説明

椎弓根スクリュー

本発明は、弾性安定若しくは支持システムに結合する頭部(11)と椎骨の内側に固定し、移植された場合、椎弓根を通り椎体へ伸びるシャフトとからなる椎弓根スクリューに関する。シャフトは頭部から測った長手方向長において、頭部に隣接する上方シャフト領域(19)と、上方シャフト領域に繋げられた応力緩和領域(17)とからなり、応力緩和領域は上方軸部領域より小さい曲げ剛性を有し、応力緩和領域は骨の内側に置かれるために設けられたシャフトの領域に置かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾性椎間安定化支持システムに繋がる頭部と、椎骨(vertebral)への固定に役立ち且つ移植された状態において椎弓根(pedicle)を経て椎体(vertebral body)へ伸びるシャフトとからなる椎弓根スクリューに関する。さらに、本発明は複数の椎弓根スクリューからなる椎間(intervertebral)安定化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
椎弓根スクリューは以下において「締結要素」とも称される。
【0003】
この種類の椎弓根スクリュー並びに椎間安定化・支持システムは、例えば、US2005/0154390号、米国特許第5,492,442号、国際公開WO2005/065374、国際公開WO03/032862、欧州特許第0669109号、欧州特許第0672388号、米国特許第4,950,269号、若しくは欧州特許第528706号により知られている。このタイプのスクリューは、頭部として一端が閉じ若しくは開いた環状部を有しており、一端が開いた環状部を有する形は、特定の実施例において、チューリップ若しくは音叉の形状であり、環状部は椎間安定化要素若しくは椎間支持要素を受け入れるために設けられ、適切な方法によって前記椎間安定化要素若しくは椎間支持要素を固定する眼(eye)が設けられている。
【0004】
簡略化したメカニズムモデルでは、スクリューが挿入されるべき椎弓根は椎体に固定された棒状部として考えられ得る。前記棒状部は荷重の下では十分に曲がることができる。椎弓根の長手軸方向の剛性率分布は一定ではない。剛性は椎弓根と椎体との間の移行部の部において、隣接する部と比較するとかなり増大する。これに関連して、従来使用されるような移植された堅い椎弓根スクリューでは、試験の結果、尾側・頭側の力が椎弓根スクリュー頭部にかかる場合、スクリューを含む椎弓根が曲がることがわかった。スクリューのより高い曲げ剛性率のために、トグル位置とも称されるピボット位置が荷重の下で椎弓根スクリューが傾く位置の周りに形成される。一般的に、前記ピボット位置は椎弓根と椎体との間の移行領域におおよそ配置される。荷重を付与された椎弓根スクリューの傾きは、自由端部、特に椎弓根スクリューの先端によって椎体の海綿骨(spongiosa)に過度の荷重を生ずる。従って、骨界面(bone interface)と称される部分に強い荷重が生成され、前記荷重は好ましくない環境、例えば、骨粗鬆症を促進する環境の下では、長期間におけるスクリューのゆるみ現象を生ずる。さらに、高い荷重がシャフトの内側に、中でもピボット位置の少し前方に生ずる。
【0005】
椎弓根スクリューは剛性及び弾性椎間安定化システム若しくは固定システム(硬化若しくは支持システム)と共に使用される。椎間支持要素同士の間、例えば、尾側の椎骨に固定された椎弓根スクリューと頭側の椎骨に固定された椎弓根スクリューとに配置された棒部若しくは帯部と椎弓根スクリューとの間の非角度安定結合若しくは連結を提供するシステムでは、このシステムは例えば弾性的かつ動的安定化システムであり、スクリュー頭部に伝えられるか頭部において吸収されるトルクはほぼ存在しないが、実際には、単なる張力/圧縮力だけが存在する。これは椎弓根が曲げられ得るという結果に帰結する。従って、椎弓根の比較的低い曲げ剛性率のために、椎弓根により支持され得ない堅いスクリューは、一種の傾斜荷重を受け、従って、骨界面と称される部分におけるスクリューの先端の近辺の椎体の海綿骨に強い力を伝える。
【0006】
この現象は、角度不変結合を含む安定システムに関しても、角度変化システムを有するシステムよりさらに低い度合いで起こる。角度の不変性によって、スクリューの傾斜荷重が作られることは不可能とされる。つまり、角度不変システムにおいては、トグル位置からスクリューの先端までのレバーアーム部(lever arm)を介してスクリュー先端における力を誘発するトルクは角度不変システムのスクリュー頭部において直接相殺されるのである。本明細書で説明され、特許請求の範囲に記載される椎弓根スクリューは角度不変システムに適している。
【0007】
椎弓骨スクリューは、US2005/154390により知られている。当該椎弓根スクリューは頭部にほぼ直接隣接する部分において曲げられた弾性部を有し、当該部分は移植(implant)の後に骨の外側に配置される。
【0008】
最初に示した種類の椎弓根スクリューを説明する。当該椎弓根スクリューは、他の有利な性質に加えてスクリューのゆるみを防止しかつスクリュー頭部に力がかかるために生ずるトルクの適切な支持を確保する。
【0009】
請求項1に記載の椎弓根スクリューは、複数の更なる有利な性質を加えてこの要求を満たし得る。
【0010】
椎弓根スクリューは椎間固定支持システムでの使用にとりわけ適している。当該システムは椎間支持要素同士の間、例えば、尾側椎骨に固定された椎弓根スクリュー及び頭部側椎骨に固定された椎弓根スクリューに配置された棒部若しくは帯部と椎弓根スクリューとの間に非角度安定結合を提供する。また、このタイプのシステムは以下において説明され、特許請求の範囲に記載される。本明細書で説明するスクリューは他の支持固定システム又は他の装置においても非常に有利な効果を発揮する。
【0011】
本明細書で説明する椎弓根スクリューでは、シャフトには頭部の方向に隣接する上方シャフト部に対して減少した曲げ剛性率を有する緩和部が設けられ、緩和部は骨の配置のために設けられたシャフト部に配置される。
【0012】
締結要素(椎弓根スクリュー)のシャフトには可撓性移行部とも称される緩和部が設けられる。これは、全長において堅く作られており且つ椎骨の骨材料と比較して高い曲げ剛性率を有している従来の椎弓根スクリューとは異なることを意味している。
【0013】
緩和部の故に、締結要素のシャフトには曲げ剛性率分布が付与される。前記曲げ剛性率分布の範囲は緩和部の構成によって望まれるようにほぼ設定されることができ、特に、椎骨の固有な特性に合わせ得る。締結要素の頭部にかかる力によって生じる曲げトルクの伝達は、締結要素の自由端部における緩和部によって制限され得る。締結要素のシャフトは緩和部の故に荷重の下で曲がることができ、いわば、締結要素が移植される骨構造に調和する。これにより、骨材料における高い荷重及びシャフトの高い圧力が避けられる。従って、生物学的環境に対する椎弓根スクリューの曲げ剛性率のマッチングは患者にさらに改良された安全性を提供する。
【0014】
更に説明され且つ特許請求の範囲に記載される椎間安定化システムでは、椎骨に固定され得る複数の椎弓根スクリュー及び隣接する椎骨に固定された少なくとも2つの椎弓根スクリューの結合のための結合装置が設けられ、弾性固定・支持システムを形成する。
【0015】
従来の椎弓根スクリューはしばしば円錐形であり、厳密に言えば、シャフトの全長において一定の曲げ剛性率ではない。しかし、実際には、このような「曲げ剛性率分布」は本明細書で説明されるような緩和部を有していない。むしろ、本明細書で説明する椎弓根スクリューはシャフトの曲げ剛性率を特定の軸部において直接的に減少せしめるという概念に基づいている。
【0016】
