説明

検体処理システム、ラック搬送システム、検体処理方法およびラック搬送方法

【課題】検体容器の搬送過程または検体処理の過程で検体容器が紛失した場合に、ユーザが必要な対処を迅速に行うことを可能とする検体処理システム、ラック搬送システム、検体処理方法およびラック搬送方法を提供する。
【解決手段】検体処理システム1は、検体容器Tを保持した検体ラックLを搬送する搬送ユニット31〜33と、検体容器Tを検知するためのバーコードユニットBと、検体容器Tに収容される検体の測定を行う測定ユニット41と、検体容器Tを検知するための容器有無検知ユニットEと、を備える。バーコードユニットBによって検体容器Tが検知され、容器有無検知ユニットEによって検体容器Tが検知されなかった場合、搬送コントローラ6の表示部に紛失通知画面が表示される。これにより、検体容器Tの搬送過程または検体処理の過程で検体容器Tが紛失した場合に、ユーザは、必要な対処を迅速に行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体容器内の検体の処理を行う検体処理システムおよびそのための検体処理方法、ならびに、検体ラックを搬送するラック搬送システムおよびそのためのラック搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液、尿等の検体を収容した検体容器を搬送部により搬送し、遠心分離、測定等の処理を実行するシステムが知られている。
【0003】
たとえば、以下の特許文献1には、検体容器が収納されたラックが載置される投入部と、投入部から投入されたラックを搬送する搬送部と、搬送部からラックを取り込んで遠心分離、開栓、分注等の処理を行う検体処理ユニットと、検体処理ユニットから搬送部に戻されたラックを収納する収納部と、中央処理部とを備えたシステムが開示されている。このシステムには、ラックを検知するための複数のセンサが配置されており、中央処理部は、システム内のラックの位置を示すロケーション画面をモニタに表示するように構成されている。また、中央処理部は、検体検索に必要な情報が入力されると、該当する検体を検索し、その検体をロケーション画面に一見して分かるように表示するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−83863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
検体容器を搬送して検体の処理を行うシステムにおいては、検体容器の搬送過程や検体処理の過程で検体容器が紛失することがある。しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムでは、ユーザが検体容器の紛失に迅速に気付くことが困難であった。そのため、紛失した検体容器の捜索、検体の再検査等の必要な対処をユーザが迅速に行うことが困難であった。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、検体容器の搬送過程または検体処理の過程で検体容器が紛失した場合に、ユーザが必要な対処を迅速に行うことを可能とする検体処理システム、ラック搬送システム、検体処理方法およびラック搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、検体処理システムに関する。この態様に係る検体処理システムは、検体を収容した検体容器を検知するための第1検知手段と、前記第1検知手段により検知された前記検体容器に収容される検体に対して処理を行う検体処理ユニットと、前記検体処理ユニットにより前記処理が行われた前記検体容器を検知するための第2検知手段と、前記第1検知手段によって検知された前記検体容器が、前記第2検知手段によって検知されなかった場合に、その旨をユーザに認知させるための認知処理を実行する制御部と、を備える。
【0008】
本態様に係る検体処理システムによれば、検体に対する処理が行われる前に検体容器が
検知され、検体に対する処理が行われた後に検体容器が検知されなかった場合に、制御部がその旨をユーザに認知させる認知処理を実行する。これにより、検体容器の搬送過程または検体処理の過程で検体容器が紛失した場合に、ユーザは、必要な対処を迅速に行うことが可能となる。なお、上記認知処理には、紛失通知画面の表示、通知音の発生、搬送ラインの停止、測定ユニットの測定動作の中断等、ユーザに検体容器の紛失を認知させ得る処理が広く含まれ得る。
【0009】
本態様に係る検体処理システムにおいて、前記制御部は、前記認知処理として、前記検体容器が紛失したことの通知処理を実行するよう構成され得る。こうすると、検体容器の紛失が通知されるため、ユーザは、検体容器の搬送過程または検体処理の過程で検体容器が紛失したことに容易に気付くことができる。
【0010】
また、本態様に係る検体処理システムは、前記検体容器を搬送する搬送部をさらに備える。ここで、前記検体処理ユニットは、前記搬送部によって供給された前記検体容器に収容された検体に対して処理を行うよう構成され得る。
【0011】
この場合に、前記検体処理ユニットは、前記検体容器を前記搬送部から受け取って検体に対する処理を行い、前記検体容器を前記搬送部に返却するよう構成され得る。
【0012】
また、本態様に係る検体処理システムにおいて、前記第1検知手段は、前記検体処理ユニットに対して検体容器の搬送方向の上流側に配置された第1検体容器検知部を含み、前記第2検知手段は、前記検体処理ユニットに対して前記搬送方向の下流側に配置された第2検体容器検知部を含むよう構成され得る。こうすると、検体処理ユニットに対して搬送方向上流側の第1検体容器検知部から下流側の第2検体容器検知部との間で検体容器が紛失したことを検出できる。
【0013】
この場合に、本態様に係る検体処理システムは、検体容器が載置され、載置された検体容器を前記搬送部に供給する供給部と、前記検体処理ユニットを経由して前記搬送部により搬送された検体容器を回収する回収部と、をさらに備える構成とされ得る。ここで、前記第1検体容器検知部は、前記供給部に配置され、前記第2検体容器検知部は、前記回収部に配置されるよう構成され得る。こうすると、供給部から回収部の間で検体容器が紛失したことを検出することができる。
【0014】
また、本態様に係る検体処理システムにおいて、前記搬送部は、複数の検体容器を保持可能な検体ラックを搬送することにより、前記検体容器に収容される検体を前記検体処理ユニットに供給するよう構成され得る。こうすると、検体ラックに保持された複数の検体容器からいずれかの検体容器が紛失したことを、ユーザに気付かせることができる。
【0015】
この場合に、前記第1検知手段は、検体ラックの識別情報および当該検体ラックの各検体容器保持位置における検体容器の有無を検知し、前記第2検知手段は、検体ラックの識別情報および当該検体ラックの各検体容器保持位置における検体容器の有無を検知し、前記制御部は、前記第1検知手段によって検知された検体ラック内の検体容器が、前記第2検知手段によって検知されなかった場合に、前記認知処理を実行するよう構成され得る。こうすると、どの検体ラックのどの保持位置から検体容器が紛失したかを、容易に判別することができる。
【0016】
また、本態様に係る検体処理システムにおいて、前記第1検知手段は、検体容器の識別情報を検知し、前記第2検知手段は、検体容器の識別情報を検知し、前記制御部は、前記第1検知手段によって検知された識別情報が、前記第2検知手段によって検知されなかった場合に、前記認知処理を実行するよう構成され得る。こうすると、どの検体容器が紛失
したかを、容易に判別することができる。
【0017】
また、本態様に係る検体処理システムにおいて、前記検体処理ユニットは、検体容器を取得して保持する保持部と、当該保持部に回動動作を行わせる回動駆動部と、を含むよう構成され得る。こうすると、回動動作を含む一連の動作によって検体容器が保持部から外れて紛失してしまった場合でも、そのことをユーザに気付かせることができる。
【0018】
また、本態様に係る検体処理システムは、表示部をさらに備える。ここで、前記制御部は、前記認知処理として、前記検体容器が紛失したことを知らせる紛失情報を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、表示部に紛失情報が表示されるので、ユーザは容易に検体容器の紛失に気付くことができる。
【0019】
この場合に、本態様に係る検体処理システムにおいて、前記制御部は、検体容器内の検体の処理に関する進捗状況を示す画面を前記表示部に表示させるとともに、前記紛失情報を前記画面上に表示するよう構成され得る。こうすると、検体容器内の検体に対する処理の進捗状況をユーザが確認する際に、検体容器が紛失していることに気付かせることができる。
【0020】
または、本態様に係る検体処理システムは、表示部と、前記検体処理ユニットを経由して前記搬送部により搬送された前記検体ラックを回収するラック回収部と、をさらに備える。ここで、前記制御部は、前記ラック回収部に回収された検体ラックを示すとともに、前記検体ラックから紛失した検体容器の前記検体ラックにおける保持位置を示す画面を前記表示部に表示させるよう構成され得る。こうすると、検体ラック内のどの保持位置に保持されていた検体容器が紛失したのかを、直感的にユーザに認識させることができる。
【0021】
本発明の第2の態様は、検体容器内の検体を処理する検体処理装置に、複数の検体容器を保持可能な検体ラックを搬送するラック搬送システムに関する。この態様に係るラック搬送システムは、検体容器を保持した検体ラックを第1位置から第2位置へ搬送する搬送部と、前記第1位置において検体ラックの識別情報および当該検体ラックの各検体容器保持位置における検体容器の有無を検知するための第1検知部と、前記第2位置に搬送された検体ラックの識別情報および当該検体ラックの各検体容器保持位置における検体容器の有無を検知するための第2検知部と、前記第1検知部によって検知された検体ラック内の検体容器が、前記第2検知部によって検知されなかった場合に、その旨をユーザに認知させる処理を実行する制御部と、を備える。
【0022】
本態様に係るラック搬送システムによれば、第1位置で検体容器が検知され、第2位置で検体容器が検知されなかった場合に、制御部がその旨をユーザに認知させる処理を実行するため、第1の位置から第2の位置の間で検体容器が紛失した場合に、ユーザに必要な対処を迅速に行わせることが可能となる。
【0023】
本態様に係る検体処理システムは、前記第1位置から前記第2位置の間で前記搬送部によって供給された検体容器に収容される検体に対して処理を行う検体処理ユニットをさらに備えるよう構成され得る。こうすると、搬送部による搬送過程または検体処理ユニットによる処理の過程で検体容器が紛失した場合に、その旨をユーザに認知させることができる。
【0024】
本発明の第3の態様は、検体処理方法に関する。この態様に係る検体処理方法は、検体を収容した検体容器の検知動作を行う第1検知ステップと、前記第1検知ステップで検知された前記検体容器に収容される検体に対して処理を行う検体処理ステップと、前記検体処理ステップにより前記処理が行われた前記検体容器の検知動作を行う第2検知ステップ
と、前記第1検知ステップにおいて検知された前記検体容器が、前記第2検知ステップにおいて検知されなかった場合に、その旨をユーザに認知させる処理を実行する実行ステップと、を備える。
【0025】
本態様に係る検体処理方法によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【0026】
本発明の第4の態様は、検体容器内の検体を処理する検体処理装置に、複数の検体容器を保持可能な検体ラックを搬送するラック搬送方法に関する。この態様に係るラック搬送方法は、検体容器を保持した検体ラックの識別情報および当該検体ラックの各検体容器保持位置における検体容器の有無を第1位置において検知する第1検知ステップと、前記検体ラックを前記第1位置から第2位置に搬送部により搬送する搬送ステップと、前記第2位置に搬送された検体ラックの識別情報および当該検体ラックの各検体容器保持位置における検体容器の有無を検知する第2検知ステップと、前記第1検知ステップにおいて検知された検体ラック内の検体容器が、前記第2検知ステップにおいて検知されなかった場合に、その旨をユーザに認知させる処理を実行する実行ステップと、を備える。
【0027】
本態様に係る検体処理方法によれば、上記第2の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0028】
以上のとおり、本発明によれば、検体容器の搬送過程または検体処理の過程で検体容器が紛失した場合に、ユーザが必要な対処を迅速に行うことを可能とする検体処理システム、ラック搬送システム、検体処理方法およびラック搬送方法を提供することができる。
