説明

植物加工食品、植物加工食品における熟成香増強方法

【課題】十分な熟成香が付与されているため嗜好性が高い植物加工食品を提供することにある。
【解決手段】本発明の植物加工食品は、3−メチル−1−ブタノールを含有することを特徴とする。3−メチル−1−ブタノールの濃度は、食品の質量当り0.5ppm以上10ppm以下であることがよく、この範囲であれば熟成香を確実に付与、増強させることができる。また、3−メチル−1−ブタノールを生成する能力を有する乳酸菌を用いて植物の発酵処理を行うことにより、植物加工食品中に3−メチル−1−ブタノールを含有させるようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物加工食品、植物加工食品における熟成香を増強する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
穀物類、豆類、野菜類、果実類などの植物食材が栄養学上非常に重要であることは周知のとおりである。しかし、現代人の食生活における植物食材の摂取量は不足していると指摘されており、植物食材のさらなる積極的な摂取が必要とされる。植物食材の積極的摂取を阻害する要因の一つとしては、それらの植物食材の持つ香気成分が挙げられる。植物食材の香気成分に関する嗜好は、人によりかなり異なる。よって、このような嗜好の相違についての問題を解決するために、従来様々な技術が開発されてきた。
【0003】
一例を挙げると、甘蔗由来の抽出物を利用して野菜類や豆類の特有な不快臭を消臭あるいは低減する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、特許文献1のような無臭化技術は食品の多様性を失わせる技術であり、根本的な解決策とは言いがたい。そこで、植物食材にある程度多様性を持たせたまま、より嗜好性の高い植物食材を製造する技術開発が望まれていた。
【0004】
その一つの方法として、植物食材に熟成香を付与することが考えられる。これに関連する技術としては、熟成感のあるコク味を付与する方法として、煮込み料理に3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン(以下、ソトロン)を添加する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、ソトロンは焦臭成分であり(非特許文献1参照)、食材によっては香気バランスを大きく崩してしまう。さらにこの従来技術は、熟成香を増加させるという点において十分なものとは言えなかった。
【0005】
また、植物食材に熟成感を付与する方法としては、アンモニウム塩存在下で植物材料を抽出する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この方法では植物材料を抽出する工程が必須となり、製造工程が煩雑になる。しかも、この方法では「マイルドな熟成感」、即ち弱い熟成感しか生み出すことができず、熟成香を十分に付与できなかった。
【特許文献1】特許第3731626号公報
【特許文献2】特許第3233888号公報
【特許文献3】特開2002−300859号公報
【非特許文献1】日本醸造協会雑誌、第75巻、第6号、P.463−468、1980年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、十分な熟成香が付与されているため嗜好性が高い植物加工食品を提供することにある。また、本発明の別の目的は、煩雑な製造工程や製造設備を必要とせずに、植物加工食品における熟成香を増強させることができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を行った。その過程で、「不快臭」として知られる(例えば、東京化学同人 化学辞典 第1版 P.119参照)化合物である3−メチル−1−ブタノールをある適度な濃度含有させると、驚くべきことに植物加工食品に対して熟成香が付与されることを見出した。また、熟成香が付与された植物加工食品は嗜好性も高まることを見出した。即ち、本発明者らは「不快臭」としてのみ知られていた3−メチル−1−ブタノールに関して、植物加工食品に「熟成香」を付与させるという全く新規な用途を見出し、本発明を完成するに到ったのである。
【0008】
さらには、3−メチル−1−ブタノールを植物加工食品に含有させる方法としては、3−メチル−1−ブタノールの精製物を添加する方法や、3−メチル−1−ブタノールを含有する食品素材を添加等により含有させる方法だけでなく、特定の乳酸菌処理を行うことで、3−メチル−1−ブタノールを生成し、食品素材に該成分を含有させた場合においても同様の効果が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、3−メチル−1−ブタノールを含有することを特徴とする植物加工食品をその要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、3−メチル−1−ブタノールの濃度が、食品の質量当り0.5ppm以上10ppm以下であることをその要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、3−メチル−1−ブタノールにより熟成香が増強されたことをその要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、3−メチル−1−ブタノールを生成する能力を有する乳酸菌を用いて植物の発酵処理を行うことにより、植物加工食品中に3−メチル−1−ブタノールを含有させてなることをその要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記乳酸菌が下記(a)乃至(e)のうちのいずれかであることをその要旨とする。
