説明

椎体を整復するための機器および方法

脊椎安定化システムが、患者において形成されることが可能である。いくつかの実施形態では、最小侵襲性処置が、患者において脊椎安定化システムを形成するために使用されることが可能である。骨固定具アセンブリが、椎骨に結合されることが可能である。各骨固定具アセンブリが、骨固定具およびカラーを含むことが可能である。カラーは、骨固定具に対して回転される、および/または角形成されることが可能である。エクステンダが、小さい皮膚切開を介して脊椎安定化システムを形成することを可能にするために、カラーに結合されることが可能である。エクステンダにより、カラーにおいて細長い部材を挿入することを容易にするために、カラーを位置合わせすることが可能になり得る。細長い部材が、カラーに配置されることが可能であり、閉鎖部材が、細長い部材をカラーに固着するために使用されることが可能である。レジューサが、脊椎安定化システムに結合された1つまたは複数の椎体の整復を達成するために使用されることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、椎骨を共に接合するために脊椎安定化処置中に使用される機器および方法に関する。より具体的には、本発明は、一般的には、隣接する椎骨を整復する(reduce)ための機器および方法を使用することが可能である脊椎手術処置に関する。
【背景技術】
【0002】
骨は、外傷、疾患、および/または老化によって生じる劣化を受ける可能性がある。劣化は、骨を不安定にする可能性があり、かつ周囲の構造に影響を与える可能性がある。たとえば脊椎が不安定になることにより、隣接する椎骨間の自然な間隔が変化する可能性がある。隣接する椎骨間の自然な間隔が変化することにより、椎体間を通過する神経が圧力を受ける可能性がある。神経に加えられた圧力により、痛みおよび/または神経の損傷が生じる可能性がある。椎骨間の自然間隔を維持することにより、椎体間を通過する神経に加えられる圧力を低減することが可能である。椎骨間の自然な間隔を維持し、かつ脊椎の安定を促進するために、脊椎安定化処置が使用されることが可能である。
【0003】
脊椎の安定化は、柔軟な組織を通って脊椎の一部にアクセスすることを含むことが可能である。従来の安定化システムは、安定される脊椎の一部へのアクセスを提供するために、柔軟な組織における大きな切開および/または複数の切開を必要とする可能性がある。従来の処置により、たとえば筋肉をはがす最中に柔軟な組織に外傷を生じる可能性がある。
【0004】
脊椎の腰椎領域のための脊椎安定化システムが、後方脊椎手法を使用して脊椎安定化処置中に挿入されることが可能である。後外側脊椎融合の従来のシステムおよび方法は、手術部位の近位の柔軟な組織を切開および開創することを含むことが可能である。柔軟な組織を切開および開創することにより、柔軟な組織に外傷が生じる可能性があり、回復時間が長くなる可能性がある。最小侵襲性の処置およびシステムにより、回復時間を短縮し、ならびに安定化部位の周囲の柔軟な組織に対する外傷を低減することが可能である。
【0005】
本明細書において完全に開示されるかのように参照によって組み込まれているJustisらへの米国特許第6530929号明細書(これ以後「Justis」)は、動物被験体の骨構造を安定化させるための最小侵襲性の技法および機器を記述する。Justisは、少なくとも2つの骨アンカを接続要素と接続するために機器を使用する方法を提供する。機器はアンカに固着され、アンカにさらに近位の位置に接続要素を配置するように操作される。Justisのシステムは、制約システムである。Justisの機器および方法を使用して装備された細長い部材は、装備機器と共に機能するように設定された曲率を有さなければならない。
【0006】
本明細書において完全に開示されるかのように参照によって組み込まれているLandryらへの米国特許出願公開2004−0138662号明細書(これ以後「Landry」)は、脊椎の一部を安定化させるための最小侵襲性の処置および機器を記述する。Landryのシステムは、制約システムではない。Landryの機器および方法を使用して装備された細長い部材は、挿入機器によって確定される曲率を有する必要はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
脊椎安定化システムが、脊椎の一部を安定化させるために患者に装備されることが可能である。脊椎安定化システムは、最小侵襲性処置を使用して装備されることが可能である。機器キットが、患者において脊椎安定化システムを形成するために必要な機器および脊椎安定化システム構成要素を提供することが可能である。機器キットは、レジューサを含むことが可能である。レジューサは、患者において形成された脊椎安定化システムと共に使用されることが可能である。レジューサは、隣接する椎骨間の前後平面において距離を変化させることが可能である。レジューサは、脊椎に結合される骨固定具アセンブリのカラーにおいて脊椎安定化システムの細長い部材を設置することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
脊椎安定化システムが、周囲の組織に対する損傷の量を最小限に抑えながら、剛性な茎固定を達成するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態では、脊椎安定化システムは、2つ以上の椎骨に安定を提供するために使用されることが可能である。脊椎安定化システムは、細長い部材、2つ以上の骨固定具アセンブリ、および/または閉鎖部材を含むことが可能である。
【0009】
骨固定具アセンブリが、非限定的に、骨固定具およびカラーを含むことが可能である。骨固定具の第1部分が、椎骨に結合されることが可能である。カラーの第1部分が、骨固定具の第2部分に結合されることが可能である。カラーの第2部分が、使用中に細長い部材に結合されることが可能である。いくつかの実施形態では、骨固定具の配向は、カラーの配向に独立とすることが可能である。骨固定具が椎体に配置された後、骨固定具に結合されたカラーは、そのカラーと、骨固定具によって他の椎体に結合される少なくとも1つの他のカラーとに細長い部材を配置することができるように、配置されることが可能である。
【0010】
いくつかの実施形態では、細長い部材が第1骨固定具アセンブリに結合されているとき、細長い部材は、第2骨固定具アセンブリのカラーに設置されない可能性がある。細長い部材を第2骨固定具アセンブリのカラーに設置するために、レジューサが使用されることが可能である。侵襲性手術処置中、第2骨固定具のカラーおよび細長い部材にアクセスすることは、レジューサを使用して整復(reduction)を達成するために、レジューサがカラーおよび細長い部材に添付されるのを可能にするのに十分であることがある。最小侵襲性手術処置中、カラーおよび細長い部材に直接アクセスすることは可能ではないことがある。いくつかの実施形態では、レジューサは、カラーに結合されたエクステンダおよび細長い部材に結合されることが可能である。いくつかの実施形態では、レジューサは、カラーに結合されたエクステンダおよび細長い部材に結合されたスリーブに結合されることが可能である。
【0011】
第2椎骨に対して第1椎骨を整復することを達成するために、第1骨固定具アセンブリが、第1椎骨に固着されることが可能である。第2骨固定具アセンブリが、第2椎骨に固着されることが可能である。細長い部材が、第1骨固定具アセンブリのカラーに配置されることが可能である。閉鎖部材が、第1椎骨および第1骨固定具アセンブリに対して細長い部材の位置を固着するために、第1骨固定具アセンブリのカラーに固着されることが可能である。細長い部材の一部が、第2カラーまで延びることが可能である。レジューサが、第2骨固定具アセンブリのカラーおよび細長い部材に結合されることが可能である。レジューサは、細長い部材を第2骨固定具アセンブリのカラーに設置するために使用されることが可能である。レジューサが細長い部材を第2骨固定具アセンブリのカラーに設置するとき、閉鎖部材が、第2骨固定具アセンブリに対して細長い部材の位置を固定するために、カラーに固着されることが可能である。
【0012】
細長い部材が骨固定具アセンブリのカラーにおいて設置および固着された後、撮像技法が、装備された脊椎安定化システムの位置を確認するために使用されることが可能である。脊椎安定化システムが所望通りに配置されているとき、ドライバが、閉鎖部材の器具部分をせん断するために使用されることが可能である。閉鎖部材の器具部分をせん断するために加えられた力が患者に伝達されないように、逆トルクレンチが、脊椎安定化システムに加えられた力を相殺するために使用されることが可能である。
【0013】
本発明の利点が、以下の詳細な記述の利益を有し、かつ添付の図面を参照する際に当業者には明らかになるであろう。
【0014】
本発明は、様々な修正および代替の形態が可能であるが、特定の実施形態が、図面において例として示され、かつ本明細書において詳細に記述される。図面は、縮尺調整されていない可能性がある。図面および詳細な記述は、開示される特定の形態に本発明を限定することを意図せず、対照的に、添付の請求項によって確定される本発明の精神および範囲内にあるすべての修正、等価、および代替を網羅することを意図することを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
脊椎安定化システムが、脊椎の一部を安定させるために患者に装備されることが可能である。脊椎の安定化は、変性性椎間板疾患、脊椎狭窄、脊椎すべり症、偽関節症患者、および/または脊椎の奇形を有する患者;骨折または他の椎骨の外傷を有する患者;および腫瘍切除後の患者において使用されることが可能であるが、その使用に限定されるものではない。脊椎安定化システムは、最小侵襲性処置を使用して装備されることが可能である。機器のセットが、患者において脊椎安定化システムを形成し、および1つまたは複数の椎骨の整復を容易にするための機器および脊椎安定化システム構成要素を含むことが可能である。
【0016】
