説明

植物起源の低ナトリウム塩

本発明は、植物起源であり、もっぱら植物に由来する、所望される塩化ナトリウム:塩化カリウム率、及びヨウ素を含むほんのわずかな微量栄養素を有する低ナトリウム塩(健康塩)を含有する塩であって、天然で白色であり、自由流動性である塩の混合物を調製するための費用効率の高い方法を発表する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物起源の低ナトリウム塩を有する均質な塩の混合物とそれらの処理に関する。より詳細には、本発明は、植物の粗塩化ナトリウムと塩化カリウム塩の副産物を混合し、その後、水性条件下で処理することによって、コスト効率の良い方法で所望される低ナトリウム塩を得ることによる、低ナトリウム塩の調製に関する。低ナトリウム塩は、塩化ナトリウムと塩化カリウムの混合物であり、高血圧症のような健康問題のためにより少ない食塩を食すように忠告された人に有用である。
【背景技術】
【0002】
所定の心臓及び腎臓の症状において、特に浮腫、高血圧症、動脈硬化症、妊娠合併症及びてんかんに関連する症状において、食物でコントロールできる程度で更なる損傷を回避するために、及びそれらの症状を改善するために、食物は比較的に低塩(salt free)であるべきであることが周知である。通常の食卓塩の有害な作用は、それらのナトリウム含有量によることも更に知られている。なぜならそれは避けなくてはならないナトリウムイオンの形態にあるナトリウムであるからである。更に、体組織の重量の増加に対応している流動体の蓄積をもたらす、食物中のナトリウム含有量の傾向は、食物中のナトリウム摂取を減少させる重要性を強調した。
【0003】
更に、多くの果物、野菜及びマメに存在するミネラルであるカリウム塩は、高血圧症に対する保護が公知である。低ナトリウム塩中のカリウムの存在は、ナトリウムで誘導された高血圧症を阻害する。"The Heinz Handbook of Nutrition"、by Benzamin T Burton、published for H J Heinz co., by McGrew Hill Book Co. Second Edition, ページ132-133を参照することができ、ここでは、カリウムの食物中の必要性は、おおよそナトリウムの必要性と同等であると述べられている。
【0004】
塩は、カリウム及び微量栄養素(例えばマグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄及び銅等)を含む任意の栄養補助食品を供給するための優れたトランスポーターである。なぜなら人々は、毎日塩を消費し、非常に制限された量でも、食物の風味を改善するからである; 主要な例は、それぞれ甲状腺腫及び貧血症の制御のためのヨウ素及び鉄による塩の強化である(M G Venkatesh Mannar, S Jaipal and C S Pandya, Proceedings of sixth international congress, Seoul, 1989)。
【0005】
食卓塩の代用として、同様な調味料効果を与え、且つ塩化ナトリウムの実質的に減少した量を含む、塩味組成物を提供するための多くの試みが成されてきた。
【0006】
にがりから低ナトリウム塩を回収する化学技術の分野において、製塩業の副産物は、心臓障害及び血圧で苦しんでいる患者のため、並びに栄養価のに関する必要性から、重要性を獲得した。最も典型的には、純粋な塩と一緒に混合し、低ナトリウム塩を生産することであるが、従来技術では、CaC12でにがりを化学処理し、硫酸塩を分離し;にがりを濃縮して、塩とカーナライトの混合物を生産し、そして最終的に当該混合物を処理して、低ナトリウム塩を生産することにより、低ナトリウム塩を直接生産することを可能にすることも明らかにされた。
【0007】
Biale及びZolotov、(EP0809942, 03-12-1998及び米国特許No 5,853,792; 29/12/1998)、それぞれ標題"Low sodium edible salt mixture"及び"Low sodium edible salt composition and process for its preparation"を参照することができ、ここでは乾燥重量成分を基礎として、0〜50%塩化ナトリウム、45〜99.5%塩化カリウム及び少なくとも0.5%添加剤であって、少なくとも1つの食用ヌクレオチド一リン酸塩、及び低級有機酸、低級有機酸塩、リン酸、リン酸塩、マグネシウム塩、及び焦糖から成る群から選定される前記ヌクレオチド一リン酸塩以外の少なくとも1つのメンバーを含む低ナトリウム食用塩の組成物が発表される。添加剤は塩化カリウムの苦味に対抗する効果を有する。しかしながら、本処理の欠点は、製品が成分を単に物理的に混合することによって得られるために、均質な混合物を得ることが困難であることである。
【0008】
Rood Robert P.及びTilkian Sarko M.の特許(W08500958, 14-3-1985, US4473595, 25-9-1984))、標題"Low sodium salt substitute"を参照することができ、ここでの低ナトリウム組成物の処理は、通常の食卓塩の代用として、及び約40〜50%の塩化ナトリウム、25〜35%の塩化カリウム、及び15〜25%のマグネシウム塩(硫酸マグネシウム及び塩化マグネシウムを含む)を含むマグネシウム食物の補助食品として発表されている。マグネシウムの存在は、所望されるマグネシウム食物の補給を提供する間の、カリウムが発生する苦味または後味を克服する。しかしながら、この処理の欠点は、製品が成分を単に物理的に混合することによって得られるために、真に均質な固体混合物を得ることが困難であることである。
【0009】
