは、ハウジングと、追跡システムによって検出可能な、ハウジング内のマーカと、を含んでいてよい。導入用具は、植え込み可能なマーカを骨内に打ち込むように動作可能であってよい。
【0025】
導入用具は、細長い本体を含んでいてよく、その細長い本体は、植え込み可能なマーカに取り付けられた、糸、縫合糸、ワイヤ、または、その他の要素、を受容するための細長い本体の長さ方向の軸に沿って少なくとも部分的に延在する溝を含んでいる。
【0026】
導入用具は、そこを通して糸を受容するための開口部を有していてよい。その開口部は、植え込み可能なマーカを導入用具に取り外し可能に取り付けるためのコネクタの一部に配置されていてよい。開口部は、ガイド器具の溝と連通したボアと連通していてよい。
【0027】
ガイド器具の遠位の端部は、骨と係合する構造を有していてよい。骨と係合する構造は、少なくとも部分的に骨を穿通するように構成されていてよい。骨と係合する構造は、ガイド器具がその長さ方向の軸を中心にして回転するのを防ぐように構成されていてよい。ガイド器具は、骨を穿通する複数の歯を含んでいてよい。骨を穿通する複数の歯の少なくとも第1および第2の歯は、向かい合わせに配置されている。好ましくは、少なくとも2対の骨を穿通する歯が、向かい合わせ方向に配置されている。
【0028】
ガイド器具は、複数の植え込み可能なマーカを収容するためのマガジンを含んでいてよい。そのマガジンは、植え込み可能なマーカおよびアダプタの複数のアセンブリを収容してよい。アダプタは、ドリルに取り外し可能に結合可能であってよい。ドリルおよびアダプタのアセンブリは、導入用具を提供してよい。アダプタは、植え込み可能なマーカの近位の端部と取り外し可能に結合するために、遠位の端部にコネクタを含んでいてよい。
【0029】
マガジンは、現在の植え込み可能なマーカが植え込まれた後に、別の植え込み可能なマーカをガイド溝に導入するように構成された供給機構を含んでいてよい。供給機構は、手動で動作可能であり、または、自動的に動作可能である。
【0030】
キットは、ガイド溝内に受容可能でガイド溝に沿って少なくとも部分的に並進運動可能なドリルをさらに含んでいてよい。ドリルは、骨に穴を形成するための、遠位の端部に設けられたドリル用ビットを有していてよい。
【0031】
キットは、アセンブリとして組み立てられていてよい。そのアセンブリは、ガイド器具の遠位の端部から延出する皮膚を穿孔する先端部を含んでいてよく、アセンブリが、被験者の皮膚を穿刺できるようになっている。皮膚を穿孔する先端部は、トロカール先端部であってよい。植え込み可能なマーカは、皮膚を穿孔する先端部を有していてよい。キットがアセンブリとして組み立てられたとき、植え込み可能なマーカは、皮膚を穿孔する先端部がガイド器具の遠位の端部から延出した状態で、配置されていてよい。キットは、ガイド溝内に配置可能でドリル用ビットを備えたドリルを含んでいてよく、ドリル用ビットは、皮膚を穿孔する先端部を有していてよい。キットがアセンブリとして組み立てられたとき、ドリルは、皮膚を穿孔する先端部がガイド器具の遠位の端部から延出した状態で、配置されていてよい。
【0032】
導入用具は、ドリルとアダプタとのアセンブリによって提供されてよい。導入用具の遠位の端部は、少なくともドリル用ビットがその中に取り外し可能に締結されて導入用具が提供される分離可能な部分またはアダプタによって、提供されてよい。
【0033】
本発明の別の態様に基づけば、植え込み可能なマーカを骨の中に経皮的に植え込むための方法が提供され、そのマーカは、追跡システムによって検出可能である。その方法は、器具によって皮膚を穿刺する過程を含んでいてよい。
【0034】
その器具の遠位の端部は、骨に隣接して配置されてよい。植え込み可能なマーカは、器具から骨の中へ打ち込まれてよい。その器具は、植え込まれたマーカを骨の中に残して、引き抜かれてよい。このようにして、手術による外傷を低減することができる。
【0035】
植え込み可能なマーカを骨の中に打ち込む過程は、さらに、植え込み可能なマーカを骨の中に押し込むことを含んでいてよい。
【0036】
植え込み可能なマーカを骨の中に打ち込む過程は、さらに、植え込み可能なマーカを骨の中にねじ込むことを含んでいてよい。
【0037】
その方法は、植え込み可能なマーカを骨の中に打ち込む前に、骨に穴をあけることをさらに含んでいてよい。植え込み可能なマーカは、この穴の中へ打ち込まれてよい。
【0038】
その器具は、器具の長さ方向の軸に少なくとも部分的に沿って延在するガイド溝を含んでいてよく、穴をあけることは、ドリルを器具のガイド溝に少なくとも部分的に沿って並進運動させることを含んでいてよい。
【0039】
植え込み可能なマーカは、皮膚を穿孔する先端部を有していてよく、皮膚を穿刺する過程は、皮膚を穿刺するために、植え込み可能なマーカの皮膚を穿孔する先端部を用いることを含んでいてよい。
【0040】
器具は、ガイド溝と、ガイド溝内に配置されたドリルと、を含み、ドリルは、皮膚を穿孔する先端部を含み、皮膚を穿刺する過程は、皮膚を穿刺するために、ドリルの皮膚を穿孔する先端部を用いることを含んでいてよい。
【0041】
植え込み可能なマーカは、植え込み可能なマーカに取り付けられ自由端を備えた、糸、ワイヤ、または、その他の要素を有していてよく、方法は、糸の自由端を皮膚の外側に残す過程をさらに含んでいてよい。したがって、糸または要素は、植え込み可能なマーカの除去を容易にするために用いられる。
【0042】
方法は、植え込み可能なマーカの自由端と係合するように器具を経皮的に誘導するために糸を用いる過程をさらに含んでいてよい。
【0043】
方法は、植え込み可能なマーカを骨から外し、マーカを骨から経皮的に引き抜いて、植え込み可能なマーカを患者から除去するために、用具を用いる過程をさらに含んでいてよい。
【0044】
本発明の別の態様に基づけば、体の一部の位置を追跡する方法が提供される。その方法は、本発明の上記の態様の方法を用いて、植え込み可能なマーカを骨の中に経皮的に植え込む過程と、追跡システムを用いて植え込み可能なマーカの位置を追跡する過程と、を含んでいてよい。
【0045】
植え込み可能なマーカの位置は、無線式で追跡されてよい。植え込み可能なマーカは、無線周波数の電磁信号を用いて無線式で追跡されてよい。
【0046】
本発明のさらに別の態様に基づけば、コンピュータ支援の、または画像誘導の、外科的な、予防的な、医療的な、または、臨床的な処置を被験者に対して実行する方法が提供される。その方法は、外科的な、予防的な、医療的な、または、臨床的な処置を実行する過程と、本発明の上記の態様に基づく方法を用いて、外科的な、予防的な、医療的な、または、臨床的な処置の間に、被験者の体の一部の位置を追跡する過程と、を含んでいてよい。
【0047】
本発明の別の態様に基づけば、骨の中に経皮的に植え込むための植え込み可能なマーカが提供される。植え込み可能なマーカは、本体部分と、遠位の端部と、近位の端部と、を含むハウジング、を含んでいてよい。本体部分は、円筒形で、その中にキャビティを画定していてよい。遠位の端部は、先細りでよく、近位の端部は、導入用具と係合するためのコネクタを有していてよい。ハウジングは、ねじ山が付いた外側面を有していてよい。マーカは、キャビティ内に取り囲まれていて、密封されていて、無線周波数の電磁放射を用いて追跡システムによって無線式で検出可能であってよい。植え込み可能なマーカは、使用中に、ねじ山と周囲の骨との相互作用によって、骨の中に保持されてよい。マーカおよびキャビティは、植え込み可能なマーカが使用中に骨の中に植え込まれているときに、マーカが周囲の骨の中に配置されるように、構成されていてよい。
【0048】
本発明のさらに別の態様に基づけば、装置を患者の骨の中に経皮的に植え込むためのガイドが提供される。そのガイドは、ガイドチューブと、ガイドチューブに取り付けられたハウジングと、を含んでいてよい。そのハウジングは、カートリッジを含んでいてよい。そのカートリッジは、植え込まれるべき装置を各々が受容するための複数のボアまたは溝を含んでいてよい。ガイドは、使用中に装置をボアからガイドチューブの中へ移送するために用いられる導入用具または用具を受容するためのポートをさらに含んでいてよい。ガイドは、カートリッジを次のボアへ進めるための機構をさらに含んでいてよい。カートリッジは、実質的に直線状または実質的に円形であってよい。カートリッジは、ハウジング内に回転可能に取り付けられたドラムの形態で提供されてよい。ガイドは、カートリッジを次のボアへ進めるために使用者によって作動されるスイッチ、ボタン、または、トリガ、を含んでいてよい。
【0049】
本発明の実施の形態が、例としてのみ、そして、添付の図面を参照して、以降に記載される。
【0050】
〔好ましい実施の形態の詳細な説明〕
異なる図面中の同じ部分は、そうでないと記載されていない限り、共通の参照符号を共有している。
【0051】
最初に、適切なマーカおよび関連する追跡システムが、簡単に記載される。マーカおよび追跡システムの態様が、米国特許公開第US2003/0120150A1(2001年12月21日に出願された米国特許出願第10/029,473号)により詳しく記載されていて、この米国特許公開は、参照することで、全ての目的で、その全体が本明細書に組み込まれる。しかし、有線式の追跡システムを含め、その他のマーカおよび追跡技術が用いられてもよいことが適正に評価されるはずであるが、無線式の追跡技術がその使用の容易さに起因して好ましい。
【0052】
図1を参照すると、磁気的追跡システム20の概略的なブロック図が示されている。追跡システム20によって追跡される無線式の位置センサー70のマーカも示されている。マーカは、3つのフィールド発生器コイル32(放射器コイルとも呼ばれる。)の集合によって生み出された外部の磁界に応答して、マーカの位置座標および姿勢座標を表す信号を生み出し送信する。
【0053】
フィールド発生器コイル32は、駆動回路34によって駆動されて、{w1 }{w2 }{w3 }の異なる周波数の各集合での電磁界を生み出す。典型的には、その周波数の集合は、100Hzから20kHzまでのおよその範囲内にあるが、より高いまたはより低い周波数が用いられてもよい。コイルがその周波数で放射する周波数の集合は、コンピュータ36によって設定され、コンピュータはシステム20のシステムコントローラとして役立つ。周波数の各集合は、全てが同じ周波数を含んでいてよく、または、各集合が異なる周波数を含んでいてもよい。いずれの場合でも、コンピュータ36は、公知の多重化パターンに基づいて回路34を制御し、その多重化パターンが、いずれの時間でも、1つより多くのフィールド発生器コイルがいずれかの所定の周波数で放射することがないようにする。典型的には、各駆動回路が、その対応する集合の周波数で、周期的にある時間に亘って走査するように制御される。それに代わって、各駆動回路が、複数の周波数で同時に放射するように対応するコイル32を駆動してもよい。
【0054】
システム20の目的のために、コイル32は、コイル32がある基準フレームに対して固定されている限り、そして、コイル32が重なり合わない限り、すなわち、2つのフィールド発生器コイルが全く同じ位置および姿勢で存在しない限り、任意の好都合な位置および姿勢で配列されてよい。典型的には、外科的な用途では、コイルは三角形の配列で配置される。コイルの軸は、平行であってよく、または、コイルの軸は、それに代わって、傾斜していてもよい。棒状の送信機、または、三角形または四角形のコイルでさえも、そのような用途で有用である。
【0055】
整形外科およびその他の外科的な用途では、コイル32が手術領域から離れていて、外科医の動きの自由が妨げられないようになっていることが望ましい。一方、コイルは、追跡システムの可動範囲が、その中で外科医が手術を行っている全体の領域を含むように、配置されなければならない。同時に、コイル32の位置および姿勢が、所定の基準フレームに対して知られていて、植え込まれた器具のマーカ70の座標がその基準フレーム内で決定されるようになっていなければならない。実際、コイル32は、基準構造の表面に取り付けられている。
【0056】
マーカ70はセンサーコイル72を含み、センサーコイル72では、フィールド発生器コイル32によって生み出された磁界に応答して、電流が流れる。センサーコイル72は、空心、または、磁性材料のコア、に巻かれていてよい。典型的には、各マーカは、3つのセンサーコイルを含み、3つのセンサーコイルは互いに直交した軸を備え、そのうちの1つの軸は、植え込み可能なマーカのハウジングの長さ方向の軸と整合しているのが好都合である。3つのコイルは、1つのコアに同心的に巻かれていてよく、または、その代わりに、コイルは別々のコアに同心的でなく、かつ、長さ方向の植え込み可能なマーカに沿って、間隔を置いて配置されていてもよい。同心的でないコイルの使用が、例えば、国際特許公開WO96/05768、および、それに対応する米国特許出願第09/414,875号、に記載されていて、これらは、全ての目的で、その全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0057】
それに代わって、マーカの各々が、1つのみのセンサーコイル、または、2つのセンサーコイル、を含んでいてもよい。さらに、それに代わって、マーカ70は、ホール効果センサーのような、当技術分野で知られた別のタイプの検出要素に基づく磁気的な位置センサーを含んでいてもよい。
【0058】
時間的などの瞬間でも、センサーコイル中で誘起された電流は、フィールド発生器コイル32によって生み出された集合{w1 }、{w2 }、{w3 }中の特定の周波数での成分を含んでいる。これらの電流の対応する大きさ(または、その代わりに、センサーコイルの両端に亘って測定された時間変化する電圧の大きさ)は、フィールド発生器コイルの位置および姿勢に対するマーカの位置および姿勢に応じて変わる。誘起された電流または電圧に応答して、各マーカ内の信号処理および送信回路が、センサーの位置および姿勢を表す信号を生み出して送信する。これらの信号は、受信アンテナ10によって受信され、受信アンテナ10は、信号受信機および復調回路12を介してコンピュータ36に接続されている。コンピュータは、フィールド発生器コイル32を駆動するために用いられた信号の表現と共に、受信された信号を処理して、植え込み可能なマーカの位置座標および姿勢座標を計算する。位置座標および姿勢座標は、ディスプレイ46を駆動するためコンピュータによって使用され、ディスプレイ46は、マーカ、および、同様なマーカが固定されたその他の要素(人工器官のインプラント)、の相対的な位置および姿勢を示すことができる。
