説明

椎弓切除用の吸引および後退デバイス

椎弓切除用の吸引および後退デバイスは、基体から伸びるオフセットされたプローブを備える基体を有する。プローブの先端は、プローブの遠位端部表面の1組のポート上に配置された1組の吸引ポートを持つ後退ブレードを有する。長方形のポートは、ブレード表面に隣接し、プローブの端部表面に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椎弓切除用の吸引および後退デバイス(laminectomy suction and retraction device)に関連する。
【背景技術】
【0002】
先行の発明者は、多くの外科手術用吸引プローブの特許を取得した。そのプローブは、通常、ハンドルから伸びるプローブをもつハンドルと、プローブの先端へ吸引を加えることを制御するための基体の側面に穴のような手段と、を有する。いくつかのプローブは、外科医が切開部から流体を除去しながら、神経あるいは管を後退させる(retract)ために、吸引オリフィスに隣接するへら状のレトラクターブレード(retractor blade)を有する。代表的な先行米国特許は、第4058896号、第4883426号、第5123840号、第5961522号、第6312447号、第4049000号、第4068664号、第5123403号、第5690660号、第5803904号、第6001077号、第6087587号および第621323号を含む。このようなデバイスは、閉塞する(clogging)傾向があり、外科医が後退器具(retraction tool)に大きすぎる力を不注意に加えることによる組織の損傷を防止できない。
【特許文献1】米国特許第4058896号公報
【特許文献2】米国特許第4883426号公報
【特許文献3】米国特許第5123840号公報
【特許文献4】米国特許第5961522号公報
【特許文献5】米国特許第6312447号公報
【特許文献6】米国特許第4049000号公報
【特許文献7】米国特許第4068664号公報
【特許文献8】米国特許第5123403号公報
【特許文献9】米国特許第5690660号公報
【特許文献10】米国特許第5803904号公報
【特許文献11】米国特許第6001077号公報
【特許文献12】米国特許第6087587号公報
【特許文献13】米国特許第621323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、外科手術用の吸引器具の後退機能(retraction function)を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらおよび他の目的は、以下に記載されるような椎弓切除用の吸引および後退デバイスによって達成される。
【0005】
本デバイスは、ポートの1つが閉塞したときでも連続吸引を許容するために先端に多くの吸引用開口またはポートを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施例である椎弓切除用の吸引および後退デバイスは、基体から伸びるプローブ12を有する基体10(図1)を有する。プローブには、基体の長手軸と平行であるがオフセットしている直線状の弓形部分14を有する。プローブの先端16は、カモノハシのようなへら状のブレード18を有し、ブレード18はプローブの遠位端部表面24の一対の下方ポート22の上に配置されている一対の上方吸引ポート20を有する。端部表面24は、その表面に垂直な想像線が直線部分の軸に約45度の角度を作るように角ばっている。端部表面24は、その遠位終点で大きな長方形の吸引ポート25を画定する。このように、全部で、5つの吸引ポート、すなわち、一対のポート20、一対のポート22、および長方形のポート25がある。
【0007】
基体は、基体を通って長手方向に伸びる空気通路30と底部で連結しているスロット28をもつくぼみ26(図1)を有する。取付具32は、不図示の吸引ホース用に基体の近位端部に供給される。基体上の離間した環状の溝34は握りを改良する。
【0008】
使用中に、この器具(tool)は吸引源に接続され、外科医がこの器具を切開部の内部に配置する。外科医が吸引を望むときには、外科医は指でスロット28をふさぐ。この器具は、明瞭に見えるようにするために血液あるいは流体を十分に吸引しながら、同時に、硬膜を下に押し下げる(depress dura)あるいは神経根スリーブを後退させる(retract nerve root sleeves)ために操作されるかもしれない。代わりに、へら状のブレード18は、硬膜が過度に粘着性となるという状態において、側部脊椎管(lateral spinal canel)から脊椎硬膜(spinal dura matter)を分離させるための解剖器具として操作されるかもしれない。
【0009】
図6〜10に示される器具は、プローブ12'を除いて図1〜5に示される器具と同じである。ここで、エルボ13'は、プローブの直線部分14'が基体から基体の軸から約75度の角度で急勾配で下向きに伸びるように構成されている。また、先端は、ブレード18'を持つが、最初の実施例のブレードと異なった形状のブレードである。先端16'は、先端が基体の軸に実質的に垂直に伸びるように、プローブの直線部分からまっすぐ下方向に曲がっている。ブレードは、先端の近位面に固定され、その低い端部17’は、ブレードが基体の軸に平行となるように、後方90度に曲がっている。この構成は、外科医が、処置中に、端部17'で神経を引っかけて、じゃまにならないようにするのを可能にする。この実施例において、2つの吸引ポート、すなわち、ブレードの遠位表面の穴20、穴22および長方形のすきま25がある。これらのポートのすべては中空プローブステム(hollow probe stem)を通って真空源と連結する。
