説明

植物栽培用ハウスにおける二酸化炭素ガスの供給方法、コージェネレーション装置及び植物栽培用ハウス

【課題】コージェネレーション装置によってハウス内へ熱や電気などの各種エネルギー及び二酸化炭素ガスが供給される植物栽培用ハウスにおいて、二酸化炭素ガスを供給するにあたり、排気ガスに含まれている一酸化炭素などの有毒ガスとは分けてハウス内に適量導入することができるようにして、作業者の安全を図る。
【解決手段】ハウス本体(1)内に設けられたコージェネレーション装置(2)によってハウス本体(1)内へ熱または電気を含むエネルギーが供給される植物栽培用ハウス(2)であって、ハウス本体(1)内には、コージェネレーション装置(2)の原動機の排気ガスを貯留する排気ガス貯留袋(3)が設けられている。排気ガス貯留袋(3)には、排気ガス貯留袋(3)内の下部のガスをハウス本体(1)内へ供給する供給管(32)と、排気ガス貯留部(3)内の上部のガスをハウス本体(1)外へ排出する排出管(30)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物栽培用ハウスにおける二酸化炭素ガスの供給方法、コージェネレーション装置及び植物栽培用ハウスに関するものである。
詳しくは、植物用栽培ハウス内の植物の活性化のために二酸化炭素ガスの供給をハウス内に排気ガスを導入することによって行うものにおいて、ハウス内を温めるために十分な熱量が供給できるようにすると共に、ハウス内の二酸化炭素ガスの濃度に偏りが生じないように均等化するものに関する。さらには、二酸化炭素ガスをハウス内に導入するにあたり、排気ガスに含まれている一酸化炭素などの有毒ガスとは分けてハウス内に適量導入することができるようにして作業者の安全を図ると共にハウス全体の熱効率をも向上させることができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
野菜や花などの各種植物を栽培するための植物栽培用ハウスの省エネルギー化は、経費削減と環境保全の両面において重要な課題となっており、従来から様々な取り組みが行われてきた。例えば、ハウス内を温める熱源として地下水の持つ熱を利用するもの、ハウス暖房機の排熱を熱交換器で有効利用するもの、あるいはハウス壁面全体を2重壁にして空気層を設け断熱効果をよくするものなどが知られているが、いずれも費用対効果の面から十分な性能が発揮できず、本格的な実用化と普及には至っていない。
【0003】
ところで、近年、特に注目されている省エネルギー技術として、コージェネレーション(Cogeneration:熱電併給ともいう)がある。コージェネレーションは、内燃機関などを原動機として、動力、電力、温熱、冷熱を取り出し、それぞれを有効に利用することにより、総合的なエネルギー効率を高めるというものであり、例えばオフィスビルや病院、ホテル、スポーツ施設、農業施設など、比較的小規模な施設にもエネルギーの供給源として導入されつつある。前記農業施設の一例としては、例えば特許文献1記載の植物栽培用ハウスがある。
【0004】
特許文献1の植物栽培用ハウスは、ガス燃料を使用して運転され、熱及び電力を生産するコージェネレーション設備と、生産された熱を使用してハウス内の培地を植物の栽培に適した環境に改善する培地改善手段と、電力を使用して培地に向けて電気照明を行い、人工的に日長反応の制御を行う電照制御手段と、植物を活性化するための二酸化炭素ガスをハウス内に適宜供給する手段と、を設けたエネルギー供給装置を備えている。これにより、ハウス内で栽培される植物に適した培地の管理と植物の育成を効率的に行うことができるというものである。
【0005】
【特許文献1】特開2007−20524
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の植物栽培用ハウスには、次のような課題があった。
まず、コージェネレーション設備で生産される熱は、主に培地を温めるために使用されるようになっており、直接的にハウス内部を温めることはない。このため、ハウス内部の温度管理を行うには、熱の利用効率が悪く、供給される熱量が不十分であり、ガスヒータなどの加温装置を別に用意しなければならない。
【0007】
また、ハウス内の空気を循環させていないため、温度分布にムラが生じやすく、植物の育成環境上及び作業者の作業環境上、好ましくない。さらには、適宜供給される排気ガスに含まれる二酸化炭素ガスは、他のガスより重く、ハウスの底に溜まりやすい。このため、排気ガスが導入される時間帯や時間が制御装置で制御されているとはいえ、ハウス内の二酸化炭素ガスの濃度に偏りが生じると、作業者にとっては酸欠の心配があり、危険性が高い。
【0008】
植物栽培用ハウスは、二酸化炭素ガス(CO2)をハウス内に導入するために、ガスエンジンやガスタービンから排出される排気ガスそのものを一部ハウス内に入れるようにしている。しかし、排気ガスには、二酸化炭素ガス以外に、一酸化炭素ガス(CO)などの有毒ガスが含まれている。このため、実質的に密閉されたハウス内に排気ガスをそのまま導入するのは、作業者の安全を図る上で好ましいこととはいえない。
