説明

椎間関節治療のためのシステムおよび方法

上下側表面置換装置を含む、患者の椎間関節を治療するためのシステム。上関節面装置は、上椎間関節面の形状と一致するように構成された表面置換体を含み、下関節面装置は、下椎間関節面の形状と一致するように構成された表面置換体を含む。それぞれの表面置換体は、比較的平らな状態から、表面置換体が、圧縮力の存在下で、対応する椎間関節面のいずれの多面凹面とも実質的に一致する挿入状態に移行するのに十分な可撓性を示す。この構造によって、本システムは、椎間関節内に新規摺動界面を確立することができ、最小限の侵襲で挿入することができる。表面置換体は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から形成することができ、対応する椎間関節面を係合する歯部を含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、関節突起(椎間)関節関連痛に悩んでいる患者を治療するためのシステムおよび方法に関する。より具体的に、それは、疼痛を最小限に抑えるため、かつ正常な、またはほぼ正常な椎間関節固定化および動作を再確立または維持するために、椎間関節の解剖学的形態の表面置換を最小限の侵襲で達成する移植可能なシステム、および対応する挿入方法、ならびに手順に関する。
【0002】
今後10年以内に、7000万人を越える人々が高齢者となる。老齢人口において、骨が互いに滑らかに動くことを可能にする関節軟骨は、時および疾患によって磨耗し、体の多くの組織の様に、関節軟骨は限られた自然回復の能力を有する。現時点では、重度の退行性関節痛または変形性関節症の軽減を助ける選択肢は、関節置換または癒着を含む。例として、総合で年間約200,000の膝関節および300,000を越える股関節置換術が行われており、典型的に、これらの人工関節は、約10〜15年持ち堪える。また、慢性腰痛は、労働生産性および医療費の双方にも影響を与え、米国において、外科手技よりも保存的である治療(例えば、床上安静、鎮痛薬および筋弛緩薬、理学療法、またはステロイド注射)では解決しない、持続する腰痛を緩和する試みとして、現在、年間で500,000を越える外科手技が行われている。この疼痛の原因は、椎間関節を含む脊椎に含まれる複数の解剖学的構造(下述のような)中の機能障害から生じ得る。
【0003】
脊椎生体力学および療法における機能障害の影響を理解するために、初めに脊椎の解剖学的形態を考慮することはおそらく有用である。脊椎の椎骨は、従来、幾つかの節に細区画される。頭(頭側)から尾骨(仙骨)にわたって、節は頸部、胸部、腰部、仙椎、および尾骨である。部位にかかわらず、各椎骨は、組み合わさって脊髄が保護されている椎孔を画定する、2つの椎弓根および2つのラミナを形成する。椎弓根から側方に延在するのは、2つの横突起である。2つのラミナが出会う椎骨の正中から延在するものは、棘突起である。3つの突起は、靱帯および筋肉の接合部としての役割を果たす。隣接する椎骨は、椎間板によって区分され、および隣接する椎骨の表面は、2つの椎骨によって、および2つの椎骨間で2つの椎間関節の部分を形成する(中間椎、真隣頭側椎、および真隣尾椎から成る脊髄分節と比較して、中間椎骨は、4つの椎間関節の部分を形成する、すなわち、頭側椎を伴う2つの椎間関節および尾椎を伴う2つの椎間関節であることが理解されている)。
【0004】
上記の背景を考慮して、図1Aおよび1Bは、上関節椎間22および下関節椎間24から成る椎間関節20を説明する。上関節椎間22は、椎間板の下の脊椎レベル(すなわち、上関節椎間はラミナおよび椎弓根の接合部から上方に突出する)によって形成され、下関節椎間24は、椎間板の上の脊椎レベル(すなわち、下関節椎間は下方に突出する)によって形成される。上関節椎間22上には上関節面26が在り、下関節椎間24上には下関節面28が在る。椎間関節は、矢状面に対して斜めに向いており、関節腔自体は前から後ろに曲がっている。より内部に位置する上面26が凹面であり、より後側に位置する下面28は凸面である。椎間関節20は滑膜関節であり、間の軟骨30と共に、2つの対向骨面26、28、および関節20周囲のカプセル32によって効果的に画定される。より具体的に、滑液34は、カプセル32によって関節20中に含有され、さもなければ、関節20を完全に囲み、包み込み、かつ関節面26、28を潤滑に保つ軟組織および靱帯の水密嚢である。滑膜椎間関節20を構成する骨関節椎間22、24の末端は、骨面26、28が双方に対して滑るように、関節、硝子軟骨30で通常覆われており、双方に相対的に椎体の運動を可能にする可撓性を提供する。
【0005】
上述のように、椎骨の各対間に2つの椎間関節が存在し、各椎骨の上部および下部からの各側に1つ存在する(脊椎中心線の後側および外側に位置する)。これらの関節は、椎間板腔と結合して各脊椎レベルに3関節複合体を形成し、各関節が延在し、隣接する脊椎椎間関節と重複、相互にかつしたがって椎骨と共に結合する。2つの椎体、介在脊椎円板および付着靱帯、筋肉、および椎間関節(仙骨方向において、次の後続椎骨の上関節突起と関節接合する下関節突起)の組立は、「脊椎動作分節」と称される。各動作分節は脊椎の全体の可撓性に貢献し、体幹および頭の運動に対する支持を提供する脊椎の全体の能力に貢献し、特に、椎間関節は、ねじれ(ひねる)運動を制限する。1つ以上の椎体の椎間が退化する、さもなければ、椎骨がもはや互いに関節接合することができない、または適切に互いに整列できないほど損傷している時、結果として運動機能の喪失および疼痛または不快感が存在する。脊椎動作分節の椎間関節の機能的役割は、したがって、本明細書で開示される椎間関節システムおよび方法の操作的および機能的利点への理解に関連し、それはいずれの平面においても動作を制約すること無く動的安定化および運動維持を達成する。
【0006】
上述のように、椎間関節は脊椎の後柱に位置する。この考察の文脈:「前」は脊椎柱の前を指し、「後」はその柱の後ろを指す、「頭側」は、患者の頭に向かうことを意味し(時として「上」とも称される)、「仙骨」(時として「下」とも称される)は、患者の足に近い方向または部位を指す。本開示が、経皮的後方進入路から現れる好まれる進入路を通して、様々な脊椎要素および関節に接近することを熟慮するように、「近位」および「遠位」は、進入路のこのチャネルの前後関係において画定される。結果的に、「近位」は、チャネルの始まりに近く、したがって臨床医に近く、「遠位」は、チャネルの始まりから離れており、したがって臨床医から遠い。接近または送達工具を参照する時、「遠位」は、接近チャネル中への挿入が意図される末端であり、「近位」は、対向末端を指し、送達工具のハンドルに近い末端を一般的に指す。移植片を参照する時、一般的に「遠位」は、関節中に初めに挿入された先端であり、「近位」は終端を指し、一般的に配置工具と係合する。
【0007】
椎間関節は、老化、外傷、または疾患(例えば、炎症、代謝、または滑膜、障害を含む病理)による退化に起因する関節炎であり得る。加えて、骨折、靱帯損傷、および椎間板の問題(例えば、脱水またはヘルニア形成)の全ては、異常な運動および整列を引き起こし、椎間関節の表面に余分な負荷をかける。
【0008】
この余分な圧力に対する生理応答は、骨棘の発達、すなわち、骨スプリアスである。スプリアスが椎間関節の縁周囲で形成するため、関節は拡大する、肥大と呼ばれる状態であり、最終的に、関節面は関節炎と成る。関節軟骨が退化する、または磨耗する時、下部の骨は暴露され、骨に擦る。関節は、したがって、炎症を起こし、腫大し、疼痛を伴う。
【0009】
椎間関節関節炎は頸部および背痛の重要な原因であり、永続的な腰痛の訴えの約15〜30%に起因し得る。透視下で投与される関節内ステロイド/局所麻酔注射等の椎間関節痛の保存的治療の不成功の際、慢性疼痛を患う幾人かの患者は、例えば、脊椎椎間関節突起神経根切断術、既存の神経根への圧力減少させるために椎間関節を除去する椎間関節切除術、関節全置換または椎間関節固定術(すなわち、関節の2つの関節面が固定されたまま、あるいは強固に伴って成長する、かつ骨の単一の固体片を形成する、癒着をもたらす固定)等を含む、椎間関節関節炎に対する外科的介入を最終的に必要とし得る。これらの外科手技は背痛を緩和するが、多くの関節置換および全ての癒着は、健常な解剖学的形成に起因し得る正常な生理機能および動作を修復しない。むしろ、それらは大抵、他の脊椎レベルで、または脊椎動作に関連する他の関節で、同時に存在する脊椎不安定性および退化をそこから引き起こす、または悪化させることができる脊椎生体力学に大きな変化をもたらす。
【0010】
椎間板の整合性、椎間負荷、および脊椎退化間の因果関係が存在する。具体的に、また、椎間板の退化を伴う椎間板の高さの進行性の損失は大抵、椎間関節が退化する、または脱臼する、かつそれらの靱帯が弾性およびそれらの耐力を失うため、椎間関節の機械的能力にも変化をもたらす。より具体的に、変性椎間板疾患と共に頻繁に発生する、椎間板腔狭小化に伴い、椎間関節中には、特に伸ばした状態で、増加した負荷が存在し、椎間関節およびカプセルの同時退化が存在する。椎間関節カプセルは、第一に、屈曲および回転状態で装着されるため、椎間関節は、回転またはねじる力に対する第一の抵抗体であり(例えば、通常、椎間関節は軸回転の約30%を調節する)、椎間関節退化は脊椎可動性に大きな変化をもたらす。
【0011】
生理椎間関節の生体力学的機能を修復し、維持すると同時に、除痛を提供する低侵襲療法を提供する必要性は、全体の脊椎可動性に対して最重要であり、下記のとおり、今まで療法は、これらの問題の全てに十分に応じていない。
【0012】
一療法である、脊椎椎間関節突起神経根切断術は、椎間関節に及ぶ小神経を切断する技術を含む。その手順の意図は、これらの神経に沿った疼痛インパルスの伝達を停止することである。神経(複数可)は、診断上の注入を使用して同定される。次いで、外科医は、背下部の組織を通して大きな中空針を挿入する。高周波プローブは針を通して挿入され、透視は、神経に向かってプローブを導くために使用される。プローブは、神経が切断されるまで、徐々に加熱される。パルス高周波を使用する別の技術は、実際には神経を焼かず、どちらかというと、神経に衝撃を与えると考えられる。さらに、別の技術は、凍結するプローブ先端部による除神経を含み、さらに別の手順は、筋痙攣(椎間が炎症を起こしている時に発生し得、そこで脊椎を平行にする近くの筋肉の痙攣を引き起こす、防御反射)を治療するボトックス毒素の慎重に調節された注入を含む。これらの手順が除痛を提供する場合もあるが、それらは、進行中の関節退化(例えば、関節面の磨耗)に対処せず、それは、その結果、他のレベルで、通過症候群(すなわち、退化の進行および他の関節の疼痛)に導き得る運動学的および生体力学的機能障害へと導く。
【0013】
特定の臨床医は、損傷した椎間関節の人工関節全置換を推奨するが、実践において、椎間関節から椎間関節への椎間関節幾何学形状の変動、および椎間関節と他の脊椎柱の構成要素の高いレベルの相互作用を含む様々な理由から、そのような人工装具を移植することは困難である。さらに、関節置換は、非常に侵襲的な、時間を要する手順であり、関節面のプレ準備および骨の除去を必要とし、したがって、失血および罹患、増加した麻酔時間、および増加した回復時間を含む、関連するリスクが存在する。
【0014】
椎間関節の関連する治療は、人工椎間関節の提供を伴い、下椎間分節、接合する上椎間分節、またはそれらの双方は、キャップで覆われている(すなわち、椎間の全て、または実質的に全て)。一かかる装置および移植の関連方法は、Fitzの米国特許第RE36758号明細書に記載される。潜在的に実行可能であるが、椎間分節のキャッピングは、幾つかの潜在的不都合を有する。臨床的懸念は、キャップに対する骨支持構造の阻血性懐死へと導く、大腿骨骨頭への栄養送達の役割を果たしている、骨膜および靱帯円筋大腿の双方の破損から生じると考えられる。椎間キャッピングの別の潜在的不都合は、個人間のみでなく、脊椎柱内のレベル間でも、椎間の解剖学的形態における広範な変動を提供するために、非常に広範な範囲のキャップの大きさおよび形を必要とすることである。さらには、米国特許第RE36,758号に記載されるもの等のキャップの移植は、最小限の侵襲で行うことができず、移植部位で、極めてかなりの準備ステップを伴う(例えば、骨の除去および/または再成形)。少なくとも骨関節炎大腿骨骨頭上へのキャップの使用に伴い、関節骨端のキャッピングは、機械的緩みによって、時に臨床的失敗が認められる。