【0059】
図1では、システム20が3つのフィールド発生器32を含むものとして示されているが、本発明の別の実施の形態では、異なる個数、タイプ、および、構成の、フィールド発生器およびセンサー、が用いられてもよい。固定された基準のフレームは、例えば、識別可能な磁界を生み出すために2つのみの重なり合わないフィールド発生器コイルを用いることによって、生み出されてよい。2つの平行でないセンサーコイルが、センサーの6つの位置座標および姿勢座標(X,Y,Zの方向、および、ピッチ(縦揺れ)、ヨー(偏揺れ)、ロール(横揺れ)の姿勢)を求めるために、フィールド発生器コイルによる磁束を測定するために用いられてよい。しかし、3つのフィールド発生器コイルおよび3つのセンサーコイルの使用は、位置測定の精度および信頼性を高める傾向がある。
【0060】
それに代わって、1つのみのセンサーコイルが用いられる場合、コンピュータ36は、5つの位置座標および姿勢座標(X,Y,Zの方向、および、ピッチ、ヨーの姿勢)を依然として求めることができる。単一のコイルシステム(単一軸システムとも呼ばれる。)の具体的な特徴および機能は、米国特許第6,484,118号に記載されていて、その開示内容は参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0061】
金属またはその他の磁気的に反応する物品が、追跡されている物体の近傍に運ばれると、その近傍内の磁界がひずむ。基本的なまたは付属の器具(手術台、カート、移動式ランプ、など)、ならびに、侵襲的手術装置(メス、ハサミ、など)、を含む、かなりの量の導電性および透磁性の材料が手術環境内に存在し得る。フィールド発生器コイル32によって生み出された磁界は、そのような物品内にうず電流を生み出し、次に、そのうず電流が、放射される寄生磁界を引き起こす。そのような寄生磁界および別のタイプのひずみが、追跡される物体の位置の決定での誤差を導く可能性がある。
【0062】
このような問題を緩和するために、追跡システム20の要素、および、追跡システムの近傍で用いられる他の物品は、典型的には、可能な場合には非金属材料で作られていて、または、透磁率および導電率の低い金属材料で作られている。さらに、コンピュータ36は、手術部位の近傍の金属の物体の効果を検出してその効果を補償するようにプログラムされていてよい。そのような検出および補償の例示的な方法が、米国特許第6,147,480号および同第6,373,240号、ならびに、2003年5月29日に出願された米国特許出願第10/448,289号および2003年7月31日に出願された米国特許出願第10/632,217号に記載されていて、これらは全て参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0063】
この実施の形態のマーカ70は、3つの集合のコイル、すなわち、センサーコイル72、電力コイル74、および、通信コイル76、を含んでいる。それに代わって、米国特許出願第10/029,473号に記載されているように、電力コイルおよび通信コイルの機能が、結合されてもよい。コイル72,74,76は、電子処理回路78に接続されていて、電子処理回路78は、柔軟なプリント回路基板(PCB)などの適切な基板80に取り付けられている。回路78の構成および動作の詳細は、米国特許出願第10/029,473号および同第10/706,298号に記載されていて、これらの特許出願は参照されることによって本明細書に組み込まれる。
【0064】
単純化のために、図1は1つのセンサーコイル72および1つの電力コイル74のみを示しているが、実際には、センサー70は、典型的には、3つのセンサーコイルおよび3つの電力コイルのような、各タイプの複数のコイルを含んでいる。センサーコイルは、センサーコア82に互いに直交する向きで一体に巻かれていて、一方、電力コイルは、電力コア84に互いに直交する向きで一体に巻かれている。それに代わって、センサーコイルおよび電力コイルは、例えば、2004年1月9日に出願された米国特許出願第10/754,751号に記載されているように、同じコアに重ねられていてもよく、この米国特許出願はその開示内容の全体が参照することによって本明細書に組み込まれる。コイルを誘電層によって(または、電力コイルおよびセンサーコイルの両方に共通のコアが用いられる場合には電力コイルおよびセンサーコイルを離すことによって)互いに分離することは、コイル間の寄生容量を低減するために、一般的に望ましい。
【0065】
動作時には、電力コイル74はセンサー70用の電源として役立つ。電力コイルは、RF電力駆動回路16に取り付けられた外部の駆動アンテナ14から誘導結合によってエネルギーを受け取る。典型的には、駆動アンテナは、13.5MHzの範囲内にあるような、比較的高い無線周波数(RF)の強い電磁界を放射する。駆動フィールドは、電流をコイル74内に流し、その電流が回路78に電力を供給するために整流される。一方、フィールド発生器コイル32は、上述したように、センサーコイル72の両端に亘る時間変化する信号電圧を発達させる。回路78は、信号電圧を検出し、その電圧信号に応答して出力信号を生み出す。その出力信号は、アナログまたはデジタルの形態であってよい。回路78は、通信コイル76を駆動して、出力信号を患者の体の外部にある受信アンテナ10に向けて送信する。典型的には、出力信号は、例えば、周波数変調法を用いて、43MHzまたは915MHの範囲内にある周波数のような、さらにより高い無線周波数で送信される。それに加えて、または、その代わりに、コイル76が、クロック信号などの制御信号を、患者の体の外部にある送信アンテナ(図示されていない)から受信するために用いられてよい。
【0066】
追跡システム20は、好ましくは2MHzから10MHzまでの範囲内にある電力信号を放射するためにアンテナ14を駆動するRF電力駆動回路16をさらに含んでいる。電力信号は、電流を電力コイル74内に流し、その電流が回路78によって整流されて、マーカの内部回路に電力を供給するために用いられる。一方、フィールド発生器コイル32によって生み出された電磁界は、電流をセンサーコイル72内に流す。この電流は、発生器コイルを流れる駆動電流と同じ周波数の周波数成分を有する。その電流の周波数成分は、発生器コイルによって生み出された各々の磁界の、センサーコイルの軸と平行な向きの、周波数成分の強度に比例する。したがって、電流の大きさは、固定された発生器コイル32に対するコイル72の位置および姿勢を示す。
【0067】
回路78は、センサーコイル72内をさまざまなフィールド周波数で流れる電流、を測定する。回路78は、この測定値を高周波信号に符号化し、回路78は、次に、その高周波信号を、アンテナ76を通してアンテナ10へ送り返す。回路78は、サンプリング回路およびアナログ/デジタル(A/D)変換器を含み、サンプリング回路およびA/D変換器は、センサーコイル72を流れる電流の大きさをデジタル化する。この場合、回路78は、デジタル的に変調された信号を生み出し、その信号をアンテナ76によって送信するためにRF変調する。デジタル符号化および変調を行う任意の適切な方法が、この目的のために用いられてよい。信号を処理し変調するための別の方法が、当業者には明らかであろう。
【0068】
アンテナ76によって送信されたデジタル変調された信号は、アンテナ10に接続された受信機12によって受信される。受信機は、その信号を復調して、コンピュータシステム36内の信号処理回路への適切な入力を生み出す。典型的には、受信機12は、マーカ70からの信号を増幅し、フィルタリングし、デジタル化する。デジタル化された信号は、コンピュータ36によって受信され、マーカ70の位置および姿勢を計算するために用いられる。汎用コンピュータ36は、受信機12からの信号を処理するために、プログラムされ、適切な入力回路が備え付けられている。
【0069】
好ましくは、追跡システム20は、クロック同期化回路18を含んでいて、そのクロック同期化回路18は、駆動回路34およびRF電力駆動回路16を同期化するために用いられる。RF電力駆動回路16は、フィールド発生器32の駆動周波数の整数倍の周波数で動作してよい。回路78は、次に、電力コイル84によって受信されたRF信号を、回路78の電源として用いるだけでなく、周波数基準としても用いてよい。この基準を用いることで、回路78は、コイル32によって生み出された駆動フィールドと同位相でセンサーコイルの電流を検出するために、センサーコイル72によって生み出された電流信号に位相感知処理を適用できる。受信機12は、クロック同期化回路18からの入力を用いて、同様に、当業者に知られているように、位相感知処理方法を適用してよい。そのような位相感知検出方法は、マーカ70が、センサーコイル72の電流信号の大きさが小さいにもかかわらず、増強された信号/雑音(S/N)比を得ることを可能にする。
【0070】
ある周波数範囲が例として上述されたが、その他の周波数範囲が同様の目的で用いられてもよいことが、当業者には適正に理解されるであろう。
【0071】
回路78は、マーカ70に対する独自の識別子をも記憶していて、その独自の識別子も追跡システム20に送信され、追跡システムが、受信された位置データの送信元のマーカを識別することができる。したがって、追跡システムは、複数のマーカが追跡システムの可動範囲中に存在する場合に、異なるマーカを識別できる。
【0072】
基板上の電源なしにマーカ70のような無線式のマーカを使用する利点は、マーカが患者の体内に導入でき、後の参照のために患者の体内に残すことができることである。
【0073】
図1に示されているように、マーカ70は、密封材またはカプセル封入剤86内にカプセル封入することによって密封されている。好ましくは、密封材は、以下の遮蔽特性、すなわち、機械的衝撃絶縁、電磁的絶縁、生体適合性の遮蔽、のうちのいくつかまたは全てを提供する。密封材は、マーカの電子的コンポーネントを一体に結合するのを補助してもよい。適切な密封材または封入剤には、商標名パリレン(Parylene)によって販売されているようなUSPクラス6のエポキシなどがある。他の適切な密封材には、エポキシ樹脂、シリコーンゴム、ポリウレタン接着剤などがある。マーカは、マーカを液状の密封材中に浸漬し、次に、密封材を固化または硬化させることで、カプセル封入されてよい。
【0074】
図2Aから図2Eを参照すると、本発明に基づく植え込み可能なマーカのハウジング100部分が示されている。ハウジング100は、遠位の端部104および近位の端部106を備えたほぼ直円筒形の本体部分102を有している。ハウジング100には、植え込み可能なマーカを提供するために、カプセル封入されたマーカ70を受容するためのキャビティ108がその中に画定されている。
【0075】
遠位の端部104は、ほぼ先細りの形状を有し、以下により詳しく記載されるように、使用時に植え込み可能なマーカを骨の穴の中に自動的に位置決めするための先端部110を含んでいる。
【0076】
ハウジングの近位の端部106は、実質的に四角形の構造112を有していて、その四角形の構造112が、以下により詳しく記載されるように、導入用具と取り外し可能に係合するためのコネクタを提供する。近位の端部106には、以下により詳しく記載されるように、植え込み可能なマーカの除去を補助する糸または縫合糸を受容するためのボアが近位の端部を通って設けられている。コネクタの構造112が、器具が取り外し可能にコネクタに結合されて植え込み可能なマーカに回転駆動力が加えられるようにするその他の形状を有していてよいことが、適正に理解されるだろう。例えば、コネクタは、三角形または星形のような任意の多角形の形状を有していてよく、また、卵形または楕円形のような湾曲した形状を有していてもよい。別の実施の形態では、コネクタは、導入用具の端部に設けられた整合するコネクタの構造と係合するための溝、リブ、または、リップの形態であってもよい。図2aに示されているように、コネクタの構造112の角は、好ましくは、コネクタと導入用具との係合を容易にするために、面取りされている。
【0077】
自動位置決め先端部110は、ハウジング100の一体的な部分として設けられていてよく、または、別個の部品として提供され、次に、ハウジング100に取り付けられてもよい。例えば、先端部110は、先端部110およびハウジング100の遠位の端部104の材料に応じて、ハウジング100の遠位の端部104に成形されてよく、遠位の端部104に機械的に取り付けられてよく、または、接着剤または任意のその他の適切な方法を用いて遠位の端部104に取り付けられてよい。先端部110は、先端部が時間の経過と共に患者の骨の中に再吸収されるように、再吸収可能な材料で作られていてよい。生体吸収性の材料には、体内で分解されて消滅する任意の適切な材料などがある。ある実施の形態では、再吸収性の材料は、ポリ乳酸であるが、その他の再吸収性材料が用いられてもよく、例えば、ポリグリコール酸、カプロラクトン(caproactone)、エチレンオキシドポリマー(ethylene oxide polymers)、および、それらの類似物などが用いられてよい。いくつかの実施の形態では、先端部は、ポリプロピレンのような生分解性材料で作られていてよい。生分解性材料には、体内で分解し、別の材料として残る任意の適切な材料が含まれる。
【0078】
ハウジング100は、外側面116を有する。ねじ山118が外側面116に設けられていて、ハウジングの本体の実質的に全長に亘って延在している。ねじ山118は、植え込み可能なマーカが植え込まれたときに所定の位置にしっかりと保持されるように、使用時に周囲の骨と相互作用して、骨の材料内に植え込み可能なマーカを繋留する。