また、ハウス自体の構造は、断熱性を高める特別な構造は有しておらず、ごく一般的な構造であるため、外気への熱放散がハウス全体から盛んに行われることになり、熱が逃げやすく熱効率がよいとはいえない。
【0009】
そこで本発明の目的は、植物用栽培ハウス内の植物の活性化のために二酸化炭素ガスの供給をハウス内に排気ガスを導入することによって行うものにおいて、ハウス内を温めるために十分な熱量が供給できるようにすると共に、ハウス内の二酸化炭素ガスの濃度に偏りが生じないように均等化して、酸欠などの作業環境の危険性を改善することである。
【0010】
また、本発明の他の目的は、ハウス内の植物を活性化する二酸化炭素ガスを導入するにあたり、排気ガスに含まれている一酸化炭素などの有毒ガスとは分けて、二酸化炭素ガスをハウス内に適量導入することができるようにして、作業者の安全を図ることである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、前段の目的に加えて、ハウス内から外気への熱放散が行われやすい箇所に断熱性を付与するガス層を設けることによりハウスからの熱放散を減少させ、ハウス全体の熱効率を向上させることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
本発明は、
コージェネレーション装置で発生する熱を含む空気とコージェネレーション装置の原動機から排出される排気ガスをハウス本体内に導入し、導入された熱を含む空気と排気ガスをハウス本体内の空気と共にハウス本体内の循環経路で強制循環させ、循環しているガスを前記排気ガスの熱を熱源とする熱交換器で加温すると共に、ハウス本体内に植物活性化用の二酸化炭素ガスを供給する、植物栽培用ハウスにおける二酸化炭素ガスの供給方法である。
【0013】
本発明は、
コージェネレーション装置で発生する熱を含む空気とコージェネレーション装置の原動機から排出される排気ガスをハウス本体内に導入し、導入された熱を含む空気と排気ガスをハウス本体内の空気と共にハウス本体内の循環経路で強制循環させ、循環しているガスを前記排気ガスの熱を熱源とする熱交換器で加温すると共に、ハウス本体内に植物活性化用の二酸化炭素ガスを供給するコージェネレーション装置であって、
空気流通路を備えており、該空気流通路内には、
原動機と、
該原動機により駆動される発電機と、
該発電機で発生する電力で駆動され、前記ハウス本体内のガスを循環させる送風機と、
前記原動機の排気ガスの熱を熱源とし、循環ガスを加温する熱交換器と、
前記ハウス本体内に、前記原動機の排気ガスを排出することにより二酸化炭素ガスを供給する手段と、
を備えている、コージェネレーション装置である。
【0014】
本発明は、
コージェネレーション装置で発生する熱を含む空気とコージェネレーション装置の原動機から排出される排気ガスをハウス本体内に導入し、導入された熱を含む空気と排気ガスをハウス本体内の空気と共にハウス本体内の循環経路で強制循環させ、循環しているガスを前記排気ガスの熱を熱源とする熱交換器で加温すると共に、ハウス本体内に植物活性化用の二酸化炭素ガスを供給する、コージェネレーション装置を使用した植物栽培用ハウスであって、
該植物栽培用ハウスは、
ハウス本体と、該ハウス本体内に設けられたコージェネレーション装置を備えており、該コージェネレーション装置によって、ハウス本体内へ熱または/及び電気を含むエネルギーが供給され、
前記コージェネレーション装置は、空気流通路を備えており、
該空気流通路内には、
原動機と、
該原動機により駆動される発電機と、
該発電機で発生する電力で駆動され、前記ハウス本体内のガスを循環させる送風機と、
前記原動機の排気ガスの熱を熱源とし、循環ガスを加温する熱交換器と、
前記ハウス本体内に、前記原動機の排気ガスを排出することにより二酸化炭素ガスを供給する手段と、
を備えている、植物栽培用ハウスである。
【0015】
本発明は、
コージェネレーション装置で発生する熱を含む空気とコージェネレーション装置の原動機から排出される排気ガスをハウス本体内に導入し、導入された熱を含む空気と排気ガスをハウス本体内の空気と共にハウス本体内の循環経路で強制循環させ、循環しているガスを前記排気ガスの熱を熱源とする熱交換器で加温すると共に、ハウス本体内に植物活性化用の二酸化炭素ガスを供給する、コージェネレーション装置を使用した植物栽培用ハウスであって、
該植物栽培用ハウスは、
ハウス本体と、該ハウス本体内に設けられたコージェネレーション装置を備えており、該コージェネレーション装置によって、ハウス本体内へ熱または/及び電気を含むエネルギーが供給され、
前記コージェネレーション装置は空気流通路を備え、
該空気流通路内には、
原動機と、
該原動機により駆動される発電機と、
該発電機で発生する電力で駆動され、前記ハウス本体内のガスを循環させる送風機と、
前記原動機の排気ガスの熱を熱源とし、循環ガスを加温する熱交換器と、
を備えており、
前記ハウス本体内には、原動機の排気ガスを貯留する排気ガス貯留部が設けられており、該排気ガス貯留部には、排気ガス貯留部内の下部のガスをハウス本体内へ供給するガス供給手段と、排気ガス貯留部内の上部のガスをハウス本体外へ排出するガス排出手段を備えている、植物栽培用ハウスである。