(a)Lactobacillus paracasei subsp. paracasei NBRC No. 15889
(b)Lactobacillus plantarum NBRC No.15891
(c)Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides NBRC No. 100496
(d)Leucocnostoc argentinum JCM No. 11052
(e)Lactobacillus fermentum NBRC 15885
【0014】
請求項6に記載の発明は、植物加工食品に3−メチル−1−ブタノールを質量当り0.5ppm以上10ppm以下の濃度で含有させることを特徴とする植物加工食品における熟成香増強方法。
【発明の効果】
【0015】
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によると、十分な熟成香が付与されているため嗜好性が高い植物加工食品を提供することができる。また、請求項6に記載の発明によると、煩雑な製造工程や製造設備を必要とせずに、植物加工食品における熟成香を増強させることができる方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0017】
本発明で提供する植物加工食品における「植物」とは、摂食可能な果実類、穀物類、豆類、葉物類、根菜類、きのこ類、その他の野菜類、などを広く指す。植物加工食品には、この中から選ばれた1種類または2種類以上の植物を加工してなるものであってもよい。植物加工食品に含まれる植物について例をあげると、オクラ、カリフラワー、キャベツ、ホウレンソウ、レタス、ハクサイ、グリーンアスパラガス、ササゲ、エダマメ、サヤインゲン、サヤエンドウ、シュンギク、シロウリ、キュウリ、セロリー、タマネギ、白ネギ、チンゲンサイ、トマト、ナス、ニラ、ニンジン、パセリー、ピーマン、ブロッコリー、米、玄米、米糠、肌糠、麦、大豆、トウモロコシなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、一般に香りが強く好き嫌いのある植物、例えば、ニンジン、タマネギ、トマト、セロリー、ピーマンなどは、熟成香の付与により嗜好性が向上するため、本発明を適用するのに好ましいと言える。また、米糠や肌糠は3−メチル−1−ブタノールを生成する能力を有する乳酸菌を用いて発酵処理を行うことにより該成分を多量に生成するため、本発明を適用するのに好ましいと言える。
【0018】
本発明の植物加工食品は、切る、擦る、混ぜる、搾る、潰す、焼く、煮る、蒸す、炒める、味付けをするなどの処理(加工)を1種類または2種類以上行って上記植物を食品へと加工したものを指す。本発明の植物加工食品は、上記植物のみを素材としているものに限定されず、植物以外の食品素材(例えば、食酢、醤油、塩、砂糖、みりん、酒などの調味料や、肉、魚、水など)を用いたものも当然に含まれる。また、食品中に占める植物の含量の多少は問わず、例えば含量が比較的少ない食品(例えば10重量%未満)についても除外されない。このような植物素材含量の植物加工食品の形態としては、例えば、ジュース、ドレッシング、粉末食材、豆腐、カレー、煮物、ゼリーなどを例示することができる。言い換えると、植物加工食品の形態は、固形状のみに限定されることはなく、例えば、液状、半固形状(即ちペースト状やゼリー状)、粉状のいずれであってもよい。
【0019】
これらの植物加工食品に対して、3−メチル−1−ブタノールを含有させる方法は特に限定されないが、例えば、抽出・精製した該成分を添加するという方法でもよいし、該成分を含有する素材の添加等により結果として該成分を植物加工食品に含有させるという方法でもよい。
【0020】
また、素材を酵素的に処理して3−メチル−1−ブタノールを生成させることで、結果として該成分を植物加工食品に含有させることもできる。その好適例を挙げると、該成分を生成する能力のある微生物(例えば特定の乳酸菌)で処理することにより該成分を生成させることで、結果として該成分を植物加工食品に含有させるという方法がある。ここで、3−メチル−1−ブタノールを生成する能力のある乳酸菌としては、例えばLactobacillus paracasei subsp. paracasei NBRC No. 15889、Lactobacillus plantarum NBRC No.15891、Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides NBRC No. 100496、Leucocnostoc argentinum JCM No. 11052、 Lactobacillus fermentum NBRC 15885、などが挙げられるが、該成分を生成する能力がある乳酸菌であればこれらに限定されるものではない。乳酸菌を用いる利点は、長いあいだ人間に食されてきた実績があり、高い安全性を備えた食品素材だからである。また、必ずしも大掛かりな製造装置を必要とせず、比較的安価に製造可能だからである。
【0021】
