説明

検体処理システム、検体処理方法およびコンピュータプログラム

【課題】メンテナンス時に、十分な作業スペースを確保しながら検体処理を継続することが可能な検体処理システムを提供する。
【解決手段】この血液分析装置1(検体処理システム)は、検体搬送装置4と、第1測定ユニット3と、第2測定ユニット2と、第1測定ユニット3が第1取込位置43aに搬送された検体を取り込んで処理を行う第1設置位置から第3取込位置43eに搬送された検体を取り込んで処理を行う第3設置位置に移動された場合に、第3取込位置43eに検体を搬送するように検体搬送装置4を制御する制御装置5とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体処理システム、検体処理方法およびコンピュータプログラムに関し、特に、複数の検体処理装置を備えた検体処理システム、複数の検体処理装置を用いた検体処理方法および複数の検体処理装置を制御するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の検体処理装置を備えた検体処理システムが知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。
【0003】
上記特許文献1および2には、互いに隣接して設置された複数の分析装置(検体処理装置)と、複数の分析装置に検体を搬送するラック搬送手段(搬送装置)とを備えた多検体分析システム(検体処理システム)が開示されている。
【0004】
このような複数の分析装置を備えた検体処理システムにおいては、分析装置をメンテナンスする際に、隣接する分析装置の互いに対向する側面のメンテナンスを行う場合がある。このような場合、メンテナンスに十分な作業スペースを確保するためには、分析装置どうしの間隔を広げる必要があるが、システム全体の小型化が要求される検体処理システムにおいては、メンテナンスが行われる分析装置を移動させるだけでは隣接する分析装置の互いに対向する側面をメンテナンスするために十分な作業スペースを確保することができず、メンテナンスの必要のない正常に動作している分析装置をも移動させなければならない場合がある。
【0005】
【特許文献1】特開2000−28620号公報
【特許文献2】特開2001−349897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように正常に動作している分析装置を移動させる必要がある場合、上記特許文献1および2に記載の検体処理システムでは、正常に動作している分析装置による検体処理を中断して移動させる必要があり、メンテナンスに十分な作業スペースを確保しながら、検体処理を継続することができなかった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、メンテナンス時に、十分な作業スペースを確保しながら検体処理を継続することが可能な検体処理システム、検体処理方法およびコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における検体処理システムは、第1取込位置、第2取込位置および第3取込位置に検体を搬送可能に構成された搬送装置と、第1取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第1設置位置および第3取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第3設置位置に設置可能で、かつ、第1設置位置に設置された場合に、第1取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行い、第3設置位置に設置された場合に、第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行う第1検体処理装置と、少なくとも第2取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第2設置位置に設置可能で、かつ、第2設置位置に設置された場合に、第2取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行う第2検体処理装置と、第1検体処理装置が第1設置位置から第3設置位置に移動された場合に、第3取込位置に検体を搬送するように搬送装置を制御する搬送制御手段とを備える。
【0009】
この発明の第1の局面による検体処理システムでは、上記のように、第1検体処理装置が第1取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第1設置位置から第3取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第3設置位置に移動された場合に、第3取込位置に検体を搬送するように搬送装置を制御する搬送制御手段を設けることによって、第2検体処理装置のメンテナンスが必要な場合に、第2検体処理装置の移動スペースまたは作業スペースを確保するために、第1検体処理装置を第1設置位置から第3設置位置に移動した後、第1検体処理装置において検体を取り込んで処理を行うことができるので、メンテナンス時に、十分な作業スペースを確保しながら検体処理を継続することができる。
【0010】
上記第1の局面による検体処理システムにおいて、好ましくは、搬送装置は、第1取込位置、第2取込位置および第3取込位置に加えて、第4取込位置に検体を搬送可能に構成されており、第2検体処理装置は、第2設置位置に加えて、第4取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第4設置位置に設置可能で、かつ、第4設置位置に設置された場合に、第4取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行うことが可能であり、搬送制御手段は、第2検体処理装置が第2設置位置から第4設置位置に移動された場合に、第4取込位置に検体を搬送するように搬送装置を制御可能に構成されている。このように構成すれば、第1検体処理装置のメンテナンスが必要な場合に、第1検体処理装置の移動スペースまたは作業スペースを確保するために、第2検体処理装置を第2設置位置から第4設置位置に移動した後、第2検体処理装置において検体を取り込んで処理を行うことができるので、第2検体処理装置のメンテナンス時のみならず、第1検体処理装置のメンテナンス時においても、十分な作業スペースを確保しながら検体処理を継続することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、第1検体処理装置は、第1設置位置を基準に第2設置位置から離れる方向へ移動することにより、第3設置位置に設置可能であり、第2検体処理装置は、第2設置位置を基準に第1設置位置から離れる方向へ移動することにより、第4設置位置に設置可能である。このように構成すれば、第1検体処理装置を第1設置位置から第3設置位置に移動することによって、容易に、第2検体処理装置の移動スペースまたは作業スペースを確保することができるとともに、第2検体処理装置を第2設置位置から第4設置位置に移動することによって、容易に、第1検体処理装置の移動スペースまたは作業スペースを確保することができる。
【0012】
上記搬送装置が第4取込位置に検体を搬送可能な構成において、好ましくは、第1検体処理装置および第2検体処理装置のうち、第3設置位置または第4設置位置への移動後に検体処理を行う一方の検体処理装置の選択を受け付ける選択受付手段をさらに備え、搬送制御手段は、選択受付手段により第1検体処理装置の選択が受け付けられた場合には、第3取込位置に検体を搬送し、選択受付手段により第2検体処理装置の選択が受け付けられた場合には、第4取込位置に検体を搬送するように搬送装置を制御するように構成されている。このように構成すれば、第1検体処理装置および第2検体処理装置のうち、第3設置位置または第4設置位置への移動後に検体処理を行う検体処理装置を選択的に決定することができる。
【0013】
上記第1の局面による検体処理システムにおいて、好ましくは、第1取込位置および第2取込位置に検体を搬送するように搬送装置を制御するとともに、第1検体処理装置および第2検体処理装置によって搬送された検体を取り込んで処理を行う第1のモードと、少なくとも第3取込位置に検体を搬送するように搬送装置を制御可能であり、かつ、第1検体処理装置によって第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行うことが可能な第2のモードとを切り替えるモード切替手段をさらに備える。このように構成すれば、第2検体処理装置のメンテナンスが必要な場合に、第1のモードから第2のモードにモードを切り替えることによって、第2検体処理装置に対してメンテナンス作業を行いながら、第1検体処理装置により第3取込位置に搬送された検体の検体処理を継続することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、モード切替手段により第2のモードに切り替えられた場合に、第1取込位置および第3取込位置のうちの選択された一方に検体を搬送するように搬送装置を制御するとともに、第1取込位置が選択された場合には、第1検体処理装置によって第1取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行い、第3取込位置が選択された場合には、第1検体処理装置によって第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行うように構成されている。このように構成すれば、第2検体処理装置のメンテナンスが必要な場合に、第1のモードから第2のモードにモードを切り替えることによって、第2検体処理装置に対してメンテナンス作業を行いながら、第1検体処理装置により第1取込位置および第3取込位置のうちの選択された一方に搬送された検体の検体処理を継続することができる。
【0015】
上記第2のモードに切り替えられた場合に、搬送装置が第1取込位置および第3取込位置のうちの選択された一方に検体を搬送する構成において、好ましくは、モード切替手段により第2のモードに切り替えられた場合に、搬送制御手段は、第1取込位置または第3取込位置のうちの選択されていない他方の取込位置および第2取込位置の両方に検体を搬送しないように搬送装置を制御するように構成されている。このように構成すれば、第1検体処理装置により検体の取り込みが行われる取込位置に加えて取り込みが行われない取込位置にも検体が搬送される場合に比べて、検体処理をより迅速に行うことができる。
【0016】
上記第1の局面による検体処理システムにおいて、好ましくは、搬送装置は、搬送制御手段により設定された搬送距離に基づいて検体を搬送するように構成されており、搬送制御手段は、基準位置から第1取込位置までの搬送距離を基準位置から第3取込位置までの搬送距離に設定変更することによって、検体が第3取込位置に搬送されるように搬送装置を制御するように構成されている。このように構成すれば、搬送距離を設定変更するだけで異なる取込位置に検体を搬送することができるので、容易に、検体の搬送位置を変更することができる。
【0017】