【0016】
本発明の植物栽培用ハウスは、
排気ガス貯留部がハウス本体の天井部に設けられているのがより好ましい。
【0017】
本発明の植物栽培用ハウスは、
排気ガス貯留部が気密性及び柔軟性を有する袋体であるのがより好ましい。
【0018】
(作用)
本発明の植物栽培用ハウスの作用を説明する。なお、ここでは、説明で使用する各構成要件に、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与するが、この符号は、特許請求の範囲の各請求項に記載した符号と同様に、あくまで内容の理解を容易にするためであって、各構成要件の意味を上記各部に限定するものではない。
【0019】
コージェネレーション装置(2)の原動機(21)を起動させると、発電機(22)が駆動され、発電される。この電力により、送風機(23)が駆動され、熱交換器(24)へ送風される。
熱交換器(24)には、原動機(21)で発生した高温の排気ガスが送られており、熱交換器(24)を通る循環ガスを加温する。なお、循環ガスは、主に原動機(21)や発電機(22)で生産される熱によっても加温されている。また、排気ガスは熱交換器(24)を通った後、または一部通さずにハウス本体(1)内に直接排出することが可能であり、これにより、植物の活性化のための二酸化炭素ガスをハウス本体(1)内に供給することができる。
【0020】
なお、排気ガス貯留部(3)を備えた植物栽培用ハウスの場合は、熱交換器(24)を通った排気ガスは、排気ガス貯留部(3)へ送られて貯留される。このように、原動機(21)から排出された排気ガスは、ハウス本体(1)内に直接排出されることはない。
【0021】
熱交換器(24)で加温された循環ガスは、必要に応じて補助バーナーなどによってさらに加温される。このようにして加温された循環ガスは、ハウス本体(1)内の循環経路を回り循環しながら撹拌が行われる。この際、循環ガスに含まれる各ガス成分はほぼ均等に分散し、例えば二酸化炭素ガスなどの特定のガス成分がハウス本体内に偏って存在することを防止することができる。
【0022】
そして、循環ガスは、外部への熱放散などによって温度が下がった状態で、送風機(23)に入る。原動機(21)及び発電機(22)の表面から発散される熱は、循環ガス中に取り込まれ、循環ガスは加温される。循環ガスは、このように循環しながらコージェネレーション装置(2)の運転と停止が適正に制御されることにより、ハウス本体(1)内の温度が適温に保たれる。
【0023】
また、排気ガス貯留部(3)の内部では、排気ガスに含まれるガスは、その比重の違いによって上下方向に層状に分かれる傾向がある。二酸化炭素は、比重が比較的重いために下層を形成する。また、一酸化炭素、窒素、酸素などは比重が比較的軽いために上層を形成する。このため、排気ガス貯留部(3)内の下部のガスをハウス本体(1)内へ供給するガス供給手段(32)によって、例えば植物の栽培に必要な時間帯にハウス本体(1)内へ二酸化炭素ガスを効率的に排出することができる。また、排気ガス貯留部(3)内の上部のガスをハウス本体(1)外へ排出するガス排出手段(30)によって、有毒な一酸化炭素ガスを含む他のガス成分を効率的にハウス本体(1)の外部へ排出することができる。
【0024】
このように、原動機(21)から排出される排気ガスを、一旦、排気ガス貯留部(3)に貯留してガス供給手段(32)とガス排出手段(30)で排出の制御をすることにより、栽培される植物の生育を助ける二酸化炭素ガスをハウス本体(1)内に導入するにあたり、排気ガスに含まれている有毒な一酸化炭素などの他のガス成分とは分けて、主に二酸化炭素ガスを適量導入することができるので、作業者の安全を図ることができる。
【0025】
また、ハウス本体(1)内の加温されている循環ガスは、すべてのガスが規則的に動いている訳ではないために、循環ガスの熱量の保持量は、温度が高いガスが集まりやすいハウス本体(1)の天井部に偏って大きくなる傾向がある。しかも、熱量の保持量が大きい部分では、外気へ放散される熱量も大きくなりやすい。
そこで、排気ガス貯留部(3)がハウス本体(1)の天井部に設けられているものによれば、排気ガス貯留部(3)の内部に入っている排気ガスがガスの層となって断熱効果を発揮するので、循環ガスが循環している空間において熱量の保持量が大きい天井部での外気への熱放散が妨げられる。これにより、ハウス全体としての熱効率が向上する。
【発明の効果】
【0026】
(a)本発明は、植物用栽培ハウス内の植物の活性化のために二酸化炭素ガスの供給をハウス本体内に排気ガスを導入することによって行うものにおいて、コージェネレーション装置で発生する熱と排気ガスを共に導入することにより、ハウス内を温めるための十分な熱量が供給できる。また、排気ガスを含むハウス内の空気は、循環経路を循環して撹拌されるために、各ガス成分が均等に分散し、二酸化炭素ガスの濃度に偏りが生じることがなく、酸欠などの作業環境の危険性を改善することができる。
【0027】