【0029】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施の形態に係る検体処理システムを上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。
【図2】実施の形態に係る検体容器および検体ラックの構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る回収ユニット、投入ユニットおよび送出ユニットを上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図4】実施の形態に係るバーコードユニットおよび容器有無検知ユニットの動作を説明する図である。
【図5】実施の形態に係るバーコードユニットの詳細な構成を示す図である。
【図6】実施の形態に係る容器有無検知ユニットの詳細な構成を示す図である。
【図7】実施の形態に係る搬送ユニットを上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図8】実施の形態に係る測定ユニットを上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図および検体容器の転倒攪拌を説明する図である。
【図9】実施の形態に係る把持ユニットの詳細な構成を示す図である。
【図10】実施の形態に係る検体処理システムの各ユニット(装置)の相互の接続関係を模式的に示す図である。
【図11】実施の形態に係る搬送コントローラ、送出ユニットおよび回収ユニットの構成の概要を示す図である。
【図12】実施の形態に係る搬送ユニット、測定ユニットおよび情報処理ユニットの構成の概要を示す図である。
【図13】実施の形態に係る搬送ユニットおよび塗抹標本作製装置の構成の概要を示す図である。
【図14】実施の形態に係るバーコードユニットBの読取動作時における搬送コントローラの処理を示すフローチャートおよびラック情報を概念的に表す例示図である。
【図15】実施の形態に係るバーコードユニットBの読取動作時における送出ユニットの処理を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態に係る容器有無検知ユニットEの検知動作時における搬送コントローラの処理を示すフローチャート、有無情報を概念的に表す例示図および表示部に表示される紛失通知画面の例示図である。
【図17】実施の形態に係る搬送コントローラによる進捗状況画面および回収状況画面の表示に関する処理を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態に係る表示部に表示される進捗状況画面および回収状況画面の例示図である。
【図19】実施の形態に係る変更例において、検体ラックの搬送経路を模式的に示す図および搬送ユニットの供給位置付近に配された反射型のセンサを上から見た場合の平面図である。
【図20】実施の形態に係る検体処理ユニットの変更例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本実施の形態は、血液に関する検査および分析を行うための検体処理システムに本発明を適用したものである。本実施の形態に係る検体処理システムは、3台の測定ユニットと、1台の塗抹標本作製装置を備えている。3台の測定ユニットでは、血液分析が並行して行われ、その分析結果に基づき塗抹標本の作製が必要である場合に、塗抹標本作製装置により塗抹標本が作製される。
【0032】
以下、本実施の形態に係る検体処理システムについて、図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、検体処理システム1を上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。本実施の形態に係る検体処理システム1は、回収ユニット21と、投入ユニット22と、送出ユニット23と、搬送ユニット31〜34と、3台の測定ユニット41と、情報処理ユニット42と、塗抹標本作製装置5と、搬送コントローラ6から構成されている。また、本実施の形態の検体処理システム1は、通信ネットワークを介してホストコンピュータ7と通信可能に接続されている。なお、以下、X軸正方向を左方向、X軸負方向を右方向、Y軸正方向を後方、Y軸負方向を前方、Z軸正方向を上方向、Z軸負方向を下方向と称することにする。
【0034】
回収ユニット21と、投入ユニット22と、送出ユニット23は、それぞれ、10本の検体容器Tが保持可能な複数の検体ラックLが載置可能となるよう構成されている。
【0035】
図2は、検体容器Tと検体ラックLの構成を示す図である。同図(a)は、検体容器Tの外観を示す斜視図であり、同図(b)は、10本の検体容器Tが保持されている検体ラックLの外観を示す斜視図である。なお、同図(b)には、検体ラックLが投入ユニット22に載置されるときの向き(図1の座標軸)が併せて示されている。
【0036】
図2(a)を参照して、検体容器Tは、透光性を有するガラスまたは合成樹脂により構成された管状容器であり、上端が開口している。内部には患者から採取された血液検体が収容され、上端の開口は蓋部CPにより密封されている。検体容器Tの側面には、バーコードラベルBL1が貼付されている。バーコードラベルBL1には、検体IDを示すバーコードが印刷されている。
【0037】
図2(b)を参照して、検体ラックLには、10本の検体容器Tを垂直状態(立位状態)で並べて保持することが可能となるよう、図示の如く保持位置1〜10に10個の保持
部が形成されている。また、検体ラックLのY軸正方向の側面には、図示の如く、バーコードラベルBL2が貼付されている。バーコードラベルBL2には、ラックIDを示すバーコードが印刷されている。
【0038】
図1に戻って、回収ユニット21は、後述する回収ラインを通って回収された検体ラックLを収容する。また、回収ユニット21は、容器有無検知ユニットEにより、回収する検体ラックLの各保持位置に検体容器Tが保持されているか否か(検体容器Tの有無)を検知する。また、回収ユニット21は、後述するバーコードリーダ243により、回収する検体ラックLのラックIDを読み取る。
【0039】
投入ユニット22は、ユーザが投入した検体ラックLを収容し、収容している検体ラックLを送出ユニット23に送出する。ユーザは、検体の測定を開始する場合、まず、検体を収容する検体容器Tを検体ラックLにセットし、この検体ラックLを投入ユニット22に載置する。しかる後に、この検体ラックLが下流側(左側)のユニット(装置)に搬送され、測定が行われる。
【0040】
送出ユニット23は、バーコードユニットBにより、投入ユニット22から送出された検体ラックLのラックIDと、検体ラックLの保持位置に対応付けられた検体容器Tの検体IDを読み取り、併せて、この検体ラックLの各保持位置における検体容器Tの有無を検知する。しかる後、送出ユニット23は、バーコードユニットBにより読み取られた情報と検知された情報を搬送コントローラ6へ送信し、読み取りと検知が完了した検体ラックLを搬送ユニット31に送出する。
【0041】
搬送ユニット31〜34は、検体ラックLの受け渡しが可能となるよう左右方向に互いに接続されている。搬送ユニット31の右端は、検体ラックLの受け渡しが可能となるよう送出ユニット23に接続されている。搬送ユニット31〜33は、図示の如く、それぞれ、3台の測定ユニット41の前方に配置されており、搬送ユニット34は、図示の如く、塗抹標本作製装置5の前方に配置されている。
【0042】
搬送ユニット31〜33には、図示の如く、それぞれに対応する測定ユニット41に検体ラックLが搬送される場合と搬送されない場合とに分けて、2通りの搬送ラインが設定されている。すなわち、測定ユニット41で測定が行われる場合は、後方のコの字型の矢印で示された“測定ライン”に沿って検体ラックLが搬送される。測定ユニット41で測定が行われず、下流側(左側)で測定または塗抹標本の作製が行われる場合は、当該測定ユニット41をスキップするよう、中段の左向きの矢印で示された“供給ライン”に沿って検体ラックLが搬送される。また、搬送ユニット31〜33には、図示の如く、検体ラックLを回収ユニット21に搬送するための右向きの搬送ラインが設定されている。すなわち、下流側(左側)で測定または塗抹標本の作製が行われる必要がなくなった検体ラックLは、前方の右向きの矢印で示された“回収ライン”に沿って搬送され、回収ユニット21に回収される。
【0043】
なお、搬送ユニット34にも、搬送ユニット31〜33と同様、図示の如く、測定ラインと、供給ラインと、回収ラインとが設定されている。搬送ユニット34は、搬送ユニット34の測定ライン上の所定の位置において、バーコードユニットDにより、検体ラックLの保持位置に対応付けられた検体容器Tの検体IDを読み取り、併せて、この検体ラックLの各保持位置における検体容器Tの有無を検知する。
【0044】
3台の測定ユニット41は、それぞれ前方に配置された搬送ユニット31〜33の測定ライン上の所定の位置(図中点線矢印)において、検体ラックLから検体容器Tを抜き出して、この検体容器Tに収容された検体を測定する。
【0045】
すなわち、測定ユニット41は、まず、検体ラックLから抜き出した検体容器Tを、装置内の検体容器セット部411a(図8参照)にセットして、測定ユニット41内に移動させる。続いて、測定ユニット41は、装置内のバーコードユニットCにより、この検体容器Tの検体IDを読み取り、併せて、検体容器セット部411aにおける検体容器Tの有無を検知する。しかる後、測定ユニット41は、この検体容器Tに収容されている検体を測定する。測定ユニット41内で測定が完了すると、測定ユニット41は、この検体容器Tを再び元の検体ラックLの保持位置に戻す。
【0046】
情報処理ユニット42は、3台の測定ユニット41と通信可能に接続されており、3台の測定ユニット41の動作を制御する。また、情報処理ユニット42は、ホストコンピュータ7と通信ネットワークを介して通信可能に接続されており、バーコードユニットCで検体IDが読み取られると、ホストコンピュータ7に測定オーダの問い合わせを行う。しかる後、情報処理ユニット42は、ホストコンピュータ7から受信した測定オーダに基づき、測定ユニット41の測定動作を制御する。また、情報処理ユニット42は、測定ユニット41で行われた測定結果に基づいて分析を行う。
【0047】
塗抹標本作製装置5は、前方に配置された搬送ユニット34の測定ライン上の所定の位置(図中点線矢印)において、検体容器Tに収容されている検体を吸引して、この検体の塗抹標本を作製する。なお、塗抹標本の作製の要否は、情報処理ユニット42で行われる分析結果に基づいて、搬送コントローラ6によって判定される。搬送コントローラ6により塗抹標本の作製が必要と判定されると、対象となる検体を収容する検体ラックLは、搬送ユニット34の測定ラインに沿って搬送され、塗抹標本作製装置5において塗抹標本の作製が行われる。
【0048】
搬送コントローラ6は、回収ユニット21と、投入ユニット22と、送出ユニット23と、搬送ユニット31〜34と通信可能に接続されており、各ユニットの駆動を制御する。また、搬送コントローラ6は、ホストコンピュータ7と通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。搬送コントローラ6は、送出ユニット23から検体IDを受信すると、ホストコンピュータ7に測定オーダの問い合わせを行う。しかる後、搬送コントローラ6は、ホストコンピュータ7から受信した測定オーダに基づき、送出ユニット23から送出される検体ラックLの搬送先を決定し、検体ラックLが搬送先に搬送されるよう、各装置(ユニット)を制御する。
【0049】
図3は、回収ユニット21と、投入ユニット22と、送出ユニット23を上側からみた場合の構成を示す平面図である。
【0050】
投入ユニット22の搬送路221上に検体ラックLが投入されると、ラック送込機構222が検体ラックLの前端に係合した状態で後方に移動し、この検体ラックLが搬送路221の後方位置に送られる。搬送路221の後方位置に位置付けられた検体ラックLは、ラック送出機構223によって検体ラックLの右側面が押されることにより、送出ユニット23の搬送路231の後方位置に送出される。
【0051】
送出ユニット23の搬送路231の後方位置の近傍には、図示の如く、反射型のセンサ232が配されている。センサ232により、投入ユニット22から送出された検体ラックLが搬送路231の後方位置に位置付けられたことが検知されると、バーコードユニットBにより、ラックIDと、検体ラックLの保持位置に対応付けられた検体IDが読み取られ、併せて、この検体ラックLの各保持位置における検体容器Tの有無が検知される。なお、バーコードユニットBの詳細な構成については、追って図5を参照して説明する。
【0052】