【0015】
椎間関節の別の治療は、椎間スクリューを使用して、上関節突起を下関節突起に取り付けることである。固定療法は、退化した椎間関節に関連する症状を緩和し得るが、それはまた、動くための動作分節の幾つかの能力を犠牲にし、したがって自然な様式で動くための脊椎柱の能力の幾つかを犠牲にもする。中枢および外側脊椎狭窄症(関節狭小化)、変性脊椎すべり症、および変性脊柱側弯症は、全て、前柱構造と後柱構造との異常な機械的関係に起因し得、衰弱させる痛みを誘発し得る。
【0016】
より近年、経皮的に移植可能な椎間関節固定装置が開発され、米国仮出願第12/238196号明細書に記載されている(2008年9月25日出願、表題「Method and Apparatus for Facet Joint Stabilization」)、その教示は、参照により本明細書に組み込まれる。椎間関節固定装置は、一般的に上本体および下本体を伴い、よって、組み合わせられた時、外部にねじ山が付いた装置を形成する。関節腔に挿入された時、下および上本体は、それぞれ、椎間関節の解剖学的形態の対応する下および上骨面と係合された関係を確立し、互いにやや摺動可能であり、通常に近い椎間関節動作能力を促進する。実行可能ではあるが、保持、長期機能、および挿入技術を含む改善点が残存する。
【0017】
上記を考慮して、椎間関節の人工関節との置換および/または椎間関節の安定、およびその動作分節の自然運動の固有の損失のより根治的療法への初期の訴え無しで、問題を緩和することにおいて、椎間関節を固定し、かつ増大するために、椎間関節に適用可能である追加の療法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本開示に従った、幾つかの態様は、患者の椎間関節を治療するためのシステムに関する。椎間関節の解剖学的形態は、対向する上下の関節面を含む。この点を考慮して、システムは、上側表面置換装置および下側表面置換装置を含む。上側表面置換装置は、椎間関節の上関節面の形状と適合する形状に、選択的に移行するように構成される上側表面置換体を有する。同様に、下側表面置換装置は、椎間関節の下関節面の形状と適合する形状に、選択的に移行するように構成される下側表面置換体を含む。この点において、表面置換体のそれぞれは、比較的平らな状態から、表面置換体が、典型的なヒト成人椎間関節に関連する圧縮力の存在下で、対応する椎間関節関節面のいずれの多面曲率および多面凹面とも、実質的に一致する挿入状態へと移行するのに十分な可撓性を示す。この構造によって、システムは、表面置換体の関節面を通して、椎間関節内の新規摺動界面を確立することができ、そこで、自然解剖学的形態に関連する疼痛の原因と成る、骨骨関節界面を除去する。さらに、天然椎間関節関節面と関連している自然形状と適合することによって、本開示のシステムは、最小限の侵襲で挿入でき、自然の骨界面の再構築(例えば、除去)を必要としない。幾つかの実施形態において、表面置換体は同一であり、それぞれは、0.25〜4mmの範囲の厚さを有する円盤状本体から成る。関連実施形態において、表面置換体は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のポリエーテルケトン(PEK)系材料から形成される。さらに他の実施形態において、表面置換体は、関節面および関節面とは反対の方向に突出している複数の歯部を提供し、複数の歯部は、挿入の際、対応する椎間関節関節面との係合を確立する役割を果たす。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本開示の原則に従った、さらなる他の態様は、患者の椎間関節痛を治療するための方法に関し、上側表面置換体の椎間関節への挿入および椎間関節の解剖学的形態の上関節面との係合を含む。この点において、上側表面置換体は、椎間関節への挿入の際、比較的平らな状態から、椎間関節の圧縮力に応じて、上椎間関節面の形状と実質的に適合する挿入状態へと移行する。下側表面置換体は椎間関節に挿入され、下椎間関節関節面と係合される
。この挿入の一環として、下側表面置換体は、椎間関節への挿入の際、椎間関節の圧縮力に応じて、下関節面の形状と実質的に適合する比較的平らな状態から挿入状態へと移行する。最終挿入の際、上側表面置換体の前記関節面は、下側表面置換体の前記関節面に摺動自在に隣接し、それによって、椎間関節痛を軽減する。幾つかの実施形態において、方法は、椎間関節の正常な健常骨の外科的除去の不在によって特徴付けられ、表面置換体は、経皮的技術を通して同時に挿入される。
【0020】
本開示の原則に従った、さらなる他の態様は、患者の椎間関節を治療するためのキットに関する。キットは、挿入工具セットと共に、上述のような治療システム(例えば、上側表面置換体を有する上側表面置換装置、および下側表面置換体を有する下側表面置換装置)を含む。挿入工具セットは、送達カニューレおよび細長い押し工具を含む。送達カニューレは遠位端を有し、遠位端で開く内部通路を画定する。押し工具は、通路内で摺動自在に受容される大きさである。この構造によって、キットは、挿入配置を提供するように構成され、表面置換装置および押し工具は、通路内で摺動自在に受容され、表面置換装置は、隣接する遠位端およびカニューレの遠位端とは反対に表面置換装置に隣接している押し工具の遠位領域に互いに積み重ねられている。幾つかの実施形態において、表面置換装置はそれぞれ、それら間の選択的係合を達成するために、押し工具によって形成されたフィンガーを受容する大きさのノッチを、形成する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】本開示のシステムおよび方法が治療において有用である、天然椎間関節の解剖学的形態を説明する、ヒト脊髄分節の断面図が簡略化されている。
【図1B】図1Aの分節の一つの椎間関節の拡大図である。
【図2】本開示の原則に従う椎間関節治療システムの斜視図である。
【図3A】図2のシステムの表面置換装置構成要素の上面図である。
【図3B】3B-3B線に沿った、図3Aの表面置換装置の断面図である。
【図3C】3C線に沿った、図3Bの装置の一部の拡大図である。
【図3D】図3Aの表面置換装置の正面図である。
【図4A】本開示の椎間関節治療システムと共に用いられることによって有用である、別の表面置換装置の斜視図である。
【図4B】本開示の椎間関節治療システムと共に用いられることによって有用である、別の表面置換装置の斜視図である。
【図5】本開示の椎間関節治療システムの挿入において有用である、挿入工具セットの斜視、分解図である。
【図6A】図5の工具セットの送達カニューレアセンブリ構成要素の側断面図である。
【図6B】6B-6B線に沿った、図6Aのカニューレアセンブリの断面図である。
【図6C】図2の椎間関節治療システムが装着された、図6Aのカニューレアセンブリの側面図である。
【図6D】6D-6D線に沿った、図6Cの装着されたカニューレアセンブリの断面図である。
【図6E】図5の送達カニューレアセンブリの一部の拡大上部斜視図である。
【図7A】図5の工具セットの押し工具構成要素の斜視図である。
【図7B】本開示の原則に従う表面置換装置を係合させる、図7Aの押し工具の遠位部の拡大平面図である。
【図8A】図2の椎間関節治療システムの配置における、図5の工具セットの装着および操作を説明する。
【図8B】図2の椎間関節治療システムの配置における、図5の工具セットの装着および操作を説明する。
【図8C】図2の椎間関節治療システムの配置における、図5の工具セットの装着および操作を説明する。
【図9】本開示の原則に従う、関節へその後表面置換装置を挿入するための準備における、椎間関節への接近を説明する。
【図10A】本開示に従う、任意選択の拡張器およびシース器具の使用を説明する。
【図10B】本開示に従う、任意選択の拡張器およびシース器具の使用を説明する。
【図10C】本開示に従う、任意選択の拡張器およびシース器具の使用を説明する。
【図11A】図5の工具セットを使用した、椎間関節内への図2の椎間関節治療システムの配置を説明する。
【図11B】図5の工具セットを使用した、椎間関節内への図2の椎間関節治療システムの配置を説明する。
【図11C】図5の工具セットを使用した、椎間関節内への図2の椎間関節治療システムの配置を説明する。
【図11D】図2の治療システムが挿入された椎間関節の拡大断面図である。
【図12A】本開示の原則に従う、椎間関節治療システムと共に用いられることによって有用である、別の表面置換装置の上部平面図である。
【図12B】図12Aの表面置換装置の側面図である。
【図12C】図12Aの表面置換装置の正面図である。
【図13A】本開示の原則に従う、椎間関節治療システムと共に用いられることによって有用である、別の表面置換装置の上部平面図である。
【図13B】図13Aの表面置換装置の側面図である。
【図13C】図13Aの表面置換装置の正面図である。
【図14A】本開示の原則に従う、椎間関節治療システムと共に用いられることによって有用である、別の表面置換装置の上部平面図である。
【図14B】図14Aの表面置換装置の側面図である。
【図14C】図14Aの表面置換装置の正面図である。
【図15A】本開示の原則に従う、椎間関節治療システムと共に用いられることによって有用である、別の表面置換装置の上部平面図である。
【図15B】図15Aの表面置換装置の側面図である。
【図15C】図15Aの表面置換装置の正面図である。
【図16A】本開示の原則に従う、椎間関節治療システムと共に用いられることによって有用である、別の表面置換装置の上部平面図である。
【図16B】図16Aの表面置換装置の側面図である。
【図17A】本開示の原則に従う、椎間関節治療システムと共に用いられることによって有用である、別の表面置換装置の上部平面図である。
【図17B】図17Aの表面置換装置の側面図である。
【図18A】本開示の原則に従う、椎間関節治療システムと共に用いられることによって有用である、別の表面置換装置の上部平面図である。
【図18B】図18Aの表面置換装置の側面図である。
【図19A】本開示の原則に従う、椎間関節治療システムと共に用いられることによって有用である、別の表面置換装置の上部平面図である。
【図19B】図19Aの表面置換装置の側面図である。
【図20A】本開示の原則に従う、椎間関節治療システムと共に用いられることによって有用である、別の表面置換装置の上部平面図である。
【図20B】図20Aの表面置換装置の側面図である。
【図21A】本開示の原則に従う、別の椎間関節治療システムの側面図である。
【図21B】図21Aのシステムの正面図である。
【図21C】図21Aのシステムの上部平面図である。
【図22A】本開示の原則に従う、別の椎間関節治療システムの正面斜視図である。
【図22B】図22Aのシステムの側面分解図である。
【図23】本開示の別の椎間関節治療システムが移植される、椎間関節の切断面である。
【図24A】本開示の別の椎間関節治療システムの側面分解図である。
【図24B】椎間関節に移植される図24Aのシステムの切断面である。
【図25A】本開示の別の椎間関節治療システムの一部の斜視図である。
【図25B】図25Aのシステムの側面図である。
【図25C】椎間関節に移植される図25Bのシステムの略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の原則に従った、かつ患者の椎間関節の治療に対して有用であるシステム40の一実施形態は、図2に示される。システム40は、上側表面置換装置42および下側表面置換装置44を含む。様々な構成要素の詳細が以下に提供される。一般論として、しかしながら、表面置換装置42、44は同一であり得、上椎間関節関節面(例えば、図1Bの上関節面26)のライナーとしての役割を果たす上側表面置換装置42、および下椎間関節関節面(例えば、図1Bの下関節面28)のライナーとしての役割を果たす下側表面置換装置44を伴う。表面置換装置42、44は、自然発生的形状または椎間関節の解剖学的形態の曲率と、実質的に適合することができ、正常なまたはほぼ正常な可動性を達成する様式で、自然椎間関節の既存の骨骨界面を置換する。
【0023】