上記第1の局面による検体処理システムにおいて、好ましくは、第1検体処理装置が第1設置位置から第3設置位置に移動された場合に、第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行うように第1検体処理装置を制御する取込制御手段をさらに備える。このように構成すれば、第1検体処理装置が第1設置位置から第3設置位置に移動された場合に、第1検体処理装置により第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行うことができる。
【0018】
上記目的を達成するために、この発明の第2の局面における検体処理方法は、第1取込位置に検体を搬送する第1の搬送工程と、第1取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第1設置位置に設置された第1検体処理装置により、第1取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行う第1の検体処理工程と、第2取込位置に検体を搬送する第2の搬送工程と、第2取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第2設置位置に設置された第2検体処理装置により、第2取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行う第2の検体処理工程と、第1検体処理装置が第1設置位置から第3取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第3設置位置に移動された場合に、第3取込位置に検体を搬送する第3の搬送工程と、第3設置位置に設置された第1検体処理装置により、第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行う第3の検体処理工程とを備える。
【0019】
この発明の第2の局面による検体処理方法では、上記のように、第1検体処理装置が第1取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第1設置位置から第3取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第3設置位置に移動された場合に、第3取込位置に検体を搬送する第3の搬送工程と、第3設置位置に設置された第1検体処理装置により、第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行う第3の検体処理工程とを設けることによって、第2検体処理装置のメンテナンスが必要な場合に、第2検体処理装置の移動スペースまたは作業スペースを確保するために、第1検体処理装置を第1設置位置から第3設置位置に移動した後、第1検体処理装置において検体を取り込んで処理を行うことができるので、メンテナンス時に、十分な作業スペースを確保しながら検体処理を継続することができる。
【0020】
上記目的を達成するために、この発明の第3の局面におけるコンピュータプログラムは、コンピュータを、搬送装置により、第1取込位置に検体を搬送する第1搬送手段と、第1取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第1設置位置に設置された第1検体処理装置により、第1取込位置に搬送された検体を取り込んで処理する第1検体処理手段と、搬送装置により、第2取込位置に検体を搬送する第2搬送手段と、第2取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第2設置位置に設置された第2検体処理装置により、第2取込位置に搬送された検体を取り込んで処理する第2検体処理手段と、第1検体処理装置が第1設置位置から第3取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第3設置位置に移動された場合に、搬送装置により、第3取込位置に検体を搬送する第3搬送手段と、第3設置位置に設置された第1検体処理装置により、第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理する第3検体処理手段として機能させる。
【0021】
この発明の第3の局面によるコンピュータプログラムでは、上記のように、第1検体処理装置が第1取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第1設置位置から第3取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第3設置位置に移動された場合に、搬送装置により、第3取込位置に検体を搬送する第3搬送手段と、第3設置位置に設置された第1検体処理装置により、第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理する第3検体処理手段としてコンピュータを機能させることによって、第2検体処理装置のメンテナンスが必要な場合に、第2検体処理装置の移動スペースまたは作業スペースを確保するために、第1検体処理装置を第1設置位置から第3設置位置に移動した後、第1検体処理装置において検体を取り込んで処理を行うことができるので、メンテナンス時に、十分な作業スペースを確保しながら検体処理を継続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による血液分析装置の全体構成を示した斜視図である。図2〜図12は、それぞれ、図1に示した一実施形態による血液分析装置の各部の詳細を説明するための図である。まず、図1〜図12を参照して、本発明の一実施形態による血液分析装置1の全体構成について説明する。なお、本実施形態では、検体処理システムの一例である血液分析装置に本発明を適用した場合について説明する。
【0024】
本実施形態による血液分析装置1は、図1に示すように、検体が後述する分析後ラック保持部42に向かって搬送される際の搬送方向上流側(矢印X2方向側)に配置された第1測定ユニット3、および、検体が分析後ラック保持部42に向かって搬送される際の搬送方向下流側(矢印X1方向側)に配置された第2測定ユニット2の2つの測定ユニットと、第1測定ユニット3および第2測定ユニット2の前面側(矢印Y1方向側)に配置された検体搬送装置(サンプラ)4と、第1測定ユニット3、第2測定ユニット2および検体搬送装置4に電気的に接続されたPC(パーソナルコンピュータ)からなる制御装置5とを備えている。また、血液分析装置1は、制御装置5によりホストコンピュータ6(図2参照)に接続されている。
【0025】
また、図1〜図3に示すように、第1測定ユニット3および第2測定ユニット2は、実質的に同種類の測定ユニットであり、互いに隣接して配置されている。具体的には、本実施形態では、第2測定ユニット2は、第1測定ユニット3と同じ測定原理を使用して、同一の測定項目について検体を測定する。さらに、第2測定ユニット2は、第1測定ユニット3が分析しない測定項目についても測定する。また、図2に示すように、第2測定ユニット2および第1測定ユニット3は、それぞれ、検体である血液をサンプル容器(試験管)100から吸引する検体吸引部21および31と、検体吸引部21および31により吸引した血液から検出用試料を調製する試料調製部22および32と、試料調製部22および32により調製された検出用試料から血液の血球を検出する検出部23および33とを含んでいる。
【0026】
また、第2測定ユニット2および第1測定ユニット3は、図2に示すように、それぞれ、検体吸引部21および31や試料調製部22および32などを内部に収容するユニットカバー24および34と、サンプル容器100をユニットカバー24および34の内部に取り込み、検体吸引部21および31による吸引位置600および700までサンプル容器100を搬送するサンプル容器搬送部25および35と、吸引位置600および700でサンプル容器100を固定保持する固定保持部26および36とをさらに含んでいる。
【0027】
検体吸引部21(31)は、図2に示すように、ピアサ211(311)を含んでいる。ピアサ211(311)は、先端がサンプル容器100の後述する密閉蓋100a(図4参照)を貫通(穿刺)可能なように形成されている。また、ピアサ211(311)は、図示しないピアサ駆動部により鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に移動されるように構成されている。
【0028】
検出部23(33)は、RBC検出(赤血球の検出)およびPLT検出(血小板の検出)をシースフローDC検出法により行うとともに、HGB検出(血液中の血色素の検出)をSLS−ヘモグロビン法により行うように構成されている。また、検出部23(33)は、WBC検出(白血球の検出)を半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法により行うようにも構成されている。また、検出部23(33)で得られた検出結果は、検体の測定データ(測定結果)として、制御装置5に送信される。なお、この測定データは、ユーザに提供される最終的な分析結果(赤血球数、血小板数、ヘモグロビン量、白血球数など)のもととなるデータである。
【0029】
サンプル容器搬送部25(35)は、図3に示すように、サンプル容器100を把持することが可能なハンド部251(351)と、ハンド部251(351)を開閉させる開閉部252(352)と、ハンド部251(351)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に直線移動させる鉛直移動部253(353)と、ハンド部251(351)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に振り子状に移動させる攪拌部254(354)とを有している。さらに、サンプル容器搬送部25(35)は、図2に示すように、サンプル容器100を矢印Y1およびY2方向に水平移動させるサンプル容器移送部255(355)と、バーコード読取部256(356)とを有している。
【0030】
ハンド部251(351)は、検体搬送装置4が搬送するラック101の搬送路の上方に配置されている。また、ハンド部251(351)は、検体搬送装置4により後述する第2取込位置43bおよび第1取込位置43a(図2参照)にサンプル容器100が搬送されると、下方(矢印Z2方向)に移動した後、開閉部252(352)により開閉されてラック101に収容されたサンプル容器100を把持するように構成されている。
【0031】
また、ハンド部251(351)は、把持したサンプル容器100を上方(矢印Z1方向)に移動することによりラック101からサンプル容器100を取り出し、その後、攪拌部254(354)により振り子状に移動される(たとえば、10往復)ように構成されている。これにより、ハンド部251(351)は、把持するサンプル容器100内の血液を攪拌することが可能である。また、攪拌終了後、ハンド部251(351)は、下方(矢印Z2方向)に移動した後、開閉部252(352)によりサンプル容器100の把持を開放するように構成されている。具体的には、ハンド部251(351)は、サンプル容器移送部255(355)により検体セット位置610(710)(図2参照)に移動された第1検体セット部255a(355a)に、サンプル容器100をセットするように構成されている。なお、図2に示すように、平面的に見て、第2取込位置43bと検体セット位置610とは、重なるように配置されているとともに、第1取込位置43aと検体セット位置710とは、重なるように配置されている。