通常、椎弓根スクリューは腰椎L1乃至L5の領域に移植される。これら椎骨は同じ患者でも全く同じではなく、所定の椎骨は異なる患者でも全く同じではないが、上述したように、椎弓根スクリューの移植を考えられ得る椎骨の全ては特定の特性に関して一致している。以下においてより詳しく見られるこの事情(circumstance)は本明細書で説明する椎弓根スクリューに利用され得、この事情において、シャフトの曲げ剛性率は椎弓根及び椎体により形成される骨構造に直接マッチングせしめられる。しかし、本明細書で説明する椎弓根スクリューは指定した腰椎に限定されない。特に、胸椎に使用することもほぼ可能である。
【0017】
更なる実施例が独立請求項、発明の詳細な説明、及び図面において説明され、これら実施例の特徴は各実施例が望まれるように互いに組み合わされ得る。
【0018】
1つの実施例においては、緩和部の曲げ剛性率は椎弓根の曲げ剛性率にほぼ適合するかわずかに高いかである。例えば、曲げ剛性率は椎弓根の曲げ剛性率の1.5〜4倍、1.5〜3倍、2〜4倍、若しくは2〜3倍である。最大許容表面圧より小さい海綿骨組織における表面圧がスクリュー先の部分に付与されるが、安全係数を考慮し、できるだけ適切な許容荷重の利用を許容するように、この値はスクリューの全体的な構造に依存して選択されなければならない。
【0019】
頭部は少なくともシャフトの曲げ部分の上方シャフト部に堅固に結合され得、特に、単一部品であり得る。単一部品でない実施例の場合では、実際には、結合部が湾曲部に対して固定されることが可能であるが、ねじれがあることも可能である。しかし、これらは必ずしも必要ではない。
【0020】
上方シャフト部から緩和部への移行部における曲げ剛性率の傾きは上方シャフト部において生ずる曲げ剛性率の傾きより大きく、特に、十分大きい大きさとすることができる。
【0021】
上方シャフト部から緩和部への移行部では、少なくともシャフト部において、曲げ剛性率の傾きの大きさは上方シャフト部より少なくとも2倍、特には少なくとも5倍、更に特には10倍の大きさとすることができる。
【0022】
曲げ剛性率は移行部において急激に減少せしめ得る。
【0023】
緩和部における曲げ剛性率は、少なくとも1つの曲げ平面において、上方シャフト部の曲げ剛性率に対して、少なくとも30%、特には少なくとも50%、更なる実施例では、少なくとも60%、より更なる実施例では、少なくとも80%だけ小さくできる。
【0024】
上方シャフト部は、緩和部が海綿骨の構造のために設けられる部分に配置される大きさに形成され、皮質骨(cortex)の構造のために設けられる部分は上方シャフト部により形成される。従って、上方シャフト部は固定骨材料における支持に役立つ。
【0025】
上方シャフト部の長さは、最小値として5mm、特には8mmであり、最大値として15mm、特には12mmであり得る。
【0026】
上述したように、椎骨の曲げ剛性率若しくは最大許容表面圧は、椎弓根及び椎体を通って伸び且つ移植された状態において締結要素の中心軸に一致する軸に関して椎骨全てに同一の特徴を持つ範囲を有している。
【0027】
この事情は、シャフトの軸方向の曲げ剛性率分布が少なくとも椎弓根の曲げ剛性率の質的範囲に近似され、理想的な場合の曲げ剛性率に対応するように利用される。従って、椎弓根スクリューにより付与され、椎弓根スクリューの長手軸方向に対して直角に伝わる横方向の力が長手方向長に沿って少なくともほぼ一定であることが達成され得る。
【0028】
緩和部は緩和部より高い曲げ剛性率を有する上方シャフト部と下方シャフト部との間に配置され得る
緩和部から下方シャフト部への移行部では、少なくともシャフト部の曲げ剛性率の傾きの大きさは下方シャフト部より少なくとも2倍、特には少なくとも5倍、更に特には少なくとも10倍の大きさとすることができる。
【0029】
この構成においては、従って、緩和部の後に(頭部から考えて)配置される下方部は緩和部より大きな曲げ剛性率を有する。しかし、締結要素のこの構成は必ずしも必要ではない。むしろ、締結要素の自由端まで伸びる緩和部を設けることが基本的に可能である。特に、これに対応する構成では、椎弓根において「ガイド効果」が利用される。締結具材は導入部の比較的堅い皮質骨の外層によって、いわば「自動的に」調整的に曲げられる。これに対応して形成された椎弓根スクリューでは、従って、「すぐ近くに(around the corner)」ねじ込むことが可能である。
【0030】
緩和部から下方シャフト部への曲げ剛性率の変化は急唆であり得る。
【0031】
上方シャフト部と下方シャフト部との間の曲げ剛性率分布の推移は大略ポット、溝、管の形状に作られる。
【0032】
シャフトにおける緩和部の位置及び位置の軸方向の長さは椎骨における椎弓根と椎体との間の移行部の位置に適合する。これにより締結要素が形成される。椎骨の骨構造は十分に知られているので、移植されたシャフトに沿った位置における上記移行部及び上記トグル位置は十分に正確である。それぞれの場合において、これは外科医により選択される特定の固定技術に関して少なくとも利用される。例えば、比較的長い椎弓根スクリューが使用される(例えば、バイコーティカル(bicortical)固定と称される)ことが考慮されなければならない。この背景に反して、本明細書で説明される椎弓根スクリューでは、緩和部はシャフトの長手方向長の中心部、特にはシャフトの4分の1の中央の2つの部分若しくはシャフトの3分の1の中央部分に配置され得る。
【0033】
緩和部はシャフトのかなりの軸長を占め得る。シャフトにねじ山が設けられているならば、緩和部は長手軸方向において複数のねじ山を超えて伸び得る。
【0034】
上方シャフト部及び緩和部は、移植された状態において、緩和部が椎弓根と椎体との間の移行部にあるような大きさに、特に、移行部の両側を超えて軸方向に伸びる大きさに形成され得る、1実施例では、頭部から見て後に配置された緩和部の部分は移行部の前に配置された緩和部の部分より長い軸方向の長さを有する。
【0035】
シャフトにはねじ山が設けられ、ねじ山は緩和部によって中断せしめられる。
【0036】
シャフトは少なくとも部分的に中空に作られることができ、特に、中心長手軸方向穴部が設けられ得る。
【0037】
長手軸方向穴部は中断なく形成することができるが、必ずしも必要ではない。とりわけ、連続した穴部は、移植の間締結要素が例えばキルシュナー(Kirschner)ワイヤによって導かれ得る利点を有する。
【0038】
しかし、シャフトの中空の構成は必ずしも必要ではない。シャフトは中実形状にも作られることができ、シャフトの中実な構成は緩和部に設けられ得る。
【0039】
シャフトは上方シャフト部及び特に下方シャフト部と比較すると、少なくとも緩和部は断面を小さく設けられ得る。
【0040】
シャフトの緩和部において減少した曲げ剛性率は、シャフトが緩和部の材料除去によって細く設けられることによって設けられ得る。この材料除去は、シャフトを形成する材料の理想的な利用と共に、シャフトの断面モーメントが減少されるように行い得る。
【0041】
材料除去による減少を実現させ得る複数の可能性がある。例は以下において簡単に説明されている。特定のアスペクトが図面の説明に対応してより詳しく見られる。
【0042】
緩和部は上方シャフト部及び特に下方シャフト部と比較して減少した断面を有する細長いシャフト部によって形成され得る。
【0043】
シャフトは少なくとも緩和部において螺旋状に作られ得る。
【0044】
シャフトは少なくとも緩和部において溝状つまり細長い穴状の凹部に設けられ得、特に、前記凹部は螺旋形状に伸びている。周囲凹部はシャフトに形成されたネジ山に対して同じ方向か反対方向に向きを定められ得る。
【0045】
シャフトが少なくとも部分的に中空であるか中心長手軸方向穴部を設けられるならば、シャフトの壁は中空に作られたシャフト部において壊されて開放させられるように作られ得る。
【0046】