【0079】
ある実施の形態では、ねじ山の輪郭は、過度に鋭くないようおよび過度に鈍くないように、選択されている。ねじ山の輪郭が過度に鋭いと、骨への良好な切り込み動作が提供されるが、骨がねじ山から再吸収するようにされ、それによって、インプラントの骨の中での保持力を低下させる。より鈍いねじ山の輪郭は、より鋭い形状のようには良好な切り込み動作を提供しないが、周囲の骨がより丸いねじ山から後退する傾向が少ないので、インプラントの骨の中でのより良好な保持が提供される。ハウジング100の長さ方向の軸に沿った断面を示す図2Bおよび図2Cに最良に示されているように、ねじ山の断面形状すなわち輪郭は、丸いまたは平らな頂点を有し、ほぼ丸みを帯びた不等辺四角形(台形)(trapezoidal)の断面を有するとみなすことができる。ある実施の形態では、ねじ山が本体と接合する箇所での曲率半径は、ほぼ100μm程度であってよい。ある実施の形態では、ねじ山の輪郭は、本体の全長に沿って変化していてよい。そのねじ山は、良好な初期の切り込み動作を提供するために、ハウジングの遠位の端部に向けてより鋭い輪郭を有していてよい。そのねじ山の輪郭は、より良好な繋留機構を提供するために、ハウジングの近位の端部に向かって、より丸みを帯びたより平らな輪郭を有していてよい。ねじ山の輪郭は、植え込み可能なマーカの良好な切り込み動作と、良好な繋留および保持と、の要求の均衡を保つために、ハウジングの長さ方向の軸に沿って連続的に変化してよく、または、それに代わって、不連続的に変化して、複数の異なるねじ山の輪郭が設けられていてもよい。
【0080】
ハウジング100は、さまざまな材料で作られていてよく、さまざまな方法で組み立てられてよい。ある実施の形態では、ハウジングは、X線不透過性材料で作られていて、植え込み可能なマーカがX線画像中で容易に特定できるようにされている。ハウジングの材料が、CTおよび/またはMRI走査画像中で容易に可視化できることも好ましい。ハウジングは、セラミック材料、例えば、ジルコニウム、アルミナ、または、石英(quartz)、で作られていてよい。ハウジングは、金属、例えば、チタン、および、その他の生体適合性金属、で作られていてよい。ハウジングは、合金、例えば、Ti6Al4Vで作られていてよい。ハウジングは、プラスチック材料、例えば、エポキシ樹脂、PEEK、ポリウレタン、および、それらの類似物、で作られていてよい。さらに、ハウジングは、上記の材料の組み合わせで作られていてよく、ハウジングは、少なくとも上記の材料から選択された異なる種類の材料で作られたコンポーネント部品で作られていてもよい。コンポーネント部品は、ろう付け、溶接、または、適切なにかわまたは接着剤の使用、などの任意の適切な方法を用いて、一体に接合されてよい。
【0081】
ある好ましい組み立てでは、ハウジングは3つの要素から組み立てられていて、その3つの要素では、遠位の端部104はチタン製キャップの形態であり、本体102の部分はチタン製のカラーの形態であり、近位の端部106はセラミック製の端部キャップの形態である。チタン製のカラーは、ろう付けによってセラミック製の近位の端部106部分に接合され、カプセル封入されたマーカが本体内に導入され、最後に、遠位の端部のキャップがマーカの端部を覆って組み立てられてチタン製のカラーにレーザー溶接される。マーカは、ハウジングの近位の端部に向かうRF電力アンテナ、および、ハウジングの遠位の端部に向かうセンサーコイル、と共に配置される。
【0082】
ある別の実施の形態では、ハウジングは、2つのセラミック製の部品から作られていて、その場合、2つの部品は、ハウジングの長さ方向の軸に沿って延在する接合部に沿って一体にレーザー溶接される。別の実施の形態では、ハウジングは、例えば、プラスチック材料をマーカの周りに成形することによって、カプセル封入されたマーカの周りにハウジングを成形することによって提供されてよい。成形型の内部形状は、ハウジングの外側形状を画定するのに用いられてよい。それに代わって、ハウジングの外側形状は、マーカの周りに成形された材料を続いて機械加工することによって画定されてもよい。
【0083】
ハウジング100は、マーカを完全に取り囲み、カプセル封入されたマーカをさらに密封する。少量の、例えば、約1mm3 の空気が、自由空間として、密封されたハウジング内に設けられていることが好ましく、温度の変化に起因する膨張を許容するようにされている。少量の、例えば、1mm3 の吸湿性の材料がハウジングの内部の大気から湿気を吸収するために含まれていることもまた、好ましい。適切な材料には、MgSおよびシリカゲル、などがある。
【0084】
ある実施の形態では、マーカは、約4.5mm(ねじ山とねじ山との間)の直径を有し、カラーは、約3.6mm(外側面と外側面との間)の外径を有している。カラーの内径は、約3mmであり、カラーの壁は、約0.3mmである。ハウジングの内部は、約10mmの長さであり、ハウジングの全長(どのような突出部110も含まない)は約14mmである。
【0085】
図2Aから図2Eに示された実施の形態では、ねじ山118は、骨アンカーを提供する。骨アンカーは、別の機構によって提供されてもよい。骨アンカーは、ハウジングの表面の別の構造によって提供されてもよい。骨アンカーは、ハウジングの表面および/またはハウジングの任意の構造の表面によって、ハウジングの外側面および/または構造への骨の表面成長(on growth)を促進するようにハウジングの表面を適切に処理または別の方法で形を与えることで、提供されてもよい。骨アンカーの構造の例には、ねじ山、とげ、リッジ、リブ、および、ハウジングの外側面に設けられるその他の大規模な構造、などがある。
【0086】
別の実施の形態では、粗い外側面が骨アンカーを提供し、粗い外側面は、モールド成形されたハウジングの外側面が粗面化されるように、粗面化された内側面を備えた成形型を用いることによって実現されてよい。別の実施の形態では、ハウジングの表面仕上げが用いられて、例えば、チタンを用いて表面を吹付けて約12μmの粗さを提供することによって、骨アンカーを提供する。ハウジングの表面を吹付けるのに用いられる材料は、さまざまなものであってよく、典型的には、ハウジングを作るのに用いられた材料と同じ材料である。例えば、セラミック製のハウジングは、増強された粗さを提供して骨の表面成長を促進またはその他の方法で助長するために、セラミック材料を吹付けられてよい。
【0087】
ある別の実施の形態では、ハウジングの表面は、小さなボールまたは粒子の材料をハウジングの外側面に焼結することによって、骨の表面成長を促進するために処理されていてよい。例えば、約250μmの直径の金属粒子のボールが、ハウジングの外側面に焼結されてよい。そのような表面コーティングは、英国、リーズ(Leeds, the United Kingdom)所在のデピュイ・インターナショナル・リミテッド(DePuy International Limited)によって商標名ポロコート(Porocoat)として提供されている。別の実施の形態では、メッシュが、骨の表面成長を促進するために、ハウジングの外側面に設けられていてよい。別の実施の形態では、ヒドロキシアパタイトコーティングが、ハウジングの外側面に設けられていてよい。その他の形態のコーティングが、骨の表面成長を促進または別の方法で助長するために、設けられていてもよい。
【0088】
図9を参照すると、植え込み可能なマーカ130の別の実施の形態の概略的な断面図が示されている。この別の実施の形態では、植え込み可能なマーカは、カプセル封入されたマーカ70と、ハウジング132と、を含んでいる。カプセル封入されたマーカ70は、ハウジング132の本体部分136によって画定されたキャビティ134内に保持されている。ハウジング132の遠位の端部138は、軟組織を切断して通過し骨の中に穿通するように十分に鋭利な自動切り込みの骨を穿通する先端部の形態で提供されている。自動切り込みの先端部138は、トロカールの形状、または、骨を穿通できるその他の鋭利な形状、の形態であってよい。
【0089】
カプセル封入されたマーカは、この実施の形態では、全体が囲まれているのではなく、電力コイルおよびアンテナを含むマーカの一部が露出されている。マーカのセンサーコイル部分は、ハウジングのキャビティ内に配置されている。このようにして、植え込み可能なマーカが骨内に植え込まれると、センサーコイル72は、骨の中に配置され、骨によって取り囲まれて、センサーコイルによって示される位置が骨の表面に隣接する骨内の位置に対応するようになる。
【0090】
植え込み可能なマーカ130は、ハウジング132の外周に沿って配置された複数のとげ140の形態の骨アンカーを有する。各とげは、ピボット144によってハウジングの本体に取り付けられた硬い部材142の形態である。ピボット144は、部材142を図9に示されたしまい込まれた状態から破線146によって示された配備された状態に向けて付勢する、ばね、または、その他の弾力的な付勢手段、を含んでいる。配備された状態では、部材142は、ハウジングが骨の外に移動するのを防いで植え込み可能なマーカを骨の中に保持するとげとして役立つ。骨アンカー140は、その他の形態で提供されてもよい。例えば、骨アンカーは、とげとして役立つように、配備された状態に向けて付勢される板ばねの形態で、ハウジング132の連続した部品として提供されてよい。それに代わって、骨アンカーは、半永久的に「配備された」状態で、しまい込まれた状態を有しない、ハウジング132の外側面に設けられた歯、鋸歯状(serration)、または、その他のとげのある構造の形態であってよい。
【0091】
植え込み可能なマーカ130は、以下により詳しく記載されるように、「押し込み式(push fit)」導入方法で用いるのに特に適している。
【0092】
図10を参照すると、植え込み可能なマーカ150の別の実施の形態が示されている。植え込み可能なマーカ150は、図2Aから図2Eに示されたものと類似しているが、遠位の端部152がセルフタッピングねじ山156が付いた先端部154を備えている、ハウジングを有している。セルフタッピングねじ山156は、この実施の形態の植え込み可能なマーカを、以下により詳しく記載されるように、セルフタッピング植え込み方法で用いることができるようにしている。
【0093】
第1の実施の形態の植え込み可能なマーカを経皮的に植え込むのに使用するために特に適した器具のセットが、次に、図3から図6を参照して、より詳しく記載される。
【0094】
図3Aは、ガイド器具160の分解斜視図を示している。ガイド器具160は、プラスチック製のハンドル162と、その長さ方向の軸に沿って延在するガイド溝166を備えた細長い円筒形の本体164と、を含んでいる。ガイド器具の本体164は、ステンレス鋼、チタン、または、その他の適切な金属もしくは合金のような、生体適合性の金属のチューブの形態をしていてよい。ガイド器具の本体164は、近位の端部168に設けられた第1の開口と、遠位の端部170に設けられた第2の開口と、を有している。遠位の端部は、直径を挟んで向かい合う様式で配列された2組の歯を有している。各組の歯またはとげは、他の組の歯に対して、逆向きの姿勢で配列されている。歯は、10kg以下の負荷の下で歯がガイドを高い信頼度で配置するように骨を穿通するように、十分に鋭利である。逆向きの歯および歯のとげ状の鋭利な形状が、ガイド器具が骨に対して回転するのを防止する。ガイド器具の本体164は、ねじ山が設けられた部分172を含んでいて、そのねじ山が設けられた部分172は、ハンドル162の内側のねじ山が設けられた部分と共に動作して、ハンドル162がガイド器具の本体164に取り付けられる。ガイド器具の本体164の外側面174は、低い摩擦係数を有して使用時にガイド器具が皮膚を穿通するのを容易にするように、よく磨かれ、または、別の方法で処理されていてよい。各歯は、約1mmの長さを有し、ガイド溝166の内径は、約3mmである。
【0095】
図4Aから図4Dを参照すると、導入用具180のさまざまな図が示されている。導入用具180は、遠位の端部184および近位の端部186を備えた、ほぼ直線状の細長い本体182を、有している。近位の端部186は、ほぼ三角形の断面形状を有していて、導入用具180にトルクまたは回転駆動力を加えるように動力用具を導入用具に取り外し可能に結合するカップリングを提供する。別のカップリング構造が、図面に例示された三角形のカップリング構造の代わりに、用いられてもよい。導入用具180の遠位の端部184は、植え込み可能なマーカ100の近位の端部106と取り外し可能に係合するためのコネクタ190を含んでいる。コネクタ190は、植え込み可能なマーカ100の正方形のコネクタ構造112と係合し嵌め合わされるように構成されたほぼ正方形の開口、を含んでいる。溝194が、導入用具の外側面に開いて設けられていて、導入用具の長さ方向の軸に沿って延在している。溝194の遠位の端部は、溝194と正方形の凹部192内に配置された開口198との間に延在するボア196と合体している。
【0096】
図5に示されているように、使用時には、糸または縫合糸が、植え込み可能なマーカの近位の端部の溝114を通され、糸200は、開口198を通してボア196を通されて、糸200の自由端が導入用具の近位の端部186から尾を引く状態で、溝194内に延在する。糸200は、以下により詳しく記載されるように、後に、植え込まれた植え込み可能なマーカを除去するのを容易にするために用いられる。糸、導入用具のコネクタ、および、植え込み可能なマーカ100、の相互作用は、図5に最良に示されている。
【0097】