上述のように、幾つかの構造において、表面置換装置42、44は同一であり得る。したがって、上側表面置換装置42の以下の説明は、下側表面置換装置44に同等に適用可能である。図3Aおよび3Bをさらに参照して、表面置換装置42は表面置換体46から成る。以下で説明される他の実施形態において、1つ以上の追加の構成要素は、表面置換体46に付着できる、または表面置換体46から延在できる。いずれにしても、表面置換体46は円盤状形状を有し、ベースウェブ50および複数の歯部52(一般的に参照される)を含む。ベースウェブ50は、対向する主要な表面54、56(図3Bに最も良く示される)を画定し、第1の主要な表面54は、以下で説明されるように、関節面(例えば、下側表面置換装置44の対応する関節面に対して関節接合する(図2))を提供する、または関節面としての役割を果たす。したがって、また、第1の主要な表面54は、表面置換体46の「関節面」としても参照され得る。複数の歯部52は、第2の主要な表面56から、第1の主要な表面54とは略反対の方向に突出する。
【0024】
特に図3Aに関連して、ベースウェブ50は、表面置換体46の外側周囲58(一般的に参照される)を画定し、周囲58は、幾つかの構造において楕円状形状(上面または底面図に対して)を有する。より具体的に、周囲58、および、したがって表面置換体46は、その主軸に沿った大径MA、およびその短軸に沿った小径MIを画定する。表面置換体46の全体の大きさ又はフットプリントは、周囲58によって画定され治療された椎間関節の大きさによって変化できるが、特に従来の椎間関節人工装具および/またはキャッピング装置と比較して、一般的に比較的小さい。例えば、幾つかの実施形態において、大径MAは5〜12mmの範囲であり得、小径MIは4〜10mmの範囲であり得る。さらには、それぞれが異なった大きさの表面置換体46(例えば、5mm×4mm、8mm×6mm、10mm×8mm、11mm×9mm、12mm×10mm等)を有する、2個以上の異なる上側表面置換装置42(および2個以上の異なる下側表面置換装置44)を備える、本開示に従った椎間関節治療システムが、治療を行う臨床医に提供されてもよく、治療を行う臨床医は、治療される椎間関節の評価に基づいて、移植に対して最も適切な大きさの表面置換装置を選択する。代替的に、また他の寸法も、本開示によって想定されている。さらに、周囲58は、必ずしも楕円形の形状である必要はない。代わって、また、他の形状(例えば、円形、正方形、長方形、曲線等)も許容可能である。
【0025】
以下で明確にされる理由のため、表面置換体46は、好まれる挿入位置付け、および/または方向を指示する1つ以上の特性を組み込むことができる(すなわち、表面置換体4
6は、特定の位置付けにおいて、椎間関節中により容易に挿入され、後に椎間関節内で維持される)。図3Aの構成に対して、次いで、周囲58は、先端または遠位端70、終端または近位端72、および対向側面74、76を一般的に画定するとして説明され得る。対向側面74、76は大径MAに沿って整列されるが、小径MIは、先端および終端70、72と交差する。挿入手順の間、表面置換体46は、先端70が、初めに椎間関節に挿入されるように、位置付けられ、終端72が後に続く。これらの指定に対応する構造を有する歯部52に加えて(および、したがって、以下で説明される目的の挿入方向および位置付け)、終端72は、以下で説明されるような、別々に提供された挿入工具(図示されていない)との、所望の相互作用を促進する係合特性80(一般的に参照される)を形成できる、または画定できる。例えば、係合特性80は、終端72で、ベースウェブ50に形成されたノッチ82であり得る。提供される時、ノッチ82は、様々な形状を取ることができ、かつ幾つかの構造において、ベースウェブ50内への90°の切り取りとして画定される。ノッチ82は、説明されるものとは異なる形状を有することができ、係合特性80は、ノッチ82を含み得る、または含み得ない他の形式を取ることができる。さらに他の実施形態において、係合特性80は除外される。
【0026】
特に図3Bに関連して、ベースウェブ50は、幾つかの構造において、比較的均一な厚さt(例えば、+/−0.05mmの公称厚さの変動)を有する。いずれにしても、ベースウェブ50は、関節面54を非常に滑らかに形成する。この滑らかな特質は少なくとも一部には、以下で説明されるように、表面置換体46に対して用いられる材料の機能である。他の実施形態において、ベースウェブ50の関節面54は、改良された摩擦(すなわち、低い摩擦係数)および磨耗特徴を提供する別の層で、コーティングされ得る。
【0027】
複数の歯部52は、ベースウェブ50の第2の主要な表面56から突出し、様々な形態を取ることができる。幾つかの実施形態において、歯部52は、一般的に図3Aで同定される、歯部セット90、92、94等の個別の区分または歯部セットを形成し、画定するために配置される。第1の歯部セット90は、先端および終端70、72の間を延在するベースウェブ50に沿って、中央に位置する。第1の歯部セット90の個別の歯部は一般的に同一であり、第1の歯部セット90の先端歯部96aが、図3Cにおいてより詳細に示される。より具体的に、歯部96aは、第2の主要な表面56から延在する、先端面98および終端面100を含み、先端部102で交差する。先端面98は、先端70により近接し(終端面100と比較して)(図3B)、終端面100はより終端72に近接する。これらの指定を考慮して、歯部96aは、挿入方向を画定するために構成され、それにより第2の主要な表面56に対して先端面98によって形成される角度αは、第2の主要な表面56に対して終端面100によって形成される角度βよりも小さい。つまり、先端面98は、歯部96aが、先端面98と比較して、終端面100で、および終端面100に沿って、椎間関節上面(図示されていない)等の別々の構造を、より明らかに係合するように、終端72に対する終端面100の勾配と比較して、先端70に対してより緩やかな勾配を有する。幾つかの構造において、先端面98によって画定される角度αは20°〜60°の範囲であり、終端面100によって画定される角度βは約90°である。また、他の角度も許容可能である。いずれの場合も、図3Aに再び戻ると、第1の歯部セット90の残存する歯部は、示される2つ以上の列で、互いに整列している。
【0028】
第2の歯部セット92および第3の歯部セット94は、それぞれ対向側面74、76に、またはそれぞれ対向側面74、76に沿って形成される。この点において、第2および第3のセット92、94の個々の歯部は、歯部96aに関して上述された非対称関係を有することができるが(図3C)、第2および第3の歯部セット92、94の各歯部と関連した外面104は、幾つかの実施形態において、図3Dで最も良く示されるように、90°に近づく第2の主要な表面56に対して、延在の角度を確立する。この許容可能な一構造によって、第2および第3の歯部セット92、94は、挿入の後、対応する椎間関節面
に対する、表面置換体46の側側置換に明らかに抵抗する(例えば、図3Dの位置付けに対して、第2の歯部セット92は、表面置換体46の左方向置換に抵抗し、一方第3の歯部セット94が、右方向置換に抵抗する)。
【0029】
幾つかの構造において、複数の歯部52の各歯部は、同一またはほぼ同一の高さ(または第2の主要な表面56からの延在)を有することができる。他の実施形態において、かつ図3Bに反映される特定の実施形態において、しかしながら、第1の歯部セット90の歯部は、第2および第3の歯部セット92、94の歯部と比較して、上昇した高さを有し(図3A)、組み合わさって、先端70から終端72までの表面置換体46の漸減する高さを画定する。特に明記されない限り、第1の主要な表面54が平面である説明された実施形態に対して、先端歯部96aの高さは、末尾の歯部96bの高さよりも高い。例えば、第1の歯部セット90の歯部に関連する先端部102は、組み合わさって仮想平面Pを画定する。平面Pは、幾つかの実施形態において、第1の主要な表面54の平面に対して垂直ではなく、第1の主要な表面54と組み合わさって、1°〜5°の範囲のねじ山の角度Δを画定する。代替的に、また、他の角度も熟慮され、さらに他の実施形態において、歯部52は同一の高さを有する。図3Bの一構成で、しかしながら、最も高い歯部96aが、椎間関節への挿入点とは反対に最終的に位置する先端70に提供される。結果として、先端歯部96aは、望ましくは対応する椎間関節面とのより固定的な係合を確立することができ、それによって最終挿入の際、置換に対して明らかに抵抗する。
【0030】
ベースウェブ50および歯部52は、組み合わさって表面置換体46の全体の厚さT(例えば、第1の主要な表面54と「最も高い」歯部96aの先端部102との間の横方向距離)を画定する。以下でより詳細に説明されるように、表面置換体46の所望の適合性特徴は、全体の厚さTおよびベースウェブの厚さtに影響を受け、したがって、全体の厚さTが、適合性の所望の度合いをもたらすために、他のパラメータに沿って選択される。幾つかの構造において、表面置換体46の全体の厚さTは、他の寸法も熟慮されるが、0.25〜4mmの範囲である。参照のポイントとして、特定の椎間関節への挿入の治療を行う臨床医によって選択される、表面置換体46に関連した全体の厚さTは、挿入に関連した他の手順の機能として、変動し得る。例えば、表面置換体46が、挿入の前に、いずれの明らかな組織除去も無しで、椎間関節に挿入される場合、全体の厚さTは、0.5〜2.5mmの範囲であり得る。しかしながら、もしも、挿入手順が、初めに椎間関節から軟骨(または他の組織)を除去することを伴う場合、表面置換体46の全体の厚さTは、0.5〜3mmの範囲である、表面置換体46のより大きいバージョンが挿入され得る。
【0031】
上述のように、複数の歯部52は、記載された、および説明されたものとは異なる様々な形態を取ることができる。例えば、図4Aおよび4Bは、本開示の原則に従って、それぞれ代替表面置換体46’、46”を説明する。上述の表面置換体46と比較して、図4Aの表面置換体46’は、増加した数の歯部52’を組み込む。図4Bの表面置換体46’’で、幾つかの歯部52’’は、個々に間隔の空いた列に配置される。さらに他の実施形態において、歯部は、椎間関節、骨性成長、またはそれらの双方の保持を促進する他の特性(例えば、表面組織またはコーティング)を用いて置換、または増大され得る。
【0032】
図2に再び戻ると、表面置換装置42、44、および、したがって対応する表面置換体46はそれぞれ、所望の適合性を達成する頑丈な材料から、完全に形成される。本開示に従って、表面置換体46は、患者の運動を伴う椎間関節の典型的な関節に供ずる時、癒着または凝集ダメージ無しで、その構造的完全性(すなわち、磨耗がほとんどまたは全くない)を維持する。幾つかの構造において、表面置換装置42、44は、金属等の他の材料も利用可能ではあるが、移植可能なグレードのプラスチックから形成される。例えば、表面置換装置42、44は、プラスチックのポリエーテルケトン(PEK)ファミリーから作成され得、それらは、椎間関節への挿入、椎間関節内での長期機能に適切である強度、
磨耗、可撓性、および生体適合性性質を有している。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は、驚くべきことに、以下で説明された適合特質のみならず、長期的な機械的強度および磨耗への抵抗も提供することが理解されている。放射線不透過性性質を示すもの等の、追加の材料(複数可)が組み込まれ得る。例えば、表面置換装置42、44は、放射線不透過性ミネラル(例えば、バリウム)が装着されたPEK組成物から形成され得る。また、可視化も、1つ以上の放射線不透過性マーカーバンド(例えば、白金マーカーバンド)を通して、提供され得る。マーカーバンド(複数可)は、表面置換装置42、44内に埋め込まれ得る(例えば、表面置換装置42、44に形成された空孔に挿入された放射線不透過性ロッド)、表面置換装置42、44の周囲の周りに挿入され得る、等である。
【0033】