(b)本発明の植物栽培用ハウスは、コージェネレーション装置の原動機から排出される排気ガスを一旦排気ガス貯留部に貯留し、ガス供給手段とガス排出手段で排出の制御をすることができる。これにより、ハウス内の植物を活性化する二酸化炭素ガスを導入するにあたっては、排気ガスに含まれている有毒な一酸化炭素などの他のガス成分とは分けて、排気ガス貯留部からハウス内に適量導入することができるので、作業者の安全を図ることができる。
【0028】
(c)排気ガス貯留部がハウス本体の天井部に設けられている植物栽培用ハウスは、排気ガス貯留部の内部の排気ガスがガスの層となって断熱効果を発揮し、循環ガスが循環している空間において熱量の保持量が大きい天井部での外気への熱放散が妨げられる。これにより、ハウス全体としての熱効率が向上する。
【0029】
(d)排気ガス貯留部が気密性及び柔軟性を有する袋体である植物栽培用ハウスは、コージェネレーション装置の運転が停止し、袋体内の排気ガスの供給が止まっている状態でも、ガス供給手段とガス排出手段によるガスの排出は、袋体が自身の重みで縮小変形することにより自動的に行われるので、二酸化炭素のハウス本体内への安定的な供給と、他のガス成分のハウス本体外部への安定的な排出が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明を図に示した実施例に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0031】
図1は植物栽培用ハウスの第1実施形態を示す平面視一部断面説明図、
図2は植物栽培用ハウスの正面視縦断面説明図、
図3は植物栽培用ハウスの拡大した側面視縦断面説明図である。
【0032】
植物栽培用ハウスA1は、ハウス本体1、ハウス本体1内に設置されているコージェネレーション装置2及びハウス本体1の天井部に設けられている排気ガス貯留袋3を備えている。植物栽培用ハウスA1は、コージェネレーション装置2によって、ハウス本体1内へ熱または電気を含むエネルギー及び植物の生育を助ける二酸化炭素ガスが供給される、野菜や花などの植物を栽培する植物栽培用ハウスである。なお、本発明の植物栽培用ハウスは、農業用や園芸用だけでなく、例えば植物園のハウスなども含まれる。
【0033】
ハウス本体1は、骨組み10に合成樹脂製のシート11を張設した構造である。骨組み10には、金属製の支持線12が所定の高さで水平方向に設けられている。支持線12は、図1に示すように、ハウス本体1の長手方向に全体にわたってジグザグに張設されている。
支持線12の上側の収容空間13には、排気ガス貯留袋3が支持線12の上に載置されて収容されている。支持線12の下側は、野菜や花などの植物を栽培するための育成空間14となっている。また、支持線12と同じ高さには、図3に示すように照明器具15が設けられている。
【0034】
排気ガス貯留袋3は、気密性と柔軟性(または変形性)を有する合成樹脂製のシートで袋状に形成されている。なお、排気ガス貯留袋3は、必要十分な気密性と強さを有していれば、布などの他の柔軟性材料で形成することもできる。排気ガス貯留袋3の大きさは、収容空間13のほぼ全長にわたり、膨らんだときには収容空間13をほぼ満たす大きさである。
【0035】
排気ガス貯留袋3の上部側には、ガス排出手段である排出管30が設けられている。排出管30は、排気ガス貯留袋3の上部シートを貫通して取り付けられており、排出口がある先部側は、ハウス本体1のシート11の上部にスライド可能に貫通させて外部へ露出させてある。なお、排出管30の先部側はフック状に曲げられており、排気ガス貯留袋3が縮小変形したときに、排出管30が収容空間13内へ抜け落ちることを防止している。
【0036】
また、排気ガス貯留袋3の下部側には、送気管31と、ガス供給手段である供給管32が接続されている。送気管31は、後述するコージェネレーション装置2の熱交換器24から導出されており、原動機21の排気ガスを排気ガス貯留袋3へ送るものである(後述、図4を併せて参照)。供給管32は、コージェネレーション装置2の送風機23の入口側まで延長されている。なお、供給管32には開閉制御を行うことができる電磁弁33が設けられている。
【0037】
図4は植物栽培用ハウスに使用されるコージェネレーション装置の正面視説明図、
図5はコージェネレーション装置のエンジン回転数制御機構の説明図、
図6はコージェネレーション装置の主回路の配線図である。
【0038】
コージェネレーション装置2は、図1、図2に示すように、ハウス本体1の内部において、ハウス本体1の長手方向の一端寄り、かつ幅方向の中間の地面に据え付けられている。
【0039】
図4を主に参照する。
コージェネレーション装置2は、フレーム20、原動機21、原動機21により駆動される発電機22、発電機22で発生する電力で駆動され、ハウス本体内のガスを循環させる送風機23、原動機21の排気ガスの熱を熱源とし、循環ガスを加温する熱交換器24及び循環ガスを補助的に加温する補助バーナー25を備えている。
【0040】