続いて、バーコードユニットBによる読み取りと検知が終了した検体ラックLは、ラック送込機構233により、搬送路231の後方位置から検体ラックLの前後方向の幅だけ前方に移動した位置に送られる。続いて、ラック送込機構234が検体ラックLの後方の側面に係合した状態で前方に移動し、この検体ラックLが搬送路231の前方位置に送られる。搬送路231の前方位置に位置付けられた検体ラックLは、ラック送出機構235によって検体ラックLの右側面が押されることにより、左方向に移動される。
【0053】
この場合に、検体ラックLが、搬送路231の前方位置から僅かに左側に移動されて、検体ラックLのバーコードラベルBL2が、バーコードリーダ236の前方に位置付けられると、バーコードリーダ236によりラックIDが読み取られる。送出ユニット23は、バーコードリーダ236によりラックIDを読み取ると、搬送コントローラ6に、このラックIDと共に搬出要求を送信する。搬送コントローラ6は、受信したラックIDに基づいて、この検体ラックLの搬送先となる測定ユニット41または塗抹標本作製装置5を決定する。しかる後、この検体ラックLは、ラック送出機構235によってさらに左方向に押し出され、搬送ユニット31に送出される。
【0054】
次に、測定ユニット41または塗抹標本作製装置5から、回収ラインに沿って送出ユニット23に送出された検体ラックLは、送出ユニット23のベルト237と、投入ユニット22のベルト224と、回収ユニット21のベルト213によって、回収ユニット21の前方位置(ベルト213の右端位置)に位置付けられる。
【0055】
回収ユニット21の前方位置の近傍には、図示の如く、反射型のセンサ214が配されている。センサ214により、検体ラックLが回収ユニット21の前方位置に位置付けられたことが検知されると、容器有無検知ユニットEにより、この検体ラックLの各保持位置における検体容器Tの有無が検知される。また、検体ラックLが回収ユニット21の前方位置に位置づけられる際に、バーコードリーダ243により検体ラックLのラックIDが読み取られる。なお、容器有無検知ユニットEの詳細な構成については、追って図6を参照して説明する。
【0056】
続いて、容器有無検知ユニットEによる検知が終了した検体ラックLは、ラック押出し機構215により、回収ユニット21の前方位置から搬送路211上に押し出される。しかる後、ラック送込機構212が検体ラックLの前方の側面に係合した状態で後方に移動し、この検体ラックLが搬送路211の後方位置に送られる。こうして、測定の終了した検体容器Tを保持する検体ラックLは、回収ユニット21の搬送路211上の後方に順次回収される。
【0057】
図4は、バーコードユニットB、C、Dと、容器有無検知ユニットEの動作を説明する図である。同図(a)〜(e)は、何れも各ユニットを上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。
【0058】
図4(a)は、バーコードユニットBを示す図である。バーコードユニットBは、図示の如く、左右(X軸方向)に併設された2つの読取部B1、B2を備えている。読取部B1、B2は、それぞれ、2つのローラB11と、ローラB21と、ベースB30と、バーコードリーダB31を備えている。
【0059】
読取部B1、B2において、2つのローラB11は、Z軸を中心として回転するよう構成されており、ベースB30上をY軸方向に移動可能となるよう構成されている。ローラB21は、Z軸を中心として回転駆動するよう構成されており、ベースB30上に固定されている。バーコードリーダB31は、ベースB30に固定されており、前方(Y軸負方向)に位置付けられたバーコードを読み取る。ベースB30は、送出ユニット23の後方
位置において、左右方向に移動可能となるよう構成されている。
【0060】
バーコードリーダB31が、検体ラックLの対象となる保持位置の正面(Y軸正方向側)に位置付けられると、まず、2つのローラB11が、検体容器Tの側面に接するように前方(Y軸負方向)に移動される。なお、検体容器Tの前方(Y軸負方向)の側面はローラB21に接している。
【0061】
このとき、後述するように検体容器Tが保持されていることが検知されると、ローラB21が回転駆動されることにより、検体容器TがZ軸を中心として回転され、検体容器Tの回転中にバーコードリーダB31によりバーコードラベルBL1が読み取られる。他方、後述するように検体容器Tが保持されていないことが検知されると、ローラB21がY軸正方向に戻され、この保持位置に対してバーコードリーダB31による読み取りは行われない。なお、バーコードリーダB31が、検体ラックLの保持位置1と2の間に貼付されたバーコードラベルBL2(図2(b)参照)を読み取る場合には、ローラB11は前方に移動されない。
【0062】
なお、読取部B1のバーコードリーダ31により、ラックIDと、保持位置1〜5における検体IDの読み取りと検体容器Tの有無の検知が行われ、読取部B2のバーコードリーダ31により、保持位置6〜10における検体IDの読み取りと検体容器Tの有無の検知が行われる。このとき、読取部B1、B2のバーコードリーダ31は、読取部B1、B2が右方向(X軸負方向)に移動されることにより、左から順にバーコードの読み取りと検体容器Tの有無の検知を行う。
【0063】
図4(c)は、バーコードユニットCを示す図である。バーコードユニットCは、図示の如く、2つのローラC11と、ローラC21と、ベースC30と、バーコードリーダC31を備えている。ベースC30とバーコードリーダC31は、測定ユニット41の内部に固定されている。
【0064】
測定ユニット41の前方に配置された搬送ユニットの測定ライン上の所定の位置において、検体ラックLから抜き出された検体容器Tは、検体容器セット部411aにより、バーコードリーダC31の正面(X軸負方向)に位置付けられる。続いて、バーコードリーダC31は、正面方向(X軸負方向)に対して、同図(a)、(b)で示した手順と同様に、検体IDの読み取りと検体容器Tの有無の検知を行う。
【0065】
図4(d)は、バーコードユニットDを示す図である。バーコードユニットDは、図示の如く、2つのローラD11と、ローラD21と、ベースD30と、バーコードリーダD31を備えている。ベースD30とバーコードリーダD31は、搬送ユニット34の測定ラインの近傍に固定されている。この場合も、バーコードリーダD31は、正面方向(Y軸正方向)に対して、バーコードユニットCと同様に、検体IDの読み取りと検体容器Tの有無の検知を行う。
【0066】
図4(e)は、容器有無検知ユニットEを示す図である。容器有無検知ユニットEは、図示の如く、センサE11と、接触部E13と、ベースE20を備えている。センサE11は、接触部E13が検体容器Tの蓋部CPに当接したことを検出するよう構成されている。接触部E13は、ベースE20に対してZ軸方向に移動可能となるよう構成されている。ベースE20は、回収ユニット21の前方位置において、左右方向(X軸方向)に移動可能となるよう構成されている。
【0067】
容器有無検知ユニットEが、検体ラックLの各保持位置における検体容器Tの有無を検知する場合、まず、対象となる保持位置の真上(Z軸正方向)に接触部E13が位置付け
られるよう、ベースE20が左右方向に移動される。続いて、接触部E13が真下(Z軸負方向)に移動される。この保持位置に検体容器Tが保持されている場合、センサE11により、接触部E13が検体容器Tの蓋部CPに当接したことが検出され、この保持位置に検体容器Tが保持されていることが分かる。他方、この保持位置に検体容器Tが保持されていない場合、接触部E13が蓋部CPに当接することなく下方向に移動し、センサE11により、接触部E13が検体容器Tの蓋部CPに当接したことが検出されない。これにより、この保持位置に検体容器Tが保持されていないことが分かる。
【0068】
図5は、バーコードユニットBの詳細な構成を示す図である。なお、バーコードユニットC、Dも、バーコードユニットBと略同様に構成されるため、ここでは説明を省略する。
【0069】
同図(a)は、ローラB11とローラB21の近傍を上側から見た場合の平面図であり、同図(b)は、バーコードユニットBを左側から(X軸負方向に)見た場合の側面図であり、同図(c)は、支持部B33、B34近傍を前方から(Y軸正方向に)見た場合の側面図である。
【0070】
同図(a)、(b)を参照して、支持体B10には、2つのローラB11と、軸B15と、遮光板B18が装着されている。また、支持体B10は、ベースB30に設置されY軸方向に伸びたガイド(図示せず)により、Z軸方向に移動可能となるよう支持されている。ベースB30には、プーリB13a、B13bと、ステッピングモータB14と、バーコードリーダB31と、発光部と受光部からなる透過型のセンサB38を支持するセンサ台B39が設置されている。センサ台B39は、ベースB30のY−Z平面に平行な側面から、X軸正方向に突出するように設置されている。
【0071】
2つのローラB11は、支持体B10によってZ軸を中心として回転可能となるよう支持されている。ベルトB12は、プーリB13a、B13bに掛け渡されている。プーリB13aは、ステッピングモータB14の軸にZ軸を中心として回転可能となるよう設置され、プーリB13bは、ベースB30にZ軸を中心として回転可能となるよう設置されている。ステッピングモータB14が駆動されることにより、ベルトB12がプーリB13a、B13bの周りを移動する。
【0072】
軸B15には、支持部B16とバネB17が通されている。支持部B16は、軸B15に沿ってY軸方向に所定幅だけ移動可能となっている。支持部B16には、鍔部B16aが形成されており、鍔部B16aは、ベルトB12に固定されている。バネB17は、伸長作用により、支持部B16をY軸正方向に押している。
【0073】
ここで、ベルトB12がプーリB13a、B13bの周りを移動すると、鍔部B16aを含む支持部B16はY軸方向に移動する。鍔部B16aがY軸負方向に移動されると、支持部B16がバネB17をY軸負方向に押し、支持体B10がY軸負方向に移動する。他方、鍔部B16aがY軸正方向に移動されると、支持部B16が、支持体B10のY軸正方向側のX−Z平面に平行な側面をY軸正方向に押すことにより、支持体B10がY軸正方向に移動する。
【0074】
遮光板B18には、X軸に垂直な平面である遮光部B18a、B18bが形成されている。遮光部B18a、B18bは、支持体B10がY軸方向に移動されると、センサB38の発光部と受光部の間に位置付けられるよう構成されている。バーコードリーダB31が、対象となる検体ラックLの保持位置の正面(Y軸正方向)に位置付けられると、同図(a)、(b)に示す如く、センサB38の発光部と受光部の間に遮光部B18aが位置付けられた状態から、支持体B10がY軸負方向に移動される。
【0075】
ここで、バーコードリーダB31の正面に位置付けられた検体ラックLの保持位置に検体容器Tが保持されている場合、支持体B10がY軸負方向に移動されると、2つのローラB11が検体容器Tの側面に当接する。このとき、支持部B16は、ベルトB12の動きに合わせて、バネB17を縮めながらY軸負方向へ移動するものの、支持体B10はさらにY軸負方向へ移動することがない。このため、支持部B16が所定の幅だけ移動したときに、遮光部B18bがセンサB38の発光部と受光部の間に位置付けられなければ、この保持位置に検体容器Tが保持されていることが分かる。
【0076】
他方、バーコードリーダB31のY軸負方向に位置付けられた検体ラックLの保持位置に検体容器Tが保持されていない場合、支持体B10が所定の幅だけY軸負方向に移動すると、遮光部B18bがセンサB38の発光部と受光部の間に位置付けられる。これにより、この保持位置に検体容器Tが保持されていないことが分かる。
【0077】
このように支持体B10を駆動するための機構が構成されると、支持体B10がY軸方向に移動される場合に、ステッピングモータB14から得られる支持部B16の移動幅と、センサB38の出力信号により、バーコードリーダB31の正面に位置付けられた検体ラックLの保持位置における検体容器Tの有無が検知される。また、検体容器Tが保持されていることが検知されると、バーコードリーダB31により検体容器Tの検体IDが読み取られる。
【0078】
同図(b)を参照して、支持体B20には、ローラB21と、軸B22と、プーリB24bが装着されている。支持体B20は、ベースB30にネジ止めされている。
【0079】
ローラB21にはZ軸方向に貫通する孔が形成されている。軸B22は、この孔を貫通してローラB21を支持している。また、軸B22の両端は、支持体B20により、Z軸を中心として回転可能となるよう支持されている。ベルトB23は、プーリB24a、B24bに掛け渡されている。プーリB24aは、ステッピングモータB25の軸にZ軸を中心として回転可能となるよう設置され、プーリB24bは、支持体B20と支軸B22に、Z軸を中心として回転可能となるよう設置されている。ステッピングモータB25は、ベースB30に設置されている。
【0080】