これがねじ山を設けたシャフトの場合ならば、壁がねじ溝を中断することができる。しかし、壁がねじ山のピークにおいて中断する構造も可能である。
【0047】
このタイプのシャフトの実施例は椎骨にねじ込まれず、むしろ打ち込まれる締結要素に適切である。なぜなら、小さい溝幅により、打ち込みの衝撃は軸方向に問題なく伝えられ得るからである。
【0048】
本明細書で説明する締結要素は従来のようなスクリューである必要はなく、これらは打ち込まれることにより移植される締結要素であり得る。それにもかかわらず、このタイプの打ち込まれる要素のシャフトには打ち込みを妨げず、ねじって外すことにより取り外しを容易にするか可能にするねじ山開始部(thread start)が設けられ得る。
【0049】
シャフトの壁は少なくとも緩和部において2つの螺旋状に伸びる溝状の中断部を有し得る。
【0050】
シャフトは少なくとも緩和部において二重螺旋を形成し得る。
【0051】
螺旋のピッチは緩和部において、少なくとも5mm、特に少なくとも10mmであり得る。
【0052】
螺旋のピッチはシャフトの長手方向長において変え得る。従って、シャフトの曲げ剛性率は長手方向長に亘って変化する。
【0053】
連続する、螺旋若しくは二重螺旋周囲溝か細長い穴を有する緩和部の製造は、例えば、従来技術において公知のワイヤ放電加工によって行い得る。ワイヤ放電加工は、例えば、DE10196821T5に説明されている。本明細書で説明される利用では、横断穴部がシャフトに設けられ、前記穴部を通って放電加工に使用されるワイヤが導かれる。スクリュー若しくはワイヤの一方が放電加工の間、スクリューの軸方向に進められる。この方法の実施例では、スクリューは前進運動の間、スクリューの長手軸の周りに回転させられる。従って、螺旋状の溝が形成されるか、2つの螺旋状に伸びる溝が同時に形成される。直線部は溝の回転なしに形成される。特に、機械加工はスクリューの取付位置の方へ行うか、両側が取り付けられている場合は、直進力及び/若しくは回転力が付与される取付位置の方へ行われる。これは機械加工処理の間、良好な力伝達を確実にする。機械加工処理の変形例では、スクリューは頭部において取り付けられるか、駆動されるので、放電加工は頭部の方へ行われる。
【0054】
シャフトには少なくとも緩和部においてシャフトの軸に対して垂直若しくは斜めに伸びる横断穴部が設けられる。
【0055】
横断穴部の直径より小さい幅の溝がシャフトの外壁から横断穴の方へ向かって配置される。
【0056】
シャフトには溝状、細長い穴状、切欠状の複数の凹部が設けられる。前記凹部は軸方向に連続しており、特に偏って配置され、各場合の凹部の深さは1実施例の凹部の部分において測定されたシャフトの半径より大きい。
【0057】
シャフトの曲げ剛性率がシャフトの中心軸を含む全ての面において全く同じである必要はない。つまり、曲げ剛性率の回転対称性(シャフトの中心軸に対して)は必ずしも必要ではない。従って、シャフトの曲げ剛性率分布は長手軸に対して回転非対称にできる。
【0058】
緩和部は、曲げ剛性率がシャフトの長手軸から広がった面及び移植された状態において、椎間の力が頭部を介して付与される向きにおいて最も小さくなるように作られ得、1つの実施例では、曲げ剛性率は前記面に垂直に伸びる面において最も大きくなる。
【0059】
シャフトは緩和部において回転非対称の断面を有し得、特に、最も大きい曲げ剛性率の面において直接隣接する上方及び下方シャフト部にほぼ同一の寸法を有し得る。
【0060】
ねじり力及び張力/圧縮力に対するシャフトの剛性率ができる限り減じられることはこのような実施例により達成され得る。椎弓根スクリューでは、ねじ込む動作はこの実施例によりできる限り減じられる。
【0061】
緩和部では、シャフトは、このシャフトを貫通しこのシャフトの長手軸方向に十分に伸びる少なくとも1つの穴部を有し得る。このようなシャフトの長い切り口のある部分は「非常に長い」螺旋ピッチを有する螺旋部と呼ばれ、螺旋若しくは二重螺旋の緩和部の特別な場合を示しており、上述したように、スクリューの回転なしのワイヤ放電加工によって製造される。
【0062】
上方シャフト部は表面において長手軸の方向に十分に伸びる少なくとも1つの凹部を有する。骨はこの種類の凹部内に育つことができ、従って、回転に対する安全が提供される。
【0063】
シャフトは単一部品として作られ得る。
【0064】
緩和部は少なくとも部分的には他のシャフト材料と異なる材料から作られ得る。
【0065】
中間片は、プラスチック材料、特には繊維強化プラスチック材料、特にはポリマ材料から作られ得る。
【0066】
緩和部に隣接するシャフト部は緩和部に配置された接合部によって互いに結合され得る。
【0067】
緩和部は直接相互に隣接する2つのシャフト部を互いに繋げる接合部によって形成され得る。
【0068】
少なくとも部分的に中空であり、この部の壁部に少なくとも1つの螺旋状に伸びる中断部を有する実施例では、中断部の製造は、エッジがこの部に設けられたねじ山のねじ山ピークを貫通部に設けられるように行うことができ、前記エッジは椎弓根スクリューのねじ込みを容易にし得る。
【0069】
椎弓根スクリューの製造はワイヤ放電加工により行うことができ、前記ワイヤ放電加工は少なくとも部分的に中空のシャフトから始まり、シャフトを通って伸びるワイヤが、所定の螺旋ピッチを有する2つの螺旋状に伸びる溝状の中断部が壁部に生成されるように椎弓根スクリューに導かれる。
【0070】
このように製造された椎弓根スクリューの曲げ実験は、例えば、150Nの力が1mmの曲げのために要求される従来の椎弓根スクリューから始まり、螺旋ピッチが約9mmである場合、この力は15Nに減らされることを示した。さらに、螺旋ピッチの減少により、1Nの力が1mmより大きい曲げを達成し得ることが示された。従って、曲げ剛性率は主に螺旋ピッチの関数として示され得ることが示された。
【0071】
締結要素のシャフトは円形断面を有し得る。しかし、このタイプの円柱形状は必ずしも必要ではない。むしろ、形状が円形状とは異なる断面、例えば、楕円つまり卵形の断面を有することが可能である。従って、椎弓根は円柱形状ではなく、楕円の断面を有することが考慮され得る。これに対応する形状のシャフトを有する締結要素は円柱状を有するシャフトより椎弓根の皮質骨の壁部において支持することができ、従って、椎弓根における改良された固定が形成され得る。
【0072】
シャフトは形状記憶合金、例えばNiTi形状記憶合金から作られ得る。
【0073】
椎弓根を通って椎体に固定されるべき締結要素を有する椎間安定化システム(特に、椎弓根スクリュー)が一般的に知られている。すでに最初に説明したように、堅い若しくは角度安定システム又は角度不変結合を有するシステムと動的若しくは弾性システム又は角度変化結合を有するシステムとの間の識別は一般的に可能である。例えば、動的椎間安定化システムは「ディネシス(Dynesys)」という製品名で本出願人によって販売されており、例えば、欧州特許第669109号に開示されている。
【0074】
締結システム、特に椎弓根スクリューが少なくとも2つの隣接する椎骨に固定され、結合装置によって互いに結合されることはこのタイプの安定化システム全てに共通している。この結合装置の構造は多くの可能性がある。例えば、結合装置は少なくとも2つの締結要素つまり椎弓根スクリューが互いに堅固に結合される堅いロッドか弾性ロッドを含み得る。
【0075】
動的システム若しくは弾性システムの実現のために、結合装置は予めテンションを付与されており且つ移植された状態では、2つの隣接する椎弓根スクリュー間に配置された少なくとも1つの圧縮性の圧力部材によって囲まれるバンドを含み得る(ディネシス(Dynesys))。
【0076】
一般に、本明細書で説明される椎弓根スクリューは全ての椎間安定化システムに提供される。椎間安定化システムは一般的に知られているので、これらシステムは以下において詳しくは説明されない。