【0032】
開閉部252(352)は、エアシリンダ252a(352a)による動力により、サンプル容器100を把持するようにハンド部251(351)を開閉するように構成されている。
【0033】
鉛直移動部253(353)は、ステッピングモータ253a(353a)による動力により、レール253b(353b)に沿ってハンド部251(351)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に移動するように構成されている。
【0034】
攪拌部254(354)は、図示しないステッピングモータによる動力により、ハンド部251(351)を鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に振り子状に移動するように構成されている。
【0035】
サンプル容器移送部255(355)は、図1および図3に示すように、第1検体セット部255a(355a)を有し、第1検体セット部255a(355a)を測定処理の動作に応じた所定の位置に移動させることが可能である。具体的には、サンプル容器移送部255(355)により、各検体セット部を、図2に示す吸引位置600(700)と、検体セット位置610(710)とに配置させることが可能である。
【0036】
バーコード読取部256(356)は、各サンプル容器100に貼付された図4に示すバーコード100bを読み取るように構成されている。また、各サンプル容器100のバーコード100bは、各検体に固有に付されたものであり、各検体の分析結果の管理などに使用される。
【0037】
固定保持部26(36)は、吸引位置600(700)に移送されたサンプル容器100を固定保持するように構成されている。具体的には、固定保持部26(36)は、図2に示すように、一対のチャック部261(361)を有し、一対のチャック部261(361)が互いに近接移動してサンプル容器100を挟持するように構成されている。
【0038】
また、図5〜図7に示すように、第2測定ユニット2および第1測定ユニット3は、それぞれ、底部に4つのキャスタ27および37を有し、基台200上で移動可能に構成されている。これにより、第1測定ユニット3および第2測定ユニット2は、互いの距離を広げて作業スペースを確保することができるようになっている。さらに、基台200は、両側側面(矢印X1およびX2方向側の側面)に側面ガイド201を有するとともに、上側表面に図示しない上面ガイドを有している。これにより、図6に示すように、基台200上から脱落するのを防止しながら、第1測定ユニット3を前面341が矢印X2方向を向くように回動させることが可能である。また、図7に示すように、基台200上から脱落するのを防止しながら、第2測定ユニット2を前面241が矢印X1方向を向くように回動させることが可能である。このような構成により、第1測定ユニット3および第2測定ユニット2の互いに対向する側の側面を容易にメンテナンスすることができる。
【0039】
また、第1測定ユニット3および第2測定ユニット2は、図2および図5に示すように、それぞれ、側面固定部材202により基台200に固定されるように構成されている。側面固定部材202は、図2に示す第1測定ユニット3および第2測定ユニット2の両方が正常に稼動する通常モードにおけるそれぞれの配置位置(第1設置位置および第2設置位置)で、第1測定ユニット3および第2測定ユニット2のそれぞれを基台200に固定するように構成されている。また、側面固定部材202は、図7に示すように、通常モードにおける第1設置位置から矢印X2方向(第2設置位置から離れる方向)にラック101に保持されたサンプル容器100の4つ分の距離だけ移動させた第3設置位置で第1測定ユニット3を基台200に固定することが可能に構成されている。また、側面固定部材202は、図6に示すように、通常モードにおける第2設置位置から矢印X1方向(第1設置位置から離れる方向)にラック101に保持されたサンプル容器100の4つ分の距離だけ移動させた第4設置位置で第2測定ユニット2を基台200に固定することが可能に構成されている。なお、第1測定ユニット3および第2測定ユニット2は、それぞれ、後述するメンテナンス測定モード時に第3設置位置および第4設置位置で検体処理を行うことが可能である。
【0040】
第3設置位置は、後述するように、ラック搬送部43によって搬送されるラック101上のすべてのサンプル容器100を、第1測定ユニット3が取り込み可能な位置に設定されている。第4設置位置についても同様である。つまり、第3設置位置は、ラック搬送部43上の最も搬送方向上流側(矢印X2方向側)にラック101が配置されたときに、ラック101の最も搬送方向下流側(矢印X1方向側)に保持されているサンプル容器100を第1測定ユニット3が取り込み可能な位置である。同様に、第4設置位置は、ラック搬送部43上の最も搬送方向下流側(矢印X1方向側)にラック101が配置されたときに、ラック101の最も搬送方向上流側(矢印X2方向側)に保持されているサンプル容器100を第2測定ユニット2が取り込み可能な位置である。そして、第1設置位置から第3設置位置への移動距離、および第2設置位置から第4設置位置への移動距離は、それぞれ、ラック101に保持されたサンプル容器100すべてを測定ユニットが取り込み可能な範囲内において、一方の測定ユニット(測定を継続する測定ユニット)を他方の測定ユニット(メンテナンスが行われる測定ユニット)から離れる方向に最大限に移動させたときの距離に対応している。本実施形態では、この距離がラック101に保持されたサンプル容器4つ分に相当する。これにより、移動された一方の測定ユニット(測定を継続する測定ユニット)は、正規位置(第1設置位置または第3設置位置)に設置された状態と同様の検体処理能力で検体の処理を行いつつ、他方の測定ユニットをメンテナンスするための作業スペースを可能な限り広く確保することができる。
【0041】
また、第1測定ユニット3および第2測定ユニット2は、図8に示すように、それぞれ、基台200の前方側(矢印Y1方向側)に設けられた前面固定部材203によっても基台200に固定されるように構成されている。前面固定部材203には、長穴形状の第1位置決め穴203a、第2位置決め穴203b、第3位置決め穴203cおよび第4位置決め穴203dと、円形穴形状の一対の第1固定穴203e、一対の第2固定穴203f、一対の第3固定穴203gおよび一対の第4固定穴203hとが形成されている。第1測定ユニット3は、第1測定ユニット3の前面側(矢印Y1方向側)に設けられた図示しない突起部を第1位置決め穴203aに挿入することによって、第1設置位置に位置決めされるように構成されている。また、第1測定ユニット3は、突起部(図示せず)を第3位置決め穴203cに挿入することによって、第3設置位置に位置決めされるように構成されている。これと同様に、第2測定ユニット2は、第2測定ユニット2の前面側(矢印Y1方向側)に設けられた図示しない突起部を第2位置決め穴203bまたは第4位置決め穴203dに挿入することによって、それぞれ、第2設置位置または第4設置位置に位置決めされるように構成されている。これにより、第1測定ユニット3および第2測定ユニット2を、それぞれ、容易に位置決めすることが可能である。また、一対の第1固定穴203eおよび一対の第3固定穴203gは、それぞれ、第1測定ユニット3を第1設置位置および第3設置位置に固定するためのネジ穴として使用されるように構成されている。また、一対の第2固定穴203fおよび一対の第4固定穴203hは、それぞれ、第2測定ユニット2を第2設置位置および第4設置位置に固定するためのネジ穴として使用されるように構成されている。
【0042】
また、図2および図3に示すように、検体搬送装置4は、分析が行われる前の検体を収容するサンプル容器100が収容された複数のラック101を保持することが可能な分析前ラック保持部41と、分析が行われた後の検体を収容するサンプル容器100が収容された複数のラック101を保持することが可能な分析後ラック保持部42と、ラック101を矢印X1およびX2方向に水平に直線移動するラック搬送部43と、バーコード読取部44と、サンプル容器100の有無を検知する有無検知センサ45と、分析後ラック保持部42内にラック101を移動するラック送出部46とを含んでいる。
【0043】
分析前ラック保持部41は、ラック送込部411を有し、ラック送込部411が矢印Y2方向に移動することによって、分析前ラック保持部41に保持されたラック101を1つずつラック搬送部43上に押し出すように構成されている。ラック送込部411は、分析前ラック保持部41の下方に設けられた図示しないステッピングモータによって駆動するように構成されている。また、分析前ラック保持部41は、ラック搬送部43近傍に規制部412(図3参照)を有し、一度ラック搬送部43上に押し出されたラック101が分析前ラック保持部41内に戻されないようにラック101の移動を規制するように構成されている。
【0044】
分析後ラック保持部42は、ラック搬送部43の近傍に規制部421(図3参照)を有し、一度分析後ラック保持部42内に移動されたラック101がラック搬送部43側に戻されないようにラック101の移動を規制するように構成されている。
【0045】
ここで、本実施形態では、ラック搬送部43は、図2に示すように、ラック101を搬送することにより、ラックに保持された所定のサンプル容器100を、第1設置位置に配置された第1測定ユニット3が検体を取り込む第1取込位置43a、および、第2設置位置に配置された第2測定ユニット2が検体を取り込む第2取込位置43bに配置するように構成されている。また、ラック搬送部43は、有無検知センサ45がサンプル容器100の有無を確認する検体有無検知位置43cと、バーコード読取部44がサンプル容器100のバーコード100b(図4参照)を読み取る読取位置43dとにサンプル容器100を搬送可能に構成されている。さらに、ラック搬送部43は、後述するメンテナンス測定モードにおいて、ラックに保持された所定のサンプル容器100を、図7に示す第3設置位置に配置された第1測定ユニット3が検体を取り込む第3取込位置43eと、図6に示す第4設置位置に配置された第2測定ユニット2が検体を取り込む第4取込位置43fとに搬送可能に構成されている。また、ラック搬送部43は、第1取込位置43a、第2取込位置43b、第3取込位置43eおよび第4取込位置43fのそれぞれに、ラック101が保持可能なすべて(10本)のサンプル容器100を搬送することが可能に構成されている。
【0046】