Vohra等(WO 03064323、7/8/2003)、標題"A process for recovery of low sodium salt from bittern"を参照することができ、マグネシウム及びカルシウム等の他の栄養素を含む塩化ナトリウムと塩化カリウムの混合物の、製塩業の副産物である塩水(brine)/にがりからの天然処理による調製を開示する。この処理の主な欠点は、当該塩が必須微量栄養素(例えば、ヨウ素、亜鉛、銅、鉄及びマンガン等)を含まないことである。
【0010】
Alves de Lima等、特許No. BR 9806380 A、12.9.2000、標題"Production of dietetic salt by mixing"を参照することができ、ここでは低ナトリウム食物塩は、塩化カリウム、ヨウ素酸カリウム及びケイ酸ナトリウムアルミニウムを海塩と共に混合し、それにより、4対6の割合で塩化ナトリウムと塩化カリウムが混合されることによって生産させることが記載されている。この処理の欠点は、固体混合物を作るために、塩化ナトリウムと塩化カリウムを別個に獲得しなければならず、そして多様な塩化ナトリウム:塩化カリウムの比率の低ナトリウム塩を得るために多様な割合でそれらを一緒にブレンドしなければならないことである。この方法によれば、真に固体均質性混合物を調製することは困難である。更に、本特許では、製品の自由な流動特性、及び代謝工程のために要求される重要な微量栄養素の存在について言及されていない。
【0011】
Shuqing Wang、特許No. CN 1271541A、2000年11月、標題"Multi-element low sodium nutritive salt"を参照とすることができ、真空下で飽和塩水から塩を結晶化することによる低ナトリウムの栄養塩類の調製が開示されている。当該塩を、その後、塩化カリウム及びMgS047H20等の塩と均一に混合し、引き続きKI03及びNa2Se03溶液と混合し、乾燥し、そして最終的に活性CaとZn乳酸塩と混合する。この処理の欠点は、均質の固体混合物中で多様な構成成分を混合することの困難性から離れて、塩が高エネルギー消費に関与する温飽和塩水から結晶化され、それによって生産コストが増加することである。
【0012】
DuBois等,(1992、3月)、米国特許5,098,723、標題"Low sodium salt composition and method of preparing"を参照することができ、ここでは、低ナトリウム塩組成物及びその調製方法が提供されている。ここでは、塩化ナトリウムは、ザラザラしていない(non-gritty)バルク剤、及び任意に結合剤と組み合わされて、加工食品にまぶすのに適した塩組成物を形成する。これは、より少ないナトリウムの送達による塩風味を有する組成物を提供した。この処理の欠点は、添加剤はナトリウム含有量を減少させるが、ナトリウムで誘導される高血圧症を減じることを要求する塩化カリウム含有量を増加させることによらないことである。
【0013】
米国特許No 2,471,144、Davy ED(1949)に発表された、標題"salt substitute"を参照することができ、ここでは、少量のカルシウム及びマグネシウムカチオン及びリン酸塩及びクエン酸塩アニオンの付加と共に、主要な塩成分としてカリウム及びアンモニウムの塩化物を含む(全成分の70〜95%)ナトリム不存在調製物は、塩の代用品として提言されている。これらのイオンは、調製物中に含まれ、風味を滑らかにし、塩化ナトリウムの風味と同様の調製物の風味を作る。この処理の欠点は、製品が成分を物理的に混合することによって得られることから、真に均質な混合物を得ることが困難であることである。
【0014】
Zheng Haibinによる中国特許(CN1358456、17.7.2002)及び Zheng Haibin & Yue Jing (CN1387794、1.1.2003)による中国特許、それぞれの標題は"Health care table salt"及び"Health table salt"を参照することができる。前者は、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム、硫酸マグネシウム及びヨウ素酸カリウムをいくつかの微量元素と混合することによって調製される食用健康塩を発表する。本製品は明白なヘルスケア効果を有する。後者も、塩化ナトリウム、多様なアミノ酸、ペプチド物質、ビタミンB群、多糖類、抗酸化物質、核酸調味料、塩化カリウム、マグネシウム塩、セレニウム塩及びヨウ化カリウムを混合することにより調製される製品を発表する。この製品は、多様な疾患を効果的に予防する。しかしながら、この処理の欠点は、製品が単に成分を物理的に混合することにより得られ、真に固体均質である混合物を与えないことである。更に、特許請求の範囲に係る製品は、低ナトリウム塩でなく、且つ必須微量栄養素を含まない。
【0015】
Kim Won-Daeによる韓国、日本及び米国の特許、標題"Vegetable salt preparation method"(KR 2001083036、31/8/2001、JP2001292725 及びUS2001021408)を参照することができ、ここでは高いミネラル含有量と低い重金属含有量を含む植物性の塩の調製方法が発表されている。これを得るために、例えば、アッケシソウ(Salicornia europaea)、シチメンソウ(Suaeda japonica)、Suaeda maritime及びウラギク(Aster tripolium)等の塩性(halophilic)植物が使用され、熱水抽出にかけられる。得られた抽出物は乾燥され、そして順次、150-250℃で30分間、500℃で2時間、及び700℃で2時間超、灰化かけて粉炭化され、塩粒が得られる。この処理の主な欠点は、植物全体が塩の調製のために使用されることである。更に、その処理は、熱水抽出と700℃でのバイオマスの灰化のために非経済的である。更に発表された製品は、低ナトリウム塩ではない。
【0016】