【0010】
特に、本発明の2番目の実施例において、プローブは実質的に柔軟性を有することが好ましい。これは、プラスチック材料あるいはエラストマー材料などの低弾性材料からプローブを作り、次に、約75グラムまたはそれ以上の先端荷重下でプローブが実質的に曲がるように、プローブシャフトの寸法を選択することによって、実現される。外科医が、この限界を超える危険を発生しながらこの器具を急いで退去させる場合、過剰な後退を防ぐために、シャフトは曲がり、徐々に制御されたやり方で、道を与える。第2の実施例の大きなオフセットは、シャフト中に与えられた先端力に対して第1の実施例よりもより大きな曲げーメントを生成する。第2の実施例において、エルボ13’が75グラムを超える各2グラムの力に対して約10度曲がるようにシャフトが設計されるのが好ましいが、柔軟性の度合いは処置に依存し、外科医の個人的な好みであり得る。
【0011】
本発明は変更と変化が可能であるので、上記の記載と付随の図面は以下の請求項で定義される発明の例示によってのみに解釈されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例の椎弓切除用の吸引および後退デバイスの上平面図である。
【図2】図1の上部正面図である。
【図3】図1の下部平面図である。
【図4】図1の右側面図である。
【図5】図1の左側面図である。
【図6】本発明の2番目の実施例の上平面図である。
【図7】図6の上正面図である。
【図8】図6の下平面図である。
【図9】図6の右側面図である。
【図10】図6の左側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体の近位端部から基体の遠位端部まで伸びる空気通路を有する、中空の細長い基体と、
前記基体の近位端部で吸引管に接続する取付具と、
前記基体の遠位端部から前方に伸びる中空のプローブであって、プローブの長さ方向に所定角度で傾斜しているプローブの遠位端部表面と、前記プローブの遠位端部表面より大きな幅およびブレードの一部が前記プローブの遠位端部表面を超えて伸びるような長さを有し、ブレードの遠位表面に一対の吸引ポートを有するブレードと、を有するプローブと、
を有することを特徴とする椎弓切除の吸引および後退デバイス。
【請求項2】
前記プローブの遠位端部表面は、プローブの遠位表面に一対の吸引ポートを有することを特徴とする請求項1に記載の椎弓切除の吸引および後退デバイス。
【請求項3】
前記プローブの遠位端部表面は、長方形の吸引ポートを画定することを特徴とする請求項1に記載の椎弓切除の吸引および後退デバイス。
【請求項4】
前記プローブは、先端が前記基体の長手方向の軸からオフセットされるように形成され、前記ブレードは、前記プローブの遠位端部表面より前記軸の近くに存在することを特徴とする請求項1に記載の椎弓切除の吸引および後退デバイス。
【請求項5】
前記基体上に、外科医が器具の先端に吸引の配給(delivery of suction)を制御するために指で覆うことができる少なくとも1つの横穴をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の椎弓切除の吸引および後退デバイス。
【請求項6】
前記先端に隣接した前記プローブの部分は、直線であることを特徴とする請求項1に記載の椎弓切除の吸引および後退デバイス。
【請求項7】
前記直線の部分が、前記基体の長手方向の軸からオフセットして軸に沿って平行に伸びていることを特徴とする請求項6に記載の椎弓切除の吸引および後退デバイス。
【請求項8】
前記直線の部分が、前記基体の長手方向の軸に対して実質的な角度を作る軸に沿って伸びていることを特徴とする請求項6に記載の椎弓切除の吸引および後退デバイス。
【請求項9】
前記角度が、約75度であることを特徴とする請求項8に記載の椎弓切除の吸引および後退デバイス。
【請求項10】
前記プローブの遠位先端が、前記基体の軸にほぼ垂直であるように、前記直線の部分から下方向へ曲がっていることを特徴とする請求項8に記載の椎弓切除の吸引および後退デバイス。
【請求項11】
前記先端に固定された長方形のブレードを更に有し、前記ブレードは、前記基体の軸に実質的に平行であるように約90度後方に曲がっている遠位部分を有することを特徴とする請求項10に記載の椎弓切除の吸引および後退デバイス。
【請求項12】
前記プローブは、プラスチックで作られ、前記直線の部分が実質的に75グラムまたはそれ以上の先端荷重下で曲がるように柔軟性を有することを特徴とする請求項8に記載の椎弓切除の吸引および後退デバイス。
【請求項13】
前記直線の部分が75グラムを超えて加えられた先端の力の各2グラムごとに約10度曲がることを特徴とする請求項12に記載の椎弓切除の吸引および後退デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−521052(P2007−521052A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501033(P2006−501033)
【出願日】平成16年1月20日(2004.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/001358
【国際公開番号】WO2004/064746
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(501244163)
【氏名又は名称原語表記】SUDDABY, Loubert
【住所又は居所原語表記】76 Tanglewood Drive, Orchard Park, NY 14127, U. S. A.
【Fターム(参考)】