最小侵襲性処置は、安定化される椎骨を囲む柔軟な組織に対する外傷の量を限定するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態では、皮膚および柔軟な組織の自然な柔軟性が、安定化処置中に必要な1つまたは複数の切開の長さおよび/または深さを限定するために使用されることが可能である。最小侵襲性処置は、生体内での限定された直接可視性を提供することが可能である。最小侵襲性処置を使用して脊椎安定化システムを形成することは、システム構成要素を身体に配置するために器具を使用することを含むことが可能である。
【0017】
最小侵襲性処置は、1つまたは複数の脊椎移植片を患者に装備した後に実施されることが可能である。1つまたは複数の脊椎移植片は、前方処置および/または側方処置を使用して挿入されることが可能である。患者は、回されることが可能であり、最小侵襲性処置が、後方脊椎安定化システムを装備するために使用されることが可能である。脊椎を安定させるための最小侵襲性処置が、何人かの患者において1つまたは複数の脊椎移植片を事前に挿入せずに実施されることが可能である。何人かの患者において、最小侵襲性処置が、1つまたは複数の脊椎移植片が後方脊椎手法を使用して挿入された後、脊椎安定化システムを装備するために使用されることが可能である。
【0018】
脊椎安定化システムが、周囲の組織に対する損傷の量を最小限に抑えながら、剛性な茎固定を達成するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態では、脊椎安定化システムは、2つの隣接する椎骨(すなわち、1つの椎骨レベル)に安定を提供するために使用されることが可能である。脊椎安定化システムは、2つの骨固定具アセンブリを含むことが可能である。1つの骨固定具アセンブリが、安定される椎骨のそれぞれに配置されることが可能である。細長い部材が、骨固定具アセンブリに結合および固着されることが可能である。本明細書において使用される際、「結合」構成要素は、互いに直接接触することが可能であり、あるいは、1つまたは複数の介在部材によって分離されることが可能である。いくつかの実施形態では、単一の脊椎安定化システムが、患者に装備されることが可能である。そのようなシステムは、一方向(unilateral)単一レベル安定化システムまたは単一レベル2点安定化システムと呼ばれることが可能である。いくつかの実施形態では、2つの脊椎安定化システムが、脊椎の対向側面上において患者に装備されることが可能である。そのようなシステムは、二方向(bilateral)単一レベル安定化システムまたは単一レベル4点安定化システムと呼ばれることが可能である。
【0019】
いくつかの実施形態では、脊椎安定化システムは、3つ以上の椎骨(すなわち、2つ以上の椎骨レベル)に安定を提供することが可能である。2椎骨レベル脊椎安定化システムでは、脊椎安定化システムは、3つの骨固定具アセンブリを含むことが可能である。1つの骨固定具アセンブリが、安定される椎骨のそれぞれに配置されることが可能である。細長い部材が、3つの骨固定具アセンブリに結合および固着されることが可能である。いくつかの実施形態では、単一2レベル脊椎安定化システムが、患者に装備されることが可能である。そのようなシステムは、一方向2レベル安定化システムまたは2レベル3点安定化システムと呼ばれることが可能である。いくつかの実施形態では、2つの3点脊椎安定化システムが、脊椎の対向側面上において患者に装備されることが可能である。そのようなシステムは、二方向2レベル安定化システムまたは2レベル6点安定化システムと呼ばれることが可能である。
【0020】
いくつかの実施形態では、組合わせシステムが装備されることが可能である。たとえば、2点安定化システムが、脊椎の1側面上に装備されることが可能である。3点安定化システムが、脊椎の対向側面上に装備されることが可能である。複合システムは、5点安定化システムと呼ばれることが可能である。
【0021】
最小侵襲性処置は、安定される椎骨を囲む柔軟な組織に対する外傷を低減することが可能である。小さい開口のみが、患者において作成されることが必要である可能性がある。たとえば、脊椎の1側面上での単一レベル安定化処置では、手術処置は、患者の皮膚に形成された2cmから4cmの切開を通って実施されることが可能である。いくつかの実施形態では、切開は、安定される椎骨より上およびその間とすることが可能である。拡張器、ターゲティング針、および/または組織ウェッジが、安定される椎骨間の筋肉および他の組織を通ってメスで切開を形成することを必要とせずに、安定される椎骨へのアクセスを提供するために使用されることが可能である。最小侵襲性処置は、侵襲性脊椎安定化処置と比較して、患者が知覚する術後の痛みの量を軽減することが可能である。最小侵襲性処置は、侵襲性脊椎処置と比較して、患者の回復期間を短縮することが可能である。
【0022】
脊椎安定化システムの構成要素は、非限定的に、チタン、チタン合金、ステンレススチール、セラミック、および/またはポリマーを含むが材料で作成されることが可能である。脊椎安定化システムのいくつかの構成要素は、オートクレーブ滅菌および/または化学滅菌されることが可能である。オートクレーブ滅菌および/または化学滅菌されることが可能ではない構成要素は、滅菌材料で作成されることが可能である。滅菌材料で作成された構成要素は、脊椎安定化システムの組み立て作業中に他の滅菌構成要素と作業に関係して配置されることが可能である。
【0023】
脊椎安定化システムは、脊椎の腰椎部分、胸椎部分、および/または頚椎部分の問題を修正するために使用されることが可能である。脊椎安定化システムの様々な実施形態が、Cl椎骨から仙骨まで使用されることが可能である。たとえば、脊椎安定化システムは、脊椎の腰椎部分において隣接する椎体間の伸延を維持するために、脊椎の後方に埋め込まれることが可能である。
【0024】
図1は、最小侵襲性手術処置を使用して埋め込まれることが可能である脊椎安定化システム100の実施形態を示す。脊椎安定化システム100は、骨固定具アセンブリ102、細長い部材104、および/または閉鎖部材106を含むことが可能である。他の脊椎安定化システムの実施形態は、非限定的に、プレート、ダンベル形部材、および/または横断コネクタを含むことが可能である。図1は、1つの椎骨レベルについての脊椎安定化システムを示す。いくつかの実施形態では、図1の脊椎安定化システムは、骨固定具アセンブリ102が配置される椎骨間に1つまたは複数の椎骨が位置する場合、マルチレベル脊椎安定化システムとして使用されることが可能である。他の実施形態では、マルチレベル脊椎安定化システムは、1つまたは複数の椎骨に結合される追加の骨固定具アセンブリを含むことが可能である。
【0025】
図2は、骨固定具アセンブリ102の透視図を示す。図3〜5は、骨固定具アセンブリ構成要素の実施形態を示す。骨固定具アセンブリ102の構成要素は、非限定的に、骨固定具108(図3に示される)、リング110(図4に示される)、およびカラー112(図5に示される)を含むことが可能である。骨固定具108は、骨固定具アセンブリ102を椎骨に結合することが可能である。リング110は、骨固定具108のヘッドとカラー112の間に配置されることが可能である。
【0026】
図6は、骨固定具108、リング110、および骨固定具アセンブリ102のカラー112の断面図を示す。骨固定具アセンブリ102の骨固定具108は、通路114を含むことが可能である。ガイドワイヤが、通路114を通って配置されることが可能であり、それにより骨固定具108は、椎骨が限定的に見える、または見えない状態で、椎骨に対して所望の位置および所望の角度配向において椎骨に挿入されることが可能である。
【0027】
骨固定具は、非限定的に、骨ねじ、リングシャンク固定具、バーブ、ネイル、ブラッド(brad)、またはトロカールとすることが可能である。骨固定具および/または骨固定具アセンブリは、椎体における多様性に対応するように、機器セットにおいて様々な長さで提供されることが可能である。たとえば、脊椎の腰椎領域において椎骨を安定させるための機器セットは、5mmの増分で約30mmから約75mmにわたる長さを有する骨固定具アセンブリを含むことが可能である。
【0028】
図3は、骨固定具108の実施形態を示す。骨固定具108は、シャンク116、ヘッド118、およびネック120を含むことが可能である。シャンク116は、ねじ筋122を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、ねじ筋122は、自己タッピングスタート124を含むことが可能である。自己タッピングスタート124は、骨固定具108を椎骨に挿入するのを容易にすることが可能である。
【0029】
骨固定具108のヘッド118は、骨固定具を椎骨に挿入するドライバと係合するように、様々な構成を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、ドライバはまた、装備された骨固定具を椎骨から取り外すために使用されることも可能である。いくつかの実施形態では、ヘッド118は、1つまたは複数の器具部分126を含むことが可能である。器具部分126は、ドライバの一部と係合するように設計された凹みおよび/または突出とすることが可能である。
【0030】
骨固定具108のヘッド118は、図3に示されるように、1つまたは複数のスプライン128を含むことが可能である。いくつかのヘッドの実施形態では、ヘッド118は、3つのスプラインを含むことが可能である。スプライン128は、骨固定具108のヘッド118の周囲に等しい間隔で配置されることが可能である。いくつかのヘッドの実施形態では、スプライン128は、ヘッド118の周囲に等しくない距離で間隔をおいて配置されることが可能である。スプライン128は、骨固定具108と骨固定具アセンブリのリングとの結合を向上させるために、様々な表面構成および/またはテキスチャリングを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、スプラインの側面は、スプラインがリングとダブテール(dovetail)接続を形成するように、先細りにすることが可能である。いくつかの実施形態では、スプラインの幅は、骨ねじがリングに結合されているとき、良好な介入接続が確立されるように先細りにすることが可能である。スプライン128は、骨固定具108をリングの内表面と結合するのを容易にするために、1つまたは複数の突出130を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、突出130は、スプライン128の下方部分の上に配置されることが可能である。いくつかの実施形態では、スプラインは、リングの表面から延びる突出を受ける凹み表面を含むことが可能である。