図6Aから図6Eを参照すると、本発明に基づく器具のキットの部品として提供されるドリル部分のさまざまな図が示されている。ドリル204は、遠位の端部に設けられたドリル用ビット208と近位の端部に設けられたコネクタ210とを備えた、ほぼ中実の円筒形の細長い本体206を有する。カラー212は、コネクタを本体206から隔てている。ドリル用ビット208は、図6Cおよび図6Eに最良に示されているように、トロカールの形態であってよい皮膚を穿通する先端部214を有する。コネクタ210は、ほぼ三角形の断面形状を有し、ドリルにトルクまたは回転駆動力を加えるために動力用具をドリルに結合する取り外し可能なコネクタを提供する。ドリル204は、植え込まれるべき植え込み可能なマーカの特質に応じて、ガイド器具と共に用いられてよい。典型的には、ドリル204は、以下により詳しく記載されるように、植え込み可能なマーカが自動切り込み先端部を有しない場合に、用いられる。ドリル204および導入用具180は、両方とも、チタンまたはステンレス鋼のような、適切な生体適合性の材料で作られている。
【0098】
上述された器具を用いて、患者の骨の中に植え込み可能なマーカを経皮的に植え込む方法が、次に、図7Aから図7Cを参照して、記載される。図7Aから図7Cを参照すると、上述された器具と同様の器具を用いて、被験者の皮膚を通して、被験者の骨の中に植え込み可能なマーカを植え込む方法が示されている。図7Aは、例えば、皮膚222および、この実施の形態では大腿骨(femur)の一部である骨224を含む大腿部、である、被験者の体の一部220を示している。その方法の使用は、大腿骨に限定されず、その方法はどのような骨へマーカを植え込むためにも用いられる。
【0099】
最初に、ドリル204が、ドリルの少なくとも先端部214がガイド器具160の遠位の端部を越えて開口170から露出された状態で、ガイド器具160のガイド溝内に導入される。ドリルおよびガイド器具がこのように組み立てられた状態で、そのアセンブリの遠位の端部は、インプラントが植え込まれるべき部位の上の皮膚に配置され、力がアセンブリに加えられる。ドリルの先端部214が、皮膚を穿刺し、アセンブリが皮膚を通して、ドリルの先端部214およびガイド器具の歯が骨224と係合するまで、押される。ドリル204は、ガイド溝166内を摺動でき、したがって、ドリルの先端部214および歯の両方が、骨224の外側面と係合する状態にされる。ガイド器具のハンドル162にさらに力が加えられて、歯が骨の中に穿通するようにされ、それによって、ガイド器具が所定の位置に高い信頼性で保持され、ガイド器具の回転が防止される。
【0100】
次に、動力用具が、ドリルのコネクタ210に取り付けられて、回転運動が加えられ、ドリルが骨224内に打ち込まれて、最初の穴226が骨224にあけられる。図7Aは、骨に穴226をあけるために回転させられているドリル204を示している。
【0101】
次に、ドリル204が、ガイド器具160のガイド溝166から引き抜かれる。植え込み可能なマーカが、糸200がボア196を通って溝194内に配置された状態で、導入用具180の端部に結合される。次に、図7Bに示されているように、導入用具および植え込み可能なマーカのアセンブリが、ガイド溝内に導入され、骨224の穴226に向けて動かされる。したがって、植え込み可能なマーカ100が、植え込まれるために、皮膚222を通過させられる。インプラントの先端部110は、植え込み可能なマーカを穴226内に自動的に配置し穴の中心に位置決めするのを補助する。動力用具または手動用具が、次に、導入用具の近位の端部186に設けられたコネクタに結合され、植え込み可能なマーカ100を骨224内に打ち込むように、導入用具が回転させられ、それによって、植え込み可能なマーカ100が骨224内に打ち込まれる。
【0102】
ねじ山118が、植え込み可能なマーカを骨内に繋留し、導入用具がガイド溝から引き抜かれ、植え込まれたマーカと導入用具のコネクタとが、切り離されて、導入用具が取り除かれるにつれて、糸200が、たぐり出される。ガイド器具160は、次に、図7Cに示されているように引き抜かれ、植え込み可能なマーカが骨224に植え込まれた状態で残され、さらに、糸200も植え込み可能なマーカの一方の端部に取り付けられ、自由端が皮膚222の上に配置された状態で残される。導入用具およびガイド器具の両方が、同時に引き抜かれてもよいことが、適正に理解されるはずである。ガイド器具は、インプラントが皮膚を通して骨の中に導入される間にインプラントを保護するのを補助する。
【0103】
図7Cに示されているように、植え込み可能なマーカが植え込まれたとき、マーカは、例えば、支持構造の上で、骨から盛り上がって直立しているのではなく、周囲の骨224の中に配置されている。したがって、植え込み可能なマーカ内のマーカの位置は、骨の位置をより正確に反映している。さらに、マーカが効率よく被験者の皮膚を通して注入されるので、マーカを骨に取り付けるための補助的な切開を必要とせず、したがって、外傷が低減される。一回の簡単な処置のみがマーカを植え込むために用いられることを必要とし、その処置は、外科的な介入に比べて、より簡単である。したがって、マーカを植え込むためのこの経皮的なアプローチに関連するさまざまな利点がある。
【0104】
マーカはそれ自体が密封されていて、ハウジングはさらに密封されているので、マーカは、患者の体内に、かなり長い期間、例えば、25年の間、残される。したがって、本発明のマーカは、患者の骨の長期間に亘るふるまいを監視するのにとりわけ適している。
【0105】
植え込み可能なマーカを除去するために、糸200の自由端が、導入用具のボア196を通され、コネクタ190が植え込み可能なマーカ100のコネクタ112と係合するまで、導入用具が皮膚222を通して押されるときに、導入用具の遠位の端部を誘導するために用いられる。糸200は、張力を加えられた状態に保持され、導入用具が回転させられて、植え込み可能なマーカ100をねじってゆるめることによって、植え込み可能なマーカ100を骨から引き抜く。導入用具および植え込み可能なマーカは、植え込み可能なマーカが骨から離れるまで、植え込み可能なマーカが骨から解除されるときに徐々に引き抜かれ、マーカが骨から離れると、導入用具および植え込み可能なマーカのアセンブリは、皮膚を通して引き抜かれる。したがって、糸が導入用具と共に動作して、植え込み可能なマーカの位置を再びつきとめ(relocating)植え込み可能なマーカを骨から解除するための信頼性の高い機構を提供する。
【0106】
僅かに異なる植え込み方法が、図9および図10に示された植え込み可能なマーカに対して用いられる。
【0107】
植え込み可能なマーカ130は、骨に直接導入され、事前に穿孔された穴を必要としない。したがって、ドリル204は必要ではなく、導入用具180は、植え込み可能なマーカ130の近位の部分と取り外し可能に係合するコネクタを含むように適合されている。例えば、適切な取り外し可能な係合機構は、バイオネットタイプ(bayonet type)の嵌め合いである。したがって、植え込み可能なマーカ130を患者の皮膚を通して植え込むために、植え込み可能なマーカは、導入用具の遠位の端部に結合されて、導入用具およびマーカのアセンブリは、マーカ130の先端部138がガイド器具の遠位の端部を越えて延出した状態で、ガイド器具160のガイド溝内に導入される。マーカの先端部138は、皮膚を穿刺するのに用いられ、ガイド器具、導入用具、および、マーカ、のアセンブリは、ガイド器具がガイド溝内に配置されたマーカの一部を保護している状態で、皮膚を通過させられる。ガイド器具の歯は、ガイド器具を信頼性高く配置するために骨内に向けて押され、次に、力が導入用具の近位の端部に加えられ、植え込み可能なマーカが、骨を穿通する先端部138に起因して、患者の骨に打ち込まれる。
【0108】
植え込み可能なマーカが十分な距離だけ骨の中に押されると、骨アンカー140が、外向きに押されて、周囲の骨と係合し、植え込み可能なマーカが骨の中に保持されるのを補助する。キャビティの構成、および、キャビティ内でのマーカの位置、に起因して、マーカのセンサーコイルが、骨の上側面に向けて実質的に周囲の骨の中に配置され、それによって、患者の骨の位置の正確な表示が提供される。
【0109】
次に、導入用具は、植え込み可能なマーカから切り離され、導入用具およびガイド器具は、引き抜かれて、植え込み可能なマーカが所定の位置に残される。したがって、この実施の形態では、植え込み可能なマーカは、事前に穿孔された穴を必要とせずに、骨の中に打ち込まれる自動切り込みの植え込み可能なマーカである。
【0110】
図10に示された植え込み可能なマーカ150も、事前に穿孔された穴を必要とせず、ドリル204を使用せずに植え込まれる。植え込み可能なマーカ150の植え込みは、導入用具180および植え込み可能なマーカ150のアセンブリが、植え込み可能なマーカ150の先端部がガイド器具の遠位の端部で露出された状態で、ガイド器具160内に導入されるということに関して、植え込み可能なマーカ130の植え込みと同様である。植え込み可能なマーカの先端部は、皮膚を穿刺するために用いられ、ガイド器具、植え込み可能なマーカ、および、導入用具、のアセンブリが、患者の皮膚を通して押される。次に、植え込み可能なマーカ150は、植え込み可能なマーカの骨内へのねじ込みが完了してガイド器具および導入用具が除去されたときにマーカが骨内に保持されるようになるまで、先端部のセルフタッピングねじ山を用いて、骨内にねじ込まれる。植え込み可能なマーカ150の除去は、上述された植え込み可能なマーカ100の除去と同様である。
【0111】
図8Aから図8Dを参照すると、器具と、上述されたものと同様の植え込み可能なマーカと、の集合の別の実施の形態が示されている。図8Aは、遠位の端部に設けられた皮膚を穿通する先端部254を備えたドリル用ビット252を有するドリル250を示している。ドリル本体256は、ドリル用ビット252とドリルの本体の残りの部分との間のねじ山が設けられた部分258を有する。ドリル250は、ドリルの外側部分に設けられドリルの長さ方向の軸に沿って延在する溝260をも有する。溝260は、導入用具180の溝194と同様に、糸200を受容するためのものである。コネクタ262が、ドリルの近位の端部に設けられていて、コネクタ262は、導入用具180のコネクタ186と同様のものである。そこを溝260が通過するカラー264が、コネクタとドリルの本体部分256との間に設けられている。
【0112】
図8Dを特に参照すると、ドリル250の遠位の部分およびアダプタ部分270が示されている。アダプタ270は、ドリル250の遠位の端部と取り外し可能に結合可能で、ドリル250とアダプタ270との組み合わせすなわちアセンブリが、導入用具180と同様の導入用具を提供するようになっている。アダプタの本体は、その中にキャビティ271を画定し、キャビティ271は、ドリルの遠位の端部の形状と整合し、ドリル用ビット272を受容するための部分を含み、雌ねじ274が付いた部分を有する、形状をほぼ有している。ドリル250のねじ山が設けられた部分258は、アダプタ270のねじ山が設けられた部分270と共に動作して、アダプタをドリルに結合する。アダプタ270の遠位の端部は、導入用具180の端部に設けられたものと同様のほぼ正方形の凹部192を含み、凹部192は、使用時に、ねじ山200を受容するためのボア(図示されていない)をも含む。したがって、ドリル250およびアダプタ270が結合されると、ドリルおよびアダプタのアセンブリは、図4Aから図4Dに示された導入用具180と同様の導入用具を提供する。
【0113】
図8Bを参照すると、別の実施の形態のガイド器具300が示されている。ガイド器具300は、ハンドル302が、複数の植え込み可能なマーカおよびアダプタのアセンブリ306を保持するマガジン304を受容するように構成されていること以外、ガイド器具160とほぼ同様である。
【0114】
図8Cに示されているように、植え込み可能なマーカ290およびアダプタ270のアセンブリ306は、図2Aから図2Eに示されたものと類似しているが、糸が先端部に沿って延在している。糸308は、アダプタ270の外側面に沿って巻かれていて、植え込み可能なマーカが植え込まれた後は、外側面から解かれてよい。
【0115】
マガジン304は、複数のアセンブリ306を保持し、前のアセンブリが植え込まれ終え、ドリル250が除去され終えた後に、次のアセンブリをガイド器具300のブリーチ部分310内へ進めるための駆動機構を含んでいる。ばねまたはその他の付勢手段が、アセンブリを順番にブリーチ部分310内に移動させるために、マガジン304内に設けられている。
【0116】
複数の植え込み可能なマーカを植え込むためにガイド器具300を用いる方法は、上述された方法と同様であるが、以下の点で異なっている。最初に、ドリル250が、ドリル250の先端部254がガイド器具の遠位の端部で露出された状態で、ガイド器具300のガイド溝内に配置される。ガイド器具およびドリルのアセンブリは、皮膚を通って押され、ガイド器具の歯が骨と係合する状態に押される。ドリル250は、骨に穴をあけるように動作させられ、次に、ドリルはガイド溝から引き抜かれて、第1のマーカおよびアダプタのアセンブリ306が、自動的にブリーチ部分310内に供給される。ドリル250の遠位の端部が、次に、アダプタ270の近位の端部を通してキャビティ271に導入され、ドリルがアダプタ270と係合するようにねじ込まれて、ドリル250およびアダプタ270が一体に固定される。ドリル、アダプタ、および、植え込み可能なマーカ、のアセンブリが、次に、ガイド溝に沿って並進運動させられ、次に、植え込み可能なマーカが、以前に穴あけされた穴にねじ込まれる。植え込み可能なマーカに巻かれた糸の向きは、ドリル250がアダプタ270から分離しないことを確実にするために、ドリル250のねじ山が設けられた部分258と同じ向きでなければならない。植え込み可能なマーカ290が骨内に打ち込まれ終わり、ガイドチューブの遠位の端部から外に出終わると、アダプタおよびドリルは、1つのユニットとして引き抜かれ、糸308は、アダプタ270の外側面から解かれる。
【0117】
次に、ドリルおよびアダプタ270が、ガイド器具から除去され、アダプタ270が、ドリル250の端部からねじってはずされ、廃棄される。ガイド器具は、次に、皮膚を通して引き抜かれ、または、その代わりに、ガイド器具と、ドリルおよびアダプタのアセンブリとが一体で引き抜かれる。第1のアダプタ270が不要にされ終えた後に、ドリル250がガイド器具300内に再び導入されて、次に、ガイド器具が、別の植え込み可能なマーカを植え込むために、皮膚の別の領域に導入される。手動で駆動されるボタンまたはトリガが、穴があけられ終え、ドリル250がブリーチ領域310から除去され終えた後に、別のマーカおよびアダプタのアセンブリ306をブリーチ領域310に導入するために、マガジン304を前進させるのに用いられてよい。