【0077】
本発明は添付図面に関する例に従い以下において説明される
【発明の詳細な説明】
【0078】
以下において説明する締結要素は動的椎間安定システム若しくは弾性椎間安定システム、例えば本出願人のディネシスシステム(Dynesys system)のために形成される。前記ディネシスシステムは上記においてすでに説明された(また、本明細書の終わり部分の説明に関連した図17も参照されたい)。椎間安定化システムのための椎弓根スクリューのような締結要素は中でも頭部の部分を変更する。なぜなら、頭部は、隣接する椎骨の締結要素つまり椎弓根スクリューが互いに結合される結合装置と繋がるのに使用するからである。以下において説明する締結要素の頭部は本出願人のディネシスシステムのために形成される。各締結要素のシャフトの構造はどのような望まれる構造の頭部とでも基本的に結合され、どのような望まれる椎間安定化システムにでも一般的に使用できる。
【0079】
図1及び図2は、本出願人のディネシスシステムのために構成され且つ従来技術に属する椎弓根スクリューを示している。円形断面を有するシャフト12にはねじ山31が設けられ、当該シャフト12は円錐形である。頭部11には両端において保持用凹部51が設けられ、前記保持用凹部51は移植の間、保持用凹部51に対応して形成された道具によってスクリューを保持するのに役立つ。頭部11の残りの両端は平らにさせられている。従って、形成された平らな保持面45は安定化システム(図示せず)の円柱形圧縮性圧力部材の保持に使用する。安定化システムのバンド(予めテンションが付与され得る)が弾性圧力部材及び頭部11に形成された通路47を経て導かれ、頭部11に形成されたねじ山49にねじ込まれる固定スクリュー(図示せず)によって頭部11に固定される。移植された状態では、バンドは前もって引っ張られているが、2つのねじ頭部11の間に配置され且つ保持面45に保持された弾性圧力部材は圧縮されている。従って、スクリュー軸に対して垂直方向に圧縮力と張力とを弾性的に作用する動的安定化システムが実現される。
【0080】
図2は椎骨に移植される種類の公知の椎弓根スクリューの概略図であり、このプロセスでは、シャフト12は椎弓根13を通って椎体15まで及び椎体15内へ伸びる。最初に説明したように、頭部11を介して付与される椎間の力Fの影響の下では、堅い椎弓根スクリューはトグル位置若しくはピボット位置53と称される位置の周りにおいて傾斜し易いか回転し易いかである。研究が示したように、前記トグル位置若しくはピボット位置53は椎弓根13と椎骨本体15との間の移行部23にある。
【0081】
椎骨の特有な部分及び多くの試験により求められたトグル位置53の場所を考慮すると共に、以下の表に列挙された最小寸法、最大寸法、及び平均寸法(全ての数字の単位はmmである)が図2に基づく公知の椎弓骨スクリューと以下において説明する締結要素とに適用される。以下のパラメータが表に記載されており、「バンド」は安定化システムの上述したバンドを意味し、バンドは予めテンションを付与され得、頭部11に形成された通路47を通って導かれ、頭部11同士の間に置かれる。
【0082】
Lges:バンド軸55からスクリュー先端57までの軸方向の長さ
L1:バンド軸55からトグル位置53までの軸方向の長さ
L2:トグル位置53からスクリュー先端57までの軸方向の長さ
L3:バンド軸55から骨の始まり59までの軸方向の長さ
L4:骨の始まり59からトグル位置53までの軸方向の長さ
D1:スクリュー先端57における直径
D2:トグル位置53における直径
D3:骨の始まり59における直径
【0083】
【表1】

【0084】
特定の場合に使用されるべき寸法は、他の事柄の中でも、椎弓根スクリューの位置決めに使用する技術に依存している。
【0085】
移植された締結要素の長手軸方向において測定された曲げ剛性率Cは製品の弾性率及び断面二次モーメント(断面慣性トルク)として決定され得る。締結要素の曲げ剛性率分布は従来の堅い椎弓根スクリューと本明細書において説明する可撓性締結要素との間の違いを示すのに特に適している。締結要素の曲げ剛性率はシャフト用の材料部分及びシャフトの形状により影響を及ぼされる。第1の場合において、弾性率が変化し、第2の場合において、断面モーメントが変化させられる。
【0086】
図3は、図の下三分の一において、椎弓根スクリューの形に形成され且つ頭部11及びシャフト12を有する締結要素を示している。シャフト12には緩和部17(領域II)が設けられる。緩和部17の詳細はここではより詳しくは見られない。特定の実施例が以下において説明される。図3は一般的な関係の説明に役立つ。
【0087】
図3の上三分の一では、異なる作りの締結要素の曲げ剛性率分布が示されている。図3の中央三分の一は椎弓根スクリューが移植される骨組織、つまり、椎弓骨13及び椎体15の曲げ剛性率分布を示している。図示した曲げ剛性率分布は締結要素のシャフト12の中心軸に沿って測定され、当該中心軸は椎弓根13の中心軸に少なくともおおよそ一致する。
【0088】
図3はシャフト12に沿って3つの部に分割されている。以下において、頭部11と緩和部17のスタート位置との間のシャフト部は上方シャフト部19(領域I)と定義され、緩和部17の後(頭部11から考えて)のシャフト12の部は下方シャフト部21(領域III)と定義される。
【0089】
曲線1は緩和部を有していない理想的な円柱状を仮定した従来の堅い椎弓根スクリューの曲げ剛性率分布を示している。曲げ剛性率Cはシャフトの全長において一定である。
【0090】
曲線2は自由シャフト端の方向に細くなっている円錐形の椎弓根スクリューつまり円錐形のコア部を有する椎弓根スクリューの曲げ剛性率分布を示している。この場合、曲げ剛性率は一定の割合で減少している。
【0091】
曲線3、3a、3b、及び3cは緩和部つまり可撓性部17を設けられた締結要素の曲げ剛性率分布を示している。緩和部17は椎弓根13と椎体15との間の移行部の前から始まり、椎体15の内側の前記移行部の後で終わる。曲げ剛性率分布は急勾配の壁(つまり、剛性特性の端の減少若しくは増大が急唆である)を持つカップ状の範囲を有している。移行部は明確に階段状であってもよい。実線により示される範囲に対して、移行部が丸められた例が点線によって示されている。
【0092】
曲線3a及び3bは曲線3の範囲に対応する曲げ剛性率分布を示しており、下方シャフト部21(領域III)は剛性を十分に減らされて設けられていることが違うが、前記下方シャフト部21の剛性は緩和部17(領域II)の剛性よりかなり大きい。
【0093】
曲線3Cの例では、下方シャフト部21の曲げ剛性率は緩和部17の曲げ剛性率に対応する。つまり、この例では、緩和部17は締結要素の自由端における先端まで伸びている。
【0094】
さらに、図3の上三分の一は緩和部17(領域II)の曲げ剛性率CFが上方シャフト部19(領域I)の対応する値CSの約十分の一だけであることを示している。
【0095】
図3の中央三分の一では、曲線7は椎弓根13及び椎体15からなる骨組織の弾性率の軸方向の範囲を示している。骨の断面二次モーメントの対応する範囲は曲線8として示されている。2つの曲線7及び8の和が実線の曲線6として示されており、この単純なモデルでは、曲線6は椎弓根13及び椎体15から作られる骨組織の曲げ剛性率Cの分布を示している。
【0096】
これにより、椎骨の曲げ剛性率は椎弓根13と脊椎体15との間の移行部において最も大きくなる。図3の上三分の一との比較は、移植された締結要素は図3の下三分の一の締結要素であり、椎弓根13と椎体15との移行部、従って椎骨の曲げ剛性率が最大の部分はシャフト12の緩和部17の内側に、特に緩和部17の中心(軸方向を考えている)に配置されるように緩和部17がシャフト12に位置決めされ得ることを示している。