このようにローラB21を駆動するための機構が構成されると、ステッピングモータB25が駆動されることにより、ベルトB23がプーリB24a、B24bの周りを移動する。これにより、軸B22とローラB21がZ軸を中心として回転される。
【0081】
同図(b)、(c)を参照して、ベースB30の下面(Z軸負方向側の面)には、バーコードリーダB31と、受け部B32と、2つのベルトB35と、2つのプーリB36aと、2つのプーリB36bと、2つのステッピングモータB37とが配されている。
【0082】
バーコードリーダB31と受け部B32は、ベースB30の下面に設置されている。支持部B33、B34は、それぞれ、読取部B1、B2(図4(a)参照)のベースB30の下面に設置されている。送出ユニット23の後方(Y軸正方向側の端)に設置された支持部23aの上面には、X軸方向に伸びたガイド23bが設置されている。ベースB30は、受け部B32を介して、ガイド23b上をX軸方向に移動可能となるよう支持されている。
【0083】
2つのプーリB36aと、2つのプーリB36bは、送出ユニット23の支持部23aのY軸正方向側の側面に、Y軸を中心として回転可能となるよう設置されている。2つのベルトB35は、図示の如く、プーリB36a、B36bに掛け渡されている。支持部B
33、B34は、それぞれ、上側と下側のベルトB35に固定されている。2つのステッピングモータB37は、支持部23a内に設置されており、2つのプーリB36aに接続されている。
【0084】
このようにベースB30を駆動するための機構が構成されると、2つのステッピングモータB37が駆動されることにより、2つのベルトB35がプーリB36a、B36bの周りを移動する。これにより、支持部B33、B34がX軸方向に移動されて、読取部B1、B2のベースB30が、X軸方向に個別に移動される。
【0085】
図6は、容器有無検知ユニットEの詳細な構成を示す図である。
【0086】
同図(a)は、容器有無検知ユニットEを右側から(X軸正方向に)見た場合の側面図であり、同図(b)は、容器有無検知ユニットEを上側から見た場合の平面図である。なお、容器有無検知ユニットEの下方向(Z軸負方向)には、ベースE20をX軸方向に移動するための機構が構成されているが、かかる機構は図5に示したバーコードユニットBと同様であるため、ここでは図示を省略する。
【0087】
図6(a)、(b)を参照して、支持体E10には、発光部と受光部からなる透過型のセンサE11と、遮光板E12と、接触部E13と、受け部E14と、上板部E15と、軸E16が装着されている。ベースE20には、プーリE22a、E22bと、ステッピングモータE23と、発光部と受光部からなる透過型のセンサE24、E25と、ガイドE26が設置されている。
【0088】
センサE11は、後述する遮光板E19が、センサE11の発光部と受光部の間に位置付けられているか否かを検出する。遮光板E12は、支持体E10がZ軸方向に移動する場合に、センサE24の発光部と受光部の間、および、センサE25の発光部と受光部の間に位置付けられる。接触部E13は、支持体E10のY軸正方向の端の下面(Z軸負方向側の面)に設置されている。接触部E13は、接触部E13の真下(Z軸負方向)に検体容器Tがある場合に、同図(a)の状態から、支持体E10がZ軸負方向に移動されると、検体容器Tの蓋部CPに当接する。受け部E14は、ガイドE26に設置されており、ガイドE26に沿ってZ軸方向に移動可能となっている。これにより、支持体E10は、受け部E14を介してZ軸方向に移動可能となっている。
【0089】
上板部E15は、軸E16のZ軸正方向側の端部を支持している。支持体E10には、鍔部E10aが形成されており、鍔部E10aは、軸E16のZ軸負方向側の端部を支持している。軸E16には、支持部E17とバネE18が通されている。支持部E17は、ベルトE21に固定されており、軸E16に沿ってZ軸方向に所定幅だけ移動可能となっている。バネE18は、伸長作用により、支持部E17をZ軸正方向に押している。支持部E17には、遮光板E19が設置されている。
【0090】
ベルトE21は、プーリE22a、E22bに掛け渡されている。プーリE22aは、ステッピングモータE23の軸にY軸を中心として回転可能となるよう設置され、プーリE22bは、ベースE20にZ軸を中心として回転可能となるよう設置されている。ステッピングモータE23が駆動されることにより、ベルトE21がプーリE22a、E22bの周りを移動する。
【0091】
ここで、ベルトE21がプーリE22a、E22bの周りを移動すると、支持部E17はZ軸方向に移動する。支持部E17がZ軸負方向に移動すると、バネE18からの力を受けて、支持体E10がZ軸負方向に移動する。また、支持部E17がZ軸正方向に移動すると、支持部E17により上板部E15がZ軸正方向に押されて、支持体E10がZ軸
正方向に移動する。
【0092】
接触部E13の真下(Z軸負方向)に検体容器Tが位置付けられている場合、遮光板E12がセンサE24に位置付けられた状態から支持体E10がZ軸負方向に移動されると、遮光板E19は、センサE11の発光部と受光部の間に位置付けられる。すなわち、接触部E13が検体容器Tの蓋部CPの上面に当接すると、支持体E10はさらに下方向に移動することがないものの、支持部E17は、ベルトE21の動きに合わせて、バネE18を縮めながら下方向(Z軸負方向)に移動する。これにより、遮光板E19がセンサE11の発光部と受光部の間に位置付けられるため、接触部E13の真下に検体容器Tが位置付けられていることが分かる。
【0093】
他方、接触部E13の真下(Z軸負方向)に検体容器Tが位置付けられていない場合、遮光板E12がセンサE24に位置付けられた状態から支持体E10がZ軸負方向に移動されても、遮光板E19は、センサE11の発光部と受光部の間に位置付けられることはなく、遮光板E12はセンサE25に位置付けられる。これにより、接触部E13の真下に検体容器Tが位置付けられていないことが分かる。
【0094】
このように支持体E10を駆動するための機構が構成されると、支持体E10が下方向(Z軸負方向)に移動されるときに、センサE11の出力信号により、接触部E13の下方向に位置付けられた検体ラックLの保持位置における検体容器Tの有無が検知される。
【0095】
図7は、搬送ユニット31〜33を上側から見た場合の構成を示す平面図である。搬送ユニット31〜33は、右テーブル310と、ラック搬送部320と、左テーブル330と、ラック搬送部340、350とを備えている。右テーブル310と、ラック搬送部320と、左テーブル330とにより、図1の測定ラインが構成される。また、ラック搬送部340により図1の供給ラインが構成され、ラック搬送部350により図1の回収ラインが構成される。なお、搬送ユニット31〜33は、同様の構成である。
【0096】
上流側(右側)から送出された検体ラックLに対する測定が、この搬送ユニットに対応する測定ユニット41で行われない場合、この検体ラックLは、ラック搬送部340のベルト341a、341bにより、ラック搬送部340の右端から左端へと供給ラインに沿って直線的に送られる。ラック搬送部340の左端近傍には、透過型のセンサ344a、344bが設置されている。センサ344a、344bにより、ラック搬送部340の左端位置に位置付けられた検体ラックLが検出される。
【0097】
次に、上流側(右側)から送出された検体ラックLに対する測定が、この搬送ユニットに対応する測定ユニット41で行われる場合、この検体ラックLは、ラック搬送部340の右端位置に位置付けられる。すなわち、壁部342aが、図示の状態から供給ライン上に僅かに出るよう、ラック押出し機構342が後方に移動される。これにより、上流側から送出された検体ラックLは壁部342aに当たって停止する。また、ラック搬送部340の右端位置の近傍には、透過型のセンサ343a、343bが設置されている。センサ343a、343bにより、ラック搬送部340の右端位置に位置付けられた検体ラックLが検出される。
【0098】
続いて、ラック押出し機構342がさらに後方に移動することにより、この検体ラックLが右テーブル310の搬送路311の前端に押し出される。透過型のセンサ312a、312bにより、搬送路311上の検体ラックLが検出されると、ラック送込機構313が検体ラックLの前端に係合した状態で後方に移動し、検体ラックLが後方に送られる。検体ラックLがラック搬送部320の右端位置まで送られると、ベルト321a、321bが駆動され、検体ラックLが左方向に送られる。なお、ベルト321a、321bは、
ステッピングモータ(図示せず)により駆動されるため、ラック搬送部320上の検体ラックLは、ステッピングモータのステップ数ごとに精度良く搬送される。
【0099】
その後、検体ラックLは、容器センサ322の位置へと到達する。容器センサ322は接触式のセンサである。容器センサ322の真下位置を検体ラックLに保持された検体容器Tが通過すると、容器センサ322の接触片が検体容器Tにより屈曲されて、検体容器Tの存在が検出される。
【0100】
容器センサ322による検体容器Tの検出位置から検体容器T2つ分だけ左側の供給位置において、測定ユニット41のハンド部F15a、F15b(図8(a)参照)が、検体容器Tを把持して検体ラックLから検体容器Tを取り出す。取り出された検体容器Tは、測定ユニット41内で測定に用いられた後、再び検体ラックLに戻される。検体容器Tが検体ラックLへ戻されるまでの間、検体ラックLの搬送は待機される。
【0101】
こうして、検体ラックLに保持された検体容器Tのうち、この搬送ユニットに対応する測定ユニット41で処理を行う全ての検体容器Tの処理が終了すると、検体ラックLは、ベルト321a、321bによって、ラック搬送部320の左端位置まで送られる。しかる後、検体ラックLは、ラック押出し機構323により、左テーブル330の搬送路331の後端に押し出される。透過型のセンサ332a、332bにより、搬送路331上にある検体ラックLが検出されると、ラック送込機構333が検体ラックLの後端に係合した状態で前方に移動する。これにより、検体ラックLが前方に送られる。
【0102】
左テーブル330の前方近傍には、透過型のセンサ334a、334bが設置されている。センサ334a、334bにより、左テーブル330の前方位置に位置付けられた検体ラックLが検出される。
【0103】
続いて、左テーブル330の前方にあって、ラック搬送部340と350の間にある仕切り部352が開閉制御され、検体ラックLが、ラック搬送部340、350の何れかに位置付けられる。
【0104】
検体ラックLに保持されている何れかの検体容器Tについて、下流側にある測定ユニット41または塗抹標本作製装置5において測定等の処理が必要である場合、仕切り部352によりラック搬送部340、350が仕切られた状態で、検体ラックLが、ラック送込機構333によりラック搬送部340の左端位置まで移動される。しかる後、この検体ラックLは、ラック搬送部340のベルト341bによって下流側の搬送ユニットに送出される。
【0105】
他方、検体ラックLに保持されている検体容器Tについて、いずれも下流側にある測定ユニット41または塗抹標本作製装置5において測定等の処理が必要でない場合、仕切り部352の上面が、ラック搬送部340のベルト341bの上面と同じ高さまで下げられ、検体ラックLが、ラック送込機構333によりラック搬送部350の左端位置まで移動される。こうして、検体ラックLが、ラック送込機構333によって、左テーブル330からラック搬送部340を横切って、ラック搬送部350の左端位置まで移動される。ラック搬送部350の左端位置に位置付けられた検体ラックLは、ラック搬送部350の左端位置近傍に設置された透過型のセンサ353a、353bにより検出される。しかる後、この検体ラックLは、ラック搬送部350のベルト351により、回収ラインに沿って右方向に移動される。回収ラインに沿って搬送された検体ラックLは、回収ユニット21に収容される。
【0106】
なお、搬送ユニット34には、搬送ユニット31〜33と同様の構成に加えて、ラック
搬送部320の右端近傍にバーコードユニットDが設置されている。塗抹標本の作製が必要と判断された検体を含む検体ラックLが、搬送ユニット34に搬送されると、この検体ラックLは測定ラインに沿って搬送される。このとき、検体ラックLに保持されている検体容器Tの検体IDは、供給位置に到達する前に、バーコードユニットDによって読み取られる。検体容器Tが供給位置に位置付けられると、検体容器Tから検体が吸引され、塗抹標本作製装置5において塗抹標本の作製が行われる。しかる後、この検体ラックLは回収ラインに沿って、回収ユニット21に向けて右方向に搬送される。
【0107】
図8(a)は、測定ユニット41を上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。
【0108】