なお、該成分を生成する能力がある乳酸菌以外の細菌があれば、それを利用して該成分を生成させるようにしてもよい。また、該成分の生成に関与する遺伝子を他の微生物(酢酸菌や酵母など)に導入して、該成分を生成する能力がある形質転換体を作出し、それを利用して該成分を生成させるようにしてもよい。あるいは、該成分を生成する酵素を担体に固定してなる固定化酵素を作製し、それを利用して該成分を生成させるようにしてもよい。
【0022】
本発明の植物加工食品における3−メチル−1−ブタノールの濃度は、求めようとする熟成香の強さ等により選択でき、求めようとする熟成香が付与される量であれば特に限定されない。該成分を含有させるときの目安としては、食品の質量当り0.5ppm以上10ppm以下の濃度とすることが好ましい。さらには、1ppm以上5ppm以下の濃度で含有させることがより好ましく、その場合にはいっそう熟成香を際立たせることができる。3−メチル−1−ブタノールの濃度が少ないと熟成香を付与・増強する効果が十分に得られないが、逆に該成分の濃度が高すぎると前述のように該成分特有の「不快臭」が際立ってしまい熟成香を感じにくくなってしまう。
【0023】
特に、前述した特定の乳酸菌を用いて3−メチル−1−ブタノールを食品に含有させる場合、該成分が求めようとする濃度になった時点で加熱等により発酵を中止させればよい。このようにすることにより、植物加工食品中の3−メチル−1−ブタノールの濃度を任意にコントロールすることができる。
【0024】
なお、本発明では、植物加工食品に熟成香を付与または増強することが可能となるが、ここでいう「熟成香」とは、やや重い厚味のある香りであって、加熱調理時に発生する風味とは異なる自然な香りをいい、嗜好性に優れた風味のことを指す。
【実施例1】
【0025】
本発明を、以下の実施例においてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
【0026】
まず、剥皮したニンジンに対し、希釈用の水を50重量%の割合で加え、ミキサーMX-X107(松下電器産業株式会社製)を用いて磨砕した。さらに850μmのメッシュを通過させて繊維質を除去した後、希釈用の水が蒸発してストレート相当になるまで加熱濃縮を行い、ニンジンピューレを作製した。次に、ニンジンピューレに対して、3−メチル−1−ブタノール(東京化成工業株式会社製)を0.1ppm〜50.0ppm添加し、対照例(3−メチル−1−ブタノールを添加していないニンジンピューレ)に対する熟成香の増減及び嗜好について比較評価を行った。評価基準を表1に示し、評価結果を表2に示す。
【表1】

【0027】
【表2】

【0028】
表2の結果から、3−メチル−1−ブタノールを0.5ppm以上添加すると、感知可能な程度までニンジンピューレに熟成香が付与され、かつ増強されることがわかった。また、0.5ppm〜10.0ppmの範囲で3−メチル−1−ブタノールを添加した試験例は、嗜好の評価も高かった。特に、1ppm〜5ppmの濃度で添加した場合には、より嗜好の評価が高くなり、好ましいことがわかった。
[実施例2]
【0029】
ミキサーMX-X107を用いてトマトを磨砕し、さらに850μmのメッシュを通過させて繊維質を除去した後、95℃で30分間加熱殺菌を行い、トマトピューレを作製した。トマトピューレに対して、3−メチル−1−ブタノールを0.1ppm〜50.0ppm添加し、対照例に対する熟成香の増減及び嗜好の評価について比較評価を行った。評価結果を表3に示す。
【表3】

【0030】
表3の結果から、3−メチル−1−ブタノールを0.5ppm以上添加すると、ニンジンピューレの結果と同様に、感知可能な程度までトマトピューレに熟成香が付与され、かつ増強されることがわかった。0.5ppm〜10.0ppmの範囲で3−メチル−1−ブタノールを添加した試験例は、嗜好の評価も高かった。
[実施例3]
【0031】
実施例1で作製したニンジンピューレに対して、表4の試験例13〜23の「用いた乳酸菌」の欄に示した11種類の乳酸菌を植菌し培養を行った。乳酸菌の植菌は、MRS液体培地にて30℃で一日間培養したものを遠心分離機で集菌し、できたペレットを滅菌水で懸濁し、この懸濁液をニンジンピューレ1mLあたり10の3〜6乗個の菌数になるように調整して行った。そして、この乳酸菌植菌ニンジンピューレを緩やかに攪拌しながら30℃にて30時間以上培養を行った後、80℃で5分間殺菌することで培養を停止させた。
【0032】
培養終了後、対照例及び各試験例に示した乳酸菌発酵ニンジンピューレについて、ガスクロマトグラフGC−17A(株式会社島津製作所社製)を用いて3−メチル−1−ブタノール濃度を定量した。その結果も表4に示す。
【0033】
なお、定量には、スタンダードとして、市販試薬である3−メチル−1−ブタノール(東京化成工業株式会社製)を実施例1記載のニンジンピューレにそれぞれ1ppm、5ppm、10ppm、50ppm添加したものを作製した。これらのスタンダードを用いて検量線を引き、3−メチル−1−ブタノール濃度を算出した。表4において、3−メチル−1−ブタノールを検出できなかった場合には、「N.D.」と記載した。
【0034】
また、各試験例に示した乳酸菌発酵ニンジンピューレの、対照例(乳酸菌発酵を行わないニンジンピューレ)に対する熟成香の増減について比較評価を行った。その結果を表4に示す。
【表4】

【0035】
表4より、試験例13、14、16、18、19は、乳酸菌処理によって3−メチル−1−ブタノールが生成されて熟成香が高まっており、乳酸菌処理によって生成された3−メチル−1−ブタノールの濃度と熟成香の強弱との間に関連性が認められた。よって、試薬添加と同様に、乳酸菌処理にも熟成香を高める効果があることがわかった。