Ghosh等, W003079817(2/10/2003)及びUS2003185954(02/10/2003)、標題"Preparation of nutrient rich salt from plant origin"、及びUS2003185955(2003-10-02)、標題"Nutritious salt formulations of plant origin and process for the preparation thereof"を参照することができ、ここでは高度に塩類を集積し、及び食用油を担持する塩耐性植物であるサリコルニア・ブラキアタ(Salicornia brachiata)から、塩と油の両方を同時に回収することを可能にする方法で、栄養に富む塩を調製することが発表されている。海水、並びに場合によっては塩にがりに富む海水及び/または必須栄養素を含む他のタイプの廃棄物/副産物を、植物に定期的にまくことによって、かかる塩の中の栄養素のレベルを更に上昇される。しかしながら、この処理を通して得られた塩は、1〜20%の塩化カリウムの範囲にあり、且つ厳密の意味で、十分な医療価値のある低ナトリウム塩ではない。
【0017】
2つの韓国特許、Im John Hwanによる、標題"Production of seaweed salt"(KR2003024737、26/3/2003)、及びChoi Byung Sooによる、標題"Method for manufacturing tasty salt by brown seaweeds(sea tangle)"(KR2002062878、31/7/2002)を参照することができ、ここでは海藻は、加工塩のために使用される。しかしながら、特許請求の範囲に記載された製品は褐藻類から得られ、且つ薬理効果のある低ナトリウム塩ではない。
【0018】
Wu Xixin (CN1217196、26/5/1998)、標題"Edible salt substitute for treating kidney disease"を参照することができ、ここではナトリウム不存在、または低ナトリウムの食用代用塩の調製は、腎疾患を治療するために発表されている。これは漢方薬の材料、並びに抽出及び精製の処理を施した化学塩を使用することにより完成する。この処理の欠点は、所望される製品を得るために、植物材料を化学的に誘導された塩と混合することであり、それによって、全てが植物油の製品であるとはみなされ得ない。
【0019】
Okabe Mitsutoshiによる日本特許、標題"Production of vegetable /alga salt"(JP10327799、15/12/98)を参照することができ、ここでの処理は、加塩のために必要である塩の量を減少させるために有効であり、且つ香味料及び塩味等の食味(palatability)を旨みの素と、食卓塩の加塩保存能を植物、有用植物、海藻及び草の殺菌保存能と組合せることによって、組合せることが可能な塩の生産のために提供されてきた。この処理の欠点は、植物起源由来の成分が食卓塩と混合されて、所望される製品を得ることであるが、真に均質な固体混合物は得られないことである。
【0020】
Yamahara Jojiによる日本特許(JP2000004824、11/1/2000)、標題"Plant derived mineral salt"を参照することができ、ここでの処理は、灰分に富む植物を灰化し、引き続き得られた灰分を、海水及び/または海水由来水性溶媒により、pH6〜8で抽出にかけることにより安価な植物由来ミネラル塩を得ることが発表されている。使用される灰分に富む植物は、好適には、サラノキ(Shorea robusta)、紅藻類(red algae)または褐藻類(brown algae)である。上記処理では、海水による抽出の結果としての液体抽出物は、ろ過され。引き続き減圧下で濃縮され、その後、煮詰められて、目的の製品を提供する。本製品は、カリウム塩を除く、マグネシウム塩等のミネラル塩を、通常の市販の塩と比較して数百倍で含むが、ナトリウム含有量は通常の塩の半分である。しかしながら、この処理の欠点は、定められたpHを有す海水が、抽出のために使用され、及び濃縮が減圧下で行われ、処理を非経済的にすることである。更に、植物は塩の回収のために全体が使用され、経済的に魅力的に成り得ない。
【0021】
日本特許Setsuko(JP10136932、26/5/1998)、標題"Health Salt"を参照することができ、ここでは少量のクエン酸、マルトース、甘蔗糖またはショ糖、並びにマルターゼ及びインベルターゼのような酵素により補足される、天然塩と焼いた海水塩が主要な成分である健康塩を調製するための処理が発表されている。塩は、強磁場を用いるミネラル成分のイオン化の後、溶液から回収される。この処理の欠点は、製品が食卓塩を海藻灰分と混合することによって得られることである。これは真に均質な固体混合物を与え得ない。更に、塩の回収は、ミネラル成分のイオン化のために強磁場を用いて成され、本処理は非経済的である。
【0022】
Hiroshima Nobukiによる日本特許、標題"Table salt containing vegetable powder and vitamin C"(JP10295319、10/11/1998)を参照することができ、ここでは食卓塩の風味は、天然アセロラの十分な量の植物パウダー、ローズヒップ、抹茶またはヨモギ及びダイダイの実またはレモン等の柑橘系果実由来のビタミンCを混合することによって改善される。混合パウダーの量は好適には食卓塩1kgあたり0.05gである。しかしながら、特許請求の範囲に記載された製品は、食卓塩と植物パウダーの混合物である。従って、この製品は、完全に植物起源から由来するものではない。更に、前記製品は、低ナトリウム塩ではない。
【0023】