ハンド部F15a、F15bは、供給位置に位置付けられた検体容器Tの蓋部CPをY軸方向から挟み込むことが可能となるよう構成されている。また、ハンド部F15a、F15bは、Y軸に平行な回転軸F11に通されている。
【0109】
検体容器搬送部411は、検体容器セット部411aと、搬送機構部411bを含んでいる。検体容器セット部411aは、搬送機構部411bにより、供給位置から検体吸引部412による吸引が可能となる位置まで、前後方向に移動可能となるよう構成されている。搬送機構部411bは、図示しないベルトと、2つのプーリと、ステッピングモータを含んでいる。
【0110】
検体容器Tが測定ライン上の供給位置に位置付けられると、ハンド部F15a、F15bが、供給位置に位置付けられた検体容器Tに向けて、下方向(Z軸負方向)に移動される。続いて、ハンド部F15a、F15bは、検体容器Tの蓋部CPを把持し、把持した検体容器Tを検体ラックLから上方向(Z軸正方向)に抜き出す。検体ラックLから抜き出された検体容器Tは、ハンド部F15a、F15bにより把持されたまま、回転軸F11がY軸を中心として回転することにより、同図(b)に示すように複数回に亘って転倒攪拌される。このとき、検体容器セット部411aが、ハンド部F15a、F15bの真下に位置付けられる。
【0111】
検体容器Tの転倒攪拌が終了すると、ハンド部F15a、F15bが下方向(Z軸負方向)に移動され、検体容器Tが、検体容器セット部411aにセットされる。続いて、検体容器セット部411aは、後方に移動され、バーコードユニットCの正面(X軸負方向)に位置付けられる。この状態で、バーコードユニットCにより、図4(c)を参照して説明したように、検体IDの読み取りと検体容器Tの有無の検知が行われる。バーコードユニットCにより読み取られた情報と検知された情報は、情報処理ユニット42に送信される。
【0112】
次に、検体容器Tは、検体容器セット部411aがさらに後方に移動されることにより、検体吸引部412の真下(Z軸負方向)に位置付けられる。検体吸引部412は、検体吸引部412の真下に位置付けられている検体容器T内の検体を吸引する。
【0113】
その後、検体容器Tは元の経路に沿って戻されて、再びハンド部F15a、F15bの真下(Z軸負方向)に位置付けられる。ハンド部F15a、F15bはこの検体容器Tを把持して真上(Z軸正方向)に移動させる。このとき、検体容器セット部411aが後方(Y軸正方向)に移動される。続いて、ハンド部F15a、F15bが下方向(Z軸負方向)に移動し、検体容器Tが元の検体ラックLの保持位置に戻される。
【0114】
試料調製部413は、複数の反応チャンバ(図示せず)を備えている。試料調製部413は、反応チャンバ内で、検体吸引部412により吸引された検体と、試薬とを混合攪拌
し、測定用の試料を調製する。検出部414は、試料調製部413により調製された試料を測定する。かかる測定により得られた測定データは、情報処理ユニット42により分析処理が行われる。
【0115】
図9は、把持ユニットFの詳細な構成を示す図である。
【0116】
同図(a)は、把持ユニットFを上側から(Z軸負方向に)見た場合の平面図であり、同図(b)は、把持ユニットFを右側から(X軸正方向に)見た場合の側面図である。
【0117】
同図(a)、(b)を参照して、支持体F10には、回転軸F11と、エアシリンダF12と、支持板F13、F14と、ハンド部F15a、F15bと、軸F16と、バネF17が装着されている。
【0118】
支持体F10は、回転軸F11の周りに回転可能に、ベースF20に支持されている。回転軸F11は、支持体F10のフランジ部F10a、F10bに固着されている。さらに、回転軸F11の一端は、ベースF20のフランジ部F20aに回転可能に支持され、他端は、ベースF20に装着されたステッピングモータF18の駆動軸に固定されている。ステッピングモータF18が駆動されると、回転軸F11の周りに支持体F10が回転し、これと一体的に、エアシリンダF12と、支持板F13、F14と、ハンド部F15a、F15bと、軸F16と、バネF17が回転する。
【0119】
回転軸F11には、ハンド部F15a、F15bが通されている。ハンド部F15aは、回動軸F11に沿って移動可能である。ハンド部F15a、F15bには、それぞれ、支持板F14、F13が固定されている。支持板F13は、支持体F10に装着された軸F16に固定されている。支持板F14は、エアシリンダF12から突出した軸F12aに連結されている。また、支持板F14の孔が軸F16に通されている。エアシリンダF12は、軸F12aをY軸方向に移動させる。エアシリンダF12が駆動されると、その駆動力が軸F12aと支持板F14を介してハンド部F15aに伝達され、ハンド部F15aが回転軸F11に沿って移動する。
【0120】
バネF17の両端は、支持板F13、F14に固定されている。バネF17は、伸長作用により、支持板F14をY軸負方向に押している。ステッピングモータF18は、ベースF20に設置されている。上記のとおり、ステッピングモータF18の駆動軸には、回転軸F11のY軸方向の端部が固定されている。
【0121】
次に、測定ユニット41の内壁41aには、プーリF21a、F21bが、Y軸を中心として回転可能となるよう設置されている。また、内壁41aには、ステッピングモータF23と、ガイド41bが設置されている。プーリF21aは、ステッピングモータF23の軸にY軸を中心として回転可能となるよう設置されている。ベルトF22は、プーリF21a、F21bに掛け渡されており、ベースF20は、ベルトF22に固定されている。ベースF20には、受け部F24が設置されている。これにより、ベースF20は、受け部F24を介して、ガイド41bに沿ってZ軸方向に移動可能となる。
【0122】
このように把持ユニットFが構成されると、図9(a)、(b)に示す状態から、エアシリンダF12により軸F12aがバネF17に逆らってY軸正方向に移動されると、ハンド部F15aが回転軸F11に沿ってY軸正方向に移動する。これにより、ハンド部F15a、F15bの間に位置付けられた検体容器Tの蓋部CPが、ハンド部F15a、F15bにより把持される。他方、ハンド部F15a、F15bにより蓋部CPが把持されている状態から、エアシリンダF12により軸F12aがY軸負方向に移動されると、ハンド部F15aが同図(a)の位置に位置付けられ、把持されていた蓋部CPが解放され
る。
【0123】
また、ステッピングモータF18が駆動されると、回転軸F11がY軸を中心として回転し、支持体F10と共にハンド部F15a、F15bがY軸を中心として回転させられる。さらに、ステッピングモータF23が駆動されると、ベルトF22が移動し、ベースE20がZ軸方向に移動する。
【0124】
こうして、図8を参照して説明したように、把持ユニットFにより、検体ラックLから検体容器Tが抜き出され、検体容器Tが転倒攪拌される。また、把持ユニットFにより、転倒攪拌が終了した検体容器Tは、検体容器セット部411aにセットされ、測定が終了した検体容器Tは、検体容器セット部411aから抜き出され、元の検体ラックLの保持位置に戻される。
【0125】
図10は、検体処理システム1の各ユニット(装置)の相互の接続関係を模式的に示す図である。
【0126】
ここで、搬送ユニット31〜33は、それぞれ、検体リレー部3a、検体供給部3bに分けて図示されている。具体的には、検体リレー部3aは、図7の左テーブル330と、ラック搬送部340、350を含む部分であり、隣り合う2台の搬送ユニットのうちの一方から検体ラックLを受け取り、他方の搬送ユニットに搬送する。検体供給部3bは、図7の右テーブル310とラック搬送部320を含む部分であり、測定ユニット41による検体の測定のために、検体ラックLを供給位置に搬送する。
【0127】
集線装置11には、回収ユニット21と、投入ユニット22と、送出ユニット23と、3台の検体リレー部3aと、搬送ユニット34と、搬送コントローラ6が、通信可能となるよう接続されている。集線装置12には、3台の検体リレー部3aと、情報処理ユニット42が通信可能となるよう接続されている。集線装置13には、3台の検体供給部3bと、情報処理ユニット42が通信可能となるよう接続されている。集線装置14には、3台の測定ユニット41と情報処理ユニット42が通信可能となるよう接続されている。
【0128】
図11は、搬送コントローラ6と、送出ユニット23と、回収ユニット21の構成の概要を示す図である。
【0129】
搬送コントローラ6は、制御部601と、通信部602と、ハードディスク603と、表示部604を備える。また、制御部601はメモリ601aを備える。
【0130】
制御部601は、メモリ601aまたはハードディスク603に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、他のユニット(装置)を制御する。メモリ601aは、ハードディスク603に記憶されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる他、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、作業領域としても利用される。通信部602は、Ethernet(登録商標)規格に基づいて外部の装置とデータ通信を行うための通信インターフェースを備え、集線装置11との間でデータ通信を行う。
【0131】
ハードディスク603には、他のユニット(装置)を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。また、ハードディスク603には、後述する検体容器Tの紛失通知画面と、進捗画面と、検体容器Tの回収状況画面を、表示部604に表示するためのコンピュータプログラムが記憶されている。表示部604は、ディスプレイ等で構成されており、制御部601から出力される映像信号に基づいて画像を表示する。
【0132】
送出ユニット23は、制御部238と、通信部239と、バーコード処理部240と、
駆動部241と、センサ部242を備える。また、制御部238はメモリ238aを備える。
【0133】
制御部238は、搬送コントローラ6の制御部601に従って、制御部238内のメモリ238aに記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、送出ユニット23内の各部を制御する。通信部239は、搬送コントローラ6の通信部602と同様に、集線装置11との間でデータ通信を行う。
【0134】
バーコード処理部240は、図3に示したバーコードユニットBとバーコードリーダ236を含んでいる。バーコードユニットBとバーコードリーダ236により読み取られたバーコード情報は、制御部238に出力される。また、バーコードユニットBにより検知された検体容器Tの有無も、制御部238に出力される。制御部238は、バーコード処理部240から受信した情報をメモリ238aに記憶し、通信部239と集線装置11を介して、搬送コントローラ6に送信する。
【0135】
駆動部241は、送出ユニット23上の検体ラックLを搬送するための機構と、この機構を駆動するためのステッピングモータを含んでいる。センサ部242は、センサ232の他、送出ユニット23上の検体ラックLを検出するためのセンサを含んでいる。センサ部242は、検出信号を制御部238に出力する。
【0136】
回収ユニット21は、図示の如く、送出ユニット23のバーコード処理部240の替わりに、容器有無検知ユニットEが追加された構成となっている。
【0137】
制御部216は、搬送コントローラ6の制御部601に従って、制御部216内のメモリ216aに記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、送出ユニット23内の各部を制御する。通信部217は、送出ユニット23の通信部239と同様に、集線装置11との間でデータ通信を行う。
【0138】
容器有無検知ユニットEによって検知された検体容器Tの有無は、制御部216に出力される。制御部216は、容器有無検知ユニットEから受信した情報をメモリ216aに記憶し、通信部217と集線装置11を介して、搬送コントローラ6に送信する。
【0139】
駆動部218は、回収ユニット21上の検体ラックLを搬送するための機構と、この機構を駆動するためのステッピングモータを含んでいる。センサ部219は、センサ214の他、回収ユニット21上の検体ラックLを検出するためのセンサを含んでいる。センサ部219は、検出信号を制御部216に出力する。
【0140】
なお、投入ユニット22は、送出ユニット23からバーコード処理部240が省略された構成と同様の構成となっており、ここでは図示を省略する。
【0141】
図12は、搬送ユニット31と、測定ユニット41と、情報処理ユニット42の構成の概要を示す図である。なお、同図には、便宜上、搬送ユニット31と測定ユニット41がそれぞれ1台のみ示されているが、搬送ユニット32、33と他の測定ユニット41も同様に構成される。