【0036】
一方、試験例15、17、20、21、22、23においては、ガスクロマトグラフィー分析の結果では、試験例15、17、23の乳酸菌処理ニンジンピューレ中の3−メチル−1−ブタノール濃度は低く、試験例20、21、22においては3−メチル−1−ブタノールを検出できなかった。また、官能評価で熟成香は感知されなかった。
[実施例4]
【0037】
Agilent 5973 Network Mass Selective Detector(Agilent Technologies社)を用いて、対照例と試験例14とで用いた乳酸菌Lactobacillus plantarum
NBRC No.15891によって発酵したニンジンピューレについて、GC-MS及び匂いかぎによる香気成分の分析を行った。対照例のGC−MSチャートを図1に示し、試験例14のGC−MSチャートを図2に示す。
【0038】
GC−MS分析において、対照例には3−メチル−1−ブタノールのピークは検出されなかったが、試験例14では同ピークが検出された。匂いかぎ分析では、3−メチル−1−ブタノールのピーク付近で熟成香が検知されたが、その他のピークで熟成香は検知できなかった。以上より、試験例14の熟成香は3−メチル−1−ブタノールに由来するものであることが確認できた。
[結論]
【0039】
以上詳述したように、本発明の植物加工食品は、所定濃度の3−メチル−1−ブタノールを含有していることから十分な熟成香が付与されており、それゆえ嗜好性が高いものとすることができる。また、本発明の熟成香増強方法によれば、煩雑な製造工程や製造設備を必要とせずに、植物加工食品における熟成香を増強させることができ、もって嗜好性を確実に向上させることができる。
【0040】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0041】
(1)素材を酵素的に処理して3−メチル−1−ブタノールを生成させることで、3−メチル−1−ブタノールを植物加工食品に含有させてなることを特徴とする植物加工食品。
【0042】
(2)ニンジン、タマネギ、トマト、セロリー及びピーマンのうちから選択される少なくとも1種の植物素材を加工してなり、3−メチル−1−ブタノールを含有することを特徴とする植物加工食品。
【0043】
(3)3−メチル−1−ブタノールを生成する能力を有する乳酸菌を用いて植物の発酵処理を行うことにより、食品中に3−メチル−1−ブタノールを含有させてなることを特徴とする調味料。
【0044】
(4)3−メチル−1−ブタノールを生成する能力を有する乳酸菌を用いて植物の発酵処理を行うことにより、食品中に3−メチル−1−ブタノールを含有させてなることを特徴とする米糠または肌糠の加工食品。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例4において対照例のGC−MSチャートを示す図。
【図2】実施例4において試験例14のGC−MSチャートを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3−メチル−1−ブタノールを含有することを特徴とする植物加工食品。
【請求項2】
3−メチル−1−ブタノールの濃度が、食品の質量当り0.5ppm以上10ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の植物加工食品。
【請求項3】
3−メチル−1−ブタノールにより熟成香が増強されたことを特徴とする請求項1または2に記載の植物加工食品。
【請求項4】
3−メチル−1−ブタノールを生成する能力を有する乳酸菌を用いて植物の発酵処理を行うことにより、植物加工食品中に3−メチル−1−ブタノールを含有させてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の植物加工食品。
【請求項5】
前記乳酸菌が下記(a)乃至(e)のうちのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の植物加工食品。
(a)Lactobacillus paracasei subsp. paracasei NBRC No. 15889
(b)Lactobacillus plantarum NBRC No.15891
(c)Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides NBRC No. 100496
(d)Leucocnostoc argentinum JCM No. 11052
(e)Lactobacillus fermentum NBRC 15885
【請求項6】
植物加工食品に3−メチル−1−ブタノールを質量当り0.5ppm以上10ppm以下の濃度で含有させることを特徴とする植物加工食品における熟成香増強方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−289430(P2008−289430A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139346(P2007−139346)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(301058344)株式会社ミツカンナカノス (28)
【出願人】(398065531)株式会社ミツカングループ本社 (157)
【Fターム(参考)】