また、制御装置5により後述するサンプラ動作処理プログラム54c(図12参照)が実行されることによって、ラック搬送部43は、サンプラ動作処理プログラム54cで設定された基準位置から所定の位置までの搬送距離に基づいて、所定のサンプル容器100を所定の位置に搬送するように構成されている。より詳細には、ラック101が分析前ラック保持部41から送り込まれるラック搬送部43上の位置(以下、ラック送込位置という)でのラック101の後端部(矢印X2方向側の端部)を基準位置として、サンプラ動作処理プログラム54cで所定の位置までの搬送距離が予め設定されている。また、メンテナンス測定モード時に第3取込位置43eにサンプル容器100を搬送する場合には、基準位置から第1取込位置43aまでの搬送距離を基準位置から第3取込位置43eまでの搬送距離に設定変更することによって、ラック搬送部43が所定のサンプル容器100を第3取込位置43eに搬送することが可能となる。第4取込位置43fへの搬送についても、基準位置から第2取込位置43bまでの搬送距離を基準位置から第4取込位置43fまでの搬送距離に設定変更することによって、ラック搬送部43が所定のサンプル容器100を第4取込位置43fに搬送することが可能となる。なお、第3取込位置43eは、ラック101に保持されたサンプル容器100の4つ分の距離だけ第1取込位置43aから矢印X2方向にずれた位置に配置されている。また、第4取込位置43fは、ラック101に保持されたサンプル容器100の4つ分の距離だけ第2取込位置43bから矢印X1方向にずれた位置に配置されている。
【0047】
また、図9に示すように、ラック搬送部43は、互いに独立して動くことが可能な第1ベルト431および第2ベルト432の2つのベルトを有している。また、第1ベルト431および第2ベルト432の矢印Y1およびY2方向の幅b1およびb2は、それぞれラック101の矢印Y1およびY2方向の幅Bの半分以下の大きさである。これにより、ラック搬送部43がラック101を搬送する際に、第1ベルト431および第2ベルト432は、ともにラック101の幅Bからはみ出ないように並列に配置される。また、図10および図11に示すように、第1ベルト431および第2ベルト432は、環状に形成されており、それぞれローラ431a、431b、431c、および、ローラ432a、432b、432cを取り囲むように配置されている。また、第1ベルト431および第2ベルト432の外周部には、ラック101の矢印X1およびX2方向の幅Wよりも若干(たとえば、約1mm)大きい内幅w1(図10参照)およびw2(図11参照)を有するように突起片431dおよび432dがそれぞれ2つずつ形成されている。第1ベルト431は、突起片431dの内側にラック101を保持した状態において、ステッピングモータ431e(図3参照)によりローラ431a〜431cの外周を移動されることによって、ラック101を矢印X1およびX2方向に移動するように構成されている。また、第2ベルト432は、突起片432dの内側にラック101を保持した状態において、ステッピングモータ432e(図3参照)によりローラ432a〜432cの外周を移動されることによって、ラック101を矢印X1およびX2方向に移動するように構成されている。また、第1ベルト431および第2ベルト432は、それぞれ、互いに独立してラック101を移動することが可能なように構成されている。
【0048】
バーコード読取部44は、図4に示したサンプル容器100のバーコード100bを読み取るとともに、ラック101に貼付されたバーコード110aを読み取るように構成されている。また、バーコード読取部44は、図示しない回転装置によって対象のサンプル容器100をラック101に収容したまま水平方向に回転させながらバーコード100bを読み取るように構成されている。これにより、サンプル容器100のバーコード100bがバーコード読取部44に対して反対側に貼付されている場合にも、バーコード100bをバーコード読取部44側に向けることが可能である。また、ラック101のバーコード110aは、各ラックに固有に付されたものであり、検体の分析結果の管理などに使用される。
【0049】
有無検知センサ45は、接触型のセンサであり、のれん形状の接触片451(図3参照)、光を出射する発光素子(図示せず)および受光素子(図示せず)を有している。有無検知センサ45は、接触片451が検知対象の被検知物に当接されることにより屈曲され、その結果、発光素子から出射された光が接触片451により反射されて受光素子に入射されるように構成されている。これにより、有無検知センサ45の下方をラック101に収容された検知対象のサンプル容器100が通過する際に、接触片451がサンプル容器100により屈曲されて、サンプル容器100の有無を検知することが可能である。
【0050】
ラック送出部46は、ラック搬送部43を挟んで分析後ラック保持部42に対向するように配置されており、矢印Y1方向に水平に移動するように構成されている。また、ラック送出部46は、矢印Y1方向に水平移動することによって、ラック搬送部43の分析後ラック保持部42とラック送出部46とに挟まれた位置(以下、ラック送出位置という)に配置されたラック101を分析後ラック保持部42側に押し出すように構成されている。
【0051】
制御装置5は、図1、図2および図12に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)などからなり、CPU、ROM、RAMなどからなる制御部51(図12参照)と、表示部52と、入力デバイス53とを含んでいる。また、表示部52は、第1測定ユニット3および第2測定ユニット2から送信されたデジタル信号のデータを分析して得られた分析結果などを表示するために設けられている。
【0052】
また、制御装置5は、図12に示すように、制御部51と、表示部52と、入力デバイス53とから主として構成されたコンピュータ500によって構成されている。制御部51は、CPU51aと、ROM51bと、RAM51cと、ハードディスク51dと、読出装置51eと、入出力インタフェース51fと、通信インタフェース51gと、画像出力インタフェース51hとから主として構成されている。CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、および画像出力インタフェース51hは、バス51iによって接続されている。
【0053】
CPU51aは、ROM51bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM51cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム54a、54bおよび54cをCPU51aが実行することにより、コンピュータ500が制御装置5として機能する。
【0054】
ROM51bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU51aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。
【0055】
RAM51cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM51cは、ROM51bおよびハードディスク51dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU51aの作業領域として利用される。
【0056】
ハードディスク51dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU51aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。第1測定ユニット3用の測定処理(1)プログラム54a、第2測定ユニット2用の測定処理(2)プログラム54bおよび検体搬送装置4用のサンプラ動作処理プログラム54cも、このハードディスク51dにインストールされている。CPU51aにより、これらのアプリケーションプログラム54a〜54cを実行することによって、第1測定ユニット3、第2測定ユニット2および検体搬送装置4の各部の動作が制御される。また、ハードディスク51dには、測定結果データベース54dもインストールされている。
【0057】
読出装置51eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体54に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体54には、アプリケーションプログラム54a〜54cが格納されており、コンピュータ500がその可搬型記録媒体54からアプリケーションプログラム54a〜54cを読み出し、そのアプリケーションプログラム54a〜54cをハードディスク51dにインストールすることが可能である。
【0058】
なお、上記アプリケーションプログラム54a〜54cは、可搬型記録媒体54によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ500と通信可能に接続された外部の機器から上記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、上記アプリケーションプログラム54a〜54cがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ500がアクセスして、そのアプリケーションプログラム54a〜54cをダウンロードし、これをハードディスク51dにインストールすることも可能である。
【0059】
また、ハードディスク51dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、アプリケーションプログラム54a〜54cは上記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0060】
入出力インタフェース51fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成されている。入出力インタフェース51fには、入力デバイス53が接続されており、ユーザがその入力デバイス53を使用することにより、コンピュータ500にデータを入力することが可能である。
【0061】
通信インタフェース51gは、たとえば、Ethernet(登録商標)インタフェースである。コンピュータ500は、その通信インタフェース51gにより、所定の通信プロトコルを使用して第1測定ユニット3、第2測定ユニット2、検体搬送装置4およびホストコンピュータ6との間でデータの送受信が可能である。
【0062】
画像出力インタフェース51hは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部52に接続されており、CPU51aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部52に出力するようになっている。表示部52は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示するように構成されている。
【0063】
制御部51は、上記した構成により、第1測定ユニット3および第2測定ユニット2から送信された測定結果を用いて分析対象の成分を解析するとともに、分析結果(赤血球数、血小板数、ヘモグロビン量、白血球数など)を取得するように構成されている。
【0064】
ラック101には、図4に示すように、10本のサンプル容器100を一列に収容可能なように10個の容器収容部101bが形成されている。また、各容器収容部101bには、それぞれ、収容したサンプル容器100のバーコード100bが視認可能なように開口部101cが設けられている。
【0065】