表面置換装置42、44のそれぞれの表面置換体46に関連した、選択された材料、形状、および寸法は、表面置換体46が、天然椎間関節関節面の解剖学的形態と関連した、多面凹面と「一致」するために十分な、表面置換体46に対して適合性質を与える、または作成する。明確にしておきたい点は、図2の表面置換装置42、44実施形態で、表面置換体46は、対応する表面置換装置42、44の全体を形成することである。以下で説明される他の実施形態において、1個以上の追加の構成要素は、適合性の以下の説明が、具体的に表面置換体46に対して適用可能であるが、また全体として、表面置換装置42、44に対しても同等に適用し得るように、表面置換体46と共に含まれることができる。一般論として、「適合性」は、挿入の間、表面置換体46の曲げ剛性に反比例し、表面置換体46が、体温まで加熱するため増加し得、かつ変形可能である。臨床的観点から、表面置換体46の「適合性」は、関節のC形状またはJ形状部分の、曲率半径と適合する表面置換体46を伴う(例えば、図1Bの凹面形状上関節面26、または図1Bの凸面形状下関節面28)。参照のポイントとして、横断面のヒト椎間関節の最小の曲率半径は、下界(10パーセント点)約7mmを伴う、約20mmである。曲率半径は、脊椎レベル、および患者の具体的な解剖学的形態、ならびに疾患状態と共に変動する。また、表面置換装置42、44の挿入の前の椎間関節の準備は、曲率半径も変化し得る。7mmから無限の曲率半径の範囲(すなわち、平面椎間の解剖学的形態)は、本開示の表面置換装置42、44によって提供され得る。また、矢状面における曲率も存在し得、本開示の表面置換体46の適合性質は、実質的にいずれの矢状面曲率とも「一致」することができる。
【0034】
上記の理解を考慮して、表面置換体46の適合特徴は、表面置換体46が、図2で説明された比較的平らな状態から、挿入状態(例えば、示されてはいないが、図11Dに反映される)まで容易に移行するために、十分であり、そこで、表面置換体46は、表面置換体46が固定されている椎間関節面の自然発生的形状(例えば、湾曲部分の曲率半径)と実質的に一致する、または模倣する。この点において、椎間関節20(図1B)は、上下関節面26、28との間の界面の領域(図1B)で、圧縮力をもたらす様々な負荷を受ける、または様々な負荷を経験する。椎間関節20全体にわたるこれらの生理学的力は、活動、姿勢、身体負荷、および筋力に伴い変化し、立位で約7〜14%の身体負荷の傾向がある。しかしながら、手術/移植の間の前屈みの、わずかな屈曲位において、これらの負荷は、わずかゼロであり得る。表面置換装置42、44(およびしたがって、対応する表面置換体46)が挿入され、カプセル32(図1B)が張力を受けると、内在的な力が産生され、下にある軟骨および軟骨下骨の圧迫、わずかな屈曲、または層状の歪みが生じる場合があり、装置42、44のいくらかの厚さには対応するであろうが、装置42、44の全体的な厚さの大部分に対応するには、上椎間の分離/後方並進運動が必要とされるだろう。関節面26、28に対して正常であり、かつ関節面26、28の周囲の圧迫負荷は、関節カプセルが張力を受けるため、上椎間の分離/後側並進運動の際、産生される。表面置換体46の適合性質は、これらの典型的な圧縮力の存在下で、表面置換体46が比較的平らな状態から挿入状態まで移行し、そこで表面置換体46が、表面置換体46が固定される椎間関節表面の幾何学形状と実質的に適合する(すなわち、表面置換体46は、表面置換体46が適用される巨視的形状/天然関節面の曲線と一致するように曲げるが、天
然関節面の微視的変化とは適合し得ない、例えば、関節の準備の間の、軟骨欠損、骨の亀裂、または小さな空隙による小さな偏位(典型的に0.05〜0.5mmの幅)である)。これは、一椎間関節表面の仮想凹面領域の末端(例えば、上関節表面26)によって適用される、圧縮力として発生し、対向関節椎間上の対応する凸面表面の中央(例えば、下関節表面28)は、表面置換体46が、天然の解剖学的形態と適合するための歪みを生成する、表面置換体46上の曲げモーメントを産生する。
【0035】
本明細書を通して使用されるように、表面置換体が適用される1mmよりも大きい関節表面からの偏位無しで、正常な生理学的力下で、成人ヒト椎間関節の最小の曲率半径に適合する表面置換体(例えば、正味1mmの後部剪断並進運動と仮定し、分節当たり約180〜450N/mm)は、椎間関節の多面曲率と「適合可能」および「実質的に一致する」、と画定される。代替的に、また、成人ヒト椎間関節内への配置のための大きさであり、100N以下の適合係数(以下で説明される)を示す表面置換体は、本開示に従って、椎間関節の多面曲率と「適合可能」および「実質的に一致する」としても画定される。幾つかの実施形態において、本開示に従って、表面置換体は、50Nより大きくない適合係数を示し、他の実施形態において、25N以下の適合係数を示す。驚くべきことに、それは、PEEKの表面置換体46(および、したがって、図2の一実施形態の表面置換装置42、44のいずれか)を形成し、上述のフットプリントの大きさおよび厚さの寸法を用いて、所望の適合特徴、磨耗に対する長期的抵抗、および挿入後の椎間関節固定化を達成することが理解されている。
【0036】
表面置換体46、および、したがってシステム40は、様々な器具類セットまたはシステムによって、様々な様式で椎間関節に送達され、かつ椎間関節内に挿入され得る。ある有用な挿入工具セット150の構成要素は、図5に示され、送達カニューレアセンブリ152および押し工具154を含む。一般論として、送達カニューレアセンブリ152は、表面置換装置42、44の椎間関節への挿入操作が可能であるカニューレアセンブリ152および押し工具154と共に、押し工具154および表面置換装置42、44を、摺動自在に受容するための大きさである(図2)。工具セット150は、任意でさらに、ガイドピン156と保持キャップ158を含むことができる。
【0037】
送達カニューレアセンブリ152は、幾つかの構造において、カニューレ本体160、ガイドアーム162a、162b、およびハンドル164を含む。カニューレ本体160は、遠位端172で終結する遠位節170、および遠位端176で終結する近位節174を形成する、または画定する。最終的に、カニューレ本体160は、遠位および近位末端172、176間で延在する内部通路178(図6Aおよび6B)を形成する、かつ遠位および近位末端172、176に対して開く。
【0038】
図6Aおよび6Bを引き続き参照して、内部通路178は、表面置換装置42、44の組み合わせた大きさおよび形状に従った、大きさおよび形状である(図2)。より具体的に、内部通路178は、鏡の様な様式で配置される、または互いに積み重ねられる時、表面置換装置42、44を摺動自在に受容し、維持する大きさである。例えば、図6Cおよび6Dで示されるように、内部通路178は、下側表面置換装置44の関節面54に隣接する、上側表面置換装置42の関節面54と共に、表面置換装置42、44がそこで維持される大きさであり、形状である。したがって、内部通路178の高さは、表面置換装置42、44の組み合わせた厚さと一致する、またはわずかに大きい。幾つかの構造において、カニューレ本体160は、内部通路178内で突出する1個以上の内部肋骨部180(図6Bおよび6Dで最も良く示される)を形成する。例えば、図6Bは、間隙にある上位肋骨部180a、180bの対、および間隙にある下位肋骨部180c、180dの対を含む、一実施形態を図示する。数および配置にかかわらず、肋骨部(複数可)180は、内部通路178に対して、縦方向に延在し、対応する表面置換装置42、44の歯部5
2間で摺動自在に受容される大きさ(例えば、内部通路178中に突出する幅および距離または長さに関して)である(例えば、幾つかの実施形態において、歯部52の様々なものは、肋骨部180の一つが摺動自在に受容する大きさである表面置換装置42、44にわたるチャネルを、集合的に画定するために、互いに整列している)。したがって、図6Dに最も良く示されるように、肋骨部180の対向するもの同士の間の水平方向の間隙(例えば、肋骨部180a、180c間の間隙)は、表面置換装置42、44のベースウェブ50の組み合わせた厚さと一致する又はわずかに大きい。この構造によって、肋骨部180は、内部通路178を通して縦方向に移動する時、表面置換装置42、44を導く役割を果たし、そこで、それらの望ましくない回転を防ぐ。
【0039】
上記に加えて、内部通路178は、大径MAに対応する幅によって画定される(図3A)。例えば、表面置換装置42、44が、11mmの大径MAを有する場合、内部通路178は、約11.7mmの幅を有することができる。また、他の寸法は、表面置換装置42、44が、示される積層配置における、内部通路178内で摺動自在に維持され得る限り、許容可能でもある。
【0040】
図5に再び戻り、図6Eをさらに参照すると、遠位節170は、それらの使用および/または操作の間、工具セット150の所望の位置決めを促進する1つ以上の特性を含む、または形成する。例えば、カニューレ本体160は、第1の主要な表面182(また、図6Aでも同定される)および対向する第2の主要な表面184を有するものとして画定され得る。これを考慮して、スロット186は、幾つかの構造において、第2の主要な表面184に沿った遠位節170において、形成される。スロット186は、内部通路178に対して開いており、遠位端172から延在し、遠位端172に対して開く。スロット186は、近位側188と遠位側190との間で延在し、近位側188と遠位側190で終結し、以下で説明されるように、ピン156(図5)の対応する構成要素を摺動自在に受容する大きさである。
【0041】
スロット186に加えて、遠位節170は、図6Aに最も良く示されるように、第1の主要な表面182に沿って任意の肩部192をさらに提供する、または形成する。肩部192は、図で反映されるものとは異なる様々な形成を、取ることができ、より一般論として、遠位端172の拡大された停止表面194を画定する。停止表面194は、以下で説明されるように、挿入手順の間で、椎間関節に対して、ガイドアーム162a、162bの所望の位置決めを、より確実にするために構成される。他の実施形態において、肩部192は除外され得る。
【0042】
図6Eに再び戻ると、ガイドアーム162a、162bは、カニューレ本体160の遠位端172に接続しており、カニューレ本体160の遠位端172から延在し、それぞれ遠位先端部196a、196bで、それぞれ終結する。ガイドアーム162a、162bは、堅いが可撓性があり(メタルテープと同種)、図5および6Eの自然な、事前の挿入配置から、互いに離れて偏向できる。この構造によって、ガイドアーム162a、162bは、別の少なくとも対応する先端部196a、196bで、双方に接触する、またはほぼ接触する、遠位先端部196a、196bと共に、限定空間(例えば、椎間関節)中に容易に挿入可能である。次いで、積み重ねられた表面置換装置42、44(図6C)が、ガイドアーム162a、162b間で押し付けられるため、遠位先端部196a、196bは、カニューレ本体160の遠位端172で、偏向するガイドアーム162a、162bと共に、互いから離れて斜角を成す。
【0043】
スロット186は、示されるように、第2のガイドアーム162bの近位で終結できる。代替的に、第2のガイドアーム162bは、スロット186の延長としての役割を果たすスロット分節を形成できる。遠位先端部196a、196bに対するスロット186の
遠位側の配置(例えば、遠位側190)、ならびにスロット186の長さは、以下で説明されるように、カニューレアセンブリ152および押し工具154を通して、表面置換装置42、44(図2)の最適な挿入をもたらすために選択される。
【0044】
最終的に、図5を特に参照して、ハンドル164は、カニューレ本体160の近位端176から半径方向に延在する。内部通路178(図6A)は、ハンドル164の近位面200を通して延在し、ハンドル164の近位面200で開く。以下で説明されるように、ハンドル164は、使用者による工具セット150の操作の促進のみではなく、カニューレ本体160に対する押し工具154の運動を確実にする、または限定する役割も果たすように構成される。
【0045】