【0118】
図11を参照すると、本発明の態様に基づく植え込み可能なマーカを経皮的に植え込む方法320のある実施の形態を示したフロー図が示されている。図12Aから図12Dは、経皮的に植え込む方法320で用いられる器具および用具を示している。
【0119】
図12Aは、ガイドチューブの遠位の端部から延出するドリル器具の遠位の端部を詳しく示している。駆動機構360は、ドリルの近位の端部に取り付けられていて、動力駆動、例えば、電気モータ、および、使用者によって操作されるスイッチまたはボタン362、を含み、ドリルの本体に対していずれの向きにも回転運動が加えられる。
【0120】
ステップ322では、器具アセンブリ364は、使用者が器具アセンブリを矢印370で示された向きに押すことで、患者の皮膚368を通って押される。ドリル用ビットの皮膚を穿通する先端部は、皮膚の外側面を穿通し、ドリルおよびガイドチューブが患者の皮膚を通って導入されるようにする。ドリルは、ガイド溝内で、ガイドチューブに対して動くことができ、ガイドチューブは、ガイドチューブの遠位の端部が患者の骨372の外側面と係合するまで、骨に向けて押される。
【0121】
ガイドチューブの遠位の端部は、歯またはその他ののこぎり歯状の構造を帯びていてよく、歯またはのこぎり歯状の構造は、ガイドチューブを高い信頼性で配置するよう、および、ガイドチューブの回転を防ぐよう、骨内に押されてよい。
【0122】
次に、ステップ324では、図12Bに示されているように、スイッチ362を操作する使用者によって、穴が骨372にあけられる。次に、ステップ326では、穴が骨にあけられ終えた後に、ドリルが、ドリル用ビットがガイド器具のハウジング302内に配置されるまで、ガイドチューブに沿って引き抜かれる。器具アセンブリ364のこの構成が、図12Cに示されている。図12Cは、ハウジング302およびハウジング302から延出するドリル器具の本体の拡大図を示している。ハウジング302内には、複数の植え込み可能なマーカを含むカートリッジまたはマガジンが提供されている。ある実施の形態では、ドリル器具は、ハウジング302から取り除かれ、アダプタまたはコネクタ270が、ドリル用ビットの端部を覆って取り付けられる。アダプタは、植え込み可能なマーカのハウジングのコネクタと取り外し可能に係合するための、正方形の凹部をその中に備えた端部を有している。アダプタがドリル用ビットを覆って取り付けられた状態で、導入用具が提供される。別の実施の形態では、別個の導入用具が提供される。さらに別の実施の形態では、植え込み可能なマーカおよび予期されるアダプタの複数のアセンブリが、ハウジング284内に提供されている。
【0123】
別個の導入用具が提供されるか、アダプタおよびドリルが導入用具を提供するか、にかかわらず、ステップ328では、導入用具/アダプタの端部が、ハウジング302内の植え込み可能なマーカの1つと係合する。図12Cは、植え込み可能なマーカが取り外し可能に遠位の端部に取り付けられた、導入用具/アダプタの遠位の端部の拡大図を示している。導入用具は、矢印370で示されているようにガイド器具のガイド溝に沿って押され、植え込み可能なマーカが、使用者がボタン362を押すことで、ステップ330で、事前にあけられた穴の中に打ち込まれる。ある別の実施の形態では、植え込み可能なマーカは、事前にあけられた穴に、手動でねじ込まれてよい。図12Dは、骨372の皮質領域内に経皮的に植え込まれた植え込み可能なマーカ200を示している。
【0124】
ステップ332では、器具アセンブリは、患者の皮膚から引き抜かれる。ステップ334では、使用者は、次に、必要な場合には、線336で示されているように、同様の方法で、別の植え込み可能なマーカを経皮的に植え込むことができる。例えば、第1の植え込み可能なマーカは、脛骨に植え込まれ、第2の植え込み可能なマーカは、大腿骨に植え込まれて、脛骨および大腿骨の位置が、コンピュータ支援の外科手術の間、追跡されるようになっていてよい。ステップ334で、患者の骨に別のマーカを植え込む必要がないと判定されると、その場合には、方法はステップ338で終了する。
【0125】
図13を参照すると、患者の皮膚368を通して、患者の骨372から植え込まれた植え込み可能なマーカを除去する方法を詳細に示したフロー図が示されている。その方法の過程が図14Aから図14Dに示されている。図14Aに示されているように、植え込み可能なマーカは、植え込み可能なマーカのハウジングの近位の端部の溝114を通る、ある長さの縫合糸を含んでいてよい。そのある長さの縫合糸は、植え込み器具が皮膚の表面を穿刺した箇所の皮膚を閉じるために用いられてよい。したがって、患者の皮膚368の数針の縫い目374は、骨372内の植え込み可能なマーカ100の位置をほぼ示している。
【0126】
方法340は、ステップ342で始まり、最初に、方法の使用者は、ステップ344で、植え込み可能な骨マーカのおよその位置をつきとめる。数針の縫い目374は、解かれて、縫合糸200の端部が得られる。
【0127】
導入用具、または、導入用具を提供するためにアダプタが付いたドリル、が用いられる。図14Cは、導入用具、または、アダプタが付いたドリル、の端部376を示している。ステップ346で、縫合糸200の自由端が、開口198を通されて、溝194内に入れられる。
【0128】
ステップ346で、縫合糸200が導入用具の端部と係合し終えた後、次にステップ348で、導入用具のアセンブリが、導入用具のアセンブリを植え込み可能なマーカ100の近位の端部のコネクタ114へ向けて誘導するように縫合糸200の自由端に張力を加えながら、患者の皮膚を通って押される。ステップ350では、導入用具の遠位の端部が植え込み可能なマーカに取り付けられ、スイッチ362が、植え込み可能なマーカを骨372からねじってはずすように、操作されてよい。縫合糸200は、植え込み可能なマーカを導入用具の遠位の端部に結合された状態に保つように、張力が加えられたまま保持される。ある別の実施の形態では、植え込み可能なマーカは、ガイドチューブ164を通して導入された用具を用いて手動で除去されてよい。ステップ352では、植え込み可能なマーカが骨372からねじってはずされ終えた後、器具アセンブリおよび植え込み可能なマーカが、患者の皮膚368を通って引き抜かれる。
【0129】
使用者は、次に、ステップ354で、除去されるべき別の植え込み可能なマーカがあるかどうかを判定してよく、もしある場合には、別の植え込み可能なマーカが、線356で示されているように、同じ方法を用いて、除去されてよい。全ての植え込み可能なマーカが経皮的に除去され終えていると判定されると、次にステップ358で、除去方法340が終了する。
【0130】
上述された植え込み可能なマーカは、追跡システムによって追跡可能であり、したがって、植え込み可能なマーカが患者の骨に経皮的に植え込まれた後は、患者の骨の位置は、コンピュータ支援の外科手術の間、追跡され表示される。マーカを植え込むために、侵襲的な手術過程は必要なく、したがって、植え込み可能なマーカは外科手術の前に植え込むことができ、そのため、臨床的なすなわち外来患者に対する処置として実行できる、ことが適正に理解されるであろう。例えば、植え込み可能なマーカは、外科手術の数日または数週間前に、患者の骨に経皮的に植え込むことができる。
【0131】
図15は、別の実施の形態の植え込み可能なマーカのマーカ部分380を示している。マーカ380は、マーカ70と同様であり、センサーコイル72、回路78、アンテナ76、および、RF電力コイル74、を含んでいる。しかし、マーカ380は、マーカが植え込まれた周囲の領域または面積の性質を検出するためのトランスデューサ382または他のセンサーをも含んでいる。トランスデューサまたはセンサー382は、体の局所的な性質を表す電気信号を生み出し、その電気信号は、アンテナ76を用いて追跡システムに送り返されるために、回路78によって処理される。別の実施の形態では、トランスデューサからの信号は、有線システム、例えば、電気的導体、または、光ファイバーケーブルのような光学的導体、を用いて、追跡システムに送り返されてよい。
【0132】
トランスデューサまたはセンサー382は、測定されるべき性質に応じて、さまざまな種類であってよい。例えば、本体のトランスデューサ380は、局所的な応力の測定値を提供する圧力トランスデューサ、局所的な温度の測定値を提供する温度センサー、生物学的な活性(例えば、骨芽細胞の活性)の表示を提供する生物学的活性センサー、または、局所的な化学的性質(例えば、pH)の表示を提供する化学的センサー、であってよい。異なる種類の性質に対する別の種類のセンサーも、もちろん用いられてよい。
【0133】
マーカ380は、カプセル封入材料および/またはハウジングによって、全体がカプセル封入されていてよく、または、センサー、または、トランスデューサの検出部分が、測定が意図されている体の局所的な領域にアクセスできるようにするために、開口が適切な位置でカプセル封入材料および/またはハウジングに設けられていてもよい。
【0134】
図16は、ドライブコネクタ392の別の実施の形態を示す、別の植え込み可能なマーカ390の端部の概略図をより詳細に示していて、そのドライブコネクタ392によって、導入用具394は、マーカを骨内に打ち込むようにトルクを加えるために、マーカと取り外し可能に係合される。
【0135】
導入用具394の遠位の端部396と植え込み可能なマーカ390との連結は、導入用具および植え込み可能なマーカの嵌め合い端部の整合する蝶形の構造に基づいている。マーカのコネクタ構造392は、マーカの端部の、直径の両側のほぼV形の第1および第2のノッチまたは凹部398,400を含む。凹部398,400の全体的な形状は、円の一部または環の一部である。さらに、この実施の形態のマーカでは、ボア402が、マーカの長さ方向の中心軸に少なくとも部分的に沿って、延在し、マーカに取り付けられた縫合糸を受け入れ、その縫合糸によって、マーカは上述されたのと同様の方式で、抽出される。導入用具は、凹部398,400と整合し凹部398,400と係合する形状の、第1および第2の突起404、または、その他の延在する要素、を含んでいて、使用時に、導入用具からの駆動力をマーカに伝えるようになっている。この導入用具は、導入用具の長さ方向の中心軸に沿って延在するボアまたは溝を有していて、そのボアまたは溝内には、マーカに取り付けられた縫合糸が、上述されたのと同様の方式で、使用中に受容される。
【0136】
この駆動連結は、複数の有益な特性を有する。駆動連結は、限られた空間内でトルクを効率よく伝達できるようにする。駆動連結は、縫合糸、または、それに代わって、電気信号を通すためのワイヤ、を、理想的に中央に配置されるようにする。駆動連結は、マーカを面一で骨内にねじ込めるようにし、所定の位置へ配置された後に「ヘッド」が骨の表面から突出することがないようにする。駆動連結は、できるだけ広い表面に亘る機械的な固定を提供する。駆動連結は製造が容易である。
【0137】
駆動面がねじに対して半径方向に配置されているので、トルクは接線方向で伝達され、その伝達が最も効率がよい。また、力がねじ山の外側リッジで伝達され、これも、伝達されるトルクが力(F)と回転の中心からの半径方向の距離(d)との積なので、トルク伝達の効率を高める。このことから、所定のトルクに対して、Fができるだけ小さくなるということになり、このことは、駆動コネクタおよびマーカの強度の観点から有益である。さらに、駆動コネクタでのねじの周縁のほぼ半分が、ねじ山408の形態を維持し、それによって、この領域の機械的な固定が改善される。さらに、凹部398,400への骨の内殖(ingrowth)が回転を防止するのを補助する可能性があり、それによって、固定動作が提供される。さらに再び、コネクタの構造は、マーカの端部の中心領域と干渉せず、ボア402を、縫合糸、電気ワイヤ、カニューレ導入、または、その他の特徴部、のために、容易に一体化できるようにしている。
【0138】
誤差の変動を許容するために、表面にある程度の湾曲が与えられてよい。使用中に、駆動器具394にマーカを保持するのを補助して、操作の容易さ、例えば、片手での操作、を可能にするために、ばね駆動要素404が導入用具に設けられてよい。
【0139】
図17Aは、別の実施の形態のガイド器具410を示している。ガイド器具410は、ガイド器具410が複数の植え込み可能なマーカを保持できるよう構成されたマガジン414を含むこと以外は、ガイド器具160,300とほぼ同様である。図17Bは、ガイド器具410のマガジン部分414を通る概略的な断面図である。図17Cは、ガイド器具と共に使用できる、マーカ416、プレドリル(pre-drill)418、および、アダプタ420の部分、の概略図を示している。
【0140】
図17Aおよび図17Bに示された実施の形態では、ガイド器具のマガジンすなわちカートリッジ部414は、ほぼ円形のハウジング424内に回転可能に取り付けられたドラム422を含んでいる。ドラム422は、その中に複数のボアすなわち溝426を含み、溝426は、ドラム422のエッジに向けて円周に沿って配置されている。カートリッジの蓋または閉鎖部材430は、ドラムを回転させて次のボア426がガイド器具のガイドチューブ164の長さ方向の軸と整合するように、回転機構(図示されていない)を動作させるように、使用者によって駆動されるボタンまたはスイッチ428、を含んでいる。蓋430は、蓋の開口と整合したチューブ432を含み、蓋の開口はガイドチューブ164の長さ方向の軸にも整合している。使用時には、チューブ432は、導入用具434の遠位の端部を受容してよい。導入用具434の遠位の端部は、アダプタ420を含むコネクタを含み、アダプタ420は、マーカ416およびドリル用ビット418の整合するコネクタ構造と連結される。