図13は、本発明の一実施形態による血液分析装置の測定処理プログラムによる測定処理動作を説明するためのフロー図である。次に、図13を参照して、本実施形態による血液分析装置1の測定処理プログラム54aおよび54bによる測定処理動作を説明する。なお、第1測定ユニット3および第2測定ユニット2では、それぞれ同様に分析対象の成分が測定されるので、以下では第1測定ユニット3により分析対象の成分を測定する場合について説明し、第2測定ユニット2による測定処理動作の説明は省略する。
【0066】
まず、ステップS1において、吸引位置700(図2参照)まで搬送されたサンプル容器100から検体吸引部31により検体の吸引が行われる。そして、ステップS2において、吸引した検体から試料調製部32により検出用試料が調製され、ステップS3で、検出用試料から分析対象の成分が検出部33により検出される。そして、ステップS4で、測定データが、第1測定ユニット3から制御装置5に送信される。その後、ステップS5において、第1測定ユニット3から送信される測定結果に基づいて、制御部51により分析対象の成分が解析される。このステップS5により、検体の分析が完了され、動作が終了される。
【0067】
図14および図15は、それぞれ、血液分析装置の通常モードにおける測定処理(1)プログラム、測定処理(2)プログラム、およびサンプラ動作処理プログラムの内容を説明するためのフロー図である。また、図16および図17は、それぞれ、本発明の一実施形態による血液分析装置のサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。次に、図14〜図17を参照して、本実施形態による血液分析装置1の通常モードにおける第1測定ユニット3、第2測定ユニット2および検体搬送装置4の一連の動作を説明する。なお、図14および図15のフロー図には、右側の列に測定処理(1)プログラム54aの内容を示し、左側の列に測定処理(2)プログラム54bの内容を示すとともに、中央の列にはサンプラ動作処理プログラム54cの内容を示す。また、図16および図17に示すサンプル容器100と各部との位置関係を示す各状態の番号は、それぞれ、図14および図15に示すステップ番号に対応するように付している。たとえば、図16の状態13におけるサンプル容器100と各部との位置関係は、図14に示すステップS13におけるサンプル容器100と各部との位置関係である。なお、図14および図15に示すように、血液分析装置1の通常モードにおける測定処理(1)プログラム54a、測定処理(2)プログラム54b、およびサンプラ動作処理プログラム54cは、実質的に並行して実行される。
【0068】
まず、ユーザにより血液分析装置1が起動されると、ステップS11において、検体搬送装置4の初期化が行われる。この際、第1ベルト431の突起片431dが所定の位置に移動され、第1ベルト431の原点位置としてセットされる。ステップS12において、2つの突起片431dがラック送込位置に対応する位置まで移動され、ラック101が第1ベルト431の2つの突起片431dの間に送り込まれる。この際のサンプル容器100と各部との位置関係は、図16の状態12のとおりである。なお、以下では、図16および図17に示す各状態でのサンプル容器100と各部との位置関係の説明は省略する。
【0069】
ステップS13において、ラック101が第2測定ユニット2方向(順送り方向)に移動され、ステップS14において、検体有無検知位置43cで有無検知センサ45によりラック101に収容された1本目のサンプル容器100の有無が検知される。そして、ステップS15において、検体有無検知位置43cで2本目のサンプル容器100の有無が検知され、ステップS16において、読取位置43dで1本目のサンプル容器100のバーコード100aがバーコード読取部44により読み取られるとともに、検体有無検知位置43cで3本目の有無が検知される。なお、有無検知センサ45により検知された検知結果、および、バーコード読取部44、256および356により読み取られたバーコード情報は、随時ホストコンピュータ6に送信される。ステップS17では、1本目のサンプル容器100が第2取込位置43bに配置されるように、ラック101が移動される。この際、バーコード読取部44によりラック101のバーコード101aが読み取られる。そして、ステップS18において、第2取込位置43bに到達した1本目のサンプル容器100が第2測定ユニット2のハンド部251によりラック101から取り出される。この際、ラック101は、1本目のサンプル容器100が第2取込位置43bに対応する位置で停止している。ステップS19では、第2測定ユニット2において、ハンド部251に把持された1本目のサンプル容器100の検体が攪拌されるとともに、1本目のサンプル容器100が取り出されたラック101が順送り方向とは反対の逆送り方向に移動される。
【0070】
ステップS20において、第2測定ユニット2では、第1検体セット部255aに1本目のサンプル容器100がセットされるとともに、ラック101の2本目のバーコード100aが読み取られ、4本目のサンプル容器100の有無が検知される。ステップS21では、第2測定ユニット2において、バーコード読取部256により1本目のサンプル容器100のバーコード100aが読み取られ、ステップS22では、第1検体セット部255aに保持された1本目のサンプル容器100が、吸引位置600で一対のチャック部261により挟持されるとともに、検体吸引部21のピアサ211がサンプル容器100の密閉蓋100aに貫通される。この際、ラック101は、2本目のサンプル容器100が第1取込位置43aまで移動される。その後、ステップS23において、第2測定ユニット2で検体吸引部21により1本目のサンプル容器100内の検体の吸引が行われるとともに、第1取込位置43aでハンド部351により2本目のサンプル容器100がラック101から取り出される。
【0071】
ステップS24において、第2測定ユニット2では、ハンド部251により第1検体セット部255aから1本目のサンプル容器100が取り出されるとともに、検体吸引部21に吸引された検体について、試料調製、攪拌および分析が行われる。また、第1測定ユニット3においてハンド部351により把持された2本目のサンプル容器100内の検体が攪拌されるとともに、ラック101は、順送り方向に移動される。ステップS25では、第1測定ユニット3において、第1検体セット部355aに2本目のサンプル容器100がセットされるとともに、ラック101の3本目のバーコード100aが読み取られ、5本目のサンプル容器100の有無が検知される。そして、ステップS26において、第2測定ユニット2では、1本目のサンプル容器100内の検体についての測定が終了され、第1測定ユニット3では、バーコード読取部356により2本目のサンプル容器100のバーコード100aが読み取られる。また、ラック101の4本目のバーコード100aが読み取られ、6本目のサンプル容器100の有無が検知される。なお、この説明において、検体についての測定が終了するとは、図12に示したステップS4での測定データの送信完了を意味する。すなわち、ステップS26において、1本目のサンプル容器100内の検体についての測定が終了しても、まだステップS5による測定データの解析処理(分析)は完了していない。
【0072】
ステップS27において、第1測定ユニット3の第1検体セット部355aに保持された2本目のサンプル容器100が、吸引位置700で一対のチャック部361により挟持されるとともに、検体吸引部31のピアサ311がサンプル容器100の密閉蓋100aに貫通される。この際、ラック101は、順送り方向に移動される。そして、ステップS28において、1本目のサンプル容器100が第2測定ユニット2からラック101の元の容器収容部101bに戻されるとともに、第1測定ユニット3では、検体吸引部31により2本目のサンプル容器100内の検体の吸引が行われる。ステップS29では、第1測定ユニット3において、ハンド部351により第1検体セット部355aから2本目のサンプル容器100が取り出されるとともに、検体吸引部31に吸引された検体について、試料調製、攪拌および分析が行われる。また、ラック101は、順送り方向に移動される。ステップS30では、第2測定ユニット2のハンド部251により3本目のサンプル容器100がラック101から取り出される。この際、ラック101は、3本目のサンプル容器100が第2取込位置43bに対応する位置で停止している。ステップS31では、第2測定ユニット2において、ハンド部251に把持された3本目のサンプル容器100の検体が攪拌されるとともに、ラック101は逆送り方向に移動される。また、第1測定ユニット3では、2本目のサンプル容器100内の検体についての測定が終了される。
【0073】
そして、ステップS32において、第2測定ユニット2で、第1検体セット部255aに3本目のサンプル容器100がセットされ、ステップS33では、第2測定ユニット2において、バーコード読取部256により3本目のサンプル容器100のバーコード100aが読み取られる。また、2本目のサンプル容器100が第1測定ユニット3からラック101の元の容器収容部101bに戻される。ステップS34では、3本目のサンプル容器100が、吸引位置600で一対のチャック部261により挟持されるとともに、検体吸引部21のピアサ211がサンプル容器100の密閉蓋100aに貫通される。また、ラック101は、順送り方向に移動される。そして、以降のサンプル容器100についても上記と同様に、第1測定ユニット3および第2測定ユニット2で測定処理が行われるとともに、検体搬送装置4でラック101の搬送処理が行われる。このため、図面を簡略化してステップS35において、各部で所定の処理が行われることとし、通常モードにおける第1測定ユニット3、第2測定ユニット2および検体搬送装置4の一連の動作が継続して実行される。
【0074】
図18は、図1に示した一実施形態による血液分析装置のメンテナンス測定モード切替処理動作を説明するためのフロー図である。また、図19〜図23は、それぞれ、図1に示した一実施形態による血液分析装置の表示部に表示される画面を示した図である。次に、図18〜図23を参照して、図1に示した一実施形態による血液分析装置のメンテナンス測定モード切替処理動作について説明する。
【0075】
まず、ステップS41において、図示しないログオン画面が表示部52に表示され、サービス用パスワードの入力が促される。そして、ステップS42において、制御装置5のCPU51aによりサービス用パスワードが入力されたか否かが判断され、入力されるまでこの判断が繰り返される。サービス用パスワードが入力されると、ステップS43において、図19に示すように、サービス用コントロール画面521が表示部52に表示される。サービス用コントロール画面521には、各種設定などを行うための複数のアイコンが選択可能に表示され、その1つとしてサービスアイコン521aが表示される。なお、サービスアイコン521aは、サービス用パスワードでログインした場合にのみ表示される。このため、サービス用パスワードを保有する特定の者(たとえば、メンテナンスを行うサービスマン)だけがサービスアイコン521aを選択することが可能となる。
【0076】