【0142】
搬送ユニット31は、図11の送出ユニット23からバーコード処理部240が省略され、通信部302bと、駆動部303bと、センサ部304bが追加された構成(メモリは図示せず)となっている。
【0143】
通信部302aは、集線装置11と12との間でデータ通信を行い、通信部302bは
、通信部302aと同様にして、集線装置13との間でデータ通信を行う。駆動部303aは、制御部301により制御され、駆動部303bは、通信部302bを介して、情報処理ユニット42により制御される。センサ部304aは、検出信号を制御部301に出力し、センサ部304bは、検出信号を、通信部302bを介して、情報処理ユニット42に出力する。
【0144】
通信部302bと、駆動部303bと、センサ部304bは、図10の検体供給部3bに含まれており、通信部302bと、駆動部303bと、センサ部304b以外の搬送ユニット31の各部は、図10の検体リレー部3aに含まれている。駆動部303aとセンサ部304aは、図7の左テーブル330と、ラック搬送部340、350上にある検体ラックLを、それぞれ搬送および検出するための機構を含んでいる。駆動部303bとセンサ部304bは、図7の右テーブル310とラック搬送部320上にある検体ラックLを、それぞれ搬送および検出するための機構を含んでいる。
【0145】
測定ユニット41は、図8に示したバーコードユニットCと、試料調製部413と、検出部414に加えて、通信部415と駆動部416を備える。
【0146】
通信部415は、搬送ユニット31の通信部302bと同様にして、集線装置14との間でデータ通信を行う。駆動部416は、図9に示した把持ユニットFと、図8に示した検体容器Tを搬送するための検体容器搬送部411と、検体吸引部412と、これらを駆動するための機構を含んでいる。
【0147】
情報処理ユニット42は、図11の搬送コントローラ6と同様の構成(ハードディスクと表示部は図示せず)となっている。
【0148】
制御部421は、通信部422と集線装置13を介して、搬送ユニット31の駆動部303bを制御し、センサ部304bの検出信号を受信する。また、制御部421は、通信部422と集線装置14を介して、測定ユニット41の駆動部416を制御し、バーコードユニットCによって読み取られた検体IDと、検知された検体容器Tの有無を受信する。制御部421は、バーコードユニットCから受信した情報を、メモリ421aに記憶し、通信部422、302aと、集線装置11、12を介して、搬送コントローラ6に送信する。
【0149】
図13は、搬送ユニット34と塗抹標本作製装置5の構成の概要を示す図である。
【0150】
搬送ユニット34は、図11の送出ユニット23からバーコード処理部240の替わりに、バーコードユニットDが追加された構成となっている。
【0151】
通信部342は、集線装置11との間でデータ通信を行う。また、通信部342は、塗抹標本作製装置5の通信部502と信号線により接続され、通信部502との間でもデータ通信を行う。制御部341は、バーコードユニットDによって読み取られた検体IDと、検知された検体容器Tの有無を受信する。制御部341は、バーコードユニットDから受信した情報を、メモリ341aに記憶し、通信部342と集線装置11を介して、搬送コントローラ6に送信する。
【0152】
塗抹標本作製装置5は、図11の送出ユニット23からバーコード処理部240が省略された構成と同様の構成(メモリは図示せず)となっている。
【0153】
塗抹標本作製装置5の制御部501は、通信部502を介して、搬送ユニット34から塗抹標本作製の指示を受信すると、搬送ユニット34の測定ライン上の供給位置にある検
体容器Tから検体を吸引し、塗抹標本を作製する。
【0154】
図14(a)は、バーコードユニットBの読取動作時における搬送コントローラ6の処理を示すフローチャートである。
【0155】
搬送コントローラ6の制御部601は、送出ユニット23の搬送路231の後方位置に検体ラックLが到着するまで処理を待機させる(S11)。すなわち、制御部601は、送出ユニット23から、センサ232により検体ラックLが検知された旨を受信するまで処理を待機させる。
【0156】
検体ラックLが送出ユニット23の搬送路231の後方位置に到着すると(S11:YES)、制御部601は、送出ユニット23に対して、バーコードユニットBによる読取動作を指示する(S12)。送出ユニット23は、読取動作の指示を受信すると、上述したように、バーコードユニットBを駆動して、ラックIDと、検体ラックLの保持位置に対応付けられた検体IDの読み取りを行い、併せて、この検体ラックLの各保持位置における検体容器Tの有無の検知を行う。
【0157】
図14(b)は、バーコードユニットBの読取動作により得られる情報、すなわち、ラックIDと、検体ラックLの保持位置に対応付けられた検体IDと、この検体ラックLの各保持位置における検体容器Tの有無を概念的に表す例示図である。なお、バーコードユニットBの読取動作により得られる情報を、以下、「ラック情報」と称することにする。
【0158】
図示の如く、この場合のラック情報によれば、検体ラックLの保持位置4と5には、検体容器Tが保持されていないことが分かる。送出ユニット23は、バーコードユニットBの読取動作によってラック情報を取得すると、搬送コントローラ6に、このラック情報を送信する。
【0159】
図14(a)に戻って、搬送コントローラ6の制御部601は、送出ユニット23からラック情報を受信するまで、処理を待機させる(S13)。制御部601は、送出ユニット23からラック情報を受信すると(S13:YES)、このラック情報をハードディスク603に記憶する(S14)。また、制御部601は、このラック情報を受信した日時をハードディスク603に記憶する。続いて、ラック情報に含まれる検体IDをもとに、制御部601は、ホストコンピュータ7に対して測定オーダを問い合わせ、ホストコンピュータ7から測定オーダを取得する(S15)。
【0160】
このように、搬送コントローラ6において、送出ユニット23の後方位置に到着した検体ラックLごとに、図14(a)の処理が繰り返し行われる。
【0161】
図15は、バーコードユニットBの読取動作時における送出ユニット23の処理を示すフローチャートである。送出ユニット23の制御部238は、図14のS12において、搬送コントローラ6からバーコードユニットBによる読取動作の指示を受信すると、図15(a)、(b)に示す2つの処理を並行して実行する。
【0162】
図15(a)を参照して、制御部238は、制御部238内のメモリ238aに変数iを生成し、この変数iに1をセットする(S101)。変数iの値が2であると(S102:YES)、制御部238は、送出ユニット23の後方位置にある検体ラックLのバーコードラベルBL2の正面に、バーコードユニットBの読取部B1を位置付けて(S103)、ラックIDを読み取る(S104)。しかる後、制御部238は、読み取ったラックIDを、制御部238内のメモリ238aに記憶する(S105)。他方、変数iの値が2でないと(S102:NO)、処理がS106に進められる。
【0163】
次に、制御部238は、検体ラックLの保持位置iの正面に、読取部B1を位置付ける(S106)。ここで、図4(a)、(b)を参照して説明したように読取部B1の各部が駆動されることにより、保持位置iに検体容器Tが保持されていることが検知されると(S107:YES)、制御部238は、この保持位置に保持されている検体容器Tの検体IDを読み取る(S108)。他方、保持位置iに検体容器Tが保持されていないことが検知されると(S107:NO)、処理がS109に進められる。
【0164】
次に、制御部238は、この保持位置iに対応付けて、検体IDと検体容器Tの有無を、制御部238内のメモリ238aに記憶する(S109)。なお、S107で検体容器Tが検知されなかった場合、S109では、検体容器Tの有無のみが記憶される。
【0165】
続いて、変数iの値が5でないと(S110:NO)、変数iの値が1だけ加算され(S111)、処理がS102に戻される。他方、変数iの値が5であると(S110:YES)、処理が終了する。
【0166】
図15(b)を参照して、送出ユニット23の制御部238は、制御部238内のメモリ238aに変数jを生成し、この変数jに6をセットする(S201)。続いて、S202〜S205において、同図(a)のS106〜S109と同様の処理が行われる。
【0167】
続いて、S206において、変数jの値が10でないと(S206:NO)、変数jの値が1だけ加算され(S207)、処理がS202に戻される。他方、変数jの値が10であると(S206:YES)、処理が終了する。
【0168】
このように、図15(a)、(b)の2つの処理が並行して行われ、これら2つの処理が何れも終了すると、送出ユニット23の制御部238内にあるメモリ238aには、図14(b)に示したようなラック情報が記憶されることとなる。制御部238は、図15(a)、(b)の処理が何れも終了すると、ラック情報を搬送コントローラ6に送信する。
【0169】
図16(a)は、容器有無検知ユニットEの検知動作時における搬送コントローラ6の処理を示すフローチャートである。
【0170】
搬送コントローラ6の制御部601は、回収ユニット21の前方位置に検体ラックLが到着するまで処理を待機させる(S21)。すなわち、制御部601は、回収ユニット21から、センサ214により検体ラックLが検知された旨を受信するまで処理を待機させる。なお、検体ラックLが回収ユニット21の前方位置に到着する直前に検体ラックLのラックIDはバーコードリーダ243により読み取られる。
【0171】
検体ラックLが回収ユニット21の前方位置に到着すると(S21:YES)、制御部601は、回収ユニット21に対して、容器有無検知ユニットEによる検知動作を指示する(S22)。回収ユニット21は、検知動作の指示を受信すると、上述したように、容器有無検知ユニットEを駆動して、検体ラックLの各保持位置における検体容器Tの有無の検知を行う。
【0172】
図16(b)は、バーコードリーダ243の読取動作および容器有無検知ユニットEの検知動作により得られる情報、すなわち、検体ラックLのラックIDおよび検体ラックLの各保持位置における検体容器Tの有無を概念的に表す例示図である。なお、バーコードリーダ243の読取動作および容器有無検知ユニットEによる検知動作により得られる情報を、以下、「有無情報」と称することにする。
【0173】
図示の如く、この場合の有無情報によれば、検体ラックLの保持位置2、4、5には、検体容器Tが保持されていないことが分かる。回収ユニット21は、容器有無検知ユニットEの検知動作によって有無情報を取得すると、搬送コントローラ6に、この有無情報を送信する。
【0174】
図16(a)に戻って、搬送コントローラ6の制御部601は、回収ユニット21から有無情報を受信するまで、処理を待機させる(S23)。制御部601は、回収ユニット21から有無情報を受信すると(S23:YES)、この有無情報をハードディスク603に記憶する(S24)。また、制御部601は、この有無情報を受信した日時をハードディスク603に記憶する。
【0175】
続いて、制御部601は、この有無情報のラックIDに対応する検体ラックLのラック情報をハードディスク603から読み出して、S23で受信した有無情報と比較する。これにより、制御部601は、上流(送出ユニット23の後方位置)で検知されたが、下流(回収ユニット21の前方位置)で検知されなかった検体容器Tがあるかを判定する(S25)。たとえば、図14(b)のラック情報と、図16(b)の有無情報を比較した場合に、保持位置2の検体容器Tは、上流(送出ユニット23の後方位置)では検知されたものの、下流(回収ユニット21の前方位置)では検知されていないことが分かる。
【0176】
上流で検知されたが下流で検知されなかった検体容器Tがあると(S25:YES)、制御部601は、表示部604に紛失通知画面を表示する(S26)。他方、上流で検知されたが下流で検知されなかった検体容器Tがないと(S25:NO)、処理がS21に戻される。
【0177】
このように、搬送コントローラ6において、回収ユニット21の前方位置に到着した検体ラックLごとに、図16(a)の処理が繰り返し行われる。
【0178】
図16(c)は、表示部604に表示される紛失通知画面800の例示図である。紛失通知画面800には、回収状況画面ボタン801と、OKボタン802が含まれている。
【0179】
この場合の紛失通知画面800には、検体IDが“R0002”である検体容器Tが紛失し
た旨が表示されている。これにより、ユーザは、上流から下流の間に、検体容器Tが紛失したことを知ることができ、紛失した検体容器Tを特定することができる。なお、回収状況画面ボタン801が押下されると、回収状況画面820(図18(b)参照)が表示される。OKボタン802が押下されると、紛失通知画面800が閉じられる。