フレーム20は、外形が直方体形状である。フレーム20の下面の四隅には、移動用のキャスター201が設けられている。フレーム20には、高さ方向のほぼ中間に中間棚202が設けられている。中間棚202の上部には、フレーム20のほぼ全長にわたり、側面と上面を壁板(符号省略)で囲まれた風洞203(図4では、内部を表す便宜上、左側の吸込側の一部を省略している)が設けられている。風洞203の内部、すなわち同一の空気流通路(循環経路に含まれる)内には、吸込側から順に発電機22、原動機21、送風機23及び熱交換器24が設けられている。
【0041】
原動機21は、軽油を燃料とするディーゼルエンジンであるが、これに限定されるものではなく、ガソリンエンジン、あるいはプロパンガスなどを燃料とするガスエンジンなどを採用することもできる。原動機21の排気ガスは、排気管210を通り、後述する熱交換器24へ送られるようにしてある。
【0042】
なお、原動機21の排気ガスを、熱交換器24を通った後、または一部通さずにハウス本体1内に直接排出する構造とすることもできる。この構造では、必ずしも前記排気ガス貯留袋3を設ける必要はない。これにより、植物の活性化のための二酸化炭素ガスを排気ガスによってハウス本体1内に直接供給することができるが、この場合は、排気ガスに含まれる一酸化炭素ガスなどの有毒ガスを吸着または無害化する手段や装置を使用して作業者の安全を図ることが好ましい。
【0043】
原動機21の出力軸は、隣接している発電機22の回転軸に直接連結されている。これにより、原動機21が運転されると、発電機22により発電が行われる。発電機22により得られる電力は、照明器具15及び後述する送風機23のファンモータあるいはその他の電気機器の電源として使用される。
【0044】
原動機21の出力軸の回転数は、アクセルレバー211で調節することができる。図5に示すように、アクセルレバー211は、高速時にはH位置にセットされている。アクセルレバー211を中速に切り換える場合は、制御電動機212の調節軸端に固定されている駆動レバー213を時計方向に回転させて、連動するアクセルレバー211をH位置からM位置へ移動させる。さらに、同様にしてアクセルレバー211をM位置からS位置へ移動させことによって、原動機21を停止させることができる。なお、符号214H、214M、214Sは、制御電動機212の調節軸を指令された位置に停止させるために使用されるリミットスイッチである。
【0045】
図6に示す配線図について説明する。原動機21で駆動される発電機22としては、誘導発電機が使用されている。誘導発電機は、コンデンサで自己励磁する構造であり、コンデンサ220a、220bの両方または一方を接触器221a、221bによって発電機22に接続している。発電機22で発生した電力は、接触器222a、222bを閉じることにより負荷223a、223bに供給する。
【0046】
なお、発生電圧を適正に保つため、発生周波数に比例する発電機22の回転数によって、または負荷223a、223bの容量と種類によって、またはコンデンサ220a、220bを接触器221a、221bによって、発電機22と接続する組み合わせを変更することができる。
【0047】
送風機23は、前記したように発電機22により得られる電力で駆動され、隣接する熱交換器24へ送風することができる。送風機23の入口側の近傍には、前記したように供給管32の排出口が開口している。
熱交換器24は、原動機21から排出され、排気管210を通り送られる高温の排気ガスを熱源として、送風機23によって送られてくる循環ガスを加温することができる。
【0048】
補助バーナー25は、風洞203のうち熱交換器24の排出側部分の外側に取り付けられている。補助バーナー25は、循環ガスの加温が十分でないときなど、必要に応じて、高温の燃焼ガスを風洞203内部を通る循環ガスに放出し混合することにより、循環ガスを加温することができる。
【0049】
なお、フレーム20の吸込側において、前記発電機22、原動機21、送風機23、熱交換器24及び補助バーナー25が設けられている経路と同じ高さには、吸気管26が接続されている。吸気管26は二方向へ分岐させてあり、各々の分岐管260の吸込口261は地面近傍に開口している。また、フレーム20の排出側(図4で右側)において、前記吸気管26と同じ高さには、送風管27が接続されている。送風管27は二方向へ分岐させてあり、各々の分岐管270は支持線12の下側に沿うように吊設され、排出口271は育成空間14の他端寄りに開口している。
【0050】
(作用)
図1ないし図6を参照して植物栽培用ハウスA1の作用を説明する。
植物栽培用ハウスA1の内部には、栽培棚4が設けられている。そして、植物栽培用ハウスA1の内部温度が、栽培する植物の生育に適当でない低い温度であるときは、コージェネレーション装置2を運転し、温度を適温まで上昇させる。
原動機21を起動させると、発電機22が駆動され、発電される。この電力により、送風機23が駆動され、熱交換器24へ送風される。なお、この電力は照明器具15にも使用される。
【0051】