K-カラギナンの起源として公知である紅藻:Eucheuma striatum(より一般的には、Eucheumaとして知られている) について参照することができる。 Eucheuma調製品は、開花及び作物の成長を改善するための葉面散布として、及びTosaka noriという名前の食用の海藻としても使用される(V J Chapman及びD J Chapmanの本の中の"Sea weeds and their uses"、Chapman及びHall、ロンドン及びニューヨーク、1980、2章、30-61ページ)。H. J. Bixlerによる論文、標題" Recent Developments in manufacturing and marketing carrageenan"、Hydrobiologia, 326/327, 35-57,1996を参照することができ、ここでは"健康問題のいかなる疫学的証拠がない、未処理のEucheumaを食する東南アジア人の長い歴史がある "と述べられている。
【0024】
カラギナンを回収するために、Eucheuma striatumを収穫し、洗浄し、そして日光/オーブンで乾燥させたことを報告したQ. Hurado-Ponce (Botanica Marina 38,137, 1995)を参照することができる。塩化カリウムの起源として乾燥した海藻から付着塩を回収することは言及されていない。
【0025】
K Eswaran等、標題"Method for production of carrageenan and liquid fertilizer from fresh seaweeds"(米国出願No.10/222977;国際出願No. PCT/IB02/04112、国際登録日:2002年10月8日)を参照することができ、ここでは、統合された方法が開発され、新鮮なEucheuma striatumのバイオマスは、藻類を粉砕することによる液体肥料(sap)の回収のために最大限に利用され、一方、残渣は K-カラギナンの抽出のために上質な原料となる。植物液体肥料(plant sap)はカリウムに富み、そしてカリウム性肥料として有用である乾燥させたような藻類は高い塩化カリウム含有量を有すと述べられているが、 低ナトリウム塩の調製のために塩化カリウムを利用する試みはなされていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
発明の目的
本発明の主な目的は、植物起源由来の低ナトリウム塩含有物の混合物を調製するための方法を提供することであり、前記方法は以下のステップを含んで成る:
a) 海から得られるEucheuma植物類/海藻類を収穫し、そして予め決められた水分レベルと同レベルを得るために乾燥させ、
b) ステップ(a)の乾燥させたEucheuma 植物類/海藻類を室温で、10〜30分間粉砕し/たたいて平らにし、そして90〜99重量%の塩化カリウム及びほんのわずかな微量栄養素を含む付着した粗塩を分離し、
c) 海から得られるサリコルニア(Salicornia)植物類/海藻類を収穫し、オイルを有する種子を除去し、そして予め決められた水分含有量と同量を得るために乾燥させ、
d) ステップ(c)の乾燥させたサリコルニア植物類を室温で粉砕し、そして20〜60重量%の塩化ナトリウムとほんのわずかな微量栄養素を含む粗塩を分離し、
e) ステップ(d)で得られた粗塩をステップ(b)の粗塩と1:5〜5:1の範囲の比率で混合し、
f) ステップ(e)で得られた混合物を、300℃〜6000℃の範囲で、1〜10時間、共灰化(co-incinerating)し、有機物質を欠く、薬草の粗低ナトリウム塩を得て、
g) 塩溶液を調製するためにステップ(f)で得た灰化した混合物を水に溶解し、
h) ステップ(g)の塩溶液を、公知技術によって濾過し、そして溶液を濃縮して、植物起源の塩と低い含有量のナトリウム塩の混合物を得る。
【0027】
本発明の他の目的は、自由流動性であり、且つ植物起源から由来する以下を含む低ナトリウム塩内容物の均質な混合物を提供することである:
35〜80重量%の塩化カリウム
20〜30重量%の塩化ナトリウム
0.02〜0.5重量%のカルシウム
0.02〜1.2重量%のマグネシウム
0.0005〜0.0007重量%のヨウ素
残りは栄養素である。
【0028】
本発明の更に他の目的は、栄養価を強化せずにカルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄及びヨウ素等の必須微量栄養素を含む低ナトリウム塩を調製することである。
【0029】
本発明の更に他の目的は、不溶性の不純物が存在しない精製した低ナトリウム塩を調製することである。
【0030】
本発明の更に他の目的は、無臭で、外見は白色であり、且つ事実上自由流動性である低ナトリウム塩を提供することである。
【0031】
本発明の他の目的は、植物起源の低ナトリウム塩を調製するために、海藻類に蓄積された好塩性植物(halophytes)のバイオマスと塩化カリウムを含む低ナトリウム塩を提供することである。
【0032】
本発明の更に他の目的は、低ナトリウム塩の調製のために、海近くの潮間帯エリア中で成長するサリコルニア・ブラキアタ(Salicornia brachiata)(好塩性植物)の廃棄バイオマスを塩化ナトリウムの起源として利用することである。
【0033】
本発明の更に他の目的は、低ナトリウム塩の調製のために、海で成長するEucheuma(紅藻)を、塩化カリウムの起源として利用することである。
【0034】
本発明の更に他の目的は、廃棄物である乾燥したEucheumaに付着した塩を、塩化カリウムの起源として利用することである。
【0035】
本発明の更に他の目的は、サリコルニア・ブラキアタ(Salicornia brachiata)の残留バイオマスと日光で乾燥させたEucheuma種に付着している塩から、多様な塩化ナトリウム:塩化カリウム比率の低ナトリウム塩を得ることである。
【0036】
本発明の更に他の目的は、乾燥したサリコルニアバイオマス中に貯蔵されたエネルギーを利用することであり、両原料の灰化を生じさせるため、粗低ナトリウム塩を任意の外部エネルギー挿入なしで産する。
【0037】
本発明の更に他の目的は、主な製品(即ち、サリコルニアの場合におけるオイル及びEucheumaの場合におけるK-カラギナン)の産出量及び品質に影響を与えず、低ナトリウム塩を供給することである。