押し工具154は図7Aでより詳細に示され、一般的に空孔208を形成する細長い本体として形成され、遠位端210および近位端212を画定する。空孔208は、以下で説明されるように、ピン156(図5)の構成要素を摩擦で受容する大きさであり、表面置換装置42、44(図2)の配置を促進するために選択される遠位端210から、ある距離を置いて、所望の様式で形成される。押し工具154は、カニューレ本体160(図5)の内部通路178(図6A)内で摺動自在に受容される大きさであり、したがって、内部通路178のものと対応する大きさ、および形状を有する。カニューレ本体160が内部肋骨180(図6B)を形成する実施形態で、押し工具154は、肋骨部180のそれぞれのものを、摺動自在に受容する大きさである縦方向のチャネル214を形成できる。
【0046】
遠位端210は、積み重ねられた表面置換装置42、44(図6D)と結合するように構成され、幾つかの実施形態において、積み重ねられた表面置換装置42、44との、より頑丈な界面を促進する1つ以上の特性を組み込むことができる。例えば、遠位端210は、対向するねじ溝218a、218bとの間で画定される中枢フィンガー216を含む、または形成することができる。フィンガー216は、様々な形状および寸法を取ることができ、一般的に、対応する表面置換体46のノッチ82(図3A)に従った大きさである。一般的に、ねじ溝218a、218bは、同様に表面置換体46の終端72(図3A)の形状に従って、成形される。この構造によって、かつ図7Bで示されるように、遠位端210と、上側表面置換装置42の表面置換体46の終端72との隣接する接触(ならびに、さもなければ上側表面置換装置42の下で積み重ねられ、したがって、図7Bでは隠れている下側表面置換装置44の表面置換体46)は、ノッチ82内に入れ子と成るフィンガー216、およびねじ溝218a、218b内に配置される終端72を含む。この配置を用いて、遠位端210に対する、表面置換体46の望ましくない回転の機会は減少されるが、遠位端210と表面置換体46との十分な界面の表面積は、押し工具154が、接触された表面置換体46(および、したがって、共同装置として積み重ねられた表面置換装置42、44)を遠位に移動させるために、直ちに用いられ得るように、提供される。幾つかの構造において、フィンガー216は工具154と共に提供され、ノッチ82は表面置換体46によって形成され、代替的に、表面置換体46は、対応するノッチを形成する押し工具154と共に、フィンガーを含むことができる。他の実施形態において、フィンガー216は、装置42、44が、押し工具154(および、したがって、表面置換された椎間関節)に対して、押され、引っ張られ得るように、押し工具154と表面置換装置42、44との、より固定した(しかし取り外し可能)付着を提供するように構成される。
【0047】
図5に再び戻ると、任意のガイドピン156は、シャフト220およびグリップ222を含む。シャフト220は、スロット186を通して挿入可能である大きさであり(例えば、シャフト220の直径は、スロット186の幅よりも小さい)、押し工具154の空孔208で、受容され、摩擦で維持される大きさである。グリップ222は、スロット1
86が形成されるカニューレ本体160壁の厚さよりも大きいシャフト220の長さと共に、スロット186よりも大きい寸法である(例えば、グリップ222はスロット186を通過できない)。この構造によって、シャフト220は、スロット186を通して挿入され得(例えば、使用者によって手動で、さもなければ、グリップ222でピン156を握る)、押し工具154と係合し得る。カニューレ本体160に対する、押し工具154の摺動によって、次いで、シャフト220はスロット186内で摺動し、遠位側190との接触の際、シャフト220は、押し工具154のさらなる遠位運動を防ぐ。ガイドピン156は、空孔208からシャフト220を手動で撤回することによって、押し工具154/カニューレ本体160から除去され得る。代替的に、シャフト220は、押し工具154からの永久的な突出として形成され得、個別のガイドピン156は除去される。
【0048】
挿入手順の前、工具セット150は、表面置換装置42、44(図2)内に装着される。特に、押し工具154は、図8Aに示されるように(説明の目的として、ピン156(図5)のグリップ222(図5)は除外される)、スロット186内に摺動自在に配置されるシャフト220と共に、カニューレ本体160の内部通路178(図6B)内に、摺動自在に配置される。説明を簡単にするために、押し工具154の装着は、表面置換装置42、44の装着の前に発生するものとして、説明される。幾つかの実施形態において、しかしながら、表面置換装置42、44は、初めに内部通路178中に配置され、後に押し工具154が続く。押し工具154の近位端212(図5)は、ハンドル164(図5)の近位面200(図5)を越えて、外側に(近位で)突出する。さらに、押し工具154は、シャフト220が、スロット186の近位側188に隣接して位置するように、カニューレ本体160に対して配置される。押し工具154の遠位端210は、したがって、カニューレ本体160の遠位端172から間隔が空いている。送達カニューレアセンブリ152内に一度配置されると、押し工具154は、キャップ158(図5)または近位端212に取り付けられている他の構造を通して、それに対して確保され得る。キャップ158は、カニューレ本体160に対する押し工具154の次の操作のために、使用者によって握られるように拡大された表面を提供する。ピン156が、押し工具154およびカニューレ本体160から撤回可能である場合、積み重ねられた表面置換装置42、44および押し工具154は、遠位端172を通して近位に、または近位端176を通して遠位に(図5)、カニューレ本体160中に挿入され得る。
【0049】
積み重ねられた表面置換装置42、44は、図8Bに示されるように、カニューレ本体160の内部通路178中に挿入される(ならびに、図6Cおよび6D)。この点において、積み重ねられた表面置換装置42、44(その1つは、スロット186を通して図8Bで、部分的に可視である)は、遠位端172を通して挿入され得、押し工具154の遠位端210に向かって近位に摺動され得る。遠位端210は、上述のように、対応する表面置換体46の終端72を、表面置換装置42、44と係合し、したがって、カニューレ本体160内に完全に位置する、または配置される。より具体的に、幾つかの実施形態において、スロット186の近位側188とカニューレ本体160の遠位端172との距離は、積み重ねられた表面置換装置42、44の長さと、押し工具154およびシャフト220の遠位端210の距離との組み合わせよりも短い、または近い。したがって、シャフト220が、スロット186の近位側188であるように位置する押し工具154を用いて、押し工具154の遠位端210を伴う表面置換体46の隣接は、表面置換装置42、44が、カニューレ本体160内で完全に維持されることを確実にする。
【0050】
挿入手順の間、押し工具154は、スロット186内で摺動されるシャフト220と共に、送達カニューレアセンブリ152に対して遠位に移動される。図8Cに示されるように、送達カニューレアセンブリ152に対して、押し工具154の最も遠位である運動は、スロット186の遠位側190に隣接するシャフト220を用いて達成される。この点において、ガイドアーム162a、162bの遠位先端部196a、196b(低いガイ
ドアーム162bおよび対応する先端部196bのみが、図8Cの図で可視であることを理解されたい)と、スロット186の遠位側190との距離は、遠位側190でのシャフト220を用いて、少なくとも主要な表面置換体46(その1つは図8Cで可視である)が、遠位先端部196a、196bを越えて遠位に押し進められるように、フィンガー216(図8Cでは隠れているが、図7Bで可視可能)と、シャフト220との距離と一致する。したがって、図8Cの配置される位置において、表面置換体46は、本質的に(しかし、完全にではない)工具セット150から配置される。スロット186の遠位側190を用いたシャフト220の係合は、カニューレ本体160に対して、押し工具154のさらなる遠位運動を防ぐ。したがって、工具セット150を遠位に越える(および、おそらく椎間関節20を越える)、表面置換体46の配置を超えることを防ぐ。
【0051】
上述の工具セット150は、本開示によって想定される1つの可能な構成であるが、さもなければ、椎間関節内に、表面置換装置42、44を配置することにおいて有用である。他の工具セットおよび/または構成要素は、挿入手順の一部として用いられ得る。実際、本開示で記載される組立部、工具、および方法は、動作分節椎間関節の後側に接近する具体的な方法には限定されない。例えば、腰部椎間に提供される療法と比較して、頸部椎間は、冠状角度のため、異なる操作的進入路(例えば、後方進入路対後側外側進入路)、ならびに変更された接近および準備工具、表面置換体寸法を必要とし得る。加えて、便宜上、本開示に記載されるように、例示的工具は、一般的に線状であり、堅いが、それはむしろ、特定の関節療法および操作的進入路を促進することが期待されるからであり、幾つかの、または全ての器具類システムが、必要に応じ、適切であれば、曲線または可撓のいずれかまたは双方に、全てまたは一部が構成され得ることを理解されたい。
【0052】
本開示の特定の椎間関節治療方法に従って、注意は、手術部位への接近および手術部位の準備において示され、内側/後側および外側整列の維持を助け、手術の促進を助け、かつ正確性を促進するために、適切な数字として、ミリメートルの単位で印を付け、特に、椎間関節内の表面置換体46の正確な配置および整列に関する、器具類の使用を助けるために、画像システム、例えば、両平面蛍光透視法の使用を含む。
【0053】
本開示の幾つかの例示的方法において、患者は腹臥位に配置され、X線画像機器は、手順が透視下で行われるように、前後(AP)平面および外側平面双方の画像を提供するために、組み立てられる。図9を参照して、蛍光透視法または画像ガイダンスを使用した、椎間関節20カプセルおよび関節間腔への接近は、ガイドワイヤまたは針250を、軟組織を通して進行させる、かつ関節の主関節接近の末端と対応する点で、椎間腔20中にガイドワイヤ250の先端部252をドッキングすることによって達成される。造影剤は、特に最初は、ガイドワイヤ250の位置を確かめるために注入され得るが、経験と共に、適切なガイドワイヤ配置の確認は、感触および前後および外側の投射を見ることによって、得ることができる。患者に対して、臨床医が、頭側から腰椎の仙骨まで、および仙骨から頚椎の頭側まで作業することは典型的である。皮膚侵入の点と、椎間関節20の末端でのドッキングとの間で形成される関節接近路は、表面置換されるために、典型的に椎間関節20であるが、代替的に、最適な挿入軌道および配置を可能にする、計画的表面置換の椎間関節20の侵入点から離れた1つ以上の動作分節レベルを、開始することができる。より進行した退行性変化を患う患者において、後側椎間上の骨棘は、より良い視覚化を提供するために、椎間の解剖学的形態の画定を助けるために、かつ本開示で明らかにされるように、療法を可能にする好適な表面を提供するために、除去され得る。
【0054】
L5−S1分節椎間関節の後側等の、脊椎上の後側標的部位への接近および準備、およびその後の配置療法、例えば、上述の配置された表面置換装置は、経皮的侵入に続いて行われ得る、例えば、刺切創の手段(切開の部位は、個々の患者の解剖学的形態によって、変化し得る)、本明細書で記載されるように、ガイドワイヤ、延在器、カニューレ、挿入
工具セットを含む器具類システムのその後の挿入の手段によって行われ得る。
【0055】
本開示の背景において、「経皮的(percutaneous)」という用語は、他の医療分野からのいずれの特定の関節手順も含意すること無く、経皮的(transcutaneous)または経皮性(transdermal)として、患者の接近点からの皮膚を通して後側標的点までを意味する。しかしながら、経皮的は観血手術接近とは異なり、皮膚の経皮的開口は、全体で4cm、好ましくは2cmよりも小さいように、好ましくは最小化される。経皮的経路は、一般的に、X線撮影または蛍光透視機器によって視覚化されるように、椎間関節20を通して、かつ椎間関節20中に、および関節腔中に、後側標的点から延在している穿孔と整列している。
【0056】