【0097】
締結要素のシャフト12の図3に示された領域I、領域II、及び領域IIIのための可能な長さは以下の通りである。
【0098】
領域I、従って、おおよそ頭部11の下側から緩和部17のスタート位置までの軸方向の長さは8mmと35mmとの間である。スクリュー頭部11が骨に接触するようにスクリューがねじ込まれるならば、最小の長さが椎骨L5に使用され得る。後内側スクリュー設置技術(posterior medial screw setting technique)と称される技術が使用される場合、最大の長さが使用され、システムは椎間関節の後に置かれる。
【0099】
0mmから35mmまでの範囲が領域II、すなわち、緩和部つまり可撓性移行部17の長さに設けられる。緩和部17が接合部として作られる場合(以下の図13の実施例を参照)、最小の長さであってもよい。この場合では、実際には、緩和部17は接合部の回転軸によって形成される。緩和部17が締結要素の先端まで伸びる場合、最大の長さであってもよい。
【0100】
0mmから35mmまでの範囲が下方シャフト部21の長さに設けられる。図3の下方シャフト部17が設けられなく、緩和部17が緩和要素の先端まで伸びる場合、最小の長さとなる。締結要素の自由端が前方の皮質骨に接触するか貫く場合(バイコーティカルスクリュー設置技術(bicortical screw setting technology)と称される)、最大の長さであってもよい。
【0101】
図4の椎弓根スクリューの実施例では、緩和部17はシャフトにおる材料除去により形成される。従って、ここでの緩和部17は隣接するシャフト部19、21と比較して減少した断面を有するシャフト部27である。緩和部17の断面は円形でなく、むしろ、シャフト部27は板バネ(leaf spring)の形状に作られ且つ薄く長い形に形成される。長い部分の幅は元々のシャフトの直径に対応し、細長い部分の厚さは元々のシャフトの直径より十分に薄い厚さである。
【0102】
この例では、シャフトの曲げ剛性率はシャフトの長手軸に関して回転非対称である。緩和部17の向きは細長い部分27により区画形成される平面がスクリュー頭部11の平らな保持面45に平行に伸びるように選択される。従って、緩和部17は1つの平面において十分有効となり、この平面はシャフトの長手軸及び標準的な平らな保持面45の近くに伸ばされている。
【0103】
図4に基づくスクリューの第1の大まかな寸法は以下のような結果になった。出発点は本出願人のディネシスシステムの従来の椎弓根スクリュー(緩和部を有していない)により形成され、椎弓根スクリューの材料(チタン合金)はE=105,000N/mm2の弾性率を有している。疲労強度基準(10°の最大湾曲の下での動的荷重容量か、曲げ強さ)を測定すると、以下の平均寸法が緩和部17のために得られた。
【0104】
長さ:15mm
幅:6.5mm
高さ:1mm
大まかな計算は最大許容表面圧力の約10%だけがこのタイプのスクリューを有する椎骨に引き起こされ得ることを示した。つまり、簡単に言えば、このタイプのスクリューは椎骨が許容し得る安定性より低い安定性である。
【0105】
この計算例(最適な締結要素の結果を得られないが、ここで説明する椎弓根スクリューの基本的な原理の説明のために適当である計算例)は緩和部が締結要素の荷重容量及び椎体の荷重を決定することを示している。一方では、緩和部の曲げ剛性率は、椎体の荷重容量を超えないように減らされるべきである。なぜなら緩和部の曲げ剛性率が大きければ大きいほど、より大きな力若しくはトルクが椎体に伝えられるからである。このことは一般的に望まれる。締結要素の自由端部は最大値を伴い進むが、実際には椎体に荷重をかけすぎることはない(弛緩を生ずる)。椎体の最大荷重容量を測定すると、緩和部において最も高い曲げ剛性率が達成されている。他方では、緩和部の曲げ剛性率が増大する場合には、締結要素の荷重容量は早期に達成されてしまう。
【0106】
従って、締結要素は最適な「妥協」がこれら2つの基本的に相反する最適化基準の間に選ばれるように形成される。
【0107】
図5の例では、図4に示された構成とは違い、緩和部17を形成するシャフト部27は円形の断面に形成される。従って、ここでは、スクリューの曲げ剛性率分布はスクリューの長手軸に関して回転対称である。
【0108】
図5の下に示された例には、緩和部17を形成するシャフト部が単一部品から作られず独立した中間部品33により形成される変形例が示されており、前記中間部品は上方及び下方シャフト部19、21に固定されている。中間部品33は特に低い曲げ剛性率の材料(「超弾性」材料)から作られるロッドであってもよい。これは、恒久的な変形をしないで、10%まで若しくはそれ以上まで変形される材料であり、通常の移植スチール若しくはチタンでは実現されない。特に、NiTi(ニチノール)形状記憶金属が中間部品33のための材料として考えられる。
【0109】
中間部品33としてワイヤロープの形状に作られた要素を設けることも可能である。
【0110】
断面が減らされるので、シャフトの断面モーメントは材料除去によりシャフトの減衰部において低くなるのに対し、シャフトの弾性係数は緩和部17の材料を変更することにより直接変えられ得る。
【0111】
このような材料の変更による弾性係数の減少の更なる例が図6に示されている。図5の下方に示された例とは違い、ここの例では、断面を減少させることは行われていないが材料の変更が行われている。
【0112】
特に、生体適合性チタン合金かスチール合金が、本明細書で説明する椎弓根スクリュー、従って、下方及び上方シャフト部19、21並びにスクリューの頭部11の材料として使用されている。ここの例では、シャフト材料の弾性率よりさらに低い弾性率を有し、これに対応するシャフトの可撓性若しくは耐久性を提供する材料が緩和部17を形成する独立した中間部品33に使用される。中間部品33に可能な材料はプラスチック、特に、エラストマである。プラスチックは繊維強化プラスチックであってもよい。一般的に、シャフトの曲げ剛性率は材料の選択、従って弾性率を予め設定することにより望まれるように設定され得る。
【0113】
図6の右側の断面図が示すように、シャフトの範囲において円錐状に形成された中間部品33には軸方向に伸びる固定延長部34が両側に設けられる。当該固定延長部を介して中間部品33は隣接するシャフト部19、21に固定される。
【0114】
図7は、例えばプラスチック材料から作られた中間部品33が緩和部17を形成するために設けられた変形例を示している。隣接するシャフト部19、21における固定は軸方向突出部19a、21aにより行う。前記軸方向突出部は前記シャフト部19、21に単一部品として形成され、半径方向に広がった部分が設けられ、形状のマッチングを改良する。
【0115】
この変形例の1つの特別な特徴は中間部品33の内側の緩和部17のおおよそ中心部において結合するように協働する延長部19a、21aからなることである。ボール及びカップ方式に基づくここで示された例では、この例の代わりに、例えばヒンジ構造が設けられ得る。従って、この例では、上方シャフト部19及び下方シャフト部21は接合部35によって互いに繋がっている。前記接合部は中間部品33の弾性部品によって囲まれており、従って、シャフトの曲げが起こる場合に、復元力が提供される。特に、緩和部17を形成する接合部は当該部の周りに射出形成される中間部品を形成する材料を有し得る。
【0116】
図8、図9、及び図10は断面モーメントが次第に減少し、同時に、軸材料が理想的に使用される実施例を示している。
【0117】
図8の例では、シャフトには中心穴部25が設けられている。これは技術的な生産の側面から有利であり、さらに椎弓根スクリューがキルシュナーワイヤを用いて移植されることを許容し、特に、経皮的な移植に有利である。
