説明

植木鉢の受け皿

【課題】 本発明は、補給水を長期に渡って行わなくてもよい植木鉢の受け皿を提供する。
【解決手段】 本発明は、受け皿の底体上に植木鉢の支持部104に形成された排出口105の頂部の高さより低い高さの堤12を植木鉢の支持部104の外側に形成し、堤12の外側に第1水受け溝15を形成すると共に植木鉢の底体に形成の水抜き孔102に対応する位置に第2水受け溝8を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植木鉢の受け皿に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の植木鉢の受け皿の例として、特公平7−106140号公報に開示してあり、断面を図4(A)に、部分拡大図を図4(B)に示す。
植木鉢100は、底体101に水抜き孔102が穿設してあり、該底体101から突設して設けられた支持部104に、適宜の大きさの排出口105が形成してある。
又、植木鉢の受け皿110の底体111の上には、植木鉢の支持部104に形成された排出口105の頂部の高さ(h1)より低い高さ(h2)の堤112が、植木鉢の支持部104の外側に形成してあると共に、その堤112の外側に水受け溝115が形成してある。
【0003】
前記構成の植木鉢100と受け皿110によって、植木鉢100に多量の水を注水をしたとしても、植木鉢100内の土に含有する水は、前記堤112内に保留する水以外の余分な水は、植木鉢100から水受け溝115に排出することができる。
そのため、注水量を多めにすればよく、前記堤112の高さで予め決められた保水量を確保できるので、容易に観葉植物の管理ができる。
【0004】
【特許文献1】特公平7−106140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記植木鉢の受け皿110は、堤112内に水があるときには、植物は植木鉢の水抜き孔102から、水の蒸発で水分補給ができるが、堤112内に水が無くなると、もはや水分補給ができないという課題が生ずる。従って、堤112内に水が無くなる前に、植木鉢100に水を注水する必要がある。
そこで、本願は、できるだけ長く水の補給をしなくて済む植木鉢の受け皿を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の植木鉢の受け皿は、底体に水抜き孔が穿設され、該底体から突設して設けられた支持部に排出口を形成した植木鉢を載置する受け皿であって、
該受け皿の底体上に前記植木鉢の支持部に形成された排出口の頂部の高さより低い高さの堤を植木鉢の支持部の外側に形成し、該堤の外側に第1水受け溝を形成すると共に前記植木鉢の底体に形成の水抜き孔に対応する位置に第2水受け溝を形成する。
請求項2の植木鉢の受け皿は、第2水受け溝は水受け溝と連通して形成してある。
【0007】
植木鉢に注水すると、水は土に浸透し、余分な水は植木鉢の底体に穿設された水抜き孔から先ず、第2水受け溝に溜り、その後、支持部に形成された排出口から排出される。尚、その排出口の頂部の高さは、受け皿の底体に形成されている堤より高く形成されているため、多量の水が排出口から流れたとしても、その排出口を閉鎖することがない。
そこで、多量の水を注水したとしても、水抜き孔から排出される水は、第2水受け溝に溜り、その後、堤から溢流して第1水受け溝に排出されるので、余分な水が植木鉢内に溜ることがないので、植木鉢に注水する水を多めに注水すれば良く、注水量の管理が容易となる。
又、第2水受け溝が、植木鉢に形成の水抜き孔に対応する位置に形成してあるので、水抜き孔から排出された水はこの第2水受け溝に溜るので、植物はこの第2水受け溝に溜っている蒸発する水を水抜き孔から吸収することができる。
【0008】
又、請求項2の植木鉢の受け皿は、第2水受け溝と水受け溝が連通しているので、第2水受け溝に溜っている水の減少を水受け溝で補うことができる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の植木鉢の受け皿には、植木鉢に形成の水抜き孔に対応する位置に第2水受け溝が形成してあるので、その第2水受け溝に溜っている水の蒸発によって、植物は植木鉢に形成の水抜き孔から水を吸収することができるので、長期に渡って、水を補給しなくて済む。
又、請求項2の植木鉢の受け皿に形成の第2水受け溝は、水受け溝に連通しているので、第2水受け溝に溜っている水の減少を水受け溝で補うことができるので、長期に渡って、水を補給しなくて済む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の受け皿10を図面を参照して説明する。
図1(A)は皿型状の受け皿10の平面図、(B)は断面を示し、受け皿10の底体11は、種々の大きさ、形状に成形されている従来の植木鉢100(図4)の支持部104を載置可能な大きさでほぼ平坦に形成されている。
陶器、合成樹脂等で成形の受け皿10の周縁には、適宜の高さの本体9が形成してあると共に、本体9の内側には詳述する円状の堤12が形成してあり、この堤12と本体9とで第1水受け溝15が形成してある。
【0011】
又、前記円状の堤12内には、直線状の第2水受け溝8が形成してあり、この第2水受け溝8は植木鉢の底体101に形成の水抜き孔102から第2水受け溝8に溜っている水が蒸発したとき、吸収可能な位置であり、水抜き孔102のほぼ直下に、適宜の幅で設けてある。
