説明

植物栽培観賞用具

【課題】様々な植物を立体的に栽培・観賞することを可能にした植物栽培観賞用具を提供する
【解決手段】周面に複数の窓部3が形成され、内部に土5を収容可能な保形性のある筒状の本体部2と、窓部3の後方に形成されたカバー部材4とを備え、カバー部材4は、本体部2に収容した土5が窓部3からこぼれないように塞き止めると共に、窓部3の下部に土の露出面5aが造られるように下端部を窓部3から後方に離隔させて構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体的に植物を密植栽培し、観賞できるようにした植物栽培観賞用具に関する。
【背景技術】
【0002】
園芸植物を高さ方向に立体的に栽培するための園芸補助具としては、菊や朝顔などの鉢植えに使用する行灯仕立や、各種の観葉植物の鉢植えに使用するポール、添え木などが一般に知られている。また、観葉植物などの園芸植物を立体的に密植させるのに好適な筒形園芸補助具も提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3464946号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている筒形園芸補助具では、園芸植物を立体的に密植させることがでるが、筒形園芸補助具の孔に植物の茎を通して植え込むものであるので、ポトスや折鶴ランのようにツル状の茎を有する植物に限定され、様々な植物を立体的に栽培・観賞するには適していないという課題があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、様々な植物を立体的に栽培・観賞することを可能にした植物栽培観賞用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の植物栽培観賞用具は、周面に複数の窓部が形成され、内部に土を収容可能な保形性のある筒状の本体部と、前記窓部の後方に形成されたカバー部材とを備え、前記カバー部材は、前記本体部に収容した土が前記窓部からこぼれないように塞き止めると共に、前記窓部の下部に土の露出面が造られるように下端部を前記窓部から後方に離隔させていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の植物栽培観賞用具は、前記窓の下部の土に植物の苗が直接植え込まれていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の植物栽培観賞用具は、前記窓の下部の土に植物の苗が植えられたポットが載置されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の植物栽培観賞用具は、前記本体部は、前面の横幅よりも奥行きが小さい薄型形状であり、後部にはフックが設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5に記載の植物栽培観賞用具は、パイプの上下に間隔をおいて側方に突出する分岐管が形成され、上部には漏斗部が形成された給水・給肥部材を、前記本体部に収容された土内に埋設したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、筒形の本体部の周面に形成された多数の窓部を通して植物の苗を植え込むことにより、所望の植物を立体的に栽培し、観賞することができる。また、多数の植え込み口があるので、同一の植物のみならず、異なった様々の植物を植え込んで立体的にアレンジして観賞することができると共に、植え込み時期をずらせて、例えば成長の早い植物を後から植え込む等、変化に富んだ使用態様をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の植物栽培観賞用具の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】苗の植え込み態様の他例を示す断面図である。
【図5】植物栽培観賞用具の使用状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の植物栽培観賞用具の第2実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明の植物栽培観賞用具の第3実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明に係る植物栽培観賞用具の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係わる植物栽培観賞用具の実施形態を示す斜視図、図2は、図1のII−II線断面図、図3は、図1のIII−III線断面図である。
【0014】
図1ないし図3に示すように、本発明の植物栽培観賞用具1は、土5を収容して自立可能な保形性のある、例えば硬質合成樹脂からなる角形の筒状の本体部2を備えている。本体部2の下部には脚部14が設けられている。植物栽培鑑賞用具1を単体で使用場合は、本体部2の下端部には、底部2aが設けられるが、後述する飾り鉢8上で使用する場合は、無底の構成が好ましい。