【0118】
上記において説明した例とは違い、この例では、スクリューのねじ山31は連続した形に作られる。緩和部17の部分では、シャフトの壁はねじ溝において壊されて穴が開いている。従って、シャフトは緩和部17の部を弦巻バネか、コークスクリュー(corkscrew)のように作られる。例えば、この種類の緩和部はワイヤ放電か動力付き側フライス(powered side milling cutter)によって問題なく作られ得る。
【0119】
緩和部におけるねじ溝の周囲溝部は図8に示した溝幅より小さい溝幅を有し得る。特に、シャフトの所定の曲げにおいて、緩和部の螺旋部が隣接するか、圧力が伝えられ得るように互いに位置するように、溝幅は小さいように選択され得る。
【0120】
図8に基づく緩和部17にだけ形成された溝部がスクリュー先まで伸ばされ得る。つまり、上方シャフト部19に隣接する残りのシャフト全体が弦巻バネかコークスクリューのように作られることも可能である。
【0121】
更なる実施例では、溝部は、バネ効果を減少させるか打ち消す生体吸収性材料によって満たされ得る。従って、シャフトの手術中の安定性は増大され得る。充填材料の構造に応じて、吸収は素早く行われるか数日掛けて行われる。吸収の後に、シャフト外形によって予め決められたスクリューの可撓性は十分に有効になる。
【0122】
図8の例では、シャフト壁に形成された溝部はねじ山31と同じ方向に作られたが、図9の例によれば、溝部はねじ山31に対して反対方向に作られ得る。スクリューがねじ込まれる場合、緩和部17におけるシャフト直径若しくはコア部直径はこのプロセスにおいて有効となる摩擦力によって制限される。ねじ込む力の除去の後、シャフトのバネの戻りは周囲の骨材料の更なる圧縮をもたらし、スクリューの基本的な安定性を改良することができる。
【0123】
図8の例のような連続した中心穴部は必ずしも必要ではない。図9の例が示すように、シャフトを部分的に通って伸びる中心穴部25が設けられ得る。この例では、穴部25は下方シャフト部21において終わりとなる。
【0124】
図10が示すように、中心穴部を有していないシャフトに緩和部17を形成するために螺旋部若しくは螺旋周囲凹部を設けることが可能である。この場合では、螺旋を形成する構造は、この範囲に余分な中心穴部を形成する選択されたプランジ研削の深さによって作られ得る。凹部若しくは溝部の向きは図8及び図9の例に基づいて、スクリューのねじ山31に対して同じ向きか反対の向きかを選択され得る。
【0125】
図11の実施例は以下において説明する固有の特徴を含んでおり、このような特徴の組み合わせは必ずしも必要ではないが、個々のアスペクトは他の実施例に関連して別々に実現され得る。
【0126】
図11の締結要素はスクリューではなく、ピン状締結要素であり、当該ピン状締結要素は椎骨にねじ込まれるのではなく打ち込まれる。
【0127】
緩和部17を形成するために、シャフトには偏って配置された溝部41が設けられ、当該溝部は小さい幅を有しており、連続した穴部39を開放している。小さい溝幅のために、打ち込みにより要求される打撃インパルスが問題なく軸方向に伝えられ得る。
【0128】
最初に説明したように、シャフトの断面は円形とは異なり、特に、自然な椎弓根の形状により適合するように卵形つまり楕円形に作られ得る。
【0129】
さらに、打ち込まれるべき締結ピンのシャフトには、再手術の際に締結要素の取り外しを容易にするために、ねじ山開始部が設けられ得る。
【0130】
上述したように、溝状か細長い穴状の螺旋部若しくは螺旋周囲凹部を設けられたスクリューは円形とは異なる断面を有するシャフトを有し得る。つまり、非回転対称性のシャフト構造は図11に基づく打ち込まれるピンに限定されない。
【0131】
図12は緩和溝部若しくは緩和切欠部43を有する例を示しており、当該緩和溝部若しくは緩和切欠部43は偏って配置され、それぞれの場合において、緩和溝部若しくは緩和切欠部の幅は図11の例の溝部41の幅より広い。このタイプの緩和切欠部は円形断面を有するシャフトと円形でない断面を有するシャフトとに設けられ得る。
【0132】
シャフトの曲げ剛性率を零に減らすことが可能である。この目的のために、例えば、図13の実施例によれば、回転接合部37が上方シャフト部19と下方シャフト部21との間に設けられ得る。回転軸部に区画形成された接合部37の接合ピン38はスクリュー頭部11の平らな支持面45に平行に伸びている。スクリューが移植される場合に、特にトグル位置を通り抜けて移植される場合に、シャフトの軸に沿った接合部37の位置は接合部37の回転軸が上記トグル位置(図3)の部分にあるように配置され得る。
【0133】
この種類の回転接合部37の場合では、緩和部は、緩和部がシャフトの十分な軸長に伸びている上記した実施例のようには存在していない。図13の例では、緩和部17を形成するのは接合部37である。
【0134】
さらに、緩和部の曲げ剛性率は時間がたつにつれて増大するように緩和部を形成することも可能である。例えば、時間がたつにつれて硬度が増大するプラスチック材料が緩和部に使用され得、従って、締結要素の自由端への力の伝達若しくはトルクの伝達はそれに応じて増大する。従って、手術後の所定時間たった後に、締結要素は骨材料内において好ましく成長したと仮定され得る状況が考慮される。従って、比較的高い初期値のままであるシャフトの可撓性は手術のすぐ後に過度の荷重を避けるこのプロセスの目的に役立つ。
【0135】
代わりに(図8に関連してすでに上述したように)、シャフトは緩和部の曲げ剛性率が時間経過と共に減少するように作られ得る。この目的のために、例えば、吸収可能な要素が設けられ、前記要素は移植の際に硬化する効果を有し、時間がたつにつれて吸収される。従って、シャフトの可撓性は緩和部において徐々に増大する。
【0136】
図14は、シャフト12が溝部65を有する椎弓根スクリューを示している。当該溝部65はシャフト12を貫通し、シャフト12の長手軸方向に伸びて、緩和部17を形成する。
【0137】
図15では、上部シャフト部19は表面において長手軸方向に伸びる凹部66を有し得る図14の椎弓根スクリューの例を示しており、骨はこれら凹部内に育つことができ、従って、回転に対する安全が提供される。
【0138】
図16では、本明細書で説明する種類の締結要素の頭部11の複数の可能な実施例が示されている(単に概要だけが示されている)。椎間安定化システムの椎間要素64の結合要素64は異なっており、例えば本出願人のであるディネシス(Dynesys)システムにおけるバンド64(以下の図17の説明を見られたい)が頭部11内若しくは頭部11に収容され得る。
【0139】
一番上の実施例では、頭部11はリングつまり環状部として作られ、前記環状部を通って結合要素64が導かれる。他の実施例では、頭部11は「U」字状に作られ、当該U字状部は真っ直ぐに立つか、傾けられているか、横たわっているか(締結要素の長手軸方向に対して)である。接合要素64は開口部を「通って装着」されなくてもよく、(矢印の方向に)挿入されることができ、実際には、上方から挿入される(トップローディング(top loading)方式と称される)か、側方から挿入される(「サイドローディング(side loading)方式」と称される)。本明細書で説明し、上記、特に図3乃至図15に関して説明した椎弓根スクリューの実施例の全ては図16に示した頭部の変形物のいずれかが設けられる。
【0140】
「トップローディング」方式は、例えば、欧州特許第528706号に説明されている。
【0141】
特に、頭部11に配置されたねじ山に挿入方向にねじ込まれるスクリューにより結合要素64を固定することは従来技術と共通である。
【0142】
複数の例を示している図17は本明細書で説明する締結要素(特に椎弓根スクリューの形状)を含み得る椎間安定化システムの例を示している。示した動的システムは上述した弾性支持システム(本出願人のディネシスシステム)である。