椎間関節20が一度位置付けられると、関節カプセルを通して、かつ関節腔中への最適な軌道を達成するために、調製が加えられ、再度それは、蛍光透視鏡を使用して、APおよび外側平面において検証される。円錐、テーパー遠位端256を有するカニューレが挿入された延在器254は、作業チャネルに対して皮下腔を作成するために、椎間関節20の侵入点中にガイドワイヤ250を越えて進行される。ハンマーまたは木槌は、椎間関節20中にカニューレが挿入された延在器254をドッキングするために使用され得る。例えば、他の解剖学的に位置付けられた関節療法の必要に応じて、このプロセスは、必要に応じて連続して繰り返され得る、すなわち、接近路を引き続き拡大するために、より大きな直径のカニューレが挿入された延在器を続いて挿入することによることを理解されたい。拡大されたガイドカニューレ258は、図10Aで示されるように、カニューレが挿入された延在器254を越えて、かつ椎間関節20中に任意で挿入され得る。ガイドカニューレ258内からの、およびガイドワイヤ250(図9)上の後ろからの、ならびに患者からカニューレが挿入された延在器254の非ドッキングおよび除去の際、ガイドカニューレ258は、手術部位までの軟組織接近路を通して、保護ポータルを提供する作業カニューレとしての役割を果たすために一時的に残され、それに対して、その後の器具は、標的椎間関節20に静脈内軟組織を通して送達され得る。例えば、図10Bにおいて、カニューレ本体160は、ガイドカニューレ258を越え、ガイドアーム162a、162bを遠位に指示しながら、椎間関節20中に挿入され得る。遠位運動は、図10Cで示されるように、肩部192が脊椎構造に接触するまで継続する。ガイドカニューレ258(図10B)は、カニューレ本体160から撤回され、治療システム40(図2)および押し工具154(図5)は、以下で説明されるように、カニューレ本体160中に装着される。他の実施形態において、カニューレ本体160が挿入されるアウターガイドカニューレは、ガイドカニューレ258の配置において利用され得る。
【0057】
幾つかの実施形態において、椎間関節20中へのチャネルおよび椎間関節20の全体にわたるチャネルは、ガイドワイヤ250(図5)の上に配置されるドリル、バール、または手動工具(図示されていない)を通して、軟骨または他の組織を除去することによって形成され得る。他の実施形態において、しかしながら、椎間関節20からの組織の除去は、表面置換システム挿入手順の一部として行われない、または必要とされない。つまり、椎間関節人工装具移植および/またはキャッピング手順と比較して、本開示の方法は、多大な時間を必要とせず、組織(例えば、骨)除去において外傷性ではなく、かつ/または椎間関節関節面再構築(例えば、図1Bの上および/または下関節面26、28)の必要はない。さらに、関節面26、28を明らかには破壊しないことによって、面26、28間の望ましくない癒着の可能性は、大幅に減少される。
【0058】
組織除去ステップが行われるかにかかわらず、配置済みのカニューレ本体160を用いて、ガイドカニューレ258が除去される。図11Aに示されるように、カニューレ本体160は、椎間関節20の上下関節面26、28に沿って摺動し、椎間関節20の上下関節面26、28間で摺動するガイドアーム162a、162b(かつ、それらの曲率と適
合する)を用いて、椎間関節20に向けられる。工具セット150の遠位配置は、肩部192が関節カプセル32(および/または関節カプセル32を囲む骨)に接触するまで継続する。したがって、肩部192は、椎間関節20の外側、または椎間関節20を越えるガイドアーム162a、162bの明白な運動または配置(侵入点の反対)を防ぐ、役割を果たす。表面置換装置42、44(図11Aに隠れている)は、押し工具154に沿って、カニューレ本体160中に装着される。押し工具154は、上述のように、ピン156およびキャップ158を通して、カニューレ本体160に対して確保される。
【0059】
押し工具154は、次いで、送達カニューレアセンブリ152に対して遠位駆動し、それによって、図11Bで示されるように、ガイドアーム162a、162bに沿って、表面置換装置42、44をカニューレ本体160から椎間関節20中に配置する(説明を簡単にするために、押し工具154は、図11Bの図から除外される)。上述のように歯部52の挿入位置付けは、歯部52が、示される方向で、対応する表面置換体46の挿入を明らかに妨害しないように位置付けられる(すなわち、歯部52の斜めの位置付けは、歯部52が、対応する関節表面26、28に沿って摺動するように、挿入の方向と合致する)。上述のように図8Bを参照して、押し工具154の遠位運動は、ピン156がスロット186の遠位側190に接触することによって、および/またはキャップ158(図5)がハンドル164に接触することによって抑制される。押し工具154の遠位運動の最後には、表面置換体46の一部は、ガイドアーム162a、162bの遠位端196a、196bを遠位に越える。そのように暴露されている歯部52は、工具セット150(および、特にカニューレ本体160)が、次いで取り除かれるため(例えば、椎間関節20から撤回されるガイドアーム162a、162b)、図11Cで示されるように、ガイドアーム162a、162bが、対応する表面置換装置42、44上で摺動し、表面置換装置42、44が、椎間関節20内の配置場所に残存するように、挿入の方向とは反対の方向において、対応する関節面26、28(例えば、表面26、28を覆う軟骨30)に埋め込まれる。
【0060】
椎間関節20内の椎間関節治療システム40の最終配置は、図11Dに反映される。上側表面置換装置42の歯部52は、椎間関節20の上関節面26(例えば、上関節面26を覆う軟骨30)と摩擦で係合し、下側表面置換装置44の歯部52が、下関節面28(例えば、下関節面28を覆う軟骨30)と摩擦で係合する。さらに、対応する表面置換体46のそれぞれは、事前の挿入、比較的平らな状態から、表面置換体46が、対応する関節面26、28の巨視的幾何学形状または曲線(例えば、多面曲率(複数可))と実質的に一致する、または適合する挿入状態へと移行する。特に明記されない限り、椎間関節20と関連する正常な圧縮力に応じて、上側表面置換装置42の表面置換体46は、上関節面26の複雑な形状と適合する、または実質的に一致する、下側表面置換装置44の表面置換体46は、下関節面28の形状と同様に適合する、または実質的に一致する。また、摺動界面も、表面置換体46の関節面54間で確立され、それによって、有痛性の骨骨相互作用を除去すると同時に、正常な、またはほぼ正常な椎間関節運動を提供する。より具体的に、上側表面置換装置42の関節面54は、下側表面置換装置44の関節面54に対して耐え、かつ摺動可能である。ベースウェブ50の組み合わせられた厚さは、椎間関節20のほぼ正常な関節の間隙を再確立し、椎間関節20の全体の安定性を向上する。所望の場合、追加の椎間関節治療システム40は、患者の他の椎間関節中に挿入され得る。
【0061】
本開示の椎間関節治療利点は、上述のものとは異なる椎間関節治療システムを用いて達成し得る。例えば、図12A−12Cは、本開示の原則に従って、表面置換装置300の別の実施形態を説明する。参照のポイントとして、また、上述のように、表面置換装置300と同一であり得る第2の表面置換装置(示されていない)は、椎間関節治療システムを形成することにおいても提供される。これを考慮して、表面置換装置300は、先で説明された表面置換装置42、44(図2)と同様であり、ベースウェブ304および複数
の歯部306を有する表面置換体302を備える。ベースウェブ304は、最終挿入の際、関節面としての役割を果たす第1の主要な表面308を画定する。複数の歯部306は、ベースウェブ304の対向する第2の主要な表面310から突出し、示されるパターンおよび位置付けを有する。表面置換体302の次の挿入は、歯部306が、摩擦でおよび/または機械で、天然椎間関節関節表面と係合し、それによって、椎間関節内で表面置換装置300を固定する。
【0062】
さらに、本開示の原則に従った、椎間関節治療システムの一部として有用である、表面置換装置330の別の実施形態が、図13A−13Cで示される。表面置換装置330は、先で説明された表面置換装置42、44(図2)と同種であり、ベースウェブ334および複数の歯部336を有する表面置換体332から成る。再度、ベースウェブ334は、椎間関節への最終挿入の際、関節面としての役割を果たす第1の主要な表面338を形成する、または画定する。複数の歯部336は、ベースウェブ334の第2の主要な表面340から突出し、示されるパターンおよび位置付けを有する。先の実施形態のように、挿入の際、歯部336は、摩擦および/または機械で、天然椎間関節関節表面と係合し、それによって、椎間関節内で表面置換装置330を固定する。
【0063】
さらに、本開示の原則に従った、椎間関節治療システムの一部として有用である、表面置換装置350の別の実施形態が、図14A−14Cで示される。表面置換装置350は、先で説明された表面置換装置42、44(図2)と同種であり、ベースウェブ354および複数の歯部356を有する表面置換体352から成る。ベースウェブ354は、椎間関節への最終挿入の際、関節面としての役割を果たす第1の主要な表面358を形成する。歯部356は、ベースウェブ354の第2の主要な表面360から突出する。図14A−14Cの構成で、第2の主要な表面360は、一連の突起部362を形成する。歯部356は、突起部362を越えて突出し、天然椎間関節関節面と、頑丈で活動的な界面を確立する役割を果たす。さらに、突起部362は、椎間関節への挿入の際、表面置換体352の「後退」または後方突進に対して、追加の抵抗を提供する。
【0064】
関連する本開示に従った、椎間関節治療システムの一部として有用である、表面置換装置380の別の実施形態が、図15A−15Cで示される。表面置換装置380は、椎間関節への最終挿入の際、関節面としての役割を果たす第1の主要な表面386を形成する、ベースウェブ384を有する表面置換体382から成る。図15A−15Cの実施形態で、関節面386は凸面である。ベースウェブ384の対向する第2の主要な表面388は、示される位置付けを有する一連の突起部390を形成する。より具体的に、突起部390は、天然椎間関節関節表面に沿った表面置換体382の容易な挿入を促進する角度位置付けを有するが、挿入の後に表面置換体382の「後退」に対して明らかに抵抗する。最終的に、ベースウェブ384は、分離挿入器具(示されていない)への付着を提供する1つ以上の空孔392を、形成できる。
【0065】
上述の表面置換体は、天然椎間関節関節表面上への固定をもたらすために、歯部および/または突起部に頼るが、他の構造において、追加の付着特性が提供されてもよい。例えば、図16Aおよび16Bは、本開示に従って、椎間関節治療システムの一部として有用である、表面置換装置400の別の実施形態を説明する。表面置換装置400は、表面置換体402およびタブ404を含む。表面置換体402は、いずれの上述の表面置換体とも同種であり、したがって椎間関節内の挿入のための大きさであり、形状である。タブ404は、表面置換体402から延在し、椎間関節への表面置換装置400の追加の固定を促進するために構成される。この点を考慮して、表面置換体402は、ベースウェブ406および複数の歯部408を含む。ベースウェブ406は、最終挿入の際、関節面としての役割を果たす第1の主要な表面410を形成する、または画定する。歯部408は、ベースウェブ406の第2の主要な表面412から突出し、示されるパターンおよび位置付
け、または上述のいずれの他の構成も有することができる。
【0066】
タブ404は、表面置換体402、例えば、ベースウェブ406の継続と共に、一体に形成され得る。幾つかの実施形態において、頸部領域414は、表面置換体402と、表面置換装置400の周りの軟組織の閉鎖を可能にするタブ404との間の移行で、画定される。さらに、表面置換体402に対して、タブ404の屈曲を可能とし、かつ/またはタブ404が所望されない状況下で、切断のためのガイドの役割を果たす窪み部416が画定され得る。いずれにしても、タブ404は、縫合間隙418および/またはスクリュー穴420を、任意で形成する。縫合間隙418は、1つ以上の縫合糸(示されていない)を用いて、椎間関節カプセルまたは他の周囲組織への、タブ404、およびしたがって表面置換装置400の固定を可能とする大きさ、および位置である。スクリュー穴420はそれぞれ、それぞれの骨スクリュー(示されていない)を受容する大きさであり、さもなければ、タブ404、およびしたがって表面置換装置400を、治療が行われる椎間関節の骨性構造、または治療が行われる椎間関節に隣接する骨性構造中に取り付ける。