【0180】
図17(a)は、搬送コントローラ6による進捗状況画面の表示に関する処理を示すフローチャートである。
【0181】
進捗状況画面の表示指示が行われると(S31:YES)、搬送コントローラ6の制御部601は、ハードディスク603に記憶しているラック情報と有無情報に基づいて、表示部604に進捗状況画面810(図18(a)参照)を表示する(S32)。進捗状況画面810の表示指示は、搬送コントローラ6の表示部604に表示されるメイン画面のメニュー内に配された進捗状況表示ボタン(図示せず)が、ユーザにより押下されることにより行われる。
【0182】
図18(a)は、表示部604に表示される進捗状況画面810の例示図である。進捗状況画面810には、進捗状況表示領域811と、スクロールバー812と、終了ボタン813が含まれている。
【0183】
進捗状況表示領域811には、図示の如く、“検体ID”と、“送出ユニットでのバーコード読み取り日時”と、“状況”と、“収納日時”を示す項目が設定されている。進捗状況表示領域811は、スクロールバー812により、全件の表示が可能となっている。進捗状況画面810は、右上に配された終了ボタン813がユーザにより押下されることにより閉じられる。
【0184】
“送出ユニットでのバーコード読み取り日時”は、対象となる検体容器Tの検体IDを含むラック情報が、搬送コントローラ6により受信された日時を示している。“収納日時”は、検体容器Tの有無を含む有無情報が、搬送コントローラ6により受信された日時を示している。
【0185】
なお、“送出ユニットでのバーコード読み取り日時”および“収納日時”は、対象となる検体容器Tが、それぞれ、バーコードユニットBによる読取動作および容器有無検知ユニットEによる検知動作が行われた日時であっても良い。この場合、送出ユニット23から送信されるラック情報および回収ユニット21から送信される有無情報には、それぞれ、個々の検体容器Tについて読取動作および検知動作が行われた日時が付加される。
【0186】
“状況”は、検体容器Tの現在の状況を示している。“状況”が“処理中”となっている場合、この検体容器Tは、搬送コントローラ6がこの検体容器Tの検体IDを含むラック情報を受信した後、搬送コントローラ6がこの検体容器Tの有無を含む有無情報を受信していない状況であることが分かる。すなわち、この検体容器Tは、バーコードユニットBの位置と、容器有無検知ユニットEとの間で、処理中であることが分かる。
【0187】
“状況”が“収納”となっている場合、この検体容器Tは、搬送コントローラ6がこの検体容器Tの有無が“あり”となっている有無情報を受信している状況であることが分かる。すなわち、この検体容器Tは、回収ユニット21に収納されていることが分かる。
【0188】
“状況”が“不明”となっている場合、この検体容器Tは、搬送コントローラ6がこの検体容器Tの有無が“なし”となっている有無情報を受信している状況であることが分かる。すなわち、この検体容器Tは、バーコードユニットBの位置と、容器有無検知ユニットEとの間で、紛失したことが分かる。
【0189】
図17(a)に戻って、進捗状況画面810の終了指示が行われると、すなわち、終了ボタン813がユーザにより押下されると(S33:YES)、搬送コントローラ6の制御部601は、表示部604に表示されている進捗状況画面810を非表示にする(S34)。
【0190】
図17(b)は、搬送コントローラ6による回収状況画面の表示に関する処理を示すフローチャートである。
【0191】
回収状況画面の表示指示が行われると(S41:YES)、搬送コントローラ6の制御部601は、ハードディスク603に記憶しているラック情報と有無情報に基づいて、表示部604に回収状況画面820(図18(b)参照)を表示する(S42)。回収状況画面820の表示指示は、搬送コントローラ6の表示部604に表示されるメイン画面のメニュー内に配された回収状況表示ボタン(図示せず)、または、図16(c)に示した紛失通知画面800の回収状況画面ボタン801が、ユーザにより押下されることにより行われる。
【0192】
図18(b)は、表示部604に表示される回収状況画面820の例示図である。回収
状況画面820には、回収状況表示領域821と、スクロールバー822と、終了ボタン823が含まれている。
【0193】
回収状況表示領域821には、図示の如く、“ラックID”と、“検体容器の回収状況”を示す項目が設定されている。回収状況表示領域821は、スクロールバー822により、全件の表示が可能となっている。回収状況画面820は、右上に配された終了ボタン823がユーザにより押下されることにより閉じられる。
【0194】
“検体容器の回収状況”には、対象となる検体ラックLの各保持位置における検体容器Tの回収状況が、検体ラックLの各保持位置と共に視覚的に図示されている。上流(送出ユニット23の後方位置)で検知されたが、下流(回収ユニット21の前方位置)で検知されなかった検体容器Tがあるとき、紛失した検体容器Tが上流で保持されていた保持位置がマーキングされる。たとえば、同図(b)に示す回収状況画面820では、ラックIDが“000010”である検体ラックLの左から2番目の保持位置の検体容器Tが紛失したことが分かる。
【0195】
図17(b)に戻って、回収状況画面820の終了指示が行われると、すなわち、終了ボタン823がユーザにより押下されると(S43:YES)、搬送コントローラ6の制御部601は、表示部604に表示されている回収状況画面820を非表示にする(S44)。
【0196】
以上、本実施の形態によれば、バーコードユニットBにより、検体ラックLに保持されている検体容器Tの検体IDが読み取られる。また、バーコードユニットBと容器有無検知ユニットEにより、検体ラックLの各保持位置における検体容器Tの有無が検知される。これにより、バーコードユニットBと容器有無検知ユニットEの間で検体容器Tが紛失しているか否かが分かり、紛失した検体容器Tを特定することができる。
【0197】
また、本実施の形態によれば、検体容器Tが紛失している場合には、図16(c)の紛失通知画面800が表示される。これにより、ユーザは、バーコードユニットBと容器有無検知ユニットEの間で、検体容器Tが紛失したことを知ることができる。また、ユーザは、図18(a)の進捗状況画面810を表示させることで、各検体容器Tが紛失しているか否かを知ることができる。
【0198】
さらに、ユーザは、図18(b)の回収状況画面820により、どの保持位置に保持されていた検体容器Tが紛失したのかを、直感的に知ることができる。すなわち、ユーザは、回収ユニット21に回収された検体ラックLを実際に見ただけでは、元々検体容器Tが保持されていなかったのか、搬送過程で紛失したのかを見分けることができない。回収状況画面820内で紛失した検体容器Tの保持位置が示されることにより、ユーザは、直感的に検体容器Tの紛失に気付くことができる。
【0199】
なお、本実施の形態では、バーコードユニットBと容器有無検知ユニットEの間で、検体容器Tの紛失が検知されたが、バーコードユニットC、Dで検知される検体容器Tの有無に基づいて、検体容器Tの紛失が検知されても良い。すなわち、バーコードユニットBにより検体容器Tが検知された保持位置において、バーコードユニットCまたはDにより、検体容器Tが保持されていないと検知された場合、上記と同様に、検体容器Tの紛失が検知されるようにしても良い。
【0200】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0201】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査する検体処理システムにも本発明を適用することができ、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体処理システムに本発明を適用することもできる。
【0202】
また、上記実施の形態では、検体容器Tが紛失した場合に、図16(c)の紛失通知画面800が表示されることにより、検体容器Tの紛失が通知されたが、これに限らず、ランプ、音等によって検体容器Tの紛失が通知されるようにしても良い。
【0203】
また、検体容器Tが紛失した場合に、これらの通知に替えて、搬送ラインが停止されるようにしても良いし、測定ユニット41による測定が中断されるようにしても良い。これにより、ユーザは、何らかの異常が発生したことに気付き、その対処を行っている中で検体容器Tの紛失にも気付き、必要な対処を行うことが可能となる。
【0204】
また、上記実施の形態では、図1に示したように、送出ユニット23と回収ユニット21が、測定ユニット41と塗抹標本作製装置5に対して、同じ側(右側)に配された。しかしながら、これに限らず、送出ユニット23と回収ユニット21が、測定ユニット41と塗抹標本作製装置5に対して、互いに反対側に配されても良い。たとえば、回収ユニット21が、塗抹標本作製装置5の左側に配されても良い。この場合も、上記実施の形態と同様に、送出ユニット23に配されたバーコードユニットBと、回収ユニット21に配された容器有無検知ユニットEにより、検体容器Tの紛失が検知され得る。
【0205】
また、上記実施の形態では、バーコードユニットBによりラック情報が取得され、容器有無検知ユニットEにより有無情報が取得されたが、これに限らず、バーコードユニットBによりラック情報と有無情報が取得されるようにしても良い。
【0206】
図19(a)は、バーコードユニットBによりラック情報と有無情報が取得される場合の、検体ラックLの搬送経路を模式的に示す図である。点線は、投入ユニット22に載置されてから、送出ユニット23から搬送ユニット31に送出されるまでの検体ラックLの搬送経路を示している。また、破線は、回収ラインに沿って搬送ユニット31から送出ユニット23に送出されてから、回収ユニット21に回収されるまでの検体ラックLの搬送経路を示している。
【0207】
この場合も、上記実施の形態と同様、投入ユニット22に載置された検体ラックLは、まず、送出ユニット23の後方位置において、バーコードユニットBによりラック情報が取得される。
【0208】
次に、測定または塗抹標本の作製が終了し、回収ラインに沿って搬送ユニット31から右方向に送出された検体ラックLは、ベルト237、224により、投入ユニット224の前方位置に位置付けられ、投入ユニット224の前方位置近傍に配されたラック押出し機構225により後方に押し出される。投入ユニット22上に再度位置付けられた検体ラックLは、送出ユニット23の後方位置に位置付けられて、バーコードユニットBにより検体ラックLの各保持位置における検体容器Tの有無のみが検知される。しかる後、この検体ラックLは、ベルト237、224、213を経て、回収ユニット21に回収される。
【0209】
このように、バーコードユニットBによりラック情報と有無情報が取得される場合も、上記実施の形態と同様、1回目にバーコードユニットBに位置付けられてから、2回目にバーコードユニットBに位置付けられるまでの間に、検体容器Tが紛失したことが検知され得る。
【0210】
また、上記実施の形態では、送出ユニット23の後方位置と、回収ユニット21の前方位置での検体容器Tの保持状態が比較されることにより、検体容器Tの紛失が検知されたが、保持状態が比較される位置は、これに限らない。
【0211】
図19(b)は、搬送ユニット31〜33の供給位置付近に配された反射型のセンサ324、325を上から見た場合の平面図である。図示の如く、センサ324、325は、それぞれ、供給位置に対して上流側および下流側に配されている。センサ324、325は、正面(後方)に検体容器Tが保持されているか否かを検出することができる。
【0212】
こうすると、センサ324の正面を通過する際に検体ラックLに保持されていた検体容器Tが、センサ325の正面を通過する際に保持されているか否かがわかる。これにより、検体容器Tが、センサ324の位置から、測定ユニット41内に取り込まれて測定が行われ、センサ325の位置に位置付けられるまでの間に、検体容器Tの紛失が検知され得る。
【0213】
なお、図19(c)に示す如く、供給位置の前方にのみ反射型のセンサ326が配されるようにしても良い。この場合、測定ユニット41内に取り込まれる前後の検体容器Tが、センサ326により検知される。
【0214】
また、上記実施の形態では、検体容器Tを測定ユニット41に供給する前と後のそれぞれの時点において検体容器Tの有無を検知することにより、検体容器Tの紛失を検知しているが、本発明はこれに限らない。検体ラックL内の検体容器Tを測定ユニット41に供給する前の時点において、検体ラックLの搬送方向上流側の地点と搬送方向下流側の地点のそれぞれにおいて検体容器Tの有無を検知してもよい。これにより、検体容器Tを測定ユニット41に供給する前の時点においても、搬送方向上流側の地点から搬送方向下流側の地点へ検体容器Tが搬送されるまでの間に、検体ラックL内の検体容器Tの紛失が検知され得る。そのため、例えば、他の検査部門の検査技師が検体ラックLの搬送過程で検体容器Tを検体ラックLから抜き出してしまった場合であっても、検体容器Tを測定ユニット41に供給する前の時点で検体容器Tの紛失に迅速に気付くことができる。