【0031】
骨固定具108のネック120は、ヘッド118の隣接部分およびシャンク116より小さい直径を有することが可能である。ネック120の直径は、骨固定具アセンブリのカラーを骨固定具108に対して回転させることができる最大角度を固定することが可能である。いくつかの実施形態では、ネック120は、カラーが骨固定具に対して最高で約40°以上の角度にあることを可能にするようにサイズ決めされることが可能である。いくつかの実施形態では、ネックは、カラーが骨固定具に対して最高で約30°の角度にあることを可能にするようにサイズ決めされることが可能である。いくつかの実施形態では、ネックは、カラーが骨固定具に対して最高で約20°の角度にあることを可能にするようにサイズ決めされることが可能である。
【0032】
図4は、リング110の実施形態の透視図を示す。リング110の外表面132は、リングが存在するカラーの内表面の輪郭をほぼ補完する輪郭を有することが可能である。リングの外表面の輪郭は、球の一部とすることが可能である。リングがカラーに配置されているとき、リング外表面とリングに接触するカラーの内表面の相補形状により、リングに結合された骨固定具に対してカラーに角形成することが可能になる。リングの外表面の輪郭およびカラーの内表面の輪郭は、リングをカラーに挿入した後、リングがカラーから外れるのを阻止することが可能である。
【0033】
リング110の外表面132は、滑らかな終わりを有することが可能である。いくつかの実施形態では、外表面132は、表面処置されることが可能であり、あるいはコーティングおよび/またはカバーを含むことが可能である。表面処置、コーティング、および/またはカバーは、リングの外表面の摩擦特性および/または磨耗特性を調節するために使用されることが可能である。
【0034】
リング110の内表面は、1つまたは複数の溝134ならびに/あるいは1つまたは複数のシート136を含むことが可能である。シート136は、溝134から周方向にずれることが可能である。溝134は、骨固定具のスプライン(たとえば図3に示されるスプライン128)がリングを通過するのを可能にするようにサイズ決めされることが可能である。スプラインが溝134を通って挿入されるとき、骨固定具は、スプラインがシート136と位置合わせされるまで回転されることが可能である。骨固定具は、スプラインがシート136に配置されるように、引かれる、または駆動されることが可能である。いくつかの実施形態では、突出(たとえば図3の突出130)が、リング110のリッジ138の上を通ることが可能である。突出がリッジ138の上を通ることにより、骨固定具をリングに固着して結合することが可能であり、リングが骨固定具から分離するのを阻止することが可能である。
【0035】
本明細書において使用される際、「カラー」という用語は、1つまたは複数の他の要素を全体的または部分的に封入する、または受ける任意の要素を含むことが可能である。カラーは、非限定的に、骨固定具、閉鎖部材、リング、および/または細長い部材を含む要素を封入する、または受けることが可能である。いくつかの実施形態では、カラーは、2つ以上の他の要素(たとえば、細長い部材と骨固定具)を共に結合することが可能である。いくつかの実施形態では、カラーは、「U」形を有することが可能であるが、カラーは他の形状を有することも可能であることを理解されたい。
【0036】
カラー112は、本体140およびアーム142を含むことが可能である。アーム142は、本体140から延びることが可能である。カラー112の本体140は、カラー112のアーム142の両端の幅より幅を大きくすることが可能である。(すなわち、本体140は、アーム142の最大有効外径より大きな最大有効外径を有することが可能である)。アーム142の両端の幅が低減されることにより、カラー112の長さに沿って最大有効外径を実質的に増大させずに、エクステンダをアームに結合することが可能になり得る。したがって、アーム142の両端の幅が低減されることにより、手術部位において嵩を低減することが可能である。
【0037】
アーム142の内表面は、ねじ筋144を含むことが可能である。ねじ筋144は、細長い部材を骨固定具アセンブリに固着するために、閉鎖部材の相補ねじ筋と係合することが可能である。
【0038】
アーム142および本体140は、スロット146を形成することが可能である。スロット146は、細長い部材を受けるようにサイズ決めされることが可能である。細長い部材がスロット146に配置されているとき、細長い部材の一部が、カラーに配置された骨固定具のヘッドと接触することが可能である。
【0039】
アーム142は、リッジまたはフランジ148を含むことが可能である。フランジ148により、エクステンダに対するカラーの平行移動運動が阻止されるように、カラー112をエクステンダに結合することが可能になり得る。フランジ148はまた、ノッチ150を含むことも可能である。エクステンダの可動部材が、ノッチ150の中に延びることが可能である。可動部材がノッチ150に配置されているとき、エクステンダのチャネルが、カラー112のスロットと位置合わせされることが可能である。可動部材がノッチ150に位置することにより、エクステンダに対するカラー112の回転運動が阻止されることが可能である。
【0040】
骨固定具が、画定された運動範囲内において、カラーに対して(またはカラーが骨固定具に対して)径方向におよび/または回転して移動することができるように、骨固定具がカラーに配置されることが可能である。カラーに対する骨固定具(または骨固定具に対するカラー)の運動は、「角形成」および/または「多軸移動」と呼ぶことが可能である。図7は、カラー112の中心軸152が骨固定具108の中心軸154と位置合わせされている骨固定具アセンブリ102を示す。骨固定具108は、位置合わせ軸の回りの角度αによって特徴付けられる対象円錐運動範囲において角形成されることが可能である。骨固定具108は、骨固定具108のネック120とカラー112が接触することによって、限定軸156の外部に運動するのが制約されることが可能である。骨固定具108の軸154とカラー112の中心軸152との位置合わせは、運動領域に対して中立な位置であると考慮されることが可能である。位置合わせは中立な位置であるが、その理由は、骨固定具108は、中心軸152から任意の方向において等しい量に角形成されることが可能であるからである。ドライバが骨固定具108に挿入されているとき、骨固定具108の軸154は、骨固定具を椎体に挿入するのを容易にするために、カラー112の軸152とほぼ位置合わせされることが可能である。
【0041】
閉鎖部材がカラーに配置された細長い部材を骨固定具アセンブリに固定するために、骨固定具アセンブリのカラーに結合されることが可能である。図1は、骨固定具アセンブリ102に結合された閉鎖部材106を示す。図8は、閉鎖部材106を骨固定具アセンブリのカラーに挿入する前の閉鎖部材106を示す。閉鎖部材106は、器具部分158および雄ねじ筋160を含むことが可能である。器具部分158は、閉鎖部材106がカラーに配置されるのを可能にする器具に結合されることが可能である。器具部分158は、器具(たとえばドライバ)と係合するように様々な構成(たとえば、ねじ筋、ヘキサビュラ接続、6角)を含むことが可能である。雄ねじ筋160は、カラーのアームにおける雌ねじ筋(たとえば図5に示されるねじ筋144)の形状を補完する形状を有することが可能である。
【0042】
図9は、図8の平面9−9にほぼ沿って取られた閉鎖部材106の断面図を示す。閉鎖部材106は、取外し開口162を含むことが可能である。ドライバ器具が、器具部分158がせん断された後、閉鎖部材106を取り外すのを可能にするために、取外し開口162に挿入されることが可能である。取外し開口162は、非限定的に、ソケット、穴、スロット、および/またはその組合わせを含む様々な特徴のいずれかを含むことが可能である。一実施形態では、取外し開口162は、閉鎖部材106の底面164を通過する穴である。
【0043】
閉鎖部材の底面は、閉鎖部材と細長い部材の間の接触を促進する構造および/またはテキスチャリングを含むことが可能である。構造および/またはテキスチャリングの一部は、閉鎖部材が細長い部材に結合されているとき、細長い部材に入るおよび/または細長い部材を変形させることが可能である。閉鎖部材の一部が細長い部材に入ることおよび/または細長い部材を変形させることにより、細長い部材を閉鎖部材および骨固定具アセンブリに結合することが可能であり、それにより、骨固定具アセンブリに対する細長い部材の運動が阻止される。図9に示される実施形態のような閉鎖部材の実施形態では、閉鎖部材106の底面164は、点166およびリム168を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、リム168は、先鋭な点になることが可能である。いくつかの実施形態では、リム168の高さは、点166の高さより低くすることが可能である。他の実施形態では、リム168の高さは、点166の高さと同じ、またはそれより高いとすることが可能である。いくつかの実施形態では、リム168は、閉鎖部材の周りに完全には延びないことが可能である。たとえば、リム168の8つ以上の部分が、閉鎖部材106の周囲に等間隔で配置されることが可能である。ある実施形態では、点166およびリム168を含む中実の(solid)中央コアが、細長い部材をカラーにおいて固着するために、閉鎖部材106の能力を向上させることが可能である。