【0141】
この実施の形態のガイド器具の使用は、上述されたものと同様である。最初に、導入用具434が、ドリル用ビット418に係合され、ドリル用ビット418は転子先端部(trochanter tip)を含んでいて、転子先端部はガイドチューブ164の遠位の端部から突出する。ガイドチューブは、患者の骨と係合するまで、皮膚を通って押される。次に、導入用具に取り付けられた動力ユニットが、マーカを受容するために骨に穴を事前にあけるように動作させられる。別の実施の形態では、動力ユニットは、導入用具を駆動するように動作可能なガイド器具のハウジング424の一部としてまたはハウジングの中に提供されていてよい。穴があけられ終えた後、導入用具およびドリル用ビットが、引き抜かれ、ドリル用ビット418は、図17Bに示されているように、ドラム422のボアの1つの中に保持される。導入用具が、ボアから除去され、しかし、カートリッジのハウジングから完全には除去されず、ボタン428の駆動が、ドラムを回転させ、マーカ416が提供される。次に、導入用具は、新たに提供されたボア内に導入され、マーカ416と係合し、そのマーカ416が、次に、事前にあけられた穴の中に打ち込まれる。
【0142】
いくつかの実施の形態では、1つのドリル用ビットおよび複数のマーカが、ドラム内に提供されていてよい。別の実施の形態では、複数のドリル用ビットおよび同数のマーカが、ドラム内に提供されていて、各マーカの導入に新たなドリル用ビットが用いられるようになっていてよい。ドリル用ビットおよびマーカは、ドラムのボアに交互に提供されていて、使用時には、ボタン428が駆動されると、ドリル用ビットまたはマーカが、自動的に導入シーケンスの正しいステージに提供される。
【0143】
したがって、複数の植え込み可能なコンポーネントが、滅菌状態で、ガイド器具に予め充填され、迅速に導入される。コンポーネントの汚染または損傷の可能性は、コンポーネントが使用前にカートリッジ内に配置されているので、低減される。ドリル用ビットは、使用時でないときに、カートリッジ内に保管されているので、汚染されることはない。軟組織への刺激は、ガイドチューブが穴あけおよび植え込みの間所定の位置に留まるので、最小に保たれる。マーカの植え込みは、1人の人によって実行できる。必要な時間も最小に保たれ、マーカは、局所麻酔のみを用いて、外来患者への処置として、植え込まれる。さらに、患者への手術の様子は、ほとんど不安を感じさせないものである。
【0144】
図18は、上述されたマーカの製造方法のさまざまな過程をより詳細に示すフロー図である。その方法は、4つの大まかな作業領域、すなわち、コイル製造452、電子的な製造454、カプセルまたはハウジングの製造456、および、マーカの組み立て458、を含んでいる。適正に理解されるように、異なる作業領域のいくつかの過程は、同時に実行されてもよい。
【0145】
コイル製造452は、大まかに言って、ステップ460で、フェライトコア、ワイヤ、および、コイルの巻き付け、を必要とする。フェライトコアがステップ462で供給され、適切なワイヤがステップ464で供給され、ステップ466では、マーカに必要な、センサーコイル、RF電力コイル、および、その他のコイル、が巻き付け機械を用いて組み立てられる。次に、ステップ468で、コイルが、電子的な製造プロセス454に供給される前に、検査される。
【0146】
電子的な製造プロセス454は、大まかに言って、マーカのマイクロ電子システムの製造470に関連している。特定用途向け集積回路(ASIC)が、能動的な電子的コンポーネントの供給474と同様に、ステップ472で供給される。プリント回路基板(PCB)用の基板も、ステップ476で供給され、ステップ478では、コイル、コンポーネント、および、ASIC、がPCBに取り付けられ接続される。次に、ステップ480で、PCBのアセンブリが、折り曲げられ、エポキシ内にカプセル封入される。ステップ482では、電子的コンポーネントが検査され、電子的なアセンブリが最終の組み立てプロセス458へ送られる。
【0147】
カプセルまたはハウジングの製造プロセス456は、ステップ484でのチタン製のカラー102の供給、および、ステップ486でのセラミック製のカップ106の供給、または、それに代わって、ステップ488でのセラミック製のハウジング/カプセルの供給、を含む。ステップ490では、チタン製のカラー、および、セラミック製のカップまたはカプセル、が一体にろう付けされ、ステップ492では、接合が漏れ検査される。チタン製のキャップまたは突出部104が、ハウジングを完成させるために、ステップ494で、さらに提供される。
【0148】
電子的なコンポーネント、および、ハウジング部分、が、次に、組み立てプロセス458に供給されて、ステップ496で、電子的なコンポーネントがハウジングの中に配置され、ステップ498で、チタン製の突出部キャップがハウジングにレーザー溶接されて、ハウジングを密封する。ステップ500では、組み立てられたマーカが、ヘリウムを用いて漏れ検査され、漏れ検査に合格すると、次に、ステップ502で、電子的なコンポーネントの最終検査が行われ、マーカが較正されて、較正データおよびマーカIDデータが、電子的なコンポーネントに書き込まれて記憶される。マーカの較正には、大まかに言って、既知の磁界部分の中でセンサーコイルを較正して、マーカが報告することになる位置および姿勢を較正することが、含まれている。マーカが、複数のマーカのカートリッジの部品として提供されるものである場合には、カートリッジがステップ504で供給され、マーカが、必要な任意のドリル用ビットと共にカートリッジ内に導入される。組み立てられたカートリッジは、次に、滅菌設備に送られ、その滅菌設備では、マーカおよびカートリッジが、ステップ508で、滅菌される。そのアセンブリは、次に、保管され、または、使用者に供給される。
【0149】
適正に理解されるように、植え込み可能なマーカ、器具、および、植え込み方法、は、小型のマーカが患者の骨の中に正確にかつ高い信頼性で配置されるようにし、骨のふるまいが、追跡システムを用いて、監視されるようになる。マーカが、事前の外科的な介入を必要とせずに、皮膚を通して植え込まれるので、本発明の植え込み方法に伴う外傷が最小化される。さらに、マーカは、その位置が追跡されるべき骨により近接し、かつ密着して配置され、したがって、マーカから得られる位置データの精度が高められる。
【0150】
一旦植え込まれると、本発明の植え込み可能なマーカは、多年に亘って患者の体内に留まることができ、その故に、マーカの位置が、膝関節、股関節、肩関節、脊椎、または、その他の人工器官、の植え込みのような、関節手術または整形外科的な植え込み手術の後の、患者の骨、例えば、四肢の動きを監視するために、かなりの長期間に亘って、繰り返し測定できる。
【0151】
さらに、本発明の植え込み可能なマーカは、後の走査または外科手術に先立って、外来患者に対する処置の間に、注入によって、効率よく植え込むことができる。次に、植え込まれたマーカは、走査によってまたは外科手術の間に検出され、骨の位置が追跡され、コンピュータ支援の、または画像誘導の外科手術の間に使用される。
【0152】
上述されたマーカのさまざまな実施の形態の多数の特徴部が、変更されてよく、および、さまざまな実施の形態に関連して記載されたさまざまな特徴部が、実施の形態の間で適合され交換されてよく、さらに別のやりかたで組み合わされてよく、したがって、本発明が、記載された具体的な実施の形態にのみ限定されるとみなされるべきでないことが、適正に理解されるであろう。
【0153】
文脈が、そうでないことを必要としていない限り、方法のさまざまなステップが、実質的に同時に実行されてよく、さまざまなステップは、単に、方法の記載を明瞭にするために、これまでの記載では分離されたステップとして記載されたことも、適正に理解されるであろう。
【0154】
〔実施の態様〕
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)骨の中に経皮的に植え込むための植え込み可能なマーカにおいて、
前記植え込み可能なマーカが、
内部キャビティを備えたハウジングであって、前記ハウジングが外側面を有し、前記外側面が、前記植え込み可能なマーカを前記骨の中に保持するために植え込まれたときに周囲の骨と少なくとも部分的に係合する骨アンカーを提供する、ハウジングと、
前記キャビティ内に保持されたマーカであって、前記マーカが追跡システムによって検出可能である、マーカと、
を具備する、植え込み可能なマーカ。
(2)実施態様(1)に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記マーカおよび前記キャビティは、前記マーカの少なくとも一部が使用時に前記骨の中に配置されるように、構成されている、植え込み可能なマーカ。
(3)実施態様(1)または(2)に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記マーカは、密封されている、植え込み可能なマーカ。
(4)実施態様(1)〜(3)のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記骨アンカーは、保持構造の形態である、植え込み可能なマーカ。
(5)実施態様(1)〜(4)のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記骨アンカーは、骨の表面成長を助長するように構成された表面によって、提供されている、植え込み可能なマーカ。
(6)実施態様(1)〜(5)のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記マーカは、前記ハウジングによって取り囲まれている、植え込み可能なマーカ。
(7)実施態様(1)〜(6)のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記マーカは、無線式で検出可能である、植え込み可能なマーカ。
(8)実施態様(7)に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記マーカは、電磁スペクトルの無線周波数部の範囲内の電磁放射を用いて無線式で検出可能である、植え込み可能なマーカ。
(9)実施態様(4)に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記保持構造は、少なくとも第1のとげを含む、植え込み可能なマーカ。
(10)実施態様(4)に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記保持構造は、ねじ山を含む、植え込み可能なマーカ。
【0155】
(11)実施態様(1)〜(10)のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記ハウジングは、先細りの導入端部を有する、植え込み可能なマーカ。
(12)実施態様(11)に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記導入端部は、前記植え込み可能なマーカに力が加えられたときに前記植え込み可能なマーカが骨の中に押し込まれるように、骨を穿通する、植え込み可能なマーカ。
(13)実施態様(11)に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記導入端部は、セルフタッピングねじ山を含む、植え込み可能なマーカ。
(14)実施態様(11)〜(13)のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記導入端部は、トロカール先端部を含む、植え込み可能なマーカ。
(15)実施態様(1)〜(14)のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記ハウジングは、導入用具に取り外し可能に係合するためのコネクタを含む、植え込み可能なマーカ。
(16)実施態様(13)に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記コネクタは、導入用具に結合されたとき、前記植え込み可能なマーカと前記導入用具とが相対的に回転するのを防止するように、構成されている、植え込み可能なマーカ。
(17)実施態様(10)に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記ねじ山の少なくとも第1の部分が、前記植え込み可能なマーカを前記骨の中に保持するのを増強するための断面形状を有する、植え込み可能なマーカ。
(18)実施態様(17)に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記ねじ山の少なくとも第2の部分が、前記骨への切り込みを増強するための断面形状を有する、植え込み可能なマーカ。
(19)実施態様(18)に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記ねじ山の前記第2の部分の前記断面形状は、前記ねじ山の前記第1の部分の前記断面形状に比べてより鋭い輪郭を有する、植え込み可能なマーカ。
(20)実施態様(17)〜(19)のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記ねじ山の前記第1の部分は、丸みを帯びた不等辺四角形の形状にある断面形状を有する、植え込み可能なマーカ。
【0156】
(21)骨の中に植え込み可能なマーカを経皮的に植え込むためのキットにおいて、
前記キットが、
ガイド器具であって、該ガイド器具の長さ方向の軸に少なくとも部分的に沿って延在し、中に植え込み可能なマーカを受容するためのガイド溝を有する、ガイド器具と、
前記ガイド器具の前記溝内に受容可能で、前記長さ方向の軸に少なくとも部分的に沿って並進運動可能な、導入用具であって、前記導入用具が、植え込み可能なマーカと取り外し可能に係合するための遠位の端部を備えた、導入用具と、