【0215】
また、上記実施の形態では、送出ユニット23の後方位置において、バーコードユニットBによりラック情報が取得されたが、これに限らず、投入ユニット22の搬送路221の前方位置において、バーコードユニットBによりラック情報が取得されるようにしても良い。
【0216】
また、上記実施の形態では、検体IDの読み取りと検体容器Tの有無の検知は、バーコードユニットBにより並行して行われたが、これに限らず、検体IDの読み取りと検体容器Tの有無の検知は、搬送経路上の異なる位置において行われても良い。たとえば、搬送経路の上流側において、まず検体IDの読み取りを行い、搬送経路の下流側において、検体容器Tの有無の検知が行われるようにしても良い。
【0217】
また、上記実施の形態では、バーコードユニットBと容器有無検知ユニットEは、図4〜図6に示したように、検体容器Tの有無を検知したが、これに限らず、発光部と受光部からなる透過型のセンサ、または、反射型のセンサにより、検体容器Tの有無が検知されるようにしても良い。また、検体容器Tに接触部材を接触させることで検体容器Tの有無が検知されるようにしても良い。また、検体ラックLの上面より上方向に突出した検体容器Tの蓋部CPの部分を撮像し、撮像した画像に基づいて検体容器Tの有無が検知されるようにしても良い。
【0218】
また、上記実施の形態では、検体ラックLに保持されることにより、検体容器Tが搬送されているが、これに限らず、検体容器Tを直接保持する搬送部により、検体容器Tが搬送されるようにしても良い。
【0219】
また、上記実施の形態では、検体容器Tの転倒攪拌、検体の分注等は、1つの測定ユニット41内で併せて行われたが、検体容器Tの転倒攪拌、検体の分注等の何れかのみが、測定ユニット41内で行われるようにしても良い。
【0220】
また、本実施の形態では、バーコードユニットBにより得られるラック情報と、容器有無検知ユニットEにより得られる有無情報とが比較されることにより、検体容器Tの紛失が検知されたが、これに限らず、検体容器Tの有無を検知するセンサを、搬送経路上にさらに追加しても良い。
【0221】
図20は、図1に示す構成に、反射型のセンサG1〜G3が追加された構成を示す図である。図示の如く、センサG1〜G3は、それぞれ、搬送ユニット31〜33のラック搬送部320の左側近傍に配されている。
【0222】
この場合に、バーコードユニットBにより検体容器Tが検知された保持位置において、センサG1〜G3により、検体容器Tが保持されていないと検知された場合、上記と同様に、検体容器Tの紛失が検知されるようにしても良い。
【0223】
こうすると、たとえば、バーコードユニットBにより検知された検体容器Tが、センサG1により検知されなかった場合には、この検体容器Tは、バーコードユニットBとセンサG1の間で紛失したことが分かる。また、センサG2により検知された検体容器Tが、容器有無検知ユニットEにより検知されなかった場合には、この検体容器Tは、センサG2と容器有無検知ユニットEの間で紛失したことが分かる。
【0224】
また、上記実施の形態では、回収ユニット21の前方位置に配置されたバーコードリーダ243により検体ラックLのラックIDを読み取り、かつ、容器有無検知ユニットEによって検体ラックLの各保持位置における検体容器Tの有無を検知することによって、検体容器Tの紛失を検出しているが、本発明はこれに限られない。例えば、バーコードユニットBのように検体ラックL内の各検体容器Tの検体IDを読み取る読み取り機構を回収ユニット21の前方位置に配置し、バーコードユニットBで読み取られた検体IDが上記読み取り機構によって読み取られなかった場合に、当該検体IDが付された検体容器Tが紛失したことを通知してもよい。
【0225】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0226】
1 … 検体処理ユニット
21 … 回収ユニット
22 … 投入ユニット
23 … 送出ユニット
243 … バーコードリーダ
31 … 搬送ユニット
32 … 搬送ユニット
33 … 搬送ユニット
34 … 搬送ユニット
324 … センサ
325 … センサ
326 … センサ
41 … 測定ユニット
5 … 塗抹標本作製装置
601 … 制御部
604 … 表示部
B … バーコードユニット
C … バーコードユニット
D … バーコードユニット
E … 容器有無検知ユニット
F11 … 回転駆動部
F12 … エアシリンダ
F15a … ハンド部
F15b … ハンド部
F18 … ステッピングモータ
G1 … センサ
G2 … センサ
G3 … センサ
L … 検体ラック
T … 検体容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を収容した検体容器を検知するための第1検知手段と、
前記第1検知手段により検知された前記検体容器に収容される検体に対して処理を行う検体処理ユニットと、
前記検体処理ユニットにより前記処理が行われた前記検体容器を検知するための第2検知手段と、
前記第1検知手段によって検知された前記検体容器が、前記第2検知手段によって検知されなかった場合に、その旨をユーザに認知させるための認知処理を実行する制御部と、を備える、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検体処理システムにおいて、
前記制御部は、前記認知処理として、前記検体容器が紛失したことの通知処理を実行する、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の検体処理システムにおいて、
前記検体容器を搬送する搬送部をさらに備え、
前記検体処理ユニットは、前記搬送部によって供給された前記検体容器に収容された検体に対して処理を行う、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の検体処理システムにおいて、
前記検体処理ユニットは、前記検体容器を前記搬送部から受け取って検体に対する処理を行い、前記検体容器を前記搬送部に返却する、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の検体処理システムにおいて、
前記第1検知手段は、前記検体処理ユニットに対して検体容器の搬送方向の上流側に配置された第1検体容器検知部を含み、
前記第2検知手段は、前記検体処理ユニットに対して前記搬送方向の下流側に配置された第2検体容器検知部を含む、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の検体処理システムにおいて、
検体容器が載置され、載置された検体容器を前記搬送部に供給する供給部と、
前記検体処理ユニットを経由して前記搬送部により搬送された検体容器を回収する回収部と、をさらに備え、
前記第1検体容器検知部は、前記供給部に配置され、
前記第2検体容器検知部は、前記回収部に配置されている、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項7】
請求項3ないし6の何れか一項に記載の検体処理システムにおいて、
前記搬送部は、複数の検体容器を保持可能な検体ラックを搬送することにより、前記検体容器に収容される検体を前記検体処理ユニットに供給する、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の検体処理システムにおいて、
前記第1検知手段は、検体ラックの識別情報および当該検体ラックの各検体容器保持位
置における検体容器の有無を検知し、
前記第2検知手段は、検体ラックの識別情報および当該検体ラックの各検体容器保持位置における検体容器の有無を検知し、
前記制御部は、前記第1検知手段によって検知された検体ラック内の検体容器が、前記第2検知手段によって検知されなかった場合に、前記認知処理を実行する、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の検体処理システムにおいて、
前記第1検知手段は、検体容器の識別情報を検知し、
前記第2検知手段は、検体容器の識別情報を検知し、
前記制御部は、前記第1検知手段によって検知された識別情報が、前記第2検知手段によって検知されなかった場合に、前記認知処理を実行する、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の検体処理システムにおいて、
前記検体処理ユニットは、
検体容器を取得して保持する保持部と、
当該保持部に回動動作を行わせる回動駆動部と、を含む、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか一項に記載の検体処理システムにおいて、
表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記認知処理として、前記検体容器が紛失したことを知らせる紛失情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項12】
請求項11に記載の検体処理システムにおいて、
前記制御部は、検体容器内の検体の処理に関する進捗状況を示す画面を前記表示部に表示させるとともに、前記紛失情報を前記画面上に表示する、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項13】
請求項7に記載の検体処理システムにおいて、
表示部と、
前記検体処理ユニットを経由して前記搬送部により搬送された前記検体ラックを回収するラック回収部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記ラック回収部に回収された検体ラックを示すとともに、前記検体ラックから紛失した検体容器の前記検体ラックにおける保持位置を示す画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする検体処理システム。
【請求項14】
検体容器内の検体を処理する検体処理装置に、複数の検体容器を保持可能な検体ラックを搬送するラック搬送システムであって、
検体容器を保持した検体ラックを第1位置から第2位置へ搬送する搬送部と、
前記第1位置において検体ラックの識別情報および当該検体ラックの各検体容器保持位置における検体容器の有無を検知するための第1検知部と、
前記第2位置に搬送された検体ラックの識別情報および当該検体ラックの各検体容器保持位置における検体容器の有無を検知するための第2検知部と、
前記第1検知部によって検知された検体ラック内の検体容器が、前記第2検知部によって検知されなかった場合に、その旨をユーザに認知させる処理を実行する制御部と、を備える、
ことを特徴とするラック搬送システム。
【請求項15】
請求項14に記載のラック搬送システムにおいて、
前記第1位置から前記第2位置の間で前記搬送部によって供給された検体容器に収容される検体に対して処理を行う検体処理ユニットをさらに備える、
ことを特徴とするラック搬送システム。
【請求項16】
検体を収容した検体容器の検知動作を行う第1検知ステップと、
前記第1検知ステップで検知された前記検体容器に収容される検体に対して処理を行う検体処理ステップと、
前記検体処理ステップにより前記処理が行われた前記検体容器の検知動作を行う第2検知ステップと、
前記第1検知ステップにおいて検知された前記検体容器が、前記第2検知ステップにおいて検知されなかった場合に、その旨をユーザに認知させる処理を実行する実行ステップと、を備える、
ことを特徴とする検体処理方法。
【請求項17】
検体容器内の検体を処理する検体処理装置に、複数の検体容器を保持可能な検体ラックを搬送するラック搬送方法であって、
検体容器を保持した検体ラックの識別情報および当該検体ラックの各検体容器保持位置における検体容器の有無を第1位置において検知する第1検知ステップと、
前記検体ラックを前記第1位置から第2位置に搬送部により搬送する搬送ステップと、
前記第2位置に搬送された検体ラックの識別情報および当該検体ラックの各検体容器保持位置における検体容器の有無を検知する第2検知ステップと、
前記第1検知ステップにおいて検知された検体ラック内の検体容器が、前記第2検知ステップにおいて検知されなかった場合に、その旨をユーザに認知させる処理を実行する実行ステップと、を備える、
ことを特徴とするラック搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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