【0038】
本発明の更に他の目的は、温度の機能として、塩化ナトリウム-塩化カリウム-H20系の不動点の知識を使用することによる、多様な塩化ナトリウム:塩化カリウム率を有する低ナトリウム塩を提供することである。
【0039】
本発明の更に他の目的は、両植物の育成を通して、統合形態にある両廃棄物を利用し且つ処理することによって追加の製品を得ることにより、経済的収益を最大にすることであり、付加価値がある低ナトリウム塩を得る。
【課題を解決するための手段】
【0040】
発明の概要
サリコルニア・ブラキアタ(Salicornia brachiata)から得られるような植物性の塩は、少量の塩化カリウムを有するが、本発明は、組成物中に任意の所望される量(10-90%)の塩化カリウムを有する植物起源の低ナトリウム塩の調製を開示する。厳格なベジタリアンを含む多くの人に好まれる植物起源であるという明白な魅力に加えて、低ナトリウム塩は加熱殺菌され、そして少量(5-10 ppm)のヨウ素、及びいくつかの他の必須微量栄養素を含む。本発明の有用性は、サリコルニア及びEucheuma等の植物の栽培が、付加価値のある製品、即ち、植物起源の低ナトリウム塩の調製に関し、これらの植物の副産物の利用の観点において、より経済的に魅力的になる、という事実に起因する。
【0041】
従って、本発明は、植物起源の低ナトリウム塩を調製するための処理を提供し、当該処理は、(i) Eucheuma由来の粗塩を含む適切な量の塩化カリウムを、オイルを有す種子の除去後、残留(residual)のサリコルニアバイオマスに付加し、そしてそれを高いリグニン含有物及び他の有機物を使用することによって、外部エネルギーの投入なしで発火を維持しながら灰化にかけ;(ii)残留灰から、適切な量の水での、塩の濾過を繰り返し;(iii)上記ステップ(ii)由来の濾液を組み合わせ;(iv)エバポレーター中で塩溶液を濃縮し、濾過して、オーブン中で乾燥させる、ことを含んで成る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
発明の詳細な説明:
従って、本発明は、植物起源から由来する均質且つ低含有率のナトリウム塩を調製するための処理に関し、前記処理は以下のステップを含んで成る:
a) 海から得られるEucheuma植物類/海藻類を収穫し、そして予め決められた水分レベルと同レベルを得るために乾燥させ、
b) ステップ(a)の乾燥させたEucheuma 植物類/海藻類を室温で、10〜30分間粉砕し/たたいて平らにし、そして90〜99重量%の塩化カリウム及びほんのわずかな微量栄養素を含む付着した粗塩を分離し、
c) 海から得られるサリコルニア(Salicornia)植物類/海藻類を収穫し、オイルを有す種子を除去し、そして予め決められた水分含有量と同量を得るために乾燥させ、
d) ステップ(c)の乾燥させたサリコルニア植物類を室温で粉砕し、そして20〜60重量%の塩化ナトリウムとほんのわずかな微量栄養素を含む粗塩を分離し、
e) ステップ(d)で得られた粗塩をステップ(b)の粗塩と1:4〜6:7の範囲の比率で混合し、
f) ステップ(e)で得られた混合物を共灰化(co-incinerating)し、300℃〜600℃の温度範囲で、1〜10時間、有機物質を欠く、薬草の粗低ナトリウム塩を得て、
g) 塩溶液を調製するためにステップ(f)で得た灰化した混合物を水に溶解し、
h) ステップ(g)の塩溶液を、公知技術によって濾過し、そして溶液を濃縮して、植物起源の塩と低い含有量のナトリウム塩の混合物を得る。
【0043】
本発明の1つの態様は、ステップ(a)において、収穫のために使用されるEucheuman植物が、45〜90日齢である処理に関する。
【0044】
本発明の他の態様は、ステップ(a)における乾燥が、20〜25%の植物中の水分レベルを維持するために実施される処理に関する。
【0045】
更に、本発明の他の態様は、ステップ(b)における粗塩が、30〜80%の溶解塩、90〜99%の塩化カリウム、0.1〜2%の塩化ナトリウム及び栄養素を含む処理に関する。
【0046】
更に、本発明の他の態様は、ステップ(c)において、収穫のために使用されるサリコルニア植物が、45〜90日齢である処理に関する。
【0047】
更に、本発明の他の態様は、ステップ(d)における、微量栄養素が、植物源から直接回収される、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅及び亜鉛である処理に関する。
【0048】
更に、本発明の他の態様は、ステップ(e)において、1:4〜6:7の範囲の比率で、ステップ(d)の粗塩を、ステップ(b)の粗塩と混合することに関する。
【0049】
本発明の他の態様は、ステップ(g)における、灰化した混合物の水への溶解が30分〜2時間の範囲、及び10℃〜110℃の範囲の温度で、継続した撹拌下で実施され、15〜35%の塩濃度を得る処理に関する。
【0050】
更に、本発明の他の態様は、ステップ(h)において、35〜85重量%の塩化カリウム、20〜30重量%の塩化ナトリウム、0.02〜0.5重量%のカルシウム、0.02〜1.2重量%のマグネシウム、5〜10 ppmのヨウ素、及びほんのわずかな亜鉛、鉄及び銅を含む塩を得る処理に関する。
【0051】
更に、本発明の他の態様は、ステップ(h)における溶液の濃縮が、エバポレーター中で実施される処理に関する。
【0052】
更に、本発明の他の態様は、5〜7 ppmの範囲内でヨウ素を含む塩を得る処理に関する。
【0053】
更に、本発明の他の態様は、ステップ(a)及び(c)において使用される植物類/海藻類が、20〜60重量%の範囲で塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含むことに関する。
【0054】
更に、本発明の他の態様は、ステップ(a)及び(c)において使用される植物類/海藻類は、事実上食用である処理に関する。
【0055】