前記ガイド溝内に受容可能で、植え込み可能なマーカであって、前記植え込み可能なマーカが、キャビティを画定するハウジング、および、追跡システムによって検出可能な、前記キャビティ内のマーカを備えた、植え込み可能なマーカと、
を具備し、
前記導入用具が、前記植え込み可能なマーカを前記骨の中に打ち込むように動作可能である、
キット。
(22)実施態様(21)に記載のキットにおいて、
前記導入用具が、細長い本体を有し、
前記細長い本体が、前記植え込み可能なマーカに取り付けられた糸を受容するための、前記細長い本体の長さ方向の軸に少なくとも部分的に沿って延在する溝を含む、
キット。
(23)実施態様(22)に記載のキットにおいて、
前記導入用具が、前記糸を中に通して受容するための開口を有する、キット。
(24)実施態様(21)に記載のキットにおいて、
前記植え込み可能なマーカが、骨を穿通する先端部が付いた遠位の端部を有する、キット。
(25)実施態様(21)に記載のキットにおいて、
前記ガイド器具の遠位の端部が、骨を穿通する複数の歯を含んだ骨に係合する構造を有し、前記複数の歯のうちの少なくとも第1および第2の歯が向かい合わせに配置されている、キット。
(26)実施態様(21)に記載のキットにおいて、
前記ガイド器具が、複数の植え込み可能なマーカを収容するためのマガジンを含む、キット。
(27)実施態様(26)に記載のキットにおいて、
前記マガジンが、現在植え込まれている植え込み可能なマーカが植え込まれ終えた後に自動的に別の植え込み可能なマーカを前記ガイド溝内に導入するように構成された供給機構を含む、キット。
(28)実施態様(21)〜(27)のいずれかに記載のキットにおいて、
前記ガイド溝内に受容可能で、前記ガイド溝に少なくとも部分的に沿って並進運動可能なドリルであって、前記ドリルが、前記骨に穴を形成するための、遠位の端部に設けられたドリル用ビットを有する、ドリル、
をさらに具備する、キット。
(29)実施態様(21)〜(28)のいずれかに記載のキットにおいて、
前記キットが、アセンブリに組み立てられたとき、前記アセンブリが、前記ガイド器具の遠位の端部から延びる皮膚を穿孔する先端部を含み、前記アセンブリが被験者の皮膚を穿刺できる、キット。
(30)実施態様(29)に記載のキットにおいて、
前記皮膚を穿孔する先端部が、トロカール先端部である、キット。
【0157】
(31)実施態様(29)または(30)に記載のキットにおいて、
前記植え込み可能なマーカが、前記皮膚を穿孔する先端部を有し、前記キットが前記アセンブリとして組み立てられたとき、前記植え込み可能なマーカは、前記皮膚を穿孔する先端部が前記ガイド器具の前記遠位の端部から延出する状態で、前記ガイド溝内に配置される、キット。
(32)実施態様(29)または(30)に記載のキットにおいて、
前記キットが、前記ガイド溝内に配置可能で、ドリル用ビットを備えたドリルを含み、
前記ドリル用ビットが、皮膚を穿孔する先端部を有し、前記キットが前記アセンブリとして組み立てられたときに、前記ドリルは、前記皮膚を穿孔する先端部が前記ガイド器具の前記遠位の端部から延出する状態で、前記ガイド溝内に配置される、キット。
(33)実施態様(28)に記載のキットにおいて、
前記導入用具が、前記ドリルを含み、
前記導入用具の前記遠位の端部が、前記導入用具の分離可能な部品であり、前記分離可能な部品には、前記導入用具を提供するために、少なくとも前記ドリル用ビットが取り外し可能に締結されている、
キット。
(34)追跡システムによって検出可能である植え込み可能なマーカを骨の中に経皮的に植え込む方法において、
前記方法が、
器具を用いて皮膚を穿刺し、前記器具の遠位の端部を前記骨に近接して配置する過程と、
前記植え込み可能なマーカを前記器具から前記骨へ打ち込む過程と、
前記マーカを前記骨の中に植え込まれた状態で残しながら、前記器具を引き抜く過程と、
を具備する、方法。
(35)実施態様(34)に記載の方法において、
前記植え込み可能なマーカを前記骨の中に打ち込む前記過程が、前記植え込み可能なマーカを前記骨の中に押し込むことをさらに含む、方法。
(36)実施態様(34)または(35)に記載の方法において、
前記植え込み可能なマーカを前記骨の中に打ち込む前記過程が、前記植え込み可能なマーカを前記骨の中にねじ込むことをさらに含む、方法。
(37)実施態様(34)〜(36)のいずれかに記載の方法において、
前記植え込み可能なマーカを前記骨の中に打ち込む前に、前記骨に穴をあける過程、
をさらに具備し、
前記植え込み可能なマーカが、前記穴の中に打ち込まれる、
方法。
(38)実施態様(37)に記載の方法において、
前記器具が、前記器具の長さ方向の軸に少なくとも部分的に沿って延在するガイド溝を含み、
前記穴をあける前記過程が、前記器具の前記ガイド溝に少なくとも部分的に沿ってドリルを並進運動させることを含む、
方法。
(39)実施態様(34)に記載の方法において、
前記植え込み可能なマーカが、皮膚を穿孔する先端部を有し、
前記皮膚を穿刺する前記過程が、前記皮膚を穿刺するために前記植え込み可能なマーカの前記皮膚を穿孔する先端部を用いることを含む、
方法。
(40)実施態様(34)に記載の方法において、
前記器具が、ガイド溝と、前記ガイド溝内に配置されたドリルと、を含み、
前記ドリルが、皮膚を穿孔する先端部を有し、
前記皮膚を穿刺する前記過程が、前記皮膚を穿刺するために前記ドリルの前記皮膚を穿孔する先端部先端部を用いることを含む、
方法。
【0158】
(41)実施態様(34)に記載の方法において、
前記植え込み可能なマーカが、前記植え込み可能なマーカに取り付けられた糸を有し、
前記糸が、自由端を有し、
前記方法が、前記糸の前記自由端を前記皮膚の外側に残す過程をさらに具備する、
方法。
(42)実施態様(41)に記載の方法において、
前記植え込み可能なマーカの自由端に係合させるように経皮的に用具を誘導するために、前記糸を用いる過程、
をさらに具備する、方法。
(43)実施態様(42)に記載の方法において、
前記用具を用いて前記植え込み可能なマーカを前記骨から切り離し、前記マーカを前記骨から経皮的に引き抜いて、前記植え込み可能なマーカを前記患者から除去する過程、
をさらに具備する、方法。
(44)体の一部の位置を追跡する方法において、
実施態様(34)〜(42)のいずれかに記載の方法を用いて、植え込み可能なマーカを骨の中に経皮的に植え込む過程と、
追跡システムを用いて、前記植え込み可能なマーカの位置を追跡する過程と、
を具備する、方法。
(45)実施態様(44)に記載の方法において、
前記植え込み可能なマーカの前記位置が、無線式で追跡される、方法。
(46)実施態様(45)に記載の方法において、
前記植え込み可能なマーカが、電磁スペクトルの無線周波数部の範囲内の電磁信号を用いて、無線式で追跡される、方法。
(47)コンピュータ支援の、または、画像誘導の、外科的、予防的、医療的、または、臨床的処置を被験者に実行する方法において、
外科的、予防的、医療的、または、臨床的処置を実行する過程と、
前記実施態様(44)〜(46)のいずれかに記載の方法を用いて、前記外科的、予防的、医療的、または、臨床的処置を実行する間に前記被験者の体の一部の位置を追跡する過程と、
を具備する、方法。
(48)骨の中に経皮的に植え込むための植え込み可能なマーカにおいて、
前記植え込み可能なマーカが、
本体部分、遠位の端部、および、近位の端部、を有するハウジングであって、前記本体部分が、円筒形で、その中にキャビティを画定し、前記遠位の端部が先細りであり、前記近位の端部が、導入用具と係合するためのコネクタを有し、前記ハウジングが、ねじ山が付いた外側面を有する、ハウジングと、
前記キャビティ内に取り囲まれたマーカであって、前記マーカが、密封されていて、電磁スペクトルの無線周波数部の範囲内の電磁放射を用いて追跡システムによって無線式で検出可能である、マーカと、
を具備し、
前記植え込み可能なマーカが、前記ねじ山と周囲の骨との相互作用によって、使用時に、前記骨の中に保持され、
前記マーカおよび前記キャビティは、前記植え込み可能なマーカが使用時に前記骨の中に植え込まれたときに前記植え込み可能なマーカが前記周囲の骨の中に配置されるように構成されている、
植え込み可能なマーカ。
(49)実施態様(1)〜(20)および(48)のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記マーカの周囲の領域の性質を検出するためのトランスデューサまたはセンサー、
をさらに具備する、植え込み可能なマーカ。
(50)実施態様(49)に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記センサーまたは前記トランスデューサが、圧力、温度、生物学的活性、および、化学的性質、を含む群から選択された性質を検出する、植え込み可能なマーカ。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】植え込み可能なマーカのマーカ部分および追跡システムの概略的なブロック図である。
【図2A】本発明に基づく植え込み可能なマーカのハウジング部分の斜視図である。
【図2B】本発明に基づく植え込み可能なマーカのハウジング部分の縦断面図である。
【図2C】本発明に基づく植え込み可能なマーカのハウジング部分の縦断面図である。
【図2D】本発明に基づく植え込み可能なマーカのハウジング部分の第1の端部の端面図である。
【図2E】本発明に基づく植え込み可能なマーカのハウジング部分の横断面図である。
【図3A】本発明に基づくキットの一部である導入ガイド器具およびその部品の斜視図である。
【図3B】本発明に基づくキットの一部である導入ガイド器具およびその部品の縦断面図である。
【図3C】本発明に基づくキットの一部である導入ガイド器具およびその部品の側面図である。
【図3D】本発明に基づくキットの一部である導入ガイド器具およびその部品の縦断面図である。
【図4A】本発明に基づくキットの一部である導入器具の前部斜視図である。
【図4B】本発明に基づくキットの一部である導入器具の後部斜視図である。
【図4C】本発明に基づくキットの一部である導入器具の側面図である。
【図4D】本発明に基づくキットの一部である導入器具の縦断面図である。
【図5】植え込み可能なマーカと共に用いられる導入器具の端部部分の斜視図である。
【図6A】本発明に基づくキットのドリル部分の斜視図である。
【図6B】本発明に基づくキットのドリル部分の側面図である。
【図6C】本発明に基づくキットのドリル部分の遠位の端部の端面図である。
【図6D】本発明に基づくキットのドリル部分の近位の端部の端面図である。
【図6E】本発明に基づくキットのドリル部分の遠位の端部の拡大斜視図である。
【図7A】その中に経皮的に植え込まれた植え込み可能なマーカを備えた骨と、本発明に基づく方法を示した、概略的な断面図である。
【図7B】その中に経皮的に植え込まれた植え込み可能なマーカを備えた骨と、本発明に基づく方法を示した、概略的な断面図である。
【図7C】その中に経皮的に植え込まれた植え込み可能なマーカを備えた骨と、本発明に基づく方法を示した、概略的な断面図である。
【図8A】別のドリル部分の概略的な斜視図である。
【図8B】別のガイド器具部分の概略的な斜視図である。
【図8C】別のドリルの端部と、植え込み可能なマーカを含むアセンブリと、の概略的な斜視図である。
【図8D】全てが本発明に基づく別のキットの部品である、別のドリルおよびアセンブリの部品の部分的な断面図である。
【図9】本発明に基づく別の植え込み可能なマーカの概略的な断面図である。
【図10】本発明に基づく植え込み可能なマーカの別のハウジング部分の概略的な縦断面図である。
【図11】本発明に基づくマーカを植え込む方法をより詳細に示したフロー図である。
【図12A】図11に示された方法で用いられる本発明の器具を示す図である。
【図12B】図11に示された方法で用いられる本発明の器具を示す図である。
【図12C】図11に示された方法で用いられる本発明の器具を示す図である。
【図12D】図11に示された方法で用いられる本発明の器具を示す図である。
【図13】本発明に基づくマーカを除去する方法をより詳細に示したフロー図である。
【図14A】図13に示された方法で用いられる本発明の器具を示す図である。
【図14B】図13に示された方法で用いられる本発明の器具を示す図である。
【図14C】図13に示された方法で用いられる本発明の器具を示す図である。
【図14D】図13に示された方法で用いられる本発明の器具を示す図である。
【図15】本発明のある実施の形態に基づく植え込み可能なマーカのマーカ部分の、センサーまたはトランスデューサを含めた、概略図である。
【図16】駆動コネクタ機構を示す、別の植え込み可能なマーカの遠位の端部部分の概略図である。
【図17A】ガイド器具の別の実施の形態の概略的な分解斜視図である。
【図17B】図17Aに示されたガイド器具のマガジン部分を通る概略的な断面図である。
【図17C】図17Aおよび図17Bに示されたガイド器具と共に用いることが可能な、マーカ、プレドリル、および、アダプタの部分、の概略図である。
【図18】本発明に基づくマーカの製造方法を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0160】
10 受信アンテナ
12 信号受信機および復調回路
14 駆動アンテナ
16 RF電力駆動回路
18 クロック同期化回路
20 追跡システム
32 フィールド発生器コイル
34 駆動回路
36 コンピュータ
46 ディスプレイ
70 位置センサー(マーカ)
72 センサーコイル
74 電力コイル
76 通信コイル
78 電子処理回路
80 基板
82 センサーコア
84 電力コア
86 封入剤
100 ハウジング
102 本体部分
104 遠位の端部
106 近位の端部
108 キャビティ
110 先端部
112 構造
114 遠位の端部
116 外側面
118 ねじ山
130 植え込み可能なマーカ
132 ハウジング
134 キャビティ
136 本体部分
138 自動切り込み先端部
140 とげ
142 硬い部材
144 ピボット
146 配備された状態