熱交換器24には、原動機21で発生した高温の排気ガスが排気管210を通って送られており、熱交換器24を通る循環ガスを加温する。また、熱交換器24を通った排気ガスは、送気管31を通り、排気ガス貯留袋3へ送られ、内部に貯留される。このように、原動機21から排出された排気ガスは、育成空間14内に直接排出されることはない。
【0052】
熱交換器24で加温された循環ガスは、必要に応じて補助バーナー25によってさらに加温される。特に運転初期には、温度を短時間で上昇させるために、補助バーナー25を運転するのが好ましい。このようにして加温された循環ガスは、送風管27に入り、さらに各分岐管270に分かれて、排出口271から育成空間14の他端寄りに排出される。
【0053】
循環ガスは、育成空間14内を回り循環しながら撹拌が行われ、外部への熱放散などによって温度が下がった状態で、排出口271とは反対側にある吸込口261から各吸気管26へ入り、吸気管26を通って送風機23に入る。吸気管26から送風機23へ入る経路中において、原動機21及び発電機22の表面から発散される熱は、循環ガス中に取り込まれ、循環ガスは加温される。循環ガスは、前記経路で繰り返し循環し、コージェネレーション装置2の運転と停止が適正に制御されることにより、育成空間14内の温度が適温に保たれる。
【0054】
なお、ハウス本体1内の加温されている循環ガスは、すべてのガスが規則的に動いている訳ではないために、循環ガスの熱量の保持量は、温度が高いガスが集まりやすいハウス本体1の天井部に偏って大きくなる傾向がある。しかも、熱量の保持量が大きい部分では、外気へ放散される熱量も大きくなりやすい。本実施形態では、排気ガス貯留袋3がハウス本体1の天井部に設けられていることにより、排気ガス貯留袋3の内部に入っている排気ガスがガスの層となって断熱効果を発揮するので、循環ガスが循環している空間において熱量の保持量が大きい天井部での外気への熱放散が妨げられる。これにより、ハウス全体としての熱効率が向上する。
【0055】
一方、排気ガス貯留袋3は、排気ガスが入ることにより膨らみ、所定の量の排気ガスの貯留が可能になる。また、排気ガス貯留袋3の内部では、排気ガスに含まれる各ガス成分は、その比重の違いによって上下方向に層状に分かれる傾向がある。すなわち、二酸化炭素は、比重が比較的重いために下層を形成する。また、一酸化炭素、窒素、酸素などは比重が比較的軽いために上層を形成することになる。
【0056】
これにより、例えば植物の栽培に必要な時間帯に、排気ガス貯留袋3の下部にたまっているガス成分、つまり主に二酸化炭素ガスをハウス本体1内の育成空間14へ供給管32によって、適宜電磁弁33を制御することにより効率的に排出することができる。また、排気ガス貯留袋3の上部にたまっているガス成分、つまり有毒な一酸化炭素ガスを含む他のガスを、排出管30からハウス本体1外部の大気中へ排出することができる。
【0057】
なお、排気ガス(主に、二酸化炭素ガス)を含むハウス本体1内の循環ガスは循環することにより撹拌されるために、循環ガス中における熱交換が効率よく行われ、ハウス内を温めるために十分な熱量が供給できる。また、循環ガスが循環することによって、ハウス本体1内において各ガス成分が均等に分散し、二酸化炭素ガスの濃度にも偏りが生じることがなく、酸欠などの作業環境の危険性を改善することができる。
【0058】
なお、排気ガス貯留袋3から各ガスを排出する内部のガス圧は、排気ガスが送られてくるときの送気圧力、または排気ガス貯留袋3が自身の重みで縮小変形しようとするときの圧力などによって得られるが、特に後者の場合、コージェネレーション装置2の運転が停止し、排気ガス貯留袋3への排気ガスの送気が止まっている状態でも、各ガスの排出が自動的に行われるので、二酸化炭素ガスの育成空間14内への安定的な供給と、他のガス成分のハウス本体1外部への安定的な排出が可能になる。また、前記ガス圧は、専用のファンやブロワなどを使用して得るようにしてもよい。
【0059】
このように、原動機21から排出される排気ガスを一旦、排気ガス貯留袋3に貯留することにより、栽培される植物の生育を助ける二酸化炭素ガスを育成空間14内に導入するにあたり、排気ガスに含まれている有毒な一酸化炭素などの他のガス成分とは分けて、主に二酸化炭素ガスを適量導入することができるので、作業者の安全を図ることができる。
なお、育成空間14内の二酸化炭素ガスの濃度は、危険な酸欠状態とならないように、濃度制御装置(図示省略)などによって監視制御を行い、安全な濃度、例えば20PPM以下で維持されるようになっている。
【実施例2】
【0060】
図7は植物栽培用ハウスの第2実施形態を示す側面視縦断面説明図である。
なお、図において、前記植物栽培用ハウスA1と同等箇所には同じ符号を付している。
植物栽培用ハウスA2は、コージェネレーション装置2が、ハウス本体1の幅方向の一端側に設置されている。コージェネレーション装置2の吸気管26aと送風管(図では見えない)は、栽培棚4の脚部下側の内部に通されている。
【0061】
吸気管26aには各栽培棚4の位置に三箇所に吸込口261aが設けられ、各吸込口261aは地面近傍に開口しており、送風管の排出口(図では見えない)は育成空間14の他端寄り(図7で奥端寄り)に開口している。これにより、吸気管26aと送風管、特に送風管が邪魔にならないように、また目立たないように設置することができる。