【0044】
図10は、器具部分158がせん断される前の閉鎖部材106がカラー112に結合されている脊椎安定化システムの一部を示す。閉鎖部材106は、非限定的に、標準的なねじ、修正されたねじ、反転角ねじ、バットレスねじ、またはらせんフランジを含めて、様々なシステムによってカラー112に結合することが可能である。閉鎖部材106は、細長い部材104の一部と係合するように、カラーの開口の中に進むことが可能である。いくつかの実施形態では、閉鎖部材106は、細長い部材104がカラー112に対して移動するのを阻止することが可能である。
【0045】
様々な機器が、患者において脊椎安定化システムを形成するために、最小侵襲性処置において使用されることが可能である。機器は、非限定的に、配置針、ガイドワイヤ、拡張器、骨突き錐、骨タップ、スリーブ、エクステンダ、ドライバ、組織ウェッジ、細長い部材長さ評価器具、マレット、組織開創器、および組織拡張器を含むことが可能である。機器は、機器セットにおいて提供されることが可能である。機器セットはまた、脊椎安定化システムの構成要素を含むことも可能である。脊椎安定化システムの構成要素は、非限定的に、様々なサイズおよび/または長さの骨固定具アセンブリ、細長い部材、および閉鎖部材を含むことが可能である。
【0046】
脊椎安定化システムを装備するために使用される機器は、非限定的に、ステンレススチール、チタン、チタン合金、セラミック、および/またはポリマーを含む材料で作成されることが可能である。いくつかの機器は、オートクレーブ滅菌および/または化学滅菌されることが可能である。いくつかの機器は、オートクレーブ滅菌または化学滅菌することができない構成要素とする、またはそれを含むことが可能である。オートクレーブ滅菌または化学滅菌することができない機器または機器の構成要素は、滅菌材料で作成されることが可能である。
【0047】
エクステンダが、骨固定具アセンブリの骨固定具を椎体に装備するために、ガイドとして使用されることが可能である。エクステンダは、骨固定具アセンブリのカラーに結合されることが可能である。エクステンダの遠位端部は、手術部位において嵩を低減するように、先細りにするまたは角形成されることが可能である。機器は、骨固定具アセンブリを操作するために、エクステンダに挿入されることが可能である。エクステンダが移動することにより、骨固定具アセンブリの骨固定具に対するカラーの配向が変化する可能性がある。いくつかの実施形態では、エクステンダは、脊椎安定化処置中に開創器として使用されることが可能である。
【0048】
単一レベル椎骨安定化システムのエクステンダは、隣接する椎骨へのアクセスを可能にするために、1つまたは複数のチャネルをエクステンダの壁において含むことが可能である。いくつかの単一レベル椎骨安定化処置では、単一チャネルエクステンダ(すなわち、エクステンダの壁において単一のチャネルを有するエクステンダ)のみが使用されることが可能である。他の単一レベル椎骨安定化処置では、1つまたは複数の複数チャネルエクステンダ(すなわち、エクステンダの壁において2つ以上のチャネルを有するエクステンダ)が使用されることが可能である。チャネルは、複数チャネルエクステンダの柔軟性を提供する、または複数チャネルエクステンダの柔軟性を向上させることが可能である。いくつかの実施形態では、複数チャネルエクステンダの近位部分は、中実の周囲を有することが可能である。複数チャネルエクステンダの中実周囲の領域は、複数チャネルエクステンダの安定性を向上させることが可能である。いくつかの実施形態では、複数チャネルエクステンダは、単一チャネルエクステンダより長いことが可能である。
【0049】
マルチレベル安定化処置では、中央椎骨において使用されるエクステンダは、複数チャネルエクステンダとすることが可能である。複数チャネルエクステンダのチャネルにより、中央椎骨から隣接椎骨にアクセスすることが可能になり得る。マルチレベル安定化システムの端部椎骨において使用されるエクステンダは、単一チャネルエクステンダまたは複数チャネルエクステンダとすることが可能である。骨固定具アセンブリを複数チャネルエクステンダに結合するためのシステムは、骨固定具アセンブリがエクステンダから解放されるのを阻止するために、エクステンダのアームが広がるのを阻止するリミタを含むことが可能である。
【0050】
機器は、エクステンダの通路を通って骨固定具アセンブリにアクセスすることが可能である。いくつかの実施形態では、エクステンダの壁のチャネルは、エクステンダの全長にわたって延びることが可能である。いくつかの実施形態では、具体的には複数チャネルエクステンダの実施形態では、エクステンダの壁のチャネルは、エクステンダの長さの一部のみに延びることが可能である。チャネルは、チャネルに挿入された細長い部材が、エクステンダからエクステンダに結合された骨固定具アセンブリのカラーのスロットの中に進むことが可能であるように、エクステンダの遠位端部まで延びることが可能である。
【0051】
エクステンダのチャネルは、様々な形状のいずれかとすることが可能である。チャネルは、チャネルに挿入される細長い部材の幅(たとえば直径)を超える幅を有することが可能である。いくつかの実施形態では、チャネルは、エクステンダの縦軸に平行な線形開口とすることが可能である。
【0052】
可動部材が、エクステンダのチャネルに近位においてエクステンダの部分を通って延びることが可能である。可動部材は、カラーの上においてエクステンダの径方向の配向を確立するために、および/またはエクステンダに対するカラーの回転を阻止するために、カラーにおいてノッチと係合することが可能である。いくつかの実施形態では、可動部材の遠位端部は、カラーの開口と係合する突出とすることが可能である。ある実施形態では、可動部材の近位端部は、器具部分を含むことが可能である。器具部分は、カラーとエクステンダを係合させるのを容易にすることが可能である。
【0053】
図11は、エクステンダ170の実施形態を示す。エクステンダ170は複数チャネルエクステンダとすることが可能である。エクステンダ170は、壁172、チャネル174、通路176、可動部材178、およびフランジ180を含むことが可能である。チャネル174は、エクステンダ170の遠位端部から壁172の一部を通って延びることが可能である。チャネル174により、1つまたは複数の隣接椎骨に至る柔軟な組織を通る平面を形成するために、機器が配置および使用されることが可能になり得る。細長い部材が、組織平面に挿入されることが可能であり、椎骨にアンカされ、かつエクステンダに結合された骨固定具アセンブのカラーに配置されることが可能である。通路176により、エクステンダ170の遠位端部に結合される骨固定具アセンブリを操作するために、機器が配置および使用されることが可能になり得る。可動部材178は、骨固定具アセンブリをエクステンダ170に結合するシステムの一部とすることが可能である。いくつかの実施形態では、可動部材178は、器具部分182を含むことが可能である。ドライバが、器具部分182に配置されることが可能である。ドライバ(たとえば6角レンチ)は、可動部材178の遠位端部を延ばす、または引き込むために使用されることが可能である。エクステンダ170の遠位端部は、骨固定具アセンブリのカラーの上において相補フランジと対合するフランジ180を含むことが可能である。エクステンダ170の遠位端部は、手術部位において嵩を低減するために、先細りにすることが可能である(たとえば、スピンの直径を短縮する)。
【0054】
図12は、骨固定具アセンブリの結合されたエクステンダ170の実施形態の上面図を示す。骨固定具108の器具部分126は、ヘキサビュラ接続である。
【0055】
図13は、図12の線13−13にほぼ沿って取られた骨固定具アセンブリ102を有するエクステンダ170の一部の断面図を示す。エクステンダ170のフランジ180は、カラーに対するエクステンダの平行移動を阻止するために、カラー112のフランジ148と対合することが可能である。エクステンダ170はまた、ストップ184を含むことも可能である。ストップ184は、壁172の分離を阻止するために、カラー112の一部と係合することが可能である。使用中、ストップ184は、エクステンダ170から骨固定具アセンブリ102が望ましくなく分離するのを阻止することが可能である。
【0056】
図14は、図12の線14−14にほぼ沿って取られた骨固定具アセンブリ102および細長い部材104を有するエクステンダ170の一部の断面図を示す。可動部材178の遠位端部が、カラー112のノッチ(たとえば、図5に示されるノッチ150)の中に延びることが可能である。エクステンダ170の壁172の一部が、ねじ筋を含むことが可能である。可動部材178の一部が、壁172のねじ込み部分に対して相補的なねじ筋を含むことが可能である。可動部材178のねじ筋は、可動部材が回転することにより、可動部材を壁に対して進める、または引き込ませるように、壁172のねじ筋と係合することが可能である。
【0057】
図14に示されるように、カラー112は、細長い部材104がエクステンダ170の遠位端部より下にあるように設計されることが可能である。細長い部材104より上においてエクステンダ170をカラー112に結合することにより、手術部位において嵩を低減することが可能である。細長い部材104がエクステンダ170の遠位端部より下においてカラー112に結合されていることにより、エクステンダは、脊椎安定化システムの細長い部材から妨害されずに取り外されることが可能である。
【0058】
図15は、エクステンダ170の実施形態を示す。エクステンダ170は、単一レベルまたは複数レベルの脊椎安定化処置において使用される単一チャネルエクステンダとすることが可能である。エクステンダ170は、マルチレベル椎骨安定化システムの装備中に安定される最外椎骨において使用されることが可能である。エクステンダ170は、可動部材178および/またはフランジ180を有する骨固定具アセンブリのカラーに結合されることが可能である。機器は、エクステンダに結合されたアンカされた骨固定具アセンブリにアクセスするために、エクステンダ170の通路176を通って挿入されることが可能である。機器は、エクステンダ170と隣接椎骨の間の柔軟な組織において組織平面を形成するために、チャネル174を通って隣接椎骨まで移動されることが可能である。