更に、本発明の他の態様は、ステップ(h)において、得られた塩は、任意の色を有し、そして任意の添加剤なしで、事実上自由流動性を有す処理に関する。
【0056】
更に、本発明の他の態様は、得られた塩が白色を有し、且つ任意の添加剤なしで自由流動性を有す処理に関する。
【0057】
更に、本発明の他の態様は、均質性、自由流動性及び低い含有量の植物起源由来のナトリウム塩に関し、以下を含んで成る:
35〜80重量%の塩化カリウム
20〜30重量%の塩化ナトリウム
0.02〜0.5重量%のカルシウム
0.02〜1.2重量%のマグネシウム
0.0005〜0.0007重量%のヨウ素
残りは栄養素である。
【0058】
更に、本発明の他の態様は、塩化カリウムがサリコルニア植物類から得られる、ナトリウム塩に関する。
【0059】
更に、本発明の他の態様は、塩化ナトリウムがEucheuman植物類/海藻類から得られるナトリウム塩に関する。
【0060】
更に、本発明の他の態様は、1:4〜6:7の範囲の割合で混合される、サリコルニア植物類及びEucheuman植物類/海藻類から得られるナトリウム塩に関する。
【0061】
更に、本発明の他の態様は、使用される植物類/海藻類が事実上食用である塩に関する。
【0062】
更に、本発明の他の態様は、塩が白色を有し、且つ任意の添加剤なしで、事実上自由流動性を有する塩に関する。
【0063】
更に、本発明の他の態様は、塩中の栄養物が、亜鉛、鉄及び銅である塩に関する。
【0064】
本発明は、もっぱら植物起源であり且つ所望される比率の塩化ナトリウム及び塩化カリウムを有する、低ナトリウム塩の費用効率が高い調製を開示する。本発明に関する好塩性植物alicornia brachiataは、その柔らかい先端(tender tips)が生野菜サラダとして消費され、前記発明中に開示されたような塩化ナトリウムの起源として使用され、そしてK-カラギナンの起源であり、食用の海藻として文書化されている海の紅藻であるEucheumaは、塩化カリウムの起源として使用される。当該植物類は、ヨウ素等の微量金属も更に提供する。
【0065】
好塩性植物は、海水/塩類土壌上でよく育ち、そしてバイオマスを生産することができるような植物である。従って、かかる植物類は、理想的には塩類不毛地(saline wasteland)栽培に適している。その栽培のインセンティブは、魅力的な報酬を生産物から得ることができるならば、高いであろう。種子から回収されるオイルの量は、単独ではその大規模栽培を経済的に魅力的にさせ得ない。魅力を高めるためには、第一の製品の質と量に影響を与えずに生産物から付加価値のある第二の製品を得ることが必須であろう。更に後者の製品は、同等に市場性があるべきである。栽培ヘクタール当り、10〜20トンの廃棄バイオマスが、植物由来の種子の除去後に残されるので、3〜10トンの一般の食用塩を、このバイオマスから生産することができる(バイオマスは30〜50%の塩を含むからである)。
【0066】
同様に、褐藻であるEucheumaは、K-カラギナンの最良の起源であり:この海藻の栽培は、インド及び世界の多くの他の地域で商業的になされている。
【0067】
収穫後すぐに、海藻材料を海岸で日干する。この乾燥させた材料をカラギナン抽出のために使用する。乾燥している間に材料の表面上に堆積した塩を析出させる。この塩は、栽培(生態学的条件)場所及び栽培方法に基づき35%〜50%変化する材料の乾燥重量に寄与する。カラギナン生産のために最良の原料は、2付近のC/S率を有し、ここでCは汚れていない無水の海藻の重量であり、そしてSは当該海藻中に存在する可溶性塩の重量である。原料を輸送する前に、当該原料を強く振り(thrashed)、海藻の重量を減じるために最大レベルで付着した塩を除去し、輸送を経済的にし、そして更にC/S率を改善させる。
【0068】
この塩は廃棄材料として見なされ、同一物から任意の重要な化学物質を回収する試みはなされてこなかった。
【0069】
本発明に係る重要な独創的なステップは以下の通りである:
1. もっぱら植物に由来する低ナトリウム塩に富む微量栄養素の調製を着想する。
2. オイルを有する種子の除去後、サリコルニア・ブラキアタ(Salicornia brachiata)の残ったバイオマス中の通常の塩と日干した塩化カリウムに富むEucheuma中の付着している廃棄塩の組み合わせから、かかる塩を調製する。
3. 廃棄物由来の追加の製品を得ることによって、農業従事者への収益を最大限にし、同時に廃棄物処理の問題を解決する。
4. バイオマスの発熱量を利用することによる費用効率の良い方法でかかる塩を生産し、所望されない有機物及び色の問題をなくすため、並びに同時に得られた塩を殺菌するためにバイオマスを灰化する。
5. 低ナトリウム塩中の塩化カリウムと塩化ナトリウムの比率を、灰化にかける原料の比率を変化させることによって、柔軟に変化させる。
6. ヨウ素といくつかの他の必須微量栄養素により必然的に強化された低ナトリウム塩を生産する。
7. 灰分由来の塩を溶解するための水の容積を、塩化ナトリウム-塩化カリウム-H20系の温度機能として、不動点における変化をうまく利用することにより最小化することによって塩生産のエネルギー能を最大限にする。
【0070】
以下の実施例は、説明の方法として提供されるので、本発明の範囲を制限するものと解釈するべきでない。
【実施例1】
【0071】
22 gの塩化カリウムを含むEucheumaから得られた50 gの粗塩を、27 gの塩化ナトリウム及び3 gの塩化カリウムを含む105 gのサリコルニアバイオマスと均一に混合し、そして得られた塊(mass)を、電気マッフル炉中、350℃、静止状態で、2時間共灰化した。この焼却した材料を、200 mlの水に、継続して撹拌しながら、室温(30℃)で溶解した。この溶液を慣用技術により濾過して、懸濁している材料及び不溶性材料を除去し、濾液を炭で脱色し、そして再度濾過した。得られた濾液は無色だった。この透明な溶液をウォーターバス上で強制蒸発させた。固体残渣を細かいサイズに粉末化し、その後、オーブン中で60℃、12時間乾燥させて、44gのクリーム色(creamish)の、自由流動性の低ナトリウム塩(45%の塩化カリウム;24%の塩化ナトリウム;5%の有機物;2.5%の硫酸塩;2.5%の水分;0.4%のカルシウム;0.05%のマグネシウム及び3 ppmのヨウ素、並びに他のほんのわずかな亜鉛、銅、及び鉄を含む)を得た。