ステップS44において、サービスアイコン521aが選択されたか否かが判断され、サービスアイコン521a以外のアイコンが選択された場合には、ステップS57で各種処理が実行され、動作が終了される。サービスアイコン521aが選択された場合には、ステップS45において、図20に示すように、サービスメニュー画面522が表示される。サービスメニュー画面522には、メンテナンス測定モードアイコン522aを含む複数のアイコンが選択可能に表示される。そして、ステップS46において、CPU51aにより、メンテナンス測定モードアイコン522aが選択されたか否かが判断され、メンテナンス測定モードアイコン522a以外のアイコンが選択された場合には、ステップS57に移行される。メンテナンス測定モードアイコン522aが選択された場合には、ステップS47において、測定ユニット選択画面523がサービスメニュー画面522上に重ねて表示される。なお、メンテナンス測定モードアイコン522aが選択されることによって、通常モードからメンテナンス測定モードにモードが切り替えられる。測定ユニット選択画面523には、第1測定ユニットボタン523aおよび第2測定ユニットボタン523bが表示されるとともに、メンテナンス測定モード中に測定を継続させる一方の測定ユニットを選択することを促す記載が表示される。
【0077】
ステップS48において、一方の測定ユニットが選択されたか否かが判断され、一方の測定ユニットが選択されるまでこの判断が繰り返される。一方の測定ユニットが選択されると、ステップS49において、図22に示すように、選択した一方の測定ユニットを移動させるか否かを確認するための移動確認画面524がサービスメニュー画面522上に重ねて表示される。移動確認画面524には、「はい」ボタン524a、および、「いいえ」ボタン524bが表示される。ステップS50において、「はい」ボタン524aが選択されたか否かが判断される。ここで、「はい」ボタン524aが選択される場合とは、通常モードにおける正規位置(第1設置位置および第2設置位置)から測定ユニットを移動する場合である。すなわち、第1測定ユニット3については、第1設置位置から第3設置位置に移動する場合に、「はい」ボタン524aを選択し、第2測定ユニット2については、第2設置位置から第4設置位置に移動する場合に、「はい」ボタン524aを選択する。また、測定を継続するように選択した測定ユニットの配置を通常モードの正規位置(第1設置位置および第2設置位置)から変更しない場合には、「いいえ」ボタン524bを選択する。
【0078】
「はい」ボタン524aが選択された場合には、ステップS51において、測定を継続する測定ユニットとして選択されなかった他方の測定ユニット(メンテナンスを行う測定ユニット)に対してサンプル容器100を搬送しないように設定される。すなわち、第2測定ユニット2が測定を継続する測定ユニットとして選択されている場合には、第1測定ユニット3に検体を提供するための第1取込位置43aおよび第3取込位置43eにはサンプル容器100が搬送されないように設定される。また、第1測定ユニット3が測定を継続する測定ユニットとして選択されている場合には、第2測定ユニット2に検体を提供するための第2取込位置43bおよび第4取込位置43fにはサンプル容器100が搬送されないように設定される。
【0079】
そして、ステップS52において、測定を継続する測定ユニットへの検体提供位置が設定変更される。具体的には、第2測定ユニット2が測定を継続する場合には、第2測定ユニット2への検体の提供位置(取込位置座標)が第2取込位置43bから第4取込位置43fに取込位置座標が変更される。より詳細には、サンプラ動作処理プログラム54cにおいて基準位置から第2取込位置43bまでの搬送距離を基準位置から第4取込位置43fまでの搬送距離に設定変更することによって、第2測定ユニット2への検体の提供位置(取込位置座標)が第2取込位置43bから第4取込位置43fに変更される。なお、第1測定ユニット3が測定を継続する場合には、上記と同様に、第1測定ユニット3への検体の提供位置(取込位置座標)が第1取込位置43aから第3取込位置43eに取込位置座標が変更される。
【0080】
一方、「いいえ」ボタン524bが選択された場合には、ステップS53において、上記ステップS51での処理と同様に、測定を継続する測定ユニットとして選択されなかった他方の測定ユニット(メンテナンスを行う測定ユニット)に対してサンプル容器100を搬送しないように設定される。その後、ステップS54において、測定の開始指示があったか否かが判断され、開始指示があるまでこの判断が繰り返される。開始指示があるとステップS54において、変更後の設定で搬送および測定処理動作が実行される。そして、ステップS56において、図23に示すように、サービス用コントロール画面521の左側下部の領域521bにメンテナンス測定モードであることを示す記載が表示され、動作が終了される。
【0081】
ここで、図24および図25は、それぞれ、血液分析装置のメンテナンス測定モードにおける測定処理(1)プログラム、測定処理(2)プログラム、およびサンプラ動作処理プログラムの内容を説明するためのフロー図である。また、図26および図27は、それぞれ、本発明の一実施形態による血液分析装置のメンテナンス測定モードにおけるサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。次に、図24〜図27を参照して、図18のステップS55において実行されるメンテナンス測定モード時の第1測定ユニット3、第2測定ユニット2および検体搬送装置4の一連の動作を説明する。なお、以下では、図18のステップS48において、測定を継続する測定ユニットとして、第1測定ユニット3が選択され、かつ、図18のステップS50において、「はい」ボタン524aが選択された(第1測定ユニット3が移動される)場合について説明する。すなわち、図7に示すように、第2測定ユニット2はメンテナンス可能状態で、かつ、第1測定ユニット3は第3設置位置に配置された状態である。また、図26および図27に示すサンプル容器100と各部との位置関係を示す各状態の番号は、それぞれ、図24および図25に示すステップ番号に対応するように付している。また、図24および図25に示すように、血液分析装置のメンテナンス測定モードにおける測定処理(1)プログラム54a、測定処理(2)プログラム54b、およびサンプラ動作処理プログラム54cは、実質的に並行して実行される。
【0082】
まず、ステップS61において、検体搬送装置4の初期化が行われる。具体的には、第1ベルト431の突起片431dが所定の位置に移動され、第1ベルト431の原点位置としてセットされる。ステップS62において、2つの突起片431dがラック送込位置に対応する位置まで移動され、ラック101が第1ベルト431の2つの突起片431dの間に送り込まれる。この際のサンプル容器100と各部との位置関係は、図26の状態62のとおりである。なお、以下では、図26および図27に示す各状態でのサンプル容器100と各部との位置関係の説明は省略する。
【0083】
ステップS63において、ラック101が順送り方向(矢印X1方向)に移動され、ステップS64において、検体有無検知位置43cで有無検知センサ45によりラック101に収容された1本目のサンプル容器100の有無が検知される。そして、ステップS65において、検体有無検知位置43cで2本目のサンプル容器100の有無が検知され、ステップS66において、読取位置43dで1本目のサンプル容器100のバーコード100aがバーコード読取部44により読み取られるとともに、検体有無検知位置43cで3本目の有無が検知される。なお、有無検知センサ45により検知された検知結果、および、バーコード読取部44および356により読み取られたバーコード情報は、随時ホストコンピュータ6に送信される。
【0084】
ここで、本実施形態では、ステップS67において、1本目のサンプル容器100が第3取込位置43eに配置されるように、ラック101が逆送り方向(矢印X2方向)に移動される。すなわち、バーコード100aが読み取られた1本目のサンプル容器100は、メンテナンス中の第2測定ユニット2への検体提供位置(第2取込位置43bおよび第4取込位置43f)には移送されずに、移動後の第1測定ユニット3の第3取込位置43eに移送される。また、ラック101の逆送り方向への搬送時に、バーコード読取部44によりラック101のバーコード101aが読み取られる。そして、ステップS68において、移動後の第3取込位置43eに到達した1本目のサンプル容器100が第1測定ユニット3のハンド部351によりラック101から取り出される。この際、ラック101は、1本目のサンプル容器100が第4取込位置43fに配置された状態で停止している。ステップS69では、第1測定ユニット3において、ハンド部351に把持された1本目のサンプル容器100の検体が攪拌されるとともに、1本目のサンプル容器100が取り出されたラック101が順送り方向に移動される。
【0085】
ステップS70において、第1測定ユニット3では、第1検体セット部355aに1本目のサンプル容器100がセットされるとともに、ラック101の2本目のバーコード100aが読み取られ、4本目のサンプル容器100の有無が検知される。ステップS71では、第1測定ユニット3において、バーコード読取部356により1本目のサンプル容器100のバーコード100aが読み取られ、ステップS72では、第1検体セット部355aに保持された1本目のサンプル容器100が、吸引位置700で一対のチャック部361により挟持されるとともに、検体吸引部31のピアサ311がサンプル容器100の密閉蓋100aに貫通される。その後、ステップS73において、第1測定ユニット3で検体吸引部31により1本目のサンプル容器100内の検体の吸引が行われる。
【0086】
ステップS74において、ハンド部351により第1検体セット部355aから1本目のサンプル容器100が取り出されるとともに、検体吸引部31に吸引された検体について、試料調製、攪拌および分析が行われる。また、ラック101は、逆送り方向に移動される。そして、ステップS75において、1本目のサンプル容器100内の検体についての測定が終了される。
【0087】
次に、ステップS76において、第3取込位置43eで1本目のサンプル容器100が第1測定ユニット3からラック101の元の容器収容部101bに戻され、ステップS77において、ラック101が順送り方向に移動される。そして、ステップS78において、第3取込位置43eに搬送された2本目のサンプル容器100が、第1測定ユニット3のハンド部351によりラック101から取り出される。ステップS79では、第1測定ユニット3において、ハンド部351に把持された2本目のサンプル容器100の検体が攪拌されるとともに、ラック101は順送り方向に移動される。
【0088】
そして、ステップS80において、第1測定ユニット3で、第1検体セット部355aに2本目のサンプル容器100がセットされるとともに、ラック101の3本目のバーコード100aが読み取られ、5本目のサンプル容器100の有無が検知される。ステップS81では、第1測定ユニット3において、バーコード読取部356により2本目のサンプル容器100のバーコード100aが読み取られ、ステップS82において、第1検体セット部355aに保持された2本目のサンプル容器100が、吸引位置700で一対のチャック部361により挟持されるとともに、検体吸引部31のピアサ311がサンプル容器100の密閉蓋100aに貫通される。その後、ステップS83において、第1測定ユニット3で検体吸引部31により1本目のサンプル容器100内の検体が吸引される。