【0059】
エクステンダは、様々な方式で骨固定具アセンブリのカラーに結合されることが可能である。エクステンダがカラーに結合されているとき、カラーに対するエクステンダの回転および平行移動は阻止されることが可能である。エクステンダとカラーを結合するために使用されるシステムは、実施が簡単かつ安価であるべきであり、カラーおよび/またはエクステンダの機械強度を著しく弱めるべきではない。エクステンダは、非限定的に、フランジ、ねじ込み接続、インタロック接続(たとえば、ラッチ接続システム)、および/または締まりばめを含めて、様々な結合システムを使用してカラーに結合されることが可能である。
【0060】
エクステンダは、様々な長さとすることが可能である。異なる長さのエクステンダが、同じ手術処置において使用されることが可能である。脊椎安定化処置において使用されるエクステンダの長さは、患者の解剖学的構造によって決定されることが可能である。エクステンダは、医師が患者の切開より上において操作することを可能にするのにちょうど十分な長さとすることが可能である。複数チャネルエクステンダは、単一チャネルエクステンダより長いことが可能である。
【0061】
多軸骨固定具アセンブリの骨固定具が椎骨に配置されているとき、骨固定具アセンブリのカラーに結合されたエクステンダは、所望の位置において移動することが可能である。手術中、患者におけるエクステンダは、必要な切開のサイズを低減するために、安定される隣接椎骨に向かって配向されることが可能である。いくつかの実施形態では、エクステンダのチャネルは、細長い部材が骨固定具アセンブリのカラーに配置されることが可能であるように、位置合わせされることが可能である。図16は、3つのエクステンダの配向を示す。エクステンダ170、170’は、カラー112、112’に結合されることが可能である。骨固定具108、108’は、椎骨に挿入されることが可能である。単一チャネルエクステンダ170は、安定される2つの外部茎に骨固定具108を挿入する前に、カラー112に結合されることが可能である。複数チャネルエクステンダ170’は、3つの隣接茎の中央茎に骨固定具108’を挿入する前に、カラー112’に結合されることが可能である。単一チャネルエクステンダ170は、複数チャネルエクステンダ170’に向かって角形成することが可能である。エクステンダのチャネルは、細長い部材がエクステンダまで下方に移動して、骨固定具アセンブリのカラーの中に移動することが可能であるように、位置合わせされることが可能である。
【0062】
骨固定具アセンブリがエクステンダに結合された後、ドライバが、骨固定具アセンブリの骨固定具に結合されることが可能である。ドライバは、骨固定具を椎骨に挿入するために使用されることが可能である。
【0063】
骨固定具アセンブリが装備され、細長い部材が骨固定具アセンブリに配置された後、閉鎖部材が、骨固定具アセンブリに固着されることが可能である。閉鎖部材が骨固定具アセンブリの上においてねじ込まれるとき、逆トルクレンチが、患者の脊椎にトルクを加えるのを阻止するために使用されることが可能である。逆トルクレンチは、閉鎖部材の器具部分がせん断される際、カラーに結合されるエクステンダを保持することが可能である。ある実施形態では、約90インチポンドのトルクが、閉鎖部材の器具部分をせん断するために必要とされる可能性がある。
【0064】
いくつかの実施形態では、逆トルクレンチは、閉鎖部材の回転によって骨固定具アセンブリに加えられた力を相殺するために力を細長い部材に加えることによって、閉鎖部材の締付け中および/または閉鎖部材の器具部分のせん断中、トルクを患者に加えるのを阻止することが可能である。逆トルクレンチは、スリーブとすることが可能である。図17は、細長い部材に結合されるスリーブである逆トルクレンチの実施形態を示す。スリーブ186は、中空シャフト188およびハンドル190を含むことが可能である。溝192は、中空シャフト188の遠位端部に位置することが可能である。図18は、複数チャネルエクステンダの上にわたって嵌合されたスリーブ186を示す。一実施形態では、中空シャフト188は、エクステンダ170の上にわたって本体の開口を通って挿入されることが可能であり、細長い部材104が溝192に設置されるまで、脊椎に向かって進行されることが可能である。スリーブ186は、脊椎安定化システムと係合することが可能である。力が、閉鎖部材の器具部分を締め付けるおよび/またはせん断するために使用されるドライバに加えられた回転力とは反対の方向において、スリーブ186に加えられることが可能である。最小侵襲性脊椎安定化処置中、スリーブ186は、単一チャネルエクステンダおよび複数チャネルエクステンダを含めて、様々なタイプのエクステンダと共に使用されることが可能である。
【0065】
いくつかの実施形態では、スリーブの中空シャフトの形状は、エクステンダの壁と係合するように構成されることが可能である。スリーブは、1つまたは複数の平坦部分を含むことが可能である。エクステンダの壁と係合するように構成されるスリーブがエクステンダの上にわたって配置されているとき、スリーブに加えられた回転力がエクステンダに伝達されることが可能である。エクステンダに加えられた力は、閉鎖部材に加えられたトルクを相殺することが可能である。図19は、単一チャネルエクステンダと係合するように構成されたスリーブ186の実施形態を示す。図20は、複数チャネルエクステンダと係合するように構成されたスリーブ186の実施形態を示す。機器セットに含まれたスリーブは、スリーブが共に使用されるエクステンダのタイプを示すために、指標および/または色符号を含むことが可能である。図20に示されるように、いくつかのスリーブの実施形態は、安定化システムの細長い部材と係合するように構成された溝192を含むことが可能である。図19に示されるように、いくつかのスリーブの実施形態は、溝を含まないことが可能である。
【0066】
スリーブの中空シャフトは、スリーブが共に使用されるエクステンダの長さより短い長さを有することが可能である。たとえば、スリーブの中空シャフトの長さは、脊椎安定化処置中にエクステンダの上にわたって、かつ細長い部材に接してスリーブを配置した後、エクステンダの近位端部がスリーブの近位開口から突出するように選択されることが可能である。図19は、比較的短い中空シャフト188を有するスリーブ186の実施形態を示す。図20は、比較的長い中空シャフト188を有するスリーブ186の実施形態を示す。
【0067】
スリーブ186のハンドル190は、様々な形状または設計とすることが可能である。いくつかの実施形態では、ハンドル190の形状は、スリーブ186をつかむのを容易にすることが可能である。ハンドル190は、スリーブをつかむのを容易にするために、および/またはスリーブの重量を低減するために、切断部分を含むことが可能である。ある実施形態では、ハンドル190の形状は、妨害を低減するおよび/または手術部位の可視性を向上させるために、図19および20に示されるように、中空シャフト188に向かって先細りにすることが可能である。
【0068】
細長い部材が、患者の脊椎に所望の形状を提供するために使用されることが可能である。細長い部材は、非限定的に、直線、屈曲、湾曲、s形、およびz形を含む形状を有することが可能である。図21は、S形の細長い部材104の実施形態を示す。図22は、角形成された細長い部材104の実施形態を示す。図23は、屈曲された細長い部材104の実施形態を示す。図24は、直線の細長い部材104の実施形態を示す。脊椎安定化システムの機器キットが、直線ロッドおよび/または事前成形ロッドを含むことが可能である。直線ロッドおよび/または事前成形ロッドは、手術処置中に必要であれば、患者の解剖学的構造に対応するように輪郭付けすることが可能である。
【0069】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の椎体を細長い部材(たとえば、輪郭付けされた細長い部材)の形状に整復することが示されることが可能である。脊椎安定化処置中の椎体の整復は、脊椎安定化システムにおいて使用される細長い部材の輪郭によって決定される位置に椎体を強制することを含むことが可能である。
【0070】
脊椎安定化処置中、細長い部材の第1部分が、第1椎骨に結合される第1骨固定具アセンブリのカラーに設置されることが可能である。閉鎖部材が、細長い部材をカラーに完全に設置し、および第1骨固定具アセンブリに対する細長い部材の位置を固定するために、カラーおよび細長い部材に結合されることが可能である。細長い部材の第2部分が、第2椎骨に結合される第2骨固定具アセンブリのカラーに隣接して配置されることが可能である。第2椎骨の位置および/または細長い部材の形状は、細長い部材の第2部分が第2骨固定具アセンブリのカラーに完全に設置されるのを阻止することが可能である。レジューサが、細長い部材および第2骨固定具アセンブリのカラーに結合されることが可能である。レジューサは、細長い部材の第2部分を第2骨固定具アセンブリのカラーに完全に設置するために使用されることが可能である。レジューサが第2骨固定具アセンブリのカラーに設置された細長い部材の第2部分を保持する間、ドライバが、カラーに対する細長い部材の位置を固定する目的で、閉鎖部材をカラーに固着するために使用されることが可能である。レジューサが第2骨固定具アセンブリのカラーにおいて細長い部材の第2部分を完全に設置したときを決定するために、放射線撮像が使用されることが可能である。
【0071】
レジューサが、最小侵襲性手術処置中、または細長い部材および作業室へのアクセスが制約される処置中、使用されることが可能である。最小侵襲性処置中、あるいは限定されたアクセスおよび/または限定された作業室を有する処置中、レジューサは、細長い部材を骨固定具アセンブリのカラーに設置する目的で、脊椎安定化システムの骨固定具アセンブリに結合されたエクステンダを上方に(すなわち脊椎から離れるように)引くために使用されることが可能である。レジューサの移動は、非限定的に、ねじ筋、カムのアクション、連結アーム、またはその組合わせを使用することによって達成されることが可能である。