【実施例3】
【0062】
図8は植物栽培用ハウスの第3実施形態を示す正面視縦断面説明図である。
なお、図において、前記植物栽培用ハウスA1と同等箇所には同じ符号を付している。
植物栽培用ハウスA3は、支持線12の上に、気密性を有する合成樹脂製のシートで形成された隔離幕34が設けられている。隔離幕34とハウス本体1の天部側で囲まれた空間は、外部とはほぼ気密に設けられた排気ガス貯留部3aとなっている。
【0063】
隔離幕34は、合成樹脂製のシートでなく、アルミニウムなどの剛性の高い板体を骨組み10に取り付けて形成することもできる。この場合は、支持線12は必ずしも必要ないが、支持線12などの支持手段を設けることもできる。
ハウス本体1の一端側の上部には、排気ガス貯留部3a内の有毒な一酸化炭素ガスなどを含むガス成分を大気中へ排出する排出管30aが設けられている。また、隔離幕34の下部側には、送気管31と、電磁弁(図8では図示省略)を備えた供給管32が接続されている。これによれば、排気ガス貯留部の構造がより簡単になり、設備費用を低コストに抑えることができる。
【0064】
図9はコージェネレーション装置の他の実施形態を示す概略説明図である。
なお、図において、前記植物栽培用ハウスA1と同等箇所には同じ符号を付している。
コージェネレーション装置2aにおいては、風洞203内に蛇管251、252が設けられており、送風機23で送られる循環ガスは、蛇管251、252の隙間を通気可能である。蛇管251、252の両端側は、風洞203の側壁の上下部を貫通させてあり、端部は開口している。
【0065】
上部の吸引側には、蛇管251、252の上端部を囲むように燃焼室253が設けられ、燃焼室253の側壁には補助バーナー25が取り付けられている。また、燃焼室253には、吸気口254が設けられている。また、下部の排出側には、蛇管251、252の下端部を囲むように減圧室255が設けられ、減圧室255の側壁には、ブロワ256が取り付けられている。ブロワ256からの排気は、送気管257によって排気ガス貯留袋3へ送られる。
【0066】
これによれば、補助バーナー25の燃焼ガスによって、蛇管251、252を介して循環ガスを加温することができるとともに、燃焼ガスは循環ガスと混じることなく排気ガス貯留袋3へ送られる。さらに、排気ガス貯留袋3からは、原動機21からの排気ガスと同様に、主に二酸化炭素が育成空間14に供給されるので、循環ガスには燃焼ガスに含まれている有毒な一酸化炭素ガスなどの二酸化炭素ガス以外の他のガス成分は混じらないか、あるいは混じる量を低減することができる。これにより、作業者に対する安全性をさらに向上させることができる。
【0067】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】植物栽培用ハウスの第1実施形態を示す平面視一部断面説明図。
【図2】植物栽培用ハウスの正面視縦断面説明図。
【図3】植物栽培用ハウスの拡大した側面視縦断面説明図。
【図4】植物栽培用ハウスに使用されるコージェネレーション装置の正面視説明図。
【図5】コージェネレーション装置のエンジン回転数制御機構の説明図。
【図6】コージェネレーション装置の主回路の配線図。
【図7】植物栽培用ハウスの第2実施形態を示す側面視縦断面説明図。
【図8】植物栽培用ハウスの第3実施形態を示す正面視縦断面説明図。
【図9】コージェネレーション装置の他の実施形態を示す概略説明図。
【符号の説明】
【0069】
A1 植物栽培用ハウス
1 ハウス本体
10 骨組み
11 シート
12 支持線
13 収容空間
14 育成空間
15 照明器具
2 コージェネレーション装置
20 フレーム
201 キャスター
202 中間棚
203 風洞
21 原動機
210 排気管
211 アクセルレバー
212 制御電動機
213 駆動レバー
214H、214M、214S リミットスイッチ
22 発電機
220a、220b コンデンサ
221a、221b 接触器
222a、222b 接触器
223a、223b 負荷
23 送風機
24 熱交換器
25 補助バーナー
26 吸気管
260 分岐管
261 吸込口
27 送風管
270 分岐管
271 排出口
3 排気ガス貯留袋
30 排出管
31 送気管
32 供給管
33 電磁弁
4 栽培棚
A2 植物栽培用ハウス
26a 吸気管
261a 吸込口
A3 植物栽培用ハウス
3a 排気ガス貯留部
30a 排出管
34 隔離幕
2a コージェネレーション装置
251、252 蛇管
253 燃焼室
254 吸気口
255 減圧室
256 ブロワ
257 送気管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コージェネレーション装置(2)で発生する熱を含む空気とコージェネレーション装置(2)の原動機(21)から排出される排気ガスをハウス本体(1)内に導入し、導入された熱を含む空気と排気ガスをハウス本体(1)内の空気と共にハウス本体(1)内の循環経路で強制循環させ、循環しているガスを前記排気ガスの熱を熱源とする熱交換器(24)で加温すると共に、ハウス本体(1)内に植物活性化用の二酸化炭素ガスを供給する、