この円状の堤12内に形成の第2水受け溝8によって、底体11は円弧状の第1保水部13aと第2保水部13bが形成され、第1保水部13aと第2保水部13bの底部はほぼ水平に形成してあるが、第2水受け溝8に向かって下り傾斜状に形成するのが望ましい。
【0012】
尚、前記堤12は、図4(B)に示すと同様に、植木鉢100の支持部104に形成されている複数の排出口105の頂部の高さ(h1)より低い高さ(h2)で立設形成してある。
従って、水が、第1保水部13aと第2保水部13b及び第2水受け溝8に溜って、堤12を溢れると、第1水受け溝15に流れる。
【0013】
次に、図2は、受け皿10に植木鉢100を載せた使用状態を示す断面図である。
観葉植物は、石103等を敷き詰めた植木鉢100に植えられ、受け皿10の底体11上に載置され、この状態で、植物に注水すると、水は植木鉢100内の土を浸透し、余分な水は、先ず、第2水受け溝8に溜り、次に、第1保水部13aと第2保水部13bに溜る。
そして、更に、注水量が多いと、第1保水部13aと第2保水部13bに溜り、堤12から溢れると、第1水受け溝15に流れる。
【0014】
尚、図4(B)に示すように、植木鉢の支持部104に形成されている複数の排出口105の頂部の高さ(h1)は、堤12(h2)より高く形成されているため、水位はh2以下に維持され、排出口105を閉鎖することがない。
その為、注水量を多くしたとしても、従来と異なって、土に含有する水量以外の余分な水は植木鉢100から全量排出されることになるので、土は余分な水を含まない状態となって、植物の根を腐らせることなく管理できる。
即ち、多めに注水すればよく、管理が容易になる。尚、前記受け皿10の形状は円形の他、長方形等に、又、堤の高さも種々の植木鉢の形状に合わせて製作することはいうまでもない。
【0015】
又、第2水受け溝8は、植木鉢100の底体に形成の水抜き孔102に対応する位置に設けてあるので、植木鉢100の保水量が減少しても、植物は第2水受け溝8に溜っている水の蒸発によって水抜き孔2から吸収できるので、長期に渡って、水を補給する必要がない。
【0016】
次に、図3(A)は他の形状の受け皿10Aの平面図、(B)は断面を示す。この受け皿10Aが前記受け皿10と相違する箇所は、第2水受け溝8が底体11の中心に、円柱状に形成して点であり、植木鉢100の底体に形成の水抜き孔2から、第2水受け溝8の蒸発水の吸収が可能になっている。
即ち、円状の受け皿10Aは、外側から本体9が形成してあり、その内側に、同心円状の堤12が底体11から突出して形成してあり、本体9とで第1水受け溝15を形成し、更に内側に第2水受け溝8が形成してある。
【0017】
尚、前記堤12の高さは、前記図4(B)に示すと同様に、植木鉢の支持部104に形成されている複数の排出口105の頂部の高さ(h1)より低く形成してあり、水位はh2以下に維持され、排出口105を閉鎖することがないようになっている。
又、注水量を多くしたときには、先ず、第2水受け溝8に溜り、次に、保水部13に溜る。そして、更に、注水量が多いと、保水部13を形成する堤12から溢れて第1水受け溝15に流れる。
従って、植木鉢100の保水量が減少しても、植物は第2水受け溝8に溜っている水の蒸発によって水抜き孔2から吸収できるので、長期に渡って、水を補給する必要がない。
【0018】
前記受け皿の第2水受け溝8は、第1水受け溝15とは連通していない状態に形成してあるが、例えば、図1に示す第2水受け溝8と堤12の接合部において、堤12を切り欠くことによって連通状態に形成してもよい。この場合、第2水受け溝8に溜っている水の高さは、第1水受け溝15と同じ高さであり、第2水受け溝8の貯留水は第1水受け溝15から補給できるので、多くの水の蒸発量を確保することができる。尚、受け皿は植木鉢と別体で構成する必要はなく一体で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(A)は受け皿の平面図、(B)は断面図である。
【図2】使用状態を示す断面図である。
【図3】(A)は他の構造の受け皿の平面図、(B)は断面図である。
【図4】(A)は従来の植木鉢と受け皿の使用状態を示す断面図、(B)は部分拡大図である。
【符号の説明】
【0020】
8 第2水受け溝
10、10A 受け皿
11 底体
12 堤
13 保水部
13a、13b 保水部
15 第1水受け溝
100 植木鉢
102 水抜き孔
104 支持部
105 排出口



【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板に水抜き孔が穿設され、該底板から突設して設けられた支持部に排出口を形成した植木鉢を載置する受け皿であって、
該受け皿の底板上に前記植木鉢の支持部に形成された排出口の頂部の高さより低い高さの堤を植木鉢の支持部の外側に形成し、該堤の外側に第1水受け溝を形成すると共に前記植木鉢の底板に形成の水抜き孔に対応する位置に第2水受け溝を形成することを特徴とする植木鉢の受け皿。
【請求項2】
第2水受け溝は水受け溝と連通して形成してあることを特徴とする請求項1の植木鉢の受け皿。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−25764(P2006−25764A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−213315(P2004−213315)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(504047563)株式会社スイテック (1)
【Fターム(参考)】