【0067】
椎間関節への表面置換装置400の挿入は、上述のように行うことができ、典型的に、積層配置の2個の表面置換装置400の同時挿入をもたらす。一度、表面置換体402が、椎間関節内に、所望される通り位置決めされると(例えば、天然椎間関節関節表面と接触する歯部408、および天然椎間関節幾何学形状と、さもなければ適合する表面置換体402)、タブ404は、治療が行われる椎間関節に対して、関節カプセルまたは他の周囲組織中に縫合間隙418を通して通される縫合糸(図示せず)および/またはスクリュー穴420を通して、骨中に配置される骨スクリューを介して、機械的に取り付けられる。代替的に、タブ404によって提供される追加の安定が必要ではない場合、タブ404は、表面置換体402から、上述するように簡単に除去(例えば、カット)され得る。
【0068】
表面置換体402は、より一般的に、任意の付着タブ404を提供するとして説明される、表面置換装置400と共に、本開示の他の部分で説明される、いずれの形成も取ることができる(例えば、図2の表面置換体46)。つまり、タブ404(または、他の場所で説明される他のいずれのタブ構成要素)は、本開示で説明される他のいずれの表面置換体構成とも組み込まれることができ、その逆もまた可能である。表面置換装置400と同種であり(すなわち、装置を椎間関節に取り付けるのに役立ち得る表面置換体および追加の構成要素(複数可)を含む)、本開示に従った、椎間関節治療システムの一部として有用である表面置換装置420の別の例は、図17Aおよび17Bで示される。表面置換装置420は、表面置換体422およびタブ424を含み、表面置換体422は、示されるように、突起部426を形成し、提供する。表面置換装置430の関連する実施形態は、図18Aおよび18Bで示され、また、表面置換体432およびタブ434も含み、表面置換体432は、スクリューの様な表面を作成する深いフィン部438を有するキール構造436を形成する、または提供する。最終的に、表面置換装置440は、図19Aおよび19Bで示され、表面置換体442およびタブ444を含み、表面置換体442は、全ての方向における遊走を防ぐ円形固定グリッド446を形成する、または提供する。
【0069】
上述の表面置換装置400と同種であり(図16Aおよび16B)、本開示に従った、椎間関節治療システムの一部として有用である表面置換装置450のさらなる別の実施形態は、図20Aおよび20Bで示される。表面置換装置450は、表面置換体452およびタブ454を含む。表面置換体452は、先で説明された、いずれの形成も有することができ、タブ454は、そこから突出し、椎間関節に対して表面置換装置450の安定を促進する、様々な特性(例えば、スクリュー穴456)を形成する。20Aおよび20Bの図の構造で、タブ454は、表面置換体452の軸に対する角度で、延在する。斜めのタブ構造は、椎間関節内で表面置換体452のより容易な挿入、ならびに表面置換装置450の椎間関節カプセルへの確保を促進できる。
【0070】
本開示に従った、さらなる別の椎間関節治療システム500は、図21A−21Cで示され、上側表面置換装置502および下側表面置換装置504を含む。表面置換装置502、504は実質的に同一であり、それぞれ、ベースウェブ510、512および係合構造514、516を有する、それぞれ表面置換体506、508から成る。上側表面置換体506の第1の主要な表面518は、上述のように、表面置換体506、508が挿入される椎間関節関節面の曲線または幾何学形状と、実質的に一致するのに十分な適合性を示すそれぞれのベースウェブ510、512と共に、下側表面置換体508の対応する主要な表面520と、摺動自在に結合するように構成される(例えば、関節接合)。係合構造514、516は、示されるような形状および配置を有する突出するフィン522を含む。図21A−21Cの椎間関節治療システム500で、挿入技術は、積み重ねられた表面置換装置502、504の係合構造514、516を受容する大きさであるチャネルを形成するために、椎間関節の事前の穿孔を含むことができる。
【0071】
椎間関節治療システム550の関連する実施形態は、図22Aおよび22Bで示され、上下側表面置換装置552、554を含む。示されるように、下側表面置換装置554の表面置換体556は、凸面表面560を有する拡大されたフランジ558を形成する。上側表面置換装置552の表面置換体562は、椎間関節への最終挿入の際、凸面表面560に対して摺動自在に結合する、または関節接合する対応する凹面表面(図中に隠れている)を有する。
【0072】
別の実施形態の椎間関節治療システム570が図23に示され、上下側表面置換装置572、574を含む。表面置換装置572、574は、幾つかの構造において同一であり、画鋲に類似している。したがって、上側表面置換装置572は、表面置換体576および基部578を含み、同様に、下側表面置換装置574は、表面置換体582および基部584を含む。表面置換体576、580は、全方向性であり、対立する関節面を提供する。表面置換装置572、574は、対応する関節椎間骨内への基部578、582の埋め込みを介して、椎間関節20内で安定している。
【0073】
さらに別の実施形態の椎間関節治療システム590が図24Aに示され、表面置換装置592およびリテーナ594を含む。椎間関節治療システム590は、軸受面596を提供する表面置換装置592を伴って、前後挿入に適する。保持装置594は、表面置換装置592内に形成された対応するスロット(図示せず)内へのその先端598の挿入を介して、表面置換装置592に選択的に取り付けられる。さらに、保持装置594は、骨構造との頑丈な付着に適しており、外部ねじ山600を含むか、または形成する。
【0074】
図24Bに示されるように、椎間関節20への治療システム590の挿入は、関節面26と28との間の関節カプセル32内への表面置換装置592の初期挿入を伴う。保持装置594は、示されるように、ねじ山600を上関節椎間22の骨塊内に埋め込んで、上関節椎間22を通して指示される。保持装置594の強制的ねじ切りは、先端598が表面置換装置592に係合するまで続き、椎間関節20に対する表面置換装置592の積極的固定を確立する。
【0075】
さらに別の実施形態の椎間関節治療システム620が図25Aおよび25Bに示され、表面置換装置622および保持装置624を含む(図25Bに示される)。表面置換装置622は、以下に説明されるように、関節スペーサとしての機能を果たし、様々な材料で形成され得る。幾つかの実施形態において、表面置換装置622は適合可能であり、図25Aで説明される形状に一般的に類似している形状を有する。幾つかの構造において、表面置換装置622は、先導部分626、中央部分628、および後端部分630によって画定される均質本体である。先導および中央部分626、628は、一般的に椎間関節の
予想される輪郭に従って成形される。後端部分630は、中央部分628から突出し、保持装置624と整合する1つ以上の特性を提供する。例えば、保持装置624が骨螺旋または同様の構成要素である実施形態では、後端部分630は、保持装置624が受容されるところを通って空孔632を形成することができる。
【0076】
図25Cに示されるように、椎間関節20への表面置換システム620の挿入は、関節椎間22と24との間に、表面置換装置622の一部(例えば、先導および中央部分626、628)を挿入することを含む。後端部分630は椎間関節20から突出し、保持装置624を介して脊椎骨に付着される。したがって、表面置換装置622は、天然関節表面の1つ(または両方)を被覆する役割を果たし、正常に近い関節間隔を確立するのを補助する。図示されていないが、第2の表面置換装置622は、2つの表面置換装置622が椎間関節20の動作を伴って相互に連接して、同様の様式で椎間関節20内に挿入され得る。
【0077】
以下の実施例および比較例は、本開示の表面置換体および表面置換体の様々な特徴を判定するために行われる試験をさらに説明する。実施例は、本開示の理解を促進するための例示的目的のために提供され、本開示を実施例に限定すると解釈されるべきではない。
【0078】
実施例および比較例
適合係数試験
表面置換装置は、厚さまたは形態の範囲を有することができるので、材料特性(例えば、係数)とは対照的に、構造特性が適合性の尺度として求められる。しかしながら、屈曲剛性等の構造剛性の基本的な工学尺度は、変形過程の組み合わせが解剖学的形状(例えば、弾性変形、プラスチック変形、クリープ、関節等)に適合することに関与し得るため、不十分である。この背景を念頭に置いて、試料が凸面プローブと凹面溝との間で屈折および圧縮され、かつ試料の適合係数が判定され得る適合性試験が確立された。特に、凹面溝は、磨かれたステンレス鋼材料塊内で形成され、7.1mmの半径および9mmの弦長を有する。参照のポイントとして、本発明者による研究は、典型的な成人ヒト椎間関節の最小曲率半径は7mmであり、かつ適切な表面置換体は、9mmの最小長(例えば、大径)を有することを見出した。したがって、適合性試験と関連する凹面溝は、「最悪状態」の移植環境を示す。評価される表面置換体は、凹面溝上の材料塊上に設置される。5.5mmの曲率半径を有する硬い材料(例えば、Delrin(登録商標))で形成される凸面端のインパウンダプローブは、軸負荷機械(例えば、Eden Prairie,MNのMTS System Corp.の858Mini Bionix(登録商標)Test System)に取り付けられ、かつ表面置換体/凹面溝状に配置される。次に、軸装着機械は、凸面インパウンダが増加的に増加する負荷を表面置換体に印加させ(例えば、0.05mm/sの速度で)、交代で、表面置換体が圧縮負荷を介して凹面溝内に屈折させるように操作される。凹面溝への表面置換体の完全な移動が確保されるか、および/または最大負荷(例えば、500N)が達成されるまで試験を続けて、プローブの印加負荷および軸移動を定期的に記録する。
【0079】
記録したデータから、表面置換体が最初に完全に凹面溝曲率に適合する印加負荷として適合係数を判定する。この点において、試験を通じての表面置換体の移動は、2つのはっきりと異なる段階によって特徴付けられる負荷移動曲線を確立する:1)凹面溝内への表面置換体の曲げによって支配される、曲げ領域、および2)溝とインパウンダとの間の表面置換体の圧縮によって支配される、圧縮領域。必ずしも完全に線形ではないが、線形曲線をそれらの領域の各々に適合することができる。それらの2つの曲線の間の「変曲点」(または交差点)は、表面置換体が曲げから圧縮へ移行する点を表し、したがって、凹面への初期の完全適合に近づける。そのように判定される「変曲点」に対応する印加負荷は、考慮の下側表面置換装置に対する適合係数に指定されている。
【0080】
実施例
それぞれ9mmの大径を有する、3つの試料表面置換体空(すなわち、滑らかなディスク)の複数の組をPEEK材料から準備した。第1の組の3つの試料の各々を、0.25mmの厚さに形成した(「実施例A」)。第2の組の3つの試料の各々を、0.38mmの厚さに形成した(「実施例B」)。第3の組の3つの試料の各々を、0.51mmの厚さに形成した(「実施例C」)。
【0081】
比較例
それぞれ9mmの大径および1.02mmの厚さを有する、3つの試料表面置換体空(すなわち、滑らかなディスク)の一組をPEEK材料から準備した(「比較例」)。
【0082】
実施例および比較例試料の各々を、上述の適合性試験ならびに変曲点方法論によって判定される適合係数に供した。結果を以下の表に提供する。
【0083】
【表1】

【0084】
上記の試験結果から、実施例は、本開示に基づいて適合可能であることが見出され、それぞれが、100N以下の適合係数を示した(例えば、実施例Aは、2.7Nの平均適合係数を有し、実施例Bは、7.7Nの平均適合係数を有し、実施例Cは、20.2Nの平均適合係数を有した)。比較例は、154.5Nの平均適合係数を有し、したがって、本開示に基づいて「適合可能」ではないと見なされた。
【0085】