【0072】
図25は、脊椎安定化システムに結合された椎体を整復するためのレジューサ194の実施形態を示す。レジューサ194は、ハンドル196、中空シャフト198、ケージ200、移動アセンブリ202、および解放機構のグリップ204を含むことが可能である。中空シャフト198は、ケージ200に溶接または固定されることが可能である。図26は、移動アセンブリ202およびハンドル196の実施形態の前面図を示す。移動アセンブリ202は、回転子206、ねじ込みシャフト208、リング210、および解放機構212を含むことが可能である。ハンドル196は、シャンク214、ベース216、およびねじ込みカラー218を含むことが可能である。シャンク214は、ベース216およびねじ込みカラー218に溶接または結合されることが可能である。ねじ込みカラー218は、リング210がねじ込みシャフトに溶接または固定される前に、ねじ込みシャフト208の上にねじ込まれることが可能である。
【0073】
図25に示されるように、リング210および解放機構212は、ケージ200に配置されることが可能である。リング210の外径および解放機構212の外径は、ケージ200の内径よりわずかに小さくすることが可能である。ストップ220は、ケージ200において、プレスばめされる、ねじ込まれる、そうでない場合は配置されることが可能である。リング210の上面は、移動アセンブリ202がケージ200から分離するのを阻止するために、ストップ220と接触することが可能である。
【0074】
ハンドル196のベース216は、4つ以上のスロット222を含むことが可能である。スロット222はケージ200においてストップ220と係合することが可能である。スロット222がストップ220と係合するとき、シャンク214が回転することにより、ケージ200および中空シャフト198が回転する。溝224に対するハンドル196の配向は、リング210がケージ200の底部に向かって配置されるとき、変更されることが可能である。リング210がケージ200の底部に向かって配置されているとき、ハンドル196は、ベース216をストップ220から取り外すように上昇されることが可能である。ハンドル196は、回転されることが可能であり、次いで、ストップ220がベース216においてスロット222と係合するように、下降されることが可能である。溝224は、ドライバが閉鎖部材をカラーに固着するために使用されるとき、カラー112に加えられたトルクに逆トルクが加えられることが可能であるように、細長い部材104を補完することが可能である。
【0075】
ハンドル196に対するリング210の位置が、移動アセンブリ202の回転子206を回転させることによって変化することが可能である。いくつかの実施形態では、回転子206の時計回りの回転が、リング210をハンドル196に向かって引くことが可能であり、回転子の半時計回りの回転が、リングをハンドルから離れるように移動させることが可能である。
【0076】
リング210は、内部リングを含むことが可能である。図27は、内部リング226の実施形態の透視図を示す。内部リングは、エクステンダがリングを通過するのを可能にするようにサイズ決めされた通路を含むことが可能である。内部リング226は、角形成されたスロット230に設置された1対の可動ピン228を含むことが可能である。レジューサの中空シャフトがエクステンダの上にわたって配置され、細長い部材に向かって移動されるとき、エクステンダの上部が可動ピン228と接触し、可動ピンを角形成されたスロット230において上方に押すことが可能である。エクステンダの上部が可動ピン228を通り過ぎた後、可動ピンは、角形成されたスロット230の底部に再び下降する。リング210がケージ200において上方に移動する場合、可動ピン228は、エクステンダをリングと共に上方に平行移動させるために、エクステンダのフランジと係合する。
【0077】
解放機構の実施形態が、図26に示されている。解放機構212は、リング210の可動ピンによって保持されたエクステンダを解放するために使用されることが可能である。解放機構212は、プラットフォーム232、ホルダ234、ピン係合器236、およびグリップ204を含むことが可能である。ホルダ234は、プラットフォーム232を通って配置されることが可能である。ホルダ234は、リング210に固定されることが可能である。ピン係合器236は、プラットフォーム232に固定されることが可能である。ピン係合器236は、リング210においてスライドすることが可能である。ピン係合器236の端部は、リング210の角形成されたスロットにおいて可動ピンと接触することができる。グリップ204がつかまれて、プラットフォーム232をリングに向かって移動させるためにリング210に向かって移動されるとき、ピン係合器236の端部は、可動ピンと接触し、ピンがエクステンダのフランジと係合しないように、リング210の角形成されたスロットにおいて可動ピンを移動させる。可動ピンがエクステンダのフランジと係合しないように可動ピンを移動させることにより、使用者が、ハンドル196をつかんで、レジューサをエクステンダから取り外すことが可能になる。
【0078】
図25に示されたレジューサを使用するために、回転子206は、リング210をケージ200の底部に向かって移動させるように回されることが可能である。中空シャフト198は、骨固定具アセンブリのカラー112に結合されるエクステンダの上にわたって配置されることが可能である。中空シャフト198は、中空シャフトの端部がカラー112に配置された、またはカラー112より上に配置された細長い部材104と接触するまで、下方に移動されることが可能である。ハンドル196は、細長い部材104をレジューサ194の溝224に配置するように回転されることが可能である。所望であれば、細長い部材104に対するハンドル196の配向は、調節されることが可能である。
【0079】
回転子206は、リング210をハンドル196に向かって移動させるように回転されることが可能である。リング210がハンドル196に向かって移動する際、リングの可動ピンがエクステンダのフランジと係合し、エクステンダをハンドルに向かって移動させ、細長い部材104をカラー112に設置する。細長い部材104がカラー112に完全に設置されているとき、ドライバに結合された閉鎖部材が、レジューサ194を通ってカラーに導入されることが可能である。ドライバは、閉鎖部材をカラー112に固着するために使用されることが可能である。レジューサ194は、閉鎖部材によってカラーに加えられた力に逆トルクを提供するために使用されることが可能である。
【0080】
いくつかの実施形態では、レジューサは、脊椎安定化システムに結合された椎体の整復を達成するために、1つまたは複数の他の機器と共に使用されることが可能である。図28は、図29に示されるエクステンダ170およびスリーブ186と共に使用されることが可能であるレジューサ194の実施形態を示す。レジューサは骨固定具アセンブリが椎骨に結合されているとき、細長い部材104を骨固定具アセンブリ102のカラー112に設置するために使用されることが可能である。レジューサは、エクステンダ170の凹み238に結合されるように設計された鉗子タイプの機器とすることが可能であり、細長い部材104をカラー112の中に押しながら、エクステンダを上方に引くことが可能である。
【0081】
図28に示されるように、レジューサ194は、グリップ240、ロック機構242、ベース244、アーム246、およびボス248を含むことが可能である。グリップ240を互いから離して移動させることにより、レジューサ194のアーム246を分離させることが可能である(たとえば、間の距離を開くまたは増大させる)。アーム246が分離されるとき、ボス248は、エクステンダの凹みに隣接して配置されることが可能である。グリップ240は、ボス248をエクステンダの凹みに配置するように、互いに向かって移動されることが可能である。ボス248は、レジューサ194がエクステンダの周りに回転されることが可能であるように、エクステンダの凹みを補完することが可能である。いくつかの実施形態では、レジューサは、凹みを含むことが可能であり、エクステンダは、使用中、レジューサの凹みの内部に嵌合する突出を含むことが可能である。ロック機構242は、ボス248がエクステンダの凹みに配置されているとき、アームの分離を阻止するために、アーム246の位置を互いに対して固定することが可能である。いくつかの実施形態では、ロック機構242は、ラチェットシステムを形成するインタロック歯とすることが可能である。ベース244は、ボス248とグリップ240の間にあることが可能である。ベース244は、使用中、支点として機能することが可能である。ボス248は、グリップ240と同じ平面からずれることが可能である。レジューサ194は、ベース244とグリップ240の間の長い長さを有することが可能である。ベース244からグリップ240までのレジューサ194の長さは、使用中、レバーアームとして機能することが可能である。
【0082】
使用中、レジューサ194のベース244は、スリーブのハンドルの上に配置されることが可能である。グリップ240は、エクステンダをスリーブに対して上方に移動させるために、ハンドルに向かって回転されることが可能である。ベース244は、エクステンダをスリーブに対して上方に移動させるレバーシステムの支点として機能することが可能である。エクステンダをスリーブに対して上方に移動させることにより、エクステンダに結合されるカラーに細長い部材を設置することが可能である。細長い部材がカラーに設置されているとき、ドライバに結合された閉鎖部材が、エクステンダを通ってカラーに挿入されることが可能である。閉鎖部材は、カラーに結合されることが可能である。閉鎖部材によってカラーに加えられた力に対する逆トルクが、スリーブに加えられることが可能である。
【0083】