【実施例2】
【0072】
22 gの塩化カリウムを含むEucheumaから得られた50 gの粗塩を、27 gの塩化ナトリウムと3 gの塩化カリウムを含む105 g サリコルニアバイオマスと均一に混合し、得られた塊(mass)を電気マッフル炉中、450℃、静止状態で、4時間共灰化した。この焼却した材料を、200 mlの水に、継続して撹拌しながら、室温(30℃)で溶解した。この溶液を慣用技術により濾過して、懸濁している材料及び不溶性材料を除去した。得られた濾液は無色であった。この透明な溶液をウォーターバス上で強制蒸発させた。固体残渣を細かいサイズに粉末化し、その後、オーブン中で60℃、12時間乾燥させて、48gの白色の、自由流動性の低ナトリウム塩(50%の塩化カリウム;28%の塩化ナトリウム;1.5%の硫酸塩;1.5%の水分;0.31%のカルシウム;0.04%のマグネシウム、及び4 ppmのヨウ素、並びにほんのわずかな亜鉛、銅、及び鉄を含む)を得た。
【実施例3】
【0073】
55 gの塩化カリウムを含むEucheumaから得た125 gの粗塩を、25 gの塩化ナトリウムと2.8 gの塩化カリウムを含む100 gのサリコルニアバイオマスと均一に混合し、そして得られた塊(mass)を、電気マッフル炉中、450℃、静止状態で、4時間共灰化した。この焼却した材料を、300 mlの水に、継続して撹拌しながら、室温(30℃)で溶解した。この溶液を慣用技術により濾過して、懸濁している材料及び不溶性材料を除去し、無色の濾液を得た。この透明な溶液をウォーターバス上で強制蒸発させた。固体残渣を細かいサイズに粉末化し、その後、オーブン中で60℃、12時間乾燥させて、75gの白色の、自由流動性の低ナトリウム塩(66%の塩化カリウム;30%の塩化ナトリウム;1.1%の硫酸塩;1.5%の水分;0.34%のカルシウム;0.07%のマグネシウム及び2 ppmのヨウ素、並びにほんの少しの亜鉛、銅、及び鉄を含む)を得た。
【実施例4】
【0074】
77 gの塩化カリウムを含むEucheumaから得た175 gの粗塩を、31 gの塩化ナトリウムと3.3 gの塩化カリウムを含む125 gのサリコルニアバイオマスと均一に混合し、そして得られた塊(mass)を、電気マッフル炉中、450℃、静止状態で、4時間共灰化した。この焼却した材料を、300 mlの水に、継続して撹拌しながら、実験温度(60℃)で溶解した。この溶液を慣用技術により濾過して、懸濁している材料及び不溶性材料を除去し、無色の濾液を得た。この透明な溶液をウォーターバス上で強制蒸発させた。固体残渣を細かいサイズに粉末化し、その後、オーブン中で60℃、12時間乾燥させて、75gの白色の、自由流動性の低ナトリウム塩(73%の塩化カリウム;24%の塩化ナトリウム;1.01%の硫酸塩;1.0%の水分;0.33%のカルシウム;0.06%のマグネシウム及び2 ppmのヨウ素、並びにほんのわずかな亜鉛、銅、及び鉄を含む)を得た。
【0075】
本発明の利点
他の低ナトリウム塩と違って、本発明の塩は、事実上、ヨウ素と他の栄養価を強化せずに微量栄養素に富む、植物起源からもっぱら得られる。
【0076】
1. 本発明は、第一の製品の質と量に影響を与えない、追加の製品としての植物源由来の低ナトリウム塩の調製の世界初の発表である。
【0077】
2. 廃棄物とみなされる日干したEucheuma由来のオイルを保持する種子、及び付着した塩を除去した後、サリコルニア・ブラキアタ(Salicornia brachiata)の残りのバイオマスを、低ナトリウム塩の調製のために活用する。
【0078】
3. 廃棄物由来の追加の製品を得ることにより農業従事者に対する収益が最大になり、同時に廃棄物処理の問題が解決する。
【0079】
4. 外部エネルギーなしで共灰化するために保存されたサリコルニアバイオマスのエネルギーを活用して、有機質が存在せず、且つ色がついていない粗低ナトリウム塩を産する。
【0080】
5. 低ナトリウム塩の所望される組成物は、両植物由来の粗塩を利用すること、及び温度機能として塩化ナトリウム-塩化カリウム-H20系の不動点の変化をうまく利用することを統合することにより、最大のエネルギー効率で得ることができる。
【0081】
6. 4トンまでの栄養素に富む低ナトリウム塩は、サリコルニアの栽培ヘクタール毎に、及び既存のEucheumaの栽培方法での3ヘクタール毎に得ることができる。
【0082】
7. 本発明の健康塩は、もっぱら植物源から由来するものであるため厳格な菜食主義者に推奨されるだろう。
【0083】
8. 更に本製品は、任意の栄養価を強化せずに、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛及びヨウ素のような、ほんのわずかな有用な微量栄養素も含む。
【0084】
9. 本製品は白色であり、且つ任意の添加剤なして、天然に自由流動性である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物起源由来の低ナトリウム塩含有物を有する均質な塩の混合物を調製するための方法であって、以下のステップ:
a) 海から得られるEucheuma植物類/海藻類を収穫し、そして予め決められた水分レベルと同レベルを得るために乾燥させ、
b) ステップ(a)の乾燥させたEucheuma 植物類/海藻類を室温で、10〜30分間粉砕し/たたいて平らにし、そして90〜99重量%の塩化カリウム及びほんのわずかな微量栄養素を含む付着した粗塩を分離し、
c) 海から得られるサリコルニア(Salicornia)植物類/海藻類を収穫し、藻類が有すオイルを有する種子を除去し、そして予め決められた水分含有量と同量を得るために乾燥させ、