植物栽培用ハウスにおける二酸化炭素ガスの供給方法。
【請求項2】
コージェネレーション装置(2)で発生する熱を含む空気とコージェネレーション装置(2)の原動機(21)から排出される排気ガスをハウス本体(1)内に導入し、導入された熱を含む空気と排気ガスをハウス本体(1)内の空気と共にハウス本体(1)内の循環経路で強制循環させ、循環しているガスを前記排気ガスの熱を熱源とする熱交換器(24)で加温すると共に、ハウス本体(1)内に植物活性化用の二酸化炭素ガスを供給するコージェネレーション装置であって、
空気流通路(203)を備えており、該空気流通路(203)内には、
原動機(21)と、
該原動機(21)により駆動される発電機(22)と、
該発電機(22)で発生する電力で駆動され、前記ハウス本体(1)内のガスを循環させる送風機(23)と、
前記原動機(21)の排気ガスの熱を熱源とし、循環ガスを加温する熱交換器(24)と、
前記ハウス本体(1)内に、前記原動機(21)の排気ガスを排出することにより二酸化炭素ガスを供給する手段と、
を備えている、コージェネレーション装置。
【請求項3】
コージェネレーション装置(2)で発生する熱を含む空気とコージェネレーション装置(2)の原動機(21)から排出される排気ガスをハウス本体(1)内に導入し、導入された熱を含む空気と排気ガスをハウス本体(1)内の空気と共にハウス本体(1)内の循環経路で強制循環させ、循環しているガスを前記排気ガスの熱を熱源とする熱交換器(24)で加温すると共に、ハウス本体(1)内に植物活性化用の二酸化炭素ガスを供給する、コージェネレーション装置(2)を使用した植物栽培用ハウスであって、
該植物栽培用ハウスは、
ハウス本体(1)と、該ハウス本体(1)内に設けられたコージェネレーション装置(2)を備えており、該コージェネレーション装置(2)によって、ハウス本体(1)内へ熱または/及び電気を含むエネルギーが供給され、
前記コージェネレーション装置(2)は、空気流通路(203)を備えており、
該空気流通路(203)内には、
原動機(21)と、
該原動機(21)により駆動される発電機(22)と、
該発電機(22)で発生する電力で駆動され、前記ハウス本体(1)内のガスを循環させる送風機(23)と、
前記原動機(21)の排気ガスの熱を熱源とし、循環ガスを加温する熱交換器(24)と、
前記ハウス本体(1)内に、前記原動機(21)の排気ガスを排出することにより二酸化炭素ガスを供給する手段と、
を備えている、植物栽培用ハウス。
【請求項4】
コージェネレーション装置(2)で発生する熱を含む空気とコージェネレーション装置(2)の原動機(21)から排出される排気ガスをハウス本体(1)内に導入し、導入された熱を含む空気と排気ガスをハウス本体(1)内の空気と共にハウス本体(1)内の循環経路で強制循環させ、循環しているガスを前記排気ガスの熱を熱源とする熱交換器(24)で加温すると共に、ハウス本体(1)内に植物活性化用の二酸化炭素ガスを供給する、コージェネレーション装置(2)を使用した植物栽培用ハウスであって、
該植物栽培用ハウスは、
ハウス本体(1)と、該ハウス本体(1)内に設けられたコージェネレーション装置(2)を備えており、該コージェネレーション装置(2)によって、ハウス本体(1)内へ熱または/及び電気を含むエネルギーが供給され、
前記コージェネレーション装置(2)は空気流通路(203)を備え、
該空気流通路(203)内には、
原動機(21)と、
該原動機(21)により駆動される発電機(22)と、
該発電機(22)で発生する電力で駆動され、前記ハウス本体(1)内のガスを循環させる送風機(23)と、
前記原動機(21)の排気ガスの熱を熱源とし、循環ガスを加温する熱交換器(24)と、
を備えており、
前記ハウス本体(1)内には、原動機(21)の排気ガスを貯留する排気ガス貯留部(3)が設けられており、該排気ガス貯留部(3)には、排気ガス貯留部(3)内の下部のガスをハウス本体(1)内へ供給するガス供給手段(32)と、排気ガス貯留部(3)内の上部のガスをハウス本体(1)外へ排出するガス排出手段(30)を備えている、
植物栽培用ハウス。
【請求項5】
排気ガス貯留部(3)がハウス本体(1)の天井部に設けられている、
請求項4の植物栽培用ハウス。
【請求項6】
排気ガス貯留部(3)が気密性及び柔軟性を有する袋体である、
請求項4または5の植物栽培用ハウス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−206475(P2008−206475A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47783(P2007−47783)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(397061677)三和システム株式会社 (6)
【Fターム(参考)】