【0089】
ステップS84において、ハンド部351により第1検体セット部355aから1本目のサンプル容器100が取り出されるとともに、検体吸引部31に吸引された検体について、試料調製、攪拌および分析が行われる。また、ラック101は、逆送り方向に移動される。そして、ステップS85において、2本目のサンプル容器100内の検体についての測定が終了される。
【0090】
次に、ステップS86において、第3取込位置43eで2本目のサンプル容器100が第1測定ユニット3からラック101の元の容器収容部101bに戻され、ステップS87において、ラック101が順送り方向に移動される。
【0091】
そして、3本目以降のサンプル容器100についても上記と同様に、第1測定ユニット3で測定処理が行われるとともに、検体搬送装置4でラック101の搬送処理が行われる。このため、図面を簡略化してステップS88において、各部で所定の処理が行われることとし、メンテナンス測定モードにおける所定の処理が継続して実行される。なお、図18のステップS48において、測定を継続する装置として第2測定ユニット2が選択された場合には、上記と同様に所定の処理が実行される。また、図18のステップS50において、「いいえ」ボタン524bが選択された場合には、測定を継続する測定ユニットに応じて、第1取込位置43aまたは第2取込位置43bにサンプル容器100が搬送され、第1取込位置43aまたは第2取込位置43bで測定ユニットにサンプル容器100が取り込まれる。
【0092】
本実施形態では、上記のように、第1測定ユニット3が第1取込位置43aに搬送された検体を取り込み可能な第1設置位置から第3取込位置43eに搬送された検体を取り込み可能な第3設置位置に移動された場合に、第3取込位置43eに検体を搬送するように検体搬送装置4を制御する制御装置5を設けることによって、第2測定ユニット2のメンテナンスが必要な場合に、第2測定ユニット2の移動スペースまたは作業スペースを確保するために、第1測定ユニット3を第1設置位置から第3設置位置に移動した後、第1測定ユニット3において検体を取り込んで測定を行うことができるので、メンテナンス時に、十分な作業スペースを確保しながら検体処理を継続することができる。
【0093】
また、本実施形態では、制御装置5を、第2測定ユニット2が第2設置位置から第4取込位置43fに搬送された検体を取り込む第4設置位置に移動された場合に、第4取込位置43fに検体を搬送するように検体搬送装置4を制御可能に構成するとともに、第4取込位置43fに搬送された検体を取り込んで処理を行うように第2測定ユニット2を制御可能に構成することによって、第1測定ユニット3のメンテナンスが必要な場合に、第1測定ユニット3の移動スペースまたは作業スペースを確保するために、第2測定ユニット2を第2設置位置から第4設置位置に移動した後、第2測定ユニット2において測定を継続することができるので、第2測定ユニット2のメンテナンス時のみならず、第1測定ユニット3のメンテナンス時においても、十分な作業スペースを確保しながら検体処理を継続することができる。
【0094】
また、本実施形態では、設定された搬送距離に基づいて検体を搬送するように検体搬送装置4を構成し、基準位置から第1取込位置43aまでの搬送距離を基準位置から第3取込位置43eまでの搬送距離に設定変更することにより、検体が第3取込位置43eに搬送されるように検体搬送装置4を制御するように制御装置5を構成することによって、搬送距離を設定変更するだけで異なる取込位置(取込位置座標)に検体を搬送することができるので、容易に、検体の搬送位置を変更することができる。
【0095】
また、本実施形態では、第1取込位置43a、第2取込位置43bおよび第3取込位置43eのそれぞれにラック101に保持されたすべて(10本)のサンプル容器100を搬送可能に検体搬送装置4を構成することによって、第1測定ユニット3を第3設置位置に移動した場合にも、ラック101に保持されたすべての検体の測定を行うことができるので、検体の処理能力が低下するのを抑制することができる。
【0096】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0097】
たとえば、本実施形態では、検体処理装置の一例として、血液分析に用いられる測定ユニットを示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、塗抹標本作製装置などの他の検体処理装置であってもよい。
【0098】
また、本実施形態では、検体処理システムの一例として、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットの2つの測定ユニットを備える血液分析装置を示したが、本発明はこれに限らず、3つ以上の測定ユニットを備える血液分析装置であってもよい。
【0099】
また、本実施形態では、制御装置のCPUにより搬送制御および検体の取込制御の両方を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限らず、搬送制御および検体の取込制御をそれぞれ別個に設けられた制御部により行う構成であってもよい。この際、搬送制御を行う制御部を搬送装置に設けるとともに、検体の取込制御を行う制御部を各測定ユニットに設ける構成であってもよい。
【0100】
また、本実施形態では、メンテナンス測定モードに切り替えるために、サービス用パスワードの入力を要求する構成の例を示したが、本発明はこれに限らず、パスワードの入力を受け付けることなくメンテナンス測定モードへの切り替えを行う構成であってもよい。
【0101】
また、本実施形態では、メンテナンス測定モードへの切り替えに際して、測定を継続する測定ユニットの選択を受け付けるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットのうち、測定を中断してメンテナンスに供される測定ユニット、すなわち、第3設置位置または第4設置位置への移動後に測定を行う一方の測定ユニット以外の他方の測定ユニットの選択を受け付けるように構成してもよい。この場合、制御装置は、選択を受け付けなかった一方の測定ユニットを修理用位置へ移動するか否かの選択を受け付ける(図22参照)。修理用位置へ移動する旨の選択を受け付けた場合には、制御装置は、第3取込位置または第4取込位置のうち、選択を受け付けなかった一方の測定ユニットに対応する取込位置に検体を搬送するとともに、選択を受け付けた他方の測定ユニットへ検体を搬送しないように検体搬送装置を制御する。修理用位置へ移動しない旨の選択を受け付けた場合には、制御装置は、第1取込位置または第2取込位置のうち、選択を受け付けなかった一方の測定ユニットに対応する取込位置に検体を搬送するとともに、選択を受け付けた他方の測定ユニットへ検体を搬送しないように検体搬送装置を制御する。
【0102】
また、本実施形態では、検体処理システムの一例として、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットの両方が移動後に測定可能に構成された血液分析装置を示したが、本発明はこれに限らず、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットのうちの一方が移動後に測定を継続することが可能であれば、第1測定ユニットおよび第2測定ユニットのうちの他方は移動後に測定を継続することができない構成であってもよい。
【0103】
また、本実施形態では、設定された搬送距離に基づいて検体搬送装置が所定の位置にサンプル容器を搬送する構成の例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、位置検知センサなどを用いることによって、検体搬送装置が所定の位置にサンプル容器を搬送する構成であってもよい。
【0104】
また、本実施形態では、搬送装置の一例として、第1取込位置、第2取込位置、第3取込位置および第4取込位置のそれぞれに、ラックに保持されたすべて(10本)のサンプル容器を搬送可能な検体搬送装置を示したが、本発明はこれに限らず、メンテナンスのために移動した後の測定ユニットへの検体提供位置である第3取込位置および第4取込位置に、ラックに保持された複数のサンプル容器のうちの一部だけを搬送することができる検体搬送装置であってもよい。
【0105】
また、本実施形態では、コンピュータプログラムの一例として、測定処理(1)プログラム、測定処理(2)プログラムおよびサンプラ動作処理プログラムの3つのコンピュータプログラムを示したが、本発明はこれに限らず、測定処理(1)プログラム、測定処理(2)プログラムおよびサンプラ動作処理プログラムの3つのプログラムの内容を含む1つのコンピュータプログラムであってもよい。
【0106】
また、本実施形態では、有無検知位置とバーコード読取位置とを異なる位置に配置する例を示したが、本発明はこれに限らず、有無検知位置とバーコード読取位置とが同位置に配置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の一実施形態による血液分析装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による血液分析装置の測定ユニットおよび検体搬送装置を示す概略図である。
【図3】図1に示した一実施形態による血液分析装置の測定ユニットおよび検体搬送装置を示す斜視図である。
【図4】図1に示した一実施形態による血液分析装置のラックおよびサンプル容器を示す斜視図である。
【図5】図1に示した一実施形態による血液分析装置の基台を説明するための斜視図である。
【図6】図1に示した一実施形態による血液分析装置の測定ユニットの構成を説明するための概略図である。
【図7】図1に示した一実施形態による血液分析装置の測定ユニットの構成を説明するための概略図である。
【図8】図1に示した一実施形態による血液分析装置の基台を説明するための斜視図である。
【図9】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置を説明するための平面図である。
【図10】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置を説明するための側面図である。
【図11】図1に示した一実施形態による血液分析装置の検体搬送装置を説明するための側面図である。
【図12】図1に示した一実施形態による血液分析装置の制御装置を説明するためのブロック図である。
【図13】図1に示した一実施形態による血液分析装置の測定処理プログラムによる測定処理動作を説明するためのフロー図である。
【図14】図1に示した一実施形態による血液分析装置の通常モードにおける測定処理(1)プログラム、測定処理(2)プログラム、およびサンプラ動作処理プログラムの内容を説明するためのフロー図である。
【図15】図1に示した一実施形態による血液分析装置の通常モードにおける測定処理(1)プログラム、測定処理(2)プログラム、およびサンプラ動作処理プログラムの内容を説明するためのフロー図である。