【0143】
隣接する脊椎は同じ構造の部分システムによって互いに繋がれる。2つの椎弓根スクリューが各椎骨にねじ込まれ、当該椎弓根スクリューは頭部12及びシャフト11を有しており、椎弓根13を通って椎体15へ伸びる。両方の部分システムでは、圧縮可能な圧力部材若しくは支持部材63が2つのスクリュー頭部11の間に配置される。移植された状態において予め引っ張られ且つ固定スクリュー61により頭部11に固定されたバンド64が圧力部材63及び頭部11を通って伸びる。荷重はベルト64及び圧縮力を有する圧力部材によって弾性的に吸収される。示した椎弓根スクリューは本明細書で説明した種類の締結要素である。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】図1は従来技術に基づく椎弓根スクリューを示している。
【図2】図2は固有の寸法の説明のために椎骨と図1の椎弓根スクリューとを示している。
【図3】図3は曲げ剛性率分布の異なる曲線と締結要素とを示している。
【図4】図4は締結要素の実施例を示している。
【図5】図5は締結要素の実施例を示している。
【図6】図6は締結要素の実施例を示している。
【図7】図7は締結要素の実施例を示している。
【図8】図8は締結要素の実施例を示している。
【図9】図9は締結要素の実施例を示している。
【図10】図10は締結要素の実施例を示している。
【図11】図11は締結要素の実施例を示している。
【図12】図12は締結要素の実施例を示している。
【図13】図13は締結要素の実施例を示している。
【図14】図14は締結要素の実施例を示している。
【図15】図15は締結要素の実施例を示している。
【図16】図16は締結要素の実施例を示している。
【図17】図17は椎間安定化システムの説明のための例を示している。
【符号の説明】
【0145】
11 頭部
12 シャフト
13 椎弓根
15 椎体
17 緩和部
19 上方シャフト部
19a 結合延長部
21 下方シャフト部
21a 結合延長部
23 移行部
25 中心穴部
27 減少した断面を有するシャフト部
29 螺旋状凹部、溝部
31 ねじ山
33 中間部品
34 固定延長部
35 緩和部の固定部
37 緩和部としての固定部
38 結合ピン
39 横断穴部
41 溝部
43 溝状、細い穴状、若しくは切欠状凹部
45 平らな支持面
47 通路
49 ねじ山開口部
51 保持用凹部
53 ピボット位置、トグル位置
55 バンド軸
57 スクリューの先端
59 骨の始まり
61 固定スクリュー
63 圧力部材若しくは支持部材
64 バンド
65 溝部
66 凹部
F 椎間の力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎弓根スクリューであって、
弾性椎間安定システム若しくは弾性椎間支持システムに結合する頭部(11)と、
椎間に固定する作用を有しかつ移植された状態において、椎弓根(13)を通り椎体(15)へ伸びるシャフトと、からなり、
前記シャフトは前記頭部(11)から測定された長手範囲において、
前記頭部(11)に隣接する上方シャフト部(19)と、
前記上方シャフト部(19)に隣接する緩和部(17)と、を含み、
前記緩和部(17)は骨内の構造のために前記上方シャフト部(19)に対して減少された曲げ剛性を有することを特徴とする椎弓根スクリュー。
【請求項2】
前記頭部(11)は、前記上方シャフト部(19)に堅固に結合されて、前記シャフトの少なくとも曲がる方向において、一体的であることを特徴とする請求項1に記載の椎弓根スクリュー。
【請求項3】
前記上方シャフト部(19)から前記緩和部(17)への移行部における曲げ剛性の傾きは前記上方シャフト部(19)に生ずる曲げ剛性の傾きより大きい大きさであることを特徴とする請求項1若しくは2に記載の椎弓根スクリュー。
【請求項4】
前記上方シャフト部(19)から前記緩和部(17)への前記移行部では、曲げ剛性の傾きの大きさは前記上方シャフト部(19)より前記シャフトの少なくとも1つの部分において少なくとも2倍、特には少なくとも5倍、更に特には少なくとも10倍大きいことを特徴とする請求項3に記載の椎弓根スクリュー。
【請求項5】
前記移行部における曲げ剛性は急唆に減少することを特徴とする請求項3若しくは4に記載の椎弓根スクリュー。
【請求項6】
少なくとも1つの曲げ面において、前記上方シャフト部(19)の曲げ剛性に対する前記緩和部(17)の曲げ剛性は少なくとも30%、特には少なくとも50%、更なる実施例では少なくとも60%、より更なる実施例では少なくとも80%より低いことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項7】
前記上方シャフト部(17)は前記緩和部(17)が海綿骨の構造に設けられた部分に置かれるような大きさに形成され、皮質骨の構造に設けられた少なくとも部分は前記上方シャフト部(19)により形成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項8】
前記上方シャフト部(19)の長さは最小値として5mm、特には8mmであり、最大値としては15mm、特には12mmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項9】
前記シャフトの軸方向の曲げ剛性分布は前記椎弓根(13)の曲げ剛性の少なくとも質的範囲に近似され、理想的な場合においては、対応することを特徴とする請求項1乃至8に記載の椎弓根スクリュー。
【請求項10】
前記緩和部(17)は前記緩和部(17)より大きい曲げ剛性を有する前記上方シャフト部(19)と下方シャフト部(21)との間に配置されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項11】
前記緩和部(17)から前記下方シャフト部(21)への移行部では、曲げ剛性の傾きの大きさは、前記シャフトの少なくとも1つの部分において、前記下方シャフト部(21)より少なくとも2倍、特には少なくとも5倍、更に特には10倍大きいことを特徴とする請求項10に記載の椎弓根スクリュー。
【請求項12】
前記緩和部(17)から前記下方シャフト部(21)への曲げ剛性の変化は急唆であることを特徴とする請求項10若しくは11に記載の椎弓根スクリュー。
【請求項13】
前記上方シャフト部(19)と前記下方シャフト部(21)との間の曲げ剛性の進展(development)の分布曲線は大略ポット、桶、鉢の形状に作られることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項14】
前記緩和部(17)は前記シャフトの長手軸範囲の中心部、特には前記シャフトの4分の1の中央の2つの部分若しくは前記シャフトの3分の1の中央の部分に配置されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項15】
前記上方シャフト部(19)及び前記緩和部(17)は、移植された状態において、前記緩和部(17)が椎弓根(13)と椎体(15)との間の移行部にあり、特に、前記移行部(23)の両側を超えて軸方向に伸びており、特定の実施例において、前記頭部(11)から見て前記移行部の後に配置された前記緩和部(17)の部分は前記移行部の前に配置された前記緩和部(17)の部分より長い軸方向の長さを有していることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項16】
前記シャフトにはねじ山(31)が設けられ、前記ねじ山(31)は前記緩和部(17)により中断されることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項17】