d) ステップ(c)の乾燥させたサリコルニア植物類を室温で粉砕し、そして20〜60重量%の塩化ナトリウムとほんのわずかな微量栄養素を含む粗塩を分離し、
e) ステップ(d)で得られた粗塩をステップ(b)の粗塩と1:5〜5:1の範囲の比率で混合し、
f) ステップ(e)で得られた混合物を、300℃〜6000℃の範囲で、1〜10時間、共灰化(co-incinerating)し、有機物質を欠く、薬草の粗低ナトリウム塩を得て、
g) 塩溶液を調製するためにステップ(f)で得た灰化した混合物を水に溶解し、そして
h) ステップ(g)の塩溶液を、公知技術によって濾過し、そして溶液をエバポレーター中で濃縮して、植物起源の低い含有量のナトリウム塩の混合物を得ること、
を含んで成る方法。
【請求項2】
ステップ(a)における収穫のために使用されるEucheuman植物類が、45〜90日齢である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(a)における乾燥が、植物中で20〜25%の水分レベルを維持するために実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(b)における粗塩が30〜80%の溶解塩、90〜99%の塩化カリウム、0.1〜2%の塩化ナトリウム及び栄養素を含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(c)における収穫のために使用されるサリコルニア植物が、45〜90日齢である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(d)における微量栄養素が、植物源から直接回収されるカルシウム、マグネシウム、鉄、銅及び亜鉛である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(e)において、ステップ(d)の粗塩をステップ(b)の粗塩と1:4〜6:7の範囲の割合で混合する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(g)における灰化混合物の水への溶解は、30分〜2時間、且つ10℃〜110℃の温度で、継続した撹拌下で実施され、15〜35%の塩濃度を得る、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(h)により、35〜80重量%の塩化カリウム、20〜30重量%の塩化ナトリウム、0.02〜0.5重量%のカルシウム、0.02〜1.2重量%のマグネシウム、5〜10 ppmのヨウ素及びごくわずかな亜鉛、鉄及び銅等を含む塩が得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(h)における溶液の濃縮が、エバポレーター中で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
得られた塩が、5〜7 ppmの範囲でヨウ素を含む請求項8に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(a)及び(c)において使用される植物類/海藻類が、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを20〜60重量%の範囲で含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(a)及び(c)において使用される植物類/海藻類が事実上食用である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(h)により得られた塩が、任意の色を有し、且つ任意の添加剤なしで事実上自由流動性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
得られた塩が、白色であり、且つ任意の添加剤なしで、自由流動性を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法によって得られる、低ナトリウム塩含有物を有する植物起源の均質性自由流動性塩の混合物であって、以下を含んで成る混合物:
35〜80重量%の塩化カリウム
20〜30重量%の塩化ナトリウム
0.02〜0.5重量%のカルシウム
0.02〜1.2重量%のマグネシウム
0.0005〜0.0007重量%のヨウ素
残りは栄養素である。
【請求項17】
前記塩化ナトリウムが、サリコルニア植物類から得られる、請求項16に記載のナトリウム塩。
【請求項18】
前記塩化ナトリウムがEucheuman植物類/海藻類から得られる、請求項16に記載のナトリウム塩。
【請求項19】
前記粗塩が1:4〜6:7の割合で混合されたサリコルニア植物類及びEucheuman植物類/海藻類から得られる、請求項16に記載のナトリウム塩。
【請求項20】
前記使用される植物類/海藻類が事実上食用である、請求項16に記載のナトリウム塩。
【請求項21】
前記塩が白色であり、且つ任意の添加剤なしで事実上自由流動性を有する、請求項16に記載のナトリウム塩。
【請求項22】
前記塩中の栄養素が、亜鉛、鉄、及び銅である、請求項16に記載のナトリウム塩。

【公表番号】特表2007−531688(P2007−531688A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506845(P2007−506845)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【国際出願番号】PCT/IB2004/003678
【国際公開番号】WO2005/097681
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(595059872)カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ (81)
【Fターム(参考)】