【図16】図1に示した一実施形態による血液分析装置の通常モードにおけるサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【図17】図1に示した一実施形態による血液分析装置の通常モードにおけるサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【図18】図1に示した一実施形態による血液分析装置のメンテナンス測定モード切替処理動作を説明するためのフロー図である。
【図19】図1に示した一実施形態による血液分析装置の表示部に表示されるサービス用コントロール画面を示した図である。
【図20】図1に示した一実施形態による血液分析装置の表示部に表示されるサービスメニュー画面を示した図である。
【図21】図1に示した一実施形態による血液分析装置の表示部に表示される測定ユニット選択画面を示した図である。
【図22】図1に示した一実施形態による血液分析装置の表示部に表示される移動確認画面を示した図である。
【図23】図1に示した一実施形態による血液分析装置の表示部に表示されるサービス用コントロール画面を示した図である。
【図24】図1に示した一実施形態による血液分析装置のメンテナンス測定モードにおける測定処理(1)プログラム、測定処理(2)プログラム、およびサンプラ動作処理プログラムの内容を説明するためのフロー図である。
【図25】図1に示した一実施形態による血液分析装置のメンテナンス測定モードにおける測定処理(1)プログラム、測定処理(2)プログラム、およびサンプラ動作処理プログラムの内容を説明するためのフロー図である。
【図26】図1に示した一実施形態による血液分析装置のメンテナンス測定モードにおけるサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【図27】図1に示した一実施形態による血液分析装置のメンテナンス測定モードにおけるサンプル容器と各部との位置関係を示す図である。
【符号の説明】
【0108】
1 血液分析装置(検体処理システム)
2 第2測定ユニット(第2検体処理装置)
3 第1測定ユニット(第1検体処理装置)
4 検体搬送装置(搬送装置)
5 制御装置(搬送制御手段、取込制御手段、選択受付手段、モード切替手段)
43a 第1取込位置
43b 第2取込位置
43e 第3取込位置
43f 第4取込位置
54a 測定処理(1)プログラム(コンピュータプログラム)
54b 測定処理(2)プログラム(コンピュータプログラム)
54c サンプラ動作処理プログラム(コンピュータプログラム)
523 測定ユニット選択画面(選択受付手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1取込位置、第2取込位置および第3取込位置に検体を搬送可能に構成された搬送装置と、
前記第1取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第1設置位置および前記第3取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第3設置位置に設置可能で、かつ、前記第1設置位置に設置された場合に、前記第1取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行い、前記第3設置位置に設置された場合に、前記第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行う第1検体処理装置と、
少なくとも前記第2取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第2設置位置に設置可能で、かつ、前記第2設置位置に設置された場合に、前記第2取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行う第2検体処理装置と、
前記第1検体処理装置が前記第1設置位置から前記第3設置位置に移動された場合に、前記第3取込位置に検体を搬送するように前記搬送装置を制御する搬送制御手段とを備える、検体処理システム。
【請求項2】
前記搬送装置は、前記第1取込位置、前記第2取込位置および前記第3取込位置に加えて、第4取込位置に検体を搬送可能に構成されており、
前記第2検体処理装置は、前記第2設置位置に加えて、前記第4取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第4設置位置に設置可能で、かつ、前記第4設置位置に設置された場合に、前記第4取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行うことが可能であり、
前記搬送制御手段は、前記第2検体処理装置が前記第2設置位置から前記第4設置位置に移動された場合に、前記第4取込位置に検体を搬送するように前記搬送装置を制御可能に構成されている、請求項1に記載の検体処理システム。
【請求項3】
前記第1検体処理装置は、前記第1設置位置を基準に前記第2設置位置から離れる方向へ移動することにより、前記第3設置位置に設置可能であり、
前記第2検体処理装置は、前記第2設置位置を基準に前記第1設置位置から離れる方向へ移動することにより、前記第4設置位置に設置可能である、請求項2に記載の検査処理システム。
【請求項4】
前記第1検体処理装置および前記第2検体処理装置のうち、前記第3設置位置または前記第4設置位置への移動後に検体処理を行う一方の検体処理装置の選択を受け付ける選択受付手段をさらに備え、
前記搬送制御手段は、前記選択受付手段により前記第1検体処理装置の選択が受け付けられた場合には、前記第3取込位置に検体を搬送し、前記選択受付手段により前記第2検体処理装置の選択が受け付けられた場合には、前記第4取込位置に検体を搬送するように前記搬送装置を制御するように構成されている、請求項2または3に記載の検体処理システム。
【請求項5】
前記第1取込位置および前記第2取込位置に検体を搬送するように前記搬送装置を制御するとともに、前記第1検体処理装置および前記第2検体処理装置によって搬送された検体を取り込んで処理を行う第1のモードと、少なくとも前記第3取込位置に検体を搬送するように前記搬送装置を制御可能であり、かつ、前記第1検体処理装置によって前記第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行うことが可能な第2のモードとを切り替えるモード切替手段をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の検体処理システム。
【請求項6】
前記モード切替手段により前記第2のモードに切り替えられた場合に、前記第1取込位置および前記第3取込位置のうちの選択された一方に検体を搬送するように前記搬送装置を制御するとともに、前記第1取込位置が選択された場合には、前記第1検体処理装置によって前記第1取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行い、前記第3取込位置が選択された場合には、前記第1検体処理装置によって前記第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行うように構成されている、請求項5に記載の検体処理システム。
【請求項7】
前記モード切替手段により前記第2のモードに切り替えられた場合に、前記搬送制御手段は、前記第1取込位置または前記第3取込位置のうちの選択されていない他方の取込位置および前記第2取込位置の両方に検体を搬送しないように前記搬送装置を制御するように構成されている、請求項6に記載の検体処理システム。
【請求項8】
前記搬送装置は、前記搬送制御手段により設定された搬送距離に基づいて検体を搬送するように構成されており、
前記搬送制御手段は、基準位置から前記第1取込位置までの搬送距離を前記基準位置から前記第3取込位置までの搬送距離に設定変更することによって、検体が前記第3取込位置に搬送されるように前記搬送装置を制御するように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の検体処理システム。
【請求項9】
前記第1検体処理装置が前記第1設置位置から前記第3設置位置に移動された場合に、前記第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行うように前記第1検体処理装置を制御する取込制御手段をさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の検体処理システム。
【請求項10】
第1取込位置に検体を搬送する第1の搬送工程と、
前記第1取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第1設置位置に設置された第1検体処理装置により、前記第1取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行う第1の検体処理工程と、
第2取込位置に検体を搬送する第2の搬送工程と、
前記第2取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第2設置位置に設置された第2検体処理装置により、前記第2取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行う第2の検体処理工程と、
前記第1検体処理装置が前記第1設置位置から第3取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第3設置位置に移動された場合に、前記第3取込位置に検体を搬送する第3の搬送工程と、
前記第3設置位置に設置された第1検体処理装置により、前記第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理を行う第3の検体処理工程とを備える、検体処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
搬送装置により、第1取込位置に検体を搬送する第1搬送手段と、
前記第1取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第1設置位置に設置された第1検体処理装置により、前記第1取込位置に搬送された検体を取り込んで処理する第1検体処理手段と、
搬送装置により、第2取込位置に検体を搬送する第2搬送手段と、
前記第2取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第2設置位置に設置された第2検体処理装置により、前記第2取込位置に搬送された検体を取り込んで処理する第2検体処理手段と、
前記第1検体処理装置が前記第1設置位置から第3取込位置に搬送された検体を取り込み可能な第3設置位置に移動された場合に、前記搬送装置により、前記第3取込位置に検体を搬送する第3搬送手段と、
前記第3設置位置に設置された第1検体処理装置により、前記第3取込位置に搬送された検体を取り込んで処理する第3検体処理手段として機能させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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