図示の例では、本体部2は正方形の筒型であるが、長方形、円形、その他任意の形状であってよい。
【0015】
この本体部2の周面には、多数の窓部3が形成されている。この窓部3は、図示の例では、上部が弧状部3a、下部が直線部3bとなった形状の例を示しているが、半円形、半楕円形その任意の形状であってよい。
【0016】
窓部3の後方(本体部2の内側)には、本体部2に収容した土5が窓部3からはみ出さないように、カバー部材4が設けられている。このカバー部材4は、上端部4aは窓部3の裏面の上部付近に、両側端部4bは窓部3の裏面の両側付近に、各々固着され、下部に行くにしたがって徐々に窓部3から離隔していき、下端部は開放部4cとなっている。この開放部4cに土5の露出面5aが造られるようになっている。カバー部材4は水はけをよくするため、図示のように透孔4dを形成するか、もしくは網状、ざる状、その他水はけのよい材質ものを使用することが好ましい。
【0017】
図2、図3に示すように、窓部3を介して土5の露出面5aに、花、観葉植物など所望の植物の苗6を植えている。各々の窓部3に同一の植物の苗を植えてもよいし、異なる植物の苗を植えてもよい。同一時期に植えてもよいし、時期をずらせて植えてもよい。
【0018】
図4は、苗6を植えたポット7を土5の露出面5aに埋め込んだ例である。なお、ポット7は露出面5aに載置するだけでもよい。期間が経つとポット7の底から苗6の根が土5内に張っていくことになる。
【0019】
図5は、植物栽培観賞用具1の使用状態を示すもので、飾り鉢8の土に脚部14を刺し込むことにより本体部2を直立させ、窓部3で花、観葉植物など植物9を立体的に栽培し、観賞できるようになっている。この使用態様では、前述のように本体部2は無底であり、本体部2内の土は飾り鉢8の土と連続している。
【0020】
図5は、本発明の植物栽培観賞用具1の第2実施形態を示すものである。この第2の実施形態では、本体部2の奥行きMを前幅Nより小さくした長方形の薄型形状とし、後部にフック10を設けたものである。これにより、塀、ベランダ等の所望の建造物に引っ掛けて使用することができる。本体部2が円筒体である場合は、例えば半円形の薄型とすることができる。この実施形態では、本体部2は底部2aを持った有底構造であり、かつ、脚部14は設けなくてもよい。
【0021】
図6は、本発明の植物栽培観賞用具の第3実施形態を示すもので、給水・給肥部材を設けたものである。
【0022】
給水・給肥部材11は、孔付きのパイプ12の上下に間隔をおいて側方に突出する分岐管13が形成され、上部には漏斗部14が形成されたものである。漏斗部14から水または液状の肥料を供給することにより、土5の下部にいたるまで全体的に給水及び給肥を行うことができる。
【符号の説明】
【0023】
1 植物栽培観賞用具
2 本体部
3 窓部
4 カバー部材
5 土
6 苗
7 ポット
8 飾り鉢
9 植物
10 フック
11 給水・給肥部材
12 パイプ
13 分岐管
14 漏斗部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面に複数の窓部が形成され、内部に土を収容可能な保形性のある筒状の本体部と、
前記窓部の後方に形成されたカバー部材とを備え、
前記カバー部材は、前記本体部に収容した土が前記窓部からこぼれないように塞き止めると共に、前記窓部の下部に土の露出面が造られるように下端部を前記窓部から後方に離隔させていることを特徴とする植物栽培観賞用具。
【請求項2】
前記土の露出面に、植物の苗が直接植え込まれていることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培観賞用具。
【請求項3】
前記土の露出面に、植物の苗が植えられたポットが載置されていることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培観賞用具。
【請求項4】
前記本体部は、前面の横幅よりも奥行きが小さい薄型形状であり、後部にはフックが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の植物栽培観賞用具。
【請求項5】
パイプの上下に間隔をおいて側方に突出する分岐管が形成され、上部には漏斗部が形成された給水・給肥部材を、前記本体部に収容された土内に埋設したことを特徴とする請求項1乃至4に記載の植物栽培観賞用具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−78329(P2011−78329A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−231391(P2009−231391)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(599119318)
【Fターム(参考)】