前記シャフトは少なくとも部分的に中空であり、特に中心穴部(25)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至16に記載の椎弓根スクリュー。
【請求項18】
少なくとも前記緩和部(17)では、前記シャフトには前記上方シャフト部(19)、特に下方シャフト部(21)と比較して細長い断面部(29、39、43、65)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至17記載の椎弓根スクリュー。
【請求項19】
前記緩和部(17)は前記上方シャフト部(19)、特に前記下方シャフト部(21)と比較して減少された断面を有する伸長されたシャフト部(27)によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項20】
前記シャフトは少なくとも前記緩和部(17)において螺旋部として作られていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項21】
前記シャフトには、少なくとも緩和部(17)に少なくとも1つの溝状若しくは細長い穴状凹部(29)が設けられ、特に前記凹部は螺旋状に伸びていることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項22】
前記シャフトの壁は少なくとも緩和部(17)において螺旋周囲部を有する2つの溝状開口部を有することを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項23】
前記シャフトは少なくとも緩和部(17)に二重螺旋を形成していることを特徴とする請求項22に記載の椎弓根スクリュー。
【請求項24】
前記螺旋のピッチは前記緩和部において、少なくとも5mm、特には少なくとも10mmであることを特徴とする請求項20乃至23のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項25】
前記螺旋のピッチは前記シャフトの長手方向長において変化して、前記シャフトの曲げ剛性は長手方向長において変化することを特徴とする請求項20乃至24のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項26】
少なくとも前記緩和部(17)において、前記シャフトには前記シャフトの軸に対して垂直か斜めに伸びた横断穴(39)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至25のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項27】
前記シャフトの外壁から前記横断穴部(39)に導かれ、幅は横断穴部(39)の直径より狭い溝部(41)が設けられることを特徴とする請求項26に記載の椎弓根スクリュー。
【請求項28】
前記シャフトには軸方向に連続し、特に偏って配置された複数の溝状、細長い穴状、若しくは切欠状凹部(43)が設けられ、それぞれの場合において、前記凹部(43)の深さは1つの実施例の前記凹部(43)の部分において測定した前記シャフトの半径より大きいことを特徴とする請求項1乃至27のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項29】
前記シャフトの曲げ剛性分布は前記シャフトの長手軸に関して回転非対称であることを特徴とする請求項1乃至28のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項30】
前記緩和部(17)は曲げ剛性が前記シャフトの長手軸から広がった面及び移植された状態において、前記頭部(11)を介して付与される椎間の力の方向において最も小さいように形成され、曲げ剛性は1つの実施例において前記面に垂直に広がった面において最も大きくなることを特徴とする請求項1乃至29のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項31】
前記緩和部(17)では、前記シャフトは回転非対称の断面を有し、特に、最も曲げ剛性の大きい面において直接隣接する前記上方及び下方シャフト部(19、21)と同じ寸法を有することを特徴とする請求項29若しくは30に記載の椎弓根スクリュー。
【請求項32】
前記緩和部(17)では、前記シャフトは前記シャフトを貫通し、前記シャフトの長手軸方向に実質的に伸びる少なくとも1つの溝部(65)を有することを特徴とする請求項1乃至31のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項33】
前記上方シャフト部(19)は表面において長手軸方向に実質的に伸びる少なくとも1つの凹部(66)を有することを特徴とする請求項1乃至32のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項34】
前記シャフトは単一部品として作られていることを特徴とする請求項1乃至33のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項35】
前記緩和部(17)は少なくとも部分的に他のシャフト材料とは異なる材料から形成された中間部品(33)から作られていることを特徴とする請求項1乃至33のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項36】
前記中間部品(33)はプラスチック材料、特には繊維強化プラスチック材料、特にはポリマー材料から作られていることを特徴とする請求項35に記載の椎弓根スクリュー。
【請求項37】
前記緩和部に隣接するシャフト部(19、21)は前記緩和部に配置された結合部(35)によって互いに結合されることを特徴とする請求項1乃至36のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項38】
前記緩和部(17)は互いに直接隣接する2つのシャフト部(19、21)を結合する結合部(37)により形成されることを特徴とする請求項1乃至36のいずれか1つに記載の椎弓根スクリュー。
【請求項39】
椎間安定化システムであって、前記椎間安定化システムは請求項1乃至38のいずれか1つに記載され且つ椎骨(13、15)に固定されることができる複数の椎弓根スクリューと、弾性固定システム若しくは弾性支持システムへの隣接する椎骨(13、15)に固定された少なくとも2つの椎弓根スクリューの結合のための結合装置と、を有することを特徴とする椎間安定化システム。
【請求項40】
前記結合装置は弾性支持システムを形成するための予めテンションが付与され得るバンドを含んでおり、前記バンドは移植された状態において、2つの隣接する椎弓根スクリューの間に配置された少なくとも1つの圧縮可能な圧力部材によって覆われることを特徴とする請求項39に記載の椎間安定化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2008−534096(P2008−534096A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503445(P2008−503445)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003059
【国際公開番号】WO2006/105935
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(504339572)ツィンマー・ゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】