150 植え込み可能なマーカ
152 遠位の端部
154 先端部
156 ねじ山
160 ガイド器具
162 ハンドル
164 本体
166 ガイド溝
168 近位の端部
170 遠位の端部
172 ねじ山が設けられた部分
174 外側面
180 導入用具
182 本体
184 遠位の端部
186 近位の端部
190 コネクタ
192 凹部
194 溝
196 ボア
198 開口
200 糸
204 ドリル
206 本体
208 ドリル用ビット
210 コネクタ
212 カラー
214 先端部
220 体の一部
222 皮膚
224 骨
226 最初の穴
250 ドリル
252 ドリル用ビット
254 先端部
256 ドリル本体
258 ねじ山が設けられた部分
260 溝
262 コネクタ
264 カラー
368 皮膚
270 アダプタ部分
271 キャビティ
272 ドリル用ビット
274 雌ねじ
290 マーカ
300 ガイド器具
302 ハンドル
304 マガジン
306 アセンブリ
308 糸
310 ブリーチ部分
360 駆動機構
362 ボタン
364 器具アセンブリ
370 矢印
372 骨
374 数針の縫い目
376 端部
380 マーカ
382 トランスデューサ
390 マーカ
392 コネクタ構成
394 導入用具
396 遠位の端部
398,400 凹部
402 ボア
404 ばね駆動要素(突起)
408 ねじ山
410 ガイド器具
414 マガジン部分
416 マーカ
418 ドリル
420 アダプタ
422 ドラム
424 ハウジング
426 溝
428 スイッチ
430 閉鎖部材
432 チューブ
434 導入器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨の中に経皮的に植え込むための植え込み可能なマーカにおいて、
前記植え込み可能なマーカが、
内部キャビティを備えたハウジングであって、前記ハウジングが外側面を有し、前記外側面が、前記植え込み可能なマーカを前記骨の中に保持するために植え込まれたときに周囲の骨と少なくとも部分的に係合する骨アンカーを提供する、ハウジングと、
前記キャビティ内に保持されたマーカであって、前記マーカが追跡システムによって検出可能である、マーカと、
を具備する、植え込み可能なマーカ。
【請求項2】
請求項1に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記マーカおよび前記キャビティは、前記マーカの少なくとも一部が使用時に前記骨の中に配置されるように、構成されている、植え込み可能なマーカ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記マーカは、密封されている、植え込み可能なマーカ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記骨アンカーは、保持構造の形態である、植え込み可能なマーカ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記骨アンカーは、骨の表面成長を助長するように構成された表面によって、提供されている、植え込み可能なマーカ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記マーカは、前記ハウジングによって取り囲まれている、植え込み可能なマーカ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記マーカは、無線式で検出可能である、植え込み可能なマーカ。
【請求項8】
請求項7に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記マーカは、電磁スペクトルの無線周波数部の範囲内の電磁放射を用いて無線式で検出可能である、植え込み可能なマーカ。
【請求項9】
請求項4に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記保持構造は、少なくとも第1のとげを含む、植え込み可能なマーカ。
【請求項10】
請求項4に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記保持構造は、ねじ山を含む、植え込み可能なマーカ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記ハウジングは、先細りの導入端部を有する、植え込み可能なマーカ。
【請求項12】
請求項11に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記導入端部は、前記植え込み可能なマーカに力が加えられたときに前記植え込み可能なマーカが骨の中に押し込まれるように、骨を穿通する、植え込み可能なマーカ。
【請求項13】
請求項11に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記導入端部は、セルフタッピングねじ山を含む、植え込み可能なマーカ。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記導入端部は、トロカール先端部を含む、植え込み可能なマーカ。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記ハウジングは、導入用具に取り外し可能に係合するためのコネクタを含む、植え込み可能なマーカ。
【請求項16】
請求項13に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記コネクタは、導入用具に結合されたとき、前記植え込み可能なマーカと前記導入用具とが相対的に回転するのを防止するように、構成されている、植え込み可能なマーカ。
【請求項17】
請求項10に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記ねじ山の少なくとも第1の部分が、前記植え込み可能なマーカを前記骨の中に保持するのを増強するための断面形状を有する、植え込み可能なマーカ。
【請求項18】
請求項17に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記ねじ山の少なくとも第2の部分が、前記骨への切り込みを増強するための断面形状を有する、植え込み可能なマーカ。
【請求項19】
請求項18に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記ねじ山の前記第2の部分の前記断面形状は、前記ねじ山の前記第1の部分の前記断面形状に比べてより鋭い輪郭を有する、植え込み可能なマーカ。
【請求項20】
請求項17〜19のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記ねじ山の前記第1の部分は、丸みを帯びた不等辺四角形の形状にある断面形状を有する、植え込み可能なマーカ。
【請求項21】
骨の中に植え込み可能なマーカを経皮的に植え込むためのキットにおいて、
前記キットが、
ガイド器具であって、該ガイド器具の長さ方向の軸に少なくとも部分的に沿って延在し、中に植え込み可能なマーカを受容するためのガイド溝を有する、ガイド器具と、
前記ガイド器具の前記溝内に受容可能で、前記長さ方向の軸に少なくとも部分的に沿って並進運動可能な、導入用具であって、前記導入用具が、植え込み可能なマーカと取り外し可能に係合するための遠位の端部を備えた、導入用具と、
前記ガイド溝内に受容可能で、植え込み可能なマーカであって、前記植え込み可能なマーカが、キャビティを画定するハウジング、および、追跡システムによって検出可能な、前記キャビティ内のマーカを備えた、植え込み可能なマーカと、
を具備し、
前記導入用具が、前記植え込み可能なマーカを前記骨の中に打ち込むように動作可能である、
キット。
【請求項22】
請求項21に記載のキットにおいて、
前記導入用具が、細長い本体を有し、
前記細長い本体が、前記植え込み可能なマーカに取り付けられた糸を受容するための、前記細長い本体の長さ方向の軸に少なくとも部分的に沿って延在する溝を含む、
キット。
【請求項23】
請求項22に記載のキットにおいて、
前記導入用具が、前記糸を中に通して受容するための開口を有する、キット。
【請求項24】
請求項21に記載のキットにおいて、
前記植え込み可能なマーカが、骨を穿通する先端部が付いた遠位の端部を有する、キット。
【請求項25】
請求項21に記載のキットにおいて、
前記ガイド器具の遠位の端部が、骨を穿通する複数の歯を含んだ骨に係合する構造を有し、前記複数の歯のうちの少なくとも第1および第2の歯が向かい合わせに配置されている、キット。
【請求項26】
請求項21に記載のキットにおいて、
前記ガイド器具が、複数の植え込み可能なマーカを収容するためのマガジンを含む、キット。
【請求項27】
請求項26に記載のキットにおいて、
前記マガジンが、現在植え込まれている植え込み可能なマーカが植え込まれ終えた後に自動的に別の植え込み可能なマーカを前記ガイド溝内に導入するように構成された供給機構を含む、キット。
【請求項28】
請求項21〜27のいずれかに記載のキットにおいて、
前記ガイド溝内に受容可能で、前記ガイド溝に少なくとも部分的に沿って並進運動可能な、ドリルであって、前記ドリルが、前記骨に穴を形成するための、遠位の端部に設けられたドリル用ビットを有する、ドリル、
を更に具備する、キット。
【請求項29】
請求項21〜28のいずれかに記載のキットにおいて、
前記キットが、アセンブリに組み立てられたとき、前記アセンブリが、前記ガイド器具の遠位の端部から延びる皮膚を穿孔する先端部を含み、前記アセンブリが被験者の皮膚を穿刺できる、キット。
【請求項30】
請求項29に記載のキットにおいて、
前記皮膚を穿孔する先端部が、トロカール先端部である、キット。
【請求項31】
請求項29または30に記載のキットにおいて、
前記植え込み可能なマーカが、前記皮膚を穿孔する先端部を有し、前記キットが前記アセンブリとして組み立てられたとき、前記植え込み可能なマーカは、前記皮膚を穿孔する先端部が前記ガイド器具の前記遠位の端部から延出する状態で、前記ガイド溝内に配置される、キット。
【請求項32】
請求項29または30に記載のキットにおいて、
前記キットが、前記ガイド溝内に配置可能で、ドリル用ビットを備えたドリルを含み、
前記ドリル用ビットが、皮膚を穿孔する先端部を有し、前記キットが前記アセンブリとして組み立てられたときに、前記ドリルは、前記皮膚を穿孔する先端部が前記ガイド器具の前記遠位の端部から延出する状態で、前記ガイド溝内に配置される、
キット。
【請求項33】
請求項28に記載のキットにおいて、
前記導入用具が、前記ドリルを含み、
前記導入用具の前記遠位の端部が、前記導入用具の分離可能な部品であり、前記分離可能な部品には、前記導入用具を提供するために、少なくとも前記ドリル用ビットが取り外し可能に締結されている、
キット。
【請求項34】
追跡システムによって検出可能である植え込み可能なマーカを骨の中に経皮的に植え込む方法において、
前記方法が、
器具を用いて皮膚を穿刺し、前記器具の遠位の端部を前記骨に近接して配置する過程と、
前記植え込み可能なマーカを前記器具から前記骨へ打ち込む過程と、
前記マーカを前記骨の中に植え込まれた状態で残しながら、前記器具を引き抜く過程と、
を具備する、方法。
【請求項35】
骨の中に経皮的に植え込むための植え込み可能なマーカにおいて、
前記植え込み可能なマーカが、
本体部分、遠位の端部、および、近位の端部、を有するハウジングであって、前記本体部分が、円筒形で、その中にキャビティを画定し、前記遠位の端部が先細りであり、前記近位の端部が、導入用具と係合するためのコネクタを有し、前記ハウジングが、ねじ山が付いた外側面を有する、ハウジングと、
前記キャビティ内に取り囲まれたマーカであって、前記マーカが、密封されていて、電磁スペクトルの無線周波数部の範囲内の電磁放射を用いて追跡システムによって無線式で検出可能である、マーカと、
を具備し、
前記植え込み可能なマーカが、前記ねじ山と周囲の骨との相互作用によって、使用時に、前記骨の中に保持され、
前記マーカおよび前記キャビティは、前記植え込み可能なマーカが使用時に前記骨の中に植え込まれたときに、前記マーカが前記周囲の骨の中に配置されるように構成されている、
植え込み可能なマーカ。
【請求項36】
請求項1〜20および35のいずれかに記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記マーカの周囲の領域の性質を検出するためのトランスデューサまたはセンサー、
をさらに具備する、植え込み可能なマーカ。
【請求項37】
請求項36に記載の植え込み可能なマーカにおいて、
前記センサーまたは前記トランスデューサが、圧力、温度、生物学的活性、および、化学的性質、を含む群から選択された性質を検出する、植え込み可能なマーカ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【公表番号】特表2007−526065(P2007−526065A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501357(P2007−501357)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000855
【国際公開番号】WO2005/084572
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(500353989)デピュー インターナショナル リミテッド (40)
【出願人】(506300914)デピュイ・オーソぺディー・ゲーエムベーハー (6)
【氏名又は名称原語表記】DEPUY ORTHOPADIE GMBH
【住所又は居所原語表記】Ammerthalstr. 3,85551 Heimstetten,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】