エクステンダに結合される骨固定具アセンブリが、安定される椎骨の茎に配置されることが可能である。細長い部材が、所望の長さに切断され、輪郭付けられることが可能である。医師が、患者について細長い部材の曲率を決定するために、経験および判断を使用することが可能である。細長い部材について所望の曲率を決定することにより、患者の放射線画像を使用することが容易になることが可能である。いくつかの実施形態では、細長い部材の曲率は、細長い部材が骨固定具アセンブリのカラーに固着されるとき、骨固定具アセンブリに結合されたエクステンダが皮膚の表面において交差するように選択されることが可能である。皮膚の表面においてエクステンダが交差することにより、医師は、患者に対する外傷を最小限に抑えることが可能になる。細長い部材は、様々な空間位置および/または様々な角度配向で細長い部材をエクステンダのチャネルを通って挿入することを可能にするために、器具(たとえば、ロッドベンダ)で屈曲される、または成形されることが可能である。
【0084】
細長い部材を挿入する前に、組織ウェッジまたはターゲティング針が、清浄な組織平面が骨固定具の間に形成されたことを保証するために、骨固定具間において読み取る(wand)ために使用されることが可能である。細長い部材の端部が、骨固定具アセンブリに結合されたエクステンダの通路および/またはチャネルにおいて、ある角度でまたはほぼ縦方向に挿入されることが可能である。ある角度でまたはほぼ縦方向に細長い部材を挿入することにより、組織平面の切開の長さおよび/または領域が小さいままであることが可能になることが有利である。いくつかの実施形態では、アンカされた骨固定具アセンブリに結合されたエクステンダは、細長い部材の挿入中に互いに対して本質的に制約されないままであることが可能である。ある実施形態では、カラーの角度配向が、エクステンダを下降して骨固定具アセンブリのカラーの中に至る細長い部材の軌跡を決定することが可能である。2つ以上のエクステンダを下降して開経路(すなわち、組織平面)を通って細長い部材を挿入することにより、医師が、解剖学的異常および/またはシステム構成要素の不良位置合わせに関連する手術上の困難(たとえば、複数レベル安定化処置における)を回避することが可能になり得る。配置器具が、エクステンダを下降してカラーのスロットの中に細長い部材を誘導するために使用されることが可能である。
【0085】
いくつかの脊椎処置中、細長い部材は、骨固定具アセンブリのカラーに当初設置されていないことがある。そのような処置中、レジューサが、細長い部材を骨固定具アセンブリのカラーに設置するために使用されることが可能である。
【0086】
図28に示されたレジューサ194は、脊椎安定化システムに結合された1つまたは複数の隣接椎体に関して、1つの椎体の前後位置の差を強制的に短縮するために、スリーブと組み合わせて使用されることが可能である。いくつかの場合、整復は、患者の脊椎の奇形を修正するために実施されることが可能である。レジューサ194は、一度に1つまたは複数の椎骨レベルにわたって整復を達成するために使用されることが可能である。マルチレベル脊椎安定化システムでは、整復は、脊椎安定化システムのカラーに細長い部材を設置するのを容易にすることが可能である。脊椎安定化システムと共にレジューサを使用することにより、細長い部材の輪郭に従って脊椎の最終位置が操作されることが可能になり得る。
【0087】
整復が開始される前、細長い部材104は、図30に示されるように、エクステンダ170に結合されたカラー112に配置されることが可能である。閉鎖部材106は、細長い部材104がカラーの1つまたは複数において少なくともゆるく配置されるように、1つまたは複数のカラー112に配置されることが可能である。細長い部材104は、カラー112に完全に設置されることが可能である。細長い部材104は、カラー112’に完全に設置されないことが可能である。図31は、カラー112’の近位における細長い部材104の拡大透視図を示す。
【0088】
スリーブ186は、図29に示されるように、エクステンダ170の上にわたって配置され、溝192において細長い部材104と係合することが可能である。マルチレベル脊椎安定化システムでは、細長い部材104は、1つまたは複数の位置において適所に固定される(たとえば、閉鎖部材で外部カラーの1つまたは複数において固着される)ことが可能である。スリーブ186の中空シャフト188の長さは、エクステンダ170の近位端部がスリーブの近位開口から突出するように選択されることが可能である。いくつかの実施形態では、機器キットが、エクステンダ170の近位端部の凹み238が使用中にスリーブ186より上に暴露されるように、共に使用されるようにサイズ決めされるスリーブ186およびエクステンダ170を提供することが可能である。ある実施形態では、エクステンダ170の凹み238は、図28に示されたレジューサ194のボス248に対して相補的とすることが可能である。
【0089】
図32は、スリーブ186の近位開口より上においてエクステンダ170に結合されたレジューサ194を示す。レジューサ194をエクステンダに結合するために、グリップ240が、レジューサのアーム246を開放するように離れて広げられることが可能である。アーム246の上のボスは、エクステンダ170の凹みの近位に配置されることが可能である。グリップ240は、レジューサ194のボスがエクステンダ170の凹みと係合するまで、互いに向かって移動されることが可能である。ボスが凹みと係合しているとき、レジューサ194のロック機構242の歯は、レジューサのアーム246が望ましくなく分離するのを阻止するために係合されることが可能である。ボスが凹みと係合しているとき、レジューサ194のベースは、スリーブ186のハンドル190の上に配置されることが可能である。
【0090】
レジューサ194がエクステンダ170に結合され、スリーブ186のハンドル190と位置合わせされている状態では、整復は、グリップ240をハンドルに向かって下方にベース244の周りに回転させることによって達成されることが可能である。レジューサ194のグリップ240がスリーブ186のハンドル190に向かって強制される際、エクステンダ170は、スリーブの中空シャフト188を通って上方に平行移動することが可能である。エクステンダ170が中空シャフト188を通って上方に平行移動することにより、エクステンダが細長い部材104に向かって結合される椎体を有効に引き、細長い部材をカラー112に設置することが可能になる。レジューサ194のグリップ240は、細長い部材104が、図33に示されるようにカラー112に設置されるまで、スリーブ186のハンドル190に向かって回転されることが可能である。いくつかの実施形態では、レジューサ194は、約0.1mmから約40mmの垂直距離、エクステンダ170を移動させることが可能である。たとえば、レジューサ194は、使用中、約10mmの垂直距離、エクステンダ170を移動させることが可能である。たとえば、約6mmから約12mmの椎骨短縮が達成されることが可能である。いくつかの実施形態では、第1椎体が、第2椎体に対して少なくとも5mmの距離、平行移動されることが可能である。
【0091】
細長い部材104がカラー112に完全に設置されている状態では、整復は、グリップ240をスリーブ186のハンドル190に向かって駆動するレジューサ194に対する力を維持することによって維持されることが可能である。閉鎖部材ドライバが、閉鎖部材をカラー112において固着するために、エクステンダ170に挿入されることが可能である。閉鎖部材をカラー112において固着することにより、細長い部材104を適所において締め付けることが可能である。いくつかの実施形態では、スリーブ186はまた、閉鎖部材の回転によってカラーに加えられた力を相殺するのを阻止するために、閉鎖部材の締付け中に逆トルクレンチとして使用されることも可能である。レジューサ194は、エクステンダ170から取り外されることが可能である。整復の処置は、1人の人によって実施されることが可能であることが有利である。
【0092】
細長い部材が所望通りにカラーにおいて配置および設置された後、閉鎖部材は、細長い部材をカラーにおいて固着するために使用されることが可能である。1つまたは複数の逆トルクレンチ(たとえばスリーブ)が、閉鎖部材の器具部分のせん断中に使用されることが可能である。
【0093】
本発明の様々な態様の他の修正および代替実施形態が、本記述を考慮することで当業者には明らかになるであろう。したがって、本記述は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実施する一般的な方式を当業者に教示することを目的とする。本明細書において図示および記述された本発明の形態は、現在好ましい実施形態として取られるべきであることを理解されたい。本発明の本記述の利益を有した後に当業者には明らかであるように、要素および材料が、本明細書において例示および記述されたものについて代用されることが可能であり、部分およびプロセスが反転されることが可能であり、本発明のある特徴が、独立に使用されることが可能である。添付の特許請求の範囲において記述される本発明の精神および範囲から逸脱せずに、本明細書において記述される要素について変更が行われることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】脊椎安定化システムの実施形態の透視図である。
【図2】骨固定具アセンブリの実施形態の透視図である。
【図3】骨固定具の実施形態の透視図である。
【図4】骨固定具アセンブリのリングの実施形態の透視図である。
【図5】骨固定具アセンブリのカラーの実施形態の透視図である。
【図6】骨固定具アセンブリの実施形態の断面図である。
【図7】カラーの中心軸および骨固定具の中心軸を通過する軸に対して対称である円錐運動範囲において、カラーに対する骨固定具の角形成を可能にするカラーを有する骨固定具アセンブリの実施形態の前面図である。
【図8】閉鎖部材の実施形態の透視図である。
【図9】図8に示された平面9−9にほぼ沿って取られた閉鎖部材の断面図である。
【図10】脊椎安定化システムの一部の実施形態の透視図である。
【図11】複数チャネルエクステンダの実施形態の透視図である。