本開示が好ましい実施形態に関連して説明されたが、当業者は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細において変更することができることを認識する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の椎間関節を治療するシステムであって、前記椎間関節の解剖学的形態は、対向する上下の関節面を含み、前記システムは、
椎間関節の上関節面の形状と適合する形状に選択的に移行するように構成された上側表面置換体を備えた上側表面置換装置と、
前記上側表面置換装置から離れており、椎間関節の下関節面の形状と適合する形状に選択的に移行するように構成された下側表面置換体を備えた下側表面置換装置と、を有し、
前記表面置換体のそれぞれは、比較的平らな状態から、前記表面置換体が、典型的なヒト成人の椎間関節の圧縮力の存在下で、対応する椎間関節関節面のいずれの多面曲率とも実質的に一致する挿入状態へと移行するのに十分な可撓性を示す、システム。
【請求項2】
前記表面置換体のそれぞれは、前記各表面置換体の主要な表面への、ヒト成人体重、筋肉組織、および関節包靱帯によって加えられる通常の力に応じて、比較的平らな状態から挿入状態へと移行するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記表面置換体のそれぞれは、前記挿入状態で、少なくとも20mmの曲率半径と適合するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記表面置換体のそれぞれは、固着面および関節面を画成し、前記システムは、椎間関節への挿入の際、前記関節面が、摺動界面で相互に当接するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記表面置換体のそれぞれは、5〜13mmの範囲の大径および4〜11mmの範囲の小径によって画成された円盤状形状を画成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記表面置換装置のうちの少なくとも1つは、前記椎間関節の上関節面と下関節面との間の界面の領域の外で骨を取り付けるための、前記対応する表面置換体から延在するタブをさらに含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記表面置換体は同一である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記表面置換体のそれぞれは、0.25〜4mmの範囲の全体の厚さを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記表面置換体のそれぞれは、100N以下の適合係数を示す、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記表面置換体のそれぞれは、プラスチックから形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記プラスチックは、ポリエーテルケトン系プラスチックである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記表面置換体のそれぞれは、
対向する第1および第2の主要な表面を形成するベースウェブと、
前記第2の主要な表面から突出する複数の歯部と、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記歯部のうちの少なくとも1つは、先端面および終端面によって画成され、
前記少なくとも1つの歯部が、第2の反対方向と比較して、第1の方向での対応する椎間関節関節面に対して、前記対応する表面置換体の移動に対してより明らかに抵抗するように、前記先端面および前記第1の主要な表面の平面によって画成される角度は、前記終端面および前記第1の主要な表面の前記平面によって画成される角度よりも小さい、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の歯部は、
第1の歯部セットであって、前記第1の歯部セットの各歯部が、前記第2の主要な表面に対する第1の延在角度を定義する、歯部セットと、
第2の歯部セットであって、前記第2の歯部セットの各歯部が、前記第1の延在角度とは異なる前記第1の主要な表面に対する延在角度を定義する、歯部セットと、を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記ベースウェブは、先端、終端、および対向側面を有する周囲を画成する楕円状形を有し、さらに、前記第1の歯部セットは、前記先端および終端に、および前記先端と終端との間に形成され、前記第2の歯部セットは、前記対向側面のうちの1つに形成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の歯部は、前記対向側面のもう一方に形成される第3のセットの歯部をさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の歯部セットの各歯部は、前記先端により近接している先端面と、前記終端により近接している終端面とを含み、前記先端面および終端面は、前記第1の主要な表面の反対の先端で交差し、さらに、前記先端面の長さは、対応する歯部が前記先端から前記終端への前記対応する表面置換体の挿入方向を画成するように、前記終端面の長さよりも大きい、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記ベースウェブは、実質的に均一な厚さを画成し、前記複数の歯部は、前記先端に近接する第1の歯部および前記終端に近接する第2の歯部を含み、前記第1の歯部の高さは、前記第2の歯部の高さよりも大きい、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記ベースウェブは、前記終端に沿ってノッチを形成する、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
患者の椎間関節を治療する方法であって、前記椎間関節の解剖学的形態は、対向する上下の関節面を含み、前記方法は、
上側表面置換体を前記椎間関節に挿入して、前記上関節面と係合することであって、前記上側表面置換装置は関節表面を画成する上側表面置換体を含み、前記上側表面置換体の挿入が、比較的平らな状態から、前記椎間関節の圧縮力に応じて前記上関節面の形状と実質的に適合する挿入状態への、前記上側表面置換体の移行を含む、係合することと、
下側表面置換体を前記椎間関節に挿入して、前記下関節面と係合することであって、前記下側表面置換装置は関節表面を画成する下側表面置換体を含み、前記下側表面置換体の挿入が、比較的平らな状態から、前記椎間関節の圧縮力に応じて前記下関節面の形状と実質的に適合する挿入状態への、前記下側表面置換体の移行を含む、係合することと、を含み、
最終挿入の際、前記上側表面置換体の前記関節表面は、前記下側表面置換体の前記関節表面に摺動自在に当接する、方法。
【請求項21】
前記方法は、前記椎間関節の正常な健常骨の外科的除去の不在によって特徴付けられる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記表面置換体を挿入する前記ステップの前に、骨棘を含む、異常な骨形成を除去することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記上下側表面置換体を挿入する前記ステップは同時に発生する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記上下側表面置換体を挿入する前記ステップは経皮的に行われる、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記表面置換体は同一であり、それぞれ、5〜13mmの範囲の大径、4〜11mmの範囲の小径、および0.25〜4mmの範囲の厚さによって画成される円盤状形状を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記表面置換体のそれぞれは、ポリエーテルケトン系材料から形成される、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記表面置換体のそれぞれは、前記対応する関節表面および対向する第2の主要な表面を画成するベースウェブと、前記各第2の主要な表面から突出する複数の歯部とを含み、さらに、
前記上側表面置換体の挿入は、前記対応する歯部を前記椎間関節の前記上関節面と係合することを含み、
前記下側表面置換体の挿入は、前記対応する歯部を前記椎間関節の前記下関節面と係合することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記上下側表面置換装置を、積層配置において、送達カニューレの内部通路中に装着することであって、前記送達カニューレアセンブリは遠位端を有し、前記遠位端で開く前記内部通路を画成する、装着することと、
前記内部通路中に長尺の押し工具を摺動自在に配置することであって、前記押し工具の遠位部は、前記上下側表面置換装置に当接すること、
前記椎間関節に前記送達カニューレアセンブリの前記遠位端を送達することと、および
前記遠位端から前記椎間関節中に表面置換体を押し出すために、前記内部通路内で前記押し工具を遠位方向に摺動させることと、をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記表面置換体のそれぞれはノッチを形成し、前記押し工具の前記遠位部はフィンガーを形成し、さらに、前記フィンガーは、前記カニューレアセンブリ内に配置される時、前記各ノッチ内に配置される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
患者の椎間関節を治療するためのキットであって、前記患者の椎間関節の解剖学的形態は、対向する上下の関節面を含み、前記キットは、
椎間関節の上関節面の形状と適合する形状に選択的に移行するように構成された上側表面置換体を備えた上側表面置換装置と、
前記上側表面置換装置から離れており、椎間関節の下関節面の形状と一致する形状に選択的に移行するように構成された下側表面置換体を備えた、下側表面置換装置と、
挿入工具セットと、を有し、
前記表面置換体のそれぞれは、比較的平らな状態から、前記表面置換体が、典型的なヒト成人椎間関節の圧縮力の存在下で、対応する椎間関節関節面のいずれの多面曲率とも実質的に一致する挿入状態へと移行するのに十分な可撓性を示し、
前記挿入工具セットは、
遠位端を有し、前記遠位端で開く内部通路を画成する送達カニューレと、
前記通路内で摺動自在に受容される大きさである長尺の押し工具と、を含み、
前記キットは、前記表面置換装置および前記押し工具が前記内部通路内で摺動自在に受容された挿入配置を提供するように構成され、前記表面置換装置は、前記遠位端とは反対側で前記表面置換装置に当接している前記押し工具の前記遠位端および前記遠位領域に隣接して互いに積み重ねられている、キット。
【請求項31】
前記上下の表面置換体は同一であり、それぞれは、5〜13mmの範囲の大径、4〜11mmの範囲の小径、および0.25〜4mmの範囲の厚さによって画成された円盤状形状を有する、請求項30に記載のキット。
【請求項32】
前記表面置換装置のそれぞれは、ポリエーテルケトン系材料から形成される、請求項30に記載のキット。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【公表番号】特表2013−500070(P2013−500070A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521789(P2012−521789)
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/042931
【国際公開番号】WO2011/011621
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(511237335)ザイガ テクノロジー インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Zyga Technology,Inc.
【Fターム(参考)】