【図12】エクステンダに結合された骨固定具アセンブリを有する複数チャネルエクステンダの実施形態の上面図である。
【図13】図12の線13−13にほぼ沿って取られた骨固定具アセンブリを有するエクステンダの一部の断面図である。
【図14】図12の線14−14にほぼ沿って取られた骨固定具アセンブリを有するエクステンダの一部の断面図である。
【図15】単一チャネルエクステンダの実施形態の透視図である。
【図16】骨固定具アセンブリに結合されたエクステンダの実施形態の透視図である。
【図17】逆トルクレンチとして機能するスリーブの実施形態を示す図である。
【図18】細長い部材に結合された図17に示されたスリーブの概略図である。
【図19】スリーブの実施形態の透視図である。
【図20】スリーブの実施形態の透視図である。
【図21】細長い部材の実施形態を示す図である。
【図22】細長い部材の実施形態を示す図である。
【図23】細長い部材の実施形態を示す図である。
【図24】細長い部材の実施形態を示す図である。
【図25】細長い部材に結合されたレジューサの実施形態の透視図である。
【図26】図25に示されたレジューサの移動機構およびハンドルの実施形態の前面図である。
【図27】レジューサの実施形態の内部リングの透視図である。
【図28】レジューサの実施形態の透視図である。
【図29】図28に示されたレジューサと共に使用されることが可能である脊椎安定化システムに結合されたエクステンダの上にわたって配置されたスリーブの実施形態の透視図である。
【図30】整復前の、脊椎安定化システムの実施形態を示す図である。
【図31】整復前の、設置されていない細長い部材の実施形態を示す図である。
【図32】整復前の、エクステンダに結合されたレジューサの実施形態を示す図である。
【図33】整復後の、エクステンダに結合されたレジューサの実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の脊椎の1つまたは複数の椎体を整復するためのシステムであって、
人の椎骨に結合されるように構成されたカラーと、
カラーに結合されるように構成されたエクステンダと、
カラーに配置されるように構成された細長い部材と、
細長い部材およびエクステンダに結合されるように構成され、細長い部材をカラーに設置するレジューサと
を備える、システム。
【請求項2】
レジューサが細長い部材をカラーに設置するとき、カラーに結合されるように構成された閉鎖部材をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
閉鎖部材をカラーに固着するように構成されたドライバをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
カラーが骨固定具アセンブリの一部である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
レジューサが、エクステンダの凹みに結合されるように構成された少なくとも1つのボスを備え、レジューサが、エクステンダに対して作業に関係して配置されたスリーブに結合されるように構成されたベースを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
カラーに結合されるように構成されたエクステンダをさらに備え、レジューサが、エクステンダの一部を囲み、かつ細長い部材と接触するように構成された中空シャフトを備え、レジューサが、エクステンダのフランジと係合するように構成されたリングを備え、レジューサが回転子を備え、回転子を第1方向において回すことにより、リングが細長い部材から離れて移動し、細長い部材をカラーに設置する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
人の脊椎の1つまたは複数の椎体を整復するためのシステムであって、
人の脊椎に結合されるように構成されたカラーと、
カラーに結合されるように構成されたエクステンダと、
カラーに配置されるように構成された細長い部材と、
エクステンダの一部を囲み、かつ細長い部材に結合されるように構成されたスリーブと、
エクステンダおよびスリーブに結合されるように構成されたレジューサであって、スリーブに対するレジューサの回転が、細長い部材をカラーに配置するように構成されるレジューサと
を備える、システム。
【請求項8】
細長い部材をカラーに対して固着するために、カラーに結合されるように構成された閉鎖部材をさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
閉鎖部材に結合されるように構成されたドライバをさらに備え、レジューサが細長い部材をカラーに設置するために使用されているとき、ドライバが、エクステンダに配置されるように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
レジューサが、エクステンダの凹みと係合するボスを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
グリップと、
グリップに結合され、細長い部材と接触しているスリーブに結合されるように構成されるベースと、
ベースに結合され、骨固定具アセンブリのカラーに添付されたエクステンダに結合されるように構成されるアームと
を備え、
アームがエクステンダに結合されているとき、グリップが回転することにより、エクステンダがスリーブに対して上昇する、レジューサ。
【請求項12】
アームが、エクステンダの凹みに結合されるように構成されたボスを備える、請求項11に記載のレジューサ。
【請求項13】
アームの移動を阻止するようにロック機構をさらに備える、請求項11に記載のレジューサ。
【請求項14】
人の脊椎の椎体を整復するためのデバイスであって、
エクステンダを受けるように構成された管であって、エクステンダの遠位端部が、使用中、脊椎安定化システムのカラーに結合され、脊椎安定化システムが、使用中、椎体に結合され、管の遠位部分が、使用中、カラーの近位において脊椎安定化システムの細長い部材と係合するように構成される管と、
管の近位部分に結合された移動機構であって、移動機構の一部が、使用中、皮膚表面より上においてエクステンダの近位端部に結合されるように構成され、デバイスが、使用中に移動機構と係合することにより、細長い部材をカラーに設置するために、椎体を管の近位部分に向かって平行移動させるように構成される移動機構と
を備える、デバイス。
【請求項15】
移動機構に結合された解放機構をさらに備え、解放機構が、解放機構と係合することにより、エクステンダを移動機構から解放するように構成される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
人の脊椎の1つまたは複数の椎体を整復する方法であって、
第1カラーを第1椎体に添付することと、
第2カラーを第2椎体に添付することと、
第1カラーを第2カラーに結合することと、
皮膚の表面より上から第1椎体を第2椎体に対して平行移動させることと
を備える、方法。
【請求項17】
第1カラーを第2カラーに結合することが、細長い部材を第1カラーおよび第2カラーに結合することを備え、第1カラーの近位においてレジューサを細長い部材に結合することと、第1椎体をレジューサの近位端部に向かって平行移動させるようにレジューサを使用することとをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第1椎体の平行移動に続いて、第2椎体の位置に対して第1椎体の位置を固着することをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
第1椎体を第2椎体に対して平行移動させることが、第1椎体を少なくとも5mmだけ平行移動させることを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
第3カラーを第3椎体にさらに添付し、第3カラーを第1カラーまたは第2カラーに結合する、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
第3カラーを第3椎体に添付することと、第3カラーを第1カラーおよび第2カラーに結合することとをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
人の脊椎の1つまたは複数の椎体を整復する方法であって、
第1椎骨に固着された第1骨固定具アセンブリのカラーにレジューサを結合することと、
第2椎骨に固着される細長い部材にレジューサを結合することと、
細長い部材を第1骨固定具アセンブリのカラーに設置するように、レジューサを作動させることと
を備える、方法。
【請求項23】
レジューサをカラーに結合することが、エクステンダに結合されたエクステンダの凹みにレジューサを添付することを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
レジューサを細長い部材に結合することが、エクステンダの上にわたってスリーブを配置することであり、エクステンダがカラーに結合されることと、レジューサをエクステンダに結合することと、レジューサのベースをスリーブのハンドルの上に配置することとを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
細長い部材をカラーに固着するように、細長い部材がカラーにおいて設置されているとき、閉鎖部材をカラーに結合することをさらに備える、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公表番号】特表2008−518674(P2008−518674A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539243(P2007−539243)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/039245
【国際公開番号】WO2006/052504
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】